[go: up one dir, main page]

JP2018065659A - 糸巻取装置及び糸継方法 - Google Patents

糸巻取装置及び糸継方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018065659A
JP2018065659A JP2016205406A JP2016205406A JP2018065659A JP 2018065659 A JP2018065659 A JP 2018065659A JP 2016205406 A JP2016205406 A JP 2016205406A JP 2016205406 A JP2016205406 A JP 2016205406A JP 2018065659 A JP2018065659 A JP 2018065659A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
package
winding
unit
seed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016205406A
Other languages
English (en)
Inventor
平幸 川幡
Hirayuki Kawabata
平幸 川幡
慎治 白井
Shinji Shirai
慎治 白井
蛭川 正夫
Masao Hirukawa
正夫 蛭川
中村 陽一
Yoichi Nakamura
陽一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Machinery Ltd
Original Assignee
Murata Machinery Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Machinery Ltd filed Critical Murata Machinery Ltd
Priority to JP2016205406A priority Critical patent/JP2018065659A/ja
Priority to CN201710914897.2A priority patent/CN107963518B/zh
Priority to EP17196775.5A priority patent/EP3312117B1/en
Publication of JP2018065659A publication Critical patent/JP2018065659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/04Arrangements for removing completed take-up packages and or replacing by cores, formers, or empty receptacles at winding or depositing stations; Transferring material between adjacent full and empty take-up elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/08Automatic end-finding and material-interconnecting arrangements
    • B65H67/081Automatic end-finding and material-interconnecting arrangements acting after interruption of the winding process, e.g. yarn breakage, yarn cut or package replacement
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H51/00Forwarding filamentary material
    • B65H51/20Devices for temporarily storing filamentary material during forwarding, e.g. for buffer storage
    • B65H51/22Reels or cages, e.g. cylindrical, with storing and forwarding surfaces provided by rollers or bars
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H54/00Winding, coiling, or depositing filamentary material
    • B65H54/02Winding and traversing material on to reels, bobbins, tubes, or like package cores or formers
    • B65H54/22Automatic winding machines, i.e. machines with servicing units for automatically performing end-finding, interconnecting of successive lengths of material, controlling and fault-detecting of the running material and replacing or removing of full or empty cores
    • B65H54/26Automatic winding machines, i.e. machines with servicing units for automatically performing end-finding, interconnecting of successive lengths of material, controlling and fault-detecting of the running material and replacing or removing of full or empty cores having one or more servicing units moving along a plurality of fixed winding units
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/04Arrangements for removing completed take-up packages and or replacing by cores, formers, or empty receptacles at winding or depositing stations; Transferring material between adjacent full and empty take-up elements
    • B65H67/0405Arrangements for removing completed take-up packages or for loading an empty core
    • B65H67/0417Arrangements for removing completed take-up packages or for loading an empty core for loading an empty core
    • B65H67/0422Arrangements for removing completed take-up packages or for loading an empty core for loading an empty core for loading a starter winding, i.e. a spool core with a small length of yarn wound on it; preparing the starter winding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/08Automatic end-finding and material-interconnecting arrangements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Replacing, Conveying, And Pick-Finding For Filamentary Materials (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

【課題】給糸部と巻取部との間に糸継装置及び糸貯留装置を有する巻取ユニットを備えた糸巻取装置において、パッケージの生産効率を向上させる。【解決手段】巻取ユニット2は、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、パッケージP側の糸Yを糸貯留装置30に通してから糸継装置22に導く誘導機構7を有しており、玉揚装置3は、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、糸Yが引き出される方向に回転しているパッケージPの糸Yを、誘導機構7に導く糸渡し機構8を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、給糸部と巻取部との間に糸継装置及び糸貯留装置を有する巻取ユニットを備えた糸巻取装置、及び、当該糸巻取装置における糸継方法に関する。
例えば特許文献1に記載されているように、給糸部から供給される糸を巻取部で巻き取ってパッケージを形成する巻取ユニットを備えた糸巻取装置であって、給糸部と巻取部との間に糸継ぎを行う糸継装置が設けられるとともに、糸継装置と巻取部との間に一時的に糸を貯留する糸貯留装置が設けられたものが知られている。このような糸巻取装置においては、パッケージと糸貯留装置との間で糸が切れた場合のように、パッケージと糸貯留装置との間で糸が分断されている状態から巻取りを行う際には、パッケージ側の糸と給糸部側の糸とを糸継装置で糸継ぎしてから巻取りが開始(再開)される。
特開2016−47764号公報
しかしながら、パッケージ側の糸を糸継装置に導くためには、作業者がパッケージ側の糸を糸貯留装置に通す必要があり、手間を要する作業となっていた。このため、巻取りを開始(再開)するまでの時間が長くなり、パッケージの生産効率を低下させる要因となっていた。
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、給糸部と巻取部との間に糸継装置及び糸貯留装置を有する巻取ユニットを備えた糸巻取装置において、パッケージの生産効率を向上させることを目的とする。
本発明の第1態様は、給糸部から引き出される糸を巻取部で巻取管に巻き取ってパッケージを形成する巻取ユニットと、前記巻取ユニットから巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置と、を備える糸巻取装置であって、前記巻取ユニットは、糸走行方向において前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、前記給糸部側の糸と前記巻取部側の糸との糸継ぎを行う糸継装置と、糸走行方向において前記糸継装置と前記巻取部との間に設けられ、糸を一時的に貯留する糸貯留装置と、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、前記パッケージ側の糸を前記糸貯留装置に通してから前記糸継装置に導く誘導機構と、を有しており、前記玉揚装置は、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、糸が引き出される方向に回転している前記パッケージの糸を前記誘導機構に導く糸渡し機構を有することを特徴とする。
本発明の第1態様によれば、パッケージと糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、玉揚装置に設けられた糸渡し機構と巻取ユニットに設けられた誘導機構とが協働することによって、パッケージ側の糸を糸貯留装置に通してから糸継装置に導く工程を自動化することができる。したがって、糸継ぎに要する時間、ひいては巻取りを開始(再開)するまでの時間を短縮することができ、パッケージの生産効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の第1態様において、前記玉揚装置は、前記巻取部で巻き取る糸の種類を変更する仕掛け替え処理の際に、新しい種類の糸を供給する種糸供給部を有しており、前記巻取ユニットは、前記仕掛け替え処理の際に、前記種糸供給部から供給された糸が前記巻取管に巻き付けられた前記パッケージであるスターターパッケージを形成し、前記スターターパッケージの糸が、前記糸渡し機構及び前記誘導機構によって前記糸継装置に導かれるとよい。
こうすることで、仕掛け替え処理を自動化することができ、仕掛け替え処理に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の第1態様において、前記玉揚装置は、糸を吸引保持可能な吸引口を有する吸引保持部と、前記スターターパッケージの形成後に、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を前記吸引口近傍に移動させる移動機構と、前記移動機構によって前記吸引口近傍に移動させられた糸を、前記吸引口よりも前記種糸供給部側で切断する糸切断部と、を有するとよい。
このように、糸を吸引保持部の吸引口近傍に移動させてから糸を切断することで、スターターパッケージ側の糸を吸引保持部によってより確実に吸引保持することができる。
また、本発明の第1態様において、前記吸引保持部は、待機位置と前記吸引口が前記パッケージに近接する近接位置との間で移動可能であり、前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を、前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させるとよい。
こうすれば、スターターパッケージ側の糸を吸引保持するために吸引保持部を移動させる必要がなくなるので、仕掛け替え処理に要する時間をさらに短縮することができる。
また、本発明の第1態様において、前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を引っ掛けて、前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させる糸渡し部材を有するとよい。
このような糸渡し部材を設けることで、簡易な構成で糸を吸引保持部の吸引口近傍に移動させることができる。
また、本発明の第1態様において、前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を前記糸渡し部材によって移動させる前に、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を係止する固定ガイドをさらに有しているとよい。
固定ガイドを設けることで、スターターパッケージと種糸供給部との間の糸道が確実に規定されるので、その後、糸渡し部材によってより確実に糸を引っ掛けることができる。
また、本発明の第1態様において、前記糸渡し部材は、所定方向に移動することによって前記固定ガイドによる糸の係止を解除した後、前記所定方向の反対方向に移動することによって糸を引っ掛けて前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させるとよい。
このように、固定ガイドによる糸の係止の解除、及び、係止を解除した糸の吸引口近傍への移動を、ともに糸渡し部材によって行うことで、部品点数の増加を抑制することができる。
また、本発明の第1態様において、前記糸渡し部材は、前記糸渡し機構を構成する部材でもあり、前記待機位置にある前記吸引保持部によって吸引保持されている前記スターターパッケージの糸を引っ掛けて移動させることが可能であるとよい。
このように糸渡し部材に複数の役割を持たせることによって、玉揚装置を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
また、本発明の第1態様において、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が切れたときに前記糸継装置によって糸継ぎを行う上糸切れ処理の際には、前記吸引保持部は前記待機位置から前記近接位置に移動してから前記パッケージ側の糸を吸引保持するとよい。
パッケージと糸貯留装置との間で糸が切れた場合には、パッケージ側の糸はパッケージに張り付いた状態となっていることが多い。したがって、吸引保持部を近接位置に移動させることにより、パッケージ側の糸をより確実に吸引保持することができる。
また、本発明の第1態様において、前記上糸切れ処理の際、前記吸引保持部は、前記近接位置で前記パッケージ側の糸を吸引保持した後、糸を吸引保持したまま前記待機位置に移動するとよい。
こうすれば、上糸切れ処理の以後の動作を、待機位置にある吸引保持部によってパッケージ側の糸を吸引保持させる仕掛け替え処理と共通化することができるので、部品点数の増加を抑制できるとともに、制御プログラムを簡易にすることができる。
また、本発明の第1態様において、前記玉揚装置は、巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚げ処理の際に、前記パッケージと前記糸貯留装置との間の糸を保持及び切断することが可能な糸保持切断部を有しており、前記種糸供給部は、前記新しい種類の糸を前記糸保持切断部によって保持可能な位置まで引き出す種糸渡し部材を有しているとよい。
こうすれば、仕掛け替え処理において糸保持切断部によって新しい種類の糸を保持する動作を、玉揚げ処理の際の糸保持切断部の動作と共通化することができるので、糸保持切断部に要求される動作が複雑になることを回避し、構成を簡易にすることができる。
本発明の第2態様は、給糸部から引き出される糸を糸貯留装置で一時的に貯留した後、巻取部で巻取管に巻き取ってパッケージを形成するとともに、糸走行方向において前記給糸部と前記糸貯留装置との間に設けられ、前記給糸部側の糸と前記巻取部側の糸との糸継ぎを行う糸継装置を有する巻取ユニットと、前記巻取ユニットから巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置と、を備える糸巻取装置において、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合の糸継方法であって、前記パッケージから糸が引き出される方向に前記パッケージを回転させながら、前記玉揚装置に設けられた糸渡し機構によって、前記パッケージ側の糸を前記糸貯留装置に導く糸渡し工程と、前記糸貯留装置に導かれた前記パッケージ側の糸を、前記巻取ユニットに設けられた誘導機構によって、前記糸貯留装置に通してから前記糸継装置に導く誘導工程と、前記糸継装置に導かれた前記パッケージ側の糸を、前記糸継装置によって前記給糸部側の糸と糸継ぎする糸継工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の第2態様によれば、パッケージと糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、玉揚装置に設けられた糸渡し機構と巻取ユニットに設けられた誘導機構とが協働することによって、パッケージ側の糸を糸貯留装置に通してから糸継装置に導く工程を自動化することができる。したがって、糸継ぎに要する時間、ひいては巻取りを開始(再開)するまでの時間を短縮することができ、パッケージの生産効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の第2態様において、前記巻取部で巻き取る糸の種類を変更する仕掛け替え処理の際、前記巻取ユニットが、前記玉揚装置に設けられた種糸供給部から新しい種類の糸の供給を受け、前記新しい種類の糸が前記巻取管に巻き付けられた前記パッケージであるスターターパッケージを形成し、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸に対して、前記糸渡し工程、前記誘導工程、及び、前記糸継工程を実行するとよい。
こうすることで、仕掛け替え処理を自動化することができ、仕掛け替え処理に要する時間を短縮することができる。
また、本発明の第2態様において、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が切れたときに前記糸継装置によって糸継ぎを行う上糸切れ処理の際、前記玉揚装置に設けられた吸引保持部によって前記パッケージ側の糸を吸引保持し、前記パッケージと前記吸引保持部との間の糸に対して、前記糸渡し工程、前記誘導工程、及び、前記糸継工程を実行するとよい。
こうすることで、上糸切れ処理を自動化することができ、上糸切れ処理に要する時間を短縮することができる。
本実施形態に係る自動ワインダの正面図である。 巻取ユニットの側面図である。 巻取ユニットの巻取部の正面図である。 玉揚装置を巻取ユニット側から見た図である。 自動ワインダの電気的構成を示すブロック図である。 玉揚げ処理の流れを示すフローチャートである。 巻取管に糸を固定する際の動作を模式的に示す上面図である。 仕掛け替え処理の前半の流れを示すフローチャートである。 仕掛け替え処理の後半の流れを示すフローチャートである。 仕掛け替え処理の動作を模式的に示す側面図である。 仕掛け替え処理の動作を模式的に示す後面図及び側面図である。 仕掛け替え処理の動作を模式的に示す後面図及び側面図である。 仕掛け替え処理の動作を模式的に示す側面図である。 上糸切れ処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[自動ワインダ]
図1は、本実施形態に係る自動ワインダの正面図である。図1に示すように、自動ワインダ1(本発明の糸巻取装置)は、所定の配列方向(図1の左右方向)に配列された複数の巻取ユニット2と、上記配列方向に走行自在に設けられた玉揚装置3と、給糸ボビンBを供給するボビン供給装置4と、機台制御装置5とを備えている。なお、本実施形態の自動ワインダ1では、図1の左右方向を「左右方向」、図1の上下方向を「上下方向」、図1の紙面垂直方向の手前側を「前方」、図1の紙面垂直方向の奥側を「後方」と定義する。
巻取ユニット2は、給糸ボビンBから解舒される糸Yを巻取管Q(図2参照)に巻き取ってパッケージPを形成する。玉揚装置3は、ある巻取ユニット2において糸Yの巻取りが完了すると、この巻取ユニット2の位置まで配列方向に走行し、この巻取ユニット2から巻取りが完了したパッケージPを玉揚げするとともに、空の巻取管Qをセットする。ボビン供給装置4は、給糸ボビンBを搬送トレイTに載せ、搬送トレイTに支持された給糸ボビンBを各巻取ユニット2の下部に供給する。機台制御装置5は、各巻取ユニット2、玉揚装置3及びボビン供給装置4の動作を制御する。オペレータは、機台制御装置5を適宜操作することにより、複数の巻取ユニット2を集中的に管理することができる。
[巻取ユニット]
図2は、巻取ユニット2の側面図である。図2に示されるように、巻取ユニット2は、給糸ボビンBに巻かれた糸Yを解舒しながら供給する給糸部10と、給糸部10から供給された糸Yに対して様々な処理を行う糸処理部20と、糸処理部20を通過した糸Yを一時的に貯留する糸貯留装置30と、糸貯留装置30からの糸Yをトラバースしながら巻取管Qに巻き取ってパッケージPを形成する巻取部40とを備える。給糸部10、糸処理部20、糸貯留装置30、及び、巻取部40は、この順に下から上へ並んで配置されている。以降の説明では、給糸部10から糸処理部20及び糸貯留装置30を経て巻取部40に向かう糸走行方向における上流側及び下流側を、単に上流側及び下流側と称する。
(給糸部)
給糸部10は、搬送トレイTによって起立状態で保持された給糸ボビンBから糸Yを解舒する際に、糸Yの解舒を補助する糸解舒補助装置11を備える。糸解舒補助装置11は、給糸ボビンBから解舒される糸Yのバルーンの大きさを規制筒12によって適切な大きさに制御し、それによって給糸ボビンBから解舒される糸Yのテンションが大きくなりすぎないように抑制する。給糸部10は、給糸ボビンBから全ての糸Yが解舒されると、空になった給糸ボビンBを排出して、ボビン供給装置4から新しい給糸ボビンBの供給を受ける。
(糸処理部)
糸処理部20は、上糸捕捉部21、糸継装置22、下糸捕捉部23、テンション付与装置24、糸監視装置25等を有する。上糸捕捉部21、糸継装置22、下糸捕捉部23、テンション付与装置24、及び、糸監視装置25は、この順に上流側から下流側に並んで配置されている。
上糸捕捉部21は、糸継装置22の上流側に近接して配置されている。上糸捕捉部21は不図示の負圧源に接続されており、糸継ぎの際に吸引空気流を発生させて、巻取部40側の糸Yを吸引して捕捉する。上糸捕捉部21は、捕捉した糸Yを糸継装置22に導く。
糸継装置22は、分断された糸Yの糸継ぎを行う。糸継装置22は、糸監視装置25が監視部25aで糸欠陥を検出してカッター25bで糸Yを切断した糸切断時、給糸ボビンBとパッケージPとの間で糸Yが切れた糸切れ時、又は、給糸ボビンBの交換時等のように、給糸部10と巻取部40との間の糸Yが分断された状態となったときに、給糸部10側の糸Y(下糸)と巻取部40側の糸Y(上糸)とを糸継ぎする装置である。糸継装置22は、糸道から若干退避した位置に配置されており、上糸捕捉部21及び下糸捕捉部23によって糸継装置22に導入された糸端同士を繋いで、糸Yを連続状態とすることができる。糸継装置22としては、圧縮空気等の流体を用いる装置や、機械式の装置を使用できる。
下糸捕捉部23は、糸継装置22の下流側に近接して配置されている。下糸捕捉部23は、不図示の負圧源に接続されるとともに、先端部に開口が形成された筒状の部材として構成されている。下糸捕捉部23は、進退駆動部23aを備えている。進退駆動部23aは、下糸捕捉部23を糸道に対して進退させる。
下糸捕捉部23は、糸道に接近している状態において、その先端側に吸引空気流を発生させることにより、後述する下糸吹き送り部26によって吹き送られてくる給糸ボビンBからの糸Yの糸端を吸引して捕捉する。さらに、下糸捕捉部23は、その先端側に吸引空気流を発生させることにより、走行する糸Yに付着している風綿等を吸引して除去するように構成してもよい。なお、下糸捕捉部23は、給糸ボビンBの糸端を捕捉した状態で糸道から退避することにより、当該糸端を糸継装置22に導入することができる。
テンション付与装置24は、走行する糸Yに所定のテンションを付与する。テンション付与装置24は、固定の櫛歯に対して可動の櫛歯を配置してなるゲート式に構成されており、櫛歯の間に糸Yを走行させることで所定の抵抗を付与する。可動側の櫛歯は、例えばソレノイドにより、固定側の櫛歯との距離が変更可能に構成されている。これにより、テンション付与装置24は、糸Yに付与するテンションを調整することができる。なお、テンション付与装置24の構成は特に限定されず、例えばディスク式のテンション付与装置であってもよい。
糸監視装置25は、糸Yの太さ等を適宜のセンサで監視することにより、スラブや異物混入等の糸欠陥を検出する監視部25aを有する。また、糸監視装置25には、監視部25aの上流側にカッター25bが付設されており、カッター25bは、監視部25aが糸欠陥を検出した場合に直ちに糸Yを切断する。
糸処理部20は、糸継ぎを確実に行うため、下糸吹き送り部26、上糸吹き送り部27、及び、糸案内部材28をさらに有する。
下糸吹き送り部26は、糸解舒補助装置11の下流側に近接して配置された筒状の部材である。下糸吹き送り部26は、圧縮空気を噴出することにより、糸Yを下糸捕捉部23まで吹き送る空気流を形成する。したがって、糸切れが生じた場合や給糸ボビンBの交換後には、下糸吹き送り部26が動作することで、給糸ボビンB側の糸端を下糸捕捉部23で捕捉することができ、当該糸端を糸継装置22に導入することができる。
なお、給糸部10に新しい給糸ボビンBが供給された直後の場合には、給糸ボビンBから糸Yが十分に引き出されていないため、下糸吹き送り部26によっては糸端を糸継装置22側に吹き送ることが困難になる場合がある。これを考慮して、給糸部10には、補助吹き送り部13が設けられている。補助吹き送り部13は、給糸部10に配置された搬送トレイTの直下に位置する。補助吹き送り部13は、ともに中空状に形成された搬送トレイT及び給糸ボビンBの内部に圧縮空気を噴出することにより、給糸ボビンBの先端部に、当該給糸ボビンBの糸Yを下糸吹き送り部26側へ吹き送る空気流を形成する。このように、給糸ボビンBが新しく供給された際には、補助吹き送り部13及び下糸吹き送り部26が連動して動作することにより、当該給糸ボビンB側の糸端を糸継装置22側に向かって確実に送ることができる。
上糸吹き送り部27は、糸貯留装置30の上流側に近接して配置された筒状の部材である。上糸吹き送り部27は、圧縮空気を噴出することにより、糸貯留装置30側の糸端を吹き飛ばして上糸捕捉部21まで送る空気流を形成する。
糸案内部材28は、糸監視装置25、テンション付与装置24、糸継装置22等を迂回するように前方に突出した湾曲形状の筒状の部材であり、長手方向両端には、それぞれ開口が形成されている。一端側の開口は上糸吹き送り部27の吹出口に対向しており、他端側の開口は上糸捕捉部21に対向している。糸案内部材28には、糸案内部材28の内部を一端側の開口から他端側の開口まで通った糸Yが、糸案内部材28から抜け出ることができるように、糸案内部材28の後側には全長にわたって不図示のスリットが形成されている。
上糸吹き送り部27は、糸貯留装置30側の糸端を捕捉して糸案内部材28の内部へ吹き飛ばし、糸Yを糸案内部材28に沿って引き出して、上糸捕捉部21に捕捉させる。このように、上糸吹き送り部27によって糸貯留装置30側の糸Yを吹き送って、糸継装置22側に向かって案内することができる。
(糸貯留装置)
糸貯留装置30は、糸走行方向において糸処理部20と巻取部40との間に配置されている。糸貯留装置30は、給糸部10から糸Yを引き出し、引き出した糸Yを一時的に貯留した上で巻取部40に供給する。糸貯留装置30が設けられていることにより、給糸ボビンBから解舒された糸Yのテンションの変動が巻取部40側に伝播することが抑制される。これにより、巻取部40に供給される糸Yのテンションの変動を抑制し、品質の良好なパッケージPを形成することができる。また、糸貯留装置30が設けられていることで、糸継ぎを行っている場合でも、巻取部40による糸Yの巻取りを継続することができる。
糸貯留装置30は、糸Yを巻き付けることが可能な糸貯留ローラ31と、糸貯留ローラ31を回転駆動するローラ駆動モータ32とを有する。ローラ駆動モータ32は、給糸部10からの糸Yを巻き取る方向に糸貯留ローラ31を回転(正回転)させることができるととともに、当該巻き取る方向とは反対の方向に糸貯留ローラ31を回転(逆回転)させることもできる。なお、糸貯留ローラ31に巻き付けられた糸Yは、糸貯留ローラ31の中心軸の延長線上に配置された引出しガイド35を介して下流側へ引き出される。
糸貯留ローラ31は、例えば金属により円筒状に形成されている。糸貯留ローラ31は、糸Yが巻き付けられた状態で正回転することで、糸貯留装置30よりも上流側の糸Yに対してテンションを付与する。これにより、給糸ボビンBから糸Yが解舒され、糸Yを糸貯留ローラ31の外周面31aに巻き付けて貯留する。以下では、糸貯留ローラ31において、ローラ駆動モータ32に近い側を基端側、その反対側を先端側と言う。
糸貯留ローラ31の外周面31aの先端側の端部には、リング部材33が取り付けられている。リング部材33は、例えばゴムにより円環状に形成されており、径方向内側に締め付ける弾性力により外周面31aに取り付けられている。糸Yはリング部材33の内側を通っており、糸貯留ローラ31から引き出される糸Yに対して、リング部材33の弾性力によって抵抗が付与される。これによって、糸貯留ローラ31から引き出される糸Yに適度な張力が与えられ、糸貯留ローラ31からの糸Yの解舒が安定化される。
糸貯留ローラ31の外周面31aには、リング部材33の取付位置を跨ぐように、糸貯留ローラ31の軸方向に沿って溝部31bが形成されている。溝部31bのうちリング部材33と交差する部分には、不図示のばねによって径方向外側に付勢された付勢部材36が収容されている。この付勢部材36は、後述の糸通しノズル34によって径方向内側に押し込まれる。付勢部材36が径方向内側に押し込まれると、リング部材33と付勢部材36との間に隙間が生じ、この隙間に糸Yを通すことができる。
糸貯留装置30は、筒状の糸通しノズル34をさらに備えている。糸通しノズル34は、糸貯留ローラ31に近接する位置に配置されており、一端部が糸貯留ローラ31の外周面31aの先端側の端部と対向するように配置されている。糸通しノズル34は、他端部から一端部に向かって内部に圧縮空気を流すことができるよう構成されている。すなわち、糸通しノズル34の他端部(糸貯留ローラ31の反対側)は糸Yを吸引する吸引部として機能し、糸通しノズル34の一端部(糸貯留ローラ31側)は吸引した糸Yを吹き出す吹出部として機能する。糸通しノズル34は、例えばエアシリンダやモータ等のアクチュエータを用いたスライド機構によって、糸貯留ローラ31の外周面31aに対して進退可能に構成されている。
付勢部材36が糸通しノズル34の一端部と対向している状態で、糸通しノズル34を糸貯留ローラ31の外周面31aに向けて移動させると、糸通しノズル34が付勢部材36をばねの付勢力に抗して径方向内側に押し込み、リング部材33と付勢部材36との間に隙間ができる。この状態で、糸通しノズル34の他端部(吸引部)近傍に糸Yを持ってきて、糸通しノズル34の他端部から一端部に向けて圧縮空気を流すと、上記隙間に糸Yを通した後、この糸Yを溝部31b内の先端側(巻取部40側)から基端側(給糸部10側)に向かって吹き飛ばすことができる。こうして、糸Yを糸貯留ローラ31に通すことができる。なお、糸通しノズル34には、糸貯留ローラ31に通された糸Yが糸通しノズル34から抜け出ることができるように、長手方向に沿って不図示のスリットが形成されている。
糸貯留ローラ31の先端側から基端側に通された糸Yの糸端は、さらに、上糸吹き送り部27によって糸案内部材28に向けて吹き飛ばされ、上糸捕捉部21によって捕捉されることで糸継装置22へと導かれる。つまり、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、パッケージP側の糸Yを糸貯留装置30に通してから糸継装置22に導く誘導機構7は、糸通しノズル34、上糸吹き送り部27、糸案内部材28、及び、上糸捕捉部21によって構成されている。また、後で詳細に説明するが、玉揚装置3には、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、パッケージP側の糸Yを誘導機構7(詳細には糸通しノズル34の吸引部)に導く糸渡し機構8が設けられており、糸渡し機構8及び誘導機構7が協働することで、パッケージP側の糸Yを糸継装置22まで導くことができる。
(巻取部)
図3は、巻取ユニット2の巻取部40の正面図である。巻取部40は、巻取管Qを装着可能に構成されたクレードル41と、糸Yを綾振りさせながら巻取管Q又はパッケージPを回転させる綾振ドラム42と、綾振ドラム42によってトラバースされる糸Yをガイドするトラバースガイド43とを備える。
クレードル41は、左右一対設けられたアーム41aと、それぞれのアーム41aの内側に取り付けられた左右一対のホルダ41bとを有し、一対のホルダ41bによって巻取管Q又はパッケージPを回転可能に支持する。クレードル41は、支持しているパッケージPの外周面を綾振ドラム42の外周面に対して接触可能に構成されている。
綾振ドラム42は、不図示の駆動源(電動モータ等)によって回転駆動され、巻取管Q又はパッケージPの外周面に接触した状態で回転することで、巻取管Q又はパッケージPを従動回転させる。綾振ドラム42は、糸貯留装置30から糸Yを引き出して巻取管Qに巻き取る方向に回転(正回転)することができるとともに、パッケージPから糸Yを引き出すように回転(逆回転)することもできる。綾振ドラム42の外周面には綾振溝42aが形成されており、この綾振溝42aによって糸Yをトラバース領域内でトラバースすることが可能になっている。このように綾振ドラム42によって糸Yを綾振りさせながら巻取管Qに巻き取ることで、所定形状のパッケージPを形成することができる。なお、図3では、トラバース時における糸Yの左右両端の位置(トラバース領域の両端位置)を模式的に図示している。
トラバースガイド43は、綾振ドラム42の上流側に近接した状態で、綾振ドラム42のやや前方に配置されている。トラバースガイド43は、金属等からなる板状体であり、第1ガイド壁部43a、左右2つの第2ガイド壁部43b、及び、左右2つの糸導入部43cを有する。
第1ガイド壁部43aは、前方から見た形状が略台形となっており、その前側(綾振ドラム42と反対側)の面がガイド面となっている。綾振ドラム42によりトラバースされる糸Yは、第1ガイド壁部43aのガイド面に接触しながらガイドされ、綾振ドラム42の軸方向(トラバース方向)に往復移動する。
2つの第2ガイド壁部43bは、トラバース方向において第1ガイド壁部43aの両端に連なっており、第1ガイド壁部43aに対して前側に折り返されて、トラバース方向における第1ガイド壁部43aの両端部をそれぞれ覆っている。そして、第2ガイド壁部43bにより、第1ガイド壁部43aにガイドされている糸Yが、前側に浮き上がってしまうのを防止する。
2つの糸導入部43cは、2つの第2ガイド壁部43bのそれぞれの上端に連なっており、第2ガイド壁部43bに対してやや前側に折り曲げられている。2つの糸導入部43cは、一方の糸導入部43cのトラバース方向の内側の端部が、他方の糸導入部43cのトラバース方向の内側の端部よりも前側となるように前後方向で重なっており、前後方向に重なった部分の間には、糸Yが通過可能な隙間43dが形成されている。第2ガイド壁部43b及び糸導入部43cの前側に位置する糸Yは、綾振ドラム42を回転させて糸Yをトラバースさせることによって、隙間43dを通って第1ガイド壁部43aに接触する位置まで移動する。
第1ガイド壁部43aの左端部には、糸検出センサ44が取り付けられている。糸検出センサ44は、発光素子と受光素子とが隣接して配置された、いわゆる反射型の光学式センサである。また、左側の第2ガイド壁部43bには、糸検出センサ44と対向する位置に貫通孔43eが形成されている。これにより、糸Yが糸検出センサ44に対向する位置にあるときには、糸検出センサ44の発光素子から照射された照射光が糸Yで反射され、受光素子において反射光が受光される。一方、糸Yが糸検出センサ44と対向しない位置にあるときには、糸検出センサ44の発光素子から照射された照射光が糸Yで反射されず、貫通孔43eを通過するため、受光素子において反射光が受光されない。所定のトラバース周期で糸検出センサ44の受光素子において反射光が受光されるか否かによって、正常にトラバースが行われているか否かを検出することができる。
(ユニット制御部)
各巻取ユニット2は、CPU、ROM、RAM、及び、入出力インターフェース等によって構成されるユニット制御部2a(図5参照)を備えている。ユニット制御部2aは、給糸部10、糸処理部20、糸貯留装置30、及び、巻取部40の各部の動作を制御する。また、各ユニット制御部2aは、機台制御装置5と通信可能に構成されており、機台制御装置5において複数の巻取ユニット2の動作を集中的に管理することができる。
[玉揚装置]
次に、玉揚装置3について説明する。図4は、玉揚装置3を巻取ユニット2側(後側)から見た図である。このため、図4における左右方向は、自動ワインダ1における左右方向とは逆となるので注意されたい。また、図5は、自動ワインダ1の電気的構成を示すブロック図である。
玉揚装置3は、ある巻取ユニット2で糸Yの巻取りが完了すると、その巻取ユニット2に対向する位置に移動し、巻取りが完了したパッケージPを玉揚げする玉揚げ処理を実行する。玉揚装置3は、このような玉揚げ処理の他にも、巻取ユニット2と協働することによって、巻取部40で巻き取る糸Yの種類を変更する仕掛け替え処理や、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが切れたときに糸継ぎを行う上糸切れ処理を行うことができる。
玉揚装置3は、筐体50、クランプカッター51、引出しアーム52、チャッカー53、クレードルオープナー54、サクションマウス55、種糸供給部70等を有して構成されている。筐体50は、後面が開口した構成となっており、玉揚装置3を構成する各部材を内部に収容している。
(クランプカッター)
クランプカッター51は、糸Yを切断する不図示のカッターと、糸Yを保持する不図示のクランプとを有する。クランプカッター51のカッター及びクランプは、エアシリンダ等の適宜の駆動源によって駆動される。クランプカッター51は、引出しアーム52の先端部に取り付けられている。引出しアーム52は、同軸で入れ子状に配置された、径の異なる複数の棒状(管状)部材を有し、伸縮可能に構成されている。また、引出しアーム52はエアシリンダとしても構成されており、圧縮空気の供給源(図示省略)から供給された圧縮空気により伸縮駆動される。また、引出しアーム52は、揺動モータ56(図5参照)によって前後方向に揺動可能に構成されている。このように、引出しアーム52が伸縮可能且つ揺動可能に構成されることで、引出しアーム52の先端部に取り付けられたクランプカッター51は、トラバースガイド43のすぐ下方にある糸Yを保持しにいったり、保持している糸Yを巻取管Qの側方に移動させたりすることが可能となっている。
(チャッカー)
チャッカー53は、筐体50内において左右方向に延びる軸57に回動自在に取り付けられており、モータ等で構成されたチャッカー駆動部58(図5参照)によって駆動されることで、軸57周りに上下に旋回する。チャッカー53は、その先端部に巻取管Qを把持するチャック部53aを備えている。チャッカー53は、自動ワインダ1の上方に位置する不図示のストッカーから空の巻取管Qを1つ取り出してチャック部53aで把持した後、下方に旋回することで、クレードル41に巻取管Qをセットする。
(クレードルオープナー)
クレードルオープナー54は、筐体50の右壁部に取り付けられている。このクレードルオープナー54は、シリンダやモータ等の適宜の駆動源を有するオープナー駆動部59(図5参照)によって駆動されて、揺動や回動などの様々な動作を行い、クレードル41に設けられた不図示のクレードルレバーを操作する。クレードルレバーが操作されると、図7に示すように、クレードル41の右側のアーム41a及びホルダ41bが開閉され、巻取りが完了したパッケージPの取り外しや、クレードル41への空の巻取管Qの装着が可能となる。
(サクションマウス)
サクションマウス55は、パッケージPと略同じ高さに設けられており、左右方向に延びる吸引口55aを前方に有している。また、サクションマウス55は、マウス駆動部60(図5参照)によって、筐体50内にある待機位置と、筐体50から巻取ユニット2側に突出し、吸引口55aがパッケージPに近接する近接位置との間で移動可能に構成されている。不図示の負圧源によって吸引口55aに負圧を発生させることで、吸引口55aで糸Yを吸引保持することができる。なお、サクションマウス55の右端部のすぐ下方には、糸Yを切断するためのマウスカッター61が設けられている。
(種糸供給部)
種糸供給部70は、仕掛け替え処理の際に、新しい種類の糸Yを供給する部位である。以下の説明では、種糸供給部70から供給される新しい種類の糸Yのことを、適宜、種糸Yと称する。
筐体50の下部の一部分は、後面が開口している箱状の開閉部50aとなっており、この開閉部50a内に種糸供給部70を構成する各部材が配置されている。開閉部50aは前後方向に揺動自在に構成されており、開閉部50aを前方に揺動させて開くことにより、自動ワインダ1の前方から作業者が種糸供給部70にアクセスすることができ、種糸供給部70のメンテナンス等が容易となる。
種糸供給部70は、種糸ボビン71、種糸渡しレバー72、種糸用クランプカッター73、ヤーントラップ74等を有して構成されている。種糸ボビン71は、種糸Yが巻き付けられたボビンであり、支持軸75によって回転自在に支持されている。種糸渡しレバー72は、種糸渡しモータ76(図5参照)によって支軸72a周りに水平に回転可能に構成されている。種糸渡しレバー72の先端部には、糸Yを引っ掛けて引き出すために糸Yが入る不図示のスリットが形成されている。また、種糸渡しレバー72の先端部には、種糸用ガイド77が固定されている。種糸用ガイド77は、種糸渡しレバー72の上方に間隔を空けて配置されており、種糸渡しレバー72と一体的に水平回転する。種糸用ガイド77は、糸Yを引っ掛けて引き出すための不図示の切欠スリットを有する。種糸渡しレバー72は、開閉部50a内に退避している待機位置と、開閉部50aから巻取ユニット2側に突出し、クランプカッター51によって保持可能な位置に種糸Yを引き出す引出し位置との間で移動可能に構成されている。
種糸用クランプカッター73は、待機位置にある種糸用ガイド77のやや上方に配置されている。種糸用クランプカッター73は、種糸Yを切断する不図示のカッターと、種糸Yを保持する不図示のクランプとを有する。種糸用クランプカッター73のカッター及びクランプは、エアシリンダ等の適宜の駆動源によって駆動される。種糸ボビン71から引き出された種糸Yは、上述の種糸渡しレバー72のスリット及び種糸用ガイド77の切欠スリットを通って、種糸用クランプカッター73に導かれる。ヤーントラップ74は、種糸用クランプカッター73に近接して配置されており、糸Yを吸い込むことのできる吸引機能を有する。
さらに、玉揚装置3は、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、パッケージP側の糸Yを糸貯留装置30の糸通しノズル34の吸引部に導くため、各種レバーやガイドを有している。以下では、これら各種レバーやガイドについて簡単に説明し、その動作の詳細については、後で各処理の一連の動作を説明する際に述べる。
(糸寄せレバー)
糸寄せレバー62は、サクションマウス55のやや上方に設けられており、糸寄せモータ63(図5参照)によって支軸62a周りに水平に回転可能に構成されている。糸寄せレバー62は、その先端部に糸Yを引っ掛けて回転することにより、糸Yを移動させることができる。糸寄せレバー62は、主に、糸Yを巻取管Qに固定する際やバンチ巻きを形成する際に用いられる。
(固定ガイド)
固定ガイド64は、サクションマウス55の下方に設けられており、筐体50に固定された、後方から見て逆V字形状を有するガイドである。固定ガイド64の左下端部には凹状の係止部64aが形成されており、この係止部64aに糸Yを係止させることができる。また、固定ガイド64には、前方に延びる突出部64b(図10参照)が設けられている。係止部64aや突出部64bに糸Yが係止されることで、糸Yの糸道を規定することができる。
(糸渡しレバー)
糸渡しレバー65は、固定ガイド64のすぐ前方に設けられており、糸渡しモータ66(図5参照)によって支軸65a周りに上下に回転可能に構成されている。サクションマウス55が待機位置にあるときは、糸渡しレバー65の先端部がサクションマウス55の吸引口55aのすぐ前方を横切るように回転する。糸渡しレバー65は、先端部に糸Yを引っ掛けて移動させるための引掛け部65bを有しており、糸渡しレバー65が後方から見て反時計回りに回転することによって、糸Yを引掛け部65bに引っ掛けることができる。また、糸渡しレバー65の先端部と基端部との間には、後方から見て右側に湾曲状の凹部65cが形成されており、後方から見て左側に湾曲状の凸部65dが形成されている。
(糸飛ばしレバー)
糸飛ばしレバー67は、糸飛ばしモータ68(図5参照)によって支軸67a周りに上下に回転可能に構成されている。糸飛ばしレバー67は、玉揚装置3の最下端部に設けられており、その先端部には糸Yを拾うための糸拾い部67bが設けられている。糸飛ばしレバー67は、糸渡しレバー65によって下方に移動させられた糸Yを糸拾い部67bで拾い、この糸Yを糸貯留装置30の糸通しノズル34の吸引部に導く。
(玉揚制御部)
図5に示すように、玉揚装置3は、CPU、ROM、RAM、及び、入出力インターフェース等によって構成される玉揚制御部3aを有する。玉揚制御部3aは、機台制御装置5と通信可能に構成されており、機台制御装置5からの指令に従って玉揚装置3に設けられた各駆動部を制御する。
[自動ワインダによる各処理]
以上のように構成された自動ワインダ1では、巻取ユニット2と玉揚装置3とが協働することによって、巻取りが完了したパッケージPを玉揚げする玉揚げ処理、巻取部40で巻き取る糸Yの種類を変更する仕掛け替え処理、及び、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが切れたときに糸継ぎを行う上糸切れ処理の各処理が自動で行われる。以下、これら各処理における動作について順番に説明する。
(玉揚げ処理)
最初に、玉揚げ処理について説明する。図6は、玉揚げ処理の流れを示すフローチャートであり、図7は、巻取管Qに糸Yを固定する際の動作を模式的に示す上面図である。ある巻取ユニット2にて、一定量の糸Yが巻かれ、糸Yの巻取りが完了したことが検出されると、この巻取ユニット2のユニット制御部2aは、綾振ドラム42及び糸貯留ローラ31の回転を停止させるとともに、玉揚げ処理を要求する信号を機台制御装置5へ出力する。そして、機台制御装置5からの指令に応じて、玉揚装置3が、糸Yの巻取りが完了した巻取ユニット2の位置まで移動した後、玉揚げ処理が開始される。なお、綾振ドラム42の回転を停止させることで、パッケージPの回転が停止するが、このとき、糸YはパッケージPと糸貯留装置30との間でつながったままとなっている。
まず、玉揚制御部3aは、引出しアーム52及び揺動モータ56を駆動することで、クランプカッター51を、トラバースガイド43のすぐ下方にある糸Yを保持及び切断できる位置まで移動させ、クランプカッター51によって糸Yを切断するとともに、糸貯留装置30側の糸Y(下糸)の糸端を保持する(ステップS101)。続いて、玉揚制御部3aは、下糸を保持しているクランプカッター51を、クレードル41のやや上方まで移動させる(ステップS102)。そして、巻取りが完了したパッケージPをクレードル41から取り外し、空の巻取管Qをクレードル41にセットする(ステップS103)。なお、ステップS102、S103の順序は適宜変更されてよく、ステップS102、S103の少なくとも一部が同時に行われてもよい。
ステップS103の詳細な動作について説明する。玉揚制御部3aは、まず、オープナー駆動部59を駆動することで、クレードルオープナー54に不図示のクレードルレバーを操作させる。すると、図7(a)に示すように、クレードル41の右側のアーム41a及びホルダ41bが右方に移動して開き、クレードル41が開放される。これによって、クレードル41に支持されていたパッケージPがクレードル41から取り外される。続いて、玉揚制御部3aは、チャッカー駆動部58を駆動することで、チャッカー53を動作させる。チャッカー53は、不図示のストッカーから空の巻取管Qをチャック部53aで取り出し、これをクレードル41にセットする。
チャッカー53によって巻取管Qがセットされると、クランプカッター51で保持されている糸Yを巻取管Qに固定し、続いて、バンチ巻きを形成する(ステップS104)。ここで、バンチ巻きとは、トラバース領域から外れた位置において巻取管Qに形成される糸層であり、後工程において、複数のパッケージPの糸Yを連続して解舒する際などに利用される。詳細には、先に糸Yを解舒するパッケージPのバンチ巻きの糸端と、後に解舒するパッケージPの最外層の巻き終わりの糸端とを糸継ぎしておくことで、複数のパッケージPの糸Yを続けて解舒することが可能となる。
図7を参照しつつ、ステップS104の詳細について説明する。チャッカー53(図7では図示省略)によって巻取管Qがセットされると、玉揚制御部3aは、糸寄せモータ63を駆動することで、図7(a)に示すように、糸寄せレバー62を待機位置(一点鎖線で示す位置)から図中時計回りに回転させる。これによって、クランプカッター51で保持されている糸Yが、巻取管Qの右側方に移動し、巻取管Qと右側のホルダ41bとの間の空間を通るようになる。
この状態で、クレードルオープナー54によって再度クレードルレバーを操作すると、右側のアーム41a及びホルダ41bが左方に移動して閉じられる。その結果、図7(b)に示すように、巻取管Qとホルダ41bとによって糸Yが挟まれ、巻取管Qに糸Yが固定される。糸Yが巻取管Qに固定されると、チャッカー53が巻取管Qを離すとともに、クランプカッター51が糸Yの保持を解除する。続いて、図7(c)に示すように、糸寄せレバー62を少しだけ図中反時計回りに回転させて戻し、この状態で、綾振ドラム42を正回転させることにより、バンチ巻きAが形成される。
最後に、玉揚制御部3aが糸寄せレバー62を待機位置まで戻し、ユニット制御部2aが綾振ドラム42及び糸貯留ローラ31を正回転させることで、糸Yの巻取りが再開される(ステップS105)。
(仕掛け替え処理)
次に、仕掛け替え処理について説明する。図8は、仕掛け替え処理の前半の流れを示すフローチャートであり、図9は、仕掛け替え処理の後半の流れを示すフローチャートである。また、図10は、仕掛け替え処理の動作を模式的に示す側面図であり、図11及び図12は、仕掛け替え処理の動作を模式的に示す後面図(左側の図)及び側面図(右側の図)であり、図13は、仕掛け替え処理の動作を模式的に示す側面図である。なお、図10〜図13においては、適宜、一部の部材の図示を省略している。
ある巻取ユニット2にて、巻取部40で巻き取る糸Yの種類を変更する場合、作業者は機台制御装置5にその旨を入力する。すると、機台制御装置5からの指令に応じて、ボビン供給装置4から新しい種類の糸Yが巻かれた給糸ボビンBがこの巻取ユニット2の給糸部10に供給されるとともに、玉揚装置3がこの巻取ユニット2の位置まで移動した後、仕掛け替え処理が開始される。なお、以下の説明では、クレードル41から予めパッケージPが取り外された状態となっているものとする。しかしながら、クレードル41にパッケージPが装着されていてもよく、その場合には、玉揚げ処理のステップS103と同様に、空の巻取管Qをセットする前にパッケージPが取り外される。
図10(a)は、玉揚装置3の各部材が待機位置(初期位置)にある状態を示す。この状態のときには、種糸ボビン71から引き出された種糸Yは、種糸渡しレバー72のスリット及び種糸用ガイド77の切欠スリットを通って、種糸用クランプカッター73で保持されている。まず、玉揚制御部3aは、種糸渡しモータ76を駆動することで種糸渡しレバー72を水平に回転させる。これによって、図10(b)に示すように、種糸渡しレバー72が待機位置から引出し位置に移動し、種糸Yを巻取ユニット2側に引き出すことができる(ステップS201)。
次に、玉揚制御部3aは、引出しアーム52及び揺動モータ56を駆動することで、図10(c)に示すように、種糸Yを保持できる位置に向けてクランプカッター51を移動させる。そして、クランプカッター51によって種糸Yを切断して、種糸ボビン71側の糸端を保持し(ステップS202)、そのまま、クランプカッター51をクレードル41のやや上方まで移動させる(ステップS203)。種糸Yの切断後に、種糸用クランプカッター73による種糸Yの保持を解除するとともに、ヤーントラップ74を作動させることにより、種糸用クランプカッター73に保持されていた糸屑は、ヤーントラップ74によって吸引される。続いて、玉揚制御部3aは、チャッカー駆動部58を駆動し、空の巻取管Qをクレードル41にセットする(ステップS204)。なお、ステップS203、S204の順序は適宜変更されてよく、ステップS203、S204の少なくとも一部が同時に行われてもよい。
さらに、玉揚制御部3aは、糸寄せモータ63を駆動することで糸寄せレバー62を水平に回転させ、図10(d)に示すように、クランプカッター51と種糸渡しレバー72の先端部との間の種糸Yを、糸寄せレバー62の先端部に引っ掛けて、巻取管Qの右側方に移動させる。その結果、図7(a)と同様の状態となる。これに前後して、種糸渡しレバー72は開閉部50a内の待機位置に戻される。そして、巻取管Qに種糸Yを固定した後、バンチ巻きを形成する(ステップS205)。なお、ステップS205の動作は、玉揚げ処理におけるステップS104と同じ動作なので、ここでの詳細な説明は省略する。
バンチ巻きを形成した後、玉揚制御部3aは、糸寄せレバー62を徐々に待機位置に向かって戻しつつ、綾振ドラム42を正回転させることで、図10(e)に示すように、巻取管Qに種糸Yが巻き取られたスターターパッケージSPが形成される(ステップS206)。次に、玉揚装置3に設けられた移動機構9によって、スターターパッケージSPと種糸渡しレバー72との間の種糸Yを、待機位置にあるサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させる。移動機構9は、具体的には、糸寄せレバー62、固定ガイド64、及び、糸渡しレバー65によって構成される。なお、綾振ドラム42の正回転は、ステップS210において種糸Yが切断されるまでに停止される。
糸寄せレバー62をさらに待機位置に向かって回転させると、図10(f)及び図11(a)に示すように、種糸Yが固定ガイド64の係止部64aに引っ掛かって係止された状態となる(ステップS207)。この状態で糸寄せレバー62の回転を一旦停止させ、次に、糸渡しレバー65を用いて、種糸Yを待機位置にあるサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させる動作を実行する。この動作については、図11及び図12を参照しつつ説明する。なお、種糸Yを係止部64aに係止させた時点では、糸寄せレバー62と固定ガイド64との間の種糸Yが、前後方向において糸渡しレバー65を跨ぎ、且つ、糸渡しレバー65の左側を通るように、糸道が形成される。
図11(a)に示すように、種糸Yが固定ガイド64の係止部64aに係止された状態となると、玉揚制御部3aは、糸渡しモータ66を駆動させ、糸渡しレバー65を後方から見て時計回りに回転させる。すると、図11(b)に示すように、種糸Yが糸渡しレバー65の凹部65cに入り込んだ状態で左下方へと押され、係止部64aによる種糸Yの係止が解除される(ステップS208)。
続いて、玉揚制御部3aは、糸渡しレバー65を後方から見て反時計回りに回転させることで、種糸Yをサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させる(ステップS209)。吸引口55aの近傍とは、吸引口55aによって糸Yを吸引することが可能な、吸引口55aのすぐ前方の位置を意味する。ステップS209について詳細に説明する。
糸渡しレバー65を反時計回りに回転させると、まず、固定ガイド64の係止部64a及び糸渡しレバー65の凹部65cから外れた種糸Yが、固定ガイド64の左端部を後方から前方へと乗り越え、図11(c)に示すように、種糸用ガイド77の切欠スリット及び種糸用クランプカッター73を通って、固定ガイド64の突出部64bの左側に掛かった状態となる。そのまま、糸渡しレバー65を反時計回りに概ね1回転させると、図12(a)に示すように、種糸Yが糸渡しレバー65の凸部65dに接触し、糸渡しレバー65の回転が進むにつれ、種糸Yが凸部65dの輪郭に沿って上方へと移動し、最終的に引掛け部65bに入り込む。引掛け部65bで種糸Yを引っ掛けた状態で、さらに糸渡しレバー65を反時計回りに回転させ、図12(b)に示すように、種糸Yがサクションマウス55の吸引口55aの中央部のすぐ前方を通るようになると、糸渡しレバー65の回転を一旦停止させる。なお、引掛け部65bに引っ掛けられた種糸Yが糸渡しレバー65によって引っ張られることによって、図12(b)の状態となる直前に、種糸Yは糸寄せレバー62から外れ、これに伴い、糸寄せレバー62は待機位置に戻される。
種糸Yが吸引口55aの直前にある状態で、種糸用クランプカッター73によって種糸Yを切断すると、図12(c)に示すように、種糸YのスターターパッケージSP側の糸端が、サクションマウス55の吸引口55aに吸い込まれ、当該糸端をサクションマウス55で吸引保持することができる(ステップS210)。次の工程で、種糸Yを引掛け部65bに容易に引っ掛けることができるよう、種糸Yを種糸用クランプカッター73で切断するのとほぼ同時に、糸渡しレバー65は後方から見て時計回りの方向に少しだけ戻される。
図13を参照しつつ、続きの動作を説明する。スターターパッケージSP側の糸端がサクションマウス55によって吸引保持されたら、ユニット制御部2aは、綾振ドラム42をゆっくり逆回転させることによってスターターパッケージSPを逆回転させ、スターターパッケージSPから種糸Yを引き出す(ステップS211)。
続いて、玉揚制御部3aは、糸渡しモータ66を駆動させ、糸渡しレバー65を後方から見て反時計回りに回転させる。これによって、図13(a)に示すように、スターターパッケージSPとサクションマウス55との間の種糸Yを、糸渡しレバー65の引掛け部65bに引っ掛けることができる。さらに、そのまま糸渡しレバー65を下方に概ね半回転させることで、図13(b)に示すように、スターターパッケージSPから引き出される種糸Yを、糸飛ばしレバー67に受け渡すことのできる位置まで移動させる(ステップS212)。なお、図13(b)に示すように、糸渡しレバー65によって種糸Yを下方に移動させる際に、種糸Yはマウスカッター61によって切断可能な位置に案内される。
次に、玉揚制御部3aは、糸飛ばしモータ68を駆動し、糸飛ばしレバー67を後方に回転させる。これによって、糸飛ばしレバー67の糸拾い部67bが、糸渡しレバー65によって下方に移動させられた種糸Yを拾い、図13(c)に示すように、糸貯留装置30の糸通しノズル34の吸引部の近傍まで種糸Yを移動させる(ステップS213)。つまり、パッケージP側の糸Yを糸通しノズル34の吸引部に導く糸渡し機構8は、糸渡しレバー65及び糸飛ばしレバー67によって構成されている。また、ステップS212、S213が、本発明の「糸渡し工程」に相当する。
これに前後して、ユニット制御部2aは、糸貯留ローラ31の付勢部材36が糸通しノズル34に対向する位置となるように糸貯留ローラ31を位置決めした後、糸通しノズル34を糸貯留ローラ31側に移動させて付勢部材36を押圧するとともに、糸通しノズル34に吸引部から吹出部に向かう空気流を発生させる。この状態で、玉揚制御部3aが、マウスカッター61に種糸Yを切断させると(ステップS214)、図13(d)に示すように、切断された種糸YのスターターパッケージSP側の糸端が糸通しノズル34に吸引され、糸貯留ローラ31の溝部31b内に向けて吹き飛ばされる。糸貯留ローラ31の溝部31bを通った種糸Yは、さらに上糸吹き送り部27によって糸案内部材28に向けて吹き飛ばされることで、上糸捕捉部21によって捕捉され、糸継装置22へと導かれる。糸飛ばしレバー67が種糸Yを糸通しノズル34の吸引部の近傍まで移動させてからここまでの工程が、本発明における「誘導工程」に相当する。なお、マウスカッター61で種糸Yを切断した際のサクションマウス55側の糸Yは、サクションマウス55によって吸引廃棄され、その後、サクションマウス55の吸引動作が停止される。
給糸ボビンB側の糸端は、補助吹き送り部13及び下糸吹き送り部26によって下糸捕捉部23に吹き送られ、下糸捕捉部23に捕捉された状態で糸継装置22へと導かれる。そして、上糸捕捉部21によって捕捉されているスターターパッケージSPから引き出された種糸Y(上糸)と、下糸捕捉部23によって捕捉されている給糸ボビンB側の糸Y(下糸)とを、糸継装置22で糸継ぎすることによって上糸と下糸とがつながる。この工程が、本発明における「糸継工程」に相当する。
最後に、玉揚制御部3aが糸渡しレバー65や糸飛ばしレバー67を初期位置に戻し、ユニット制御部2aが、糸通しノズル34を糸貯留ローラ31から離間させるとともに、綾振ドラム42及び糸貯留ローラ31を正回転させることで、新しい種類の糸Yの巻取りが開始される(ステップS215)。
ここで、糸継装置22で糸継ぎされた給糸ボビンB側の糸Yは、全て、糸継装置22よりも下流側にある糸監視装置25に監視されることになるため、糸欠陥があったとしても除去される。したがって、種糸ボビン71に巻かれている種糸Yが検査済みの良品であれば、仕掛け替え処理後に形成されるパッケージPは、糸欠陥のある糸Yを含まない高品質なものとなる。
(上糸切れ処理)
最後に、上糸切れ処理について説明する。図14は、上糸切れ処理の流れを示すフローチャートである。ある巻取ユニット2にて、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸切れ(上糸切れ)が生じたことが検出されると、この巻取ユニット2のユニット制御部2aは、綾振ドラム42及び糸貯留ローラ31の回転を停止させるとともに、上糸切れ処理を要求する信号を機台制御装置5へ出力する。そして、機台制御装置5からの指令に応じて、玉揚装置3が、上糸切れが生じた巻取ユニット2の位置まで移動した後、上糸切れ処理が開始される。なお、上糸切れが生じると、糸Yのトラバースが適切に行われなくなるので、糸検出センサ44によって上糸切れを検出することができる。あるいは、上糸切れが生じると、糸貯留ローラ31から糸Yが引き出されずに貯留される一方となるので、糸貯留ローラ31への糸Yの貯留量が上限に達したことを検出する不図示のセンサによって、上糸切れを検出することができる。
まず、ユニット制御部2aは、糸監視装置25のカッター25bで糸Yを切断し、糸貯留ローラ31を逆回転させることで残糸を廃棄する(ステップS301)。詳細には、ユニット制御部2aは、カッター25bによる糸Yの切断後、糸貯留ローラ31側の糸端を上糸吹き送り部27で糸案内部材28に向けて吹き飛ばし、上糸捕捉部21によって捕捉させる。この状態で、糸貯留ローラ31を逆回転させることで、糸貯留ローラ31から引き出された糸を上糸捕捉部21によって吸引廃棄することができる。
次に、玉揚制御部3aは、マウス駆動部60を駆動することで、サクションマウス55を待機位置から近接位置に移動させる(ステップS302)。そして、ユニット制御部2aが綾振ドラム42を逆回転させることでパッケージPを逆回転させると、パッケージPに張り付いている糸端がサクションマウス55の吸引口55aに吸引され、サクションマウス55によって当該糸端を保持することができる(ステップS303)。サクションマウス55でパッケージP側の糸Yを吸引保持できたら、玉揚制御部3aは、サクションマウス55を近接位置から待機位置へと戻す(ステップS304)。なお、ステップS302〜S304の動作を、ステップS301と並行して実行してもよい。
サクションマウス55を待機位置に戻すと、図13(a)と同様の状態となる。後は、パッケージPとサクションマウス55との間の糸Yを、糸渡しレバー65で下方に移動させ(ステップS305)、続いて、糸飛ばしレバー67で糸通しノズル34の吸引部の近傍まで導く(ステップS306)。これらステップS305、S306が、本発明の「糸渡し工程」に相当する。
その後、マウスカッター61で糸Yを切断すると(ステップS307)、パッケージP側の糸端が糸通しノズル34、糸貯留ローラ31、上糸吹き送り部27、糸案内部材28を経て上糸捕捉部21に至り、上糸捕捉部21によって糸継装置22に導かれる(本発明の「誘導工程」に相当)。そして、上糸捕捉部21によって捕捉されているパッケージPから引き出された糸Y(上糸)と、下糸捕捉部23によって捕捉されている給糸ボビンB側の糸Y(下糸)とを、糸継装置22で糸継ぎした後(本発明の「糸継工程」に相当)、糸Yの巻取りが再開される(ステップS308)。なお、ステップS305〜S308の動作は、仕掛け替え処理におけるステップS212〜S215と同じ動作なので、ここでの詳細な説明は省略する。
[効果]
本実施形態の自動ワインダ1(糸巻取装置)は、巻取ユニット2が、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、パッケージP側の糸を糸貯留装置30に通してから糸継装置22に導く誘導機構7を有しており、玉揚装置3が、パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが分断されている場合に、逆回転しているパッケージPから引き出される糸Yを誘導機構7に導く糸渡し機構8を有するよう構成されている。かかる構成によれば、糸渡し機構8と誘導機構7とが協働することによって、パッケージP側の糸Yを糸貯留装置30に通してから糸継装置22に導く工程を自動化することができる。したがって、糸継ぎに要する時間、ひいては巻取りを開始(再開)するまでの時間を短縮することができ、パッケージPの生産効率を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、玉揚装置3は、仕掛け替え処理の際に新しい種類の糸Yを供給する種糸供給部70を有しており、巻取ユニット2は、仕掛け替え処理の際に種糸供給部70から供給された種糸Yが巻取管Qに巻き付けられたスターターパッケージSPを形成し、スターターパッケージSPの糸Yが、糸渡し機構8及び誘導機構7によって糸継装置22に導かれるよう構成されている。かかる構成によれば、仕掛け替え処理を自動化することができ、仕掛け替え処理に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、玉揚装置3は、糸Yを吸引保持可能な吸引口55aを有するサクションマウス55(吸引保持部)と、スターターパッケージSPの形成後に、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の種糸Yを吸引口55aの近傍に移動させる移動機構9と、移動機構9によって吸引口55aの近傍に移動させられた種糸Yを、吸引口55aよりも種糸供給部70側で切断する種糸用クランプカッター73(糸切断部)とを有する。種糸Yをサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させてから種糸Yを切断することで、スターターパッケージSP側の糸Yをサクションマウス55によってより確実に吸引保持することができる。
また、本実施形態では、サクションマウス55は、待機位置と吸引口55aがパッケージPに近接する近接位置との間で移動可能であり、移動機構9は、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の種糸Yを、待機位置にあるサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させるよう構成されている。かかる構成によれば、スターターパッケージSP側の糸Yを吸引保持するためにサクションマウス55を移動させる必要がなくなるので、仕掛け替え処理に要する時間をさらに短縮することができる。
また、本実施形態では、移動機構9は、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の種糸Yを引っ掛けて、待機位置にあるサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させる糸渡しレバー65(糸渡し部材)を有する。このような糸渡しレバー65を設けることで、簡易な構成で糸Yをサクションマウス55の吸引口55a近傍に移動させることができる。
また、本実施形態では、移動機構9は、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の種糸Yを糸渡しレバー65によって移動させる前に、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の種糸Yを係止する固定ガイド64をさらに有している。このような固定ガイド64を設けることで、スターターパッケージSPと種糸供給部70との間の糸道が確実に規定されるので、その後、糸渡しレバー65によってより確実に糸Yを引っ掛けることができる。
また、本実施形態では、糸渡しレバー65は、所定方向に移動することによって固定ガイド64による糸Yの係止を解除した後、所定方向の反対方向に移動することによって種糸Yを引っ掛けて待機位置にあるサクションマウス55の吸引口55aの近傍に移動させている。このように、固定ガイド64による種糸Yの係止の解除、及び、係止を解除した種糸Yの吸引口55aの近傍への移動を、ともに糸渡しレバー65によって行うことで、部品点数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、糸渡しレバー65は、糸渡し機構8を構成する部材でもあり、待機位置にあるサクションマウス55によって吸引保持されているスターターパッケージSPの種糸Yを引っ掛けて移動させることが可能である。このように糸渡しレバー65に複数の役割を持たせることによって、玉揚装置3を構成する部品点数の増加を抑制することができる。
また、本実施形態では、上糸切れ処理の際には、サクションマウス55は待機位置から近接位置に移動してからパッケージP側の糸Yを吸引保持する。パッケージPと糸貯留装置30との間で糸Yが切れた場合には、パッケージP側の糸YはパッケージPに張り付いた状態となっていることが多いため、サクションマウス55を近接位置に移動させることにより、パッケージP側の糸Yをより確実に吸引保持することができる。
また、本実施形態では、上糸切れ処理の際、サクションマウス55は、近接位置でパッケージP側の糸Yを吸引保持した後、糸Yを吸引保持したまま待機位置に移動する。こうすれば、上糸切れ処理の以後の動作を、待機位置にあるサクションマウス55によってパッケージP側の糸Yを吸引保持させる仕掛け替え処理と共通化することができるので、部品点数の増加を抑制できるとともに、制御プログラムを簡易にすることができる。
また、本実施形態では、玉揚装置3は、玉揚げ処理の際に、パッケージPと糸貯留装置30との間の糸Yを保持及び切断することが可能なクランプカッター51(糸保持切断部)を有しており、種糸供給部70は、種糸Yをクランプカッター51によって保持可能な位置まで引き出す種糸渡しレバー72(種糸渡し部材)を有している。このため、仕掛け替え処理においてクランプカッター51によって種糸Yを保持する動作を、玉揚げ処理の際のクランプカッター51の動作と共通化することができるので、クランプカッター51に要求される動作が複雑になることを回避し、構成を簡易にすることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は、上述の実施形態に限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、玉揚装置3の糸渡し機構8が、糸渡しレバー65及び糸飛ばしレバー67によって構成され、移動機構9が、糸寄せレバー62、固定ガイド64、及び、糸渡しレバー65によって構成されるものとした。また、巻取ユニット2の誘導機構7が、糸通しノズル34、上糸吹き送り部27、糸案内部材28、及び、上糸捕捉部21によって構成されるものとした。しかしながら、各機構を構成する部材はこれに限定されず、他の部材を適宜追加したり、一部の部材を省略することも可能である。
また、上記実施形態の仕掛け替え処理では、種糸供給部70から種糸YによってスターターパッケージSPを形成するものとした。しかしながら、玉揚装置3に種糸供給部70を設けることは必須ではなく、スターターパッケージSPを予め準備しておき、これをクレードル41にセットしてから、仕掛け替え処理を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態の上糸切れ処理では、糸貯留ローラ31の残糸を上糸捕捉部21によって吸引廃棄するものとした。しかしながら、残糸の廃棄方法はこれに限定されず、例えば、作業者が残糸をハサミ等で切り取って廃棄してもよい。
1:自動ワインダ(糸巻取装置)
2:巻取ユニット
3:玉揚装置
7:誘導機構
8:糸渡し機構
9:移動機構
10:給糸部
22:糸継装置
30:糸貯留装置
40:巻取部
51:クランプカッター(糸保持切断部)
55:サクションマウス(吸引保持部)
55a:吸引口
64:固定ガイド
65:糸渡しレバー(糸渡し部材)
70:種糸供給部
72:種糸渡しレバー(種糸渡し部材)
73:種糸用クランプカッター(糸切断部)
P:パッケージ
SP:スターターパッケージ
Q:巻取管
Y:糸

Claims (14)

  1. 給糸部から引き出される糸を巻取部で巻取管に巻き取ってパッケージを形成する巻取ユニットと、前記巻取ユニットから巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置と、を備える糸巻取装置であって、
    前記巻取ユニットは、
    糸走行方向において前記給糸部と前記巻取部との間に設けられ、前記給糸部側の糸と前記巻取部側の糸との糸継ぎを行う糸継装置と、
    糸走行方向において前記糸継装置と前記巻取部との間に設けられ、糸を一時的に貯留する糸貯留装置と、
    前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、前記パッケージ側の糸を前記糸貯留装置に通してから前記糸継装置に導く誘導機構と、
    を有しており、
    前記玉揚装置は、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合に、糸が引き出される方向に回転している前記パッケージの糸を前記誘導機構に導く糸渡し機構を有することを特徴とする糸巻取装置。
  2. 前記玉揚装置は、前記巻取部で巻き取る糸の種類を変更する仕掛け替え処理の際に、新しい種類の糸を供給する種糸供給部を有しており、
    前記巻取ユニットは、前記仕掛け替え処理の際に、前記種糸供給部から供給された糸が前記巻取管に巻き付けられた前記パッケージであるスターターパッケージを形成し、
    前記スターターパッケージの糸が、前記糸渡し機構及び前記誘導機構によって前記糸継装置に導かれることを特徴とする請求項1に記載の糸巻取装置。
  3. 前記玉揚装置は、
    糸を吸引保持可能な吸引口を有する吸引保持部と、
    前記スターターパッケージの形成後に、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を前記吸引口近傍に移動させる移動機構と、
    前記移動機構によって前記吸引口近傍に移動させられた糸を、前記吸引口よりも前記種糸供給部側で切断する糸切断部と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の糸巻取装置。
  4. 前記吸引保持部は、待機位置と前記吸引口が前記パッケージに近接する近接位置との間で移動可能であり、
    前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を、前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させることを特徴とする請求項3に記載の糸巻取装置。
  5. 前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を引っ掛けて、前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させる糸渡し部材を有することを特徴とする請求項4に記載の糸巻取装置。
  6. 前記移動機構は、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を前記糸渡し部材によって移動させる前に、前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸を係止する固定ガイドをさらに有していることを特徴とする請求項5に記載の糸巻取装置。
  7. 前記糸渡し部材は、所定方向に移動することによって前記固定ガイドによる糸の係止を解除した後、前記所定方向の反対方向に移動することによって糸を引っ掛けて前記待機位置にある前記吸引保持部の前記吸引口近傍に移動させることを特徴とする請求項6に記載の糸巻取装置。
  8. 前記糸渡し部材は、前記糸渡し機構を構成する部材でもあり、前記待機位置にある前記吸引保持部によって吸引保持されている前記スターターパッケージの糸を引っ掛けて移動させることが可能であることを特徴とする請求項5ないし7の何れか1項に記載の糸巻取装置。
  9. 前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が切れたときに前記糸継装置によって糸継ぎを行う上糸切れ処理の際には、前記吸引保持部は前記待機位置から前記近接位置に移動してから前記パッケージ側の糸を吸引保持することを特徴とする請求項4ないし8の何れか1項に記載の糸巻取装置。
  10. 前記上糸切れ処理の際、前記吸引保持部は、前記近接位置で前記パッケージ側の糸を吸引保持した後、糸を吸引保持したまま前記待機位置に移動することを特徴とする請求項9に記載の糸巻取装置。
  11. 前記玉揚装置は、巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚げ処理の際に、前記パッケージと前記糸貯留装置との間の糸を保持及び切断することが可能な糸保持切断部を有しており、
    前記種糸供給部は、前記新しい種類の糸を前記糸保持切断部によって保持可能な位置まで引き出す種糸渡し部材を有していることを特徴とする請求項2ないし10の何れか1項に記載の糸巻取装置。
  12. 給糸部から引き出される糸を糸貯留装置で一時的に貯留した後、巻取部で巻取管に巻き取ってパッケージを形成するとともに、糸走行方向において前記給糸部と前記糸貯留装置との間に設けられ、前記給糸部側の糸と前記巻取部側の糸との糸継ぎを行う糸継装置を有する巻取ユニットと、
    前記巻取ユニットから巻取りが完了した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置と、
    を備える糸巻取装置において、前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が分断されている場合の糸継方法であって、
    前記パッケージから糸が引き出される方向に前記パッケージを回転させながら、前記玉揚装置に設けられた糸渡し機構によって、前記パッケージ側の糸を前記糸貯留装置に導く糸渡し工程と、
    前記糸貯留装置に導かれた前記パッケージ側の糸を、前記巻取ユニットに設けられた誘導機構によって、前記糸貯留装置に通してから前記糸継装置に導く誘導工程と、
    前記糸継装置に導かれた前記パッケージ側の糸を、前記糸継装置によって前記給糸部側の糸と糸継ぎする糸継工程と、
    を備えることを特徴とする糸継方法。
  13. 前記巻取部で巻き取る糸の種類を変更する仕掛け替え処理の際、前記巻取ユニットが、前記玉揚装置に設けられた種糸供給部から新しい種類の糸の供給を受け、前記新しい種類の糸が前記巻取管に巻き付けられた前記パッケージであるスターターパッケージを形成し、
    前記スターターパッケージと前記種糸供給部との間の糸に対して、前記糸渡し工程、前記誘導工程、及び、前記糸継工程を実行することを特徴とする請求項12に記載の糸継方法。
  14. 前記パッケージと前記糸貯留装置との間で糸が切れたときに前記糸継装置によって糸継ぎを行う上糸切れ処理の際、前記玉揚装置に設けられた吸引保持部によって前記パッケージ側の糸を吸引保持し、
    前記パッケージと前記吸引保持部との間の糸に対して、前記糸渡し工程、前記誘導工程、及び、前記糸継工程を実行することを特徴とする請求項12又は13に記載の糸継方法。
JP2016205406A 2016-10-19 2016-10-19 糸巻取装置及び糸継方法 Pending JP2018065659A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205406A JP2018065659A (ja) 2016-10-19 2016-10-19 糸巻取装置及び糸継方法
CN201710914897.2A CN107963518B (zh) 2016-10-19 2017-09-30 纱线卷取装置以及接头方法
EP17196775.5A EP3312117B1 (en) 2016-10-19 2017-10-17 Yarn winding device and yarn joining method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016205406A JP2018065659A (ja) 2016-10-19 2016-10-19 糸巻取装置及び糸継方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018065659A true JP2018065659A (ja) 2018-04-26

Family

ID=60119937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016205406A Pending JP2018065659A (ja) 2016-10-19 2016-10-19 糸巻取装置及び糸継方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP3312117B1 (ja)
JP (1) JP2018065659A (ja)
CN (1) CN107963518B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4467498A1 (en) 2023-05-24 2024-11-27 Murata Machinery, Ltd. Yarn processing apparatus
EP4467497A1 (en) 2023-05-24 2024-11-27 Murata Machinery, Ltd. Yarn winder
EP4470953A1 (en) 2023-05-31 2024-12-04 Murata Machinery, Ltd. Doffing device and automatic winder

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020075382A1 (ja) * 2018-10-09 2020-04-16 Tmtマシナリー株式会社 糸巻取機

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02243475A (ja) * 1989-03-17 1990-09-27 Murata Mach Ltd 自動ワインダにおける異常警報装置
JP2006225092A (ja) * 2005-02-16 2006-08-31 Murata Mach Ltd 自動玉揚げ動作方法
ITMI20050629A1 (it) * 2005-04-13 2006-10-14 Savio Macchine Tessili Spa Dispositivo e procedimento per la manipolazione e il controllo del filo in una testa di roccatura di una macchina roccatrice nelle operazioni di levata di una rocca
JP2010174405A (ja) * 2009-01-29 2010-08-12 Murata Machinery Ltd 糸端捕捉案内装置及びそれを備える紡績機
JP2015000777A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 村田機械株式会社 糸巻取機
JP2015148035A (ja) * 2014-02-10 2015-08-20 村田機械株式会社 糸捕捉装置、及び、糸巻取機
JP2016044016A (ja) * 2014-08-21 2016-04-04 村田機械株式会社 糸巻取装置及び自動ワインダ
JP2016047764A (ja) * 2014-08-28 2016-04-07 村田機械株式会社 糸巻取装置及び糸巻取機

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4467498A1 (en) 2023-05-24 2024-11-27 Murata Machinery, Ltd. Yarn processing apparatus
EP4467497A1 (en) 2023-05-24 2024-11-27 Murata Machinery, Ltd. Yarn winder
EP4470953A1 (en) 2023-05-31 2024-12-04 Murata Machinery, Ltd. Doffing device and automatic winder

Also Published As

Publication number Publication date
EP3312117B1 (en) 2019-08-14
EP3312117A1 (en) 2018-04-25
CN107963518A (zh) 2018-04-27
CN107963518B (zh) 2021-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2664572B1 (en) Yarn winding device and yarn winding method
JP5471924B2 (ja) 糸巻取装置
JP2011162351A (ja) 玉揚げ装置
JP2016047764A (ja) 糸巻取装置及び糸巻取機
EP2905249B1 (en) Bobbin setting device and yarn winding machine
JP2013067475A (ja) 糸巻取機及び糸巻取ユニット
JP2018065659A (ja) 糸巻取装置及び糸継方法
EP3000757B1 (en) Yarn winding device
JP2011144028A (ja) 糸巻取機及び糸案内方法
JP2014043347A (ja) 巻取り機の作業部で上糸と下糸とを結合する方法ならびに巻取り機の作業部
EP2990367B1 (en) Yarn winding device
CN111542481B (zh) 纱线卷绕机
JP2013067474A (ja) 糸巻取機及び糸巻取ユニット
CN107963512B (zh) 纱线卷取装置以及卷装的旋转停止方法
WO2015029292A1 (ja) 糸巻取装置
JP7553257B2 (ja) 繊維機械の作業ユニットにおいて糸継ぎ結合部を形成するための方法ならびに繊維機械の作業ユニット
JP2019108629A (ja) 紡績機及び糸捕捉方法
JP3609575B2 (ja) 自動ワインダ
JP2017077949A (ja) 糸巻取装置
CN119018719A (zh) 纱线卷取机
JPH10297827A (ja) 自動ワインダ
CN112110281B (zh) 纱线卷绕装置及包头纱形成方法
CN116891164A (zh) 纱线卷取机以及纱线卷取方法
JP2000289928A (ja) 自動ワインダの糸掛け方法、及びその糸掛け装置
CN116803878A (zh) 纱线卷取机以及纱线卷取方法