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JP2023069270A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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JP2023069270A
JP2023069270A JP2021181021A JP2021181021A JP2023069270A JP 2023069270 A JP2023069270 A JP 2023069270A JP 2021181021 A JP2021181021 A JP 2021181021A JP 2021181021 A JP2021181021 A JP 2021181021A JP 2023069270 A JP2023069270 A JP 2023069270A
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JP
Japan
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pneumatic tire
mass
tire according
silica
rubber
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Pending
Application number
JP2021181021A
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English (en)
Inventor
秀一朗 大野
Shuichiro Ono
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Priority to EP22189214.4A priority patent/EP4177071B1/en
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    • B60C1/00Tyres characterised by the chemical composition or the physical arrangement or mixture of the composition
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Abstract

【課題】濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド部を備える空気入りタイヤであって、トレッド部の最外層が、加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されており、最外層の断面において、加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下であり、ゴム組成物の30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が、0.20超であり、最外層の接地面内におけるシー比Se(%)が、10%超であり、最外層において、Sr/Se>0.1を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
【選択図】なし

Description

本開示は、空気入りタイヤ、より詳しくは、濡れた氷上路面でのグリップ性能が優れた空気入りタイヤに関する。
氷上路面の走行に際して、スパイクタイヤの使用や空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)へのチェーンの装着がなされてきたが、粉塵問題等の環境問題が発生するため、これに代わるものとして、近年、スタッドレスタイヤが提案されている。スタッドレスタイヤは、一般路面に比べて路面凹凸が小さい氷上路面で使用されるため、材料面や設計面での工夫により氷上性能の向上を図ることが提案されている。
具体的には、材料面の工夫としては、例えば、低温特性に優れたジエン系ゴムや可塑剤成分を多く配合するなどして、氷上性能の向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献1、2)。また、設計面の工夫としては、例えば、ランド比を高くシー比を低く設定するなどして、氷上性能の向上を図ることが提案されている(例えば、特許文献3、4)。
特開2009-091482号公報 特開2019-210488号公報 特開2018-193056号公報 特開2020-015383号公報
しかしながら、上記したような技術では未だ氷上性能が十分に向上できているとは言えず、特に、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上に対する要求が強く、さらなる改良が望まれている。
本開示は、上記現状に鑑みて、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供することを課題とする。
本開示者は、上記課題の解決について鋭意検討を行い、以下に記載する開示により上記課題が解決できることを見出した。
本開示は、
トレッド部を備える空気入りタイヤであって、
前記トレッド部の最外層が、加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されており、
前記最外層の断面において、前記加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下であり、
前記ゴム組成物の30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が、0.20超であり、
前記最外層の接地面内におけるシー比Se(%)が、10%超であり、
前記最外層において、Sr/Se>0.1を満足することを特徴とする空気入りタイヤである。
本開示によれば、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供することができる。
[1]本開示に係るタイヤの特徴
最初に、本開示に係るタイヤの特徴について説明する。
1.概要
本開示に係るタイヤは、トレッド部を備える空気入りタイヤであって、トレッド部の最外層が、加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されている。そして、最外層の断面において、加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下であり、ゴム組成物の30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が、0.20超である。さらに、最外層の接地面内におけるシー比Se(%)が、10%超であり、最外層において、Sr/Se>0.1を満足している。
これらの特徴を有することにより、後述するように、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供することができる。
2.本開示に係るタイヤにおける効果発現のメカニズム
本開示に係るタイヤにおいて、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮するという効果の発現のメカニズムについては、以下のように考えられる。
上記したように、本開示において、キャップゴム層は加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されており、キャップゴム層の断面において、加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下である。
加硫ゴム粉末を、一定以上、具体的には、キャップゴム層の断面において、加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上となるようにキャップゴム層に含有させることにより、トレッド部の表面に凹凸を生じさせて、トレッド部表面における排水経路を確保することができると考えられる。また、加硫ゴム粉末が氷上路面を引っ掻くことにより、氷上路面に対するアンカー効果(食い込み効果)を得ることができるため、氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られて、優れた氷上性能を発揮することができると考えられる。10%以上であるとより好ましく、20%以上であるとさらに好ましい。
しかし、Srを50%超と、多過ぎる量の加硫ゴム粉末をキャップゴム層に含有させた場合には、キャップゴム層における補強性が低下して、タイヤの耐久性の低下を招く恐れがあるため、本開示において、Srは50%以下とする。40%以下であるとより好ましく、30%以下であるとさらに好ましい。
上記した「加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr」は、トレッド面に平行な面が観察用断面となるようにトレッド部を切断して作製したサンプルを、例えば、走査型電子顕微鏡で撮像して、加硫ゴム粉末が占めるドメインの面積を求め、切断面全体の面積に対する比率を求めることにより得ることができる。
そして、本開示において、キャップゴム層を形成するゴム組成物は、30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が0.20超のゴム組成物である。
損失正接tanδは、エネルギーの吸収性能を示す粘弾性パラメータであり、値が大きいほどエネルギーを吸収して、熱に変換することができる。本開示においては、上記したように、30℃tanδを0.20超としているため、この熱への変換を十分に行わせることができる。この結果、走行時、キャップゴム層が温まり易く、キャップゴム層表面に存在する加硫ゴム粉末の凸部も温度が相対的に高くなり、氷上路面へのアンカー効果が得られやすくなると考えられる。0.22以上であるとより好ましく、0.24以上であるとさらに好ましい。また、上限は、特に規定されないが、0.30未満であることが好ましい。
なお、上記した損失正接(tanδ)は、例えば、GABO社製「イプレクサー(登録商標)」などの粘弾性測定装置を用いて、測定することができる。
また、本開示においては、キャップゴム層の接地面内におけるシー比Se(%)を10%超としていると共に、Sr/Se>0.1を満足するようにしている。
シー比は、走行時における排水経路の確保の程度を示すパラメータと考えることができ、シー比Seを10%超とを大きくした場合、トレッド部に多くの溝が形成されて、大きな排水経路が確保されるため、十分な排水経路を確保することができる。
しかし、単に、シー比Seを大きくしただけでは、路面との接触面積が減少するため、路面にできている水膜を排除した後、十分な接地面積を得ることができず、氷上性能を得ることができない恐れがある。
本開示者は、シー比Seの増加に伴って、加硫ゴム粉末が占める面積比率Srを大きくすれば、路面との接触面積が小さくなっても、トレッド部の表面に生じている加硫ゴム粉末の凹凸により、氷上路面への食い込みが可能であるため、氷上路面にできている水膜を適切に排除、排水して、十分なアンカー効果を得ることができると考えた。そして、種々の実験と検討の結果、Sr/Se>0.1を満足していればよいことが分かった。0.5以上であるとより好ましく、1.0以上であるとさらに好ましい。なお、上限は、特に規定されないが、1.5以下であることが好ましい。
なお、上記したシー比Seは、正規リム、正規内圧、正規荷重条件下における接地形状から求めることができる。
具体的には、タイヤを正規リムに組み付け、正規内圧を加え、25℃で24時間静置した後、タイヤトレッド表面に墨を塗り、正規荷重を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させることにより、接地形状を得ることができるため、タイヤを周方向に72°ずつ回転させて、5か所で転写させる。すなわち、5回、接地形状を得る。そして、それぞれの接地形状の最外部において、主溝及び横溝により途切れた箇所を滑らかにつないで接地形状の輪郭を得る。前記した接地形状の輪郭内の全面積の平均値に対する、接地形状の輪郭内で溝により原紙に転写されなかった部分(白部分)の面積の平均値の比率を求め、その値に100を乗じることにより、シー比Se(%)を求めることができる。
なお、「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMA(日本自動車タイヤ協会)であれば「JATMA YEAR BOOK」に記載されている適用サイズにおける標準リム、ETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)であれば「STANDARDS MANUAL」に記載されている“Measuring Rim”、TRA(The Tire and Rim Association,Inc.)であれば「YEAR BOOK」に記載されている“Design Rim”を指す。そして、規格に定められていないタイヤの場合には、リム組み可能であって、内圧が保持できるリム、即ちリム/タイヤ間からエア漏れを生じさせないリムの内、最もリム径が小さく、次いでリム幅が最も狭いものを指す。
そして、「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”を指す。
また、「正規荷重」とは、前記したタイヤが基づいている規格を含む規格体系における各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、タイヤに負荷されることが許容される最大の質量を指しており、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”とする。
以上のように、本開示に係るタイヤによれば、Seを大きくして溝を十分に存在させることにより、トレッド部の表面から氷上路面上の水を溝へ逃がすと共に、Sr/Seを大きくしてトレッド部の表面に生じている加硫ゴム粉末の凹凸を氷上路面へ食い込ませることにより、濡れた氷上路面であっても、十分なグリップ性能を向上させることができ、優れた氷上性能を発揮させることができる。
なお、本開示において、キャップゴム層の下層に、1層以上のベースゴム層を設けてもよい。
[2]本開示に係るタイヤにおけるより好ましい態様
本開示に係るタイヤは、以下の態様を取ることにより、さらに大きな効果を得ることができる。
1.SrとSeとの関係
本開示に係るタイヤは、前記したように、シー比Seの増加に伴って、キャップゴム層の断面において加硫ゴム粉末が占める面積比率Srを大きくすることにより、氷上路面への食い込みを可能にして、優れた氷上性能を発揮させることができるが、このとき、Sr×Se>500を満足していることが好ましい。
このように、Sr、Seの双方を十分に大きくした場合、上記したSrによる効果およびSeによる効果が協働して、グリップ性能をさらに向上させることができ、より優れた氷上性能を発揮させることができる。
2.30℃tanδとSeとの関係
本開示において、30℃tanδとSeとは、一定のバランスを有していることが好ましい。前記したように、Seが大きいほど、十分な排水経路を確保することができるが、氷上路面に対するアンカー効果を得難くなる。一方、30℃tanδは値が大きいほどゴム組成物表面の加硫ゴム粉末の温度を高くすることができるため、氷上路面へのアンカー効果が得られやすくなる。
そこで、30℃tanδとSeとの間における好ましい関係について、実験と検討を行い、30℃tanδのSeに対する比率(%)、即ち、(30℃tanδ/Se)×100が、0.50超、1.0未満であれば、十分な排水機能とアンカー効果が適切に両立されて、優れた氷上性能を発揮できることが分かった。0.55以上、0.65以下であるとより好ましい。
3.加硫ゴム粉末の粒度
本開示において、加硫ゴム粉末は、JIS Z8801-1に規定された試験用ふるいで、30メッシュパスよりも細かく、250メッシュパスよりも粗い粒度であることが好ましい。粒度を250メッシュパスより大きくすることにより、前記した氷上路面に対するアンカー効果を十分に発揮させることができる。一方、30メッシュパスより細かくすることにより、キャップゴム層を形成するゴム組成物内における均一な分散を得やすくなり、十分な耐久性能を得やすくすることができる。
4.キャップゴム層へのシリカの含有
本開示において、キャップゴム層は、補強剤としてシリカを含有していることが好ましい。シリカを含有していることにより、他の補強剤に比べ、硬さの上昇に対して前記した30℃tanδをより大きくすることができるため、キャップゴム層の路面への追従性を損なうことなく、より温まり易くなり、氷上路面へのアンカー効果が向上すると考えられる。
シリカとしては、平均一次粒子径が小さすぎると加工性が悪くなるため、16nm超の大粒径シリカを用いることが好ましい。25nm以上であるとより好ましく、30nm以上であるとさらに好ましい。一方、ゴムの補強性確保の観点からは、60nm以下であることが好ましく、55nm以下であるとより好ましく、50nm以下であるとさらに好ましい。
なお、シリカの平均一次粒子径とは、凝集構造を構成するシリカの最小粒子単位を円として観察し、その最小粒子の絶対最大長を円の直径として測定した値の平均値を意味し、透過型又は走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
このとき、加硫ゴム粉末にもシリカが含有されていると、30℃tanδのさらなる向上が見込まれるが、30℃tanδの向上に対する寄与の程度は、加硫ゴム粉末よりも加硫ゴム粉末以外のゴムの方が大きいため、シリカの含有比率は、加硫ゴム粉末よりも加硫ゴム粉末以外のゴムの方が大きいことが好ましい。
[3]実施の形態
以下、実施の形態に基づいて、本開示を具体的に説明する。
1.キャップゴム層を形成するゴム組成物
(1)配合材料
本開示において、キャップゴム層を形成するゴム組成物は、加硫ゴム粉末を除いて、以下に記載するゴム成分、およびその他の配合材料から得ることができる。
(a)ゴム成分
本開示において、ゴム成分としては特に限定されず、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)などのジエン系ゴム、ブチルゴムなどのブチル系ゴムなど、タイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を用いることができ、これらの内でも、イソプレン系ゴム(特にNR)およびジエン系ゴム(特にBR)の併用が好ましい。
(イ)イソプレン系ゴム
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられるが、強度に優れるという点からNRが好ましい。
NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量部中のイソプレン系ゴムの含有量は、氷上性能等の観点から、30質量部以上であることが好ましく、35質量部以上であるとより好ましい。一方、上限としては、50質量部以下であることが好ましく、45質量部以下であるとより好ましい。
(ロ)BR
本開示において、ゴム成分には、氷上性能等の観点から、NRと共に、BRを用いることが好ましい。BRの含有量は特に限定されないが、50質量部以上であることが好ましく、55質量部以上であるとより好ましい。一方、70質量部以下であることが好ましく、65質量部以下であるとより好ましい。
BRの重量平均分子量は、例えば、10万超、200万未満である。BRのビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、例えば1質量%超、30質量%未満である。BRのシス含量は、例えば1質量%超、98質量%以下である。BRのトランス含量は、例えば、1質量%超、60質量%未満である。なお、シス含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
BRとしては特に限定されず、高シス含量(シス含量が90%以上)のBR、低シス含量のBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)等を使用できる。BRは、非変性BR、変性BRのいずれでもよく、変性BRとしては、例えば、下記式で表される化合物(変性剤)により変性されたS変性BRを使用することができる。
Figure 2023069270000001
なお、式中、R、RおよびRは、同一または異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(-COOH)、メルカプト基(-SH)またはこれらの誘導体を表す。RおよびRは、同一または異なって、水素原子またはアルキル基を表す。RおよびRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。
上記式で表される化合物(変性剤)により変性された変性BRとしては、重合末端(活性末端)を前記式で表される化合物により変性されたBRを挙げることができる。
、RおよびRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基)。RおよびRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1~5、より好ましくは2~4、更に好ましくは3である。また、RおよびRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4~8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
上記変性剤の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、変性BRとしては、以下の化合物(変性剤)により変性された変性BRも使用できる。変性剤としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;ビス-(1-メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、N,N-ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N-ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3-ビス-(グリシジルオキシプロピル)-テトラメチルジシロキサン、(3-グリシジルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;(トリメチルシリル)[3-(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;エチレンイミン、プロピレンイミン等のN-置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリメトキシシラン、N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-ビス-(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基および/または置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4-N,N-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基および/または置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-メチル-5-メチル-2-ピロリドン等のN-置換ピロリドン;N-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン等のN-置換ピペリドン;N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム等のN-置換ラクタム類の他、N,N-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)-アニリン、4,4-メチレン-ビス-(N,N-グリシジルアニリン)、トリス-(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン類、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルマレイミド、N,N-ジエチル尿素、1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、4-N,N-ジメチルアミノアセトフェン、4-N,N-ジエチルアミノアセトフェノン、1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン等を挙げることができる。なお、上記化合物(変性剤)による変性は公知の方法で実施可能である。
変性BRとしては、例えば、スズ変性BRを使用することもできる。スズ変性BRとしては、リチウム開始剤により1,3-ブタジエンの重合を行った後、スズ化合物を添加することにより得られ、更に該スズ変性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合されているものが好ましい。
リチウム開始剤としては、アルキルリチウム、アリールリチウム、ビニルリチウム、有機スズリチウム、有機窒素リチウム化合物などのリチウム系化合物や、リチウム金属などが挙げられる。前記リチウム開始剤をスズ変性BRの開始剤とすることで、高ビニル、低シス含有量のスズ変性BRを作製できる。
スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチルスズトリクロライド、ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライド、トリブチルスズクロライド、トリフェニルスズクロライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフェニルスズエトキシド、ジフェニルジメチルスズ、ジトリルスズクロライド、ジフェニルスズジオクタノエート、ジビニルジエチルスズ、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジステアレート、テトラアリルスズ、p-トリブチルスズスチレンなどが挙げられる。
そして、スズ変性BR中のスズ原子の含有率は、50ppm以上が好ましく、60ppm以上がより好ましい。一方、3000ppm以下が好ましく、2500ppm以下がより好ましく、250ppm以下が更に好ましい。
また、スズ変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は、2以下が好ましく、1.5以下がより好ましい。
また、スズ変性BR中のビニル結合量は、5質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましい。一方、スズ変性BRのビニル結合量は、50質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
なお、上記したS変性BRやスズ変性BRは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
(ハ)SBR
本開示において、ゴム成分は、必要に応じて、さらに、SBRを含有してもよい。ゴム成分中にSBRを含有させることにより、ゴム成分内にスチレン部によるドメイン部が形成され、これによる引っ掻き効果が得られやすくなると考えられる。また、スチレン部の発熱により、加硫ゴム粉末部の温度を高くし易くなるため、氷上性能を向上させやすくなると考えられる。ゴム成分100質量部中のSBRの含有量は、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であるとより好ましい。上限としては特に限定されないが、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であるとより好ましい。
SBRの重量平均分子量は、例えば、10万超、200万未満である。SBRのスチレン含量は、5質量%以上、特に8質量%以上である。また、35質量%未満が好ましく、25質量%未満がより好ましく、15質量%未満がさらに好ましい。SBRのビニル結合量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、例えば、SBRのブタジエン部に対して5モル%超であることが好ましく、10モル%超であるとより好ましく、15モル%超であるとさらに好ましい。一方、上限としては、70モル%未満であることが好ましく、40モル%未満であるとより好ましく、30モル%未満であるとさらに好ましい。なお、SBRの構造同定(スチレン含量、ビニル結合量の測定)は、例えば、日本電子(株)製JNM-ECAシリーズの装置を用いて行うことができる。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。SBRは、非変性SBR、変性SBRのいずれでもよく、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
変性SBRとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖および末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。なお、SBRは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ニ)その他のゴム成分
また、その他のゴム成分として、必要に応じて、ニトリルゴム(NBR)などのタイヤの製造に一般的に用いられるゴム(ポリマー)を含んでもよい。
(b)ゴム成分以外の配合材料
(イ)充填剤
本実施の形態において、ゴム組成物は、充填剤を含有することが好ましい。具体的な充填剤としては、例えば、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカなどが挙げられ、この内でも、シリカをシランカップリング剤と併用して含有することが好ましく、また、必要に応じて、さらに、カーボンブラックを含有してもよい。
充填剤の合計の配合量は、ゴム成分100質量部に対して50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であるとより好ましく、70質量部以上であるとさらに好ましい。一方、ゴム組成物中における分散性の観点から、170質量部以下であることが好ましく、130質量部以下であるとより好ましく、90質量部以下であるとさらに好ましい。
(i)シリカ
本開示において、ゴム組成物はシリカを含有することが好ましく、その内でも、氷上性能等の観点から、例えば、平均一次粒子径が16nm超の大粒径シリカを含有することがより好ましい。大粒径シリカのBET比表面積は100m/g超であることが好ましく、130m/g超であるとより好ましい。一方、250m/g未満であることが好ましく、200m/g未満であるとより好ましい。なお、上記したBET比表面積は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定されるNSAの値である。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。また、含水ガラスなどを原料としたシリカや、もみ殻などのバイオマス材用を原料としたシリカなどを用いてもよい。なお、前記したように、大粒径シリカを用いることが好ましい。
シリカとしては、エボニックデグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、氷上性能の向上の観点から、50質量部以上であることが好ましく、60質量部以上であるとより好ましく、70質量部以上であるとさらに好ましい。一方、ゴム組成物中における分散性の観点から、170質量部以下が好ましく、130質量部以下であるとより好ましく、90質量部以下であるとさらに好ましい。
(ii)シランカップリング剤
シリカの使用に際しては、シランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、例えば、3質量部超、15質量部未満である。
(iii)カーボンブラック
ゴム組成物は、必要に応じて、カーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの含有量は、氷上性能の向上や補強性の観点から、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部以上であることが好ましく、3質量部以上であるとより好ましく、5質量部以上であるとさらに好ましい。一方、ゴム組成物の加工性の観点から、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であるとより好ましく、10質量部以下であるとさらに好ましい。
カーボンブラックとしては特に限定されず、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCFおよびECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FTおよびMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPCおよびCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック)などを挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、例えば30m/g超、250m/g未満である。カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、例えば50ml/100g超、250ml/100g未満である。なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、ASTM D4820-93に従って測定され、DBP吸収量は、ASTM D2414-93に従って測定される。
具体的なカーボンブラックとしては特に限定されず、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。市販品としては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(iv)その他の充填剤
ゴム組成物には、上記したシリカ、カーボンブラックの他に、タイヤ工業において一般的に用いられている、例えば、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレー、水酸化アルミニウム、マイカ、硫酸マグネシウム等の充填剤をさらに含有してもよい。これらの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、150質量部未満である。
(ロ)加硫ゴム粉末
前記したように、本開示において、ゴム組成物には、加硫ゴム粉末を含有させる。加硫ゴム粉末としては、使用済みのタイヤをロール機やグラインダー等を用いて粉砕した後、所定の粒径にふるい分けされた市販品の加硫ゴム粉末を使用してもよいが、必要に応じて、別途配合されたゴム組成物を加硫して、粉砕、ふるい分けされた加硫ゴム粉末を使用してもよい。なお、前記したように、加硫ゴム粉末の粒度は、JIS Z8801-1に規定された試験用ふるいで、30メッシュパスよりも細かく、50メッシュパスよりも粗い粒度であることが好ましい。
前記したように、加硫ゴム粉末の含有は、タイヤの補強性を低下させ、タイヤの耐久性の低下を招く恐れがある。このため、加硫ゴム粉末のゴム成分100質量部に対する含有量としては、例えば、5質量部以上であることが好ましく、20質量部以上であるとより好ましく、40質量部以上であるとさらに好ましい。一方、100質量部以下であることが好ましく、90質量部以下であるとより好ましく、80質量部以下であるとさらに好ましい。
(ハ)可塑剤成分
ゴム組成物は、必要に応じて、可塑剤成分を用いることが好ましい。ゴム成分100質量部に対する可塑剤成分の含有量としては、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であるとより好ましく、40質量部以上であるとさらに好ましい。一方、上限としては特に限定されないが、70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であるとより好ましく、50質量部以下であるとさらに好ましい。これにより、混合時に加硫ゴム粉末を適切に分散させることができる。なお、ここでの可塑剤成分とは、プロセスオイルやゴム成分の進展油、液状ゴム、樹脂成分など、ゴム組成物を可塑化させるものを指す。
(i)オイル
オイルとしては、例えば、鉱物油(一般にプロセスオイルと言われる)、植物油脂、またはその混合物が挙げられる。鉱物油(プロセスオイル)としては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのオイルとして、ライフサイクルアセスメントの観点からゴム混合機のミキサーやエンジンなどに用いられた潤滑油や調理店等で使用された後の廃食油などを適宜精製して用いても良い。
具体的なプロセスオイル(鉱物油)としては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
(ii)液状ゴム
液状ゴムとは、常温(25℃)で液体状態の重合体であり、加硫後のタイヤからアセトン抽出により抽出可能なゴム成分である。液状ゴムとしては、ファルネセン系ポリマー、液状ジエン系重合体及びそれらの水素添加物等が挙げられる。
ファルネセン系ポリマーとは、ファルネセンを重合することで得られる重合体であり、ファルネセンに基づく構成単位を有する。ファルネセンには、α-ファルネセン((3E,7E)-3,7,11-トリメチル-1,3,6,10-ドデカテトラエン)やβ-ファルネセン(7,11-ジメチル-3-メチレン-1,6,10-ドデカトリエン)などの異性体が存在する。
ファルネセン系ポリマーは、ファルネセンの単独重合体(ファルネセン単独重合体)でも、ファルネセンとビニルモノマーとの共重合体(ファルネセン-ビニルモノマー共重合体)でもよい。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。
液状ジエン系重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、例えば、1.0×10超、2.0×10未満である。なお、本明細書において、液状ジエン系重合体のMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算値である。
液状ゴムの含有量(液状ファルネセン系ポリマー、液状ジエン系重合体等の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、100質量部未満である。
液状ゴムとしては、例えば、クラレ(株)、クレイバレー社等の製品を使用できる。
(iii)樹脂成分
樹脂成分は、粘着性付与成分としても機能し、常温で固体であっても、液体であってもよく、具体的な樹脂成分としては、例えば、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂、クマロン系樹脂、テルペン系樹脂、C5樹脂、C9樹脂、C5C9樹脂、アクリル系樹脂などの樹脂が挙げられ、2種以上を併用しても良い。樹脂成分の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2質量部超で、45質量部未満が好ましく、30質量部未満がより好ましい。
ロジン系樹脂は、松脂を加工することにより得られるロジン酸を主成分とする樹脂である。このロジン系樹脂(ロジン類)は、変性の有無によって分類可能であり、無変性ロジン(未変性ロジン)、ロジン変性体(ロジン誘導体)に分類できる。無変性ロジンとしては、トールロジン(別名トール油ロジン)、ガムロジン、ウッドロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、その他の化学的に修飾されたロジンなどが挙げられる。ロジン変性体は無変性ロジンの変性体であって、ロジンエステル類、不飽和カルボン酸変性ロジン類、不飽和カルボン酸変性ロジンエステル類、ロジンのアミド化合物、ロジンのアミン塩などが挙げられる。
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体を構成モノマーとして用いたポリマーであり、スチレン系単量体を主成分(50質量%以上)として重合させたポリマー等が挙げられる。具体的には、スチレン系単量体(スチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-フェニルスチレン、o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン等)をそれぞれ単独で重合した単独重合体、2種以上のスチレン系単量体を共重合した共重合体の他、スチレン系単量体およびこれと共重合し得る他の単量体のコポリマーも挙げられる。
前記他の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのアクリロニトリル類、アクリル類、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルなどの不飽和カルボン酸エステル類、クロロプレン、ブタジエンイソプレンなどのジエン類、1-ブテン、1-ペンテンのようなオレフィン類;無水マレイン酸等のα,β-不飽和カルボン酸またはその酸無水物等が例示できる。
クマロン系樹脂の中でも、クマロンインデン樹脂が好ましい。クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロンおよびインデンを含む樹脂である。クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
クマロンインデン樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1.0質量部超、50.0質量部未満である。
クマロンインデン樹脂の水酸基価(OH価)は、例えば、15mgKOH/g超、150mgKOH/g未満である。なお、OH価とは、樹脂1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムの量をミリグラム数で表したものであり、電位差滴定法(JIS K 0070:1992)により測定した値である。
クマロンインデン樹脂の軟化点は、例えば、30℃超、160℃未満である。なお、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
テルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂およびそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素およびその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α-フェランドレン、α-テルピネン、γ-テルピネン、テルピノレン、1,8-シネオール、1,4-シネオール、α-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオールなどが挙げられる。
ポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β-ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。テルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した樹脂、および該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物およびホルマリンを縮合させた樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる樹脂、および該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
「C5樹脂」とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいう。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
「C9樹脂」とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレン(AMS樹脂)もしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社等より市販されているものを使用することができる。
「C5C9樹脂」とは、前記C5留分と前記C9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
アクリル系樹脂としては特に限定されないが、例えば、無溶剤型アクリル系樹脂を使用できる。
無溶剤型アクリル系樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59-6207号公報、特公平5-58005号公報、特開平1-313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42-45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)が挙げられる。なお、本開示において、(メタ)アクリルは、メタクリルおよびアクリルを意味する。
上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、および(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。また、上記アクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していても良い。
樹脂成分としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
(ニ)ワックス
ゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5~20質量部、好ましくは1.0~15質量部、より好ましくは1.5~10質量部である。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックス等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
(ホ)老化防止剤
ゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、1質量部超、10質量部未満である。
老化防止剤としては、例えば、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
(ヘ)滑剤
ゴム組成物は、滑剤を含んでもよい。滑剤としては、ステアリン酸などの脂肪酸誘導体ベースの滑剤が好ましく、具体的には、例えば、ステアリン酸としては、日油(株)、NOF社、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用でき、また、ストラクトール社製のストラクトールWB16などを使用することもできる。なお、加硫活性剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上、3質量部以下が好ましく、0.5質量部以上、2.5質量部以下であるとより好ましく、1.0質量部以上、2.0質量部以下であるとさらに好ましい。
(ト)酸化亜鉛
ゴム組成物は、酸化亜鉛を含んでもよい。酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.5質量部超、15質量部未満である。酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
(チ)架橋剤および加硫促進剤
ゴム組成物は、硫黄等の架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、10.0質量部未満である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
そして、ゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.3質量部超、10.0質量部未満である。
加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(リ)その他
ゴム組成物には、前記成分の他、タイヤ工業において一般的に用いられている添加剤、例えば、脂肪酸金属塩、カルボン酸金属塩、有機過酸化物等を更に配合してもよい。これらの添加剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、例えば、0.1質量部超、200質量部未満である。
(2)ゴム組成物の作製
前記ゴム組成物は、一般的な方法、例えば、ゴム成分と顆粒ゴム粉末、およびシリカ等のフィラーを混練するベース練り工程と、前記ベース練り工程で得られた混練物と架橋剤とを混練する仕上げ練り工程とを含む製造方法により作製される。
混練は、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、オープンロールなどの公知の(密閉式)混練機を用いて行うことができる。
ベース練り工程の混練温度は、例えば、50℃超、200℃未満であり、混練時間は、例えば、30秒超、30分未満である。ベース練り工程では、上記成分以外にも、従来ゴム工業で使用される配合剤、例えば、オイル等の可塑剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、加硫促進剤などを必要に応じて適宜添加、混練してもよい。
仕上げ練り工程では、前記ベース練り工程で得られた混練物と架橋剤とが混練される。仕上げ練り工程の混練温度は、例えば、室温超、80℃未満であり、混練時間は、例えば、1分超、15分未満である。仕上げ練り工程では、上記成分以外にも、加硫促進剤、酸化亜鉛等を必要に応じて適宜添加、混練してもよい。
得られたゴム組成物は、その後、所定の形状に押出加工されることにより、トレッドに成形される。
2.タイヤの製造
本開示のタイヤは、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤとして作製することができる。
具体的には、成形ドラム上に、タイヤの気密保持性を確保するための部材としてのインナーライナー、タイヤの受ける荷重、衝撃、充填空気圧に耐える部材としてのカーカス、カーカスを強く締付けトレッドの剛性を高める部材としてのベルト部材などを巻回し、両側縁部にカーカスの両端を固定すると共に、タイヤをリムに固定させるための部材としてのビード部を配置して、トロイド状に成形した後、外周の中央部にトレッド、径方向外側にサイドウォールを貼り合せてサイド部を構成させることにより、未加硫タイヤを作製する。
その後、作製された未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。加硫工程は、公知の加硫手段を適用することで実施できる。加硫温度としては、例えば、120℃超、200℃未満であり、加硫時間は、例えば、5分超、15分未満である。
得られたタイヤは、先に述べたように、濡れた氷上路面でのグリップ性能の向上が十分に図られているため、優れた氷上性能を発揮することができる。
以下、実施例により、本開示についてさらに具体的に説明する。なお、以下では、サイズ205/55R16のタイヤを製造し、氷上性能について評価した。
1.ゴム組成物の製造
タイヤの製造に先立って、まず、キャップゴム層を形成するゴム組成物を製造した。
(1)配合材料
まず、以下に示す各配合材料を準備した。
(a)ゴム成分
(イ)NR:TSR20
(ロ)BR:JSR社製のBR730
(b)ゴム成分以外の配合材料
(イ)カーボンブラック:三菱化学社製のダイヤブラックN220
(NSA:115m/g)
(ロ-1)シリカ-1:エボニックデグッサ社製のウルトラシルVN3
(NSA:175m/g、平均一次粒子径:17nm)
(ロ-2)シリカ-2:Rhodia社製のZeosil 1115MP
(NSA:115m/g、平均一次粒子径:25nm)
(ハ)シランカップリング剤:デグサ社製のSi266
(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
(ニ)加硫ゴム粉末:シリカ分40wt%の加硫ゴム粉末(製法は次項目(c)参照)
(ホ)オイル:三共油化工業社製のプロセスオイル A/OMIX
(ヘ)ワックス:日本精蝋社製のオゾエース0355
(ト)老化防止剤:大内新興化学工業社製のノクラック 6C
(N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)
(チ)ステアリン酸:日油社製のステアリン酸「椿」
(リ)酸化亜鉛:三井金属鉱業社製の亜鉛華1号
(ヌ)架橋剤および加硫促進剤
硫黄:鶴見化学工業社製の粉末硫黄
加硫促進剤-1:大内新興化学工業社製のノクセラー CZ-G(CBS)
(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤-2:大内新興化学工業社製のノクセラー D(DPG)
(1,3-ジフェニルグアニジン)
(c)加硫ゴム粉末の製造
上記した加硫ゴム粉末は、以下の手順に従って製造した。
まず、表1に示す配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、その後、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込んで、混練物を得た。なお、各配合量は、質量部である。
次に、得られた混練物を、170℃×20分間の条件で加硫して、ゴム板を得た。その後、得られたゴム板をロール粉砕し、30メッシュのふるいにかけることにより、シリカ分40wt%の加硫ゴム粉末を得た。
Figure 2023069270000002
(2)キャップゴム層を形成するゴム組成物の製造
表2、表3に示す各配合内容に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りして、混練物を得た。なお、各配合量は、質量部である。
次に、得られた混練物に、硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、キャップゴム層を形成する各ゴム組成物を得た。
2.キャップゴムおよびタイヤの製造
得られたキャップゴム層を形成する各ゴム組成物をキャップゴムとして所定の形状に押出加工した後、得られたキャップゴムを用いてトレッド部を作製し、他のタイヤ部材と共に貼り合わせて未加硫タイヤを形成した後、170℃の条件下で10分間プレス加硫して、実施例1~実施例10および比較例1~比較例10の各試験用タイヤを製造した。
3.パラメータの算出
次に、得られた各試験用タイヤについて、以下の各パラメータを求めた。
(1)シー比Se
前記「本開示に係るタイヤにおける効果発現のメカニズム」に示した方法に従って、シー比を測定した。
(2)加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr
まず、各試験用タイヤのキャップゴム層から、トレッド面に並行な面が観察用断面となるように観察用サンプルを切り出した。
次に、サンプルの観察用断面を、走査型電子顕微鏡(ThermoFisher社製 Teneo)を用いて、加速電圧15kVで撮像して、倍率50倍の電子顕微鏡画像を得た。
次に、得られた電子顕微鏡画像の2.54mm×1.69mmの範囲において、加硫ゴム粉末に該当するドメインの面積を算出し、切断面全体の面積に対して占める比率を算出した。これを、1サンプルにつき3視野行い、その平均値を加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)とした。
結果を、表2、表3に示す。なお、同一の配合を用いた試験用タイヤについては、それぞれに対して同様の測定を行った後、得られた結果を再度平均化して、各配合における加硫ゴム粉末の面積比率とした。
(3)損失正接
各試験用タイヤのキャップゴム層から、タイヤ周方向が長辺となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して、測定用ゴム試験片を作製した。各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で損失正接(30℃tanδ)を測定した。
結果を、表2、表3に示す。なお、同一の配合を用いた試験用タイヤについては、それぞれに対して同様の測定を行った後、得られた結果を平均化して、各配合における30℃tanδとした。
次に、Se、Sr、30℃tanδの測定値を用いて、Sr/Se、Sr×Seおよび30℃tanδ/Seを算定した。結果を表2、表3に示す。
4.性能評価(氷上性能)
各試験用タイヤを車両(国産のFR車、排気量2000cc)の全輪に装着させて、前輪の内圧が230kPa、後輪の内圧が220kPaとなるように空気を充填した後、外気温:0~-5℃の氷上路面に散水を行った状態で、時速30km/hで走行し、ロックブレーキを踏んだ時に停止するまでに要した濡れた氷上路面での停止距離を測定した。
評価は、比較例1における停止距離を100として、下式に基づいて、各試験用タイヤの停止距離を指数化することにより行った。数値が大きいほど、氷上性能に優れていることを示す。結果を表2、表3に示す。
氷上性能=(比較例1の停止距離/試験用タイヤの停止距離)×100
Figure 2023069270000003
Figure 2023069270000004
表2、表3より、キャップゴム層を、加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)を5%~50%、30℃tanδを0.20超、シー比Se(%)を10%超とし、かつ、Sr/Seを0.1超に形成することにより、優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供できることが分かる。
そして、Sr×Seや、30℃tanδ/Se、シリカの粒子径などを適切に制御することにより、より優れた氷上性能を発揮する空気入りタイヤを提供できることが分かる。
以上、本開示を実施の形態に基づいて説明したが、本開示は上記の実施の形態に限定されるものではない。本開示と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
本開示(1)は、
トレッド部を備える空気入りタイヤであって、
前記トレッド部の最外層が、加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されており、
前記最外層の断面において、前記加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下であり、
前記ゴム組成物の30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が、0.20超であり、
前記最外層の接地面内におけるシー比Se(%)が、10%超であり、
前記最外層において、Sr/Se>0.1を満足することを特徴とする空気入りタイヤである。
本開示(2)は、
Sr(%)が、10%以上であることを特徴とし、本開示(1)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(3)は、
Sr(%)が、20%以上であることを特徴とし、本開示(2)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(4)は、
Sr(%)が、40%以下であることを特徴とし、本開示(1)から(3)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(5)は、
Sr(%)が、30%以下であることを特徴とし、本開示(4)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(6)は、
30℃tanδが、0.22以上であることを特徴とし、本開示(1)から(5)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(7)は、
30℃tanδが、0.24以上であることを特徴とし、本開示(6)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(8)は、
Sr/Se≧0.5であることを特徴とし、本開示(1)から(7)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(9)は、
Sr/Se≧1.0であることを特徴とし、本開示(8)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(10)は、
Sr×Se>500であることを特徴とし、本開示(1)から(9)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(11)は、
0.5<(30℃tanδ/Se)×100<1.0であることを特徴とし、本開示(1)から(10)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(12)は、
前記加硫ゴム粉末が、JIS Z8801-1に規定された試験用ふるいで、30メッシュパスよりも細かく、250メッシュパスよりも粗い粒度の加硫ゴム粉末であることを特徴とし、本開示(1)から(11)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(13)は、
前記ゴム組成物に、シリカが含有されていることを特徴とし、本開示(1)から(12)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(14)は、
前記シリカの粒子径が、16nm超であることを特徴とし、本開示(13)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(15)は、
前記シリカの粒子径が、25nm以上であることを特徴とし、本開示(14)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(16)は、
前記シリカの粒子径が、30nm以上であることを特徴とし、本開示(15)に記載の空気入りタイヤである。
本開示(17)は、
前記ゴム組成物および前記加硫ゴム粉末の双方に、シリカが含有されていることを特徴とし、本開示(1)から(16)のいずれかとの任意の組合せの空気入りタイヤである。
本開示(18)は、
前記ゴム組成物におけるシリカの含有量(質量%)が、前記加硫ゴム粉末におけるシリカの含有量(質量%)よりも大きいことを特徴とし、本開示(17)に記載の空気入りタイヤである。

Claims (18)

  1. トレッド部を備える空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部の最外層が、加硫ゴム粉末を含有するゴム組成物を用いて形成されており、
    前記最外層の断面において、前記加硫ゴム粉末が占める面積比率Sr(%)が5%以上、50%以下であり、
    前記ゴム組成物の30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪率1%の条件下、変形モード:引張で測定された損失正接(30℃tanδ)が、0.20超であり、
    前記最外層の接地面内におけるシー比Se(%)が、10%超であり、
    前記最外層において、Sr/Se>0.1を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. Sr(%)が、10%以上であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. Sr(%)が、20%以上であることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. Sr(%)が、40%以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. Sr(%)が、30%以下であることを特徴とする請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6. 30℃tanδが、0.22以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 30℃tanδが、0.24以上であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. Sr/Se≧0.5であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  9. Sr/Se≧1.0であることを特徴とする請求項8に記載の空気入りタイヤ。
  10. Sr×Se>500であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  11. 0.5<(30℃tanδ/Se)×100<1.0であることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  12. 前記加硫ゴム粉末が、JIS Z8801-1に規定された試験用ふるいで、30メッシュパスよりも細かく、250メッシュパスよりも粗い粒度の加硫ゴム粉末であることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  13. 前記ゴム組成物に、シリカが含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  14. 前記シリカの粒子径が、16nm超であることを特徴とする請求項13に記載の空気入りタイヤ。
  15. 前記シリカの粒子径が、25nm以上であることを特徴とする請求項14に記載の空気入りタイヤ。
  16. 前記シリカの粒子径が、30nm以上であることを特徴とする請求項15に記載の空気入りタイヤ。
  17. 前記ゴム組成物および前記加硫ゴム粉末の双方に、シリカが含有されていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  18. 前記ゴム組成物におけるシリカの含有量(質量%)が、前記加硫ゴム粉末におけるシリカの含有量(質量%)よりも大きいことを特徴とする請求項17に記載の空気入りタイヤ。
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