JP2020026546A - 円筒型スパッタリングターゲット、In系はんだ材、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間に形成されたはんだ層における強度を確保でき、パワー密度を上昇させて使用した場合であっても、安定してスパッタ成膜が可能な円筒型スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットであって、前記はんだ層は、In系はんだ材からなり、酸素含有量が100massppm以下とされていることを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲット、In系はんだ材、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
金属膜や酸化物膜等の薄膜を成膜する手段として、スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法が広く用いられている。
上述のスパッタリングターゲットとしては、例えば、スパッタ面が円形または矩形状をなす平板型スパッタリングターゲット、及び、スパッタ面が円筒面である円筒型スパッタリングターゲットが提案されている。
上述のスパッタリングターゲットとしては、例えば、スパッタ面が円形または矩形状をなす平板型スパッタリングターゲット、及び、スパッタ面が円筒面である円筒型スパッタリングターゲットが提案されている。
上述の平板型スパッタリングターゲットにおいては、ターゲット材の使用効率が20〜30%程度と低く、効率的に成膜ができなかった。
これに対して、円筒型スパッタリングターゲットは、その外周面(円筒面)がスパッタ面とされており、ターゲットを回転しながらスパッタを実施することから、ターゲット表面の一部に形成される軸線方向に沿った被スパッタ領域は、周方向に移動する。その結果、エロージョン部は周方向に広がる。したがって、平板型スパッタリングターゲットを用いた場合に比べて円筒形状のスパッタリングターゲット材の使用効率が60〜80%と高くなるといった利点を有している。
これに対して、円筒型スパッタリングターゲットは、その外周面(円筒面)がスパッタ面とされており、ターゲットを回転しながらスパッタを実施することから、ターゲット表面の一部に形成される軸線方向に沿った被スパッタ領域は、周方向に移動する。その結果、エロージョン部は周方向に広がる。したがって、平板型スパッタリングターゲットを用いた場合に比べて円筒形状のスパッタリングターゲット材の使用効率が60〜80%と高くなるといった利点を有している。
さらに、円筒型スパッタリングターゲットにおいては、バッキングチューブの内周側から冷却される構成とされており、また、円筒形状のスパッタリングターゲット材は回転しながらスパッタされることから、上記被スパッタ領域の温度上昇が抑制され、スパッタリング時のパワー密度を上げることができるため、成膜のスループットをさらに向上させることが可能となる。
このため、最近では、円筒型スパッタリングターゲットに対するニーズが増加する傾向にある。
このため、最近では、円筒型スパッタリングターゲットに対するニーズが増加する傾向にある。
そして、上述の円筒型スパッタリングターゲットにおいては、例えば特許文献1、2に記載されているように、成膜する薄膜の組成に応じて形成された円筒形状のスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側に配置され、前記スパッタリングターゲット材を保持するバッキングチューブとが、はんだ層を介して接合された構造とされている。
ここで、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間に介在するはんだ層を構成するはんだ材としては、例えばIn及びIn合金等からなるはんだ材が挙げられる。接合時の作業性や歪を小さくするために、はんだ層を構成するはんだ材の融点は、例えば300℃以下と比較的低融点の材料が使用されている。
例えば、特許文献1においては、InとGaを含むはんだ材が用いられている。また、特許文献2においては、In又はInSnを含むはんだ材が用いられている。
例えば、特許文献1においては、InとGaを含むはんだ材が用いられている。また、特許文献2においては、In又はInSnを含むはんだ材が用いられている。
ところで、近年、液晶パネル、太陽電池パネル等においては、さらなる原価低減が求められていることから、スパッタリング時のパワー密度をさらに上げて成膜のスループットをさらに向上させることが求められている。
ここで、上述の円筒型スパッタリングターゲットにおいて、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度が不十分となった場合には、スパッタリングターゲット材の熱をバッキングチューブ側に効率良く伝達することができなくなる。
ここで、上述の円筒型スパッタリングターゲットにおいて、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度が不十分となった場合には、スパッタリングターゲット材の熱をバッキングチューブ側に効率良く伝達することができなくなる。
このため、スパッタリング時のパワー密度をさらに上昇させてスパッタリングして円筒形状のスパッタリングターゲット材の表面温度が上昇した場合に、冷却が不十分となり、In等の低融点金属で構成されたはんだ層が溶け出したり、スパッタリングターゲット材が割れてしまったりするおそれがあった。このため、従来の円筒型スパッタリングターゲットにおいては、さらなるパワー密度の上昇を実現することができなかった。
また、円筒型スパッタリングターゲットにおいては、熱による拡管及び縮管により、接合界面にかかる負荷が大きく、接合界面においてミクロな剥がれが生じ、スパッタリングターゲットの冷却性能が十分に発揮されないおそれがあった。また、スパッタリングターゲット材が脱落してしまうおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間に形成されたはんだ層における強度を確保でき、パワー密度を上昇させて使用した場合であっても、安定してスパッタ成膜が可能な円筒型スパッタリングターゲット、In系はんだ材、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとをはんだ材を介して接合する際に、はんだ材が酸化し、はんだの酸化物がスパッタリングターゲット材の接合面及びバッキングチューブの接合面に付着してしまい、これにより、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度が低下し、スパッタリングターゲット材からバッキングチューブへの熱伝達が阻害され、放熱特性も低下するとの知見を得た。
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の円筒型スパッタリングターゲットは、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットであって、前記はんだ層は、In系はんだ材からなり、酸素含有量が100massppm以下とされていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明の円筒型スパッタリングターゲットによれば、はんだ層における酸素含有量が100massppm以下とされているので、スパッタリングターゲット材の接合面及びバッキングチューブの接合面にはんだの酸化物が多く付着しておらず、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度を確保することができる。また、スパッタ成膜時において前記スパッタリングターゲット材で発生した熱を、バッキングチューブ側へと効率良く伝達することができ、放熱特性に優れている。
よって、パワー密度を高くしてスパッタ成膜した場合であっても、安定してスパッタ成膜を行うことができる。
よって、パワー密度を高くしてスパッタ成膜した場合であっても、安定してスパッタ成膜を行うことができる。
ここで、本発明の円筒型スパッタリングターゲットにおいては、前記はんだ層は、Inの含有量が95mass%以上とされていることが好ましい。
この場合、前記はんだ層は、Inの含有量が95mass%以上とされているので、はんだ層の融点が比較的高く、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層が溶融することをさらに抑制できる。
この場合、前記はんだ層は、Inの含有量が95mass%以上とされているので、はんだ層の融点が比較的高く、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層が溶融することをさらに抑制できる。
また、本発明の円筒型スパッタリングターゲットにおいては、前記はんだ層は、Gaを0.01mass%以上2mass%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、前記はんだ層がGaを0.01mass%以上含んでいるので、はんだ層の強度をさらに向上させることが可能となる。一方、前記はんだ層におけるGaの含有量が2mass%以下に制限されているので、はんだ層の融点が低下することを抑制でき、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層が溶融することを抑制できる。
この場合、前記はんだ層がGaを0.01mass%以上含んでいるので、はんだ層の強度をさらに向上させることが可能となる。一方、前記はんだ層におけるGaの含有量が2mass%以下に制限されているので、はんだ層の融点が低下することを抑制でき、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層が溶融することを抑制できる。
本発明のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされていることを特徴としている。
この構成のIn系はんだ材によれば、酸素含有量が100massppm以下とされているので、このIn系はんだ材を用いて被接合材を接合した際に、被接合体の接合面にはんだの酸化物が付着することを抑制でき、被接合材の接合強度を向上させることが可能となる。
この構成のIn系はんだ材によれば、酸素含有量が100massppm以下とされているので、このIn系はんだ材を用いて被接合材を接合した際に、被接合体の接合面にはんだの酸化物が付着することを抑制でき、被接合材の接合強度を向上させることが可能となる。
ここで、本発明のIn系はんだ材においては、Inの含有量が94mass%以上とされていることが好ましい。
この場合、In系はんだ材において、Inの含有量が94mass%以上とされているので、融点が比較的高いはんだ層を形成することができる。
この場合、In系はんだ材において、Inの含有量が94mass%以上とされているので、融点が比較的高いはんだ層を形成することができる。
また、本発明のIn系はんだ材においては、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含んでいてもよい。
この場合、Inよりも酸化しやすいGaを含んでいるので、はんだ接合時に、Gaが優先酸化する。そして、Ga酸化物は比重が小さいため、溶融はんだ中を浮上する。この浮上したGa酸化物を除去することで、はんだ層における酸素含有量を低く抑えることが可能となる。また、In系はんだ材がGaを含むことで、はんだ層の強度を向上させることが可能となる。
この場合、Inよりも酸化しやすいGaを含んでいるので、はんだ接合時に、Gaが優先酸化する。そして、Ga酸化物は比重が小さいため、溶融はんだ中を浮上する。この浮上したGa酸化物を除去することで、はんだ層における酸素含有量を低く抑えることが可能となる。また、In系はんだ材がGaを含むことで、はんだ層の強度を向上させることが可能となる。
本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとを、非酸化雰囲気で、上述のIn系はんだ材を用いてはんだ接合することを特徴としている。ここで、上述のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされている。
このような構成とされた本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法によれば、酸素含有量が100massppm以下とされたIn系はんだ材を用いて、非酸化雰囲気で、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとをはんだ接合しているので、酸素含有量が100massppm以下とされたはんだ層を形成することができ、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度が確保され、放熱特性に優れた円筒型スパッタリングターゲットを製造することができる。
本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法は、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとの間隙に対して、上述のIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込み、余剰の前記In系はんだ材を回収するはんだ材供給工程と、前記間隙に供給された前記In系はんだ材を固化し、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとをはんだ接合するはんだ材固化工程と、を備えていることを特徴している。
ここで、上述のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされるとともに、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含むものとされている。
ここで、上述のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされるとともに、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含むものとされている。
このような構成とされた本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法によれば前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとの間隙に対して、Gaを含むIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込み、余剰の前記In系はんだ材を回収するはんだ材供給工程を備えているので、接合時の雰囲気にかかわらず、In系はんだ材を流し込み始めた際に生成したGa酸化物を前記間隙から除去することができ、はんだ層における酸素含有量を確実に低減することができ、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの接合強度が確保され、放熱特性に優れた円筒型スパッタリングターゲットを製造することができる。なお、In系はんだ材のGaが酸化して除去されるため、はんだ層におけるGa含有量は、In系はんだ材のGa含有量よりも低くなる。
ここで、本発明の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法においては、前記はんだ材供給工程において、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとをそれぞれ立設して、前記In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収することが好ましい。
この場合、前記In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収する構成としているので、比重の小さいGa酸化物を効率良く前記間隙から除去することができ、はんだ層における酸素含有量をさらに確実に低減することが可能となる。
この場合、前記In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収する構成としているので、比重の小さいGa酸化物を効率良く前記間隙から除去することができ、はんだ層における酸素含有量をさらに確実に低減することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間に形成されたはんだ層における強度を確保でき、パワー密度を上昇させて使用した場合であっても、安定してスパッタ成膜が可能な円筒型スパッタリングターゲット、In系はんだ材、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を提供することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態である円筒型スパッタリングターゲットの製造方法、及び、円筒型スパッタリングターゲットについて、添付した図面を参照して説明する。
(第一の実施形態)
本実施形態に係る円筒型スパッタリングターゲット10は、図1に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなすスパッタリングターゲット材11と、このスパッタリングターゲット材11の内周側に挿入された円筒形状のバッキングチューブ12とを備えている。
そして、円筒形状のスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12は、はんだ層13を介して接合されている。
本実施形態に係る円筒型スパッタリングターゲット10は、図1に示すように、軸線Oに沿って延在する円筒形状をなすスパッタリングターゲット材11と、このスパッタリングターゲット材11の内周側に挿入された円筒形状のバッキングチューブ12とを備えている。
そして、円筒形状のスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12は、はんだ層13を介して接合されている。
スパッタリングターゲット材11は、成膜する薄膜の組成に応じた組成とされ、各種金属及び酸化物等で構成されており、例えばケイ素(Si)、銅(Cu)、アルミナ含有酸化亜鉛(AZO)等で構成されている。
また、この円筒形状のスパッタリングターゲット材11のサイズは、例えば外径DTが150mm≦DT≦170mmの範囲内、内径dTが120mm≦dT≦140mmの範囲内、軸線O方向長さLTが500mm≦LT≦3000mmの範囲内とされている。
また、この円筒形状のスパッタリングターゲット材11のサイズは、例えば外径DTが150mm≦DT≦170mmの範囲内、内径dTが120mm≦dT≦140mmの範囲内、軸線O方向長さLTが500mm≦LT≦3000mmの範囲内とされている。
バッキングチューブ12は、円筒形状のスパッタリングターゲット材11を保持して機械的強度を確保するために設けられたものであり、さらには円筒形状のスパッタリングターゲット材11への電力供給、及び、円筒形状のスパッタリングターゲット材11の冷却といった機能を有するものである。
このため、バッキングチューブ12としては、機械的強度、電気伝導性及び熱伝導性に優れていることが求められており、例えばSUS304等のステンレス鋼、チタン、銅合金等で構成されている。
ここで、このバッキングチューブ12のサイズは、例えば外径DBが119mm≦DB≦139mmの範囲内、内径dBが110mm≦dB≦130mmの範囲内、軸線O方向長さLBが510mm≦LB≦3100mmの範囲内とされている。
このため、バッキングチューブ12としては、機械的強度、電気伝導性及び熱伝導性に優れていることが求められており、例えばSUS304等のステンレス鋼、チタン、銅合金等で構成されている。
ここで、このバッキングチューブ12のサイズは、例えば外径DBが119mm≦DB≦139mmの範囲内、内径dBが110mm≦dB≦130mmの範囲内、軸線O方向長さLBが510mm≦LB≦3100mmの範囲内とされている。
円筒形状のスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間に介在するはんだ層13は、はんだ材を用いて円筒形状のスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを接合した際に形成されるものである。
なお、はんだ層13の厚さtは、0.5mm≦t≦4mmの範囲内とされている。
なお、はんだ層13の厚さtは、0.5mm≦t≦4mmの範囲内とされている。
そして、本実施形態に係る円筒型スパッタリングターゲット10においては、はんだ層13は、In系はんだ材からなり、酸素含有量が100massppm以下とされている。
なお、円筒型スパッタリングターゲット10のはんだ層13におけるInの含有量は、95mass%以上が好ましく、98mass%以上がより好ましい。
なお、円筒型スパッタリングターゲット10のはんだ層13におけるInの含有量は、95mass%以上が好ましく、98mass%以上がより好ましい。
ここで、はんだ層13を形成する際に用いられる本実施形態であるIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下に制限されたものを用いている。
なお、In系はんだ材におけるInの含有量は、94mass%以上が好ましく、96mass%以上がより好ましい。
この本実施形態であるIn系はんだ材の製造方法においては、In原料を溶融し、真空中で250℃以上350℃以下の温度で3分以上の保持する脱酸処理を行うことが好ましい。これにより、In系はんだ材の酸素含有量を100massppm以下に制限することが可能となる。
なお、In系はんだ材におけるInの含有量は、94mass%以上が好ましく、96mass%以上がより好ましい。
この本実施形態であるIn系はんだ材の製造方法においては、In原料を溶融し、真空中で250℃以上350℃以下の温度で3分以上の保持する脱酸処理を行うことが好ましい。これにより、In系はんだ材の酸素含有量を100massppm以下に制限することが可能となる。
以下に、本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法について、図2を用いて説明する。
(はんだ下地層形成工程S01)
まず、スパッタリングターゲット材11の内周面及びバッキングチューブ12の外周面に、溶融したIn系はんだ材を塗布して、それぞれはんだ下地層を形成する。
このはんだ下地層形成工程S01においては、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を加熱しておき、ヒータを搭載した超音波コテ等で超音波振動を加えながら溶融したIn系はんだ材を塗布することにより、はんだ下地層を形成する。なお、このはんだ下地層形成工程S01における加熱温度は170℃以上250℃以下の範囲内とされている。ここで、このはんだ下地層形成工程S01においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、はんだ下地層を形成することが好ましい。
まず、スパッタリングターゲット材11の内周面及びバッキングチューブ12の外周面に、溶融したIn系はんだ材を塗布して、それぞれはんだ下地層を形成する。
このはんだ下地層形成工程S01においては、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を加熱しておき、ヒータを搭載した超音波コテ等で超音波振動を加えながら溶融したIn系はんだ材を塗布することにより、はんだ下地層を形成する。なお、このはんだ下地層形成工程S01における加熱温度は170℃以上250℃以下の範囲内とされている。ここで、このはんだ下地層形成工程S01においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、はんだ下地層を形成することが好ましい。
(冷却工程S02)
次に、はんだ下地層を形成した状態で、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を組み立てるために、一旦、室温にまで冷却する。
次に、はんだ下地層を形成した状態で、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を組み立てるために、一旦、室温にまで冷却する。
(組み立て工程S03)
次に、はんだ下地層を形成したスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを位置合わせして組み立てる。このとき、スペーサ等を用いて、スパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間に所定の寸法の間隙を形成しておく。なお、この組み立て工程S03においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを組み立てることが好ましい。
次に、はんだ下地層を形成したスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを位置合わせして組み立てる。このとき、スペーサ等を用いて、スパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間に所定の寸法の間隙を形成しておく。なお、この組み立て工程S03においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを組み立てることが好ましい。
(はんだ接合工程S04)
次に、組み立てたスパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間隙に、溶融したIn系はんだ材を流し込み、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とをはんだ接合する。
このはんだ接合工程S04においては、還元性雰囲気あるいはN2ガスやArガスなどの不活性ガス雰囲気などの非酸化雰囲気で実施する。これにより、はんだ接合時に酸素が混入することを抑制し。接合後に形成されるはんだ層13における酸素含有量を100massppm以下に制限することが可能となる。
次に、組み立てたスパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間隙に、溶融したIn系はんだ材を流し込み、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とをはんだ接合する。
このはんだ接合工程S04においては、還元性雰囲気あるいはN2ガスやArガスなどの不活性ガス雰囲気などの非酸化雰囲気で実施する。これにより、はんだ接合時に酸素が混入することを抑制し。接合後に形成されるはんだ層13における酸素含有量を100massppm以下に制限することが可能となる。
また、このはんだ接合工程S04における加熱条件は、加熱温度が170℃以上250℃以下の範囲内とされ、この加熱温度での保持時間が10分以上120分以下の範囲内とされている。
ここで、はんだ接合工程S04における加熱温度が170℃未満だと、In系はんだ材が溶解しないおそれがある。また、加熱温度が250℃を超えると、はんだ下地層の酸化が促進されてしまうおそれがある。
また、加熱温度での保持時間が10分未満だと、加熱が不十分となり、流し込んでいるIn系はんだ材が固化してしまうおそれがある。また、加熱温度での保持時間が120分を超えると、はんだ下地層の酸化が促進されてしまうおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、はんだ接合工程S04における加熱条件を上述のように規定している。
なお、このはんだ接合工程S04においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間隙にはんだ材を流し込むことが好ましい。
ここで、はんだ接合工程S04における加熱温度が170℃未満だと、In系はんだ材が溶解しないおそれがある。また、加熱温度が250℃を超えると、はんだ下地層の酸化が促進されてしまうおそれがある。
また、加熱温度での保持時間が10分未満だと、加熱が不十分となり、流し込んでいるIn系はんだ材が固化してしまうおそれがある。また、加熱温度での保持時間が120分を超えると、はんだ下地層の酸化が促進されてしまうおそれがある。
以上のことから、本実施形態では、はんだ接合工程S04における加熱条件を上述のように規定している。
なお、このはんだ接合工程S04においては、特開2014−037619号公報に記載された方法で、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間隙にはんだ材を流し込むことが好ましい。
上述のような工程により、本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10によれば、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12の間に介在するはんだ層13における酸素含有量が100massppm以下とされているので、スパッタリングターゲット材11の接合面及びバッキングチューブ12の接合面にはんだの酸化物が多く付着しておらず、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との接合強度を確保することができる。
また、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とが強固に接合されているので、スパッタ成膜時に、スパッタリングターゲット材11で発生した熱を、バッキングチューブ12側へと効率良く伝達することができ、放熱特性に優れている。
さらに、はんだ層13は、In系はんだ材とされ、Inの含有量が95mass%以上とているので、はんだ層13の融点が比較的高く、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層13が溶融することを抑制できる。
よって、パワー密度を高くしても、安定してスパッタ成膜を行うことが可能となる。
さらに、はんだ層13は、In系はんだ材とされ、Inの含有量が95mass%以上とているので、はんだ層13の融点が比較的高く、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層13が溶融することを抑制できる。
よって、パワー密度を高くしても、安定してスパッタ成膜を行うことが可能となる。
また、本実施形態のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされているので、スパッタリングターゲット材11の接合面及びバッキングチューブ12の接合面にはんだの酸化物が付着することを抑制でき、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との接合強度を向上させることが可能となる。
本実施形態である円筒型スパッタリングターゲットの製造方法によれば、還元性雰囲気あるいはN2ガスやArガスなどの不活性ガス雰囲気などの非酸化雰囲気で、酸素含有量が100massppm以下とされた本実施形態であるIn系はんだ材を用いて、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とをはんだ接合しているので、酸素含有量が100massppm以下とされたはんだ層13を形成することができ、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との接合強度が確保され、放熱特性に優れた円筒型スパッタリングターゲット10を製造することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。この第二の実施形態においては、図1において、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12については第一の実施形態と同一の構成とされており、はんだ層13の材質が第一の実施形態とは異なっている。
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。この第二の実施形態においては、図1において、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12については第一の実施形態と同一の構成とされており、はんだ層13の材質が第一の実施形態とは異なっている。
第二の実施形態におけるはんだ層13は、In系はんだ材で構成され、酸素含有量が100massppm以下とされており、さらに、Gaを0.01mass%以上2mass%以下の範囲で含んでいる。
なお、はんだ層13におけるInの含有量は、95mass%以上が好ましく、98mass%以上がより好ましい。
なお、はんだ層13におけるInの含有量は、95mass%以上が好ましく、98mass%以上がより好ましい。
ここで、はんだ層13を形成する際に用いられる本実施形態であるIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされており、さらに、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含むものとされている。
なお、In系はんだ材におけるInの含有量は、94mass%以上が好ましく、96mass%以上がより好ましい。
なお、In系はんだ材におけるInの含有量は、94mass%以上が好ましく、96mass%以上がより好ましい。
この本実施形態であるIn系はんだ材は、以下のようにして製造される。まず、In原料とGa原料とを溶融して一定時間保持した後、冷却固化させ、固化して得られたはんだインゴットの上部を除去する。Gaは、Inよりも酸化しやすいため、Ga酸化物が生成することになる。また、Ga酸化物は比重が小さいため、固化して得られたはんだインゴットの上部にGa酸化物が存在することになるので、はんだインゴットの上部を除去することで、Ga酸化物を除去することが可能となる。
以上のような工程により、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含み、酸素含有量が100massppm以下に制限されたIn系はんだ材を得ることができる。
以上のような工程により、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含み、酸素含有量が100massppm以下に制限されたIn系はんだ材を得ることができる。
以下に、本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法について、図3を用いて説明する。
(はんだ下地層形成工程S101)
まず、スパッタリングターゲット材11の内周面及びバッキングチューブ12の外周面に、溶融したIn系はんだ材を塗布して、それぞれはんだ下地層を形成する。
このはんだ下地層形成工程S101においては、第一の実施形態と同様の手順により、はんだ下地層を形成することが好ましい。
まず、スパッタリングターゲット材11の内周面及びバッキングチューブ12の外周面に、溶融したIn系はんだ材を塗布して、それぞれはんだ下地層を形成する。
このはんだ下地層形成工程S101においては、第一の実施形態と同様の手順により、はんだ下地層を形成することが好ましい。
(冷却工程S102)
次に、はんだ下地層を形成した状態で、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を組み立てるために、一旦、室温にまで冷却する。
次に、はんだ下地層を形成した状態で、スパッタリングターゲット材11及びバッキングチューブ12を組み立てるために、一旦、室温にまで冷却する。
(組み立て工程S103)
次に、はんだ下地層を形成したスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを位置合わせして組み立てる。このとき、スペーサ等を用いて、スパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間に所定の寸法の間隙を形成しておく。なお、この組み立て工程S103においては、第一の実施形態と同様の手順により、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを組み立てることが好ましい。
ここで、本実施形態においては、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12をそれぞれ立設して配置しており、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間の間隙が、鉛直方向に延在するように形成されている。
次に、はんだ下地層を形成したスパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを位置合わせして組み立てる。このとき、スペーサ等を用いて、スパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間に所定の寸法の間隙を形成しておく。なお、この組み立て工程S103においては、第一の実施形態と同様の手順により、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とを組み立てることが好ましい。
ここで、本実施形態においては、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12をそれぞれ立設して配置しており、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間の間隙が、鉛直方向に延在するように形成されている。
(はんだ材供給工程S104)
次に、組み立てたスパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間隙に対して、本実施形態であるIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込むとともに、余剰のIn系はんだ材を回収する。
本実施形態では、上述のように、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12をそれぞれ立設して配置しており、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間の間隙が、鉛直方向に延在するように形成されていることから、In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収する構成とされている。
次に、組み立てたスパッタリングターゲット材11の内周面とバッキングチューブ12の外周面との間隙に対して、本実施形態であるIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込むとともに、余剰のIn系はんだ材を回収する。
本実施形態では、上述のように、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12をそれぞれ立設して配置しており、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間の間隙が、鉛直方向に延在するように形成されていることから、In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収する構成とされている。
このはんだ材供給工程S104においては、In系はんだ材に含まれるGaが優先的に酸化され、Ga酸化物が生成することになる。そして、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込むことにより、In系はんだ材を間隙に供給した際に生成したGa酸化物を、間隙から確実に除去することが可能となる。これにより、はんだ層13における酸素含有量を100masspppm以下に低減することが可能となる。また、Gaが酸化して消費されることから、はんだ層13におけるGa含有量は、In系はんだ材におけるGa含有量よりも少なくなる。
(はんだ材固化工程S105)
次に、前記間隙に供給されたIn系はんだ材を固化し、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とをはんだ接合する。
次に、前記間隙に供給されたIn系はんだ材を固化し、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12とをはんだ接合する。
上述のような工程により、本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10が製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10によれば、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12の間に介在するはんだ層13が、In系はんだ材とされるともに、酸素含有量が100massppm以下とされているので、第一の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
そして、本実施形態においては、はんだ層13がGaを0.01mass%以上含んでいるので、はんだ層13の強度を向上させることが可能となる。一方、はんだ層13におけるGaの含有量が2mass%以下に制限されているので、はんだ層13の融点が低下することを抑制でき、パワー密度を高くした場合であっても、はんだ層13が溶融することを抑制できる。
また、本実施形態のIn系はんだ材は、酸素含有量が100massppm以下とされているので、第一の実施形態と同様の作用効果を奏することが可能となる。
そして、本実施形態においては、In系はんだ材は、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含んでいるので、はんだ接合時に、Inよりも酸化しやすいGaが優先酸化することになる。Ga酸化物は比重が小さいため、溶融はんだ材中を浮上する。この浮上したGa酸化物を除去することで、はんだ層13における酸素含有量を100massppm以下に抑えることが可能となる。また、In系はんだ材がGaを含むことで、はんだ層13の強度を向上させることが可能となる。
そして、本実施形態においては、In系はんだ材は、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含んでいるので、はんだ接合時に、Inよりも酸化しやすいGaが優先酸化することになる。Ga酸化物は比重が小さいため、溶融はんだ材中を浮上する。この浮上したGa酸化物を除去することで、はんだ層13における酸素含有量を100massppm以下に抑えることが可能となる。また、In系はんだ材がGaを含むことで、はんだ層13の強度を向上させることが可能となる。
本実施形態である円筒型スパッタリングターゲット10の製造方法によれば、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との間隙に対して、Gaを含むIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込み、余剰の前記In系はんだ材を回収するはんだ材供給工程S104を備えているので、In系はんだ材を流し込み始めた際に発生したGa酸化物を前記間隙から除去することができ、はんだ層13における酸素含有量を確実に低減することができ、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12との接合強度が確保され、放熱特性に優れた円筒型スパッタリングターゲット10を製造することができる。
さらに、本実施形態においては、はんだ材供給工程S104において、スパッタリングターゲット材11とバッキングチューブ12をそれぞれ立設して、前記In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収する構成としているので、比重の小さいGa酸化物を効率良く前記間隙から除去することができ、はんだ層13における酸素含有量をさらに確実に低減することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本実施形態では、図1に示す円筒型スパッタリングターゲットを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、この円筒形状のスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットであればよく、例えば、分割タイプ、あるいは、ドッグボーンタイプであってもよい。
本実施形態では、図1に示す円筒型スパッタリングターゲットを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、この円筒形状のスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットであればよく、例えば、分割タイプ、あるいは、ドッグボーンタイプであってもよい。
また、第一の実施形態において、In系はんだ材として、酸素含有量が100massppm以下とされていればよく、Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含んだものを用いてもよい。
以下に、本発明に係る円筒型スパッタリングターゲット、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法についての作用効果を確認すべく実施した確認試験の結果について説明する。
表1に示すスパッタリングターゲット材、バッキングチューブ、及び、はんだ材を準備した。はんだ材の原料としては、純度が99.99mass%以上のInと純度が99.99mass%以上のGaを用いた。
なお、スパッタリングターゲット材のサイズは、外径DTを162mm、内径dTを135mm、軸線方向長さLTを600mmとした。
また、バッキングチューブのサイズは、外径DBを133mm、内径dBを125mm、軸線方向長さLBを620mmとした。
なお、スパッタリングターゲット材のサイズは、外径DTを162mm、内径dTを135mm、軸線方向長さLTを600mmとした。
また、バッキングチューブのサイズは、外径DBを133mm、内径dBを125mm、軸線方向長さLBを620mmとした。
ここで、In系はんだ材がGaを含有しない場合には、真空中で300℃に加熱して表1に示す時間保持して、脱酸処理を実施した。ただし、比較例1は脱酸処理をしていない。接合前のIn系はんだ材におけるGa含有量、酸素含有量を、以下のように測定した。評価結果を表1に示す。
そして、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを位置合わせして立設した。表1に示すはんだ材を、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間隙の下端側から供給するとともに、はんだ材供給量が前記間隙の体積を超える場合は、前記間隙の上端側で回収した。これにより、特開2014−037619に記載の方法でスパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを、表1に示す条件ではんだ接合し、円筒型スパッタリングターゲットを製造した。
ここで表1における「はんだ材供給量」は、前記間隙の体積を1としたときの供給量を示す。
そして、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを位置合わせして立設した。表1に示すはんだ材を、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間隙の下端側から供給するとともに、はんだ材供給量が前記間隙の体積を超える場合は、前記間隙の上端側で回収した。これにより、特開2014−037619に記載の方法でスパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを、表1に示す条件ではんだ接合し、円筒型スパッタリングターゲットを製造した。
ここで表1における「はんだ材供給量」は、前記間隙の体積を1としたときの供給量を示す。
得られた円筒型スパッタリングターゲットについて、はんだ層におけるGa含有量、酸素含有量、接合率、接合強度、スパッタ時の温度について、以下のように評価した。
(接合前のIn系はんだ材の組成)
溶融させたIn系はんだ材をステンレス製の治具にて1gをサンプリングした。JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
また、同様にしてサンプリングしたサンプルを用いて、ICPによりGa含有量を測定した。
溶融させたIn系はんだ材をステンレス製の治具にて1gをサンプリングした。JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
また、同様にしてサンプリングしたサンプルを用いて、ICPによりGa含有量を測定した。
(接合後のはんだ層の組成)
得られた円筒型スパッタリングターゲットを切断し、はんだ層をカッターナイフで切り出して1gサンプリングした。JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
また、同様にしてサンプリングしたサンプルを用いて、ICPによりGa含有量を測定した。
得られた円筒型スパッタリングターゲットを切断し、はんだ層をカッターナイフで切り出して1gサンプリングした。JIS Z 2613「金属材料の酸素定量方法通則」に記載された赤外線吸収法に準拠し、LECO社製TC600を用いて、酸素含有量を測定した。
また、同様にしてサンプリングしたサンプルを用いて、ICPによりGa含有量を測定した。
(接合率)
超音波探傷検査装置を用いて、接合面積率を計測した。接合面積率は、接合面の総面積に対する接合不良領域の面積を除いた接合領域の面積の比率として算出した。
超音波探傷検査装置を用いて、接合面積率を計測した。接合面積率は、接合面の総面積に対する接合不良領域の面積を除いた接合領域の面積の比率として算出した。
(接合強度)
図4(a)に示すように、ワイヤーカットを用いて、得られた円筒型スパッタリングターゲットの側面から円柱状のサンプルを20個切り出した。このサンプルの端面(外周面及び内周面)は図4(b)に示すように切り落として平坦面とするとともに、サンプルの外周面を機械加工することによりφ20mmの引張試験片を得た。この引張試験片を、引張試験機INSTORON5984(インストロンジャパン社製)に取り付けて引張強度を測定した。なお、最大荷重150kN、変位速度を0.1mm/minとした。測定された20個のサンプルの引張強度の平均値を接合強度として表2に示す。
ここで、サンプル加工工程中にスパッタリングターゲットとバッキングチューブの剥離が多数発生し、十分なサンプル数が得られなかったものについては「剥離」と記載した。
図4(a)に示すように、ワイヤーカットを用いて、得られた円筒型スパッタリングターゲットの側面から円柱状のサンプルを20個切り出した。このサンプルの端面(外周面及び内周面)は図4(b)に示すように切り落として平坦面とするとともに、サンプルの外周面を機械加工することによりφ20mmの引張試験片を得た。この引張試験片を、引張試験機INSTORON5984(インストロンジャパン社製)に取り付けて引張強度を測定した。なお、最大荷重150kN、変位速度を0.1mm/minとした。測定された20個のサンプルの引張強度の平均値を接合強度として表2に示す。
ここで、サンプル加工工程中にスパッタリングターゲットとバッキングチューブの剥離が多数発生し、十分なサンプル数が得られなかったものについては「剥離」と記載した。
(スパッタ時の温度)
円筒型スパッタリングターゲットの端面に温度感知シールを貼付し、下記の条件でスパッタした際の最高到達温度を計測した。
電源:DC
電力:8kW/m 又は 16kW/m
ガス圧:0.4Pa
ガス:Ar
回転速度:10rpm
放電時間:60min
ターゲットサイズ:(φ162mm−φ135mm)×600mm
円筒型スパッタリングターゲットの端面に温度感知シールを貼付し、下記の条件でスパッタした際の最高到達温度を計測した。
電源:DC
電力:8kW/m 又は 16kW/m
ガス圧:0.4Pa
ガス:Ar
回転速度:10rpm
放電時間:60min
ターゲットサイズ:(φ162mm−φ135mm)×600mm
Gaを含まず、酸素含有量が170massppmとされたIn系はんだ材を用いた比較例1においては、はんだ層における酸素含有量が170massppmとなり、引張試験時にスパッタリングターゲット材とバッキングチューブとが剥離してしまい、接合強度を測定することができなかった。また、電力8kW/mでスパッタした際の温度が80℃となり、電力16kW/mでスパッタした際にははんだ層が溶融した。
Gaの含有量が0.005mass%、酸素含有量が110massppmとされたIn系はんだ材を用いた比較例2においては、はんだ層における酸素含有量が110massppmとなり、接合強度が4MPaと低くなった。また、電力8kW/mでスパッタした際の温度が65℃となり、電力16kW/mでスパッタした際の温度が145℃となった。
Gaの含有量が0.02mass%、酸素含有量が30massppmとされたIn系はんだ材を用いたが、はんだ材供給量が間隙の体積と同等量とされた比較例3においては、はんだ層における酸素含有量が110massppmとなり、接合強度が2MPaと低くなった。また、電力8kW/mでスパッタした際の温度が70℃となり、電力16kW/mでスパッタした際にははんだ層が溶融した。
Gaを含まず、酸素含有量が150massppmとされたIn系はんだ材を用いて、Arガス雰囲気ではんだ接合した比較例4においては、はんだ層における酸素含有量が160massppmとなり、引張試験時にスパッタリングターゲット材とバッキングチューブとが剥離してしまい、接合強度を測定することができなかった。また、電力8kW/mでスパッタした際の温度が80℃となり、電力16kW/mでスパッタした際にははんだ層が溶融した。
Gaを含まず、酸素含有量が30massppmとされたIn系はんだ材を用いて、大気雰囲気ではんだ接合した比較例5においては、はんだ層における酸素含有量が180massppmとなり、引張試験時にスパッタリングターゲット材とバッキングチューブとが剥離してしまい、接合強度を測定することができなかった。また、電力8kW/mでスパッタした際の温度が85℃となり、電力16kW/mでスパッタした際にははんだ層が溶融した。
これに対して、Gaの含有量が0.01mass%以上3mass%以下の範囲とされ、酸素含有量が30massppmとされたIn系はんだ材を用いて、はんだ材供給量が間隙の体積の2倍とされた本発明例1−6においては、はんだ層におけるGa含有量が0.01mass%以上2mass%以下の範囲となり、酸素含有量が100massppm以下となった。また、接合強度が10MPa以上となり、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを強固に接合することができた。さらに、電力8kW/mでスパッタした際の温度が50℃以下となり、電力16kW/mでスパッタした際の温度が95℃以下となった。
また、Gaを含まず、酸素含有量が90massppm以下とされたIn系はんだ材を用いて、Ar雰囲気中ではんだ接合を実施した本発明例8−10においては、はんだ層における酸素含有量が100massppm以下となった。また、接合強度が8MPa以上となり、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを強固に接合することができた。さらに、電力8kW/mでスパッタした際の温度が50℃以下となり、電力95kW/mでスパッタした際の温度が95℃以下となった。
なお、Gaの含有量が5mass%とされ、酸素含有量が30massppmとされたIn系はんだ材を用いて、はんだ材供給量が間隙の体積の2倍とされた本発明例7においては、はんだ層におけるGa含有量が4.5mass%となり、酸素含有量が10massppm未満となった。また、接合強度が16MPaとなり、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとを強固に接合することができた。さらに、電力8kW/mでスパッタした際の温度が45℃であった。しかしながら、電力16kW/mでスパッタした際にははんだ層が溶融した。放熱特性は良好であったが、はんだ層自体の融点が低いため、溶融したためと推測される。このため、高いパワー密度でスパッタ成膜する際には、In系はんだ材のGaの含有量を3mass%以下に制限することが好ましい。
以上のことから、本発明例によれば、スパッタリングターゲット材とバッキングチューブとの間に形成されたはんだ層における強度を確保でき、パワー密度を上昇させて使用した場合であっても、安定してスパッタ成膜が可能な円筒型スパッタリングターゲット、In系はんだ材、及び、円筒型スパッタリングターゲットの製造方法を提供できることが確認された。
10 円筒型スパッタリングターゲット
11 スパッタリングターゲット材
12 バッキングチューブ
13 はんだ層
11 スパッタリングターゲット材
12 バッキングチューブ
13 はんだ層
Claims (9)
- 円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットであって、
前記はんだ層は、In系はんだ材からなり、酸素含有量が100massppm以下とされていることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲット。 - 前記はんだ層は、Inの含有量が95mass%以上とされていることを特徴とする請求項1に記載の円筒型スパッタリングターゲット。
- 前記はんだ層は、Gaを0.01mass%以上2mass%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の円筒型スパッタリングターゲット。
- 酸素含有量が100massppm以下とされていることを特徴とするIn系はんだ材。
- Inの含有量が94mass%以上とされていることを特徴とする請求項4に記載のIn系はんだ材。
- Gaを0.01mass%以上3mass%以下の範囲で含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載に記載のIn系はんだ材。
- 円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとを、非酸化雰囲気で、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載されたIn系はんだ材を用いてはんだ接合することを特徴とする円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。 - 円筒形状をなすスパッタリングターゲット材と、このスパッタリングターゲット材の内周側にはんだ層を介して接合されたバッキングチューブと、を備えた円筒型スパッタリングターゲットの製造方法であって、
前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとの間隙に対して、請求項6に記載されたIn系はんだ材を、前記間隙の体積の2倍以上の量で流し込み、余剰の前記In系はんだ材を回収するはんだ材供給工程と、
前記間隙に供給された前記In系はんだ材を固化し、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとをはんだ接合するはんだ材固化工程と、
を備えていることを特徴とする円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。 - 前記はんだ材供給工程において、前記スパッタリングターゲット材と前記バッキングチューブとをそれぞれ立設して、前記In系はんだ材を、前記間隙の下端側及び上端側の一方又は両方から供給するとともに、前記間隙の上端側で回収することを特徴とする請求項8に記載の円筒型スパッタリングターゲットの製造方法。
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