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JP2024180368A - シクロデキストリンを含む医薬製剤 - Google Patents

シクロデキストリンを含む医薬製剤 Download PDF

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JP2024180368A JP2024096781A JP2024096781A JP2024180368A JP 2024180368 A JP2024180368 A JP 2024180368A JP 2024096781 A JP2024096781 A JP 2024096781A JP 2024096781 A JP2024096781 A JP 2024096781A JP 2024180368 A JP2024180368 A JP 2024180368A
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Troest Kjeldsen Benjamin
ロサ・レベッカ・エリッツェ・ハンセン
Rebecca Erritzoee Hansen Rosa
スティグ・クリストファーセン
Christoffersen Stig
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、セマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬と、カグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬とを同時投与する、複数回の使用に好適な単純な手段を提供することである。
【解決手段】本発明は、アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンと、1つ以上の防腐剤とを含む保存された液体医薬製剤に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、GLP-1受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬の共製剤である医薬製剤に関する。当該医薬製剤は、1つ以上の関連する併存疾患を伴うもしくは伴わない過体重もしくは肥満、1つ以上の関連する併存疾患を伴うもしくは伴わない糖尿病、および/または1つ以上の心血管疾患を有する対象者の医学的治療に使用することができる。
セマグルチドは、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体作動薬であり、Ozempic(登録商標)の医薬活性成分である。Ozempic(登録商標)は、(i)2型糖尿病を有する成人における血糖管理を改善するための食事および運動の補助として、ならびに(ii)2型糖尿病および確立した心血管疾患を有する成人における主要な有害な心血管事象のリスクを低減するために提示される。
セマグルチドはまた、Wegovy(登録商標)の医薬活性成分である。Wegovy(登録商標)は、少なくとも1つの体重関連の併存疾患の存在下で、30kg/m以上または27kg/m超の初期ボディマス指数(BMI)を有する成人患者において、慢性的な体重管理のための低カロリー食および身体活動の増加の補助として提示される。
Ozempic(登録商標)およびWegovy(登録商標)は、8mMのリン酸塩を含み、かつ約7.4のpHを有する液体医薬製剤である。
アミリン受容体作動薬であるカグリリンチドおよびGLP-1受容体作動薬であるセマグルチドの固定用量の組み合わせは、過体重および肥満の治療のために研究されてきた(Lancet 2021;397:1736-48)。研究された医薬品は、カグリリンチドまたはセマグルチドのいずれかを含む、皮下使用のための別個の液体医薬製剤の形態であった。
これまでのところ、これらの医薬活性成分の異なる物理化学的特性に起因して、セマグルチドおよびカグリリンチドを共製剤化することは可能とは考えられていなかった。GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドは、アミリン受容体作動薬であるカグリリンチドの最適なpHと不適合である等電点を有する。セマグルチドは、pH7.4で最適に安定しており、水溶液への許容可能な物理的安定性を確実にするために、pH7~8の中性からわずかに塩基性の溶液中で以前に製剤化されている。カグリリンチドは、pH4.0で最適に安定しており、酸性溶液中で製剤化されており、pHが上昇するとその化学分解速度が加速する。カグリリンチドおよびセマグルチドの異なる物理化学的特性は、これらの2つのペプチドの単純な混合物を排除する。他のGLP-1受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬の組み合わせにも、その2つが不適合である最適なpH範囲を有する場合に同じことが当てはまる。
当該技術分野では、セマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬と、カグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬とを同時投与する単純な手段に対するニーズが残っている。
当該技術分野では、こうした手段が複数回の使用に好適であるという同様のニーズが残っているままである。
Lancet 2021;397:1736-48
アミリン受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬を共製剤化する手段が本明細書に開示される。アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換などの親水性化学置換を含むシクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤および/または安定化剤とを含む医薬製剤が本明細書に開示される。シクロデキストリンは、6環配置グルコース単位を含む、ヒドロキシプロピル置換アルファ型のものであり得る。シクロデキストリンは、7環配置グルコース単位を含む、ヒドロキシプロピル置換ベータ型のものであり得る。少なくとも1つの防腐剤は、m-クレゾールおよび/またはフェノールおよび/またはEDTAであり得る。少なくとも1つの安定化剤は、EDTAであり得る。医薬製剤は、ヒスチジンもしくはクエン酸塩などの緩衝液、ソルビトールおよび/もしくはプロピレングリコールなどの等張化剤、ならびに/またはポリソルベート20および/もしくは80などの界面活性剤をさらに含み得る。医薬製剤は、液体製剤であり得る。液体医薬製剤は、5.6~6.4、好ましくは、5.8~6.2の範囲内のpHを有する。本明細書に開示される医薬製剤は、非経口注射、好ましくは皮下注射によって投与され得る。本明細書に開示される医薬製剤は、複数回使用に好適であり得る。
本発明の医薬製剤は、多様に有利であり得る。これは、アミリン受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬の共製剤化を可能にし、微生物成長に対する有効性を示し、かつ皮下注射された場合に十分に忍容性である複数の用途に好適である。
本明細書に開示される医薬製剤は、1つ以上の関連する併存疾患を伴うもしくは伴わない過体重もしくは肥満、および/または1つ以上の関連する併存疾患を伴うもしくは伴わない糖尿病を有する対象者の医学的治療に使用することができる。本明細書に開示される医薬製剤は、利便性、治療コンプライアンス、最終的には、そのような患者における改善された臨床転帰を改善し得る。
アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤および/または安定化剤とを含む医薬製剤が本明細書に開示される。アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤および/または安定化剤とを含む液体医薬製剤が本明細書に開示される。
アミリン受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬を共製剤化する手段が本明細書に開示されており、GLP-1受容体作動薬は、アミリン受容体作動薬の化学的安定性を可能にするpH範囲内でその共製剤化を妨げる等電点を有する。約5.0未満、例えば、3.0~5.0、例えば、3.8~4.9、例えば、約4.5未満、例えば、3.0~4.5、例えば、3.5~4.5、例えば、4.0~4.5の等電点(pI)を有するGLP-1受容体作動薬と、アミリン受容体作動薬とを共製剤化する手段が本明細書に開示される。
アミリン受容体作動薬の最適なpHは、それが化学的および物理的に最も安定しているpHである。当業者は、pH範囲にわたって、アミリン受容体作動薬、緩衝液、および注射用水から本質的に成る水溶液中で、その化学的および物理的安定性を試験することによって、アミリン受容体作動薬の最適なpHを簡単に見つけることができる。
GLP-1受容体作動薬の最適なpHは、それが化学的および物理的に最も安定しているpHである。当業者は、GLP-1受容体作動薬の最適なpHを、GLP-1受容体作動薬、緩衝液、および注射用水から本質的に成る水溶液中で、その化学的および物理的安定性をpH範囲にわたって試験することによって、簡単に見つけることができる。GLP-1受容体作動薬の物理的安定性は、最も乏しい物理的安定性が予想され得るpHと一致し得る、その等電点を反映し得る。
当業者に明らかであるように、任意の液体製剤中の任意のGLP-1受容体作動薬および/または任意のアミリン受容体作動薬の化学的安定性および純度は、例えば、逆相(超)高速液体クロマトグラフィー(RP-UHPLCまたはRP-HPLC)によって、および/または例えば、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって高分子量タンパク質(HMWP%)の割合を測定することによって定量化することができる。
当業者に明らかであるように、任意の液体製剤中のGLP-1受容体作動薬および/または任意のアミリン受容体作動薬の物理的安定性は、それぞれ、マイクロフローイメージング(MFI)またはチオフラビンT(ThT)蛍光ストレスアッセイによって、粒子形成および/またはフィブリル化を測定することによって定量化することができる。
最適なpHが、少なくとも約2pH単位、例えば、2~5pH単位、例えば、2~4pH単位、例えば、3~5pH単位だけ異なる、アミリン受容体作動薬およびGLP-1受容体作動薬を製剤化する手段が本明細書に開示される。
GLP-1受容体作動薬は、5.0未満または4.5未満、例えば、3.0~5.0、例えば、3.5~5.0、例えば、3.5~4.5、例えば、3.8~4.9、例えば、4.0~4.5の等電点(pI)を有し得る。GLP-1受容体作動薬は、セマグルチドであってもよい。GLP-1受容体作動薬は、チルゼパチドであってもよい。
アミリン受容体作動薬は、7.6~9.4または8~9の等電点(pI)を有し得る。アミリン受容体作動薬は、7.6~9.4または8~9の等電点(pI)を有するヒトアミリン由来ペプチド誘導体であり得る。アミリン受容体作動薬は、カグリリンチド、またはカグリリンチドの生物学的に活性な代謝産物もしくは分解産物であり得る。アミリン受容体作動薬は、WO2013/156594に開示されているペプチド誘導体、例えば、実施例52のペプチド誘導体であり得る。
本明細書に開示される製剤の組成物は、pH5.6~6.4で共製剤化された場合でも、医薬活性成分の化学的および物理的安定性を維持および/または改善し、それらのバイオアベイラビリティおよび曝露に関して医薬活性成分の薬物動態プロファイルを維持し、皮下注射時に許容可能な局所耐性を呈する。
本明細書では、「医薬製剤」、「共製剤」、および「医薬品」という用語は、GLP-1受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬を含む液体医薬製剤を指すために互換的に使用され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、非経口注射、好ましくは皮下注射に好適である。
本明細書に開示される医薬製剤は、複数回使用に好適であり得る。
アミリン
本明細書において「アミリン」という用語は、ヒトアミリンなどの内因性アミリンと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを指す。
アミリン受容体
アミリン受容体作動薬は、カルシトニン受容体(CTR)および/またはアミリン受容体(AMYR)と結合して活性化し得る。後者は、カルシトニン受容体(CTR)および3つの受容体活性修飾タンパク質(RAMP1~3)のうちの1つの2つの成分のヘテロ二量体から成り、3つの可能性のある複合体、AMYR1~3をもたらす。
アミリン受容体作動薬
本明細書に開示される医薬製剤は、アミリン受容体作動薬を含む。「アミリン受容体作動薬」は、アミリン受容体と結合することができ、かつそれを活性化または「作動」することができる化学物質として定義され得る。本発明の文脈において、アミリン受容体作動薬は、少なくともアミリン受容体3(AMYR3)と結合して活性化することができる。アミリン受容体作動薬はまた、カルシトニン受容体、アミリン受容体1(AMYR1)、および/またはアミリン受容体2(AMYR2)を作動することが可能であり得る。
内因性アミリン受容体作動薬の例は、ヒトアミリンおよびヒトカルシトニンである。外因性アミリン受容体作動薬の例は、カグリリンチドおよびプラムリンチド(Symlin(登録商標)の医薬活性成分)である。
本明細書に開示される医薬製剤中のアミリン受容体作動薬の濃度は、少なくとも約0.25mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のアミリン受容体作動薬の濃度は、最大で約22mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のアミリン受容体作動薬の濃度は、本明細書で指定される用量のうちのいずれか1つを提供するようなものであり得る。
アミリン受容体作動薬は、アミリン受容体を活性化することができ、言い換えれば、アミリン受容体上の「効力」がある。アミリン受容体3に対するアミリン受容体作動薬のインビトロ効力は、WO2022/129526のアッセイ2に記載されるように測定され得る。化合物の効力は、そのEC50値によって記載され得、EC50は、その最大効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。EC50値が低いほど、化合物はより効力がある。
WO2022/129526のアッセイ2に記載されるように試験された場合、本明細書に開示されるアミリン受容体作動薬は、300pM未満、例えば、200pM未満、例えば、150pM未満、好ましくは、100pM未満、例えば、75pM未満、好ましくは、50pM未満、例えば、40pM未満、例えば、30pM未満、例えば、20pM未満、例えば、10pM未満のEC50値を有し得る。
カグリリンチド
本明細書に開示される医薬製剤中のアミリン受容体作動薬は、カグリリンチド、またはカグリリンチドの生物学的に活性な代謝産物もしくは分解産物であり得る。
AM833としても公知のカグリリンチドは、WO2012/168432の実施例53の化合物:N-アルファ-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-[Glu14,Arg17,Pro37]-プラムリンチドである。カグリリンチドは、WO2012/168432のページ153~155に記載されるように調製することができる。
カグリリンチドは、塩、好ましくは薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。
カグリリンチドの生物学的に活性な代謝産物または分解産物は、21位または22位にアスパラギン酸塩(Asp)を有し得る。カグリリンチドの生物学的に活性な代謝産物または分解産物は、21位または22位にイソ-アスパラギン酸塩(iso-Asp)を有し得る。
カグリリンチドの効力を、WO2022129526のアッセイ2に記載される手順を使用して試験した場合、カグリリンチドは、約11pMのEC50値を有していた(WO2022/129526、表4bおよび4c)。
本明細書に開示される医薬製剤中のカグリリンチドの濃度は、約0.25mg/ml~約22mg/mlであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.33~18mg/ml、例えば、0.25~0.5mg/ml、例えば、約0.33mg/ml、例えば、0.5~1.0mg/ml、例えば、約0.67mg/ml、例えば、1.0~1.5mg/ml、例えば、約1.33mg/ml、例えば、1.5~2.0mg/ml、例えば、約1.5mg/ml、例えば、2.0~2.5mg/ml、例えば、2.5~3.0mg/ml、例えば、3.0~3.5mg/ml、例えば、約3.2mg/ml、例えば、3.5~4.0mg/ml、例えば、4.0~5.0mg/ml、例えば、5.0~6.0mg/ml、例えば、6.0~7.0mg/ml、例えば、7.0~8.0mg/ml、例えば、8.0~9.0mg/ml、例えば、9.0~10.0mg/ml、例えば、約9.6mg/ml、例えば、10~11mg/ml、例えば、11.0~12.0mg/ml、例えば、11~13mg/ml、例えば、13~22mg/ml、例えば、約18mg/ml、例えば、約20~22mg/mlの濃度のカグリリンチドを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤中のカグリリンチドの濃度は、少なくとも約0.25mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤は、22mg/mlを超えないカグリリンチドを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、12mg/mlを超えないカグリリンチドを含み得る。
GLP-1
本明細書における「GLP-1」または「天然GLP-1」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))を指す。
GLP-1受容体作動薬
本明細書に開示される医薬製剤は、GLP-1受容体作動薬を含む。「GLP-1受容体作動薬」は、GLP-1受容体と結合し、かつ内因性リガンドであるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1(7-37))と同様の生物学的応答を生じさせることができるリガンドとして定義され得る。「完全な」GLP-1受容体作動薬は、GLP-1(7-37)と同じ程度の生物学的応答を誘発することができるGLP-1受容体作動薬として定義され得る。
公知の外因性GLP-1受容体作動薬の例としては、エキセナチド(Byetta(登録商標)中の医薬品有効成分)、リラグルチド(Victoza(登録商標)およびSaxenda(登録商標)中の医薬品有効成分、最初にWO98/08871の実施例37に開示されている)、リキシセナチド(Lyxumia(登録商標)中の医薬品有効成分、WO01/04156に開示されている)、レタトルチド(WO2019/125938の実施例12に開示されている)、セマグルチド(Ozempic(登録商標)、Rybelsus(登録商標)、およびWegovy(登録商標)中の医薬品有効成分)、およびチルゼパチド(Mounjaro(登録商標)/Zepbound(登録商標)中の医薬品有効成分、WO2016/111971の実施例1および米国特許第9,474,780号に開示されている)が挙げられる。
GLP-1受容体作動薬は、セマグルチドまたはリラグルチドなどのGLP-1(7-37)ペプチド誘導体であり得る。
GLP-1受容体作動薬は、チルゼパチドなどの二重または三重受容体作動薬などの1つ以上の他の受容体も作動させる化合物内にあり得る。GLP-1受容体作動薬は、チルゼパチドであってもよい。
本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、少なくとも約0.25mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、最大で約30mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、約0.25mg/ml~約30mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、約0.25mg/ml~約22mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、約5mg/ml~約30mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬の濃度は、本明細書で指定される用量のうちのいずれか1つを提供するようなものであり得る。
GLP-1受容体作動薬は、GLP-1受容体と結合して活性化するか、またはそれを「作動」することができ、言い換えれば、GLP-1受容体上で「効力」がある。GLP-1受容体に対するGLP-1受容体作動薬のインビトロ効力は、WO/2022/129526のアッセイ1に記載されるように測定され得る。化合物の効力は、そのEC50値によって記載され得、EC50は、その最大効果の50%が観察される化合物の濃度を表す。EC50値が低いほど、化合物はより効力がある。
WO/2022/129526のアッセイ1に記載されるように試験された場合、本明細書に開示されるGLP-1受容体作動薬は、300pM未満、例えば、200pM未満、例えば、150pM未満、好ましくは、100pM未満、例えば、75pM未満、さらにより好ましくは、50pM未満、例えば、40pM未満、例えば、30pM未満、例えば、20pM未満、例えば、10pM未満のEC50値を有し得る。
セマグルチド
セマグルチドは、N6.26-{18-[N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)-L-γ-グルタミル]-10-オキソ-3,6,12,15-テトラオキサ-9,18-ジアザオクタデカノイル}-[8-(2-アミノ-2-プロパン酸),34-L-アルギニン]ヒトグルカゴン様ペプチド1(7-37)としても公知のGLP-1受容体作動薬である。セマグルチドは、WO2006/097537およびJ.Med.Chem.2015,58,18,7370-7380に記載され、WO2006/097537の実施例4に簡潔に記載されるものなどの、当業者に周知の方法を使用して製造され得る。
セマグルチドは、その完全または部分的にイオン化された形態で本医薬製剤中に存在してもよく、例えば、1つ以上のカルボン酸基(-COOH)は、カルボキシレート基(-COO)に脱プロトン化されてもよく、および/または1つ以上のアミノ基(-NH)は、-NH 基にプロトン化されてもよい。
セマグルチドは、塩、好ましくは薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。
セマグルチドの効力を、WO/2022/129526のアッセイ1に記載される手順を使用して試験した場合、セマグルチドは、約5.5pMのEC50値を有していた(WO/2022/129526、表4bおよび4cを参照されたい)。
本明細書に開示される医薬製剤中のセマグルチドの濃度は、約0.25mg/ml~約22mg/mlであり得る。
医薬製剤は、約0.33~18mg/ml、例えば、0.25~0.5mg/ml、例えば、約0.33mg/ml、例えば、0.5~1.0mg/ml、例えば、約0.67mg/ml、例えば、1.0~1.5mg/ml、例えば、約1.33mg/ml、例えば、1.5~2.0mg/ml、例えば、約1.5mg/ml、例えば、2.0~2.5mg/ml、例えば、約2.2mg/ml、例えば、2.5~3.0mg/ml、例えば、3.0~3.5mg/ml、例えば、約3.2mg/ml、例えば、3.5~4.0mg/ml、例えば、4.0~5.0mg/ml、例えば、約4.8mg/ml、例えば、5.0~6.0mg/ml、例えば、6.0~7.0mg/ml、例えば、約6.4mg/ml、例えば、7.0~8.0mg/ml、例えば、約8.0mg/ml、例えば、8.0~9.0mg/ml、例えば、9.0~10.0mg/ml、例えば、約9.6mg/ml、例えば、10~11mg/ml、例えば、約10.7mg/ml、例えば、11.0~12.0mg/ml、例えば、11~13mg/ml、例えば、約12.8mg/ml、例えば、13~22mg/ml、例えば、約16mg/ml、例えば、約18mg/ml、例えば、約20~22mg/mlの濃度のセマグルチドを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤中のセマグルチドの濃度は、少なくとも約0.25mg/mlであり得る。本明細書に開示される医薬製剤は、22mg/mlを超えないセマグルチドを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、12mg/mlを超えないセマグルチドを含み得る。
製造方法
本明細書に開示される医薬製剤中のGLP-1受容体作動薬および/またはアミリン受容体作動薬は、例えば、古典的なペプチド合成、例えば、t-BocもしくはFmoc化学を使用する固相ペプチド合成、または他の十分に確立された技法によって産生され得、Greene and Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley&Sons,1999、Florencio Zaragoza Dorwald,“Organic Synthesis on Solid Phase”,Wiley-VCH Verlag GmbH,2000、および“Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis”,Edited by W.C.Chan and P.D.White,Oxford University Press,2000に記載されるものなどである。
あるいは、GLP-1受容体作動薬は、組み換え発現技術によって、例えば、ペプチド配列をコードするDNA配列を含み、かつペプチドを発現することができる宿主細胞を、ペプチドの発現を許容する条件下で、好適な栄養培地で培養することによって生成されてもよい。これらのペプチドの発現に好適な宿主細胞の非限定的な例は、Escherichia coli、Saccharomyces cerevisiae、および哺乳動物BHKまたはCHO細胞株である。
1つ以上の非タンパク質原性アミノ酸を含むGLP-1受容体作動薬はまた、WO2009/083549に記載される組み換え発現技術および化学ペプチド合成の組み合わせを使用して、半合成的に生成され得る。1つ以上の非天然アミノ酸および/または共有結合したN末端モノペプチドもしくはジペプチド模倣体を含む化合物はまた、Hodgson et al in“The synthesis of peptides and proteins containing non-natural amino acids”,Chemical Society Reviews,vol.33,no.7(2004),p.422-430に記載されるように生成され得る。
GLP-1受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬(原薬)が製造および精製されると、本明細書に開示される医薬製剤(医薬品)は、WO2023/187067に記載の方法を使用して調製され得る。
あるいは、またはその後、医薬品など、原薬およびシクロデキストリンを含む組成物は、当業者に公知の方法を使用して凍結乾燥または噴霧乾燥され得る。Ohtake,S.,Izutsu,K.I.,&Lechuga-Ballesteros,D.(Eds.)は、“Drying technologies for biotechnology and pharmaceutical applications”(2020)John Wiley&Sonsでそのような方法を記載する。乾燥される原薬およびシクロデキストリンを含む組成物は、ポリソルベート20および/または80などの界面活性剤をさらに含み得る。
組成物が中間的に凍結乾燥または噴霧乾燥される場合、乾燥製剤は、使用前に水溶液中に溶解または「再構成」される。当該水溶液は、バイアルにおいて掲示されてもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水を含んでもよいか、またはそれから成ってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水および1つ以上の防腐剤を含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水ならびにフェノールおよび/またはm-クレゾールおよび/またはEDTAを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水、フェノール、および/またはEDTAを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水ならびにm-クレゾールおよび/またはEDTAを含んでもよいか、またはそれから成ってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水ならびにフェノールおよび/またはm-クレゾールを含んでもよいか、またはそれから成ってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水およびフェノールを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水およびm-クレゾールを含んでもよいか、またはそれから成ってもよい。当該水溶液は、注射用の所定の量の水およびEDTAを含んでもよいか、またはそれらからなってもよい。当該水溶液は、ヒスチジンまたはクエン酸塩などの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液をさらに含み得る。当該水溶液は、ソルビトールをさらに含み得る。
製剤が中間的に凍結乾燥または噴霧乾燥されているか否かにかかわらず、患者に最終的に投与される液体医薬製剤は、本明細書に開示される組成物を有する。
等電点
分子の等電点(pI)は、分子が正味電荷を担持しないpHである。GLP-1受容体作動薬のペプチド骨格またはアミリン受容体作動薬のペプチド骨格などのペプチドのpIは、ペプチドのアミノ酸ならびに末端アミン基およびカルボキシル基のpK値から理論的に計算されてもよく、所与のpHでのペプチドの溶解度を予測するために使用することができる。
タンパク質またはペプチドの全体的な正味電荷は、溶液のpHに関連し、ヘンダーソン-ハッセルバルヒの方程式(Po HN,Senozan NM.The Henderson-Hasselbalch Equation:Its History and Limitations.J Chem Educ.2001;78(11):1499)を使用して近似され得る。等電点を導出するか、または特定のpHでのペプチドの電荷を見つけるために、そのアミノ酸のpKa値を考慮する。pH7.0では、カルボキシル基は陰性(-1)であり、アミノ基は陽性(+1)である。所与のpHでのペプチドの正味電荷は、所与のpHでのペプチド中のイオン化可能基の電荷の総和である。全てのイオン化可能基の電荷を合計することによって、ペプチドの全体的な電荷を決定することができる。
電荷状態を予測し、異なるpH条件下でのペプチドの挙動の理解を助けることができるいくつかのソフトウェアツールが存在する[IPC-Isoelectric Point Calculator,Kozlowski,Lukasz P.,Biology Direct(2016),11,55/1-55/16]。アミノ酸のpKa値を考慮するアルゴリズムが利用されるため、予測は著しく相違するとは考えられない[Principles of Biochemistry,A.L.Lehninger and M.M.Cox,1982]。
化学的修飾がペプチドに対してなされる場合、これらはpIに影響を与え得るが、しかしながら、修飾のためにイオン化可能基のpKaを評価することによって、これらは、ヘンダーソン-ハッセルバルヒの方程式を使用することによってもpI予測において説明され得る。そのような「化学的修飾」の例は、ペプチドに共有結合される脂肪酸を含む側鎖などの延長部分である。
ペプチドの電荷は、その溶解性に影響を与える。正味電荷を有するペプチドは、正または負にかかわらず、荷電された基が水分子と相互作用することができるため、強化された水への溶解性を有する[Pace CN,Grimsley GR,Scholtz JM.Protein ionizable groups:pK values and their contribution to protein stability and solubility.J Biol.Chem.2009;284(20):13285-13289]、[The effect of net charge on the solubility,activity,and stability of ribonuclease Sa, Shaw, Kevin L.;Grimsley,Gerald R.;Yakovlev,Gennady I.;Makarov,Alexander A.;Pace,C.Nick,Protein Science(2001),10(6),1206-1215]。したがって、良好な溶解性は、典型的には、ペプチドが溶解性に適応するために十分な正または負の電荷を担持する等電点から離れて製剤pHで得られる。
本発明の文脈では、GLP-1受容体作動薬の理論的に計算されたまたは予測された等電点は、約5.0以下、好ましくは、約4.5未満であり得る。GLP-1受容体作動薬の理論的に計算された/予測された等電点は、3.5~5.0、例えば、3.8~4.9、例えば、3.5~4.5、例えば、約4.0~4.5の範囲であり得る。例えば、セマグルチドは、約4.37の理論的に計算された/予測された等電点を有する。リラグルチドは、約4.47の理論的に計算された/予測された等電点を有する。チルゼパチドは、約4.03の理論的に計算された/予測された等電点を有する。レタトルチドは、約3.93の理論的に計算された/予測された等電点を有する。
4.5を超える理論的に計算された等電点を有する他のGLP-1受容体作動薬がある。
アミリン受容体作動薬の理論的に計算された等電点は、7.6~9.4または8~9の範囲の等電点(pI)を有し得る。カグリリンチドは、約8.56の理論的に計算された等電点を有する。
9.4を超える理論的に計算された等電点を有する他のアミリン受容体作動薬がある。
賦形剤
シクロデキストリン
本明細書に開示される医薬製剤は、ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンを含む。
医薬製剤は、ヒドロキシプロピル置換を含む10%w/v超のシクロデキストリンを含み得る。医薬製剤は、ヒドロキシプロピル置換を含む22%w/v未満のシクロデキストリンを含み得る。医薬製剤は、ヒドロキシプロピル置換を含む約10~20%w/v、約12~18%w/v、約10~17.5%w/v、約11.25~15%、例えば、約15%w/vのシクロデキストリンを含み得る。
シクロデキストリンは、6、7、または8個のα-(1,4)結合グルコピラノース(グルコース)単位から成るオリゴ糖デンプン誘導体であり、それぞれ周期的に配置され、アルファ、ベータ、またはガンマ型を示す。シクロデキストリンは、特に医薬賦形剤として、広範な用途を有する[P.Breen&S.S.Jambhekar,Cyclodextrins in pharmaceutical formulations II:solubilization,binding constant,and complexation efficiency,Drug Discovery Today,Volume 21,Number 2 February 2016]。医薬賦形剤としてのそれらの使用に関するガイドラインは、欧州医薬品庁[Background review for cyclodextrins used as excipients,2014,EMA/CHMP/333892/2013,Committee for Human Medicinal Products(CHMP)]、[Cyclodextrins used as excipients,2017,EMA/CHMP/333892/2013,Committee for Human Medicinal Products(CHMP)]によって記載されている。親水性置換を担持しないシクロデキストリン型は、乏しい溶解性を有し、非経口医薬品にはほとんど使用されない。
シクロデキストリンの溶解性を改善するために、シクロデキストリンのグルコース単位のヒドロキシル基は、異なる数の親水性化学置換によって、例えば、ヒドロキシプロピル基によって置換されてもよく、シクロデキストリン分子当たりのヒドロキシプロピルの平均数(略称DS)、または問題のシクロデキストリン中に存在するグルコース単位当たりのヒドロキシプロピルの平均数に対応するモル置換度(略称MS)のいずれかとして記載され得る置換度の差異につながる。シクロデキストリン当たりのヒドロキシプロピルの値は、モル置換度に、問題のシクロデキストリンに含まれるグルコース単位の数を乗じることによって達成され得る。置換度の差異は、表面活性および複合体形成能力などの物理化学的特性の変化をもたらし得る。ヒドロキシル基はまた、スルホブチルエーテルの基によって化学的に置換され得る。これらの主に親水性の修飾は、非経口投与に非常に好適なシクロデキストリン誘導体を生じさせた[Cyclodextrins used as excipients,2017,EMA/CHMP/333892/2013,Committee for Human Medicinal Products(CHMP)]。ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンは、一般的にHP-CDと略されるが、スルホブチルエーテル置換を含むシクロデキストリンは、SBE-CDと略される。
親水性置換を含むシクロデキストリンは、疎水性の内側のくぼみと、隣接する水分子との水素結合を形成することができる多くの親水性置換によって形成された親水性の外側の表面とを有する円錐様の形状として記載され得るものを採用し、それによって水溶解性を改善する[T.Loftsson,Cyclodextrins in Parenteral Formulations,Journal of Pharmaceutical Sciences,2020,1-11]。
これらの円錐様構造のくぼみの内部の疎水性微小環境は、主に疎水性相互作用により薬剤とシクロデキストリンとの複合体を形成することを可能にする[T.Loftsson,Cyclodextrins in Parenteral Formulations,Journal of Pharmaceutical Sciences,2020,1-11]。複合体がシクロデキストリンと1つ以上の疎水性領域を担持する薬剤分子との間に形成されるため、これらならびにシクロデキストリンの疎水性のくぼみは水から遮蔽され、それによって、個々の構成要素の溶解性と比較して複合体の溶解性が増加する。また、シクロデキストリン分子とペプチド分子との間の複合体が形成されると、典型的には凝集につながる分子間相互作用が損なわれる[T.Loftsson,Cyclodextrins in Parenteral Formulations,Journal of Pharmaceutical Sciences,2020,1-11]。
本明細書に開示される医薬製剤は、好ましくは、ヒドロキシプロピル置換アルファ型のシクロデキストリンおよび/またはヒドロキシプロピル置換ベータ型のシクロデキストリンを含む。
予想外に、ヒドロキシプロピル置換を担持するこのようなシクロデキストリンは、スルホブチルエーテル置換を担持する同じシクロデキストリン型よりも、カグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤を安定化するその能力において優れていることが見出された。
本明細書に開示される医薬製剤は、6環配置グルコース単位を含む、ヒドロキシプロピル置換アルファ型のシクロデキストリンを含み得る。アルファ型のヒドロキシプロピル置換シクロデキストリンは、HP-A-CDと略される。ヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリン(CAS:128446-33-3/99241-24-4)は、0.8の平均モル置換度(MS)および0.5~0.9のモル置換範囲で市販されている。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり最小約0.4のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり最大約1.2のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり0.5~0.9のヒドロキシプロピルのモル置換範囲を有するヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.8のヒドロキシプロピルの平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、7つの環配置グルコース単位を含む、ヒドロキシプロピル置換ベータ型のシクロデキストリンを含み得る。
ベータ型のヒドロキシプロピル置換シクロデキストリンは、HP-B-CDと略される。
ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンは周知の医薬賦形剤であり、典型的には、小分子医薬製剤で使用され、主に溶解性およびバイオアベイラビリティを増加させる[T.Loftsson,Cyclodextrins in Parenteral Formulations,Journal of Pharmaceutical Sciences,2020,1-11]。これまでのところ、タンパク質およびペプチドベースの医薬製剤におけるシクロデキストリンおよびシクロデキストリン置換誘導体の使用は制限されている。
医薬賦形剤としてのヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの市販のヒドロキシプロピル置換度(DS)は、欧州および米国薬局方[USP 38 NF 33、Pharm Eur 8、USP〈761〉/Pharm.Eur.2.2.33]に記載される方法によって推定される]に従って2.8~10.5の範囲であり、グルコース単位(MS)当たり0.4~1.5のヒドロキシプロピルに対応する。ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンなどの市販のシクロデキストリンは、通常、それらのモル置換範囲の平均モル置換度(MS)によって記載される。
ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(CAS:128446-35-5/94035-02-6)は、賦形剤として使用するために市販されており、平均モル置換度(MS)は、0.58~0.68のモル置換範囲を有するMS0.62、(0.6~0.9)のモル置換範囲を有するMS0.67、(0.58~0.72)のモル置換範囲を有するMS0.68、(0.8~1.0)のモル置換範囲を有するMS0.84、(0.81~0.99)のモル置換範囲を有するMS0.92、(0.86~1.14)のモル置換範囲を有するMS1.08を含み、各値は、グルコース単位当たりのヒドロキシプロピルの数を記載する。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり最小約0.4のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり最大約1.2のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルのモル置換範囲を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.62~0.92のヒドロキシプロピルの平均モル置換(MS)範囲を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.62~0.84のヒドロキシプロピルの平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.62の平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.58~0.68のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.68の平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.58~0.72のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.67の平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.6~0.9のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.84の平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.8~1.0のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、約0.92の平均モル置換度(MS)を有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり約0.81~0.99のヒドロキシプロピルを有するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、グルコース単位当たり最小約0.4のヒドロキシプロピルおよびグルコース単位当たり最大約1.2のヒドロキシプロピル、例えば、グルコース単位当たり平均0.62~0.92のヒドロキシプロピル、例えば、グルコース単位当たり約0.75のヒドロキシプロピル、例えば、グルコース単位当たり平均0.62~0.84のヒドロキシプロピル、例えば、グルコース単位当たり平均0.62のヒドロキシプロピル、例えば、グルコース単位当たり約0.58~0.68のヒドロキシプロピルを有する、10%w/v超および22%w/v未満、例えば、約10~20%w/v、例えば、約12~18%w/v、例えば、約10~17.5%w/v、例えば、約11.25~15%、例えば、約15%w/vのヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンを含み得る。
シクロデキストリンは、分子の疎水性部分に結合し、それと複合体を形成する。
いくつかの一般的な医薬防腐剤とシクロデキストリンとの間の相互作用は十分に文書化されており、シクロデキストリンを含む保存された液体医薬製剤の開発における大きな障害を表す(Loftsson,T.,Stefansdottir,O.,Frioriksdottir,H.,&Guomundsson,O.(1992),Drug development and industrial pharmacy,18(13),1477-1484)。第1に、防腐剤-シクロデキストリン複合体が形成されると、防腐剤はその抗菌効果を失う。第2に、防腐剤は、薬剤-シクロデキストリン複合体中の薬剤と競合し、かつ置き換え、製剤の化学的安定性および物理的安定性の両方を大幅に低減する。本明細書に開示される医薬製剤は、これらの周知の障害を克服することに関与してきた。
他の賦形剤
本明細書に開示される医薬製剤は、1つ以上の防腐剤を含み得る。医薬製剤で使用するための防腐剤は、当業者に周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006への参照がなされる。1つ以上の防腐剤の濃度は、抗菌有効性に関する複数回使用のための医薬製剤の規制要件が満たされるようにしなければならない。言い換えれば、1つ以上の防腐剤の目的は、後者が滅菌パッケージングにもはや入らなくなると、医薬製剤中の微生物増殖を阻害することである。最も広く使用されている医薬抗菌性防腐剤は、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール、およびパラベンなどの芳香族有機化合物である。
本明細書に開示される医薬製剤中の1つ以上の防腐剤は、m-クレゾールおよび/またはフェノールおよび/またはEDTAであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤中の1つの防腐剤は、9~40mMの濃度のm-クレゾールであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤中の1つの防腐剤は、18~65mMの濃度のフェノールであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤中の防腐剤は、9~40mMの濃度のm-クレゾールおよび18~65mMの濃度のフェノールであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤中の1つの防腐剤は、0.5~5.0mg/mlの濃度のEDTAであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤中の防腐剤は、9~40mMの濃度のm-クレゾール、18~65mMの濃度のフェノール、および0.5~5.0mg/mlの濃度のEDTAであり得る。
医薬製剤は、安定化剤を含み得る。医薬製剤に安定化剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006への参照がなされる。安定化剤はEDTAであり得る。安定化剤は、0.5~5.0mg/mlの濃度のEDTAであり得る。
したがって、本明細書に開示される製剤の状況で、EDTAは、防腐剤および/または安定化剤として機能し得る。
医薬製剤は、緩衝液を含み得る。医薬製剤に緩衝液を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006への参照がなされる。
pHは、典型的には15~25℃または15~20℃として定義される、「室温」で測定され得る。pHは、好ましくは、約20℃で測定される。
本明細書に開示される医薬製剤は、溶液の所望のpHに近いpKaを有する緩衝液を含み得る。医薬製剤は、約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液を含み得る。医薬製剤は、約5.0~7.0のpKaを有する緩衝液を含み得る。医薬製剤は、ヒスチジン、クエン酸塩、および/またはリン酸塩から成る群から選択される緩衝液を含み得る。緩衝液は、3~30mMの濃度のクエン酸塩であり得る。緩衝液は、3~30mMの濃度のヒスチジンであり得る。緩衝液は、3~30mMの濃度のリン酸塩であり得る。
医薬製剤は、NaOHおよび/またはHClなどのpHを調節するための1つ以上の薬剤をさらに含み得る。
医薬製剤の所望のpHは、約5.6~6.4、例えば、約5.8~6.2であり得る。pHは、約5.6、例えば、約5.7、例えば、約pH5.8、例えば、約5.9、例えば、約6.0、例えば、約6.1、例えば、約6.2、例えば、約6.3、例えば、約6.4であり得る。pHは、好ましくは、約6.0である。
医薬製剤は、等張化剤を含み得る。医薬製剤に等張化剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006への参照がなされる。
等張化剤の目的は、製剤が体内に注射されるときに生体組織を保護することである。等張化剤は、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、ソルビトール、もしくはトレハロース、またはそれらの組み合わせから成る群から選択され得る。等張化剤は、グリセロールであり得る。等張化剤は、マンニトールであり得る。等張化剤は、プロピレングリコールであり得る。等張化剤は、ソルビトールであり得る。等張化剤は、トレハロースであり得る。
等張化剤の濃度は、製剤を等張性にするためのようなものである。等張化剤がグリセロールである場合、それは2.5~18mg/mlの濃度で存在し得る。等張化剤がマンニトールである場合、それは16.5~37.5mg/ml、例えば、約20mg/mlの濃度で存在し得る。等張化剤がプロピレングリコールである場合、それは約2~15mg/mlの濃度で存在し得る。等張化剤がソルビトールである場合、それは約5~35mg/ml、例えば、約10~30mg/ml、例えば、約16~28mg/ml、例えば、約16.5~25mg/ml、例えば、約16~26mg/ml、例えば、約16~24mg/ml、例えば、約26mg/ml、例えば、約24mg/ml、例えば、約22mg/ml、例えば、約20mg/ml、例えば、約18mg/ml、例えば、約16mg/ml、例えば、約12mg/mlの濃度で存在し得る。等張化剤がトレハロースである場合、それは33~75mg/ml、例えば、約38mg/mlの濃度で存在し得る。
医薬製剤は、界面活性剤を含み得る。界面活性剤は、その製造、貯蔵、および医薬として使用中の製剤の物理的安定性および堅牢性をさらに増加させることができ、例えば、容器内の空気に曝露されたときの製剤の安定性を維持することができる。医薬製剤に界面活性剤を使用することは、当業者には周知である。便宜上、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21st edition,2006への参照がなされる。
界面活性剤は、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80から成る群から選択され得る。界面活性剤は、ポリソルベート20であり得る。界面活性剤は、好ましくは、ポリソルベート80である。
医薬製剤は、0.01mg/ml以上のポリソルベート20および最大2.0、例えば、最大1.5mg/mlのポリソルベート20を含み得る。
医薬製剤は、0.01~1.0mg/mlのポリソルベート20、例えば、約0.05mg/mlのポリソルベート20を含み得る。
バイアルにおいて掲示される場合、医薬製剤は、約0.1超および約0.2mg/ml未満のポリソルベート20を含み得る。
医薬製剤は、0.01mg/ml以上のポリソルベート80および最大2.0、例えば、最大1.5mg/mlのポリソルベート80を含み得る。
医薬製剤は、0.01~0.1mg/mlのポリソルベート80、好ましくは約0.05mg/mlのポリソルベート80を含み得る。
バイアルにおいて掲示される場合、医薬製剤は、約0.1超および約0.2mg/ml未満のポリソルベート80を含み得る。
医薬製剤は、注射用水(WFI)を含み得る。医薬製剤は、75%w/w超の水、例えば、80%w/wの水、例えば、約85%w/wの水、例えば、最大90%w/wの水を含み得る。
医療ユーティリティ
本明細書に開示される医薬製剤は、医学的使用のためのものであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、非経口注射によって投与され得る。本明細書に開示される医薬製剤は、皮下注射によって投与され得る。
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、それを必要とする任意のヒトまたは他の脊椎動物対象者の医学的療法を指す。当該対象者は、当該特定の治療の使用が当該ヒトまたは他の脊椎動物の健康に有益であることを示す、暫定的または決定的な診断を与えた医師または獣医師による身体検査を受けていることが期待される。当該治療のタイミングおよび目的は、対象者の健康の現状に従って、個体によって異なり得る。したがって、当該治療は、予防的(prophylactic)(予防的(preventative))、緩和的、症候性、および/または治癒的であり得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、ヒト対象者に投与され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、以下において使用され得る:
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、若年発症成人型糖尿病(MODY)、妊娠糖尿病、および/またはHbA1cの低減などの任意の形態の糖尿病および関連する症状の予防および/または治療、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への発症および/または進行の遅延、
(iii)例えば、食物摂取量の減少、食欲の抑制、満腹感の誘発、体重の低減;抗精神病薬もしくはステロイドなどの医薬によって誘発された過食性障害、食物渇望、神経性大食症、および/または肥満の治療もしくは予防;ならびに/または胃内容排出の遅延による、特定の摂食障害、過体重、および/または肥満の予防および/または治療、
(iv)心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、血行再建、不安定狭心症のための入院、および心不全のための入院から成る群から選択される主要有害心血管事象(MACE)の発症の遅延または低減などの、心血管疾患の予防および/または治療、
(v)代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)および/またはアルコール性肝疾患(ALD)として別名で知られる、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の予防および/または治療、
(vi)慢性腎臓疾患の予防および/または治療、
(vii)閉塞型睡眠時無呼吸の予防および/または治療、
(viii)アルツハイマー病などの認知障害の予防および/または治療。
適応症は、(i)であり得る。適応症は、(ii)であり得る。適応症は、(iii)であり得る。適応症は、(iv)であり得る。適応症は、(v)であり得る。適応症は、(vi)であり得る。適応症は、(vii)であり得る。適応症は、(viii)であり得る。適応症は、過体重または肥満であり得る。適応症は、2型糖尿病であり得る。
一般に、肥満を患っている全ての対象者は、過体重も患っていると考えられる。肥満を患っている対象者は、成人のヒトまたは子供などのヒトであり得、「子供」は、乳児および青年期の若者を含む。
世界保健機関(WHO)は、肥満を、健康を損ない得る脂肪の異常または過剰な蓄積であると定義し、ボディマス指数(BMI)が過体重および肥満の最も好都合な集団レベルの尺度であるとみなす。BMIを計算するために使用される式は、体重(キログラム)(kg)/身長(メートル)の二乗(m)である。
成人については、WHOは過体重および肥満を以下のように定義する:過体重とは、25以上のBMIを有することを意味し、肥満とは、30以上のBMIを有することを意味する。
子供については、WHOは過体重および肥満を定義する際に年齢を考慮する。
5歳未満の子供については、過体重とは、WHOの子供の成長基準の中央値よりも2標準偏差を超える身長に対する体重を有することを意味し、肥満とは、WHOの子供の成長基準の中央値よりも3標準偏差を超える身長に対する体重を有することを意味する。
過体重および肥満は、5~19歳の子供について以下のように定義される:過体重とは、WHOの子供の成長基準の中央値よりも1標準偏差を超える年齢に対するBMIを有することを意味し、肥満とは、WHOの子供の成長基準の中央値よりも2標準偏差を超える年齢に対するBMIを有することを意味する。
それにもかかわらず、成人について以下の表(i)に示すように、低体重、正常範囲、肥満前/過体重、および肥満の診断基準は、国/集団間で異なり得る。
アジア人集団のガイドラインは、Misra A et al.J Assoc Physicians India.2009;57:163-70によって公開された。
中国人集団のガイドラインは、中国成人における過体重および肥満の予防および制御のためのガイドラインの2006年版で発行され、肥満に関する中国ワーキンググループによって作成された。
2016年に、肥満疾患の管理ガイドラインにおいて日本肥満学会(JASSO)によって、日本人集団のガイドラインが発行された。
台湾人集団のガイドラインは、2023年に、台湾政府の健康促進局(HPA)、衛生福利部によって、その“Evidence-Based Guideline on Adult Obesity Prevention and Management”の第2版で発行された。
したがって、肥満を患っている成人ヒト対象者は、25kg/m以上、27kg/m以上、28kg/m以上、または30kg/m以上のBMIを有し得、この対象者は、肥満であるともとも呼ばれる場合がある。肥満は、クラスI、クラスII、クラスIII、またはクラスIVの肥満であり得る。過体重を患っている成人ヒト対象者は、24kg/m以上、25kg/m以上、または27kg/m以上のBMIを有し得る。いくつかの実施形態では、過体重を患っているヒト対象者は、24~<27kg/mの範囲、24~<28kg/mの範囲、25~<30kg/mの範囲、または27~<30kg/mの範囲のBMIを有する。
正常なBMIより高いと、広範囲の他の疾患または併存疾患のうちのいずれか1つを発症する個体のリスクを増加させる。体重関連併存疾患は、上述の(i)、(ii)、(iv)、(v)、および(vii)で言及される疾患の1つ、またはいずれか1つの組み合わせであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、過体重の治療または予防に使用するためのものであり得、患者は、少なくとも1つの体重関連併存疾患を有し得る。本明細書に開示される医薬製剤は、肥満の治療または予防に使用するためのものであり得、患者は、少なくとも1つの体重関連併存疾患を有し得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、治療開始時に肥満である対象者において、慢性的な体重管理のための低減されたカロリー食および増加した身体活動として使用され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、治療開始時に過体重であり、かつ少なくとも1つの体重関連併存疾患を有する対象者において、慢性的な体重管理のための低減されたカロリー食および増加した身体活動として使用され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、30kg/m以上、28kg/m以上、27kg/m以上、または25kg/m以上の初期ボディマス指数(BMI)を有する成人ヒトにおける慢性的な体重管理のための、低減されたカロリー食および増加した身体活動の補助として使用され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、25kg/m以上または24kg/m以上の初期ボディマス指数(BMI)および少なくとも1つの体重関連併存疾患を有する成人ヒトにおける慢性的な体重管理のための、低減されたカロリー食および増加した身体活動の補助として使用され得る。
本明細書に開示される医薬製剤の投与は、治療開始から26週間以内に、>15%の体重減少、例えば、>20%の体重減少、例えば、>25%の体重減少、例えば、>30%の体重減少、例えば、約15~40%の体重減少、例えば、約20~35%の体重減少、例えば、約25~30%の体重減少をもたらし得る。
本明細書に開示される本明細書に開示される医薬製剤の投与は、治療開始から26週間以内に、>15%の体重減少、例えば、>20%の体重減少、例えば、>25%の体重減少、例えば、>30%の体重減少、例えば、約15~40%の体重減少、例えば、約20~35%の体重減少、例えば、約25~30%の体重減少をもたらし得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、上記の(i)または(ii)に記載される糖尿病の治療または予防に使用するためのものであり得る。本明細書に開示される医薬製剤は、上記の(vi)などの糖尿病および少なくとも1つの糖尿病関連併存疾患の治療または予防に使用するためのものであり得る。
本明細書に開示される医薬製剤の投与は、唯一の活性成分としてのGLP-1受容体作動薬または唯一の活性成分としてのアミリン受容体作動薬のいずれかによる治療から生じるものと比較して、%点においてより高いHbA1c低減をもたらし得る。
本明細書に開示されるセマグルチドおよびカグリリンチド医薬製剤の投与は、唯一の活性成分としてのセマグルチドまたは唯一の活性成分としてのカグリリンチドのいずれかによる治療から生じるものと比較して、%点においてより高いHbA1c低減をもたらし得る。
用量
本発明の医薬製剤は、特定の濃度のアミリン受容体作動薬および特定の濃度のGLP-1受容体作動薬を含む。例えば、上述のように、医薬製剤は、0.25~22mg/mlのカグリリンチド、および0.25~22mg/mlのセマグルチドを含み得る。単回注射で投与されるGLP受容体作動薬およびアミリン受容体作動薬の用量は、医薬製剤内のこれらの活性成分の濃度および投与される医薬製剤の体積に依存する。
本発明の医薬製剤は、所定の間隔で単回用量として投与され得る。
本明細書に開示される医薬製剤の単回用量は、カグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬、およびセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬の以下の用量のうちのいずれか1つを含み得る。
有効量のカグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬、およびセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬は、それを必要とする対象者に投与され得る。
用量は、およそ週1回投与されてもよい。2つの固定用量の間隔は、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日、または約10日であり得る。好ましい実施形態では、固定維持用量は、およそ7日毎に1回(週1回)投与される。
用量は、上に列挙される疾患または併存疾患の任意の1つまたは組み合わせを有する個体に投与され得る。いくつかの好ましい実施形態では、用量は、肥満(ボディマス指数[BMI]≧30kg/m)を有する対象者に投与される。いくつかの好ましい実施形態では、用量は、過体重(BMI≧27kg/m~<30kg/m)であり、かつ少なくとも1つの体重関連併存疾患(例えば、高血圧、2型糖尿病、または脂質異常症)を有する個体に投与される。
いくつかの実施形態では、週1回の治療は、統計的に有意な、用量依存性の体重低減をもたらす。
いくつかの好ましい実施形態では、用量は、2型糖尿病を有する成人における血糖管理を改善するための食事および運動の補助として投与される。
治療開始時、カグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬、およびセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬の漸増用量を、それを必要とする個体に投与することが有益であり得る。個体が治療に順応すると、カグリリンチドなどのアミリン受容体作動薬、およびセマグルチドなどのGLP-1受容体作動薬の維持用量を、それを必要とする個体に投与することが有益であり得る。
治療は、週1回であってもよく、用量漸増期間は、16週間であってもよい。
治療は、週1回であってもよく、用量漸増は、およそ週1回行う。
治療は、週1回であってもよく、用量漸増は、およそ隔週で1回行う。
治療は、週1回であってもよく、用量漸増は、およそ3週間に1回行う。
治療は、週1回であってもよく、用量漸増は、およそ4週間に1回行う。
投与されるアミリン受容体作動薬の用量は、約0.25~16mg、例えば、約0.25~9.0mg、例えば、約0.25~4.5mg、例えば、約0.25~2.4mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約0.25~16mg、例えば、約0.25~9.0mg、例えば、約0.25~4.5mg、例えば、約0.25~2.4mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約0.25mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約0.5mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約1.0mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約1.5mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約1.7mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約3.4mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約3.6mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約4.5mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約7.2mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約8.0mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約9.0mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約16.0mgであり得る。
投与されるGLP-1受容体作動薬の用量は、約0.25~16mg、例えば、約0.25~9.0mg、例えば、約0.25~4.5mg、例えば、約0.25~2.4mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約0.25~16mg、例えば、約0.25~9.0mg、例えば、約0.25~4.5mg、例えば、約0.25~2.4mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約0.25mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約0.5mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約1.0mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約1.5mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約1.7mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約2.4mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約3.6mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約4.5mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約4.8mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約6.0mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約6.9mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約7.2mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約8.0mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約9.0mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約12mgであり得る。
投与されるセマグルチドの用量は、約16.0mgであり得る。投与されるセマグルチドの用量は、約16.0mgであり得る。
アミリン受容体作動薬対GLP-1受容体作動薬の比は、約1:2であり得る。カグリリンチドとセマグルチドとの比は、約1:2であり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.125mgであり得、セマグルチドの用量は、約0.25mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.25mgであり得、セマグルチドの用量は、約0.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.5mgであり得、セマグルチドの用量は、約1.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.75mgであり得、セマグルチドの用量は、約1.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.85mgであり得、セマグルチドの用量は、約1.7mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約1.2mgであり得、セマグルチドの用量は、約2.4mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.25mgであり得、セマグルチドの用量は、約4.5mgであり得る。
投与されるカグリリンチドの用量は、約3.6mgであり得、セマグルチドの用量は、約7.2mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約4.0mgであり得、セマグルチドの用量は、約8.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約7.2mgであり得、セマグルチドの用量は、約14.4mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約8.0mgであり得、セマグルチドの用量は、約16.0mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約1.2mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約2.4mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約2.25mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約4.5mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約4.0mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約8.0mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約8.0mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約16.0mgであり得る。
アミリン受容体作動薬対GLP-1受容体作動薬の比は、約1:1であり得る。カグリリンチドとセマグルチドとの比は、約1:1であり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.25mgであり得、セマグルチドの用量は、約0.25mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約0.5mgであり得、セマグルチドの用量は、約0.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約1.0mgであり得、セマグルチドの用量は、約1.0mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約1.0mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約1.0mgであり得る。カグリリンチドの用量は、約1.7mgであり得、セマグルチドの用量は、約1.7mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約1.7であり得、セマグルチドの維持用量は、約1.7であり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約2.4mgであり得る。
カグリリンチドの維持用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの維持用量は、約2.4mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約4.5mgであり得、セマグルチドの用量は、約4.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約8.0mgであり得、セマグルチドの用量は、約8.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約16.0mgであり得、セマグルチドの用量は、約16.0mgであり得る。
アミリン受容体作動薬対GLP-1受容体作動薬の比は、1:1~1:7であり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約2.4mg~16.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約3.6mg~16.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約2.4mg~13.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約3.6mg~13.5mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約3.6mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約4.8mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約6.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約6.9mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約7.2mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約8.0mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約2.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約12mgであり得る。
カグリリンチドの用量は、約3.4mgであり得、セマグルチドの用量は、約13.5mgであり得る。
カグリリンチドおよびセマグルチドは、0.25mgの初期用量で週1回投与され、次いで、0.5mg、1.0mg、および1.7mgの後続投与レベルに、週1回の2.4mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
0.25mgのカグリリンチドおよびセマグルチドは、週1回投与され、4週間毎に、0.5mg、1.0mg、および1.7mgの後続投与レベルに、週1回の2.4mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
0.25mgのカグリリンチドおよびセマグルチドは、週1回投与され、4週間毎に、0.5mg、1.0mg、および1.7mgの後続投与レベルに、週1回の2.4mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
0.25mgのカグリリンチドおよび0.25mgのセマグルチドは、週1回、4週間(0~3週目)投与され、4週間毎に、0.5mgのカグリリンチドおよび0.5のセマグルチド(4~7週目)、1.0mgのカグリリンチドおよび1.0のセマグルチド(8~11週目)、ならびに1.7mgのカグリリンチドおよび1.7mgのセマグルチド(12~15週目)の後続投与レベルに、週1回の2.4mgのカグリリンチドおよび2.4mgのセマグルチドの目標/維持用量に達するまで(16週目およびその後)漸増され得る。
カグリリンチドおよびセマグルチドは、0.25mgの初期用量で週1回投与され、次いで、0.5mg、1.0mg、1.7mg、および2.4mgの後続投与レベルに、週1回の4.5mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
カグリリンチドおよびセマグルチドは、0.25mgの初期用量で週1回投与され、次いで、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg、3.6mg、および4.5mgの後続投与レベルに、週1回の7.2mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
カグリリンチドおよびセマグルチドは、0.25mgの初期用量で週1回投与され、次いで、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg、3.6mg、4.5mg、および7.2mgの後続投与レベルに、週1回の8.0mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
カグリリンチドおよびセマグルチドは、0.25mgの初期用量で週1回投与され、次いで、0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mg、3.6mg、4.5mg、7.2mg、および8.0の後続投与レベルに、週1回の16.0mgの目標/維持用量に達するまで漸増され得る。
本明細書では、数値または間隔に関して示される特定の値は、特定の値であるか、または近似値(量が重量によって提供され得るとき、例えば、特定の値のプラスもしくはマイナス10、15、または20パーセント;pHが測定されるとき、例えば、プラスもしくはマイナス0.4)であると解釈され得る。
キット
本明細書に開示される医薬製剤は、使用説明書と一緒に医薬製剤を含むキットの形態で提示され得る。使用説明書は、薬剤の添付文書を含み得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、注射装置において掲示される液体製剤であり得る。注射装置は、耐久性ペン、事前充填ペン、または事前充填シリンジから成る群から選択され得る。
本明細書に開示される医薬製剤は、バイアルまたはカートリッジにおいて掲示される液体製剤であり得る。
キットは、第1のバイアル内の乾燥製剤、第2のバイアル内の水溶液、および使用説明書を含んでもよく、水溶液中の乾燥製剤の再構成は、本明細書に開示される液体医薬製剤を提供する。
以下は、本発明の実施形態の非限定的な一覧である。
実施形態
1.アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換を含むシクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤および/または安定化剤とを含む医薬製剤。
2.GLP-1受容体作動薬が、アミリン受容体作動薬の最適なpHと不適合である等電点を有する、実施形態1に記載の医薬製剤。
3.GLP-1受容体作動薬の最適なpHおよびアミリン受容体作動薬の最適なpHが、少なくとも約2つのpH単位、例えば、2~5のpH単位、例えば、2~4のpH単位、例えば、3~5のpH単位だけ異なる、実施形態1または2に記載の医薬製剤。
4.アミリン受容体作動薬の最適なpHが、3.5~4.5、例えば、約4.0である、実施形態1~3のいずれか1つに記載の医薬製剤。
5.当該アミリン受容体作動薬が、カグリリンチドである、実施形態1~4のいずれか1つに記載の医薬製剤。
6.当該GLP-1受容体作動薬が、5.0以下、例えば、4.5以下、例えば、3.0~5.0の範囲内、例えば、3.5~5.0の範囲内、例えば、3.5~4.5の範囲内、例えば、3.8~4.9の範囲内、例えば、4.0~4.5の範囲内の等電点を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載の医薬製剤。
7.当該GLP-1受容体作動薬が、5.0以下、例えば、4.5未満、例えば、3.0~5.0、例えば、3.5~5.0、例えば、3.5~4.5、例えば、3.8~4.9、例えば、4.0~4.5の範囲内の等電点を有するGLP-1(7-37)由来ペプチドを含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載の医薬製剤。
8.当該アミリン受容体作動薬が、7.6~9.4または8~9の範囲内の理論的に計算された等電点(pI)を有する、実施形態1に記載の医薬製剤。
9.当該アミリン受容体作動薬が、7.6~9.4または8~9の範囲内の理論的に計算された等電点(pI)を有するヒトアミリン由来ペプチドを含む、実施形態1に記載の医薬製剤。
10.当該GLP-1受容体作動薬が、セマグルチドまたはチルゼパチドである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の医薬製剤。
11.当該GLP-1受容体作動薬が、セマグルチドである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の医薬製剤。
12.当該シクロデキストリンが、6環配置グルコース単位を含むヒドロキシプロピル置換アルファ型、および/または7環配置グルコース単位を含むヒドロキシプロピル置換ベータ型である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の医薬製剤。
13.当該シクロデキストリンが、6環配置グルコース単位を含むヒドロキシプロピル置換アルファ型のものである、実施形態1~12のいずれか1つに記載の医薬製剤。
14.当該シクロデキストリンが、7環配置グルコース単位を含むヒドロキシプロピル置換ベータ型のものである、実施形態1~13のいずれか1つに記載の医薬製剤。
15.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最大約1.2のヒドロキシプロピルを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の医薬製剤。
16.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最大約0.92のヒドロキシプロピルを含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の医薬製剤。
17.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最大約0.75のヒドロキシプロピルを含む、実施形態1~16のいずれか1つに記載の医薬製剤。
18.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最大約0.68のヒドロキシプロピルを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載の医薬製剤。
19.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最小約0.4のヒドロキシプロピルを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の医薬製剤。
20.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり最小約0.58のヒドロキシプロピルを含む、実施形態19に記載の医薬製剤。
21.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり約0.58~の1.0ヒドロキシプロピルを含む、実施形態20に記載の医薬製剤。
22.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり平均(MS)0.62~0.92のヒドロキシプロピルを含む、実施形態21に記載の医薬製剤。
23.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり平均(MS)約0.62~0.84のヒドロキシプロピルを含む、実施形態21に記載の医薬製剤。
24.当該シクロデキストリンが、グルコース単位当たり平均(MS)約0.62のヒドロキシプロピルを含む、実施形態21に記載の医薬製剤。
25.液体製剤である、実施形態1~24のいずれか1つに記載の医薬製剤。
26.pHが、約5.6~6.4、例えば、約5.8~6.2、例えば、約5.6、例えば、約5.7、例えば、約5.8、例えば、約5.9、例えば、約6.0、例えば、約6.1、例えば、約6.2、例えば、約6.3、例えば、約6.4、好ましくは、5.8~6.2である、実施形態1~25のいずれか1つに記載の医薬製剤。
27.10%w/v超のシクロデキストリンを含む、実施形態25または26に記載の医薬製剤。
28.22%w/v未満のシクロデキストリンを含む、実施形態25~27のいずれか1つに記載の医薬製剤。
29.20%w/v未満のシクロデキストリンを含む、実施形態25~28のいずれか1つに記載の医薬製剤。
30.約10~20%w/vの当該シクロデキストリンを含む、実施形態25~28のいずれか1つに記載の医薬製剤。
31.約10~17.5%w/vのシクロデキストリンを含む、実施形態25~30のいずれか1つに記載の医薬製剤。
32.約12~18%w/vのシクロデキストリンを含む、実施形態25~31のいずれか1つに記載の医薬製剤。
33.約11.25~15%w/vのシクロデキストリンを含む、実施形態25~32のいずれか1つに記載の医薬製剤。
34.約15%w/vのシクロデキストリンを含む、実施形態25~32のいずれか1つに記載の医薬製剤。
35.少なくとも約1mg/mlの当該GLP-1受容体作動薬を含む、実施形態25~34のいずれか1つに記載の医薬製剤。
36.最大約22mg/mlの当該GLP-1受容体作動薬を含む、実施形態25~35のいずれか1つに記載の医薬製剤。
37.約1~12mg/mlのGLP-1受容体作動薬を含む、実施形態25~36のいずれか1つに記載の医薬製剤。
38.少なくとも約1mg/mlの当該アミリン受容体作動薬を含む、実施形態25~37のいずれか1つに記載の医薬製剤。
39.最大約30mg/mlのアミリン受容体作動薬を含む、実施形態25~38のいずれか1つに記載の医薬製剤。
40.最大約22mg/mlのアミリン受容体作動薬を含む、実施形態25~39のいずれか1つに記載の医薬製剤。
41.約1~12mg/mlのアミリン受容体作動薬を含む、実施形態25~40のいずれか1つに記載の医薬製剤。
42.0.25~22mg/mlのカグリリンチドを含む、実施形態25~41のいずれか1つに記載の医薬製剤。
43.0.25~22mg/mlのセマグルチドを含む、実施形態25~42のいずれか1つに記載の医薬製剤。
44.5~30mg/mlのチルゼパチドを含む、実施形態25~42のいずれか1つに記載の医薬製剤。
45.0.25~22mg/mlのカグリリンチドおよび0.25~22mg/mlのセマグルチドを含む、実施形態25~43のいずれか1つに記載の医薬製剤。
46.有効量のカグリリンチドおよびセマグルチドまたはチルゼパチドを含む、実施形態25~41のいずれか1つに記載の医薬製剤。
47.当該少なくとも1つの防腐剤が、フェノールおよび/またはm-クレゾールおよび/またはEDTAである、実施形態1~46のいずれか1つに記載の医薬製剤。
48.9~40mMの濃度のm-クレゾールを含む、実施形態25~47のいずれか1つに記載の医薬製剤。
49.18~65mMの濃度のフェノールを含む、実施形態25~48のいずれか1つに記載の医薬製剤。
50.9~40mMの濃度のm-クレゾールおよび18~65mMの濃度のフェノールを含む、実施形態25~49のいずれか1つに記載の医薬製剤。
51.当該少なくとも1つの安定化剤が、EDTAである、実施形態1~50のいずれか1つに記載の医薬製剤。
52.0.5~5.0mg/mlの濃度のEDTAを含む、実施形態25~51のいずれか1つに記載の医薬製剤。
53.カグリリンチドと、セマグルチドと、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンと、m-クレゾールと、フェノールと、EDTAとを含み、かつ5.6~6.4、好ましくは、5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
54.カグリリンチドと、セマグルチドと、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンと、EDTAとを含み、かつ5.6~6.4、好ましくは、5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
55.等張化剤をさらに含むが、ただし、等張化剤が塩化ナトリウムではないことを条件とする、実施形態1~54のいずれか1つに記載の医薬製剤。
56.当該等張化剤が、グリセロール、マンニトール、プロピレングリコール、ソルビトールもしくはトレハロース、またはそれらの組み合わせである、実施形態1~55のいずれか1つに記載の医薬製剤。
57.当該等張化剤が、グリセロールである、実施形態56に記載の医薬製剤。
58.約2.5~18mg/mlの濃度のグリセロールを含む、実施形態25~57のいずれか1つに記載の医薬製剤。
59.当該等張化剤が、マンニトールである、実施形態56に記載の医薬製剤。
60.約16.5~37.5mg/ml、例えば、約20mg/mlの濃度のマンニトールを含む、実施形態25~59のいずれか1つに記載の医薬製剤。
61.当該等張化剤が、プロピレングリコールである、実施形態56に記載の医薬製剤。
62.約2~15mg/mlの濃度のプロピレングリコールを含む、実施形態25~61のいずれか1つに記載の医薬製剤。
63.当該等張化剤が、ソルビトールである、実施形態56に記載の医薬製剤。
64.約5~35mg/ml、例えば、約10~30mg/ml、例えば、約16~28mg/ml、例えば、約16.5~25mg/ml、例えば、約16~24mg/ml、例えば、約24mg/ml、例えば、約20mg/ml、例えば、約16mg/ml、例えば、約12mg/mlの濃度のソルビトールを含む、実施形態25~63のいずれか1つに記載の医薬製剤。
65.当該等張化剤が、トレハロースである、実施形態56に記載の医薬製剤。
66.約33~75mg/ml、例えば、約33~45mg/ml、例えば、約38mg/mlの濃度のトレハロースを含む、実施形態25~65のいずれか1つに記載の医薬製剤。
67.約5.0~7.0の少なくとも1つのpKaを有する緩衝液をさらに含む、実施形態1~66のいずれか1つに記載の医薬製剤。
68.ヒスチジン、クエン酸塩、および/またはリン酸塩から成る群から選択される緩衝液をさらに含む、実施形態1~67のいずれか1つに記載の医薬製剤。
69.最大30mMの緩衝液を含む、実施形態25~68のいずれか1つに記載の医薬製剤。
70.約3~30mMのクエン酸塩を含む、実施形態25~69のいずれか1つに記載の医薬製剤。
71.約3~30mMのヒスチジン、例えば、3~15mMのヒスチジン、例えば、3~10mMのヒスチジン、例えば、約6mMのヒスチジンを含む、実施形態25~70のいずれか1つに記載の医薬製剤。
72.約3~30mMのリン酸塩を含む、実施形態25~71のいずれか1つに記載の医薬製剤。
73.界面活性剤をさらに含む、実施形態1~72のいずれか1つに記載の医薬製剤。
74.当該界面活性剤が、ポリソルベート20および/またはポリソルベート80である、実施形態1~73のいずれか1つに記載の医薬製剤。
75.最大約2.0mg/mlのポリソルベート20および/またはポリソルベート80を含む、実施形態25~74のいずれか1つに記載の医薬製剤。
76.0.01~0.1mg/ml、例えば、約0.05mg/mlのポリソルベート20および/もしくはポリソルベート80、または0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/もしくはポリソルベート80を含む、実施形態75に記載の医薬製剤。
77.当該界面活性剤が、ポリソルベート80である、実施形態73~76のいずれか1つに記載の医薬製剤。
78.0.01~0.1mg/mlのポリソルベート80、好ましくは、0.05mg/mlのポリソルベート80を含む、実施形態1~77のいずれか1つに記載の医薬製剤。
79.少なくとも75%w/wの水、例えば、約80%w/wの水、例えば、約85%w/wの水、例えば、最大約90%w/wの水を含む、実施形態25~78のいずれか1つに記載の医薬製剤。
80.有効量のカグリリンチドおよびセマグルチドと、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリンと、フェノールおよび/またはm-クレゾールと、EDTAと、ヒスチジンと、ソルビトールと、ポリソルベート20および/または80と、約75~90%w/wの水とから本質的に成り、かつ5.6~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、実施形態1~79のいずれか1つに記載の医薬製剤。
81.有効量のカグリリンチドおよびセマグルチドと、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり平均0.62~0.92のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリンと、フェノールおよび/またはm-クレゾールと、EDTAと、ヒスチジンと、ソルビトールと、ポリソルベート20および/または80と、約75~90%w/wの水とから本質的に成り、かつ5.6~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、実施形態1~80のいずれか1つに記載の医薬製剤。
82.医薬製剤であって、
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
-約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、約0.05mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、または0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/もしくは80、
-約75~90%w/wの水、を含み、かつ
5.6~6.4、例えば、5.7~6.4、好ましくは、5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
83.医薬製剤であって、
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
-約3~30mMのヒスチジン、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、約0.05mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、または0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/もしくは80、
-約75~90%w/wの水、を含み、かつ
5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
84.医薬製剤であって、
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
-約3~30mMのクエン酸塩、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、0.05mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、または0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/もしくは80、
-約75~90%w/wの水を含み、かつ
5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
85.
-有効量のカグリリンチドおよびセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約3~30mMのヒスチジン、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、0.05mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、または0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/もしくは80、
-5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpH、
-注射用水から本質的に成る、実施形態1~84のいずれか1つに記載の医薬製剤。
86.
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約3~30mM、好ましくは、約6mMのヒスチジン、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、0.05mg/ml、または0.1超および0.2mg/ml未満もしくは約0.1~0.2mg/mlのポリソルベート20および/もしくは80、
-5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpH、
-注射用水から本質的に成る、実施形態1~85のいずれか1つに記載の医薬製剤。
87.医薬として使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
88.肥満の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のうちのいずれか1つに記載の医薬製剤。
89.少なくとも1つの体重関連併存疾患を有する対象者における過体重の治療または予防に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
90.治療開始時に過体重または肥満である対象者における少なくとも1つの体重関連併存疾患の治療または予防に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
91.対象者における肥満の治療または予防に使用するためのものであり、当該対象者が、25kg/m以上、27kg/m以上、28kg/m以上、または30kg/m以上の初期ボディマス指数(BMI)を有する、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
92.対象者における過体重の治療に使用するためのものであり、当該対象者が、24kg/m以上、25kg/m以上、または27kg/m以上の初期ボディマス指数(BMI)、および少なくとも1つの体重関連併存疾患を有する、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
93.25kg/m、27kg/m、28kg/m、もしくは30kg/mまたはそれ以上の初期ボディマス指数(BMI)(肥満)、あるいは24kg/m、25kg/m、もしくは27kg/mまたはそれ以上の初期ボディマス指数(BMI)(過体重)、および少なくとも1つの体重関連併存疾患を有する成人対象者における過体重または肥満の治療または予防において、低減されたカロリー食および増加した身体活動の補助として使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
94.少なくとも1つの体重関連併存疾患の存在下で、30kg/m以上(肥満)または27kg/m以上(過体重)の初期ボディマス指数(BMI)を有する成人対象者における慢性的な体重管理において、低カロリー食および身体活動の増加の補助として使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
95.当該少なくとも1つの併存疾患が、糖尿病および/または1つ以上の心血管疾患(CVD)および/または非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)または代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)および/またはアルコール性肝疾患(ALD)および/または閉塞型睡眠時無呼吸である、実施形態87~94のいずれか1つに記載の液体医薬製剤の使用。
96.II型糖尿病などの糖尿病を有する対象者の治療に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
97.II型糖尿病などの糖尿病、および少なくとも1つの糖尿病関連併存疾患を有する対象者の治療に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
98.2型糖尿病を有する成人における血糖管理を改善するための食事および運動の補助として使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
99.糖尿病を有する対象者における慢性腎臓疾患(CKD)の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のうちのいずれか1つに記載の医薬製剤。
100.1つ以上の心血管疾患(CVD)の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のうちのいずれか1つに記載の医薬製剤。
101.非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、代謝障害関連脂肪肝炎(MASH)、および/またはアルコール性肝疾患(ALD)の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
102.治療開始時に過体重または肥満である対象者における閉塞型睡眠時無呼吸の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
103.アルツハイマー病などによって引き起こされる認知障害の治療および/または予防に使用するための、実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
104.製剤が非経口注射によって投与されることを特徴とする、実施形態87~103のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
105.製剤が皮下注射によって投与されることを特徴とする、実施形態87~103のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
106.製剤がおよそ週1回投与されることを特徴とする、実施形態87~103のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
107.投与されるカグリリンチドの用量対投与されるセマグルチドの用量の比が、約1:1である、実施形態87~106のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
108.投与されるカグリリンチドの用量対投与されるセマグルチドの用量の比が、1:1~1:7である、実施形態87~106のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
109.投与されるカグリリンチドの用量対投与されるセマグルチドの用量の比が、約1:2である、実施形態87~106のいずれか1つに記載の使用のための実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤。
110.実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬組成物と、使用説明書とを含む、キット。
111.実施形態1~86のいずれか1つに記載の医薬製剤を含むバイアルと、使用説明書とを含む、キット。
112.当該医薬製剤が、液体医薬製剤である、実施形態110に記載のキット。
113.当該液体医薬製剤が、
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
-3~30mMのヒスチジンまたはクエン酸塩などの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/または80、
-約75~90%w/wの水、を含み、かつ
5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、実施形態110~112のいずれか1つに記載のキット。
114.
-第1のバイアル中の凍結乾燥または噴霧乾燥製剤と、
-第2のバイアル中の水溶液と、
-使用説明書と、を含み、
2つのバイアルの内容物の混合物が、実施形態25~86のいずれか1つに記載の液体医薬製剤を提供する、実施形態110に記載のキット。
115.第1のバイアル中の凍結乾燥または噴霧乾燥製剤と、第2のバイアル中の水溶液と、使用説明書とを含むキットであって、
第1のバイアル中の製剤が、
-カグリリンチド、
-セマグルチド、
-ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-任意選択で、EDTA、
-任意選択で、約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
-任意選択で、ソルビトール、
-ポリソルベート20および/または80、を含み、
第2のバイアル中の水溶液が、
-注射用水、
-任意選択で、フェノールおよび/またはm-クレゾール、
-任意選択で、EDTA、
-任意選択で、ヒスチジンまたはクエン酸塩などの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
-任意選択で、ソルビトールを含む、キット。
116.水溶液中の凍結乾燥または噴霧乾燥製剤の溶解が、
-0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
-0.25~22mg/mlのセマグルチド、
-10%w/v超および22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
-約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
-ヒスチジンまたはクエン酸塩などの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
-約5~35mg/mlのソルビトール、
-0.1超および0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/または80、
-約75~90%w/wの水、を含み、かつ
5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、好ましくは、約5.8~6.2のpHを有する、液体医薬製剤を提供する、実施形態115に記載のキット。
117.実施形態1~86のいずれか1つに定義される医薬組成物と、当該医薬製剤を対象者に投与するための注射装置とを含むキットであって、当該注射装置が、耐久性ペン、事前充填ペン、および事前充填シリンジから成る群から選択される、キット。
実施例1:カグリリンチドの化学的安定性に対するヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HP-B-CD)の効果
この実施例は、カグリリンチドを化学的に安定化させるHP-B-CDの能力を示し、化学的安定性は、カグリリンチド純度およびカグリリンチド関連高分子量タンパク質(HMWP)に関して測定される。
カグリリンチドは、pH4.0で最適に安定しており、その化学分解速度は、典型的には、pHの増加とともに加速する。驚くべきことに、安定なカグリリンチド製剤は、HP-B-CDで製剤化されたとき、pH6で得られた。
組成物
カグリリンチド製剤1、2、および3の組成物を表1に示す。
調製プロセス
各カグリリンチド製剤を、最初に賦形剤を水中に溶解し、次いで、賦形剤溶液中にカグリリンチド原薬を溶解することによって調製した。溶液をpH調節し、水を添加して、所望の最終体積に達した後、0.22μmの滅菌フィルターを通した濾過によって滅菌した。濾過後、製剤を1mlのプレフィルドシリンジに充填した。
方法
試料を37℃で最大21日間貯蔵した。14日後および21日後、試料を分析して、HMWPおよびカグリリンチド純度レベルを決定した。
共有結合したHMWPのレベルを、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して定量化した。試料を、500mMの塩化ナトリウム、10mMのリン酸二水素ナトリウム一水和物、5mMのオルトリン酸塩、および50%(v/v)のイソプロパノールから成るアイソクラティック溶出で、WATERS HMWPカラム(7.8×300mm)を使用して分析した。クロマトグラフィーを、10μlの注射体積および0.5ml/分の流量を使用して、50℃でUV検出(215nm)を用いて行った。HMWPを、主ピークの面積で割った主ピーク×100%の前に溶出する全ての構成成分の面積として定量化した。
逆相超高速液体クロマトグラフィー(RP-UHPLC)を使用して、カグリリンチド純度を決定した。試料を、90%v/vの0.09Mリン酸塩溶液、pH3.6および10%v/vのアセトニトリルから成る溶出液A、ならびに60%v/vのアセトニトリルおよび20%v/vのイソプロパノールから成る溶出液Bの勾配溶出を用いるKinetex C18、1.7μm、100Å、カラム(2.1×150mm)を使用して分析した。クロマトグラフィーを、2~7.5μlの注射体積および0.25ml/分の流量を使用して、60℃でUV検出(215nm)を用いて行った。純度を、全てのピークの面積で割った主ピークの面積×100%として評価した。
結論
表2は、カグリリンチドが37℃およびpH4.0で貯蔵されたとき、HMWPが形成されず、カグリリンチド純度のわずかな減少のみが見られたことを示す。対照的に、pHが6.0である場合、HMWP形成速度およびカグリリンチド純度の減少は加速した。驚くべきことに、この急速な化学分解は、製剤へのHP-B-CDの添加によって対抗され、pH6でカグリリンチドを製剤化することを可能にした。
実施例2:セマグルチドの物理的安定性に対するHP-B-CDの効果
この実施例は、ペプチドフィブリルを形成する傾向を有するセマグルチドを物理的に安定化させるHP-B-CDの能力を示す。効果は、セマグルチドが最適以下のpHで製剤化されたときに明らかであった。
組成物
セマグルチド製剤1、2、および3の組成物を表3に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
物理的安定性を定量化するために使用されるパラメータであるペプチドフィブリルを凝集および形成するセマグルチドの傾向を、チオフラビンT(ThT)蛍光ストレスアッセイを使用して測定した。ペプチドフィブリルの存在に関する分析は、ThTプローブの蛍光特性に基づくものであり、これは、非結合状態/天然ペプチド結合状態では低い蛍光を示すが、ペプチドフィブリルに結合したときには高い蛍光を示し、ならびにフィブリル結合すると最大の蛍光の波長における赤色シフトを示す。
2つの試料をプールし、1400μlの試料を28μlの1mM ThTストック溶液に添加し、次いで、そのうちの200μlを、ガラスビーズが入った96ウェルマイクロタイタープレート上の6つの異なるウェルに移した。アッセイを、それぞれ450nmおよび480nmを使用して、励起および発光の両方のためのモノクロメーターを装備したBMG CLARIOstar蛍光プレートリーダー上で、40℃で169時間、二重軌道振盪および300rpmの速度で実行した。ラグタイムは、ThT蛍光の増加として示される、フィブリル化が生じるまで実験の開始から測定された。
結論
セマグルチド製剤をせん断応力誘発条件に供し、ペプチドフィブリルを形成するセマグルチドの傾向を測定した。驚くべきことに、HP-B-CDの存在は、セマグルチドペプチドフィブリル形成を阻害することが見出された。セマグルチドをpH6で、HP-B-CD(セマグルチド製剤1)の非存在下で製剤化したとき、2.35時間後にフィブリル化が発生し、すなわち、セマグルチドは物理的に安定ではなかった。しかしながら、セマグルチドをpH6で、HP-B-CD(セマグルチド製剤2)の存在下で製剤化したとき、実験の期間全体を通してフィブリル化は観察されず、すなわち、セマグルチドは物理的に安定であった。さらに、セマグルチドの物理的安定性は、pH6で、HP-B-CD(セマグルチド製剤2)の存在下で製剤化したとき、HP-B-CDの非存在下であるが、pH7.4(セマグルチド製剤3)に関してその最適な製剤条件で製剤化されたときのセマグルチドの物理的安定性と同等であることが見出された。
実施例3:セマグルチドの化学的安定性に対するHP-B-CDの効果
この実施例は、セマグルチドを化学的に安定化させるHP-B-CDの能力を示し、化学的安定性は、セマグルチド純度およびセマグルチド関連高分子量タンパク質(HMWP)に関して測定される。
組成物
実施例2と同じ製剤を使用した。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
HMWPおよびセマグルチド純度のレベルを、37℃で、0日、14日、および21日間の貯蔵後に決定した。
試料を、90%v/vの0.09Mリン酸塩溶液、pH3.6および10%v/vのアセトニトリルから成る溶出液A、ならびに60%v/vのアセトニトリルおよび20%v/vのイソプロパノールから成る溶出液Bの勾配溶出を用いるKinetex C18、2.6μm、カラム(4.6×150mm)を使用して分析する、逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して、セマグルチド純度を決定した。クロマトグラフィーを、10~100μlの注射体積および0.7ml/分の流量を使用して、30℃でUV検出(210nm)を用いて行った。純度を、全てのピークの面積で割った主ピークの面積×100%として定量化した。
共有結合したHMWPのレベルを、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用して決定した。試料を、300mMの塩化ナトリウム、10mMのリン酸二水素ナトリウム、5mMのオルトリン酸塩、および50%v/v 2-プロパノールから成るアイソクラティック溶出で、Waters SEC 1.7μmカラム(4.6×150mm)を使用して分析した。クロマトグラフィーを、1~10μlの注射体積および0.3ml/分の流量を使用して、50℃でUV検出(280nm)を用いて行った。HMWPを、主ピークの面積で割った主ピーク×100%の前に溶出する全ての構成成分の面積として定量化した。
結論
表5の結果は、セマグルチドの化学的純度が経時的に減少したことを示す。セマグルチドの化学的純度は、pH6.0(セマグルチド製剤1)で製剤化されたとき、その最適なpH7.4(セマグルチド製剤3)で製剤化されたときよりも急速に減少した。驚くべきことに、HP-B-CDは、pH6.0(セマグルチド製剤2)で製剤化されたとき、セマグルチドの化学的安定性(純度低下およびHMWP形成に関して)を改善した。
実施例4:セマグルチドの化学的安定性に対するヒドロキシプロピル-B-シクロデキストリン濃度の効果
この実施例は、セマグルチドの化学的安定性に対するHP-B-CDの濃度依存的効果を示す。
組成物
異なる濃度のHP-B-CDを含む共製剤の組成物を表6に示す。
調製
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
試料を37℃で28日間貯蔵し、そこで試料を分析して、14、21、および28日後のセマグルチドの化学的純度を決定した。
試料を、MQ水中の0.09%TFAから成る溶出液Aと、80%アセトニトリル中の0.09%TFAから成る溶出液Bとの勾配溶出で、Waters Acquityフェニル-ヘキシル1.7μmカラム(2.1×150mm)を使用して分析した、逆相超高速液体クロマトグラフィー(RP-UHPLC)を使用してセマグルチドの純度を決定した。クロマトグラフィーを、2~14μlの注射体積および0.25ml/分の流量を使用して、62℃でUV検出(215nm)を用いて行った。純度を、全ての関連するピークの面積で割ったセマグルチドの主ピークの面積×100%として評価した。
他の実験では、同じ方法を使用して、カグリリンチド純度を決定したことに留意されたい。
結論
表7の結果は、セマグルドの化学的安定性、およびしたがって純度もHP-B-CD濃度に依存したことを示す。セマグルチドは、全ての共製剤(11.25~15%w/vのHP-B-CDを含む)において化学的に安定であった。しかしながら、セマグルチドの化学的安定性、およびしたがって純度は、共製剤が15%w/vのHP-B-CDを含む場合に最も高かった。
実施例5:共製剤の物理的安定性に対する異なる等張化剤の効果
この実施例は、別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対する異なる等張化剤の安定化効果を示す。
組成物
異なる等張化剤を含む共製剤の組成物を表8に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
全ての試料を、以下のように定義されるストレス条件下で貯蔵した。
●期間:18日
●温度:37℃
●ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に5日、100回行った。
存在するサブビジブル粒子の数は、組み合わせたカグリリンチドおよびセマグルチドの物理的安定性を定量化し、マイクロフローイメージング(MFI、例えば、MFI技法の原理についてはSharma,D.K.et al.AAPS J.(2010),12:455-464を参照されたい)によって取得した。以下の手順を各分析したシリンジ試料に採用した。実験を周囲温度で行った。最初にプランジャーを除去し、次いで、液体を試料容器にピペッティングすることによって、各シリンジからの液体を取り出した。試料を96深ウェルプレートに移し、これを、標準Protein Simple MFI(商標)100μmフローセルを装備したProtein Simple MFI(商標)5200装置の試料ハンドリングユニット(Bot1)に挿入した。試料を、標準MFIシステム設定によって分析し、液体がフローセルに接続された貯蔵部にピペッティングされ、液体が10 LED光源(470nm)によって照射され、(倍率光学系を介した)デジタルカメラが、実験全体を通してフローセルの内容物を明視野像として記録したことを意味する。データ収集を、Protein Simple MVSSソフトウェアを使用して達成した。実験全体からの記録された画像ストリームを、検証されたNovo Nordisk専有ソフトウェアMFI Data Validatorによって処理し、個々の粒子の数(分析した液体1ml当たりの計数に対して正規化)を得、サブビジブル粒子の標準サイズ範囲である>5μm、>10μm、および>25μmのサイズ毎に提示した。>5μmである粒子の数は、直径5μmを超える全ての粒子(>5μm、>10μm、および>25μm)を含み、>10μmである粒子の数は、直径10μmを超える全ての粒子(>10μmおよび>25μm)を含むことに留意されたい。粒径は、等価円直径(ECD)として定義される。
結論
表9の結果は、サブビジブル粒子数が、等張化剤としてNaClを含む共製剤(共製剤10)において最も急速に増加したことを示す。7日後、粒子数は、他の共製剤について決定された粒子数を大幅に超えた。したがって、7日後にNaCl含有共製剤について、サブビジブル粒子の数の分析のためのサンプリングを中止した。
14日後、グリセロールおよびスクロースを含む共製剤において、サブビジブル粒子数の増加が見られ、2つの共製剤は、物理的安定性に関して同等であるとみなされた。粒子数は、マンニトール、ソルビトール、またはトレハロースを含んでいた共製剤において最も低いままであった。これらの共製剤では、共製剤がストレス条件下で貯蔵された18日間、サブビジブル粒子の数の増加は実質的に見られなかった。
試験した共製剤のうち、等張化剤としてマンニトール、ソルビトール、またはトレハロースを含む製剤は、経時的に最も安定なままであった。
実施例6:共製剤の物理的安定性に対する異なる界面活性剤の効果
この実施例は、別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対する異なる界面活性剤の効果を示す。
組成物
異なるタイプの界面活性剤を含む共製剤の組成物を表10に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
全ての試料を、以下のように定義されるストレス条件下で貯蔵した。
●期間:17日
●温度:37℃±2℃
●ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に5日、100回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
共製剤12は、ストレス条件下で17日間貯蔵されたとき、最も少ない数のサブビジブル粒子を含んでいた。ポリソルベート20を含む共製剤11では、14日後にサブビジブル粒子の増加が観察され、一方でポロキサマー188を含む共製剤13では、ストレス条件で7日後にサブビジブル粒子が形成される。ポリソルベート80を含む共製剤が最も安定していること、およびポリソルベート20を含む共製剤もまた許容可能に安定していることは明らかである。
実施例7:共製剤の物理的安定性に対する異なる緩衝物質の効果
この実施例は、緩衝物質が、別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対する効果を有することを示す。
組成物
共製剤1および共製剤14の組成物を表12に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
全ての試料を、以下のように定義されるストレス条件下で貯蔵した。
○期間:21日
○温度:37℃±2℃
○ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に5日、100回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
ストレス条件下で貯蔵されてから14日目まで、2つの共製剤の物理的安定性は類似しており、許容可能であった。しかしながら、18日後、クエン酸塩緩衝共製剤(共製剤1)中のサブビジブル粒子の数は、ヒスチジン緩衝共製剤(共製剤14)中の数よりもはるかに多かった。ヒスチジン緩衝共製剤14は、最も安定であった。
実施例8:共製剤の化学的安定性に対する異なる緩衝液濃度の効果
この実施例は、別様に同一の共製剤の化学的安定性に対する緩衝液濃度の効果を示す。
組成物
異なる濃度の緩衝液を含む共製剤の組成物を表14に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
試料を、30℃で21日間貯蔵して分析し、7、14、および21日後に、カグリリンチドの化学的純度を決定した。カグリリンチドの純度を、実施例4(セマグルチドについて)に記載されるように決定した。
結論
表15の結果は、両方の共製剤が安定であったことを示す。しかしながら、カグリリンチドの化学的純度は、共製剤15において最も高かった。カグリリンチドの純度は、ヒスチジン濃度が20mMであったとき、経時的により急速に減少した。
実施例9:共製剤の物理的安定性に対する異なる緩衝液濃度の効果
この実施例は、共製剤の物理的安定性に対するヒスチジン緩衝液濃度の効果を示す。
組成物
試験した共製剤の組成物は、表14に示すとおりである。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
全ての試料を、以下のように定義されるストレス条件下で貯蔵した。
●期間:18日
●温度:37℃±2℃
●ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に5日、100回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
共製剤15および16の物理的安定性の差は、14日後に最も明らかになった。表16のデータは、共製剤16(20mMのヒスチジンを含む)に見られるサブビジブル粒子の数が、共製剤15(6mMのヒスチジンを含む)に見られるサブビジブル粒子の数よりも多いことを示す。すなわち、6mMのヒスチジンを含む共製剤は、最も物理的に安定であった。
実施例10:皮下注射時の皮下耐性に対するHP-B-CD濃度の効果
この実施例は、皮下注射時の皮下組織に対するHP-B-CDの濃度依存的効果を示す。
組成物
様々なHP-B-CD濃度で調製された試験した共製剤ビヒクルの組成物を表17に示す。
調製プロセス
医薬活性成分の添加を控えたことを除いて、製剤を実施例1に記載されるように調製した。
方法
HP-B-CDを含む製剤の皮下投与時の局所(皮下)耐性を、25Gサイズの針および5mmのストッパーを装備したシリンジを使用して、600μlの皮下投与の6日後(剖検)に得られた皮膚病変の評価により、5匹の生きたランドレース×ヨークシャー×デュロック(LYD)ブタで研究した。2×2cmのサイズの皮膚試料を剖検で収集し、中性緩衝ホルマリン中で固定し、マルチナイフを使用してトリミングし、パラフィン包埋し、4μmの薄い切片に切断し、ガラススライドに載せ、その後、ヘマトキシリン-エオシン(HE)染色した。皮下組織壊死のレベルを、光学顕微鏡を使用して評価し、数値スケールでスコア化し、コード1は「壊死なし」を反映し、コード4は「中等度の壊死」を反映している。各共製剤ビヒクルについて、合計5つの皮膚試料を実施した。しかしながら、壊死の評価に成功するために皮下組織をスライシングすることの変動により、全ての注射部位にスコアを割り当てることができたわけではない。
1、壊死なし
2、最小の壊死
3、軽度の壊死
4、中等度の壊死
10%w/v~20%w/vのHP-B-CDを含む等張性共製剤ビヒクル調製物を、皮下注射時に誘発された皮下壊死のレベルについて評価した。結果を表20に提示する。
結論
共製剤ビヒクル中のHP-B-CD濃度の増加と注射部位での壊死との間に相関が観察された。一事例では、20%w/vのHP-B-CDを含む共製剤ビヒクルは、注射部位で中程度の皮下壊死を生じた。20%w/v未満のHP-B-CDを含む製剤は全て、注射部位で軽度または最小の皮下壊死のみを生じさせる。10~20%w/vのHP-B-CDを含む全ての共製剤ビヒクルは、許容可能な程度まで忍容性であり、10~17.5%w/vのHP-B-CDを含むものが好ましい。
実施例11:皮下注射時の皮下耐性に対する異なる等張化剤の効果
この実施例は、別様に同一の等張性共製剤ビヒクルにおける3つの異なる等張化剤(ソルビトール、マンニトール、およびトレハロース)のうちのいずれか1つの局所耐性に対する効果を示す。
組成物
試験した共製剤ビヒクルの組成物を表19に示す。
調製プロセス
医薬活性成分の添加を控えたことを除いて、製剤を実施例1に記載されるように調製した。
方法
HP-B-CDおよび3つの異なる等張化剤を含む等張性ビヒクル調製物の皮下投与からの局所耐性を、600μlのビヒクル調製物の皮下投与から生じる皮膚反応の評価によって、2匹の生きたランドレース×ヨークシャー×デュロック(LYD)ブタで研究した。調製物を、25Gサイズの針および5mmのストッパーを装備したシリンジを使用して注射した。注射の約24時間後に剖検を行い、2×2cmのサイズの皮膚試料を中性緩衝ホルマリン中で固定し、マルチナイフを使用して4μmの切片にトリミングし、パラフィン包埋し、その後HE染色した。2つの試料について、皮下組織壊死、炎症性細胞浸潤、および出血分布の重症度を、光学顕微鏡を使用して訓練された毒物病理学者によって評価し、数値スケールでスコア化したが、コード1は「異常なし」を反映し、コード3は「軽度の重症度」を反映している。
1、異常なし
2、最小の重症度
3、軽度の重症度
結論
表20に提示されるデータは、全体的に、ソルビトールが、最も少ない重度の壊死、炎症性細胞浸潤、および出血をもたらした等張化剤であったことを示す。これらの観察により、ソルビトールが、医薬活性成分を含む共製剤の良好かつ許容可能な皮下忍容性を得るために好ましい等張化剤であることが確認される。
実施例12:ヒスチジン緩衝製剤中の等張化剤タイプの効果、および皮下注射時の皮下耐性に対するクエン酸塩緩衝製剤の効果の確認
この実験では、以下を調べる。
(1)皮下注射時に、別様に同一のヒスチジン緩衝共製剤の局所耐性プロファイルに対して等張化剤のタイプが有する効果、および
(2)皮下注射時の、等張化剤を含まないクエン酸塩緩衝製剤との共製剤の局所耐性プロファイルに対する効果。
組成物
評価された共製剤の組成物を表21および22に記載する。
調製プロセス
共製剤17および18を、実施例1に記載されるように調製した。医薬活性成分の添加を控えたことを除いて、共製剤ビヒクル9を実施例1に記載されるように調製した。
方法
表23aおよび23bに記載される共製剤の皮下投与時の局所耐性を、25Gサイズの針および5mmのストッパーを装備したシリンジを使用して、750μlの試料サイズの皮下投与の6日後(剖検)に得られた皮膚病変の評価により、8匹の生きたミニブタで研究した。2×2cmのサイズの皮膚試料を剖検で収集し、中性緩衝ホルマリン中で固定し、マルチナイフを使用してトリミングし、パラフィン包埋し、4μmの薄い切片に切断し、ガラススライドに載せ、その後、ヘマトキシリン-エオシン(HE)染色した。試料について、皮下組織壊死の重症度を、光学顕微鏡を使用して訓練された毒物病理学者によって評価し、数値スケールでスコア化したが、コード1は「異常なし」を反映し、コード5は「顕著な重症度」を反映している。
1、異常なし
2、最小の重症度
3、軽度の重症度
4、中等度の重症度
5、顕著な重症度
壊死のスコアの結果を表23および表24に示す。
結論
表23に提示される結果は、製剤中に含まれる等張化剤のタイプが、そのインビボ局所忍容性に影響を及ぼすことを示す。等張化剤と注射部位で観察された皮下壊死との間に相関関係がある。トレハロースを含む共製剤17の皮下注射は、軽度の壊死(3のスコア)の2つの事象をもたらした。ソルビトールを含む共製剤18の皮下注射は、最小の壊死(2のスコア)のみをもたらし、これはより良好な結果である。これらの結果は、この別様に同一の共製剤ビヒクルの場合、15%w/vのHP-B-CD(平均MS:0.62)およびソルビトールを含む共製剤が、15%w/vのHP-B-CD(平均MS:0.62)およびトレハロースを含む共製剤よりも良好であることを確認する。
表24に提示される結果は、25%w/vのHP-B-CD(平均MS:0.92)、クエン酸塩を含み、かつ等張化剤を含まない共製剤9ビヒクルで、顕著な壊死(5のスコア)の3つの事象が観察されたことを示し、皮下投与のためのこの特定の共製剤の不適切さを確認した。
実施例13:カグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤化の物理的および化学的安定性に対する、異なる型のヒドロキシプロピル置換シクロデキストリンの効果
この実施例は、別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、サブビジブル粒子の形成およびカグリリンチドの化学分解に対するヒドロキシプロピル-アルファ-シクロデキストリン(HP-A-CD)、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HP-B-CD)、およびヒドロキシプロピル-ガンマ-シクロデキストリン(HP-G-CD)の効果を示す。
組成物
共製剤20、21、および23の組成物を表25に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
サブビジブル粒子数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:42日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように決定した。
カグリリンチドの純度を決定するために使用された試料を、37℃で最大42日間貯蔵した。試料を、90%v/vの0.09Mリン酸塩溶液、pH3.6および10%v/vのアセトニトリルから成る溶出液A、ならびに60%v/vのアセトニトリルおよび20%v/vのイソプロパノールから成る溶出液Bの勾配溶出を用いるKinetex C18、2.6μm、カラム(4.6×150mm)を使用して分析する、以下の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を使用して、カグリリンチドの純度を決定した。クロマトグラフィーを、10~100μlの注射体積および0.7ml/分の流量を使用して、30℃でUV検出(210nm)を用いて行った。カグリリンチドの純度を、全ての関連するピークの面積で割った主ピークの面積×100%として定量化した。
同じ方法を使用して、他の実験におけるセマグルチドの純度を決定した。
結論
表26に提示される結果は、共製剤22(HP-G-CD)において、多数のサブビジブル粒子が、既に時間ゼロで観察され、これにより、カグリリンチドおよびセマグルチドを共製剤化するためのHP-G-CDの使用が妨げられることを示す。サブビジブル粒子数の分析のためのサンプリングは、時間ゼロでの初回分析後に、HP-G-CDを含む共製剤22について中止した。共製剤20(HP-A-CD)および共製剤21(HP-B-CD)については、サブビジブル粒子の数の増加は実質的に観察されなかった。
HP-A-CDまたはHP-B-CDのいずれかを用いたカグリリンチドの化学的純度について表27に提示される結果は、HP-B-CDを含む共製剤21におけるよりも、HP-A-CDを含む共製剤20におけるカグリリンチド純度のわずかにより急速な減少を示す。
表26の結果に基づいて、HP-A-CDまたはHP-B-CDのいずれかは、カグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤に許容可能である。しかしながら、表27の結果に基づいて、HP-B-CDは、HP-B-CDで製剤化されたときのカグリリンチドの優れた純度に起因して、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤についてHP-A-CDと比較して好ましい。
実施例14:共製剤の物理的安定性に対するベータ型のシクロデキストリン置換の効果
この実施例は、別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対するスルホブチルエーテル-B-シクロデキストリン(SBE-B-CD)およびヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンの効果を示す。
組成物
HP-B-CDまたはSBE-B-CDのいずれかを含む共製剤の組成物を表28に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
サブビジブル粒子の数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:35日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
表29の結果は、SBE-B-CDを使用してカグリリンチドおよびセマグルチドを共製剤化する場合、14日後にサブビジブル粒子の数の大きな増加が観察され、すなわち、共製剤は物理的に不安定であることを示す。代わりにHP-B-CDを使用する場合、研究の35日の期間の間、増加は実質的に観察されず、すなわち、共製剤は物理的に安定である。
ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンについて示したものとは対照的に、これらの結果は、スルホブチルエーテル-B-シクロデキストリン(SBE-B-CD)が、カグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤化に使用するのに好適なシクロデキストリンではないことを示す。
実施例15:共製剤の物理的安定性に対するカグリリンチドおよびセマグルチドの濃度比の効果
この実施例は、共製剤で観察されるサブビジブル粒子のレベルに対する、カグリリンチドおよびセマグルチドの異なる濃度比の効果を示す。
組成物
ヒスチジン緩衝共製剤25~29の組成物を表30に示し、ヒスチジン緩衝共製剤30~40の組成物を表31に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
サブビジブル粒子の数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:28日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
表32に提示される結果は、21日後に、3.2mg/mlのカグリリンチドおよび最大12mg/mlのセマグルチドを含む共製剤25~39では、サブビジブル粒子数の増加が実質的に見られなかったことを示す。
14の後、3.2mg/mlのカグリリンチドおよび16mg/mlのセマグルチドを含む共製剤40について、サブビジブル粒子数の増加が見られた。
3.2mg/mlのカグリリンチドおよび最大16mg/mlのセマグルチドを含む全てのヒスチジン緩衝共製剤25~40は、物理的に安定であった。
実施例16:共製剤の物理的安定性に対するHP-B-CDの濃度の効果
この実施例は、共製剤が物理的ストレスに曝露されたときの、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対するHP-B-CD濃度の効果を示す。
組成物
ヒスチジン緩衝組成物との共製剤41~44の組成物を表32に示す。
調製プロセス
製剤を、実施例1に記載されるように調製した。
方法
ペプチドフィブリルを凝集および形成するための共製剤中のカグリリンチドおよびセマグルチドの傾向を、実施例2に記載されるチオフラビンT(ThT)蛍光ストレスアッセイを使用して測定した。
結論
表33に提示される結果は、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性が、HP-B-CDの濃度に依存し、濃度が低いほど、フィブリル化が起こるまでのより短いラグタイムをもたらすことを示す。7.5%w/vのHP-B-CDを含む共製剤は、最も安定ではなかった。15%w/vのHP-B-CDを含む共製剤は、最も安定であった。
実施例17:HP-B-CD含有量およびモル置換度ならびに全体的な緩衝液組成物が異なる皮下注射されたビヒクル製剤のブタにおける局所耐性
この実験では、以下を調べた。
(1)皮下注射時に、HP-B-CD濃度および平均MS(0.62対0.92)が局所耐性プロファイルに及ぼした効果。
(2)皮下注射時に、製剤ビヒクルがHP-B-CDの存在下で局所耐性プロファイルに及ぼす効果。
組成物
試験した共製剤ビヒクルの組成物を表34に示す。
調製プロセス
医薬活性成分を添加しなかったことを除いて、製剤を実施例1に記載されるように調製した。
方法
HP-B-CDを含む製剤の皮下投与時の局所(皮下)耐性を、NovoFine Plus針(32G/4mm)を備えたNovoPen 4を使用して、200μlの皮下投与の5日後(剖検)に得られた皮膚病変の評価により、4匹の生きたランドレース×ヨークシャー×デュロック(LYD)ブタで研究した。2×2cmのサイズの皮膚試料を剖検で収集し、中性緩衝ホルマリン中で固定し、マルチナイフを使用してトリミングし、パラフィン包埋し、4μmの薄い切片に切断し、ガラススライドに載せ、その後、ヘマトキシリン-エオシン(HE)染色した。4つの試料について、皮下組織壊死および炎症性細胞浸潤の重症度を、光学顕微鏡を使用して訓練された毒物病理学者によって評価し、数値スケールでスコア化したが、コード1は「異常の検出なし」を反映し、コード5は「顕著な重症度」を反映している。
1、異常の検出なし
2、最小の重症度
3、軽度の重症度
4、中等度の重症度
5、顕著な重症度
共製剤ビヒクルを、皮下注射時に誘発された皮下組織壊死および炎症性細胞浸潤のレベルについて評価した。結果を表35に提示する。
結論
表35の結果は、インビボ局所皮下忍容性が、HP-B-CDの濃度および全体的な緩衝液組成物に依存したことを示す。ヒスチジンおよびソルビトールを含む共製剤ビヒクルは、クエン酸塩を含むものよりも良好な忍容性を示した。
20%w/v以下のHP-B-CDを含む共製剤ビヒクルは、主に壊死または炎症性細胞浸潤を全くもたらさなかったか、または最小でもたらし(1または2のスコア)、軽度の炎症性細胞浸潤(3のスコア)の単一の観察をもたらした。22%w/v以上のHP-B-CDを含む共製剤ビヒクルは全て、最小から中等度の壊死および炎症性細胞浸潤(最大4のスコア)をもたらした。これらの結果に基づいて、22%未満のHP-B-CDを含む共製剤は、皮下使用に好適であると思われる。
20%w/vおよび22%w/vのHP-B-CDおよびクエン酸塩を含む共製剤ビヒクル(共製剤ビヒクル15および16)は、顕著な壊死および炎症性細胞浸潤(最大5のスコア)をもたらした。驚くべきことに、20%w/vおよび22%w/vのHP-B-CD、ヒスチジン、およびソルビトールを含む共製剤ビヒクル(共製剤ビヒクル11および12)は、より良好に忍容性であり、中等度の壊死および炎症性細胞浸潤(最大4のスコア)をもたらした。
m-クレゾール、フェノール、およびEDTA、ならびに15%w/vまたは20%w/vのHP-B-CDのいずれかを含む共製剤ビヒクルは十分に忍容性であり、軽度の壊死および炎症性細胞浸潤(最大3のスコア)をもたらした。
実施例18:カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤のSTAPHYLOCOCCUS AUREUS防腐有効性に対する異なる医薬防腐剤の効果
この実施例は、24時間後のStaphylococcus aureusの増殖に対する、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における異なる抗菌性防腐剤の効果を示す。
組成物
共製剤45~56の組成物を表36に示す。
調製
共製剤は、原薬が溶解された賦形剤溶液を作製することによって調製され、続いて最終pHおよび体積に達するように調節された。共製剤を滅菌濾過し、3mlのカートリッジに充填した。
方法
微生物Staphylococcus aureusに対してのみ試験され、防腐有効性が接種物について得られた時間ゼロ値と比較した生存微生物数の対数減少に関して24時間後にのみ計算されたことを除いて、米国薬局方(5.1.3)に従って防腐有効性試験を実施した。
結論
24時間後のS.aureusの増殖の最も高い減少は、ピロ亜硫酸カリウムまたは亜硫酸ナトリウムのいずれかを含む共製剤49、50、および51で得られた。m-クレゾールおよびフェノールを含む共製剤48は、低い対数減少を示し、一方で、残りの共製剤は、24時間後にS.aureusの増殖を阻害する能力を示さなかった。
実施例19:カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の化学的安定性に対する亜硫酸ナトリウムおよびピロ亜硫酸カリウムの効果
以下の実施例は、別様に同一の共製剤中のカグリリンチドおよびセマグルチドの化学的純度に関して化学的安定性に対する2つの防腐剤である亜硫酸ナトリウムおよびピロ亜硫酸カリウムの効果を示す。
組成物
共製剤57~63の組成物を表38に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を決定するために使用された試料を、37℃で最大21日間貯蔵した
カグリリンチドの純度を、実施例1に記載される逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)方法を使用して決定した。
セマグルチドの純度を、実施例3に記載される逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)方法を使用して決定した。
結論
表39および表40に提示される結果は、防腐剤を含まない共製剤57と比較して、亜硫酸ナトリウムまたはピロ亜硫酸カリウムが共製剤に添加された場合の、カグリリンチドおよびセマグルチドの純度の急速な減少を示す。純度の喪失は、より高い濃度の防腐剤でより急速である。
実施例20:カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対する異なる医薬防腐剤の7日後の効果
この実施例は、7日後の微生物Staphylococcus aureus、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensisの増殖に対する、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における異なる抗菌性防腐剤の効果を示す。
組成物
共製剤45~48および52~56の組成物は、実施例18に掲示されるとおりである。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
微生物Staphylococcus aureus、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensisに対してのみ試験され、防腐有効性が接種物について得られた時間ゼロ値と比較した生存微生物数の対数減少に関して7日後にのみ計算されたことを除いて、米国薬局方(チャプター51)に従って防腐有効性試験を実施した。
結論
表7に提示される結果は、S.aureusについて、m-クレゾールおよびフェノールまたはベンザルコニウムのいずれかを含む共製剤47、52、および53において最も高い対数減少が得られたことを示す。C.albicansについては、EDTAを含む共製剤46および53では増殖は見られなかった。A.brasiliensisについては、試験された共製剤の間に差異は見られなかった。
実施例21:カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対する異なる濃度の塩化ベンザルコニウムおよびEDTAの7日後の効果
この実施例は、7日後のStaphylococcus aureus、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensisの増殖に対する、異なる濃度の塩化ベンザルコニウムおよびEDTA二ナトリウム、二水和物を含むカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の効果を示す。
組成物
共製剤64~67の組成物を表42に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
共製剤の防腐有効性を、Staphylococcus aureus、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensis上で試験し、防腐有効性を、接種物について得られた時間ゼロ値と比較して、7日後の生存微生物数の対数減少に関して計算した。
結論
表43に提示される結果は、S.aureusのより高い対数減少が、より高い濃度のベンザルコニウムで得られたことを示す。EDTA濃度の増加は、C.albicansのより高い対数減少をもたらしたが、A.brasiliensisの異なる共製剤の間に差異は観察されなかった。
実施例22:カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の化学的安定性に対する異なる濃度のベンザルコニウムおよびEDTAの効果
以下の実施例は、カグリリンチドおよびセマグルチドの化学的純度に関する化学的安定性に対する異なる濃度のベンザルコニウムおよびEDTAの効果を示す。
組成物
共製剤64~68の組成物を表44に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を決定するために使用された試料を、37℃で6週間貯蔵した。
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を、実施例13に記載される逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)方法を使用して決定した。
結論
表45に提示される結果は、異なる濃度のベンザルコニウムおよびEDTAを含む共製剤64~67におけるカグリリンチドの化学的純度が、防腐剤を含まない共製剤68と比較して著しくより低かったことを示す。表46の結果は、セマグルチドの化学的純度に対するわずかなプラスの効果を示す。
実施例23:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対する異なる等張化剤の28日後の効果
この実施例は、完全防腐有効性試験(Ph.Eur.5.1.3、USP<51>)で試験した場合の、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対する、m-クレゾール、フェノール、およびEDTAを一緒に含む、2つの異なる等張化剤であるソルビトールまたはプロピレングリコールの効果を示す。
組成物
共製剤69および70の組成物を表47に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
共製剤の防腐有効性を、微生物:Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensisに対して、USP(<51>)およびPh.Eur.(5.1.3.)に従って完全防腐有効性試験で試験した。防腐有効性を、接種物について得られた時間ゼロ値と比較した生存微生物数の対数減少に関して計算した。
結論
全体として、等張化剤としてソルビトールまたはプロピレングリコールのいずれかを含む共製剤69と70との間に、防腐有効性の差は見られなかった。
実施例24:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の化学的安定性に対する異なる等張化剤の効果
この実施例は、カグリリンチドおよびセマグルチドの純度として測定された、カグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の化学的安定性に対する、2つの異なる等張化剤であるソルビトールまたはプロピレングリコールを有するm-クレゾール、フェノール、EDTAの効果を示す。
組成物
共製剤69および70の組成物を表23に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を決定するために使用された試料を、37℃で4週間貯蔵した。
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を、実施例13に記載される逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)方法を使用して決定した。
結論
表49および表50に提示される結果は、等張化剤としてソルビトールまたはプロピレングリコールのいずれかを含むm-クレゾール、フェノール、およびEDTAで保存された共製剤について、カグリリンチドおよびセマグルチドの化学的純度に差異が観察されなかったことを示す。
実施例25:M-クレゾール、フェノール、およびEDTAで保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対するポリソルベート80の効果
この実施例は、m-クレゾール、フェノール、およびEDTAで保存された別様に同一のカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、サブビジブル粒子数に関する物理的安定性に対するポリソルベート80の効果を示す。
組成物
共製剤71~72の組成物を表51に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
サブビジブル粒子の数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:28日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
表52のデータは、ポリソルベート80を含まない共製剤71に見られるサブビジブル粒子の数が、ポリソルベート80を含む共製剤72に見られるサブビジブル粒子の数よりも多かったことを示す。すなわち、ポリソルベート80を含む共製剤は、最も物理的に安定であった。
実施例26:M-クレゾール、フェノール、およびEDTAで保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対するHP-B-CDのモル置換度の効果
この実施例は、完全防腐有効性試験(Ph.Eur.5.1.3、USP<51>)で試験した場合の、m-クレゾール、フェノール、およびEDTAで保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対するHP-B-CDモル置換度の効果を示す。
組成物
共製剤73~74の組成物を表53に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
共製剤の防腐有効性を、微生物Staphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensisに対して、USP(<51>)およびPh.Eur.(5.1.3.)に従って完全防腐有効性試験で試験した。防腐有効性を、接種物について得られた時間ゼロ値と比較した生存微生物数の対数減少に関して計算した。
結論
S.aureus、E.coli、およびA.brasiliensisの対数減少の形態で表54に示される結果は、共製剤73(平均MS:0.62)と比較して、共製剤74(平均MS:0.92)で増加し、一方、C.albicansのより大きな対数減少は、共製剤73(平均MS:0.62)で見られた。P.aeruginosaについては、2つの共製剤の間に差異は見られなかった。
実施例27:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対するHP-B-CDのモル置換度の効果
この実施例は、別様に同一の保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、サブビジブル粒子数に関する物理的安定性に対するHP-B-CDモル置換度の効果を示す。
組成物
共製剤73~74の組成物は実施例26に示されるとおりである。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
サブビジブル粒子の数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:35日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
表55に提示される結果は、35日後のサブビジブル粒子の全体的なレベルが、共製剤73(平均MS:0.62)と比較して、共製剤74(平均MS:0.92)においてより低かったことを示す。セマグルチドおよびカグリリンチドのこの別様に同一の共製剤では、HP-B-CDを含む共製剤74(平均MS:0.92)は、HP-B-CDを含む共製剤73(平均MS:0.62)よりも物理的に安定であった。
実施例28:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対するM-クレゾール、EDTA、およびHP-B-CDの濃度の効果
この実施例は、防腐有効性について試験された場合の、保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の防腐有効性に対するm-クレゾール、EDTA、およびHP-B-CDの異なる濃度の効果を示す。
組成物
共製剤75~78の組成物を表56に示す。
調製
共製剤を、実施例18に記載されるように調製した。
方法
共製剤の防腐有効性を、Staphylococcus aureus、Candida albicans、およびAspergillus brasiliensis上で試験し、防腐有効性を、接種物について得られた時間ゼロ値と比較して、7日後の生存微生物数の対数減少に関して計算した。
防腐有効性が微生物Candida albicansに対してのみ試験され、接種物について得られた時間ゼロ値と比較した生存微生物数の対数減少に関して7日後にのみ計算されたことを除いて、米国薬局方(チャプター51)およびPh.Eur.(5.1.3.)に従って4つの共製剤の防腐有効性を試験する方法を実施した。
結論
表57に提示される結果は、HP-B-CDとm-クレゾールの異なる濃度を含む共製剤75、76、および77の間に差を示さなかった。より高い濃度のEDTAを含む共製剤78については、C.albicansのより高い対数減少が見られた。
実施例29:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の物理的安定性に対するHP-B-CDのモル置換度の効果
この実施例は、別様に同一の保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、サブビジブル粒子数に関する物理的安定性に対するHP-B-CDモル置換度の効果を示す。
組成物
共製剤79~84の組成物は表58に示すとおりである。
調製
共製剤を、原薬が添加されるHP-B-CD、ヒスチジン、およびソルビトールを含む賦形剤溶液を作製することによって調製した。その後、ポリソルベート80および防腐剤を添加し、続いて最終pHおよび体積に達するように調節する。共製剤を滅菌濾過し、3mlのカートリッジに充填した。
方法
サブビジブル粒子の数を決定するために使用された試料は、以下のとおりに定義されるストレス条件で貯蔵した。
-期間:28日
-温度:30℃±2℃
-ストレス条件:貯蔵中、試料を360°反転させて、冷蔵貯蔵から出した患者の使用をシミュレートした。回転は、週に3日、20回、および週に2日、40回行った。
サブビジブル粒子の数を、実施例5に記載されるように定量化した。
結論
表59に提示される結果は、セマグルチドおよびカグリリンチドの別様に同一の共製剤において、共製剤84(1.08の平均モル置換度を有するHP-B-CDを含む)において28日後に計数されたサブビジブル粒子の数が、より低い平均モル置換度を有する他の共製剤と比較して許容できないほど高かったことを示す。平均モル置換度0.62、0.67、0.68、0.84、および0.92のHP-B-CDを含む共製剤は物理的に安定であった。
実施例30:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤の化学的安定性に対するHP-B-CDのモル置換度の効果
この実施例は、別様に同一の保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、セマグルチドの純度として測定される化学的安定性に対するHP-B-CDのモル置換度の効果を示す。
組成物
共製剤79~84の組成物は実施例29に示すとおりである。
調製
共製剤を、実施例29に記載されるように調製した。
方法
カグリリンチドおよびセマグルチドの純度を決定するために使用された試料を、37℃で4週間貯蔵した。
セマグルチドの純度の喪失を、実施例13に記載される逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)方法を使用して決定した。
結論
表60に提示される結果は、セマグルチドの化学的純度が、HP-B-CDの平均モル置換度によって影響されたことを示す。セマグルチドの化学的純度の喪失は、共製剤84で最大であった(平均MS:1.08)。平均モル置換度0.62、0.67、0.68、0.84、または0.92のHP-B-CDを含む共製剤は全て化学的に安定であった。
実施例31:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤の物理的安定性に対するpHの効果
この実施例は、別様に同一の保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、ペプチド線維を凝集および形成するカグリリンチドおよび/またはセマグルチドの傾向に関する、物理的安定性に対するpHの効果を示す。
組成物
共製剤85~89の組成物は表61に示すとおりである。
調製
共製剤を、実施例29に記載されるように調製した。
方法
ペプチド線維を凝集および形成するカグリリンチドおよび/またはセマグルチドの傾向、物理的安定性を定量化するために使用されるパラメータを、実施例2に記載されるように定量化した。
結論
表62の共製剤をストレス誘発条件に供し、ペプチド線維を形成するカグリリンチドおよび/またはセマグルチドの傾向を、アッセイの開始からフィブリル化が生じるまでの時間を測定することによって定量化した(「ラグタイム」)。ラグタイムが長いほど、共製剤がより安定である。結果は、フィブリル化までのラグタイムが最も長く、それによって最も安定した共製剤は、pH6を有する共製剤87であることを示す。共製剤86(pH5.8)および共製剤88(pH6.2)は、同等に安定であることが見出された。共製剤85(pH5.6)は、フィブリル化までの最も短いラグタイムを有し、これは、試験されたものの物理的安定性に関して最も不安定でなかったことを意味する。
実施例32:保存されたカグリリンチドおよびセマグルチドの共製剤の物理的安定性に対するHP-B-CDの濃度の効果
この実施例は、別様に同一の保存されたカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤における、サブビジブル粒子数に関する物理的安定性に対するHP-B-CD濃度の効果を示す。
組成物
共製剤90~94の組成物は表64に示すとおりである。
調製
共製剤を、実施例29に記載されるように調製した。
結論
表65に提示される結果は、10%w/v未満のHP-B-CDを含むカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤(平均MS:0.92)が、沈殿に起因して製造できなかったことを示す。10%w/v超を含む全ての共製剤は、物理的に安定であるとみなされた。フィブリル化までの最も長いラグタイムは、15%w/vのHP-B-CDを含む共製剤94において発生したが、一方で12.5%w/vを含む共製剤93におけるフィブリル化までのラグタイムは、10%w/vを含む共製剤92よりも長かった。すなわち、HP-B-CDのより高い含有量を含むカグリリンチドおよびセマグルチド共製剤(平均MS:0.92)は、より物理的に安定であった。
本発明の特定の特徴が本明細書に例証および記載されているが、ここで、多くの修正、代用、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にある全てのそのような修正および変更を網羅することを意図していると理解される。

Claims (16)

  1. アミリン受容体作動薬と、GLP-1受容体作動薬と、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤とを含む医薬製剤であって、前記GLP-1受容体作動薬が、約4.5以下、例えば、約4.0~4.5である理論的に計算された等電点を有し、前記シクロデキストリンが、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、医薬製剤。
  2. 前記アミリン受容体作動薬が、約7.6~9.4または8~9の理論的に計算された等電点(pI)を有する、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. カグリリンチドと、セマグルチドと、ヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリンと、少なくとも1つの防腐剤とを含む、医薬製剤。
  4. 前記シクロデキストリンが、前記ヒドロキシプロピル置換ベータ型のものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  5. 前記シクロデキストリンが、グルコース単位当たり約0.92のヒドロキシプロピルの平均モル置換度(MS)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  6. クエン酸塩および/またはヒスチジンなどの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKaを有する緩衝液をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  7. 塩化ナトリウムではない等張化剤をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  8. ポリソルベート20および/またはポリソルベート80などの界面活性剤、好ましくはポリソルベート80をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  9. 液体製剤である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  10. pHが、5.6~6.4、例えば、約5.7~6.4、例えば、約5.7、約5.8、約5.9、約6.0、約6.1、約6.2、約6.3、または約6.4、好ましくは、約5.8~6.2である、請求項9に記載の医薬製剤。
  11. 少なくとも10%w/vで、かつ22%w/v未満のシクロデキストリン、例えば、10~20%w/vのシクロデキストリン、例えば、約15%w/vのシクロデキストリンを含む、請求項9または10に記載の医薬製剤。
  12. 前記少なくとも1つの防腐剤が、フェノールおよび/またはm-クレゾールおよび/またはEDTAである、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  13. 9~40mMの濃度のm-クレゾールおよび/または18~65mMの濃度のフェノールおよび/または0.5~5.0mg/mlの濃度のEDTAを含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  14. 医薬製剤であって、
    -0.25~22mg/mlのカグリリンチド、
    -0.25~22mg/mlのセマグルチド、
    -10%w/v超で、かつ22%w/v未満、例えば、10~20%w/vのヒドロキシプロピル置換アルファおよび/またはベータ型のシクロデキストリンであって、グルコース単位当たり0.58~1.0のヒドロキシプロピルを含む、シクロデキストリン、
    -約18~65mMのフェノールおよび/または9~40mMのm-クレゾールおよび/または0.5~5.0mg/mlのEDTA、
    -約3~30mMの、ヒスチジンまたはクエン酸塩などの約5.0~7.0の少なくとも1つのpKa値を有する緩衝液、
    -約5~35mg/mlのソルビトール、
    -最大1.0mg/mlのポリソルベート20および/または80、例えば、0.01~0.1mg/ml、例えば、0.05mg/ml、または0.1超で、かつ0.2mg/ml未満のポリソルベート20および/または80、
    -約75~90%w/wの水、を含み、かつ
    約5.6~6.4、例えば、約5.8~6.2のpHを有する、医薬製剤。
  15. 医薬として使用するための、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  16. 請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物と、使用説明書とを含む、キット。
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