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JP2018127376A - 耐火物煉瓦 - Google Patents

耐火物煉瓦 Download PDF

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敦久 飯田
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Abstract

【課題】耐割れ性と耐溶損性に優れ且つ熱伝導率の低いアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦を提供する。【解決手段】アルミナ原料を50〜70質量%、シリカ原料を20〜40質量%、鱗状黒鉛を2〜10質量%含有し、アルミナ原料のAl2O3含有量が70質量%以上、シリカ原料のSiO2含有量が20質量%以上であり、シリカ原料は、粒径2.8mm以下のろう石及び/又はムライトからなり、且つ粒径1mm超2.8mm以下と粒径1mm以下の質量比が2:0.5〜2:5である。好ましくは、アルミナ原料は、粒径2.8mm以下であり、且つ粒径1mm超2.8mm以下と粒径1mm以下の質量比が2:1〜2:3であり、鱗状黒鉛は、100メッシュ以下の粒度を有し、且つ粒度が1000メッシュ超100メッシュ以下と粒度が1000メッシュ以下の質量比が20:1〜20:10である。【選択図】なし

Description

本発明は、高炉鍋の内張りなどに好適なアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦に関する。
製鉄所において製銑工程や製鋼工程で使用される設備(精錬容器、搬送容器など)は、高温下で長期間の使用に耐えられるように耐火物が内張り施工されている。それらのなかで、溶銑予備処理工程において使用される高炉鍋は、天井に蓋が無く開かれた構造であり、受銑と溶銑払い出しが繰り返されるため、操業中における内張り耐火物の温度変化が大きい。このため高炉鍋のワークれんがには、長期間にわたって加熱と冷却が繰り返されても脆化しにくい等の理由から、アルミナ・ろう石(シリカ)・炭化珪素・カーボン質煉瓦が使用されている。
従来、高炉鍋の熱ロス低減策として、耐火物ライニングの断熱性強化の取り組みがなされており、ワークれんがの低熱伝導化も検討されてきた。しかし、ワークれんがの熱伝導率を低下させると、鉄皮からの放熱を低減できるが、ワークれんがの温度勾配が急激になるため割れ易くなる等の課題もある。そのため、ワークれんがの低熱伝導化においては、耐火物損傷状況を把握し、具備特性を特定して適切な材質を選定することが必要となる。
特許文献1には、アルミナ・ろう石(シリカ)・炭化珪素・カーボン質煉瓦の化学成分について、Al量が50〜85質量%、SiO量が3〜25質量%、C量が3〜20質量%、その他の成分が10質量%以下となるように原料を配合すれば、ろう石が有する低熱間応力を利用することにより、高温下で発生する熱間応力を抑制できるので目地損傷を防止でき、炉寿命を向上できることが記載されている。
また、特許文献2には、Al、SiO、SiCを含む耐火性原料を60〜99質量%、C質原料を1〜40質量%とし、溶銑予備処理スラグ、高炉スラグ及び灰溶融スラグから選択される少なくとも1種を含むスラグ組成物を外掛けで0.1〜10質量%含有する炭素含有煉瓦は、スラグコーティング層の剥落を防止でき、耐用を改善できることが記載されている。
特開平6−293560号公報 特開2003−221271号公報
しかし、本発明者らの試験結果によれば、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質煉瓦の耐用性(耐割れ性、耐溶損性など)を向上させるには、シリカ原料の粒度分布、さらに好ましくはアルミナ原料やカーボン原料の粒度分布を最適化することが重要であることが判った。特許文献1、2に記載の耐火物煉瓦では、そのような原料粒度分布の最適化を行っておらず、このため優れた耐用性は得られない。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、耐割れ性と耐溶損性に優れ、且つ熱伝導率の低いアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物煉瓦を提供することにある。
上述したように、本発明者らは、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質煉瓦の耐用性(耐割れ性、耐溶損性など)を向上させるには、シリカ原料の粒度分布、さらに好ましくはアルミナ原料やカーボン原料の粒度分布を最適化することが重要であることを見出した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物からなる煉瓦において、
アルミナ原料を50〜70質量%、シリカ原料を20〜40質量%、鱗状黒鉛を2〜10質量%含有し、
アルミナ原料のAl含有量が70質量%以上、シリカ原料のSiO含有量が20質量%以上であり、
シリカ原料は、粒径2.8mm以下のろう石及び/又はムライトからなり、且つ粒径1mm超2.8mm以下のシリカ原料(a1)と粒径1mm以下のシリカ原料(a2)の質量比(a1)/(a2)が2:0.5〜2:5であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[2]上記[1]の耐火物煉瓦において、アルミナ原料は、粒径2.8mm以下であり、且つ粒径1mm超2.8mm以下のアルミナ原料(b1)と粒径1mm以下のアルミナ原料(b2)の質量比(b1)/(b2)が2:1〜2:3であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[3]上記[1]又は[2]の耐火物煉瓦において、鱗状黒鉛は、100メッシュ以下の粒度を有し、且つ粒度が1000メッシュ超100メッシュ以下の鱗状黒鉛(c1)と粒度が1000メッシュ以下の鱗状黒鉛(c2)の質量比(c1)/(c2)が20:1〜20:10であることを特徴とする耐火物煉瓦。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの耐火物煉瓦において、さらに、金属粉末原料を含有することを特徴とする耐火物煉瓦。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの耐火物煉瓦において、全原料の粒度分布係数qが0.6〜1.0であることを特徴とする耐火物煉瓦。
本発明のアルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質耐火物煉瓦は、優れた耐割れ性と耐溶損性を有するとともに、低熱伝導性を有する。
実施例での耐火物煉瓦の製造工程を示す説明図
本発明の耐火物煉瓦は、アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物、すなわちアルミナ、シリカ、炭化珪素及びカーボンを主成分とする耐火物からなる煉瓦であって、アルミナ原料を50〜70質量%、シリカ原料を20〜40質量%、鱗状黒鉛を2〜10質量%含有する。また、アルミナ原料は、Al含有量が70質量%以上である。さらに、シリカ原料は、SiO含有量が20質量%以上であり、粒径2.8mm以下のろう石及び/又はムライトからなり、且つ粒径1mm超2.8mm以下のシリカ原料(a1)と粒径1mm以下のシリカ原料(a2)の質量比(a1)/(a2)が2:0.5〜2:5である。
ここで、本発明が規定するアルミナ原料及びシリカ原料の粒径に関して、粒径2.8mm以下の原料とは、篩目2.8mm(呼び径)の篩で篩った篩下の原料を意味する。また、粒径1mm以下の原料とは、篩目1mm(呼び径)の篩で篩った篩下の原料を意味し、粒径1mm超の原料とは、同じく篩上の原料を意味する。また、本発明で規定する含有量や粒度比率などの数値は、小数点以下を四捨五入した数値である。
アルミナ原料の含有量(配合量)が50質量%未満では、アルミナ原料による耐溶損効果が十分に得られず、スラグの侵食を抑制できなくなり、耐溶損性が低下する。一方、アルミナ原料の含有量(配合量)が70質量%を超えると、骨材の含有量が多過ぎるため、成形できない恐れがある。このためアルミナ原料の含有量(配合量)は50〜70質量%とする必要がある。
アルミナ原料としては、バン土頁岩、ホワイトアルミナ、ブラウンアルミナなどの1種以上を用いることができる。
シリカ原料は、ろう石及び/又はムライトからなるが、その含有量(配合量)が20質量%未満では、耐溶損性は維持できるものの、耐割れ性が低下する。ろう石やムライト中の石英(SiO)が高温下で相転移する際、膨張により微細亀裂を生成させ、これらの微細亀裂が弾性率を低下させ、強度/弾性率比に比例する熱衝撃破壊抵抗が大きくなる。シリカ原料の含有量が20質量%未満では、膨張量が少なく微細亀裂が生成しないため、熱衝撃破壊抵抗も大きくならず、耐割れ性が低下する。一方、シリカ原料の含有量(配合量)が40質量%を超えると耐溶損性が大幅に劣化する。このためシリカ原料の含有量(配合量)は20〜40質量%とする必要がある。
鱗状黒鉛は、含有量(配合量)が10質量%以下では熱伝導率が殆ど一定であるが、10質量%を超えると熱伝導率が急激に高まる。一方、鱗状黒鉛の含有量(配合量)が2質量%未満では、耐割れ性が大幅に低下する。このため、低熱伝導化と高耐割れ性を両立させるために、鱗状黒鉛の含有量(配合量)は2〜10質量%とする必要がある。
アルミナ原料のAl含有量(純度)が70質量%未満では、スラグの侵食を抑制できず、耐溶損性が低下する。すなわち、Alは融点が2000℃以上の高融点物質であり、比較的広い組成範囲のスラグに対して優れた耐溶損効果をもたらすことから、アルミナ原料のAl含有量が70質量%未満ではスラグに対する耐溶損効果が適切に得られない。このためアルミナ原料のAl含有量は70質量%以上とする。一方、アルミナ原料の純度が高いほど耐溶損性の向上が期待でき、好適であるが、高純度のアルミナ原料は高価となるため、Al含有量が99.7質量%程度までのアルミナ原料が好適に使用できる。
シリカ原料のSiO含有量(純度)が20質量%未満では、耐割れ性が悪化する。このためシリカ原料のSiO含有量は20質量%以上とする。一方、シリカ原料の純度が高いほど耐割れ性の向上が期待でき、好適であるが、高純度のシリカ原料は高価となるため、SiO含有量が90質量%程度までのシリカ原料が好適に使用できる。また、シリカ原料は、その粒径を2.8mm以下とすることにより、最適な充填密度を得ることができる。
さらに、このシリカ原料の粒度条件としては、粒径1mm超2.8mm以下の粗粒状のシリカ原料(a1)と粒径1mm以下の細粒状のシリカ原料(a2)の質量比(a1)/(a2)を2:0.5〜2:5とする必要があり、これにより耐溶損性と耐割れ性の向上を図ることができる。すなわち、この粒度条件を満足すれば、スラグが浸透する粒界面積を小さくでき、且つ煉瓦組織内のマトリックス中に粒径1mm以下の骨材が存在することになるため、マトリックス中へのスラグ浸透を抑制でき、耐溶損性を維持できる。また、煉瓦の緻密化が進行し過ぎないため、動弾性率の大幅な上昇を抑制でき、耐割れ性が向上する。すなわち、粗粒状のシリカ原料(a1)に対する細粒状のシリカ原料(a2)の割合が質量比(a1)/(a2)=2:0.5を下回ると、煉瓦組織内のマトリックス中へのスラグの浸透が生じやすくなるため、耐溶損性が低下する。一方、粗粒状のシリカ原料(a1)に対する細粒状のシリカ原料(a2)の割合が質量比(a1)/(a2)=2:5を上回ると、煉瓦が過剰に緻密化して動弾性率が上昇し、耐割れ性が低下する。以上の観点から、より好ましい質量比(a1)/(a2)は2:1〜2:3である。
シリカ原料を以上のような粒度比率に調整するには、例えば、シリカ原料を呼び径2.8mmの篩と呼び径1mmの篩で順次篩分けして、粒径1mm超2.8mm以下のシリカ原料(a1)と、粒径1mm以下のシリカ原料(a2)に分級し、それらを質量比(a1)/(a2)が2:0.5〜2:5となるように配合することで粒度調整する。
以上の条件を満足することで高耐割れ性と高耐溶損性を両立できるが、さらに耐火物煉瓦の性能を高めるには、以下のような条件を満足することが好ましい。
アルミナ原料は、粒径2.8mm以下であり、且つ粒径1mm超2.8mm以下の粗粒状のアルミナ原料(b1)と粒径1mm以下の細粒状のアルミナ原料(b2)の質量比(b1)/(b2)が2:1〜2:3であることが好ましい。
アルミナ原料は、その粒径を2.8mm以下とすることにより、最適な充填密度を得ることができる。
また、粗粒状のアルミナ原料(b1)と細粒状のアルミナ原料(b2)の質量比(b1)/(b2)を2:1〜2:3とすることにより、より優れた耐割れ性と耐溶損性を得ることができる。すなわち、さきに述べたシリカ原料の粒度比率の最適化によって得られる作用効果が、アルミナ原料の粒度比率の最適化によってさらに高められるため、耐割れ性と耐溶損性がさらに向上することになる。
アルミナ原料を以上のような粒度比率に調整するには、例えば、アルミナ原料を呼び径2.8mmの篩と呼び径1mmの篩で順次篩分けして、粒径1mm超2.8mm以下のアルミナ原料(b1)と、粒径1mm以下のアルミナ原料(b2)に分級し、それらを質量比(b1)/(b2)が2:1〜2:3となるように配合することで粒度調整する。
鱗状黒鉛は、100メッシュ以下の粒度を有し、且つ粒度が1000メッシュ超100メッシュ以下の鱗状黒鉛(c1)と粒度が1000メッシュ以下の鱗状黒鉛(c2)の質量比(c1)/(c2)が20:1〜20:10であることが好ましい。
鱗状黒鉛がこのような粒度比率を満足することにより、成形する際に煉瓦の緻密化が進行し過ぎないため、動弾性率の大幅な上昇を抑制でき、耐割れ性をより高めることができる。
鱗状黒鉛を以上のような粒度比率に調整するには、例えば、鱗状黒鉛を100メッシュ(150μm)の篩と1000メッシュ(13μm)の篩で順次篩分けして、1000メッシュ(13μm)超100メッシュ(150μm)以下の鱗状黒鉛(c1)と、1000メッシュ(13μm)以下の鱗状黒鉛(c2)に分級し、それらを質量比(c1)/(c2)が20:1〜20:10となるように配合することで粒度調整する。
本発明の耐火物煉瓦において、炭化珪素の含有量(配合量)は特に規定しないが、通常、2〜8質量%程度が好ましい。炭化珪素の含有量(配合量)が2質量%未満では、カーボンの酸化を防止できないおそれがあり、一方、8質量%を超えると、耐火物煉瓦をトータルFe量の高いスラグに対して使用した場合の耐溶損性が低下するおそれがある。
本発明の耐火物煉瓦は、製鉄容器からの放熱量を抑制しながら、耐用性を高くすることを目的として、さらに金属粉末原料を含有(配合)することができる。金属粉末原料としては、例えば、金属Si、金属Al、金属Al−Si、AlSiC、BCなどが挙げられ、これらの1種以上を含有させることができる。金属粉末原料の含有量(配合量)は特に規定しないが、通常、1〜5質量%程度が好ましい。金属粉末原料の含有量(配合量)が1質量%未満では、金属粉末原料を配合することによる耐用性の向上効果が十分に得られず、一方、5質量%を超えると、強度が高くなりすぎるため、実機で使用した際に亀裂が発生し易くなって煉瓦が割れ易くなり、実機での使用回数が低下するおそれがある。
本発明の耐火物煉瓦は、全原料の粒度分布係数q(Andreasen式の分布係数q)が0.6〜1.0であることが好ましく、これにより耐割れ性をさらに高めることができる。全原料の粒度分布係数qは、下記(1)式のAndreasenの分布係数qである。
Andreasen式中のDは各粒度区分の最大粒径、Dmaxは全粒子の最大粒径、Wは通過質量百分率(%)を表す。最大粒径Dmaxは全粒子中の最大粒径となる2.8mmとし、通過算質量百分率Wは、原料含有量から(2)式〜(7)式を用いて求める。
下記(1)式において両辺の対数を取ると、左辺はlogW、右辺はq×log(D/Dmax)+log100となる。横軸にlog(D/Dmax)、縦軸にlogWを取り、通過質量百分率の対数logWの偏差の自乗和が最小となるような最小自乗法を用いて累乗近似曲線の傾きqを求める。
Figure 2018127376
粒度分布係数qが0.6未満では、成形する際に煉瓦の緻密化が進行し過ぎるため、動弾性率が上昇し、耐割れ性には不利な条件となる。一方、粒度分布係数qが1.0を超えると、成形する際に成形体の充填密度が高くならず、煉瓦組織中の気孔の割合が増加し、成形し難くなる恐れがある。
全原料の粒度分布を以上のような粒度分布係数qの範囲に調整するには、例えば、所定の原料配合で原料を調整後に、各原料のサンプルの粒度分布を求め、これから原料全体の粒度分布を求めた上で、上記(1)式から粒度分布係数qを求める。そして、例えば、qが0.6未満であった場合は、粒径1mm超2.8mm以下のアルミナ原料やシリカ原料を加えて、粒度分布係数qが0.6以上となるように調整する。
以下、本発明の耐火物煉瓦の製造方法について説明する。
本発明の成分条件を満足するように原料を配合し、煉瓦に成形するための耐火物原料とし、これにバインダーを加えて混練し、次いで、煉瓦の形状に成形(プレス成型)した後、通常、キュアリング(乾燥)を施して製品煉瓦(不焼成煉瓦)とする。このキュアリングは還元雰囲気で行ってもよい。また、キュアリング後、さらに還元焼成(コーキング処理)を施して製品煉瓦(焼成煉瓦)としてもよい。通常、キュアリング(乾燥)は200〜230℃で18〜48時間程度行われ、還元焼成(コーキング処理)は1400〜1500℃で3〜5時間程度行われる。
バインダーとしては、例えば、フェノールレジン(主剤)+ヘキサミン(硬化剤)、カーボンボンド、セラミックボンドなどが用いられる。バインダーの添加量は、例えばフェノールレジン(主剤)+ヘキサミン(硬化剤)の場合では、通常、耐火物原料に対する外掛けでフェノールレジンを3質量%、ヘキサミンを0.3質量%程度とする。
本発明の耐火物煉瓦は、種々の設備や容器の耐火物として使用できるが、なかでも、製鉄所の精錬設備や溶解物(溶銑、スラグ)の搬送容器の内張り耐火物として好適であり、特に、溶銑予備処理に使用される高炉鍋用の内張り耐火物(ワーク煉瓦)として好適である。
表1に、本実施例で使用した4種類のAl原料の組成を示す。これら4種類のAl原料は、各発明例、比較例の条件に合わせて粒度を調整した。
表2にSiO原料として使用した3種類のろう石と、2種類のムライトの組成を示す。これら5種類のSiO原料は、各発明例、比較例の条件に合わせて粒度を調整した。
SiO原料、Al原料、鱗状黒鉛の各粒度比率、全原料の粒度分布係数qは、さきに述べたようにして調整した。
耐火物原料としてAl原料、SiO原料、炭化珪素、鱗状黒鉛、金属粉末(金属Si及び金属Al)を表3〜表10に示す割合で配合した耐火物煉瓦を、図1に示す製造プロセスで製造した。耐火物原料を混練・成型するにあたり、バインダーとして、耐火物原料に対する外掛けでフェノールレジンを3質量%、ヘキサミンを0.3質量%配合した。
製造された耐火物煉瓦について、熱伝導率を測定するとともに、耐割れ性と耐溶損性を評価した。これらの評価方法は以下の通りである。
耐割れ性については、30×30×100mmの試料の長手方向の動弾性率EをJIS R1605に示された超音波パルス法に準拠して測定した後、1500℃で10分間の加熱、5分間の水冷、10分間の大気冷却を1サイクルとしたスポーリングを3サイクル繰り返し、スポーリング終了後に再度、動弾性率Eを測定し、試験前後での動弾性率の変化率E/Eを求め、この変化率E/Eを指標として評価し、E/E≧0.6を合格とした。
耐溶損性については、高周波誘導炉を用いた内張り張り分け法で評価した。試験温度は1500℃とし、表11に示す合成スラグを1時間毎に4回投入した。試験後に溶損量を測定し、表4中の発明例1−1の溶損量を100として溶損指数を求め、120未満を合格とした。
熱伝導率は、10(W/m/K)以下を合格とした。
なお、表3〜表10に記載の原料の粒径・粒度については、「2.8−1」(mm)が粒径2.8mm以下1mm超を、「−1」(mm)が粒径1mm以下を、「−100mesh」が粒度1000メッシュ超100メッシュ以下を、「−1000mesh」が粒度1000メッシュ以下を、「−180mesh」が粒度180メッシュ以下を、「−325mesh」が粒度325メッシュ以下を、それぞれ意味する。
Figure 2018127376
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Figure 2018127376

Claims (5)

  1. アルミナ・シリカ・炭化珪素・カーボン質の耐火物からなる煉瓦において、
    アルミナ原料を50〜70質量%、シリカ原料を20〜40質量%、鱗状黒鉛を2〜10質量%含有し、
    アルミナ原料のAl含有量が70質量%以上、シリカ原料のSiO含有量が20質量%以上であり、
    シリカ原料は、粒径2.8mm以下のろう石及び/又はムライトからなり、且つ粒径1mm超2.8mm以下のシリカ原料(a1)と粒径1mm以下のシリカ原料(a2)の質量比(a1)/(a2)が2:0.5〜2:5であることを特徴とする耐火物煉瓦。
  2. アルミナ原料は、粒径2.8mm以下であり、且つ粒径1mm超2.8mm以下のアルミナ原料(b1)と粒径1mm以下のアルミナ原料(b2)の質量比(b1)/(b2)が2:1〜2:3であることを特徴とする請求項1に記載の耐火物煉瓦。
  3. 鱗状黒鉛は、100メッシュ以下の粒度を有し、且つ粒度が1000メッシュ超100メッシュ以下の鱗状黒鉛(c1)と粒度が1000メッシュ以下の鱗状黒鉛(c2)の質量比(c1)/(c2)が20:1〜20:10であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火物煉瓦。
  4. さらに、金属粉末原料を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
  5. 全原料の粒度分布係数qが0.6〜1.0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の耐火物煉瓦。
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