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JP2021033036A - 累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法 - Google Patents

累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法 Download PDF

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JP2021033036A JP2019152585A JP2019152585A JP2021033036A JP 2021033036 A JP2021033036 A JP 2021033036A JP 2019152585 A JP2019152585 A JP 2019152585A JP 2019152585 A JP2019152585 A JP 2019152585A JP 2021033036 A JP2021033036 A JP 2021033036A
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三浦 仁志
Hitoshi Miura
仁志 三浦
恵介 太田
Keisuke Ota
恵介 太田
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Tokai Optical Co Ltd
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Tokai Optical Co Ltd
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Abstract

【課題】光学性能データが存在しない領域について妥当な面形状を構築することができる累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法を提供すること。【解決手段】光学性能が不明な領域を有する累進屈折力レンズ(以下、補間対象レンズとする)において、その光学性能が不明な領域の光学性能を補間するための補間方法であって、複数の累進屈折力レンズについて、光学性能が不明な領域に関して、その領域に隣接する光学性能がわかっている領域の光学性能データに基づいて光学性能の分布関数を推定し、補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報を分布関数に適用することで光学性能が不明な領域の光学性能を算出するようにした。【選択図】図6

Description

本発明は光学性能が不明な領域を有する累進屈折力レンズの、光学性能が不明な領域を補間するための補間方法等に関するものである。
累進屈折力レンズは、累進屈折力レンズは屈折力のそれぞれ異なる2つの屈折領域と、それら両領域の間で屈折力(度数)が累進的に変わる累進領域とを備えた非球面レンズである。遠用部の度数が相対的にマイナス側で、近用部の度数が相対的にプラス側となる特殊性がある。そのため、マイナス強度数のレンズに関しては、マイナス度数が強い場合にはマッピング装置の測定用の光束が大きく屈折してしまい、特に遠用部周辺の性能分布が得られないことがある。逆にプラス強度数のレンズに関しては、近用部領域の性能分布が得られないことがある。また、周辺の領域以外でもレンズに刻印されたマークやペイントされたマークの影響で、レンズ面の一部にデータに欠損が生じてしまう場合があった。
また、自社で製造した累進屈折力レンズの性能が所定の範囲にあるかを評価したい、あるいは複数の商品バリエーションがある場合に、取り違えなく注文の選択された設計のレンズであることを確認したいという要望がある。また、他社品の性能を調査して、自社品の開発に活かしたいという要望がある。このような場合、レンズに多数の光束を透過させて、それらが屈折された結果をもとに光学性能分布を測定するいわゆるマッピング装置を使用することになる。しかし、他社品に関しては加工前のいわゆる丸レンズと呼ばれる円形のレンズではなく、フレーム入れするために加工したいわゆる玉型加工したレンズでしか入手できないことが多い。また、例え丸レンズで入手できたとしても、マッピング装置で正確に光学性能分布を測定できる範囲はフレームの形状に加工する前の丸レンズの一般的な径の大きさ(φ70〜80)よりも狭い領域である(φ50〜60程度)。尚、本明細書においては、例えば「φ70」とあれば直径が70mmであることを表す。
そのため、丸レンズの周縁の光学性能分布が取得できない場合があった。
これらを理由として従来から累進屈折力レンズの丸レンズについてより広い領域の光学性能分布を得たいという要望があった。
また、他社品を調査する際には、類似したレンズを試作してモニター比較したいという要望があるが、マッピング装置を使用して光学性能分布を測定しても、上記と同様丸レンズの周囲が測定できない場合があるため、同様により広い領域の光学性能分布を得たいという要望があった。
また、累進屈折力レンズの設計においては、累進屈折力レンズの中央寄り付近、例えばφ50程度の領域に関しては、設計の目標とすべき光学分布を確定的に定めることができる。それは実際に試作したレンズを眼鏡枠にはめて被験者に実際にモニター装用させて「そのレンズで満足できる」という結果、あるいは「このように改善すると良い」という所見を得ることができ、その結果に基づいて光学性能を決定できるからである。
一方、中央から離れた領域に関してはそのような所見が得にくい。しかし、眼鏡レンズメーカーではある程度大きい丸形状のレンズ(たとえばφ70〜80)を作ることが慣例であり、その形状で納入するため、所望の性能を外周方向に延長したような設計の目標を作ったうえで、レンズを設計しなくてはならない。
更に、丸レンズを加工する際には、その大きさのレンズを作るためのフリーフォーム加工機の動作の都合を考慮する必要がある。加工の際に加工ラインは滑らかに接続されなくてはならず、例えばφ70〜80の径の丸レンズであってもツールが滑らかに移動するためにはその外側の領域例えばφ100の形状を滑らかに定める必要がある。そのため、例えばφ50程度の中心寄りの狭い光学分布をもとに少なくともφ70〜80、さらに望ましくはφ100程度の合理的な性能分布データをより短時間で作成したいという要望がある。
特開2014−222315号公報 特開2016−004178号公報
上記のように光学性能データが存在しない領域について妥当な面形状を構築するという従来技術は直接的にはない。例えば、特許文献1は目標とする光学性能をゼルニケ多項式で表し、その多項式に基づいて累進面形状を定めるという方法が開示されている。また、特許文献2ではレンズの至るところに目標とする度数を設定し、その度数に基づいてレンズ面の形状を決定するという方法である。
しかし、これらはいずれも光学性能データが多少不正確であっても存在するという前提で計算するものであり、そのレンズ面形状が客観的に当該累進屈折力レンズにおいて好適なものであるという保証があるわけではない。
そのため、光学性能データが存在しない領域を補間計算で推定する方法に関して、光学性能データが存在していなくともその領域について妥当な光学性能の面を与えることができる方法が求められていた。
まず、第1の手段では、光学性能が不明な領域を有する累進屈折力レンズ(以下、補間対象レンズとする)において、その光学性能が不明な領域の光学性能を補間するための補間方法であって、複数の累進屈折力レンズについて、光学性能が不明な領域を、隣接あるいは近接する光学性能がわかっている領域の光学性能データに基づいて光学性能の分布関数を推定し、前記補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報を前記分布関数に適用することで光学性能が不明な領域の光学性能を算出するようにした。
これによって、補間対象レンズの光学性能が不明な領域について、光学性能がわかっている場合のその領域の光学性能に近似した光学性能データを取得することができる。
「光学性能」とは、既存レンズ評価において用いているレンズの性能のことであり、例えば、S度数、C度数、等価球面度数(S+C/2)、乱視度数とその軸度、プリズム量とそのベース値、プリズム方向、累進屈折力レンズにおける加入度、非点収差、歪曲収差、度数誤差(パワーエラー)等である。また、「光学性能データ」とはそれらの光学性能を発揮させることができるレンズの固有の数値データである。
「光学性能の分布関数」とは複数の位置データと光学性能データの組によって定義されるレンズ面の光学性能を表現する関数である。分布関数は入力データにもとづいて出力データを決定する機能がある。分布関数の形を推定するには、適当な関数モデルを想定し、最小二乗法などによりそのモデルのパラメータを最小二乗法などにより推定するのがよい。また、レンズ面を滑らかな形状で推定するために分布関数は二次形式や三次形式の式で表されることがよい。
「隣接あるいは近接」とは光学性能が不明な領域と光学性能がわかっている領域が境界線で接している場合が「隣接」であり必ずしも接していない場合が「近接」となる。具体的なパターンとしては、例えば、レンズの中央寄りが光学性能がわかっている領域でその外側が光学性能が不明な領域である場合や、逆に外側が光学性能がわかっている領域でレンズ中心側が不明な領域である場合である。あるいは、レンズのある一部分が中抜き状に光学性能が不明な場合である。例えばレンズの一部が欠損していてもその欠損している部分は光学性能が不明な領域である。 「補間対象レンズの光学性能が不明な領域」と「複数の累進屈折力レンズの光学性能が不明な領域」はレンズ面において対応する領域となる。分布関数は「教師あり学習」でも「教師なし学習」でも推定は可能であるが、教師あり学習の方がより簡単で正確な推定が可能である。
「光学性能が不明な領域の位置情報」を分布関数に適用することで任意の位置における光学性能データを求めることができる。
また第2の手段では、前記分布関数を推定するにあたって、光学性能がわかっている領域の光学性能データを入力したときに、その領域に隣接あるいは近接する別の光学性能がわかっている領域の光学性能に近似した値が出力されるようにする教師あり学習を行うようにした。
このように推定することで、補間対象レンズの光学性能が不明な領域に適用できる分布関数を正確に求めることができる。特に隣接あるいは近接する光学性能がわかっている領域のデータを教師データとすることで出力データはより妥当な分布関数を作るデータとなりうる。
また第3の手段では、光学性能がわかっている領域に含まれる複数の点の位置と、その位置の光学性能の組み合わせを入力データとして前記分布関数の教師あり学習を行うようにした。
つまり、複数の点の位置と、その位置の光学性能の組み合わせを具体的な教師データとして学習を行うことがよい。これによって光学性能が不明な領域の分布関数の推定の確度が増すこととなる。
また第4の手段では、前記複数の点の位置は周方向において等角度間隔で配置されているようにした。
レンズ中心側から外に向かって分布関数を推定する場合に、外側ほど周方向の間隔が広くなる。例えばレンズ中心から伸びる2つの直線上の同じ円周上にある点は外側ほど離間している。レンズ中心寄りの光学性能がわかっている領域の位置情報に基づいて外側にある光学性能が不明な領域の位置データの対応関係を定義する場合には距離ではなく角度で定義することが位置データの対応関係の設定がしやすくなるためである。
また第5の手段では、前記複数の点の位置は径方向において等比間隔で配置されているようにした。
レンズ中心から周縁方向に向かって分布関数を推定する場合に、外側ほど径方向の間隔が広くなる。例えばレンズ中心寄りの扇状の領域と相似形状の外側の扇状の領域を比較すると径方向に並んだ2つの点の間隔は外側の扇状の領域の方が広くなる。そのため、径方向に配置される複数の点の位置を等比間隔で配置することでレンズ中心から等比的に間隔が大きくなるレンズの特性に対応させることができる。また、径方向をこのように比例関係にするということは、データ点の間隔を外側で大まかにして、内側領域で細かくすることになる。外側領域においては累進面形状が滑らかになることが重要であり、光学性能データの値が滑らかに変化するようにしたいので、このように外側領域で配置を大まかにすると有利である。また、データ点の間隔を外側領域を基準として内側領域をより細かくするようにしてもよい。累進屈折力レンズの中央付近では、累進屈折直レンズでは度数変化をコントロールすることと、累進帯の中央部分の非点収差を小さく抑える必要から、光学性能分布が複雑になるので、内側領域で細かくすることが有利となるためである。
また第6の手段では、教師あり学習を行うことで推定する前記分布関数の入力データは光学性能がわかっている領域内の離散的な位置での光学性能データであるようにした。
推定の際に離散的な位置での光学性能データを用いることで、入力データの数を極端に多くしなくとも正確に分布関数を推定することができる。
また第7の手段では、教師あり学習を行うことで推定される値は、光学性能が不明な領域内の連続的な関数を構成するパラメータであるようにした。
分布関数のこのようなパラメータを求めることで光学性能が不明な領域内の形状を容易に計算で求めることができるようになる。
また第8の手段では、前記教師あり学習は、光学性能がわかっている領域に含まれる複数の点の位置と、その位置の光学性能の組み合わせと、算出されるべき一つの係数の値のセットを1つの教師データとして、複数の前記教師データに基づいて行われるようにした。
このような教師データを集めることが必要な光学性能が不明な領域の分布関数を推定するために好適だからである。教師データは多ければ多いほどよい。
また第9の手段では、光学性能が不明な領域は光学性能がわかっている領域の外側であってレンズ中心から離れる側に隣接あるいは近接した領域にあるようにした。
特にレンズ中心領域寄りレンズ中心から離れる外側の領域に光学性能が不明な領域は多い。そのため、分布関数を推定する領域はそのような領域とすることがよい。
また第10の手段では、前記補間対象レンズがマイナス強度レンズである場合には、光学性能が不明な領域は遠用領域となるようにした。
遠用領域は装用者が遠方を見るためのレンズ上方に配置される領域である。マイナス強度レンズでは光束は発散する方向に屈折するため、その特性から遠用領域に光学性能が不明な領域が発生しやすいからである。
また第11の手段では、前記補間対象レンズがプラス強度レンズである場合には、光学性能が不明な領域は近用領域となるようにした。
近用領域は装用者が近方を見るためのレンズ下方に配置される領域である。プラス強度レンズでは光束は集中する方向に屈折するため、その特性から近用領域に光束が集中してしまうことで光学性能が不明な領域が発生しやすいからである。
本発明の範囲は,明細書に明示的に説明された構成や限定されるものではなく、本明細書に開示される本発明の様々な側面の組み合わせをも,その範囲に含むものである。本発明のうち、特許を受けようとする構成を、添付の特許請求の範囲に特定したが、現在の処は特許請求の範囲に特定されていない構成であっても,本明細書に開示される構成を、将来的に特許請求の範囲とする意思を有する。
本願発明は以下の実施の形態に記載の構成に限定されない。各実施の形態や変形例の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また各実施の形態や変形例の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成するとよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
本発明では、補間対象レンズの光学性能が不明な領域について、光学性能がわかっている場合のその領域の光学性能に近似した光学性能データを取得することができる。
本発明の補間方法を実現する機械学習装置を説明するブロック図。 教師データを作成し、光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数の係数を推定するための第1のルーチンのフローチャート。 学習結果を利用して補間対象レンズの光学性能が不明な領域の光学性能を推定する第2のルーチンのフローチャート。 内側の扇型の領域に含まれる基準点とその外側の点を説明する説明図。 内側の扇型の領域に含まれる基準点の設定方法を説明する説明図。 実施例1の累進屈折力レンズの平均度数分布図と非点収差分布図であって、上段は補間前の状態、中段は本実施の形態で補間した結果、下段は従来方法で補間した結果。 実施例2の累進屈折力レンズの平均度数分布図と非点収差分布図であって、上段はシミュレーションによってφ80までを計算した結果、中段は本実施の形態でのφ50〜80を補間した結果、下段は本実施の形態でのφ50〜100を補間した結果。 実施例3の累進屈折力レンズの平均度数分布図と非点収差分布図であって、上段は補間前の状態、中段は本実施の形態での補間後の状態、下段は従来方法での補間した結果。 実施例5において(a)は累進屈折力レンズが強いマイナス度数である場合の欠損部分の補間を説明する説明図、(b)は累進屈折力レンズが強いプラス度数である場合の欠損部分の補間を説明する説明図。 実施例6においてデータ欠損部分としての隠しマーク部分の補間を説明する平均度数分布の説明図。
以下、本発明の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法の実施の形態について説明する。
まず、累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するアルゴリズムを実行する周辺装置の概略構成の一例について説明する。
図1は実施の形態にかかる機械学習装置1の概略ブロック図である。機械学習装置1は例えば汎用コンピュータ装置で構成されている。機械学習装置1は図示しないCPU(中央処理装置)及びROM及びRAM等からなる記憶装置2等の周辺装置によって構成される。記憶装置2はハードディスク装置(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)で構成することができる。記憶装置2にはモニターレンズとなる複数の累進屈折力レンズの位置データと光学性能データが格納されている。CPUは記憶装置2内に格納された各種プログラムを呼び出して実行することにより各種演算処理を実行する。機械学習装置1には入力手段3(例えば、キーボード、マウス等)と出力手段4(例えば、モニター、プリンタ等)が接続されている。
機械学習装置1は複数の累進屈折力レンズについて、光学性能がわかっている領域の光学性能データに基づいて光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数を推定するアルゴリズムを学習する機能を有する。
機械学習装置1はアルゴリズムを実行するための教師データ作成部5と分布関数演算部6と補間演算部7を備えている。教師データ作成部5は記憶装置2に格納されている機械学習プログラムの実行により教師データを作成する。また、教師データ作成部5は累進屈折力レンズの任意のデータをJCC(ジャクソンクロスシリンダー)の標準化したデータに変換するデータ演算部、複数の累進屈折力レンズの任意のデータから分布関数を推定するための教師データを作成するためのデータ取得部、を備えている。
分布関数演算部6は教師データ作成部5で作成されたデータに基づいて教師あり学習をし、推定した分布関数を記憶装置2に格納する。補間演算部7は記憶装置2から分布関数を呼び出して光学性能が不明な領域を有する累進屈折力レンズ(以下、補間対象レンズ)の位置データと光学性能データを適用して補間対象レンズの光学性能が不明な領域の光学性能を推定する機能を有する。
尚、機械学習装置1から補間対象レンズの光学性能が不明な領域の光学性能を推定するための機能を分離し、他の装置で実現するようにしてもよい。
次に機械学習装置1のCPUが実行するアルゴリズムのルーチンについて図2及び図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、図2に基づいて教師データを作成し、光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数の係数を推定するための第1のルーチンについて説明する。
ステップS1で入力に基づいてモニターレンズとなる複数の累進屈折力レンズのいたるところの位置に応じた光学性能データを取得する。「モニターレンズ」とは学習データを作るための光学特性データが取得できている参照レンズである。ここで用いられる光学性能データはJCCによって標準化された平均度数成分mdp、水平垂直乱視成分J00、斜め乱視成分J45の3つのデータである。JCCは下記数1の式で表される。
面乱視のJ00成分とは、水平方向の屈折力と垂直方向の屈折力の差である。それを判断するため屈折面の形状を偏微分することがよい。より具体的には、面形状のサグ値をxとyの関数で表わしたものを偏微分する。そして、xで2階偏微分した導関数の値とyで2階偏微分した導関数の値との差に、面乱視のJ00成分は比例する。ここで、xで2階偏微分した導関数の値を算出する方法の一例を示す。
ある座標(x,y)においてx方向に1偏階微分した導関数の値を求めるにあたっては、面形状のサグ値を表す関数に(x+Δ,y)と(x−Δ,y)をそれぞれ代入して、得られた関数値の差を2Δで割れば良い。そしてある座標(x,y)においてx方向に2偏階微分した導関数の値を求めるにあたっては、(x+Δ,y)と(x−Δ,y)においてx方向に1偏階微分した導関数の値をそれぞれ求め、その差を2Δで割れば良い。y方向も同様に計算する。ここでΔは適当な微小量で、たとえば0.1mmなどとする。
面乱視のJ45成分とは、斜め45度方向の屈折力と斜め135度方向の屈折力の差である。それは面形状のサグ値をxとyの関数で表わしたものを、斜め45度方向と斜め135度方向で、それぞれ2階偏微分した導関数の値の差に比例するものである。以下、斜め方向に偏微分した導関数の値を算出する方法の一例を示す。
ある座標(x,y)において斜め45度方向に1偏階微分した導関数の値を求めるにあたっては、面形状のサグ値を表す関数に(x+Δ,y+Δ)と(x−Δ,y−Δ)をそれぞれ代入して、得られた関数値の差を2√2Δで割れば良い。そしてある座標(x,y)において斜め45度方向に2偏階微分した導関数の値を求めるにあたっては、(x+Δ,y+Δ)と(x−Δ,y−Δ)において1偏階微分した導関数の値をそれぞれ求め、その差を2√2Δで割れば良い。斜め135度方向も同様に計算する。
光学性能データは形状データに基づいたシミュレーションの結果として得るようにしてもよく、マッピング装置のような測定装置で測定して得た結果をJCCデータに変換するようにしてもよい。光学性能データは機械学習装置1のシミュレーションソフトによって作成してもよく、機械学習装置1と連動した他の汎用コンピュータ装置で作成したデータベースから取り込むようにしてもよい。
ステップS2でステップS1で取得したモニターレンズの光学性能データに基づいて教師データを作成する。教師データの取得手法については後述する。
ステップS3でステップS1で作成した教師データに基づいて学習し、光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数の係数を推定する。
これで第1のルーチンは一旦終了し、この学習結果を利用して補間対象レンズの光学性能が不明な領域の光学性能を推定する第2のルーチンが入力に基づいて実行される。図3に基づいて説明する。
ステップS11で補間対象レンズの光学性能が不明な領域が設定されると、ステップS12でその領域に隣接した領域のわかっている光学性能データに基づいて分布関数を推定する。ステップS13で光学性能が不明な領域の代表的な点の光学性能データを推定し、それらの点に基づいて補間計算をして補間対象レンズのわかっている光学性能データに合成する。
次に、上記のルーチンで実行されている教師データを作成する手法と、その教師データに基づいて分布関数を求めるための具体的な手法の一例について説明する。
1.学習の考え方
本発明は、モニターレンズとなる複数の累進屈折力レンズの既知の光学性能データに基づいて補間対象レンズの光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数を推定し、補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報を分布関数に適用して光学性能が不明な領域の光学性能を推定的に算出するというものである。
補間対象レンズとなる累進屈折力レンズが具体的には、例えば、φ60領域内の任意の位置における光学性能が得られる状況にあるとする。これは、例えば、
イ)設計の目標となる光学性能分布として、2mmないし4mm程度の間隔の格子点におけるJCC各成分の値が離散的に設定されている状況
ロ)他社が製造したレンズで、マッピング測定することで1mmないし2mm程度の間隔の格子点におけるS度数・C度数・乱視軸の組が測定されており、それぞれの測定値の組をJCCに変換したような状況
を想定したものである。点間の値はスプライン補間によって計算できる状況にあるとする。この状況において、φ60より外側の光学性能をφ80ないしφ100程度まで推定するわけである。
モニターレンズは一例として50種の累進屈折力レンズを用いて教師データを作成し、その作成した教師データをもとに「推定の元になるデータ領域」である領域よりも外側の光学性能を推定する。
尚、この手法は一つの例であり別の方法も考えられる。
まず、ここでは図4に示すように、φ40を境界としてモニターレンズ面における内側の扇型の領域E1に含まれる25点(以下、これらの点を基準点とする)を元にして扇型の領域E1の外側の周方向の中央に位置する(つまり扇型の頂点位置)の直径方向にあるa,b,c,dの外側の4点を推定する方法を考える。つまり、この25点の基準点が「推定の元となるデータで」ある。基準点は25点でなくともよい。内外の扇型は相似形状となり、分布関数を推定するのに適しているため例示するが、「推定の元になるデータ領域」は相似形状である必要はない。また、25点の扇型の領域E1は例えばφ40、φ50、φ60等、取得しようとする外側の扇型領域に応じて隣接して設定可能である。また、説明のしやすさから扇型を例に取るが形状は光学性能が不明な領域も、それと隣接する光学性能がわかっている領域も形状は限定されるわけではない。
基準点は、15度間隔で5つの方向で径方向に等間隔で5点の基準点を設定した。周方向に15度間隔で設定するため24の方向に放射状に拡がる点列となる。
また、基準点の径方向のデータについてはこのように考えた。例えばφ40領域とするとき、中心からの距離を例えば20、17、14、11、8mmのように均等な距離とすることが考えられる。しかし、その方法では、基準点の領域径が異なる場合に、角度方向と径方向の配置が相似形でなくなってしまう。そこで実施の形態では基準点の径方向は2の1/4乗=1.189207・・・の等比間隔に配置することがよい。
上記のような基準点を元に図4に示すa,b,c,dの外側の4点の光学性能を推定する場合でも、補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報は得られるが、4点の光学性能はあまり滑らかにつながるような値が得られない。各点ごとにそれぞれ別々の推定をしてつなげるためである。
そこで、この考えを敷衍して外側の4点の光学性能の値ではなく、外側の光学性能の分布を2次形式または3次形式で表わすようにする。改めて図4に基づいて具体的に説明すると、まず、内側の扇型のうち最も外側にある5点の基準点BのJCCの値と、それより外側の20点のJCCの値から、扇の頂点の基準点B(図4ではX座標0、Y座標20の点)のJCCの値をそれぞれ引く(その結果、扇の頂点の基準点Bではmdp・J00・J45はすべて0となる)。この「引いた結果の値」を表すような分布関数を求める学習を行う。分布関数に座標(位置データ)を代入して得られた結果に扇の頂点のJCCの値をそれぞれ加えることで光学性能が不明な領域の光学特性が得られる。
尚、扇型の頂点を原点位置として、その位置での径方向と周方向の値を0とし、さらに頂点のデータを補間式の定数成分とする。こうすることで、補間式は頂点とは必ず滑らかに接続される。
1つの扇型の領域E1で1つの補間式が得られるため、全周の光学性能を推定するためには扇の角度を変えて補間式を24個作ることがよい。このように複数の外側の扇型領域E2を補間する場合には補間されるべき外側の扇型領域E2が隣接することになる。その場合に隣接する外側の扇型領域E2の補間式同士を滑らかに接続させるために隣接する外側の扇型領域E2の光学性能データを補間する必要がある。このために、例えば隣り合う5つの補間式で得られる値を重み付き平均すれば、滑らかな分布を得ることができる。
例えば、図4のdの位置は、X座標0Y座標40である。そのdの位置におけるJCCを「隣り合う5つの分布関数によって得た値の重み付き平均」で求める方法を考える。図4のE1とE2をそのまま用いた結果の重みを最も重くするのが自然で、その重みをたとえば4とする。扇形E1とE2を時計回りと反時計回りにそれぞれ1列ずらして、別の分布関数を作って得た値の重みを2とする。さらに時計回りと反時計回りにそれぞれ2列ずらして、さらに別の分布関数を作って得た値の重みを1とする。
ここでは重みを1,2,4,2,1という整数で表わしたが、それらの値をそれぞれの分布関数で算出したdの位置におけるJCC3要素のうちいずれかの値に乗じて加え合わせ、その結果を10で割ることで重み付き平均が求まる。
ここで、1:2:4:2:1という加重平均を適用するのは扇形E2の最も外側とする。また扇型E2の最も内側では0:0:10:0:0とする。すなわち、前後の扇型に基づく多項式の重みを0にする。そして、扇型E2の内側から外側にかけて、加重平均の重みを0:0:10:0:0から1:2:4:2:1へと、滑らかに変えていくようにする。このように、扇型E2から離れるにしたがって加重平均重みを変える計算手順はやや複雑である。しかし、例えば扇の頂点の基準点Bからすぐ外側の位置(点aよりもBに近い位置)においては、扇の頂点の基準点BにおけるJCCの値に最も近くなるのが自然である。言い換えると、扇の頂点の基準点Bの周方向に前後した位置からの影響は点Bからの影響より小さくなる。そして、扇型E2から離れた位置(図ではb、c、dと離れるにしたがって)では、扇の頂点の基準点B、点B+1、点B−1をそれぞれ頂点とする扇形領域からの影響の差は小さくなっていくことを反映しながら学習結果を利用することができる。
2.教師データの作成
モニターレンズ群の基準点を元に補間する式、つまり分布関数を推定するための教師データを作成する手法の一例を説明する。
1)外側の扇型の領域の定義
径方向をr座標、周方向をs座標とする極座標(r、s)を設定する。ただし、径方向は外側を正、周方向は反時計回りを正とする。rとsの単位は基準点の間隔を1とする。内側領域の扇頂点の座標を(0、0)として、外側の扇型領域E2におけるJCCの各成分が扇の頂点位置に対して増減する量をrとsの3次までの多項式で表わす。この多項式では定数項を設けないことによって、扇の頂点位置における内側の扇型領域E1から外側の扇型領域E2への滑らかな接続が保証されることとなる。
次いで複数の扇形で加重平均をすることによってすべての境界が滑らかに接続することとなる。具体的な加重平均の一例として以下に説明する。
mdp(r,s)=A+As+Ars+A+A
rs+A+Ar+A
これは平均度数mdpに関する補間式であり、この他にJ00とJ45の分布関数であるため、fJ00(r,s)とfJ45(r,s)を同様に作る必要がある。
外側の扇型領域E2の光学性能を求めるためにはこれらfmdp(r,s)とfJ00(r,s)とfJ45(r,s)のA〜Aのそれぞれの係数を求める必要がある。つまり9×3=27個の値を決定する必要がある。
今、fmdp(r,s)のAを例に取って外側領域の学習データの取得方法について説明する。
ある一つの値であるAを決定するため、引数が75個ある関数を用いる。それをgmdp0とする。75個の引数とは、内側の扇型の領域E1の25点のJCC3要素の光学性能データである。つまり、ここで外側の扇型領域E2の分布関数の係数を求めるために、内側の扇型の領域E1のデータを用いることになる。
その関数は例えば次のように表すことができる。
mdp0(mdp01, mdp02…mdp25,J0001,J0002…J0025,J4501,J4502…J4525
このような関数の形を、gmdp0…gmdp8、gJ000…gJ008、gJ450…gJ458というように、A〜Aの係数に対応して全部で27種(27個)を決定する。
このように定義されたgmdp0等の関数を、本実施の形態では75の引数による3次の多項式として表現する。この表現は一例である。
一つの関数gmdpを表す多項式は、全部で451個の項からなる。定数項は1つの定数からなり、その他の項は係数に引数を1つまたは複数乗じたものである。従って、多項式を構成するのは1つの定数と450個の係数である。多項式を項分けして示せば次のようになる。尚、3次項としてmdp・J00・J45の項はプログラムの簡略化のために用いなかったが、用いてもよい。
定数項の定数・・・ 1個
1次項の係数・・・ 25個×3種類(mdp、J00、J45)=75個
2次項の係数・・・ 25個×3種類(mdp、J00、J45
+25個×3種類(mdp・J00、mdp・J45、J00・J45)=150個
3次項の係数・・・ 25個×3種類(mdp、J00、J45
+25個×6種類(mdp・J00、mdp・J00
mdp・J45、mdp・J45
J00・J45、J00・J45)=225個
1つの教師データは25×3=75の引数セットと、関数(例えばgmdp0)がとるべき1つの値からなる。例えば、1つのモニターレンズにおいて25点の扇形の領域は、周方向に24パターンある。そして扇形の領域を径方向にシフトさせたとしてそれが4パターンあるとすると24×4=96パターンとなる。50種類のモニターレンズであるため、4800個の教師データを得ることができる。これら教師データを用いて、関数がとるべき値との誤差ができるだけ小さくなるようにする(誤差の二乗和を最小にする)条件で、451個の定数と係数を、教師データにもとづいた機械学習で決定する。実施の形態では最小二乗法を使用する。
この機械学習をgmdp0…gmdp8、gJ000…gJ008、gJ450…gJ458の全部で27個ぶん実行すると、光学性能を補間するための準備が完了する。これは451×27=12177個の数値を求める計算である。
3.分布関数の係数の算出〜外側の扇型領域の光学特性の推定
ある1つの内側の扇形内部の所定の25点におけるJCC3要素の値(全部で75個)を、gmdp0をはじめとする27個の関数に代入すると、27個の係数を求めることができる。それらのうち9つがfmdp(r,s)、別の9つがfJ00(r,s)、残りの9つがfJ45(r,s)のA〜Aの係数に相当する。これによって、その扇形に対応する分布関数である3つの関数fmdp(r,s)、fJ00(r,s)とfJ45(r,s)が決定される。
3つの関数(分布関数)の係数が求まったため、内側の扇型領域E1に隣接した外側の扇型領域E2の任意の位置を表す変数rとsの値を代入すると、JCC3要素の値を求めることができる。この外側の扇型領域E2を算出するための機械学習の内容について更に詳細に説明する。
まず、内側の扇型領域E1の主要な25点を定める。図5に示すように、点Pからレンズの中心Oに向かって線分をひき、その長さをRとし、線分とφ60の円と交差する点を扇頂点Qとする。点Qから周方向に反時計回り15度ステップで2点、時計回り15度ステップで2点を設定する。すると、点Qを含めて周方向でφ60円周上に5点を設定することになる。その点をQ+2、Q+1、Q、Q−1、Q−2とする。
補間対象のレンズは、φ60領域の内部に関しては、いたるところで光学性能を算出することができる。あるいは少なくとも、Q、Q1、Q2、Q3、Q4、Q+2、Q+1、Q−1、Q−2などの点に関しては光学性能がわかっている。その状況において、φ60領域よりも外側の光学性能分布を推定したい。
次に点Qからレンズ中心Oに向かう線上の点列の位置を定める。2の4乗根の値(1.1892071・・・)をTで表わし、中心から30/Tmmの点Qを設定し、それから中心Oから30/Tmmの点Qを設定し、さらに中心Oから30/Tmmの点Qを設定し、最後に中心から30/2=15mmの点Qを設定する。すると、点Qを含めて中心に向かって5点を設定することになる。φ60円周上に並ぶQの列以外の4点にも関しても同様にして、点Q+2、Q+1、Q−1、Q−2を扇の頂点の列としてトータルで25点が決定される。
決定した25点におけるJCCを算出し、その値をもとにfmdp(r,s)、fJ00(r,s)、fJ45(r,s)それぞれの係数9個ずつを算出する。点Qを基準とした点Pの座標は、
r=log(R/30)/log(T)
s=0
で与えられるので、そのr、sをfmdp(r,s)、fJ00(r,s)、fJ45(r,s)に代入して各関数の値をもとめ、それらに点Qにおけるmdp、J00、J45の値をそれぞれ加えることで点Pにおけるmdp、J00、J45の値を得る。この作業を外側の扇型領域E2の主要な点ですべて実行してmdp、J00、J45の値を得るようにし、相互の点の間を公知の計算方法で補間する。
上記式に従えば、例えば、
・点Pが点Qの位置にあるときはR=30となり、r=0となる。点Pが中心と点Qを結ぶ線上にあるとき、Rの値は様々に変わっても点Pのs座標は常にs=0になる。
・点Pが中心から42.426mmの位置にあるときはR=42.426となり、
r=log(42.426/30)/log(T)
=log(21/2)/log(21/4
=2となる。
・点Pが点Q+1の位置にあるときはR=30となり、r=0となる。点Pが中心と点Q+1を結ぶ線上にあるとき、Rの値は様々に変わっても点Pのs座標は常にs=1になる。
・点Pが点Q−2の位置にあるときはR=30となり、r=0となる。点Pが中心と点Q−2を結ぶ線上にあるとき、Rの値は様々に変わっても点Pのs座標は常にs=−2になる。
以上のような構成の実施の形態では以下のような効果が奏される。
(1)任意の光学性能が不明な領域を隣接する光学性能がわかっている領域の光学性能データに基づいて光学性能の分布関数を推定し、補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報を分布関数に適用することで不明な領域の光学性能を正確に推定することができる。
(2)モニターレンズは50種であるが、得られる教師データは4800個である。基準点を増やせばもっと多く得ることができる。一方、モニターレンズの数をもっと減らすこともできる。このようにモニターレンズの数が多くなくとも十分な教師データを作成することができ、その教師データによって光学性能が不明な領域の光学性能の分布関数を推定できるため学性能が不明な領域の光学性能を推定する手法として優れている。
(3)教師データを取得する際に、径方向の位置データを2の1/4乗=1.189207・・・の等比間隔に配置するようにしている。このように設定することは、レンズ中心から等比的に間隔が大きくなるレンズの特性に対応させることができる。また、径方向をこのように比例関係にするということでデータ点の間隔を外側で大まかにすることができ、光学性能データの値が滑らかに変化させるような設定にするためには有利である。
(4)分布関数のrとsの引数を極座標で定義するようにしているため、レンズという円形の形状の対象の位置データを設定することについて計算しやすい。
(実施例1)
実施例1は実施の形態の手法によって玉型形状がわかっているレンズの周囲φ50〜80領域を補間したものである。図6は上記実施の形態の実施による具体的な光学性能が不明な領域を補間した累進屈折力レンズの分布図である。上段が取得したφ50の丸レンズの平均度数と非点収差を表した平均度数分布図と非点収差分布図である。中段が上記実施の形態の手法で補間したφ50の丸レンズ外側のJCCの3要素を推定した平均度数分布図と非点収差分布図である。下段が従来の手法でφ50の丸レンズ外側のJCCの3要素を推定した比較例としての平均度数分布図と非点収差分布図である。
平均度数は上記計算で使用したmdpと同じ数値となる。非点収差は数2の式のようにJ00とJ45をそれぞれ2倍してから2乗したものを加え合わせてから平方根をとることによって得られる。
上記の従来の手法として、ここでは外挿法を用いた。
例えば、mdpの値が以下の如くだったとする。
扇の頂点の基準点B:x0(具体例0.14D)
扇の頂点の基準点Bの1つ下:x1(具体例0.11D)
扇の頂点の基準点Bの2つ下:x2(具体例0.10D)
これらに基づいて1次式で外挿するなら、
a点:x0+(x0-x1)=2x0-x1
b点:x0+2(x0-x1)=3x0-2x1
c点:x0+3(x0-x1)=4x0-3x1 となる。
具体的な数値
a点:0.17D
b点:0.20D
c点:0.23D
というように、すでに光学性能がわかっている点に基づいてわかっていない領域の数値を決める手法である。二次式を用いる場合もある。
本実施の形態で補間した場合のほうがφ50の外側の平均度数や非点収差の値に大きな変動がなく、無理のないレンズの光学性能で補間されていることがわかる。一方、従来例ではφ50の外側でも平均度数や非点収差の値が大きくなってしまい、通常のこの種の累進屈折力レンズの設計としてはあまり妥当な形状とはいえない。
(実施例2)
実施例2は実施の形態の手法によって玉型形状がわかっているレンズの周囲φ50〜100領域を補間したものである。図7は上記実施の形態の実施による具体的な光学性能が不明な領域を補間した累進屈折力レンズの分布図である。上段がφ80の丸レンズをシミュレーションして得た平均度数と非点収差を表した平均度数分布図と非点収差分布図である。中段が上記実施の形態の手法で補間したφ50の丸レンズ外側のφ80までのJCCの3要素を推定した平均度数分布図と非点収差分布図である。中段が上記実施の形態の手法で補間したφ50の丸レンズ外側のφ100までのJCCの3要素を推定した平均度数分布図と非点収差分布図である。
上段と中段のφ80の丸レンズについてシミュレーション結果と上記実施の形態の手法の推定結果を比べてみると、上記実施の形態の手法による推定は比較的形状からシミュレーションした結果に沿った光学性能を示していることがわかる。また、そのためφ100の丸レンズももしレンズがφ100まであったならばそのシミュレーション結果と近いであろうことが推察される。
(実施例3)
実施例3は実施の形態の手法によって玉型形状がわかっているレンズの周囲φ70領域を補間したものである。図8は上記実施の形態の実施による具体的な光学性能が不明な領域を補間した累進屈折力レンズの分布図である。上段が取得した玉型形状の平均度数と非点収差を表した平均度数分布図と非点収差分布図である。中段が上記実施の形態の手法で補間した平均度数分布図と非点収差分布図である。下段が従来の手法で玉型形状外側のJCCの3要素を推定した平均度数分布図と非点収差分布図である。従来の手法は上記実施例1、2と同様に外挿法によった。
本実施の形態で補間した場合のほうが玉型形状の外側のカーブに大きな変化がなく、無理のないレンズの光学性能で補間されていることがわかる。
(実施例4)
実施例4は実施例1と逆のパターンである。外側の扇型領域E2が光学性能がわかっている場合に、実施の形態の学習方法と同様に外側の扇型領域E2から内側の扇型領域E1の光学性能データを推定することもできる。つまり、実施の形態と同様に、但し逆パターンとなる教師データを作って学習し、扇型領域E2の25点に基づいて内側の扇型領域E1のmdp、J00、J45の値を得るようにする。既に実施例1で作成している教師データを援用してもよい。これは主要な25点の値を得るようにしてもよく、まず内側の扇型領域E1の分布関数を推定し、その分布関数に外側の扇型領域E2を適用して内側の扇型領域E1のmdp、J00、J45の値を得るようにしてもよい。
(実施例5)
実施例5は累進屈折力レンズが強いマイナス度数あるいは強いプラス度数のレンズである場合に生じる光学性能が不明な領域を推定する場合である。
マイナス度数の累進屈折力レンズにおいては、遠用度数S−4.00〜+3.00D 加入度数ADD1.00〜3.00D の範囲であれば、多くの装置でφ50領域の性能データを問題なく測定できる。
しかし、例えば遠用度数S−8.00Dなど、強いマイナス度数の場合、中心から離れた領域の光学性能の測定データは欠損しやすくなる。それは、レンズに入射させた光線が射出する際にレンズ領域外に広がってしまい、受光部に到達しなくなるからである。この場合、受光部に到達しなかった光線が透過した位置のレンズ性能についての情報は得られない。この傾向はレンズ上方領域において顕著である。図9(a)の網掛け部にそのような欠損部が生じやすい。そのため、欠損部に隣接した光学性能がわかっている内側領域あるいは側方領域に基づいて光学性能の分布関数を推定することができる。
一方、プラス度数の累進屈折力レンズにおいては、遠用のプラス度数が強く、加入度数も強い場合、とくにレンズ下方領域において光学性能の測定データは欠損しやすくなる。それは光線がCCD上に到達する位置が集中するため、レンズ各位置における性能を正しく算出することができなくなるためである。図9(b)の網掛け部にそのような欠損部が生じやすい。そのため、欠損部に隣接した光学性能がわかっている内側領域あるいは側方領域に基づいて光学性能の分布関数を推定することができる。
(実施例6)
実施例6は、レンズの隠しマーク近傍の測定データが欠損しているのを補う例である。隠しマークとは、ユーザーにわからないようにレンズにつけている○形状のマークである。隠しマークは、普通累進レンズの幾何中心から耳側と鼻側に17mm離れた位置を中心として形成される。但し、その上下数mm離れた位置に文字を刻印することもある。眼鏡店では隠しマークを参照して、枠入れする位置を決定する。2つの隠しマークの中間またはその上下に所定の距離だけ離れた位置をアイポイントに合わせることが多い。文字はレンズ商品に関する情報である。この文字があれば枠に入ったレンズをもとに、どのメーカーのどの商品だったかわかるからである。隠しマークがあるため、隠しマークの領域の光学性能が測定できない。そのため、隠しマークの光学性能を推定する必要がある。
例えば耳側の隠しマークSの領域を推定する場合には、
a.内側から外側に向けて補間。
b.外側から内側に向けて補間。
c.回転方向の時計まわりと反時計まわりで補間。
以上、4つの平均値を採用する。ただし、実際には図10に示すように、b.の領域の光学性能データが得られない場合が多いので、その場合は3つの平均値を採用する。補間すべき領域が大きい(広い)場合は、重み付き平均を用いることが考えられる。具体的には、他計算の元になるデータがある領域が遠い補間の結果は重みを小さく、領域が近い補間の結果は重みを大きくするようにする。
上記実施の形態は本発明の原理およびその概念を例示するための具体的な実施の形態として記載したにすぎない。つまり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明は、例えば次のように変更した態様で具体化することも可能である。
・上記実施の形態ではデータの種類としてmdp・J00・J45の3つであったが、さらにプリズム成分を含むようにしてもよい。この考え方は、マイナス度やプラス度が強いレンズに関して乱視を推定する計算に効果がある。
・上記では周方向に15度間隔の点を5つ含むような扇型であったが、これに限定されることはない。例えば10度間隔で36点としたり、7.5度間隔で48点とするなど自由に変更できる。扇形は周方向に長かったり径方向に長かったりするよりも、どちらの方向にも点間隔が同じくらいになるほうが安定した補間計算ができる。
・上記実施の形態では内側領域として主要な25点の位置でデータを得るようしていたが、25点に限定されるものではない。非常に数多く取得するようにしてより正確な推定をするようにしてもよい。また、数が多すぎる場合には主成分分析で次元を減らし、上位10個程度の主成分データを元に対応関係を作るようにしてもよい。
・推定計算には深層学習を用いることが考えられるが、交互作用を考えない2次形式の最小二乗推定でもよい。
・gmdp0…gmdp8、gJ000…gJ008、gJ450…gJ458の27種の関数式において3次項としてmdp・J00・J45を追加してもよい。
・点Q+1を扇頂点としてs=−1とした計算と、点Q−1を扇頂点としてs=1とした計算を別途行い、それらの平均値または(Qの重みを大きくした)重み付き平均値を採用しても良い。さらに点Q+2を扇頂点としてs=−2とした結果と、点Q−2を扇頂点としてs=2とした結果を考慮しても良い。そのようにすれば、外側領域の光学性能はいっそう安定した数値として得られる。
・外側の扇型領域E2の光学特性の推定計算をする際に外側領域のすべての点に関して実行するには大きな計算コストを要する。そこで、あらかじめ外側領域の代表的な点の位置におけるJCCを求めておいて、それらの値をもとに補間計算を行う方法としてもよい。代表的な点は格子状にしても良い。あるいは周方向を15度間隔の24点とし、径方向を中心から30Tmm、30Tmm、30Tmm、60mmとしてもよい。
・上記実施例6において補間計算に用いる係数群を、c.の時計まわりと反時計まわりで共用してもよい。共用するメリットは、それぞれの補間計算に用いる学習データが2倍になること、補間計算がレンズの鼻側と耳側で大きな差を生じないで、バランスがとれること。さらにa.とb.で共用することも考えられる。ただし、外側に向ける補間と内側に向ける補間の性質の違いは、時計まわりと反時計まわりの違いよりも大きいと考えられるので、一概によいとは限らない。
・上記では光学性能が不明な領域と光学性能がわかっている領域が「隣接」している場合を例に挙げた。しかし、両領域が必ずしも接しておらず、「近接」した領域に基づいてもよい。

Claims (11)

  1. 光学性能が不明な領域を有する累進屈折力レンズ(以下、補間対象レンズとする)において、その光学性能が不明な領域の光学性能を補間するための補間方法であって、
    複数の累進屈折力レンズについて、光学性能が不明な領域に関して、その領域に隣接あるいは近接する光学性能がわかっている領域の光学性能データに基づいて光学性能の分布関数を推定し、前記補間対象レンズの光学性能が不明な領域の位置情報を前記分布関数に適用することで光学性能が不明な領域の光学性能を算出するようにしたことを特徴とする累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  2. 前記分布関数を推定するにあたって、光学性能がわかっている領域の光学性能データを入力したときに、その領域に隣接あるいは近接する別の光学性能がわかっている領域の光学性能に近似した値が出力されるようにする教師あり学習を行うことを特徴とする請求項1に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  3. 光学性能がわかっている領域に含まれる複数の点の位置と、その位置の光学性能の組み合わせを入力データとして、その入力データに応じた前記分布関数の構成を推定するための教師あり学習を行うことを特徴とする請求項2に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  4. 前記複数の点の位置は周方向において等角度間隔で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  5. 前記複数の点の位置は径方向において等比間隔で配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  6. 教師あり学習を行うことで推定する前記分布関数の入力データは光学性能がわかっている領域内の離散的な位置での光学性能データであることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  7. 教師あり学習を行うことで推定される値は、光学性能が不明な領域内の連続的な関数を構成するパラメータであることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  8. 前記教師あり学習は、光学性能がわかっている領域に含まれる複数の点の位置と、その位置の光学性能の組み合わせと、算出されるべき一つの係数の値のセットを1つの教師データとして、複数の前記教師データに基づいて行われることを特徴とする請求項2〜7に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  9. 光学性能が不明な領域は光学性能がわかっている領域の外側であってレンズ中心から離れる側に隣接あるいは近接した領域にあることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  10. 前記補間対象レンズがマイナス強度レンズである場合には、光学性能が不明な領域は遠用領域となることを特徴とする請求項9に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
  11. 前記補間対象レンズがプラス強度レンズである場合には、光学性能が不明な領域は近用領域となることを特徴とする請求項9に記載の累進屈折力レンズの不明な領域の光学性能を補間するための補間方法。
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