JP7377635B2 - 溶銑鍋用れんが及びこれをライニングした溶銑鍋 - Google Patents
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Description
しかしながら、ろう石は、パイロフィライトを主体として石英、カオリナイト、セイサイトなどの副構成鉱物も含んでおり、これらのうちの石英は前述のようにれんがに残存膨張を与えるが、ろう石を20質量%含有する場合、ろう石中のパイロフィライトやアルカリ成分、及び他の原料中の不純物により、れんが中の液相生成量が増加するため耐食性が低下する問題がある。
一方、珪石を25質量%含有する場合、シリカ成分の増加が耐スラグ侵食性の低下に直結し、寿命の低下を生じることになる。さらに、れんが中のアルミナ骨材とシリカ成分と他の低融成分(酸化鉄、アルカリ等)との反応により生成する液相の増加で焼結が促進され、れんがの緻密化や塑性変形を生じる。その結果、長期間の使用による稼働面側の変質や、焼結進行に伴う緻密化が進み、末期には亀裂や剥離、目地開きに伴う目地への溶銑侵入が表面化し、耐用不安定を生じることになる。
1.
耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理して得られる溶銑鍋用れんがであって、
耐火原料配合物は、粒度1mm以上5mm未満の珪石を5質量%以上20質量%以下、アルミナ質原料を45質量%以上80質量%以下、黒鉛を5質量%以上20質量%以下、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を0.3質量%以上4質量%以下含有すると共に、炭化珪素の含有率が20質量%以下(0を含む)、粒度1mm以上5mm未満のろう石の含有率が10質量%以下(0を含む)であり、
かつ、粒度1mm以上5mm未満のろう石を含有する場合、粒度1mm以上5mm未満の珪石の含有率との合計が20質量%以下であり、しかも目地を設けてライニングされることで目地開きを抑制できる、溶銑鍋用れんが。
2.
アルミナ質原料は、バンケツ、ボーキサイト、ムライト、焼結アルミナ、及び電融アルミナから選択される1種又は2種以上である、前記1に記載の溶銑鍋用れんが。
3.
さらにシリコン、炭化ホウ素、ガラス粉末、マグネシア、カーボンブラック、ピッチ粉末のうち1種又は2種以上を耐火原料配合物100質量%中に占める割合として合量で5質量%以下含有することを特徴とする前記1又は2に記載の溶銑鍋用れんが。
4.
前記1乃至3のいずれか1項に記載の溶銑鍋用れんがをライニングした溶銑鍋。
また、本発明の溶銑鍋用れんがはマトリックス部に黒鉛を含有しており、粒度1mm未満の微粒の珪石の膨張はこのマトリックス部に一部が吸収されるため、れんが全体としては十分な残存膨張効果が得られないことになる。これに対して、粒度1mm以上の粗粒の珪石は、その珪石の粗粒及びアルミナ質原料の粗粒と接する部分が多いこと、さらには粗粒どうしの距離が近いことから珪石の膨張は黒鉛の多いマトリックス部にほとんど吸収されることなく、れんが全体を膨張することができる。
ただし、粒度1mm未満の珪石は、粒度1mm以上5mm未満の珪石との合量を100質量%としたときに20質量%以下であれば含有していても大きな影響がないため許容できる。また、粒度5mm以上の珪石も少量であれば許容でき、例えば5質量%以下とすることができる。
耐火原料配合物100質量%中に占める割合で、粒度1mm以上5mm未満の珪石の含有率が5質量%未満では残存膨張の効果が不十分となり、20質量%を超えると耐食性が低下する。
アルミナ質原料としては、バンケツ、ボーキサイト、ムライト、焼結アルミナ、及び電融アルミナから選択される1種又は2種以上を好適に使用することができる。具体的には、バンケツはAl2O3含有率が80質量%以上のものを、ボーキサイトはAl2O3含有率が85質量%以上のものを、ムライトはAl2O3含有率が65質量%以上のものを、焼結アルミナはAl2O3含有率が95質量%以上のものを、電融アルミナはAl2O3含有率が95質量%以上のものを、それぞれ好適に使用することができる。
これらのアルミナ質原料は、使用される溶銑鍋の操業条件に応じて選択することができ、単独あるいは複数のアルミナ質原料を併用して使用することができる。また、焼結アルミナや電融アルミナよりも不純物の多いバンケツやボーキサイトを使用する場合には、珪石あるいはろう石の使用量を少なくすることで耐食性の低下を抑制することができる。
なお、アルミナ質原料は、微粒(粒度1mm未満)から粗粒(粒度1mm以上)までの全粒度範囲で使用することができる。
黒鉛としては、鱗状黒鉛等、耐火物の原料として通常使用されているものを使用することができ、粒度0.5mm未満のものを好適に使用することができる。
これらアルミニウム、アルミニウム合金、及び後述するシリコン等のその他の金属としても、耐火物の原料として通常使用されているものを使用することができ、粒度0.1mm未満のものを好適に使用することができる。なお、アルミニウム合金としてはアルミニウムマグネシウム合金、アルミニウムシリコン合金等が挙げられる。
ろう石としても、耐火物の原料として通常使用されているものを使用することができ、その粒度は珪石と同様に1mm以上5mm未満のものを好適に使用することができる。なお、ろう石には熱処理した焼ろう石もあるが、本発明では熱処理を行わないものを使用する。
炭化珪素としては、SiC含有率が85質量%以上のもので、粒度0.3mm未満のものを好適に使用することができる。
そして、この溶銑鍋用れんがをライニングすることで、本発明の溶銑鍋を得ることができる。
なお、表1及び表2において、電融アルミナ及び焼結アルミナはAl2O3含有率が97質量%、バンケツはAl2O3含有率が82質量%、ボーキサイトはAl2O3含有率が87質量%、電融ムライトはAl2O3含有率が66質量%のものを使用し、珪石はSiO2含有率が97質量%のものを使用した。また、ろう石としてはAl2O3含有率が17質量%の低アルカリろう石を使用し、炭化珪素としてはSiC含有率が90質量%のものを使用した。さらに、鱗状黒鉛は固定炭素が85質量%のものを、ガラス粉末としては硼珪酸ガラスを、マグネシアはMgO含有率が95質量%の電融マグネシアを、ピッチは軟化点が230度のものを使用した。
見掛気孔率は、50×50×50mmの角柱試料を用い、溶媒を白灯油としJIS R 2205に準拠して測定した。圧縮強さは、50×50×50mmの角柱試料を用い、JIS R 2206に準拠して測定した。
残存膨張率は、直径50mm×高さ50mmの円柱試料を用い、0.2MPaの荷重下で1400℃×3時間保持の熱処理前後の試料の高さの変化から測定した。
耐食性は上底45×下底105×高さ60×長さ120mmの台形れんが形状の試料を用い、回転スラグ侵食試験法により、1500℃×1時間侵食を5回繰り返し、試験前後の試料中心線厚さの差異(mm)から侵食量(mm)を求めた。侵食剤としては銑鉄とC/S=1.1の高炉スラグを使用した。表1及び表2において耐食性は比較例4の侵食量(mm)を100として指数で表示した。この指数が小さいほど耐食性に優れるということである。
耐熱衝撃性の評価においては、40×40×190mmの大きさの試料を、1400℃×3時間還元焼成の後、1500℃の溶銑に90秒浸漬後、30秒水冷の熱衝撃を10回繰り返す試験を行い、亀裂・剥落の状態を観察した。表中で、「優」は試験後に亀裂・剥落がなかったもの、「良」は軽微な亀裂・剥落が発生したもの、「可」は中程度の亀裂・剥落が発生したもの、「不可」は大きな亀裂・剥落が発生したものである。
なお、総合的な合否については、残存膨張率が1.20%以上、耐食性指数が100以下、及び耐熱衝撃性が「優」、「良」又は「可」のものを合格、残存膨張率が1.20%未満、耐食性指数が100超、又は耐熱衝撃性が「不可」のものを不合格とした。
比較例3は、粒度1mm未満の珪石を15質量%使用したものであるが、実施例3と比較して残存膨張率が小さく、耐食性も劣る結果となった。
比較例4は珪石の代わりに粒度1mm以上5mm未満のろう石を使用したものであるが、残存膨張率が不足する結果となった。
比較例5は、ろう石を4質量%含有しているが珪石が3質量%と本発明の下限値を下回っており残存膨張が不足している。
比較例6はアルミナ質原料の含有率が37質量%と本発明の下限値を下回っており、耐食性に劣る結果となり、比較例7はアルミナ質原料の含有率が85質量%と本発明の上限値を上回っており耐熱衝撃性が劣る結果であった。
Claims (4)
- 耐火原料配合物に有機バインダーを添加して混練し成形後、熱処理して得られる溶銑鍋用れんがであって、
耐火原料配合物は、粒度1mm以上5mm未満の珪石を5質量%以上20質量%以下、アルミナ質原料を45質量%以上80質量%以下、黒鉛を5質量%以上20質量%以下、アルミニウム及び/又はアルミニウム合金を0.3質量%以上4質量%以下含有すると共に、炭化珪素の含有率が20質量%以下(0を含む)、粒度1mm以上5mm未満のろう石の含有率が10質量%以下(0を含む)であり、
かつ、粒度1mm以上5mm未満のろう石を含有する場合、粒度1mm以上5mm未満の珪石の含有率との合計が20質量%以下であり、しかも目地を設けてライニングされることで目地開きを抑制できる、溶銑鍋用れんが。 - アルミナ質原料は、バンケツ、ボーキサイト、ムライト、焼結アルミナ、及び電融アルミナから選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の溶銑鍋用れんが。
- さらにシリコン、炭化ホウ素、ガラス粉末、マグネシア、カーボンブラック、ピッチ粉末のうち1種又は2種以上を耐火原料配合物100質量%中に占める割合として合量で5質量%以下含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶銑鍋用れんが。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の溶銑鍋用れんがをライニングした溶銑鍋。
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