[go: up one dir, main page]

JP2018030056A - 処理装置及び粉体処理方法 - Google Patents

処理装置及び粉体処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018030056A
JP2018030056A JP2016162187A JP2016162187A JP2018030056A JP 2018030056 A JP2018030056 A JP 2018030056A JP 2016162187 A JP2016162187 A JP 2016162187A JP 2016162187 A JP2016162187 A JP 2016162187A JP 2018030056 A JP2018030056 A JP 2018030056A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
blade
powder
processing apparatus
processing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016162187A
Other languages
English (en)
Inventor
雅裕 猪ノ木
Masahiro Inoki
雅裕 猪ノ木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hosokawa Micron Corp
Original Assignee
Hosokawa Micron Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hosokawa Micron Corp filed Critical Hosokawa Micron Corp
Priority to JP2016162187A priority Critical patent/JP2018030056A/ja
Priority to PCT/JP2017/027878 priority patent/WO2018037854A1/ja
Publication of JP2018030056A publication Critical patent/JP2018030056A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/50Mixing liquids with solids
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F23/00Mixing according to the phases to be mixed, e.g. dispersing or emulsifying
    • B01F23/60Mixing solids with solids
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F27/00Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders
    • B01F27/60Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders with stirrers rotating about a horizontal or inclined axis
    • B01F27/70Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders with stirrers rotating about a horizontal or inclined axis with paddles, blades or arms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F27/00Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders
    • B01F27/80Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders with stirrers rotating about a substantially vertical axis
    • B01F27/90Mixers with rotary stirring devices in fixed receptacles; Kneaders with stirrers rotating about a substantially vertical axis with paddles or arms 
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F35/00Accessories for mixers; Auxiliary operations or auxiliary devices; Parts or details of general application
    • B01F35/90Heating or cooling systems

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Mixers Of The Rotary Stirring Type (AREA)
  • Accessories For Mixers (AREA)

Abstract

【課題】微細な粉体に対して、より強い攪拌力を与えてこれを精密に混合することができ、さらに複合化等の処理も実施可能な処理装置と粉体処理方法を提供すること。【解決手段】ケーシングと、2つ以上の攪拌羽根8を有するロータ5とを備え、ロータ5の回転によって処理物をケーシング内で攪拌する処理装置において、ロータ5は、攪拌羽根8として、ロータ5が回転するときに処理物を上昇させる上昇羽根8aと処理物を下降させる下降羽根8bとをそれぞれ少なくとも1つ備える。【選択図】図3

Description

本発明は、粉体等の処理物を攪拌処理する処理装置、及び当該処理装置を用いる粉体処理方法に関する。
従来の処理装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載されるものが挙げられる。この文献に記載される処理装置は、竪型の混合槽と、混合槽の槽底を挿通して設けられる回転軸と、回転軸に設けられる複数の撹拌羽根と、混合槽に固定して設けられる複数の衝突板とを備えるバッチ式の処理装置であり、粉粒体に圧縮力や剪断力を与えて複合化などの処理を行うものである。
国際公開第2011/040620号
近年、粉体の微細化が進み、例えばナノメートルサイズという非常に微細な粉体を精密に混合して、複合化等の処理を実施できるようにしたいという要望が出ている。
しかしながら、粉体は微細化が進むほど、その凝集が強くなる性質がある。従来の処置装置では、ナノメートルサイズのものに代表されるような微細な粉体を精密に混合するための攪拌力が必ずしも十分ではなく、改善する余地が残されている。
本発明の目的は、微細な処理物に対して、より強い攪拌力を与えてこれを精密に混合することができ、さらに複合化等の各種処理も実施可能な処理装置と粉体処理方法を提供することにある。
本発明の処理装置の特徴構成は、ケーシングと、2つ以上の攪拌羽根を有するロータとを備え、前記ロータの回転によって処理物を前記ケーシング内で攪拌する処理装置において、前記ロータは、前記攪拌羽根として、該ロータが回転するときに前記処理物を上昇させる上昇羽根と前記処理物を下降させる下降羽根とをそれぞれ少なくとも1つ備える点にある。
本構成によれば、ロータを回転させると、上昇羽根及び下降羽根の作用によって、処理物がロータの回転方向と直交する向きに蛇行しながら回転方向に沿って循環するという、複雑な循環流をケーシング内に発生させることができる。その結果、処理物が、従来の処理装置に比べて非常に強い攪拌力を受けることとなり、微細な処理物でも精密に混合することができると共に、複合化等の各種処理もより確実に実施することができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記攪拌羽根が前記上昇羽根及び前記下降羽根から構成され、前記上昇羽根及び前記下降羽根が前記ロータの周方向に交互に取り付けられている点にある。
本構成によれば、より確実に、処理物がロータの回転方向と直交する向きに蛇行しながら回転方向に沿って循環するようになるため、さらに強い攪拌力を生じさせることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記上昇羽根及び前記下降羽根の一方の延長線が他方と交わるように配置されている点にある。
本構成によれば、処理物を、上昇羽根から下降羽根への処理物の移動、及び下降羽根から上昇羽根への処理物の移動がよりスムーズになり、処理物の衝突回数を増加させることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記ケーシング内の隅部分が丸く滑らかに形成されているか、前記攪拌羽根の下部形状が丸く滑らかに形成されているか、あるいはその両方である点にある。
本構成によれば、処理物が、ケーシングの内壁に沿って循環し易くなるため、より強い攪拌力を生じさせることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記ロータの平面視の中央部分に、円錐形状のロータコーンが設けられている点にある。
本構成によれば、処理物が、ロータコーンの傾斜面に沿って攪拌羽根側に案内され易くなるため、より効率良く攪拌処理を実施することができる。
本発明の処理装置におけるケーシング及びロータの回転軸が、加熱・冷却媒体用の流路を備えても良い。また本発明の処理装置は、ケーシング内の処理空間の雰囲気を調整する雰囲気調整手段を備えても良い。さらに本発明の処理装置におけるロータの回転軸は、鉛直方向又は水平方向のいずれの方向に設置されても良い。また、本発明の処理装置におけるロータの回転速度は、処理物に応じて設定変更可能に構成されていることが望ましい。
処理装置の縦断面構造を模式的に示した図である。 図1の矢視線II−IIにおける横断面図である。 ロータの斜視図である。 攪拌羽根の取付け方を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 ロータの変形例を示す斜視図である。 ロータの変形例を示す斜視図である。 攪拌時における粉体の流れを模式的に示す図である。 処理装置による融合化処理を行う珪砂(D50=21.07μm)の電子顕微鏡写真である。 図12の拡大写真である。 処理装置による融合化処理を行うシリカ(D50=7nm)の電子顕微鏡写真である。 図14の拡大写真である。 処理装置による融合化処理品の電子顕微鏡写真である。 図16の拡大写真である。 処理装置による複合化処理の電子顕微鏡写真である。 処理装置による形状変形処理を行う樹脂粉体の電子顕微鏡写真である。 処理装置による形状変形処理品の電子顕微鏡写真である。
[実施形態]
以下、本発明の処理装置の一実施形態について、バッチ式の粉体処理装置を例として以下説明する。
(粉体処理装置)
図1及び図2に示されるように、本実施形態における粉体処理装置1は、円筒形状竪型のケーシング2、ケーシング2の底部を挿通して鉛直方向に設置される回転軸4、及び回転軸4の上端部分に装着されるロータ5を備える。
回転軸4の下端側が、ベアリング等を備える図示しない支持構造によって支持されつつ、モーター等を備える図示しない駆動部と連結されている。これにより、回転軸4が軸心回りに回転可能に支持されて、ロータ5が横方向に回転可能となる。
原料投入口9がケーシング2の天井部の端部分に設けられており、製品排出口10がケーシング2の底部の隅部分に設けられている。
粉体処理装置1は、ケーシング2内の処理空間3の雰囲気を調整する雰囲気調整手段11を備える。雰囲気調整手段11は、ガスを供給可能なガス供給部12と、処理空間3に連通するガス流路13とを備える。ガス供給部12は、バルブを介してガス流路13に接続されており、ガス供給部12から供給されたガスが、処理空間3とガス流路13との間で循環されるように構成されている。これにより、例えば粉体の酸化等を防止するために窒素ガス等の不活性ガスをガス供給部12より処理空間3に導入することができる。また、粉体として金属粉等を処理する場合に、酸素や空気等の反応性ガスをガス供給部12より処理空間3に導入して、粉体に化学反応を生じさせることもできる。
フィルター部材15を内部に備える固体気体分離手段14が、ケーシング2の天井部の中央部分に設けられている。これにより、雰囲気調整手段11により循環するガスと、回転するロータ5とによって舞い上げられた粉体が、固体気体分離手段14のフィルター部材15によって捕集されて、下のロータ5に払い落とされる。また、固体気体分離手段14で捕集されなかった粉体については、ガス流路13に設けられているフィルター装置16によって捕集され、ガス流路13を介してケーシング2内の処理空間3に再導入される。
加熱・冷却手段21がガス流路13に設けられている。これにより、ガス供給部12から供給されるガスを加熱又は冷却し、ケーシング2内の処理空間3の温度を調節することができる。
加熱・冷却媒体用の第1流路17が、回転軸4とロータ5の内部に形成されている。第1加熱・冷却媒体供給部18から供給される媒体が第1流路17を介して回転軸4及びロータ5にわたって循環し、これにより回転軸4及びロータ5を加熱又は冷却することができるように構成されている。また、加熱・冷却媒体用の第2流路19が、ケーシング2の内壁の内側に通じるように形成されている。第2加熱・冷却媒体供給部20から供給される媒体が第2流路19を介してケーシング2内を循環し、これによりケーシング2を加熱又は冷却することができるように構成されている。即ち、本実施形態における粉体処理装置1では、装置の内側と外表面の両方から、装置を加熱又は冷却することができる。
ケーシング2については、上下方向に複数個に分割することができるように構成しても良い。即ち、処理空間3を覆う作動状態と、処理空間3を覆わない非作動状態とに変更可能に構成されていれば、装置内部の清掃・メンテナンスを実施し易くなる。
ケーシング2内の上隅部分と下隅部分は、丸く滑らかに形成されていることが好ましい。これにより、粉体の攪拌時において、ケーシング2の内壁に沿うように上下方向に循環する循環流が発生し易くなる。より具体的には、上隅部分の曲率R1≧0.01×ロータ5の直径(D)、下隅部分の曲率R2≧0.01×ロータ5の直径(D)であることが望ましい。
図3に示されるように、ロータ5は、その平面視の中央部分に配置される円柱部6と、円柱部6の上端面に取り付けられる円錐形状のロータコーン7と、円柱部6の側面に所定の間隔で取り付けられる複数の攪拌羽根8と、を備える。ロータ5の円柱部6に回転軸4の上端部分が接続されており、回転軸4の駆動によって、複数の攪拌羽根8が回転軸4の軸心回りに回転する。
図3及び図4に示されるように、ロータ5は、その回転面に対して所定の角度で傾斜する姿勢で設けられている上昇羽根8aと下降羽根8bとを備える。上昇羽根8aは、その上端がロータ5の回転方向において後退する側に配置されるように傾斜しており、下降羽根8bは、その上端がロータ5の回転方向において前進する側に配置されるように傾斜している。ロータ5が回転するとき、上昇羽根8aは粉体を上昇させるように機能し、下降羽根8bは粉体を下降させるように機能する。
本実施形態におけるロータ5は、2つの上昇羽根8a及び2つの下降羽根8bという合計4つの攪拌羽根8を備えて構成されており、上昇羽根8aと下降羽根8bが円柱部6の周方向に90度の間隔で交互に取り付けられている。尚、攪拌羽根8の設置数は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、ロータ5の直径が大きくなるほど、より多くの攪拌羽根8を設けるなどして、ロータ5の直径等に合わせてその数を適宜変更して良い。尚、上昇羽根8aの数と下降羽根8bの数は同じにすることが望ましい。
本実施形態における上昇羽根8a及び下降羽根8bは、同じ大きさ及び形を有する略矩形の直線状の平板である。図4に示されるように、上昇羽根8aの傾斜角度ηはロータ5の回転面に対して10°〜80°であり、望ましくは30°〜60°である。また下降羽根8bの傾斜角度η´はロータ5の回転面に対して10°〜80°であり、望ましくは30°〜60°である。
本実施形態における上昇羽根8a及び下降羽根8bは、円柱部6に対して同じ高さに設けられているが、この構成に限定されるものではない。他の形態として、例えば図5に示されるように、上昇羽根8aが下降羽根8bのよりも下側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わるように配置されていても良い。また、図6に示されるように、上昇羽根8aが下降羽根8bのよりも下側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わるように配置されていても良い。また、図7に示されるように、下降羽根8bが上昇羽根8aのよりも下側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わるように配置されていても良い。また、図8に示されるように、下降羽根8bが上昇羽根8aのよりも下側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わるように配置されていても良い。
尚、上昇羽根8a及び下降羽根8bは、ロータ5の回転方向が逆向きになると、その機能が相互に入れ替わることになる。即ち、上昇羽根8aが下降羽根8bとなり、下降羽根8bが上昇羽根8aとなる。従って、図5において回転方向を逆にした場合、上昇羽根8aが下降羽根8bのよりも上側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わることになる。図6において回転方向を逆にした場合、上昇羽根8aが下降羽根8bのよりも上側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わることになる。また図7において回転方向を逆にした場合、下降羽根8bが上昇羽根8aのよりも上側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わることになる。また図8において回転方向を逆にした場合、下降羽根8bが上昇羽根8aのよりも上側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わることになる。
ロータコーン7は、ロータ5の回転によって舞い上げられた粉体が落下する際、当該粉体を攪拌羽根8側に導くガイドとして機能する。ロータコーン7の傾斜面の傾斜角度θは、20°〜80°であり、望ましくは、40°〜70°である。
本実施形態の粉体処理装置1において、図1及び図2に示されるように、ケーシング2の高さをH、ロータ5の高さをh、ロータ5の高さ(ロータコーン7を含まず)をL、ロータ5の直径をD、ロータコーン7の直径をR、ロータ5とケーシング2の内壁との距離(クリアランス)をC1、及びロータ5とケーシング2の底部との距離(クリアランス)をC2とする。
このとき粉体処理装置1の各構成部品のサイズ・寸法は、D>2R、H<1.5D、h<H−2Lとなるように設定することが望ましい。また、クリアランスは、0.3mm≦C1≦50mm、0.3mm≦C2≦50mmとすることが望ましい。
(粉体処理方法)
上述の粉体処理装置1を使用して粉体を処理する方法を以下に例示する。
処理すべき粉体の所定量を、原料投入口9からケーシング2内に導入する。このとき、粉体の充填量(リットル)は、ケーシング2内の処理空間3の5%〜95%とすることが望ましい。
次いで、ロータ5を所定の回転速度で所定時間回転駆動させて、粉体を攪拌する。尚、上記粉体処理装置1は、粉体の種類等に応じてロータ5の回転速度を適宜設定変更することができるように構成されている。
攪拌時における粉体の流れを図1、図2、図4、及び図11に示す。図2の矢印の線に示されるように、粉体は、ロータ5の回転方向に循環する。このとき粉体は、上昇羽根8aによって上昇して、下降羽根8bによって下降するため、図4の矢印の線(一点鎖線)に示されるように、粉体は上下に蛇行しながらロータ5の回転方向に循環する。尚、実際には、上昇羽根8a及び下降羽根8bにおいて、その上面及び下面の両面に沿って粉体が移動し得る。そのため、図11に示されるように、粉体は上下に蛇行し、且つ交差しながらロータ5の回転方向に循環する。
さらに、図1の矢印の線に示されるように、ロータ5の回転によって舞い上げられた粉体は、ケーシング2の内壁に沿って移動して、平面視におけるケーシング2の中央付近で落下し、ロータコーン7の傾斜面に沿って再び攪拌羽根8側に案内される。従って、粉体はケーシング2内で上下方向(垂直方向及び/又は垂直に近い方向)に循環する。
以上より、本実施形態に係る粉体処理装置1では、図11に示されるように、粉体が上下に蛇行しながら回転方向に沿って循環すると同時に上下方向にも循環するという、複雑な循環流が発生する。このとき、上下方向の循環によって主にマクロレベルの混合が行われ、上下の蛇行による循環によって主にミクロレベルの精密混合が行われる。その結果、粉体は従来の処理装置に比べて非常に強い攪拌力を受けることとなり、ナノメートルサイズのものに代表されるような微細な粉体でも精密に混合することができる。
さらに、本実施形態に係る粉体処理装置1によれば、粉体粒子を粒子単位で混合させる精密混合処理だけでなく、融合化処理(複合化処理)としての微粉融合化処理、表面改質処理、表面円滑化処理、形状変形処理、非晶質化処理、及び液添混合処理等の粉体処理をより確実に実施することができる。即ち、微粉融合化処理は粉体中の微粉粒子をこれより径が大きい粒子に結合させる処理であり、表面改質処理は粉体粒子の表面に改質剤を結合させる処理であり、表面円滑化処理は粉体粒子の表面を滑らかにする処理であり、形状変化処理は粉体粒子の形状を変化させる処理であり、非晶質化処理は、結晶構造を有する粉体粒子を非晶質構造に変化させる処理であり、液添混合処理は、粉体粒子との化学反応や粉体粒子表面層の作製等によって粉体粒子の表面特性を変化させる処理である。このような処理を終えた粉体は、製品排出口10から取り出される。
〔その他の実施形態〕
1.上述の実施形態では、上昇羽根8aと下降羽根8bとが円柱部6の周方向に交互に取り付けられている構成が示されているが、当該構成に限定されるものではなく、例えば図9に示されるように、上昇羽根8aと下降羽根8bとを周方向に交互に取り付けずに、上昇羽根8aと下降羽根8bとをそれぞれまとめて取り付けるような構成としても良い。また、本発明におけるロータ5は、2つ以上の攪拌羽根8を備えて構成されており、且つ上昇羽根8aと下降羽根8bとをそれぞれ少なくとも1つ備える構成とすれば良い。また攪拌羽根8の種類についても、上昇羽根8aと下降羽根8bの2種類に限定されるものではなく、他にもロータ5の回転面に沿う傾斜していない攪拌羽根を組み合わせても良い(例えば、上昇羽根8aと下降羽根8bとの間に非傾斜羽根を設ける等)。また、上昇羽根8aと下降羽根8bの形状については、上述の実施形態における直線状の形態に限らず、同様の機能を有するものであれば、湾曲している形状としても良い。
2.上述の実施形態のロータ5は、2つの上昇羽根8a及び2つの下降羽根8bという合計4つの攪拌羽根8を備えるものであるが、その他の形態の一例として、例えば4つの上昇羽根8a及び4つの下降羽根8bという合計8つの攪拌羽根8から構成されているロータ5を図10に示す。
3.上述の実施形態では、ケーシング2内の上隅部分と下隅部分は、丸く滑らかに形成されているが、この構成に限定されるものではなく、攪拌羽根8の下部形状が丸く滑らかに形成されていても良く、あるいは、これらの両方の構成を採用するようにしても良い。
4.本発明に係る処理装置が処理可能な処理物としては、粉体に限定されるものではなく、他にも処理物として液体を処理するようにして良い。また、粉体については、金属や無機物に限らず、有機物であっても良い。また2種類以上の処理物を組み合わせて処理しても良く、例えば、2種類の無機物を組み合せたり、無機物と有機物とを組み合わせても良い。
5.上述の実施形態における回転軸4は、下端側のみが支持されているが、この構成に限定されるものではない。他にも例えば、上端側が支持されていても良く、あるいは上端及び下端の両方が支持されていても良い。
6.上述の実施形態では、回転軸4が鉛直方向に設置されていてロータ5が横方向に回転する構成が採用されているが、この構成に限定されるものではなく、回転軸4が水平方向に設置されていてロータ5が縦方向に回転する構成としても良い。
7.上述の実施形態では、バッチ式の粉体処理装置を例示したが、この構成に限定されるものではなく、連続処理式の粉体処理装置であっても良い。
上述の実施形態の処理装置を使用した粉体処理方法の実施例を以下に示す。
(無機粉体の融合化処理)
母粒子として珪砂(D50=21.07μm)を使用し(図12及び図13参照)、子粒子としてシリカ(D50=7nm)を使用し(図14及び図15参照)、融合化処理を行った。結果を図16及び図17に示す。特に図17に示されるように、珪砂の表面にシリカが結合して、融合化されていることが分かる。
(樹脂粉体と無機粉体との複合化処理)
母粒子としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を使用し(図18参照)、子粒子として酸化チタン(TiO)を使用し(図18参照)、複合化処理を行った。結果を図18に示す。図18に示されるように、ポリメタクリル酸メチル樹脂の表面に酸化チタンが結合して、複合化されていることが分かる。
(樹脂粉体の形状変形処理)
樹脂粉体としてアクリル樹脂を使用し(図19参照)、形状変形処理を行った。結果を図20に示す。図20に示されるように、アクリル樹脂の粒子形状が、球形化されていることが分かる。
以上の実施例に加え、今後の複合粒子を形成する際に考えられる粒子材料の組合せとその用途および期待される効果等を以下に列挙する。何れも粒子レベルでの精密混合により異種材料粒子が混在する緻密な組成物が形成されることで多様な特性を持った複合粒子が得られる。また、圧縮力と剪断力を付与する過程で混合造粒作用に伴い球状化されて充填性が向上するという効果も挙げられる。
(A)母粒子と子粒子が共に金属の場合、用途面では各種合金化が可能で傾斜機能材料、耐熱材料、錆止材料に応用でき、耐薬品性、造粒による充填性改善の効果も期待できる。
(B)母粒子が金属で子粒子が無機材料あるいは母粒子が無機材料で子粒子が金属の場合、燒結体としてコアーの渦電流を低下させたり、燒結密度の向上のほか、耐熱性、耐食性、耐摩耗性、耐薬品性、充填性向上などが図れ、傾斜機能材料、導電性材料、発光材料、電池材料などの用途に利用できる。
(C)母粒子が金属で子粒子が有機材料あるいは母粒子が有機材料で子粒子が金属の場合、導電体材料として電極バルク、フィルム、グリース等に、熱伝導体材料としてフィルム、グリース等に、ナノバルーン化させて増量材、軽量材、保温材、吸音材等に、またナノバルーン化させた粒子の表面に凝集防止効果を持たせてセンサーとして利用できる。さらに、耐熱性、耐食性、耐薬品性などを持たせて、錆止材、カビ防止材、高強度材、難燃材、発光材料、電池材料、電気絶縁材等の用途に利用できる。
(D)母粒子が金属で子粒子として液または液状物の場合、母粒子表面への被膜形成により、燒結体の薄膜材、酸およびアルカリ洗浄材、酸化および還元材、親水性および疎水性付与材などの用途に利用できる。また、液がバインダの場合、強固で均一な粒径の造粒物を作成することができ、充填材、焼結用粒子、触媒などに利用できる。
(E)母粒子と子粒子が共に無機材料の場合、フィラーの充填量を増加してCPU封止剤に、顔料の発色性向上に、電池材料のカーボンを含む負極材料やリチウム酸化物などの正極材の充填性向上や性能向上に、軸受部品の硫化モリブデン被膜などの潤滑性改善に、電気伝導材、紫外線の遮蔽材、高強度材、耐候性付与材などの用途のほか、ナノバルーンの破片をフィラーとして化粧品や分散材としても利用できる。また、造粒による充填性改善の効果も期待できる。
(F)母粒子が無機材料で子粒子が有機材料あるいは母粒子が有機材料で子粒子が無機材料の場合、高強度材、難燃材、発光材料、電気伝導材などの用途ほか、ペーパーライクディスプレ(帯電粒子)、二次電池のバインダ付活物質材料、フィラーとして誘電体粒子の熱伝導率や濡れ性の向上に、ナノバルーン化して増量材、保温材、吸音材に、また粒子表面に凝集防止効果を持たせてセンサーとしても利用できる。
(G)母粒子が無機粒子で子粒子として液または液状物の場合、母粒子表面への被膜形成により、カップリング処理して虫歯詰の樹脂フィラーに、また各基材の濡れ性を改善するフィラーに、親水性および疎水性付与材などの用途に利用できる。また、造粒物は充填性改善の効果も期待できる。
(H)母粒子と子粒子が共に有機材料の場合、徐放性や生体親和性とコントロールリリースを目的としたDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)による医薬品への応用、および耐光性による紫外線の遮蔽材、PEGやPVAなどの高分子材料の表面融合により樹脂自体の可溶性や不溶性を向上させることができ、同種の樹脂を使用する用途に利用できる。
(I)母粒子が有機粒子で子粒子として液または液状物の場合、母粒子表面への被膜形成により可溶性および不溶性を付与したり、親水性および疎水性などを付与することができる。
なお、有機材料として主要な材料である樹脂で粉粒体にできるものは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、その他特殊樹脂であれ、すべて本発明に使用可能である。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂(EP)、ジアリルフタレート樹脂(PDAP)、シリコーン樹脂(SI)、フェノール樹脂(PF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリウレタン樹脂(PUR)、メラミン樹脂(MF)、ユリア樹脂(UF)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂として、エチレン酢ビコポリマー(EVA)、エチレンビニルアルコール強重合樹脂(PVAL)、塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリエチレン(CPE)、酢酸繊維素樹脂(CA)ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアクリレート樹脂(PAR)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン(PES)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル樹脂(PEN)ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン樹脂(PP)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)などが挙げられる。
その他の特殊樹脂として、様々な熱硬化性特殊樹脂および熱可塑性特殊樹脂が各樹脂メーカーから製造販売されているが、これらについても樹脂の形態が粉粒体状であれば本発明に利用可能である。
上述の複合粒子は、粉末冶金、セラミックス、トナー、粉体塗料、ハイブリット樹脂、二次電池、その他各種工業分野における新素材材料として使用できる。
また上述の複合粒子は、微細な複合粒子であっても溶液やバインダなどを加える必要がないので、複合粒子にバインダなどの不要な成分が混入しない製品が得られ、医薬品や食品用としても利用できる。
さらに、複合化処理工程に温度制御を加えることで、材料の種類、組み合わせ、形状や性状を問わず実施でき、種々の良好な複合粒子の製造を可能とし、製品となる複合粒子は各種素材として様々な工業分野において利用されるほか、新素材として技術開発分野での新たな用途開発への適用範囲を広げることができる。
本発明は、微細な粉体等の処理物を攪拌して混合する技術の分野において好適に利用することができる。
1 粉体処理装置
2 ケーシング
3 処理空間
4 回転軸
5 ロータ
6 円柱部
7 ロータコーン
8 攪拌羽根
8a 上昇羽根
8b 下降羽根
9 原料投入口
10 製品排出口
11 雰囲気調整手段
12 ガス供給部
13 ガス流路
14 固体気体分離手段
15 フィルター部材
16 フィルター装置
17 第1流路
18 第1加熱・冷却媒体供給部
19 第2流路
20 第2加熱・冷却媒体供給部
21 加熱・冷却手段
H ケーシングの高さ
h ロータの高さ
L ロータの高さ(ロータコーンを含まず)
D ロータの直径
R ロータコーンの直径
C1 ロータとケーシングの内壁との距離(クリアランス)
C2 ロータとケーシングの底部との距離(クリアランス)
本発明は、粉体等の処理物を攪拌処理する処理装置、及び当該処理装置を用いる粉体処理方法に関する。
従来の処理装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載されるものが挙げられる。
この文献に記載される処理装置は、竪型の混合槽と、混合槽の槽底を挿通して設けられる回転軸と、回転軸に設けられる複数の撹拌羽根と、混合槽に固定して設けられる複数の衝突板とを備えるバッチ式の処理装置であり、粉粒体に圧縮力や剪断力を与えて複合化などの処理を行うものである。
国際公開第2011/040620号
近年、粉体の微細化が進み、例えばナノメートルサイズという非常に微細な粉体を精密に混合して、複合化等の処理を実施できるようにしたいという要望が出ている。
しかしながら、粉体は微細化が進むほど、その凝集が強くなる性質がある。従来の処置装置では、ナノメートルサイズのものに代表されるような微細な粉体を精密に混合するための攪拌力が必ずしも十分ではなく、改善する余地が残されている。
本発明の目的は、微細な処理物に対して、より強い攪拌力を与えてこれを精密に混合することができ、さらに複合化等の各種処理も実施可能な処理装置と粉体処理方法を提供することにある。
本発明の処理装置の特徴構成は、ケーシングと、2つ以上の攪拌羽根を有するロータとを備え、前記ロータの回転によって処理物を前記ケーシング内で攪拌する処理装置において、前記ロータは、前記攪拌羽根として、該ロータが回転するときに前記処理物を上昇させる上昇羽根と前記処理物を下降させる下降羽根とをそれぞれ少なくとも1つ備える点にある。
本構成によれば、ロータを回転させると、上昇羽根及び下降羽根の作用によって、処理物がロータの回転方向と直交する向きに蛇行しながら回転方向に沿って循環するという、複雑な循環流をケーシング内に発生させることができる。その結果、処理物が、従来の処理装置に比べて非常に強い攪拌力を受けることとなり、微細な処理物でも精密に混合することができると共に、複合化等の各種処理もより確実に実施することができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記攪拌羽根が前記上昇羽根及び前記下降羽根から構成され、前記上昇羽根及び前記下降羽根が前記ロータの周方向に交互に取り付けられている点にある。
本構成によれば、より確実に、処理物がロータの回転方向と直交する向きに蛇行しながら回転方向に沿って循環するようになるため、さらに強い攪拌力を生じさせることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記上昇羽根及び前記下降羽根の一方の延長線が他方と交わるように配置されている点にある。
本構成によれば、上昇羽根から下降羽根への処理物の移動、及び下降羽根から上昇羽根への処理物の移動がよりスムーズになり、処理物の衝突回数を増加させることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記ケーシング内の隅部分が丸く滑らかに形成されているか、前記攪拌羽根の下部形状が丸く滑らかに形成されているか、あるいはその両方である点にある。
本構成によれば、処理物が、ケーシングの内壁に沿って循環し易くなるため、より強い攪拌力を生じさせることができる。
本発明の処理装置のさらなる特徴構成は、前記ロータの平面視の中央部分に、円錐形状のロータコーンが設けられている点にある。
本構成によれば、処理物が、ロータコーンの傾斜面に沿って攪拌羽根側に案内され易くなるため、より効率良く攪拌処理を実施することができる。
本発明の処理装置におけるケーシング及びロータの回転軸が、加熱・冷却媒体用の流路を備えても良い。また本発明の処理装置は、ケーシング内の処理空間の雰囲気を調整する雰囲気調整手段を備えても良い。さらに本発明の処理装置におけるロータの回転軸は、鉛直方向又は水平方向のいずれの方向に設置されても良い。また、本発明の処理装置におけるロータの回転速度は、処理物に応じて設定変更可能に構成されていることが望ましい。
処理装置の縦断面構造を模式的に示した図である。 図1の矢視線II−IIにおける横断面図である。 ロータの斜視図である。 攪拌羽根の取付け方を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 攪拌羽根の取付け方の変形例を示す、ロータの円柱部を周方向に展開した図である(実線の矢印はロータの回転方向を示す)。 ロータの変形例を示す斜視図である。 ロータの変形例を示す斜視図である。 攪拌時における粉体の流れを模式的に示す図である。 処理装置による融合化処理を行う珪砂(D50=21.07μm)の電子顕微鏡写真である。 図12の拡大写真である。 処理装置による融合化処理を行うシリカ(D50=7nm)の電子顕微鏡写真である。 図14の拡大写真である。 処理装置による融合化処理品の電子顕微鏡写真である。 図16の拡大写真である。 処理装置による複合化処理の電子顕微鏡写真である。 処理装置による形状変形処理を行う樹脂粉体の電子顕微鏡写真である。 処理装置による形状変形処理品の電子顕微鏡写真である。
[実施形態]
以下、本発明の処理装置の一実施形態について、バッチ式の粉体処理装置を例として以下説明する。
(粉体処理装置)
図1及び図2に示されるように、本実施形態における粉体処理装置1は、円筒形状竪型のケーシング2、ケーシング2の底部を挿通して鉛直方向に設置される回転軸4、及び回転軸4の上端部分に装着されるロータ5を備える。
回転軸4の下端側が、ベアリング等を備える図示しない支持構造によって支持されつつ、モーター等を備える図示しない駆動部と連結されている。これにより、回転軸4が軸心回りに回転可能に支持されて、ロータ5が横方向に回転可能となる。
原料投入口9がケーシング2の天井部の端部分に設けられており、製品排出口10がケーシング2の底部の隅部分に設けられている。
粉体処理装置1は、ケーシング2内の処理空間3の雰囲気を調整する雰囲気調整手段11を備える。雰囲気調整手段11は、ガスを供給可能なガス供給部12と、処理空間3に連通するガス流路13とを備える。ガス供給部12は、バルブを介してガス流路13に接続されており、ガス供給部12から供給されたガスが、処理空間3とガス流路13との間で循環されるように構成されている。これにより、例えば粉体の酸化等を防止するために窒素ガス等の不活性ガスをガス供給部12より処理空間3に導入することができる。また、粉体として金属粉等を処理する場合に、酸素や空気等の反応性ガスをガス供給部12より処理空間3に導入して、粉体に化学反応を生じさせることもできる。
フィルター部材15を内部に備える固体気体分離手段14が、ケーシング2の天井部の中央部分に設けられている。これにより、雰囲気調整手段11により循環するガスと、回転するロータ5とによって舞い上げられた粉体が、固体気体分離手段14のフィルター部材15によって捕集されて、下のロータ5に払い落とされる。また、固体気体分離手段14で捕集されなかった粉体については、ガス流路13に設けられているフィルター装置16によって捕集され、ガス流路13を介してケーシング2内の処理空間3に再導入される。
加熱・冷却手段21がガス流路13に設けられている。これにより、ガス供給部12から供給されるガスを加熱又は冷却し、ケーシング2内の処理空間3の温度を調節することができる。
加熱・冷却媒体用の第1流路17が、回転軸4とロータ5の内部に形成されている。第1加熱・冷却媒体供給部18から供給される媒体が第1流路17を介して回転軸4及びロータ5にわたって循環し、これにより回転軸4及びロータ5を加熱又は冷却することができるように構成されている。また、加熱・冷却媒体用の第2流路19が、ケーシング2の内壁の内側に通じるように形成されている。第2加熱・冷却媒体供給部20から供給される媒体が第2流路19を介してケーシング2内を循環し、これによりケーシング2を加熱又は冷却することができるように構成されている。即ち、本実施形態における粉体処理装置1では、装置の内側と外表面の両方から、装置を加熱又は冷却することができる。
ケーシング2については、上下方向に複数個に分割することができるように構成しても良い。即ち、処理空間3を覆う作動状態と、処理空間3を覆わない非作動状態とに変更可能に構成されていれば、装置内部の清掃・メンテナンスを実施し易くなる。
ケーシング2内の上隅部分と下隅部分は、丸く滑らかに形成されていることが好ましい。これにより、粉体の攪拌時において、ケーシング2の内壁に沿うように上下方向に循環する循環流が発生し易くなる。より具体的には、上隅部分の曲率R1≧0.01×ロータ5の直径(D)、下隅部分の曲率R2≧0.01×ロータ5の直径(D)であることが望ましい。
図3に示されるように、ロータ5は、その平面視の中央部分に配置される円柱部6と、円柱部6の上端面に取り付けられる円錐形状のロータコーン7と、円柱部6の側面に所定の間隔で取り付けられる複数の攪拌羽根8と、を備える。ロータ5の円柱部6に回転軸4の上端部分が接続されており、回転軸4の駆動によって、複数の攪拌羽根8が回転軸4の軸心回りに回転する。
図3及び図4に示されるように、ロータ5は、その回転面に対して所定の角度で傾斜する姿勢で設けられている上昇羽根8aと下降羽根8bとを備える。上昇羽根8aは、ロータ5の回転方向に対して下向きに傾斜している。下降羽根8bは、ロータ5の回転方向に対して上向きに傾斜している。ロータ5が回転するとき、上昇羽根8aは粉体を上昇させるように機能し、下降羽根8bは粉体を下降させるように機能する。
本実施形態におけるロータ5は、2つの上昇羽根8a及び2つの下降羽根8bという合計4つの攪拌羽根8を備えて構成されており、上昇羽根8aと下降羽根8bが円柱部6の周方向に90度の間隔で交互に取り付けられている。尚、攪拌羽根8の設置数は、上記構成に限定されるものではなく、例えば、ロータ5の直径が大きくなるほど、より多くの攪拌羽根8を設けるなどして、ロータ5の直径等に合わせてその数を適宜変更して良い。尚、上昇羽根8aの数と下降羽根8bの数は同じにすることが望ましい。
本実施形態における上昇羽根8a及び下降羽根8bは、同じ大きさ及び形を有する略矩形で断面が直線状(図4参照)の平板である。図4に示されるように、上昇羽根8aの傾斜角度ηはロータ5の回転面に対して10°〜80°であり、望ましくは30°〜60°である。また下降羽根8bの傾斜角度η´はロータ5の回転面に対して10°〜80°であり、望ましくは30°〜60°である。
本実施形態における上昇羽根8a及び下降羽根8bは、円柱部6に対して同じ高さに設けられているが、この構成に限定されるものではない。他の形態として、例えば図5に示されるように、上昇羽根8aが下降羽根8bよりも下側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わるように配置されていても良い。また、図6に示されるように、上昇羽根8aが下降羽根8bよりも下側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わるように配置されていても良い。また、図7に示されるように、下降羽根8bが上昇羽根8aよりも下側に位置し、且つ上昇羽根8aの延長線が下降羽根8bと交わるように配置されていても良い。また、図8に示されるように、下降羽根8bが上昇羽根8aよりも下側に位置し、且つ下降羽根8bの延長線が上昇羽根8aと交わるように配置されていても良い。
尚、上昇羽根8a及び下降羽根8bは、ロータ5の回転方向が逆向きになると、その機能が相互に入れ替わることになる。即ち、上昇羽根8aが下降羽根8bとなり、下降羽根8bが上昇羽根8aとなる。従って、図5において回転方向を逆にした場合、上昇羽根(図5の8b)が下降羽根(図5の8a)よりも上側に位置し、且つ下降羽根(図5の8a)の延長線が上昇羽根(図5の8b)と交わることになる。図6において回転方向を逆にした場合、上昇羽根(図6の8b)が下降羽根(図6の8a)よりも上側に位置し、且つ上昇羽根(図6の8b)の延長線が下降羽根(図6の8a)と交わることになる。また図7において回転方向を逆にした場合、下降羽根(図7の8a)が上昇羽根(図7の8b)よりも上側に位置し、且つ下降羽根(図7の8a)の延長線が上昇羽根(図7の8b)と交わることになる。また図8において回転方向を逆にした場合、下降羽根(図8の8a)が上昇羽根(図8の8b)よりも上側に位置し、且つ上昇羽根(図8の8b)の延長線が下降羽根(図8の8a)と交わることになる。
図1に示されるように、ロータコーン7は、ロータ5の回転によって舞い上げられた粉体が落下する際、当該粉体を攪拌羽根8側に導くガイドとして機能する。ロータコーン7の傾斜面の傾斜角度θは、20°〜80°であり、望ましくは、40°〜70°である。
本実施形態の粉体処理装置1において、図1に示されるように、ケーシング2の高さをH、ロータ5の高さをh、ロータ5の高さ(ロータコーン7を含まず)をL、ロータ5の直径をD、ロータコーン7の直径をR、ロータ5とケーシング2の内壁との距離(クリアランス)をC1、及びロータ5とケーシング2の底部との距離(クリアランス)をC2とする。
このとき粉体処理装置1の各構成部品のサイズ・寸法は、D>2R、H<1.5D、h<H−2Lとなるように設定することが望ましい。また、クリアランスは、0.3mm≦C1≦50mm、0.3mm≦C2≦50mmとすることが望ましい。
(粉体処理方法)
上述の粉体処理装置1を使用して粉体を処理する方法を以下に例示する。
処理すべき粉体の所定量を、原料投入口9からケーシング2内に導入する。このとき、粉体の充填量(リットル)は、ケーシング2内の処理空間3の5%〜95%とすることが望ましい。
次いで、ロータ5を所定の回転速度で所定時間回転駆動させて、粉体を攪拌する。尚、上記粉体処理装置1は、粉体の種類等に応じてロータ5の回転速度を適宜設定変更することができるように構成されている。
攪拌時における粉体の流れを図1、図2、図4、及び図11に示す。図2の矢印の線に示されるように、粉体は、ロータ5の回転方向に循環する。このとき粉体は、上昇羽根8aによって上昇して、下降羽根8bによって下降するため、図4の矢印の線(一点鎖線)に示されるように、粉体は上下に蛇行しながらロータ5の回転方向に循環する。尚、実際には、上昇羽根8a及び下降羽根8bにおいて、その上面及び下面の両面に沿って粉体が移動し得る。そのため、図11に示されるように、粉体は上下に蛇行し、且つ交差しながらロータ5の回転方向に循環する。
さらに、図1の矢印の線に示されるように、ロータ5の回転によって舞い上げられた粉体は、ケーシング2の内壁に沿って移動して、平面視におけるケーシング2の中央付近で落下し、ロータコーン7の傾斜面に沿って再び攪拌羽根8側に案内される。従って、粉体はケーシング2内で上下方向(垂直方向及び/又は垂直に近い方向)に循環する。
以上より、本実施形態に係る粉体処理装置1では、図11に示されるように、粉体が上下に蛇行しながら回転方向に沿って循環すると同時に上下方向にも循環するという、複雑な循環流が発生する。このとき、上下方向の循環によって主にマクロレベルの混合が行われ、上下の蛇行による循環によって主にミクロレベルの精密混合が行われる。その結果、粉体は従来の処理装置に比べて非常に強い攪拌力を受けることとなり、ナノメートルサイズのものに代表されるような微細な粉体でも精密に混合することができる。
さらに、本実施形態に係る粉体処理装置1によれば、粉体粒子を粒子単位で混合させる精密混合処理だけでなく、融合化処理(複合化処理)としての微粉融合化処理、表面改質処理、表面円滑化処理、形状変形処理、非晶質化処理、及び液添混合処理等の粉体処理をより確実に実施することができる。即ち、微粉融合化処理は、粉体中の微粉粒子を、これより径が大きい粒子に結合させる処理である。表面改質処理は、粉体粒子の表面に改質剤を結合させる処理である。表面円滑化処理は、粉体粒子の表面を滑らかにする処理である。形状変化処理は、粉体粒子の形状を変化させる処理である。非晶質化処理は、結晶構造を有する粉体粒子を非晶質構造に変化させる処理である。液添混合処理は、粉体粒子との化学反応や粉体粒子表面層の作製等によって粉体粒子の表面特性を変化させる処理である。このような処理を終えた粉体は、製品排出口10から取り出される。
〔その他の実施形態〕
1.上述の実施形態では、上昇羽根8aと下降羽根8bとが円柱部6の周方向に交互に取り付けられている構成が示されているが、当該構成に限定されるものではなく、例えば図9に示されるように、上昇羽根8aと下降羽根8bとを周方向に交互に取り付けずに、上昇羽根8aと下降羽根8bとをそれぞれ周方向に連続して取り付けるような構成としても良い。また、本発明におけるロータ5は、2つ以上の攪拌羽根8を備えて構成されており、且つ上昇羽根8aと下降羽根8bとをそれぞれ少なくとも1つ備える構成とすれば良い。また攪拌羽根8の種類についても、上昇羽根8aと下降羽根8bの2種類に限定されるものではなく、他にも例えば、ロータ5の回転面に沿う傾斜していない攪拌羽根を組み合わせても良い(例えば、上昇羽根8aと下降羽根8bとの間に非傾斜羽根を設ける等)。また、上昇羽根8aと下降羽根8bの形状については、上述の実施形態のように断面が直線状の形態に限らず、同様の機能を有するものであれば、断面が湾曲している形状としても良い。
2.上述の実施形態のロータ5は、2つの上昇羽根8a及び2つの下降羽根8bという合計4つの攪拌羽根8を備えるものであるが、その他の形態の一例として、例えば4つの上昇羽根8a及び4つの下降羽根8bという合計8つの攪拌羽根8から構成されているロータ5を図10に示す。
3.上述の実施形態では、ケーシング2内の上隅部分と下隅部分は、丸く滑らかに形成されているが、この構成に限定されるものではなく、攪拌羽根8の下部形状が丸く滑らかに形成されていても良く、あるいは、これらの両方の構成を採用するようにしても良い。
4.本発明に係る処理装置が処理可能な処理物としては、粉体に限定されるものではなく、他にも処理物として液体を処理するようにして良い。また、粉体については、金属や無機物に限らず、有機物であっても良い。また2種類以上の処理物を組み合わせて処理しても良く、例えば、2種類の無機物を組み合せたり、無機物と有機物とを組み合わせても良い。
5.上述の実施形態における回転軸4は、下端側のみが支持されているが、この構成に限定されるものではない。他にも例えば、上端側が支持されていても良く、あるいは上端及び下端の両方が支持されていても良い。
6.上述の実施形態では、回転軸4が鉛直方向に設置されていてロータ5が横方向に回転する構成が採用されているが、この構成に限定されるものではなく、回転軸4が水平方向に設置されていてロータ5が縦方向に回転する構成としても良い。
7.上述の実施形態では、バッチ式の粉体処理装置を例示したが、この構成に限定されるものではなく、連続処理式の粉体処理装置であっても良い。
上述の実施形態の処理装置を使用した粉体処理方法の実施例を以下に示す。
(無機粉体の融合化処理)
母粒子として珪砂(D50=21.07μm)を使用し(図12及び図13参照)、子粒子としてシリカ(D50=7nm)を使用し(図14及び図15参照)、融合化処理を行った。結果を図16及び図17に示す。特に図17に示されるように、珪砂の表面にシリカが結合して、融合化されていることが分かる。
(樹脂粉体と無機粉体との複合化処理)
母粒子としてポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)を使用し(図18参照)、子粒子として酸化チタン(TiO)を使用し(図18参照)、複合化処理を行った。結果を図18に示す。図18に示されるように、ポリメタクリル酸メチル樹脂の表面に酸化チタンが結合して、複合化されていることが分かる。
(樹脂粉体の形状変形処理)
樹脂粉体としてアクリル樹脂を使用し(図19参照)、形状変形処理を行った。結果を図20に示す。図20に示されるように、アクリル樹脂の粒子形状が、球形化されていることが分かる。
以上の実施例に加え、今後の複合粒子を形成する際に考えられる粒子材料の組合せとその用途および期待される効果等を以下に列挙する。何れも粒子レベルでの精密混合によって異種材料粒子が混在する緻密な組成物が形成されることで多様な特性を持った複合粒子が得られる。また、当該複合粒子は、圧縮力と剪断力を付与する過程における混合造粒作用により球状化されて、充填性が向上するという効果も有する
(A)母粒子と子粒子が共に金属の場合の複合粒子は、用途面では各種合金化が可能であり、傾斜機能材料、耐熱材料、錆止材料に応用することができる。また、当該複合粒子については、耐薬品性、及び造粒による充填性改善の効果も期待できる。
(B)母粒子が金属で子粒子が無機材料あるいは母粒子が無機材料で子粒子が金属の場合の複合粒子は、燒結体として、コアの渦電流を低下させたり、燒結密度を向上させたり、耐熱性、耐食性、耐摩耗性、耐薬品性、充填性向上なども図ることができる。また、当該複合粒子は、傾斜機能材料、導電性材料、発光材料、電池材料などの用途に利用することができる。
(C)母粒子が金属で子粒子が有機材料あるいは母粒子が有機材料で子粒子が金属の場合の複合粒子は、導電体材料として電極バルク、フィルム、グリース等に利用することができる。また当該複合粒子は、熱伝導体材料としてフィルム、グリース等に利用することができる。また当該複合粒子は、ナノバルーン化させて増量材、軽量材、保温材、吸音材等に利用することができる。また当該複合粒子は、ナノバルーン化させて、その表面に凝集防止効果を持たせてセンサーとして利用することができる。さらに当該複合粒子は、耐熱性、耐食性、耐薬品性などを持たせることにより、錆止材、カビ防止材、高強度材、難燃材、発光材料、電池材料、電気絶縁材等の用途に利用することができる。
(D)母粒子が金属で子粒子液または液状物の場合の複合粒子は、母粒子表面への被膜形成により、燒結体の薄膜材、酸洗浄材、アルカリ洗浄材、酸化、還元材、親水性付与材、疎水性付与材などの用途に利用できる。また、液がバインダの場合、強固で均一な粒径の造粒物を作成することができるため、当該造粒物を充填材、焼結用粒子、触媒などに利用することができる。
(E)母粒子と子粒子が共に無機材料の場合の複合粒子は、フィラーの充填量を増加してCPU封止剤として利用することができる。また当該複合粒子は、顔料の発色性向上に利用することができる。また当該複合粒子は、電池材料のカーボンを含む負極材料やリチウム酸化物などの正極材料の充填性向上や性能向上にも利用することができる。また当該複合粒子は、軸受部品の硫化モリブデン被膜などの潤滑性改善にも利用することができる。また当該複合粒子は、電気伝導材、紫外線の遮蔽材、高強度材、耐候性付与材などの用途のほか、当該複合粒子のナノバルーンの破片をフィラーとする化粧品や分散材としても利用できる。また、当該複合粒子については、造粒による充填性改善の効果も期待できる。
(F)母粒子が無機材料で子粒子が有機材料あるいは母粒子が有機材料で子粒子が無機材料の場合の複合粒子は、高強度材、難燃材、発光材料、電気伝導材などの用途ほか、ペーパーライクディスプレ(帯電粒子)、二次電池のバインダ付活物質材料、及びフィラーとして誘電体粒子等といったこれらの熱伝導率や濡れ性の向上に利用することができる。また当該複合粒子は、ナノバルーン化させて、増量材、保温材、吸音材に利用することができる。また当該複合粒子は、その粒子表面に凝集防止効果を持たせてセンサーとしても利用できる。
(G)母粒子が無機粒子で子粒子液または液状物の場合の複合粒子は、母粒子表面への被膜形成によりカップリング処理して虫歯詰の樹脂フィラーとして利用することができる。また当該複合粒子は、各基材の濡れ性を改善するフィラーとして利用することができる。また当該複合粒子は、親水性付与材および疎水性付与材などの用途に利用することができる。また当該複合粒子の造粒物については、充填性改善の効果も期待できる。
(H)母粒子と子粒子が共に有機材料の場合の複合粒子は、徐放性、生体親和性、及びコントロールリリースを目的としたDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)による医薬品への応用に利用することができる。また当該複合粒子は、その耐光性による紫外線の遮蔽材に利用することができる。また当該複合粒子は、PEGやPVAなどの高分子材料の表面融合により樹脂自体の可溶性や不溶性を向上させることができる。また当該複合粒子は、同種の樹脂を使用する用途に利用することができる。
(I)母粒子が有機粒子で子粒子液または液状物の場合の複合粒子は、母粒子表面への被膜形成によって、可溶性および不溶性を付与したり、親水性および疎水性などを付与する用途に利用することができる。
なお、有機材料としての主要な材料である樹脂であって、粉粒体にできるものであれば、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であっても、その他特殊樹脂であっても、すべて本発明に使用可能である。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂(EP)、ジアリルフタレート樹脂(PDAP)、シリコーン樹脂(SI)、フェノール樹脂(PF)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリウレタン樹脂(PUR)、メラミン樹脂(MF)、ユリア樹脂(UF)などが挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン酢ビコポリマー(EVA)、エチレンビニルアルコール強重合樹脂(PVAL)、塩化ビニル樹脂(PVC)、塩素化ポリエチレン(CPE)、酢酸繊維素樹脂(CA)ポリアセタール樹脂(POM)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアクリレート樹脂(PAR)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性エラストマー(TPE)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン(PES)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル樹脂(PEN)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブタジエン樹脂(PBD)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン樹脂(PP)、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリメチルペンテン樹脂(PMP)などが挙げられる。
その他の特殊樹脂としては、様々な熱硬化性特殊樹脂および熱可塑性特殊樹脂が各樹脂メーカーから製造販売されているが、これらの特殊樹脂についても樹脂の形態が粉粒体状であれば本発明に利用可能である。
上述の複合粒子は、粉末冶金、セラミックス、トナー、粉体塗料、ハイブリット樹脂、二次電池、その他各種工業分野における新素材材料として使用できる。
また上述の複合粒子については、微細な複合粒子であっても溶液やバインダなどを加える必要がないので、バインダなどの不要な成分が混入していない製品が得られ、医薬品や食品用としても利用できる。
さらに、複合化処理工程に温度制御を加えることで、材料の種類、材料の組み合わせ、材料の形状、材料の性状を問わず複合化処理工程を実施することができ、種々の良好な複合粒子の製造可能となる。製品となる複合粒子は、各種素材として様々な工業分野において利用されるほか、適用範囲を広げるべく、新素材として、技術開発分野での新たな用途を開発するために利用することもできる
本発明は、微細な粉体等の処理物を攪拌して混合する技術の分野において好適に利用することができる。
1 粉体処理装置
2 ケーシング
3 処理空間
4 回転軸
5 ロータ
6 円柱部
7 ロータコーン
8 攪拌羽根
8a 上昇羽根
8b 下降羽根
9 原料投入口
10 製品排出口
11 雰囲気調整手段
12 ガス供給部
13 ガス流路
14 固体気体分離手段
15 フィルター部材
16 フィルター装置
17 第1流路
18 第1加熱・冷却媒体供給部
19 第2流路
20 第2加熱・冷却媒体供給部
21 加熱・冷却手段
H ケーシングの高さ
h ロータの高さ
L ロータの高さ(ロータコーンを含まず)
D ロータの直径
R ロータコーンの直径
C1 ロータとケーシングの内壁との距離(クリアランス)
C2 ロータとケーシングの底部との距離(クリアランス)

Claims (11)

  1. ケーシングと、2つ以上の攪拌羽根を有するロータとを備え、前記ロータの回転によって処理物を前記ケーシング内で攪拌する処理装置において、
    前記ロータは、前記攪拌羽根として、該ロータが回転するときに前記処理物を上昇させる上昇羽根と前記処理物を下降させる下降羽根とをそれぞれ少なくとも1つ備えることを特徴とする処理装置。
  2. 前記攪拌羽根が前記上昇羽根及び前記下降羽根から構成され、前記上昇羽根及び前記下降羽根が前記ロータの周方向に交互に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記上昇羽根及び前記下降羽根の一方の延長線が他方と交わるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の処理装置。
  4. 前記ケーシング内の隅部分が丸く滑らかに形成されているか、前記攪拌羽根の下部形状が丸く滑らかに形成されているか、あるいはその両方であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理装置。
  5. 前記ロータの平面視の中央部分に、円錐形状のロータコーンが設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の処理装置。
  6. 前記ケーシング及び前記ロータの回転軸が、加熱・冷却媒体用の流路を備えていることを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の処理装置。
  7. 前記ケーシング内の処理空間の雰囲気を調整する雰囲気調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の処理装置。
  8. 前記ロータの回転軸が、鉛直方向又は水平方向に設置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の処理装置。
  9. 前記ロータの回転速度が、処理物に応じて設定変更可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の処理装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の処理装置を用いて、前記処理物として粉体を使用し、精密混合処理、融合化処理、表面改質処理、表面円滑化処理、形状変形処理、非晶質化処理、又は液添混合処理を行う粉体処理方法。
  11. 前記粉体として、無機物、有機物、及び金属からなる群より少なくとも1種選択される請求項10に記載の粉体処理方法。
JP2016162187A 2016-08-22 2016-08-22 処理装置及び粉体処理方法 Pending JP2018030056A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016162187A JP2018030056A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 処理装置及び粉体処理方法
PCT/JP2017/027878 WO2018037854A1 (ja) 2016-08-22 2017-08-01 処理装置及び粉体処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016162187A JP2018030056A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 処理装置及び粉体処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018030056A true JP2018030056A (ja) 2018-03-01

Family

ID=61245850

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016162187A Pending JP2018030056A (ja) 2016-08-22 2016-08-22 処理装置及び粉体処理方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2018030056A (ja)
WO (1) WO2018037854A1 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019188302A (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 株式会社中園工業所 粉体処理装置
CN111037774A (zh) * 2019-12-06 2020-04-21 联塑科技发展(武汉)有限公司 一种塑料粉料预塑化的混合控制方法
JP2021066169A (ja) * 2019-10-22 2021-04-30 方小剛 レジンペレットの混合装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55132624A (en) * 1979-04-03 1980-10-15 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Rotary blade type agitator
JPH07148074A (ja) * 1993-11-30 1995-06-13 Funai Electric Co Ltd 製パン器
JPH10180071A (ja) * 1996-12-26 1998-07-07 Lion Corp 撹拌翼及び液状物の製造方法
JP2002273188A (ja) * 2001-03-19 2002-09-24 Aoki Kk 攪拌機
JP2005270955A (ja) * 2004-02-23 2005-10-06 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 処理装置及び粉体処理方法
JP2009069640A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JP2014514954A (ja) * 2011-02-28 2014-06-26 スルザー ミックスパック アクチェンゲゼルシャフト ダイナミック・ミキサ

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55132624A (en) * 1979-04-03 1980-10-15 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd Rotary blade type agitator
JPH07148074A (ja) * 1993-11-30 1995-06-13 Funai Electric Co Ltd 製パン器
JPH10180071A (ja) * 1996-12-26 1998-07-07 Lion Corp 撹拌翼及び液状物の製造方法
JP2002273188A (ja) * 2001-03-19 2002-09-24 Aoki Kk 攪拌機
JP2005270955A (ja) * 2004-02-23 2005-10-06 Hosokawa Funtai Gijutsu Kenkyusho:Kk 処理装置及び粉体処理方法
JP2009069640A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法
JP2014514954A (ja) * 2011-02-28 2014-06-26 スルザー ミックスパック アクチェンゲゼルシャフト ダイナミック・ミキサ

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019188302A (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 株式会社中園工業所 粉体処理装置
JP2021066169A (ja) * 2019-10-22 2021-04-30 方小剛 レジンペレットの混合装置
CN111037774A (zh) * 2019-12-06 2020-04-21 联塑科技发展(武汉)有限公司 一种塑料粉料预塑化的混合控制方法
CN111037774B (zh) * 2019-12-06 2021-10-29 联塑科技发展(武汉)有限公司 一种塑料粉料预塑化的混合控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2018037854A1 (ja) 2018-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Huang et al. Transparent dispersions of monodispersed ZnO nanoparticles with ultrahigh content and stability for polymer nanocomposite film with excellent optical properties
Wintzheimer et al. Supraparticles: functionality from uniform structural motifs
US8636974B2 (en) Titanium dioxide superfine particles and method for producing the same
Li et al. Mesoporous titania spheres with tunable chamber stucture and enhanced photocatalytic activity
Tissot et al. SiOH-functionalized polystyrene latexes. A step toward the synthesis of hollow silica nanoparticles
WO2018037854A1 (ja) 処理装置及び粉体処理方法
Zhang et al. Simple-structured micromotors based on inherent asymmetry in crystalline phases: Design, large-scale preparation, and environmental application
KR101378068B1 (ko) 처리장치
ES2776892T3 (es) Una composición de pigmento en partículas, su método de fabricación y su uso
EP3388471B1 (en) Polyarylene sulfide resin granular article and method for producing same
CN109689788B (zh) 聚芳撑硫醚树脂粉粒体混合物及三维造型物的制造方法
US8802441B2 (en) Method of synthesizing colloidal nanoparticles
JP2010126727A (ja) 複合材料及びその製造方法
JP7375547B2 (ja) 三次元造形物の製造方法
JP5818196B2 (ja) 酸化スズ超微粒子の製造方法
Slostowski et al. CeO2 nanocrystals from supercritical alcohols: new opportunities for versatile functionalizations?
Mittal Encapsulation nanotechnologies
WO2017033005A1 (en) Reactor
Kim et al. Synthesis of core–shell particles of nickel–manganese–cobalt hydroxides in a continuous Couette-Taylor crystallizer
Diaz et al. Solid-state preparation of metal and metal oxides nanostructures and their application in environmental remediation
Hu et al. Facile high throughput wet-chemical synthesis approach using a microfluidic-based composition and temperature controlling platform
Yan et al. Hollow micro/nanostructured materials prepared by ion exchange synthesis and their potential applications
Gusain et al. 3D‐Printed Hydrogels and Aerogels for Water Treatment and Energy Storage Applications
JP2005015910A (ja) 複合粒子の製造方法、並びにその方法により製造された複合粒子
Roy et al. Transforming Nanomaterial Synthesis through Advanced Microfluidic Approaches: A Review on Accessing Unrestricted Possibilities

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170803

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200806

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210601