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JP6661996B2 - 樹脂基板の製造方法、樹脂積層基板の製造方法および表示装置の製造方法 - Google Patents

樹脂基板の製造方法、樹脂積層基板の製造方法および表示装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂膜の製造方法、樹脂積層膜の製造方法および表示装置の製造方法に関する。
近年、軽くてフレキシブル性を有する樹脂基板が電子デバイス基板として用いられるようになっている。このようなフレキシブル基板は、特に有機エレクトロルミネッセンス素子用基板、回路基板、ディスプレイ用基板、タッチパネルとして好ましく使われ始めている。
フレキシブルな樹脂基板の上に電子デバイスを形成するために、ガラス基板上に樹脂膜を形成し、電子バイスの形成後にその樹脂膜をガラス基板から剥離する方法が用いられる。例えば、第一のガラス基板上に樹脂膜と表示素子をこの順に形成し、第二のガラス基板上に樹脂膜とカラーフィルターをこの順に形成し、二つのガラス基板を貼り合わせた後に、それぞれのガラス基板にレーザーを照射して樹脂膜からガラス基板を剥離する表示装置の方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような方法の場合、ガラス基板にレーザーを照射する際、樹脂膜が設けられていない領域においてはレーザーが他方のガラス基板に到達する。そのため、他方のガラス基板に設けられた樹脂膜やデバイスに悪影響を及ぼすおそれがある。それを防ぐため、ガラス基板に犠牲層を形成してレーザーを遮光する方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−74757号公報 特開2014−149517号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法においては、犠牲層がレーザー照射により加熱されることでその一部が溶融または昇華して、それが樹脂膜に再付着することで、以降の工程で樹脂膜の欠陥になるという問題があった。
それを防ぐために、犠牲層をガラス基板の直上ではなく樹脂膜の上に設けることも考えられるが、この場合は、ガラス基板から剥離した樹脂膜に犠牲層の一部が残り、やはり以降の工程で樹脂膜の欠陥になるという問題がある。
そこで、本発明は、ガラス基板から樹脂膜を剥離する際のレーザー洩れを防止し、かつ樹脂膜に欠陥を生じることのない方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂膜の製造方法である。
(1)ガラス基板の裏面に部分的に遮光膜を形成する工程;
(2)前記ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
(3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
また本発明は、少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂積層膜の製造方法である。
(1)第一のガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程;
(2)前記第一のガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程;
(3)第二のガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
(4)前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と前記第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程;
(5)前記第一のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第一のガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程;
(6)前記第二のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第二のガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
本発明の一つの実施形態によれば、寸法安定性に優れ、欠陥が少ない樹脂膜の製造が可能である。また、本発明の一つの実施形態によれば、樹脂積層膜やフレキシブル電子デバイスを製造するにあたり、レーザー洩れに由来するダメージを防ぐことができる。
本発明の実施形態に係る樹脂膜の製造方法の工程断面図 本発明の実施形態に係る樹脂膜の製造方法の工程断面図 基板の表面に形成された樹脂膜と裏面に形成された遮光層の関係を示す模式図 本発明の実施形態に係る樹脂積層膜の製造方法の工程断面図 本発明の実施形態に係る表示素子の製造方法の工程断面図 本発明の実施形態に係る表示素子の製造方法の工程断面図 従来技術による樹脂膜の製造方法の工程断面図
<第一の実施形態>
本発明の第一の実施形態は、少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂膜の製造方法である。
(1)ガラス基板の裏面に部分的に遮光膜を形成する工程;
(2)前記ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
(3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
本実施形態では、ガラス基板の表面に形成した樹脂膜をガラス基板から剥離することにより樹脂膜を製造することができる。上記(1)〜(3)の工程を順に説明する。
(1)ガラス基板の裏面に部分的に遮光膜を形成する工程
この工程では、公知のパターニング方法を用いて、図1(a)に示すようにガラス基板1の裏面に遮光膜2を部分的に形成する。
本実施形態では、遮光膜がガラス基板の裏面に形成されるため、遮光膜がレーザー照射により加熱されその一部が蒸発、昇華、分解等したとしても、樹脂膜表面を汚染しない。
ガラス基板としては特に制限されないが、寸法安定性、耐熱性などから無アルカリガラスが好ましく用いられる。
遮光膜の材質は特に制限はなく、公知の有機膜や無機膜などを用いることができるが、無機膜がより好ましい。また、遮光膜が無機膜であって、その硬度が高いほど、搬送ロボットや搬送コロ等により傷が付くのを防ぐことができるため好ましい。
また、遮光膜の材質は金属および金属酸化物が好ましく、紫外線反射率の小さな金属酸化物がより好ましい。露光工程で、照射される紫外線の反射を抑制することにより、目的以外の領域まで露光されるのを防ぐことができるからである。
金属の種類は特に制限されないが、例えば、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、モリブデン、タンタル、タングステン、銅、銀、金、パラジウム、プラチナが好ましく、アルミ、ニッケル、クロム、モリブデンがより好ましい。
金属酸化物の種類は特に制限されないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、ITO、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムが好ましく、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ITOがより好ましい。
無機膜の遮光膜は、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの方法で形成することができる。中でもスパッタ法が好ましい。スパッタ法では、金属ターゲットを酸素含有雰囲気でスパッタする反応性スパッタをすることにより、生産性が高く膜厚均一性の良い金属の酸化物を形成することができる
遮光膜が有機膜の場合は、樹脂が好ましく用いられる。樹脂の遮光膜は、樹脂組成物を塗布、加熱硬化することで形成することができる。
遮光膜の膜厚は5μm以下が好ましく、2μm以下がさらに好ましい。特に、遮光膜が無機膜である場合は、遮光膜の膜厚は1μm以下が好ましく、0.5μm以下がさらに好ましい。遮光膜が薄い方が生産性が高いからである。
遮光膜を部分的に形成する方法としては、遮光膜を形成後に、フォトリソやレーザーを照射してパターン加工をする方法が挙げられる。また、遮光膜をスパッタ、蒸着、イオンプレーティングなどの真空プロセスを用いて形成する場合は、金属等のマスクを用いて、直接パターン形成した遮光膜を形成することができる。
(2)前記ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程
この工程では、まず、塗布法や印刷法などの公知の方法を用いて、樹脂を含む溶液をガラス基板1の表面に塗工し乾燥させて、図1(b)に示すように樹脂膜4を形成する。
塗布法は、例えば、スリットコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バーコート法などの方法があり、これらの手法を組み合わせて塗布してもかまわない。印刷法は、スクリーン印刷法などが挙げられる。これらの中でも、樹脂膜の膜厚均一性からスピンコートもしくはスリットコートによる塗布法が好ましく、樹脂の使用効率からスリットコートがさらに好ましい。
乾燥はホットプレート、オーブン、赤外線、真空チャンバーなどを使用することが好ましい。ホットプレートを用いる場合、プレート上に直接、もしくは、プレート上に設置したプロキシピン等の治具上に被加熱体を保持して加熱する。
本実施形態では、後述のように、樹脂膜がポリイミド樹脂膜であることが好ましい。そのため、樹脂を含む溶液はポリイミド前駆体またはポリイミド樹脂の溶液であることが好ましい。
以下では、ポリイミド前駆体樹脂溶液やポリイミド樹脂溶液を用いてポリイミド樹脂膜を製造する方法について説明する。なお、ポリイミド樹脂膜には、界面活性剤、内部離型剤、熱架橋剤、着色剤、無機フィラー、光酸発生剤等が含まれていてもよい。以下の例はポリイミド前駆体樹脂溶液を用いる場合について説明するが、ポリイミド樹脂溶液を用いる場合にも概ね同様の手順がとられる。
ポリイミド前駆体またはポリイミド樹脂の溶液をスリットコートする場合は、塗布工程では、粘度が低い方がより高速で塗布することが可能で生産性が向上するので、溶液の濃度は低い方が好ましい。一方で、乾燥工程では溶液の濃度が高く溶剤が少ないほうが速く乾燥が進むので好ましい。乾燥時間を短くするため、減圧乾燥を利用することが好ましい。減圧乾燥により表面平坦性を損ねることなく塗膜中の溶剤を減少させることができるので、その後の加熱乾燥工程で塗膜ムラを抑制することができる。
減圧乾燥では、乾燥溶媒が減圧チャンバー内壁に再凝縮するのを防ぐために、減圧チャンバー内を100℃以下の加熱することが好ましい。
減圧乾燥の圧力は、使用する溶剤の蒸気圧以下になるまで減圧することが好ましく、チャンバー内圧力は1〜1000Paにすることが好ましい。減圧乾燥時間は10〜600秒が好ましい。
ポリイミド前駆体の溶液を用いて最終的にポリイミド樹脂膜を得るためには、イミド化のための加熱が必要である。ポリイミド前駆体樹脂組成物膜を180℃以上550℃以下の範囲で加熱してポリイミド樹脂膜に変換する。ポリイミド樹脂膜は、酸素濃度が5%以下の雰囲気で加熱して得ることが好ましい。一般的に、酸素濃度を低くすることで、加熱時のポリイミド樹脂膜の酸化や分解が抑制されるので、ポリイミド樹脂膜の線膨張係数や引っ張り強度などの機械的特性が向上する。
イミド化反応を均一にするためには、ゆっくり昇温度加熱することが好ましく、5〜120分かけて昇温することが好ましい。製造ラインの加熱方式にあわせた昇温方法を適宜選択することができる。
樹脂膜上には必要に応じて水分の透過を抑制するバリア膜を形成することができる。バリア膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸化窒化ケイ素を含む単層または多数積層膜が好ましく用いられる。
バリア膜は、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの方法で形成することができる。
(3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程。
この工程では、図1(c)に示すように遮光膜2が形成されたガラス基板1の裏面側からレーザー100を照射して、図1(d)に示すようにガラス基板1から剥離した樹脂膜5を得る。遮光膜によってレーザーが照射されなかった樹脂膜6はガラス上に残る。
樹脂膜を剥離するためのレーザーは特に限定されないが、固体レーザー、ガスレーザーおよび半導体レーザー等を用いることができる。ガラス基板から樹脂膜を剥離するためには、ガラス基板と樹脂膜の界面近傍の樹脂膜を高温にして熱的に樹脂膜を分解することが好ましく、樹脂膜を劣化させないためには、ガラス基板と樹脂膜の界面近傍の200nm以下の樹脂膜のみを短時間に高温にすることが好ましいので、波長の短いレーザーが好ましく用いられる。
NdをドープしたYAG結晶からなるレーザーの第三光調波である354nm光のレーザーやNdをドープしたYVO結晶からなるレーザーの第三光調波である355nm光のレーザーは好ましく用いられる。また、さらに波長の短い308nmであるXeClのエキシマレーザーは特に好ましく用いられる。樹脂膜にレーザーを照射してガラス基板から剥離するので、樹脂膜はレーザー光を吸収することが必要である。照射するレーザーの波長に対して、樹脂膜の透過率は樹脂膜が10μmの場合で10%以下であることが好ましい。波長308nmのエキシマレーザーを照射して樹脂膜を剥離する場合は、樹脂膜の膜厚が10μmの場合、波長308nmの透過率が10%以下であることが好ましい。
遮光膜に照射されたレーザーは、遮光されることが必要であるため、照射するレーザーの波長に対して、遮光膜の透過率が10%以下であることが好ましい。波長308nmのエキシマレーザーを照射して樹脂膜を剥離する場合は、遮光膜の波長308nmの透過率が10%以下であることが好ましい。
(樹脂膜)
ガラス基板上に形成する樹脂膜の膜厚は、ガラス基板から樹脂膜を剥離した後に、自立膜となる機械的強度が必要となるため、1μm以上が好ましく、3μm以上がさらに好ましい。
また、ガラス基板上に形成する樹脂膜の膜厚が厚すぎる場合は、樹脂膜とガラス基板の熱膨張率の差からガラス基板が反りやすくなる。これにより、樹脂膜製造工程でガラス基板の搬送不良が起こるおそれや、樹脂膜にクラックが発生するおそれがある。これを防ぐために、樹脂膜の膜厚は30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
樹脂膜を構成する樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネード、ポリエーテルスルホン、アクリル、エポキシ、シロキサン樹脂などが挙げられる。これらの樹脂の中では、耐熱性が高く、機械的強度が高いポリイミドが好ましく用いられる
ポリイミド樹脂膜は、ポリアミック酸等のポリイミド前駆体樹脂の溶液を基板上に塗布した後、乾燥し、加熱することにより作製することができる。ポリアミック酸は、酸無水物とジアミンを反応させることで合成することができる。また、ポリイミド樹脂膜は、溶剤に溶解するポリイミド樹脂を合成してから、そのポリイミド樹脂溶液を基板上に塗布することでも作製することができる。
ポリイミド前駆体としては、ポリアミド酸やポリアミド酸エステル、ポリアミド酸シリルエステルなどがあり、ジアミン化合物と酸二無水物又はその誘導体との反応により合成することができる。誘導体としては該酸二無水物のテトラカルボン酸、酸塩化物、テトラカルボン酸のモノ、ジ、トリまたはテトラエステルなどが挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などでエステル化された構造が挙げられる。重合反応の反応方法は、目的のポリイミド前駆体樹脂が製造できれば特に制限はなく、公知の反応方法を用いることができる。
具体的な反応方法としては、所定量の全てのジアミン成分および反応溶媒を反応器に仕込み溶解させた後、所定量の酸二無水物成分を仕込み、室温〜80℃で0.5〜30時間撹拌する方法などが挙げられる。
ポリイミド樹脂やポリイミド前駆体樹脂の合成に用いられる酸二無水物とジアミンは既知のものを使用することができる。
酸二無水物としては特に限定されず、芳香族酸二無水物、脂環式酸二無水物、又は脂肪族酸二無水物が挙げられる。
ポリイミド樹脂に高透明性が求められる場合は、透明性を付与するために酸二無水物およびジアミン成分に脂環式モノマー成分を添加することが有効である。
基板上にポリイミド樹脂膜を形成する場合、ポリイミド樹脂膜と基板の熱膨張率の違いによって支持基板に反りが生じたり、支持基板から膜が剥がれたりする場合がある。この現象を抑制するために、ポリイミド樹脂の線熱膨張率(CTE)が支持基板の熱線膨張率に近く、低CTEであることが求められる。CTEを低くするために、酸二無水物として3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、ジアミンとして2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、trans−1,4−ジアミノシクロへキサンが好ましい。
上記のようなポリイミド前駆体樹脂またはポリイミド樹脂を有機溶剤に溶解し、溶液とすることができる。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ガンマブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジブチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを単独、または2種以上使用することができる。
ポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂の溶液は、熱架橋剤を含有していてもよい。熱架橋剤としては、エポキシ化合物やアルコキシメチル基またはメチロール基を少なくとも2つ有する化合物が好ましい。これらの基を少なくとも2つ有することで、樹脂および同種分子と縮合反応して架橋構造体が形成され、加熱処理後の硬化膜の機械強度や耐薬品性を向上させることができる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂の溶液は、無機フィラーを含有していてもよい。無機フィラーとしては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、ジルコニア微粒子などが挙げられる。
<第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態は、少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂膜の製造方法である。
(1)ガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程;
(2)前記ガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程;
(3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程。
本実施形態では、ガラス基板の表面に形成した樹脂膜をガラス基板から剥離することにより樹脂膜を製造することができる。上記(1)〜(3)の工程を順に説明する。
(1)ガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程
この工程では、公知のパターニング方法を用いて、図2(a)に示すようにガラス基板10の裏面に遮光膜12のパターンを形成する。
この工程は、第一の実施形態における工程(1)と同様にして行うことができる。
(2)前記ガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程
この工程では、まず、塗布法や印刷法などの公知の方法を用いて、樹脂を含む溶液をガラス基板10の表面に塗工し乾燥させて、図2(b)に示すように樹脂膜14を形成する。次に、公知のパターニング方法を用いて、ガラス基板10の表面の樹脂膜14をパターン加工し、図2(c)に示すように樹脂膜14のパターンを形成する。
樹脂膜のパターンが形成される位置は、遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に厳密に対応しなくてもよい。図2の(c’)に示すように、遮光膜が形成される領域に対応する部分との間に重なりがあってもよい。
樹脂膜の形成は、第一の実施形態における工程(2)と同様にして行うことができる。その樹脂膜を、フォトリソ法やレーザー加工法によってパターン加工することができる。
フォトリソ法でパターン加工する場合の一例は以下の通りである。基板上に塗布し、乾燥した樹脂膜上に感光性レジスト膜を形成する。次に、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により、フォトマスクを介して紫外線により選択的に露光を行う。その後、1.5〜3質量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬してレジストの露光部を除去すると共に、レジストのパターン通りに樹脂膜をアルカリ現像液に溶解させてパターン加工する。現像後に剥離液を用いてレジストを剥離することで樹脂膜のパターンを得ることができる。
また、樹脂に感光性機能を付与している場合はこれを利用してもよい。基板上に塗布し、乾燥した樹脂膜に、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により、フォトマスクを介して紫外線により選択的に露光を行う。その後、1.5〜3質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアルカリ現像液に20〜300秒浸漬して樹脂膜をアルカリ現像液に溶解させてパターン加工する。
レーザー加工法で樹脂膜をパターン加工する場合の一例は以下の通りである。基板上に形成した樹脂膜にレーザーを照射して、パターンを形成する。パターンを形成するレーザーは固体レーザー、ガスレーザーおよび半導体レーザー等を用いることができる。高出力でランニングコストが低い固体レーザーは好ましく用いることができる。固体レーザーとしては、YAGやYVO結晶からなるレーザーを好ましく用いることができ、NdをドープしたYAG結晶からなるレーザーの第三光調波である354nm光のレーザーやNdをドープしたYVO結晶からなるレーザーの第三光調波である355nm光のレーザーが好ましく用いられる。
レーザーは、連続発振でもパルス発振でも用いることができるが、樹脂膜が加熱されると熱ダメージによる樹脂膜の分解や炭化不良が発生することがある。樹脂膜に熱ダメージを与えないためには、パルス発振レーザーが好ましい。パルス幅はより短い方が樹脂膜に与える熱ダメージが少ないので好ましく、ナノ秒からピコ秒のパルス幅であるレーザーが好ましい。
パターニングされた樹脂膜上には必要に応じて水分の透過を抑制するバリア膜を形成することができる。その種類や形成方法は、第一の実施形態における場合と同様である。
(3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程
この工程では、図2(d)に示すように遮光膜12が形成されたガラス基板10の裏面側からレーザー100を照射して、図2(e)に示すようにガラス基板10から樹脂膜14のパターンを剥離する。以下、樹脂膜のパターンを剥離することも含めて「樹脂膜を剥離する」という。
この工程は、第一の実施形態における工程(3)と同様にして行うことができる。
ガラス基板の裏面に遮光膜を形成する工程と、ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程については、所望の場所にパターンを形成するために位置合わせをすることが好ましい。
ガラス基板の裏面に遮光膜を形成する工程を、ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程より先に行う場合は、先に形成された遮光膜のパターンを位置合わせマークとして利用することができる。
また、ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程を、ガラス基板の裏面に遮光膜を形成する工程より先に行う場合は、先に形成された樹脂膜のパターンを位置合わせマークとして利用することができる。
一方で、別途、ガラス基板に位置合わせマークを設けることが好ましい。
図3に位置合わせマーク18の一例を示す。図3(a)はガラス基板上の樹脂膜のパターンを形成した平面図であり、図3(b)はそのI−I’線における断面図である。遮光膜12はガラス基板の裏面に存在するが、理解を助けるため、図3(a)においても斜線で示す。この例では、位置合わせマーク18は遮光膜12の端部に相当する箇所の一部に設けられている。もちろん、位置合わせマーク18の位置、大きさ、形状、数等はこの例に限られない。
位置合わせマークは、予めガラス基板に設けておいてもよいし、遮光膜と樹脂膜のうち先に形成する方の形成と同時に形成してもよい。同時に形成する場合は、位置合わせマークの材質は、その同時に形成される遮光膜または樹脂膜と同じになる。また、ガラス基板の表面と裏面のどちらに設けられてもよい。
位置合わせマークは薄いほどマークの加工精度が上がり、位置合わせ精度が上がるので好ましい。そして、前述のように、遮光膜が無機膜の場合は、その膜厚が薄いことが好ましい。これらから、遮光膜の方が位置合わせマークとして利用しやすい。したがって、ガラス基板の裏面に遮光膜を形成する工程を、ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程より先に行うことが好ましい。
樹脂膜のパターンは、少なくとも、遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に形成されることが好ましい。これによって、ガラス基板の裏面側からレーザーを照射してガラス基板から樹脂膜のパターンを剥離する工程の際、遮光膜の隙間からレーザー光が漏れるのを防ぐことができる。
また、先に述べたように、樹脂膜のパターンが形成される領域は、遮光膜が形成される領域に対応する部分との間に重なりがあってもよい。ある場合には、重なりがある方が好ましい。例えば、図3(b)に示すように、樹脂膜14のパターンの端部が底部に向かって広がるテーパー形状である場合などである。この場合、樹脂膜のパターンの端部における膜厚が薄いため、この部位にレーザーが照射されると樹脂膜が部分的により高温になり、溶融、炭化または分解するおそれがある。さらにその溶融物や分解物等が樹脂膜表面に再付着することにより、表面の欠陥の原因になるおそれがある。図3(b)に示すように、重なり15があることによって、これらの現象を防ぐことができる。樹脂膜と遮光膜の重なりの幅は10μm以上が好ましく、30μm以上がさらに好ましい。
一方で、遮光膜と樹脂膜の重なり幅が大きい場合は、レーザー光が過度に遮光されて、樹脂膜が剥離できない不良を起こすことがある。樹脂膜と遮光膜の重なりの幅は5mm以下が好ましく、500μm以下がさらに好ましい。
本発明に用いられるポリイミド前駆体樹脂やポリイミド樹脂の溶液は、光酸発生剤を含有していてもよい。光酸発生剤を含有することにより、露光パターンが描かれたマスクを介して光を照射すると露光部に酸が発生し、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が増大するため、ポジ型感光性樹脂として用いることができる。
本発明に用いられる光酸発生剤としては、キノンジアジド化合物、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩などが挙げられる。中でも優れた溶解抑止効果を発現し、高感度かつ低膜減りのポジ型感光性樹脂組成物を得られるという点から、キノンジアジド化合物が好ましく用いられる。また、光酸発生剤を2種以上含有してもよい。これにより、露光部と未露光部の溶解速度の比をより大きくすることができ、高感度なポジ型感光性樹脂を得ることができる。
ポジ型感光性樹脂のパターンを形成するには、ポジ型感光性樹脂のワニスを基板上に塗布し、露光後、現像液を用いて露光部を除去する。現像液としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ジエタノールアミン、ジエチルアミノエタノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ジエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、酢酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエチルメタクリレート、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルカリ性を示す化合物の水溶液が好ましい。
樹脂膜の上には必要に応じて水分の透過を抑制するバリア膜を形成することができる。バリア膜を形成する方法として、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング、CVDなどの方法で形成することができる。スパッタ法やVCD法は、安定したバリア膜が形成できるので好ましく、CVD法で形成する酸化ケイ素、窒化ケイ素または酸化窒化ケイ素からなる単層または多数積層膜は水分の透過率を抑制する効果が高いのでさらに好ましい。
<第三の実施形態>
本発明の第三の実施形態は、少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂積層膜の製造方法である。
(1)第一のガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程;
(2)前記第一のガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程;
(3)第二のガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
(4)前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と前記第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程;
(5)前記第一のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第一のガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程;
(6)前記第二のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第二のガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
本実施形態では、二枚のガラス基板のそれぞれ表面に形成した樹脂膜同士を貼り合わせ、それらを各ガラス基板から剥離することにより、樹脂積層膜を製造することができる。上記(1)〜(6)の工程を順に説明する。
(1)第一のガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程
この工程では、公知のパターニング方法を用いて、図4(a)に示すようにガラス基板20の裏面に遮光膜22のパターンを形成する。この工程は、第二の実施形態における工程(1)と同様にして行うことができる。
(2)第一のガラス基板の表面の、少なくとも、遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程
この工程では、まず、塗布法や印刷法などの公知の方法を用いて、樹脂を含む溶液をガラス基板20の表面に塗工し乾燥させて、図4(b)に示すように樹脂膜24を形成する。次に、公知のパターニング方法を用いて、ガラス基板20の表面の樹脂膜24をパターン加工し、図4(c)に示すように樹脂膜24のパターンを形成する。この工程は、第二の実施形態における工程(2)と同様にして行うことができる。
(3)第二のガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程
この工程では、公知の塗布法や印刷法を用いて、樹脂を含む溶液をガラス基板30の表面に塗布し乾燥させ、図4(d)に示すように別のガラス基板30の表面に樹脂膜34のパターンを形成する。この工程は、第二の実施形態における工程(2)における樹脂膜14の形成工程と同様にして行うことができる。樹脂膜34に対してさらにパターン加工を行ってもよい。
なお、ここでの樹脂膜に含まれる樹脂に特に制限はなく、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネード、ポリエーテルスルホン、アクリル、エポキシ、シロキサン等を挙げることができる。中でも、ポリイミド樹脂であることが好ましい。ポリイミド樹脂としては前述のものを用いることが可能である。
また、第一のガラス基板に形成される樹脂膜と第二のガラス基板に形成される樹脂膜は、それぞれ同種の樹脂を含むことが好ましい。それらがいずれもポリイミド樹脂膜である場合、各ポリイミドの構造は同じでも異なっていてもよく、求められる物性に応じてそれぞれ適宜選択される。
(4)第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程
この工程では、図4(e)に示すように、第一のガラス基板20の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板30の表面の樹脂膜の側とを対向させ、それらを貼り合わせる。
2つのガラス基板を対向させる際は、位置あわせを行うことが好ましい。特に、後述のように両方の樹脂膜の上に機能素子が形成されている場合は、それらを正しい位置で重ね合わせることが必要であるため、位置あわせが必要である。
第一のガラス基板上に形成した樹脂膜と第二のガラス基板に形成した樹脂膜を貼り合わせる方法としては、特に制限はないが、例えば以下の方法が挙げられる。
まず、第一の樹脂膜および/または第二の樹脂膜に接着層を形成する。接着層は、樹脂膜の外周のみに形成する、樹脂膜の全面に形成する、樹脂膜の一部に選択的に形成などのいずれの方法でも構わない。接着層は、印刷法、塗布法、貼り合わせ法など公知の方法で形成することができる。
接着層を形成した後に第一の樹脂膜と第二の樹脂膜を貼り合わせ、加熱したり、紫外線を照射したりすることで接着層を硬化することができる。
後述のように、第一のガラス基板および/または第二のガラス基板の少なくとも一方に機能素子が形成されている場合は、樹脂膜に接着層を形成してから第一の基板と第二の基板の位置合わせをして貼り合わせた後に、加熱したり、紫外線を照射したりすることで接着層を硬化することができる。
(5)第一のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して第一のガラス基板から樹脂膜のパターンを剥離する工程
この工程では、図4(f)に示すように遮光膜22が形成された第一のガラス基板20の裏面側からレーザー100を照射して、第一のガラス基板20から樹脂膜24のパターンを剥離する。この工程は、第二の実施形態における工程(3)と同様にして行うことができる。
(6)第二のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して第二のガラス基板から樹脂膜を剥離する工程
この工程では、図4(g)に示すように第二のガラス基板30の裏面側からレーザー100を照射して、第二のガラス基板30から樹脂膜24のパターンを剥離する。この工程も、第一の実施形態における工程(3)と同様にして行うことができる。
なお、(5)の工程と(6)の工程の順序に特に制限はないが、遮光膜の形成された第一のガラス基板に先にレーザーを照射して樹脂膜を剥離することが好ましい。こうすることで、第一のガラス基板に照射したレーザーが遮光層で遮断され、第二のガラス基板に到達することを防ぎ、第二のガラス基板に形成された樹脂膜に悪影響が及ばないようにすることができるからである。
各実施形態において、ガラス基板の表面の樹脂膜の上に機能素子を形成することができる。
機能素子を形成する工程は、第一、第二の実施形態においては、工程(2)の後であることが好ましく、第三の実施形態においては、工程(4)の前であることが好ましい。第三の実施形態では、第一のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上、前記第二のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上、またはその両方に、機能素子を形成することができる。
機能素子としては、有機エレクトロルミネッセンス素子、LED、TFT、カラーフィルター、タッチパネルなどがある。特に、機能素子が、それ自体が発光する有機エレクトロルミネッセンス素子であると、薄くて割れないフレキシブルディスプレイになるため好ましい。また、機能素子がカラーフィルターであると、フレキシブルカラーフィルターが得られ、これを使ってフレキシブルディスプレイに適用することが可能であるため好ましい。
(カラーフィルター)
カラーフィルターはブラックマトリックスおよび/または赤、緑、青の着色画素を有するものが一般的である。
ブラックマトリックスとしては、黒色顔料を樹脂に分散した樹脂ブラックマトリックスであることが好ましい。黒色顔料の例としては、カーボンブラック、チタンブラック、酸化チタン、酸化窒化チタン、窒化チタン又は四酸化鉄が挙げられる。特に、カーボンブラック、チタンブラックが好適である。また赤顔料、緑顔料、青顔料を混合して黒色顔料として用いることもできる。
樹脂ブラックマトリックスに使用する樹脂としては、細いパターンが形成し易いため、ポリイミド樹脂が好ましい。ポリイミド樹脂は、酸無水物とジアミンとから合成されたポリアミック酸を、パターン加工後に熱硬化してポリイミド樹脂とすることが好ましい。
酸無水物、ジアミンおよび溶剤の例としては、前述のポリイミド樹脂で挙げたものを用いることができる。
樹脂ブラックマトリックスに使用する樹脂としては、感光性アクリル樹脂を用いることもできる。黒色顔料分散した、アルカリ可溶性のアクリル樹脂、光重合性モノマーおよび高分子分散剤および添加剤からなる。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
ブラックマトリックスを形成した後に、着色画素を形成する。着色画素は、赤、緑、青の3色の着色画素からなる。また3色の着色画素に加えて、無色透明または、ごく薄く薄着した第4色の画素を形成することで、表示装置の白色表示の明るさを向上させることもできる。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤として顔料または染料を含む樹脂が用いることができる。
赤の着色画素に使用する顔料の例としては、PR254、PR149、PR166、PR177、PR209、PY138、PY150又はPYP139が挙げられ、緑の着色画素に使用する顔料の例としては、PG7、PG36、PG58、PG37、PB16、PY129、PY138、PY139、PY150又はPY185が挙げられ、青の着色画素に使用する顔料の例としては、PB15:6又はPV23が挙げられる。
青色染料の例としては、C.I.ベイシックブルー(BB)5、BB7、BB9又はBB26が挙げられ、赤色染料の例としては、C.I.アシッドレッド(AR)51、AR87又はAR289が挙げられる。
赤緑青の着色画素に使用する樹脂の例としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂又はポリイミド系樹脂が挙げられるが、カラーフィルターの製造コストを安くできるため、感光性アクリル系樹脂が好ましい。感光性アクリル系樹脂は、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマーおよび光重合開始剤を含有することが一般的である。
アルカリ可溶性樹脂の例としては、不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物との共重合体が挙げられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸又は酸無水物が挙げられる。
光重合性モノマーの例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート又はジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、チオキサントン又は2−クロロチオキサントンが挙げられる。
感光性アクリル系樹脂を溶解するための溶媒の例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキシプロピオネート、メトキシブチルアセテート又は3−メチル−3−メトキシブチルアセテートが挙げられる。
カラーフィルターの表面を平坦化するために、カラーフィルター上に平坦化膜を形成することが好ましい。平坦化膜の形成に使用する樹脂の例としては、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂又はポリイミド樹脂が挙げられる。平坦化膜の膜厚としては、表面が平坦になる膜厚が好ましく、0.5〜5.0μmがより好ましく、1.0〜3.0μmがさらに好ましい。
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
有機エレクトロルミネッセンス素子は、アモルファスシリコン、ポリシリコンや酸化物半導体をスイッチング素子としてパターン形成し、さらに有機化合物からなる発光層を形成することによって製造することができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、赤、緑、青などに各色に発光する素子を形成する方法や、白色発光素子とカラーフィルターを組み合わせる方法があり、本発明では、いずれの方法でも用いることができる。
また、有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光素子からの光を取り出す方向により、トップエミッション型やボトムエミッション型があるが、本発明では、いずれの方法でも用いることができる。
<第四の実施形態>
本発明の第四の実施形態は、上述の樹脂積層膜の製造方法を利用してフレキシブル電子デバイスの一つである表示装置を製造する方法である。この方法は、第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程の前に、第一のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に、ブラックマトリックスおよび/または着色画素を有するカラーフィルターを形成する工程を含み、第二のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程を含む。
図5は本実施形態の一例を示す工程断面図である。
(第一のガラス基板)
まず、図5(a)〜(c)に示すように、前述の方法で第一のガラス基板40の裏面に遮光膜42を、表面に樹脂膜44のパターンを形成する。
次に図5(d)に示すように、樹脂膜44のパターン上に、ブラックマトリックス43と、赤の着色画素45R、緑の着色画素45Gおよび青の着色画素45Bを有するカラーフィルターを形成する。
このとき、樹脂膜44は必要に応じてバリア膜41で覆われていてもよい。バリア膜としては、厚さは1μm以下であることが好ましく、材質は酸化ケイ素や窒化ケイ素であることが好ましい。バリア膜はCVD法などにより形成される。
カラーフィルターは以下のようにして形成される樹脂膜またはバリア膜の上に、黒色顔料を分散した樹脂からなるブラックマトリックス用ペーストを硬化後の膜厚が0.3〜3μmになるように塗布し、20〜200Paまで減圧して乾燥した後に、110〜140℃でセミキュアを行う。塗布はスピンコーター又はダイコーター等の方法で行うことが好ましい。加熱(セミキュア、プリベークなどを含む)は熱風オーブン又はホットプレートで行うことが好ましい。この点は以下の説明にも共通する。
次に、その上にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が0.8〜2.0μmになるように塗布し、20〜200Paまで減圧して乾燥した後に、80〜120℃でプリベークを行い、レジスト膜を形成する。
その後、フォトマスクを介して紫外線によりポジ型レジストを選択的に露光する。その後、アルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去する。
露光は、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により行われることが好ましい。アルカリ現像液は、用いられるポジ型レジストに応じて適宜選択されるが、1.5〜3質量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が好ましい。
ここで、ブラックマトリックス用ペーストのセミキュア物がアルカリ現像液に可溶である場合は、露光部直下のブラックマトリックス用ペーストのセミキュア物も除去される。そうでない場合は、ポジ型レジストが除去されて露出したブラックマトリックス用ペーストのセミキュア物を、公知のエッチング法等により除去する。
その後、剥離液を用いてポジレジストを剥離してから、200〜300℃で10〜60分加熱することで、樹脂ブラックマトリックス43のパターンを得る。樹脂がポリアミック酸である場合、最後の加熱工程でそれはポリイミドに変換される。
カラーフィルターの着色画素は、着色剤と樹脂とを用いて作製する。着色剤として顔料を使用する場合には、顔料に高分子分散剤および溶媒を混合して分散処理を行った後、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合開始剤等を添加して作製する。一方、着色剤として染料を使用する場合には、染料に溶媒、アルカリ可溶性樹脂、モノマーおよび光重合性開始剤等を添加して作製する。この場合の全固形分は、樹脂成分である高分子分散剤、アルカリ可溶性樹脂およびモノマーと、着色剤との合計である。
得られた着色剤組成物を、樹脂ブラックマトリックスが形成された樹脂膜またはバリア膜の上に、加熱処理後の膜厚が0.8〜3.0μmになるように塗布し、20〜200Paまで減圧して乾燥した後に、80〜110℃でプリベークを行い、着色剤の塗膜を形成する。
次に、フォトマスクを介して、紫外線等により着色剤の塗膜を選択的に露光する。その後、アルカリ現像液に20〜300秒浸漬することにより未露光部を除去する。
露光は、プロキシミティ露光機又はプロジェクション露光機等により行われることが好ましい。アルカリ現像液は、用いられる着色剤組成物に応じて適宜選択されるが、0.02〜1質量%の水酸化カリウム又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド等が好ましい。
得られた塗膜パターンを180〜250℃で5〜40分加熱処理することで、着色画素を形成する。着色画素の色毎に作製した着色剤組成物を使用して、上記のようなパターンニング工程を赤の着色画素45R、緑の着色画素45Gおよび青の着色画素45Bについて順次行う。
その後、平坦化膜(図示せず)を形成する。アクリル着色画素とブラックマトリックスが形成された樹脂膜またはバリア膜の上に、平坦化膜に使用される樹脂の溶液を塗布し、20〜200Paまで減圧して、または真空で乾燥した後に、80〜110℃でプリベークを行い、さらに150〜250℃で5〜40分加熱して平坦化膜を形成する。こうして、カラーフィルター基板400が得られる。
(第二のガラス基板)
図5(e)に示すように、第二のガラス基板50の表面に形成された樹脂膜54の上に、必要に応じてバリア膜51を形成し、その上に配線56、スイッチング素子57および有機エレクトロルミネッセンス素子58を形成する。
配線は、モリブデン、アルミニウム、銀、銅、ITOなどからなる金属膜をスパッタにより形成した後、フォトリソ法によってパターニングして形成することができる。
スイッチング素子は、一般に、アモルファスシリコン、ポリシリコンや酸化物半導体などからなる。ポリシリコンの場合は、CVD法によって形成したシリコン膜をレーザーなどで高温に加熱することで結晶化させて、スイッチング素子とすることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子は、赤、緑、青の各色に光る塗り分け方式や、白色に光る方式があり、塗布法、真空蒸着法や印刷法の公知の方法で形成される。
配線、スイッチング素子、および有機エレクトロルミネッセンス素子はこの順に形成されることが好ましい。こうして、有機エレクトロルミネッセンス素子基板500が得られる。
(貼り合わせ)
図5(f)に示すように、カラーフィルター基板400における樹脂膜またはバリア膜か、有機エレクトロルミネッセンス素子基板500における樹脂膜またはバリア膜のいずれかもしくは両方の外周に接着剤60を塗布して、カラーフィルター基板400と有機エレクトロルミネッセンス素子基板500とを対向させて貼り合わせる。次いで、接着剤60を硬化させる。
そして、図5(g)に示すように、カラーフィルター基板400の裏面からレーザー100を照射して、図5(h)に示すように、第一のガラス基板40から樹脂膜44を剥離する。次に図5(i)に示すように、有機エレクトロルミネッセンス素子基板500の裏面からレーザー100を照射して、図5(j)に示すように、第二のガラス基板50から樹脂膜54を剥離する。
剥離した積層体に表示用回路70を取り付けることで、図5(k)に示すようにフレキシブル有機エレクトロルミネッセンス表示装置を作ることができる。
以下実施例等をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
調製例1;ポリアミック酸樹脂溶液(A)の調製
乾燥窒素気流下、200mL4つ口フラスコに3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物15.8137g(53.7mmol)、trans−1,4−ジアミノシクロへキサン6.1375g(53.7mmol)、N−メチル−2−ピロリドン100gを入れて65℃で加熱撹拌した。6時間後、冷却してワニスとした。
調製例2;ポリアミック酸樹脂溶液(B)の調製
4,4’−ジアミノフェニルエーテル(0.30モル当量)、パラフェニレンジアミン(0.65モル当量)およびビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.05モル当量)を、850gのγ−ブチロラクトンおよび850gのN−メチル−2−ピロリドンと共に仕込み、3,3’,4,4’−オキシジフタルカルボン酸二無水物(0.9975モル当量)を添加し、80℃で3時間反応させた。無水マレイン酸(0.02モル当量)を添加し、更に80℃で1時間反応させ、ポリアミック酸樹脂(樹脂の濃度20質量%)溶液を得た。
調製例3;ブラックマトリックスを形成するための黒色遮光剤組成物の作製
調製例2のポリアミック酸樹脂溶液(B)250gに、50gのカーボンブラック(MA100;三菱化学(株)製)および200gのN−メチル−2−ピロリドンを混合し、ダイノーミルKDL−Aを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpmで3時間の分散処理を行い、遮光剤分散液1を得た。
この遮光剤分散液1を50gに、49.9gのN−メチル−2−ピロリドンおよび0.1gの界面活性剤(LC951;楠本化学(株)製)を添加して、非感光性の遮光剤組成物を得た。
調製例4;赤の着色画素を形成するための赤色着色剤組成物の作製
着色剤として、50gのPR177(クロモファイン(登録商標)レッド6125EC;大日精化製)および50gのPR254(イルガフォア(登録商標)レッドBK−CF;チバ・スペシャルティケミカルズ(株)製)を混合した。この着色剤中に、100gの高分子分散剤(BYK2000;樹脂濃度40質量%;ビックミージャパン(株)製)、67gのアルカリ可溶性樹脂(サイクロマー(登録商標)ACA250;樹脂濃度45質量%;ダイセル化学製)、83gのプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび650gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、スラリーを作製した。スラリーを入れたビーカーを循環式ビーズミル分散機(ダイノーミルKDL−A;ウイリー・エ・バッコーフェン社製)とチューブでつなぎ、メディアとして直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、4時間の分散処理を行い、着色剤分散液を得た。
この着色剤分散液45.7gに、7.8gのサイクロマーACA250、3.3gの光重合性モノマー(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬製)、0.2gの光重合開始剤(イルガキュア(登録商標)907;チバ・スペシャルティケミカルズ製)、0.1gの光重合開始剤(カヤキュアー(登録商標)DETX−S;日本化薬製)、0.03gの界面活性剤(BYK333;ビックケミージャパン(株)製)および42.9gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、着色剤組成物を得た。着色剤組成物における全固形分中の着色剤の濃度は、31質量%であり、各着色剤の質量混合比は、PR177:PR254=50:50であった。
調製例5;緑の着色画素を形成するための緑色着色剤組成物の作製
着色剤として、65gのPG7(ホスタパーム(登録商標)グリーンGNX;クラリアントジャパン社製)および35gのPY150(E4GNGT;ランクセス(株)製)を混合した。この着色剤に、100gのBYK2000、67gのサイクロマーACA250、83gのプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび650gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合し、ダイノーミルKDL−Aを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、6時間の分散処理を行い、着色剤分散液を得た。
この着色剤分散液51.7gに、6.3gのサイクロマーACA250、2.9gのカヤラッドDPHA、0.2gのイルガキュア907、0.1gのカヤキュアーDETX−S、0.03gのBYK333および38.8gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、着色剤組成物を得た。着色剤組成物における全固形分中の着色剤の濃度は35質量%であり、PG7:PY150=65:35であった。
調製例6;青の着色画素を形成するための青色着色剤組成物の作製
着色剤として、100gのPB15:6(リオノール(登録商標)ブルー7602;東洋インキ社製)を使用し、この着色剤中に100gのBYK2000、67gのサイクロマーACA250、83gのプロピレングリコールモノメチルエーテルおよび650gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを混合して、スラリーを作製した。スラリーを分散機ダイノーミルKDL−Aを用いて、直径0.3mmのジルコニアビーズを使用して、3200rpm、3時間の分散処理を行い、着色剤分散液を得た。
この着色剤分散液41.3gに、8.9gのサイクロマーACA250、3.5gのカヤラッドDPHA、0.2gのイルガキュア907、0.1gのカヤキュアーDETX−S、0.03gのBYK333および46gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、着色剤組成物を得た。着色剤組成物における全固形分中の着色剤の濃度は28質量%であり、PB15:6単独であった。
水蒸気透過率の測定:水蒸気透過率は、RERMATRAN、W3/33(モコン社製)により測定した24時間後の結果とした。測定条件は、温度40℃、湿度90%とした。
実施例1;樹脂膜の製造方法
(1)遮光膜の形成
300×350mmの無アルカリガラス基板上(AN100;旭硝子(株)製)に、酸化スズ5%含有の酸化インジウムターゲットを用いて、1%酸素を含むアルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、膜厚200nmのITOの遮光膜を得た。このときガラス上に330×380mmで厚さ0.1mmのステンレスのメタルマスクを重ねた。メタルマスクには、3mm×355mmの開口部のスリットが5本入ったメタルマスクを用い、スリットの間隔は50mmとした。スパッタの条件としては、圧力は5×10−1Pa、基板温度は100℃で3kWの直流電源を用いてスパッタリングを行った。
(2)樹脂膜の形成
遮光膜を形成したガラス基板の反対の面上に、調製例1で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が10μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、60Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理してポリアミック酸樹脂組成物を得た。酸素濃度0.1%の熱風オーブン中300℃で30分加熱処理して、ポリイミド樹脂膜を得た。
(3)樹脂膜の剥離
ガラス基板の樹脂膜を形成した反対の面から波長308nmのXeClレーザーを400mJ/cm照射して樹脂膜をガラス基板から剥離し、幅50mm、長さ350mmの樹脂パターン4枚を得た。このときのレーザービームは、幅1mm、長さ20mmとした。
得られた樹脂膜には、遮光膜であるITOの付着欠陥は無く、良好な平滑性を有していた。また、樹脂膜端部の溶融、炭化などの不具合は見られなかった。
実施例2 パターン加工した樹脂膜の製造方法
(1)遮光膜の形成
300×350mmの無アルカリガラス基板上(AN100;旭硝子(株)製)に、酸化スズ5%含有の酸化インジウムターゲットを用いて、1%酸素を含むアルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、膜厚200nmのITOの遮光膜を得た。このときの圧力は5×10−1Pa、基板温度は100℃で3kWの直流電源を用いてスパッタリングを行った。
遮光膜にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。フォトマスクは、樹脂膜で対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成され、パターン間は3mmの隙間がある設計として、樹脂膜の無い領域に対応するように遮光膜が形成されるように設計した。
樹脂膜が形成された後に、ガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が500μm重なるようにフォトマスクを設計した。
フォトマスクには、位置合わせ用のマークとして、遮光膜に幅50μmで長さが1000μmの十字マークが6個形成できるパターンを入れた。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去した。その後、25重量%の塩酸、10重量%の硝酸および65%の水からなるエッチング液を40℃に加熱して、遮光膜を形成したガラス基板を3分浸漬させて、ITOをエッチングした。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、100℃の熱風オーブンで5分乾燥させて、パターン化した遮光膜を得た。
(2)樹脂膜の形成
遮光膜を形成したガラス基板の反対の面上に、調製例1で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が10μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、60Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理してポリアミック酸樹脂組成物を得た。その上にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。
フォトマスクは、遮光膜の形成されていない領域に、対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成されたパターンを用いた。また、遮光膜によって形成した位置合わせ用の十字マークを使って位置合わせを行って露光した。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去すると同時に、ポジ型レジストと同じパターン幅となるようにポリアミック酸樹脂組成物を除去した。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、酸素濃度0.1%の熱風オーブン中300℃で30分加熱処理して、ポリイミド樹脂膜を得た。できあがった樹脂膜は、遮光膜の形成されていない領域に形成されており、顕微鏡観察にてガラスの平面内を12点測定した結果、樹脂膜と遮光膜がガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が400〜500μm重なっていた。
(3)樹脂膜の剥離
ガラス基板の樹脂膜を形成した反対の面から波長308nmのXeClレーザーを400mJ/cm照射して樹脂膜をガラス基板から剥離し、対角5インチのディスプレイサイズのパターンの樹脂膜6枚を得た。このときのレーザービームは、幅1mm、長さ20mmとした。
得られた樹脂膜には、遮光膜であるITOの付着欠陥は無く、良好な平滑性を有していた。また、樹脂膜端部の溶融、炭化などの不具合は見られなかった。
実施例3 遮光膜がモリブデン膜である樹脂膜の製造方法
(1)遮光膜の形成
300×350mmの無アルカリガラス基板上(AN100;旭硝子(株)製)に、モリブデン金属ターゲットを用いて、アルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、膜厚200nmのモリブデン遮光膜を得た。このときの圧力は3×10−1Pa、基板温度は200℃で3kWの直流電源を用いてスパッタリングを行った。
遮光膜にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。フォトマスクは、樹脂膜で対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成され、パターン間は3mmの隙間がある設計として、樹脂膜の無い領域に対応するように遮光膜が形成されるように設計した。
樹脂膜が形成された後に、ガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が500μm重なるようにフォトマスクを設計した。
フォトマスクには、位置合わせ用のマークとして、遮光膜に幅50μmで長さが1000μmの十字マークが6個形成できるパターンを入れた。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去した。
その後、25重量%の過酸化水素水からなるエッチング液を40℃に加熱して、遮光膜を形成したガラス基板を1分浸漬させて、モリブデンをエッチングした。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、100℃の熱風オーブンで5分乾燥させて、パターン化したモリブデン遮光膜を得た。
遮光膜の形成以外は、実施例2と同様にして、樹脂膜を形成した後に、レーザーを照射して樹脂膜をガラス基板から剥離した。
得られた樹脂膜には、遮光膜であるモリブデンの付着欠陥は無く、良好な平滑性を有していた。また、樹脂膜端部の溶融、炭化などの不具合は見られなかった。
実施例4 遮光膜がアルミ膜である樹脂膜の製造方法
遮光膜としてアルミ膜を形成したこと、アルミ膜のエッチングに、リン酸80重量%、硝酸10重量%、水10重量%のエッチング液を50℃に加熱して、遮光膜を形成したガラス基板を5分浸漬させて、アルミ膜をエッチングしたこと以外は実施例3と同様に遮光膜を得た。樹脂膜を形成した後に、レーザーを照射して樹脂膜をガラス基板から剥離した。
得られた樹脂膜には、遮光膜であるアルミの付着欠陥は無く、良好な平滑性を有していた。また、樹脂膜端部の溶融、炭化などの不具合は見られなかった。
実施例5 バリア膜を形成した樹脂膜の製造方法
実施例2と同様に、裏面に遮光膜を形成した樹脂膜付きのガラス基板を得た。
次に、二酸化ケイ素のターゲットを用いて、アルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、膜厚150nmのガスバリア層を得た。このときの圧力は3×10−1Pa、基板温度は120度で13.56MHzの交流電源を用いてスパッタリングを行い、バリア膜を形成したこと以外は実施例2と同様にして、ガラス基板から剥離した樹脂膜を得た。得られた樹脂膜は表面に欠陥がなく、水蒸気透過率は0.2g/(m・24時間)であり、バリア膜を形成していない樹脂膜の100分の1の水蒸気透過率であり、良好な結果を示した。
実施例6 樹脂積層膜の製造方法
実施例2と同様に、裏面に遮光膜を形成した樹脂膜付きの第二のガラス基板を得た。
次に別のガラス基板を準備して、ガラス基板上に、調製例1で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が40μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、60Paまで減圧して溶媒を乾燥させ、熱風オーブ中で140℃で20分加熱処理した。次に酸素濃度0.1%の熱風オーブン中300℃で30分加熱処理して、ポリイミド樹脂膜付きの第一のガラス基板を得た。
第二のガラス基板に形成した5インチの樹脂膜上に接着剤を全面に塗布し、第一のガラス基板と貼り合わせた後に、120℃で20分加熱して接着剤を硬化させた。その後、第二のガラス基板の樹脂膜を形成した反対の面から波長308nmのXeClレーザーを400mJ/cm照射して第二のガラス基板を剥離した。このときのレーザービームは、幅1mm、長さ20mmとした。得られた樹脂膜は接着面に欠陥がなく、膜厚は40μm厚みで十分な引っ張り強度をもっていた。
実施例7 表示素子の製造方法
(1)第二のガラス基板の遮光膜の形成
300×350mmの無アルカリガラス基板上(AN100;旭硝子(株)製)に、酸化スズ5%含有の酸化インジウムターゲットを用いて、1%酸素を含むアルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、膜厚200nmのITOの遮光膜を得た。このときの圧力は5×10−1Pa、基板温度は100℃で3kWの直流電源を用いてスパッタリングを行った。
遮光膜にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。フォトマスクは、樹脂膜で対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成され、パターン間は3mmの隙間がある設計として、樹脂膜の無い領域に対応するように遮光膜が形成されるように設計した。
樹脂膜が形成された後に、ガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が500μm重なるようにフォトマスクを設計した。
フォトマスクには、位置合わせ用のマークとして、遮光膜に幅50μmで長さが1000μmの十字マークが6個形成できるパターンを入れた。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去した。その後、25重量%の塩酸、10重量%の硝酸および65%の水からなるエッチング液を40℃に加熱して、遮光膜を形成したガラス基板を3分浸漬させて、ITOをエッチングした。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、100℃の熱風オーブンで5分乾燥させて、パターン化した遮光膜を得た。
(2)第二のガラス基板の樹脂膜の形成
遮光膜を形成したガラス基板の反対の面上に、調製例1で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が10μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、60Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理してポリアミック酸樹脂組成物を得た。その上にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。
フォトマスクは、遮光膜の形成されていない領域に、対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成されたパターンを用いた。また、遮光膜によって形成した位置合わせ用の十字マークを使って位置合わせを行って露光した。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去すると同時に、ポジ型レジストと同じパターン幅となるようにポリアミック酸樹脂組成物を除去した。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、酸素濃度0.1%の熱風オーブン中300℃で30分加熱処理して、ポリイミド樹脂膜を得た。できあがった樹脂膜は、遮光膜の形成されていない領域に形成されており、顕微鏡観察にてガラスの平面内を12点測定した結果、樹脂膜と遮光膜がガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が400〜500μm重なっていた。
次に、二酸化ケイ素のターゲットを用いて、アルゴン雰囲気下でスパッタリングを行い、樹脂膜上に膜厚150nmのガスバリア層を得た。このときの圧力は3×10−1Pa、基板温度は120℃で13.56MHzの交流電源を用いてスパッタリングを行い、バリア膜を形成した。
その上に、調製例3で作製した、黒色遮光剤組成物を加熱硬化後の膜厚が1.0μmになるようにスリットコーターにより塗布し、チャンバー内壁温度40℃にした減圧乾燥機にて、40Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理した。続いて、ポシ型レジスト(LC100;ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)をスピナーで塗布し、90℃で10分間乾燥した。ポジ型レジストの膜厚は1.5μmとした。露光機LE4000A((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、フォトマスクを介して、露光を行った。フォトマスクは、着色画素の開口部の短辺幅が26μm、長辺幅が116μmになり、かつ、ブラックマトリックスの幅が4.0μmになる設計とした。フォトマスク下面とガラス基板上面とのプロキシミティギャップは、100μmとした。次に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを2.4質量%含んだ23℃の水溶液を現像液に用い、基板を現像液に浸漬させ、同時に10cm幅を5秒で1往復するように基板を揺動させて、ポジ型レジストの現像とポリイミド前駆体樹脂のエッチングとを同時に行った。その後、メチルセルソルブアセテートに浸漬してポジ型レジストを剥離した。その後、熱風オーブン中280℃で30分間保持することにより、ポリイミド前駆体樹脂を硬化させ、樹脂ブラックマトリックスを得た。
樹脂ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、調製例4で得られた赤色着色剤組成物をスピナーにより塗布し、その後熱風オーブン中90℃で10分加熱処理することにより、赤色着色膜を得た。次に、露光機LE4000Aを用い、フォトマスクを介して、露光を行った。フォトマスクは、露光部(赤の着色画素部)がストライプ状に形成される設計とした。その後、0.04質量%の水酸化カリウム水溶液に、非イオン界面活性剤(エマルゲン(登録商標)A−60;花王(株)製)を現像液総量に対して0.1質量%添加したアルカリ現像液で90秒間揺動しながら浸漬を行い、続いて純水洗浄することにより、未露光部を除去し、パターンニング基板を得た。その後、熱風オーブン中220℃で30分保持することで、アクリル系樹脂を硬化させ、幅30μmのストライプ状の赤の着色画素を得た。得られた赤の着色画素の色度(x,y)は(0.630,0.311)、(Y)は19.6であった。
調製例5で得られた緑色着色剤組成物を使用し、赤の着色画素と同様にして、緑の着色画素を形成した。得られた緑の着色画素の色度(x,y)は(0.223,0.601)、(Y)は43.6であった。
調製例6で得られた青色着色剤組成物を使用し、赤の着色画素と同様にして、青の着色画素を形成した。得られた青の着色画素の色度(x,y)は(0.134,0.120)、(Y)は14.7であった。
(2)第一のガラス基板の作製
300×350mmの無アルカリガラス基板上(AN100;旭硝子(株)製)に、調製例2で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が10μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、40Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理してポリアミック酸樹脂組成物を得た。さらに酸素濃度0.1%の熱風オーブン中500℃で30分加熱処理して、ポリイミド樹脂膜を得た。
次に、シランガス雰囲気下でプラズマCVDにより膜厚150nmの酸化ケイ素のバリア膜を形成した。このときの圧力は600Pa、基板温度は250度で13.56MHzの交流電源を用いた。
次に、スパッタによりアルミ膜を形成し、フォトリソにより配線パターンを形成した。
ランガス雰囲気下でプラズマCVDにより膜厚0.6μmのアモルファスシリコンを形成した。このときの圧力は600Pa、基板温度は250度で13.56MHzの交流電源を用いた。シランガスにボロンガスを添加することでP型半導体が、シランガスにホスフィンガスを添加することでP型半導体ができるので、トランジスタのスイッチング素子を作ることができる。
有機半導体からなる発光層を形成して有機エレクトロルミネッセンス素子を形成した後に、プラズマCVDにより膜厚150nmの酸化ケイ素のバリア膜を形成して封止した。
(3)表示装置の作製
第二のガラス基板に形成した5インチの樹脂膜上に接着剤を塗布し、第一のガラス基板と貼り合わせた後に、120℃で20分加熱して接着剤を硬化させた。その後、第二のガラス基板の樹脂膜を形成した反対の面から波長308nmのXeClレーザーを400mJ/cm照射して樹脂膜を剥離した。このときのレーザービームは、幅1mm、長さ20mmとした。
第二のガラス基板を剥離後に、第一のガラス基板の樹脂膜を形成した反対の面からXeClレーザーを400mJ/cm照射して樹脂膜を剥離した。
その後、第一の基板から剥離した樹脂膜の電極端子部分に回路基板を貼り合わせて表示装置を作製した。
作製した表示装置は表示の欠陥が無く、また樹脂膜を貼り合わせ面での剥がれもなく良好であった。
比較例1;遮光膜を形成しない表示装置の製造方法
遮光膜を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にして樹脂膜を作製した。得られた樹脂膜は、樹脂膜端部が黒色に変色して、樹脂膜の端部が部分的に破れていた。さらに樹脂膜の端部の一部が1〜20μmの粒状になっていた。
比較例2;遮光膜を形成しない表示装置の製造方法
遮光膜を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様にして樹脂膜を作製した。得られた樹脂膜は、表面に大きさ1〜10μmの欠陥が見られた。また、樹脂膜端部が黒色に変色して一部が1〜20μmの粒状になっていた。
比較例3 ガラス基板上の同一面に遮光膜と樹脂膜を形成する方法
実施例2と同様に遮光膜を形成した後に、図6(a)に示すように、ガラス基板90上の、遮光膜92を形成した面と同一の面上に、調製例1で得られたポリアミック酸樹脂溶液(A)をキュア後の膜厚が10μmになるようにスリットコーターにより塗布した。次にチャンバー内壁温度60℃にした減圧乾燥機にて、60Paまで減圧して溶媒を乾燥させた。その後熱風オーブン中140℃で20分加熱処理してポリアミック酸樹脂組成物膜94を得た。
その上にポジ型レジストをプリベーク後の膜厚が1.2μmになるようにスリットコーターで塗布後、80Paまで減圧乾燥を行い、100℃の熱風オーブンでプリベークを行なってレジスト膜を形成した。その後、プロキシミティ露光機によりフォトマスクを介して露光を行った。
フォトマスクは、遮光膜の形成されていない領域に、対角5インチのディスプレイサイズのパターンが6面形成されたパターンを用いた。また、遮光膜によって形成した位置合わせ用の十字マークを使って位置合わせを行って露光した。
露光後に2質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に60秒浸漬することにより露光部のポジ型レジストを除去すると同時に、ポジ型レジストと同じパターン幅となるようにポリアミック酸樹脂組成物を除去した。剥離液を用いてポジレジストを剥離後、酸素濃度0.1%の熱風オーブン中300℃で30分加熱処理して、図6(b)に示すようにポリイミド樹脂膜96を得た。できあがった樹脂膜は、遮光膜の形成されていない領域に形成されており、顕微鏡観察にてガラスの平面内を12点測定した結果、樹脂膜と遮光膜がガラス面に対して垂直方向から見たときに樹脂膜と遮光膜が400〜500μm重なっていた。
図6(c)に示すように、ガラス基板90のポリイミド樹脂膜96を形成した反対の面から波長308nmのXeClレーザー100を400mJ/cm照射してポリイミド樹脂膜をガラス基板から剥離し、対角5インチのディスプレイサイズのパターンの樹脂膜6枚を得た。このときのレーザービームは、幅1mm、長さ20mmとした。
得られた樹脂膜の端部には、図6(d)に示すように、遮光膜であるITOの付着欠陥98が見られた。また、樹脂膜の表面に2〜20μmのITOの粒欠陥が見られた。
1 ガラス基板
2 遮光膜
4 樹脂膜
5 剥離した樹脂膜
6 基板上に残った樹脂膜
10 ガラス基板
12 遮光膜
14 樹脂膜
15 重なり
18 位置合わせマーク
20 ガラス基板
22 遮光膜
24 樹脂膜
30 ガラス基板
34 樹脂膜
40 ガラス基板
41 バリア膜
42 遮光膜
43 ブラックマトリックス
44 樹脂膜
45R 赤の着色画素
45G 緑の着色画素
45B 青の着色画素
50 ガラス基板
51 バリア膜
54 樹脂膜
56 配線
57 スイッチング素子
58 有機エレクトロルミネッセンス素子
60 接着剤
70 表示用回路
90 ガラス基板
92 遮光膜
94 ポリアミック酸樹脂組成物膜
96 ポリイミド樹脂膜
98 付着欠陥
100 レーザー
400 カラーフィルター基板
500 有機エレクトロルミネッセンス素子基板

Claims (12)

  1. 少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂基板の製造方法
    (1)ガラス基板の裏面に部分的に遮光膜を形成する工程;
    (2)前記ガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
    (3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
  2. 少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂基板の製造方法
    (1)ガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程;
    (2)前記ガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程;
    (3)前記ガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記ガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程。
  3. 前記遮光膜が金属または金属酸化物を含む請求項1または2に記載の樹脂基板の製造方法。
  4. 前記樹脂膜がポリイミド樹脂膜である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂基板の製造方法。
  5. 前記遮光膜の、波長308nmのレーザー光の透過率が10%以下である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂基板の製造方法。
  6. 少なくとも下記の工程を含むことを特徴とする樹脂積層基板の製造方法
    (1)第一のガラス基板の裏面に遮光膜のパターンを形成する工程;
    (2)前記第一のガラス基板の表面の、少なくとも、前記遮光膜のパターンが形成される位置とは異なる位置に対応する部分に樹脂膜のパターンを形成する工程;
    (3)第二のガラス基板の表面に樹脂膜を形成する工程;
    (4)前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と前記第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程;
    (5)前記第一のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第一のガラス基板から前記樹脂膜のパターンを剥離する工程;
    (6)前記第二のガラス基板の裏面側からレーザーを照射して前記第二のガラス基板から前記樹脂膜を剥離する工程。
  7. 前記遮光膜が金属または金属酸化物を含む請求項6に記載の樹脂積層基板の製造方法。
  8. 前記樹脂膜がポリイミド樹脂膜である請求項6または7に記載の樹脂積層基板の製造方法。
  9. 前記遮光膜の、波長308nmのレーザー光の透過率が10%以下である請求項6〜8のいずれかに記載の樹脂積層基板の製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の樹脂積層基板の製造方法を用いた表示装置の製造方法であって、
    前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程の前に、
    前記第一のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上、または前記第二のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程を含む
    表示装置の製造方法。
  11. 請求項6〜9のいずれかに記載の樹脂積層基板の製造方法を用いた表示装置の製造方法であって、
    前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程の前に、
    前記第一のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上、または前記第二のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に、ブラックマトリックスおよび/または着色画素を有するカラーフィルターを形成する工程を含む
    表示装置の製造方法。
  12. 請求項6〜9のいずれかに記載の樹脂積層基板の製造方法を用いた表示装置の製造方法であって、
    前記第一のガラス基板の表面の樹脂膜の側と第二のガラス基板の表面の樹脂膜の側とを対向させて貼り合わせる工程の前に、
    前記第一のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に、ブラックマトリックスおよび/または着色画素を有するカラーフィルターを形成する工程を含み、
    前記第二のガラス基板の表面に形成した樹脂膜の上に、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程を含む
    表示装置の製造方法。
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