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JP2007332504A - スクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント - Google Patents

スクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント Download PDF

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JP2007332504A JP2006167433A JP2006167433A JP2007332504A JP 2007332504 A JP2007332504 A JP 2007332504A JP 2006167433 A JP2006167433 A JP 2006167433A JP 2006167433 A JP2006167433 A JP 2006167433A JP 2007332504 A JP2007332504 A JP 2007332504A
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Yoshitoki Mori
義斉 森
Tomohiro Oguchi
朝弘 小口
Hiroyuki Kurokawa
浩亨 黒川
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Abstract

【課題】 寸法安定性とハレーション防止効果および耐刷性の優れたスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを提供する。
【解決手段】 最外層Aが極限粘度0.45〜0.60のポリエチレンテレフタレート、第2層Bが無機粒子顔料10〜25wt%および/または有機顔料0.5〜10wt%を含有するポリエステル、最内層Cが極限粘度0.75〜1.20であるポリエチレンテレフタレートからなり、各層の繊維横断面積比率がA:B:C=10〜30:10〜30:60〜80である三層芯鞘複合であり、波長200〜400nmの光の反射率が10%以下、破断強度5.4cN/dtex以上、10%モジュラス3.5〜5.0cN/dtexであるスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントに関するものであり、詳しくは、CD印刷やグラフィック印刷、電子回路印刷などの高精密印刷用途において、製版時の露光工程でのハレーション防止性に優れ、寸法安定性と耐刷性を兼ね備えたスクリーン版を製造するのに適したスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントに関するものである。
印刷スクリーン用織物としては、従来はシルクなどの天然繊維やステンレスなどの無機繊維からなるメッシュ織物、すなわちスクリーン紗が広く使用されてきたが、近年は、柔軟性や耐久性、コストパフォーマンスに優れる合繊メッシュが好んで使用され、中でもポリエステルモノフィラメントは寸法安定性に優れるなどスクリーン用途適正が高く、広く普及している。
近年、印刷精度の高精密化への要求がますます高くなってきている中で、スクリーン紗を用いた製版工程は、モノフィラメントを用いたスクリーン紗を版枠に紗張り固定し、精錬によりモノフィラメントに付着している油剤等を除去後、感光乳剤を塗布・乾燥した後に、印刷したい図柄を黒色で描いたポジフィルムを密着させた状態で、波長200〜400nmの紫外線を露光して行われる。この際、ポジフィルムの図柄部分に重複した感光乳剤は固化せず、他部分は感光乳剤が紫外線に露光して光化学反応により固化するため、露光後の版を水洗することで、ポジフィルムの図柄部分の感光乳剤が洗い流され、印刷ネガとなる。
スクリーン印刷の精度は、製織工程でスクリーン紗織物中にスカム等の汚れを混入させないことは勿論のこと、製版工程において、いかにポジフィルムの図柄通りに感光乳剤を固化させるかに関わる。スクリーン紗中にスカムが混入したり、スクリーン紗の紫外線反射率が高いと、織物表面で紫外線が乱反射し露光不要な図柄部分まで感光させてしまう、いわゆるハレーションが発生するため、印刷精度が著しく低下する。紫外線の乱反射を防ぐ方法として、一般にモノフィラメントでスクリーン紗を製織した後に、染色を施す方法が採用されているが、ハレーション防止効果が不十分なばかりでなく、染色加工によりモノフィラメントにダメージを与えてしまい、繰り返し印刷性、すなわち耐刷性が低下するといった問題がある。
すなわち、スクリーン印刷における印刷精度の高精密化の要求を満足するためには、スカムを抑制しつつ、モノフィラメント自身に高いハレーション防止効果を付与することが重要な課題となる。
これら問題を解決すべく、スクリーン紗用モノフィラメントについては、種々の提案がなされている。例えば、芯鞘複合モノフィラメントの鞘素材がポリアミド又は低粘度ポリエステルであり、鞘部に顔料及び紫外線吸収剤の少なくとも一種が混入されている印刷スクリーン用メッシュ織物である(特許文献1参照)。
他の提案としては、繊度33dtex以下の芯鞘複合型モノフィラメントにより構成され、芯成分に極限粘度0.60〜0.90のポリエステル、鞘成分に有機化合物系の紫外線吸収剤を含有させた繊維形成性ポリマーを配した芯鞘複合型モノフィラメントからなるスクリーン紗である(特許文献2参照)。しかし、これら提案に用いられる芯鞘複合モノフィラメントにおいては、繊維最外層を形成する鞘成分ポリマー中に紫外線吸収剤や顔料を含有させるために、紡糸口金のポリマー吐出孔周辺に無機粒子顔料や有機顔料成分が析出して口金汚れとなり、糸切れを発生するだけでなく、その汚れが吐出糸条に混入してモノフィラメントの長手方向で色調ムラを発生させたり、局所的な繊度ムラの原因となると言った問題があり、結果的に品位の優れたスクリーン紗用モノフィラメントと言えないものとなる。また、有機顔料が昇華鞘成分ポリマーの繊維構造均一性を低下させ、スクリーン紗製織時に、筬羽根などで鞘成分が削れてスカムが多量に発生したり、鞘成分が削れることにより、結果的にモノフィラメント横断面における紫外線吸収剤や顔料の含有率が低下するために、ハレーション防止効果が不十分なものとなったり、不均一化するといった問題が生じる。また、製織時に発生したスカムが顔料等で着色しているために、織機自体に着色汚れが付着し、以後の製織品をも汚染してしまう問題がある。更には、スクリーン版を製版し、感光乳剤を塗布する際に、精錬剤や感光乳剤との親和性が低い顔料では、塗布ムラによる印刷精度の低下を誘発する。
特開平01−47591号公報(請求の範囲) 特開2004−262007号公報(請求の範囲)
本発明は、上記問題を解決し、紡糸糸切れや製織時のスカム発生、およびスカムによる汚染を防止すると共に、高いハレーション防止効果を発揮し、かつ耐刷性に優れたスクリーン紗用三層芯鞘複合モノフィラメントを提供することにある。
前記目的を達成するための本発明は、最外層Aが極限粘度0.45〜0.60のポリエチレンテレフタレート、第2層Bが無機粒子顔料10〜25wt%および/または有機顔料0.5〜10wt%を含有するポリエステル、最内層Cが極限粘度0.75〜1.20であるポリエチレンテレフタレートからなり、各層の繊維横断面積比率がA:B:C=10〜30:10〜30:60〜80である三層芯鞘複合であり、波長200〜400nmの光の反射率が10%以下、破断強度5.4cN/dtex以上、10%モジュラス3.5〜5.0cN/dtexであることを特徴とするスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントである。
本発明のスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、波長200〜400nmの光の反射率の低い顔料を含有するポリマーを第2層に配し、繊維表面を形成する最外層ポリマーと繊維中心を形成する最内層ポリマーを適正なものとすることにより、従来のスクリーン紗用モノフィラメントで達成し得なかったスカム抑制効果とハレーション防止効果、更には耐刷性を有する、あらゆる高精密印刷に好適なスクリーン紗用ポリエステルモノフィラメントを高品位かつ工業的に安定して得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントは、最外層Aのポリマーは紡糸口金汚れの抑制とスカム抑制効果を得るために、共重合ポリエステルは不適であり、極限粘度0.45〜0.60のポリエチレンテレフタレートであり、酸化チタンを0.3〜0.6wt%含有することが好ましく、製織時の筬羽根や隣接するモノフィラメントとの摩擦を低減し、スカム抑制効果を高めるものであり、より好ましくは0.4〜0.55%である。
また最外層Aの複合比率は、第2層Bのポリエステル中に含有する顔料成分による口金汚れの抑制や、製織時や繰り返しのスクリーン印刷時のスカム抑制効果を得るため、10〜30%とするものであり、好ましくは15〜20%である。最外層Aは、10%を下回ると、横断面周方向の複合ムラを誘発し、目的の効果を十分発揮しないものとなり、また30%を上回ると、結果的に最内層Cの複合比率が少なくなり、破断強度や10%モジュラスが得られない。
本発明におけるモノフィラメントは、ハレーション防止効果を得るために、波長200〜400nmの光の反射率が10%以下である。これを達成するために、第2層Bは、顔料を含有したポリエステルであり、カーボンブラックや酸化亜鉛、酸化チタンなどの一般ポリエステルフィラメントの艶消し剤として用いられる無機粒子顔料であれば良く、第2層Bのポリエステル中に顔料は10〜25wt%の範囲であり、より好ましくは15〜20wt%である。また、有機顔料については、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノン系化合物なども種々知られているが、、例えばColor Indtex Y193、化審法化学物質番号(5)−1259に示されるアンスラキノンイエローなどがポリエステルポリマーへの分散性の面で好ましく、第2層のポリエステル中の含有量は、0.5〜10wt%の範囲であり、より好ましくは1.5〜6wt%の範囲である。なお、第2層Bに含有する顔料は、前記波長の光の反射率が5%以下のものを選定することが好ましく、少ない含有量で十分なハレーション防止効果を得るものである。
第2層Bのポリエステルについては、溶融紡糸工程での顔料分散性や紡糸取り扱い性の観点から、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびこれらにテレフタル酸およびエチレングリコール成分以外の第3成分を(通常20モル%以下)共重合させたポリエステルが好ましい。第2層Bのポリエステルの極限粘度については特に規定するものでは無いか、他層ポリマーと安定して複合紡糸するという観点から、極限粘度0.60〜1.00の範囲が好ましい。
また、第2層Bの複合比率は、モノフィラメントの紫外線反射率の均一性を得るため、繊維横断面積の10〜30%とするものであり、好ましくは15〜20%である。第2層Bの複合比率が10%を下回ると、横断面周方向の複合ムラを誘発し、目的の効果を十分発揮しないものとなり、また30%を上回ると、結果的に最内層の複合比率が少なくなり、破断強度や10%モジュラスが得られない。
スクリーン紗の紗張り工程においては、紗の寸法安定上、一定値以上の張力が必要であり、張力は強度(cN/dtex)×メッシュにより定まる。高密度化を図る場合、一般的には細繊度のモノフィラメントを用いれば良いが、モノフィラメント繊度とメッシュ密度は完全には反比例しないため、細繊度化するほど破断強度は高くする必要がある。
このため、本発明のモノフィラメントの破断強度は5.4cN/dtex以上であり、より好ましくは5.6〜9.0cN/dtexの範囲である。破断強度については、前述の紗張り性や製織性から、できるだけ高強度化することが好ましいが、10.0cN/dtexを超える破断強度を得るためには、6.5倍以上の倍率で延伸することが必要であり、それに伴い、後述する10%モジュラスが過剰に高くなるばかりでなく、延伸工程が複雑化し、さらには安定した生産が困難なものとなる。
一般的にスクリーン印刷においては、印刷時の紗伸び率が10%前後であることから、モノフィラメントにおいては、紗張り寸法安定性から、10%伸張時応力、すなわち10%モジュラスを高く保持することが重要であるが、10%モジュラスが過剰に高いと製織時や繰り返し印刷時に、モノフィラメント表面のスカム発生を誘発し、耐刷性が低下する。このため、本発明のモノフィラメントの10%モジュラスは、3.5〜5.0cN/dtexであり、より好ましくは3.5〜4.5cN/dtexの範囲である。
最内層Cのポリマーは、前述の破断強度や10%モジュラスを得るために、極限粘度0.75〜1.20のポリエチレンテレフタレートであり、酸化チタン等の無機粒子は繊維配向を阻害する因子となり、破断強度が得にくくなることから含有量は0.05wt%未満であることが好ましい。より好ましくは、極限粘度0.80〜1.20、無機粒子含有量0.02wt%未満である。最内層Cに前記ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステル、例えば共重合ポリエステルやポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどを用いると、目的の破断強度や10%モジュラスが得られない。また、最内層Cの複合比率は、繊維横断面積の60〜80%であり、好ましくは65〜75%である。最内層Cの複合比率が60%を下回ると、破断強度や10%モジュラスが得られず、80%を上回ると最外層や第2層が少なくなるため、それぞれの目的とする効果を得ることができないものとなる。
本発明において、モノフィラメント特性が得られれば特に製糸方法を限定するものでは無く、例えば、複合糸条を紡糸速度800〜1500m/分の速度で一旦未延伸糸を巻き取った後に、80〜95℃の表面温度である第1ホットロールと表面温度100〜150℃の表面温度である第2ホットロール間で3.0〜5.0倍で延伸熱処理する、いわゆる2工程法でもよく、例えば、複合糸条を紡糸速度500〜1500m/分の速度で紡糸した後に、一旦未延伸糸を巻き取ることなく引き続いて80〜95℃の第1ホットロール、90〜150℃の第2ホットロール、120〜200℃の第2ホットロール間で3.0〜6.3倍で延伸熱処理する直接紡糸延伸法でも良い。また、いずれの方法においても、十分な破断強度や10%モジュラスをバラツキ無く得るため、ホットローラーを用いた延伸が好ましく、より好ましくは、第1ホットローラーと第2ホットローラー間で1段目の延伸を行い、続いて第2ホットローラーと第3ホットローラー或いは冷却ローラー間で2段目の延伸を行う多段延伸法を採用することが好ましい。また、延伸糸を巻き取る際には、スクリーン紗製織のヨコ糸に用いた際のパーンヒケを抑制するために、最終ホットローラーと冷却ローラー間でリラックス付与することが好ましい。また、本発明におけるモノフィラメントの断面形状は、安定した製糸性やスクリーン製織性を得やすいという点や、製織後乳剤を塗布して感光させる際にハレーションの発生を抑えるため、スクリーン紗の目開き、すなわちタテ糸とヨコ糸の交差により形成される格子状空間の形状の安定性などより、丸断面とすることが好ましい。
以下本発明を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の評価は以下の方法に従った。
1.極限粘度
オルソクロロフェノール中25℃で測定された値より算出した。
2.製糸操業性
一旦未延伸糸を巻き取った後に延伸する2工程法で延伸する場合は、延伸糸製品数量5,000kgを、延伸糸製品5,000kgを採取するのに用いた未延伸糸数量(kg)で除した値に100を乗じて収率(%)として評価し、○および△を合格とした。なお、一旦未延伸糸を巻き取ること無く延伸する直接紡糸延伸法の場合は、延伸糸製品数量5,000kgを採取するのに要した紡糸時間(hr)とポリマー吐出量(kg/hr)を乗じた値を原料使用量とし、延伸糸製品数量5,000kgを原料数量で除した値に100を乗じて収率(%)とした。
○:90%以上
△:85%以上90%未満
×:85%未満。
3.破断強伸度、10%モジュラス
オリエンテックス社製テンシロン引張試験機を用い、初期試料長20cm、引張速度2cm/分で1本の延伸糸当たり5回測定した強伸度曲線において、10%伸張時の応力(cN)の平均値を延伸糸繊度(dtex)で除した値を10%モジュラスとして用いた
4.紫外線反射率
モノフィラメントを用いた350メッシュのスクリーン紗織物を用いて、波長200〜400nmの範囲で(株)島津製作所製UV−310PC分光光度計を用いて10回測定した平均値とした。
5.ハレーション防止効果
モノフィラメントを用いた350メッシュのスクリーン紗織物を用いて、スクリーン版を製版し、ジアゾ系の感光乳剤を塗布した後に、微細パターンのポジを用いてメタルハライドランプで120秒間露光し、乳剤除去・乾燥したものを電子顕微鏡にて観察し、900ミクロン角に、ポジに対比して10ミクロン以上パターンがずれている部分の個数で評価し、○および△を合格とした。
○:0〜3個、ハレーション防止効果が優れている
△:4〜6個、ハレーション防止効果は問題ない
×:7個以上でハレーション防止効果低い。
6.紗張り寸法安定性
モノフィラメントを用いた350メッシュのスクリーン紗を製織後、紗張り時テンション1.1mm、枠サイズ950×950mm、乳剤厚み5μmで、MT−1000TVC印刷機を用いて、5000枚の印刷テストを実施し、寸法変化を評価し、○および△を合格とした。
○:寸法変化が0.04%未満
△:寸法変化が0.04%以上0.07%未満
×:寸法変化が0.07%以上。
7.耐刷性
モノフィラメントを用いた350メッシュのスクリーン紗を製織後、紗張り時テンション1.1mm、枠サイズ950×950mm、乳剤厚み5μmで、MT−1000TVC印刷機を用いて、10000枚の印刷を実施した後、版表面を電子顕微鏡にて観察し、900ミクロン角に、スカムが発生している部分の個数で評価し、○および△を合格とした。
○:0〜1個、耐刷性が優れている
△:2〜4個、耐刷性は問題ない
×:5個以上で耐刷性低い。
実施例1
3つのエクストルダー押出機からなる複合紡糸機を用いて、極限粘度0.55、酸化チタン0.40wt%含有のポリエチレンテレフタレートを最外層A、Color Indtex Y193、化審法化学物質番号(5)−1259に示されるアンスラキノンイエローを有機顔料として6wt%含有する極限粘度0.68のポリエチレンテレフタレートを第2層B、極限粘度1.00、酸化チタン含有量0.02wt%のポリエチレンテレフタレートを最内層Cとして各層のポリマーを個別の押出機、ポリマー配管、および計量ポンプを用いて、各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A15%、第2層B15%、最内層C70%となる様に吐出量を調整し、複合紡糸口金を用いて同心の三層芯鞘複合モノフィラメント吐出糸条を冷却固化・油剤を付与した後に、1000m/分の周速度であるゴデーローラーで引き取り、一旦未延伸糸を巻き取った。該未延伸糸を表面温度90℃の第1ホットローラーと表面温度130℃の第2ホットローラー間で4.38倍の延伸を施した後に、第2ホットローラーと冷却ローラー間で1.35%のリラックスを付与した後に、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントをボビンパッケージに巻き取った。製糸操業性は良好な結果であり、得られたモノフィラメントの破断強度は5.8cN/dtex、10%モジュラスは4.3cN/dtexであり、これを用いた350メッシュのスクリーン紗では、紫外線反射率、ハレーション防止効果、紗張り寸法安定性、耐刷性の何れも良好なものとなった。
実施例2〜6、7〜11
実施例2〜6では、各層の複合比率、第2層の顔料含有量、最外層や最内層の極限粘度や酸化チタンの含有量を変更し、それぞれ実施例1と同様の方法で繊度13dtexのモノフィラメントを採取した。また、実施例7〜11では、第2層に酸化チタンを無機顔料として含有した極限粘度0.90のポリブチレンテレフタレートとしたこと以外、実施例1〜6と同様の方法で繊度13dtexのモノフィラメントを採取した。実施例2〜11のいずれも、製糸操業性、ハレーション防止効果、紗張り寸法安定性、耐刷性を満足するものであった。
結果をまとめて表1〜3に示す。
比較例1
最内層を極限粘度0.68、酸化チタン含有量0.35wt%のポリエチレンテレフタレートとし、破断強度が5.0cN/dtexレベルになるように延伸倍率を調整したこと以外、実施例1と同様に繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取した。得られたモノフィラメントは製糸操業性やハレーション防止効果には問題無いものの、破断強度や10%モジュラスが低いために、紗張り寸法安定性、耐刷性の劣るものであった。
比較例2
第2層の有機顔料含有量を0.1wt%としたこと以外、実施例4と同様の方法で繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取したが、これを用いたスクリーン紗ではハレーション防止効果の劣るものであった。
比較例3
第2層の無機顔料含有量を40wt%としたこと以外、実施例9と同様の方法で繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取したが、破断強度や10%モジュラスが低く、紗張り寸法安定性、耐刷性の低いものとなった。また、第2層に酸化チタンを40wt%含有させたポリブチレンテレフタレートを用いたために、未延伸糸を複合紡糸する際に、第2層ポリマーの流動性が著しく低下したことによる複合異常や糸切れが頻発した。
比較例4
第2層の無機顔料の含有量を1wt%としたこと以外、実施例9と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取したが、
これを用いたスクリーン紗では、紫外線反射率が高く、ハレーション防止効果が得られないものであった。
比較例5
各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A20%、第2層B30%、最内層C50%となる様に吐出量と複合口金を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取した。得られたモノフィラメントは、最内層の複合比率が過剰に低いために、破断強度や10%モジュラスが低く、紗張り寸法安定性、耐刷性の劣るものであった。
比較例6
各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A20%、第2層B5%、最内層C75%となる様に吐出量と複合口金を調整したこと以外、実施例1と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取したが、第2層の複合比率が過剰に低いために、複合紡糸時の第2層ポリマーの長手方向均一性が低く、得られたモノフィラメントは外観にて色ムラのあるものとなった。該モノフィラメントを用いたスクリーン紗で外観での色ムラが少ない部分を抽出して評価したが、紫外線反射率が高く、ハレーション防止効果の劣るものであった。
比較例7
各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A10%、第2層B50%、最内層C40%となる様に吐出量と複合口金を調整したこと以外、実施例2と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取した。得られたモノフィラメントは破断強度や10%モジュラスが低く、これを用いたスクリーン紗では、紗張り寸法安定性、耐刷性の劣るものであった。
比較例8
各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A5%、第2層B15%、最内層C80%となる様に吐出量と複合口金を調整したこと以外、実施例1と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取したが、最外層の複合比率が過剰に低く、最外層が繊維横断面で一部欠落した複合異常が多発し、また該複合異常が発生した際には、第2層のポリマーが剥き出しの状態で吐出するため、第2層に含有の顔料成分が口金表面に経時的に付着・蓄積し、著しく製糸操業性の劣るものとなった。また、該モノフィラメントを用いたスクリーン紗の評価では、製織段階でスカムが多量に発生し、耐刷性も劣るものであった。
比較例9
各層の複合比率が繊維横断面積比で最外層A40%、第2層B10%、最内層C50%となる様に吐出量と複合口金を調整したこと以外、実施例6と同様の方法で、繊度13dtexの三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを採取した。得られたモノフィラメントは破断強度や10%モジュラスが低く、これを用いたスクリーン紗では、紗張り寸法安定性、耐刷性の劣るものであった。
比較例10
最外層のポリマーを使用せず、実施例6で使用した第2層ポリマーを鞘成分、最内層ポリマーを芯成分として用い、芯と鞘の複合比率を繊維横断面積比で芯:鞘=80:20となるように吐出量および複合口金を調整し、実施例1と同様の複合紡糸機および延伸機にて繊度13dtexの芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントを得た。複合紡糸の際には、鞘成分に含有の顔料成分が口金表面に経時的に付着・蓄積し、著しく製糸操業性の劣るものとなった。また、該モノフィラメントを用いてスクリーン紗を製織する際には、筬に多量のスカムが発生し、得られたスクリーン紗では、紫外線反射率は問題無かったものの、鞘成分の削れた部分でハレーションが発生し、また繰り返し印刷時のスカム発生も著しく、ハレーション防止効果、耐刷性ともに劣るものとなった。
Figure 2007332504
Figure 2007332504
Figure 2007332504
本発明の三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメントの断面形態を示す一模式図
符号の説明
(A)最外層
(B)第2層
(C)最内層

Claims (2)

  1. 最外層Aが極限粘度0.45〜0.60のポリエチレンテレフタレート、第2層Bが無機粒子顔料10〜25wt%および/または有機顔料0.5〜10wt%を含有するポリエステル、最内層Cが極限粘度0.75〜1.20であるポリエチレンテレフタレートからなり、各層の繊維横断面積比率がA:B:C=10〜30:10〜30:60〜80である三層芯鞘複合であり、波長200〜400nmの光の反射率が10%以下、破断強度5.4cN/dtex以上、10%モジュラス3.5〜5.0cN/dtexであることを特徴とするスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
  2. 最外層Aのポリエチレンテレフタレートが酸化チタンを0.3〜0.6wt%含有し、最内層Cのポリエチレンテレフタレートは無機粒子の含有量が0.05wt%未満であることを特徴とする請求項1記載のスクリーン紗用三層芯鞘複合ポリエステルモノフィラメント。
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