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JP2019089595A - 包装体及びその製造方法 - Google Patents

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JP2019089595A JP2017221627A JP2017221627A JP2019089595A JP 2019089595 A JP2019089595 A JP 2019089595A JP 2017221627 A JP2017221627 A JP 2017221627A JP 2017221627 A JP2017221627 A JP 2017221627A JP 2019089595 A JP2019089595 A JP 2019089595A
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隆之 羽野
Takayuki Haneno
隆之 羽野
誠 唐津
Makoto Karatsu
誠 唐津
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Resonac Packaging Corp
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Showa Denko Packaging Co Ltd
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Abstract

【課題】輸送中等の揺れなどにより内容物が包装体の内面に繰り返し接触しても、付着防止層の疎水性微粒子の脱落を生じ難くて、十分な内容物付着防止性能を維持できる包装体を提供する。【解決手段】包装体は、少なくとも1枚の積層材20を備えてなり、前記積層材は、少なくとも基材層1と熱封緘層5とを有し、前記熱封緘層5の内面にコート層9が積層され、該コート層9のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層6が積層されてなり、コート層9は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなる層であり、内容物付着防止層6が向かい合って配置された積層材20の熱封緘層5の周縁部同士が接合された構成とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、コーヒー飲料(カフェラッテ等)等の食品類の他、塗料、化粧品、洗剤等を包装する包装体として好適に使用できる包装体及びその製造方法に関する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、包装体を構成する各層に関して、「内面」とは、本発明の包装体を構成したときの包装体の内部に向く側の面(内部空間側の面)を意味し、「外面」とは、前記内面とは反対側の面を意味するものである。
食品類を包装する包装体(包装袋)としては、基材フィルムとアルミニウム箔との積層からなる基材層のアルミニウム箔側にヒートシール層(熱封緘層)を設けた構成のものが知られている。
このような食品類の包装体では、良好なヒートシール性、密封性が求められると共に、内容物の非付着性(包装体の内面に内容物が付着するのを防止でき得ること)も求められている。包装体の内面に内容物が付着すると、内容物の付着残存ロスの無駄を生じるし、付着物を剥がし取る手間がかかるためである。
このような内容物付着防止性を備えたものとして、少なくとも基材層と熱封緘層とを有する蓋材において、熱封緘層の内面に付着防止層を有し、該付着防止層が、湿式シリカ粒子に疎水性を付与した平均粒径0.5〜7.0μmの疎水性湿式シリカ粒子からなる内容物付着防止蓋材が知られている(特許文献1参照)。この従来技術によれば、熱封緘層の内面に疎水性湿式シリカ微粒子からなる付着防止層が設けられていることにより、十分な内容物付着防止性能が得られる。
特開2012−17116号公報
しかしながら、上記従来技術では、輸送中の揺れ等により内容物が包装体(包装袋)の内面に繰り返し接触することが多いと、疎水性微粒子の脱落を生じやすく、特に内容物が粘度の高い内容物である場合には疎水性微粒子がより脱落しやすいという問題があった。このように疎水性微粒子の脱落を生じると、包装体の内側の面の内容物付着防止性能が低下してしまう。
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、輸送中等の揺れなどにより内容物が包装体の内面に繰り返し接触しても、付着防止層の疎水性微粒子の脱落を生じ難くて、十分な内容物付着防止性能を維持できる包装体及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]少なくとも1枚の積層材を備えてなる包装体であって、
前記積層材は、少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面にコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなり、
前記コート層は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなる層であり、
前記内容物付着防止層が向かい合って配置された前記積層材の熱封緘層の周縁部同士が接合されてなることを特徴とする包装体。
[2]前記樹脂組成物は、アルコール可溶性の樹脂組成物である前項1に記載の包装体。
[3]前記樹脂成分は、直鎖状樹脂酸とセスキテルペン系樹脂酸がエステル結合した樹脂である前項1または2に記載の包装体。
[4]前記直鎖状樹脂酸は、アロイリチン酸である前項3に記載の包装体。
[5]前記セスキテルペン系樹脂酸は、シェロリン酸、ジャラール酸およびラクシジャラール酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂酸である前項3または4に記載の包装体。
[6]前記ワックス成分は、タカルジアセロール、ラクセロール、ミリシリアルコール、セリルアルコール、リグノセル酸、セロット酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびこれらの各エステル類からなる群より選ばれる1種または2種以上のワックス成分である前項1〜5のいずれか1項に記載の包装体。
[7]前記コート層の厚さが0.5μm〜5μmである前項1〜6のいずれか1項に記載の包装体。
[8]前記内容物付着防止層を構成する前記疎水性微粒子は、前記コート層側の一部が該コート層に含浸されていると共に前記コート層側と反対側の一部が露出している前項1〜7のいずれか1項に記載の包装体。
[9]前記熱封緘層の少なくとも内面が凹凸面である前項1〜8のいずれか1項に記載の包装体。
[10]前記疎水性微粒子は、平均粒径が100nm〜5000nmである疎水性湿式シリカ微粒子であり、該疎水性湿式シリカ微粒子の量が0.3g/m2〜3.0g/m2である前項1〜9のいずれか1項に記載の包装体。
[11]少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなるコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなる平面視略矩形状の積層材を準備する工程と、
前記平面視略矩形状の積層材を、その長さ方向又は幅方向の中間で折り返して前記内容物付着防止層が向き合う態様で重ね合わせて得た重ね合わせ物の周縁部をヒートシールすることによって前記積層材の熱封緘層の周縁部同士を熱融着させて接合するヒートシール工程と、を含み、
前記積層材の熱封緘層の周縁部同士の熱融着の際に、該周縁部同士の一部の領域を熱融着しないことで包装体の開口部を設けることを特徴とする包装体の製造方法。
[12]少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなるコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなる平面視略矩形状の積層材を2枚準備する工程と、
前記2枚の積層材を互いの前記内容物付着防止層側が向き合う態様で重ね合わせて得た重ね合わせ物の周縁部をヒートシールすることによって前記2枚の積層材の互いの熱封緘層の周縁部同士を熱融着させて接合するヒートシール工程と、を含み、
前記2枚の積層材の互いの熱封緘層の周縁部同士の熱融着の際に、該周縁部同士の一部の領域を熱融着しないことで包装体の開口部を設けることを特徴とする包装体の製造方法。
[13]前記準備工程において、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、アルコールと、を含む樹脂組成物液を塗布した後、加熱を行うことによって樹脂成分を熱硬化させて前記コート層を積層する請求項11または12に記載の包装体の製造方法。
[1]の発明では、熱封緘層の内面にコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層され、コート層は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物層で形成された構成であり、このような特定構成のコート層が存在しているので、内容物が包装体の内面に繰り返し接触しても、疎水性微粒子の脱落を十分に防止できて十分な内容物付着防止性能を確保できると共に、良好なヒートシール性も確保できる。
[2]の発明では、内容物付着防止層の積層のために疎水性微粒子を塗布する際に疎水性微粒子をコート層に十分に固定させることができて疎水性微粒子の脱落をより十分に防止できる。
[3]の発明では、疎水性微粒子の脱落をより十分に防止できる。
[4]の発明では、疎水性微粒子の脱落をより一層十分に防止できる。
[5]の発明では、疎水性微粒子の脱落をさらに十分に防止できる。
[6]の発明では、内容物付着防止層の疎水性効果をさらに高めることができる利点がある。
[7]の発明では、コート層の厚さが0.5μm以上であることで疎水性微粒子の脱落を十分に防止できると共に、コート層の厚さが5μm以下であることで十分なヒートシール性を確保できる。
[8]の発明では、疎水性微粒子は、コート層側の一部が該コート層に含浸されているので、疎水性微粒子の脱落をさらに十分に防止できると共に、疎水性微粒子は、コート層側とは反対側の一部が露出しているので、十分な内容物付着防止性能を確保できる。
[9]の発明では、熱封緘層の少なくとも内面が凹凸面であるから、疎水性効果をさらに高めることができると共に、疎水性微粒子の脱落をより十分に防止できる。
[10]の発明では、内容物付着防止性能をさらに向上させることができる。
[11]及び[12]の発明によれば、内容物が包装体の内面に繰り返し接触しても、疎水性微粒子の脱落を十分に防止できて十分な内容物付着防止性能を確保できると共に、良好なヒートシール性も確保できる包装体を製造できる。
[13]の発明では、溶媒としてアルコールを含む樹脂組成物液を塗布した後、加熱を行って樹脂成分を熱硬化させてコート層を形成するものであるから、より強固に疎水性微粒子を固定(固着)できて疎水性微粒子の脱落をより十分に防止できる。
本発明に係る包装体の一実施形態を示す斜視図である。 本発明の包装体に用いられる積層材の一例を示す断面図である。 図2での熱封緘層、コート層および内容物付着防止層を拡大して模式的に示す拡大模式断面図である。 本発明に係る、包装体の製造方法の一例を示す斜視図である。 本発明に係る、包装体の製造方法の他の例(包装体の製作途中状態)を示す斜視図である。
本発明に係る包装体30は、1枚ないし複数枚の積層材20を備えている。図1に、本発明に係る包装体30の一実施形態を示す。この包装体30は、平面視略矩形状の積層材20を2枚備えてなり、これら2枚の積層材20が互いの内容物付着防止層6が相互の対向側で(内側で)向き合う態様で重ね合わされ、2枚の積層材20の互いの熱封緘層5の周縁部同士が熱融着接合されると共に、2枚の積層材20の互いの熱封緘層5の周縁部同士の一部の領域が熱融着されず開口部31が設けられてなる。本実施形態では、一対の積層材20の四側辺部のうちの三側辺部が閉塞され(封止され)、残りの一側辺部が非接合であり、この非接合部が開口部31を形成している(図1参照)。本発明の包装体30では、包装体の内部空間側に内容物付着防止層6が露出している。
本発明に係る包装体30の他の実施形態について説明する。この実施形態の包装体30は、平面視略矩形状の積層材20を1枚備えてなり、内容物付着防止層6が内側に向いて向き合う態様で前記積層材20がその長さ方向(又は幅方向であってもよい)の中間位置で折り返されて重ね合わされ、向かい合う熱封緘層5の周縁部同士が熱融着接合されると共に、前記周縁部同士の一部の領域が熱融着されず開口部31が設けられた構成である(参考図:図1、5)。本実施形態でも、包装体30の内部空間側に内容物付着防止層6が露出した構成である。
本発明の包装体30を構成する上記積層材20の構成について以下詳述する。図2に、積層材20の一実施形態を示す。この積層材20は、基材フィルム層2と金属箔層3との積層体からなる基材層1と、前記基材層1の金属箔層3の内面(未積層面;包装体を構成したとき包装体の内部空間側になる面)に中間樹脂層4を介して積層された熱封緘層5と、を備えている。更に、前記熱封緘層5の内面(包装体を構成したとき包装体の内部空間側になる面)に積層されたコート層9と、該コート層9のさらに内面に積層された内容物付着防止層6と、をさらに備えている。前記内容物付着防止層6は、疎水性微粒子Sを主成分として含む層である。また、前記コート層9は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなる層である。
本実施形態では、図3に示すように、前記内容物付着防止層6を構成する疎水性微粒子Sにおけるコート層9側の一部が該コート層9に含浸された含浸層11が形成されると共に、前記疎水性微粒子Sにおける前記コート層9側と反対側(即ち内面側)の一部が露出して前記内容物付着防止層6が形成されている。従って、前記コート層9は、内面側の前記含浸層11および外面側(基材層側)の非含浸層(疎水性微粒子Sが含浸されていない層)12を備えている(図3参照)。また、本実施形態では、前記熱封緘層5の内面(コート層が積層されている面)は、凹凸面になっており、疎水性微粒子Sの脱落をより十分に防止できる。また、本実施形態では、前記基材フィルム層2における金属箔層3側の表面に印刷7が施されて意匠性が付与されている。
上記構成の包装体30は、食品、塗料、化粧品、洗剤等の内容物と接触する側である内面側(内部空間側)に、疎水性微粒子Sを主成分として含む内容物付着防止層6が存在しているので、内容物付着防止性能が得られる。更に、熱封緘層5と内容物付着防止層6の間に前記特定構成のコート層9が存在しているので、内容物が包装体30の内面に繰り返し接触しても、疎水性微粒子Sの脱落を十分に防止できて十分な内容物付着防止性能を確保できるし、良好なヒートシール性も同時に確保できる。
本発明において、前記基材フィルム層2は、包装体30の表側(外面側)に配置されるものであり、その材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、セルロースアセテート、セロハン等の単層または複合フィルム、あるいはこれらのフィルム、樹脂を紙などにラミネートしたり、コーティングしたもの等を例示できる。
前記金属箔層3は、ガスバリヤ性、遮光性などを付与するものであり、アルミニウム箔が好適に使用されるが、特にこれに限定されるものではない。ヨーグルトを収容する包装体30にあっては、遮光性、軽量性を満足するものとして厚さ5μm〜50μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。また、基材フィルム層2との積層接着には一般的な接着剤が用いられる。
なお、前記基材層1としては、金属箔を使用せずに、シリカやアルミナ等の金属酸化物や無機酸化物等を基材フィルム2に蒸着した金属蒸着フィルムを使用することも可能である。
前記中間樹脂層4は、基材層1と熱封緘層5との間に介在して、積層材20に所定の剛性やヒートシール時のクッション性を付与するものであり、適宜必要に応じて設けられる。一般的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のオレフィン系樹脂の他、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等の樹脂からなる厚さ5μm〜40μmのフィルムが用いられる。
前記熱封緘層5は、接着性(ヒートシール性)が良好なものであれば、その材料は、特に限定されるものではないが、例えば、
(A)樹脂や樹脂組成物のフィルムからなるヒートシール材
(B)樹脂や樹脂組成物を溶剤に溶解又は分散させたラッカータイプのヒートシール剤
(C)ホットメルト樹脂(ホットメルト接着剤)
等を用いることができる。中でも、樹脂や樹脂組成物のフィルムからなるヒートシール材(A)を用いるのが、ヒートシール性(シール強度)を向上できる点で、好ましい。
前記フィルムからなるヒートシール材(A)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンフィルム、結晶性ポリプロピレンフィルム、塩化ビニル樹脂フィルム等が挙げられる。前記ポリエチレンフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム等が挙げられる。
前記ラッカータイプのヒートシール剤(B)としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂成分(EVA樹脂、ポリオレフィンなど)及びワックス成分等を配合した組成物等が挙げられる。
前記ホットメルト樹脂(C)としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂等)、ポリアミド、ポリエステル、EVA樹脂、合成ゴム(スチレンラバー等)、アクリル系樹脂等が挙げられる。
また、疎水性微粒子Sを熱封緘層5により強く定着させるために、熱封緘層5の内面(コート層が積層される面)を凹凸面に形成するのが好ましい。例えば、前記熱封緘層5に使用する前記ヒートシール材(A)や前記ヒートシール剤(B)に予め0.1μm〜50μmの非相溶粒子を混合することにより、熱封緘層5の内面(コート層側の面)を凹凸面に形成できるし、また前記フィルムからなるヒートシール材(A)を使用する場合に、フィルムを成形する際にマット調の表面を有する冷却ロールでフィルムを冷却することで熱封緘層5の内面(コート層側の面)をマット面(凹凸面)に形成することができる。或いは、フィルムからなるヒートシール材にローレット加工、ブラスト加工等の凹凸付与加工を行うことで熱封緘層5の内面を凹凸面に形成してもよい。
前記熱封緘層5の厚さは、特に限定されるものではないが、コスト、密封性、生産性等の点から、厚さ3μm〜100μmとするのが一般的であり、中でも10μm〜50μmの範囲とするのが好ましい。
前記コート層9は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物(樹脂組成物が熱硬化した物)からなる層である。前記樹脂組成物は、アルコールに可溶性の樹脂組成物であるのが好ましく、この場合にはコート層9の形成(積層)を容易に行うことができる。
前記樹脂成分は、直鎖状樹脂酸とセスキテルペン系樹脂酸がエステル結合した樹脂であるのが好ましい。前記直鎖状樹脂酸としては、特に限定されるものではないが、アロイリチン酸を用いるのが好ましい。前記セスキテルペン系樹脂としては、特に限定されるものではないが、シェロリン酸、ジャラール酸およびラクシジャラール酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂酸を用いるのが好ましい。
前記ワックス成分としては、特に限定されるものではないが、タカルジアセロール、ラクセロール、ミリシリアルコール、セリルアルコール、リグノセル酸、セロット酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびこれらの各エステル類からなる群より選ばれる1種または2種以上のワックスを用いるのが好ましい。
前記コート層9は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物層であるが、該樹脂成分およびワックス成分の両方を含有したものとしてシェラック樹脂が挙げられ、前記コート層9は、シェラック樹脂の熱硬化物層で形成されているのが好ましい。前記シェラック樹脂は、密着性に優れているので、疎水性微粒子の脱落をより十分に防止できる。
前記シェラック樹脂は、単に「シェラック(shellac)」とも呼称され、或いは「セラック樹脂」と呼称されることもある。前記シェラック樹脂は、昆虫(ラックカイガラ虫等のカイガラ虫科に属する昆虫など)から得られる天然樹脂(例えば該昆虫の分泌物を精製した天然樹脂等)である。
前記シェラック樹脂の市販品としては、特に限定されるものではないが、例えば、大阪印刷インキ製造株式会社製のシェラック樹脂等が挙げられる。前記大阪印刷インキ製造株式会社製のシェラック樹脂は、
i)シェロリン酸、ジャラール酸およびラクシジャラール酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂酸と、アロイリチン酸とがエステル結合した樹脂
ii)タカルジアセロール、ラクセロール、ミリシリアルコール、セリルアルコール、リグノセル酸、セロット酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびこれらの各エステル類からなる群より選ばれる少なくとも1種のワックス成分
iii)色素成分
上記i)の樹脂成分と、上記ii)のワックス成分と、上記iii)の色素成分を含有する。
前記コート層9の厚さは、0.5μm〜5μmであるのが好ましい。コート層9の厚さが0.5μm以上であることで疎水性微粒子の脱落を十分に防止できると共に、コート層9の厚さが5μm以下であることで十分なヒートシール性を確保できる。中でも、前記コート層9の厚さは、1μm〜2μmであるのが特に好ましい。
前記コート層9の樹脂組成物(熱硬化物)中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、色素成分などの添加剤等を含有していてもよい。前記色素成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、ラクセリン酸、タカルジアセリニン酸、エリスロラクシン、デソキシエリスロラクシン等が挙げられる。また、前記コート層9の内面には、内容物との接触面積を小さくさせることで撥水性をより高める観点から微細凹凸があった方が好ましいので、前記コート層9の樹脂組成物(熱硬化物)中に、無機物粒子(タルク粒子等)、樹脂ビーズなどの凹凸付与粒子を含有せしめてもよい。
前記コート層9の形成は、例えば、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物を準備し、これを前記熱封緘層5の表面(内面)に塗布した後、加熱を行って熱硬化させることによって行うことができる。前記樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、グラビアコート法、吹き付け法、バーコート法等が挙げられる。前記熱硬化のための加熱温度は、100℃〜160℃に設定するのが好ましい。前記熱硬化のための加熱時間は、5秒〜120秒に設定するのが好ましい。
前記内容物付着防止層6は、疎水性微粒子Sを主成分として含む層である。ここで、主成分とは、前記内容物付着防止層6における疎水性微粒子の含有率が50質量%〜100質量%であることを意味する。
前記内容物付着防止層6を構成する疎水性微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、疎水性シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化カルシウム微粒子、炭酸カルシウム微粒子、硫酸カルシウム微粒子、ケイ酸カルシウム微粒子等の疎水性無機微粒子などが挙げられる。中でも、前記疎水性微粒子としては、疎水性湿式シリカ微粒子を用いるのが好ましく、この場合には内容物付着防止性能をより向上させることができる。中でも、平均粒径が100nm〜5000nmである疎水性湿式シリカ微粒子を用いるのがより好ましく、また前記疎水性湿式シリカ微粒子の付着量は、0.3g/m2〜3.0g/m2であるのが好ましく、0.5g/m2〜1.2g/m2であるのがより好ましい。
前記内容物付着防止層6の形成は、例えば、溶媒中に疎水性微粒子を分散した分散液を調製し、これを前記コート層9の表面(内面)に塗布することによって行うことができる。分散液の調製に用いる溶媒は、下地のコート層9に対する疎水性微粒子の定着性、付着性を確保するために有機溶媒を用いるのが好ましい。中でも、極性基を有する有機溶媒を用いるのがより好ましい。なかでもアルコール類の使用が特に好適であり、コスト、安全性、疎水性微粒子の脱落防止効果等の面からエタノールやメタノールの使用が最も好適である。
前記分散液中における疎水性微粒子の分散濃度は、該微粒子の塗布量との関係を考慮して任意に設定しうるが、2質量%〜10質量%に設定するのが好ましい。2質量%以上であることで十分な量の疎水性微粒子の均一塗布が容易になると共に、10質量%以下であることで過剰量の塗布を防止できる。中でも、前記分散液中における疎水性微粒子の濃度は、3質量%〜6質量%に設定するのがより好ましい。
前記分散液の塗布方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、グラビアコート法、吹き付け法、バーコート法等が挙げられる。
上記構成の積層材20を1枚ないし複数枚を用いて本発明の包装体30が構成される。図1で示した包装体30は、2枚の積層材20で構成されていたが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば、包装体30は、1枚の積層材20で構成されていてもよい。
2枚の積層材20で構成された包装体30の製造方法について説明する。上記構成の積層材20を2枚準備する(図4参照)。これら2枚の平面視略矩形状で同じ大きさの積層材20を、図4に示すように、互いの内容物付着防止層6が向かい合うように(接触するように)重ね合わせて得た重ね合わせ物の三方の周縁部(積層材20の幅方向の両側の縁部及び長さ方向の一方側の縁部;ヒートシール予定部26)を加熱加圧することによって、前記重ね合わされた2枚の積層材20の熱封緘層5の前記三方の周縁部(図4でヒートシール予定部26)同士を熱融着させて接合して、長さ方向の他方の端縁部に開口部31を備えた三方袋形状の包装体30を得ることができる(図1参照)。
次に、1枚の積層材20で構成された包装体30の製造方法について説明する。上記構成の積層材20を1枚準備する。この平面視略矩形状の積層材20を、図5に示すようにその長さ方向(又は幅方向であってもよい)の中間位置で折り返し、前記内容物付着防止層6が向き合う態様で一方の半体部20Aの上に他方の半体部20Bを重ね合わせて得た重ね合わせ物の周縁部(積層材20の幅方向の両側の縁部;図5でヒートシール予定部26)を加熱加圧することによって、前記重ね合わされた積層材20の熱封緘層5の幅方向の両側の縁部(ヒートシール予定部26)同士を熱融着させて接合して、長さ方向の一方の端部に開口部31を備えた三方袋形状の包装体30を得ることができる。図5において、25は、内容物付着防止層6が向かい合うように積層材20が谷折りされた折り部である。
なお、ヒートシール部の幅は、0.5mm以上に設定するのが好ましい。0.5mm以上とすることで封止を確実に行うことができる。中でも、ヒートシール部の幅は、3mm〜15mmに設定するのが好ましい。
このように上記構成の積層材20を1枚ないし複数枚を用いて、内容物付着防止層6が対向するように(内部空間側に露出するように)重ね合わせて、例えば、図1に示すような三方袋、或いはガゼット袋等を構成して包装体30を得ることができ、該包装体30内に開口部31から食品等の内容物を充填した後、開口部31をヒートシールして封止することによって、内容物充填包装体を得ることができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに特に限定されるものではない。
<実施例1>
基材フィルム2として厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、その片面に厚さ30μmのアルミニウム箔3をポリウレタン系ドライラミネート接着剤により貼り合わせて基材層1を得た。
次に、上記基材層1のアルミニウム箔3側の表面にポリウレタン系ドライラミネート接着剤を用いて厚さ20μmのポリエチレンフィルム(中間樹脂層)4を積層接着した後、この中間樹脂層4の内面(基材層と反対側の面)に、押出直後のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)シーラントフィルムを重ね合わせて積層して厚さ35μmの熱封緘層5を形成して第1積層体を得た(図2参照)。
次に、前記第1積層体における熱封緘層5の内面(基材層と反対側の面)に、グラビアコート法により樹脂組成物液(シェラック樹脂10質量%、エタノール90質量%の組成)を塗布した後、140℃で60秒間加熱乾燥させることによって樹脂組成物液中のシェラック樹脂を熱硬化させて厚さ2μmのコート層9を形成した(図1参照)。前記シェラック樹脂としては、大阪印刷インキ製造株式会社製のシェラック樹脂溶液(JIS K5909で規定されるシェラック樹脂の1種(第1種)に該当するシェラック樹脂30質量%、エタノール70質量%)をエタノールで約3倍に薄めて使用した。なお、前記大阪印刷インキ製造株式会社製のシェラック樹脂は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、色素成分と、を含有する。
更に、前記コート層9の内面(基材層と反対側の面)に、平均粒径3μmの疎水性湿式シリカ微粒子をエタノール溶媒中に5質量%の分散濃度で分散させてなる分散液をグラビアコート法により塗布したのち強制乾燥させることによって、前記コート層9の表面(内面)に上記疎水性湿式シリカ微粒子からなる内容物付着防止層6を形成せしめて、図2に示す構成の積層材20を得た(但し、図2で示す印刷層7は設けていない構成である)。なお、前記疎水性湿式シリカ微粒子の乾燥後の付着量は、0.8g/m2であった。
次に、得られた図2に示す積層材20を縦10cm×横5cmの矩形状に裁断して得た平面視矩形状の積層材を内容物付着防止層6を上側にして配置し、該積層材を縦方向(長さ方向)における二等分中間位置で谷折りにして(図5参照)内容物付着防止層6が向き合うように一方の半体部20Aの上に他方の半体部20Bを重ね合わせ、この重ね合わせ状態で前記積層材の横方向の両側の縁部(図5でヒートシール予定部26)を150℃×0.2MPa×1.0秒のシール条件でヒートシールを行うことによって、二方袋形状の包装体30を得た(図1参照)。この包装体30は、前記谷折りされた折り部25の反対側に開口部31が設けられた包装体である。
<実施例2>
実施例1と同様にして基材層1を得た。次に、上記基材層1のアルミニウム箔3側の表面にアンカーコート剤(2液反応型ポリエステル系接着剤)を塗布量0.1g/m2で塗布した後、該アンカーコートの表面(内面)に、グラビアコート法によりラッカー型ヒートシール剤(酸変性ポリオレフィン80質量部、ワックス成分10質量部、粘着付与成分10質量部で配合してなるラッカー型ヒートシール剤)を塗布量が5g/m2となるように塗布して厚さ5μmの熱封緘層5を形成して第1積層体を得た(図2参照)。
以下、得られた第1積層体に対して実施例1と同様にして、図1に示す構成の包装体30を得た。
<実施例3>
樹脂組成物の塗布量を変更することによって厚さ3μmのコート層9を形成した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す構成の包装体30を得た。
<実施例4>
樹脂組成物の塗布量を変更することによって厚さ4μmのコート層9を形成した以外は、実施例1と同様にして、図1に示す構成の包装体30を得た。
<比較例1>
実施例1と同様にして第1積層体を得た後、第1積層体における熱封緘層5の表面(内面;即ち基材層と反対側の面)に、平均粒径3μmの疎水性湿式シリカ微粒子をエタノール溶媒中に5質量%の分散濃度で分散させてなる分散液をグラビアコート法により塗布したのち強制乾燥させることによって、前記熱封緘層5の表面(内面)に上記疎水性湿式シリカ微粒子からなる内容物付着防止層6を形成せしめて、内容物付着防止蓋材を得た。即ち、図2に示す積層構成においてコート層9を備えておらず、熱封緘層の内面に直接に疎水性湿式シリカ微粒子からなる内容物付着防止層が積層形成された構成の積層材を得た。得られた積層材に対して実施例1と同様にしてヒートシールを行って、図1に示す包装体を得た。
Figure 2019089595
上記のようにして得られた各包装体について下記評価法に基づいてシール部の耐久性を評価した。また、包装体に構成する途中で得られた各積層材について下記評価法に基づいて各種性能評価を行った。これらの結果を表1に示す。
<シール部の耐久性評価法>
得られた包装体30の中に開口部からヨーグルトを充填した後、前記開口部側の縁部を150℃×0.2MPa×1.0secのシール条件でヒートシールを行って封緘した。前記封緘した包装体を開口部を封緘した側(元の開口部側)を下側にして常温で7日間放置した後、シール部における漏れの有無を調べ、漏れのなかったものを「○」とし、漏れが少しでもあったものを「×」とした。
<内容物付着防止性能評価法>
得られた積層材20の内面(内容物付着防止層6の表面)の上に、アロエヨーグルト(森永乳業株式会社製 商標「森永アロエヨーグルト」)を約1gの液滴として滴下し、この試料を水平状態(傾斜角度が0度の状態)からゆっくりと傾けたときに上記液滴が「転がりはじめたときの傾斜角度」を測定して、次の判定基準で評価した。
(判定基準)
「◎」…転がりはじめたときの傾斜角度が15度未満
「○」…転がりはじめたときの傾斜角度が15度以上30度未満
「△」…転がりはじめたときの傾斜角度が30度以上45度未満
「×」…転がりはじめたときの傾斜角度が45度以上。
<疎水性微粒子の脱落防止性の評価法>
得られた積層材20の内面(内容物付着防止層6の表面)に、エタノールを染み込ませた布を巻き付けた重り(500g)を垂直に載せ、ゆっくりと長さ200mm擦って拭き取りを行い、拭き取り前後の質量差から、布に付着した疎水性微粒子の量(即ち疎水性微粒子の脱落量)を測定して、下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
「○」…布への微粒子の付着量が0.1g未満である
「△」…布への微粒子の付着量が0.1g以上0.2g未満である
「×」…布への微粒子の付着量が0.2g以上である。
<ヒートシール性能評価法>
得られた積層材20を15mm幅に切り出した試料を2枚準備し、これら2枚の試料を互いの内容物付着防止層6側(熱封緘層5側)が向き合うように(接触するように)重ね合わせた後、150℃×0.2MPa×1.0secのシール条件でヒートシールした。次いで、この試料(積層材)を180°の方向に100mm/分の速度で引っ張り、180°剥離時の最大荷重をヒートシール強度とした。
そして、コート層および内容物付着防止層を設けていない積層材におけるヒートシール強度を基準値として、上記各試料のヒートシール強度の低下率または増加率を下記判定基準に基づいて評価した。
(判定基準)
「◎」…強度低下又は増加が10%未満である
「○」…強度低下が10%以上20%未満である
「×」…強度低下が20%以上である。
<内容物付着防止層の表面(内面)状態の評価法>
内容物付着防止層の表面状態を目視で観察し、表面状態が均一で良好であるものを「○」とし、塗工ムラがあって表面状態が不均一であるものを「×」とした。
表1から明らかなように、本発明に係る実施例1〜4の包装体は、内容物付着防止性に優れていると共に、付着防止層の疎水性微粒子の脱落を生じ難いものであり、且つヒートシール性も良好であり、シール部の耐久性も良好であった。
これに対し、コート層を有しない比較例1では、付着防止層の疎水性微粒子の脱落をある程度生じており、内容物が包装体の内面に繰り返し接触した際には十分な内容物付着防止性能を維持できないものであった。
本発明に係る包装体は、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ジャム、コーヒー飲料(カフェラッテ等)等の食品を包装する食品用包装袋の他、塗料用包装袋、化粧品用包装袋、洗剤用包装袋として好適に使用されるが、特にこのような用途に限定されるものではない。
1…基材層
2…基材フィルム
3…金属箔
5…熱封緘層
6…内容物付着防止層
9…コート層
11…含浸層
20…積層材
25…折り部
30…包装体
31…開口部
S…疎水性微粒子

Claims (13)

  1. 少なくとも1枚の積層材を備えてなる包装体であって、
    前記積層材は、少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面にコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなり、
    前記コート層は、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなる層であり、
    前記内容物付着防止層が向かい合って配置された前記積層材の熱封緘層の周縁部同士が接合されてなることを特徴とする包装体。
  2. 前記樹脂組成物は、アルコール可溶性の樹脂組成物である請求項1に記載の包装体。
  3. 前記樹脂成分は、直鎖状樹脂酸とセスキテルペン系樹脂酸がエステル結合した樹脂である請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記直鎖状樹脂酸は、アロイリチン酸である請求項3に記載の包装体。
  5. 前記セスキテルペン系樹脂酸は、シェロリン酸、ジャラール酸およびラクシジャラール酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂酸である請求項3または4に記載の包装体。
  6. 前記ワックス成分は、タカルジアセロール、ラクセロール、ミリシリアルコール、セリルアルコール、リグノセル酸、セロット酸、ステアリン酸、パルミチン酸およびこれらの各エステル類からなる群より選ばれる1種または2種以上のワックス成分である請求項1〜5のいずれか1項に記載の包装体。
  7. 前記コート層の厚さが0.5μm〜5μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の包装体。
  8. 前記内容物付着防止層を構成する前記疎水性微粒子は、前記コート層側の一部が該コート層に含浸されていると共に前記コート層側と反対側の一部が露出している請求項1〜7のいずれか1項に記載の包装体。
  9. 前記熱封緘層の少なくとも内面が凹凸面である請求項1〜8のいずれか1項に記載の包装体。
  10. 前記疎水性微粒子は、平均粒径が100nm〜5000nmである疎水性湿式シリカ微粒子であり、該疎水性湿式シリカ微粒子の量が0.3g/m2〜3.0g/m2である請求項1〜9のいずれか1項に記載の包装体。
  11. 少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなるコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなる平面視略矩形状の積層材を準備する工程と、
    前記平面視略矩形状の積層材を、その長さ方向又は幅方向の中間で折り返して前記内容物付着防止層が向き合う態様で重ね合わせて得た重ね合わせ物の周縁部をヒートシールすることによって前記積層材の熱封緘層の周縁部同士を熱融着させて接合するヒートシール工程と、を含み、
    前記積層材の熱封緘層の周縁部同士の熱融着の際に、該周縁部同士の一部の領域を熱融着しないことで包装体の開口部を設けることを特徴とする包装体の製造方法。
  12. 少なくとも基材層と熱封緘層とを有し、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、を含む樹脂組成物の熱硬化物からなるコート層が積層され、該コート層のさらに内面に疎水性微粒子を主成分として含む内容物付着防止層が積層されてなる平面視略矩形状の積層材を2枚準備する工程と、
    前記2枚の積層材を互いの前記内容物付着防止層側が向き合う態様で重ね合わせて得た重ね合わせ物の周縁部をヒートシールすることによって前記2枚の積層材の互いの熱封緘層の周縁部同士を熱融着させて接合するヒートシール工程と、を含み、
    前記2枚の積層材の互いの熱封緘層の周縁部同士の熱融着の際に、該周縁部同士の一部の領域を熱融着しないことで包装体の開口部を設けることを特徴とする包装体の製造方法。
  13. 前記準備工程において、前記熱封緘層の内面に、複数の樹脂酸がエステル結合した樹脂成分と、ワックス成分と、アルコールと、を含む樹脂組成物液を塗布した後、加熱を行うことによって樹脂成分を熱硬化させて前記コート層を積層する請求項11または12に記載の包装体の製造方法。
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