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JP2023178219A - 定着フィルム及びその製造方法、定着装置並びに電子写真画像形成装置 - Google Patents

定着フィルム及びその製造方法、定着装置並びに電子写真画像形成装置 Download PDF

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JP2023178219A
JP2023178219A JP2023079668A JP2023079668A JP2023178219A JP 2023178219 A JP2023178219 A JP 2023178219A JP 2023079668 A JP2023079668 A JP 2023079668A JP 2023079668 A JP2023079668 A JP 2023079668A JP 2023178219 A JP2023178219 A JP 2023178219A
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明志 浅香
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Abstract

【課題】摺動層の基体からの剥離と、電子写真画像の形成時における異音の発生とを高いレベルで防止し得る定着フィルムを提供する。【解決手段】定着フィルムであって、円筒状の基体と、該基体の内周面側に形成された、ポリイミド樹脂を含む摺動層と、該基体の外周面側に形成された離型層と、を有し、該摺動層は、該基体に近い側から順に第一被膜及び第二被膜が積層されてなり、該第一被膜は、特定の式で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と特定の式で示される第2の構成単位と、を含み、かつ、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40であり、該第二被膜は、該第2の構成単位のみを含む定着フィルム。【選択図】図3

Description

本発明は、定着フィルム及びその製造方法、定着装置並びに電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置に搭載されているオンデマンド定着方式の定着装置は、定着フィルムと、その内部に固定されたセラミックヒータと、加圧ローラとを有する。そして、該セラミックヒータが、該定着フィルムを介して、加圧ローラに向けて押圧され、定着ニップ部が形成されている。加圧ローラの回転駆動に伴い、定着フィルムは、その内周面がセラミックヒータと摺動しながら従動回転される。定着フィルムにおいて、円筒状の金属製の基体(以下、「金属基体」という場合がある)の内周面には、セラミックヒータとの摺動性の向上を図る観点から、ポリイミドの如き耐熱性樹脂からなる摺動層が設けられることがある。
特許文献1に係る発明は、未定着画像を加熱定着処理する像加熱装置に用いられる定着ベルトに関する。そして、特許文献1は、当該ポリイミド樹脂層のイミド化率が70~93%であって、かつ特定の構成単位の組み合わせを含むことにより、優れた柔軟性と高い耐摩耗性とを兼ね備えたポリイミド樹脂層とすることができることを開示している。
特許第4429384号公報
本発明者が特許文献1に係る定着ベルトを検討したところ、セラミックヒータと摺動層との摺動摩擦においては、特にプロセス速度が小さい低速での駆動時に、スティックスリップ現象による異音が生じる場合があった。異音の発生は、セラミックヒータと摺動層との静摩擦力が動摩擦力よりも大きい場合に生じやすい。その理由は、プロセス速度が低速になるほど、セラミックヒータと定着ベルトの内周面との固着時間が長く、静摩擦力が大きくなるためであると考えられる。
本開示の少なくとも一の態様は、摺動層の基体からの剥離と、電子写真画像の形成時における異音の発生とを高いレベルで防止し得る定着フィルムの提供に向けたものである。また、本開示の少なくとも一の態様は、長期に亘って高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置及び高品位な電子写真画像を安定的に形成することができる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の少なくとも一の態様によれば、定着フィルムであって、円筒状の基体と、該基体の内周面側に形成された、ポリイミド樹脂を含む摺動層と、該基体の外周面側に形成された離型層と、を有し、該摺動層は、該基体に近い側から順に第一被膜及び第二被膜が積層されてなり、該第一被膜は、下記式(A)で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と下記式(B)で示される第2の構成単位と、を含み、かつ、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40であり、該第二被膜は、該第2の構成単位のみを含む定着フィルムが提供される:
Figure 2023178219000002
Figure 2023178219000003
また、本開示の少なくとも一の態様によれば、上記した定着フィルムの製造方法であって、前記基体の内周面に、下記式(a)で示される構成単位Aを有するポリアミック酸Aと、下記式(b)で示される構成単位Bを有するポリアミック酸Bとを、該構成単位Aと該構成単位Bの質量比率(構成単位A:構成単位B)が100:0~60:40となるように混合してなる第一ポリイミド前駆体溶液の塗膜aを形成する第1工程と、該塗膜aの内周面に、唯一のポリアミック酸として該ポリアミック酸Bを含む第二ポリイミド前駆体溶液の塗膜bを形成する第2工程と、該塗膜a中の該ポリアミック酸A、又は該ポリアミック酸A及び該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第一被膜を形成し、該塗膜b中の該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第二被膜を形成する第3工程と、を有する定着フィルムの製造方法が提供される:
Figure 2023178219000004
Figure 2023178219000005
また、本開示の少なくとも一の態様によれば、上記の定着フィルムを有する定着装置が提供される。
さらに、本開示の少なくとも一の態様によれば、上記の定着装置を具備する電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の少なくとも一の態様によれば、摺動層の基体からの剥離と、電子写真画像の形成時における異音の発生とを高いレベルで防止し得る定着フィルムを得ることができる。また、本開示の少なくとも一の態様によれば、長期に亘って高品位な電子写真画像の安定的な形成に資する定着装置及び高品位な電子写真画像を安定的に形成することができる電子写真画像形成装置を得ることができる。
本開示の一実施形態に係る定着装置の概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る定着フィルムの概略断面図である。 本開示の一実施形態に係る摺動層の概略断面図である。 実施例において摺動層形成時に用いた塗工装置の概略図である。
本発明者は、上記の課題の解決に向けて検討を重ねた。その結果、下記の構成を備えた定着フィルムは、摺動層の基体からの剥離と、電子写真画像の形成時における異音の発生とを高いレベルで防止し得ることを見出した。
<構成>
円筒状の基体と、該基体の内周面側に形成された、ポリイミド樹脂を含む摺動層と、該基体の外周面側に形成された離型層と、を有し、該摺動層は、該基体に近い側から順に第一被膜及び第二被膜が積層されてなり、該第一被膜は、下記式(A)で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と下記式(B)で示される第2の構成単位と、を含み、かつ、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40であり、該第二被膜は、該第2の構成単位のみを含む定着フィルム:
Figure 2023178219000006
Figure 2023178219000007
以下、図面を参照して本開示の実施形態を説明するが、本開示の範囲は、この形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
<定着装置>
本開示の一実施形態に係る定着装置について、図1を用いて説明する。
本実施形態の定着装置40は、面状発熱体としてセラミックヒータ43を使用したオンデマンド定着方式である。定着装置40は、円筒状の定着フィルム41と、発熱体兼摺動部材であるセラミックヒータ43と、摺動部材であるフィルムガイド兼ヒータホルダ42と、定着フィルム41との間に定着ニップ部46を形成する加圧ローラ45と、を備える。定着フィルム41は、定着ニップ部46において、セラミックヒータ43とフィルムガイド兼ヒータホルダ42にバックアップされる。すなわち、セラミックヒータ43及びフィルムガイド兼ヒータホルダ42は、定着フィルム41のバックアップ部材ともいえる。
セラミックヒータ43は、窒化アルミニウムの基板上に、銀・パラジウム合金を含む導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な厚さの膜状に塗布することで、抵抗発熱体を形成している。セラミックヒータ43は、フィルムガイド兼ヒータホルダ42の長手方向(記録材搬送方向に直交する幅方向、図1の紙面表裏方向)に沿って具備された溝部に嵌入して固定支持されている。そして、定着フィルム41の内周面と前記基板裏面(抵抗発熱体の形成面とは反対の面)とが、摺動可能な構成となっている。また、セラミックヒータ43は、不図示の手段によって通電されて発熱し、所定の設定温度に制御される。
定着フィルム41は、後述するように、円筒状の基体の内周面側にポリイミド樹脂を用いた摺動層が形成された構成を有する。定着フィルム41は、使用状態において、内周面側がフィルムガイド兼ヒータホルダ42及びセラミックヒータ43に摺擦されながら、加圧ローラ45の回転に伴い従動回転される無端フィルムである。定着フィルム41の回転軸方向両端部は、定着装置40のフレーム等の不図示の固定部分に回転自在に支持されている。
また、定着フィルム41の内部には、フィルムガイド兼ヒータホルダ42、セラミックヒータ43、及び支持部材であるステイ44が配置されている。ステイ44は、定着フィルム41の回転軸方向に配置され、その両端部を定着装置40のフレーム等の不図示の固定部分に支持されている。そして、ステイ44によって、フィルムガイド兼ヒータホルダ42が支持されている。
フィルムガイド兼ヒータホルダ42は、耐熱性及び断熱性を有する液晶ポリマー等によって成型され、ステイ44に沿って、定着フィルム41の回転軸方向に配設される。定着フィルム41は、このフィルムガイド兼ヒータホルダ42にルーズに外嵌されている。そして、定着フィルム41の内周面が、部分円筒面状に形成されたフィルムガイド兼ヒータホルダ42の外周面に摺擦されながら、定着フィルム41の回転が規制され案内される。
定着フィルム41の内周面には、固体成分(増ちょう剤)と基油成分(オイル)とを含む不図示の半固体状の潤滑剤(グリース)が塗布される。これにより、セラミックヒータ43と定着フィルム41の摺動層との摺動性を確保している。増ちょう剤としては、例えば、グラファイトや二硫化モリブデンなどの固体潤滑剤、酸化亜鉛やシリカなど金属酸化物、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン-パーフルオロエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂の微粒子が挙げられる。これらの増ちょう剤は、粒径が3μm程度の粉体として潤滑剤に添加される。また、基油成分としては、シリコーンオイルやフルオロシリコーンオイル、パーフルオロポリエーテル(PFPE)などの耐熱性を有する高分子樹脂オイルが挙げられる。
加圧ローラ45は、ステンレス製の芯金45aと、シリコーンゴム弾性層45bと、離型性を付与するためのフッ素樹脂(PFA)チューブからなる表層45cとから構成される。そして、芯金45aの両端軸部が、不図示の固定部分に回転可能に軸受支持されている。このような加圧ローラ45は、モータの如き回転駆動装置(不図示)と連結されて、使用時に回転駆動される。
また、ステイ44の両端部は、不図示のバネ加圧機構により、その一端側が16kgf(156.8N)、総圧32kgf(313.6N)の力で加圧ローラ45に付勢されている。これにより、セラミックヒータ43の下面を、定着フィルム41を介して、加圧ローラ45の弾性層に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、トナーの定着に必要な所定幅の定着ニップ部46を形成する。
加圧ローラ45は、不図示の回転駆動装置と連結されており、定着フィルム41が加圧ローラ45に従動回転することにより、定着ニップ部46において記録材を挟持搬送する。また、定着フィルム41は、セラミックヒータ43により、その表面を、トナーを溶融するために必要な所定温度に加熱される。この所定温度は、定着フィルム41の内周面に接するように設けられた不図示の温度検知手段としてのサーミスタにより検知され、不図示の制御器によりセラミックヒータ43への通電を制御することで調整される。
このように、定着フィルム41の表面を所定温度に温調した状態で、定着ニップ部46に、未定着トナーによって画像が形成された記録材Pを挟持搬送させる。これにより、定着フィルム41の外周面に当接する記録材Pを加熱することで、記録材P上のトナー画像Tが加熱・加圧され、溶融・混色し、その後冷却されて、記録材P上にトナー画像Tが加熱定着される。
<定着フィルム>
本実施形態に係る定着フィルムは、内周面側が潤滑剤の介在においてバックアップ部材に摺動しながら回転し、外周面にて記録材上のトナー画像を加熱定着するために用いられる。本実施形態の定着フィルム41について、図2及び図3を用いて説明する。
図2に示すように、定着フィルム41は、少なくとも、円筒状の基体12と、基体12の内周面側に形成された摺動層11と、基体12の外周面側に形成された表層としての離型層15とを有する。定着フィルム41は、基体12と離型層15との間に、弾性層13を有していてもよく、また、弾性層13は、プライマーを介して配してもよい。また、離型層15は、弾性層13との間に、接着層14を介して配してもよい。
以下、各構成について具体的に説明する。
[基体]
基体12の材料としては、耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、ステンレス鋼(SUS)、ニッケル、ニッケル合金等の金属が好適に用いられる。基体12は、熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要がある。そのため、基体12の厚みは20μm~50μmであることが好ましく、25μm~45μmであることがより好ましい。
[弾性層]
弾性層13は、定着時に、トナー画像と用紙の凹凸に対して均一な圧力を与えるために定着部材に担持させる層として機能する。かかる機能を発現させる上で、弾性層13としては、加工が容易である、高い寸法精度での加工ができる、加熱硬化時に副生成物が発生しない等の理由から、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムの硬化物を用いることが好ましい。また、後述するフィラーの種類や添加量に応じて、その架橋度を調整し、弾性を調整することができる点からも、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムが好ましい。
一般に、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムは、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンと、架橋触媒としての白金化合物とを含む。ケイ素に結合した活性水素を有するオルガノポリシロキサンは、白金化合物の触媒作用により、不飽和脂肪族基を有するオルガノポリシロキサン中のアルケニル基との反応によって架橋構造を形成させる。
弾性層13は、定着フィルムにおける熱伝導性の向上及び補強、並びに耐熱性の向上等のために、フィラーを含んでいてもよい。フィラーとしては、熱伝導性を向上させる観点から、無機物、特に金属、金属化合物等の高熱伝導性フィラーが好ましい。
高熱伝導性フィラーとしては、具体的に、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。高熱伝導性フィラーの平均粒径は、取り扱い易さ、及び分散性の観点から、1μm以上50μm以下が好ましい。また、高熱伝導性フィラーとしては、球状、粉砕状、板状、ウィスカ状などの形状が用いられるが、分散性の観点から球状のものが好ましい。
弾性層13は、例えば、以下のように形成される。まず、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムと任意にフィラーとが配合された付加反応架橋型シリコーンゴム組成物を、公知の方法により、摺動層11を形成した基体12の外周面に塗工し、該組成物の塗膜を形成する。その後、電気炉などの加熱手段にて、塗膜を一定時間加熱し、架橋反応を進行させることによって、弾性層13を形成することができる。
定着フィルム41の表面硬度への寄与、及び定着時の未定着トナーへの熱伝導の効率の点から、弾性層13の厚みは、100μm以上500μm以下が好ましく、200μm以上400μm以下がより好ましい。
[接着層]
接着層14は、弾性層13の表面に塗工した付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物から形成される。付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、アクリロキシ基、ヒドロシリル基(SiH基)、エポキシ基、及びアルコキシシリル基等の官能基を有するシランに代表される自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。接着層14の厚みは、例えば、1μm~10μmとすることができる。
[離型層]
離型層15としては、例えば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの樹脂をチューブ状に成形したフッ素樹脂チューブが用いられる。これらの中でも、成形性やトナー離型性の観点からPFAチューブが好ましい。フッ素樹脂チューブの内面に、予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理等を施すことにより、接着性を向上させることができる。
離型層15の厚みは、50μm以下であることが好ましい。厚みが50μm以下であれば、積層した際に、下層の弾性層13の弾性を維持し、定着部材としての表面硬度が過度に高くなることを抑制することができる。離型層15の厚みは、フッ素樹脂チューブ被覆時のムラの抑制及び耐久性の観点から、5μm以上であることが好ましい。
離型層15は、例えば、付加硬化型シリコーンゴム接着剤が塗布された弾性層13の外周面上に、PFAチューブを、公知の技術を用いて被覆することによって形成される。PFAチューブを被覆する方法は特に限定されないが、例えば、PFAチューブを外側から真空拡張して被覆する方法(真空拡張被覆法)を用いることができる。被覆後のPFAチューブと弾性層13との間には、接着に寄与しない余剰の付加硬化型シリコーンゴム接着剤と、チューブ被覆時に巻き込んだ空気が存在する。この余剰な接着剤と空気を扱き出す手法としては、定着フィルムの外径よりもわずかに大きな内径を有するリング状のノズルからエアーを噴出させながら定着フィルムの長手方向へ移動させることにより扱き落とす方法が挙げられる。また、定着フィルムの外径よりも小さい内径を有するOリングを用いて扱き落とす等の方法を用いて、余剰の接着剤と空気を除去することもできる。
次に、電気炉などの加熱手段にて所定の時間加熱することで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤を硬化・接着させる。そして、両端部を所望の長さに切断することで、本実施形態に係る定着部材としての定着フィルムを製造することができる。
[摺動層]
摺動層11としては、ポリイミド樹脂の如き高耐久性、高耐熱性を併せ持つ樹脂が好適に用いられる。ポリイミド樹脂から形成される摺動層11は、ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)を含有する溶液やゲルを前記基体12の内周面に塗布、乾燥した後、加熱することにより、該前駆体を脱水閉環反応(イミド化反応)させることによって得られる。前記ポリイミド前駆体は、芳香族テトラカルボン酸二無水物又はその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モル量を、非プロトン系の極性有機溶媒中で重合させることにより得られる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、などが挙げられる。これら芳香族テトラカルボン酸二無水物は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ジアミンとしては、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODA)、p-フェニレンジアミン(PPDA)、m-フェニレンジアミン(MPDA)などが挙げられる。これら芳香族ジアミンは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
非プロトン系の極性有機溶媒としては、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAC)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などが挙げられる。
図3に示すように、本開示における摺動層11は、基体12に近い側から順に第一被膜11-aと、第二被膜11-bとが積層されてなる。第一被膜11-aは、下記式(A)で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と下記式(B)で示される第2の構成単位と、を含み、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40である。また、第二被膜11-bは、該第2の構成単位のみを含む。摺動層11を、上記のように第一被膜及び第二被膜からなる積層構造とすることにより、摺動層11の基体からの剥離と、電子写真画像形成時における異音の発生と、を高いレベルで防止することができる。すなわち、第2の構成単位のみを含むポリイミド樹脂を含む第二被膜11-bは、高いマルテンス硬さを示す。そのため、プロセス速度が小さい場合においてもスティックスリップが生じ難く、異音の発生を防止し得る。その反面、第二被膜11-bは、線膨張係数が小さいため、金属基体と直接接している場合、温度変化に伴う金属基体の伸縮に十分に追従できず、剥離することがある。そこで、本開示においては、第二被膜11-bと金属基体12との間に、線膨張係数が第二被膜11-bよりも大きい第一被膜11-aを介在させている。第一被膜11-aは、金属基体12の伸縮によく追従することができるため、摺動層11の金属基体からの剥離をより確実に防止し得る。
Figure 2023178219000008
Figure 2023178219000009
(第一ポリイミド前駆体溶液)
第一被膜11-aの形成に用いる第一ポリイミド前駆体溶液について説明する。
第1の構成単位を有するポリイミド樹脂は、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-オキシジアニリンとの略等モル量を、非プロトン系の極性有機溶媒中で反応させることで得られる、下記式(a)で示される構成単位Aを有するポリイミド前駆体(ポリアミック酸A)の溶液(以下、「ポリイミド前駆体溶液(a)」ともいう)を加熱して、該溶液中の溶媒(前記非プロトン系の極性有機溶媒)を除去し、さらに該ポリアミック酸Aをイミド化させることによって得ることができる。
一方、第2の構成単位を有するポリイミド樹脂は、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp-フェニレンジアミンとの略等モル量を、非プロトン系の極性有機溶媒中で反応させることで得られる、下記式(b)で示される構成単位Bを有するポリイミド前駆体(ポリアミック酸B)の溶液(以下、「ポリイミド前駆体溶液(b)」ともいう)を加熱して、該溶液中の溶媒(前記非プロトン系の極性有機溶媒)を除去し、さらに該ポリアミック酸Bをイミド化させることによって得ることができる。
ポリイミド前駆体溶液(a)及び(b)を、該構成単位Aと該構成単位Bの質量比率(構成単位A:構成単位B)が100:0~60:40となるように混合して、第一ポリイミド前駆体溶液を得る。なお、前記質量比率が100:0である場合は、ポリイミド前駆体溶液(a)が、第一ポリイミド前駆体溶液となる。
Figure 2023178219000010
Figure 2023178219000011
(第二ポリイミド前駆体溶液)
第二被膜11-bの形成に用いる第二ポリイミド前駆体溶液について説明する。
第2の構成単位のみを有するポリイミド樹脂は、上記ポリイミド前駆体溶液(b)を加熱して、該溶液中の溶媒(前記非プロトン系の極性有機溶媒)を除去し、さらに該ポリアミック酸Bをイミド化させることによって得ることができる。したがって、ポリイミド前駆体溶液(b)が、唯一のポリアミック酸として該ポリアミック酸Bを含む第二ポリイミド前駆体溶液となる。
(摺動層11の形成方法)
次に、ポリイミド樹脂による摺動層11の形成方法について、図4を用いて説明する。
一般的に、ポリイミド樹脂の膜は、上述のようなポリイミド前駆体溶液を塗工すること等によって形成することができる。本実施形態においても、前記ポリイミド前駆体溶液を基体12の内周面に塗工した後、加熱乾燥し、脱水閉環反応によってポリイミド摺動層を形成する。塗工方法は、ディップ法、リングコート法、スプレー法といった公知の方法が適用可能である。これらの中でも、リングコート法が好ましい。
図4に示すリングコート法塗工装置20は、基板21上に、互いに平行な支柱201及び202を配置している。支柱201上には、塗工ヘッド22aが固定されており、塗工液供給装置(不図示)が接続されている。塗工ヘッド22aは、円柱状に形成され、塗工液供給装置からの供給路を中心部に配置し、外周面に支柱201と直交するスリット(不図示)を有する。そして、塗工液供給装置から供給される塗工液(ポリイミド前駆体溶液)が、塗工ヘッド22aの外周面を覆うようにスリットから排出される。
支柱202には、ワーク移動装置26が、支柱202に沿って移動自在に支持されている。ワーク移動装置26は、支柱202に設けられたモータ27の回転駆動により、支柱202に沿って図4の紙面上下に移動する。ワーク移動装置26の先端には、基体12を保持するワークハンド25が配置されている。したがって、ワークハンド25に保持された基体12は、ワーク移動装置26により、ワークハンド25と共に図4の紙面上下に移動する。
基体12の内周面に塗工液を塗布する際は、塗工液供給装置から塗工ヘッド22aの外周面に、塗工液であるポリイミド前駆体溶液を供給しつつ、基体12を塗工ヘッド22aの外周に沿って移動させる。これにより、基体12の内周面全体に亘って、ほぼ均等に塗工液を塗布することができる。塗工装置20において、塗工液の塗布厚みは、塗工液の供給速度やワーク移動装置26の移動速度を調整することで、任意に変更することができる。
基体12の内周面に塗布されたポリイミド前駆体溶液は、電気炉等の加熱手段により焼成され、ポリイミド摺動層11が得られる。塗布されたポリイミド前駆体溶液の加熱は、多段階によって行うことが好ましい。すなわち、まず、焼成の1段階目(1段階目焼成)においては、加熱により、ポリイミド前駆体溶液に含まれる溶媒の少なくとも一部を除去し、ポリイミド前駆体の塗膜を形成する。そして、焼成の2段階目(2段階目焼成)以降で、ポリイミド前駆体のイミド化反応を進行させることが好ましい。特に、1段階目焼成では、ポリイミド前駆体溶液の塗膜中の溶媒の乾燥を、該溶媒の沸点よりも低い温度T1で加熱して行うことが好ましい。次いで、1段階目焼成後に得られるポリイミド前駆体の塗膜中のポリアミック酸A及びポリアミック酸Bのイミド化を、該1段階目焼成よりも高い温度T2で行う2段階目焼成と、該2段階目焼成における温度T2よりもさらに高い温度T3で行う3段階目焼成とを含む多段階で行うことが好ましい。
具体的には、まず、基体12の内周面に第一ポリイミド前駆体溶液を塗布して、該第一ポリイミド前駆体溶液の塗膜aを形成する(第1工程)。この際、必要に応じて、該塗膜aを、第一ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-1で加熱して、該塗膜a中の溶媒を蒸発させて、該塗膜aを乾燥させる(乾燥工程1、塗膜aの1段階目焼成)。
次いで、該塗膜aの内周面に第二ポリイミド前駆体溶液を塗布して、該第二ポリイミド前駆体溶液の塗膜bを形成する(第2工程)。この際、必要に応じて、該塗膜bを、第二ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-2で加熱して、該塗膜b中の溶媒を蒸発させて、該塗膜bを乾燥させる(乾燥工程2、塗膜bの1段階目焼成)。
次いで、乾燥工程1を経た該塗膜aと乾燥工程2を経た塗膜bとが積層された状態において、該塗膜a及び該塗膜bを、温度T1-1及び温度T1-2よりも高い温度T2で加熱し(2段階目焼成)、引き続いて、温度T2よりもさらに高い温度T3で加熱する(3段階目焼成)。こうして、塗膜a中のポリアミック酸A又はポリアミック酸Aとポリアミック酸Bをイミド化させて第一被膜11-aを形成し、塗膜b中のポリアミック酸Bをイミド化させて、第二被膜11-bを形成する(第3工程)。その結果、第一被膜11-a及び第二被膜11-bの積層膜からなる摺動層11が得られる。
塗膜aの2段階目焼成(イミド化反応)の前に、塗膜aの内周面に第二ポリイミド前駆体溶液を塗布して塗膜bを形成し、その後、塗膜a及び塗膜b中のポリアミック酸をイミド化させることで、第一被膜と第二被膜との界面においてもイミド化反応を進行させ得る。そのため、第一被膜と第二被膜との界面における層間剥離を防止することができる。なお、2段階目焼成は、ポリアミック酸の分子運動性を遮らずにイミド化を進めるという点から、260℃以下の温度で徐々に行うことが好ましい。また、3段階目焼成は、ポリイミドの特性を得るためのイミド化反応を十分に進めるという点から、350℃以上の高温で行うことが好ましい。3段階目焼成は、2段階目焼成と同様、徐々に温度を上げて行ってもよく、その場合、最も高温となる温度が、350℃以上であることが好ましい。
摺動層11の厚みは、第一被膜11-aと第二被膜11-bとの合計が、5μm~25μmであることが好ましい。特に、前記合計の厚みが7μm~20μmであれば、定着ニップ部における摩耗性とヒータからの熱を基体12に伝える伝熱性とが両立しやすい。
摺動層11の厚みを、例えば第一被膜11-aと第二被膜11-bがそれぞれ7μmになるようにするには、例えば、以下の方法を用いることができる。すなわち、第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液のポリイミド前駆体固形分濃度(約18質量%)に応じて、各前駆体溶液の塗布厚みが40μmとなるように、基体12の内周面にリングコート法等により前駆体溶液を塗工すればよい。
(イミド化率)
本実施形態において、第二被膜11-bのイミド化率は75%以上であることが好ましい。ここで、イミド化率とは、ポリイミド前駆体溶液中の前駆体(ポリアミック酸)を加熱、焼成して脱水環化(イミド化)させることによってポリイミドを生成する際の、イミド化反応における反応率のことである。イミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、全反射測定(ATR)法により求めることができる。具体的な測定方法は、実施例にて説明する。
第二被膜のイミド化率が75%以上であれば、摺動層自体の柔軟性のために耐摩耗性が低下することがなく、定着ニップ部の摩耗粉がトルクの上昇を引き起こすことを抑制できる。なお、第二被膜のイミド化率は、一般的に、100%以下である。
(マルテンス硬さ)
本実施形態においては、第二被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さが、前記第一被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さよりも大きいことが好ましい。具体的には、第二被膜のマルテンス硬さが350N/mm以上450N/mm以下であり、かつ第一被膜のマルテンス硬さが200N/mm以上300N/mm以下であることが好ましい。第一被膜及び第二被膜のマルテンス硬さが、それぞれ上記範囲内であることにより、セラミックヒータとの摺動摩擦におけるスティックスリップ現象が生じにくく、異音の発生に対する抑制力により優れた摺動層を得ることができる。
なお、測定方法の詳細は実施例にて説明する。
(線膨張係数)
本実施形態においては、第二被膜の線膨張係数が、前記第一被膜の線膨張係数よりも小さいことが好ましい。具体的には、第二被膜の線膨張係数が1.5×10-6/℃以上5.0×10-6/℃以下であり、かつ第一被膜の線膨張係数が2.0×10-5/℃以上5.0×10-5/℃以下であることが好ましい。第一被膜及び第二被膜の線膨張係数が、それぞれ上記範囲内であることにより、摺動層の金属基体からの剥離の防止、及び、電子写真画像形成時における異音の発生の防止を、より一層高いレベルで達成し得る。なお、測定方法の詳細は実施例にて説明する。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定されるものではない。
まず、物性評価方法について説明する。
[マルテンス硬さ]
摺動層11の法線方向(押込み方向)のマルテンス硬さの測定は、微小硬さ試験機(商品名:ピコデンターHM-500、フィッシャー・インストルメンツ社製)を用いて、ナノインデンター法により行った。プローブ(圧子)には、ダイヤモンドビッカース圧子を使用した。試料は、摺動層11を基層12から剃刀等で剥がして単離し、測定対象面を表面側にした状態で、裏面側を厚み300μmのSUS板に接着剤等を用いて貼り付けた状態にて測定した。測定条件は、温度23℃、試験荷重2mN、荷重アプリケーション時間7秒とした。測定によって得られる荷重変位曲線(荷重と押込み変位のグラフ)から、マルテンス硬さを算出した。より具体的には、最大荷重Fをかけたときの圧子の最大押し込み深さhから計算される表面積をAs(h)とすると、マルテンス硬さ(HM)は、次式により得ることができる。
HM[N/mm]=F/As(h)=F/(26.43×h
[線膨張係数]
摺動層11の周方向の線膨張係数は、日本産業規格(JIS) K 7197:2012(プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法)に準拠し、熱機械分析装置(TMA)を用いて得られる、温度に対する変形量の曲線から算出した。ただし、第一被膜と第二被膜が積層された状態では、各々の被膜の線膨張係数を得ることはできない。そのため、基層12の内周面に、第一被膜11-aのみからなる摺動層と、第二被膜11-bのみからなる摺動層を別々に作製することにより、それぞれから単離した試料を用いて線膨張係数を測定した。測定寸法は、周方向長さ10mm×幅5mmとし、測定条件を、荷重0.02N、昇温速度5℃/分として、1℃あたりの変形量を50~200℃の平均値として算出し、それを線膨張係数[/℃]とした。
[イミド化率]
第二被膜11-bのイミド化率は、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて、全反射測定(ATR)法により算出した。ATRプリズムとしてゲルマニウムを用いて、分解能4cm-1、積算回数8回の条件で、摺動層11の第二被膜11-bの表面から赤外吸収スペクトルを得た。そのうち、イミド環のC=O振動に基づく1712cm-1付近のピークの吸光度をαとした。また、第二被膜が第2の構成単位を含む場合は、イミド環の骨格振動に基づく1515cm-1付近のピークの吸光度をβとした。第二被膜が第1の構成単位を含む場合は、イミド環の骨格振動に基づくピークが1500cm-1付近に現れることから、その吸光度をβとした。これらの比であるα/βがイミド環の生成、すなわちイミド化の進行度合いの指標となる。さらに、最終的なイミド化温度を450℃として4時間焼成して得られた第二被膜11-bを、イミド化反応が完全に完結した時の状態(イミド化率100%)と仮定し、そのときのα/βを(α/β)100で表すと、イミド化率は次式により定義される。
イミド化率[%]=(α/β)/(α/β)100×100
以下、後述する一連の工程によって形成される定着フィルム41の評価について説明する。
[耐久性評価]
定着フィルム41の耐久性評価は、実施例又は比較例の定着フィルムを組み込んでなる図1に示すオンデマンド方式の定着装置40を用いて行った。加圧力を、一端側が156.8N(16kgf)、総加圧力が313.6N(32kgf)となるようにした状態で、加圧ローラ45表面の移動スピード(周速)が320mm/秒となるように回転駆動させた。定着フィルム41の通紙部表面温度が170℃に温調された状態で、同一サイズの紙(A4横、商品名:GF-C081、キヤノン社製)を、70枚/分にて50万枚連続通紙した。なお、定着フィルム41の内周面には、潤滑剤としてのグリース(商品名:モリコートHP-300、デュポン・東レ・スペシャルティ・マテリアル社製)を0.8g塗布した。該グリースは、増ちょう剤としてPTFE粉体微粒子(粒径3μm)と、基油成分としてパーフルオロポリエーテルを含む。そして、以下の基準に基づき評価を行った。
ランクAA:負荷トルクが600mN・m以下のまま50万枚通紙できた。
ランクA:負荷トルクが600mN・m超、800mN・m以下のまま50万枚通紙できた。
ランクB:通紙枚数が30万枚に至った時点で負荷トルクが800mN・mを超えた。
ランクC:通紙枚数が10万枚に至った時点で摺動層の一部が剥離し、基体が露出した。
[摺動性評価]
定着フィルム41の摺動性評価は、初期状態と50万枚通紙後の状態において行い、以下の基準で評価した。
ランクAA:定着装置のプロセス速度を60mm/秒としたときに、初期状態及び50万枚通紙後のいずれの状態においても、スティックスリップの発生に伴う定着フィルム自励振動に起因する異音の発生が認められなかった。なお、スティックスリップは、プロセス速度が遅いほど生じやすい。従って、本評価については、プロセス速度が遅いほど、過酷な条件である。
ランクA:定着装置のプロセス速度を120mm/秒としたときに、初期状態及び50万枚通紙後のいずれの状態においても、スティックスリップの発生に伴う定着フィルムの自励振動に起因する異音の発生が認められなかった。
ランクB:定着装置のプロセス速度を120mm/秒としたときに、初期状態及び50万枚通紙後のいずれかの状態において、スティックスリップの発生に伴う定着フィルムの自励振動に起因する異音の発生が認められた。
続いて、実施例と比較例について具体的に説明する。
[実施例1]
3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4’-オキシジアニリンの略等モル量をN-メチル-2-ピロリドン(NMP)中で反応させた。これにより、固形分濃度18質量%、粘度6Pa・sの、前記式(a)で示される構成単位Aを有するポリアミック酸Aを含むポリイミド前駆体溶液(a)を得た。そして、該ポリイミド前駆体溶液(a)を、第一ポリイミド前駆体溶液として用いた。該第一ポリイミド前駆体溶液を、基体12の内周面に、塗布厚みが40μmとなるようにリングコート法により塗布して、該第一ポリイミド前駆体溶液の塗膜aを形成した。なお、円筒状基体12としては、内径24mm、厚み30μmのステンレス鋼(SUS)を用いた。次いで、円筒状基体を温度150℃の加熱炉内で5分間加熱して、塗膜aから、NMPを蒸発させた(塗膜aの1段階目焼成)。円筒状基体を加熱炉から取り出し、次いで、塗膜aの内周面上に、以下のようにして、第二ポリイミド前駆体溶液を塗布した。
まず、第二ポリイミド前駆体溶液としては、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp-フェニレンジアミンの略等モル量をNMP中で反応させることにより得られた固形分濃度18質量%、粘度6Pa・sの、前記式(b)で示される構成単位Bを有するポリアミック酸Bを含むポリイミド前駆体溶液(b)を用いた。この第二ポリイミド前駆体溶液を、塗膜aの内周面上に、塗布厚みが40μmとなるようにリングコート法により塗布して、第二ポリイミド前駆体溶液の塗膜bを形成した。次いで、円筒状基体を、再び温度150℃の加熱炉内で5分間加熱して、塗膜bからNMPを蒸発させた(塗膜bの1段階目焼成)。そして、塗膜aと塗膜bとの積層膜を有する円筒状基体を、加熱炉に入れた。そして、塗膜a及び塗膜bを、温度200℃~260℃で段階的に1時間加熱し(2段階目焼成)、さらに、温度260℃~350℃まで段階的に1時間加熱した(3段階目焼成)。こうして、塗膜a中のポリアミック酸A、及び塗膜b中のポリアミック酸Bをイミド化させ、第一被膜11-a及び第二被膜11-bが、各々7μmで積層された摺動層11を得た。
続いて、摺動層11を形成した円筒状基体12の外周面上に、ヒドロシリル系のシリコーンプライマー(商品名:DY39-051 A/B、ダウ・東レ社製)を塗工し、200℃にて5分間加熱硬化した。そして、その外周面に、付加反応架橋型液状シリコーンゴムと高熱伝導性フィラーとしてのアルミナを含む付加反応架橋型液状シリコーンゴム組成物を250μmの厚みで塗工し、200℃にて30分間加熱硬化して、シリコーンゴム弾性層13を形成した。なお、弾性層13の熱伝導率は1.0W/mKであった。さらに、弾性層13の外周面に、付加硬化型シリコーンゴム接着剤(商品名:SE1819 CV A/B、ダウ・東レ社製)からなる3μm厚の接着層14を形成した。そして、接着層14の外周面に、フッ素樹脂離型層15として、押し出し成形で得られた20μm厚のPFAチューブを、外側から真空拡張して被覆する方法(真空拡張被覆法)により被覆し、200℃にて2分間加熱硬化させた。なお、該PFAチューブとしては、内面を予めアンモニア処理したものを用いた。
上記のようにして作製した定着フィルム41を、前記定着装置に組み込み、摺動層11の耐久性及び摺動性を上記の条件にて評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(a)とポリイミド前駆体溶液(b)を、質量比率(構成単位A:構成単位B)が80:20となるように混合した溶液を、第一ポリイミド前駆体溶液として用いた。それ以外は、実施例1と同様の手順にて、第一被膜及び第二被膜が各々厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[実施例3]
実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(a)とポリイミド前駆体溶液(b)を、質量比率(構成単位A:構成単位B)が60:40となるように混合した溶液を、第一ポリイミド前駆体溶液として用いた。それ以外は、実施例1と同様の手順にて、第一被膜及び第二被膜が各々厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[実施例4]
第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液については、実施例1と同様のものを用いた。第一被膜11-a及び第二被膜11-bの成膜工程において、2段階目焼成までは実施例1と同様の手順にて行った。そして、3段階目焼成において、260℃~300℃まで段階的に1時間加熱してイミド化を進行させた以外は、実施例1と同様の手順にて、各々の被膜が厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[実施例5]
第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液については、実施例1と同様のものを用いた。第一被膜11-a及び第二被膜11-bの成膜工程において、2段階目焼成までは実施例1と同様の手順にて行った。そして、3段階目焼成において、260℃~400℃まで段階的に1時間加熱してイミド化を進行させた以外は、実施例1と同様の手順にて、各々の被膜が厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[実施例6]
第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液については、実施例2と同様のものを用いた。第一被膜11-a及び第二被膜11-bの成膜工程以降は、実施例5と同様の手順にて行い、各々の被膜が厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[実施例7]
第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液については、実施例3と同様のものを用いた。第一被膜11-a及び第二被膜11-bの成膜工程以降は、実施例5と同様の手順にて行い、各々の被膜が厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[比較例1]
実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(a)を、第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液として用いた。このポリイミド前駆体溶液(a)を、基体12の内周面に、塗布厚みが80μmとなるようにリングコート法により塗工した。これを150℃の加熱炉内部にて5分間加熱し、溶媒であるNMPを蒸発させて塗膜を固化させた後、200℃~260℃で段階的に1時間加熱した。さらに260℃~350℃まで段階的に1時間加熱した。これらの工程により、第一被膜と第二被膜との区別がない、同一組成からなる厚み14μmの摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[比較例2]
実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(b)を、第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液として用いた。それ以外は、実施例5と同様の手順にて、第一被膜と第二被膜との区別がない、同一組成からなる厚み14μmの摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[比較例3]
第一ポリイミド前駆体溶液として、実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(b)を用いた。一方、第二ポリイミド前駆体溶液として、実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(a)を用いた。それ以外は、実施例4と同様の手順にて、各々の被膜が厚み7μmで積層された摺動層11を有する定着フィルムを得た。
[比較例4]
比較例1と同様に、実施例1で調製したポリイミド前駆体溶液(a)を、第一ポリイミド前駆体溶液及び第二ポリイミド前駆体溶液として用いた。それ以外は、実施例5と同様の手順にて、第一被膜と第二被膜との区別がない、同一組成からなる厚み14μmの摺動層11を有する定着フィルムを得た。
上記のようにして作製した実施例2~7及び比較例1~4に係る定着フィルム41を、前記定着装置40に組み込み、実施例1と同様に、摺動層11の耐久性及び摺動性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2023178219000012
実施例1~7の結果から、摺動層11として、基体12側には、柔軟性の高い式(A)で示される第1の構成単位を60質量%以上含有するポリイミド樹脂からなる第一被膜11-aを設け、一方で、セラミックヒータとの摺動面側には、硬く剛直な式(B)で示される第2の構成単位を有するポリイミド樹脂からなる第二被膜11-bを設けることによって、基体12との密着性が良好で、かつ異音の発生と摩耗に対する抑制力が高い摺動層が得られることがわかった。
比較例1及び4においては、基体の露出はなく、摺動層と基体との密着性は問題なかった。しかしながら、第二被膜が、第1の構成単位を有するポリイミド樹脂により形成されているため、耐久初期から異音が発生し、かつ耐久による摩耗が進行してトルクの上昇がみられた。一方、比較例2及び3においては、摺動層と基体との密着性が不足し、耐久中に基体が露出してトルクが上昇した。
本開示には、以下の構成が含まれる。
[構成1]
定着フィルムであって、
円筒状の基体と、
該基体の内周面側に形成された、ポリイミド樹脂を含む摺動層と、
該基体の外周面側に形成された離型層と、
を有し、
該摺動層は、該基体に近い側から順に第一被膜及び第二被膜が積層されてなり、
該第一被膜は、下記式(A)で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と下記式(B)で示される第2の構成単位と、を含み、かつ、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40であり、
該第二被膜は、該第2の構成単位のみを含む
定着フィルム:
Figure 2023178219000013
Figure 2023178219000014
[構成2]
前記第二被膜のイミド化率が75%以上である、構成1に記載の定着フィルム。
[構成3]
前記第二被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さが、前記第一被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さよりも大きく、かつ、前記第二被膜の線膨張係数が、前記第一被膜の線膨張係数よりも小さい、構成1又は2に記載の定着フィルム。
[構成4]
前記第二被膜のマルテンス硬さが350N/mm以上450N/mm以下であり、かつ前記第一被膜のマルテンス硬さが200N/mm以上300N/mm以下である、構成1~3のいずれかに記載の定着フィルム。
[構成5]
前記第二被膜の線膨張係数が1.5×10-6/℃以上5.0×10-6/℃以下であり、かつ前記第一被膜の線膨張係数が2.0×10-5/℃以上5.0×10-5/℃以下である、構成1~4のいずれかに記載の定着フィルム。
[構成6]
構成1~5のいずれかに記載の定着フィルムの製造方法であって、
前記基体の内周面に、下記式(a)で示される構成単位Aを有するポリアミック酸Aと、下記式(b)で示される構成単位Bを有するポリアミック酸Bとを、該構成単位Aと該構成単位Bの質量比率(構成単位A:構成単位B)が100:0~60:40となるように混合してなる第一ポリイミド前駆体溶液の塗膜aを形成する第1工程と、
該塗膜aの内周面に、唯一のポリアミック酸として該ポリアミック酸Bを含む第二ポリイミド前駆体溶液の塗膜bを形成する第2工程と、
該塗膜a中の該ポリアミック酸A、又は該ポリアミック酸A及び該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第一被膜を形成し、該塗膜b中の該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第二被膜を形成する第3工程と、
を有することを特徴とする定着フィルムの製造方法:
Figure 2023178219000015
Figure 2023178219000016
[構成7]
前記第1工程が、前記塗膜aを、前記第一ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-1で加熱して該塗膜aを乾燥させる乾燥工程1を含み、
前記第2工程が、前記塗膜bを、前記第二ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-2で加熱して該塗膜bを乾燥させる乾燥工程2を含み、
前記第3工程が、該乾燥工程1を経た該塗膜a、及び該乾燥工程2を経た該塗膜bを、該温度T1-1及び該温度T1-2よりも高い温度T2で加熱し、次いで、該温度T2よりもさらに高い温度T3で加熱して、前記ポリアミック酸A及び前記ポリアミック酸Bをイミド化して、前記第一被膜及び前記第二被膜を形成する工程を含む、
構成6に記載の定着フィルムの製造方法。
[構成8]
構成1~5のいずれかに記載の定着フィルムを有する定着装置。
[構成9]
構成8に記載の定着装置を具備する電子写真画像形成装置。
11…摺動層
11-a…第一被膜
11-b…第二被膜
12…基体
15…離型層
41…定着フィルム
42…フィルムガイド兼ヒータホルダ
43…セラミックヒータ

Claims (9)

  1. 定着フィルムであって、
    円筒状の基体と、
    該基体の内周面側に形成された、ポリイミド樹脂を含む摺動層と、
    該基体の外周面側に形成された離型層と、
    を有し、
    該摺動層は、該基体に近い側から順に第一被膜及び第二被膜が積層されてなり、
    該第一被膜は、下記式(A)で示される第1の構成単位、又は該第1の構成単位と下記式(B)で示される第2の構成単位と、を含み、かつ、該第1の構成単位と該第2の構成単位の含有量の質量比率(A):(B)が100:0~60:40であり、
    該第二被膜は、該第2の構成単位のみを含む
    ことを特徴とする定着フィルム:
    Figure 2023178219000017
    Figure 2023178219000018
  2. 前記第二被膜のイミド化率が75%以上である、請求項1に記載の定着フィルム。
  3. 前記第二被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さが、前記第一被膜のナノインデンター法により測定したマルテンス硬さよりも大きく、かつ、前記第二被膜の線膨張係数が、前記第一被膜の線膨張係数よりも小さい、請求項1に記載の定着フィルム。
  4. 前記第二被膜のマルテンス硬さが350N/mm以上450N/mm以下であり、かつ前記第一被膜のマルテンス硬さが200N/mm以上300N/mm以下である、請求項3に記載の定着フィルム。
  5. 前記第二被膜の線膨張係数が1.5×10-6/℃以上5.0×10-6/℃以下であり、かつ前記第一被膜の線膨張係数が2.0×10-5/℃以上5.0×10-5/℃以下である、請求項3に記載の定着フィルム。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の定着フィルムの製造方法であって、
    前記基体の内周面に、下記式(a)で示される構成単位Aを有するポリアミック酸Aと、下記式(b)で示される構成単位Bを有するポリアミック酸Bとを、該構成単位Aと該構成単位Bの質量比率(構成単位A:構成単位B)が100:0~60:40となるように混合してなる第一ポリイミド前駆体溶液の塗膜aを形成する第1工程と、
    該塗膜aの内周面に、唯一のポリアミック酸として該ポリアミック酸Bを含む第二ポリイミド前駆体溶液の塗膜bを形成する第2工程と、
    該塗膜a中の該ポリアミック酸A、又は該ポリアミック酸A及び該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第一被膜を形成し、該塗膜b中の該ポリアミック酸Bをイミド化させて前記第二被膜を形成する第3工程と、
    を有することを特徴とする定着フィルムの製造方法:
    Figure 2023178219000019
    Figure 2023178219000020
  7. 前記第1工程が、前記塗膜aを、前記第一ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-1で加熱して該塗膜aを乾燥させる乾燥工程1を含み、
    前記第2工程が、前記塗膜bを、前記第二ポリイミド前駆体溶液が含む溶媒の沸点よりも低い温度T1-2で加熱して該塗膜bを乾燥させる乾燥工程2を含み、
    前記第3工程が、該乾燥工程1を経た該塗膜a、及び該乾燥工程2を経た該塗膜bを、該温度T1-1及び該温度T1-2よりも高い温度T2で加熱し、次いで、該温度T2よりもさらに高い温度T3で加熱して、前記ポリアミック酸A及び前記ポリアミック酸Bをイミド化して、前記第一被膜及び前記第二被膜を形成する工程を含む、
    請求項6に記載の定着フィルムの製造方法。
  8. 請求項1~5のいずれか1項に記載の定着フィルムを有することを特徴とする定着装置。
  9. 請求項8に記載の定着装置を具備することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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