本発明は部分的には、細胞、組織、器官、および患者に核酸を送達するための、組成物、方法、製品、および器具、タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法、これらの組成物、方法、製品、および器具を生成するための、方法、製品、および器具、ならびにこれらの組成物、方法、製品、および器具を用いて生成される細胞、生体、化粧品、および治療薬を含む組成物および製品を提供する。以前に報告された方法とは異なり、本発明のある特定の実施形態は、ヒトにおける著しくかつ長続きするタンパク質発現を達成するために少量の核酸を提供する。
いくつかの態様では、本発明は、代謝障害を治療する方法に関する。該方法は、有効量の増殖分化因子15(GDF15)または内皮細胞特異的分子1(ESM1)をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、代謝障害は、I型糖尿病、II型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満症、脂質異常症、高コレステロール血症、高血糖、高インスリン血症、高血圧、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および非アルコール性脂肪酸肝疾患(NAFLD)などの脂肪肝、脂質代謝障害に関連する癌、疾患または障害、腎機能障害に関連する疾患または障害、肝機能障害に関連する疾患または障害、肺機能障害に関連する疾患または障害、血管または心臓血管疾患または障害、筋消耗、炎症、および呼吸器疾患から選択される。
種々の実施形態では、腎機能障害に関連する疾患または障害は、慢性腎疾患、急性腎損傷、腎症、糖尿病性腎症、腎不全、および腎線維症から選択される。
種々の実施形態では、血管または心臓血管疾患または障害は、冠動脈疾患、心筋症、高血圧、心房細動、子癇前症、末梢動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、心不全、急性心筋梗塞、急性冠症候群、筋消耗、高血圧性心室肥大、高血圧性心筋症、虚血性心疾患、心筋梗塞、腹部大動脈瘤、血餅、深部静脈血栓症、静脈うっ血、静脈炎、および静脈瘤から選択される。
種々の実施形態では、治療により、非治療対象に比べて、対象のアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、またはグルコースレベルの内の1つまたは複数が低下する。
種々の実施形態では、治療により、非治療対象に比べて、対象における脂質動員が増加する。
種々の実施形態では、投与は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、門脈内、直腸内、吸入経由、または局所的である。
いくつかの態様では、本発明は、GDF15を調節する方法に関する。該方法は、有効量のGDF15をコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該調節により、非治療対象に比べて、対象のALT、AST、またはグルコースレベルの内の1つまたは複数が低下する。
種々の実施形態では、該調節により、非治療対象に比べて、対象における脂質動員が増加する。
種々の実施形態では、投与は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、門脈内、直腸内、吸入経由、または局所的である。
種々の実施形態では、該調節により、対象のGDF15の量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のGDF15の量が減少する。
いくつかの態様では、本発明は、ESM1を調節する方法に関する。該方法は、有効量のESM1をコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該調節により、非治療対象に比べて、対象のALT、AST、またはグルコースレベルの内の1つまたは複数が低下する。
種々の実施形態では、該調節により、非治療対象に比べて、対象における脂質動員が増加する。
種々の実施形態では、投与は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、門脈内、直腸内、吸入経由、または局所的である。
種々の実施形態では、該調節により、対象のESM1の量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のESM1の量が減少する。
いくつかの態様では、本発明は、肝障害を治療する方法に関する。該方法は、有効量の増殖分化因子15(GDF15)または内皮細胞特異的分子1(ESM1)をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含み、治療は、対象の脂肪肝、NAFLD、NASH、炎症、肝炎、繊維化、肝硬変、および肝細胞癌の内の1つまたは複数を軽減する。
種々の実施形態では、該治療により、非治療対象に比べて、対象のAST、ALT、またはグルコースレベルの内の1つまたは複数が低下する。
種々の実施形態では、該治療により、非治療対象に比べて、対象における脂質動員が増加する。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
いくつかの態様では、本発明は、フリードライヒ運動失調症を治療する方法に関する。該方法は、有効量の(a)FXNA(配列番号582)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA、および/または(b)FXNB(配列番号583)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。種々の実施形態では、治療は、有効量の(a)FXNA(配列番号582)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA、および(b)FXNB(配列番号583)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与することを含む。
種々の実施形態では、投与は心臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与はカテーテルによる。
種々の実施形態では、治療は、筋力低下、協調運動障害、視力障害、難聴、不明瞭発語、脊柱側弯症、凹足変形、糖尿病、および心房細動、頻拍および肥大型心筋症の内の1つまたは複数から選択される心疾患、の内の1つまたは複数を緩和する。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメインおよび(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
いくつかの態様では、本発明は、炎症を低減する方法に関する。該方法は、有効量のスーパーオキシドジスムターゼ3(SOD3)またはIFKBをコードする合成RNAをそれを必要とする対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、炎症は、肺疾患または障害に関連する。
種々の実施形態では、肺疾患または障害は、石綿肺、喘息、気管支拡張症、気管支炎、慢性咳、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、感冒、クループ、嚢胞性繊維症、ハンタウイルス、特発性肺線維症、インフルエンザ、肺癌、汎発性インフルエンザ、百日咳、胸膜炎、肺炎、肺塞栓症、肺高血圧症、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、サルコイドーシス、睡眠時無呼吸、スパイロメトリー、乳幼児突然死症候群(SIDS)、および結核から選択される。
種々の実施形態では、炎症は、肺感染症に関連する。
種々の実施形態では、肺感染症は、細菌、真菌、原虫類、多細胞生物、粒子、またはウイルスが原因である。
種々の実施形態では、合成RNAは、吸入により投与される。
種々の実施形態では、炎症は、敗血症に関連する。
いくつかの態様では、本発明は、α1抗トリプシン(A1AT)欠乏症を治療する方法に関する。該方法は、有効量の(a)A1AT_A(配列番号584)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA、および/または(b)A1AT_B(配列番号585)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。種々の実施形態では、治療は、有効量の(a)A1AT_A(配列番号584)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA、および(b)A1AT_B(配列番号585)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを、それを必要としている対象に投与することを含む。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
種々の実施形態では、治療は、対象の肝臓細胞中のZ変異を修正する。
種々の実施形態では、治療は、対象の肝臓細胞中の重合したZタンパク質の蓄積を減らす。
種々の実施形態では、治療は、機能的A1ATの分泌および/または血清レベルを高める。
種々の実施形態では、治療は、慢性咳、肺気腫、COPD、肝不全、肝炎、肝腫大、黄疸、および肝硬変の内の1つまたは複数を回復させる。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメインおよび(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
いくつかの態様では、本発明は、α1抗トリプシン(A1AT)欠乏症を治療する方法に関する。該方法は、有効量のA1ATをコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
種々の実施形態では、治療は、対象の肝臓細胞中のZ変異を修正する。
種々の実施形態では、治療は、対象の肝臓細胞中の重合したZタンパク質の蓄積を減らす。
種々の実施形態では、治療は、機能的A1ATの分泌および/または血清レベルを高める。
種々の実施形態では、治療は、1つまたは複数の対象の症状を回復させる。
いくつかの態様では、本発明は、細胞のα1抗トリプシン(A1AT)欠乏を元に戻す方法に関する。該方法は、(a)A1AT遺伝子が欠乏した細胞を得るステップ、および(b)その細胞を、A1ATをコードする合成RNAと接触させるステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該方法は、(c)ステップ(b)で接触させた細胞を得るステップ;および(d)その細胞を、それを必要としている対象に投与するステップをさらに含む。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
いくつかの態様では、本発明は、細胞のα1抗トリプシン(A1AT)欠乏を元に戻す方法に関する。該方法は、(a)A1AT遺伝子が欠乏した細胞を得るステップ、および(b)その細胞を、A1AT_A(配列番号584)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAおよびA1AT_B(配列番号585)において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAの内の片方または両方と接触させるステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該方法は、(c)ステップ(b)で接触させた細胞を得るステップ;および(d)その細胞を、それを必要としている対象に投与するステップをさらに含む。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメインおよび(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
いくつかの態様では、本発明は、BMP7を調節する方法に関する。該方法は、有効量のBMP7をコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該調節により、対象のBMP7の量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のBMP7の量が減少する。
種々の実施形態では、該調節により、細胞内アルカリフォスファターゼ活性が増加する。
種々の実施形態では、BMP7をコードする合成RNAは、BMP7シグナルペプチドをコードする配列を含む。
種々の実施形態では、BMP7シグナルペプチドは、配列番号597の配列を含む。
種々の実施形態では、投与は肝臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は門脈内注入による。
種々の実施形態では、投与により糖尿病性腎症が治療される。
種々の実施形態では、投与により肝線維症が治療される。
種々の実施形態では、投与は腎臓を対象とする。
種々の実施形態では、投与は静脈内または皮内経路による。
種々の実施形態では、投与により腎疾患が治療される。
種々の実施形態では、腎疾患は糖尿病性腎症である。
種々の実施形態では、該調節により、対象の尿中アルブミンのレベルが低下する。
いくつかの態様では、本発明は、免疫チェックポイント分子を調節する方法に関する。該方法は、有効量の免疫チェックポイント分子をコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、本発明は、免疫チェックポイント分子遺伝子を標的とする遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを投与するステップを含む、対象を治療する方法に関する。
いくつかの態様では、本発明は、(a)免疫チェックポイント分子遺伝子を含む細胞を得るステップ、および(b)その細胞を、免疫チェックポイント分子遺伝子において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAと接触させるステップを含む対象を治療する方法に関し、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該方法は、(c)ステップ(b)で接触させた細胞を得るステップ;および(d)その細胞を、それを必要としている対象に投与するステップをさらに含む。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメイン、および(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、免疫チェックポイント分子は、PD-1、PD-L1、PD-L2、CTLA-4、ICOS、LAG3、OX40、OX40L、およびTIM3から選択される。
種々の実施形態では、免疫チェックポイント分子は、PD-1である。
種々の実施形態では、投与により、対象の免疫応答を刺激するか、または免疫応答を高める。
種々の実施形態では、投与により、対象の免疫応答を阻害するか、または免疫応答を低減する。
種々の実施形態では、対象は癌に罹患している。
種々の実施形態では、対象は自己免疫疾患に罹患している。
種々の実施形態では、投与は、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、門脈内、直腸内、吸入経由、または局所的である。
種々の実施形態では、該調節により、対象のPD-1の量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のPD-1の量が減少する。
いくつかの態様では、本発明は、(a)免疫細胞または造血細胞である対象由来の細胞を単離するステップ;(b)その単離細胞を、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含み、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする、有効量の合成RNAと接触させるステップ;および(c)その細胞を対象に投与するステップ、を含む癌を治療する方法に関する。
種々の実施形態では、免疫細胞はT細胞である。
いくつかの態様では、本発明は、(a)対象から細胞を得るステップ、および(b)その細胞を、二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAと接触させて、CAR挿入のためのセーフハーバー座位を得るステップを含むキメラ抗原受容体(CAR)T細胞を作製する方法に関し、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメインおよび(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
いくつかの態様では、本発明は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞の持続性を高める方法に関し、該方法は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞を、テロメラーゼをコードする合成RNAと接触させるステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、本発明は、皮膚創傷を治療する方法に関し、該方法は、有効量のインターロイキン22(IL22)をコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、投与は、外皮系の細胞集団を対象とする。
種々の実施形態では、該細胞集団は、表皮細胞、基底膜細胞、真皮細胞、および/または皮下組織細胞の内の1種または複数を含む。
種々の実施形態では、該細胞集団は、表皮細胞であり、角質層細胞、透明層細胞、顆粒層細胞、有棘層細胞、および/または基底層細胞の内の1種または複数を含む。
種々の実施形態では、該細胞集団は、真皮細胞であり、乳頭領域および網状領域由来の細胞の内の1種または複数を含む。
種々の実施形態では、投与は、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、筋肉内注入、または局所投与による。
種々の実施形態では、投与は、真皮または表皮の内の1種または複数への皮内注入である。
種々の実施形態では、有効量は、約10cm2以下、または約5cm2以下、または約1cm2以下、または約0.5cm2以下、または約0.2cm2以下の治療領域当たり、約10ng~約5000ngである。
種々の実施形態では、約10cm2以下、または約5cm2以下、または約1cm2以下、または約0.5cm2以下、または約0.2cm2以下の治療領域当たり、約10ng、または約20ng、または約50ng、または約100ng、または約200ng、または約300ng、または約400ng、または約500ng、または約600ng、または約700ng、または約800ng、または約900ng、または約1000ng、または約1100ng、または約1200ng、または約1300ng、または約1400ng、または約1500ng、または約1600ng、または約1700ng、または約1800ng、または約1900ng、または約2000ng、または約3000ng、または約4000ng、または約5000ngの合成RNAが投与される。
種々の実施形態では、該調節により、対象のIL22の量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のIL22の量が減少する。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、対象の患部を覆う針アレイを用いて投与される。
種々の実施形態では、治療領域は、投与後に機械的にマッサージされる。
種々の実施形態では、治療領域は、投与後、投与後に電気パルスに曝露される。
種々の実施形態では、電気パルスは、約50マイクロ秒~約1秒間、約10V~約200Vである。
種々の実施形態では、電気パルスは、多電極アレイによって、治療領域の周りに生成される。
いくつかの態様では、本発明は、代謝障害を治療する方法に関し、該方法は、欠陥遺伝子を標的とする遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを投与するステップを含み、投与は門脈内注入による。
いくつかの態様では、本発明は、(a)欠陥遺伝子を含む細胞を得るステップ、および(b)その細胞を、欠陥遺伝子において二本鎖切断を生成可能な遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAと接触させるステップを含む代謝障害を治療する方法に関し、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。種々の実施形態では、該方法は、(c)ステップ(b)で接触させた細胞を得るステップ;および(d)その細胞を、それを必要としている対象に門脈内注入により投与するステップをさらに含む。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、CRISPR/Cas9、TALENおよびジンクフィンガーヌクレアーゼから選択される。
種々の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、(a)DNA結合ドメイン、および(b)ヌクレアーゼドメインを含む。DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含み、少なくとも1つの反復配列は、アミノ酸配列:LTPvQVVAIAwxyzGHGG(配列番号629)を含み、36~39アミノ酸長である。ここで、「v」はQ、DまたはEであり;「w」はSまたはNであり;「x」はH、N、またはIであり;「y」はD、A、I、N、G、H、K、S、または「なし」であり;「z」はGGKQALETVQRLLPVLCQD(配列番号630)またはGGKQALETVQRLLPVLCQA(配列番号631)である。ヌクレアーゼドメインは、ヌクレアーゼ触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、別のヌクレアーゼドメインとダイマーを形成できる。
種々の実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、配列番号632のアミノ酸配列を含むタンパク質の触媒ドメインを含む。
種々の実施形態では、代謝障害は、炭水化物代謝障害、アミノ酸代謝障害、尿素回路異常症、脂肪酸代謝障害、ポルフィリン代謝障害、リソソーム蓄積症、ペルオキシソーム形成異常症、およびプリンピリミジン代謝異常症から選択される。
種々の実施形態では、代謝障害は炭水化物代謝障害であって、疾患はガラクトース血症で、欠陥遺伝子は適宜GALT、GALK1、またはGALEであり;疾患は本態性フルクトース尿症で、欠陥遺伝子は適宜KHKであり;疾患は遺伝性フルクトース不耐症で、欠陥遺伝子は適宜ALDOBであり;疾患はI型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜G6PC、SLC37A4、またはSLC17A3であり;疾患はII型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜GAAであり;疾患はIII型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜AGLであり;疾患はIV型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜GBE1であり;疾患はV型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜PYGMであり;疾患はVI型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜PYGLであり;疾患はVII型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜PYGMであり;疾患はIX型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜PHKA1、PHKA2、PHKB、PHKG1、またはPHKG2であり;疾患はXI型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜SLC2A2であり;疾患はXII型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜ALDOAであり;疾患はXIII型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜EN01、EN02、またはEN03であり;疾患は0型糖原病で、欠陥遺伝子は適宜GYS1またはGYS2であり;疾患はピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜PCであり;疾患はピルビン酸キナーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜PKLRであり;疾患がトランスアルドラーゼ欠乏症で、欠陥遺伝子は適宜TALD01であり;疾患はトリオースリン酸イソメラーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜TPI1であり;疾患はフルクトースビスホスファターゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜FBP1であり;疾患は高シュウ酸尿症で、欠陥遺伝子は適宜AGXTまたはGRHPRであり;疾患はヘキソキナーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜HK1であり;疾患はグルコース・ガラクトース吸収不良症で、欠陥遺伝子は適宜SLC5A1であり;または疾患はグルコース-6-ホスフェート脱水素酵素欠乏症で、欠陥遺伝子は適宜G6PDである。
種々の実施形態では、代謝障害は、アミノ酸代謝障害であって、疾患はアルカプトン尿症で、欠陥遺伝子は適宜HGDであり;疾患はアスパルチルグルコサミン尿症で、欠陥遺伝子は適宜AGAであり;疾患はメチルマロン酸血症で、欠陥遺伝子は適宜MUT、MCEE、MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC、またはLMBRD1であり;疾患はメープルシロップ尿症で、欠陥遺伝子は適宜BCKDHA、BCKDHB、DBT、またはDLDであり;疾患はホモシスチン尿症で、欠陥遺伝子は適宜CBSであり;疾患はチロシン血症で、欠陥遺伝子は適宜FAH、TAT、またはHPDであり;疾患はトリメチルアミン尿症で、欠陥遺伝子は適宜FM03であり;疾患はハートナップ病で、欠陥遺伝子は適宜SLC6A19であり;疾患はビオチニダーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜BTDであり;疾患はオルニチンカルバモイル基転移酵素欠損で、欠陥遺伝子は適宜OTCであり;疾患はカルバモイルリン酸合成酵素I欠損症で、欠陥遺伝子は適宜CPS1であり;疾患はシトルリン血症で、欠陥遺伝子は適宜ASSまたはSLC25A13であり;疾患は高アルギニン血症で、欠陥遺伝子は適宜ARG1であり;疾患は高ホモシステイン血症で、欠陥遺伝子は適宜MTHFRであり;疾患は高メチオニン血症で、欠陥遺伝子は適宜MAT1A、GNMT、またはAHCYであり;疾患は高リジン血症で、欠陥遺伝子は適宜AASSであり;疾患は非ケトーシス型高グリシン血症で、欠陥遺伝子は適宜GLDC、AMT、またはGCSHであり;疾患はプロピオン酸血症で、欠陥遺伝子は適宜PCCAまたはPCCBであり;疾患は高プロリン血症で、欠陥遺伝子は適宜ALDH4A1またはPRODHであり;疾患はシスチン尿症で、欠陥遺伝子は適宜SLC3A1またはSLC7A9であり;疾患はジカルボキシルアミノ酸尿症で、欠陥遺伝子は適宜SLC1A1であり;疾患はグルタル酸血症2型で、欠陥遺伝子は適宜ETFA、ETFB、またはETFDHであり;疾患はイソ吉草酸血症で、欠陥遺伝子は適宜IVDであり;または疾患は2-ヒドロキシグルタル酸尿症で、欠陥遺伝子は適宜L2HGDHまたはD2HGDHである。
種々の実施形態では、代謝障害は、尿素サイクル異常症であって、疾患はN-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜NAGSであり;疾患はアルギニノコハク酸尿症で、欠陥遺伝子は適宜ASLであり;または疾患はアルギニン血症で、欠陥遺伝子は適宜ARG1である。
種々の実施形態では、代謝障害は脂肪酸代謝障害であって、疾患は極長鎖アシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ACADVLであり;疾患は長鎖3-ヒドロキシアシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜HADHAであり;疾患は中鎖アシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ACADMであり;疾患は短鎖アシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ACADSであり;疾患は3-ヒドロキシアシルコエンザイムA脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜HADHであり;疾患は2,4-ジエノイルコエンザイムA還元酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜NADK2であり;疾患は3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoAリアーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜HMGCLであり;疾患はマロニルCoA脱炭酸酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜MLYCDであり;疾患は全身性原発性カルニチン欠損症で、欠陥遺伝子は適宜SLC22A5であり;疾患はカルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜SLC25A20であり;疾患はカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼI欠損症で、欠陥遺伝子は適宜CPT1Aであり;疾患はカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼII欠損症で、欠陥遺伝子は適宜CPT2であり;疾患はリソソーム酸リパーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜LIPAであり;または疾患はゴーシェ病で、欠陥遺伝子は適宜GBAである。
種々の実施形態では、代謝障害はポルフィリン代謝障害であって、疾患は急性間欠性ポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜HMBSであり;疾患はギュンター病で、欠陥遺伝子は適宜UROSであり;疾患は晩発性皮膚ポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜URODであり;疾患は骨髄肝性ポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜URODであり;疾患は遺伝性コプロポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜CPOXであり;疾患は異型ポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜PPOXであり;疾患は骨髄性プロトポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜FECHであり;または疾患はアミノレブリン酸脱水酵素欠損性ポルフィリン症で、欠陥遺伝子は適宜ALADである。
種々の実施形態では、代謝障害はリソソーム蓄積症であって、疾患はファーバー病で、欠陥遺伝子は適宜ASAH1であり;疾患はクラッベ病で、欠陥遺伝子は適宜GALCであり;疾患はガラクトシアリドーシスで、欠陥遺伝子は適宜CTSAであり;疾患はファブリー病で、欠陥遺伝子は適宜GLAであり;疾患はシンドラー病で、欠陥遺伝子は適宜NAGAであり;疾患はGM1ガングリオシドーシスで、欠陥遺伝子は適宜GLB1であり;疾患はテイ・サックス病で、欠陥遺伝子は適宜HEXAであり;疾患はサンドホフ病で、欠陥遺伝子は適宜HEXBであり;疾患はGM2ガングリオシドーシス、ABバリアントで、欠陥遺伝子は適宜GM2Aであり;疾患はニーマン・ピック病で、欠陥遺伝子は適宜SMPD1、NPC1、またはNPC2であり;疾患は異染性白質ジストロフィーで、欠陥遺伝子は適宜ARSAまたはPSAPであり;疾患は多種スルファターゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜SUMF1であり;疾患はハーラー症候群で、欠陥遺伝子は適宜IDUAであり;疾患はハンター症候群で、欠陥遺伝子は適宜IDSであり;疾患はサンフィリポ症候群で、欠陥遺伝子は適宜SGSH、NAGLU、HGSNAT、またはGNSであり;疾患はモルキオ症候群で、欠陥遺伝子は適宜GALNSまたはGLB1であり;疾患はマロトー・ラミー症候群で、欠陥遺伝子は適宜ARSBであり;疾患はスライ症候群で、欠陥遺伝子は適宜GUSBであり;疾患はシアリドーシスで、欠陥遺伝子は適宜NEU1、NEU2、NEU3、またはNEU4であり;疾患はI細胞病で、欠陥遺伝子は適宜GNPTABまたはGNPTGであり;疾患はムコリピドーシスIV型で、欠陥遺伝子は適宜MCOLN1であり;疾患は小児性神経セロイドリポフスチン沈着で、欠陥遺伝子は適宜PPT1またはPPT2であり;疾患はヤンスキー・ビールショースキー病で、欠陥遺伝子は適宜TPP1であり;疾患はバッテン病で、欠陥遺伝子は適宜CLN1、CLN2、CLN3、CLN5、CLN6、MFSD8、CLN8、またはCTSDであり;疾患はA型クフス病で、欠陥遺伝子は適宜CLN6またはPPT1であり;疾患はB型クフス病で、欠陥遺伝子は適宜DNAJC5またはCTSFであり;疾患はαマンノシドーシスで、欠陥遺伝子は適宜MAN2B1、MAN2B2、またはMAN2C1であり;疾患はβマンノシドーシスで、欠陥遺伝子は適宜MANBAであり;疾患はフコシドーシスで、欠陥遺伝子は適宜FUCA1であり;疾患はシスチン症で、欠陥遺伝子は適宜CTNSであり;疾患は濃化異骨症で、欠陥遺伝子は適宜CTSKであり;疾患はサラ病で、欠陥遺伝子は適宜SLC17A5であり;疾患は乳児型シアル酸蓄積症で、欠陥遺伝子は適宜SLC17A5であり;または疾患はダノン病で、欠陥遺伝子は適宜LAMP2である。
種々の実施形態では、代謝障害はペルオキシソーム形成異常症であって、疾患はツェルウェーガー症候群で、欠陥遺伝子は適宜PEX1、PEX2、PEX3、PEX5、PEX6、PEX12、PEX14、またはPEX26であり;疾患は乳児レフスム病で、欠陥遺伝子は適宜PEX1、PEX2、またはPEX26であり;疾患は新生児副腎白質ジストロフィーで、欠陥遺伝子は適宜PEX5、PEX1、PEX10、PEX13、またはPEX26であり;疾患は1型RCDPで、欠陥遺伝子は適宜PEX7であり;疾患はピペコリン酸血症で、欠陥遺伝子は適宜PAHXであり;疾患は無カタラーゼ症で、欠陥遺伝子は適宜CATであり;疾患は高シュウ酸尿症1型で、欠陥遺伝子は適宜AGXTであり;疾患はアシル-CoAオキシダーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ACOX1であり;疾患はD-二官能性タンパク欠損症で、欠陥遺伝子は適宜HSD17B4であり;疾患はジヒドロオキシアセトンリン酸アシルトランスフェラーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜GNPATであり;疾患はX連鎖副腎白質ジストロフィーで、欠陥遺伝子は適宜ABCD1であり;疾患はa-メチルアシル-CoAラセマーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜AMACRであり;疾患はRCDP-2型で、欠陥遺伝子は適宜DHAPATであり;疾患はRCDP-3型で、欠陥遺伝子は適宜AGPSであり;疾患は成人レフサム病1で、欠陥遺伝子は適宜PHYHであり;または疾患はマリブレー低身長症で、欠陥遺伝子は適宜TRIM37である。
種々の実施形態では、代謝障害はプリンピリミジン代謝異常症であって、疾患はレッシュ・ナイハン症候群で、欠陥遺伝子は適宜HPRTであり;疾患はアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜APRTであり;疾患はアデノシンデアミナーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ADAであり;疾患はアデノシン一リン酸デアミナーゼ欠損症1型で、欠陥遺伝子は適宜AMPD1であり;疾患はアデニロコハク酸リアーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜ADSLであり;疾患はジヒドロピリミジン脱水素酵素欠損症で、欠陥遺伝子は適宜DPYDであり;疾患はミラー症候群で、欠陥遺伝子は適宜DHODHであり;疾患はオロト酸尿症で、欠陥遺伝子は適宜UMPSであり;疾患はプリンヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症で、欠陥遺伝子は適宜PNPであり;または疾患はキサンチン尿症で、欠陥遺伝子は適宜XDH、MOCS1、またはMOCS2、GEPHである。
いくつかの態様では、本発明は、トランスサイレチン(TTR)を調節する方法に関する。該方法は、有効量のTTRをコードする合成RNAを対象に投与するステップを含み、合成RNAは、細胞毒性を実質的に回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
種々の実施形態では、該調節により、対象のTTRの量が増加する。
種々の実施形態では、該調節により、対象のTTRの量が減少する。
種々の実施形態では、該調節により、アミロイド病、老人性全身性アミロイドーシス(SSA)、家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)、および家族性アミロイド心筋症(FAC)の内の1種または複数が治療される。
種々の実施形態では、非標準のヌクレオチドは、ピリミジンの2C、4C、および5C位、またはプリンの6C、7N、および8C位から選択される位置で1つまたは複数の置換を有する。
種々の実施形態では、必要に応じ、非標準ヌクレオチドの少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または100%の量で、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンの内の1つまたは複数を含む。
種々の実施形態では、少なくとも約50%のシチジン残基が非標準ヌクレオチドであり、これらは、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、および5-メトキシシチジンから選択される。
種々の実施形態では、少なくとも約75%または少なくとも約90%のシチジン残基が非標準ヌクレオチドであり、これらの非標準のヌクレオチドは、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、および5-メトキシシチジンから選択される。
種々の実施形態では、少なくとも約20%のウリジン、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%のウリジン残基が非標準ヌクレオチドであり、これらの非標準のヌクレオチドは、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンから選択される。
種々の実施形態では、少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または少なくとも約90%のウリジン残基が非標準ヌクレオチドであり、これらの非標準のヌクレオチドは、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンから選択される。
種々の実施形態では、グアニン残基の少なくとも約10%は、非標準ヌクレオチドであり、該非標準ヌクレオチドは、7-デアザグアノシンであってもよい。
種々の実施形態では、合成RNAは、グアノシン残基の代わりに約50%以下の7-デアザグアノシンを含有する。
種々の実施形態では、合成RNAは、アデノシン残基の代わりに非標準ヌクレオチドを含有しない。
種々の実施形態では、合成RNAは、5’キャップ構造を含む。
種々の実施形態では、合成RNAの5’-UTRは、コザックコンセンサス配列を含む。
種々の実施形態では、合成RNAの5’-UTRは、インビボでRNAの安定性を高める配列を含み、5’-UTRは、αグロビンまたはβグロビン5’-UTRを含んでもよい。
種々の実施形態では、合成RNAの3’-UTRは、インビボでRNAの安定性を高める配列を含み、3’-UTRは、αグロビンまたはβグロビン3’-UTRを含んでもよい。
種々の実施形態では、合成RNAは、3’ポリAテールを含む。
種々の実施形態では、合成RNAの3’ポリAテールは、約20ヌクレオチド~約250ヌクレオチドの長さである。
種々の実施形態では、合成RNAは、約200ヌクレオチド~約5000ヌクレオチドの長さである。
種々の実施形態では、合成RNAは、約500~約2000ヌクレオチドの長さ、または約500~約1500のヌクレオチドの長さ、または約500~約1000ヌクレオチドの長さである。
種々の実施形態では、合成RNAは、インビトロ転写により調製される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、約10ng~約5000ngのRNAを含む1回または複数回の注入として投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、約10ng以下、または約20ng以下、または約50ng以下、または約100ng以下、または約200ng以下、または約300ng以下、または約400ng以下、または約500ng以下、または約600ng以下、または約700ng以下、または約800ng以下、または約900ng以下、または約1000ng以下、または約1100ng以下、または約1200ng以下、または約1300ng以下、または約1400ng以下、または約1500ng以下、または約1600ng以下、または約1700ng以下、または約1800ng以下、または約1900ng以下、または約2000ng以下、または約3000ng以下、または約4000ng以下、または約5000ng以下をそれぞれ含む1回または複数回の注入として投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、約10ng、または約20ng、または約50ng、または約100ng、または約200ng、または約300ng、または約400ng、または約500ng、または約600ng、または約700ng、または約800ng、または約900ng、または約1000ng、または約1100ng、または約1200ng、または約1300ng、または約1400ng、または約1500ng、または約1600ng、または約1700ng、または約1800ng、または約1900ng、または約2000ng、または約3000ng、または約4000ng、または約5000ngをそれぞれ含む1回または複数回の注入として投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、細胞によるRNAの取り込みを高めるために、1種または複数の脂質を含む。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、カチオン性リポソーム配合物を含み、脂質は必要に応じ表1から選択される。
種々の実施形態では、対象は、ヒトである。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、ほぼ週1回、少なくとも2週間の間、投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、ほぼ1週おきに、少なくとも1ヶ月間、投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、月1回、またはほぼ1ヶ月おきに投与される。
種々の実施形態では、有効量の合成RNAは、少なくとも2ヵ月間、または少なくとも4ヵ月間、または少なくとも6ヵ月間、または少なくとも9ヵ月間、または少なくとも1年間投与される。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書で開示のいずれかの態様または実施形態で使用される有効量の合成RNAを含む組成物に関する。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書で開示のいずれかの態様または実施形態の組成物を含む医薬組成物および薬学的に許容可能な賦形剤に関する。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載の疾患または障害の治療における、本明細書で開示のいずれかの態様または実施形態の組成物または医薬組成物の使用に関する。
いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載の疾患または障害の治療のための薬物の製造における、本明細書で開示のいずれかの態様または実施形態の組成物または医薬組成物の使用に関する。
種々の態様では、本発明は、ヒト対象における核酸薬物の安全で有効な量、および投与パラメータの驚くべき発見に基づいている。いくつかの態様では、有効用量の核酸薬物を、それを必要とするヒト対象に投与することを含む、核酸薬物を送達する方法を提供する。種々の実施形態では、核酸薬物は、1つまたは複数の非標準ヌクレオチド(別名「修飾RNA」)を含むRNAを含む。他の実施形態では、有効用量は、ヒト対象における核酸薬物によりコードされるタンパク質の量を実質的に増加させる、および/またはヒト対象における免疫反応を実質的に回避させるのに十分な量であり、該免疫反応は、自然免疫系により仲介される場合もある。
いくつかの態様では、哺乳動物対象中の細胞集団において、目的タンパク質を発現させるための方法が提供され、該方法は、目的タンパク質をコードするRNAの有効用量を含む非ウイルス性トランスフェクション組成物を該細胞に投与することを含み、トランスフェクション組成物は、実質的な細胞毒性なしで、該細胞中で該タンパク質を少なくとも約6時間~約5日間発現させることができる量で投与される。いくつかの実施形態では、RNAは、実質的な細胞毒性を回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有する。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約100ng~約5000ng(例えば、約100ng以下、または約200ng以下、または約300ng以下、または約400ng以下、または約500ng以下、または約600ng以下、または約700ng以下、または約800ng以下、または約900ng以下、または約1000ng以下、または約1100ng以下、または約1200ng以下、または約1300ng以下、または約1400ng以下、または約1500ng以下、または約1600ng以下、または約1700ng以下、または約1800ng以下、または約1900ng以下、または約2000ng以下、または約3000ng以下、または約4000ng以下、または約5000ng以下)である。他の実施形態では、有効用量は、約100ng未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約10ng~約100ng(例えば、約10ng以下、または約20ng以下、または約30ng以下、または約40ng以下、または約50ng以下、または約60ng以下、または約70ng以下、または約80ng以下、または約90ng以下、または約100ng以下)である。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約1.4ng/kg~約30ng/kg(例えば、約1.4ng/kg以下、または約2.5ng/kg以下、または約5ng/kg以下、または約10ng/kg以下、または約15ng/kg以下、または約20ng/kg以下、または約25ng/kg以下、または約30ng/kg以下である。他の実施形態では、有効用量は、約1.5ng/kg未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約0.14ng/kg~約1.4ng/kg(例えば、約0.14ng/kg以下、または約0.25ng/kg以下、または約0.5ng/kg以下、または約0.75ng/kg以下、または約1ng/kg以下、または約1.25ng/kg以下、または約1.4ng/kg以下)である。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約350ng/cm2~約7000ng/cm2(例えば、約350ng/cm2以下、または約500ng/cm2以下、または約750ng/cm2以下、または約1000ng/cm2以下、または約2000ng/cm2以下、または約3000ng/cm2以下、または約4000ng/cm2以下、または約5000ng/cm2以下、または約6000ng/cm2以下、または約7000ng/cm2以下)である。他の実施形態では、有効用量は、約350ng/cm2未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約35ng/cm2~約350ng/cm2(例えば、約35ng/cm2以下、または約50ng/cm2以下、または約75ng/cm2以下、または約100ng/cm2以下、または約150ng/cm2以下、または約200ng/cm2以下、または約250ng/cm2以下、または約300ng/cm2以下、または約350ng/cm2以下)である。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約0.28ピコモル~約5.7ピコモル(例えば、約0.28ピコモル以下、または約0.5ピコモル以下、または約0.75ピコモル以下、または約1ピコモル以下、または約2ピコモル以下、または約3ピコモル以下、または約4ピコモル以下、または約5ピコモル以下、または約5.7ピコモル以下)である。他の実施形態では、有効用量は、約0.28ピコモル未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約0.028ピコモル~約0.28ピコモル(例えば、約0.028ピコモル以下、または約0.05ピコモル以下、または約0.075ピコモル以下、または約0.1ピコモル以下、または約0.15ピコモル以下、または約0.2ピコモル以下、または約0.25ピコモル以下、または約0.28ピコモル以下)である。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約0.004ピコモル/kg~約0.082ピコモル/kg(例えば、約0.004ピコモル/kg以下、または約0.01ピコモル/kg以下、または約0.02ピコモル/kg以下、または約0.03ピコモル/kg以下、または約0.04ピコモル/kg以下、または約0.05ピコモル/kg以下、または約0.06ピコモル/kg以下、または約0.07ピコモル/kg以下、または約0.08ピコモル/kg以下、または約0.082ピコモル/kg以下)である。他の実施形態では、有効用量は、約0.004ピコモル/kg未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約0.0004ピコモル/kg~約0.004ピコモル/kg(例えば、約0.0004ピコモル/kg以下、または約0.001ピコモル/kg以下、または約0.002ピコモル/kg以下、または約0.003ピコモル/kg以下、または約0.004ピコモル/kg以下)である。
いくつかの実施形態では、有効用量は、約1ピコモル/cm2~約20ピコモル/cm2(例えば、約1ピコモル/cm2以下、または約2ピコモル/cm2以下、または3ピコモル/cm2以下、または約4ピコモル/cm2以下、または約5ピコモル/cm2以下、または約6ピコモル/cm2以下、または約7ピコモル/cm2以下、または約8ピコモル/cm2以下、または約9ピコモル/cm2以下、または約10ピコモル/cm2以下、または約12ピコモル/cm2以下、または約14ピコモル/cm2以下、または約16ピコモル/cm2以下、または約18ピコモル/cm2以下、または約20ピコモル/cm2以下)である。他の実施形態では、有効用量は、約1ピコモル/cm2未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約0.1ピコモル/cm2~約1ピコモル/cm2(例えば、約、0.1ピコモル/cm2以下、または約0.2ピコモル/cm2以下、または約0.3ピコモル/cm2以下、または約0.4ピコモル/cm2以下、または約0.5ピコモル/cm2以下、または約0.6ピコモル/cm2以下、または約0.7ピコモル/cm2以下、または約0.8ピコモル/cm2以下、または約0.9ピコモル/cm2以下、または約1ピコモル/cm2以下)である。
種々の実施形態では、核酸薬物は、例えば、注入(例えば、皮下注入、皮内注入(真皮または表皮を含む)、真皮下注入、筋肉内注入、眼内注入、硝子体内注入、関節内注入、心臓内注入、静脈内注入、硬膜外注入、髄腔内注入、門脈内注入、腫瘍内注入)、および局所投与の内の1種または複数、および/または外皮系(例えば、表皮(角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、および基底層から任意に選択される)、基底膜、真皮(乳頭領域、および網状領域から任意に選択される)、皮下組織、および結膜の内の1つまたは複数)への投与、および/または眼球(例えば、角膜、強膜、虹彩、水晶体、角膜輪部、視神経、脈絡膜、毛様体、前眼部、前眼房、および網膜の内の1つまたは複数)への投与に好適する製剤を含む薬学的に許容される製剤として投与される。
種々の実施形態では、核酸薬物は、細胞による核酸薬物の取り込みを高める1種または複数の脂質と共に配合され、該脂質は、表1から任意に選択される。他の実施形態では、核酸薬物は、細胞による核酸薬物の取り込みを高めるように、タンパク質発現の持続期間を延長するように、またはそれ以外に核酸薬物の安全性および/または効力を高めるように、1つまたは複数のナノ粒子、および必要に応じて、脂質または高分子ナノ粒子を用いて製剤化される。
種々の実施形態では、核酸薬物は、局所、場合により、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により投与され、有効用量は、約4mm2~約1000mm2(例えば、約4mm2以下、または約5mm2以下、または約10mm2以下、または約25mm2以下、または約50mm2以下、または約75mm2以下、または約100mm2以下、または約125mm2以下、または約150mm2以下、または約200mm2以下、または約500mm2以下、または約1000mm2以下)の表面積に投与される。
種々の実施形態では、核酸薬物は、治療計画で、必要に応じて、本明細書に記載される追加の薬剤または補助療法と共に投与され、投与は、約週1回~約24週おきに1回(例えば、約週1回以下、または約2週おきに1回以下、または約3週おきに1回以下、または約4週おきに1回以下、または約5週おきに1回以下、または約6週おきに1回以下、または約7週おきに1回以下、または約8週おきに1回以下、または約9週おきに1回以下、または約9週おきに1回以下、または約9週おきに1回以下、または約9週おきに1回以下、または約10週おきに1回以下、または約11週おきに1回以下、または約12週おきに1回以下、または約13週おきに1回以下、または約14週おきに1回以下、または約15週おきに1回以下、または約20週おきに1回以下、または約24週おきに1回以下)である。他の実施形態では、核酸薬物は、治療計画で、必要に応じ、本明細書に記載される追加の薬剤または補助療法と共に投与され、投与は、約1日1回~約週1回(例えば、約1日1回以下、または約2日おきに1回以下、または約3日おきに1回以下、または約4日おきに1回以下、または約5日おきに1回以下、または約6日おきに1回以下、または約週1回以下)である。
種々の実施形態では、核酸薬物は、場合により、ピリミジンの2C、および/または4C、および/または5C位で、またはプリンの6C、および/または7N、および/または8C位で1つまたは複数の置換を有する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAを含む。種々の実施形態では、非標準ヌクレオチドは、本明細書に記載される非標準ヌクレオチドの内の1つまたは複数であり、例えば、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、5-メトキシウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンが含まれる。さらに、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、コザックコンセンサス配列を含む5’-UTR、RNA安定性をインビボで増加させる配列を含む5’-UTRまたは3’-UTR(例えば、αグロビンまたはβグロビン5’-UTRまたはαグロビンまたはβグロビン3’-UTR)、約20ヌクレオチド-約250ヌクレオチドの長さ(例えば、約20、または約30、または約40、または約50、または約60、または約70、または約80、または約90、または約100、または約110、または約120、または約130、または約140、または約150、または約160、または約170、または約180、または約190、または約200、または約210、または約220、または約230、または約240、または約250ヌクレオチドの長さ)の3’ポリAテールの内の1つまたは複数を有し得る。
さらに、本明細書に記載される方法のいくつかの態様は、実例としての、外皮系の疾患、障害、および/または状態を治療すること、または(例えば、美容的に)外皮系を変更、修正、および/または変化させることを含む、種々の医療的処置に使用される。
約10ng~約5000ng(例えば、約10ng以下、または約20ng以下、または約50ng以下、または約100ng以下、または約200ng以下、または約300ng以下、または約400ng以下、または約500ng以下、または約600ng以下、または約700ng以下、または約800ng以下、または約900ng以下、または約1000ng以下、または約1100ng以下、または約1200ng以下、または約1300ng以下、または約1400ng以下、または約1500ng以下、または約1600ng以下、または約1700ng以下、または約1800ng以下、または約1900ng以下、または約2000ng以下、または約3000ng以下、または約4000ng以下、または約5000ng以下)の単位剤形として本明細書に記載される核酸薬物、および注入針を含む、ヒト療法で使用するのに適したキットも意図されている。
さらに、いくつかの態様では、本発明は、本明細書に記載される核酸薬物、および本明細書に記載されるビークル(別名「トランスフェクション試薬」、例えば、脂質)の内の1つまたは複数を含む医薬製剤を提供し、該製剤は、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、筋肉内注入、眼内注入、硝子体内注入、関節内注入、心臓内注入、静脈内注入、硬膜外注入、髄腔内注入、門脈内注入、腫瘍内注入、および局所投与の内の1つまたは複数に適するように選択される。本明細書で使用される場合、「注入」という用語は、例えば、シリンジによる注入、およびその他の液体を投与する方法、例えば、輸注、灌流;ペン型注入器、カートリッジシステム、ニードルアレイまたはパッチを用いた投与;および/またはカテーテルシステムによる投与を意味する。
いくつかの態様では、核酸送達パッチが提供される。一態様では、電場を用いた核酸を送達するための器具が提供される。他の態様は、皮膚に核酸を送達するための方法および組成物に関する。さらに別の態様は、皮膚において、タンパク質を発現させるための方法および組成物に関する。
一態様では、本発明は、限定されないが、予防的治療、皮膚科の希少疾患を含むがこれに限定されない希少疾患に対する治療、ならびに医療皮膚科および美容医療で用いられる治療を含む、ヒトの疾患および状態を治療するための方法および組成物を提供する。別の態様では、本発明は、核酸を含む化粧品を提供する。さらに別の態様は、色素沈着を変更するための、例えば色素沈着障害の治療ための方法および組成物に関する。さらに別の態様は、創傷または手術に対応した治癒を含むがこれらに限定されない、治癒を増強するための方法および組成物に関する。本発明の組成物は、限定されないが、皮膚、毛髪、および爪などの、対象の外皮系の要素の外観を変更、修正、および/または変化させ得る。このような変更、修正、および/または変化は、非限定例として、皮膚科的治療および美容的処置を含む、本明細書に記載されるような治療方法および/または治療的使用の背景であり得る。
さらに、種々の実施形態では、本発明は、皮膚科的用途に限定されない種々の治療用タンパク質の標的指向化に関する。例えば、種々の実施形態では、本発明の組成物および方法は、例えば、本明細書に示されるような種々の可溶性タンパク質の発現増加により仲介される治療の方法に使用される。種々の実施形態では、核酸薬物は、循環タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、遺伝子改変タンパク質、遺伝子編集タンパク質、タンパク質またはペプチドホルモン、酵素、エリスロポエチン、ダルベポエチンα、NOVEPOETIN、エラスチン、コラーゲン、抗体または抗体断片(例えば、中和抗体または抗体断片)、細胞内タンパク質、テロメラーゼ逆転写酵素、膜タンパク質、融合タンパク質、受容体、リガンド結合ドメイン、タンパク質阻害剤、または生物学的に活性な断片、それらの類似体またはバリアントの内の1つまたは複数の発現をコードする、および/または増加させる。他の実施形態では、核酸薬物の投与は、ヘマトクリットの増加、組織弾性の増加、組織強度の増加、および皮膚の水和および/または保水の増加、発毛、脂肪減少、DNAの挿入、欠失または変異、プロドラッグの活性薬物への変換、腫瘍サイズおよび/または数の減少、プラークサイズおよび/または数の減少、血管新生の増加、血管新生の減少、視力の増加、疼痛の減少、心拍出量(例えば、駆出率、および1回拍出量)の増加、心拍異常の減少、線維症の減少、1つまたは複数の有害な神経学的症状、状態、または障害(例えば、うつ病、食欲の異常調節、多食、拒食症、痴呆、頭痛、疲労、痺れ、震え、および眩暈)の減少、勃起不全の減少、活力の増加、肺機能の増加、腎機能の増加、肝機能の増加、インスリン感受性の増加、インスリン感受性の減少、炎症の減少、涙液産生の増加、聴力の改善、聴覚の増加、耳鳴りの減少、発汗の減少、感染の部分的または総クリアランス、出生力の増加、出生力の減少、タンパク質の阻害または中和、免疫系の1つまたは複数の成分の動員または刺激、テロメアの延長、細胞の老化の阻害、複製能力、リプログラミング、増殖、分化の増加、および分化能の増加の内の1つまたは複数をもたらす。
いくつかの態様では、低い毒性および高い翻訳効率を有するRNA分子が提供される。一態様では、細胞の、高効率のインビボトランスフェクション、リプログラミング、および遺伝子編集のための細胞培地が提供される。他の態様は、リプログラミングタンパク質をコードするRNA分子を生成する方法に関する。さらに別の態様は、遺伝子編集タンパク質をコードするRNA分子を生成する方法に関する。
一態様では、本発明は、遺伝子改変ヌクレアーゼ切断ドメインを含む、高効率の遺伝子編集タンパク質を提供する。別の態様では、本発明は、遺伝子改変ヌクレアーゼ切断ドメインを含む、高忠実度の遺伝子編集タンパク質を提供する。他の態様は、遺伝子改変DNA結合ドメインを含む、高効率の遺伝子編集タンパク質に関する。さらに別の態様は、遺伝子改変DNA結合ドメインを含む、高忠実度の遺伝子編集タンパク質に関する。さらに別の態様は、遺伝子改変反復配列を含む、遺伝子編集タンパク質に関する。さらに別の態様は、DNA修飾ドメインを含む、遺伝子編集タンパク質に関する。いくつかの態様は、遺伝子編集タンパク質で細胞をトランスフェクションすること、またはそれを発現させるように細胞を誘導することにより、細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。他の態様は、インビトロ培養中に、存在する細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。さらに別の態様は、インビボで、存在する細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。
いくつかの態様では、本発明は、治療的有効量の遺伝子編集タンパク質または遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を、患者に投与することを含む、癌を治療するための方法を提供する。一態様では、遺伝子編集タンパク質は、癌関連遺伝子のDNA配列を変更することが可能である。別の態様では、癌関連遺伝子は、BIRC5遺伝子である。他の態様では、遺伝子編集タンパク質は、細胞のDNA配列を変更して、細胞に抗原または抗原受容体を発現させることができる。一態様では、抗原は腫瘍抗原である。別の態様では、抗原受容体は腫瘍抗原に結合する。さらに別の態様では、抗原受容体はキメラ抗原受容体である。さらに他の態様は、例えば、1型糖尿病、虚血性および拡張型心筋症を含む心疾患、黄斑変性症、パーキンソン病、嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血、地中海貧血、ファンコニ貧血、重症複合免疫不全症、遺伝性感覚神経障害、色素性乾皮症、ハンチントン病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、癌、ならびに肝炎およびHIV/AIDSを含む感染症を治療するための、核酸および/または細胞を含む治療薬、ならびに核酸および/または細胞を含む治療薬の使用方法に関する。いくつかの態様では、核酸は、RNAを含む。他の態様では、RNAは、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。さらに他の態様では、核酸は、ウイルスを用いて細胞に送達される。いくつかの態様では、ウイルスは、複製可能ウイルスである。他の態様では、ウイルスは、複製不能ウイルスである。
この発明の詳細は下記の記載で示す通りである。本明細書に記載のものに対する類似または等価の方法および材料を本発明の実施または試験に使用できるが、以降では、例示的な方法と材料について記述する。その他の本発明の特徴、目的、利点は以下の記述および特許請求の範囲から明らかであろう。本明細書、および添付の特許請求の範囲では、文脈から明確に別義が示されない限り、単数形は複数形も含む。特に断らなければ、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。
本明細書で開示のいずれかの態様または実施形態は、本明細書で開示の任意の他の態様または実施形態と組み合わせることができる。
本発明は、一部分は、ヒトにおける非標準の(または「修飾」)ヌクレオチドを含むRNAなどのRNAを含む核酸薬物のための安全で効果的な投与戦略の発見に基づいている。本発明者らは、これが、ヒトにおける、非標準ヌクレオチドを含むものなどのRNA分子の安全で効果的な投与の最初の報告であると考えている。哺乳動物の投与には非常に大量のRNA分子が必要とされており、また、高投与にしても、達成される治療効果は最小であるという当該技術分野における報告(例えば、米国特許出願公開第2013/0245103号を参照されたい)にもかかわらず、本発明者らは、ヒトに合成RNAを投与し、意外にも、免疫学的効果または他の副作用を最小限にして目的タンパク質の顕著な発現を達成した。
種々の実施形態では、本発明は、非標準ヌクレオチド(例えば、アデニン、グアニン、チミン、ウラシル、およびシトシン、または標準ヌクレオシド、ヌクレオチド、デオキシヌクレオシド、またはそのデオキシヌクレオチド誘導体以外の残基)を含有し得る、RNAを含む、核酸薬物の改善された用量、製剤、投与、および使用方法を提供する。種々の実施形態では、非標準ヌクレオチドを含むRNAは、RNAによりコードされるタンパク質の発現をもたらし、該タンパク質は、治療上有益なものであることが多い(「標的」または「目的タンパク質」と呼ばれることもある)。さらに、この治療用タンパク質の発現は、最小限または無視できる程の毒性で達成される。
種々の態様では、本発明は、ヒト対象に対する核酸薬物の安全で有効な用量および投与パラメータの驚くべき発見に基づいている。核酸薬物には、dsDNA分子、ssDNA分子、RNA分子、dsRNA分子、ssRNA分子、プラスミド、オリゴヌクレオチド、合成RNA分子、miRNA分子、mRNA分子、およびsiRNA分子が含まれる。種々の実施形態では、RNAは、非標準ヌクレオチドを含む。
いくつかの態様では、核酸薬物を送達するための方法が提供され、該方法は、有効用量の核酸薬物を、それを必要とするヒト対象に投与することを含み、核酸薬物は、合成RNAを含む。種々の実施形態では、有効用量は、ヒト対象において、核酸薬物によりコードされるタンパク質の量を実質的に増加させるのに十分な量である。例えば、核酸薬物が、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含む合成RNAである場合、核酸薬物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含まない核酸薬物(例えば、標準ヌクレオチドA、G、U、およびCを含むRNA)で得られるレベルよりも高いタンパク質発現をもたらし得る。いくつかの実施形態では、核酸薬物は、1つまたは複数の修飾ヌクレオチドを含まない核酸薬物で得られるレベルと比較して、約2倍、または約3倍、または約4倍、または約5倍、または約10倍、または約15倍、または約20倍、または約25倍、または約30倍、または約35倍、または約40倍、または約45倍、または約50倍、または約100倍のタンパク質発現の増加をもたらす。
いくつかの実施形態では、核酸薬物は、標的タンパク質の持続発現による場合のような、持続的な治療効果をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、治療効果は、投与後に約1日間、または約2日間、または約3日間、または約4日間、または約5日間、または約6日間、または約7日間、または約8日間、または約9日間、または約10日間、または約14日間存在する。いくつかの実施形態では、この持続効果は、維持投与量の必要性を取り除く、またはその量を減少させる。
いくつかの実施形態では、核酸薬物は、持続した標的タンパク質レベルをもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、標的タンパク質は、投与後に約1日間、または約2日間、または約3日間、または約4日間、または約5日間、または約6日間、または約7日間、または約8日間、または約9日間、または約10日間、または約14日間(例えば、測定可能な量で、例えば、核酸薬物が投与されている患者の血清中で)存在する。いくつかの実施形態では、この持続効果は、維持投与量の必要性を取り除く、またはその量を減少させる。
種々の実施形態では、核酸薬物は、核酸薬物自体を持続的に存在なしに治療作用をもたらす。いくつかの実施形態では、核酸薬物は、例えば、投与から約6時間、または約12時間、または約18時間、または約24時間、または約2日、または約3日、または約4日、または約5日、または約1週間以内に急速に代謝される。
種々の実施形態では、有効用量は、インビボで細胞毒性を実質的に回避させる量である。種々の実施形態では、有効用量は、ヒト対象における免疫応答を実質的に回避させる量である。例えば、免疫反応は、自然免疫系により仲介される免疫応答であってもよい。免疫応答は、当該技術分野で知られるマーカー(例えば、サイトカイン、インターフェロン、TLR)を用いて監視できる。いくつかの実施形態では、有効用量は、残留毒性を抑えるために用いられる免疫抑制剤(例えば、B18R)でヒト対象を治療する必要性を取り除く。したがって、いくつかの実施形態では、本方法は、タンパク質発現の増加をもたらし、かつ、毒性を減少させる投与を行うことができる。
いくつかの実施形態では、免疫応答は、対応する非修飾核酸により誘発された免疫応答と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.9%、または約99.9%超減少する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の免疫応答マーカーの上方調節は、対応する非修飾核酸により誘発された1つまたは複数の免疫応答マーカーの上方調節と比較して、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.9%、または約99.9%超減少する。いくつかの実施形態では、免疫応答マーカーは、インターフェロン遺伝子のmRNAまたはタンパク質産物が含まれ、これには、インターフェロンα遺伝子、IFNB1、TLR3、RARRES3、EIF2AK2、STAT1、STAT2、IFIT1、IFIT2、IFIT3、IFIT5、OAS1、OAS2、OAS3、OASL、ISG20、またはその断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫応答マーカーは、TNF遺伝子のmRNAまたはタンパク質産物が含まれ、これには、TNFα遺伝子、TNFRSF1A、TNFRSF1B、LTBR、TNFRSF4、CD40、FAS、TNFRSF6B、CD27、TNFRSF8、TNFRSF9、TNFRSF10A、TNFRSF10B、TNFRSF10C、TNFRSF10D、TNFRSF11A、TNFRSF11B、TNFRSF12A、TNFRSF13B、TNFRSF13C、TNFRSF14、NGFR、TNFRSF17、TNFRSF18、TNFRSF19、TNFRSF21、TNFRSF25、およびEDA2R、またはその断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーが挙げられる。いくつかの実施形態では、免疫応答マーカーは、インターロイキン遺伝子のmRNAまたはタンパク質生成物が含まれ、これには、IL-6遺伝子、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8またはCXCL8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-14、IL-15、IL-16、IL-17、IL-18、IL-19、IL-20、IL-21、IL-22、IL-23、IL-24、IL-25、IL-26、IL-27、IL-28、IL-29、IL-30、IL-31、IL-32、IL-33、IL-35、IL-36、またはその断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、細胞死は、対応する非修飾核酸で観察された細胞死よりも約10%、約25%、約50%、約75%、約85%、約90%、約95%、または約95%超少ない。さらに、細胞死は、修飾核酸と接触した細胞の約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約1%、約0.1%、約0.01%、または約0.01%未満に作用し得る。
いくつかの実施形態では、哺乳動物対象中の細胞集団において、目的タンパク質を発現させるための方法が提供され、該方法は、目的タンパク質をコードするRNAの有効用量を含む非ウイルス性トランスフェクション組成物を該細胞に投与することを含み、RNAは、実質的な細胞毒性を回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有し、トランスフェクション組成物は、実質的な細胞毒性なしに、該細胞中で該タンパク質を少なくとも約5日間(例えば、約5日間、または約6日間、または約7日間、約8日間、または約9日間、または約10日間、または約14日間)発現させることができる量で投与される。いくつかの実施形態では、哺乳動物対象中の細胞集団において、目的タンパク質を発現させるための方法が提供され、該方法は、目的タンパク質をコードするRNAの有効用量を含む非ウイルス性トランスフェクション組成物を該細胞に投与することを含み、RNAは、実質的な細胞毒性を回避する1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有し、トランスフェクション組成物は、実質的な細胞毒性なしに、該細胞中で該タンパク質を少なくとも約6時間(例えば、約6時間、または約12時間、または約1日間、または約2日間、または約3日間、または約4日間、または約5日間)発現させることができる量で投与される。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAの有効用量は、約100ng~約2000ng、または約200ng~約1900ng、または約300ng~約1800ng、または約400ng~約1700ng、または約500ng~約1600ng、または約600ng~約1500ng、または約700ng~約1400ng、または約800ng~約1300ng、または約900ng~約1200ng、または約1000ng~約1100ng、または約500ng~約2000ng、または約500ng~約1500ng、または約500ng~約1000ng、または約1000ng~約1500ng、または約1000ng~約2000ng、または約1500ng~約2000ng、または約100ng~約500ng、または約200ng~約400ng、または約10ng~約100ng、または約20ng~約90ng、または約30ng~約80ng、または約40ng~約70ng、または約50ng~約60ngである。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAの有効用量は、約50ng、または約100ng、または約200ng、または約300ng、または約400ng、または約500ng、または約600ng、または約700ng、または約800ng、または約900ng、または約1000ng、または約1100ng、または約1200ng、または約1300ng、または約1400ng、または約1500ng、または約1600ng、または約1700ng、または約1800ng、または約1900ng、または約2000ng、または約3000ng、または約4000ng、または約5000ng以下である。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAの有効用量は、約50ng、または約100ng、または約200ng、または約300ng、または約400ng、または約500ng、または約600ng、または約700ng、または約800ng、または約900ng、または約1000ng、または約1100ng、または約1200ng、または約1300ng、または約1400ng、または約1500ng、または約1600ng、または約1700ng、または約1800ng、または約1900ng、または約2000ng、または約3000ng、または約4000ng、または約5000ngである。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAの有効用量は、約0.028pmol、または約0.05pmol、または約0.1pmol、または約0.2pmol、または約0.3pmol、または約0.4pmol、または約0.5pmol、または約0.6pmol、または約0.7pmol、または約0.8pmol、または約0.9pmol、または約1.0pmol、または約1.2pmol、または約1.4pmol、または約1.6pmol、または約1.8pmol、または約2.0pmol、または約2.2pmol、または約2.4pmol、または約2.6pmol、または約2.8pmol、または約3.0pmol、または約3.2pmol、または約3.4pmol、または約3.6pmol、または約3.8pmol、または約4.0pmol、または約4.2pmol、または約4.4pmol、または約4.6pmol、または約4.8pmol、または約5.0pmol、または約5.5pmol、または約5.7pmolである。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、約0.1nM、または約0.25nM、または約0.5nM、または約0.75nM、または約1nM、または約2.5nM、または約5nM、または約7.5nM、または約10nM、または約20nM、または約30nM、または約40nM、または約50nM、または約60nM、または約70nM、または約80nM、または約90nM、または約100nM、または約110nM、または約120nM、または約150nM、または約175nM、または約200nMの濃度で投与される。
いくつかの実施形態では、有効用量の核酸薬物は、約350ng/cm2、または約500ng/cm2、または約750ng/cm2、または約1000ng/cm2、または約2000ng/cm2、または約3000ng/cm2、または約4000ng/cm2、または約5000ng/cm2、または約6000ng/cm2、または約7000ng/cm2である。他の実施形態では、有効用量は、約350ng/cm2未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約35ng/cm2、または約50ng/cm2、または約75ng/cm2、または約100ng/cm2、または約150ng/cm2、または約200ng/cm2、または約250ng/cm2、または約300ng/cm2、または約350ng/cm2である。
いくつかの実施形態では、有効用量の核酸薬物は、約35ng/cm2~約7000ng/cm2、または約50ng/cm2~約5000ng/cm2、または約100ng/cm2~約3000ng/cm2、または約500ng/cm2~約2000ng/cm2、または約750ng/cm2~約1500ng/cm2、または約800ng/cm2~約1200ng/cm2、または約900ng/cm2~約1100ng/cm2である。
いくつかの実施形態では、有効用量の核酸薬物は、約1ピコモル/cm2、または約2ピコモル/cm2、または約3ピコモル/cm2、または約4ピコモル/cm2、または約5ピコモル/cm2、または約6ピコモル/cm2、または約7ピコモル/cm2、または約8ピコモル/cm2、または約9ピコモル/cm2、または約10ピコモル/cm2、または約12ピコモル/cm2、または約14ピコモル/cm2、または約16ピコモル/cm2、または約18ピコモル/cm2、または約20ピコモル/cm2である。他の実施形態では、有効用量は、約1ピコモル/cm2未満である。ある特定の実施形態では、有効用量は、約、0.1ピコモル/cm2、または約0.2ピコモル/cm2、または約0.3ピコモル/cm2、または約0.4ピコモル/cm2、または約0.5ピコモル/cm2、または約0.6ピコモル/cm2、または約0.7ピコモル/cm2、または約0.8ピコモル/cm2、または約0.9ピコモル/cm2、または約1ピコモル/cm2である。
いくつかの実施形態では、有効用量の核酸薬物は、約0.1ピコモル/cm2~約20ピコモル/cm2、または約0.2ピコモル/cm2~約15ピコモル/cm2、または約0.5ピコモル/cm2~約10ピコモル/cm2、または約0.8ピコモル/cm2~約8ピコモル/cm2、または約1ピコモル/cm2~約5ピコモル/cm2、または約2ピコモル/cm2~約4ピコモル/cm2である。
種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、薬学的に許容される製剤として投与される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、注入および局所投与の内の1つまたは複数用として処方される。一例として、核酸薬物、例えば、合成RNAは、目的組織、例えば、疾患の部位(非限定例であるが、腫瘍)に注入するように処方されてもよい。種々の実施形態では、注入は、パッチを介した送達を含む。いくつかの実施形態では、送達は、電気刺激により仲介される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、表皮(角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、および基底層から任意に選択される)、基底膜、真皮(乳頭領域、および網状領域から任意に選択される)、皮下組織、結膜、角膜、強膜、虹彩、水晶体、角膜輪部、視神経、脈絡膜、毛様体、前眼部、前眼房、および網膜の内の1つまたは複数に投与するように処方される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、筋肉内注入、眼内注入、硝子体内注入、関節内注入、心臓内注入、静脈内注入、硬膜外注入、髄腔内注入、門脈内注入、腫瘍内注入、および局所投与の内の1つまたは複数用として処方される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、真皮または表皮の内の1つまたは複数に皮内(ID)注入するように処方される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、ケラチノサイトおよび線維芽細胞の内の1つまたは複数に作用する(例えば、これらの細胞に1つまたは複数の治療用タンパク質を発現させる)ように投与される。
したがって、本発明は、本明細書に記載される種々の製剤を提供する。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤は、本発明の種々の送達および/または治療法に使用される。例えば、製剤は、小胞、例えば、リポソームを含むことができる(Langer,1990,Science 249:1527-1533;Treat et al.,in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez-Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365(1989)を参照されたい)。種々の実施形態では、製剤は、リポソームの水性懸濁液を含む。代表的なリポソーム成分を表1に記載するが、これは例として与えられ、限定するものではない。種々の実施形態では、表1の脂質の1つ以上、または2つ以上、または3つ以上、または4つ以上、または5つ以上が製剤中に組み合わせられる。
いくつかの実施形態では、リポソームは、リポフェクタミン3000を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、米国特許第4,897,355号または同第7,479,573号または国際公開第2015/089487号、またはFeigner,P.L.et al.(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413-7417(各々の内容全体は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている1つまたは複数の脂質を含む。
いくつかの実施形態では、リポソームは、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)を含む。
一実施形態では、リポソームは、PEG200、PEG300、PEG400、PEG600、PEG800、PEG1000、PEG1500、PEG2000、PEG3000、およびPEG4000から任意に選択される1種または複数のポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。いくつかの実施形態では、PEGは、PEG2000である。いくつかの実施形態では、リポソームは、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)またはその誘導体を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、N-(カルボニル-エトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(MPEG2000-DSPE)、完全水素化ホスファチジルコリン、コレステロール、リポフェクタミン3000、カチオン性脂質、ポリカチオン性脂質、および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[葉酸(ポリエチレングリコール)-5000](FA-MPEG5000-DSPE)の内の1種または複数を含む。
一実施形態では、製剤は、約3.2mg/mLのN-(カルボニル-エトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(MPEG2000-DSPE)、約9.6mg/mLの完全水素化ホスファチジルコリン、約3.2mg/mLのコレステロール、約2mg/mLの硫酸アンモニウム、および緩衝液としてのヒスチジンを含み、約0.27mg/mLの1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[葉酸(ポリエチレングリコール)-5000](FA-MPEG5000-DSPE)は、脂質混合物に添加される。別の実施形態では、核酸は、約1μgの核酸当たり1μLのリポフェクタミン3000を組み合わせて、室温で少なくとも約5分間インキュベートすることによって、複合体化される。一実施形態では、リポフェクタミン3000は、約1mg/mLの濃度で脂質を含む溶液である。いくつかの実施形態では、核酸は、約1μgの核酸当たり約10μgのリポソーム製剤を組み合わせて、室温で約5分間インキュベートすることにより封入される。
いくつかの実施形態では、製剤は、1つまたは複数のナノ粒子を含む。一実施形態では、ナノ粒子は、高分子ナノ粒子である。種々の実施形態では、製剤は、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、テトラブロックコポリマー、およびマルチブロックコポリマーの内の1つまたは複数を含む。種々の実施形態では、製剤は、ポリエチレングリコール(PEG)-修飾ポリ乳酸(PLA)ジブロックコポリマー(PLA-PEG)、およびPEG-ポリプロピレングリコール-PEG-修飾PLA-テトラブロックコポリマー(PLA-PEG-PPG-PEG)を含む高分子ナノ粒子の内の1つまたは複数を含む。
いくつかの実施形態では、製剤は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2000/027795号に記載されている1種または複数の脂質を含む。
一実施形態では、治療薬は、1つまたは複数のリガンドを含む。別の実施形態では、治療薬は、アンドロゲン、CD30(TNFRSF8)、細胞透過性ペプチド、CXCR、エストロゲン、上皮成長因子、EGFR、HER2、葉酸、インスリン、インスリン様成長因子I、インターロイキン13、インテグリン、プロゲステロン、間質由来因子1、トロンビン、ビタミンD、およびトランスフェリン、またはそれらの生物学的に活性な断片もしくはバリアントの内の少なくとも1つを含む。
本発明の活性組成物は、典型的な医薬製剤を含んでもよい。本発明によるこれらの組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的な経路を介してもよい。これは、経口、経鼻、または頬側を含む。あるいは、投与は、皮内、皮下、筋肉内、腹腔内、門脈内、もしくは静脈内注入によるもの、または疾患組織、例えば、癌組織中への直接注入によるものでもよい。本明細書に開示される薬剤はさらに、カテーテルシステムにより投与してもよい。そのような組成物は通常、本明細書に記載される薬学的に許容される組成物として投与される。
本明細書に記載される組成物の投与は、例えば、注入、局所投与、眼投与および経鼻投与によるものであってもよい。注入は、いくつかの実施形態では、電気力(例えば、電気化学療法で使用される器具を含むエレクトロポレーション、(例えば、CLINIPORATOR,IGEA Sri,Carpi[MO],Italy)に接続してもよい。局所投与は、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、スプレー、溶液、などでもよいが、これらに限定されない。局所投与では、限定されないが、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸、キレート剤、非キレート非界面活性剤、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-20-セチルエーテル、胆汁酸および/または塩と組み合わせた脂肪酸および/または塩、ラウリン酸、カプリン酸、およびUDCAと組み合わせたナトリウム塩などの浸透増強剤をさらに含んでもよい。局所投与では、香料、着色剤、日焼け止め剤、抗菌剤、および/または保湿剤をさらに含んでもよい。本明細書で記載の組成物は、限定されないが、額、頭皮、毛包、毛、上まぶた、下まぶた、眉、まつげ、眼窩下領域、眼窩周囲領域、こめかみ、鼻、鼻梁、頬、舌、鼻唇溝、唇、眼周囲(periobicular)領域、下顎の輪郭、耳、首、胸、前腕、上腕、掌、手、指、爪、背中、腹、脇腹、尻、大腿、ふくらはぎ、足、つま先、などの少なくとも1つの部位に投与してもよい。
投与経路としては、例えば、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、経口、舌下、脳内、膣内、経皮、門脈内、直腸内、吸入経由、または局所的、特に、耳、鼻、目、または皮膚、が挙げられる。いくつかの実施形態では、投与は、経口または非経口注入により行われる。
処方するとすぐに、溶液を、本明細書に記載されるような投与製剤と適合する方法で、および治療的に有効であるような量で投与してもよい。配合物は、注入可能な液剤、薬剤放出カプセル剤などの種々の剤形で容易に投与し得る。水溶液での非経口投与のために、例えば、溶液は一般に、適当に緩衝され、液体希釈剤は最初に、例えば、十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。そのような水溶液は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、および腹腔内投与のために用い得る。好ましくは、当業者に知られている滅菌水性培地は、特に本開示に照らして用いられる。
種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量は、約4mm2~約150mm2(例えば、約4mm2以下、または約5mm2以下、または約6mm2以下、または約7mm2以下、または約8mm2以下、または約10mm2以下、または約20mm2以下、または約50mm2以下、または約100mm2以下、または約150mm2以下)の表面積に投与される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量は、約4mm2以下、または約5mm2以下、または約6mm2以下、または約7mm2以下、または約8mm2以下、または約10mm2以下、または約20mm2以下、または約50mm2以下、または約100mm2以下、または約150mm2以下の表面積に投与される。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量は、約4mm2、または約5mm2、または約6mm2、または約7mm2、または約8mm2、または約10mm2、または約20mm2、または約50mm2、または約100mm2、または約150mm2の表面積に投与される。
種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量(重量RNA/注入の表面積)は、約35ng/cm2~約7000ng/cm2である。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量(重量RNA/注入の表面積)は、約35ng/cm2、または約50ng/cm2、または約75ng/cm2、または約100ng/cm2、または約125ng/cm2、または約150ng/cm2、または約175ng/cm2、または約200ng/cm2、または約225ng/cm2、または約250ng/cm2、または約500ng/cm2、または約1000ng/cm2、または約2000ng/cm2、または約5000ng/cm2、または約7000ng/cm2以下である。種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA、および/またはそれを含む製剤は、必要に応じ、皮下注入、皮内注入、真皮下注入、および筋肉内注入の内の1種または複数により局所投与され、有効用量(重量RNA/注入の表面積)は、約35ng/cm2、または約50ng/cm2、または約75ng/cm2、または約100ng/cm2、または約125ng/cm2、または約150ng/cm2、または約175ng/cm2、または約200ng/cm2、または約225ng/cm2、または約250ng/cm2、または約500ng/cm2、または約1000ng/cm2、または約2000ng/cm2、または約5000ng/cm2、または約7000ng/cm2である。
医薬製剤はさらに、送達試薬(別名「トランスフェクション試薬」、別名「ビークル」、別名「送達ビークル」)、および/または賦形剤を含んでもよい。薬学的に許容される送達試薬、賦形剤、ならびに患者(別名「対象」)に、医薬製剤を調製および投与するための方法を含むそれらの調製および使用方法は、当技術分野で周知であり、例えば、全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0213377号を含む多数の刊行物に記載されている。
例えば、本発明の組成物は、薬学的に許容される塩の形態をとることができる。このような塩は、例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれる、J.Pharma.Sci.66,2-19(1977)、およびThe Handbook of Pharmaceutical Salts、Properties,Selection,and Use.P.H.Stahl and C.G.Wermuth(eds.),Verlag,Zurich(Switzerland)2002に記載されているものを含む。薬学的に許容される塩の非限定例としては、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、パモ酸塩、フェニル酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アクリル酸塩、クロロ安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、ナフタレン-2-安息香酸塩、イソ酪酸塩、フェニル酪酸塩、α-ヒドロキシ酪酸塩、ブチン-1,4-ジカルボン酸塩、ヘキシン-1,4-ジカルボン酸塩、カプリン酸塩、カプリル酸塩、ケイ酸塩、グリコール酸塩、ヘプタン酸塩、馬尿酸塩、リンゴ酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、ニコチン酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、プロピオル酸塩、プロピオン酸塩、フェニルプロピオン酸塩、セバシン酸塩、スベリン酸塩、p-ブロモベンゼンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、エチルスルホン酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、ナフタレン-1,5-スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、および酒石酸塩と、ナトリウム、カリウム、およびリチウムなどのアルカリ金属の水酸化物と、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物と、アルミニウムおよび亜鉛などの他の金属の水酸化物と、アンモニアおよび未置換またはヒドロキシ置換モノ-、ジ-、またはトリ-アルキルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの有機アミンと、トリブチルアミンと、ピリジンと、N-メチル、N-エチルアミンと、ジエチルアミンと、トリエチルアミンと、モノ-、ビス-、またはトリス-(2-ヒドロキシエチル)アミン、2-ヒドロキシ-tert-ブチルアミン、またはトリス-(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどのモノ-、ビス-、またはトリス-(2-OH-低級アルキルアミン)と、N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシエチル)アミンまたはトリ-(2-ヒドロキシエチル)アミンなどのN,N-ジ-低級アルキル-N-(ヒドロキシル-低級アルキル)-アミンと、N-メチル-D-グルカミンと、アルギニン、リジンなどのアミノ酸などが挙げられる。
本医薬組成物は、水ならびにピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの、石油、動物、植物、または人工起源のものを含む油などの液体を含む賦形剤を含めることができる。医薬賦形剤は、例えば、食塩水、アカシアゴム、ゼラチン、デンプンペースト、滑石、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素などとすることができる。さらに、助剤、安定化剤、増粘化剤、潤滑剤、および着色料を使用することができる。一実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、対象に投与される場合、無菌である。適切な医薬賦形剤としては、デンプン、グルコース、ラクトース、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、胡粉、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセリンモノステアレート、滑石、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセリン、プロピレン、グリコール、水、エタノールなども挙げられる。本明細書で記載のいずれの薬剤も、必要に応じ、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含むことができる。
非経口投与(例えば、皮下、皮内、真皮下、筋肉内、静脈内、腹腔内、関節内、および輸液)に適している剤形としては、例えば、溶液、懸濁液、分散液、エマルションなどが挙げられる。それらは、無菌の固相組成物(例えば、凍結乾燥組成物)の形態で製造することもでき、これは、使用直前に、無菌の注入可能媒体中に溶解または懸濁させ得る。それらは、例えば、当該技術分野において既知の懸濁剤または分散剤を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される製剤は、アルブミン、および核酸分子を含み得る。
いくつかの実施形態では、本発明は、化粧品組成物に関する。一実施形態では、化粧品組成物は、アルブミンを含む。別の実施形態では、アルブミンは、イオン交換樹脂または活性炭で処理される。さらに別の実施形態では、化粧品組成物は、核酸分子を含む。さらなる実施形態では、化粧品組成物は、アルブミンおよび核酸分子の両方を含む。さらに他の実施形態は、患者に組成物を送達するように構成された器具に含有される化粧品組成物を含む美容的処置用品に関する。さらに他の実施形態は、患者に化粧品組成物を送達するように構成される器具に関する。一実施形態では、核酸分子は、エラスチン、コラーゲン、チロシナーゼ、メラノコルチン1受容体、ケラチン、フィラグリン(filaggren)、抗体、およびヒアルロン酸合成酵素、またはそれらの生物学的に活性な断片、バリアント、類似体またはファミリーメンバーの群の内の1種をコードする。
いくつかの実施形態では、本発明は、治療計画を提供する。本発明者らは、本明細書に記載される用量および投与が、実質的なタンパク質発現効果を急速に(例えば、約6、または約12、または約24、または約36、または約48時間で)生成できることを発見した。さらに、これらの効果は、約7日間またはそれ以上持続できる。いくつかの実施形態では、本方法は、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAの投与を約週1回~約20週おきに1回提供する。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、約週1回で少なくとも2週間(例えば、3、または4、または5、または6、または7、または8、または9、または10週間)投与される。いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、約隔週1回で少なくとも1ヵ月(例えば、1、または2、または3、または4、または5、または6、または12ヵ月間)投与される。いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、月1回または約隔月1回投与される。いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、少なくとも2ヵ月間、または少なくとも4ヵ月間、または少なくとも6ヵ月間、または少なくとも9ヵ月間、または少なくとも1年間投与される。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、約週1回、または約2週おきに1回、または約3週おきに1回、または約4週おきに1回、または約5週おきに1回、または約6週おきに1回、または約7週おきに1回、または約8週おきに1回、または約9週おきに1回、または約10週おきに1回、または約11週おきに1回、または約12週おきに1回、または約13週おきに1回、または約14週おきに1回、または約15週おきに1回、または約20週おきに1回、または約24週おきに1回投与される。
いくつかの実施形態では、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、約週1回、または約2週おきに1回、または約3週おきに1回、または約4週おきに1回、または約5週おきに1回、または約6週おきに1回、または約7週おきに1回、または約8週おきに1回、または約9週おきに1回、または約10週おきに1回、または約11週おきに1回、または約12週おきに1回、または約13週おきに1回、または約14週おきに1回、または約15週おきに1回、または約20週おきに1回、または約24週おきに1回以下で投与される。
ある特定のタンパク質は、長い半減期を有し、数時間、数日、数週間、数ヶ月、または数年の間、組織内で存続できる。患者を治療するある特定の方法は、例えば、1つまたは複数の有益なタンパク質を含む、1つまたは複数のタンパク質の蓄積を生じ得ることが、現在発見されている。したがって、ある特定の実施形態は、1つまたは複数のタンパク質をコードする核酸を、一連の投与量で患者に送達することを含む、患者を治療するための方法に関する。一実施形態では、核酸は、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAを含む。別の実施形態では、第1の投与量は、第1の時点で与えられる。さらに別の実施形態では、第2の投与量は、第2の時点で与えられる。さらなる実施形態では、第2の時点での患者における1つまたは複数のタンパク質の内の少なくとも1つの量は、第1の時点での該タンパク質の量より多い。さらに別の実施形態では、方法は、患者において、該タンパク質の蓄積をもたらす。
種々の実施形態では、本発明は、核酸薬物、種々の実施形態では、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAに関する。ある特定の非標準ヌクレオチドは、RNA分子に組み込まれる場合、理論に束縛されるものではないが、部分的には、外来核酸を検出するタンパク質、例えば、タンパク質キナーゼR、Rig-1、およびオリゴアデニル酸シンセターゼファミリーのタンパク質の結合を妨害することにより、RNA分子の毒性を減少させることができる。RNAの中に組み込まれる場合に、RNA分子の毒性を減少させることが報告されている非標準ヌクレオチドとしては、プソイドウリジン、5-メチルウリジン、2-チオウリジン、5-メチルシチジン、N6-メチルアデノシン、およびそれらのある特定の組み合わせが挙げられる。しかしながら、非標準ヌクレオチドにRNA分子のインビボ毒性を低下させることを可能にする、非標準ヌクレオチドの化学的特性は、現時点まで、依然として知られていない。さらに、大量のほとんどの非標準ヌクレオチド、例えば、5-メチルウリジン、2-チオウリジン、5-メチルシチジン、およびN6-メチルアデノシンを組み込むことにより、RNA分子のタンパク質に翻訳され得る効率が減少する可能性があり、タンパク質発現を必要とする用途での、これらのヌクレオチドを含有するRNA分子の利用が制限される。加えて、プソイドウリジンは、合成RNA分子のタンパク質に翻訳され得る効率を減少させることなく、RNA分子中のウリジンと完全に置換できるが、ある特定の状況、例えば、頻繁に繰り返しトランスフェクションを実施する場合では、アデノシン、グアノシン、シチジン、およびプソイドウリジンのみを含有する合成RNA分子は、過剰な毒性を示す可能性がある。
ピリミジンの場合2C位および/または4C位および/または5C位に、またはプリンの場合6C位および/または7N位および/または8C位に、1つまたは複数の置換を含む、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有するRNA分子は、これらの位置での置換が、外来核酸を検出するタンパク質による合成RNA分子の認識を妨害する能力を有することにある程度起因して、標準ヌクレオチドのみを含有する合成RNA分子よりも低い毒性である可能性があり、さらに、これらの位置での置換が、塩基対形成および塩基スタッキング相互作用を十分に妨害しないことにある程度起因して、これらの位置での置換が、合成RNA分子のタンパク質への翻訳効率に、最小限の影響しか与えない可能性があることが、現在発見されており、いくつかの実施形態では、本発明は、このようなRNA分子に関する。
ピリミジンの場合2C位および/もしくは4C位および/もしくは5C位に、またはプリンの場合6C位および/もしくは7N位および/もしくは8C位に、1つまたは複数の置換を含む非標準ヌクレオチドの例には、限定されないが、下記が挙げられる。2-チオウリジン、5-アザウリジン、プソイドウリジン、4-チオウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-アミノウリジン、5-アミノプソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メトキシウリジン、5-メトキシプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、5-メチル-5-アザウリジン、5-アミノ-5-アザウリジン、5-ヒドロキシ-5-アザウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-アミノプソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、4-チオ-5-アザウリジン、4-チオプソイドウリジン、4-チオ-5-メチルウリジン、4-チオ-5-アミノウリジン、4-チオ-5-ヒドロキシウリジン、4-チオ-5-メチル-5-アザウリジン、4-チオ-5-アミノ-5-アザウリジン、4-チオ-5-ヒドロキシ-5-アザウリジン、4-チオ-5-メチルプソイドウリジン、4-チオ-5-アミノプソイドウリジン、4-チオ-5-ヒドロキシプソイドウリジン、2-チオシチジン、5-アザシチジン、プソイドイソシチジン、N4-メチルシチジン、N4-アミノシチジン、N4-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-アミノシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-メトキシシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メチル-5-アザシチジン、5-アミノ-5-アザシチジン、5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、5-メチルプソイドイソシチジン、5-アミノプソイドイソシチジン、5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、N4-メチル-5-アザシチジン、N4-メチルプソイドイソシチジン、2-チオ-5-アザシチジン、2-チオプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-メチルシチジン、2-チオ-N4-アミノシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシシチジン、2-チオ-5-メチルシチジン、2-チオ-5-アミノシチジン、2-チオ-5-ヒドロキシシチジン、2-チオ-5-メチル-5-アザシチジン、2-チオ-5-アミノ-5-アザシチジン、2-チオ-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、2-チオ-5-メチルプソイドイソシチジン、2-チオ-5-アミノプソイドイソシチジン、2-チオ-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-アザシチジン、2-チオ-N4-メチルプソイドイソシチジン、N4-メチル-5-メチルシチジン、N4-メチル-5-アミノシチジン、N4-メチル-5-ヒドロキシシチジン、N4-メチル-5-メチル-5-アザシチジン、N4-メチル-5-アミノ-5-アザシチジン、N4-メチル-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、N4-メチル-5-メチルプソイドイソシチジン、N4-メチル-5-アミノプソイドイソシチジン、N4-メチル-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、N4-アミノ-5-アザシチジン、N4-アミノプソイドイソシチジン、N4-アミノ-5-メチルシチジン、N4-アミノ-5-アミノシチジン、N4-アミノ-5-ヒドロキシシチジン、N4-アミノ-5-メチル-5-アザシチジン、N4-アミノ-5-アミノ-5-アザシチジン、N4-アミノ-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、N4-アミノ-5-メチルプソイドイソシチジン、N4-アミノ-5-アミノプソイドイソシチジン、N4-アミノ-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、N4-ヒドロキシ-5-アザシチジン、N4-ヒドロキシプソイドイソシチジン、N4-ヒドロキシ-5-メチルシチジン、N4-ヒドロキシ-5-アミノシチジン、N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシシチジン、N4-ヒドロキシ-5-メチル-5-アザシチジン、N4-ヒドロキシ-5-アミノ-5-アザシチジン、N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、N4-ヒドロキシ-5-メチルプソイドイソシチジン、N4-ヒドロキシ-5-アミノプソイドイソシチジン、N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-メチルシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-アミノシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-ヒドロキシシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-メチル-5-アザシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-アミノ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-メチルプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-アミノプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-メチル-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-アミノプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-メチルシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-アミノシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-ヒドロキシシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-メチル-5-アザシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-アミノ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-メチルプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-アミノプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-アミノ-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-メチルシチジン、N4-ヒドロキシ-5-アミノシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-メチル-5-アザシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-アミノ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシ-5-アザシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-メチルプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-アミノプソイドイソシチジン、2-チオ-N4-ヒドロキシ-5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、N6-メチルアデノシン、N6-アミノアデノシン、N6-ヒドロキシアデノシン、7-デアザアデノシン、8-アザアデノシン、N6-メチル-7-デアザアデノシン、N6-メチル-8-アザアデノシン、7-デアザ-8-アザアデノシン、N6-メチル-7-デアザ-8-アザアデノシン、N6-アミノ-7-デアザアデノシン、N6-アミノ-8-アザアデノシン、N6-アミノ-7-デアザ-8-アザアデノシン、N6-ヒドロキシアデノシン、N6-ヒドロキシ-7-デアザアデノシン、N6-ヒドロキシ-8-アザアデノシン、N6-ヒドロキシ-7-デアザ-8-アザアデノシン、6-チオグアノシン、7-デアザグアノシン、8-アザグアノシン、6-チオ-7-デアザグアノシン、6-チオ-8-アザグアノシン、7-デアザ-8-アザグアノシン、6-チオ-7-デアザ-8-アザグアノシン、および5-メトキシウリジン。
いくつかの実施形態では、本発明は、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、5-ヒドロキシウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンから選択される1つまたは複数の非標準ヌクレオチドに関する。いくつかの実施形態では、非標準ヌクレオチドの少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンの内の1つまたは複数である。
いくつかの実施形態では、シチジン残基の少なくとも約50%、または少なくとも約55%%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジンから選択される非標準ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、ウリジン残基の少なくとも約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または少なくとも約55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または100%は、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンから選択される非標準ヌクレオチドである。
いくつかの実施形態では、グアノシン残基の少なくとも約10%(例えば、10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%)は、非標準ヌクレオチドであり、非標準ヌクレオチドは、7-デアザグアノシンであってもよい。いくつかの実施形態では、RNAは、グアノシン残基の代わりに約50%以下の7-デアザグアノシンを含有する。
いくつかの実施形態では、RNAは、アデノシン残基の代わりに非標準ヌクレオチドを含有しない。
特定の非標準ヌクレオチドに対して、代替的な命名体系が存在することに注意を要する。例えば、ある特定の状況では、5-メチルプソイドウリジンは、「3-メチルプソイドウリジン」または「N3-メチルプソイドウリジン」または「1-メチルプソイドウリジン」または「N1-メチルプソイドウリジン」と称することができる。
接頭語「アミノ」を含有するヌクレオチドは、ヌクレオチドの所定の位置の原子に結合される窒素原子を含有する任意のヌクレオチドを意味し得、例えば、5-アミノシチジンは、5-アミノシチジン、5-メチルアミノシチジン、および5-ニトロシチジンを意味し得る。同様に、接頭語「メチル」を含むヌクレオチドは、ヌクレオチドの所定の位置の原子に結合される炭素原子を含有する任意のヌクレオチドを意味し得、例えば、5-メチルシチジンは、5-メチルシチジン、5-エチルシチジン、および5-ヒドロキシメチルシチジンを意味し得、接頭語「チオ」を含むヌクレオチドは、ヌクレオチドの所与の位置の原子に結合される硫黄原子を含有する任意のヌクレオチドを意味し得、接頭語「ヒドロキシ」を含有するヌクレオチドは、ヌクレオチドの所与の位置の原子に結合される酸素原子を含有する任意のヌクレオチドを意味し得、例えば、5-ヒドロキシウリジンは、5-ヒドロキシウリジンおよび酸素原子がウリジンの5C位の原子に結合される酸素原子に結合されるメチル基を有するウリジンを意味し得る。
したがって、ある特定の実施形態は、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAに関し、RNA分子は、ピリミジンの場合2C位および/または4C位および/または5C位に、またはプリンの場合6C位および/または7N位および/または8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数のヌクレオチドを含有する。他の実施形態は、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む1つまたは複数のRNA分子を含有し、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む1つまたは複数のRNA分子が、ピリミジンの場合2C位および/または4C位および/または5C位に、またはプリンの場合6C位および/または7N位および/または8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数のヌクレオチドを含有する治療薬に関する。一実施形態では、治療薬は、トランスフェクション試薬を含む。別の実施形態では、トランスフェクション試薬は、カチオン性脂質、リポソーム、またはミセルを含む。さらに別の実施形態では、リポソームまたはミセルは葉酸を含み、治療用組成物は抗癌活性を有する。別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドウリジン、2-チオウリジン、4-チオウリジン、5-アザウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-アミノウリジン、2-チオプソイドウリジン、4-チオプソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-アミノプソイドウリジン、プソイドイソシチジン、N4-メチルシチジン、2-チオシチジン、5-アザシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-アミノシチジン、5-メチルシチジン、N4-メチルプソイドイソシチジン、2-チオプソイドイソシチジン、5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、5-アミノプソイドイソシチジン、5-メチルプソイドイソシチジン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、6-チオグアノシン、および6-チオ-7-デアザグアノシンの内の少なくとも1つを含む。別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドウリジン、2-チオウリジン、4-チオウリジン、5-アザウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-アミノウリジン、2-チオプソイドウリジン、4-チオプソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、および5-アミノプソイドウリジンの内の少なくとも1つ、ならびにプソイドイソシチジン、N4-メチルシチジン、2-チオシチジン、5-アザシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-アミノシチジン、5-メチルシチジン、N4-メチルプソイドイソシチジン、2-チオプソイドイソシチジン、5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、5-アミノプソイドイソシチジン、および5-メチルプソイドイソシチジンの内の少なくとも1つを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドウリジン、2-チオウリジン、4-チオウリジン、5-アザウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-アミノウリジン、2-チオプソイドウリジン、4-チオプソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、および5-メチルプソイドウリジン、5-アミノプソイドウリジンの内の少なくとも1つ、プソイドイソシチジン、N4-メチルシチジン、2-チオシチジン、5-アザシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-アミノシチジン、5-メチルシチジン、N4-メチルプソイドイソシチジン、2-チオプソイドイソシチジン、5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、5-アミノプソイドイソシチジン、および5-メチルプソイドイソシチジンの内の少なくとも1つ、ならびに7-デアザグアノシン、6-チオグアノシン、6-チオ-7-デアザグアノシン、および5-メトキシウリジンの内の少なくとも1つを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、5-メチルシチジンおよび7-デアザグアノシンを含む。別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドはさらに、プソイドウリジンまたは4-チオウリジンまたは5-メチルウリジンまたは5-アミノウリジンまたは4-チオプソイドウリジンまたは5-メチルプソイドウリジンまたは5-アミノプソイドウリジンを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドはさらに、7-デアザアデノシンを含む。別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドイソシチジンおよび7-デアザグアノシンおよび4-チオウリジンを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドイソシチジンまたは7-デアザグアノシンおよびプソイドウリジンを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、5-メチルウリジンおよび5-メチルシチジンおよび7-デアザグアノシンを含む。さらなる実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドウリジンまたは5-メチルプソイドウリジンおよび5-メチルシチジンおよび7-デアザグアノシンを含む。別の実施形態では、1つまたは複数のヌクレオチドは、プソイドイソシチジンおよび7-デアザグアノシンおよびプソイドウリジンを含む。一実施形態では、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAは、インビボで存在する。
ある特定の非標準ヌクレオチドは、標準的な塩基対形成相互作用および塩基スタッキング相互作用に関与する、ならびに対応する標準ヌクレオチドがRNAポリメラーゼと相互作用する様式と同様の様式でRNAポリメラーゼと相互作用する、これらのある特定の非標準ヌクレオチドの傾向にある程度起因して、インビトロ転写のために一般に用いられるRNAポリメラーゼにより、他の非標準ヌクレオチドよりも効率的に、RNA分子に組み込むことができる。その結果、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有するある特定のヌクレオチド混合物は、これらのヌクレオチド混合物を含有するインビトロ転写反応により多量のRNAが得られるということが一因となり、有益である可能性がある。したがって、ある特定の実施形態は、ピリミジンの場合2C位および/もしくは4C位および/もしくは5C位に、またはプリンの場合6C位および/もしくは7N位および/もしくは8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数のヌクレオチドを含有するヌクレオチド混合物に関する。ヌクレオチド混合物としては(各ヌクレオチドの前の数は、インビトロ転写反応における非標準ヌクレオチド三リン酸の代表的分率を表示し、例えば、0.2のプソイドイソシチジンは、アデノシン-5′-三リン酸、グアノシン-5′-三リン酸、ウリジン-5′-三リン酸、シチジン-5′-三リン酸、およびプソイドイソシチジン-5′-三リン酸を含有する反応を指し、プソイドイソシチジン-5′-三リン酸は、量がモル基準または質量基準のいずれかで測定された状態で、反応に存在するプソイドイソシチジン-5′-三リン酸+シチジン-5′-三リン酸の総量の0.2倍にほぼ等しい量で反応に存在し、ヌクレオチドの前の2つ以上の数は、代表的分率の範囲を表示する)、1.0のプソイドウリジン、0.1~0.8の2-チオウリジン、0.1~0.8の5-メチルウリジン、0.2~1.0の5-ヒドロキシウリジン、0.2~1.0の5-メトキシウリジン、0.1~1.0の5-アミノウリジン、0.1~1.0の4-チオウリジン、0.1~1.0の2-チオプソイドウリジン、0.1~1.0の4-チオプソイドウリジン、0.1~1.0の5-ヒドロキシプソイドウリジン、0.2~1の5-メチルプソイドウリジン、0.2~1.0の5-メトキシプソイドウリジン、0.1~1.0の5-アミノプソイドウリジン、0.2~1.0の2-チオシチジン、0.1~0.8のプソイドイソシチジン、0.2~1.0の5-メチルシチジン、0.2~1.0の5-ヒドロキシシチジン、0.2~1.0の5-ヒドロキシメチルシチジン、0.2~1.0の5-メトキシシチジン、0.1~1.0の5-アミノシチジン、0.2~1.0のN4-メチルシチジン、0.2~1.0の5-メチルプソイドイソシチジン、0.2~1.0の5-ヒドロキシプソイドイソシチジン、0.2~1.0の5-アミノプソイドイソシチジン、0.2~1.0のN4-メチルプソイドイソシチジン、0.2~1.0の2-チオプソイドイソシチジン、0.2~1.0の7-デアザグアノシン、0.2~1.0の6-チオグアノシン、0.2~1.0の6-チオ-7-デアザグアノシン、0.2~1.0の8-アザグアノシン、0.2~1.0の7-デアザ-8-アザグアノシン、0.2~1.0の6-チオ-8-アザグアノシン、0.1~0.5の7-デアザアデノシン、および0.1~0.5のN6-メチルアデノシンが挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNA組成物または合成ポリヌクレオチド組成物(例えば、インビトロ転写により調製され得る)は、遺伝コードのアデニンまたは「A」を有する位置に標準ヌクレオチドを実質的にまたは完全に含有する。本文脈中の「実質的に」という用語は、少なくとも90%を指す。これらの実施形態では、RNA組成物または合成ポリヌクレオチド組成物はさらに、遺伝コードの「G」の位置に7-デアザグアノシン、および対応する標準ヌクレオチド「G」を含有してもよく(例えば、から構成されてもよく)、Gの位置の標準および非標準ヌクレオチドは、5:1~1:5の範囲内に、またはいくつかの実施形態では、2:1~1:2の範囲内にあってもよい。これらの実施形態では、RNA組成物または合成ポリヌクレオチド組成物はさらに、遺伝コードの「C」の位置に5-ヒドロキシシチジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジンの内の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、または4つ)、ならびに標準ヌクレオチド「C」を含有してもよく(例えば、から構成されてもよく)、Cの位置の標準および非標準ヌクレオチドは、5:1~1:5の範囲内に、またはいくつかの実施形態では、2:1~1:2の範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態では、「C」の位置の非標準ヌクレオチドの濃度は、前のパラグラフに記載の通りである。これらの実施形態では、RNA組成物または合成ポリヌクレオチド組成物はさらに、遺伝コードの「U」の位置に5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-メトキシウリジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、および5-メトキシプソイドウリジンの内の1つまたは複数(例えば、2つ、3つ、または4つ)、ならびに標準ヌクレオチド「U」を含有してもよく(例えば、から構成されてもよく)してもよく、遺伝子コードにおける「U」それとも「U」の位置の標準および非標準ヌクレオチドは、5:1~1:5の範囲内に、またはいくつかの実施形態では、2:1~1:2の範囲内にあってもよい。いくつかの実施形態では、「U」の位置の非標準ヌクレオチドの濃度は、前のパラグラフに記載の通りである。
ある特定の非標準ヌクレオチドを組み合わせることは、RNA分子の毒性を低下させる非標準ヌクレオチドの寄与を追加できるといった理由で有益であり得ることが、現在発見されている。したがって、ある特定の実施形態は、例えば、ヌクレオチド混合物がプソイドイソシチジンおよび7-デアザグアノシンの両方を含有し、またはヌクレオチド混合物がN4-メチルシチジンおよび7-デアザグアノシンの両方を含有するなど、ヌクレオチド混合物が非標準ヌクレオチドのうちの2つ以上を含有するヌクレオチド混合物に関する。一実施形態では、ヌクレオチド混合物は、非標準ヌクレオチドの内の2つ以上を含有し、非標準ヌクレオチドのそれぞれは、上記分率で混合物に存在する、例えば、ヌクレオチド混合物は、0.1~0.8のプソイドイソシチジンおよび0.2~1.0の7-デアザグアノシンを含有し、またはヌクレオチド混合物は、0.2~1.0のN4-メチルシチジンおよび0.2~1.0の7-デアザグアノシンを含有するなどである。
ある特定の状況、例えば、インビトロ転写反応の収率を最大にすることが、必要でないまたは望ましくないことがある場合、上記以外のヌクレオチド分率を用いてもよい。上記の代表的な分率および分率の範囲は、通常の純度(90%を超える純度)のヌクレオチド三リン酸溶液に関連する。例えば、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)などの既存の化学精製技術を用いて、ヌクレオチド三リン酸溶液を精製することにより、または他の手段により達成できるより高い純度、例えば、約95%を超える純度または約98%を超える純度または約99%を超える純度または約99.5%を超える純度のヌクレオチド三リン酸溶液を用いることにより、上述のおよび他のヌクレオチドのより大きい分率を採用することができる。一実施形態では、複数の異性体を有するヌクレオチドは、目的の異性体を高めるように精製される。
他の実施形態は、ピリミジンの場合2C位および/または4C位および/または5C位に、またはプリンの場合6C位および/または7N位および/または8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有するRNA分子と細胞を接触させることにより、目的タンパク質を発現させるようにインビボの細胞を誘導するための方法に関する。さらに他の実施形態は、ピリミジンの場合2C位および/または4C位および/または5C位に、またはプリンの場合6C位および/または7N位および/または8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有するRNA分子と細胞を接触させることにより、インビボの細胞をトランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集するための方法に関する。一実施形態では、RNA分子は、インビトロ転写により産生される。一実施形態では、RNA分子は、1つまたは複数のリプログラミング因子をコードする。別の実施形態では、1つまたは複数のリプログラミング因子は、Oct4タンパク質を含む。別の実施形態では、細胞をさらに、Sox2タンパク質をコードするRNA分子と接触させる。さらに別の実施形態では、細胞をさらに、Klf4タンパク質をコードするRNA分子と接触させる。さらに別の実施形態では、細胞をさらに、c-Mycタンパク質をコードするRNA分子と接触させる。さらに別の実施形態では、細胞をさらに、Lin28タンパク質をコードするRNA分子と接触させる。
T7 RNAポリメラーゼなどの酵素は、標準および非標準ヌクレオチドの両方を含有するインビトロ転写反応で、標準ヌクレオチドを優先的に組み込む場合がある。その結果、ある特定の分率の非標準ヌクレオチを含有するインビトロ転写反応により、非標準ヌクレオチドが反応に存在した分率と異なる、多くの場合それよりも低い分率の非標準ヌクレオチドを含有するRNAを生じることがある。したがって、ある特定の実施形態では、ヌクレオチド組み込み分率への言及(例えば、「50%のプソイドイソシチジンを含有する合成RNA分子」または「0.1~0.8のプソイドイソシチジン」)は、そのような反応により、非標準ヌクレオチドが反応に存在した分率と異なる分率のヌクレオチドを含有するRNAを得ることがある場合であっても、所定の分率のヌクレオチドを含有するRNA分子、および所定の分率のヌクレオチド(または、ヌクレオチド誘導体、例えば、ヌクレオチド-三リン酸)を含有する反応で合成されるRNA分子の両方を意味し得る。
異なるヌクレオチド配列は、代替的コドンを利用することにより、同じタンパク質をコードすることができる。したがって、ある特定の実施形態では、ヌクレオチド組み込み分率への言及は、言及した分率のヌクレオチドを含有するRNA分子、および異なるRNA分子と同じタンパク質をコードするRNA分子の両方を意味し得、異なるRNA分子は、言及した分率のヌクレオチドを含有する。
ある特定の実施形態は、本発明を実施するために必要とされる1つまたは複数の材料を含有するキットに関する。一実施形態では、キットは、1つまたは複数の合成RNA分子を含有する。一実施形態では、キットは、1つまたは複数のリプログラミング因子および/または遺伝子編集タンパク質をコードする1つまたは複数の合成RNA分子を含有する。別の実施形態では、1つまたは複数の合成RNA分子は、ピリミジンの場合2C位および/もしくは4C位および/もしくは5C位に、またはプリンの場合6C位および/もしくは7N位および/もしくは8C位に、1つまたは複数の置換を含む1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含有する。別の実施形態では、キットは、トランスフェクション培地、トランスフェクション試薬、複合体形成培地、およびマトリックス溶液の内の1つまたは複数を含有する。一実施形態では、マトリックス溶液は、フィブロネクチンおよび/もしくはビトロネクチン、または組換えフィブロネクチンおよび/もしくは組換えビトロネクチンを含有する。一実施形態では、キットの構成成分の内の1つまたは複数は、複数のアリコートとして存在する。一実施形態では、キットは、核酸トランスフェクション試薬複合体のアリコートを含有する。別の実施形態では、キットは、固体の形態で、例えば凍結したまたは凍結乾燥したペレットとして提供される核酸トランスフェクション試薬複合体のアリコートを含有する。さらに別の実施形態では、キットは、培地のアリコートを含み、各アリコートは、化学処理または凍結のいずれかにより、安定化されるトランスフェクション試薬-核酸複合体を含有する。
一般にトランスフェクション、および特にリプログラミングは、反復が必要となり、エラーを生じがちであり、困難で時間のかかる技術になる場合がある。しかし、これらの技術は多くの場合は、自動化されたトランスフェクション装置の不足のために、手動で実施されることが多い。したがって、ある特定の実施形態は、自動化または半自動化された仕方で、インビボの細胞をトランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集できるシステムに関する。
5-メチルシチジン脱メチル化経路の非標準ヌクレオチドメンバーは、合成RNA内に組み込まれる場合、合成RNAがインビボでタンパク質に翻訳できる効率を増大化させることができ、インビボで合成RNAの毒性を低減させることができることが、現在明らかになっている。これらの非標準ヌクレオチドは、例えば、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-ホルミルシチジン、および5-カルボキシシチジン(別称「シチジン-5-カルボン酸」)を含む。したがって、ある特定の実施形態は、核酸に関する。いくつかの実施形態では、核酸は、インビボで存在する。一実施形態では、核酸は、合成RNA分子である。別の実施形態では、核酸は、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。一実施形態では、核酸は、5-メチルシチジン脱メチル化経路の1つまたは複数の非標準ヌクレオチドメンバーを含む。別の実施形態では、核酸は、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-ホルミルシチジン、および5-カルボキシシチジンまたはそれらの誘導体の内の少なくとも1つを含む。さらなる実施形態では、核酸は、プソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、N4-メチルシチジン、N4-アセチルシチジン、および7-デアザグアノシンまたはそれらの誘導体のうちの少なくとも1つを含む。
ある特定の実施形態は、タンパク質に関する。他の実施形態は、タンパク質をコードする核酸に関する。一実施形態では、タンパク質は目的タンパク質である。別の実施形態では、タンパク質は、リプログラミングタンパク質および遺伝子編集タンパク質から選択される。一実施形態では、核酸は、プラスミドである。別の実施形態では、核酸は、ウイルスにまたはウイルスベクター中に存在する。さらなる実施形態では、ウイルスまたはウイルスベクターは、複製不能である。さらに別の実施形態では、ウイルスまたはウイルスベクターは、複製可能である。一実施形態では、ウイルスまたはウイルスベクターは、アデノウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、ヘルペスウイルス、アデノ随伴ウイルス、またはそれらの天然もしくは遺伝子改変されたバリアント、および遺伝子改変されたウイルスの内の少なくとも1つを含む。
非標準ヌクレオチドのある特定の組み合わせにより、合成RNAがインビボでタンパク質に翻訳できる効率を増大させる点、およびインビボでの合成RNAの毒性を低減させる点で、特に有効であり得ることも明らかになっており、例えば、その組み合わせは、5-メチルウリジンおよび5-メチルシチジン、5-ヒドロキシウリジンおよび5-メチルシチジン、5-ヒドロキシウリジンおよび5-ヒドロキシメチルシチジン、5-メチルウリジンおよび7-デアザグアノシン、5-メチルシチジンおよび7-デアザグアノシン、5-メチルウリジン、5-メチルシチジン、および7-デアザグアノシン、ならびに5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、および7-デアザグアノシンである。したがって、ある特定の実施形態は、5-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、および7-デアザグアノシン、またはそれらの1つまたは複数の誘導体の内の少なくとも2つを含む核酸に関する。他の実施形態は、5-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、および7-デアザグアノシン、またはそれらの1つまたは複数の誘導体の内の少なくとも3つを含む核酸に関する。他の実施形態は、5-メチルウリジン、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、および7-デアザグアノシン、またはそれらの1つまたは複数の誘導体の内の全てを含む核酸に関する。一実施形態では、核酸は、1つまたは複数の5-メチルウリジン残基、1つまたは複数の5-メチルシチジン残基、および1つまたは複数の7-デアザグアノシン残基、または1つまたは複数の5-メチルウリジン残基、1つまたは複数の5-ヒドロキシメチルシチジン残基、および1つまたは複数の7-デアザグアノシン残基を含む。
さらに、ある特定の分率の特定の非標準ヌクレオチドおよびそれらの組み合わせを含有する合成RNA分子は、インビボで特に高い翻訳効率ならびに低い毒性を示し得ることが発見されている。したがって、ある特定の実施形態は、1つまたは複数のウリジン残基、1つまたは複数のシチジン残基、および1つまたは複数のグアノシン残基の内の少なくとも1つを含み、および1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む核酸に関する。一実施形態では、ウリジン残基の約20%~約80%は、5-メチルウリジン残基である。別の実施形態では、ウリジン残基の約30%~約50%は、5-メチルウリジン残基である。さらなる実施形態では、ウリジン残基の約40%は、5-メチルウリジン残基である。一実施形態では、シチジン残基の約60%~約80%は、5-メチルシチジン残基である。別の実施形態では、シチジン残基の約80%~約100%は、5-メチルシチジン残基である。さらなる実施形態では、シチジン残基の約100%は、5-メチルシチジン残基である。さらに別の実施形態では、シチジン残基の約20%~約100%は、5-ヒドロキシメチルシチジン残基である。一実施形態では、グアノシン残基の約20%~約80%は、7-デアザグアノシン残基である。別の実施形態では、グアノシン残基の約40%~約60%は、7-デアザグアノシン残基である。さらなる実施形態では、グアノシン残基の約50%は、7-デアザグアノシン残基である。一実施形態では、シチジン残基の約20%~約80%、または約30%~約60%、または約40%は、N4-メチルシチジンおよび/またはN4-アセチルシチジン残基である。別の実施形態では、各シチジン残基は5-メチルシチジン残基である。さらなる実施形態では、シチジン残基の約100%は、5-メチルシチジン残基および/または5-ヒドロキシメチルシチジン残基、および/またはN4-メチルシチジン残基および/またはN4-アセチルシチジン残基および/またはそれらの1つまたは複数の誘導体である。さらに別の実施形態では、ウリジン残基の約40%は、5-メチルウリジン残基であり、シチジン残基の約20%~約100%は、N4-メチルシチジンおよび/またはN4-アセチルシチジン残基であり、グアノシン残基の約50%は、7-デアザグアノシン残基である。一実施形態では、ウリジン残基の約40%は、5-メチルウリジン残基であり、シチジン残基の約100%は、5-メチルシチジン残基である。別の実施形態では、ウリジン残基の約40%は、5-メチルウリジン残基であり、グアノシン残基の約50%は、7-デアザグアノシン残基である。さらなる実施形態では、シチジン残基の約100%は、5-メチルシチジン残基であり、グアノシン残基の約50%は、7-デアザグアノシン残基である。さらなる実施形態では、ウリジン残基の約100%は、5-ヒドロキシウリジン残基である。一実施形態では、ウリジン残基の約40%は5-メチルウリジン残基であり、シチジン残基の約100%は5-メチルシチジン残基であり、グアノシン残基の約50%は7-デアザグアノシン残基である。別の実施形態では、ウリジン残基の約40%は5-メチルウリジン残基であり、シチジン残基の約20%~約100%は5-ヒドロキシメチルシチジン残基であり、グアノシン残基の約50%は7-デアザグアノシン残基である。いくつかの実施形態では、シチジン残基の100%未満は、5-メチルシチジン残基である。他の実施形態では、シチジン残基の100%未満は、5-ヒドロキシメチルシチジン残基である。一実施形態では、合成RNA分子の各ウリジン残基は、プソイドウリジン残基または5-メチルプソイドウリジン残基である。別の実施形態では、ウリジン残基の約100%は、プソイドウリジン残基および/または5-メチルプソイドウリジン残基である。さらなる実施形態では、ウリジン残基の約100%は、プソイドウリジン残基および/または5-メチルプソイドウリジン残基であり、シチジン残基の約100%は、5-メチルシチジン残基であり、グアノシン残基の約50%は、7-デアザグアノシン残基である。
5-メチルウリジンの代わりに、またはそれと組み合わせて用いることができる他の非標準ヌクレオチドは、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メトキシウリジン、5-メトキシプソイドウリジン、5-カルボキシウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-ホルミルウリジン、5-ホルミルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、および5-メチルプソイドウリジン(別称「1-メチルプソイドウリジン」、別称「N1-メチルプソイドウリジン)」)、またはそれらの1つまたは複数の誘導体を含むが、これらに限定されない。5-メチルシチジンおよび/または5-ヒドロキシメチルシチジンの代わりに、またはそれと組み合わせて用いることができる他の非標準ヌクレオチドは、プソイドイソシチジン、5-メチルプソイドイソシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-ホルミルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-メトキシシチジン、N4-メチルシチジン、N4-アセチルシチジン、またはそれらの1つまたは複数の誘導体を含むが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、例えば、単一のトランスフェクション、注入、または送達のみを実施する場合、あるいはトランスフェクション、注入、または送達される細胞、組織、器官、または患者が、特にトランスフェクション関連の毒性または自然免疫シグナル伝達に対する感受性がない場合、非標準ヌクレオチドの分率を減少させることができる。非標準ヌクレオチドの分率を減少させることは、1つには、非標準ヌクレオチドの分率を減少することにより、核酸のコストを減少させることができるために、有益な場合がある。ある特定の状況では、例えば、核酸の最小の免疫原性が望まれる場合、非標準ヌクレオチドの分率を増大させることができる。
T7 RNAポリメラーゼなどの酵素は、標準および非標準ヌクレオチドの両方を含有するインビトロ転写反応で、標準ヌクレオチドを優先的に組み込む場合がある。その結果、ある特定の分率の非標準ヌクレオチを含有するインビトロ転写反応により、非標準ヌクレオチドが反応に存在した分率と異なる、多くの場合それよりも低い分率の非標準ヌクレオチドを含有するRNAを生じることがある。したがって、ある特定の実施形態では、ヌクレオチド組み込み分率(例えば、「50%の5-メチルウリジン」)への言及は、そのような反応により、非標準ヌクレオチドが反応に存在した分率と異なる分率のヌクレオチドを含有する核酸を得ることがある場合であっても、言及した分率のヌクレオチドを含有する核酸、および言及した分率のヌクレオチド(または、ヌクレオチド誘導体、例えば、ヌクレオチド-三リン酸)を含有する反応で合成される核酸の両方を意味し得る。加えて、異なるヌクレオチド配列は、代替的コドンを利用することにより、同じタンパク質をコードすることができる。したがって、ある特定の実施形態では、ヌクレオチド組み込み分率への言及は、言及した分率のヌクレオチドを含有する核酸、および異なる核酸と同じタンパク質をコードする核酸の両方を意味し得、異なる核酸は、言及した分率のヌクレオチドを含有する。
ある特定の実施形態は、キャップ0、キャップ1、キャップ2、およびキャップ3、またはそれらの誘導体から選択される5′キャップ構造を含む核酸に関する。一実施形態では、核酸は、1つまたは複数のUTRを含む。別の実施形態では、1つまたは複数のUTRは、核酸の安定性を増大させる。さらなる実施形態では、1つまたは複数のUTRは、α-グロビンまたはβ-グロビン5′-UTRを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数のUTRは、α-グロビンまたはβ-グロビン3′-UTRを含む。さらに別の実施形態では、合成RNA分子は、αグロビンまたはβ-グロビン5′-UTR、およびαグロビンまたはβ-グロビン3′-UTRを含む。一実施形態では、5′-UTRは、コザックコンセンサス配列と実質的に同様のコザック配列を含む。別の実施形態では、核酸は、3′ポリAテールを含む。さらなる実施形態では、3′ポリAテールは、約20nt~約250nt、または約120nt~約150ntの長さである。さらなる実施形態では、3′ポリAテールは、約20nt、または約30nt、または約40nt、または約50nt、または約60nt、または約70nt、または約80nt、または約90nt、または約100nt、または約110nt、または約120nt、または約130nt、または約140nt、または約150nt、または約160nt、または約170nt、または約180nt、または約190nt、または約200nt、または約210nt、または約220nt、または約230nt、または約240nt、または約250ntの長さである。
ある特定の実施形態は、核酸薬物、例えば、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含むRNAの製造方法に関する。そのような方法は、実質的に安定的なRNAを生成する。
種々の実施形態では、本方法および組成物は、疾患、障害、および/または状態を治療、予防、または改善するための方法に使用される。例えば、いくつかの実施形態では、種々の有効用量、投与戦略、および製剤を含む、インビボ送達の記載された方法は、治療方法で使用される。
種々の実施形態では、本方法および組成物は、組織を(例えば、美容的に)変更、修正、および/または変化させるための方法に使用される。
種々の実施形態では、本方法および組成物は、合成RNAを含む核酸薬物を、本明細書に記載される疾患、障害、および/または状態を診断、治療、予防、または回復させるために使用することを含む。種々の実施形態では、本方法および組成物は、合成RNAを含む核酸薬物を、組織を(例えば、美容的に)変更、修正、および/または変化させるために使用することを含む。
一般的に言えば、種々の実施形態では、本明細書に記載されるような合成RNAは、本明細書に記載される特定用量でヒトに投与され、合成RNAは、配列(治療用タンパク質であり得る目的タンパク質をコードする標的配列と呼ばれることもある)を含む。
標準ヌクレオチドのみを含む合成RNAは、パターン認識受容体に結合して、病原体結合分子パターンとして認識され、細胞において強力な免疫応答を誘発する場合があり、これにより、翻訳遮断、炎症性サイトカインの分泌、および細胞死をもたらし得る。今や、ある特定の非標準ヌクレオチドを含む合成RNAは、自然免疫系による検出を回避することができ、例えば、ヒト中でタンパク質に高効率で翻訳できることが明らかになっている。さらに、本明細書に記載される非標準ヌクレオチドの内の少なくとも1つ、例えば、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-メトキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-メトキシプソイドウリジン、および5-ホルミルプソイドウリジンの群の内の1つを含む合成RNAは、自然免疫系による検出を回避することができ、例えば、ヒト中でタンパク質に高効率で翻訳できることが明らかにされている。したがって、ある特定の実施形態は、合成RNAと細胞を接触させることを含む、目的タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。他の実施形態は、1つまたは複数の合成RNA分子を含む溶液と細胞を接触させることを含む、合成RNAで細胞をトランスフェクションするための方法に関する。さらに他の実施形態は、合成RNAを患者に投与することを含む、患者を治療する方法に関する。一実施形態では、合成RNAは、本明細書に記載される非標準ヌクレオチドの内の少なくとも1つ、例えば、5-メチルシチジン、5-ヒドロキシシチジン、5-ヒドロキシメチルシチジン、5-カルボキシシチジン、5-ホルミルシチジン、5-メトキシシチジン、プソイドウリジン、5-ヒドロキシウリジン、5-メチルウリジン、5-ヒドロキシメチルウリジン、5-カルボキシウリジン、5-メトキシウリジン、5-ホルミルウリジン、5-ヒドロキシプソイドウリジン、5-メチルプソイドウリジン、5-ヒドロキシメチルプソイドウリジン、5-カルボキシプソイドウリジン、5-メトキシプソイドウリジン、および5-ホルミルプソイドウリジンの群の内の1つを含む。別の実施形態では、合成RNAは、目的タンパク質をコードする。代表的RNAは、本明細書に記載される任意の目的タンパク質の発現に関するものを含む、本明細書の他の場所に記載されるような非標準および非標準ヌクレオチドの組み合わせおよびレベルを含有してもよい。さらに別の実施形態では、方法は、目的タンパク質の発現をもたらす。さらなる実施形態では、方法は、患者の皮膚において、目的タンパク質の発現をもたらす。
他の実施形態は、インビボの細胞に核酸を送達するための方法に関する。さらに他の実施形態は、目的タンパク質を発現させるようにインビボの細胞を誘導するための方法に関する。さらに他の実施形態は、患者を治療するための方法に関する。一実施形態では、方法は、角質層を破壊することを含む。別の実施形態では、方法は、核酸と細胞を接触させることを含む。さらに別の実施形態では、方法は、核酸を内在化する細胞をもたらす。さらなる実施形態では、方法は、目的タンパク質を発現する細胞をもたらす。さらに別の実施形態では、方法は、患者において、目的タンパク質の発現をもたらす。さらに別の実施形態では、方法は、患者の症状の内の1つまたは複数の改善をもたらす。さらに別の実施形態では、患者は、目的タンパク質を必要としている。さらに別の実施形態では、患者は、目的タンパク質が欠損している。
さらに他の実施形態は、組成物を患者に送達することを含む患者を治療するための方法に関する。一実施形態では、組成物は、イオン交換樹脂または活性炭で処理されたアルブミンを含む。別の実施形態では、組成物は、1つまたは複数の核酸分子を含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つは、目的タンパク質をコードする。一実施形態では、方法は、患者の皮膚において、タンパク質の発現をもたらす。別の実施形態では、方法は、患者において、治療的または美容的有効量の目的タンパク質の発現をもたらす。さらに別の実施形態では、方法は、ステロイドを投与することを含む。さらなる実施形態では、ステロイドは、ヒドロコルチゾンおよびデキサメタゾンの群の内の1つである。
いくつかの実施形態は、1つまたは複数のタンパク質をコードする核酸分子を含む治療用組成物および/または方法に関し、1つまたは複数のタンパク質の内の少なくとも1つは、細胞外マトリックスタンパク質である。さらに他の実施形態は、1つまたは複数のタンパク質をコードする核酸分子を含む化粧品組成物に関し、1つまたは複数のタンパク質の内の少なくとも1つは、細胞外マトリックスタンパク質である。
色素沈着障害は、患者において、重篤な症状を引き起こす場合がある。色素沈着障害は、チロシナーゼをコードする核酸を患者に送達することにより治療できることが現在発見されている。したがって、ある特定の実施形態は、色素沈着障害を治療するための方法に関する。他の実施形態は、患者の色素沈着を変更するための方法に関する。一実施形態では、方法は、チロシナーゼをコードする核酸を患者に送達することを含む。他の実施形態は、チロシナーゼをコードする核酸を含む化粧品組成物に関する。さらに他の実施形態は、チロシナーゼをコードする核酸を含む治療用組成物に関する。さらに他の実施形態は、患者の皮膚の紫外線吸収を増大させるための方法に関する。一実施形態では、方法は、チロシナーゼをコードする核酸を患者に送達することを含む。別の実施形態では、方法は、患者の皮膚の紫外線吸収における増大をもたらす。さらに他の実施形態は、紫外線に曝露する際のヒトの皮膚の光損傷を減少させるための方法に関する。一実施形態では、方法は、紫外線に曝露する際のヒトの皮膚の光損傷の減少をもたらす。さらに他の実施形態は、色素性乾皮症を治療するための方法に関する。一実施形態では、方法は、チロシナーゼをコードする核酸を患者に送達することを含む。さらに他の実施形態は、表皮水疱症を治療するための方法に関する。一実施形態では、方法は、ケラチン5、ケラチン14、プレクチン、インテグリンファミリーメンバー、ラミニン、ラミニンサブユニット、XVII型コラーゲン、VII型コラーゲン、またはそれらの生物学的に活性な断片、バリアント、類似体またはファミリーメンバーの内の1つまたは複数をコードする核酸を患者に送達することを含む。一実施形態では、方法は、VII型コラーゲンをコードする核酸を患者に送達することを含む。別の実施形態では、方法は、メラノコルチン1受容体をコードする核酸を患者に送達することを含む。さらに他の実施形態は、乾燥症を治療するための方法に関する。一実施形態では、方法は、ヒアルロン酸合成酵素をコードする核酸を患者に送達することを含む。別の実施形態では、患者は、アトピー性皮膚炎と診断されている。さらに別の実施形態では、患者は、魚鱗癬と診断されている。ある特定の実施形態は、美容的状態を治療するための方法に関する。他の実施形態は、組織治癒を誘導するための方法に関する。一実施形態では、方法は、ヒアルロン酸合成酵素をコードする核酸を患者に送達することを含む。別の実施形態では、美容的状態は、しわ、たるみ肌、薄い皮膚、変色、および乾燥肌の群の内の1種である。さらに別の実施形態では、患者は、白内障手術を受けている。いくつかの実施形態では、核酸は、合成RNAである。他の実施形態では、方法は、患者の症状の内の1つまたは複数の改善をもたらす。他の実施形態は、タンパク質またはペプチドをコードする核酸を細胞または患者に送達することにより、適応症を治療するための方法に関する。さらに他の実施形態は、タンパク質またはペプチドをコードする核酸を含む組成物に関する。本発明の方法および組成物を用いて治療できる適応症、ならびに本発明の組成物によりコードすることができるタンパク質およびペプチドは、表2Aおよび/または表2Bに記載され、これらは制限のためでなく例示のために提供されている。一実施形態では、適応症は、表2Aおよび/または表2Bから選択される。別の実施形態では、タンパク質またはペプチドは、表2Aおよび/または表2Bから選択される。さらに別の実施形態では、適応症およびタンパク質またはペプチドは、表2Aおよび/または表2Bの同じ行から選択される。さらなる実施形態では、目的タンパク質は、UCP1、UCP2、およびUCP3の群の内の1つである。他の実施形態は、複数の目的タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。一実施形態では、目的タンパク質は、リパーゼ、UCP1、UCP2、およびUCP3の群の内の少なくとも2つを含む。別の実施形態では、目的タンパク質は、リパーゼならびにUCP1、UCP2、およびUCP3の群の内の1つを含む。別の実施形態では、タンパク質は、遺伝子編集タンパク質である。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、少なくとも部分的に疾患表現型の原因となる遺伝子を標的とする。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、表2Aおよび/または表2Bから選択されるタンパク質をコードする遺伝子を標的とする。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、単独または1つまたは複数の他の分子または遺伝子編集タンパク質との組み合わせのいずれかで、少なくとも部分的に疾患の表現型の原因となる変異を修正または削除する。
種々の実施形態では、本発明は、表2Aおよび/または表2Bに開示されたタンパク質のいずれかの前駆体型および/または成熟型および/またはアイソフォームおよび/または変異体、およびそのようなタンパク質を標的とすることを意図している。いくつかの実施形態では、前駆体型および/または成熟型および/またはアイソフォームおよび/または変異体のいずれかは、対応する野生型タンパク質と比較して分泌が強化されている。いくつかの実施形態では、前駆体型および/または成熟型および/またはアイソフォームおよび/または変異体のいずれかは、半減期(例えば、血清、血漿、細胞内)が変化している-例えば、半減期が長くまたは短くなっている。いくつかの実施形態では、これは、野生型と比較してである。
本発明の追加の代表的目的物は、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/151671号の表6に記載された化粧用品を含む。
種々の実施形態では、本発明の薬剤は、ヒトの外皮系に作用させるための方法に使用される。本組成物および方法は、生物学的および/または生理学的プロセスを変更するために用いてもよい。例えば、皮膚のたるみを減少させるため、皮膚の厚みを増大させるため、皮膚のボリュームを増大させるため、しわの数、しわの長さおよび/またはしわの深さを減少させるため、皮膚のはり、硬さ、色調、および/または弾力性を増大させるため、皮膚の水和ならびに水分、水流、および浸透性バランスを保持する能力を増大させるため、皮膚脂質のレベルを増大させるためと、細胞外マトリックスおよび/または接着および伝達ポリペプチドを増大させるためと、皮膚のエネルギー生成、利用、および保全を増大させるためと、酸素利用能を改善するためと、皮膚細胞の寿命を改善するためと、皮膚細胞の免疫防御、熱ショックストレス応答、フリーラジカルを中和する抗酸化防御能力、および/または毒物防御を改善するためと、紫外線からの保護と回復を改善するためと、皮膚細胞の伝達および皮膚細胞の神経刺激伝達を改善するためと、細胞粘着/接着を改善するためと、カルシウムミネラルおよび他のミネラル代謝を改善するためと、細胞のターンオーバーを改善するためと、細胞の概日リズムを改善するために用いてもよい。
さらにまた、いくつかの実施形態では、本組成物は、疾患、障害および/もしくは状態を治療、制御、または予防するために用いてもよく、ならびに/または疾患、障害および/もしくは状態に罹患している対象の外皮系の構成部分の外観を、変更する、修正する、もしくは変化させてもよく、これらの疾患、障害および/または状態は、尋常性座瘡、夏期座瘡、集簇性座瘡、化粧剤性座瘡、電撃性座瘡、項部のケロイド性座瘡、機械的座瘡、薬物性座瘡、粟粒性壊疽性座瘡、壊疽性座瘡、酒さ性座瘡、日光角化症、尋常性座瘡、夏期座瘡、集簇性座瘡、化粧剤性座瘡、電撃性座瘡、項部のケロイド性座瘡、機械的座瘡、薬物性座瘡、粟粒性壊疽性座瘡、壊疽性座瘡、酒さ性座瘡、急性蕁麻疹、アレルギー性接触皮膚炎、円形脱毛症、血管浮腫、足白癬、アトピー性皮膚炎、自家感作性皮膚炎、新生児座瘡(baby acne)、脱毛、ブラストミセス症(bastomycosis)、黒色面皰、母斑および他の皮膚色素沈着障害、おでき、挫傷、虫咬傷および虫刺傷、熱傷、蜂巣炎、ツツガムシ、塩素座瘡、コリン性蕁麻疹またはストレス蕁麻疹(uricara)、慢性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、融合性細網状乳頭腫症、魚の目、嚢胞、頭部粃糠疹、疱疹性皮膚炎、皮膚描記症、汗疱状湿疹、おむつかぶれ、乾燥肌、発汗異常症、発汗減少性外胚葉異形成症(hyprohidrotic ectodermal dysplasia)およびX連鎖発汗減少性外胚葉異形成症などの外胚葉異形成症、湿疹、疣贅状表皮発育異常症(epidermaodysplasia)、結節性紅斑、皮膚剥離座瘡、運動誘導アナフィラキシー性毛包炎、皮脂過剰、毛嚢炎、雀卵斑、凍瘡、爪白癬、毛髪密度、毛髪成長速度、ハロゲン座瘡、脱毛症、汗疹、血腫、単純ヘルペス感染症(例えば非生殖器)、化膿性汗腺炎、蕁麻疹性丘疹、多汗症、色素沈着過剰、発汗減少症性外胚葉性異形成、色素脱失症、膿痂疹、内方発育毛、熱蕁麻疹、陥入爪、小児座瘡または新生児座瘡(neonatal acne)、掻痒、刺激性接触皮膚炎、いんきんたむし、ケロイド、毛孔性角化症、扁平苔癬、硬化性苔癬、顔面播種状粟粒性狼瘡、肝斑、黒子、伝染性軟属腫、爪成長速度、爪健康状態、神経皮膚炎、貨幣状湿疹、職業性座瘡、油性座瘡、爪真菌症、物理的蕁麻疹、毛巣嚢胞、ばら色粃糠疹、癜風、ウルシかぶれ、ポマード座瘡、須毛部仮性毛包炎または項部のケロイド性座瘡、乾癬、乾癬性関節炎、圧蕁麻疹または遅延性圧蕁麻疹、切傷および擦り傷などの刺傷、発疹、希少蕁麻疹または水蕁麻疹、鼻形成術、白癬、酒さ、ロスムンド・トムソン症候群、皮膚のたるみ、疥癬(scabis)、瘢痕、脂漏症、脂漏性皮膚炎、帯状疱疹、皮膚癌、糸状線維腫、太陽蕁麻疹、クモ咬症、伸展線、日光皮膚炎、タール座瘡、局所的アクネ、皮膚菲薄化、鷲口瘡、癜風、一過性棘融解性皮膚症、座瘡壊死汗疹または粟粒性壊疽性座瘡、肌のくすみ、静脈瘤、静脈性湿疹、振動性血管性浮腫、白斑、いぼ、ウェーバー・クリスチャン病、しわ、X連鎖発汗減少性外胚葉性形成異常、乾燥性湿疹、酵母感染症、ならびに老化の一般徴候などであるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本組成物で乾燥肌を治療、制御、または予防する方法が提供される。いくつかの実施形態では、プロフィラグリン(フィラグリンに転化されたタンパク質)が、目的タンパク質である(例えば、尋常性魚鱗癬を治療する場合)。
いくつかの実施形態では、様々な種類の乾癬(例えば、尋常性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、逆乾癬、および乾癬性紅皮症)の内の任意の1つを治療、制御、または予防する方法が提供される。種々の実施形態では、目的タンパク質は、乾癬感受性遺伝子1~9(PSORSI~PSORS9)のいずれかの産物である。
種々の実施形態は、湿疹(例えば、アトピー性皮膚炎、貨幣状湿疹、汗疱状湿疹、脂漏性皮膚炎、刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、発汗異常症、静脈性湿疹、疱疹性皮膚炎、神経皮膚炎、自家感作性皮膚炎、および乾燥性湿疹)の治療、制御、または予防に関し、場合により、次の内の1つまたは複数を標的としてもよい。フィラグリン、湿疹と関連している3つの遺伝子バリアント、OVO様1(OVOL1)、アクチン様9(ACTL9)、およびキネシンファミリーメンバー3A(KIF3A)、ならびに遺伝子脳由来神経栄養因子(BDNF)およびタキキニン、前駆体1(TAC1)。
急性蕁麻疹、慢性蕁麻疹(urticara)および血管浮腫、物理的蕁麻疹、圧蕁麻疹または遅発性圧蕁麻疹、コリン性蕁麻疹またはストレス蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、熱蕁麻疹、太陽蕁麻疹、希少蕁麻疹または水蕁麻疹、振動血管浮腫、運動誘発性アナフィラキシー(anaphylasis)および皮膚描記症を含むがこれらに限定されない、発疹または蕁麻疹は、例えば、PLCG-2を標的とすることにより、本組成物で治療し得る。
種々の実施形態は、紅斑毛細血管拡張型(erthematotelangiectatic)酒さ、丘疹膿疱型酒さ、瘤腫型酒さ、および眼型酒さを含むがこれらに限定されない、酒さの治療、制御、または予防に関する。場合により、カテリシジン抗菌ペプチド(CAMP)および/またはカリクレイン関連ペプチダーゼ5(別名、角質トリプシン酵素(SCTE))が、目的タンパク質である。
いくつかの実施形態では、本組成物で座瘡を治療、制御、または予防する方法が提供される。例えば、座瘡は、座瘡様発疹、夏期座瘡、集簇性座瘡、化粧剤性座瘡、電撃性座瘡、項部のケロイド性座瘡、機械的座瘡、薬物性座瘡、粟粒性壊疽性座瘡、壊疽性座瘡、酒さ性座瘡、新生児座瘡(baby acne)、黒色面皰、塩素座瘡、皮膚剥離座瘡、ハロゲン座瘡、小児座瘡または新生児座瘡(neonatal acne)、顔面播種状粟粒性狼瘡、職業性座瘡、油性座瘡、ポマード座瘡、タール座瘡、局所的アクネ、座瘡壊死汗疹または粟粒性壊疽性座瘡、須毛部仮性毛包炎または項部のケロイド性座瘡、および化膿性汗腺炎を含んでもよいが、これらに限られない。これらの実施形態においては、目的タンパク質は、1つまたは複数のマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)、例えば、マトリックスメタロプロテアーゼ-1(MMP-1または間質コラゲナーゼ)、マトリックスメタロプロテアーゼ-9(MMP-9)、およびマトリックスメタロプロテアーゼ-13(MMP-13)であってもよい。
さらなる実施形態では、白斑が、例えば、NLRファミリー、ピリンドメイン含有1(NALP1)遺伝子を標的とする本組成物で治療される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、例えば、エクトジスプラシンA遺伝子(EDA)、受容体(EDAR)、および受容体関連デスドメイン(EDARADD)を介して、発汗減少性外胚葉異形成症(HED)の治療、制御、または予防に使用される。
いくつかの実施形態では、本組成物は、脱毛または毛髪菲薄化(例えば、男性型脱毛症またはアンドロゲン性脱毛症(AGA))の治療、制御、または予防に使用され、場合により、次の内の1つまたは複数が、目的タンパク質であってもよい。アンドロゲン受容体(AR)、エクトジスプラシンA2受容体(EDA2R)、およびリゾホスファチジン酸受容体6(P2RY5)。
本組成物はさらに、例えば、コラーゲン、リボソームs6キナーゼ、分泌リンタンパク質1(オステオポンチンとしても知られる)、またはトランスフォーミング成長因子β3を介した、瘢痕および伸展線(皮膚線条)を治療、制御、または予防する方法に使用される。
さらに、疣贅状表皮発育異常症(別名、ルッツ-レバンドウスキー表皮異形成)は、希少常染色体性劣性遺伝子の遺伝性皮膚障害であり、例えば、標的とされる膜貫通チャネル様6(EVER1)または膜貫通チャネル様8(EVER2)遺伝子により、本発明の組成物で同様に治療し得る。
いくつかの実施形態では、皮膚のたるみ、菲薄化、またはしわを、例えば、コラーゲン、エラスチン、線維芽細胞成長因子7、TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤、マトリックスメタロペプチダーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、および他の細胞外マトリックスタンパク質、ならびにプロテオグリカンなどの目的タンパク質の内の1つまたは複数を標的とすることにより、本組成物で治療、制御、または予防し得る。
さらなる実施形態は、例えば、メラノサイト刺激ホルモンおよび/またはプロオピオメラノコルチンを介する皮膚の日焼けに用いられる。
いくつかの実施形態では、本組成物は、創傷治療のために用いてもよい。いくつかの実施形態では、本組成物で創傷を治療、制御、または予防する方法は、追加のステップを含み、例えば、挫滅壊死組織切除、鋭利挫滅壊死組織切除(創傷からの死んだまたは感染した組織の外科的除去)を含むがこれらに限定されない、壊死組織を除去するための、酵素などの化学的排膿促進薬を任意に含む、創傷治癒および閉創を容易にするための創傷床を洗浄することと、創傷に湿った暖かい環境を提供するための、ならびに組織の修復および治癒を促進するための創傷被覆材(例えば、ヒドロゲルを含む創傷被覆材(例えば、AQUASORB、DUODERM)、親水コロイドを含む創傷被覆材(例えば、AQUACEL、COMFEEL)、発泡体を含む創傷被覆材(例えば、LYOFOAM、SPYROSORB)、およびアルギネートを含む創傷被覆材(例えば、ALGISITE、CURASORB)と、細胞分裂および増殖を刺激するための、および創傷治癒を促進するための成長因子、例えば、ベカプレルミンの投与と、ならびに(iv)軟組織創傷被覆(きれいで治癒していない創傷の被覆を得るために、皮膚移植を必要とすることがある(例えば、自家皮膚移植、死体皮膚移植、生物工学による皮膚代用品(例えば、APLIGRAF、DERMAGRAFT))である。
種々の実施形態では、本明細書に記載される核酸薬物は、限定されないが、皮膚移植、および美容外科または整形手術を伴う外科手術(例えば、眼瞼形成術、鼻形成術、しわ切除、オトガイ形成術、顔面インプラント、耳形成術、植毛、口唇裂、および口蓋裂の修復を含むがこれらに限定されない、顔の整形手術手順、および/または腹壁形成術、上腕形成術、太もものリフト、乳房縮小術、豊胸術、体形矯正、脂肪吸引、手の外科手術を含むがこれらに限定されない、体の整形手術)を含む種々の美容/整形外科手術において使用できる。
種々の実施形態では、種々の癌(例えば、結腸直腸癌、胆嚢癌、肺癌、膵臓癌、および胃癌)が、本組成物で治療、制御、または予防される。いくつかの実施形態では、皮膚癌が、本組成物で治療される。例えば、皮膚癌は、日光角化症、基底細胞癌、黒色腫、カポジ肉腫、および扁平上皮癌の内の1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、周辺末梢断端および深部断端評価(circumferential peripheral and deep margin assessment)、モース手術、放射線照射(例えば、外部ビーム放射線療法または近接照射療法)、化学療法(例えばイミキモドまたは5-フルオロウラシルでの局所的な化学療法を含むがこれらに限定されない)、ならびに寒冷療法を完成させるための補助薬として用いられる。本組成物はさらに、対がん米国合同委員会(AJCC)TNMシステムのステージ(例えば、TX、T0、Tis、T1、T1a、T1b、T2、T2A、T2B、T3、T3a、T3b、T4、T4a、T4b、NX、N0、N1、N2、N3、M0、M1a、M1b、M1cの内の1つまたは複数)および/または、病期分類システム(例えば、ステージ0、ステージIA、ステージIB、ステージIIA、ステージIIB、ステージIIC、ステージIIIA、ステージIIIB、ステージIIIC、ステージIV)などの皮膚癌(例えば、基底細胞癌(BCC)、扁平上皮細胞癌(SCC)および黒色腫)を含む、種々のステージの癌の治療に使われる。
本発明の代表的な癌および/または腫瘍としては、基底細胞癌、胆道癌と、膀胱癌と、骨癌と、脳および中枢神経系の癌、乳癌、腹膜癌、子宮頚癌、絨毛癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化器系の癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部癌、胃癌(胃腸癌を含む)、神経膠芽腫、肝癌、肝細胞癌、上皮内腫瘍、腎癌(kidney cancer)または腎癌(renal cancer)、喉頭癌、白血病、肝臓癌、肺癌(例えば、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、肺の腺癌、および肺の扁平上皮癌)、黒色腫、骨髄腫、神経芽腫、口腔癌(唇、舌、口、および咽頭)、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、直腸癌、呼吸器系の癌、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、扁平上皮癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、子宮癌または子宮内膜癌、泌尿器系の癌、外陰癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫、およびB細胞リンパ腫(軽度悪性リンパ腫/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)を含む)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞NHL、高悪性度リンパ腫NHL、高悪性度小非分割細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、マントル細胞リンパ腫、エイズ関連リンパ腫、およびワルデンストレームマクログロブリン血症、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛髪様細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病、ならびに他の癌腫および肉腫、ならびに移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、ならびに母斑症関係した異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍と関係しているものなど)、およびメーグス症候群が挙げられるが、これらに限定されない。
種々の実施形態では、1つまたは複数の希少疾患が、本組成物で治療、制御、または予防され、実例としては、赤血球産生性プロトポルフィリン症、ヘイリー・ヘイリー病、表皮水疱症(EB)、色素性乾皮症、エーラス-ダンロス症候群、皮膚弛緩症、プロテインC・プロテインS欠乏、アルポート症候群、線条掌蹠角皮症、致死性棘融解EB、弾力線維性偽性黄色腫(PXE)、尋常性魚鱗癬、尋常性天疱瘡、および基底細胞母斑症候群が挙げられる。
種々の実施形態では、本組成物は、炎症、急性炎症、慢性炎症、呼吸器系疾患、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、敗血症ショック、関節リウマチ、炎症性腸疾患、炎症性骨盤疾患、疼痛、目の炎症性疾患、セリアック病、リー症候群、グリセロールキナーゼ欠乏、家族性好酸球増加症(FE)、常染色体劣性痙性運動失調、喉頭炎症性疾患と、結核、慢性胆嚢炎、気管支拡張症、珪肺症、および他の塵肺症などの1つまたは複数の炎症性疾患または状態を治療、制御、または予防するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物は、多発性硬化症、糖尿病、狼瘡、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、強皮症、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫、自己免疫性てんかん、ラスムッセン脳炎、原発性胆道硬化症、硬化性胆管炎、自己免疫性肝炎、アジソン病、橋本甲状腺炎、線維筋痛症、メニエール症候群、移植拒絶反応(例えば、同種移植反応の予防)、悪性貧血、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、紅斑性狼瘡、多発性硬化症、重症筋無力症、ライター症候群、グレーブス病、および他の自己免疫性疾患などの1つまたは複数の自己免疫性疾患または状態を治療、制御、または予防するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物は、ADHD、AIDS-神経合併症、透明中隔欠損、後天性てんかん様失語症、急性散在性脳脊髄炎、副腎白質ジストロフィー、脳梁欠損症、失認症、アイカルディ症候群、アレキサンダー病、アルパース病、交代性片麻痺、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、無脳症、動脈瘤、アンジェルマン症候群、血管腫症、無酸素症、失語症、失行症、くも膜嚢胞、くも膜炎、アーノルド・キアリ奇形、動静脈奇形、アスパルテーム、アスペルガー症候群、毛細血管拡張性運動失調症、運動失調症、注意欠陥多動性障害、自閉症、自律神経機能障害、背痛、バース症候群、バッテン病、ベーチェット病、ベル麻痺、良性特発性眼瞼痙攣、良性局所性筋萎縮症、良性頭蓋内圧亢進症、ベルンハルト・ロート症候群、ビンスワンガー病、眼瞼痙攣、ブロッホ・サルツバーガー症候群、腕神経叢分娩外傷、腕神経叢外傷、ブラッドバリ・エグルストン症候群、脳動脈瘤、脳損傷、脳および脊髄腫瘍、ブラウン-セカール症候群、球脊髄型筋萎縮症、カナバン病、手根管症候群、灼熱痛、海綿腫、海綿状血管腫、海綿状奇形、頸髄中心症候群、脊髄中心症候群、中枢痛症候群、頭部障害、小脳変性症、小脳形成不全、脳動脈瘤、脳動脈硬化症、脳萎縮症、脳性脚気、脳性巨人症、脳低酸素症、脳性小児麻痺、COFS(脳・眼・顔・骨格)症候群、シャルコー・マリー・トゥース病、キアリ奇形、舞踏病、有棘赤血球舞踏病、慢性炎症性脱髄性多発神経障害(CIDP)、慢性起立不耐症、慢性疼痛、II型コケイン症候群、コフィンローリー症候群、遅延性植物状態を含む昏睡、複合性局所疼痛症候群、先天性両側顔面神経麻痺、先天性筋疾患、先天性筋障害、先天性血管海綿状奇形、大脳皮質基底核変性症、頭部動脈炎、頭蓋骨癒合症、クロツフェルト・ヤコブ病、蓄積外傷疾患、クッシング症候群、巨大細胞性封入体症(CIBD)、サイトメガロウイルス感染、ダンシングアイズ-ダンス足症候群、ダンディ・ウォーカー症候群、ドーソン病、ド・モルシエ症候群、デジェリン-クルムプケ麻痺、多発梗塞性認知症、皮質下認知症、レビー小体認知症、皮膚筋炎、発達性行動不全、デビック症候群、糖尿病性神経障害、びまん性硬化症、ドラベ症候群、自律神経障害、書字障害、失読症、嚥下障害、行動不全、筋失調症、早期幼児てんかん性脳症、トルコ鞍空虚症候群、嗜眠性脳炎、脳炎および髄膜炎、脳ヘルニア、脳障害、脳三叉神経領域血管腫症、てんかん、エルブ麻痺、エルブ・デュシェーヌおよびデジェリン-クルムプケ麻痺、ファブリー病、ファール症候群、失神、家族性自律神経失調症、家族性血管腫、家族性特発性基底核石灰化、家族性痙攣性麻痺、熱性発作(例えば、GEFSおよびGEFS+)、フィッシャー症候群、フロッピーインファント症候群、フリードライヒ運動失調症、ゴーシェ病、ゲルストマン症候群、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、巨細胞性動脈炎、巨大細胞性封入体症、球様細胞白質萎縮症、舌咽神経痛、ギラン・バレー症候群、HTLV-1関連脊髄症、ハラーフォルデン・スパッツ病、頭部損傷、頭痛、持続性片側頭痛、片側顔面痙攣、交代性片麻痺、遺伝性ニューロパシー、遺伝性痙性対麻痺、遺伝性多発神経炎性失調、耳帯状疱疹、帯状疱疹、ヒラヤマ症候群、全前脳症、ハンチントン病、内水頭症、正常圧水頭症、水頭症、水脊髄症、副腎皮質機能亢進症、過眠症、筋緊張亢進症、低血圧症、低酸素症、免疫介在性脳脊髄症、封入体筋炎、色素失調症、小児低血圧症、小児フィタン酸蓄積症、小児レフサム病、小児痙攣、炎症性筋疾患、腸性脂肪異栄養症、頭蓋内嚢胞、頭蓋内圧亢進、アイザック症候群、ジュベール症候群、カーンズ・セイアー症候群、ケネディ病、キンズボーン症候群、クライネ・レヴィン症候群、クリッペル・ファイル症候群、クリッペル・トレノネー症候群(KTS)、クリューバー・ビューシー症候群、コルサコフ健忘症候群、クラッベ病、クーゲルバーグ・ウェランダー病、クールー、ランバート・イートン筋無力症候群、ランダウ・クレフナー症候群、外側大腿皮神経絞扼、外側髄症候群、学習障害、リー症候群、レノックス・ガストー症候群、レッシュ・ナイハン症候群、大脳白質萎縮症、レバイン・クリッチュリー症候群、レビー小体認知症、脳回欠損、閉じ込め症候群、ルー・ゲーリック病、狼瘡-神経学的後遺症、ライム病-神経合併症、マシャド・ジョセフ病、大脳髄症、巨大脳髄症、メルカーソン・ローゼンタール症候群、髄膜炎、メンケス病、知覚異常性大腿神経痛、異染性白質萎縮症、小頭症、片頭痛、ミラー・フィッシャー症候群、小卒中、ミトコンドリア性筋障害、メビウス症候群、単肢筋萎縮症、運動ニューロン疾患、もやもや病、ムコ脂質症、ムコ多糖症、多発梗塞性認知症、多巣性運動神経障害、多発性硬化症、起立性低血圧を伴う多系統萎縮症、多系統萎縮症、筋ジストロフィー、先天性筋無力症、重症筋無力症、髄鞘破壊性びまん性硬化症、小児ミオクローヌス脳症、ミオクローヌス、先天性筋疾患、甲状腺中毒性筋疾患、筋疾患、先天性ミオトニー、ミオトニー、ナルコレプシー、神経有棘赤血球症、脳への鉄の蓄積による神経変性、神経線維腫症、神経弛緩薬性悪性症候群、AIDSの神経合併症、ポンペ病の神経症状、視神経脊髄炎、神経性筋強直症、神経性セロイドリポフスチン症、ニューロン移動障害、遺伝性神経障害、神経サルコイドーシス、神経毒症状、海綿状母斑、ニーマン・ピック病、オサリバン・マクラウド症候群、後頭神経痛、潜在性脊椎管癒合異常続発、大田原症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、眼球クローヌスミオクローヌス、起立性低血圧症、使い過ぎ症候群、慢性疼痛、腫瘍随伴性症候群、知覚障害、パーキンソン病、先天性異常筋強直症、発作性舞踏病アテトーゼ、発作性片側頭痛、パリー・ロンバーグ病、ペリツェウス・メルツバッハー病、ペナショッカーII型症候群、神経周囲嚢胞、周期性四肢麻痺、末梢神経障害、脳室周囲白質軟化症、遷延性植物状態、広汎性発達障害、フィタン酸蓄積症、ピック病、梨状筋症候群、下垂体部腫瘍、多発性筋炎、ポンペ病、孔脳症、ポリオ後症候群、ヘルペス後神経痛、感染後脳脊髄炎、起立性低血圧、体位性起立頻脈症候群、体位性頻脈症候群、原発性側索硬化症、プリオン病、進行性顔面片側萎縮症、進行性脊髄癆、進行性多巣性白質脳症、進行性硬化性灰白質ジストロフィー、進行性核上麻痺、偽脳腫瘍、ピリドキシン依存性およびピリドキシン応答性発作性疾患、ラムゼイ・ハント症候群I型、ラムゼイ・ハント症候群II型、ラスムッセン脳炎および他の自己免疫性てんかん、反射性交感神経性ジストロフィー症候群、小児レフサム病、レフサム病、反復運動障害、反復運動過多損傷、下肢静止不能症候群、レトロウイルス関連脊髄症、レット症候群、ライ症候群、ライリー・デイ症候群、SUNCT頭痛、仙椎神経根嚢胞、舞踏病、唾液腺病、サンドホフ病、シルダー病、裂脳症、発作性疾患、中隔視神経異形成、小児重症ミオクローヌスてんかん(SMEI)、揺さぶられっ子症候群、帯状疱疹、シャイ・ドレーガー症候群、シェーグレン症候群、睡眠時無呼吸、嗜眠性脳炎、ソトス症候群、痙縮、脊椎披裂、脊髄梗塞、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脊髄性筋萎縮症、脊髄小脳萎縮症、スティール・リチャードソン・オルゼウスキー症候群、全身硬直症候群、線条体黒質変性症、卒中、スタージ・ウェーバー症候群、亜急性硬化性全脳炎、皮質下動脈硬化性脳症、嚥下障害、シデナム舞踏病、失神、梅毒性脊髄硬化症、水脊髄空洞症、脊髄空洞症、全身性エリテマトーデス、脊髄癆、遅発性ジスキネジア、ターロブ嚢胞、テイ・サックス病、側頭動脈炎、脊髄係留症候群、トムセン病、胸郭出口症候群、甲状腺中毒性筋疾患、疼痛性チック、トッド麻痺、トゥレット症候群、一過性脳虚血発作、伝達性海綿状脳症、横断性脊髄炎、外傷性脳損傷、振戦、三叉神経痛、熱帯性痙性不全対麻痺、結節硬化症、血管拡張性腫瘍、側頭動脈炎を含む血管炎、フォン-エコーノモ病、フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)、フォン・レックリングハウゼン病、ワレンベルグ症候群、ウェルドニッヒ・ホフマン病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、ウェスト症候群、ウィップル病、ウィリアムス症候群、ウィルソン病、X連鎖性脊髄および延髄性筋萎縮症、およびツェルヴェーガー症候群を含む1種または複数の神経疾患を治療、制御、または予防するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物は、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支拡張症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、肺血管収縮、炎症、アレルギー、呼吸障害、呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、肺高血圧症、肺血管収縮、肺気腫、ハンタウイルス肺症候群(HPS)、レフラー症候群、グッドパスチャー症候群、胸膜炎、肺炎、肺水腫、肺線維症、サルコイドーシス、呼吸器合胞体ウイルス感染に伴う合併症、および他の呼吸器疾患などの1つまたは複数の呼吸器疾患を治療するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物は、冠動脈心疾患(CHD)、脳血管疾患(CVD)、大動脈弁狭窄、末梢血管疾患、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、心筋梗塞(心臓発作)、脳血管疾患(卒中)、一過性脳虚血発作(TIA)、(安定および不安定な)アンギナ、心房細動、不整脈、弁膜症、および/またはうっ血性心不全を含むがこれらに限定されない、心臓および血管系に影響を及ぼす疾患または状態などの心血管疾患を治療、制御、または予防するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物は、1つまたは複数の代謝関連障害を治療、制御、または予防するために用いられる。種々の実施形態では、本発明は、1型および2型糖尿病、および肥満と関連する糖尿病を含む糖尿病を治療、制御、または予防するのに有用である。本発明の組成物および方法は、糖尿病性腎症、高血糖症、耐糖能異常、インスリン抵抗性、肥満、脂質障害、脂質異常症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、低HDLレベル、高LDLレベル、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症、血管再狭窄、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患(クローン病、および潰瘍性大腸炎、他の炎症性状態を含む)、膵炎、腹部肥満、神経変性疾患、網膜症、新生物状態、脂肪細胞腫、脂肪細胞癌腫、例えば、脂肪肉腫、前立腺癌、および胃、乳房、膀胱、および結腸癌を含む他の癌、血管新生、アルツハイマー病、乾癬、高血圧、メタボリックシンドローム(例えば、以下の障害:腹部肥満、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール、高血圧、および高空腹時血漿グルコースの3つ以上を有する人)、卵巣アンドロゲン過剰(多嚢胞性卵巣症候群)、およびインスリン抵抗性が構成要素である他の障害、例えば、睡眠時無呼吸を含むがこれらに限定されない、糖尿病関連障害を治療または予防するのに有用である。本発明の組成物および方法は、遺伝性肥満または環境性肥満を含む肥満および肥満関連障害を治療、制御、または予防するのに有用である。本明細書の肥満関連障害は、肥満と関連している、肥満によって、引き起こされる、または肥満からもたらされる。肥満関連障害の例としては、肥満、糖尿病、過食、過食症、および大食症、高血圧症、高血漿インスリン濃度、およびインスリン抵抗性、脂質異常症、高脂血症、子宮内膜、乳房、前立腺、腎臓、および結腸癌、変形性関節症、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石、心疾患、心拍異常、および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダー・ウィリー症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠乏、正常変異型低身長、ターナー症候群、および例えば、急性リンパ芽球性白血病の子供の全除脂肪体重のパーセンテージとして代謝活性の低下または静止時エネルギー消費量の減少を示す他の病理学的状態が挙げられる。肥満関連障害のさらなる例は、メタボリックシンドローム、インスリン抵抗性症候群、生殖ホルモン異常、性機能および生殖機能障害、例えば、生殖障害、不妊症、男性の性腺機能低下症、および女性の多毛症、母体肥満症と関連する胎児欠陥、消化管運動障害、例えば、肥満関連の胃食道逆流、呼吸器障害、例えば、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、息切れ、心血管障害、炎症、例えば、全身性脈管炎、動脈硬化症、高コレステロール血症、腰痛、胆嚢疾患、高尿酸血症、痛風、および腎臓癌、および麻酔危険度の増加である。本発明の組成物および方法は、アルツハイマー病の治療にも有用である。
核酸を含有するリポソーム配合物を含む核酸は、インビボで送達される場合、肝臓および/または脾臓内に蓄積する可能性がある。タンパク質をコードする核酸は、肝臓および脾臓におけるタンパク質発現を調節できること、ならびにこのようにして用いられる核酸は、肝臓および脾臓疾患の治療のための強力な治療薬になることが、現在明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、目的タンパク質をコードする核酸を患者に送達することにより、肝臓および/または脾臓疾患を治療するための方法に関する。他の実施形態は、肝臓および/または脾臓疾患の治療のために、目的タンパク質をコードする核酸を含む治療用組成物に関する。治療可能な、肝臓および/または脾臓の疾患および状態は、肝炎、アルコール誘発性肝疾患、薬剤誘発性肝疾患、エプスタインバーウイルス感染症、アデノウイルス感染症、サイトメガロウイルス感染症、トキソプラズマ症、ロッキー山紅斑熱、非アルコール性脂肪性肝疾患、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、ジルベール病、ならびに肝臓および/または脾臓の癌を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物および方法は、1型糖尿病、虚血性および拡張型心筋症を含む心疾患、黄斑変性症、パーキンソン病、嚢胞性線維症、鎌状赤血球性貧血、地中海貧血、ファンコニ貧血、重症複合免疫不全症、遺伝性感覚神経障害、色素性乾皮症、ハンチントン病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、癌、ならびに肝炎およびHIV/AIDSを含む感染症の治療に関する。
種々の実施形態では、本方法および組成物は、1種または複数の代謝疾患または障害の治療または予防に使用される。種々の実施形態では、本方法および組成物は、糖代謝疾患または異常、アミノ酸代謝疾患または異常、尿素回路疾患または異常、脂肪酸代謝疾患または異常、ポルフィリン代謝疾患または異常、リソソーム性蓄積症、ペルオキシソーム形成異常症、プリンまたはピリミジン代謝疾患または異常の内の1種または複数の治療または予防に使用される。
種々の実施形態では、本方法および組成物は、下表の1種または複数の疾患または障害の治療または予防に使用される。種々の実施形態では、本方法および組成物は、例えば、下表に関連する遺伝子を調節することにより、下表の1種または複数の疾患または障害の治療または予防に使用される。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、本組成物を用いた、下表に記載の遺伝子の遺伝子編集に使用される。
上表中に記載のEntrezエントリーは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
さらに、いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、表2Bのタンパク質のいずれかの標的化、または表2Bの疾患または障害のいずれかの治療に使用される。種々の実施形態では、本発明は、表2Bに開示されるタンパク質のいずれかの完全長および/または切断形態の標的化を意図する。種々の実施形態では、本発明は、表2Bに開示されるタンパク質のいずれかの前駆体型、および/または成熟型、および/またはアイソフォームの標的化を意図する。
種々の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される(例えば、表2Bの)タンパク質配列のいずれかと約60%(例えば、約60%、または約61%、または約62%、または約63%、または約64%、または約65%、または約66%、または約67%、または約68%、または約69%、または約70%、または約71%、または約72%、または約73%、または約74%、または約75%、または約76%、または約77%、または約78%、または約79%、または約80%、または約81%、または約82%、または約83%、または約84%、または約85%、または約86%、または約87%、または約88%、または約89%、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%)の配列同一性を有するタンパク質の標的化を意図する。
種々の実施形態では、本発明は、本明細書で開示される(例えば、表2Bの)タンパク質配列のいずれかに対して1つまたは複数のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むタンパク質の標的化を意図する。例えば、本発明は、本明細書で開示される(例えば、表2Bの)タンパク質配列のいずれかに対して1、または2、または3、または4、または5、または6、または7、または8、または9、または10、または11、または12個のアミノ酸変異を有するアミノ酸配列を含むタンパク質の標的化を意図する。いくつかの実施形態では、1個または複数のアミノ酸変異は、置換、挿入、欠失、および切断から独立に選択され得る。
いくつかの実施形態では、アミノ酸変異は、アミノ酸置換であり、保存的および/または非保存的置換を含み得る。
「保存的置換」は、例えば、関与するアミノ酸残基の極性、電荷、サイズ、溶解度、疎水性、親水性、および/または両親媒特性の類似性に基づいて行い得る。20種の天然アミノ酸は、次の6つの標準的アミノ酸グループに分類できる:(1)疎水性: Met、Ala、Val、Leu、Iie;(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr;Asn、Gin;(3)酸性:Asp、Glu;(4)塩基性:His、Lys、Arg;(5)鎖配向に影響を与える残基:Gly、Pro;および(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
本明細書で使用される場合、「保存的置換」は、アミノ酸の、上記6つの標準的アミノ酸グループの同じグループ内に記載の別のアミノ酸による交換として定義される。例えば、AspのGluによる交換は、そのように改変されたポリペプチド中で1負電荷を保持する。さらに、グリシンおよびプロリンは、それらのαヘリックスを破壊する能力に基づいて相互に置換し得る。
本明細書で使用される場合、「非保存的置換」は、アミノ酸の、上記6つの標準的アミノ酸グループ(1)~(6)の異なるグループに記載の別のアミノ酸による交換として定義される。
種々の実施形態では、置換はまた、非古典的アミノ酸(例えば、セレノシステイン、ピロールリジン、N-ホルミルメチオニンβ-アラニン、GABAおよびδ-アミノレブリン酸、4-アミノ安息香酸(PABA)、共通アミノ酸のD-異性体、2,4-ジアミノ酪酸、a-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、フルオロアミノ酸、βメチルアミノ酸などのデザイナーアミノ酸、Ca-メチルアミノ酸、Na-メチルアミノ酸、および一般的にアミノ酸類似体)も含む。
表2Bに、全ての代表的な識別子(例えば、遺伝子配列番号および参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
種々の実施形態では、核酸薬物、例えば、合成RNAは、ケラチノサイトおよび線維芽細胞の内の1つまたは複数に効果をもたらす(例えば、これらの細胞に1つまたは複数の治療用タンパク質を発現させる)ように投与される。例えば、本方法により、患者の細胞を使用して、治療用タンパク質を生成する方法が可能になり、このようなタンパク質のレベルは、合成RNA投与により調整される。
特定の実施形態では、合成RNAは、可溶性タンパク質を標的にする。いくつかの実施形態では、合成RNAは、次のタンパク質ファミリー:トランスフォーミング成長因子(TGF)β、骨形成タンパク質(BMP)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、およびインターロイキンの内の1つまたは複数のタンパク質を標的にする。用語「ファミリー」、「スーパーファミリー」、および「サブファミリー」は、交換可能に使用できる。
特定の実施形態では、合成RNAは、TGFβファミリーのメンバーを標的にする。TGF-βスーパーファミリータンパク質は、6個の保存システイン残基によって、特徴付けられるサイトカインを含む(Lander etal.,(2001)Nature,409:860-921)。ヒトゲノムは、TGF-βスーパーファミリータンパク質をコードする少なくとも約42個のオープンリーディングフレームを含有する。TGF-βスーパーファミリータンパク質は、配列類似性、および該タンパク質が活性化する特異的なシグナル伝達経路に基づいて、少なくともBMPサブファミリーとTGF-βサブファミリーに分けることができる。種々の実施形態では、合成RNAは、TGF(例えば、TGF-βI、TGF^2、およびTGF^3)、アクチビン(例えば、アクチビンA)、およびインヒビン、マクロファージ阻害サイトカイン-1(MIC-1)、ミュラー管抑制因子、抗ミュラー管ホルモン、および神経膠細胞系由来神経栄養因子(GDNF)の内の1つまたは複数を標的にする。
TGF-βスーパーファミリーは、システインノットサイトカインスーパーファミリーのサブセットを含む。システインノットサイトカインスーパーファミリーのさらなるメンバーとしては、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、胎盤成長因子(P1GF)、ノギン、ニューロトロフィン(BDNF、NT3、NT4、およびβNGF)、ゴナドトロピン、フォリトロピン、ルトロピン、インターロイキン-17、およびコアグロゲンが挙げられるが、これらに限定されない。このファミリーのタンパク質も同様に、本発明により包含される標的に含まれる。
種々の実施形態では、本発明は、種々の免疫学的障害、癌、気管支喘息、肺線維症、心疾患、糖尿病、遺伝性出血性毛細管拡張症、マルファン症候群、血管型エーラス・ダンロス症候群、ロイス・ディーツ症候群、パーキンソン病、慢性腎臓病、多発性硬化症、およびAIDSを治療または予防するためのTGFβファミリーメンバーの標的化に関する。
特定の実施形態では、合成RNAは、BMPファミリーのメンバーを標的にする。BMPサブファミリーとしては、BMP-2、BMP-3(オステオゲニン)、BMP-3b(GDF-10)、BMP-4(BMP-2b)、BMP-5、BMP-6、BMP-7(骨形成タンパク質-1またはOP-1)、BMP-8(OP-2)、BMP-8B(OP-3)、BMP-9(GDF-2)、BMP-10、BMP-11(GDF-11)、BMP-12(GDF-7)、BMP-13(GDF-6、CDMP-2)、BMP-15(GDF-9)、BMP-16、GDF-1、GDF-3、GDF-5(CDMP-1)、およびGDF-8(ミオスタチン)を含むが、これらに限定されない。種々の実施形態では、合成RNAは、BMP-2、BMP-3(オステオゲニン)、BMP-3b(GDF-10)、BMP-4(BMP-2b)、BMP-5、BMP-6、BMP-7(骨形成タンパク質-1またはOP-1)、BMP-8(OP-2)、BMP-8B(OP-3)、BMP-9(GDF-2)、BMP-10、BMP-11(GDF-11)、BMP-12(GDF-7)、BMP-13(GDF-6、CDMP-2)、BMP-15(GDF-9)、BMP-16、GDF-1、GDF-3、GDF-5(CDMP-1)、およびGDF-8(ミオスタチン)の内の1つまたは複数を標的にする。BMPは、骨形成タンパク質(OP)、増殖分化因子(GDF)、または軟骨由来形態形成タンパク質(CDMP)と呼ばれることもある。特定の実施形態では、合成RNAは、(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0202638号に記載されるように)1つまたは複数のBMP融合、および/または(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011/0039773号に記載されるように)1つまたは複数のBMP変異体を標的にする。
種々の実施形態では、本発明は、再生医療または代謝用途、例えば、限定されないが、脊椎固定術、偽関節、および口腔外科などの整形外科用途、代謝性疾患、前糖尿病、糖尿病、熱産生、インスリン感受性、インスリン抵抗性、および脂肪生成、例えば、褐色脂肪生成のためのBMPファミリーメンバーを標的化することに関する。種々の他の代謝用途は、本明細書の別の場所で記載している。種々の実施形態では、本発明は、BMPファミリーメンバー、例えば、BMP-7を標的にして、慢性腎臓病(CKD)を治療する、および/または硬化による糸球体の損失の回復に関する。
種々の実施形態では、本発明は、BMPファミリーメンバーを標的化して、身体の種々の位置において、骨および軟骨の増殖を誘導することに関する。例えば、膝、肘、足首、および指関節などの関節の修復も本発明により意図されている。例えば、BMPファミリーメンバーの標的化は、関節炎または他の軟骨変性疾患に罹患している患者の軟骨の再生をもたらし得る。さらに、本発明は、損傷による軟骨の裂傷を治療することに関する。加えて、本発明は、患者における骨成長を誘導すること、例えば、限定するものではないが、骨折または骨破折、骨粗鬆症に罹患している患者、または脊椎固定術または脊椎、椎骨などの修復を必要としている患者の治療での使用に有用である。
種々の実施形態では、本発明は、BMPファミリーメンバーを標的化して、骨または骨軟骨とは異なる哺乳動物中の種々の組織の骨形態形成、および組織形態形成の発生カスケードを誘導することに関する。この形態形成活性には、前駆体細胞の増殖および分化を誘導する能力、および骨、軟骨、非鉱化骨格または結合組織、および他の成体組織の形成をもたらす事象の進行を介して分化表現型を支持し、維持する能力が含まれる。
例えば、本発明は、代謝性骨疾患における骨量の損失および/または増加を防止する治療に使用してもよい。骨形成タンパク質を用いて代謝性骨疾患における骨量の損失を防止するおよび/または骨量を増加させる治療の一般的な方法は、米国特許第5,674,844号に開示されており、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、本発明の組成物および方法は、骨破折、骨折、および軟骨裂傷などの損傷部位での骨または軟骨の置換または修復、歯周組織再生(例えば、骨形成タンパク質を用いた歯周組織再生の一般的方法は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,733,878号に開示される)、肝再生、例えば、部分肝切除後に(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,849,686号を参照されたい)、慢性腎不全の治療(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,861,404号を参照されたい)、中枢神経系の虚血または外傷後の機能回復の強化(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,407,060号を参照されたい)、樹枝状成長の誘発(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,949,505号を参照されたい)、神経細胞接着の誘発(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,800,603号を参照されたい)、およびパーキンソン病の治療および予防(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,506,729号を参照されたい)に使用される。別の例として、本発明の組成物および方法は、例えば、1つまたは複数のBMPを標的化する場合、象牙質形成を誘導するために使用できる。現在まで、損傷に対する歯髄組織の予測不可能な反応は、歯科における基本的な臨床的問題である。標準的な歯科外科手術を用いて、サンプル歯のエナメル、および歯髄直上の象牙質を(ドリルによって、)除去することにより、小領域(例えば、2mm)の歯髄を外科的に曝露することができ、歯冠歯髄組織の部分切断を行い、止血を誘発し、歯髄治療を適用し、標準手順によって、空洞を密封し、充填する。
種々の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような1つまたは複数の代謝関連障害の治療のためにBMPファミリーメンバーを標的化することに関する。
特定の実施形態では、合成RNAは、FGFファミリーのメンバーを標的にする。FGFは、血管新生、創傷治癒、胚発生、および種々の内分泌シグナル伝達経路に関与するメンバーを有する成長因子のファミリーである。種々の実施形態では、以下のFGF:FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGF5、FGF6、FGF7、FGF8、FGF9、FGF10、FGF11、FGF12、FGF13、FGF14(FGF11、FGF12、FGF13、およびFGF14はFGF相同因子1~4(FHF1~FHF4)である)、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19(別名FHF15/19)、FGF20、FGF21、FGF22、およびFGF22のいずれか1つは、本発明の標的である。いくつかの実施形態では、合成RNAは、上記のFGFのいずれかの同族受容体を標的にする。種々の実施形態では、本発明は、FGFファミリーメンバーを標的化して、FGFの異常な機能および/または発現に関連する疾患または障害、代謝疾患または障害(例えば、糖尿病、肥満、脂質異常症、高血糖症、高インスリン血症、高血圧症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの脂肪肝など)、癌、脂質代謝障害に関連する疾患または障害、腎機能障害に関連する疾患または障害、肝機能障害に関連する疾患または障害、異常な細胞増殖、血管疾患または障害(例えば、冠状動脈疾患、末梢動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、腹部大動脈瘤、血餅、深部静脈血栓症、静脈うっ血疾患、静脈炎、静脈瘤など)、血管新生、アテローム性動脈硬化症、心血管疾患または障害、血管形成障害に関連する疾患または障害、細胞シグナル伝達障害に関連する疾患または障害、キナーゼ活性障害に関連する疾患または障害、およびグルコースの脂肪細胞への取り込み障害に関連する疾患または障害を治療または予防することに関する。
特定の実施形態では、合成RNAは、VEGFファミリーのメンバーを標的にする。いくつかの実施形態では、標的は、VEGF-A(全てのアイソフォームを含む、例えば、VEGF121、VEGF165、およびVEGF189)、胎盤成長因子(PGF、全てのアイソフォームを含む、例えば、PGF-1、PGF-2、およびPGF-3)、VEGF-B、VEGF-C、およびVEGF-D、およびそれらの任意のバリアント(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,078,860号を参照されたい)の内の1つまたは複数である。いくつかの実施形態では、合成RNAは、上記のVEGFのいずれかの同族受容体を標的にする。また、本発明は、VEGF-Eと呼ばれるオルフウイルスコード化VEGF様タンパク質、およびVEGF-Fと呼ばれる一連の蛇毒を含むVEGF関連タンパク質を標的として包含する。VEGFおよびVEGF関連タンパク質は、シスチンノット成長因子の血小板由来成長因子(PDGF)超遺伝子ファミリーのメンバーである。PDGF超遺伝子ファミリーの全メンバーは、PDGFと高度な構造的相同性を共有する。
種々の実施形態では、本発明は、VEGFファミリーメンバーを標的化して、固形腫瘍癌、血管腫、関節リウマチ、変形性関節症、化膿性関節炎、喘息、アテローム性動脈硬化症、特発性肺線維症、血管再狭窄、動静脈奇形、髄膜腫、血管新生緑内障、乾癬、カポジ症候群、血管線維腫、血友病関節、肥大瘢痕、オスラー-ウェーバー症候群、化膿性肉芽腫、水晶体後線維増殖症、強皮症、トラコーマ、フォン・ヒッペル・リンドウ病、血管接着病理学、滑膜炎、皮膚炎、神経学変性疾患、子癇前症、原因不明の女性不妊、子宮内膜症、原因不明の男性不妊、翼状片、創傷、痛み、皮膚潰瘍、胃潰瘍、および十二指腸潰瘍を含むがこれらに限定されない、血管新生に関連する疾患および状態を治療することに関する。種々の実施形態では、本発明は、VEGFファミリーメンバーを標的化して、未熟児網膜症、糖尿病性網膜症、網膜静脈閉塞、および加齢黄斑変性症、ならびに糖尿病性黄斑浮腫、および網膜静脈閉塞を含むがこれらに限定されない、異常な眼内新血管形成に関連する任意の眼疾患を含むがこれらに限定されない、血管新生関連の眼疾患を治療することに関する。ある実施形態では、本発明の組成物および方法は、滲出型加齢黄斑変性の治療に関する。
特定の実施形態では、合成RNAは、インターロイキンファミリーのメンバーを標的にする。インターロイキンは、多様な機能を備えた大規模なグループのサイトカインを表し、白血球中での発現によって、最初に特徴付けられ、それ以降幅広い細胞、例えば、マクロファージ、TH-1、およびTH-2細胞、T-リンパ球、単球、および骨髄間質で発現されることが示されている。広義には、免疫系の機能は、インターロイキンの発現および機能に大部分が依存する。いくつかの実施形態では、標的は、インターロイキン1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、35、および36、およびインターロイキンの各種内で、種々のアイソタイプ、および/またはインターロイキン受容体(例えば、IL-1R、IL-2R、IL-3R、IL-4R、IL-5R、IL-6R、IL-7R、IL-8R、IL-9R、IL-10R、IL-11R、IL-12R、IL-13R、IL-14R、IL-15R、IL-16R、IL-17R、IL-18R、IL-19R、IL-20R、IL-21R、IL-22R、IL-23R、IL-24R、IL-25R、IL-26、IL-27R、IL-28R、IL-29R、IL-30R、IL-31R、IL-32R、IL-33R、IL-34R、IL-35R、およびIL-36R)の内の1つまたは複数である。特定の実施形態では、IL-15およびIL-15R(例えば、IL-15RA)の両方が標的化される。理論に束縛されるものではないが、インターロイキン(例えば、IL-15)およびその認知インターロイキン受容体(例えば、IL-15RA)の両方の標的化が、有益な相乗効果をもたらすと考えられる。種々の実施形態では、本発明は、インターロイキンファミリーのメンバーを標的化して、対象または生体における、本明細書に記載されるような癌、炎症、呼吸、自己免疫、心血管、神経性、代謝性、および/または増殖性疾患、障害、および/または状態を治療することに関する。特定の実施形態では、本発明は、インターロイキンファミリーのメンバーを標的化して、癌を治療することに関する。特定の実施形態では、本発明は、インターロイキンファミリーのメンバーを標的化して、関節リウマチを治療することに関する。
特定の実施形態では、合成RNAは、EPO遺伝子またはその誘導体(例えば、配列番号164、配列番号165、配列番号166、および配列番号167)を標的にする。いくつかの実施形態は、NOVEPOETINタンパク質(配列番号167)に関する。他の実施形態は、NOVECRIT(配列番号168)に関する。
エリスロポエチンは、エリスロポエチンの内因性産生が損なわれている慢性腎不全の貧血患者において、赤血球生成を刺激できる。理論に束縛されるものではないが、赤血球生成に多くの場合に必要な時間の長さ(赤血球前駆体が成熟し、血流中に放出されるまで数日)のため、ヘモグロビンの臨床的に有意な増加は、通常、2週間未満では観察されず、一部の患者においては最長10週間が必要な場合もある。本方法および組成物は、いくつかの実施形態では、より急速な治療効果をもたらす。本方法および組成物は、いくつかの実施形態では、例えば、野生型EPO、および/または非標準ヌクレオチドを有さないEPO、および/またはタンパク質生物製剤として送達されたEPOと比較した場合により急速な治療効果をもたらす。本方法および組成物は、いくつかの実施形態では、持続的な治療効果をもたらす。本方法および組成物は、いくつかの実施形態では、例えば、野生型EPO、および/または非標準ヌクレオチドを有さないEPO、および/またはタンパク質生物製剤として送達されたEPOと比較した場合に持続的な治療効果をもたらす。
例えば、EPOとしては、本方法および組成物は、約6週間未満、または約5週間未満、または約4週間未満、または約3週間未満、または約2週間未満、または約1週間未満にヘマトクリットの臨床的に有意な増加をもたらす。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、約2週間、または約10日、または約1週間、または約3日、または約1日で臨床的に有意なヘマトクリットの増加をもたらす。種々の実施形態では、本方法および組成物は、赤血球前駆体が成熟し、血流中に放出されるプロセスを加速させる。
いくつかの実施形態では、本発明のEPO関連組成物は、野生型EPO、および/または非標準ヌクレオチドを有さないEPO、および/またはタンパク質生物製剤として送達されたEPOと比較した場合に、投与の用量および/または頻度の減少のために使用される。例えば、本発明のEPO関連組成物は、月1回、または隔週1回、または週1回に基づいた投与を伴う、本明細書で開示される疾患(例えば、限定されないが、1つまたは複数の貧血)の治療計画に使用され得る。いくつかの実施形態では、したがって、本発明のEPO関連組成物は、1日1回の投与、またはいくつかの実施形態では、週1回の投与の必要性を減らす。いくつかの実施形態では、本発明のEPO関連組成物は、野生型EPO、および/または非標準ヌクレオチドを有さないEPO、および/またはタンパク質生物製剤として送達されたEPOと比較してより少ない維持用量しか必要としない。ある特定の実施形態は、化学療法誘発貧血の治療に特に有用である。他の実施形態は、関節リウマチを含むがこれらに限定されない、炎症と関連する貧血の治療に特に有用である。
いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、RBC輸血の必要性を取り除く急速で、強い反応をもたらす。例えば、いくつかの実施形態では、本方法および組成物により、輸血に同意しない患者を治療できる。
いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、ヘマトクリットの増加速度を高める。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、持続期間(例えば、約1月間、または約2ヵ月間、または約3ヵ月間、または約4ヵ月間、または約5ヵ月間、または約6ヵ月間、または約9ヵ月間)にわたりヘマトクリットの上昇(例えば、25%、または30%、または35%、または40%以上)を維持する。
いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、赤血球細胞産生を刺激する。いくつかの実施形態では、本方法および組成物は、骨髄において、細胞分化拘束性赤血球前駆体の分裂および分化を刺激する。
いくつかの実施形態では、限定されないが、EPOを標的にする場合、本発明は、貧血の内の1種または複数、例えば、慢性腎臓病(例えば、透析由来)、および/または化学療法、および/またはHIV治療(例えば、ジドブジン(INN)またはアジドチミジン(AZT))、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、および潰瘍大腸炎)がもたらす貧血、炎症性状態(例えば、関節炎、狼瘡、IBD)に関連した貧血、糖尿病、統合失調症、脳マラリア(再生不良性貧血として)、および癌の治療(例えば、化学療法、および/または放射線)由来の骨髄異形成、および種々の骨髄異形成症候群疾患(例えば、鎌状赤血球性貧血、ヘモグロビンSC疾患、ヘモグロビンC疾患、α-、およびβ-地中海貧血、早産後の新生児貧血、および相当する状態)に関連した貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、限定されないが、EPOを標的にする場合、本発明は、癌、心不全、自己免疫性疾患、鎌状赤血球病、地中海貧血、失血、輸血反応、糖尿病、ビタミンB12欠乏、膠原病性血管系疾患、シュワックマン症候群、血小板減少性紫斑、セリアック病、内分泌欠乏状態、例えば、甲状腺機能低下またはアジソン病、自己免疫性疾患、例えば、クローン病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチまたは若年性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎免疫不全症、例えば、好酸球性筋膜炎、低免疫グロブリン血症、または胸腺腫/胸腺癌腫、移植片対宿主病、前白血病、非血液学的症候群(例えば、ダウン症候群、デュボヴィッツ症候群、ゼッケル症候群)、フェルティ症候群、溶血尿毒症症候群、骨髄異形成症候群、夜間発作性血色素尿症、骨髄線維症、汎血球減少症、赤芽球ろう、シェーンライン-ヘノッホ紫斑病、マラリア、タンパク質飢餓、月経過多症、全身硬化症、肝硬変、代謝低下状態、うっ血性心不全、慢性感染症、例えば、HIV/AIDS、結核、骨髄炎、B型肝炎、C型肝炎、エプスタインバーウイルスまたはパルボウイルス、T細胞白血病ウイルス、細菌異常増殖症候群、真菌または寄生虫感染、および/または赤血球膜障害、例えば、遺伝性球状赤血球症、遺伝性楕円赤血球症、遺伝性耐熱奇形赤血球症、遺伝性有口赤血球症、赤血球酵素異常症、脾機能亢進、免疫溶血、または発作性夜間血色素尿症の内の1つまたは複数の治療、または該疾患の内の1つまたは複数を有する患者に関する。
いくつかの実施形態では、限定されないが、EPOを標的にする場合、本発明は、貧血、即ち、赤血球細胞の数、および/または赤血球細胞中に見られるヘモグロビンの量が正常を下回る状態の治療、または該疾患を有する患者に関する。種々の実施形態では、貧血は、急性または慢性であってもよい。例えば、貧血としては、鉄欠乏性貧血、腎性貧血、慢性疾患/炎症の貧血、悪性貧血、例えば、太球性無分泌性貧血、若年悪性貧血および先天性悪性貧血、癌関連貧血、化学療法関連貧血、放射線療法関連貧血、赤芽球ろう、芽球が過剰な不応性貧血、再生不良性貧血、X連鎖鉄芽球性貧血、溶血性貧血、鎌状赤血球性貧血、ESAの産生不全によって、生じた貧血、骨髄異形成症候群、低色素性貧血、小赤血球性貧血、鉄芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、クーリー貧血、地中海貧血、ダイアモンドブラックファン貧血、ファンコニ貧血、および薬剤誘発性免疫性溶血性貧血が挙げられるが、これらに限定されない。貧血は、低酸素症、慢性疲労、集中力欠如、蒼白、低血圧、眩暈、および心不全を含む重篤な症状を引き起こし得る。
いくつかの実施形態では、貧血は、貧血の原因の1つである化学療法剤により誘発される。例えば、化学療法剤は、いずれかの骨髄抑制化学療法剤であってもよい。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、シスプラチン(例えば、PLATINOL)、およびカルボプラチン(例えば、PARAPLATIN)を含む1つまたは複数の白金系薬物である。いくつかの実施形態では、化学療法剤は、本明細書に記載される薬剤のいずれか1つである。いくつかの実施形態では、化学療法は、Groopman etal.J Natl Cancer Inst(1999)91(19): 1616-1634に記載されているいずれかの薬剤である。この文献の内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本組成物および方法は、後期癌(例えば、ステージIV、またはステージIII、またはステージII癌)の患者における化学療法剤関連貧血の治療に使用される。いくつかの実施形態では、本組成物および方法は、投与集中化学療法または他の侵襲性の化学療法計画を受けている癌患者における化学療法関連貧血の治療に使用される。
いくつかの実施形態では、本発明は、白血病、リンパ腫、および多発性骨髄腫などの1つまたは複数の血液系の癌を有する患者における貧血の治療に関する。このような癌は、骨髄に直接影響を及ぼし得る。さらに、本発明は、骨または骨髄に広がっている転移癌に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、放射線療法を受けている患者における貧血の治療に関する。このような放射線療法は、骨髄に損傷を与え、赤血球細胞を作製する能力を低下させ得る。さらなる実施形態では、本発明は、鉄、ビタミンB12、および葉酸の内の1つまたは複数の減少または欠乏を有する患者における貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、限定されないが、手術後、または内出血を引き起こしている腫瘍由来のものを含む出血過多を有する患者における貧血の治療に関する。さらなる実施形態では、本発明は、慢性疾患の貧血を有する患者における貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性腎不全がもたらす貧血の治療に関する。いくつかの実施形態では、本発明は、透析、血液透析、腹膜透析、血液濾過、血液透析濾過、および腎移植を含む1つまたは複数の腎代替療法の使用がもたらす貧血の治療に関する。
いくつかの実施形態では、本発明は、透析していない慢性腎臓病を有する患者における貧血の治療に関する。例えば、本発明は、ステージ1のCKD(慢性腎臓病)、またはステージ2のCKD、またはステージ3のCKD、またはステージ4のCKD、またはステージ5のCKDの患者に関する。いくつかの実施形態では、本患者は、ステージ4のCKDまたはステージ5のCKDである。いくつかの実施形態では、本患者は、腎移植を受けている。いくつかの実施形態では、本発明は、急性腎損傷(AKI)を有する患者における貧血の治療に関する。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、患者における疲労、眩暈、および息切れを低減または除去するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、赤血球生成刺激剤療法に対して低応答性または耐性を呈している患者を治療するために用いられる。いくつかの実施形態では、エリスロポエチンに対する低応答性またはESA耐性貧血は、以下の状態:i)一定用量のESA治療でヘモグロビンレベルの著しい減少、ii)ある特定のヘモグロビンレベルを達成または維持するために必要なESA用量の著しい増加、iii)ダルベポエチン-αの150IU/kg/週または0.75mg/kg/週よりも多いエリスロポエチンに等価なESA用量であるにもかかわらず、ヘモグロビンレベルの目標範囲への上昇が不良であること、または、標的ヘモグロビンレベルを維持するためにそのような高用量のESAが継続的に必要であることの少なくとも1つの存在を意味する。例えば、CDKを有する患者のおおよそ5~10%は、ESAに対する低応答性を示し、これは、300IU/kg/週を超えるエリスロポエチンまたは1.5ng/kg/週を超えるダルベポエチンを皮下経路によって、投与することが継続的に必要であるとして定義される。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、赤血球生成刺激剤療法の用量漸増の必要性を軽減するため、必要に応じて、副作用(例えば、関節痛、虚弱、眩暈、および疲れなどのインフルエンザ様症状、皮膚炎、有害な心血管合併症のリスクの増加)を回避する。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、ヘモグロビンレベルを約12.5~13g/dLに維持するために用いられる。種々の実施形態では、本組成物および方法は、ヘモグロビンレベルが約12g/dL、または約11g/dL、または約10g/dL、または約9g/dL、または約8g/dL、または約7g/dL、または約6g/dL、または約5g/dLを下回る患者に使用される。種々の実施形態では、本組成物および方法は、血液病理を示す鉄血液検査スコア、例えば、約200ng/Lを下回るフェリチンスコア、および/または約30%を下回るトランスフェリン飽和スコアを有する患者に使用される。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、ヘモグロビンレベルを9~10g/dLの範囲の目標レベル、9g/dL~11g/dLの範囲の目標レベル、9g/dL~12g/dLの範囲の目標レベル、9g/dL~14g/dLの範囲の目標レベル、10g/dL~14g/dLの範囲の目標レベル、または12g/dL~14g/dLの範囲の目標レベルに増加または維持するために用いられる。
種々の実施形態では、本組成物および方法は、患者のヘモグロビンレベルを正常に戻すために用いられる。種々の実施形態では、ヒトの正常なヘモグロビン範囲は、男性では約14~18g/dl、女性では12~16g/dlであり、男性の平均ヘモグロビン値は、約16g/dL、女性では約14g/dLである。
いくつかの実施形態では、例えば、EPOを標的にする場合、本発明は、以下の毒性評価基準(例えば、NCI共通毒性基準):グレード1(軽度)、10.0gのヘモグロビン/dLから正常な範囲内、グレード2(中程度)、8.0~10.0gのヘモグロビン/dLと、グレード3(深刻または重篤)、6.5~7.9gのヘモグロビン/dL、およびグレード4(生命に関わる)、6.5g未満のヘモグロビン/dLの内の1種または複数の貧血の治療に関する。種々の実施形態では、本発明は、約1ポイント、または約2ポイント、または約3ポイント、または約4ポイントの毒性評価基準の増加をもたらす。種々の実施形態では、本発明は、レベルが0または1の患者をもたらす。種々の実施形態では、本組成物および方法は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるGroopman etal.J Natl Cancer Inst(1999)91(19):1616-1634に記載されている1つまたは複数のスケールにより評価されるように貧血を改善する。
いくつかの実施形態では、EPOを標的にする場合、本発明は、1つまたは複数のEPOとの併用療法に関する。例えば、本発明の組成物は、別のEPOの即効性を補うことができる持続効果をもたらし得る。いくつかの実施形態では、本組成物は、他のEPOに対するアジュバントとして使用される。いくつかの実施形態では、本組成物は、他のEPOに対する維持療法として使用される。他のEPOとしては、以下のもの:エポエチンα、例えば、限定されないが、DARBEPOETIN(ARANESP^EPOCEPT(LUPIN PHARMA^NANOKINE(NANOGEN PHARMACEUTICAL)、EPOFIT(INTASPHARMA)、EPOGEN(AMGEN)、EPOGIN、EPREX(JANSSEN-CILAG)、BINOCRIT(SANDOZ)、PROCRITと、エポエチンβ、例えば、限定されないが、NEORECORMON(HOFFMANN-LAROCHE)、RECORMON、メトキシポリエチレングリコール-エポエチンβ(MIRCERA、ROCHE)と、エポエチンδ、例えば、限定されないが、DYNEPO(赤血球生成刺激タンパク質、SHIRE PLC)と、エポエチンΩ、例えば、限定されないが、EPOMAXと、エポエチンζ、例えば、限定されないが、SILAPO(STADA)、およびRETACRIT(HOSPIRA)、および他のEPO、例えば、限定されないが、EPOCEPT(LUPIN PHARMACEUTICALS)、EPOTRUST(PANACEA BIOTEC LTD)、ERYPRO SAFE(BIOCON LTD.)、REPOITIN(SERUM INSTITUTE OF INDIA LIMITED)、VINTOR(EMCURE PHARMACEUTICALS)、EPOFIT(INTAS PHARMA)、ERYKINE(INTAS BIOPHARMACEUTICA)、WEPOX(WOCKHARDT BIOTECH)、ESPOGEN(LG LIFE SCIENCES)、RELIPOIETIN(RELIANCE LIFE SCIENCES)、SHANPOIETIN(SHANTHA BIOTECHNICS LTD)、ZYROP(CADILA HEALTHCARE LTD.)、EPIAO(RHUEPO)(SHENYANG SUNSHINE PHARMACEUTICAL CO.LTD)、CINNAPOIETIN(CINNAGEN)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、EPOを標的にする場合、本発明は、輸血との併用療法に関する。例えば、本発明の組成物は、輸血を補充し得る。いくつかの実施形態では、EPOを標的にする場合、本発明は、鉄補給剤との併用療法に関する。
いくつかの実施形態では、本発明はまた、例えば、疾患の治療における次のタンパク質標的に関する:成長ホルモン(GH)、例えば、ヒトおよびウシ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモンと、α-、β-、またはγ-インターフェロンなどを含むインターフェロン、インターロイキンIと、インターロイキンIIと、a-、およびβ-エリスロポエチン(EPO)を含むエリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、抗血管新生タンパク質(例えば、アンジオスタチン、エンドスタチン)、PACAPポリペプチド(脳下垂体のアデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド)、血管作動性腸管ペプチド(VIP)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH)、バソプレシン、アルギニンバソプレシン(AVP)、アンジオテンシン、カルシトニン、心房性ナトリウム利尿因子、ソマトスタチン、副腎皮質刺激ホルモン、ゴナドトロピン放出ホルモン、オキシトシン、インスリン、ソマトトロピン、プラスミノーゲン組織活性化因子、凝固因子VIIIおよびIXを含む凝固因子、グルコシルセラミダーゼ、サルグラモスチム、レノグラスチン、フィルグラスチン、ドルナーゼ-α、モルグラモスチム、PEG-L-アスパラギナーゼ、PEG-アデノシンデアミナーゼ、ヒルジン、エプタコグ-a(ヒト血液凝固因子VIIa)神経成長因子、トランスフォーミング成長因子、上皮成長因子、塩基性線維芽細胞成長因子、VEGF、低分子量ヘパリンを含むヘパリン、カルシトニン、抗原、モノクローナル抗体、バンコマイシン、デスフェリオキサミン(DFO)、副甲状腺ホルモン、免疫原または抗原、およびモノクローナル抗体などの抗体に関する。
いくつかの実施形態では、本方法は、追加の治療剤(例えば、本明細書に記載されるもの)の活性を効果的にし、および/または目的細胞および/または組織に標的化できる。例えば、本合成RNAは、追加の治療薬を治療箇所に向ける1つまたは複数の標的指向化分子の発現増加をもたらすことができる。例えば、追加の治療剤は、合成RNAがコードする結合パートナーを有し得る。例えば、合成RNAは、組み合わせて使用し得る治療活性を有する抗体(例えば、ハーセプチン、リツキサン、カンパス、ゲムツズマブ、ハーセプチン、パノレックス、リツキシマブ、ベクサール、エドレコロマブ、アレムツズマブ、ミロトラグ、IMC-C225、スマルチン195、およびミトモマブ)に向かわせる抗原の発現を誘発し得る。いくつかの実施形態では、合成RNAは、本明細書に記載される腫瘍の内の1つまたは複数に直接注入し、治療用抗体を腫瘍に誘導できる。
いくつかの実施形態では、本方法は、特に、追加の治療剤が、例えば、薬物の活性形態を生成するプロドラッグである場合に、効果的な追加の治療剤を生成できる。いくつかの実施形態では、合成RNAは、本明細書に記載される腫瘍の内の1つまたは複数に直接注入し、プロドラッグを腫瘍に誘導できる。例えば、合成RNAは、非毒性の全身に送達される薬剤から強力な化学療法剤への局在化変換を触媒する酵素をコードし得る。実例を下記に示す(本明細書に記載されるいずれかのプロドラッグまたは薬物も、本明細書で使用される追加の薬剤であることに留意されたい)。
ある特定の実施形態では、合成RNAは、以下の例で示されるように、種々のプロドラッグから5-FUおよび/またはドキソルビシンへの変換を触媒する酵素をコードし得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される用量および投与計画での核酸薬物を、1つまたは複数の追加の薬剤(別名、補助療法または併用剤)と併用してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される用量および投与計画での核酸薬物は、1種または複数の追加の薬剤で治療を受けているヒト患者で使用してもよい。いくつかの実施形態では、核酸薬物は、本明細書に記載される追加の薬剤のいずれかに対するアジュバントまたはネオアジュバントとして使用される。いくつかの実施形態では、本発明は、共投与および/または共製剤に関する。本明細書に記載される組成物のいずれかは、供製剤化および/または共投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の核酸薬物は、別の薬剤と共投与された場合に相乗的に作用し、そのような薬剤が単独療法として使用される場合に一般に採用される用量未満の用量で投与してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される任意の核酸薬物は、修飾される、即ち、任意のタイプの分子が組成物の活性を妨げないように、組成物に共有結合することにより修飾される誘導体を含み得る。例えば、限定するものではないが、誘導体には、特に、グリコシル化、脂質化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブロック基による誘導体化、タンパク質切断、細胞リガンドまたはその他のタンパク質への結合、などにより修飾されている組成物が含まれる。多くの化学的改変のいずれかを既知の技術、例えば、限定されないが、特異的切断、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシンの代謝合成、などを使って行うことができる。さらに、誘導体は1つまたは複数の非古典的アミノ酸を含むことができる。種々の実施形態では、1つまたは複数の追加の薬剤(別名、補助療法または併用剤)は、本明細書に記載される任意の核酸薬物に複合化されてもよい。
細胞をステロイドと接触させることで、外来核酸への自然免疫応答を抑制することができ、核酸送達および翻訳の効率を高めることができる。したがって、ある特定の実施形態は、ステロイドと細胞を接触させることに関する。他の実施形態は、患者にステロイドを投与することに関する。代表的なステロイドとしては、コルチコステロイドステロイドが挙げられる。いくつかの実施形態では、ステロイドは、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、トリアムシノロン、およびベタメサゾンの内の1つまたは複数である。一実施形態では、ステロイドは、ヒドロコルチゾンである。別の実施形態では、ステロイドは、デキサメタゾンである。
他の実施形態は、抗生物質、抗真菌剤、およびRNアーゼ阻害剤の群のメンバーを患者に投与することに関する。
A型ボツリヌス毒素は、特発性眼瞼痙攣、12歳を超える患者の斜視および片側顔面痙攣、頸部ジストニア、眉間のしわ、(顔面の)しわの治療用として、ならびに多汗症の治療用として、米国食品医薬品局(FDA)により承認されており、B型ボツリヌス毒素は、頸部ジストニアの治療用として承認されている。本組成物は、これらの疾患および関連疾患の治療において、これらの毒素と組み合わせ得る。いくつかの実施形態は、神経毒を標的とする核酸薬物に関する。種々の実施形態では、神経毒は、ボツリヌス毒素またはその生物学的に活性な断片、バリアント、類似体またはファミリーメンバーである。
さらに、前述の毒素の内の任意の1つの組み合わせは、限定されないが、顔のしわ、多動性皮膚線、眉間のしわ、目尻のしわ、ほうれい線、皮膚障害、鼻唇溝、眼瞼痙攣、斜視、片側顔面痙攣、および発汗障害を含む種々の美容手術のために、本組成物と組み合わせて用いてもよい。あるいは、本組成物は、単剤療法として、これらの美容手術において、用いてもよい。
ある特定の実施形態は、本発明の医薬組成物または化粧品組成物の内の1つまたは複数と、1つまたは複数の補助療法または美容的処置とを含む併用療法に関する。ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物または化粧品組成物の内の1つまたは複数は、1つまたは複数の補助療法または美容的処置で治療を受けている対象に投与される。補助療法および美容的処置の例は、内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第61/721,302号の表3および表5に記載され、制限のためでなく、例示のために与えられる。
いくつかの実施形態では、追加の薬剤は、細胞毒性剤であり、例示の実施形態では、毒素、化学療法剤、放射性同位体、およびアポトーシスまたは細胞死を引き起こす薬剤である。
細胞傷害薬の例としては、メトトレキセート、アミノプテリン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン;アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、マイトマイシンC、ロムスチン(CCNU)、1-メチルニトロソウレア、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、メクロレタミン、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、シス-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチンおよびカルボプラチン(パラプラチン));アントラサイクリン(ダウノルビシン(以前のダウノマイシン)およびドキソルビシン(アドリアマイシン)、デトルビシン、カルミノマイシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロンおよびビサントレンを含む);抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ブレオマイシン、カリチアマイシン、ミトラマイシン、およびアントラマイシン(AMC)を含む);有糸分裂阻害薬(antimytotic agent)(例えば、ビンカアルカロイドビンカアルカロイド、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)が挙げられるが、これらに限定されない。その他の細胞傷害薬には、パクリタキセル(タキソール)、リシン、緑膿菌外毒素、ゲムシタビン、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、エトポシド、テノポシド、コルヒチン、ジヒドロキシアントラシンジオン、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、アスパラギナーゼ、副腎皮質ステロイド、ミトタン(mytotane)(O,P’-(DDD))、インターフェロン、およびこれらの細胞傷害薬の混合物が挙げられる。
追加の細胞毒性剤としては、カルボプラチン、シスプラチン、パクリタキセル、ゲムシタビン、カリケアマイシン、ドキソルビシン、5-フルオロウラシル、マイトマイシンC、アクチノマイシンD、シクロホスファミド、ビンクリスチン、ブレオマイシン、VEGFアンタゴニスト、EGFRアンタゴニスト、白金、タキソール、イリノテカン、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、ロイコボリン、ステロイド、シクロホスファミド、メルファラン、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)、ムスチン、チロシンキナーゼ阻害剤、放射線療法、性ホルモンアンタゴニスト、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、PDGFアンタゴニスト、TNFアンタゴニスト、IL-1アンタゴニスト、インターロイキン(例えば、IL-12またはIL-2)、IL-12Rアンタゴニスト、毒素抱合モノクローナル抗体、腫瘍抗原特異的モノクローナル抗体、アービタックス、アバスチン、ペルツズマブ、抗CD20抗体、リツキサン、オクレリズマブ、オファツムマブ、DXL625、ハーセプチンなどの化学療法剤、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。リシン、ジフテリア毒素およびシュードモナス毒素などの植物および細菌由来の毒性酵素は、治療薬(例えば、抗体)と複合体形成して、細胞型特異的殺作用剤を生成し得る(Youle,et al.,Proc.Nat’lAcad.Sci.USA77:5483(1980);Gilliland,et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:4539(1980);Krolick,et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 77:5419(1980))。
その他の細胞傷害薬には、Goldenbergによる米国特許第6,653,104号に記載されている細胞傷害性リボヌクレアーゼが挙げられる。本発明の実施形態はまた、αまたはβ粒子を放射する放射性核種が、複合体形成剤を使用して、または使用なしで、安定的に抗体またはその結合断片に結合される、放射性免疫複合体に関する。このような放射性核種には、例えば、リン-32、スカンジウム-47、銅-67、ガリウム-67、イットリウム-88、イットリウム-90、ヨウ素-125、ヨウ素-131、サマリウム-153、ルテチウム-177、レニウム-186またはレニウム-188などのβ放射体、およびアスタチン-211、鉛-212、ビスマス-212、ビスマス-213またはアクチニウム-225などのα放射体が挙げられる。
検出可能な部分の例としては、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリフォスファターゼ、ベータガラクトシダーゼおよびルシフェラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる代表的蛍光物質としては、ローダミン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ウンベリフェロン、ジクロロトリアジニルアミン、フィコエリトリン、およびダンシルクロリドが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる代表的化学発光部分としては、ルミノールが挙げられるが、これに限定されない。さらなる代表的生物発光物質としては、ルシフェリン、およびエクオリンが挙げられるが、これらに限定されない。さらなる代表的放射性物質としては、ヨウ素125、炭素14、硫黄35、トリチウム、およびリン32が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に記載されるいずれかの追加の薬剤の投与量、ならびに投与スケジュールは、限定されないが、ヒト患者の総体的な健康状態、および投与する医師および/またはヒト患者の裁量を含む種々のパラメータに依存し得る。共投与は、同時または順次であってもよい。本明細書に記載されるいずれかの追加の薬剤は、核酸薬物のそれを必要とするヒト患者への投与前(例えば、約5分前、約15分前、約30分前、約45分前、約1時間前、約2時間前、約4時間前、約6時間前、約12時間前、約24時間前、約48時間前、約72時間前、約96時間前、約1週間前、約2週間前、約3週間前、約4週間前、約5週間前、約6週間前、8週間前、または約12週間前)、投与と同時、または投与に続いて(例えば、約5分後、約15分後、約30分後、約45分後、約1時間後、約2時間後、約4時間後、約6時間後、約12時間後、約24時間後、約48時間後、約72時間後、約96時間後、約1週間後、約2週間後、約3週間後、約4週間後、約5週間後、約6週間後、約8週間後、または約12週間後)投与できる。種々の実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの薬剤は、約1分間隔、約10分間隔、約30分間隔、約1時間未満の間隔、約1時間間隔、約1時間~約2時間間隔、約2時間~約3時間間隔、約3時間~約4時間間隔、約4時間~約5時間間隔、約5時間~約6時間間隔、約6時間~約7時間間隔、約7時間~約8時間間隔、約8時間~約9時間間隔、約9時間~約10時間間隔、約10時間~約11時間間隔、約11時間~約12時間間隔、または約24時間以下の間隔、または約48時間以下の間隔で投与される。
特定の実施形態では、併用投与計画は、本発明の核酸薬物の投与および製剤が短時間(例えば、約6時間、または約12時間、または約24時間、または約30時間、または約36時間、または約48時間)で強力な効果を有し、その効果が約7日間またはそれ以上持続できるという知見を活用するように設計される。
核酸薬物の用量を本明細書に開示する。一般に、有用な任意の追加の薬剤の用量は、当業者に知られている。例えば、用量は、Physicians’Desk Reference,66th Edition,PDR Network;2012 Edition(December27,2011)を参考にして決定するし得る。この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本発明により、患者は、参考文献Physicians’Desk Referenceで決定されたものを超える用量を受けることができる。本明細書に記載されるいずれかの追加の薬剤の投与量は、状態の重篤度、状態が治療されるのかまたは予防されるのか、および治療されるヒト患者の年齢、体重、および健康を含むいくつかの因子に依存し得る。さらに、特定のヒト患者の薬理ゲノム学(治療薬の薬物動態、薬力学的または効力プロファイルに対する遺伝子型の効果)情報は、使用される投与量に影響を及ぼし得る。さらに、正確な個別の投与量は、投与される薬剤の特定の組み合わせ、投与時間、投与経路、製剤の性質、排出速度、処置される特定の疾患、障害の重症度、および障害の解剖学的部位、などの種々の要因に応じて、幾分調節することができる。ある程度の投与量の変動は予測可能である。
例えば、外来生体および核酸に対するバリアとして機能し得る角質層を含む、細胞、組織、器官、および限定されないがヒトを含む生物は、核酸の送達を阻害または防止し得る、いくつかの特徴を有する。したがって、これらの特徴は、核酸を含む、治療薬および化粧品の効果を阻害し得る。現在では、これらの特徴の多くは、柔軟な膜および複数の針を備えるパッチを用いて回避または克服できること、ならびにそのようなパッチは、核酸の送達のための効果的および安全な製品として機能し得ることが明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、核酸送達パッチに関する。一実施形態では、核酸送達パッチは、柔軟な膜を備える。別の実施形態では、核酸送達パッチは、複数の針を備える。さらに別の実施形態では、複数の針は、柔軟な膜に取り付けられる。いくつかの実施形態では、パッチは、核酸を含む。一実施形態では、核酸は、溶液中に存在する。一実施形態では、複数の針は、管腔を有する1つまたは複数の針を含む。別の実施形態では、パッチはさらに、第2の柔軟な膜を含む。さらに別の実施形態では、柔軟な膜および第2の柔軟な膜は、空洞を形成するように配置される。さらなる実施形態では、空洞は、核酸を含有する。さらに別の実施形態では、膜は、核酸が通過できる1つまたは複数の穴を備える。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の穴および管腔を有する1つまたは複数の針は、1つまたは複数の穴の内の少なくとも1つを経由して、および管腔を有する1つまたは複数の針の内の少なくとも1つを経由して、核酸を含有する溶液の通過を可能にするように配置される。いくつかの実施形態では、パッチは、皮膚に溶液を送達するように構成される。一実施形態では、溶液は、核酸を含む。別の実施形態では、溶液は、ビークルを含む。さらに別の実施形態では、ビークルは、脂質または脂質様物質である。さらに別の実施形態では、ビークルは、脂質系トランスフェクション試薬である。
細胞膜は、外来核酸に対するバリアとして機能し得る。現在では、電場と本発明のパッチを組み合わせることにより、核酸送達の効率を増大させることができることが明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、少なくとも2つの針が高電圧回路の一部を形成する複数の針を備える核酸送達パッチに関する。ある特定の実施形態は、マイクロニードル送達のための埋め込み式の「タトゥー」に関する(例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれるNature Materials 12,pp 367-376(2013)を参照されたい)。一実施形態では、高電圧回路は、約10Vを超える電圧を発生する。別の実施形態では、高電圧回路は、約20Vを超える電圧を発生する。さらに別の実施形態では、電場は、2つの針の間に生成される。さらなる実施形態では、電場の大きさは、少なくとも約100V/cmである。さらに別の実施形態では、電場の大きさは、少なくとも約200V/cmである。いくつかの実施形態では、パッチは、表皮に核酸を送達するように構成される。他の実施形態では、パッチは、真皮に核酸を送達するように構成される。さらに他の実施形態では、パッチは、皮下組織に核酸を送達するように構成される。さらに他の実施形態では、パッチは、筋肉に核酸を送達するように構成される。ある特定の実施形態は、複数の電極を備える核酸送達パッチに関する。一実施形態では、複数の電極は、柔軟な膜に取り付けられる。他の実施形態は、剛性構造体を備える核酸送達パッチに関する。一実施形態では、複数の電極は、剛性構造体に取り付けられる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、対象の患部を覆う針アレイを用いて投与される。いくつかの実施形態では、治療領域は、投与後に機械的にマッサージされる。いくつかの実施形態では、治療領域は、投与後に電気パルスに曝露される。いくつかの実施形態では、電気パルスは、約50マイクロ秒~約1秒間、約10V~約200Vである。いくつかの実施形態では、電気パルスは、多電極アレイによって、治療領域の周りに生成される。
いくつかの実施形態では、本発明は、膜内に封入された非ウイルス性RNAトランスフェクション組成物、および約100cm2以下、または約50cm2以下、または約10cm2以下、または約5cm2以下、または約1cm2以下、または約0.5cm2以下、または約0.2cm2以下の治療領域当たり10ng~約2000ngのRNAを送達する送達針のアレイを含む、パッチ送達系を提供する。いくつかの実施形態では、非ウイルス性トランスフェクション組成物は、約20μL~約1mlの注入量当たり約10ng~約2000ngを含有する。いくつかの実施形態では、各針は、1μL~500μLの注入量を送達する。
いくつかの実施形態では、送達パッチは、核酸薬物を保持するアクリル容器を含む。いくつかの実施形態では、微細な濃縮薬物細胞の半固体懸濁液を作製するためにシリコン接着剤を添加する。さらに、いくつかの実施形態は、1つまたは複数のエンハンサー(これらには、イオン導入、超音波、ゲルを含む化学物質、マイクロニードル、超音波導入法、レーザー、および電気穿孔法が挙げられるが、これらに限定されない)と関連付けられるパッチを誇る。
いくつかの実施形態では、送達は、ゲル、必要に応じ、エンハンサー(例えば、COMBIGEL(ANTARESPHARMA))の組み合わせを含有する水性アルコールゲルを介して行われる。
種々の実施形態では、RNAは、ニードルアレイを用いて送達される。代表的ニードルアレイとしては、AdminPen600、およびそれらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,658,728号、同第7,785,301号、および同第8,414,548号に記載されているものが挙げられるが、これらに限定されない。針の他の例としては、例えば、3M(商標)中空型マイクロニードル投与システムおよび3M(商標)ソリッド型マイクロニードル投与システム(sMTS)が挙げられる。例えば、米国特許第3,034,507号、および同第3,675,766号;Microneedles for Transdermal Drug Delivery.Advanced Drug Delivery Reviews.56:581-587(2004);Pharm Res.2011 Jan、28(1):31-40を参照されたい。これらの文献は、内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、マイクロニードルおよび/またはマイクロニードルアレイを使用してもよい。種々の実施形態では、マイクロニードルおよび/またはマイクロニードルアレイは、限定されないが、中実、RNA被覆、溶解性、生分解性、および/または中空であってもよい。いくつかの実施形態では、送達は、場合により、特定の時間または要求に応じて薬物を送達する電子制御式マイクロポンプと組み合わせた、マイクロニードルシステムを介して実施される。例えば、MACROFLUX(Alza)システムを使用してもよい。
他の実施形態は、インビボの細胞を含有する組織に核酸を適用することを含む、インビボの細胞に核酸を送達するための方法に関する。一実施形態では、方法はさらに、細胞の近傍で一時的な電場を印加することを含む。別の実施形態では、方法は、核酸をインビボで内在化する細胞をもたらす。さらに別の実施形態では、核酸は、合成RNAを含む。さらなる実施形態では、方法はさらに、治療的または美容的有効量の核酸を内在化する細胞をもたらす。一実施形態では、細胞は、皮膚細胞である。別の実施形態では、細胞は、筋細胞である。さらに別の実施形態では、細胞は、皮膚線維芽細胞である。さらなる実施形態では、細胞は、ケラチノサイトである。さらに別の実施形態では、細胞は、筋芽細胞である。いくつかの実施形態では、核酸は、目的タンパク質を含む。一実施形態では、目的タンパク質は、蛍光タンパク質である。別の実施形態では、目的タンパク質は、細胞外マトリックスタンパク質である。さらに別の実施形態では、目的タンパク質は、エラスチン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、リシルオキシダーゼ、エラスチン結合タンパク質、成長因子、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング成長因子β、顆粒球コロニー刺激因子、マトリックスメタロプロテイナーゼ、アクチン、フィブリリン、ミクロフィブリル結合糖タンパク質、リシルオキシダーゼ様タンパク質、血小板由来成長因子、リパーゼ、脱共役タンパク質、サーモゲニン、フィラグリン、線維芽細胞成長因子、抗体、および色素産生に関与するタンパク質の群のメンバーである。いくつかの実施形態では、方法はさらに、表皮に核酸を送達することを含む。他の実施形態では、方法はさらに、真皮に核酸を送達することを含む。さらに他の実施形態では、方法はさらに、真皮下に核酸を送達することを含む。一実施形態では、送達は、注入による。別の実施形態では、送達は、マイクロニードルアレイを用いた注入による。さらに別の実施形態では、送達は、局所投与による。さらなる実施形態では、送達は、組織の一部の破壊または除去を含む。さらに別の実施形態では、送達は、角質層の破壊または除去を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、溶液中に存在する。一実施形態では、溶液は、成長因子を含む。別の実施形態では、成長因子は、線維芽細胞成長因子およびトランスフォーミング成長因子の群のメンバーである。さらに別の実施形態では、成長因子は、塩基性線維芽細胞成長因子およびトランスフォーミング成長因子βの群のメンバーである。他の実施形態では、溶液は、コレステロールを含む。
別の実施形態では、方法はさらに、1つまたは複数の核酸分子と細胞を接触させることを含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つは、目的タンパク質をコードする。さらなる実施形態では、方法は、目的タンパク質を発現する細胞をもたらす。さらに別の実施形態では、方法は、治療的または美容的有効量の目的タンパク質を発現させる細胞をもたらす。
別の実施形態では、細胞は、核酸分子と接触する。さらに別の実施形態では、方法は、核酸分子を内在化する細胞をもたらす。さらなる実施形態では、方法は、治療的または美容的有効量の核酸分子を内在化する細胞をもたらす。一実施形態では、核酸は、目的タンパク質をコードする。一実施形態では、核酸分子は、dsDNA分子、ssDNA分子、RNA分子、dsRNA分子、ssRNA分子、プラスミド、オリゴヌクレオチド、合成RNA分子、miRNA分子、mRNA分子、およびsiRNA分子の群のメンバーを含む。種々の実施形態では、RNAは、1つまたは複数の非標準ヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態では、本発明は、全内容が全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,711,964号、同第5,891,468号、同第6,316,260号、同第6,413,544号、同第6,770,291号、および同第7,390,780号に記載される1つまたは複数の投与技術に関する。
本発明は、本明細書に記載される核酸薬物および/または本明細書に記載される任意の追加の薬剤の投与を簡単にできるキットも提供する。本発明の代表的なキットは、本明細書に記載される核酸薬物および/または任意の追加の薬剤を単位剤形で含む。一実施形態では、単位剤形は、無菌とし得る、本明細書で記載のいずれかの薬剤および薬学的に許容可能なキャリア、希釈剤、賦形剤、またはビークルを含む、プレフィルシリンジなどの容器である。キットは、本明細書で記載のいずれかの試薬の使用について説明するラベルまたは印刷された説明書をさらに含むことができる。キットまたはキットの1つまたは複数の成分は、室温、約4℃、約-20℃、約-80℃、または約-196℃で貯蔵してもよい。キットはまた、開瞼器、局所麻酔剤、および投与部位用の洗浄剤も含んでもよい。キットはまた、本明細書に記載される1つまたは複数の追加の薬剤をさらに含み得る。一実施形態では、キットは、本明細書で開示される核酸薬物の有効量、および本明細書に記載されるような追加の薬剤などの別の組成物の有効量を含有する容器を含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、予備装入(別名、予投与またはプレフィル)シリンジまたはペン針注入器(注入ペン))である。そのような単位剤形は、本明細書に記載される核酸薬物の有効用量、例えば、約10ng~約2000ng、例えば、約10ng、または約20ng、または約50ng、または約100ng、または約200ng、または約300ng、または約400ng、または約500ng、または約600ng、または約700ng、または約800ng、または約900ng、または約1000ng、または約1100ng、または約1200ng、または約1300ng、または約1400ng、または約1500ng、または約1600ng、または約1700ng、または約1800ng、または約1900ng、または約2000ng、または約3000ng、または約4000ng、または約5000ngを含み得る。
いくつかの実施形態は、低い毒性および高い翻訳効率を有する合成RNA分子に関する。他の実施形態は、細胞の、高効率のインビボトランスフェクション、リプログラミング、および遺伝子編集のための細胞培地に関する。他の実施形態は、リプログラミングタンパク質をコードする合成RNA分子を産生するための方法に関する。さらに別の実施形態は、遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA分子を生成するための方法に関する。
いくつかの実施形態は、遺伝子編集および/または遺伝子修正の方法に関する。いくつかの実施形態は、例えば、非標準ヌクレオチドを含むRNA、例えば、ヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、ニッカーゼ、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質、DNA修復タンパク質、DNA修飾タンパク質、塩基修飾タンパク質、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNA脱メチル化をもたらすタンパク質、DNAが基質である酵素、またはそれらの天然もしくは遺伝子改変されたバリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片または融合構築物の内の1つまたは複数をコードするRNAによる合成RNAベースの遺伝子編集および/または遺伝子修正を包含する。いくつかの実施形態では、遺伝子編集および/または遺伝子修正の効率は、高く、例えば、DNAベースの遺伝子編集および/または遺伝子修正よりも高い。いくつかの実施形態では、遺伝子編集および/または遺伝子修正の本方法は、インビボ適用に十分に効率的である。いくつかの実施形態では、遺伝子編集および/または遺伝子修正の本方法は、細胞選択(例えば、編集されている細胞の選択)を必要としないように十分に効率的である。種々の実施形態では、本方法の遺伝子編集の効率は、約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%、または約7%、または約8%、または約9%、または約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約100%である。種々の実施形態では、本方法の遺伝子修正の効率は、約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約6%、または約7%、または約8%、または約9%、または約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約100%である。
いくつかの実施形態は、遺伝子改変されたヌクレアーゼ切断またはDNA修飾ドメインを含む、高効率の遺伝子編集タンパク質に関する。他の実施形態は、遺伝子改変されたヌクレアーゼ切断またはDNA修飾ドメインを含む、高忠実度の遺伝子編集タンパク質に関する。種々の実施形態は、遺伝子改変されたDNA結合ドメインを含む、高効率の遺伝子編集タンパク質に関する。他の実施形態は、遺伝子改変されたDNA結合ドメインを含む、高忠実度の遺伝子編集タンパク質に関する。さらに他の実施形態は、遺伝子改変された反復配列を含む、遺伝子編集タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、1つまたは複数のCRISPR関連ファミリーメンバーを含む遺伝子編集タンパク質に関する。いくつかの実施形態は、遺伝子編集タンパク質で細胞をトランスフェクトすること、またはそれを発現させるように細胞を誘導することにより、細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。他の実施形態は、インビトロ培養で存在する細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。さらに別の実施形態は、インビボで存在する細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。
いくつかの実施形態は、ポリペプチドの分泌または細胞内局在を調節するための方法に関する。そのような実施形態では、本発明は、生物学的機能性を有するポリペプチドに作動可能に連結されたシグナルペプチドを含むタンパク質をコードするRNAを提供する。ある実施形態では、シグナルペプチドは、ポリペプチドの分泌を調節する。別の実施形態では、シグナルペプチドは、ポリペプチドの細胞内局在を調節する。例えば、少なくとも1つのFGF21シグナルペプチドを含むBMP7は、BMP7の分泌の増加をもたらし得る。別の例では、内因性BMP7シグナルペプチドの代わりに少なくとも1つのFGF21シグナルペプチドを含むBMP7は、BMP7の分泌の増加をもたらし得る。種々の実施形態では、以下の表に記載される少なくとも1つのシグナルペプチドを含む表2Aまたは表2Bに記載されるタンパク質のいずれかは、タンパク質の分泌の増加をもたらし得る。
いくつかの実施形態は、タンパク質をコードするRNA、およびタンパク質の受容体をコードするRNAを投与することを含む、タンパク質の血清半減期、分泌、バイオアベイラビリティ、および/または活性を調節するための方法に関する。例えば、IL15は、IL15の血清半減期、分泌、バイオアベイラビリティ、および活性の内の1つまたは複数を増強するために、その受容体、例えば、IL15RAと共に投与してもよい。
多くのタンパク質およびペプチドは、インビトロ転写RNAから翻訳した場合、活性の低減を示す場合があり、これは不完全または不十分な翻訳後プロセシングに起因する。現在では、RNAトランスフェクション後に産生された活性タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドの量は、ポリペプチドをタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドにプロセッシングできる第2のタンパク質と細胞を接触させること、および/またはポリペプチドをタンパク質、ペプチド、またはポリペプチドにプロセッシングできる第2のタンパク質を発現させるように細胞を誘導することによって、増加させ得ることが明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、第1のポリペプチドをコードする合成RNA分子と細胞を接触させること、および第1のポリペプチドを活性タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドにプロセッシングできる第2のタンパク質と細胞を接触させることを含む、活性タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドを発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質を患者に投与する。一実施形態では、第2のタンパク質は、組換えタンパク質である。別の実施形態では、第2のタンパク質をコードする合成RNA分子と細胞を接触させる。さらなる実施形態では、第2のタンパク質を阻害する分子の阻害剤と細胞を接触させる、および/または第2のタンパク質を阻害する分子の阻害剤を発現させるように細胞を誘導する。一実施形態では、阻害剤は、低分子干渉RNA分子である。
ある特定の実施形態では、第2のタンパク質は、PCSKファミリーのメンバーである。他の実施形態では、第2のタンパク質は、プロタンパク質コンバターゼである。さらに他の実施形態では、第2のタンパク質は、プロホルモンコンバターゼである。さらに他の実施形態では、第2のタンパク質は、カルボキシペプチダーゼである。一実施形態では、第2のタンパク質は、PCSK3(フリン/PACE)である。別の実施形態では、第2のタンパク質は、主に分泌される。さらに別の実施形態では、第2のタンパク質は、主に細胞内にある。さらなる実施形態では、第1のポリペプチド、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドは、プロオピオメラノコルチンの産物、レニン、エンケファリンの産物、プロダイノルフィンの産物、ソマトスタチン、インスリン、アグーチ関連ペプチド、グルカゴン、副甲状腺ホルモン、トランスフォーミング成長因子βスーパーファミリーのメンバー、アルブミン、β-セクレターゼ1、神経成長因子、カルデスモン、α-インテグリン、第IX因子、a-メラノサイト刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、β-エンドルフィン、およびメトエンケファリンからなる群から選択される。
糖化およびグリコシル化は、1つまたは複数の糖分子が、タンパク質に結合するプロセスである。現在では、糖化およびグリコシル化部位の、数または位置を変更することにより、タンパク質の安定性を増大または低減させることができることが明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、1つまたは複数の糖化またはグリコシル化部位を有するタンパク質に関する。一実施形態では、タンパク質は、タンパク質の天然バリアントより多くの糖化またはグリコシル化部位を有するように遺伝子改変される。別の実施形態では、タンパク質は、タンパク質の天然バリアントよりも少ない糖化またはグリコシル化部位を有するように遺伝子改変される。さらに別の実施形態では、タンパク質は、増大した安定性を有する。さらに別の実施形態では、タンパク質は、低減した安定性を有する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、循環タンパク質である。一実施形態では、タンパク質は、エリスロポエチンまたはその生物学的に活性な断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーである。別の実施形態では、タンパク質は、ダルベポエチンαまたはその生物学的に活性な断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーである。別の実施形態では、タンパク質は、NOVEPOETINまたはその生物学的に活性な断片、バリアント、類似体、またはファミリーメンバーである。
トランスフェクション培地に、1つまたは複数のステロイドおよび/または1つまたは複数の抗酸化剤を含む特定の状況では、インビボトランスフェクション効率、インビボリプログラミング効率、およびインビボ遺伝子編集効率を高めることができることが、さらに明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾンまたはベタメタゾンなどのグルココルチコイドと細胞または患者を接触させることに関する。他の実施形態は、ステロイドを含有する培地と細胞を接触させることにより、および1つまたは複数の核酸分子と細胞を接触させることにより、目的タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。一実施形態では、核酸分子は、合成RNAを含む。別の実施形態では、ステロイドは、ヒドロコルチゾンである。さらに別の実施形態では、ヒドロコルチゾンは、約0.1μM~約10μM、または約1μMの濃度で培地中に存在する。他の実施形態は、抗酸化剤を含有する培地とインビボの細胞を接触させることにより、および1つまたは複数の核酸分子と細胞を接触させることにより、目的タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。一実施形態では、酸化防止剤は、アスコルビン酸またはアスコルビン酸-2-ホスフェートである。別の実施形態では、アスコルビン酸またはアスコルビン酸-2-ホスフェートは、約50mg/Lを含む、約0.5mg/L~約500mg/Lの濃度で培地に存在する。さらに他の実施形態は、ステロイドおよび/または抗酸化剤を含有する培地と細胞を接触させることにより、ならびに1つまたは複数の核酸分子と細胞を接触させることにより、インビボの細胞をリプログラミングおよび/または遺伝子編集するための方法に関し、1つまたは複数の核酸分子は、1つまたは複数のリプログラミングおよび/または遺伝子編集タンパク質をコードする。ある特定の実施形態では、細胞は、生体に存在し、ステロイドおよび/または抗酸化剤は、生物に送達される。
複合体形成培地にトランスフェリンを添加することにより、ある特定の状況において、プラスミドトランスフェクションの効率が増大することが報告されている。現在では、複合体形成培地にトランスフェリンを添加することにより、合成RNA分子でのインビボトランスフェクションの効率を同様に増大させることができることが、明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、トランスフェリンを含有する溶液に、1つまたは複数の合成RNA分子およびトランスフェクション試薬を添加することにより、目的タンパク質を発現させるようにインビボの細胞を誘導するための方法に関する。一実施形態では、トランスフェリンは、約1mg/L~約100mg/L、例えば、約5mg/Lの濃度で溶液中に存在する。別の実施形態では、トランスフェリンは、組換え型である。
培養に関連する場合を含む、ある特定の状況では、1つには、非動物由来および/または組換え成分が、動物由来成分よりも高い度合いの一貫性で生成できるために、ならびに、1つには、非動物由来および/または組換え成分が、動物由来成分よりも低い毒性および/または病原性物質での汚染の危険を伴うために、非動物由来および/または組換え成分と、動物由来成分を交換することが望ましいことがある。したがって、ある特定の実施形態は、非動物由来および/または組換え型であるタンパク質に関する。他の実施形態は、培地の構成成分の一部または全てが、非動物由来および/または組換え型である培地に関する。
他の実施形態は、インビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。一実施形態では、インビボの細胞が、1つまたは複数の核酸でトランスフェクションされ、トランスフェクションは、脂質系トランスフェクション試薬などのトランスフェクション試薬を用いて実施される。一実施形態では、1つまたは複数の核酸は、少なくとも1つのRNA分子を含む。別の実施形態では、細胞は、1つまたは複数の核酸でトランスフェクトされ、1つまたは複数の核酸は、p53、TERT、抗体、細胞外マトリックスタンパク質、サイトカイン、分泌タンパク質、膜結合タンパク質、酵素、遺伝子編集タンパク質、クロマチン修飾タンパク質、DNA結合タンパク質、転写因子、ヒストン脱アセチル化酵素、病原体結合分子パターン、および腫瘍関連抗原またはその生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、もしくはファミリーメンバーの内の少なくとも1つをコードする。別の実施形態では、細胞は、繰り返し、例えば、連続した約10日間に少なくとも約2回、または連続した約7日間に少なくとも約3回、または連続した約6日間に少なくとも約4回トランスフェクションされる。いくつかの実施形態は、線維芽細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、心筋幹細胞、毛包幹細胞、神経幹細胞、腸管幹細胞、内皮幹細胞、嗅覚幹細胞、神経堤幹細胞、精巣細胞、およびケラチノサイトの1つにおけるテロメラーゼの発現を増加させる方法に関する。いくつかの実施形態は、線維芽細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、心筋幹細胞、毛包幹細胞、神経幹細胞、腸管幹細胞、内皮幹細胞、嗅覚幹細胞、神経堤幹細胞、精巣細胞、およびケラチノサイトの1つにおけるテロメアの長さを増加させる方法に関する。他の実施形態は、患者から細胞を単離し、細胞を、テロメラーゼの構成要素(例えば、TERT)をコードする核酸薬物と接触させ、および細胞を患者に再導入するための方法に関する。種々の実施形態は、細胞の複製能力を増加させる方法に関する。
リプログラミングは、1つまたは複数のリプログラミング因子をコードする1つまたは複数の核酸で細胞をトランスフェクションすることにより実施できる。リプログラミング因子の例としては、Oct4タンパク質、Sox2タンパク質、Klf4タンパク質、c-Mycタンパク質、l-Mycタンパク質、TERTタンパク質、Nanogタンパク質、Lin28タンパク質、Utf1タンパク質、Aicdaタンパク質、miR200マイクロRNA、miR302マイクロRNA、miR367マイクロRNA、miR369マイクロRNA、ならびにその生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、およびファミリーメンバーが挙げられるが、これらに限定されない。したがって、ある特定の実施形態は、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関する。一実施形態では、インビボの細胞は、1つまたは複数のリプログラミング因子をコードする1つまたは複数の核酸で細胞をトランスフェクションすることによりリプログラミングされる。一実施形態では、1つまたは複数の核酸は、Oct4タンパク質をコードするRNA分子を含む。別の実施形態では、1つまたは複数の核酸はさらに、Sox2タンパク質、Klf4タンパク質、およびc-Mycタンパク質をコードする1つまたは複数のRNA分子を含む。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の核酸はさらに、Lin28タンパク質をコードするRNA分子を含む。一実施形態では、細胞は、ヒト皮膚細胞であり、ヒト皮膚細胞は、多能性幹細胞にリプログラミングされる。別の実施形態では、細胞は、ヒト皮膚細胞であり、ヒト皮膚細胞は、グルコース応答性インスリン産生細胞にリプログラミングされる。リプログラミングすることができる他の細胞、および細胞がリプログラミングすることができる他の細胞の例としては、皮膚細胞、多能性幹細胞、間葉系幹細胞、β細胞、網膜色素上皮細胞、造血細胞、心臓細胞、気道上皮細胞、神経幹細胞、神経細胞、グリア細胞、骨細胞、血液細胞、および歯髄幹細胞が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、細胞は、リプログラミングされた細胞をサポートする培地に接触する。一実施形態では、培地はさらに、細胞をサポートする。
重要なことに、心筋細胞の成長をサポートする培地で細胞を培養することと、組み合わせて、Oct4、Sox2、Klf4、およびc-Mycをコードするウイルスに皮膚細胞を感染させることにより、最初に多能性幹細胞に皮膚細胞をリプログラミングすることなく、心筋細胞への皮膚細胞のリプログラミングもたらすことが報告されている(Efs etal Nat Cell Biol.2011、13:215-22を参照のこと。この文献の内容は参照により本明細書に組み込まれる、)。ある特定の状況では、直接リプログラミング(「分化転換」としても知られる、先に多能性幹細胞に体細胞をリプログラミングすることなく、別の体細胞に1つの体細胞をリプログラミングすること)が、望ましいことがあり、これは、1つには、多能性幹細胞を培養することは、時間がかかり、高価である可能性があるために、安定した多能性幹細胞を樹立し、特徴付けることに伴う追加の処理には、汚染のリスクの増大を伴う可能性があり、先に多能性幹細胞を産生することに関連した培養の追加の時間には、ゲノム不安定性、ならびに、点変異、コピー数の変化、および核型異常を含む変異を導入するリスクの増加を伴う可能性があるためである。したがって、ある特定の実施形態は、インビボの体細胞をリプログラミングするための方法に関し、細胞は体細胞にリプログラミングされ、特徴的な多能性幹細胞株は産生されない。
ある特定の状況では、他の方法によるよりも、本発明の方法により細胞をリプログラミングする方が、少ない総トランスフェクションでよい場合があることが、さらに明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関し、約1~約12回のトランスフェクションが連続した約20日間に実施され、または約4~約10回のトランスフェクションが連続した約15日間に実施され、または約4~約8回のトランスフェクションが連続した約10日間に実施される。細胞が、核酸分子を含有する培地と接触する場合、細胞はおそらく、同時または異なる時のいずれかに、2つ以上の核酸分子と接触するようになる、および/またはそれを内在化することがあることが認められている。したがって、細胞が、核酸を含有する培地と1回のみ接触する場合でさえ、細胞は、2回以上、例えば、繰り返し核酸と接触できる。
注目すべきは、核酸は、本明細書に記載されるような1つまたは複数の非標準的なまたは「修飾された」残基を含有できる。例えば、本明細書に記載される非標準ヌクレオチドのいずれかは、本リプログラミング方法において、使用できる。一実施形態では、プソイドウリジン-5′-三リン酸は、合成RNAを得るために、インビトロ転写反応で、ウリジン-5′-三リン酸と置換することができ、合成RNAのウリジン残基の内の最大100%は、プソイドウリジン残基と交換してもよい。インビトロ転写により、プソイドウリジンおよび5-メチルシチジンが、それぞれウリジンおよびシチジンに完全に置換される場合でさえ、残留した免疫原性を有するRNAを得ることができる(例えば、内容が参照により本明細書に組み込まれる、Angel.Reprogramming Human Somatic Cells to Pluripotency Using RNA[Doctoral Thesis].Cambridge,MA:MIT、2011を参照のこと)。このため、RNAで細胞をトランスフェクションする場合、トランスフェクション培地に免疫抑制剤を添加することが一般的である。ある特定の状況では、トランスフェクション培地に免疫抑制剤を添加することは、1つには、このために最も一般的に用いられる組換え免疫抑制剤B18Rが、高価および製造困難である可能性があるために、望ましくないことがある。現在では、インビボの細胞は、B18Rまたは任意の他の免疫抑制剤を用いることなく、本発明の方法にしたがってトランスフェクションおよび/またはリプログラミングすることができることが、明らかになっている。免疫抑制剤を用いずに、本発明の方法にしたがってインビボの細胞をリプログラミングすることは、迅速で、効率がよく、信頼性が高い可能性があることが、さらに明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、トランスフェクション培地が免疫抑制剤を含有しない場合に、細胞をインビボでトランスフェクションするための方法に関する。他の実施形態は、トランスフェクション培地が免疫抑制剤を含有しない場合に、細胞をインビボでリプログラミングするための方法に関する。例えば、高い細胞密度を用いる場合などの、ある特定の状況では、トランスフェクション培地に免疫抑制剤を添加することが有益であることがある。したがって、ある特定の実施形態は、トランスフェクション培地が免疫抑制剤を含有する場合に、インビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。他の実施形態は、トランスフェクション培地が免疫抑制剤を含有する場合に、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関する。一実施形態では、免疫抑制剤は、B18Rまたはその生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、もしくはファミリーメンバー、あるいはデキサメタゾンまたはその誘導体である。一実施形態では、トランスフェクション培地は、免疫抑制剤を含有せず、核酸用量は、過度の毒性を防止するように選択される。別の実施形態では、核酸用量は、組織1cm2当たり約1mg、または細胞100,000当たり約1mg未満、または約10mg/kg未満である。
本発明のある特定の実施形態に従って生成されたリプログラミングされた細胞は、望ましくない外来DNA配列を含有せず、不明確であることがあり、毒性および/または病原性汚染物質を含有し得る動物由来またはヒト由来の産物に曝露されないので、治療的および/または美容的用途に適している。さらに、本発明のある特定の実施形態の高い速度、効率、および信頼性により、変異および他の染色体異常の導入および蓄積のリスクが減少し得る。したがって、本発明のある特定の実施形態は、治療的および/または美容的用途で用いられるために適切な安全性プロフィールを有する細胞を作成するために用いることができる。例えば、本発明のRNAおよび培地が動物またはヒト由来の構成成分を含有しない培地を用いて細胞をリプログラミングすることにより、同種異系材料に曝露していない細胞を得ることができる。したがって、ある特定の実施形態は、望ましい安全性プロフィールを有するリプログラミングされた細胞に関する。一実施形態では、リプログラミングされた細胞は、正常な核型を有する。別の実施形態では、リプログラミングされた細胞は、患者ゲノムに対して約5未満のコピー数多型(CNV)、例えば、患者ゲノムに対して約3未満のコピー数多型を有し、または患者ゲノムに対してコピー数多型を有さない。さらに別の実施形態では、リプログラミングされた細胞は、正常な核型、および患者ゲノムに対してコード領域内に約100未満の単一ヌクレオチドバリアント、または患者ゲノムに対してコード領域内に約50未満の単一ヌクレオチドバリアント、または患者ゲノムに対してコード領域内に約10未満の単一ヌクレオチドバリアントを有する。
エンドトキシンおよびヌクレアーゼは、同時精製することができ、および/または、血清アルブミンなどの他のタンパク質と結合できる。特に、組換えタンパク質は、産生中に起こる可能性がある細胞の溶解にある程度起因して、結合したエンドトキシンおよびヌクレアーゼの濃度が高い場合が多い。エンドトキシンおよびヌクレアーゼは、例えば、アセチル化による、オクタン酸ナトリウムなどの安定剤の添加に続いて熱処理することによるもの、アルブミン溶液および/または培地にヌクレアーゼ阻害剤を添加することによるもの、結晶化によるもの、1つまたは複数のイオン交換樹脂と接触させることによるもの、活性炭と接触させることによるもの、分取電気泳動によるもの、またはアフィニティークロマトグラフィーによるものを含む、本発明の多くの方法にしたがって、減少させる、除去する、交換する、または別の方法で不活性化させることができる。現在では、エンドトキシンおよび/またはヌクレアーゼを、培地からおよび/またはそれの1つまたは複数の構成成分から、部分的または完全に減少させる、除去する、交換する、または別の方法で不活性化させることにより、細胞がトランスフェクションおよびリプログラミングされ得る効率を高めることができることが、明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、トランスフェクション培地が、1つまたは複数のエンドトキシンおよび/またはヌクレアーゼを部分的にまたは完全に減少させる、除去する、交換する、または別の方法で不活性化させるように処理されている場合に、1つまたは複数の核酸でインビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。他の実施形態は、核酸の最小限の分解を引き起こす培地に関する。一実施形態では、培地は、約1EU/mL未満、または約0.1EU/mL未満、または約0.01EU/mL未満を含有する。
ある特定の状況では、血清アルブミンなどのタンパク質系脂質キャリアは、メチル-β-シクロデキストリンなどの非タンパク質系脂質キャリアと交換できる。本発明の培地はさらに、例えば、トランスフェクションが、脂質キャリアの存在を必要としないことがある、または、それから利益を享受しないことがある方法を用いて実施される場合、例えば、1つまたは複数のトランスフェクション試薬、ポリマー系トランスフェクション試薬、もしくはペプチド系トランスフェクション試薬を用いて、または電気穿孔法を用いて、脂質キャリアなしに用いることができる。金属などの多くのタンパク質結合分子は、インビボの細胞に対し高い毒性がある可能性がある。この毒性は、生存率の低減および変異の導入をもたらす可能性がある。したがって、ある特定の実施形態は、毒性分子を含まない細胞を産生するさらなる利益を有する。
タンパク質の結合分子構成成分は、溶液中でタンパク質を懸濁させること、および溶液の伝導率を測定することにより測定できる。したがって、ある特定の実施形態は、約10%のタンパク質水溶液が約500μmho/cm未満の伝導率を有する、タンパク質を含有する培地に関する。一実施形態では、溶液は、約50μmho/cm未満の伝導率を有する。別の実施形態では、約0.65%未満の乾燥重量のタンパク質は脂質を含み、および/または約0.35%未満の乾燥重量のタンパク質は脂肪酸を含まない。
インビボの細胞に送達される核酸の量は、核酸の目的の効果を高めるために、増大させることができる。しかし、特定の点を超えてインビボの細胞に送達される核酸の量を増大させることにより、トランスフェクション試薬の毒性にある程度起因して、細胞の生存率の低減を生ずる可能性がある。現在では、核酸が、一定量のインビボの細胞(例えば、組織のある領域内の細胞)の集団に送達される場合、各細胞に送達される核酸の量は、特定の細胞集団および特定の密度の細胞に送達される核酸の総量に依存する可能性があり、細胞密度が高いと、各細胞に送達されるよりも少ない核酸になることが、明らかになっている。ある特定の実施形態では、インビボの細胞は、1つまたは複数の核酸で2回以上トランスフェクションされる。特定の条件下では、例えば、細胞が増殖する場合、細胞密度は、1つのトランスフェクションから次のトランスフェクションまで変化することがある。したがって、ある特定の実施形態は、核酸でインビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関し、細胞は2回以上トランスフェクションされ、細胞に送達される核酸の量が、2つのトランスフェクションで異なる。一実施形態では、細胞は、2つのトランスフェクションの間で増殖し、細胞に送達される核酸の量は、2つのトランスフェクションの内の1回目に対するより、2つのトランスフェクションの内の2回目に対する方が多い。別の実施形態では、細胞は、3回以上トランスフェクションされ、細胞に送達される核酸の量は、3つのトランスフェクションの内の2回目に対する方が、同じ3つのトランスフェクションの内の1回目に対するより多く、細胞に送達される核酸の量は、同じ3つのトランスフェクションの内の3回目に対する方が、同じ3つのトランスフェクションの内の2回目に対するより多い。さらに別の実施形態では、細胞は、2回以上トランスフェクションされ、各トランスフェクションの間に細胞に送達される核酸の最大量は、少なくとも2つの連続するトランスフェクションに対し少なくとも約80%の生存率を得るためには十分に低い。
現在では、一連のトランスフェクションで、増殖するインビボの細胞の集団に送達される核酸の量を調節することにより、核酸の増大した効果および細胞の増大した生存率をもたらすことができることが、明らかになっている。ある特定の状況では、インビボの細胞が、一連のトランスフェクションで、1つまたは複数のリプログラミング因子をコードする1つまたは複数の核酸と接触する場合、リプログラミングの効率は、一連のトランスフェクションの少なくとも一部に対し、後のトランスフェクションで送達される核酸の量が先のトランスフェクションで送達される核酸の量より多い場合に、高くすることができることが、さらに明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、1つまたは複数の核酸が、一連のトランスフェクションで細胞に繰り返し送達され、細胞に送達される核酸の量が、少なくとも1つの後のトランスフェクションに対する方が、少なくとも1つの先のトランスフェクションに対するより多い、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関する。一実施形態では、細胞は、約2~約10回、または約3~約8回、または約4~約6回トランスフェクトされる。別の実施形態では、1つまたは複数の核酸が、少なくとも1つのRNA分子を含み、細胞は約2~約10回トランスフェクションされ、各トランスフェクションで細胞に送達される核酸の量は、直近の前のトランスフェクションで細胞に送達される核酸の量と同じ、またはそれより多い。さらに別の実施形態では、1回目のトランスフェクションで細胞に送達される核酸の量は、約20ng/cm2~約250ng/cm2、または100ng/cm2~600ng/cm2である。さらに別の実施形態では、細胞は、約12~約48時間の間隔で約5回トランスフェクトされ、細胞に送達される核酸の量は、1回目のトランスフェクションに対し約25ng/cm2、2回目のトランスフェクションに対し約50ng/cm2、3回目のトランスフェクションに対し約100ng/cm2、4回目のトランスフェクションに対し約200ng/cm2、5回目のトランスフェクションに対し約400ng/cm2である。さらに別の実施形態では、細胞はさらに、5回目のトランスフェクションの後に少なくとも1回トランスフェクションされ、細胞に送達される核酸の量は、約400ng/cm2である。
ある特定の実施形態は、核酸でインビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関し、核酸の量は細胞密度を測定することにより決定され、細胞密度の測定値に基づいてトランスフェクションするための核酸の量を選択する。一実施形態では、細胞密度は、光学的手段により測定される。別の実施形態では、細胞は、繰り返しトランスフェクションされ、細胞密度は、2つのトランスフェクションの間で増大し、トランスフェクションされる核酸の量は、2つのトランスフェクションの内の2回目に対する方が、2つのトランスフェクションの内の1回目に対するより多い。
現在では、ある特定の状況では、患者内で産生される循環タンパク質の量は、複数の投与部位で核酸を患者に投与することによって、増加させることができることが、明らかになっている。ある特定の実施形態では、循環タンパク質の量は、単回注射部位で核酸を患者に投与することによって、患者内で産生される循環タンパク質の量と比較して増加する。一実施形態では、投与は、注入による。別の実施形態では、注射は、皮内注入である。さらに別の実施形態では、注入は、皮下または筋肉内注入である。いくつかの実施形態では、複数の投与部位は、皮膚における投与部位を含む。他の実施形態では、複数の投与部位は、少なくとも約1、または少なくとも約2、または少なくとも約5、または少なくとも約10、または少なくとも約20、または少なくとも約50、または少なくとも約100の投与部位である。一実施形態では、投与は、少なくとも約5分、または少なくとも約10分、または少なくとも約30分、または少なくとも約1時間、または少なくとも約2時間、または少なくとも約5時間、または少なくとも約12時間、または少なくとも約1日以内に実施する。ある特定の実施形態では、循環タンパク質の量は、少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約50%、または少なくとも約100%、または少なくとも約3倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍、または少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍、または少なくとも約500倍、または少なくとも約1000倍、または1000倍を超えて増加する。
現在では、ある特定の状況では、本発明の培地と接触した細胞のインビボトランスフェクション効率および生存率は、培地を馴化することにより改善できることが、明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、培地を馴化するための方法に関する。他の実施形態は、馴化されている培地に関する。一実施形態では、フィーダーは、線維芽細胞であり、培地は約24時間馴化される。他の実施形態は、トランスフェクション培地が馴化されている場合に、インビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。他の実施形態は、培地が馴化されている場合に、インビボの細胞をリプログラミングおよび/または遺伝子編集するための方法に関する。一実施形態では、フィーダーは、例えば、マイトマイシン-Cなどの化学物質に曝露させることにより、またはガンマ線に曝露させることにより、有糸分裂的に不活性化される。ある特定の実施形態では、理論に拘束されることを望むものではないが、1つには、例えば、フィーダーから細胞または患者への疾患伝播の危険を回避するために、自己由来材料のみを用いることが有益であることがある。したがって、ある特定の実施形態は、トランスフェクション培地が馴化され、フィーダーがトランスフェクションされる細胞と同じ個体に由来する、インビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。他の実施形態は、培地が馴化され、フィーダーがリプログラミングおよび/または遺伝子編集される細胞と同じ個体に由来する場合に、インビボの細胞をリプログラミングおよび/または遺伝子編集するための方法に関する。
いくつかの分子は、馴化により培地に添加できる。したがって、ある特定の実施形態は、馴化培地に存在する、1つまたは複数の分子で補充される培地に関する。一実施形態では、培地は、Wnt1、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、またはそれらの生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、アゴニスト、もしくはファミリーメンバーで補充される。別の実施形態では、培地は、TGF-βまたはその生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、アゴニスト、もしくはファミリーメンバーで補充される。さらに別の実施形態では、インビボの細胞は、培地が約1~約5日の間はTGF-βで補充されず、その後少なくとも約2日間TGF-βで補充され、本発明の方法にしたがってリプログラミングされる。さらに別の実施形態では、培地は、IL-6、IL-6R、またはそれらの生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、アゴニスト、もしくはファミリーメンバーで補充される。さらに別の実施形態では、培地は、スフィンゴ脂質または脂肪酸で補充される。さらに別の実施形態では、スフィンゴ脂質は、リゾホスファチジン酸、リゾスフィンゴミエリン、スフィンゴシン-1-ホスフェート、またはその生物学的に活性な類似体、バリアント、もしくは誘導体である。
細胞を有糸分裂的に不活性化することに加えて、ある特定の条件下で、照射は、細胞の遺伝子発現を変化させることができ、照射されない細胞よりも、細胞に特定のタンパク質をより少なく、他の特定のタンパク質、例えば、タンパク質のWntファミリーのメンバーをより多く産生させる。加えて、タンパク質のWntファミリーの特定のメンバーは、細胞の成長および形質転換を促進できる。現在では、ある特定の状況では、リプログラミングの効率は、マイトマイシン-c処理されたフィーダーの代わりに照射されたフィーダーを用いて馴化される培地と、インビボの細胞を接触させることにより、大幅に増大させることができることが、明らかになっている。照射されたフィーダーを用いた場合に観察されるリプログラミング効率の増大が、ある程度、フィーダーにより分泌されるWntタンパク質により引き起こされることが、さらに明らかになっている。したがって、ある特定の実施形態は、細胞を、Wnt1、Wnt2、Wnt3、Wnt3a、またはそれらの生物学的に活性な断片、類似体、バリアント、ファミリーメンバー、もしくはアゴニスト、例えば、Wntタンパク質の下流標的のアゴニスト、および/またはWntタンパク質の生物学的効果の内の1つまたは複数を模倣する薬剤、例えば、2-アミノ-4-[3,4-(メチレンジオキシ)ベンジルアミノ]-6-(3-メトキシフェニル)ピリミジンと接触させる場合に、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関する。
多くのDNAに基づくリプログラミング方法は効率が低いため、これらの方法は、少数の細胞しか含有し得ない患者試料に由来する細胞で使用することが困難または不可能であることがある。対照的に、本発明のある特定の実施形態の高効率性により、単一の細胞を含む、少数の細胞の信頼できるリプログラミングを可能にすることができる。ある特定の実施形態は、少数の細胞をリプログラミングするための方法に関する。他の実施形態は、単一の細胞をリプログラミングするための方法に関する。一実施形態では、細胞を、1つまたは複数の酵素と接触させる。別の実施形態では、酵素は、コラゲナーゼである。さらに別の実施形態では、コラゲナーゼは、動物構成成分を含有しない。一実施形態では、コラゲナーゼは、約0.1mg/mL~約10mg/mL、または約0.5mg/mL~約5mg/mLの濃度で存在する。別の実施形態では、細胞は、血液細胞である。さらに別の実施形態では、細胞を、患者の血液に由来する1つまたは複数のタンパク質を含有する培地と接触させる。さらに別の実施形態では、細胞を、DMEM/F12+2mMのL-アラニル-L-グルタミン+約5%~約25%の患者由来の血清または約10%~約20%の患者由来の血清または約20%の患者由来の血清を含む培地と接触させる。
現在では、ある特定の状況では、本発明の培地を用いて、Oct4、Sox2、Klf4、およびc-MycをコードするRNAの混合物でインビボの細胞をトランスフェクションすることにより、細胞の増殖速度を増大させることができることが、明らかになっている。細胞に送達されるRNAの量が少なすぎて、細胞の全てが確実にトランスフェクションできない場合、細胞の一部のみが、増大する増殖速度を表すことがある。個人用にカスタマイズされた治療薬を作成する場合などのある特定の状況では、細胞の増殖速度を増大させることは、1つには、そうすることにより、治療薬を作成するために必要な時間を減少させることができ、その結果、治療薬の費用を減少させることができるために、望ましいことがある。したがって、ある特定の実施形態は、Oct4、Sox2、Klf4、およびc-MycをコードするRNAの混合物でインビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。一実施形態では、細胞は、増大した増殖速度を示す。別の実施形態では、細胞は、リプログラミングされる。
多くの疾患は、1つまたは複数の変異と関連する。変異は、単独または他の分子との組み合わせのいずれかで、変異を修正するタンパク質をコードする核酸と細胞を接触させることにより、改変できる(遺伝子編集の一例)。このようなタンパク質の例には、ヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、ニッカーゼ、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質、DNA修復タンパク質、DNA修飾タンパク質、塩基修飾タンパク質、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNA脱メチル化をもたらすタンパク質、DNAが基質である酵素、またはこれらの天然もしくは遺伝子改変されたバリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片または融合構築物が挙げられる。したがって、ある特定の実施形態は、単独または他の分子との組み合わせのいずれかでDNA分子の一本鎖切断または二本鎖切断を作り出すタンパク質をコードする核酸で、インビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。一実施形態では、タンパク質は、ジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENである。別の実施形態では、核酸は、RNA分子である。さらに別の実施形態では、一本鎖切断または二本鎖切断は、SERPINA1、CCR5、CXCR4、GAD1、GAD2、CFTR、HBA1、HBA2、HBB、HBD、FANCA、XPA、XPB、XPC、ERCC2、POLH、HTT、DMD、SOD1、APOE、PRNP、BRCA1、およびBRCA2またはそれらの類似体、バリアント、もしくはファミリーメンバーの群から選択される遺伝子の転写開始部位の約5,000,000塩基以内にある。一実施形態では、本発明は、場合により、TALENによる、MYCタンパク質の遺伝子編集(例えば、癌と関連し得る1つまたは複数の変異を修正すること)に関する。さらに別の実施形態では、細胞は、一本鎖切断もしくは二本鎖切断の領域にDNA配列の挿入を生じさせること、または一本鎖もしくは二本鎖切断の領域のDNA配列を別の方法で変化させることのいずれかにより修復テンプレートとして機能する核酸でトランスフェクションされる。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、DNA修飾ドメインを含む。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、一本鎖切断を生成することなく変異を修正する。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、二重鎖切断を生成することなく変異を修正する。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、1つの塩基を別の塩基で置換させることにより、変異を修正する。一実施形態では、アデニンはシトシンにより置換される。別の実施形態では、アデニンはグアニンにより置換される。さらに別の実施形態では、アデニンはチミンにより置換される。さらに別の実施形態では、シトシンはアデニンにより置換される。さらに別の実施形態では、シトシンはグアニンにより置換される。さらに別の実施形態では、シトシンはチミンにより置換される。さらに別の実施形態では、グアニンはアデニンにより置換される。さらに別の実施形態では、グアニンはシトシンにより置換される。さらに別の実施形態では、グアニンはチミンにより置換される。さらに別の実施形態では、チミンはアデニンにより置換される。さらに別の実施形態では、チミンはシトシンにより置換される。さらに別の実施形態では、チミンはグアニンにより置換される。一実施形態では、1つの塩基を別の塩基での置換は、一段階プロセスである。別の実施形態では、1つの塩基を別の塩基での置換は、多段階プロセスである。いくつかの実施形態では、1つの塩基は、2つ以上の塩基、例えば、2つの塩基で置換される。他の実施形態では、2つ以上の塩基は、1つの塩基で置換される。さらにその他の実施形態では、2つ以上の塩基は、2つ以上の塩基で置換される。いくつかの実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、デアミナーゼを含む。一実施形態では、デアミナーゼドメインは、シチジンデアミナーゼドメインを含む。別の実施形態では、デアミナーゼドメインは、アデノシンデアミナーゼドメインを含む。さらに別の実施形態では、デアミナーゼドメインは、グアノシンデアミナーゼドメインを含む。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、配列番号587、588、589、590、591、592、および593の内の1つまたは複数のアミノ酸配列に対し、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である酸配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質はリンカーを含む。一実施形態では、リンカーは、可撓性リンカーである。別の実施形態では、リンカーは、標的塩基に近接してデアミナーゼドメインを配置する。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は標的塩基を脱アミノ化する。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、グリコシラーゼ阻害剤ドメインを含む。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、グリコシラーゼ阻害剤活性を含む。一実施形態では、グリコシラーゼ阻害剤は、ウラシルグリコシラーゼ阻害剤である。別の実施形態では、グリコシラーゼ阻害剤は、N-メチルプリンDNAグリコシラーゼ阻害剤である。さらに別の実施形態では、細胞はリプログラミングされ、その後に細胞は遺伝子編集される。さらに別の実施形態では、細胞は遺伝子編集され、その後に細胞はリプログラミングされる。さらに別の実施形態では、遺伝子編集およびリプログラミングは、互いに約7日以内に実施される。さらに別の実施形態では、遺伝子編集およびリプログラミングは、同時に、または同日に生じる。さらに別の実施形態では、細胞は、皮膚細胞であり、皮膚細胞は、CCR5遺伝子を阻害するように遺伝子編集され、皮膚細胞は、造血幹細胞にリプログラミングされ、それによりHIV/AIDSに対する治療薬を生成し、該治療薬は、HIV/AIDSをもつ患者を治療するために用いられる。さらに別の実施形態では、皮膚細胞は、治療薬が治療するために用いられる患者と同じ患者に由来する。
ある特定の実施形態は、希少疾患の治療ための方法および組成物に関する。いくつかの実施形態では、希少疾患は、希少代謝疾患、希少心臓血管疾患、希少皮膚疾患、希少神経疾患、希少発達障害、希少遺伝性疾患、希少肺疾患、希少肝疾患、希少腎疾患、希少精神疾患、希少生殖器疾患、希少筋骨格疾病、希少整形外科的疾患、代謝先天異常、リソソーム蓄積症、および希少眼科疾患の内の1種または複数である。一実施形態では、疾患は、α1-アンチトリプシン欠損症いくつかの実施形態は、機能獲得変異、機能喪失型変異、劣性変異、優性変異またはドミナントネガティブ変異の内の1種または複数に関連する遺伝子で欠失を生じさせることができる遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を含む治療薬に関する。他の実施形態は、機能獲得変異、機能喪失型変異、劣性変異、優性変異またはドミナントネガティブ変異の内の1種または複数を修正できる遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を含む治療薬に関する。一実施形態では、治療は、1つまたは複数の対象の症状を回復させる。別の実施形態では、対象はヒト対象である。さらに別の実施形態では、対象は、獣医学対象である。いくつかの実施形態は、SERPINA1遺伝子中でまたはその近傍で欠失を生じさせることができる遺伝子編集タンパク質を含む核酸を対象に投与することを含む、α1-アンチトリプシン欠損症の治療に関する。他の実施形態は、SERPINA1遺伝子中のまたはその近傍の変異を修正できる遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を対象に投与することを含む、α1-アンチトリプシン欠損症の治療に関する。一実施形態では、変異はZ変異である。一実施形態では、欠失または修正は、対象の細胞中の重合したα1-アンチトリプシンタンパク質の蓄積を減らすおよび/または対象の細胞からのα1-アンチトリプシン分泌を高める。別の実施形態では、治療された細胞は、罹病器官を再生する。さらに別の実施形態では、罹病器官は肝臓である。さらに別の実施形態では、罹病器官は肺である。さらに別の実施形態では、治療は、対象の肝臓および/または肺移植の必要性を遅らせるか、または必要性をなくする。他の実施形態は、表皮水疱症の治療に関する。一実施形態では、表皮水疱症は、栄養障害型表皮水疱症である。別の実施形態では、表皮水疱症は、単純性表皮水疱症である。さらに別の実施形態では、栄養障害型表皮水疱症は、劣性栄養障害性表皮水泡症である。いくつかの実施形態では、治療は、COL7A1遺伝子中のまたはその近傍の変異を修正できる遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を対象に投与することを含む。一実施形態では、修正は、対象の細胞により産生されるVII型機能的コラーゲンの量を増やす。別の実施形態では、治療は、皮膚損傷および/または皮膚疱疹の大きさ、重症度、および/または再発頻度を減らす。さらに他の実施形態は、原発性高シュウ酸尿症の治療に関する。一実施形態では、原発性高シュウ酸尿症は、I型原発性高シュウ酸尿症である。別の実施形態では、治療は、AGXT遺伝子中のまたはその近傍の変異を修正できる遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を対象に投与することを含む。さらに別の実施形態では、治療は、対象の腎臓移植および/または肝移植の必要性を遅らせるか、または必要性をなくする。
本発明の治療薬を生成するために、本発明の方法にしたがって編集できる遺伝子は、正常な機能を回復させるように編集できる、および機能を減少または除去するように編集できる遺伝子を含む。このような遺伝子としては、変異がα1-アンチトリプシン欠損症を引き起こす可能性があるα1-アンチトリプシン(SERPINA1)、変異が鎌状赤血球病(SCD)およびβ-地中海貧血を引き起こす可能性があるβグロビン(HBB)、変異が乳癌に対する感受性を増大させる可能性がある、乳癌1、早発型(BRCA1)、および乳癌2、早発型(BRCA2)、変異がHIV感染に対する耐性を与える可能性があるC-Cケモカイン受容体型5(CCR5)およびC-X-Cケモカイン受容体型4(CXCR4)、変異が嚢胞性線維症を引きこす可能性がある嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)、変異が、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィーを含む筋ジストロフィーを引き起こす可能性があるジストロフィン(DMD)、変異がβ細胞の自己免疫破壊を防止する可能性がある、グルタミン酸デカルボキシラーゼ1およびグルタミン酸デカルボキシラーゼ2(GAD1、GAD2)、変異が地中海貧血を引き起こす可能性がある、ヘモグロビンα1、ヘモグロビンα2、およびヘモグロビンδ(HBA1、HBA2、およびHBD)、変異が表皮水疱症を引き起こす可能性がある、デスモプラキン、ケラチン5、ケラチン14、プレクチン、インテグリンα-6、インテグリンβ-4、ラミニンサブユニットα-3、ラミニンサブユニットβ-3、ラミニンサブユニットγ-2、コラーゲンVII型α1、コラーゲンXVII型α1、およびマトリックスメタロプロテイナーゼ-1(DSP、KRT5、KRT14、PLEC1、ITGA6、ITGB4、LAMA3、LAMB3、LAMC2、COL7A1、COL17A1、およびMMP1)、変異がハンチントン病を引き起こす可能性がある、ハンチントン(HTT)、変異が筋萎縮性側索硬化症(ALS)を引き起こす可能性があるスーパーオキシドジスムターゼ1(SOD1)、変異が色素性乾皮症を引き起こす可能性がある、XPA、XPB、XPC、XPD(ERCC6)、およびポリメラーゼ(DNA依存性)、η(POLH)、変異がパーキンソン病を引き起こす可能性があるロイシンリッチ反復キナーゼ2(LRRK2)、ならびに変異がファンコニ貧血を引き起こす可能性がある、ファンコニ貧血、相補群A、B、C、D1、D2、E、F、G、I、J、L、M、N、P(FANCA、FANCB、FANCC、FANCD1、FANCD2、FANCE、FANCF、FANCG、FANCI、FANCJ、FANCL、FANCM、FANCN、FANCP)、およびRAD51ホモログC(S.cerevisiae)(RAD51C)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本発明は、増殖分化因子15(GDF15)の調節方法に関する。特定の実施形態では、本明細書に記載のRNAがGDF15のレベルを調節するために投与される治療方法が提供される。いくつかの実施形態では、RNAはGDF15をコードする。特定の実施形態では、編集される遺伝子は、増殖分化因子15(GDF15)である。種々の実施形態では、本発明は、次記の疾患または障害を治療または予防するための、GDF15の標的化および/または発現に関する:代謝疾患または障害(例えば、糖尿病(I型およびII型)、インスリン抵抗性、肥満症、脂質異常症、高コレステロール血症、高血糖、高インスリン血症);高血圧;脂肪肝、例えば、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)および非アルコール性脂肪酸肝疾患(NAFLD);脂質代謝障害に関連する癌、疾患または障害;腎機能障害に関連する疾患または障害(例えば、慢性腎疾患、糖尿病性腎症などの腎症、腎不全)、肝機能障害に関連する疾患または障害、肺機能障害に関連する疾患または障害、血管または心臓血管疾患または障害(例えば、冠動脈疾患、心筋症、高血圧、心房細動、子癇前症、末梢動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、心不全、急性心筋梗塞、急性冠症候群、筋消耗、高血圧性心室肥大、高血圧性心筋症、虚血性心疾患、心筋梗塞、腹部大動脈瘤、血餅、深部静脈血栓症、静脈うっ血症、静脈炎、静脈瘤など)、筋消耗、炎症、および呼吸器疾患。特定の実施形態では、GDF15の標的化は、代謝で使用するために、脂質沈着を肝臓および/またはその他の組織から、循環へ集めることにより、脂質代謝を改善する。
ある特定の障害では、病態の1つまたは複数のマイナス面の影響を弱めるために、体がGDF15レベルを増加させる場合がある。したがって、ある特定の実施形態は、GDF15レベルの増加に関する。一実施形態では、GDF15の血清レベルが増加する。別の実施形態では、組織および/または器官中のGDF15レベルが増加する。さらに別の実施形態では、ALTレベルが低下する。さらに別の実施形態では、ASTレベルが低下する。さらに別の実施形態では、グルコースレベルが低下する。さらに別の実施形態では、血清コレステロールレベルが増加する。さらに別の実施形態では、血清トリグリセリドレベルが増加する。さらに別の実施形態では、食物摂取量が減少する。さらに別の実施形態では、体重が減少する。さらなる実施形態では、治療により、食事および/または運動治療計画の遵守が改善される。
特定の実施形態では、GDF15の発現は、脂質沈着を肝臓および/またはその他の組織から、循環へ集めることにより、脂質代謝を改善する。特定の実施形態では、GDF15の発現および/または標的化は、肝炎を低減する。特定の実施形態では、GDF15の発現および/または標的化は、脂肪肝、NAFLD、NASH、炎症、肝炎、繊維化、肝硬変、および肝細胞癌の内の1つまたは複数を治療または予防する。特定の実施形態では、GDF15の発現および/または標的化は、慢性腎疾患、急性腎損傷、腎症、糖尿病性腎症、腎不全、および腎線維症の内の1つまたは複数を治療または予防する。特定の実施形態では、GDF15の発現および/または標的化は、TGF-βスーパーファミリーの別のメンバーと組み合わせて、代謝で使用するために、脂質沈着を肝臓および/またはその他の組織から、循環へ集めることにより、肝炎を減らす、および/または脂肪肝、NAFLD、NASH、炎症、肝炎、繊維化、肝硬変、および肝細胞癌、慢性腎疾患、急性腎損傷、腎症、糖尿病性腎症、腎不全、および腎線維症の内の1つまたは複数を治療または予防する。ある特定の実施形態は、核酸を含む治療薬に関する。一実施形態では、核酸は、1つまたは複数の遺伝子編集タンパク質をコードする。他の実施形態は、本発明の方法にしたがって、インビボでトランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集される、1つまたは複数の細胞を含む治療薬に関する。一実施形態では、細胞は、トランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集され、トランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集された細胞は、患者に導入される。別の実施形態では、細胞は、トランスフェクション、リプログラミング、および/または遺伝子編集された細胞が導入された患者と同じ患者から採取される。本発明の治療薬で治療できる疾患の例としては、アルツハイマー病、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症、嚢胞性線維症、虚血性および拡張型心筋症を含む心疾患、黄斑変性症、パーキンソン病、ハンチントン病、糖尿病、鎌状赤血球貧血、地中海貧血、ファンコニ貧血、色素性乾皮症、筋ジストロフィー、重症複合免疫不全症、遺伝性感覚神経障害、癌、ならびにHIV/AIDSが挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、治療薬は、化粧品を含む。一実施形態では、細胞は患者から採取され、細胞は化粧品を産生するために多数の脂肪細胞にリプログラミングおよび増殖され、化粧品は患者に導入される。さらに別の実施形態では、化粧品は、組織再生のために用いられる。
特定の種類の細胞の産生、および特定の種類の細胞を含む治療薬の作製に関する詳細な例が、本明細書で提供されるが、本発明の方法は、例えば、本発明の方法にしたがって細胞をリプログラミングし、発育中の細胞の微小環境に存在する条件に類似した条件を提供することにより発育の1つまたは複数の態様を模倣する条件下で細胞を培養することにより、多くの他の種類の細胞を産生するために、および多くの他の種類の細胞の内の1つまたは複数を含む治療薬を作製するために用いることができることがわかる。
ある特定の実施形態は、種々のヒト白血球抗原(HLA)型を有する細胞のライブラリー(「HLA適合ライブラリー」)に関する。HLA適合ライブラリーは、1つには、患者が、治療薬が患者の細胞から産生されるのを待つ必要なく、治療薬の迅速な産生および/または配布を提供できるために、有益であることがある。このようなライブラリーは、化粧品の製造にとって、ならびに患者が治療薬または化粧品をすぐに入手できることから利益を享受し得る心疾患ならびに血液および/または免疫系の疾患の治療にとって特に有益であることがある。
細胞のDNA配列は、遺伝子編集タンパク質と細胞を接触させること、または遺伝子編集タンパク質を発現させるように細胞を誘導することにより、変更できる。しかしながら、以前に開示された遺伝子編集タンパク質には、低い結合効率および過剰なオフターゲット活性という欠点があり、これらは、例えば、治療的および美容的用途において、細胞のDNAに望ましくない変異を導入する可能性があり、インビボでのそれらの使用が大幅に制限される。これらの用途において、患者の細胞に望ましくない変異が導入されると、癌の発症につながる可能性がある。現在では、StsIエンドヌクレアーゼ切断ドメイン(配列番号1)を含む遺伝子編集タンパク質が、高レベルのインビボでのオンターゲット活性を維持しながら、以前に開示された遺伝子編集タンパク質よりも実質的に低いインビボでのオフターゲット活性を示す可能性があることが、明らかになっている。遺伝子編集タンパク質:StsI-HA(配列番号2)、StsI-HA2(配列番号3)、StsI-UHA(配列番号4)、StsI-UHA2(配列番号5)、StsI-HF(配列番号6)、およびStsI-UHF(配列番号7)のヌクレアーゼドメインとして用いられる場合に、高いインビボでのオンターゲット活性、低いインビボでのオフターゲット活性、小さなサイズ、溶解性、および他の望ましい特性を示すことができる他の新規の遺伝子改変タンパク質も発見されている。StsI-HA、StsI-HA2(高活性)、StsI-UHA、およびStsI-UHA2(超高活性)は、34位および61位のN末端領域内の特定のアミノ酸置換にある程度起因して、野生型StsIおよび野生型FokIの両方よりも高いインビボでのオンターゲット活性を示すことができ、一方、StsI-HF(高忠実度)およびStsI-UHF(超高忠実度)は、141位および152位のC末端領域内の特定のアミノ酸置換にある程度起因して、野生型StsIおよび野生型FokIの両方よりも低いインビボでのオフターゲット活性を示すことができる。
したがって、ある特定の実施形態は、タンパク質に関する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、インビボで存在する。他の実施形態では、タンパク質は、ヌクレアーゼドメインを含む。一実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、FokIエンドヌクレアーゼ(配列番号53)の切断ドメイン、StsIエンドヌクレアーゼ(配列番号1)、StsI-HA(配列番号2)、StsI-HA2(配列番号3)、StsI-UHA(配列番号4)、StsI-UHA2(配列番号5)、StsI-HF(配列番号6)、およびStsI-UHF(配列番号7)の切断ドメイン、またはそれらの生物学的に活性な断片もしくはバリアントの内の1つまたは複数を含む。
特定の新規の反復配列を含むDNA結合ドメインを含む改変遺伝子編集タンパク質が、高レベルのインビボでのオンターゲット活性を維持しながら、以前に開示された遺伝子編集タンパク質よりも低いインビボでのオフターゲット活性を示し得ることも、発見されている。これらの遺伝子改変された遺伝子編集タンパク質の一部は、例えば、増大した結合効率をもたらすことができる、反復配列を連結するリンカー領域の向上した可撓性を含む、以前に開示された遺伝子編集タンパク質に勝るいくつかの利点を提供できる。したがって、ある特定の実施形態は、複数の反復配列を含むタンパク質に関する。一実施形態では、反復配列の内の少なくとも1つは、アミノ酸配列:GabGを含有する。ここで、「a」および「b」はそれぞれ任意のアミノ酸を表す。一実施形態では、タンパク質は、遺伝子編集タンパク質である。別の実施形態では、反復配列の内の1つまたは複数は、DNA結合ドメインに存在する。さらなる実施形態では、「a」および「b」はそれぞれ独立して、HグループおよびGグループから選択される。さらに別の実施形態では、「a」および「b」はそれぞれ、HおよびGである。一実施形態では、アミノ酸配列は、反復配列のC末端の約5のアミノ酸内に存在する。別の実施形態では、アミノ酸配列は、反復配列のC末端に存在する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列GabGの1つまたは複数のGは、G以外の、例えばA、H、またはGGの、1つまたは複数のアミノ酸と交換される。一実施形態では、反復配列は、約32~約40のアミノ酸、または約33~約39のアミノ酸、または約34~38のアミノ酸、または約35~約37のアミノ酸、または約36のアミノ酸、または約32を超えるアミノ酸、または約33を超えるアミノ酸、または約34を超えるアミノ酸、または約35を超えるアミノ酸の長さを有する。他の実施形態は、1つまたは複数の転写活性化因子様エフェクタードメインを含むタンパク質に関する。一実施形態では、転写活性化因子様エフェクタードメインの内の少なくとも1つは、反復配列を含む。他の実施形態は、転写活性化因子様エフェクタードメインの反復配列の内の少なくとも2つの間に、1つまたは複数のアミノ酸を挿入することにより作製される複数の反復配列を含むタンパク質に関する。一実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸は、少なくとも1つの反復配列のC末端から約1または約2または約3または約4または約5アミノ酸に挿入される。さらに他の実施形態は、約1つおきの反復配列が、反復配列の直前または直後の反復配列と異なる長さを有する複数の反復配列を含むタンパク質に関する。一実施形態では、1つおきの反復配列は、約36アミノ酸長である。別の実施形態では、1つおきの反復配列は、36アミノ酸長である。さらに他の実施形態は、複数の反復配列を含むタンパク質に関し、複数の反復配列は、それぞれ少なくとも36アミノ酸長である少なくとも2つの反復配列を含み、少なくとも36アミノ酸長である反復配列の内の少なくとも2つは、36未満のアミノ酸長である少なくとも1つの反復配列により隔てられている。いくつかの実施形態は、例えば、配列番号54、配列番号55、配列番号56、配列番号57、配列番号58、配列番号59、および配列番号60から選択される1つまたは複数の配列を含むタンパク質に関する。
他の実施形態は、DNA結合ドメインを含むタンパク質に関する。いくつかの実施形態では、DNA結合ドメインは、複数の反復配列を含む。一実施形態では、複数の反復配列は、標的DNA分子の結合部位の高特異性の認識を可能にする。別の実施形態では、反復配列の内の少なくとも2つは、互いに少なくとも約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約98%、または約99%の相同性を有する。さらなる実施形態では、反復配列の内の少なくとも1つは、標的DNA分子の結合部位に結合することが可能な1つまたは複数の領域を含む。さらに別の実施形態では、結合部位は、長さが約1~約5塩基の一定の配列を含む。一実施形態では、DNA結合ドメインは、ジンクフィンガーを含む。別の実施形態では、DNA結合ドメインは、転写活性化因子様エフェクター(TALE)を含む。さらなる実施形態では、複数の反復配列は、TALEと少なくとも約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または約98%、または約99%の相同性を有する少なくとも1つの反復配列を含む。さらに別の実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質を含む。一実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、核局在化配列を含む。別の実施形態では、核局在化配列は、アミノ酸配列PKKKRKV(配列番号471)を含む。一実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、ミトコンドリア局在化配列を含む。別の実施形態では、ミトコンドリア局在化配列は、アミノ酸配列:LGRVIPRKIASRASLM(配列番号472)を含む。一実施形態では、遺伝子編集タンパク質はリンカーを含む。別の実施形態では、リンカーは、ヌクレアーゼドメインにDNA結合ドメインを連結する。さらなる実施形態では、リンカーは、約1~約10アミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、約1、約2、または約3、または約4、または約5、または約6、または約7、または約8、または約9、または約10アミノ酸長である。一実施形態では、遺伝子編集タンパク質は、標的DNA分子で、ニックまたは二本鎖切断を作成することが可能である。
ある特定の実施形態は、インビボの細胞のゲノムを改変するための方法に関し、該方法は、長さが36アミノ酸の1つまたは複数の反復単位およびエンドヌクレアーゼドメインを含む人工転写活性化因子様(TAL)エフェクター反復ドメインを含む非自然発生融合タンパク質をコードする核酸分子をインビボの細胞に導入することを含み、反復ドメインは、所定のヌクレオチド配列の認識のために遺伝子改変され、融合タンパク質は、所定のヌクレオチド配列を認識する。一実施形態では、細胞は、真核細胞である。別の実施形態では、細胞は動物細胞である。さらなる実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。さらに別の実施形態では、細胞はヒト細胞である。一実施形態では、細胞は、植物細胞である。別の実施形態では、細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、細胞の核酸にエンドヌクレアーゼ的切断を導入し、その結果、細胞のゲノムが改変される。
ある特定の実施形態は、遺伝子編集タンパク質をコードする核酸を含むインビボの細胞のDNA配列を変更するための組成物に関する。他の実施形態は、第1の遺伝子編集タンパク質をコードする第1の核酸および第2の遺伝子編集タンパク質をコードする第2の核酸を含む核酸混合物を含むインビボの細胞の、DNA配列を変更するための組成物に関する。一実施形態では、第1の遺伝子編集タンパク質の結合部位および第2の遺伝子編集タンパク質の結合部位は、同じ標的DNA分子中に存在する。別の実施形態では、第1の遺伝子編集タンパク質の結合部位および第2の遺伝子編集タンパク質の結合部位は、約50個未満の塩基、もしくは約40個未満の塩基、もしくは約30個未満の塩基もしくは約20個未満の塩基、もしくは約10個未満の塩基、または約10個~約25個の塩基もしくは約15個の塩基によって、隔てられている。一実施形態では、第1の遺伝子編集タンパク質のヌクレアーゼドメインおよび第2の遺伝子編集タンパク質のヌクレアーゼドメインは、二量体を形成することが可能である。別の実施形態では、二量体は、標的DNA分子にニックまたは二本鎖切断を生成することが可能である。
ある特定の実施形態は、治療用組成物に関する。他の実施形態は、化粧品組成物に関する。いくつかの実施形態では、組成物は、修復テンプレートを含む。さらなる実施形態では、修復テンプレートは、一本鎖DNA分子または二本鎖DNA分子である。
他の実施形態は、タンパク質またはタンパク質をコードする核酸を合成するための製品に関する。一実施形態では、製品は核酸である。別の実施形態では、タンパク質は、DNA結合ドメインを含む。さらなる実施形態では、核酸は、DNA結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、タンパク質は、ヌクレアーゼドメインを含む。別の実施形態では、核酸は、ヌクレアーゼドメインをコードするヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、タンパク質は、複数の反復配列を含む。別の実施形態では、核酸は、複数の反復配列をコードする。さらなる実施形態では、ヌクレアーゼドメインは、FokI、StsI、StsI-HA、StsI-HA2、StsI-UHA、StsI-UHA2、StsI-HF、およびStsI-UHF、またはそれらの天然もしくは遺伝子改変されたバリアントもしくは生物学的に活性な断片から選択される。一実施形態では、核酸は、RNAポリメラーゼプロモーターを含む。別の実施形態では、RNAポリメラーゼプロモーターは、T7プロモーターまたはSP6プロモーターである。さらなる実施形態では、核酸は、ウイルスプロモーターを含む。一実施形態では、核酸は、非翻訳領域を含む。別の実施形態では、核酸は、インビトロ転写テンプレートである。
ある特定の実施形態は、インビボでタンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。他の実施形態は、遺伝子編集タンパク質でインビボの細胞をトランスフェクションすること、またはインビボで遺伝子編集タンパク質を発現させるように細胞を誘導することを含む、インビボの細胞のDNA配列を変更するための方法に関する。さらに他の実施形態は、インビボの細胞において、目的タンパク質の発現を減少させるための方法に関する。一実施形態では、細胞は、標的DNA分子にニックまたは二本鎖切断を形成することが可能である遺伝子編集タンパク質を発現させるように誘導される。別の実施形態では、ニックまたは二本鎖切断は、遺伝子の不活性化をもたらす。さらに他の実施形態は、インビボで、不活性な、活性の減少した、またはドミナントネガティブ型のタンパク質を作成する方法に関する。一実施形態では、タンパク質は、サバイビンである。さらに他の実施形態は、インビボの細胞において、1つまたは複数の変異を修復するための方法に関する。一実施形態では、細胞を、修復テンプレートと接触させる。別の実施形態では、修復テンプレートは、DNA分子である。さらなる実施形態では、修復テンプレートは、遺伝子編集タンパク質の結合部位を含有しない。さらに別の実施形態では、修復テンプレートは、遺伝子編集タンパク質の結合部位を含むDNA配列でコードされるアミノ酸配列をコードする。
種々の実施形態では、修復テンプレートは、約20のヌクレオチド、または約30のヌクレオチド、または約40のヌクレオチド、または約50のヌクレオチド、または約60のヌクレオチド、または約70のヌクレオチド、または約80のヌクレオチド、または約90のヌクレオチド、または約100のヌクレオチド、または約150のヌクレオチド、または約200のヌクレオチド、または約300のヌクレオチド、または約400のヌクレオチド、または約500のヌクレオチド、または約750のヌクレオチド、または約1000のヌクレオチドである。種々の実施形態では、修復テンプレートは、約20~1000のヌクレオチド、または約20~500のヌクレオチド、または約20~400のヌクレオチド、または約20~200のヌクレオチド、または約20~100のヌクレオチド、または約80~100のヌクレオチド、または約50~100のヌクレオチドである。
種々の実施形態では、RNA(例えば、遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA)対修復テンプレートの質量比は、約1:10、または約1:9、または約1:8、または約1:7、または約1:6、または約1:5、または約1:4、または約1:3、または約1:2、または約1:1、または約2:1、または約3:1、または約4:1、または約5:1、または約6:1、または約7:1、または約8:1、または約9:1、または約10:1である。
種々の実施形態では、RNA(例えば、遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNA)対修復テンプレートのモル比は、約1:10、または約1:9、または約1:8、または約1:7、または約1:6、または約1:5、または約1:4、または約1:3、または約1:2、または約1:1、または約2:1、または約3:1、または約4:1、または約5:1、または約6:1、または約7:1、または約8:1、または約9:1、または約10:1である。
種々の実施形態では、修復テンプレートは、遺伝子編集標的配列に修復を生じさせ、さらに、遺伝子編集タンパク質のさらなる結合を防止する二重機能を有することで、さらなる遺伝子編集を(例えば、遺伝子編集タンパク質結合部位であったものを遺伝子編集タンパク質結合に適さなくさせる修復を引き起こす修復テンプレートを介して)減少または止めさせる。したがって、いくつかの実施形態では、遺伝子編集の本方法は、標的部位当たり単一の遺伝子編集を保証するように調整可能である。
他の実施形態は、治療的または美容的有効量の、タンパク質またはタンパク質をコードする核酸を、患者に投与することを含む、患者を治療するための方法に関する。一実施形態では、治療は、患者の症状の内の1つまたは複数の改善がもたらされる。ある特定の実施形態は、a.目的タンパク質をコードする核酸でインビボの細胞をトランスフェクションすることにより、目的タンパク質を発現させるように細胞を誘導すること、および/または、b.インビボの細胞をリプログラミングすることを含む、患者を治療するための方法に関する。一実施形態では、細胞は、分化がより少ない状態にリプログラミングされる。別の実施形態では、細胞は、1つまたは複数のリプログラミングタンパク質をコードする1つまたは複数の合成RNA分子で細胞をトランスフェクションすることにより、リプログラミングされる。さらなる実施形態では、細胞は、分化する。さらに別の実施形態では、細胞は、皮膚細胞、グルコース応答性インスリン産生細胞、造血細胞、心臓細胞、網膜細胞、腎細胞、神経細胞、間質細胞、脂肪細胞、骨細胞、筋細胞、卵母細胞、および精子細胞の内の1つに分化する。他の実施形態は、a.遺伝子編集タンパク質をコードする核酸でインビボの細胞をトランスフェクションすることにより、遺伝子編集タンパク質を発現させるように細胞を誘導すること、および/または、b.インビボの細胞をリプログラミングすることを含む、患者を治療するための方法に関する。
他の実施形態は、複合体形成培地に関する。一実施形態では、複合体形成培地は、約7を超える、または約7.2を超える、または約7.4を超える、または約7.6を超える、または約7.8を超える、または約8.0を超える、または約8.2を超える、または約8.4を超える、または約8.6を超える、または約8.8を超える、または約9.0を超えるpHを有する。別の実施形態では、複合体形成培地は、トランスフェリンを含む。さらなる実施形態では、複合体形成培地は、DMEMを含む。さらに別の実施形態では、複合体形成培地は、DMEM/F12を含む。さらに他の実施形態は、核酸-トランスフェクション試薬の複合体を形成するための方法に関する。一実施形態では、トランスフェクション試薬は、複合体形成培地でインキュベートされる。別の実施形態では、インキュベーションは、混合工程の前に生じる。さらなる実施形態では、インキュベーションステップは、約5秒~約5分、または約10秒~約2分、または約15秒~約1分、または約30秒~約45秒である。一実施形態では、トランスフェクション試薬は、表1から選択される。別の実施形態では、トランスフェクション試薬は、脂質または脂質様物質である。さらなる実施形態では、トランスフェクション試薬は、カチオンを含む。さらに別の実施形態では、カチオンは、多価カチオンである。さらに別の実施形態では、トランスフェクション試薬は、N1-[2-((1S)-1-[(3-アミノプロピル)アミノ]-4-[ジ(3-アミノプロピル)アミノ]ブチルカルボキシアミド)エチル]-3,4-ジ[オレイルオキシ]-ベンズアミド(別名MVL5)またはその誘導体である。
ある特定の実施形態は、インビボで核酸と細胞を接触させることにより、タンパク質を発現させるように細胞を誘導するための方法に関する。一実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞である。別の実施形態では、細胞は、ヒト細胞またはげっ歯類細胞である。他の実施形態は、本発明の方法の内の1つまたは複数を用いて生成される細胞に関する。一実施形態では、細胞は、患者中に存在する。別の実施形態では、細胞は、患者から分離される。他の実施形態は、本発明の方法の内の1つまたは複数を用いて生成される細胞を含むスクリーニングライブラリーに関する。一実施形態では、スクリーニングライブラリーは、心毒性スクリーニング、神経毒性スクリーニング、および肝毒性スクリーニングを含む毒性スクリーニング、効力スクリーニング、ハイスループットスクリーニング、ハイコンテントスクリーニング、ならびに他のスクリーニングの内の少なくとも1のために使用される。
他の実施形態は、核酸を含有するキットに関する。一実施形態では、キットは、送達試薬(別名「トランスフェクション試薬」)を含有する。別の実施形態では、キットは、リプログラミングキットである。さらなる実施形態では、キットは、遺伝子編集キットである。他の実施形態は、核酸を産生するためのキットに関する。一実施形態では、キットは、プソイドウリジン三リン酸、5-メチルウリジン三リン酸、5-メチルシチジン三リン酸、5-ヒドロキシメチルシチジン三リン酸、N4-メチルシチジン三リン酸、N4-アセチルシチジン三リン酸、および7-デアザグアノシン三リン酸、または1つまたは複数のそれらの誘導体の内の少なくとも2つを含有する。他の実施形態は、核酸を含む治療薬または化粧品に関する。一実施形態では、治療薬または化粧品は、医薬組成物である。別の実施形態では、医薬組成物が処方される。さらなる実施形態では、配合物は、リポソームの水性懸濁液を含む。リポソーム成分の例は、表1に記載され、制限のためでなく例示のために与えられる。一実施形態では、リポソームは、1つまたは複数のポリエチレングリコール(PEG)鎖を含む。別の実施形態では、PEGは、PEG2000である。さらなる実施形態では、リポソームは、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)またはその誘導体を含む。一実施形態では、治療薬は、1つまたは複数のリガンドを含む。別の実施形態では、治療薬は、アンドロゲン、CD30(TNFRSF8)、細胞透過性ペプチド、CXCR、エストロゲン、上皮成長因子、EGFR、HER2、葉酸、インスリン、インスリン様成長因子I、インターロイキン13、インテグリン、プロゲステロン、間質由来因子1、トロンビン、ビタミンD、およびトランスフェリン、またはそれらの生物学的に活性な断片もしくはバリアントの内の少なくとも1つを含む。さらに他の実施形態は、本発明の方法の内の1つまたは複数を用いて作成される細胞を含む治療薬または化粧品に関する。一実施形態では、治療薬は、限定されないが、1型糖尿病、虚血性および拡張型心筋症を含む心疾患、黄斑変性症、パーキンソン病、嚢胞性線維症、鎌状赤血球貧血、地中海貧血、ファンコニ貧血、重症複合免疫不全症、遺伝性感覚神経障害、色素性乾皮症、ハンチントン病、筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、癌、ならびに肝炎およびHIV/AIDSを含む感染症を含む本明細書に記載される疾患または障害のいずれかを治療するために、患者に投与される。
他の実施形態は、インビボの細胞をリプログラミングするための方法に関する。一実施形態では、細胞は、1つまたは複数の核酸と細胞を接触させることによりリプログラミングされる。一実施形態では、細胞を、Oct4タンパク質、Sox2タンパク質、Klf4タンパク質、c-Mycタンパク質、Lin28タンパク質、またはそれらの生物学的に活性な断片、バリアント、もしくは誘導体の内の少なくとも1つをコードする複数の核酸と接触させる。別の実施形態では、細胞を、Oct4タンパク質、Sox2タンパク質、Klf4タンパク質、およびc-Mycタンパク質、またはそれらの1つまたは複数の生物学的に活性な断片、バリアント、もしくは誘導体を含む複数のタンパク質をコードする複数の核酸と接触させる。さらに他の実施形態は、インビボの細胞を遺伝子編集するための方法に関する。一実施形態では、細胞は、1つまたは複数の核酸と細胞を接触させることにより遺伝子編集される。
ある特定の実施形態は、イオン交換樹脂または活性炭で処理されるアルブミン、および1つまたは複数の核酸分子を含む溶液と、インビボの細胞を接触させることを含む、目的タンパク質を発現させるようにインビボの細胞を誘導するための方法に関し、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つは、目的タンパク質をコードする。一実施形態では、方法は、目的タンパク質を発現する細胞を生ずる。別の実施形態では、1つまたは複数の核酸分子は、合成RNA分子を含む。一実施形態では、細胞は、皮膚細胞である。別の実施形態では、細胞は、筋細胞である。さらに別の実施形態では、細胞は、皮膚線維芽細胞である。さらに別の実施形態では、細胞は、筋芽細胞である。一実施形態では、目的タンパク質は、細胞外マトリックスタンパク質である。別の実施形態では、目的タンパク質は、エラスチン、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、リシルオキシダーゼ、エラスチン結合タンパク質、成長因子、線維芽細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子β、顆粒球コロニー刺激因子、マトリックスメタロプロテアーゼ、アクチン、フィブリリン、ミクロフィブリル結合糖タンパク質、リシルオキシダーゼ様タンパク質、および血小板由来成長因子から選択される。一実施形態では、溶液は、真皮に送達される。別の実施形態では、送達は、注入による。さらに別の実施形態では、送達は、マイクロニードルアレイを用いた注入による。一実施形態では、溶液はさらに、成長因子を含む。別の実施形態では、成長因子は、線維芽細胞増殖因子およびトランスフォーミング増殖因子βから選択される。さらに別の実施形態では、溶液はさらに、コレステロールを含む。他の実施形態は、コレステロールおよび1つまたは複数の核酸分子を含む溶液とインビボの細胞を接触させることを含む、目的タンパク質を発現させるようにインビボの細胞を誘導するための方法に関し、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つは、目的タンパク質をコードする。一実施形態では、方法は、目的タンパク質を発現する細胞を生ずる。さらに他の実施形態は、イオン交換樹脂または活性炭で処理されるアルブミン、および核酸分子を含む溶液とインビボの細胞を接触させることを含む、核酸分子でインビボの細胞をトランスフェクションするための方法に関する。一実施形態では、方法は、核酸分子でトランスフェクションされている細胞を生ずる。別の実施形態では、核酸分子は、dsDNA分子、ssDNA分子、dsRNA分子、ssRNA分子、プラスミド、オリゴヌクレオチド、合成RNA分子、miRNA分子、mRNA分子、siRNA分子の内の1つである。さらに他の実施形態は、イオン交換樹脂または活性炭で処理されたアルブミン、および1つまたは複数の核酸分子を含む組成物を、患者に送達することを含む、患者を治療するための方法に関し、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つは、目的タンパク質をコードする。一実施形態では、方法は、患者において、目的タンパク質の発現をもたらす。別の実施形態では、方法は、患者の真皮において、目的タンパク質の発現をもたらす。
ある特定の実施形態は、イオン交換樹脂または活性炭で処理されたアルブミン、および核酸分子を含む化粧品組成物に関する。他の実施形態は、美容的処置用品に関する。一実施形態では、美容的処置用品は、患者に組成物を送達するように構成される器具を備える。別の実施形態では、核酸分子は、エラスチンタンパク質またはコラーゲンタンパク質をコードする。さらに他の実施形態は、コレステロールまたはコレステロール類似体、および1つまたは複数の核酸分子を含む、インビボの細胞をトランスフェクションするための溶液に関する。一実施形態では、コレステロールまたはコレステロール類似体は、1つまたは複数の核酸分子の内の少なくとも1つに共有結合される。別の実施形態では、コレステロール類似体は、オキシステロールである。さらに別の実施形態では、コレステロール類似体は、A環置換、B環置換、D環置換、側鎖置換、コレスタン酸、コレステン酸、多価不飽和部分、重水素化部分、フッ素化部分、スルホン化部分、リン酸化部分、および蛍光部分の内の1つまたは複数を含む。さらに別の実施形態では、方法は、皮膚充填剤、神経毒(実例として、ナトリウムチャネル阻害剤(例えば、テトロドトキシン)、カリウムチャネル阻害剤(例えば、テトラエチルアンモニウム)、塩素イオンチャネル阻害剤(例えば、クロロトキシンおよびクラーレ)、カルシウムチャネル阻害剤(例えば、コノトキシン)、シナプス小胞放出の阻害剤(例えば、ボツリヌス毒素および破傷風毒素)、および血液脳関門の阻害剤(例えば、アルミニウム、水銀))ならびに修復誘導治療の内の1つまたは複数で患者を治療することを含む。
トランスフェクション試薬核酸複合体は、数分間以上保存した場合に、沈殿、凝集を形成、あるいは分解しやすい傾向にもかかわらず、本発明者らは、驚くべきことに、本発明のいくつかの実施形態に従って生成されたトランスフェクション試薬核酸複合体が、種々の温度、例えば、室温、約4℃、約-20℃、約-80℃、および約-196℃で長期間、例えば、数時間、約1日、約1週間、約1ヵ月、約1年、および約1年以上凍結および/または保存できることを発見した。したがって、いくつかの実施形態は、合成RNA、およびトランスフェクション試薬を含み、固体の形態で提供される医薬製剤に関する。他の実施形態は、合成RNAトランスフェクション試薬複合体を含み、合成RNAトランスフェクション試薬複合体が固体の形態で提供される、医薬製剤に関する。種々の実施形態では、合成RNAトランスフェクション試薬複合体は、凍結形態で提供される。種々の実施形態は、核酸トランスフェクション試薬複合体を形成すること、および核酸トランスフェクション試薬複合体またはこれを含有する容器を低温液体と接触させて、安定化した核酸トランスフェクション試薬複合体を生成することを含む、核酸トランスフェクション試薬複合体を安定化させるための方法に関する。一実施形態では、核酸トランスフェクション試薬複合体は、出荷用または保存用として安定化される。
代表的な対象または患者は、ヒトおよび他の霊長類(例えば、チンパンジーおよび他の類人猿ならびにサル種)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ)、家庭用哺乳動物(例えば、イヌおよびネコ)、実験動物(例えば、マウス、ラット、およびモルモットなどの齧歯類)、ならびに鳥類(例えば、ニワトリ、シチメンチョウ、および他の家禽鳥、アヒル、ガチョウなどの、家庭用、野生の、および狩猟用の鳥)を含むが、これらに限定されない、任意の脊椎動物を指す。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
定義
「分子」は、分子実体(分子、イオン、複合体など)を意味する。
「RNA分子」は、RNAを含む分子を意味する。
「合成RNA分子」は、細胞外で生成される、または生物工学を用いて細胞内で産生されるRNA分子、非限定例として、インビトロ転写反応で産生されるRNA分子、直接化学合成により生成されるRNA分子、または遺伝子改変された大腸菌細胞で産生されるRNA分子を意味する。
「トランスフェクション」は、分子と細胞を接触させることを意味し、分子は細胞により内在化される。
「トランスフェクション時に」は、トランスフェクションの間、またはトランスフェクションの後を意味する。
「トランスフェクション試薬」は、分子と結合し、細胞への分子の送達、および/またはそれによる分子の内在化を容易にする、物質または物質の混合物、非限定例として、カチオン性脂質、荷電ポリマー、または細胞透過性ペプチドを意味する。
「試薬ベースのトランスフェクション」は、トランスフェクション試薬を用いるトランスフェクションを意味する。
「培地」は、溶媒または溶媒と溶質を含む溶液を意味し、非限定例として、ダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)、DMEM+10%のウシ胎仔血清(FBS)、生理食塩水または水を意味得する。
「複合体形成培地」は、トランスフェクション試薬およびトランスフェクションされる分子が添加され、トランスフェクション試薬が、トランスフェクションされる分子と結合している培地を意味する。
「トランスフェクション培地」は、トランスフェクションに使用できる培地、非限定例を挙げると、ダルベッコ変性イーグル培地(DMEM)、DMEM/F12、生理食塩水、または水を意味する。
「組換えタンパク質」は、動物またはヒトで産生されないタンパク質またはペプチドを意味する。非限定例としては、細菌で産生されるヒトトランスフェリン、マウス細胞のインビトロ培養で産生されるヒトフィブロネクチン、およびイネで産生されるヒト血清アルブミンが挙げられる。
「Oct4タンパク質」は、POU5F1遺伝子によりコードされるタンパク質、またはその天然もしくは遺伝子改変バリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片もしくは融合構築物、非限定例として、ヒトOct4タンパク質(配列番号8)、マウスOct4タンパク質、Oct1タンパク質、POU5F1偽遺伝子2によりコードされるタンパク質、Oct4タンパク質のDNA結合ドメイン、またはOct4-GFP融合タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、Oct4タンパク質は、配列番号8と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、他の実施形態では、配列番号8と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Oct4タンパク質は、配列番号8に対して(一括で)1~20のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。 あるいは、他の実施形態では、Oct4タンパク質は、配列番号8に対して(一括で)1~15または1~10のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。
「Sox2タンパク質」は、SOX2遺伝子によりコードされるタンパク質、またはその天然もしくは遺伝子改変バリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片もしくは融合構造物、非限定例として、ヒトSox2タンパク質(配列番号9)、マウスSox2タンパク質、Sox2タンパク質のDNA結合ドメイン、またはSox2-GFP融合タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、Sox2タンパク質は、配列番号9と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、他の実施形態では、配列番号9と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Sox2タンパク質は、配列番号9に対して(一括で)1~20のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。あるいは、他の実施形態では、Sox2タンパク質は、配列番号9に対して(一括で)1~15または1~10のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。
「Klf4タンパク質」は、KLF4遺伝子によりコードされるタンパク質、またはその天然もしくは遺伝子改変バリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片もしくは融合構造物、非限定例として、ヒトKlf4タンパク質(配列番号10)、マウスKlf4タンパク質、Klf4タンパク質のDNA結合ドメイン、またはKlf4-GFP融合タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、Klf4タンパク質は、配列番号10と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、他の実施形態では、配列番号10と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、Klf4タンパク質は、配列番号10に対して(一括で)1~20のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。あるいは、他の実施形態では、Klf4タンパク質は、配列番号10に対して(一括で)1~15または1~10のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。
「c-Mycタンパク質」は、MYC遺伝子によりコードされるタンパク質、またはその天然もしくは遺伝子改変バリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片もしくは融合構造物、非限定例として、ヒトc-Mycタンパク質(配列番号11)、マウスc-Mycタンパク質、l-Mycタンパク質、c-Myc(T58A)タンパク質、c-Mycタンパク質のDNA結合性ドメイン、またはc-Myc-GFP融合タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、c-Mycタンパク質は、配列番号11と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、他の実施形態では、配列番号11と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、c-Mycタンパク質は、配列番号11に対して(一括で)1~20のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸を含む。あるいは、他の実施形態では、c-Mycタンパク質は、配列番号11に対して(一括で)1~15または1~10のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。
「エリスロポエチン」または「エリスロポエチンタンパク質」は、EPO遺伝子によりコードされるタンパク質、またはそれらの天然もしくは遺伝子改変されたバリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、断片、もしくは融合構築物、非限定例として、ヒトエリスロポエチン(配列番号164)、マウスエリスロポエチン、ダルベポエチン、ダルベポエチンα、NOVEPOETIN、エリスロポエチンの結合ドメイン、またはエリスロポエチンGFP融合タンパク質を意味する。いくつかの実施形態では、エリスロポエチンは、配列番号164と少なくとも70%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、他の実施形態では、配列番号164と少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、エリスロポエチンは、配列番号164に対して(一括で)1~20のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸を含む。あるいは、他の実施形態では、エリスロポエチンは、配列番号164に対して(一括で)1~15または1~10のアミノ酸の挿入、欠失、または置換を有するアミノ酸配列を含む。
「リプログラミング」は、細胞の表現型に変化を引き起こすこと、非限定例として、成熟β細胞にβ細胞の前駆細胞を分化させること、多能性幹細胞に線維芽細胞を脱分化させること、心臓幹細胞、ケラチノサイトを分化転換させること、細胞のテロメアを長くさせること、またはニユーロンの軸索を成長させることを意味する。
「リプログラミング因子」は、細胞が分子と接触し、および/または細胞が分子を発現させる場合、単独または他の分子との組み合わせのいずれかで、リプログラミングを行わせることができる分子、非限定例として、Oct4タンパク質、Tertタンパク質、またはエリスロポエチンを意味する。
「生殖細胞」は、精子細胞または卵細胞を意味する。
「多能性幹細胞」は、インビボで、全ての3つの胚葉(内胚葉、中胚葉、および外胚葉)の細胞に分化できる細胞を意味する。
「体細胞」は、多能性幹細胞または生殖細胞でない細胞、非限定例として、皮膚細胞を意味する。
「造血細胞」は、血液細胞または血液細胞に分化できる細胞、非限定例として、造血幹細胞または白血球を意味する。
「心臓細胞」は、心臓細胞または心臓細胞に分化できる細胞、非限定例として、心筋幹細胞または心筋細胞を意味する。
「網膜細胞」は、網膜細胞または網膜細胞に分化できる細胞、非限定例として、網膜色素上皮細胞を意味する。
「皮膚細胞」は、通常は皮膚に見出される細胞、非限定例として、線維芽細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、脂肪細胞、間葉系幹細胞、脂肪幹細胞、または血液細胞を意味する。
「免疫抑制剤」は、免疫系の1つまたは複数の局面を抑制することができ、哺乳動物に通常存在しない物質、非限定例として、B18Rまたはデキサメタゾンを意味する。
「一本鎖切断」は、ヌクレオチドを連結する共有結合の内の1つまたは複数が、1つまたは2つの鎖の内の1つで切断されている、一本鎖または二本鎖DNAの領域を意味する。
「二本鎖切断」は、ヌクレオチドを連結させる共有結合の内の1つまたは複数が、2つ鎖のそれぞれで切断されている、二本鎖DNAの領域を意味する。
「ヌクレオチド」は、ヌクレオチドもしくは断片またはそれらの誘導体、非限定例として、核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド三リン酸などを意味する。
「ヌクレオシド」は、ヌクレオチドもしくは断片またはそれらの誘導体、非限定例として、核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチド三リン酸などを意味する。
「遺伝子編集」は、細胞のDNA配列を変更すること、非限定例として、細胞のDNAに変異を生じさせるタンパク質で、細胞をトランスフェクションすることによるまたは細胞のDNAに化学的変化を生じさせるタンパク質で、細胞をトランスフェクションすることによるものを意味する。
「遺伝子編集タンパク質」は、単独または1つまたは複数の他の分子との組み合わせのいずれかで、細胞のDNA配列を変更できるタンパク質、非限定例として、ヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、メガヌクレアーゼ、ニッカーゼ、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)関連タンパク質(CRISPR)関連タンパク質、DNA修復タンパク質、DNA修飾タンパク質、塩基修飾タンパク質、DNAメチルトランスフェラーゼ、DNA脱メチル化を生じさせるタンパク質、DNAが基質となる酵素、またはこれらの自然もしくは遺伝子改変されたバリアント、ファミリーメンバー、相同分子種、ドメイン、断片、もしくは融合構築物を意味する。
「修復テンプレート」は、遺伝子編集タンパク質の標的部位の10kbの範囲内にある配列と少なくとも約70%の相同性をもつ領域を含有する核酸を意味する。
「反復配列」は、少なくとも約10%の相同性の範囲内で、タンパク質中の2つ以上のコピー中に存在するアミノ酸配列、非限定例として、転写活性化因子様エフェクターのモノマーリピートを意味する。
「DNA結合ドメイン」は、DNA分子に結合させることが可能な分子の領域、非限定例として、1つまたは複数のジンクフィンガーを含むタンパク質ドメイン、1つまたは複数の転写活性化因子様(TAL)エフェクター反復配列を含むタンパク質ドメイン、またはDNA分子に結合させることが可能な小分子の結合ポケットを意味する。
「結合部位」は、遺伝子編集タンパク質、DNA結合タンパク質、DNA結合ドメイン、またはその生物学的に活性な断片もしくはバリアントにより認識されることが可能な核酸配列、あるいは遺伝子編集タンパク質、DNA結合タンパク質、DNA結合ドメイン、またはその生物学的に活性な断片もしくはバリアントが高い親和性を有する核酸配列、非限定例として、ヒトBIRC5遺伝子のエキソン1におけるDNAの約20塩基対配列を意味する。
「標的」は、結合部位を含有する核酸を意味する。
他の定義は、米国特許出願第13/465,490号、米国仮特許出願第61/664,494号、米国仮特許出願第61/721,302号、国際出願第PCT/US12/67966号、米国仮特許出願第61/785,404号、米国仮特許出願第61/842,874号、国際出願第PCT/US13/68118号、米国仮特許出願第61/934,397号、米国特許出願第14/296,220号、米国仮特許出願第62/038,608号、米国仮特許出願第62/069,667号、および国際出願第PCT/US2015/013949号に記載されており、これらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明はさらに、以下の非限定実施例により例示される。
実施例
実施例1 RNA合成
緑色蛍光タンパク質(「GFP」)、NOVEPOETIN(「EPO」)、エラスチン(「ELN」)、チロシナーゼ(「TYR」)、メラノコルチン1受容体(「MC1R」)、HAS1、HAS2、HAS3、COL3A1、COL7A1、COL1A1、COL1A2、hTERT、ホリーGFP、フレズノRFP、Blitzen Blue、RIBOSLICE遺伝子編集タンパク質、TALEN、Cas9、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc-2(T58A)、Lin28、IL2、IL6、IL15、IL22、BMP2、BMP7、BDNF、LIF、BMP6、IL15RA、FGF21、LIF、PTH、KRT5、KRT5-GFP、KRT14、KRT14-GFP、GDF15およびESM1をコードし、標準および非標準ヌクレオチドの種々の組み合わせを含むRNAを、製造者の説明書ならびに本発明者らにより先に開示された発明(米国特許出願第13/465,490号(現在米国特許第8,497,124号)、国際出願第PCT/US12/67966号、米国特許出願第13/931,251号、国際出願第PCT/US13/68118号、および国際出願第PCT/US2015/013949号、これら全ての内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる)に従って、T7高収率RNA合成キットおよびmRNAキャップ2′-O-メチルトランスフェラーゼを有するVacciniaCappingSystemキット(全てNewEnglandBiolabs,Inc.製)を用いて、DNAテンプレートから合成した(表4)。次に、RNAを、100ng/pL~2000ng/pLまでヌクレアーゼ非含有水で希釈した。ある特定の実験のために、RNase阻害剤(Superase・In、LifeTechnologiesCorporation)を、RNA100μg当たり1μLの濃度で添加した。RNA溶液を室温、4℃、-20℃、または-80℃で保存した。リプログラミング実験のために、Oct4、Sox2、Klf4、c-Myc-2(T58A)、およびLin28をコードするRNAを、3:1:1:1:1のモル比で混合した。
「A」は、アデノシン-5′-三リン酸を指し、「G」は、グアノシン-5′-三リン酸を指し、「U」は、ウリジン-5′-三リン酸を指し、「C」は、シチジン-5′-三リン酸を指し、「7dG」は、7-デアザグアノシン-5′-三リン酸を指し、「sG」は、チエノグアノシン-5′-三リン酸を指し、「5mC」は、5-メチルシチジン-5′-三リン酸を指し、「5hmC」は、5-ヒドロキシメチルシチジン-5′-三リン酸を指し、「5cC」は、5-カルボキシシチジン-5′-三リン酸を指し、「5fC」は、5-ホルミルシチジン-5′-三リン酸を指し、「5hC」は、5-ヒドロキシシチジン-5′-三リン酸を指し、「psU」は、5-プソイドウリジン-5′-三リン酸を指し、「5mU」は、5-メチルウリジン-5′-三リン酸を指し、「5hmU」は、5-ヒドロキシメチルウリジン-5′-三リン酸を指し、「5cU」は、5-カルボキシウリジン-5′-三リン酸を指し、および「5moU」は、5-メトキシウリジン-5′-三リン酸を指す。
実施例2 RNA-トランスフェクション試薬複合体の調製
RNAの1マイクログラムごとに、1μgのRNA、および1μLのトランスフェクション試薬(リポフェクタミン3000、LifeTechnologiesCorporation)を、まず、複合体形成培地(Opti-MEM、LifeTechnologiesCorporation、またはDMEM/F12+10pg/mLのインスリン+5.5pg/mLのトランスフェリン+6.7ng/mLの亜セレン酸ナトリウム+2pg/mLのエタノールアミン)で別々に希釈して、それぞれ5μL~100μLの総量にした。次に、希釈したRNAおよびトランスフェクション試薬を、トランスフェクション試薬の製造者の説明書にしたがって、混合し、室温で10分間インキュベートした。
実施例3 合成RNAでの細胞のトランスフェクション
複合体を実施例2に従って調製した後、培養液中の細胞に直接添加した。6ウェルプレートでトランスフェクトするため、10μL~250μLの複合体を、1ウェル当たり2mLのトランスフェクション培地を既に含有している6ウェルプレートの各ウェルに添加した。プレートを穏やかに振盪して、複合体をウェル全体に分配させた。細胞を4時間から一晩、複合体とインキュベートした後、培地を新しいトランスフェクション培地(2mL/ウェル)と交換した。あるいは、培地を交換しなかった。量を、24ウェルおよび96ウェルプレートでのトランスフェクションのために調整した。
実施例4 非標準ヌクレオチドを含有する合成RNAの毒性およびそれからのタンパク質翻訳
初代ヒト線維芽細胞を、実施例1に従って合成されたRNAで、実施例2にしたがってトランスフェクションした。細胞を、Oct4に対する抗体を用いて、トランスフェクションの20~24時間後に固定および染色した。RNAの相対的な毒性を、固定時の細胞密度を評価することにより決定した。
実施例5 合成RNAの皮膚への送達
表5に示す複合体形成反応物を、実施例1に従って合成された、緑色蛍光タンパク質(GFP)またはVII型コラーゲンαI(COL7)をコードするRNAを用いて調製した。RNAストック溶液の濃度は、500μg/mLであった。
各チューブをピペッティングにより混合し、トランスフェクション試薬溶液チューブを室温で30秒間インキュベートした。次に、トランスフェクション試薬溶液をRNA溶液に移し、内容物を10回上下に急速にピペッティングすることにより混合した。10分間のインキュベーション後、希釈液を下表に従って調製した。
注入ごとに、相当する溶液を8mmの31ゲージ針(Becton,DickinsonandCompany、パーツ番号:328291)を有する3ccインスリンシリンジに吸引し、気泡を除去した。清浄な領域を健康な33歳の男性のヒト対象の左前腕部上で選択し、70%イソプロパノールで消毒し、乾燥させた。針の斜端を上向きにした状態で前側(掌側)前腕部に対しておおよそ10°の角度で針を配置し、針の斜端がちょうど覆われるまで挿入した。30μLのRNA溶液を約10秒間にわたって皮内注入した。注入プロセス中に明らかな膨疹が現れた。針を引き抜き、膨疹は約1分間残留し、流体は注入部位から漏出しなかった。合計で4回の注入を表6に従って行い、全ての注入は、RNA複合体形成反応物を調製した後、11~28分間で行った。腫れ、発赤、または痛みは、注入の結果として生じなかった。部位2および4から針を取り除く際に少量の出血が生じ、これらの部位で小さな赤い斑点が出現した。
表7のスケジュールに従って、また、その後24時間ごとに6日間、注入部位を撮像した。蛍光画像を、EXFOX-Cite(商標)120蛍光照明システムおよび表7に示すフィルターセットを備えた倒立顕微鏡(NikonEclipseTS100)を用いて取得した。蛍光画像は、ソニーNEX-7デジタルカメラを用いて取り込んだ(図9~12)。
1.2μgの投与量のGFPRNAを用いて、別の実験を実施し、類似の結果を得た(図12)。
実施例6 NOVEPOETINをコードするRNAによるヒトケラチノサイトのトランスフェクション
NOVEPOETINをコードするRNAを、ヌクレオチドの3つの組み合わせ:1)U、G、U、C、2)U、G、5moU、C、および3)U、G、psU、Cを用いて、実施例1に従って合成した。EpiLife培地中で培養された初代ヒトケラチノサイトの副集密層(sub-confluentlayer)を、1ウェル当たり1μgのRNAで、実施例3に従って6ウェルプレートのウェルにトランスフェクトした。トランスフェクションの12、24、36、および48時間後に、0.5mLの培地を除去し、0.5mLの新しいEpiLife培地をプレートに添加した。最後の培地サンプリングの後、細胞をトリプシン処理により収集し、全RNAを、RNeasyミニキット(Qiagen)を用いて単離した。ゲノムDNAを、DNaseIを用いて消化し、RNAを精製した。インターフェロン-βおよびGAPDHの発現を、RT-PCRで測定した(図5)。
実施例7 hTERTをコードするRNAによるヒト細胞のトランスフェクション
ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)をコードするRNAを、以下のヌクレオチド:U、G、5moU、Cを用いて、実施例1に従って合成した。DMEM+10%FBS中で培養された初代ヒト皮膚線維芽細胞の副集密層を、1ウェル当たり0.25μgのRNAで、実施例3に従って24ウェルプレートのウェルにトランスフェクトした。トランスフェクションの12時間後に細胞を固定し、ウサギ抗hTERT抗体(Millipore、パーツ番号:MABE14)の1:50希釈液を用いて、染色した(図16)。
実施例8 RIBOSLICEでの繰り返しのトランスフェクションによる高効率遺伝子編集
初代ヒト線維芽細胞を、トランスフェクション培地中の10,000細胞/ウェルの密度で、組換えヒトフィブロネクチンおよび組換えヒトビトロネクチン(それぞれ1μg/mL、1mL/ウェルの濃度までDMEM/F12で希釈し、1時間室温でインキュベートした)でコーティングされた6ウェルプレートに播種した。翌日、細胞を、実施例1に従って合成されたRNAで、実施例2のようにトランスフェクションした。翌日、1つのウェル中の細胞を、再度トランスフェクションした。2回目のトランスフェクションの2日後に、遺伝子編集の効率を、変異特異的ヌクレアーゼアッセイを用いて測定した。
実施例9 非標準ヌクレオチドを含有する合成RNAおよび修復テンプレートをコードするDNAでの細胞のトランスフェクション
6ウェルプレートでのトランスフェクションのために、1μgのヒトAPP遺伝子のエキソン16を標的とする遺伝子編集タンパク質をコードするRNA、1μgの標的細胞に存在しなかったPstI制限酵素部位を含有する一本鎖修復テンプレートDNA、および6μLのトランスフェクション試薬(リポフェクタミンRNAiMAX、LifeTechnologiesCorporation)を、まず、複合体形成培地(Opti-MEM、LifeTechnologiesCorporation)で別々に希釈して、120μLの総量にした。次に、希釈されたRNA、修復テンプレート、およびトランスフェクション試薬を、トランスフェクション試薬の製造者の指示にしたがって、混合し、室温で15分間インキュベートした。複合体を、培養液中の細胞に添加した。約120μLの複合体を、1ウェル当たり2mLのトランスフェクション培地を既に含有している6ウェルプレートの各ウェルに添加した。プレートを穏やかに振盪して、複合体をウェル全体に分配させた。細胞を4時間から一晩、複合体とインキュベートした後、培地を新しいトランスフェクション培地(2mL/ウェル)と交換した。翌日、培地をDMEM+10%のFBSに交換した。トランスフェクションの2日後、ゲノムDNAを分離および精製した。APP遺伝子内の領域をPCRにより増幅し、増幅産物を、PstIで消化し、ゲル電気泳動により分析した。
実施例10 インビボRIBOSLICE安全性調査
40匹の雌のNCrnu/nuマウスに、50%のマトリゲル(BDBiosciences)中の5x106のMDA-MB-231腫瘍細胞を皮下注入した。細胞注入量は、0.2mL/マウスであった。試験開始時のマウスの週齢は、8~12週であった。腫瘍が100~150mm3の平均サイズに達した時に、ペアマッチを行い、動物をそれぞれ10匹ずつの4つのグループに分け、治療を開始した。体重を、初めの5日間は毎日、その後試験の終了までは隔週で測定した。治療は、ビークル(リポフェクタミン2000、LifeTechnologiesCorporation)と複合体形成したRIBOSLICEBIRC5-1.2で構成された。各群に対する投与溶液を調製するために、308μLの複合体形成緩衝液(Opti-MEM、LifeTechnologiesCorporation)を、2つの滅菌したRNaseフリーの1.5mLのチューブのそれぞれにピペッティングした。22μLのRIBOSLICEBIRC5-1.2(500ng/pL)を、2つのチューブの内の1つに添加し、チューブの内容物をピペッティングにより混合した。22μLのビークルを、第2のチューブに添加した。第2のチューブの内容物を混合し、次に第1のチューブに移し、ピペッティングにより第1のチューブの内容物と混合し、複合体を形成した。複合体を、10分間室温でインキュベートした。インキュベーションの間、シリンジに装填した。動物に、動物1匹当たり1μgのRNAの総投与量として、動物1匹当たり60μLの総量を、静脈内または腫瘍内注入した。1日おきに注入して合計5回の治療を実施した。用量の体重による調整は行わなかった。動物を、17日間追跡調査した。平均体重に大きな減少は観察されず、RIBOSLICE遺伝子編集RNAのインビボ安全性が実証された。
実施例11 細胞に核酸を送達するための試薬のスクリーニング
ポリエチレンイミン(PEI)、種々の商用の脂質系トランスフェクション試薬、ペプチド系トランスフェクション試薬(N-TER、Sigma-AldrichCo.LLC.)、ならびにいくつかの脂質系およびステロール系送達試薬を含む送達試薬を、インビトロでのトランスフェクション効率および毒性に関してスクリーニングした。送達試薬を、RIBOSLICEBIRC5-1.2と複合体形成し、複合体を培養液中のHeLa細胞に送達した。毒性を、トランスフェクションの24時間後に細胞密度を分析することにより評価した。トランスフェクション効率を、形態学的変化を分析することにより評価した。試験した試薬は、広範囲の毒性およびトランスフェクション効率を示した。より高い割合のエステル結合を含有する試薬は、より低い割合のエステル結合を含有する試薬またはエステル結合を含有しない試薬よりも低い毒性を示した。
実施例12 高濃度リポソームRIBOSLICE
500ng/μLのRNAの1μgを3μLの複合体形成培地(Opti-MEM、LifeTechnologiesCorporation)と混合し、RNAの1μg当たり2.5μLのトランスフェクション試薬(リポフェクタミン2000、LifeTechnologiesCorporation)を2.5μLの複合体形成培地と混合することにより、高濃度リポソームRIBOSLICEを調製した。次に、希釈したRNAおよびトランスフェクション試薬を、混合し、室温で10分間インキュベートして、高濃度リポソームRIBOSLICEを形成した。あるいは、DOSPAまたはDOSPERを含有するトランスフェクション試薬を用いる。
実施例13 インビボのRIBOSLICE有効性調査-皮下神経膠腫モデル
40匹の雌のNCrnu/nuマウスに、1x107のU-251腫瘍細胞を皮下注入した。細胞注入量は、0.2mL/マウスであった。試験開始時のマウスの週齢は、8~12週であった。腫瘍が35~50mm3の平均サイズに達した時に、ペアマッチを行い、動物をそれぞれ10匹ずつの4つのグループに分け、治療を開始した。体重を、初めの5日間は毎日、その後試験の終了までは隔週で測定した。キャリパー測定を隔週で行い、腫瘍サイズを算出した。治療は、ビークル(リポフェクタミン2000、LifeTechnologiesCorporation)と複合体形成したRIBOSLICEBIRC5-2.1で構成された。投与溶液を調製するために、294μLの複合体形成緩衝液(Opti-MEM、LifeTechnologiesCorporation)を、196μLのRIBOSLICEBIRC5-1.2(500ng/μL)を含有するチューブにピペッティングし、チューブの内容物をピペッティングにより混合した。245μLの複合体形成緩衝液を、245μLのビークルを含有するチューブにピペッティングした。第2のチューブの内容物を混合し、次に第1のチューブに移し、ピペッティングにより第1のチューブの内容物と混合し、複合体を形成した。複合体を、10分間室温でインキュベートした。インキュベーションの間、シリンジに装填した。動物に、動物1匹当たり2μgまたは5μgのRNAの総投与量のいずれかに相当する、動物1匹当たり20μLまたは50μLの総量のいずれかを、腫瘍内注入した。1日おきに注入して合計5回の治療を実施した。用量の体重による調整は行わなかった。動物を、25日間追跡調査した。
実施例14 リポソーム製剤および核酸のカプセル化
リポソームを、次の配合物:3.2mg/mLのN-(カルボニルエトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(MPEG2000-DSPE)、9.6mg/mLの完全水素化ホスファチジルコリン、3.2mg/mLのコレステロール、2mg/mLのアンモニウムスルフェート、および緩衝液としてのヒスチジンを用いて調製する。pHを、水酸化ナトリウムを用いて調節し、等張性を、ショ糖を用いて維持する。リポソームを形成するため、脂質を、有機溶媒中で混合し、乾燥させ、撹拌しながら水和させ、800nmの平均孔径を有するポリカーボネートフィルターを通して押出すことにより一定の大きさにする。核酸を、核酸1μg当たり10μgのリポソーム配合物を組み合わせ、5分間室温でインキュベートすることによりカプセル化する。
実施例15 葉酸標的化リポソーム製剤
リポソームを、以下の製剤:3.2mg/mLのN-(カルボニル-エトキシポリエチレングリコール2000)-1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(MPEG2000-DSPE)、9.6mg/mLの完全水素化ホスファチジルコリン、3.2mg/mLのコレステロール、2mg/mLのアンモニウムスルフェート、および緩衝液としてのヒスチジンを用いて調製し、0.27mg/mLの1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[葉酸(ポリエチレングリコール)-5000](FA-MPEG5000-DSPE)を脂質混合物に添加した。pHを、水酸化ナトリウムを用いて調節し、等張性を、ショ糖を用いて維持する。リポソームを形成するため、脂質を、有機溶媒中で混合し、乾燥させ、撹拌しながら水和させ、800nmの平均孔径を有するポリカーボネートフィルターを通して押出すことにより一定の大きさにする。核酸を、核酸1μg当たり10μgのリポソーム配合物を組み合わせ、5分間室温でインキュベートすることによりカプセル化する。
実施例16 リポソーム-タンパク質コードRNAを含む治療薬
実施例1に従って合成された治療用タンパク質をコードする合成RNAをカプセル化するリポソームを、実施例14または実施例15に従って調製する。リポソームを、注入または静脈内点滴により投与する。
実施例17 エラスチンivT-RNAテンプレートの生成
全RNAを、製造業者の説明書にしたがって、RNeasyミニキット(QIAGEN GmbH)を用いて、ヒト新生児皮膚線維芽細胞から抽出した。ヒトエラスチンをコードするcDNAを、MonsterScript(商標)逆転写酵素(EpicentreBiotechnologies)およびプライマー:AAAAAAACCGGTTCATTTTCTCTTCCGGCCAC(配列番号483)を用いて調製した。インビトロ転写(ivT)テンプレートを、プライマーF:AAAAAAGCTAGCATGGCGGGTCTGACG(配列番号484)、およびR:AAAAAAACCGGTTCATTTTCTCTTCCGGCCAC(配列番号485)を用いて、エラスチンコード配列(CDS)のPCR増幅によりcDNAから調製した。次に、PCR産物を、アガロースゲル電気泳動およびQIAquickゲル抽出キット(QIAGENGmbH)を用いることにより精製し、ヒトβグロビン(HBB)5’および3’非翻訳領域ならびに強力なコザック配列を含有するベクターに挿入した。ベクターを、RNA合成に先立って増幅、精製、および直線化した。
実施例18 チロシナーゼivT-RNAテンプレートの生成
全RNAを、製造業者の説明書にしたがって、RNeasyミニキット(QIAGENGmbH)を用いて、ヒト表皮メラノサイトから抽出した。ヒトチロシナーゼをコードするcDNAを、MonsterScript(商標)逆転写酵素(EpicentreBiotechnologies)を用いて調製した。インビトロ転写(ivT)テンプレートを、チロシナーゼコード配列(CDS)のPCR増幅によりcDNAから調製した。次に、PCR産物を、アガロースゲル電気泳動およびQIAquickゲル抽出キット(QIAGENGmbH)を用いることにより精製し、ヒトβグロビン(HBB)5’および3’非翻訳領域ならびに強力なコザック配列を含有するベクターに挿入した。ベクターを、RNA合成に先立って増幅、精製、および直線化した。
実施例19 チロシナーゼRNAの合成
ヒトチロシナーゼをコードするRNAを、製造者の説明書にしたがって、実施例18のDNAテンプレートおよびT7高収率RNA合成キット(NewEnglandBiolabs,Inc.)を用いて実施例1に従って合成した(表4)。RNAの試料を、アガロースゲル電気泳動により分析して、RNAの品質を評価した。次に、RNAを1μg/μLまで希釈した。RNA溶液を、4℃で保存した。
実施例20 チロシナーゼをコードするRNAのシリンジでの経皮注入による皮膚のメラニン産生の増大
実施例19のRNAを、シリンジに装填し、約30秒間にわたって健康な33歳の男性患者の腹側前腕に皮内注入により投与した。
実施例21 チロシナーゼをコードするRNAの送達および電気穿孔法を組み合わせることによる皮膚のメラニン産生の増大
実施例20で治療された皮膚の領域を、コンデンサーに電気的に接続された2電極アレイを用いて、10V~155Vおよび約10ミリ秒~約1秒の電気パルスに曝露した。患者は、全ての電圧と侵入深度で打診痛知覚を報告した。治療範囲が、24~48時間後に黒くなった。実験を数回繰り返し、同様の結果を得た。
実施例22 チロシナーゼをコードするRNAの局所または皮内適用による皮膚のメラニン産生の増大
実施例19のRNAまたは実施例16のリポソームを、角質層の破壊を伴ってまたは伴わずに皮膚に直接適用する、または平方センチメートル当たり1マイクログラム以下の用量を用いて皮内注入する、または注入により表皮に投与する。場合により、電場を、RNAの送達を増強するために、実施例21と同様に、または表面接触パッチを用いて適用する。
実施例23 エラスチンをコードするRNAの経皮送達による皮膚のエラスチン産生の増大
エラスチンをコードするRNAを、実施例1にしたがって調製した。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例24 コラーゲンをコードするRNAの経皮送達による皮膚のコラーゲン産生の増大
コラーゲンをコードするRNAを、実施例1にしたがって調製する。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例25 NOVEPOETINをコードするRNAの送達を含む貧血治療
NOVEPOETINをコードするRNAを、実施例1に従って調整した。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例26 アクチンをコードするRNAの筋肉内送達による骨格筋のアクチン産生の増大
アクチンをコードするRNAを、実施例1にしたがって調製する。RNAを、実施例20、21、または22と同様に電場を用いて、または用いずに筋肉内注入で患者に送達する。
実施例27 創傷治癒治療
塩基性線維芽細胞増殖因子またはIL22をコードするRNAを、実施例1にしたがって調製する。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例28 抗瘢痕治療
コラゲナーゼをコードするRNAを、実施例1にしたがって調製する。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例29 ボツリヌス毒素の産生
ボツリヌス毒素をコードするRNAを、実施例1にしたがって調製する。RNAを、実施例20、21、または22と同様に送達する。
実施例30 ラーゲンIをコードするRNAでトランスフェクトすることによる皮膚細胞でのコラーゲン産生の増大
ヒトCOL1A1遺伝子のコード配列を含むRNAを、実施例1に従って合成した。初代ヒト皮膚線維芽細胞を、24ウェルプレートに播種し、実施例2にしたがってトランスフェクションした。トランスフェクションの24~72時間後に、細胞を固定し、コラーゲンIを標的とする抗体を用いて染色した。多くのコラーゲン細胞外沈着物が、トランスフェクトされたウェル中で認められた。
実施例31 VII型コラーゲンをコードするRNAでトランスフェクトすることによる皮膚細胞でのコラーゲン産生の増大
ヒトCOL7遺伝子のコード配列を含むRNAを、実施例1に従って合成した。初代ヒト皮膚線維芽細胞を、24ウェルプレートに播種し、実施例2にしたがってトランスフェクションした。トランスフェクションの24~72時間後に、細胞を固定し、VII型コラーゲンを標的とする抗体を用いて染色した。トランスフェクトされた細胞は、トランスフェクトされていない対照と比較して、高レベルのVII型コラーゲンを示した。
実施例32 I型コラーゲンまたはVII型コラーゲンをコードするRNAのシリンジでの経皮注入による皮膚のコラーゲン産生の増大
ヒトCOL1A1遺伝子またはヒトCOL7遺伝子のコード配列を含むRNAを、実施例1に従って合成した。RNAをシリンジに装填し、約30秒にわたって、または実施例20、21、または22と同様に患者の真皮に送達する。
実施例33 I型コラーゲンまたはVII型コラーゲンをコードするRNAの送達および電気穿孔法を組み合わせることによる皮膚のコラーゲン産生の増大
実施例32で治療された皮膚の領域を、電源に電気的に接続された多電極アレイを用いて、10V~155Vおよび約50マイクロ秒~約1秒の電気パルスに曝露する。
実施例34 合成RNA複合体の保存および安定性
GFPをコードするRNAを用いた複合体形成反応物を、実施例5に従って調製した。10分間のインキュベーション後、複合体形成反応物を3つの等分に分割し、1つは、FactorPlex(商標)複合体形成培地で1:10に希釈し、1つは、滅菌したヌクレアーゼ不含水中1:10に希釈し、1つは、未希釈のままにした。次いで、3部の各々をさらに4つの等分に分割し、1つは、実施例3に従って初代ヒト皮膚線維芽細胞に適用し、1つは、室温で6時間放置した後に、実施例3に従って初代ヒト皮膚線維芽細胞に適用し、1つは、4℃で6時間放置した後に、実施例3に従って初代ヒト皮膚線維芽細胞に適用し、1つは、液体窒素中で急速凍結し、-80℃で6時間放置した後に、実施例3に従って初代ヒト皮膚線維芽細胞に適用した。細胞は、第一のトランスフェクションの約24時間後に蛍光顕微鏡を用いて撮像した(図17)。全てのウェルは、GFP陽性細胞を含有し、合成RNA複合体が、試験した全ての保存条件で安定で、また、活性を維持したことが実証された。
実施例35 NOVECRITのインビボ分析
NOVEPOETINをコードするRNAは、A、G、5moU、Cのヌクレオチド組み合わせで、実施例1に従って合成された。本実施例では、NOVECRITは、脂質送達ビークル、特に、リポフェクタミン3000で製剤化された。本実施例では、NOVECRITは、新規の高安定性赤血球生成刺激剤であるNOVEPOETINをコードした。
15日最大耐量(MTD)試験を行い、安全性を評価した(ラット、n=62)。特に、赤血球生成に対する、インビボ毒物学、および生体分布、ならびに薬力学、および用量反応、および治療効果を評価した。さらに、治療動物におけるサイトカインの分析によって、免疫応答を監視した。
受領時に253~274グラムの重さの69匹の未感作の8週齢の雄のSprague-Dawleyラット(ドブネズミ)を使用した(HARLANLABORATORIES)。動物を、投与前に少なくとも7日間、試験室に順化させた。-2日目に、全ての動物の背部腰椎領域を剃り、背部の4つの皮内部位(左上、右上、右下、および左下)を、油性マーカーを用いて指定した。64匹の動物を4つの治療群にランダムに割り付け、残りの5匹の動物はスペアとしての役割を果たした。2匹の動物は、不完全投与のため試験から除外した。
以下の試験設計を使用した(全投与量(μL)は一定であった):
血液は、剖検または末端組織収集前に麻酔下の動物の大静脈から収集した。可能な場合はいつでも、血液は、単回の採血を介して収集した後、適切に分割した。毒物動態学分析用の血液検体は、投与の6時間後、および15日目にグループ1の時点あたり2匹の動物から収集した。グループ2~4では、血液検体を、投与の6時間後および24時間後、3日目、4日目、6日目、8日目、および15日目に収集した。
血液学的評価用の血液検体は、一晩絶食後の15日目に全ての毒性動物から収集し、全てのTK動物は、投与の6時間後および24時間後、8日目、および15日目に末端組織収集のスケジュール設定がなされた。全血(1.3mL)をK2EDTAチューブに入れ、Advia120自動分析装置を用いて分析した。
凝血評価用の血液検体は、一晩絶食後の15日目に全ての毒性動物から収集した。凝血検体(1.8mL)を3.2%クエン酸ナトリウムチューブに収集し、標準手順に従って処理し、STACompact自動分析装置を用いて分析した。
血液生化学評価用の血液検体は、一晩絶食後の15日目に全ての毒性動物から収集した。血液生化学検体(1mL)を血清分離チューブに収集し、標準手順に従って処理し、AU680分析装置を用いて分析した。
サイトカイン分析用の血液検体は、投与の5時間後および24時間後、および8日目に末端組職収集のスケジュール設定がなされた動物から収集した。サイトカイン検体(1mL)をK2EDTAチューブに収集し、標準手順に従って血漿に処理した。血漿試料中のTNFa、IL-6、およびIFNaサイトカインレベルを試験した。試験は、被験物質を1日目(投与の6時間後)、2日目(投与の24時間後)、および8日目に投与後に、血漿試料中のTNFa、IL-6、およびIFNaサイトカインの産生を測定した。
サイトカイン分析試料の試験概要:
TNFa分析では、血漿試料を、R&DSYSTEMS(カタログ番号RTA00)からの市販のアッセイキットを用いて分析した。ラットTNFaELISAは、固相酵素結合免疫吸着アッセイである。ELISAキットは、固相固定化用に(マイクロタイタープレート上にプレコートされた)TNFa特異的抗ラットモノクローナル抗体、および検出用にHRP標識抗ラットTNFaポリクローナル抗体を採用する。キットで提供された参照標準は、組換えラットTNFaである。アッセイごとに、それぞれ別個のキットで提供された希釈剤で血漿試料および標準を希釈した。TNFaELISAでは、血漿試料を1:2に希釈した。検量線は、800~12.5pg/mLの範囲の6つの2倍系列濃度から構成された。対照は、希釈剤で再構成し、ブランクは、希釈剤のみを含有した。
試料、標準、対照、または希釈剤の添加後(50μL/ウェル、各々二通り)、プレートを室温で2時間インキュベートした。未結合物質を除去する洗浄工程後、HRPコンジュゲートを各ウェルに添加し(100μL/ウェル)、プレートを室温で2時間インキュベートした。第2の洗浄ステップ後、100μL/ウェルのTMB基質をプレートに添加した。プレートを室温で30分間インキュベートし、光から保護し、呈色反応を発生させた。HCl停止液(100μL/ウェル)の添加後、反応を停止させた。停止液を添加してから30分以内に、450nmにおいて、SpectraMax340(MOLECULARDEVICES)プレートリーダーで光学密度を読み取った。測定した色の強度は、開始工程で結合したラットTNFaの量に比例していた。検量線をアッセイプレートごとに生成し、試験試料のTNFa濃度を、標準曲線および希釈因子の吸光度A450値の補間により決定した。TNFaキットのアッセイ範囲は、12.5~800pg/mLであり、最小検出濃度は、10pg/mL未満であった(血漿試料の最小必要希釈度は、1:2であった)。
IL-6分析では、血漿IL-6試料を、R&DSYSTEMS(カタログ番号R6000B-IL-6)からの市販のアッセイキットを用いて分析した。ラットIL-6ELISAは、固相酵素結合免疫吸着アッセイである。ELISAキットは、固相固定化用に(マイクロタイタープレート上にプレコートされた)抗ラットIL-6モノクローナル抗体、および検出用にHRP標識IL-6特異的抗ラットポリクローナル抗体を採用する。キットで提供された参照標準は、組換えラットIL-6である。血漿試料は、未希釈で(提供されたままで)使用し、標準は、キットで提供された希釈剤で希釈した。検量線は、4,000~62.5pg/mLの範囲の6つの2倍系列濃度から構成された。対照は、希釈剤で再構成し、ブランクは、希釈剤のみを含有した。試料、標準、対照、または希釈剤の添加後(50μL/ウェル、各々二通り)、プレートを室温で2時間インキュベートした。未結合物質を除去する洗浄工程後、HRPコンジュゲートを各ウェルに添加し(100μL/ウェル)、プレートを室温で2時間インキュベートした。第2の洗浄ステップ後、100μL/ウェルのTMB基質をプレートに添加した。プレートを室温で30分間インキュベートし、光から保護し、呈色反応を発生させた。HCl停止液(100μL/ウェル)の添加後、反応を停止させた。停止液を添加してから30分以内に、450nmにおいて、SpectraMax340(MOLECULARDEVICES)プレートリーダーで光学密度を読み取った。測定した色の強度は、開始工程で結合したラットIL-6の量に比例していた。検量線をアッセイプレートごとに生成し、試験試料のIL-6濃度は、標準曲線および希釈因子の吸光度A450値の補間により決定された。IL-6キットのアッセイ範囲は、62.5~4,000pg/mLであり、最小検出濃度は、21pg/mL未満であった。
IFNa分析では、血漿IFNa試料を、NOVATEINBIO(カタログ番号BG-RAT11380)からの市販のアッセイキットを用いて分析した。ELISAは、固相酵素結合免疫吸着アッセイである。ELISAキットは、固相固定化用に(マイクロタイタープレート上にプレコートされた)抗ラットIFNaモノクローナル抗体、および検出用にHRP標識IFNa特異的抗体を採用する。血漿試料は、1:4に希釈し、標準は、キットで提供されたまま使用した。標準は、100~3.1pg/mLの範囲の6つの2倍系列濃度から構成された。ブランクは、希釈剤のみを含有した。試料、標準、対照、または希釈剤の添加後(50μL/ウェル、各々二通り)、HRPコンジュゲートを各ウェルに添加し(100μL/ウェル)、プレートを37℃で1時間インキュベートした。洗浄工程後、50μL/ウェルの色素原溶液Aおよび色素原溶液Bの各々をプレートに添加した。プレートを37℃で15分間インキュベートし、光から保護し、呈色反応を発生させた。停止液(50μL/ウェル)の添加後、反応を停止させた。SpectraMax340(MOLECULARDEVICES)プレートリーダーで450nmの光学密度を読み取った。測定した色の強度は、開始工程で結合したラットIFNaの量に比例していた。検量線をアッセイプレートごとに生成し、試験のIFNa濃度は、標準曲線および希釈因子の吸光度A450値の補間により決定された。IFNaキットのアッセイ範囲は、3.1~100pg/mLであり、最小検出濃度は、1pg/mL未満であった(4pg/mL、血漿試料の必要希釈度は、1:4であった)。
この試験の結果は、特に、NOVECRITが、(RT-PCRで評価されるように)投与の24時間後に注射部位で検出されなかった。より具体的には、NOVECRITは、以下の試料:血清(投与の6時間後、24時間後、48時間後、および72時間後)、肝臓(投与の6時間後、および24時間後)、および腎臓(投与の6時間後、および24時間後)のいずれでも検出されなかった(RT-PCR)。さらに、(NOVECRITを添加した)陽性対照は、(RT-PCRで評価されるように)全ての組織で強いシグナルを生じた。図18は、NOVECRITの単回投与が、血清中のNOVEPOIETINの急速な増加、および持続的なレベルで誘発させたことを示す。Y軸は、NOVEPOIETINタンパク質の濃度(mU/mL)を示す。これは、理論に束縛されるものではないが、試験したRNA治療薬が、治療的に重要な薬力学的性質をもたらし得ることを示唆している。事実、このPD挙動は、(約4~12時間の半減期をもつことが当該技術分野で知られている)野生型EPOと比較して大幅に改善される。
さらに、NOVECRITを添加した血清は、(RT-PCRで評価されるように)RNAのほぼ瞬時の劣化を示した。理論に束縛されることを望むものではないが、このデータは、本RNA治療薬が安全であり、毒性、例えば、肝毒性または腎毒性の制限の可能性がほとんどないことを示している。
図19は、NOVECRITの単回投与が、赤血球生成を刺激し、ヘマトクリットが少なくとも14日間上昇したことを示す。左パネルは、Y軸上にヘマトクリット%を示し、右パネルは、網状赤血球%を示す。したがって、試験したRNA治療薬は、完全に機能している。
サイトカインに関して、IL-6およびTNFaサイトカインレベルは、本試験で評価された各時点で全ての動物のアッセイ検出閾値を下回った。低レベルのIFNaのみが、群3および4の動物由来の8日目の試料で検出可能であった。図20は、雄のSpragueDawleyラットにおける最大耐量のNOVECRITから収集した血漿試料中のTNFa、IL-6、およびIFNaサイトカインレベルをまとめた表を示す。理論に束縛されるものではないが、このデータは、本RNA治療薬が、ある特定のRNA治療薬の治療的有用性を制限する不都合な免疫原性を刺激しないことを示唆している。
実施例36 COL7A1遺伝子の遺伝子編集
本RNAベースの遺伝子編集手法をCOL7A1遺伝子に適用した。この遺伝子は、とりわけ、ジストロフィー表皮水疱症に頻繁に関与するために興味深い。図21は、COL7A1遺伝子内に位置する配列TGAGCAGAAGTGGCTCAGTG(配列番号467)およびTGGCTGTACAGCTACACCCC(配列番号468)を標的とするRNATALENでトランスフェクトされた初代成人ヒト皮膚線維芽細胞のDNAを用いたSURVEYORアッセイを示す。+RNAレーンに存在するバンドは、ジストロフィー表皮水疱症に高頻度に関与する遺伝子の領域の編集を示す。図22は、今度はCOL7A1遺伝子内に位置する配列TTCCACTCCTGCAGGGCCCC(配列番号469)およびTCGCCCTTCAGCCCGCGTTC(配列番号470)を標的にするRNATALENでトランスフェクトされた初代成人ヒト皮膚線維芽細胞のDNAを用いた別のSURVEYORアッセイを示す。+RNAレーンに存在するバンドは、ジストロフィー表皮水疱症に高頻度に関与する遺伝子の領域の編集を示す。このデータは、とりわけ、ジストロフィー表皮水疱症などの特定の遺伝性障害の治療に対する遺伝子編集手法を示す。
実施例37 非標準ヌクレオチドを含有する合成RNAを用いたMYC遺伝子の遺伝子編集
実験は、非標準ヌクレオチドを含有し、遺伝子編集タンパク質をコードするインビトロ転写合成RNA分子を用いて実施した。(1)非標準ヌクレオチドとしてプソイドウリジン(psU)のみ、(2)非標準ヌクレオチドとして5-メチルシチジン(5mC)のみ、および(3)非標準ヌクレオチドとしてプソイドウリジンおよび5-メチルシチジンの両方を有するインビトロ転写合成RNA分子(ならびに対照)の免疫原性、および遺伝子編集効率を評価した。
すなわち、以下のヌクレオチド組み合わせ:(i)A、G、U、C、(ii)A、G、psU、C、(iii)A、G、U、5mC、および(iv)A、G、psU、5mCを含有し、MYC遺伝子内で認められる以下のDNA配列:TCGGCCGCCGCCAAGCTCGT(配列番号474)、およびTGCGCGCAGCCTGGTAGGAG(配列番号475)を標的にするTALEN対をコードするRNAを、本明細書に記載される方法に従って合成した。ヒト皮膚線維芽細胞(MA001SK)を、10%FBSを含有するDMEM中の6ウェルおよび24ウェル組織培養プレートに、それぞれ、100,000細胞/ウェル、および10,000細胞/ウェルで播種した。翌日、本明細書に記載される方法に従って、2μgのRNA(TALEN対の成分ごとに1μg)を含有する6ウェルプレートで細胞をトランスフェクトし、0.2μgのRNA(TALEN対の成分ごとに0.1μg)を含有する24ウェルプレートで細胞をトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後に、24ウェル培養プレートの細胞由来の全RNAを、RNeasyミニキット(74106、QIAGEN)を用いて単離した。これには、RNAでトランスフェクトされなかった細胞の試料(陰性対照、図23の「neg」)由来の全RNAの単離を含む。DNase I(RNase不含)(M0303L、NEWENGLANDBIOLABS)による15分消化によって、ゲノムDNAを除去し、RNeasyミニキットを用いて反応物を精製した。1μLの全RNAを使用して、免疫原性マーカーTLR3、IFIT1、およびIFIT2(図23)の発現を検出するように設計されたTAQMAN遺伝子発現アッセイ(APPLIEDBIOSYSTEMS)を用いてリアルタイムRT-PCRにより、遺伝子発現を評価した。データを、陽性実験対照試料(「A、G、U、C」)、および負荷対照(GAPDH)の両方に正規化した。
トランスフェクション48時間後に、ゲノムDNAを、DNeasy血液および組織キット(69506、QIAGEN)を用いて6ウェル培養プレートで細胞から単離した。これには、RNAでトランスフェクトされなかった細胞の試料(陰性対照、図24の「neg」)からの単離を含む。予測されたTALEN切断位置を取り囲むMYC遺伝子の970bp領域は、次のプライマー:TAACTCAAGACTGCCTCCCGCTTT(配列番号476)、およびAGCCCAAGGTTTCAGAGGTGATGA(配列番号477)を含有する35サイクルの2段階PCR反応を用いて増幅された。RNA処理細胞由来の増幅配列5μL中の160ngと、未処理MA001SK細胞由来の増幅配列5μL中の160ngとを、2つの配列を0.5μLの1MKCl、および0.5μLの25mMMgCl2と混合し、サーモサイクラーで以下のプログラム:95℃で10分間、95℃~85℃で0.625C/s、85℃~25℃で0.125C/sを実行することによって、ハイブリダイズした。SURVEYOR変異検出キット(706020l、INTEGRATEDDNATECHNOLOGIES)からの0.5pLのSURVEYORヌクレアーゼおよび0.5μLのエンハンサーを、ハイブリダイズした生成物に添加し、混合し、42℃で25分間インキュベーションすることによって、SURVEYORアッセイを実施した。また、上記のプロトコルを使用して、SURVEYORアッセイに対する陽性実験対照(図24の「アッセイ陽性」)として、SURVEYOR変異検出キットで提供された陽性対照DNA試料を処理した。試料をアガロースゲル電気泳動により分析した(図24)。試料ごとに、遺伝子編集効率を、消化バンド(図24に「*」で示す)の強度対未消化バンドの強度の比率として算出した。
以下の図23に示すように、陽性対照RNA(A、G、U、C)でトランスフェクトされた細胞由来の試料、およびプソイドウリジンまたは5-メチルシチジンのいずれかを含有するRNAでトランスフェクトされた細胞由来の試料は、免疫原性マーカーTLR3、IFIT1、およびIFIT2の3つ全ての上方調節を示した。プソイドウリジンおよび5-メチルシチジンの両方を含有するRNAでトランスフェクトされた細胞由来の試料は、免疫原性マーカーの無視できるほどの上方調節(陽性対照の0.01倍未満)を示し、プソイドウリジンおよび5-メチルシチジンの両方を含有し、遺伝子編集タンパク質をコードするインビトロ転写合成RNAが、哺乳動物細胞の自然免疫系による検出を回避できることが実証された。
さらに、以下の図24に示すように、プソイドウリジンおよび5-メチルシチジンの両方を含有するRNAでトランスフェクトされた細胞由来の試料は、高効率の遺伝子編集(41.7%)を示し、これは、プソイドウリジンのみを含有するRNAでトランスフェクトされた細胞由来の試料で示された効率(35.2%)よりも大きく、プソイドウリジンおよび5-メチルシチジンの両方を含み、遺伝子編集タンパク質をコードするインビトロ転写合成RNAが、(i)哺乳動物細胞を高効率で遺伝子編集し、および、(ii)プソイドウリジンを含み、5-メチルシチジンを含まないインビトロ転写合成RNAよりも高効率で哺乳動物細胞を遺伝子編集できることが実証された。
実施例38 ヒト細胞中のCOL7A1遺伝子編集および修復
COL7A1遺伝子中の以下の配列を標的にする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した:TGAGCAGAAGTGGCTCAGTG(配列番号473)、およびTGGCTGTACAGCTACACCCC(配列番号468)(以下の表も参照されたい)。
RNA合成
50,000個の初代ヒト表皮ケラチノサイト(HEKn、Gibco)を、EpiLife+サプリメントS7中の6ウェルプレートのウェルに播種した。翌日、細胞を、実施例3に従って、遺伝子編集対の各成分をコードする1μgのRNA、および60、70、80、90または100ヌクレオチド(「nt」)長さを有する2μgの一本鎖DNA修復テンプレートでトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後に、ゲノムDNAを精製した。COL7A1遺伝子のセグメントを、535bpアンプリコンを生成するプライマーGCATCTGCCCTGCGGGAGATC(配列番号478)、およびCCACGTTCTCCTTTCTCTCCCCGTTC(配列番号479)を用いて増幅した。遺伝子編集の効率は、製造業者の説明書に従って、T7エンドヌクレアーゼI(「T7E1」、NewEnglandBiolabs)を用いて評価した。おおよそ385bpおよび150bpのバンドは、遺伝子編集が成功したことを示す。図25および図29は、アガロースゲル電気泳動により分析した、T7EIによる消化の結果を示す。図27および図29は、アガロースゲル電気泳動により分析した、MluI-HFによる消化の結果を示す。修復テンプレートは、配列ACGCGT(配列番号480)を含有するため、増幅された生成物のMluI-HF(NewEnglandBiolabs)による消化は、遺伝子修復が成功した場合には、おおよそ385bpおよび150bpのバンドを生成する。
COL7A1遺伝子中の以下の配列を標的にする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した:TGAGCAGAAGTGGCTCAGTG(配列番号473)、およびTGGCTGTACAGCTACACCCC(配列番号468)。50,000個の初代ヒト表皮ケラチノサイト(HEKn、Gibco)を、EpiLife+サプリメントS7中の6ウェルプレートのウェルに播種した。翌日、細胞を、実施例3に従って、遺伝子編集対の各成分をコードする1μgのRNA、および1~4μgの80ヌクレオチドの一本鎖DNA修復テンプレートでトランスフェクトした。トランスフェクション48時間後に、ゲノムDNAを精製した。COL7A1遺伝子のセグメントを、535bpアンプリコンを生成するプライマーGCATCTGCCCTGCGGGAGATC(配列番号481)、およびCCACGTTCTCCTTTCTCTCCCCGTTC(配列番号482)を用いて増幅した。遺伝子編集の効率は、製造業者の説明書に従って、T7エンドヌクレアーゼI(「T7E1」、NewEnglandBiolabs)を用いて評価した。おおよそ385bpおよび150bpのバンドは、遺伝子編集が成功したことを示す。図26は、アガロースゲル電気泳動により分析した、T7EIによる消化の結果を示す。図28は、アガロースゲル電気泳動により分析した、MluI-HFによる消化の結果を示す。修復テンプレートは、配列ACGCGT(配列番号480)を含有するため、増幅された生成物のMluI-HF(NewEnglandBiolabs)による消化は、遺伝子修復が成功した場合には、おおよそ385bpおよび150bpのバンドを生成する。
実施例39:ヒト細胞中のBMP7バリアントの発現
野生型BMP7をコードするRNA、およびBMP7のバリアントをコードするRNAを、実施例1に従って合成した(以下の表も参照されたい)。
RNA合成
50,000個の初代ヒト皮膚線維芽細胞(MA001SK、FactorBioscience)または100,000個の初代ヒト表皮ケラチノサイト(HEKn、Gibco)を、それぞれ、DMEM+10%FBSまたはEpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、野生型BMP7またはそのバリアントをコードする1μgのRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後に、培地をサンプリングし、分泌されたBMP7レベルを、製造業者の説明書に従って、10倍希釈した培地を用いてヒトBMP7ELISAキット(ab99985、Abcam)で測定した。分泌されたBMP7レベルを、マイクロプレートリーダー(EMaxPlus、MolecularDevices)を用いて、450nmの吸光度を測定することにより決定した。分泌されたBMP7のレベルを図30に示す。
実施例40 ヒト細胞中の副甲状腺ホルモン(PTH)の発現
PTHをコードするRNAを、実施例1に従って合成した(下表も参照されたい)。
RNA合成
100,000個のヒト表皮ケラチノサイト(HEKn、Gibco)を、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、PTHをコードする1μgのRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後に、培地をサンプリングし、分泌されたPTHレベルを、製造業者の説明書に従って、ヒトPTHELISAキット(EIA-PTH-1、RayBiotech)を用いて測定した。分泌されたPTHレベルを、マイクロプレートリーダー(EMaxPlus、MolecularDevices)を用いて、450nmの吸光度を測定することにより決定した。分泌されたPTHレベルを図31に示す。
実施例41 貧血を治療するためのNOVECRITの皮内、皮下、直腸、および鼻腔内投与
貧血を治療するためのNovecritの繰り返し投与毒性試験を実施した。具体的には、8~10週齢の雄のSpragueDawleyラットに、1日目、8日目、および15日目に1日1回、皮内、皮下、直腸、または鼻腔内経路を介してNovecritを投与した。動物をグループに割り当て、下表に示すように治療した:
より具体的には、グループ1には、皮内注入により投与した。各用量は、50μL/注入の皮内注入を4回、動物当たり合計200μLを投与した。注入は、背部腰椎領域の正中線近くの予め印が付けられた部位(左上、右上、左下、および右下象限)で実施した。グループ2には、各々0.25μgの皮内注射を4回(合計1.0μg)、背部腰椎領域の正中線近くの予め印が付けられた部位(左上、右上、左下、および右下象限)に投与した。グループ3には、低背側胸部/腰椎領域に位置する背中の領域に皮下注入で投与した。グループ4には、直腸投与で投与した。動物を手で拘束し、各ラットの腹部を触診し、全ての糞便を除去した。必要と認められる場合、直腸を、浣腸用の最大2mlの生理食塩水で洗浄した後、腹部を触診して、必要に応じて、糞便を除去した。Novecritをシリンジに吸引し、丸い先端(ボール)を備えた適切なサイズの胃管栄養針をシリンジに取り付けた。挿入を支援するために潤滑ゼリーを挿入器具に塗布し、結腸の内腔に約1cm進め、Novecritを注入した。その後、ラットを、頭部が下を向いた位置に約20~30秒間維持し、溶液の排出を制限した。グループ5には、鼻腔内経路を介して投与した。動物に麻酔をかけた(SNBLUSASOPに準拠)。動物を、頭を高く保った状態で仰向けにした。用量を鼻孔にゆっくりと投入した。投与量の約半分を1つの鼻孔に投与した。残りの投与量を別の鼻孔に投与した。初回投与を1日目に、最終投与を15日目に投与した。
ラットを、食物摂取量、および体重を含めて臨床的に監視した。加えて、血液を収集し、以下に示すように血液学、凝血、および血液生化学分析を行った:
毒性動物の終末剖検は、44日目に行った。TK動物は、2日目、16日目、23日目、および44日目に安楽死させた。動物に対し病理学分析を実施した。
図32に示すように、NOVECRITの投与は、赤血球生成を刺激し、対照と比較して4つ全ての試験群で少なくとも14日間ヘマトクリットの上昇をもたらした。
実施例42 糖尿病性腎症を治療するための、BMP7バリアントをコードするRNAの皮内投与
ZDSDラットモデルを利用して、糖尿病性腎症を予防および治療のための、BMP7バリアントをコードするRNAの効果を試験した。具体的には、ZDSDラットを、皮内投与された、BMP7バリアントをコードするRNAで治療した。試験設計の概要を図33に提供する。動物をグループに割り当て、下表に示すように治療した:
糖尿病性腎症の予防におけるRNAの効果を試験するために、バリア(PCO-5638)からビバリウム(PCO-RmC)に動物を移送し、3日間順応させた。全ての動物を、5SCA糖尿病誘発食餌に3週間置いた(週1回の体重測定を行った)。その後、動物を、試験の期間中、通常の5008食餌に戻した(週1回の体重測定を行った)。5008食餌の2週間後、体重測定、採血(500ul)、および24時間ベースライン尿収集(尿中アルブミン、およびクレアチニン測定)を全ての動物で実施した。36匹のラットを、体重、グルコース、および尿中アルブミンに基づいて、グループ1、2、および3に無作為化した。グループ1、2、3、および4は、皮内投与によりビークルまたは被験物質(皮内)のいずれかを受けた(2x/週、月曜日および木曜日)。グループ5には、5008食餌に混合したリシノプリルを投与した(食物摂取量は、このグループの動物で開始する)。採血(500ul、尾静脈)を、第一の2週間の各投与の24時間後に、グループ2、3、および4から採取し、その後は、1x/週で採取した。投与の4週間後、尾静脈を介して血液試料(500ul)を全ての動物(グループ1~5)から採取した。8週間の投与の終わりに、(n=18、治療群に入る)グループ1からの尾静脈(500ul)血液試料と一緒に、24時間尿収集を実施した(尿中アルブミン、およびクレアチニン測定)。尿量、クレアチニン、およびアルブミンの結果を図35に示す。図35に示すように、BMP7バリアントAをコードするRNAによる治療は、対照と比較して、糖尿病性腎症に罹患したラットの尿中アルブミンレベルの低下をもたらし、対照動物(プラセボ群)と比較して治療動物において、優れた腎機能を示した。試験を終了するために、全ての動物をCO2窒息で安楽死させ、心臓穿刺を介して採血を実施し、BUN、クレアチニン、およびグルコース、および血漿のための血清を収集し、化合物の曝露およびバイオマーカー分析を行った。両方の腎臓を切開し、組織学用に固定した。図34は、グループ1、2、3、および4におけるBMP7タンパク質の血清レベルを示す。結果は、これらの群におけるBMP7タンパク質の血清レベルが、以下の通りであったことを示す:グループ4、グループ3>グループ2、グループ1。
さらに試験を実施して、糖尿病性腎症を治療するためのBMP7バリアントをコードするRNAの効果を分析した。具体的には、グループ1(予防群、n=18)からのビークル動物を、体重、グルコース、および尿中アルブミンに基づいて無作為化した(グループ6、n=20;グループ7、n=10)。動物は、グループ6および7のそれぞれで、ビークルまたはBMP7バリアントコードRNAのいずれかを受けた(皮内、2x/週、月曜日および木曜日)。治療の4週間後、動物をCO2窒息で安楽死させ、心臓穿刺を介して採血を実施し、BUN、クレアチニン、およびグルコース、および血漿のための血清を収集し、化合物の曝露およびバイオマーカー分析を行った。両方の腎臓を切開し、組織学用に固定した。図36に示すように、BMP7バリアントAをコードするRNAによる治療は、糖尿病性腎症に罹患したラットの尿中アルブミンレベルを有意に低下させ(p=0.0015)、治療動物において、優れた腎機能を示した。さらに、治療群は、終了時に有意に低い腎臓重量を示し(p=0.018)、終了時に有意に低い血清クレアチニンを示した(p=0.016)。これらの結果は、BMP7バリアントコードRNAが、糖尿病性腎症を効果的に治療し、対照動物(プラセボ群)と比較して優れた腎機能を促進させたことを示唆した。
例示的試験では、プロトコルは、試験の終わりの方で、以下のように上記から修正した:
両方の試験中に、病理学分析を以下のように実施する:
全体として、BMP-7バリアントをコードするRNAが、ラットにおける糖尿病性腎症の発症を効果的に予防したことが、これらの結果により示唆された。加えて、これらのRNAはまた、糖尿病性腎症に既に罹患しているラットの腎機能を効果的に治療し、回復させた。BMP7バリアントAをコードするRNAは、ラットにおける糖尿病性腎症の予防および治療において、特に効果的であった。
実施例43 BDNF、BMP-2、BMP-6、IL-2、IL-6、IL-15、IL-22、LIE、またはFGF-21をコードするRNAによるヒトケラチノサイトのトランスフェクション
100,000個のヒト表皮ケラチノサイト(HEK、Gibco)を、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、BDNF、BMP-2、BMP-6、IL-2、IL-6、IL-15、IL-22、LIF、またはFGF-21をコードする2μgのRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後に、培地をサンプリングし、分泌されたタンパク質レベルを、製造業者の説明書に従って、ヒトELISAキット(以下の表を参照)を用いて測定した。分泌されたタンパク質レベルを、マイクロプレートリーダー(EMaxPlus、MolecularDevices)を用いて、450nmの吸光度を測定することにより決定した。分泌されたタンパク質レベルを図34、パネルA~Iに示す。
実施例44 IL-15、および/またはIL-15RAをコードするRNAによるヒトケラチノサイトのトランスフェクション
100,000個のヒト表皮ケラチノサイト(HEK、Gibco)を、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、IL-15をコードする2μgのRNA、またはIL-15をコードする1μgのRNA、およびIL-15RAをコードする1μgのRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション24時間後に、培地をサンプリングし、分泌されたIL-15レベルを、製造業者の説明書に従って、ヒトIL-15ELISAキット(D1500、R&DSystems)を用いて測定した。分泌されたIL-15レベルを、マイクロプレートリーダー(EMaxPlus、MolecularDevices)を用いて、450nmの吸光度を測定することによって、決定した。分泌されたIL-15レベルを図35に示す。図35に示すように、IL-15とIL-15RAの共トランスフェクションは、IL-15のみによるトランスフェクションと比較して、分泌されたIL-15レベルを著しく増加させた。
実施例45 ラットにおける皮内注入による薬物動態試験
試験は、種々のRNAの皮内投与に対するSpragueDawleyラットの応答を評価するために実施した。具体的には、8~10週齢の雌の約200g~約350gの重量のSpragueDawleyラットをこの試験に使用した。全部で33匹のラットを試験し、動物を試験群に割り当て、以下の表に示すように治療した:
試験では、動物を4ugのRNAで治療した。全てのグループに対し、皮内注射により投与した。それぞれに対し、皮内注入により50pL/注入の投与量を4回、動物当たり合計200μLを投与した。注射は、背部腰椎領域の正中線近くの予め印が付けられた部位(左上、右上、左下、および右下象限)で実施した。(最後の注入後の)投与時間を記録した。さらなる印を必要に応じて付けて、投与部位を特定できるようにした。動物には、1日目にRNAを投与し、3日目に安楽死させた。ラットの臨床観察を1日に2回行った。食物摂取量、および体重も監視した。
試験中に、約1mlの血液試料を頸静脈から収集し、以下のように薬物動態分析を行った:
FGF21、IL15、IL15、およびIL15R、IL6、IL22、およびNOVEPOEITINをコードするRNAの投与後、これらのタンパク質は、血中で容易に検出され、タンパク質レベルは、注入の約12時間後にピークに達したことが、結果により示される(図39)。注目すべきは、この試験で試験したタンパク質は、細胞および組織により取り込まれ得、および/または、体循環で顕著に蓄積することなく、発現部位の近くで効果を発揮できる。
実施例46 IL22をコードするRNAを含む創傷治癒治療薬
初代ヒト表皮ケラチノサイト(HEKn-APF)を、200,000細胞/ウェルの密度で、組換えヒト1型コラーゲンでコーティングされた6ウェルプレートのケラチノサイト培地(EpiLife+サプリメントS7)に播種した。24時間後、細胞を、実施例1に従って合成したIL22をコードするRNAの2μg/ウェルでトランスフェクトし、このウェルに50mMのD-グルコースを加えた。翌日、10μLのピペットチップ用いて各ウェルにひっかき傷により線を書き込んだ。ひっかき傷作成の0時間および24時間後に撮像した。引っ掻き傷の大きさを両方の時間に測定し、治癒を、24時間のひっかき傷の、0時間のひっかき傷に対する比率を計算することにより決定した(図40)。
実施例47 ヒト細胞中のA1AT遺伝子編集および修復
A1AT遺伝子中の以下の配列を標的にする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した:L1:TAAGGCTGTGCTGACCATCG(配列番号611)、R1:TAAAAACATGGCCCCAGCAG(配列番号612)、およびR2:TCTAAAAACATGGCCCCAGC(配列番号613)。細胞の遺伝子を編集し、遺伝子編集効率を実施例38に従って測定した(図41)。さらに、細胞を、ターゲティング配列L1およびR1を標的とする遺伝子編集タンパク質、ならびに配列:cccctccaggccgtgcataaggctgtgctgaccatcgacgtcaaagggactgaagctgctggggccatgtttttagaggcc(配列番号614)を含む修復テンプレートで共トランスフェクションし、AatII酵素を用いて、実施例38に従って遺伝子修復効率を測定した(図42)。別の細胞試料を、A1AT遺伝子中の以下の配列を標的とする遺伝子編集タンパク質でトランスフェクトした:L2:TGCCTGGTCCCTGTCTCCCT(配列番号615)およびR3:TGTCTTCTGGGCAGCATCTC(配列番号616)。遺伝子編集効率を実施例38に従って測定した(図43)。
実施例48 遺伝子編集タンパク質および修復テンプレートをコードするRNAを含むα1-アンチトリプシン欠損症治療薬
次の配列:L:TAAGGCTGTGCTGACCATCG(配列番号611)およびR:TAAAAACATGGCCCCAGCAG(配列番号612)ならびに配列:RT:cccctccaggccgtgcataaggctgtgctgaccatcgacgagaaagggactgaagctgctggggccatgtttttagaggcc(配列番号617)を含む修復テンプレートを標的とする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、本発明の方法に従ってビークルと配合し、A1AT欠損症を罹患している対象に投与し、対象の肝臓細胞中のZ変異の修正、対象の肝臓細胞中の重合Zタンパク質の蓄積の減少、機能的A1ATの分泌および血清レベルの増大、ならびに1つまたは複数の対象の症状の改善がもたらされた。
実施例49 遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを含むフリードライヒ運動失調症治療薬
FXNA(配列番号582)において、1つまたは複数の二本鎖切断を生成可能な1つまたは複数の遺伝子編集タンパク質をコードするRNA、およびFXNB(配列番号583)において、1つまたは複数の二本鎖切断を生成可能な1つまたは複数の遺伝子編集タンパク質をコードする合成RNAを、実施例1に従って合成した。RNAを本発明の方法に従って配合し、カテーテルを用いてフリードライヒ運動失調症の患者の心臓に投与した。標的配列ペアは、ペア1:TCCCACACGTGTTATTTGGC(配列番号618)およびTGGCAACCAATCCCAAAGTT(配列番号619);ペア2:TAATAAATAAAAATAAAAAA(配列番号620)およびTTGCCTATTTTTCCAGAGAT(配列番号621)から選択される。
実施例50 遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを含むα1-アンチトリプシン欠損症治療薬
A1AT_A(配列番号584)において、1つまたは複数の二本鎖切断を生成可能な1つまたは複数の遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した。RNAを本発明の方法に従って配合し、門脈内注入によりA1AT欠損症の患者の肝臓に投与した。
実施例51 遺伝子編集タンパク質および短い修復テンプレートをコードするRNAを含むα1-アンチトリプシン欠損症治療薬
A1AT_B(配列番号585)において、1つまたは複数の二本鎖切断を生成可能な1つまたは複数の遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した。RNAおよび配列:A1AT_RT(配列番号586)を含む一本鎖単鎖DNAを本発明の方法に従って配合し、門脈内注入によりA1AT欠損症の患者の肝臓に投与した。
実施例52 DNA結合活性およびデアミナーゼ活性を含む遺伝子編集タンパク質
2つ以上の反復配列、次に:BASE_EDIT_FRONT(配列番号587)、その次に次記のいずれか:BASE_EDIT_ADA1(配列番号588)、BASE_EDIT_ADA2(配列番号589)、BASE_EDIT_ADA3(配列番号590)、BASE_EDIT_ADA4(配列番号591)、BASE_EDIT_CDA1(配列番号592)およびBASE_EDIT_CDA2(配列番号593)、を含む遺伝子編集タンパク質をコードするRNAを、実施例1に従って合成した。遺伝子編集タンパク質は、標的配列の下流にある1~50塩基内の1つまたは複数の変異を修正できる。
実施例53 A1AT、COL7A1、HBB、およびPD-1の遺伝子編集
実施例1、表4に基づいて、以下のテンプレートおよび標的を使用した:
約100,000個の初代ヒト新生児表皮のケラチノサイトを、EpiLife+サプリメントS7に播種し、実施例3に従って、α1-アンチトリプシン(A1AT)開始コドンから約75bpに位置する配列L:TGCCTGGTCCCTGTCTCCCT(配列番号615)およびR:TGTCTTCTGGGCAGCATCTC(配列番号616)を標的とする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAでトランスフェクトした。細胞の遺伝子を編集し、遺伝子編集効率を以前記載したようにして測定した。図46に示すように、結果は、遺伝子編集タンパク質による効率的な遺伝子編集を示している。
約100,000個の初代ヒト新生児表皮のケラチノサイトを、EpiLife+サプリメントS7に播種し、実施例3に従って、COL7A1のエキソン73の末端に位置する配列L:TATTCCCGGGCTCCCAGGCA(配列番号622)およびR:TCTCCTGGCCTTCCTGCCTC(配列番号612)を標的とする遺伝子編集タンパク質をコードするRNAでトランスフェクトした。細胞の遺伝子を編集し、遺伝子編集効率を以前記載したようにして測定した。図47に示すように、結果は、遺伝子編集タンパク質による効率的な遺伝子編集を示している。
約50,000個の初代ヒト新生児表皮のケラチノサイトを、EpiLife+サプリメントS7に播種し、実施例3に従って、COL7A1のエキソン73の末端に位置する配列L:TATTCCCGGGCTCCCAGGCA(配列番号622)およびR:TCTCCTGGCCTTCCTGCCTC(配列番号612)を標的とする種々の遺伝子編集タンパク質をコードするRNAでトランスフェクトした。特に、遺伝子編集タンパク質は、FokIのエンドヌクレアーゼ切断ドメインおよびそのバリアントを含んでいた。バリアントは、高められた活性(S35P、K58E)、FokIヘテロダイマー(すなわち、L:Q103E、N113D、I116L;andR:E107K、H154R、I155K)、およびこれらの組み合わせ(すなわち、L:S35P、K58E、Q103E、N113D、I116L;およびR:S35P、K58E、E107K、H154R、I155K)を有するFokIバリアントを含んでいた。細胞の遺伝子を編集し、遺伝子編集効率を以前記載したようにして測定した。図48に示すように、結果は、遺伝子編集タンパク質による効率的な遺伝子編集を示している。
約100,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイト(動物タンパク質不含)を、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのHBBエキソン1TALENLおよびHBBエキソン1TALENR遺伝子編集タンパク質をコードするRNA(各1μg)でトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後にDNAを採取し、遺伝子編集を分析した(T7E1アッセイ;順方向プライマー:gccaaggacaggtacggctgtcatc(配列番号627);逆方向プライマー:cttgccatgagccttcaccttagggttg(配列番号628);産物の大きさ:518nt;予測バンドサイズ:300nt、218nt)。図61に示すように、結果は、遺伝子編集タンパク質による効率的な遺伝子編集を示している。
約100,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイト(動物タンパク質不含)を、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのPD1エキソン1TALENLおよびPD1エキソン1TALENR遺伝子編集タンパク質をコードするRNA(各1μg)でトランスフェクトした。48時間後にDNAを採取し、遺伝子編集を分析した(T7E1アッセイ;順方向プライマー:tcctctgtctccctgtctctgtctctctctc(配列番号594);逆方向プライマー:ggacttgggccaggggaggag(配列番号595);産物の大きさ:612nt;予測バンドサイズ:349nt、263nt)。図62に示すように、結果は、遺伝子編集タンパク質による効率的な遺伝子編集を示している。
実施例54 GDF15、IFKB、KRT5、KRT14、SOD3、またはhESM1をコードするRNAによる初代ヒトケラチノサイトのトランスフェクション
図49に示すように、約100,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイトを、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのhGDF15をコードするRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後、種々の時点で培地をサンプリングし、ELISA(R&DDGD150)を用いて、製造業者の説明書に従って、hGDF15のレベルを分析した。図49は、トランスフェクション後、hGDF15レベルが時間依存的に上方制御されたことを示す。
図50に示すように、約100,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイトを、EpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのIFKBまたはIFKBバリアント(S32AおよびS36A)をコードするRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後、種々の時点で培地をサンプリングし、ELISA(Abcam、ab176644)を用いて、製造業者の説明書に従って、IFKBのレベルを分析した。図50は、トランスフェクション後、IFKBまたはIFKBバリアントのレベルが増大したことを示す。
図51に示すように、約100,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイトを、6ウェルプレートのEpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのKRT5またはKRT14(またはKRT5またはKRT14のGFPタグ付きバージョン)をコードするRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後、GFPイメージングを実施し、KRT5またはKRT14の発現を測定した。図51は、効率的なトランスフェクションおよびトランスフェクション後のKRT5-GFPまたはKRT14-GFPレベルの増大を示す。
図52に示すように、約20,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイトを、24ウェルプレートのEpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、0.2μgのSOD3をコードするRNAでトランスフェクトした。トランスフェクション後、細胞を固定し、NBP2-38493(Novus)ウサギ抗ヒトSOD3一次抗体の1:100希釈、および488ロバ抗ウサギ二次抗体の1:1000希釈で24時間染色した。結果は、効率的なトランスフェクションおよびトランスフェクトした細胞中の比較的高いSOD3レベルを示す。
図60に示すように、約200,000個の初代ヒト新生児表皮ケラチノサイト(動物たんぱく質不含)を、6ウェルプレートのEpiLife+サプリメントS7に播種した。細胞を、実施例3に従って、2μgのhESMIをコードするRNAでトランスフェクトした。トランスフェクションの52時間後、培地のESM1をELISA(Abcamab213776)により分析した。結果は、効率的なトランスフェクションおよびトランスフェクトした細胞中の比較的高いhESMIレベルを示す。
実施例55 GDF15(MIC1)のインビボ標的化
hGDF15をコードするRNAの投与に対するズッカー肥満(ZDF)ラットの応答を評価する試験を実施した。ズッカー肥満ラット(ZDF)は、ヒト疾患の多くの状況を模倣するよく研究された肥満モデルである。具体的には、8~10週齢の雄のラットをこの試験に使用した。全部で15匹のZDFおよび15匹の野生型対照スプラーグドーリーラットを試験し、動物を試験グループに割り当て、以下の表に示すように治療した:
グループ1~4は、皮内(ID)注入により投与された。それぞれに対し、動物当たり、背中にID注入により50μL/注入の投与量を10回、合計500μLを投与した。
RNAまたは対照を毎週(1、8および15日目)に投与し、初回用量を1日目に、最終用量を15日目に投与した。動物を、44日目に、検査せずに安楽死させた。
下記スケジュールに従ってラットから血液を収集し、血液生化学検査および薬物動態学分析に使用した:
AU680分析計を用いて次の血液生化学分析を実施した:アルブミン、アルカリフォスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、総ビリルビン量、カルシウム、総コレステロール、クレアチンキナーゼ、クレアチニン、グルコース、無機リン、総タンパク質、トリグリセリド、ナトリウム、カリウム、塩化物、グロブリン、アルブミン/グロブリン比率、および血中尿素窒素。ALT、AST、総コレステロール、トリグリセリド、およびグルコースの血清レベルの変化の結果を、図53~58に示す。図58に示すように、ZDFラットへのGDF15コードRNAの投与により、血清中のALT、AST、およびグルコースレベルが低下したが、総コレステロールおよびトリグリセリドレベルが増加した。これらの結果は、GDF15をコードするRNAで治療した糖尿病性肥満動物は、ALTおよびASTの血清レベルの低下により示されるように、肝臓の健康状態の改善、および血清コレステロールおよびトリグリセリドレベルの増加により示されるように、血糖値および脂質動員の改善(低下)を示すことを示唆している。したがって、これらの結果は、GDF15をコードするRNAは、特に、糖尿病、肥満症、脂肪肝、および肝炎、高血糖、および/または脂質代謝異常を含む他の疾患を治療するために使用し得ることを示唆している。
治療したラットのGDF15の血清レベルは、図59に示すように、確認された。図で示すように、GDF15をコードするRNAを注入されたZDFおよび対照スプラーグドーリーラットの両方で、16日目(すなわち、15日目+24時間)でも、高いGDF15レベルが観察された。
等価物
当業者は、本明細書で具体的に記載された特定の実施形態に対する多数の等価物を、ルーチン実験のみを用いて認識し、確認できるであろう。このような等価物は、次の請求項の範囲内に包含されることが意図されている。
参照による組み込み
本明細書で引用されている全ての特許および刊行物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。