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JP2017213689A - ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体 - Google Patents

ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体 Download PDF

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JP2017213689A
JP2017213689A JP2016107055A JP2016107055A JP2017213689A JP 2017213689 A JP2017213689 A JP 2017213689A JP 2016107055 A JP2016107055 A JP 2016107055A JP 2016107055 A JP2016107055 A JP 2016107055A JP 2017213689 A JP2017213689 A JP 2017213689A
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polyimide
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JP2016107055A
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崇 網江
Takashi Amie
崇 網江
真史 榊
Masashi Sakaki
真史 榊
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、ポリイミドフィルムと機能層とを十分に密着させることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、上記ポリイミドフィルム準備工程後に、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミドフィルムを有するポリイミドフィルム積層体の製造方法に関する。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置の需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネル表示装置の市場は拡大する状況にある。このような状況において、フラットパネル表示装置を構成する各部材に関する研究が盛んに行われている。
フラットパネル表示装置を構成する部材としては、例えばフレキシブル性を有する樹脂層上に、所定の機能層を積層した部材を用いたフレキシブル表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。フレキシブル表示装置は、自在に変形させることができることから、例えばローラブル(巻き取り可能な)モバイル表示装置を実現することができ、よりモバイルに適した表示装置を得ることができるという利点がある。また、フレキシブル表示装置は、例えば長尺のフィルムを用いて連続プロセスによって製造することができ、生産性に優れるという利点もある。
特開2011−027822号公報
ところで、従来、フレキシブル表示装置の場合、フレキシブル性の更なる向上を目指し、各構成部材を薄膜化するという試みがなされているが、樹脂層の厚みの薄膜化には限界があった。本発明の発明者等は、樹脂層を所望の厚みまで薄膜化することについて検討を重ねた結果、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
しかしながら、本発明の発明者等が、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体を形成したところ、ポリイミドフィルムと機能層との密着性が低く、ポリイミドフィルムから機能層が剥がれる等の不具合が発生しやすいという新たな課題を発見した。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、ポリイミドフィルムと機能層とを十分に密着させることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、上記ポリイミドフィルム準備工程後に、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供する。
本発明においては、上記表面処理工程が、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面をアルカリ液で溶解して表面を荒らす工程であることが好ましい。
また、本発明は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜の上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、上記イミド化工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供する。
本発明においては、上記表面処理工程が、上記ポリイミド塗膜の上記基材とは反対側の表面に、凹凸形状を有する冶具を押し当てて上記凹凸形状を転写する工程であることが好ましい。
本発明によれば、表面処理工程を有することにより、ポリイミドフィルムの表面を荒らすことができるため、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
本発明においては、上記機能層形成工程後に、上記基材を剥離する剥離工程を有することが好ましい。
さらに、本発明は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、上記ポリイミドフィルム準備工程後に、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法を提供する。
さらにまた、本発明は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜の上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、上記イミド化工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、表面処理工程を有することにより、ポリイミドフィルムの表面を荒らすことができるため、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れた表示装置を得ることができる。
また、本発明は、ポリイミドフィルムと、上記ポリイミドフィルム上に配置された機能層とを有し、上記ポリイミドフィルムの表面粗さが、0.2nm以上1.5nm以下であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体を提供する。
本発明によれば、表面処理工程を有することにより、ポリイミドフィルムの表面を荒らすことができるため、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体とすることができる。
本発明においては、上記ポリイミドフィルムの上記機能層とは反対側の面に配置された基材を有することが好ましい。
本発明は、ポリイミドフィルム上に所定の機能層を積層したポリイミドフィルム積層体の製造方法であって、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることが可能なポリイミドフィルム積層体の製造方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本発明の表示装置の製造方法により得られる表示装置の一例を示す概略平面図である。 本発明のポリイミドフィルム積層体の一例を示す概略断面図である。 従来のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。
以下、ポリイミドフィルム積層体の製造方法、それを用いた表示装置の製造方法、およびポリイミドフィルム積層体について説明する。
I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法
本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、第1態様および第2態様に大別することができる。
以下、本発明のポリイミドフィルム積層体の製造方法について、第1態様および第2態様に分けて説明する。
A.第1態様
本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、上記ポリイミドフィルム準備工程後に、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法について、図を参照しながら説明する。図1は、本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、図1(a)に示すように、基材1上に、ポリイミドフィルム2を準備するポリイミドフィルム準備工程と、図1(b)に示すように、ポリイミドフィルム準備工程後に、ポリイミドフィルム2の基材1とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、図1(c)に示すように、表面処理工程後に、ポリイミドフィルム2の表面処理された側の面に、機能層3を形成する機能層形成工程とを有する。これにより、基材1、ポリイミドフィルム2および機能層3が積層したポリイミドフィルム積層体10を得ることができる。
従来、フレキシブル表示装置の場合、フレキシブル性の更なる向上を目指し、各構成部材を薄膜化するという試みがなされているが、例えば、機能層を支持する樹脂層の厚みの薄膜化には限界があった。本発明の発明者等は、樹脂層を所望の厚みまで薄膜化することについて検討を重ねた結果、樹脂層としてポリイミドフィルムを用いること、具体的には、塗布法を用いて形成されたポリイミドフィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出した。
そこで、本発明の発明者等は、次のような方法を用いて、ポリイミドフィルム上に機能層を有するポリイミドフィルム積層体を形成した。すなわち、図5(a)に示すように、基材1上にポリイミドフィルム2を形成し、その後、図5(b)に示すように、ポリイミドフィルム2上に機能層3を形成した。このようにして得られたポリイミドフィルム積層体について検討を重ねたところ、本発明の発明者等は、ポリイミドフィルムと機能層との密着性が低く、ポリイミドフィルムから機能層が剥がれる等の不具合が発生しやすいという新たな課題を発見した。
本発明の発明者等は、上記課題を解決する方法について検討を重ねた結果、ポリイミドフィルムの機能層と接する側の表面を荒らして凹凸を形成することにより、上記課題を解決できることを見出した。これは、ポリイミドフィルム表面の凹凸に機能層が入り込むことによるアンカー効果に起因していると推測される。
以下、本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
1.ポリイミドフィルム準備工程
本態様におけるポリイミドフィルム準備工程は、基材上に、ポリイミドフィルムを準備する工程である。
本工程においてポリイミドフィルムを準備する方法としては、例えば、基材上に、直接ポリイミドフィルムを形成する方法や、基材上に、予め形成されたポリイミドフィルムを配置する方法が挙げられる。本態様においては、ポリイミドフィルムの薄膜化を図るといった観点から、基材上に、直接ポリイミドフィルムを形成する方法により、ポリイミドフィルムを準備することが好ましい。
以下、基材上に直接ポリイミドフィルムを形成する場合の形成方法、基材上に予め形成されたポリイミドフィルムを配置する方法、および本工程において用いられる基材について説明する。
(1)基材上に直接ポリイミドフィルムを形成する方法
本工程におけるポリイミドフィルムの形成方法としては、例えば、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程とを有する方法が挙げられる。
以下、ポリイミド塗膜形成工程、およびイミド化工程について説明する。
(a)ポリイミド塗膜形成工程
本工程におけるポリイミド塗膜形成工程は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成する工程である。
本工程は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥させることにより、ポリイミド塗膜を形成することができる工程であれば特に限定されない。
本工程において、基材上にポリイミド溶液を塗布する方法には、一般的な塗布方法を用いることができるが、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ディップコート法、バーコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等を用いることができる。
本工程において、基材上に塗布されたポリイミド溶液を仮乾燥させる方法としては、例えば所望のポリイミド塗膜が得られる程度に乾燥させる方法であることが好ましい。すなわち、ポリイミド塗膜に含まれる溶剤の含有量が所望の範囲内となり、かつ本工程によりイミド化が進行しない程度に乾燥させる方法であることが好ましい。
仮乾燥させる具体的な方法としては、基材上に塗布されたポリイミド溶液を、加熱することにより乾燥させる方法が挙げられる。このときの加熱方法には、例えば、オーブンやホットプレート等の公知の装置または手法を用いることができる。また、加熱温度は、基材上に塗布したポリイミド溶液を仮乾燥させることができ、かつイミド化が進行しない程度であることが好ましい。具体的な加熱温度は、ポリイミド溶液の種類や加熱時間等に応じて適宜調整することができるが、例えば、40℃以上200℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも60℃以上150℃以下の範囲内であることが好ましく、特に80℃以上120℃以下の範囲内であることが好ましい。さらに、加熱時間は、加熱温度等に応じて適宜調整することができるが、例えば、90秒以上90分以下程度とすることができる。仮乾燥を行う際の加熱温度が上記範囲内であることにより、所望のポリイミド塗膜を得ることが可能となる。
以下、本工程において用いられるポリイミド溶液、本工程において形成されるポリイミド塗膜、および本工程において用いられる基材について説明する。
(i)ポリイミド溶液
本工程において用いられるポリイミド溶液は、ポリアミック酸を含む材料であり、通常は、さらに溶媒を含む。
ポリイミド溶液に含まれるポリアミック酸は、反応により最終的にポリイミドとなるポリイミド前駆体である。ポリアミック酸は、例えば、下記式(1)で表わすことができる。
Figure 2017213689
(上記式(1)中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、nは1以上の自然数である。)
なお、上記式(1)において、Rの4価は、酸二無水物等から誘導されるテトラカルボン酸残基を示し、Rの2価はジアミン残基を示す。また、Rの4価は酸と結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。同様に、Rの2価はアミンと結合するための価数のみを示しているが、他に更なる置換基を有していても良い。
ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンを溶液中で混合することにより得ることができる。このように、ポリアミック酸は、酸二無水物とジアミンとの反応により得られるが、最終的に得られるポリイミドに、優れた耐熱性や寸法安定性等を付与するという観点から、上記式(1)におけるRおよびRの少なくとも一方が芳香族化合物であることが好ましく、RおよびRのいずれもが芳香族化合物であることがより好ましい。また、上記式(1)におけるRにおいて、当該Rに結合している4つの基((−CO−)(−COOH))は、同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。同様に、上記化学式(1)におけるRにおいて、当該Rに結合している2つの基((−NH−))は同一の芳香環に結合していても良く、異なる芳香環に結合していても良い。
上記化学式(1)で表わされるポリアミック酸は、単一の繰り返し単位からなるものであっても良く、2種以上の繰り返し単位からなるものであっても良い。
上記化学式(1)で表わされるポリアミック酸を合成する方法としては、例えば、ジアミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルをN−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒に溶解させた溶液を冷却しながら、そこへ等モルの3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え撹拌することにより合成する方法が挙げられる。なお、ポリアミック酸を合成する際に用いられるジアミンや酸二無水物については、従来公知の材料を用いることができるため、ここでの記載は省略する。
ポリアミック酸の重量平均分子量は、その用途にもよるが、例えば、3,000以上1,000,000以下の範囲内であることが好ましく、5,000以上500,000以下の範囲内であることがさらに好ましく、10,000以上500,000以下の範囲内であることがさらに好ましい。上記下限を有することにより、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を用いてポリイミド塗膜またはポリイミドフィルムを形成した場合に、十分な強度を得ることができる。また、上記上限を有することにより、ポリアミック酸の溶解性の低下を抑制し、表面が平滑で膜厚が均一なポリイミド塗膜またはポリイミドフィルムを得ることができる。なお、上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリアミック酸そのものの分子量でも良いし、イミド化処理を行った後の分子量でも良い。
本工程においては、ポリイミド溶液におけるポリアミック酸の含有量が、ポリイミド溶液の固形分全体に対して50質量%以上であることが好ましく、中でも70質量%以上であることが好ましい。なお、ここでのポリイミド溶液の固形分とは、溶媒以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
ポリイミド溶液は、通常、上述したポリアミック酸の他に溶媒を含む。本工程において用いられる溶媒は、ポリアミック酸を均一に分散または溶解することができるものであることが好ましい。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル類(いわゆるセロソルブ類);メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、前記グリコールモノエーテル類の酢酸エステル(例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、蓚酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、その他の有機極性溶媒類等が挙げられ、さらには、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、および、その他の有機非極性溶媒類等も挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて用いられる。
中でも、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスホアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等の極性溶媒が好適なものとして挙げられる。
本工程において用いられるポリイミド溶液は、例えば、ポリアミック酸、溶媒等を含むが、必要に応じてその他の成分を含んでいても良い。その他の成分としては、例えば、ポリアミック酸以外のバインダー樹脂、感光性ポリイミド樹脂等が挙げられる。また、加工特性や各種機能性を付与するという観点から、様々な有機または無機の低分子または高分子化合物を配合しても良い。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であっても良い。また、その機能または形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
ポリイミド溶液が上述したその他の成分を含む場合、その配合割合は、ポリイミド溶液中、すなわち本発明により得られるポリイミドフィルム中、0.1質量%以上20質量%以下の範囲内であることが好ましい。その他の成分の配合割合が上記範囲内であることにより、その他の成分が有する効果を十分に発揮することができる。
(ii)ポリイミド塗膜
本工程におけるポリイミド塗膜は、上述したポリアミック酸を含むポリイミド溶液を基材上に塗布し、仮乾燥させることにより得られるものである。すなわち、ポリイミド塗膜は、ポリイミド溶液に含まれる溶媒が所定量除去されることにより得られるものである。
ここで、「塗膜」とは、膜が硬化乾燥状態に至っていない状態を指す。例えばJIS K 5600−1−1に規定された指触乾燥状態や半硬化乾燥状態を含み、塗膜表面を直接触ることで確認することができる。
また、「ポリイミド溶液に含まれる溶媒が所定量除去される」とは、ポリイミド溶液から溶媒が全て除去されないことを指す。具体的には、ポリイミド塗膜中の溶媒の量が、5wt%以上30wt%以下の範囲内となることが好ましく、中でも、5wt%以上20wt%以下の範囲内となることが好ましく、特に、5wt%以上10wt%以下の範囲内となることが好ましい。
本工程におけるポリイミド塗膜は、上述のように、仮乾燥させることにより得ることができるが、本工程において得られるポリイミド塗膜は、ポリアミック酸を含んでいることが好ましい。ここで「ポリイミド塗膜は、ポリアミック酸を含んでいる」とは、本工程における仮乾燥の際に、イミド化が進行していないことを意味する。本工程においてイミド化が進行せず、ポリイミド塗膜がポリアミック酸を含むことにより、後述するイミド化工程においてポリイミド塗膜のイミド化を進行させることができる。また、「本工程における仮乾燥の際に、イミド化が進行していない」とは、例えば、仮乾燥を行うことにより得られたポリイミド塗膜のイミド化率が、50%以下であること、中でも30%以下であることをいい、特に0%であることが好ましい。
ポリイミド塗膜の厚みは、本態様により得られるポリイミド積層体の用途等に応じて適宜調整することができるが、例えば、3μm以上50μm以下とすることができ、中でも4μm以上20μm以下とすることができ、特に5μm以上15μm以下とすることができる。ポリイミド塗膜の厚みが上記範囲内であることにより、所望の厚みを有するポリイミドフィルムを得ることができ、また、塗布法を用いることにより、上記範囲のように、ポリイミドフィルムの薄膜化を図ることが可能となる。
(b)イミド化工程
本工程におけるイミド化工程は、機能層形成工程後に、ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとする工程である。
本工程は、ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとすることができる工程であれば特に限定されない。
ポリイミド塗膜を熱処理する方法としては、例えば、オーブンやホットプレート等を用いて加熱する方法が挙げられる。
一般的に、ポリアミック酸は150℃程度から徐々にイミド化が進行し、200℃以上の温度においてほぼイミド化が完了すると言われている。一方、より高度な信頼性を求めるためには、より完全にイミド化を進行させることが必要であり、その場合には、最終的に得られるポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)により近い温度、中でもポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度での加熱を行うことが好ましい。
本工程により得られるポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は、ポリイミドフィルムを構成する材料の種類に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、例えば、200℃以上370℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも250℃以上360℃以下の範囲内であることが好ましく、特に270℃以上350℃以下の範囲内であることが好ましい。ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)が上記範囲内であることにより、本工程における熱処理温度を、所定の範囲内に設定することができる。
本工程における熱処理温度としては、イミド化を良好に進行させることを目的として、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)に応じて適宜調整することが好ましい。本工程における具体的な熱処理温度は、例えば、210℃以上380℃以下の範囲内であることが好ましく、中でも260℃以上370℃以下の範囲内であることが好ましく、特に280℃以上360℃以下の範囲内であることが好ましい。
なお、ポリイミドフィルムのガラス転移温度(Tg)は、動的粘弾性測定によって、tanδ(tanδ=損失弾性率(E’’)/貯蔵弾性率(E’))のピーク温度から求められる。動的粘弾性測定としては、例えば、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数1Hz、昇温速度5℃/minにより行うことができる。
本工程における熱処理時間としては、上述した熱処理温度や、ポリイミドフィルムの材料等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、30分以上120分以下程度の熱処理時間とすることができる。
本工程における熱処理は、ポリイミドフィルムや機能層の酸化を防止するために、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
本工程は、ポリイミド塗膜をイミド化してポリイミドフィルムとする工程であるが、その際、より完全にイミド化が進行することが好ましい。本工程によるポリイミド塗膜のイミド化率は、ポリイミド塗膜を硬化してポリイミドフィルムとすることができる程度であることが好ましく、具体的には、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましく、特に100%、すなわち、ポリアミック酸を含まないものとすることが好ましい。なお、イミド化率は、例えば、赤外線吸収スペクトルを用いて確認することができる。具体的には、ポリイミドフィルムに含まれるイミド結合由来のC=O二重結合のピーク面積から定量することにより求めることができる。
本工程により得られるポリイミドフィルムは、寸法安定性の観点から、所定の線熱膨張係数を有することが好ましい。機能層との密着性の低下を抑制することができ、また、機能層がパターン状である場合には、機能層との位置ずれを抑制することが可能となるからである。ポリイミドフィルムが有する具体的な線熱膨張係数としては、例えば、60ppm以下が好ましく、0ppm〜40ppmの範囲がさらに好ましい。
ここで、本発明における線熱膨張係数とは、本発明により得られたポリイミドフィルムの熱機械的分析装置(TMA)によって求めることができる。熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μmとして得られる。
本工程において用いられるポリイミドフィルムの厚みは、本態様により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができる。例えば、12μm以下であることが好ましく、中でも10μm以下であることが好ましい。
(2)基材上に予め形成されたポリイミドフィルムを配置する方法
本工程において基材上にポリイミドフィルムを配置する方法としては、例えば、粘着層を介して基材上にポリイミドフィルムを貼り合せる方法が挙げられる。
本工程において用いられる粘着層としては、例えば、紫外線硬化型樹脂材料により構成され、紫外線の照射により硬化される紫外線硬化型粘着層や、感圧粘着剤から構成される感圧粘着層が挙げられる。
紫外線硬化型粘着層に用いられる紫外線硬化型樹脂材料は、例えば波長100nm〜450nmの範囲の紫外線を照射することにより硬化させることが可能な材料であれば特に限定されない。例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等の単官能モノマー並びに多官能モノマー、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコール(メタ)ジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレン誘導体、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキキ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートまたはメタクリレートを意味する表記である。
本態様においては、これらの紫外線硬化型樹脂を1種類のみ用いても良く、または、2種類以上を混合して用いても良い。
感圧粘着層に用いられる感圧粘着剤としては、例えば、粘着主剤に、ソープフリー乳化重合で得た、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)やアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)のゴムラテックス、またはポリアクリル酸エステル等のアクリル系樹脂ラテックス等が挙げられ、必要に応じて、更に通常の乳化重合によるラテックスとして、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシ変性SBR(XSBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、または、アクリル変性天然ゴム(PMMA−NR)、ポリアクリル酸エステル等のアクリル樹脂系ラテックスの粘着剤等を併用し、これに充填剤として、ポリスチレン等からなる樹脂粒子等の充填剤、または従来公知の充填剤を混合したものを用いることができる。
本工程において用いられる粘着層は、例えば、本態様により得られるポリイミドフィルム積層体を用いて表示装置を製造する際に、ポリイミドフィルムにおける基材を剥離することができる程度の粘着性を有することが好ましい。すなわち、JIS K6854−2に規定の180度剥離試験による基材に対する粘着層の剥離強度が、10N/25mm幅以上であることが好ましく、中でも、15N/25mm幅以上であることが好ましく、特に、20N/25mm幅以上であることが好ましい。また、本態様においては、粘着層の剥離強度が、例えば、50N/25mm幅以下であることが好ましく、中でも、45N/25mm幅以下であることが好ましく、特に、40N/25mm幅以下であることが好ましい。
本工程において用いられるポリイミドフィルムの厚みは、本態様により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができる。例えば、12μm以下であることが好ましく、中でも10μm以下であることが好ましい。
本工程により得られるポリイミドフィルムは、寸法安定性の観点から、所定の線熱膨張係数を有することが好ましい。なお、具体的な線熱膨張係数については、上記「(1)基材上に直接ポリイミドフィルムを形成する方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(3)基材
本工程において用いられる基材は、本態様の製造方法により得られるポリイミドフィルムおよび機能層を支持する部材である。
本工程において用いられる基材の厚みとしては、各部材を支持することができる程度の厚みであり、かつ必要に応じてポリイミドフィルム積層体から剥離することができる程度の厚みであることが好ましい。基材の具体的な厚みは、ポリイミドフィルム積層体のフレキシブル性、すなわちポリイミドフィルム積層体を構成する材料に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。例えば、3μm以上50μm以下とすることができる。
本工程において用いられる基材の材料には、例えば、表面にポリイミド溶液を塗布することが可能は材料を採用することができ、具体的には、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基板が挙げられる。
本工程において用いられる基材は、例えば、ポリイミドフィルムから剥離する際に、優れた剥離性を発揮するために、ポリイミドフィルムに接する側の面に離型処理を施すことができる。離型処理の方法としては、例えば、基材の表面に離型層を形成する方法が挙げられる。離型層は、離型剤を塗布、乾燥させることにより形成することができる。このとき用いられる離型剤としては、例えば、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース樹脂系離型剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラフィン系離型剤、アクリル樹脂系離型剤およびこれらの複合型離型剤等が挙げられる。
2.表面処理工程
本態様における表面処理工程は、ポリイミドフィルム準備工程後に、ポリイミドフィルムの基材とは反対側の表面を荒らす工程である。
本工程においてポリイミドフィルムの表面を荒らす方法は、本態様の製造方法により得られるポリイミドフィルム積層体が、ポリイミドフィルム表面の凹凸に機能層が入り込むことによるアンカー効果により、所望の密着性を得ることができる程度に表面を荒らすことができる方法であれば特に限定されない。
本工程において用いられる表面処理方法は、ポリイミドフィルム表面を荒らして所望の凹凸を形成することができる方法であることが好ましい。ここで、「所望の凹凸」とは、本態様の製造方法により、上述した効果が得られる程度の凹凸を意味するが、具体的には、例えば、ポリイミドフィルムの表面粗さを、0.2nm以上1.5nm以下とすることができ、中でも0.3nm以上1.2nm以下とすることができ、特に0.5nm以上1.0nm以下とすることができる程度の凹凸であることが好ましい。なお、ここでの表面粗さは、算術平均粗さRaである。また、表面粗さは、例えば白色干渉計を用いて測定することができる。
このような表面処理としては、例えば、アルカリ液を用いた化学的方法(エッチング)、ポリイミドフィルムの表面を研磨する物理的方法(ラッピング)、ポリイミド塗膜の表面に金型を押し付けてイミド化する金型方法等が挙げられるが、本工程においては、特にアルカリ液を用いた化学的方法を用いることが好ましい。ポリイミドフィルムの表面に、所望の凹凸を良好に形成することができるとともに、ポリイミドフィルムのヘイズ値の増加を抑え、高い透明性を得ることができる。したがって、表示装置に好適に用いることが可能なポリイミドフィルムとすることができるからである。なお、上述した表面処理は、1種の方法を単独で行っても良く、あるいは2種以上の方法を組み合わせて行っても良い。
上述した化学的方法では、ポリイミドフィルムの表面をアルカリ液で溶解することでポリイミドフィルムの表面を荒らすことができる。このとき用いられるアルカリ液には、強アルカリ液であることが好ましい。ここで、「強アルカリ」とは、例えば、pHが11以上、中でもpHが12以上であることを指す。このような強アルカリ液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等のアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等の水溶液が挙げられる。本工程においては、中でも、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化カリウムを用いることが好ましい。
化学的方法を用いた表面処理では、上述したアルカリ液にポリイミドフィルムを浸漬させる手法を用いても良く、あるいはポリイミドフィルム表面にアルカリ液をシャワーする手法を用いても良い。本工程においては、ポリイミドフィルム表面にアルカリ液をシャワーする手法を用いることが好ましい。ポリイミドフィルム表面を、より均一に荒らすことができるからである。
化学的方法を用いた表面処理時間は、用いられるアルカリ液の種類や手法に応じて適宜調整することができるが、例えば、5秒以上180秒間以下の範囲内であることが好ましく、中でも、10秒以上90秒以下の範囲内であることが好ましい。表面処理時間が、上記範囲内であることにより、ポリイミドフィルム表面を良好に荒らすことができるからである。
本工程においては、化学的方法を用いて表面処理した後に、ポリイミドフィルムの表面を流水洗浄することが好ましい。
3.機能層形成工程
本態様における機能層形成工程は、表面処理工程後に、ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する工程である。
本工程において形成される機能層としては、例えば、オーバーコート層、バリア層、加飾部、ブラックマトリクス等が挙げられる。そのため、機能層の材料は、採用される機能層の種類に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、例えば、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂等の硬化型樹脂であることが好ましく、中でも、紫外線硬化型樹脂であることが好ましい。パターン状の機能層の形成を好適に行うことができるからである。すなわち、機能層がパターン状である場合には、本工程では、機能層のパターニングも行われる。
以下、機能層がオーバーコート層、バリア層、加飾部、ブラックマトリクスである場合に分けて説明する。
(1)オーバーコート層
機能層がオーバーコート層である場合、本工程は、ポリイミドフィルム上に、オーバーコート層を形成する工程である。機能層がオーバーコート層である場合、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が積層されたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
オーバーコート層の材料としては、一般的なオーバーコート層と同様とすることができる。例えば、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、カルド系樹脂、ビニル系樹脂、イミド系樹脂、ノボラック系樹脂等の有機材料が挙げられる。
オーバーコート層を形成する方法としては、例えば、オーバーコート層を構成するオーバーコート層形成用組成物を塗布する方法が挙げられる。ここで用いられる塗布方法としては、一般的に公知の塗布方法を適用することができる。例えば、スピンコート、ロールコート、キャストコート等の塗布方法が挙げられる。
オーバーコート層の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
機能層がオーバーコート層である場合、オーバーコート層のポリイミドフィルム側の面、またはポリイミドフィルムとは反対側の面の少なくとも一方の面に、センサ電極を有していても良い。ここで、センサ電極は、通常、パターン状に形成される。そのため、オーバーコート層のポリイミドフィルム側の面にセンサ電極を有する場合には、センサ電極を介してポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が密着することとなる。したがって、オーバーコート層がセンサ電極を有する場合であっても、ポリイミドフィルムおよびオーバーコート層が優れた密着性を有するポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材を得ることができる。
以下、センサ電極について説明する。
本工程において形成されるセンサ電極としては、透明性を有していても良く、あるいは不透明性を有していても良い。また、センサ電極は、パターン状に形成されることが好ましく、具体的には、細線によるメッシュ状のメッシュ電極であることが好ましい。センサ電極がオーバーコート層のポリイミドフィルム側の面に形成される場合に、センサ電極を介してオーバーコート層およびポリイミドフィルムが接触するため、優れた密着性を有するポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができるからである。
本工程において形成されるセンサ電極の材料としては、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。さらにまた、酸化スズ、ITOと称される酸化インジウムスズ、IZOと称される酸化インジウム亜鉛等の透明導電材料を用いることもできる。
センサ電極は、次のような方法により形成することができる。例えば、オーバーコート層のポリイミド塗膜側の面にセンサ電極が形成される場合には、上述したポリイミド塗膜上に、センサ電極の構成材料である導電性材料を用いて導電層を形成し、次に、導電層上にレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして導電層をエッチングする方法が挙げられる。このとき、導電層を形成する方法には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。なお、オーバーコート層のポリイミド塗膜とは反対側の面にセンサ電極が形成される場合にも、上述した方法と同様にしてセンサ電極を得ることができる。また、パターン状に形成されたセンサ電極のポストベークは、後述するイミド化工程における熱処理と一の工程として行うことができる。これにより、製造工程の削減を図ることが可能となる。
本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極である場合、センサ電極の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極であることにより、センサ電極に用いられる材料が不透明な金属材料であったとしても、見かけ上、透明なセンサ電極とすることが可能である。
(2)バリア層
機能層がバリア層である場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、バリア層を形成する工程である。機能層がバリア層である場合、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびバリア層が積層されたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
バリア層の材料としては、一般的なバリア層と同様とすることができる。例えば、無機酸化物、無機窒化物、および無機酸化窒化物からなる無機蒸着膜等が挙げられる。無機酸化物としては、具体的には酸化インジウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化スズ、酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、酸化ナトリム、酸化リチウム、酸化カリウム等が挙げられる。無機窒化物としては、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化窒化ケイ素等が挙げられる。また、無機酸化窒化物としては、酸化窒化ケイ素等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
さらに、バリア層としては、例えば、ポリマー組成物および金属化合物を含む無機−有機混合バリア層を用いることができる。金属化合物としては、例えばLi、Na、K、Rb等の1価の金属、Mg、Ca、Zn、Cu、Co、Fe、Ni、Al、Zr等の2価以上の金属の酸化物、水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩等の無機塩、カルボン酸塩、スルホン酸等の有機酸塩が挙げられる。ポリマー組成物としては、例えばポリカルボン酸およびポリアルコールの架橋体、ポリカルボン酸およびポリアミンの架橋体等が挙げられる。具体的なポリカルボン酸、ポリアルコール、およびポリアミンについては、例えば、国際公開第2014/042133号パンフレットに記載される材料が挙げられる。なお、無機−有機混合バリア層中に含有される金属化合物は、1種類であっても良く、複数種類であっても良い。
バリア層を形成する方法としては、バリア層の材料に応じて適宜選択することができるが、例えば、ゾルゲル法が挙げられる。
バリア層の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
機能層がバリア層である場合、バリア層のポリイミドフィルム側の面、またはポリイミドフィルムとは反対側の面の少なくとも一方の面に、センサ電極を有していても良い。なお、センサ電極を有する場合の具体的な説明は、上述した「(1)オーバーコート層」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
(3)加飾部
機能層が加飾部である場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、加飾部を形成する工程である。機能層が加飾部である場合、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよび加飾部が積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわち加飾部材を得ることができる。
加飾部の材料としては、加飾部が呈する色に応じて適宜選択することができる。加飾部が黒色を呈する黒色加飾部である場合、黒色加飾部の材料は、後述するブラックマトリクスの材料と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、加飾部が白色を呈する白色加飾部である場合、白色加飾部の材料には、例えば、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。
加飾部を形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等により加飾層を形成し、その後、フォトリソグラフィ法により加飾層をパターニングすることにより、加飾部を形成することができる。
加飾部の厚みとしては、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわち加飾部材の用途等に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
(4)ブラックマトリクス
機能層がブラックマトリクスである場合、本工程は、ポリイミド塗膜上に、ブラックマトリクスを形成する工程である。機能層がブラックマトリクスである場合、優れた密着性を有するポリイミドフィルムおよびブラックマトリクスが積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわち遮光部材を得ることができる。
本工程において形成されるブラックマトリクスは、例えば、バインダー樹脂に黒色顔料を分散させることにより得ることができる。黒色顔料としては、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタン等)、カーボンブラック等が挙げられる。また、ブラックマトリクスの主成分となるバインダー樹脂は、感光性樹脂を含有することが好ましい。感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂をバインダー樹脂の樹脂成分として用いることができる。なお、バインダー樹脂は、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
ブラックマトリクスは、次のような方法により形成することができる。例えば、上述した樹脂層上に、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等によりブラックマトリクス層を形成し、フォトリソグラフィ法によりブラックマトリクス層をパターニングする方法を用いることができる。
本工程において形成されるブラックマトリクスの厚み、線幅、遮光性等については、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体、すなわちブラックマトリクス基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なブラックマトリクスと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において形成される機能層がブラックマトリクスである場合、パターン状に形成されたブラックマトリクスの開口部に着色部を形成し、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体を、カラーフィルタ基材とすることができる。なお、このとき用いられる着色部は、一般的なカラーフィルタに用いられる着色部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
4.剥離工程
本発明における剥離工程は、機能層形成工程後に、基材を剥離する工程である。
本工程において、ポリイミドフィルムから基材を剥離する方法としては、例えば、物理的手法により基材を剥離する方法や、レーザー光を基材側から照射し、当該基材を透過したレーザー光がポリイミドフィルムに吸収され、基材およびポリイミドフィルムを剥離する方法が挙げられる。
本工程が、レーザー光を基材側から照射し、基材およびポリイミドフィルムを剥離する方法である場合、レーザー光には、基材およびポリイミドフィルムの界面における結合を切り離すことができるような波長域のレーザーを用いることができる。具体的には、レーザー光が有する波長域が紫外線領域であることが好ましい。紫外線領域としては、例えば300nm以上400nm以下の範囲内であることが好ましく、中でも320nm以上380nm以下の範囲内であることが好ましく、特に340nm以上360nm以下の範囲内であることが好ましい。このようなレーザー光としては、例えば、XeCl、XeF等のエキシマレーザー、YAG、YVO等の固体レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。本工程では、例えばポリイミドフィルムが透明なポリイミド溶液を用いて構成されている場合、308nmのエキシマレーザーや355nmの固体レーザーを用いることができる。
レーザー光の照射方法としては、基材およびポリイミドフィルムの界面に十分にレーザー光を照射することができる方法であることが好ましく、基材の平面視上、一方の方向へ、露光装置を移動させながらスキャンする方法が挙げられる。
本工程において、ポリイミドフィルムから基材を良好に剥離するために、予め、基材とポリイミドフィルムとの間にレーザー光を吸収するレーザー吸収層を配置していても良い。レーザー吸収層の材料は、レーザー光を照射することにより、レーザーアブレーションが起こり得る材料であることが好ましい。このようなレーザー吸収層の具体的な材料については、レーザー光の種類等に応じて適宜選択することができ、一般的にレーザー吸収層として用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、レーザー吸収層の厚みや形成方法についても、一般的なレーザー吸収層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
5.その他の工程
本発明においては、上述した工程の他にも、必要に応じてその他の工程を有していても良い。その他の工程としては、例えば、その他の部材を形成する工程が挙げられる。具体的には、本発明により得られるポリイミドフィルム積層体をセンサ電極基材として用いる場合に、センサ電極である透明電極層の骨見えを抑制することが可能な不可視化層を形成する工程や、その他にも、衝撃吸収層を形成する工程等が挙げられる。
6.ポリイミドフィルム積層体
本態様により得られるポリイミドフィルム積層体は、機能層に応じて様々な構成とすることができる。例えば、機能層がバリア層である場合には、当該バリア層上にさらにセンサ電極を形成し、基材、ポリイミドフィルム、バリア層、およびセンサ電極が順に積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができる。また、例えば、機能層がオーバーコート層である場合には、当該オーバーコート層上にさらにバリア層を形成しても良く、さらに当該バリア層上にセンサ電極を形成しても良い。この場合、基材、ポリイミドフィルム、オーバーコート層、バリア層、およびセンサ電極が順に積層されたポリイミドフィルム積層体、すなわちセンサ電極基材とすることができる。
本態様においては、ポリイミドフィルムおよび機能層が所定の密着性を有する。ここで、所定の密着性は、次のような実験により確認することができる。すなわち、本態様においては、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、機能層およびポリイミドフィルムを厚み方向に切断し、機能層の表面に粘着テープを付着させ、粘着テープを引き剥がしたときのポリイミドフィルム上に残存する機能層のマス数が、90マス以上である場合を指す。本態様においては、中でも95マス以上であることが好ましく、特に100マスであることが好ましい。本態様におけるポリイミドフィルムおよび機能層が、上述のような所定の密着性を有することにより、樹脂層の薄膜化を目的としてポリイミドフィルムを用いた場合であっても、ポリイミドフィルム上に形成される機能層との密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。
B.第2態様
本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜の上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、上記イミド化工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法について、図を参照しながら説明する。図2は、本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法は、図2(a)に示すように、基材1上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液2”を塗布して仮乾燥し、図2(b)に示すように、ポリイミド塗膜2’を形成するポリイミド塗膜形成工程と、ポリイミド塗膜形成工程後に、図2(c)に示すように、ポリイミド塗膜2’の基材1とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、表面処理工程後に、図2(d)に示すように、ポリイミド塗膜2’を熱処理することでイミド化し、図2(e)に示すように、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルム2とするイミド化工程と、イミド化工程後に、図2(f)に示すように、ポリイミドフィルム2の表面処理された側の面に、機能層3を形成する機能層形成工程とを有する。これにより、基材1、ポリイミドフィルム2および機能層3が積層したポリイミドフィルム積層体10を得ることができる。
本態様によれば、ポリイミド塗膜の表面を荒らすことにより、ポリイミドフィルムの表面を荒らすことができるため、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体を得ることができる。なお、具体的な効果の説明については、上述した「A.第1態様」の項で記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本態様のポリイミドフィルム積層体の製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。また、後述する各工程以外の説明については、上述した「A.第1態様」の項で記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
1.ポリイミド塗膜形成工程
本工程は、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成する工程である。
なお、本工程については、上述した「A.第1態様 1.ポリイミドフィルム準備工程 (1)ポリイミドフィルムの形成方法 (a)ポリイミド塗膜形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.表面処理工程
本工程は、ポリイミド塗膜の基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程である。
本工程においてポリイミド塗膜の表面を荒らす方法は、本態様の製造方法により得られるポリイミドフィルム積層体が、ポリイミドフィルム表面の凹凸に機能層が入り込むことによるアンカー効果により、所望の密着性を得ることができる程度に表面を荒らすことができる方法であれば特に限定されない。
本工程において用いられる表面処理方法は、ポリイミド塗膜表面を荒らして所望の凹凸を形成することができる方法であることが好ましい。ここでの「所望の凹凸」については、上述した「A.第1態様 2.表面処理工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
このような表面処理としては、ポリイミド塗膜の表面に凹凸形状を有する冶具を押し当てて、ポリイミド塗膜表面に所望の凹凸を転写する方法が挙げられる。具体的には、例えば、エンボス加工等がなされた表面が凹凸形状の処理ロールと、平坦な支持ロールとの間に、基材とポリイミド塗膜とが積層された積層体を、ポリイミド塗膜側の面が処理ロール側となるようにして通過させる方法が挙げられる。
本工程において用いられる冶具は、ポリイミド塗膜に所望の凹凸を転写することができるものであれば特に限定されない。冶具の表面の凹凸形状は、ポリイミド塗膜の表面に転写しようとする所望の凹凸形状に応じて適宜調整することができるが、例えば、冶具表面の表面粗さが、0.2nm以上1.5nm以下であることが好ましい。
3.イミド化工程
本工程は、表面処理工程後に、ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとする工程である。
なお、本工程については、上述した「A.第1態様 1.ポリイミドフィルム準備工程 (1)ポリイミドフィルムの形成方法 (b)イミド化工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
4.機能層形成工程
本工程は、イミド化工程後に、ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に機能層を形成する工程である。
なお、本工程については、上述した「A.第1態様 3.機能層形成工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
II.表示装置の製造方法
本発明の表示装置の製造方法は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、上記ポリイミドフィルム準備工程後に、上記ポリイミドフィルムの上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有することを特徴とする製造方法である。
また、本発明の表示装置の製造方法は、ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、上記ポリイミド塗膜形成工程後に、上記ポリイミド塗膜の上記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、上記表面処理工程後に、上記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、上記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、上記イミド化工程後に、上記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、上記機能層形成工程後に、上記基材を剥離する剥離工程と、上記剥離工程後に、上記基材が剥離された面に上記表示パネルを貼り合せる貼合工程とを有することを特徴とする製造方法である。
以下、本発明の表示装置の製造方法について、図を参照しながら説明する。本発明においては、例えば、機能層が加飾部であり、ポリイミドフィルム積層体が加飾部材である場合には、例えば、図3(a)に示すように、ポリイミドフィルム積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図3(a)では、加飾部材として機能するポリイミドフィルム積層体10と表示パネル30との間に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極20を有する例について示している。
一方、本発明においては、例えば、機能層がブラックマトリクスおよびセンサ電極が積層され、ポリイミドフィルム積層体がセンサ電極基材である場合には、例えば、図3(b)に示すように、ポリイミドフィルム積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図3(b)では、ポリイミドフィルム積層体10の表示パネル30とは反対側の面に、加飾部材40を有する例について示している。
なお、本発明の表示装置の具体的な構成については、例えば、特許第5392641号と同様とすることができるため、ここでの詳しい記載は省略する。
本発明によれば、ポリイミドフィルムの表面を荒らしていることにより、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れた表示装置を得ることができる。
なお、具体的な効果については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本発明の表示装置の製造方法における各工程について説明する。なお、貼合工程を行う前までの各工程については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
A.貼合工程
本発明における貼合工程は、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法 D.剥離工程」の項で説明した工程と同様の剥離工程後に、基材が剥離された面に表示パネルを貼り合せる工程である。
本工程において、ポリイミドフィルム積層体の基材が剥離された側の面に表示パネルを貼り合せる方法としては、一般的な表示装置の製造方法において用いられる貼り合せ方法と同様とすることができ、例えば、粘着層を介して両者を圧着する方法が挙げられる。
本工程において用いられる粘着層の材料は、所定の光透過性を有することが好ましい。中でも、所定のフレキシブル性を有することが好ましい。このような粘着層の材料としては、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の一般的な材料が挙げられる。
粘着層の厚みは、粘着層としての粘着力を発揮することができる程度の厚みであることが好ましく、粘着層の材料等に応じて適宜調整することができる。なお、具体的な粘着層の厚みについては、一般的な表示装置に用いられる粘着層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本工程においては、表示パネルおよびポリイミドフィルムの表面に付したアライメントマークを用いて、所望の位置に貼り合せても良い。なお、アライメントマークについては、表示装置の製造工程において一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において用いられる表示パネルは、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、その他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でも良く、公知の各種表示パネルでも良い。
上述した表示パネルについては、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。
B.その他の工程
本発明においては、上述した工程の他にも、必要に応じてその他の工程を有していても良い。なお、その他の工程については、一般的な表示装置の製造方法に用いられる工程等が挙げられるため、ここでの記載は省略する。
III.ポリイミドフィルム積層体
本発明のポリイミドフィルム積層体は、ポリイミドフィルムと、上記ポリイミドフィルム上に配置された機能層とを有し、上記ポリイミドフィルムの表面粗さが、0.2nm以上1.5nm以下であることを特徴とする部材である。
以下、本発明のポリイミドフィルム積層体について、図を参照しながら説明する。
図4(a)、(b)は本発明のポリイミドフィルム積層体10の一例を示す概略断面図である。図4(a)に示すように、本発明のポリイミドフィルム積層体10は、ポリイミドフィルム2と、ポリイミドフィルム2上に配置された機能層3とを有しても良く、図4(b)に示すように、ポリイミドフィルム2の機能層3とは反対側の面に基材1をさらに有していても良い。また、本発明におけるポリイミドフィルムは、所定の表面粗さを有することを特徴とする。
本発明によれば、ポリイミドフィルムが所定の表面粗さを有することにより、ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性に優れたポリイミドフィルム積層体とすることができる。
なお、具体的な効果については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本発明においては、ポリイミドフィルムの機能層と接する側の面の表面粗さが、0.2nm以上1.5nm以下とすることができ、中でも0.3nm以上1.2nm以下とすることが好ましく、特に0.5nm以上1.0nm以下とすることが好ましい。本発明のポリイミドフィルム積層体を製造する際に、ポリイミドフィルム表面の凹凸に機能層が入り込むことによるアンカー効果により、ポリイミドフィルムおよび機能層の間に所望の密着性を得ることができる。なお、ここでの表面粗さは、算術平均粗さRaである。また、表面粗さは、白色干渉計を用いて測定することができる。
本発明のポリイミドフィルム積層体についてのその他の詳細な説明については、上記「I.ポリイミドフィルム積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例]
(ポリイミドフィルム準備工程)
基材(材料:ガラス)上に、ポリイミドフィルム(厚み:10μm)を準備した。
(表面処理工程)
得られたポリイミドフィルムの表面に、強アルカリ液(材料:TMAH、濃度:2.5%)を用いて表面処理(手法:シャワー法、時間:60秒)した。得られたポリイミド表面の表面粗さは、0.8nmであった。
(機能層形成工程)
得られたポリイミドフィルム上に、機能層としてオーバーコート層を形成した。具体的には、ポリイミドフィルム状に、オーバーコート層を構成するオーバーコート層形成用組成物(材料:紫外線硬化型樹脂)を塗布し、ホットプレートを用いた加熱により仮乾燥させ、その後、紫外線照射をすることにより硬化させ、最後に焼成して、ポリイミドフィルム積層体を得た。
[比較例]
表面処理工程を行わなかったこと以外は、実施例と同様にポリイミドフィルム積層体を得た。
[評価]
ポリイミドフィルムおよび機能層の密着性について評価した。具体的には、次のような方法により密着性を評価した。すなわち、縦方向に10マス、横方向に10マスである100マスのクロスカッターを用いて、機能層およびポリイミドフィルムを厚み方向に切断し、機能層の表面に粘着テープを付着させ、粘着テープを引き剥がしたときの、ポリイミドフィルム上に残存する機能層のマス数を測定することにより密着性を評価した。
結果は、下記表1に示す。
Figure 2017213689
1 …基材
2” …ポリイミド溶液
2’ …ポリイミド塗膜
2 …ポリイミドフィルム
3 …機能層
10 …ポリイミドフィルム積層体
100…表示装置

Claims (9)

  1. 基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、
    前記ポリイミドフィルム準備工程後に、前記ポリイミドフィルムの前記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、
    前記表面処理工程後に、前記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と
    を有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  2. 前記表面処理工程が、前記ポリイミドフィルムの前記基材とは反対側の表面をアルカリ液で溶解して表面を荒らす工程であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  3. 基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、
    前記ポリイミド塗膜形成工程後に、前記ポリイミド塗膜の前記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、
    前記表面処理工程後に、前記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、前記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、
    前記イミド化工程後に、前記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と
    を有することを特徴とするポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  4. 前記表面処理工程が、前記ポリイミド塗膜の前記基材とは反対側の表面に、凹凸形状を有する冶具を押し当てて前記凹凸形状を転写する工程であることを特徴とする請求項3に記載のポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  5. 前記機能層形成工程後に、前記基材を剥離する剥離工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のポリイミドフィルム積層体の製造方法。
  6. ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、
    基材上に、ポリイミドフィルムを準備するポリイミドフィルム準備工程と、
    前記ポリイミドフィルム準備工程後に、前記ポリイミドフィルムの前記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、
    前記表面処理工程後に、前記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、
    前記機能層形成工程後に、前記基材を剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記基材が剥離された面に前記表示パネルを貼り合せる貼合工程と
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  7. ポリイミドフィルム積層体および表示パネルを有する表示装置の製造方法であって、
    基材上に、ポリアミック酸を含むポリイミド溶液を塗布して仮乾燥し、ポリイミド塗膜を形成するポリイミド塗膜形成工程と、
    前記ポリイミド塗膜形成工程後に、前記ポリイミド塗膜の前記基材とは反対側の表面を荒らす表面処理工程と、
    前記表面処理工程後に、前記ポリイミド塗膜を熱処理することでイミド化し、前記ポリイミド塗膜をポリイミドフィルムとするイミド化工程と、
    前記イミド化工程後に、前記ポリイミドフィルムの表面処理された側の面に、機能層を形成する機能層形成工程と、
    前記機能層形成工程後に、前記基材を剥離する剥離工程と、
    前記剥離工程後に、前記基材が剥離された面に前記表示パネルを貼り合せる貼合工程と
    を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. ポリイミドフィルムと、
    前記ポリイミドフィルム上に配置された機能層と
    を有し、
    前記ポリイミドフィルムの表面粗さが、0.2nm以上1.5nm以下であることを特徴とするポリイミドフィルム積層体。
  9. 前記ポリイミドフィルムの前記機能層とは反対側の面に配置された基材を有することを特徴とする請求項8に記載のポリイミドフィルム積層体。
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