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JP2022028194A - 高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント Download PDF

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恒 篠川
Hisashi Shinokawa
頌太 原田
Shota Harada
勇将 小野
Takemasa Ono
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Abstract

【課題】 メッシュ織物に製織する際の耐摩耗性に優れ、染色工程を要せずスクリーンに印刷パターンを形成する際のハレーション防止効果に優れたスクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを提供する。【解決手段】 ポリエステルポリマーからなる芯鞘複合型繊維であって、300~500nmにピークを有する波長の光に対する反射率が10.0%以下であり、繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、鞘成分の内接円の半径Rと2つの内接円の中心間距離rが次の範囲を満足する高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。r/R≦0.03・・・(1)【選択図】図1

Description

本発明はスクリーン紗用モノフィラメントに関する。詳しくは、モノフィラメントをメッシュ織物に製織する際の耐摩耗性に優れ、染色工程を要せず、スクリーンに印刷パターンを形成する際のハレーション防止効果に優れたスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントに関する。
スクリーン印刷用織物としては、従来はシルクなどの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるメッシュ織物、すなわちスクリーン紗が広く使用されてきた。近年は、柔軟性や耐久性、コストパフォーマンスに優れる合繊メッシュが好んで使用され、中でもポリエステルモノフィラメントは寸法安定性に優れるなどスクリーン用途適性が高く、広く普及している。また、電子部品の電極・配線印刷などの高精細スクリーン印刷用途において、積層セラミックスコンデンサ、太陽電池など世界的なクリーンエネルギーへの需要の高まりを背景に、成長拡大と高精細印刷要求の高度化が著しく、スクリーン紗用モノフィラメントの高度化が求められている。
スクリーン紗を用いた製版工程は、モノフィラメントを用いたスクリーン紗を版枠に紗張り固定し、精錬して、モノフィラメントに付着している油剤等の不要物を除去後、紫外線硬化性樹脂を塗布・乾燥した後に、印刷したい図柄を黒色で描いたポジフィルムをスクリーン紗に密着させた状態で、波長280~500nmの紫外線を露光して行われる。この際、ポジフィルムの図柄部分に重複した紫外線硬化性樹脂は固化せず、他部分は紫外線硬化性樹脂が紫外線に露光して光化学反応により固化するため、露光後の版を水洗することで、ポジフィルムの図柄部分の紫外線硬化性樹脂が洗い流され、印刷ネガとなる。
スクリーン印刷において、より精密・精細な印刷を行うためには、いかにポジフィルムの図柄通りに紫外線硬化性樹脂を固化させるかが重要な課題となる。スクリーン紗の紫外線反射率が高いと、スクリーン紗表面で紫外線が乱反射し露光不要な図柄部分まで感光させてしまう、いわゆるハレーションが発生するため、印刷精度が著しく低下する。紫外線の乱反射を防ぐ方法として、一般にモノフィラメントでスクリーン紗を製織した後に、染色を施す方法が採用されている。例えば、特許文献1には、スルホン酸ホスホニウム塩を共重合したポリエチレンテレフタレートを用いることにより、100℃以下の常圧染色が可能となり、糸のモジュラス特性を保ったまま、染色によるハレーション効果を得る発明が開示されている。
一方、染色工程では環境負荷の高い廃液が排出されることが深刻な問題となっている。この染色工程を廃止すべく、製糸工程段階で顔料を付与したスクリーン紗用モノフィラメントに関する検討が種々行われている。例えば、特許文献2には、ポリエステルモノフィラメントを芯鞘複合構造とし、鞘成分のみに高濃度の有機化合物系顔料を含有させる発明が開示されている。また、特許文献3では、有機化合物系顔料および無機粒子を繊維中に均一に分散させて、紫外線吸収性だけでなく、光の遮蔽性、耐摩耗性をポリエステルフィラメントに付与する発明が開示されている。
特開2011-16279号公報 特開2007-92233号公報 特開2009-221620号公報
本発明の目的は、高精細スクリーン印刷用途として高強度・高モジュラス特性を有するスクリーン紗に好適な、ハレーションを防止するための染色工程を不要とする芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを提供することである。
本発明では、高精細スクリーン印刷に好適な高強度・高モジュラス特性を有するスクリーン紗を提供するために、細線径のモノフィラメントを用いて、紗を高密度化し、紗のオープニングを精密化する方法を採用した。また、高精細印刷には、被写体とスクリーン版の距離を小さくしてスキージング時の紗の沈み込みを低減して塗布剤の滲みを抑制することが重要であり、製織性や紗張り性を発揮するための強度・モジュラスを向上させるべく、特許文献2、3のように製糸工程段階で顔料を付与して染色によるモジュラス特性の低下を排除し、延伸倍率を上げる方法を採用した。
しかしながら、延伸倍率を上げると、特許文献3のように単成分モノフィラメントで製糸した場合に糸表面のポリエステル分子鎖の配向が高くなり、糸の耐摩耗性が低下してしまい、糸がフィブリル化する問題が発生した。さらには、繊維径を細くしたことで、糸と工程ガイドの接触面積も小さくなり、応力が集中してしまい工程ガイドの糸道が削られ、削られた傷が走行糸を削ってフィブリルを発生させ、著しく高次通過性を低下させることがわかった。
このような、糸表面のポリエステル分子鎖の高配向化をきっかけとした糸の耐摩耗性低下、工程ガイドの糸道削れ、糸のフィブリル化を改善するため、本発明では、特許文献2のように同心円状に配置された芯鞘複合構造とし、鞘成分に有機化合物系顔料を含有させた低い固有粘度(IV)のポリエステルを用いることで、延伸時の糸表面のポリエステル分子鎖の配向を抑制し、糸の耐摩耗性を向上させるとともに、芯成分に高い固有粘度(IV)のポリエステルを用いることで、延伸時の糸内部のポリエステル分子鎖の配向を向上させ、高強度・高モジュラス特性を有する設計とした。
しかしながら従来からの問題として、十分なハレーション防止効果を得るには鞘成分に高濃度の顔料を含有させることになり、顔料分子が鞘成分ポリエステル分子鎖間に分散してポリエステル分子鎖の拘束力を弱めるため、製糸工程の糸道や製織時の筬との擦過によって鞘成分ポリエステル由来のスカムを発生させる問題があった。
特に、本発明の検討において、製糸工程の糸道にスカムが堆積すると、スカムが走行糸の鞘成分を顔料とともにさらに削ってしまい、長手方向の色の濃さを低下させたり、糸の破断強度を低下させたりする問題が発生した。色の濃さは巻取パッケージの外観で判別がつくほど低下しており、色の濃さが低下した箇所の糸断面を観察すると、正常な色の糸断面に比べて真円度が低下しており、鞘成分の厚みが薄い部分が存在する断面形態になっていることから、鞘成分が削れたためと推定する。
本発明では、長手方向の鞘成分の削れを改善して、高精細スクリーン印刷に好適な高強度・高モジュラス特性を有し、ハレーションを防止するための染色工程を不要とする細繊度の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを提供する。
本発明は、下記の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントとすることで目的を達成できる。
ポリエステルポリマーからなる芯鞘複合型繊維であって、300~500nmにピークを有する波長の光に対する反射率が10.0%以下であり、繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、鞘成分の内接円の半径Rと芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離rがr/R≦0.03を満足する高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
本発明は、従来の技術では成し得なかった、長手方向の鞘成分の削れを改善して、高精細スクリーン印刷に好適な高強度・高モジュラス特性を有し、ハレーションを防止するための染色工程を不要とする細繊度ポリエステルモノフィラメントを提供する。
さらに詳しくは、鞘成分に有機化合物系顔料を含有させた固有粘度(IV)の低いポリエステルを用い、芯成分に固有粘度(IV)の高いポリエステルを用いる同心円状に配置された芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、製糸工程の糸道にスカムが堆積することを抑制することにより、長手方向の鞘成分が削られて色の濃さを低下させたり、糸の破断強度を低下させたりする問題を解消し、糸のフィブリル欠点のない、高次通過性に優れた芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントが得られる。
繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、鞘成分の内接円の半径Rと該内接円の中心間距離rを説明するための模式図である。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントについて説明する。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、印刷パターンを形成する際にハレーションを抑制し、紫外線硬化性樹脂で印刷パターンを高精細に再現させるために、写真製版法(JIS Z8722:2009)で300~500nmにピークを有する波長の光に対する反射率が10.0%以下であり、好ましくは8.0%以下である。製版工程にて感光樹脂を紫外線で硬化させる際、この範囲の波長を反射させることが多く、ハレーション防止のためにこの範囲の波長の反射を抑制することが重要である。この波長域の反射率が10.0%以下であると、光の反射を抑制してハレーションを生じず鮮明な印刷模様を得ることができる。反射率が10.0%を超えると高精細スクリーン紗用途において十分なハレーション防止効果が得られない。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、300~500nmにピークを有する波長の光に対する反射率が10.0%以下であれば、特に方法を限定するものではないが、例えば、鞘成分に顔料や染料、紫外線吸収剤を添加してもよく、色の耐久性の点から、水に溶けにくく、耐候性を有する有機化合物系顔料を含有することが好ましい。用いる有機化合物系顔料としては、溶融ポリエステルによく分散し、溶融紡糸段階で着色することができる従来公知の有機化合物系顔料を使用することができ、紫外線硬化樹脂との相性によって適宜選択すればよい。一般的には、スクリーン紗は赤色や黄色の暖色系とすれば可視光の高波長側から紫外線の吸収性が良いため広く用いられており、本発明の有機化合物系顔料としても同様の色味を呈するものであれば適用範囲が広いため好ましい。そのような条件を満足する有機化合物系顔料の代表としてアゾ顔料やアンスラキノン系、イソインドリン系の縮合多環顔料などを挙げることができる。着色力、ポリエステルへの分散性の観点よりアンスラキノン系顔料が好ましい。また、その有機化合物系顔料の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント中含有濃度としては0.01~0.50重量%であることが好ましい。0.01重量%未満の場合ハレーション防止効果が不十分であり、0.50重量%を超える場合、強伸度、耐磨耗性などの機械特性が著しく低下する問題が発生する。より好ましくは0.05~0.25重量%である。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、その横断面において芯成分が鞘成分により覆われ、芯成分が表面に露出していないように配置された芯鞘複合型ポリエステルモノフィラメントである。ここで芯鞘複合型とは芯成分が鞘成分により完全に覆われており、同心円状に配置されている。本発明のモノフィラメントの繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、鞘成分の内接円の半径Rと該内接円の中心間距離rがr/R≦0.03である。
r/Rは繊維の真円度を表しており、製糸工程で長手方向に鞘成分が削られると、削られた部分の鞘成分の厚みが小さくなるため、鞘成分の形態が真円形から楕円形に変化し、鞘成分の内接円の中心が芯成分の中心から離れることを示している。そのため、芯成分と鞘成分が完全な同心に近ければ近いほど、横断面方向だけでなく長手方向においても鞘成分が芯成分を均一な厚みで覆っている状態を示しており、均一なハレーション防止効果を得ることができる。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、良好な耐摩耗性を得るという観点から鞘成分に用いるポリエステル成分の固有粘度(IV)を芯成分ポリエステル成分の固有粘度(IV)より低くする。その差を0.20~1.00にすることが好ましい。固有粘度(IV)の差を0.20以上とすることで鞘成分のポリエステル成分、すなわちポリエステルモノフィラメント表面のポリエステル分子鎖の配向度および結晶化度を抑えることができ、良好な耐摩耗性を得ることができる。また、溶融紡糸の口金吐出孔内壁面におけるせん断応力を鞘成分が担うため、芯成分が受けるせん断力は小さくなる。これにより芯成分は分子鎖配向度が低く、かつ均一な状態で紡出されるため、最終的に得られるポリエステルモノフィラメントの強度が向上する。一方、芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントが高強度を有するためには、鞘成分の配向も適度に必要となるため、固有粘度(IV)の差が1.00より大きいと満足する原糸強度が得られにくい。さらに好ましいポリエステル成分の固有粘度(IV)差は0.30~0.70である。
本発明におけるポリエステル成分の固有粘度(IV)は、芯成分のポリエステル成分においては0.70~1.50の範囲であることが好ましい。固有粘度(IV)を0.70以上とすることにより、十分な強度と伸度を兼ね備えたポリエステルモノフィラメントを製造することが可能となる。より好ましい固有粘度(IV)は0.90以上である。また、固有粘度(IV)の上限は溶融押出し等の成形の容易さの点から1.50以下が好ましく、さらに製造コストや工程途中の熱やせん断力によって起きる分子鎖切断による分子量低下の影響を考慮すると、より好ましくは1.30以下である。
一方、鞘成分のポリエステル成分の固有粘度(IV)は0.40以上にすることにより安定した製糸性が得られる。より好ましい固有粘度(IV)は0.45以上である。また、良好な耐摩耗性を得るためには、低粘度ポリエステル成分の固有粘度(IV)は0.70以下であることが好ましい。
ここで、本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントのポリエステル成分としては、ポリエチレンレンテレフタレート(以下、PETと称する)を主成分とするポリエステルが用いられることが好ましい。本発明で用いるPETとしては、テレフタル酸を主たる酸成分としエチレングリコールを主たるグリコール成分とする、90モル%以上がエチレンテレフタレートの繰り返し単位からなるポリエステルを用いることができる。
また、10モル%未満の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。このような共重合成分としては、例えば、酸成分として、イソフタル酸、フタル酸、ジブロモテレフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、オクトエトキシ安息香酸のような二官能性芳香族カルボン酸、セバシン酸、シュウ酸、アジピン酸、ダイマ酸のような二官能性脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボンサン類が挙げられる。また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAや、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。ただし、共重合成分は繊維の配向を阻害するため、高精細スクリーン印刷用途として満足な原糸強度が得られない場合があるため、共重合成分を含まないことが好ましい。
また、艶消剤として二酸化チタン、滑剤としてシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤とてヒンダードフェノール誘導体、さらには難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤および着色顔料等を必要に応じてPETに添加することができる。
本発明の芯成分のポリエステル成分はポリエステルモノフィラメントの強度を主に担うため、通常ポリエステル繊維に添加される酸化チタンに代表される無機粒子の添加物は0.5重量%未満であることが好ましい。一方、鞘成分のポリエステル成分はポリエステルモノフィラメントの耐摩耗性を主として担うため酸化チタンに代表される無機粒子を0.1重量%~0.5重量%程度添加させることが好ましい。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントにおいては、芯成分、鞘成分ともにポリエステルであるため、ポリエステル/ナイロン複合糸に度々発生するような複合界面での剥離という減少は起きにくい。しかしながら鞘成分によるスカム抑制効果と芯成分による高強度化を両立するという点で、芯成分:鞘成分の複合比は60:40~95:5の範囲とすることが好ましく、より好ましい複合比は70:30~90:10の範囲である。ここで、本発明で定義する複合比とは、ポリエステルモノフィラメントの横断面写真においてポリエステルモノフィラメントを構成する2種のポリエステルの横断面積比率である。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントの繊度は、3.0dtex~13.0dtexの範囲であることが好ましい。精密印刷に適した#400(2.54cm当たり400本)以上のハイメッシュスクリーン紗の場合、1本あたりのメッシュ格子間隔は非常に小さいものとなるため、繊度15dtex以上のポリエステルモノフィラメントを使用した場合、1格子当たりのオープニング(目開き)が非常に小さくなるため、筬とポリエステルモノフィラメントの擦過によってスカムが発生し易くなり、結果として#400以上のスクリーン紗が得られないことがある。したがって本発明の芯鞘複合ポリステルモノフィラメントの繊度の上限としては13.0dtexが好ましく、#450以上のスクリーン紗では8.0dtex以下、#500以上のスクリーン紗では6.0dtex以下であることが好ましい。また、繊度の下限としては、製織性、特にスルーザー織機における緯糸の飛送性の点で3.0dtex以上が好ましく、より好ましくは4.0dtex以上である。上記のような繊度を達成するためには、ポリエステルモノフィラメントの製造において、吐出量および紡糸口金を適宜変更すればよい。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、スクリーン印刷では、一般的に印刷パターンの精度を向上させるために、紗張りテンションを高くし、スクリーン紗と被印刷物の距離を小さくする方法が採られている。紗張りの際、テンションを高くするためにはポリエステルモノフィラメント1本あたりの強力を向上させる。また、印刷業界の要求は厳しく、細繊度でハイメッシュ、すなわち、織密度の高いスクリーン紗を要求している製織過程で糸にかかる張力は必ずしもその繊度に比例するわけではなく、ポリエステルモノフィラメント1本当たりの強力が高いことが重要であり、細くなればなるほど、より破断強度の高いものとすることが求められる。
ここで、本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、高精度印刷に適した高強力モノフィラメントであり、製織性の低下や紗伸びなどの発生を抑え、高い寸法安定性を得る点から、破断強度を6.5cN/dtex以上、10%伸長時の強度(モジュラス)を6.0cN/dtex以上とすることが好ましい。また、前記したように紗張りのテンションをより高くし、より精密な印刷を可能にするには、破断強度を7.0cN/dtex以上とすることが好ましく、より好ましくは7.3cN/dtex以上とすることである。また、10%伸長時の強度(モジュラス)は好ましくは6.5cN/dtex以上、より好ましくは6.8cN/dtex以上とするのがよい。一方、耐摩耗性の点で配向や結晶化度を抑えるため、破断強度は9.3cN/dtex以下であり、9.0cN/dtex以下であることが好ましい。また、10%伸長時の強度(モジュラス)は9.0cN/dtex以下であり、8.7cN/dtex以下であることが好ましい。上記のような破断強度および10%伸長時の強度(モジュラス)を達成するためには、後述の通り、高粘度のポリエステルを使用し溶融紡糸して、未延伸糸を高倍率多段延伸した後、最終ホットロールと非加熱のゴデットロールの間で適正な範囲で正負のリラックス処理を行うことが好ましい。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントにおいて、製糸工程の糸道にスカムが堆積すると、スカムが走行糸の鞘成分を顔料とともにさらに削ってしまい、長手方向の糸の破断強度を低下させることがわかっている。このように破断強度が低下した糸は、製織工程の筬でフィブリル状の糸切れを引き起こすこともわかっており、糸表面がフィブリル状にめくれた箇所が存在しているためと推定する。そのため、本発明では、安定した製織が可能なモノフィラメントを提供するため、初期試料長20cmの引張試験を100回行った際の破断強度のばらつきが下式を満たすことが好ましい。
破断強度(min)≧破断強度(avg)-0.15
破断強度(min):破断強度を長手方向に連続して100回測定した個々値の最小値
破断強度(avg):破断強度を長手方向に連続して100回測定した個々値の平均値
該式を満たすことにより、繊維径が正常径に比べて小さくなっている箇所や糸表面がフィブリル状にめくれた箇所が皆無となり、局所的に強度が低下しておらず、製織糸切れが抑制できる。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントの好ましい製造方法について説明する。
本発明のポリエステルモノフィラメントは、芯成分である高粘度PETと鞘成分である低粘度PETをそれぞれ溶融し押出し、複合紡糸機を用い、所定の複合パックに送り、パック内で両ポリマーを濾過した後、紡糸口金で芯鞘型に貼り合わせて複合紡糸し、紡糸口金から吐出された糸条を一旦巻き取ることなく引き続き延伸を行う直接紡糸延伸法によって製造することができる。紡糸工程で一旦未延伸糸として巻き取り、改めて延伸工程に供することもできるが、製造工程において糸条が通過するガイドを減らし、糸の削れを抑制する点から、紡糸工程と直結して延伸を行う直接紡糸延伸法が好ましい。
本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、鞘成分ポリエステルに高濃度の顔料を含有させることで光吸収性を付与する。十分なハレーション防止効果を得るには鞘成分に高濃度の顔料を含有させることになり、顔料分子が鞘成分ポリエステル分子鎖間に分散してポリエステル分子鎖の拘束力を弱めるため、製糸工程の糸道との擦過によって鞘成分ポリエステル由来のスカムを発生させる。そして製糸工程の糸道に堆積したスカムが走行糸の鞘成分を顔料とともにさらに削ってしまい、長手方向の色の濃さを低下させたり、糸の破断強度を低下させたりする問題が発生する。そのため、延伸工程のガイドを極力減らし、ガイド通過時の工程張力を0.3cN/dtex以下に設定することが好ましい。
さらには、延伸工程のゴデッドローラーの1つまたは複数の位置を回転軸方向に移動させることによって糸の削れを抑制できるため好ましい。ゴデッドローラーまたはネルソンローラーを回転軸方向に移動させることにより、ローラーの全体を糸条が走行するため、ローラーに紡糸油剤に起因する汚れが付着しにくく、汚れに起因する糸の削れを防ぐことができる。特に加熱式のゴデッドローラー上では糸条に付着した紡糸油剤成分中の水分が揮発することにより、汚れが付着し易いため、加熱式のゴデッドローラーを回転軸方向に移動させることは糸の削れを抑制する点でより効果を発揮する。
ゴデッドローラーの回転軸方向の移動量が大きければ大きいほど、油剤変性物の堆積や摩耗を防ぐ効果が大きいが、複数の糸条を同時に巻き取る際には、ローラー上に複数の糸条を並行して走行させるため、その糸条間距離が油剤変性物の堆積や摩耗を防ぐ効果が最大となるローラー回転軸方向の移動量であり、その糸条間距離は2~50mmに設定されることが一般的である。よって、ゴデッドローラーの回転軸方向の移動量は2~50mmとすることが好ましい。さらにローラーの長さを短くする点や、多数の糸条を同時に巻き取ることを考慮すると、ゴデッドローラーの回転軸方向の移動量は2~10mmとすることが望ましい。
また、ゴデッドローラーを往復かつ周期的に移動させ続けることで、油剤変性物の堆積や摩耗を長時間わたって抑制することができる。ゴデッドローラーが往復移動する周期は1秒~60分が好ましく、往復する場合を1サイクルと定義すると1秒~60分/サイクルが好ましく、より好ましくは10秒~10分/サイクルである。
また、ゴデッドローラーの表面温度は、モノフィラメントの(融点-70℃)以上融点以下であると顕著に効果が現れる。高温に曝される場合には油剤が特に変性しやすいからである。糸条の(融点-70℃)以上の高い温度であれば、油剤の熱変性が増加するため本発明の効果が顕著に現れる。また、糸条の融点以下の場合には溶け上がりが発生しないので、安定して製糸をすることができる。
有機化合物系顔料と無機粒子を添加させる方法としては、ポリエステルに所定の有機化合物系顔料と無機粒子を添加させたペレットを前記の方法で溶融紡糸する方法、所定の含有量の2~20倍程度の高濃度マスターペレットとし、通常のポリエステルと溶融混練・希釈させつつ紡糸を行う方法などなどが挙げられる。後者の場合は、ペレット状態でマスターペレットと通常のポリエステルペレットを混合して溶融押出機で混練しても良く、それぞれ別々の溶融押出機で溶融させた後、溶融ポリマーの輸送配管や紡糸パック内で混練させても良く、いずれの場合も有機化合物系顔料や無機粒子の分散均一性を確保するために静的混練子を使用しても良い。
以下、本発明の芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントについて実施例をもって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例の測定値は、次の方法で測定した。
1.固有粘度(IV)
定義式のηrは、25℃の温度の純度98%以上のo-クロロフェノール(以下、OCPと略記する。)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度にてオストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、固有粘度(IV)を算出した。PTTについては160℃の温度の純度98%以上のOCP10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃の温度に冷却後、オストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを下式により求め、固有粘度(IV)を算出した。
ηr=η/η0=(t×d)/(t0×d0)
固有粘度(IV)=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度、η0:OCPの粘度、t:溶液の落下時間(秒)、d:溶液の密度(g/cm)、t0:OCPの落下時間(秒)、d0:OCPの密度(g/cm)。
2.鞘成分の内接円の半径(R)、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離(r)
1本のモノフィラメントについて、それぞれ2m間隔で100箇所を取り出し、光学顕微鏡(キーエンス製)を用いて繊維断面写真を撮った。画像解析装置(キーエンス製)を用い、撮影した繊維断面写真を画面上にて、鞘成分の内接円上の3点を指定することにより、鞘成分の内接円の半径Rと中心を求めた。次いで、芯成分の内接円の中心を求め、芯鞘成分それぞれの中心を指定することにより中心間の距離rを求めた。(図1参照)
3.繊度(dtex)
モノフィラメントを500mかせ取り、かせの質量(g)に20を乗じた値を繊度とした。
4.10%モジュラス(cN/dtex)、破断強度(cN/dtex)
オリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、初期試料長20cm、引張速度20cm/分で5回測定した結果から、伸度10%時の強度を求め10%モジュラスとした。また、破断時の強度を求めた。
5.100回連続測定したときの破断強度のばらつき
1本のモノフィラメントについて、オリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、ポリエステルモノフィラメントの繊維長手方向20mにおいて初期試料長20cm、引張速度20cm/分で引張試験を100回行った際の破断強度の平均値、最小値を求めた。
6.製織評価
モノフィラメントから経・緯織密度350メッシュ(350本/2.54cm)のスクリーン紗を得る際の工程の問題有無を以下の通り評価し、SおよびAを合格とした。
S…毛羽状の削れカス発生がほとんどなく、問題なし。
A…毛羽状の削れカス発生あるものの、品質上に問題なし。
B…毛羽状の削れカス発生が著しい。
7.反射率の測定方法
芯鞘複合モノフィラメントから得られた経・緯密度350メッシュ(350本/2.54cm)のスクリーン紗について、写真製版法(JIS Z8722:2009)に準じて反射率(%)を測定し、300~500nm間で20nmごとに測定した計測値の平均とした。
8.ハレーション評価
モノフィラメントから得られた経・緯密度350メッシュ(350本/2.54cm)のスクリーン紗に微細パターンを焼き付けて電子顕微鏡で観察して評価、SおよびAを合格とした。
S…ハレーション防止効果大。微細パターンの滲みがほとんどなく、問題なし。
A…ハレーション防止効果有り。微細パターンの滲みがあるが、品質上に問題なし。
B…ハレーション発生。微細パターンの滲みが著しい。
(実施例1)
常法により重合・ペレット化した固有粘度0.51、酸化チタン0.4重量%のポリエチレンテレフタレートを冷凍粉砕し、アンスラキノンイエロー(CAS No.4118-16-5:1,1‘-[(6-phenyl-1,3,5-triazine-2,4-diyl)diimino]bisanthraquinone)5重量%を混合し、2軸エクストルーダー型混練押出機に供給し、マスターペレットを得た。配合装置を用いて、得られたマスターペレットと固有粘度0.51、酸化チタン0.4重量%のポリエチレンテレフタレートペレットを1:24の比率で配合し、鞘成分ポリエステルとした。
前記の鞘成分ポリエステルと芯成分として固有粘度0.96のポリエチレンテレフタレートとを、エクストルーダーを用いてそれぞれ298℃の温度で溶融後、ポリマー温度275~285℃で、芯鞘比率が芯成分:鞘成分=80:20となるようにポンプ計量を行い、溶融紡糸用パックに流入させた。芯鞘型となるよう公知の複合口金に流入させ、糸条を紡出させた。口金から吐出されたモノフィラメントは、紡糸口金直下の雰囲気温度が300℃となるよう、積極的に加熱保温し、その後、糸条冷却送風装置により冷却し、紡糸油剤を付与しつつ、680m/分の速度で非加熱の第1ゴデットロールに引き取った。この未延伸糸のガラス転移温度は80℃であった。一旦巻き取ることなく687m/分の速度で90℃の温度に加熱された第1ホットロール、2447m/分の速度で90℃の温度に加熱された第2ホットロール、3449m/分の速度で190℃の温度に加熱された第3ホットロールに引き回し、延伸、熱セットを行った。このとき、第3ホットロールは回転軸方向に往復移動しており、移動量は7mm、往復移動する周期は7秒/サイクルであった。第3ホットロールを往復移動させる機構として、駆動モーターの回転を減速機とボールねじを介して直線運動に変換し、コンピューターによる制御によって駆動モーターの回転を変化させることで第3ホットロールの回転軸方向に往復運動として取り出すものを使用した。また、延伸倍率は、5.14倍であった。さらに、3449m/分の速度で2個の表面粗度0.8S、非加熱のゴデットロールに引き回した後、巻取張力が0.417g/dtexとなるようにスピンドル回転数を制御してパッケージに巻き取り、6.0dtexのポリエステルモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性は表1の通りであり、スクリ-ン紗用途として優れた耐摩耗性、ハレーション抑制効果を得た。
Figure 2022028194000002
(実施例2~4)
実施例1から、吐出量を変更した以外は実施例1と同様にして、繊度3.0、8.0、13.0dtexのポリエステルモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性を表1に示す。いずれも十分な耐摩耗性、ハレーション抑制効果を得たが、実施例2の3.0dtexでは、繊維径が細くなったことで、糸と工程ガイドの接触面積も小さくなり、応力が集中したことから、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて大きくなっており、破断強度のばらつき、耐摩耗性、反射率、ハレーションは実施例1に比べて若干劣った。
Figure 2022028194000003
(実施例5~8)
芯成分ポリエステルの固有粘度を1.50、鞘成分ポリエステルの固有粘度を0.45、延伸倍率を6.00、6.80とした以外は、実施例1と同様にモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性を表2に示す。実施例5では、芯成分ポリエステルの固有粘度を上げたため、10%強度、破断強度は実施例1に比べて向上し、高次評価も問題なかった。実施例6では、鞘成分ポリエステルの固有粘度を下げたため、鞘成分のポリエステル分子鎖配向を抑制でき、鞘成分が工程ガイドとの擦過で削られにくく、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて小さくなっており、破断強度のばらつき、高次評価での耐摩耗性、反射率、ハレーションは実施例1に比べて良好であった。実施例7、8では、延伸倍率を上げて高モジュラス・高強度なモノフィラメントを得たが、鞘成分のポリエステル分子鎖配向が高くなったことで、鞘成分が工程ガイドとの擦過で削られやすくなり、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて大きくなっており、破断強度のばらつき、耐摩耗性、反射率、ハレーションは実施例1に比べて若干劣った。
Figure 2022028194000004
(実施例9~11、比較例1)
鞘成分ポリエステルが含有する有機化合物系顔料の含有量を0.04、0.10、0.40、1.00重量%とした以外は、実施例1と同様にモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性を表3に示す。実施例9、10では、顔料の含有量が少ないため、反射率、ハレーションが実施例1に比べて若干劣った。実施例11では、顔料の含有量が多いため、顔料が鞘成分のポリエステル分子鎖の拘束力を弱めたことで、鞘成分が工程ガイドとの擦過で削られやすくなり、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて大きくなっており、破断強度のばらつき、耐摩耗性は実施例1に比べて大きくなった。ただし、顔料の含有量が多いため、反射率、ハレーションは良好であった。比較例1では、顔料の含有量が非常に多いため、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて非常に大きくなっており、破断強度のばらつき、耐摩耗性は実施例1に比べて大きく劣位であった。また、反射率、ハレーションについても、鞘成分が大きく削られたことによる影響が大きく、実施例1に比べて大きく劣位であった。
Figure 2022028194000005
(比較例2)
第3ホットロールの往復移動を停止させたこと以外は、実施例1と同様にモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性を表4に示す。第3ホットロールの往復運動を停止させたため、第3ホットロールの糸道にスカムが堆積し、鞘成分がスカムでさらに削られたことで、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて非常に大きくなり、破断強度のばらつき、耐摩耗性、反射率、ハレーションも実施例1に比べて大きく劣位であった。
(比較例3)
芯成分ポリエステルの固有粘度を0.64、鞘成分ポリエステルとして5-ナトリウムスルホイソフタル酸7.3重量%を共重合させたポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.55)とし、ベンゾオキサジン系顔料を含有させたこと以外は、実施例1と同様にモノフィラメントを得た。このポリエステルモノフィラメントの特性を表4に示す。芯成分ポリエステルの固有粘度が低いため、目標の強度・モジュラス特性を得るために延伸倍率を上げた結果、鞘成分のポリエステル分子鎖配向が高くなったことで、鞘成分が工程ガイドとの擦過で削られやすくなり、芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離r/Rが実施例1に比べて大きくなっており、破断強度のばらつき、耐摩耗性、反射率、ハレーションは実施例1に比べて劣位であった。
A:芯成分ポリマー
B:鞘成分ポリマー
C:鞘成分の内接円
D:芯成分の内接円
R:鞘の内接円の半径
r:鞘の内接円の中心と芯の内接円の中心との距離

Claims (5)

  1. ポリエステルポリマーからなる芯鞘複合型繊維であって、
    300~500nmにピークを有する波長の光に対する反射率が10.0%以下であり、
    繊維横断面での芯成分の内接円および鞘成分の内接円において、
    鞘成分の内接円の半径Rと
    芯成分と鞘成分の内接円の中心間距離rがr/R≦0.03を満足する
    高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
  2. 芯成分ポリエステルの固有粘度が0.95~1.50であり、鞘成分ポリエステルの固有粘度が0.40~0.70であり、さらに芯成分ポリエステルと鞘成分ポリエステルの固有粘度差が0.20~1.00である請求項1記載の高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
  3. 鞘成分ポリエステルがアンスラキノン系の紫外線吸収剤を0.01~0.50重量%含有する請求項1または2記載の高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
  4. 繊度が3.0~13.0dtex、10%伸長時の強度が6.0~9.0cN/dtex、破断強度が6.5~9.3cN/dtexであることを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
  5. ポリエステルモノフィラメントの繊維長手方向20mにおいて、破断強度を100回測定した際のばらつきが下式を満たすことを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の高精細スクリーン紗用芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
    破断強度(min)≧破断強度(avg)-0.15
    破断強度(min):破断強度を長手方向に連続して100回測定した個々値の最小値
    破断強度(avg):破断強度を長手方向に連続して100回測定した個々値の平均値
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024242012A1 (ja) * 2023-05-25 2024-11-28 東レ株式会社 スクリーン紗用芯鞘複合モノフィラメント

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