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JP2025006954A - 油性ボールペン - Google Patents

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JP2025006954A
JP2025006954A JP2023108022A JP2023108022A JP2025006954A JP 2025006954 A JP2025006954 A JP 2025006954A JP 2023108022 A JP2023108022 A JP 2023108022A JP 2023108022 A JP2023108022 A JP 2023108022A JP 2025006954 A JP2025006954 A JP 2025006954A
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博考 益田
孝広 城下
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Pilot Corp
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Abstract

【課題】本発明の課題は、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ消費量を多くすることできて、濃い筆跡とすることが可能な油性ボールペンを得ることである。
【解決手段】インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、着色剤、有機溶剤、樹脂を含んでなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンであって、
前記油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、1000mPa・s以上10000mPa・s以下であって、
前記油性ボールペンが、筆記加重200gf 筆記角度70°において、筆記速度4m/minの摩擦係数が0.13以上であり、
100mあたりのインキ消費量が30mg以上100mg以下であることを特徴とする油性ボールペン。
【選択図】 なし

Description

本発明は油性ボールペンに関するものである。
従来の油性ボールペンインキは、インキ粘度が高く、単に重たい書き味となってしまい、インキ吐出も少なく、筆跡が薄くなってしまった。さらに、筆記時の筆記抵抗が高いので、潤滑性が悪く、ボール座の摩耗が促進してしまい、筆記不良になってしまうこともあった。(特許文献1)
こうした問題を解決するため、油性ボールペンインキは、低粘度インキ10000mPa・s以下とし、滑らかにして、書き味を向上して、良好な筆記性能が得られるようになった。(特許文献2、3)
特願平6-64988号公報 特開2004-107594号公報 特開2001-152069号公報
油性ボールペンインキを低粘度インキに設定したり、様々な各種潤滑剤を用いて、筆記先端部と被筆記面との間で筆記抵抗を低減して、書き味を向上し、さらにインキ吐出を良好にして、濃い筆跡とすることができるようになったが、一方でボールが滑りすぎることで、書き間違えてしまったり、筆記した感触がなく、良好な書き心地が感じられないなど改善の余地があった。
本発明の目的は、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ消費量が多くできて、濃い筆跡とする油性ボールペンを得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために
「1.インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、着色剤、有機溶剤、樹脂を含んでなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンであって、
前記油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、1000mPa・s以上10000mPa・s以下であって、
前記油性ボールペンが、筆記加重200gf 筆記角度70°において、筆記速度4m/minの摩擦係数が0.13以上であり、
100mあたりのインキ消費量が30mg以上100mg以下であることを特徴とする油性ボールペン。
2.筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度4m/minの摩擦係数をX、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度0.1m/minの摩擦係数をYとした場合の比が、0.8≦X/Y≦1.3であることを特徴とする第1項に記載の油性ボールペン。
3.前記樹脂が、ロジン樹脂、ケトン樹脂、テルペンフェノール樹脂の中から選択することを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペン。
4.前記樹脂の軟化点が、50℃以上130℃以下であることを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペン。
5.前記樹脂の含有量が、10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペン。
6.前記界面活性剤が、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸であることを特徴とする第1項または第2項に記載の油性ボールペン。」とする。
本発明は、ボールが滑りすぎることなく、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ吐出を良好として、インキ消費量を多くすることできて、濃い筆跡とすることが可能な油性ボールペンを得ることができた。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」等は特に断らない限り質量基準である。
本発明の特徴は、インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、着色剤、有機溶剤、樹脂を含んでなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンであって、油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、1000mPa・s以上10000mPa・s以下であって、油性ボールペンが、筆記加重200gf 筆記角度70°において、筆記速度4m/minの摩擦係数が0.13以上であり、100mあたりのインキ消費量を30mg以上100mg以下とすることで、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ消費量を多くすることできて、濃い筆跡とすることができる。
(摩擦係数)
本発明で用いる油性ボールペンについては、筆記加重200gf 筆記角度70°において、筆記速度4m/minの摩擦係数を0.13以上とすることで、ボールが滑りすぎることなく、重みを感じる書き味を有して、しっかりとした書き味(書き心地)を得ることが可能である。さらに、よりしっかりとした書き味(書き心地)とするには、摩擦係数を0.14以上とすることが好ましく、0.15以上とすることが好ましく、さらには0.16以上が好ましい。
一方、油性ボールペンの摩擦係数が、大きすぎると、重すぎる書き味となり、書き味が劣ったり、インキ吐出性が劣ってしまい、濃い筆跡が得られにくくなり、さらにボール座の摩耗も劣りやすくなるため、摩擦係数を0.20以下が好ましく、0.19以下とすることが好ましい。
なお、摩擦係数の関係は、以下の式を用いて算出される。
摩擦係数(動摩擦係数)=筆記抵抗値(動摩擦力)/筆記荷重(法線力)
<筆記抵抗測定>
上記で得られたボールペン用レフィルを外装に装填し、JIS S6039(ISO12757-1)に記載の筆記試験機により、筆記角度65°、筆記荷重100g(0.98N)、筆記速度4m/minにて100m筆記した後、表面性測定機(商品名:HEIDON-14D、新東科学株式会社製、)を用いて、筆記角度70°、4m/min、筆記荷重200g(1.96N)の条件下で、上質紙(旧JIS P3201に規定される筆記用紙Aに相当するもの。化学パルプ100%を原料に抄造され、秤量範囲40~157g/m2 、白色度75.0%以上)上で、直線筆記した際の筆記抵抗を測定した。
(インキ粘度、インキ消費量)
また、上記のように摩擦係数0.13と設定するだけでは、インキ吐出性が十分ではなく、濃い筆跡が得られないため、20℃、剪断速度200sec-1(筆記時)におけるインキ粘度を10000mPa・s以下とする必要がある。これによって、インキ吐出性が良好となり、濃い筆跡が得られ、さらに、よりしっかりとした書き味(書き心地)が得られる。より考慮すれば、8000mPa・s以下がより好ましく、より考慮すれば、インキ粘度が6000mPa・s以下が好ましく、さらに5000mPa・s以下が好ましい。
一方、インキ粘度が1000mPa・s未満としてインキ粘性が低すぎると、ボールが滑りすぎることで、書き間違えてしまったり、筆記した感触がなく、良好な書き心地が感じられずらく、さらに筆跡に裏抜け、泣きボテ、にじみ、筆跡乾燥性などの筆記性、顔料分散性に影響が生じやすいため、インキ粘度が1000mPa・s以上が好ましく、より考慮すれば、インキ粘度が2000mPa・s以上が好ましく、より考慮すれば、3000mPa・s以上が好ましい。
尚、インキ粘度について、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP-52スピンドルを使用して、行った。
上記のように、摩擦係数とインキ粘度を設定することで、油性ボールペンの100mあたりのインキ消費量は、30mg以上として、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ消費量を多くすることできて、濃い筆跡とすることができ、さらに筆跡に線とび・カスレがなく、筆記性が良好とすることができる。より考慮すれば、35mg以上であることが好ましい。
一方、油性ボールペンの100mあたりのインキ消費量は、100mgを越えると、筆跡に裏抜け、泣きボテ、にじみ、筆跡乾燥性などの筆記性、インキ追従性に影響が生じやすいため、インキ消費量は100mg以下が好ましく、より考慮すれば、90mg以下であることが好ましく、80mg以下であることが好ましい。
なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度70°、筆記荷重200gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、初期0~100m時点の100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
さらに、摩擦係数については、鋭意検討して、通常筆記時と、ゆっくり筆記時の摩擦係数との関係を鋭意検討したところ、重みを感じる書き味を有して、しっかりとした書き味(書き心地)を得ながら、濃い筆跡とすることを考慮すれば、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度4m/minの摩擦係数をX(通常筆記時)、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度0.1m/minの摩擦係数をY(ゆっくり筆記時)とした場合の比が、0.8≦X/Y≦1.2とすることが好ましい。さらに安定して、重みを感じる書き味を有して、しっかりとした書き味(書き心地)を得ることを考慮すれば、0.85≦X/Y≦1.15とすることが好ましく、さらに0.9≦X/Y≦1.1とすることが好ましい。
さらに、上記のように摩擦係数、インキ粘度、インキ消費量を設定することで、筆記初期~筆記終了まで、インキ消費量が安定しやすいため、ボール座の摩耗を抑制し、筆跡にカスレが出にくく、濃い筆跡である良好な筆記性能を安定的に得られやすいため、好ましい。
具体的には、初期0~100m時点のインキ消費量Amgと、インキ終了前100mのインキ消費量Bmgとしたときに、初期0~100m時点のインキ消費量Amgに対する、インキ終了前100mのインキ消費量Bmgとした場合の比が、0.8≦A/B≦1.2であることが好ましく、0.9≦A/B≦1.1であることが好ましい。
(樹脂)
本発明では、樹脂は、しっかりとした書き味(書き心地)を得られるようにし、インキ粘度調整をするなどすることができるため、樹脂を用いる。樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ケトン樹脂、アミド樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、マレイン酸樹脂、アルキルフェノール樹脂、スチレン-マレイン酸樹脂、エチレン-マレイン酸樹脂、スチレン-アクリル樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、セルロース樹脂、石油樹脂、クマロン-インデン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリメタクリル酸エステル、ケトン-ホルムアルデヒド樹脂、α-及びβ-ピネン・フェノール重縮合樹脂などが挙げられる。これらは単独又は2種以上用いても良い。
これらの樹脂の中でも、ボールが滑りすぎることなく、重みを感じる書き味を有することで、しっかりとした書き味(書き心地)を得ながら、ボール座の摩耗抑制しやすくするには、ロジン樹脂、ケトン樹脂、テルペンフェノール樹脂の中から選択することが好ましい。樹脂の量を多く含有してもインキ粘度が大きく変化しづらく、本発明の効果を得られやすくすることを考慮すれば、ロジン樹脂、ケトン樹脂から選択することが好ましく、さらに、しっかりとした書き味(書き心地)を考慮すれば、ロジン樹脂から選択することが好ましく。
また、ロジン樹脂については、ロジンエステル、水添ロジンエステル、重合ロジンエステルなどが挙げられるが、よりしっかりとした書き味(書き心地)を得ることを考慮すれば、ロジンエステル、水添ロジンエステルを用いることが、好ましく、より考慮すれば、ロジンエステルを用いることが好ましい。
樹脂の軟化点については、適度な弾力性を有することで、しっかりとした書き味(書き心地)を得られるやすくするには、50℃以上130℃以下であることが好ましく、よりしっかりとした書き味(書き心地)、ボール座の摩耗抑制を考慮すれば、60℃以上120℃以下であることが好ましく、より考慮すれば65℃以上110℃以下であることが好ましく、、より考慮すれば70℃以上100℃以下であることが好ましい。ここで、前記樹脂の軟化点はJIS K2207に準じて測定した値である。
樹脂の酸価としては、本発明の効果を得られやすくするには、上限としては、50mgKOH/g以下が好ましく、30mgKOH/g以下であることが好ましく、さらに、より考慮すれば15mgKOH/g以下であるより好ましく、10mgKOH/g以下であることが好ましく、下限としては、0.1mgKOH/g以上であることが好ましく、5mgKOH/g以上であることが好ましい。
なお、酸価は、樹脂1g中に含有する酸基を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数で、測定方法は既知の方法でよく、一般的にはJIS K0070に準じて行われる。
樹脂の含有量は、インキ組成物全量に対し、5質量%より少ないと、しっかりとした書き味(書き心地)を得ながら、ボール座の摩耗抑制しやすくする効果を得るには十分な効果が得られにくいため、5質量%以上が好ましく、より考慮すれば、10質量%以上が好ましく、15質量%以上が好ましい。また、インキ組成物全量に対する樹脂の含有量が50質量%を越えると、インキ中で溶解性が劣りやすく、さらにインキ粘度が高くなりすぎて、インキ消費量の低下や、書き味、書き出し性能に影響しやすいため、40質量%以下が好ましく、より考慮すれば、35質量%以下が好ましく、30質量%以下が好ましい。
(有機溶剤)
本発明に用いる有機溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール等のグリコールエーテル溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコール等のグリコール溶剤、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t-ブタノール、プロパギルアルコール、アリルアルコール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール溶剤など、筆記具用インキとして一般的に用いられる有機溶剤が例示できる。
これらの有機溶剤の中でも、着色剤、樹脂、界面活性剤との溶解性を考慮すれば、本発明の効果が得られやすいため、グリコールエーテル溶剤を用いることが好ましい。これは、溶解安定するため、長期間保存においてもインキ経時が安定しやすいためである。さらに、グリコールエーテル溶剤を用いると、吸湿しやすいため、チップ先端部が乾燥したときに形成する被膜の強度を軟化させ、書き出し性能も向上しやすいためであり、後述する界面活性剤と併用するとより効果的で、インキ中での安定性を考慮すれば、芳香族グリコールエーテル溶剤を用いることが好ましい。さらに、グリコールエーテル溶剤以外の有機溶剤については、アルコール溶剤を用いることが好ましいが、これは、アルコ-ル溶剤は揮発して、チップ先端での乾燥をしやすく、筆記先端部内(チップ先端部内)をより早く増粘させることで、筆記先端部の間隙からインキ漏れを抑制して、インキ漏れ抑制性能を向上するためで、好ましい。さらに、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコ-ルは、潤滑性を向上する効果もあるため、少なくとも用いる方が好ましい。
また、有機溶剤の含有量は、溶解性、裏抜け、筆跡乾燥性、にじみ等を向上することを考慮すると、インキ組成物全量に対し、10質量%以上、90質量%以下が好ましく、25質量%以上、80質量%以下が好ましく。
(着色剤)
本発明に用いる油性ボールペン用インキ組成物に用いられる着色剤は、染料、顔料等、特に限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。染料、顔料を併用しても良い。
油性インキ組成物に用いる染料としては、油溶性染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料などや、それらの各種造塩タイプの染料等として、酸性染料と塩基性染料との造塩染料、有機酸と塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料などの種類が挙げられる。その中でも、適度な弾力性を有することで、しっかりとした書き味(書き心地)を得られるやすいため、造塩染料を用いることが好ましく、さらに、造塩結合が安定していることで経時安定性を保てることで本発明の効果を得られやすいことを考慮すれば、塩基性染料と有機酸との造塩染料、酸性染料との塩基性染料との造塩染料、酸性染料と有機アミンとの造塩染料の中から選択することが好ましい。
染料としては、バリファーストブラック1802、バリファーストブラック1805、バリファーストブラック1807、バリファーストバイオレット1701、バリファーストバイオレット1704、バリファーストバイオレット1705、バリファーストブルー1601、バリファーストブルー1605、バリファーストブルー1613、バリファーストブルー1621、バリファーストブルー1631、バリファーストレッド1320、バリファーストレッド1355、バリファーストレッド1360、バリファーストイエロー1101、バリファーストイエロー1151、ニグロシンベースEXBP、ニグロシンベースEX、BASE OF BASIC DYES ROB-B、BASE OF BASIC DYES RO6G-B、BASE OF BASIC DYES VPB-B、BASE OF BASIC DYES VB-B、BASE OF BASIC DYES MVB-3(以上、オリヱント化学工業(株)製)、アイゼンスピロンブラック GMH-スペシャル、アイゼンスピロンバイオレット C-RH、アイゼンスピロンブルー GNH、アイゼンスピロンブルー 2BNH、アイゼンスピロンブルー C-RH、アイゼンスピロンレッド C-GH、アイゼンスピロンレッド C-BH、アイゼンスピロンイエロー C-GNH、アイゼンスピロンイエロー C-2GH、S.P.T.ブルー111、S.P.T.ブルーGLSH-スペシャル、S.P.T.レッド533、S.P.T.オレンジ6、S.B.N.イエロー510、S.B.N.イエロー530、S.R.C-BH(以上、保土谷化学工業(株)製)等が挙げられる。
顔料としては、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ジオキサジン系、メタリック顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料等が挙げられる。
これらの染料や顔料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
また、着色剤としては、顔料を用いることが好ましい、これは、顔料を用いることで、ボールペンの場合は、ボールとチップ本体の隙間に顔料粒子が入り込むことで、ベアリングのような作用が働きやすく、金属接触を抑制することで、潤滑性を向上し、ボール座の摩耗を抑制する効果が得られやすいため、顔料を用いることが好ましい。本発明では、樹脂と顔料を用いることで、ボール座の摩耗抑制効果を得られやすいため、顔料を用いることは、より効果的である。さらに、後述する界面活性剤による潤滑層と、顔料粒子、樹脂との相乗効果によって、ボール座の摩耗抑制と、書き味を向上しやすいため、好ましい。
顔料については、平均粒子径は、1nm以上500nm以下とすることが好ましい。より好ましくは、30nm以上350nm以下であり、さらに好ましくは、50nm以上300nm以下である。これは、上記範囲とすることで、より滑り性を向上することで、ボール座の摩耗の抑制と、書き味を向上する効果が得られやすい。
ここで、平均粒子径は、レーザー回折法、具体的には、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320-X100」、日機装株式会社)を用いて、標準試料や他の測定方法を用いてキャリブレーションした数値を基に測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により求めることができる。
尚、前記顔料は、油性ボールペン用インキ組成物中での顔料の分散状態で前記した作用効果を奏するため、分散状態の粒子径を求めることが好ましい。
顔料の種類としては、カーボンブラック、キナクリドン系、スレン系、ジケトピロロピロール系の顔料の中から用いることが好ましく、さらに線トビや筆跡カスレを抑制し、ボール座の摩耗の抑制することを考慮すれば、カーボンブラック、ジケトピロロピロール系の顔料を用いることが好ましい。
着色剤の含有量は、インキ組成物全量に対し、5質量%以上、50質量%以下が好ましい。これは、5質量%未満だと、ボール座の摩耗の抑制、濃い筆跡が得られにくい傾向があり、50質量%を越えると、インキ中での溶解性に影響しやすい傾向があるためで、よりその傾向を考慮すれば、7質量%以上、45質量%以下が好ましく、さらに考慮すれば、10質量%以上、45質量%以下である。
(界面活性剤)
本発明においては、界面活性剤を用いることが好ましい。これは、前記摩擦係数を0.13以上と設定しやすく、重みを感じる書き味を有して、しっかりとした書き味(書き心地)を得られやすいためであり、さらに樹脂と界面活性剤を併用することで、前記摩擦係数を0.13以上と設定しやすく、上記効果を得られやすくなる。
さらに、本発明のように樹脂を用いる場合は、筆記先端部(チップ先端部)を大気中に放置した状態で、該筆記先端部(チップ先端部)が乾燥したときの書き出し性能を向上しやすくする効果が得られるため、界面活性剤を用いることが好ましい。これは、界面活性剤を用いると、形成される被膜を柔らかくする傾向があり、書き出し性能を改良でき、さらに潤滑性も向上することができ、ボール座の摩耗抑制が得られやすい。特に、樹脂の含有量を、インキ組成物全量に対し、10質量%以上と多くした場合は、書き出し性能に影響しやすいため、効果的であり、15質量%以上がより効果的で、20質量%以上がより効果的である。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、脂肪酸、脂肪酸エステルなどが挙げられる。その中でも、上記効果を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸、脂肪酸エステルから選択することが好ましい。さらに、しっかりとした書き味(書き心地)、ボール座の摩耗抑制、書き出し性能を考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸から選択することが、より考慮すれば、リン酸エステル系界面活性剤が好ましい。
リン酸エステル系界面活性剤としては、具体的には、アルコキシエチル基(C2n+1OCHCHO)またはアルコキシ基(C2m+1O)を有するリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸トリエステル、アルキルリン酸エステル、アルキルエーテルリン酸エステル或いはその誘導体等が挙げられる。
リン酸エステル系界面活性剤については、具体的には、phoslexシリーズ(SC有機化学(株)製)、JPシリーズ(城北化学工業(株)製)、プライサーフシリーズ(第一工業(株)製)、フォスファノールシリーズ(東邦化学工業(株)製)、NIKKOLシリーズ(日光ケミカルズ(株)製)などが挙げることができる。
リン酸エステル系界面活性剤の中でも、しっかりとした書き味(書き心地)、ボール座の摩耗抑制、書き出し性能を向上することを考慮すれば、アルコキシエチル基(C2n+1O-CO)またはアルコキシ基(C2m+1O)を有するリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸モノエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルのリン酸ジエステルの中から選択されることが好ましい。
さらに、リン酸エステル系界面活性剤の中でも、よりしっかりとした書き味(書き心地)、書き出し性能を向上することを考慮すれば、アルコキシル基(C2m+1O)を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい。これは、アルコキシル基(C2m+1O)を有すると均一に濡れ広がりやすくなり、さらに樹脂との相溶関係も働くため、書き出し性能を向上しやすい。
また、よりしっかりとした書き味(書き心地)、ボール座の摩耗抑制を考慮すれば、アルコキシエチル基(C2n+1O-CO)を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましい。
前記リン酸エステル系界面活性剤については、アルコキシエチル基(C2n+1O-CO)またはアルコキシ基(C2m+1O)の末端アルキル基の炭素鎖(n,m)については、1以上20以下とすることが好ましい。さらに、アルコキシエチル基(C2n+1O-CO)またはアルコキシ基(C2m+1O)の末端アルキル基の炭素鎖(n,m)が適度の長さを有すると、上記効果を保ちやすいため、前記末端アルキル基の炭素鎖(n,m)は、1以上20以下であることが好ましく、4以上18以下であることが好ましい。
よりしっかりとした書き味(書き心地)、書き出し性能を向上することを考慮すれば、前記炭素鎖(n,m)は、8以上20以下であることが好ましく、前記炭素鎖(n,m)は、10以上18以下、12以上18以下であることが好ましい。
また、よりしっかりとした書き味(書き心地)、ボール座の摩耗抑制を考慮すれば、前記炭素鎖(n,m)は、1以上15以下であることが好ましく、前記炭素鎖(n,m)は、3以上10以下、3以上6以下であることが好ましい。
さらに、リン酸エステル系界面活性剤の中でも、滑り性を向上し、ボール座の摩耗を抑制すること、書き出し性能、書き味を向上することを考慮すれば、アルキル基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いることが好ましく、特に、アルキル基に含まれる炭素数が8以上18以下であることが好ましく、10以上18以下であることがより好ましく、12以上18以下であることがさらに好ましい。これは、アルキル基の炭素数が過度に少ないと、滑り性が不足しやすい傾向があり、炭素数が過度に多いと、経時安定性に影響が出やすい傾向があるためである。
また、リン酸エステル系界面活性剤を用いる場合は、酸価は、150(mgKOH/g)以下とすることが好ましく、120(mgKOH/g)以下とすることがより好ましく、100以下とすることがさらに好ましい、これは、リン酸エステル系界面活性剤による滑り性の向上を発揮しやすくするためである。さらに油性ボールペン用インキ組成物中での安定性や、潤滑性を考慮すれば、酸価は30(mgKOH/g)以上150(mgKOH/g)以下が好ましく、40(mgKOH/g)以上120(mgKOH/g)以下が好ましく、40(mgKOH/g)以上100(mgKOH/g)以下がより好ましい。
なお、酸価については、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
界面活性剤の含有量は、油性ボールペン用インキ組成物全量に対し、0.1質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、より滑り性を向上することで、ボール座の摩耗を抑制、書き出し性能、書き味を向上するが得られにくく、5.0質量%を越えると、インキ経時が不安定性になりやすいためである。これらをより考慮すれば、油性ボールペン用インキ組成物全量に対する界面活性剤の含有量は、0.3質量%以上4.0質量%以下が好ましく、より考慮すれば、0.5質量%以上3.0質量%以下が好ましい。
(有機アミン)
本発明では、リン酸エステル系界面活性剤などの界面活性剤を用いる場合、中和することで、インキ中で溶解安定させ、安定して本発明の効果が得られやすいため、好ましい。有機アミンとしては、オキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のエチレンオキシドを有するアミンや、ラウリルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミンや、ジステアリルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン等のジメチルアルキルアミン等の脂肪族アミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン等が挙げられる。これらの中でも本発明の効果を考慮すれば、脂肪族アミンまたはエチレンオキシドを有するアミンが好ましく、さらにインキ安定性を考慮すれば、脂肪族アミンが好ましい。これらは、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
さらに、前記有機アミンの全アミン価は、着色剤、樹脂、界面活性剤やその他の成分との安定性を考慮すれば、300(mgKOH/g)以下とすることが好ましい。これは、300(mgKOH/g)を超えると、反応性が強いため、上記成分に影響しやすいため、インキ経時安定性に影響しやすく、より考慮すれば全アミン価は、250(mgKOH/g)以下が好ましい。一方、上記効果を考慮して、全アミン価の下限値は、100(mgKOH/g)以上が好ましく、より考慮すれば全アミン価は、150(mgKOH/g)以上が好ましく、さらに200(mgKOH/g)以上が好ましい。
なお、全アミン価については、1級、2級、3級アミンの総量を示すもので、試料1gを中和するのに要する塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数で表すものとする。
前記有機アミンの含有量は、着色剤、樹脂、界面活性剤やその他の成分との安定性を考慮すれば、インキ組成物全量に対し、0.1質量%以上、10質量%以下が好ましく、さらに前述した界面活性剤に対する中和を考慮すれば、0.5質量%以上、5質量%以下が好ましい。
また、その他として、粘度調整剤として、脂肪酸アマイド、水添ヒマシ油などの擬塑性付与剤を、また、着色剤安定剤、可塑剤、キレート剤、水などを適宜用いても良い。これらは、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
(ボールペン)
ボールペンチップについては、ボールとチップ本体との間の潤滑性を保ち、筆跡カスレの抑制と、ボール座の摩耗抑制をして、書き味を向上すること、ボール抱持室の底壁に、略円弧面状のボール座を設けることが好ましい。
また、本発明で用いるボールペンチップのボール表面の算術平均粗さ(Ra)については、0.1nm以上、12nm以下とすること好ましい。これは、算術平均粗さ(Ra)が上記範囲であると、ボール表面にインキが載りやすく、濃い筆跡としやすく、さらにボール座の摩耗抑制効果が得られやすいためである。より考慮すれば、前記算術平均粗さ(Ra)が0.1nm以上、10nm以下が好ましく、より好ましくは、1nm以上、8nm以下である。なお、表面粗さの測定は(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)で求めることができる。
また、ボールに用いる材料は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボール、ステンレス鋼などの金属ボール、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、シリカ、ジルコニアなどのセラミックスボール、ルビーボールなどが挙げられる。
また、ボ-ルペンチップの材料は、ステンレス鋼、洋白、ブラス(黄銅)、アルミニウム青銅、アルミニウムなどの金属材、ポリカーボネート、ポリアセタール、ABSなどの樹脂材が挙げられるが、ボール座の摩耗、経時安定性を考慮するとステンレス製のチップ本体とすることが好ましい。
また、本発明に用いるボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、3μm以上、25μm以下とするのが好ましい。これは、上記範囲であると、しっかりとした書き味(書き心地)としながらも、インキ消費量を多くすることできて、濃い筆跡としやすいためで、より考慮すれば、ボールペンチップのボールの縦軸方向の移動量が、3μm以上、22μm以下とするのが好ましく、5μm以上、20μm以下とするのが好ましく、より考慮すれば、7μm以上、18μm以下とするのが好ましい。
前記インキ収容筒にインキを直接収容する場合、インキの後端にはインキ逆流防止体を充填することもできる。
前記インキ逆流防止体組成物は不揮発性液体又は難揮発性液体からなる。
具体的には、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α-オレフィン、α-オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等があげられ、一種又は二種以上を併用することもできる。
(実施例)
以下、本発明について実施例により具体的に説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
実施例1の油性ボールペン用インキ組成物は、ディスパー攪拌機を用いて、60℃にて、着色剤、有機溶剤、リン酸エステル系界面活性剤、有機アミン、樹脂を採取し、攪拌して溶解させた後、室温冷却して油性ボールペン用インキ組成物を得た。
具体的な配合量は下記の通りである。
着色剤(有機酸と塩基性染料との造塩染料) 25.0質量%
着色剤(有機酸と塩基性染料との造塩染料) 15.0質量%
アルコール溶剤(ベンジルアルコール) 20.4質量%
グリコールエーテル溶剤(エチレングリコールモノフェニルエーテル) 13.6質量%
ロジン樹脂(ロジンエステル 軟化点:82℃) 20.0質量%
アルコキシ基(C2m+1O)を有するリン酸エステル系界面活性剤 3.0質量%
有機アミン(ポリオキシエチレンアルキルアミン) 3.0質量%
実施例2~19
表1に示すように、インキ成分を変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2~19の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
比較例1~4
表に示すように、インキ成分を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、比較例1~4の油性ボールペン用インキ組成物を得た。表に測定、評価結果を示す。
尚、実施例のインキ粘度について、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、ブルックフィールド株式会社製粘度計 ビスコメーターRVDVII+Pro CP-52スピンドルを使用して、インキ粘度を測定した。
また、実施例の摩擦係数は上記のような測定方法で、筆記抵抗値を測定して、下記式より算出を行った。
摩擦係数(動摩擦係数)=筆記抵抗値(動摩擦力)/筆記荷重(法線力)
また、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度70°、筆記荷重200gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値から求めた。
試験および評価
実施例1~19および比較例1~4で作製した油性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒(ポリプロピレン製)の先端に、前記ボールを弾発部材によりチップ先端縁の内壁に押圧したボールペンチップのボール(φ0.7mm)を回転自在に抱時したボールペンチップを装着するとともに、インキ収容筒内に、実施例1~および比較例1~4で作製した油性ボールペン用インキ組成物(0.3g)を直に収容してボールペンレフィルを(株)パイロットコーポレーション製の油性ボールペンに配設して、油性ボールペンを作製し、筆記試験用紙として筆記用紙JIS P3201を用いて以下の試験および評価を行った。
また、実施例1~19、比較例1~4のボールペンについて、摩擦係数に関して、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度4m/minの摩擦係数X(通常筆記時)、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度0.1m/minの摩擦係数Y(ゆっくり筆記時)を測定し、下記のような筆記安定性試験(筆記抵抗安定性試験)として評価した。
具体的な測定値、測定比の一部として実施例1~3、実施例10~13のボールペンについて、下記に示す。
実施例1 X=0.18、Y=0.17、X/Y=1.06
実施例2 X=0.18、Y=0.18、X/Y=1.00
実施例3 X=0.19、Y=0.18、X/Y=1.06
実施例10 X=0.18、Y=0.18、X/Y=1.00
実施例11 X=0.19、Y=0.18、X/Y=1.06
実施例12 X=0.18、Y=0.18、X/Y=1.00
実施例13 X=0.19、Y=0.18、X/Y=1.06
また、実施例1~3、6のボールペンについて、初期0~100m時点のインキ消費量Amgと、インキ終了前100mのインキ消費量Bmgとしたときに、初期0~100m時点のインキ消費量Amgに対する、インキ終了前100mのインキ消費量Bmgとした場合の比を測定し、下記に示す。
実施例1 A=45、B=47、A/B=0.96
実施例2 A=35、B=34、A/B=1.02
実施例3 A=44、B=41、A/B=1.07
実施例6 A=40、B=41、A/B=0.98
書き心地試験: 手書による官能試験を行い、書き心地を試験した
◎・・・・しっかりした筆感
○・・・・若干滑ってしまう筆感はあるが、しっかりした筆感
△・・・・滑ってしまう筆感
×・・・・滑りすぎてしまう筆感
筆跡の濃さ:手書きにより筆記した筆跡を観察した。
◎・・・・濃く鮮明な筆跡であるもの
○・・・・濃い筆跡であるもの
△・・・・実用上問題ない濃さの筆跡であるもの
×・・・・薄い筆跡のもの
耐摩耗試験(ボール座の摩耗試験):荷重200gf、筆記角度70°、4m/minの走行試験機にて筆記試験後のボール座の摩耗を測定した。
◎・・・ボール座の摩耗が5μm未満のもの
○・・・ボール座の摩耗が5μm以上、10μm未満のもの
△・・・ボール座の摩耗が10μm以上、20μm未満であるが、筆記可能であるもの
×・・・ボール座の摩耗がひどく、筆記不良になってしまうのもの
筆記安定性試験(筆記抵抗安定性試験)
筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度4m/minの摩擦係数をX(通常筆記時)、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度0.1m/minの摩擦係数をY(ゆっくり筆記時)とした場合の比で評価した。
◎・・・・0.9≦X/Y≦1.1
○・・・・0.8≦X/Y<0.9 または 1.1<X/Y≦1.2
△・・・・0.7≦X/Y<0.8 または 1.2<X/Y≦1.3
×・・・・X/Y<0.7 または X/Y>1.3
書き出し性能試験:手書き筆記した後、チップ先端部を出したまま20℃、65%RHの環境下に24時間放置し、その後、走行試験で下記筆記条件にて筆記し、書き出しにおける筆跡カスレの長さを測定した。
<筆記条件>筆記荷重200gf、筆記角度70°、筆記速度4m/minの条件で、走行試験機にて直線書きを行い評価した。
◎・・・筆跡カスレの長さが、5mm未満であるもの
○・・・筆跡カスレの長さが、5mm以上、10mm未満であるもの
△・・・筆跡カスレの長さが、10mm以上、20mm未満であるもの
×・・・筆跡カスレの長さが、20mm以上であるもの
実施例1~19では、書き心地試験、筆跡の濃さ、耐摩耗試験(ボール座の摩耗試験)、筆記安定性試験(筆記抵抗安定性試験)、書き出し性能試験ともに良好な性能が得られた。
比較例1では、摩擦係数が低かったため、滑りすぎてしまう筆感となってしまい、筆記安定性試験も劣ってしまった。
比較例2では、インキ粘度が高いため、筆跡が薄く、書き出し性能が劣っていた。
比較例3では、インキ消費量が少ないため、筆跡が薄く、さらに、書き心地試験、筆記安定性試験が劣っていた。
また、本実施例では、インキ収容筒内に油性ボールペン用インキ組成物を収容したボールペンレフィルを軸筒内に配設した油性ボールペンを例示したが、本発明の筆記具は、軸筒自体をインキ収容筒とし、軸筒内に、油性ボールペン用インキ組成物を直に収容した直詰め式のボールペンとした筆記具であっても良く、インキ収容筒内に油性ボールペン用インキ組成物を収容したもの(ボールペンレフィル)をそのままボールペンとして使用した構造であっても良い。
本発明は油性ボールペンインキ組成物として利用でき、さらに詳細としては、該油性ボールペンインキ組成物を充填した、キャップ式、ノック式等の油性ボールペンとして広く利用することができる。

Claims (6)

  1. インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に、着色剤、有機溶剤、樹脂を含んでなる油性ボールペン用インキ組成物を収容してなる油性ボールペンであって、
    前記油性ボールペン用インキ組成物のインキ粘度が、20℃の環境下、剪断速度200sec-1において、1000mPa・s以上10000mPa・s以下であって、
    前記油性ボールペンが、筆記加重200gf 筆記角度70°において、筆記速度4m/minの摩擦係数が0.13以上であり、
    100mあたりのインキ消費量が30mg以上100mg以下であることを特徴とする油性ボールペン。
  2. 筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度4m/minの摩擦係数をX、筆記加重200gf 筆記角度70°における、筆記速度0.1m/minの摩擦係数をYとした場合の比が、0.8≦X/Y≦1.3であることを特徴とする請求項1に記載の油性ボールペン。
  3. 前記樹脂が、ロジン樹脂、ケトン樹脂、テルペンフェノール樹脂の中から選択することを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン。
  4. 前記樹脂の軟化点が、50℃以上130℃以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン。
  5. 前記樹脂の含有量が、10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン。
  6. 前記界面活性剤が、リン酸エステル系界面活性剤または脂肪酸であることを特徴とする請求項1または2に記載の油性ボールペン。
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