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JP2024058583A - 封止シートおよび電子装置 - Google Patents

封止シートおよび電子装置 Download PDF

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JP2024058583A
JP2024058583A JP2023137893A JP2023137893A JP2024058583A JP 2024058583 A JP2024058583 A JP 2024058583A JP 2023137893 A JP2023137893 A JP 2023137893A JP 2023137893 A JP2023137893 A JP 2023137893A JP 2024058583 A JP2024058583 A JP 2024058583A
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JP2023137893A
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祐作 清水
yusaku Shimizu
剛志 土生
Tsuyoshi Habu
大樹 ▲濱▼名
Daiki Hamana
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Abstract

【課題】電子装置の薄型化を図ることができながら、封止した電子部品が透けることを抑制することができる封止シート、および、その封止シート用いて電子部品を封止した電子装置を提供する。【解決手段】封止シート1は、基板11と電子部品12との間が中空となるように、電子部品12を封止する。封止シート1は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、無機充填材と、カーボンブラックとを含有する封止樹脂層2を備え、カーボンブラックの平均一次粒子径が、70nm以上であり、無機充填材を除く封止樹脂層2中の、カーボンブラックの配合割合が、4質量%以上、10質量%以下であり、封止試験によって測定された厚み比が、30%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、封止シート、および、電子装置に関する。
従来、電子デバイスと基板との間が中空となるように、封止シートで電子デバイスを封止して、中空型電子デバイスパッケージを得ることが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。
特開2019-046930号公報
特許文献1に記載されるような封止シートを用いた電子装置において、さらなる薄型化が要求されている。しかし、封止シートを薄型化すると、電子部品が透けるという不具合がある。
本発明は、電子装置の薄型化を図ることができながら、封止した電子部品が透けることを抑制することができる封止シート、および、その封止シート用いて電子部品を封止した電子装置を提供する。
本発明[1]は、基板と基板に実装される電子部品との間に間隔が隔てられ、その間隔が中空となるように、電子部品を封止するための封止シートであって、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂と、無機充填材と、カーボンブラックとを含有する封止樹脂層を備え、カーボンブラックの平均一次粒子径が、70nm以上であり、無機充填材を除く封止樹脂層中の、カーボンブラックの配合割合が、4質量%以上、10質量%以下であり、下記第1ステップから第4ステップからなる封止試験によって測定された厚み比が、30%以下である、封止シートを含む。
第1ステップ:ガラス基板と、第1方向において300μm間隔で3つ並び、かつ、第1方向と直交する第2方向において300μm間隔で3つ並ぶ合計9つのダミーチップであって、1辺が1mmの正方形であり、厚みが200μmであり、高さ50μmのバンプを介してガラス基板に接合された9つのダミーチップと、を備えるダミー基板を準備する。
第2ステップ:9つのダミーチップの上に、厚みTの1つの封止樹脂層を載せて、真空ラミネータを用いて、真空度1.6kPa、温度65℃、かつ、圧力0.1MPaで40秒間、封止樹脂層を9つのダミーチップに向けて加圧し、ダミー基板に封止樹脂層が積層された積層体を得る。
第3ステップ:積層体を、大気圧下、150℃で1時間加熱し、封止樹脂層を硬化させる。
第4ステップ:厚みTを100%としたときの、9つのダミーチップのそれぞれの上の封止樹脂層の硬化物の厚みTの割合(厚み比)を測定する。
本発明[2]は、90℃での封止樹脂層の粘度が、430kPa・s以下である、[1]の封止シートを含む。
本発明[3]は、90℃での封止樹脂層の粘度が、100kPa・s以上である、[1]または[2]の封止シートを含む。
本発明[4]は、波長450nmにおける、透過率が0.5%以下であり、波長550nmにおける、透過率が1.5%以下であり、波長650nmにおける、透過率が2.7%以下である、[1]~[3]のいずれか1つの封止シートを含む。
本発明[5]は、封止樹脂層中の無機充填材の配合割合が、70質量%以上、90質量%以下である、[1]~[4]のいずれか1つの封止シートを含む。
本発明[6]は、基板と、基板に実装される電子部品と、基板と電子部品との間に間隔が隔てられ、その間隔が中空となるように、電子部品を封止する封止層とを備え、封止層は、[1]~[5]のいずれか1つの封止シートの封止樹脂層の硬化物である、電子装置を含む。
本発明の封止シートによれば、カーボンブラックの平均一次粒子径が、70nm以上であり、無機充填材を除く封止樹脂層中の、カーボンブラックの配合割合が、4質量%以上、10質量%以下であり、上記第1ステップから第4ステップからなる封止試験によって測定された厚み比が、30%以下である。
そのため、電子部品を封止したときに、電子部品の上の封止樹脂層の硬化物の厚みを薄くでき、かつ、封止した電子部品が透けることを抑制することができる。
その結果、電子装置の薄型化を図ることができ、意匠性の優れた電子装置を得ることができる。
図1は、本発明の一実施形態としての封止シートを用いて製造される、本発明の一実施形態としての電子装置の断面図である。 図2は、封止シートの断面図である。 図3は、封止試験に用いるダミー基板の斜視図である。 図4Aから図4Cは、封止試験を説明するための説明図であって、図4Aは、第2ステップにおいて、封止樹脂層をダミーチップの上に置いた状態を示し、図4Bは、第2ステップにおいて、真空ラミネータを用いて封止樹脂層をダミーチップに向けて加圧した状態を示し、図4Cは、第3ステップを示す。
<電子装置>
図1を参照して、本発明の一実施形態としての封止シート1を用いて製造される、本発明の一実施形態としての電子装置10について説明する。電子装置10は、基板11と、電子部品12と、封止層13とを備える。
[基板]
基板11は、例えば、リジッド基板である。基板11は、図示しない回路パターンを有する。回路パターンは、電子部品12と接続される端子と、端子から延びる配線とを有する。
[電子部品]
電子部品12は、複数のバンプBを介して、基板11にフリップチップ実装される。電子部品12は、例えば、基板11に対して複数設けられてもよい。複数の電子部品12のそれぞれは、互いに間隔が隔てられる。電子部品12が基板11に実装された状態で、電子部品12は、基板11から離れて配置される。電子部品12が基板11に実装された状態で、複数のバンプBは、基板11と電子部品12との間に配置される。電子部品12として、例えば、撮像素子、表面弾性波(SAW)デバイス、および、ICチップが挙げられる。
電子部品12は、図示しない電極を有する。電極は、バンプBを介して、端子に電気的に接続される。
バンプBは、電子装置10に備えられる。バンプBは、1つの電子部品12に対して複数設けられてもよい。複数のバンプBは、互いに間隔が隔てられる。バンプBの材料としては、例えば、金属が挙げられる。
[封止層]
封止層13は、基板11に実装された電子部品12を封止する。本実施形態では、封止層13は、基板11と電子部品12との間の空間を残した状態で、電子部品12を封止する。基板11と電子部品12との間の空間を残した状態で、電子部品12を封止することを、中空封止と定義する。中空封止により、電子部品12の基板11側の表面S1に封止層13を接触させないで、電子部品12を封止できる。
<封止シート>
図2から図4Cを参照して、本発明の一実施形態としての封止シート1について説明する。
図2に示す封止シート1は、上記した電子装置10(図1参照)の製造において、電子部品12(図1参照)の封止に用いられる。具体的には、封止シート1は、基板11と電子部品12との間に間隔が隔てられ、その間隔が中空となるように電子部品12を封止するために用いられる。電子部品12は、例えば、真空ラミネータを用いて封止される。封止シート1は、封止樹脂層2を備える。封止シート1は、必要により、剥離ライナー3を備える。封止シート1は、剥離ライナー3を備えず、封止樹脂層2のみから構成されてもよい。
[封止樹脂層]
封止樹脂層2は、熱硬化性を有する。封止樹脂層2は、半硬化状態(Bステージ状態)である。封止樹脂層2は、加熱されることにより軟化し、その後、硬化する。電子装置10の封止層13(図2参照)は、封止樹脂層2の硬化物(完全硬化状態、Cステージ状態)である。
[封止樹脂層の物性]
封止樹脂層2の厚みは、限定されない。封止樹脂層2の厚みは、例えば、電子部品12の厚みよりも薄い。封止樹脂層2の厚みは、電子部品12の厚みよりも厚くてもよい。
封止樹脂層2の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上、また、例えば、1000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
90℃における封止樹脂層2の粘度(以下、90℃粘度と記載する)は、例えば、500kPa・s以下、好ましくは、450kPa・s以下、より好ましくは、430kPa・s以下、さらに好ましくは、400kPa・s以下、とりわけ好ましくは、350kPa・s以下、最も好ましくは、330kPa・s以下である。
90℃粘度が上記上限値以下であれば、電子部品12を封止するときに、電子部品12の上の封止樹脂層2を、加熱により軟化させ、加圧により容易に薄く延ばすことができる。そのため、電子部品12の基板11とは反対側の表面S2の上の封止層13の厚みT(図1参照)を薄くできる。
90℃粘度は、例えば、50kPa・s以上、好ましくは、100kPa・s以上、より好ましくは、140kPa・s以上、さらに好ましくは、170kPa・s以上、とりわけ好ましくは、200kPa・s以上、最も好ましくは、260kPa・s以上であり、さらには、300kPa・s以上が好適である。
90℃粘度が上記下限値以上であれば、電子部品12を封止するときに、軟化した封止樹脂層2が基板11上で過度に拡がることを抑制できる。
90℃粘度の測定方法は、後の実施例で説明する。
なお、電子部品12の表面S2の上の封止層13の厚みTをどの程度薄くできるかは、以下の封止試験によって測定できる「厚み比」によって評価できる。
封止試験は、第1ステップから第4ステップからなる。
まず、図3に示すように、第1ステップでは、ダミー基板Dを準備する。ダミー基板Dは、ガラス基板Sと、9つのダミーチップCとを備える。9つのダミーチップCは、第1方向において300μm間隔で3つ並び、かつ、第1方向と直交する第2方向において300μm間隔で3つ並ぶ。9つのダミーチップCのそれぞれは、1辺が1mmの正方形であり、厚みが200μmである。9つのダミーチップCのそれぞれは、高さ50μmのバンプBを介してガラス基板Sに接合されている。
次いで、図3および図4Aに示すように、第2ステップでは、9つのダミーチップCの上に、厚みT(100μm)の1つの封止樹脂層2を載せる。そして、真空ラミネータを用いて、真空度1.6kPa、温度65℃、かつ、圧力0.1MPaで40秒間、封止樹脂層2を9つのダミーチップCに向けて加圧する。
これにより、図4Bに示すように、ダミー基板Dに封止樹脂層2が積層された積層体20を得る。
次いで、図4Cに示すように、第3ステップでは、積層体20を、大気圧下、150℃で1時間加熱し、封止樹脂層2を硬化させる。
そして、第4ステップでは、熱プレスする前の封止樹脂層2の厚みTを100%としたときの、9つのダミーチップCのそれぞれの上の封止樹脂層2の硬化物(封止層13)の厚みT(図4C参照)の割合(以下、厚み比と記載する。)を測定する。
なお、第4ステップでは、得られた試験片の総厚みTを測定し、測定された総厚みTから、ガラス基板Sの厚みTと、ダミーチップCの厚み(200μm)と、バンプBの高さ(50μm)とを差し引いた値を、厚みTとする。
厚み比は、30%以下、好ましくは、30%未満、より好ましくは、28%以下、さらに好ましくは、26%以下である。
厚み比が上記上限値以下であれば、電子部品12の表面S2の上の封止層13の厚みT(図1参照)を薄くでき、電子装置10の薄型化を図ることができる。
厚み比は、例えば、5%以上、好ましくは、10%以上である。
厚み比が上記下限値以上であれば、電子部品12の表面S2(図1参照)を確実に被覆することができる。
封止シート1の波長450nmにおける透過率は、例えば、0.6%未満、好ましくは、0.5%以下、より好ましくは、0.3%以下である。また、例えば、0.0%超過、好ましくは、0.1%以上である。
封止シート1の波長550nmにおける透過率は、例えば、2.1%未満、好ましくは、1.5%以下、より好ましくは、1.0%以下、さらに好ましくは、0.5%以下である。また、例えば、0.0%超過、好ましくは、0.1%以上である。
封止シート1の波長650nmにおける透過率は、例えば、4.9%未満、好ましくは、3.0%以下、より好ましくは、2.7%以下、さらに好ましくは、2.0%以下、とりわけ好ましくは、1.0%以下である。また、例えば、0.0%超過、好ましくは、0.1%以上、より好ましくは、0.3%以上である。
上記した各波長における透過率は、封止シート1の厚みを20μmに設定して、測定した値である。
上記した各波長における、封止シート1の透過率が、上記下限値以下であれば、封止した電子部品12が透けることを抑制することができ、電子装置10の意匠性が優れる。
透過率の測定方法は、後の実施例で説明する。
封止樹脂層2は、樹脂成分と、無機充填材と、カーボンブラックとを含有する。封止樹脂層2は、必要により、添加剤を含有する。
<樹脂成分>
樹脂成分は、封止層13(図1参照)の母体樹脂になる成分である。樹脂成分は、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂とを含有する。つまり、封止樹脂層2は、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂とを含有する。樹脂成分は、必要により、熱可塑性樹脂、および、シランカップリング剤を含有する。樹脂成分は、好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱可塑性樹脂、および、シランカップリング剤のみからなる。
封止樹脂層2中の樹脂成分の配合割合は、例えば、13.50質量%以上、好ましくは、14.00質量%以上、より好ましくは、14.50質量%以上である。
封止樹脂層2中の樹脂成分の配合割合が上記下限値以上であれば、90℃粘度を上記上限値以下に調節できる。
封止樹脂層2中の樹脂成分の配合割合は、例えば、30質量%以下、好ましくは、25質量%以下、より好ましくは、20質量%以下である。
封止樹脂層2中の樹脂成分の配合割合が上記上限値以下であれば、封止樹脂層2中の無機充填材の量を確保できる。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂は、封止層13(図1参照)に剛性を付与する。
エポキシ樹脂としては、例えば、2つのエポキシ基を有する2官能エポキシ樹脂、および、3つ以上のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂が挙げられる。2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、および、ビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられる。多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、および、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂は、単独で使用または2種以上を併用することができる。エポキシ樹脂として、好ましくは、2官能エポキシ樹脂、さらに好ましくは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、100g/eq以上、好ましくは、150g/eq以上である。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、500g/eq以下、好ましくは、250g/eq以下である。
樹脂成分中のエポキシ樹脂の配合割合は、例えば、45質量%以上、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、60質量%以下、好ましくは、55質量%以下である。
封止樹脂層2中のエポキシ樹脂の配合割合は、例えば、6.0質量%以上、好ましくは、7.0質量%以上、より好ましくは、7.5質量%以上であり、また、例えば、12質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
なお、上記した厚み比と、後述するカーボンブラックの粒径および配合割合とを満たす封止樹脂層2を得ることができれば、エポキシ樹脂の種類および配合割合は、上記した例示および数値範囲に限定されない。
[フェノール樹脂]
フェノール樹脂は、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤として機能する。フェノール樹脂として、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、および、フェノール-アラルキル樹脂が挙げられる。フェノール樹脂は、単独で使用または2種以上を併用することができる。フェノール樹脂として、好ましくは、ノボラック型フェノール樹脂、および/または、トリフェニルメタン型フェノール樹脂、より好ましくは、それらの併用が挙げられる。
フェノール樹脂の平均水酸基当量は、例えば、50g/eq以上、好ましくは、80g/eq以上である。フェノール樹脂の平均水酸基当量は、例えば、250g/eq以下、好ましくは、150g/eq以下である。
ノボラック型フェノール樹脂、および、トリフェニルメタン型フェノール樹脂を併用する場合に、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対するトリフェニルメタン型フェノール樹脂の割合は、例えば、300質量部以上、好ましくは、350質量部以上、より好ましくは、400質量部以上であり、また、例えば、500質量部以下、好ましくは、450質量部以下である。
エポキシ樹脂100質量部に対するフェノール樹脂の割合は、例えば、40質量部以上、好ましくは、50質量部以上であり、また、例えば、65質量部以下、好ましくは、55質量部以下である。
樹脂成分中のフェノール樹脂の配合割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、35質量%以下、好ましくは、30質量%以下である。
封止樹脂層2中のフェノール樹脂の配合割合は、例えば、3.5質量%以上、好ましくは、4.0質量%以上であり、また、例えば、6.0質量%以下、好ましくは、5.5質量%以下である。
なお、上記した厚み比と、後述するカーボンブラックの粒径および配合割合とを満たす封止樹脂層2を得ることができれば、フェノール樹脂の種類および配合割合は、上記した例示および数値範囲に限定されない。
[熱可塑性樹脂]
熱可塑性樹脂は、封止層13(図1参照)に柔軟性(および熱可塑性)を付与する。
熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂、および、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体が挙げられる。熱可塑性樹脂は、単独で使用または2種以上を併用できる。
エポキシ樹脂およびフェノール樹脂と、熱可塑性樹脂との相溶性を確保する観点から、熱可塑性樹脂として、好ましくは、アクリル樹脂が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、直鎖または分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、その他のモノマー(共重合性モノマー)とを含むモノマー成分を重合してなる(メタ)アクリル酸エステルコポリマーが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルコポリマーとしては、例えば、カルボキシル基含有アクリル酸エステルコポリマー、および、ヒドロキシル基含有アクリル酸エステルコポリマーが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルコポリマーとして、好ましくは、カルボキシル基含有アクリル酸エステルコポリマーが挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基として、例えば、炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、および、ヘキシル基が挙げられる。
共重合性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有モノマー、酸無水物モノマー、グリシジル基含有モノマー、水酸基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、およびアクリロニトリルが挙げられる。カルボキシル基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、およびクロトン酸が挙げられる。酸無水物モノマーとしては、例えば、無水マレイン酸、および無水イタコン酸が挙げられる。グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、およびグリシジルメタクリレートが挙げられる。水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、8-ヒドロキシオクチルアクリレート、8-ヒドロキシオクチルメタクリレート、10-ヒドロキシデシルアクリレート、10-ヒドロキシデシルメタクリレート、12-ヒドロキシラウリルアクリレート、および、12-ヒドロキシラウリルメタクリレートが挙げられる。スルホン酸基含有モノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸およびメタクリロイルオキシナフタレンスルホン酸が挙げられる。リン酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートが挙げられる。共重合性モノマーは、1種のみで使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。共重合性モノマーとして、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーが挙げられる。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、-70℃以上である。熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、例えば、0℃以下、好ましくは-5℃以下である。
熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)については、下記のFoxの式に基づき求められるガラス転移温度(理論値)を用いることができる。Foxの式は、ポリマーのガラス転移温度Tgと、当該ポリマーを構成するモノマーのホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
Foxの式 1/(273+Tg)=Σ[Wi/(273+Tgi)]
上記Foxの式において、Tgはポリマーのガラス転移温度(℃)を表し、Wiは当該ポリマーを構成するモノマーiの重量分率を表し、Tgiは、モノマーiから形成されるホモポリマーのガラス転移温度(℃)を示す。
ホモポリマーのガラス転移温度については文献値を用いることができ、例えば、「Polymer Handbook」(第4版,John Wiley & Sons, Inc., 1999年)および「新高分子文庫7 塗料用合成樹脂入門」(北岡協三著,高分子刊行会,1995年)には、各種のホモポリマーのガラス転移温度が挙げられている。
また、ホモポリマーのガラス転移温度は、特開2007-51271号公報に記載されている方法によって求めることもできる。
熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、例えば、10万以上、好ましくは、50万以上であり、また、例えば、150万以下、好ましくは、100万以下である。熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトフラフィー(GPC)により、標準ポリスチレン換算値に基づいて測定される。
熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂およびフェノール樹脂の総量)100質量部に対する熱可塑性樹脂の割合は、例えば、11質量部以上、好ましくは、13質量部以上、より好ましくは、15質量部以上、また、例えば、24質量部以下、好ましくは、22質量部以下、より好ましくは、20質量部以下である。
樹脂成分中の熱可塑性樹脂の配合割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、12質量%以上、より好ましくは、14質量%以上であり、また、例えば、20質量%以下、好ましくは、18質量%以下、より好ましくは、16質量%以下である。
封止樹脂層2中の熱可塑性樹脂の配合割合は、例えば、1.5質量%以上、好ましくは、1.7質量%以上、より好ましくは、1.9質量%以上であり、また、例えば、3.5質量%以下、好ましくは、3.2質量%以下、より好ましくは、3.0質量%以下である。
なお、上記した厚み比と、後述するカーボンブラックの粒径および配合割合とを満たす封止樹脂層2を得ることができれば、熱可塑性樹脂の種類および配合割合は、上記した例示および数値範囲に限定されない。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基を含有するシランカップリング剤が挙げられる。エポキシ基を含有するシランカップリング剤としては、例えば、グリシドキシアルキルジアルキルジアルコキシシラン、および、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。エポキシ基を含有するシランカップリング剤として、好ましくは、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランが挙げられる。グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、および、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとして、好ましくは、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
無機充填材100質量部に対するシランカップリング剤の割合は、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、1質量部以上である。また、例えば、10質量部以下、好ましくは、5質量部以下である。
樹脂成分中のシランカップリング剤の配合割合は、例えば、3質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、7質量%以上である。また、例えば、15質量%以下、好ましくは、10質量%以下である。
封止樹脂層2中のシランカップリング剤の配合割合は、例えば、0.8質量%以上、好ましくは、1.0質量%以上、より好ましくは、1.1質量%以上であり、また、例えば、2.0質量%以下、好ましくは、1.5質量%以下、より好ましくは、1.3質量%以下である。
<無機充填材>
無機充填材は、封止樹脂層2(および封止層13)の強度を向上させる。無機充填材として、例えば、ケイ素化合物、ケイ酸塩化合物が挙げられる。ケイ素化合物として、例えば、シリカおよび窒化ケイ素が挙げられる。また、ケイ酸塩化合物として、例えば、層状ケイ酸塩化合物が挙げられる。
層状ケイ酸塩化合物としては、例えば、スメクタイト、カオリナイト、ハロイサイト、タルク、および、マイカが挙げられる。スメクタイトとしては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、および、スチーブンサイトが挙げられる。層状ケイ酸塩化合物として、好ましくは、スメクタイトが挙げられ、より好ましくは、モンモリロナイトが挙げられる。
層状ケイ酸塩化合物は、表面が変性されていない未変性物であってもよく、また、表面が有機成分により変性された変性物でもよい。好ましくは、層状ケイ酸塩化合物は、表面が有機成分により変性されている。具体的には、層状ケイ酸塩化合物として、表面が有機成分で変性された有機スメクタイト、好ましくは、表面が有機成分で変性された有機ベントナイトが挙げられる。
有機層状ケイ酸塩化合物として、好ましくは、表面がアンモニウムで変性された有機スメクタイト、より好ましくは、表面がジメチルジステアリルアンモニウムで変性された有機ベントナイトが挙げられる。
層状ケイ酸塩化合物としては、市販品を用いることができる。例えば、有機ベントナイトの市販品として、エスベンシリーズ(ホージュン社製)などが用いられる。
また、無機充填材として、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、および、窒化ホウ素も挙げられる。無機充填材は、単独で使用または2種以上を併用できる。
無機充填材として、例えば、シリカ、および/または、有機ベントナイトが挙げられ、より好ましくは、それらの併用が挙げられる。
シリカおよび有機ベントナイトを併用する場合、シリカ100質量部に対する有機ベントナイトの割合は、例えば、1.0質量部以上、好ましくは、1.5質量部以上、より好ましくは、1.8質量部以上であり、また、例えば、3.0質量部以下、好ましくは、2.5質量部以下である。
無機充填材の形状としては、例えば、略球形状、略板形状、略針形状および不定形状が挙げられる。無機充填材の形状として、好ましくは、略球形状が挙げられる。
無機充填材の平均粒子径(略球形状でない場合、最大長さの平均値)は、シリカおよび有機ベントナイトの平均粒子径であり、例えば、1μm以上であり、また、例えば、20μm以下、好ましくは、15μm以下である。
封止樹脂層2中の無機充填材の配合割合は、例えば、90質量%以下、好ましくは、85質量%以下である。封止樹脂層2中の樹脂成分の配合割合が上記上限値以下であれば、90℃粘度の低減を図ることができる。
封止樹脂層2中の無機充填材の配合割合は、例えば、70質量%以上、好ましくは、75質量%以上、より好ましくは、78質量%以上、さらに好ましくは、80質量%以上である。封止樹脂層2中の無機充填材の配合割合が上記下限値以上であれば、封止樹脂層2(および封止層13)の強度を向上できる。
<カーボンブラック>
カーボンブラックは、黒色顔料であり、封止した電子部品12が透けることを抑制できる。
カーボンブラックの平均一次粒子径は、70nm以上であり、また、例えば、100nm以下、好ましくは、80nm以下である。カーボンブラックの平均一次粒子径が上記した下限以上であれば、後述するカーボンブラックの配合割合において、封止した電子部品12が透けることを抑制できる。なお、カーボンブラックの平均一次粒子径は、カーボンブラックを電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径である。具体的には、カーボンブラックを分散媒に分散させた分散試料を調製し、この分散試料を適当な倍率に設定した電子顕微鏡で撮影し、撮影した画像上の直径および倍率に基づいて、一次粒子径を算出する。この操作を繰り返して、ランダムに1000個のカーボンブラックの一次粒子径を算出し、それらの平均値を、平均一次粒子径とする。各カーボンブラックの一次粒子径は、画像解析によって、算出してもよい。
無機充填材を除く、封止樹脂層2中の、カーボンブラックの配合割合は、4質量%以上、好ましくは、6質量%以上であり、また、10質量%以下である。封止樹脂層2におけるカーボンブラックの含有割合が上記した下限以上であれば、上記カーボンブラックの平均一次粒子径において、封止した電子部品12が透けることを抑制できる。封止樹脂層2におけるカーボンブラックの含有割合が上記した上限以下であれば、封止樹脂層2の流動性が向上し、電子部品12に対する埋め込み性を確保することができる。
封止樹脂層2中の、カーボンブラックの配合割合は、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、0.7質量%以上であり、また、例えば、2.4質量%未満、好ましくは、2.0質量%以下、より好ましくは、1.2質量%以下である。
<添加剤>
添加剤としては、例えば、硬化促進剤が挙げられる。
[硬化促進剤]
硬化促進剤は、加熱によって、熱硬化性樹脂の硬化を促進する触媒(熱硬化触媒)である。硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、および、ウレア系硬化促進剤が挙げられる。硬化促進剤として、好ましくは、ウレア系硬化促進剤が挙げられる。
これらは、単独で使用または2種以上を併用することができる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物が挙げられる。イミダゾール化合物としては、例えば、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾールが挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、有機リン化合物が挙げられる。有機リン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリブチルホスフィン、およびメチルジフェニルホスフィンが挙げられる。
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、芳香族ウレア化合物と、脂肪族ウレア化合物とが挙げられる。ウレア系硬化促進剤としては、好ましくは、脂肪族ウレア化合物が挙げられる。
芳香族ウレア化合物として、例えば、ジメチルアミノ基と芳香族基とを有するウレア化合物が挙げられる。ジメチルアミノ基と芳香族基とを有する芳香族ウレア化合物として、例えば、トルエンジイソシアネートとジメチルアミンとの反応生成物が挙げられる。
脂肪族ウレア化合物として、例えば、ジメチルアミノ基と脂肪族基とを有するウレア化合物が挙げられる。ジメチルアミノ基と脂肪族基とを有する脂肪族ウレア化合物として、イソホロンジイソシアネートとジメチルアミンとの反応生成物が挙げられる。
樹脂成分100質量部に対する硬化促進剤の割合は、例えば、0.2質量部以上、好ましくは、0.3質量部以上、より好ましくは、0.4質量部以上であり、また、例えば、1.0質量部以下、好ましくは、0.7質量部以下である。
[封止シートの製造]
封止シート1を製造するには、まず、上記した各成分を上記した割合で配合して、熱硬化性樹脂組成物(Aステージ)を調製する。好ましくは、上記した成分を十分に攪拌する。必要により、溶媒(メチルエチルケトンなどのケトン系など)をさらに配合して、ワニスを調製する。
次いで、ワニスを、はく離ライナー3に塗布し、その後、加熱により乾燥させる。これにより、はく離ライナー3の上に封止樹脂層2(Bステージ)が形成される。以上により、封止シート1が製造される。
なお、ワニスを調製せず、熱硬化性樹脂組成物を混練・押出成形することにより、封止樹脂層2を形成することもできる。
封止樹脂層2の厚みを確保するために、複数の封止樹脂層2を積層する(貼り合わせる)こともできる。
[電子装置の製造方法]
電子装置の製造方法は、例えば、準備工程、および、封止工程、を備える。
{準備工程}
準備工程では、上記した封止樹脂層と、電子部品付きの基板とをそれぞれ準備する(図4A参照)。
{封止工程}
封止工程では、封止樹脂層を使用して、電子部品付きの基板における電子部品を封止する(図4B参照)。封止工程は、例えば、プレス工程および加熱工程を備える。プレス工程および加熱工程は、順に実施される。また、封止工程においてプレス工程および加熱工程を同時に実施してもよい。
{プレス工程}
プレス工程では、まず、封止樹脂層と電子部品付きの基板とを、プレス(図示せず)を用いて加圧する。加圧の際、必要により、封止樹脂層を加熱する。このとき、封止樹脂層は、電子部品の外形に対応して塑性変形する。これによって、封止樹脂層は、電子部品を被覆する。
{加熱工程}
その後、電子部品付きの基板および封止樹脂層を加熱する。これにより、封止樹脂層は、熱硬化して、封止樹脂層の硬化体(Cステージ)を形成する(図4C参照)。
これにより、上記した電子装置が製造される。
<作用効果>
本発明の封止シート1によれば、カーボンブラックの平均一次粒子径が、70nm以上であり、無機充填材を除く封止樹脂層2中の、カーボンブラックの配合割合が、4質量%以上、10質量%以下であり、厚み比が、30%以下である。
そのため、電子部品12を封止したときに、電子部品12の上の封止樹脂層2の硬化物の厚みを薄くでき、かつ、封止した電子部品12が透けることを抑制できる。
その結果、電子装置10の薄型化を図ることができ、意匠性の優れた電子装置10を得ることができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例および比較例で使用する各成分を以下に示す。
(1)エポキシ樹脂
2官能エポキシ樹脂(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、製品名:YSLV-80XY、新日鐵化学社製、エポキシ当量191g/eq)
(2)フェノール樹脂
フェノール樹脂A(ノボラック型フェノール樹脂、製品名:LVR-8210DL、群栄化学社製、水酸基当量104g/eq)
フェノール樹脂B(トリフェニルメタン型フェノール樹脂、製品名:TPM-100、群栄化学工業社製、水酸基当量98g/eq)
(3)熱可塑性樹脂
カルボキシル基含有アクリル酸エステルコポリマー(製品名:HME-2006M、根上工業社製、固形分濃度80質量%のメチルエチルケトン溶液、重量平均分子量:約60万、ガラス転移温度:-30℃)
(4)シランカップリング剤
3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名:KBM-403、信越化学社製)
(5)硬化促進剤
ウレア系硬化促進剤(脂肪族ウレア化合物、製品名:U-CAT 3513N、サンアプロ社製)
(6)無機充填材
シリカ(製品名:20SM-C4、アドマテックス社製、球状シリカ粉末、平均粒子径1.8μm、最大粒子径10μm)
有機ベントナイト(製品名:エスベンNX、ホージュン社製、表面がジメチルジステアリルアンモニウムで変性された有機ベントナイト)
(7)顔料
カーボンブラック(製品名:#5、三菱化学社製、平均一次粒子径:76nm)
カーボンブラック(製品名:#2600、三菱化学社製、平均一次粒子径:13nm)
(8)溶剤
メチルエチルケトン
実施例1
表1に記載される処方に従って、各成分および溶剤を配合および混合して、封止樹脂組成物(ワニス)を調製した。
なお、表1および表2において、「熱可塑性樹脂」の配合割合は、固形分換算値であり、溶剤は、ワニスの固形分濃度が70質量%以上90質量%以下となるように配合した。
次いで、表面がシリコーン離型処理されているポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)からなるはく離ライナーの表面に、封止樹脂組成物を塗布した。
次いで、塗布された封止樹脂組成物を120℃で2分間加熱乾燥し、はく離ライナーの表面に厚み50μmの封止樹脂層を形成した。形成された封止樹脂層は、半硬化状態(Bステージ状態)である。
次いで、2枚の封止樹脂層を90℃で貼り合わせて、厚み100μmの封止樹脂層からなる封止シートを製造した。なお、封止シートも、Bステージ状態であった。
実施例2~実施例5、および、比較例1~比較例5
実施例1と同様の手順に基づいて、封止シートを製造した。但し、表1の記載に基づいて、封止シートの処方を変更した。
<評価>
[外観]
各実施例および各比較例において、封止試験の第3ステップ後の封止樹脂層の硬化体を、目視により、真上から観察した。外観に関して、次の基準で評価した。その結果を表1に示す。
{基準}
◎:ダミーチップは透けず、非常に隠蔽できている
〇:ダミーチップは透けず、隠蔽できている
×:ダミーチップが透けて見え、隠蔽できていない
[透過率]
各実施例および各比較例において、封止シートの厚さが20μmになるように、封止樹脂組成物を塗布し、測定用のサンプルを作製した。次いで、作製したサンプルを用いて、450nm、550nmおよび650nmの波長の光に対する透過率(%)を測定した。透過率の測定には、紫外可視近赤外分光光度計V-670DS(日本分光社製)を用い、測定波長範囲は190~800nmとした。その結果を表1に示す。
[90℃粘度]
各実施例および各比較例で得られた封止樹脂層を、厚さが1mmになるように複数積層し、直径8mmの円形状に打ち抜いて、測定用のサンプルを作製した。
次いで、レオメーター(商品名「HAAKE MARS III」、Thermo Fisher Scientific社製)を使用し、レオメーターの加熱用の熱プレートと、熱プレートに対して平行に配置されるパラレルプレート(直径8mm)との間に、サンプルを挟み、プレート間ギャップを0.8mmとした。また、その他の条件を、周波数1Hz、歪み値0.005%、温度90℃とし、サンプルの粘度を測定した。その結果を表1に示す。
[厚み比]
下記第1ステップから第4ステップからなる封止試験によって、各実施例および各比較例で得られた封止樹脂層の厚み比を測定した。なお、厚み比は下記の式で算出した。その結果を表1に示す。
厚み比(%)=封止樹脂層の硬化物の厚みT(μm)/封止樹脂層の厚み(硬化前)T(μm)×100
=試験片の総厚みT-ガラス基板の厚みT-{ダミーチップの厚み(200μm)}-{バンプの高さ(50μm)}
第1ステップ:ガラス基板と、第1方向において300μm間隔で3つ並び、かつ、第1方向と直交する第2方向において300μm間隔で3つ並ぶ合計9つのダミーチップであって、1辺が1mmの正方形であり、厚みが200μmであり、高さ50μmのバンプを介してガラス基板に接合された9つのダミーチップと、を備えるダミー基板を準備する。
第2ステップ:9つのダミーチップの上に、厚みT(100μm)の1つの封止樹脂層を載せて、真空ラミネータを用いて、真空度1.6kPa、温度65℃、かつ、圧力0.1MPaで40秒間、封止樹脂層を9つのダミーチップに向けて加圧し、ダミー基板に封止樹脂層が積層された積層体を得る。
第3ステップ:積層体を、大気圧下、150℃で1時間加熱し、封止樹脂層を硬化させる。
第4ステップ:厚みTを100%としたときの、9つのダミーチップのそれぞれの上の封止樹脂層の硬化物の厚みTの割合(厚み比)を測定する。なお、得られた試験片の総厚みTを測定し、測定された総厚みTから、ガラス基板の厚みTと、ダミーチップの厚み(200μm)と、バンプの高さ(50μm)とを差し引いた値を、厚みTとする。
[レーザーマーク性]
各実施例および各比較例において、上記第3ステップ後の封止樹脂層の硬化体上に、レーザーによりマーキングして、マークを付与した。その後、マークを、デジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、VHX-2000)により光学的に識別した。レーザーマーク性に関して次の基準で評価した。その結果を表1に示す。
{基準}
〇:マークした箇所とマークしていない箇所のコントラストがはっきりしており、視認しやすい
×:マークした箇所とマークしていない箇所のコントラストがはっきりしておらず、視認しにくい
[埋め込み性]
各実施例および各比較例において、封止試験の第2ステップ後、ガラス基板とダミーチップとの間における、封止樹脂層の侵入具合を観察した。埋め込み性に関して、次の基準で評価した。その結果を表1に示す。
なお、ダミーチップの側面を基準として、ガラス基板とダミーチップとの間に、封止樹脂層が侵入した場合、封止樹脂層が侵入した長さを侵入長さとし、侵入長さが50μm超過の場合を、過侵入とした。また、ダミーチップの側面を基準として、ダミーチップの側面より外側に突出した空間を形成した場合、その突出した空間の長さを突出長さとし、突出長さが50μm超過の場合を、未充填とした。
{基準}
○:未充填および過侵入なく、中空封止できている
×:未充填または過侵入により、中空封止できていない
1 封止シート
2 封止樹脂層
10 電子装置
12 電子部品
13 封止層

Claims (6)

  1. 基板と前記基板に実装される電子部品との間に間隔が隔てられ、前記間隔が中空となるように、前記電子部品を封止するための封止シートであって、
    エポキシ樹脂と、
    フェノール樹脂と、
    無機充填材と、
    カーボンブラックと
    を含有する封止樹脂層を備え、
    前記カーボンブラックの平均一次粒子径が、70nm以上であり、
    前記無機充填材を除く前記封止樹脂層中の、前記カーボンブラックの配合割合が、4質量%以上、10質量%以下であり、
    下記第1ステップから第4ステップからなる封止試験によって測定された厚み比が、30%以下である、封止シート。
    第1ステップ:ガラス基板と、第1方向において300μm間隔で3つ並び、かつ、第1方向と直交する第2方向において300μm間隔で3つ並ぶ合計9つのダミーチップであって、1辺が1mmの正方形であり、厚みが200μmであり、高さ50μmのバンプを介して前記ガラス基板に接合された9つのダミーチップと、を備えるダミー基板を準備する。
    第2ステップ:前記9つのダミーチップの上に、厚みTの1つの前記封止樹脂層を載せて、真空ラミネータを用いて、真空度1.6kPa、温度65℃、かつ、圧力0.1MPaで40秒間、前記封止樹脂層を前記9つのダミーチップに向けて加圧し、前記ダミー基板に前記封止樹脂層が積層された積層体を得る。
    第3ステップ:前記積層体を、大気圧下、150℃で1時間加熱し、前記封止樹脂層を硬化させる。
    第4ステップ:前記厚みTを100%としたときの、前記9つのダミーチップのそれぞれの上の前記封止樹脂層の硬化物の厚みTの割合(厚み比)を測定する。
  2. 90℃での前記封止樹脂層の粘度が、430kPa・s以下である、請求項1に記載の封止シート。
  3. 90℃での前記封止樹脂層の粘度が、100kPa・s以上である、請求項1に記載の封止シート。
  4. 波長450nmにおける、透過率が0.5%以下であり、
    波長550nmにおける、透過率が1.5%以下であり、
    波長650nmにおける、透過率が2.7%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止シート。
  5. 前記封止樹脂層中の、前記無機充填材の配合割合が、70質量%以上、90質量%以下である、請求項1に記載の封止シート。
  6. 基板と
    前記基板に実装される電子部品と、
    前記基板と前記電子部品との間に間隔が隔てられ、前記間隔が中空となるように、前記電子部品を封止する封止層と
    を備え、
    前記封止層は、請求項1~3のいずれか一項に記載の封止シートの前記封止樹脂層の硬化物である、電子装置。
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