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JP2017128083A - 積層体の製造方法、表示装置の製造方法および積層体 - Google Patents

積層体の製造方法、表示装置の製造方法および積層体 Download PDF

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JP2017128083A JP2016010483A JP2016010483A JP2017128083A JP 2017128083 A JP2017128083 A JP 2017128083A JP 2016010483 A JP2016010483 A JP 2016010483A JP 2016010483 A JP2016010483 A JP 2016010483A JP 2017128083 A JP2017128083 A JP 2017128083A
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Yoshiko Tanaka
佳子 田中
真史 榊
Masashi Sakaki
真史 榊
雅也 江口
Masaya Eguchi
雅也 江口
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Abstract

【課題】本発明は、樹脂層の薄膜化を図ることができ、機能層の高精度な位置合わせを行うことが可能な積層体の製造方法を提供することを主目的とする。【解決手段】本発明は、ガラス基材上に、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記樹脂層上に、パターン状の機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする積層体の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス基材、樹脂層および機能層を有する積層体の製造方法、表示装置の製造方法および積層体に関するものである。
近年、表示装置の発達に伴って、液晶表示装置、有機EL表示装置等のフラットパネル表示装置の需要が増加している。最近では、テレビやパーソナルコンピューターの他にも、スマートフォン、タブレット端末等の多機能端末の普及が盛んになっており、益々フラットパネル表示装置の市場は拡大する状況にある。このような状況において、フラットパネル表示装置を構成する各部材に関する研究が盛んに行われている。
フラットパネル表示装置を構成する部材は、例えばガラス基板上に所定の機能層を積層することにより得ることができるが、このような部材を用いた場合、リジットなフラットパネル表示装置となる。フラットパネル表示装置がリジットであると、例えば折り曲げることが困難となり、その用途が限られてしまうという問題がある。そこで、例えばフレキシブル性を有する樹脂層上に、所定の機能層を積層した部材を用いたフレキシブル表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
フレキシブル表示装置は、自在に変形させることができることから、例えばローラブル(巻き取り可能な)モバイル表示装置を実現することができ、よりモバイルに適した表示装置を得ることができるという利点がある。また、フレキシブル表示装置は、例えば長尺のフィルムを用いて連続プロセスによって製造することができ、生産性に優れるという利点もある。
特開2011−027822号公報
ところで、従来、フレキシブル性を有する樹脂層と機能層とを積層した部材を形成する方法としては、例えば、Roll to Roll法により樹脂層上に機能層を積層する方法が提案されている。
そこで、本発明の発明者等は、上述した方法により樹脂層および機能層が積層された部材について検討を重ねた結果、次のような問題が生じることを発見した。すなわち、フレキシブル表示装置の場合、フレキシブル性の更なる向上を目指し、各構成部材を薄膜化するという試みがなされている。しかしながら、樹脂層および機能層が積層された部材を、Roll to Roll法を用いて形成する場合、樹脂層の厚みの薄膜化には限界がある。そのため、樹脂層を所望の厚みまで薄膜化して、フレキシブル性の更なる向上を図ることが困難であるという問題がある。また、機能層を樹脂層上にパターン状に形成する場合には、機能層の位置合わせを高い精度で行うことが困難であるという問題がある。さらに、樹脂層は、製造過程における加熱により収縮してしまうことがあり、こういった理由からも、機能層の位置合わせを高い精度で行うこと困難であるという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、樹脂層の薄膜化を図ることができ、機能層の高精度な位置合わせを行うことが可能な積層体の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明の発明者等は、樹脂層を塗布法により形成することより、樹脂層の薄膜化が可能であることを知見した。具体的には、従来のRoll to Roll法を用いる場合、樹脂層の厚みは薄くても12μm程度が限界であったが、塗布法により形成した場合には、樹脂層の厚みは10μm以下まで薄くすることが可能であることを知見した。また、本発明の発明者等は、塗布法により樹脂層を形成することにより、パターン状の機能層をフォトリソグラフィ法により形成することができるため、機能層の高精度な位置合わせが可能であることを知見した。さらに、塗布法を用いて樹脂層を形成する際に、当該樹脂層をガラス基材上に形成することにより、製造過程における加熱により樹脂層が収縮する等の不具合を抑制することができることを知見した。本発明の発明者等は、このような知見に基づいて、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ガラス基材上に、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記樹脂層上に、パターン状の機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする積層体の製造方法を提供する。
本発明によれば、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成することにより、樹脂層の薄膜化を図ることが可能な積層体を得ることができる。また、樹脂層がガラス基材上に形成されることにより、製造過程における加熱により樹脂層が収縮する等の不具合を抑制することができるため、パターン状の機能層を高精度に形成することが可能な積層体を得ることができる。
本発明においては、上記樹脂層が、ポリイミドを含むポリイミド樹脂層であり、上記樹脂層の厚みが10μm以下であることが好ましい。ポリイミド樹脂層であることにより、樹脂層の厚みを10μm以下まで薄膜化することができ、所望のフレキシブル性を実現することが可能な積層体とすることができる。
本発明においては、上記機能層形成工程の後に、上記樹脂層を切断してモジュール加工するモジュール加工工程を有することが好ましい。モジュール加工工程を有することにより、モジュール加工を容易に行うことができる。
本発明においては、上記機能層の表面に支持体を貼り合わせる支持体貼合工程と、上記支持体貼合工程の後に、上記ガラス基材を剥離するガラス基材剥離工程とを有することが好ましい。ガラス基材を剥離するガラス基材剥離工程を有することにより、得られた積層体の薄膜化を図ることができ、また、支持体が所定のフレキシブル性を有する場合であっても、当該フレキシブル性を維持することが可能である。
本発明においては、上記樹脂層形成工程と上記機能層形成工程との間に、アンカー層を形成するアンカー層形成工程を有することが好ましい。アンカー層を形成するアンカー層形成工程を有することにより、機能層の密着性を向上することができる。
本発明においては、上記樹脂層形成工程と上記機能層形成工程との間に、光学調整層を形成する光学調整層形成工程を有することが好ましい。光学調整層を形成する光学調整層形成工程を有することにより、位相差の補正、反射防止および色調の調整等を行うことが可能となる。
本発明においては、上記樹脂層形成工程と上記機能層形成工程との間に、バリア層を形成するバリア層形成工程を有することが好ましい。バリア層を形成するバリア層形成工程を有することにより、本発明により得られる積層体を表示装置に用いた際に、酸素やガスの侵入による表示パネルの劣化を抑制し、また、樹脂層を薬液等から保護することが可能となる。
また、本発明は、ガラス基材、樹脂層および機能層が順に積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体の上記機能層側に表示パネルを貼り合わせる表示パネル貼合工程とを有し、上記積層体が、上述した積層体の製造方法により得られることを特徴とする表示装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、積層体が、上述した積層体の製造方法により得られるものであるため、樹脂層の薄膜化を図ることができ、所定のフレキシブル性を有する表示装置を得ることができる。また、樹脂層がガラス基材上に形成されることにより、製造過程における加熱により樹脂層が収縮する等の不具合を抑制することができるため、機能層の高精度な位置合わせが可能となり、品質の高い表示装置を得ることができる。
さらに、本発明は、ガラス基材と、上記ガラス基材上に配置され、透明性を有する樹脂層と、上記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層とを有し、上記樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする積層体を提供する。
さらにまた、本発明は、透明性を有する樹脂層と、上記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層と、上記機能層上に配置された支持体とを有し、上記樹脂層の厚みが10μm以下であり、上記樹脂層が最外層であることを特徴とする積層体を提供する。
本発明によれば、樹脂層の厚みが10μm以下であることにより、所望のフレキシブル性を実現することが可能な積層体とすることができる。
本発明は、樹脂層の薄膜化を図ることができ、機能層の高精度な位置合わせを行うことが可能な積層体を得ることができるという効果を奏する。
本発明の積層体の製造方法の一例を示す概略工程図である。 本発明の積層体の製造方法により得られる積層体の一例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法により得られる積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法により得られる積層体の他の例を示す概略断面図である。 本発明の積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本発明の積層体の製造方法の他の例を示す概略工程図である。 本発明の表示装置の製造方法により得られる表示装置の一例を示す概略平面図である。 本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の積層体の製造方法、表示装置の製造方法および積層体について説明する。
A.積層体の製造方法
本発明の積層体の製造方法は、ガラス基材上に、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、上記樹脂層上に、パターン状の機能層を形成する機能層形成工程とを有することを特徴とする方法である。
本発明の積層体の製造方法について、図を参照しながら説明する。図1(a)、(b)は、本発明の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の積層体の製造方法は、図1(a)に示すように、ガラス基材1上に樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層2を形成する樹脂層形成工程と、樹脂層2上に、パターン状の機能層3を形成する機能層形成工程とを有することにより、積層体10を製造する方法である。
従来、樹脂層上に機能層が配置された積層体の製造方法には、生産性の観点から、Roll to Roll法が好適に用いられてきた。しかしながら、Roll to Roll法を用いる場合、樹脂層は所定の力で引っ張られるため、樹脂層には、このときの力に耐えうる程度の強度が必要である。すなわち、樹脂層は、所定の厚みを有する必要があり、その厚みは、例えばポリイミド樹脂層の場合、最も薄くても12μm程度である。
一方、本発明によれば、樹脂層形成用組成物をガラス基材上に塗布して樹脂層を形成することにより、樹脂層の薄膜化を図ることが可能となる。具体的には、10μm以下まで樹脂層を薄膜化することが可能となる。
また、従来、樹脂層上に機能層を配置する方法としてRoll to Roll法が用いられる場合、機能層の形成に印刷法を用いることが多く、高精細な機能層の形成が困難となる。
一方、本発明によれば、ガラス基材上に形成された樹脂層上に、フォトリソグラフィ法等を用いてパターン状の機能層を形成することができるため、パターン状の機能層を高精度に形成することが可能となる。
さらに、Roll to Roll法を用いる際には、良好な巻き取りを実現するために、通常、ブロッキング防止剤等の添加剤が用いられるが、この場合、添加剤により部材のヘイズ値が増大し、所望の透過性を得ることが困難となる。
一方、本発明によれば、Roll to Roll法を用いる必要がないため、従来のような添加剤を必要とせず、添加剤によるヘイズ値の増大を抑制することが可能となる。
さらにまた、フレキシブル性を有する樹脂層としては、例えば樹脂基材が多く用いられるが、樹脂基材は、製造工程における加熱により収縮する場合があるため、樹脂層上にパターン状の機能層を高精度に形成することが困難となる。
一方、本発明によれば、樹脂層がガラス基材上に形成されることにより、製造過程における加熱により樹脂層が収縮する等の不具合を抑制することができるため、パターン状の機能層を高精度に形成することが可能な積層体を得ることができる。
以下、本発明の積層体の製造方法における樹脂層形成工程および機能層形成工程について説明する。
1.樹脂層形成工程
本発明における樹脂層形成工程は、ガラス基材上に、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成する工程である。
本工程により形成される樹脂層は、樹脂層形成用組成物をガラス基材上に塗布することにより得られるものであれば良い。このとき用いられる塗布法としては、一般的な塗布法を挙げることができるが、具体的には、スピンコート法、バーコート法、ダイコート法、ディップコート法等が挙げられる。
また、本工程により形成される樹脂層は、例えば、透明性を有することが好ましい。本発明により得られる積層体を、表示装置等に好適に用いることができるからである。
ここで、「透明性を有する」とは、特段の断りがない限り、本発明により得られる積層体を表示装置に用いた際に、当該表示装置の操作者が、操作面からの視認を妨げない程度に透明であることをいう。したがって、「透明」は、無色透明、および視認性を妨げない程度の有色透明を含み、また厳密な透過率で定義されず、本発明により得られる積層体の用途等に応じて透過性の度合いを決定することができる。
樹脂層の全光線透過率としては、例えば、75%以であることが好ましく、中でも85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。なお、樹脂層の全光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)に準拠して測定することができる。
また、本工程により形成される樹脂層は、例えば、フレキシブル性を有することが好ましい。樹脂層のフレキシブル性としては、樹脂層を構成する材料や樹脂層の厚み等に応じて適宜調整することができ、特に限定されないが、例えば、樹脂層に対し、卓上型耐久試験機 (ユアサシステム機器(株) DLDMLH−FS)を用いて、曲げ半径3mm(R=3mm)の面状体U字折り返し試験を10万回実施した後に、樹脂層に割れや傷が生じないことが好ましく、また、面状体U字折り返し試験の前後での樹脂層の全光線透過率の変動が、10%以内であることが好ましい。
さらに、本工程により形成される樹脂層は、耐熱性および耐薬品性を有することが好ましい。本発明の積層体の製造方法や、本発明により得られる積層体を表示装置等に用いる場合の表示装置の製造方法において、製造プロセス時における加熱や薬液との接触による影響を低減することが可能である。
このような本発明における樹脂層を構成する材料としては、例えば、ポリイミド、ポリアラミド、ポリアミドイミドや、シルセスキオキサン等のシロキサン系の化合物、またはシリカハイブリッド材料、アリレート、イソシアネート等が挙げられ、中でもポリイミドを用いたポリイミド樹脂層であることが好ましい。
本工程において形成される樹脂層は、塗布法により形成されるため、Roll to Roll法により形成される従来の樹脂層に比べて薄膜化することが可能である。
本工程により形成される樹脂層の厚みとしては、例えば、10μm以下であることが好ましく、中でも8μm以下であることが好ましく、特に7μm以下であることが好ましい。樹脂層の厚みが上記範囲内であることにより、所望の透過性およびフレキシブル性を有する樹脂層とすることが可能である。
なお、上記所望の透過性およびフレキシブル性は、上述した樹脂層の透過性およびフレキシブル性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
さらに、樹脂層の厚みは、例えば、3μm以上であることが好ましく、中でも4μm以上であることが好ましく、特に5μm以上であることが好ましい。
樹脂層の厚みが上記範囲内であることにより、後述する機能層形成工程において、樹脂層上に形成された機能層を十分に支持することが可能である。
本工程においては、例えば、樹脂層形成用組成物をガラス基材上に塗布して乾燥させた後、加熱処理することにより樹脂層を形成することができる。本工程において形成される樹脂層がポリイミドを材料とするポリイミド樹脂層である場合、例えば、樹脂層形成用組成物としてポリイミド樹脂前駆体をガラス基材上に塗布して乾燥させた後、ポリイミド樹脂前駆体を加熱処理することによりイミド化してポリイミド樹脂層を形成することができる。なお、このとき乾燥工程は省略することが可能である。
ここで、樹脂前駆体とは、所定の樹脂が生成される前段階の化合物をいう。樹脂前駆体がポリイミド樹脂前駆体である場合、例えば、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させることにより、ポリアミック酸等のポリイミド樹脂前駆体を合成することができる。
なお、ポリイミド樹脂前駆体の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物およびジアミンについては、例えば、特開2015−097258号公報に開示された内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程においては、樹脂層形成用組成物を塗布した後に乾燥させる方法としては、例えば、樹脂層形成用組成物中に含まれる溶媒を飛ばすことができる方法であることが好ましい。乾燥には、例えば熱風乾燥機を用いることができる。このときの乾燥温度は、例えば、40℃以上であることが好ましく、中でも80℃以上であることが好ましく、特に100℃以上であることが好ましい。さらに、乾燥時間は、例えば、3分〜数時間の範囲内とすることができる。樹脂層形成用組成物を塗布した後に乾燥させることにより、ハンドリング特性を向上することができ、また、その後の加熱工程においてオーブンの汚染等を抑えることができる。
本工程においては、樹脂層形成用組成物を塗布して乾燥した後に、加熱処理することが好ましい。樹脂層形成用組成物がポリイミド樹脂前駆体である場合、ポリイミド樹脂前駆体をイミド化してポリイミド樹脂層とすることが可能である。加熱処理における加熱温度は、樹脂層形成用組成物に応じて適宜調整することができ、例えば樹脂層のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度であることが好ましい。また、樹脂層形成用組成物としてポリイミド樹脂前駆体を用いる場合の加熱温度は、ポリイミド樹脂前駆体をイミド化することが可能な温度であることが好ましく、具体的には、ポリイミドのガラス転移温度(Tg)よりも高い温度であることが好ましい。ポリイミドの物性を良好に引き出すことができるからである。
ここで、ポリイミドのTgは、例えば、260℃以上であることが好ましく、中でも270℃以上であることが好ましい。本工程において形成されるポリイミド樹脂層に優れた耐熱性を付与することができるからである。
本工程における加熱処理は、上述した所定の温度で加熱できる方法であることが好ましく、例えば、Nオーブンを用いて所定の温度までゆっくりと昇温し、30分〜数時間加熱する方法が挙げられる。
本工程において用いられるガラス基材は、本発明により得られる積層体において、樹脂層および機能層を支持する部材である。また、本工程において用いられるガラス基材は、通常、本発明により得られる積層体を、他の部材(支持体)と貼り合せた後に、剥離される部材である。
このようなガラス基材としては、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。中でも、本工程において用いられるガラス基材は、本発明により得られる積層体を支持体と貼り合せる際に、良好な位置合わせを行うことができる程度に透明性を有することが好ましい。
本工程において用いられるガラス基材は、所定の透過性を有することが好ましい。本発明により得られる積層体を、他の部材(支持体)と貼り合せる際に、ガラス基材を介して位置合わせを行うことが可能であるからである。ガラス基材の透過性としては、例えば、全光線透過率が、例えば、75%以であることが好ましく、中でも85%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。なお、なお、ガラス基材の全光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)に準拠して測定することができる。
また、本工程において用いられるガラス基材の厚みは、所定の自己支持性を有する程度の厚みであることが好ましい。例えば、本発明により得られる積層体を支持体と貼り合せる際に、積層体が撓んでしまう等の不具合の発生を抑制することができるからである。ガラス基材の具体的な厚みは、例えば、0.5mm〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
2.機能層形成工程
本発明における機能層形成工程は、樹脂層上に、パターン状の機能層を形成する工程である。
本工程において形成される機能層は、本発明により得られる積層体の用途に応じて適宜選択することができる。本工程において形成される機能層としては、例えば、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極、ブラックマトリクス、表示装置における前面板保護基材に用いることができる加飾部等が挙げられる。
以下、機能層がセンサ電極、ブラックマトリクス、加飾部である場合に分けて説明する。
(1)センサ電極
本工程において形成される機能層がセンサ電極である場合、センサ電極は、次のような方法により形成することができる。例えば、上述した樹脂層上に、センサ電極の構成材料である導電性材料を用いて導電層を形成し、次に、導電層上にレジストパターンを形成して、当該レジストパターンをマスクとして導電層をエッチングする方法が挙げられる。このとき、導電層を形成する方法には、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いることができる。
本工程において形成されるセンサ電極の材料としては、例えば、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等が挙げられる。金属合金としては、APCと称される銀、パラジウム、銅の合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAMと称されるモリブデン、アルミニウム、モリブデンの3層構造体等も適用可能である。さらに、例えばPEDOT等の樹脂層形成用組成物に上記金属を加えた導電性高分子を用いることもできる。さらにまた、酸化スズ、ITOと称される酸化インジウムスズ、IZOと称される酸化インジウム亜鉛等の透明導電材料を用いることもできる。
本工程において形成されるセンサ電極の材料が透明性を有する場合には、センサ電極は透明導電層とすることができる。一方、センサ電極材料が不透明性を有する場合には、センサ電極は細線によるメッシュ状のメッシュ電極とすることができる。
本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極である場合、センサ電極の厚み、線幅、ピッチおよび開口率等については、本発明により得られる積層体、すなわちセンサ電極基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なセンサ電極と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。本工程において形成されるセンサ電極が細線によるメッシュ状のメッシュ電極であることにより、センサ電極に用いられる材料が不透明な金属材料であったとしても、見かけ上、透明なセンサ電極とすることが可能である。
(2)ブラックマトリクス
本工程において形成される機能層がブラックマトリクスである場合、ブラックマトリクスは、次のような方法により形成することができる。例えば、上述した樹脂層上に、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等によりブラックマトリクス層を形成し、フォトリソグラフィ法によりブラックマトリクス層をパターニングする方法を用いることができる。
本工程において形成されるブラックマトリクスは、例えば、樹脂バインダに黒色顔料を分散させることにより得ることができる。黒色顔料としては、例えば、チタンブラック(低次酸化チタン、酸窒化チタン等)、カーボンブラック等が挙げられる。また、ブラックマトリクスの主成分となる樹脂バインダは、感光性樹脂を含有することが好ましい。感光性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム、等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を1種以上用いることができる。アクリル系樹脂では、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂を樹脂バインダの樹脂成分として用いることができる。なお、樹脂バインダは、上述した材料の他にも、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤などの、公知の各種添加剤を含むことができる。
本工程において形成されるブラックマトリクスの厚み、線幅、遮光性等については、本発明により得られる積層体、すなわちブラックマトリクス基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的なブラックマトリクスと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本工程において形成される機能層がブラックマトリクスである場合、パターン状に形成されたブラックマトリクスの開口部に着色部を形成し、本発明により得られる積層体を、カラーフィルタ基材とすることができる。なお、このとき用いられる着色部は、一般的なカラーフィルタに用いられる着色部と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(3)加飾部
本工程において形成される機能層が加飾部である場合、加飾部は、次のような方法により形成することができる。例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、塗布法等により加飾層を形成し、その後、フォトリソグラフィ法により加飾層をパターニングすることにより、加飾部を形成することができる。
本工程において形成される加飾部は、所定の色を呈することにより、表示装置等の外観を向上させることができる。加飾部が呈する色としては、本発明により得られる積層体、すなわち加飾部を有する前面板保護基材を設置する表示装置のデザイン等に応じて適宜選択することができる。
本工程において形成される加飾部が、黒色を呈する黒色加飾部である場合、黒色加飾部の材料は、上述したブラックマトリクスの材料と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、本工程において形成される加飾部が白色を呈する白色加飾部である場合、白色加飾部の材料には、例えば、例えば、酸化チタン、シリカ、タルク、カオリン、クレイ、硫酸バリウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。
本工程において形成される加飾部の厚みおよび遮光性等については、本発明により得られる積層体、すなわち加飾部を有する前面板保護基材の用途に応じて適宜調整することができ、一般的な加飾部と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
3.アンカー層形成工程
本発明においては、上述した樹脂層形成工程と機能層形成工程との間に、アンカー層を形成するアンカー層形成工程を有していても良い。
本工程において形成されるアンカー層は、機能層の製版性および密着性を向上することができる。具体的には、機能層が樹脂層から剥離するといった不具合や、機能層がひび割れするといった不具合の発生を抑制することが可能となる。
本工程において形成されるアンカー層は、所定の透明性を有することが好ましい。本発明により得られる積層体を表示装置に用いた際に、アンカー層を設けることによる透過率の低下を抑制することができる。具体的には、アンカー層の可視光線透過率としては、例えば、75%以であることが好ましく、中でも85%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。なお、可視光線透過率は、赤外可視紫外分光光度計((株)島津製作所社製 UV3100PC)を使用し、JIS A5759−2008に従い380nm〜780nmの波長域における分光透過率測定をし、同規格に規定される算出式により算出することができる。
本工程において形成されるアンカー層の材料としては、例えば、電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。電離放射線硬化性樹脂としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基、およびエポキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の電離放射線硬化性官能基を有するポリマーが挙げられ、具体的には、アクリル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびポリエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、アクリルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、ポリエステルポリオールをイソシアネートで硬化させた樹脂、およびアクリル酸をメラミンで硬化させた樹脂等が挙げられる。
また、本工程において形成されるアンカー層の材料としては、上述した硬化性樹脂の他にも、例えば、酸化ケイ素(SiO)や窒化ケイ素(SiN)等が挙げられる。
本工程においては、アンカー層の材料として硬化性樹脂を用いる場合、樹脂層上に、アンカー層形成用組成物を塗布して硬化させることによりアンカー層を形成することができる。このとき用いられる塗布方法としては、例えば、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、およびグラビアリバースロールコーティング法等の公知の方法が挙げられる。また、アンカー層の材料として酸化ケイ素や窒化ケイ素を用いる場合、スパッタリング法、イオンビーム方式やイオンプレーティング方式の蒸着法等を用いてアンカー層を形成することができる。
本工程において形成されるアンカー層の厚みは、本発明において得られる積層体の耐熱性や、機能層の密着性を向上させることができる程度であれば良いが、中でも所定のフレキシブル性を発揮することができ、機能層の密着性を向上させ、機能層のひび割れを抑制することができる程度であることが好ましい。ここで、所定のフレキシブル性については、上述した樹脂層のフレキシブル性と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
具体的なアンカー層の厚みは、例えば、3μm以下であることが好ましく、中でも2μm以下であることが好ましく、特に0.8μm以下であることが好ましい。アンカー層の厚みが上記範囲内であることにより、本発明により得られる積層体の耐熱性を向上し、機能層の密着性を向上するという効果を十分に得ることが可能となる。また、アンカー層の厚みは、例えば、0.1μm以上とすることができる。アンカー層の厚みが上記範囲内であることにより、樹脂層の全面にアンカー層を形成することができ、アンカー層としての機能を発揮することが可能となる。
4.光学調整層形成工程
本発明においては、上述した樹脂層形成工程と機能層形成工程との間に、光学調整層を形成する光学調整層形成工程を有していても良い。
ここで、光学調整層とは、本発明により得られる積層体に、所定の光学特性を付与することが可能な層をいい、特に、位相差、反射率、色調等を調整することが可能な層をいう。
以下、本工程において形成される光学調整層について、各態様に分けて説明する。
(1)位相差補正層
本工程において形成される光学調整層は、位相差を補正するための位相差補正層であっても良い。例えば、本発明における樹脂層および機能層が光学異方性を示す場合、透過光における位相差が出射角によって変化し、正面方向と斜め方向とで見え方に差が生じてしまうという問題がある。これに対し、本工程においては、樹脂層および機能層の間に位相差補正層を形成することにより、樹脂層および機能層の光学異方性により発生する位相差の変化を打ち消すことが可能となる。
本工程において形成される位相差補正層は、例えば、位相差補正層は、光軸が位相差補正層の法線方向を向くとともに、常光線屈折率よりも大きな異常光線屈折率を位相差補正層の法線方向に有する、いわゆる正のCプレートとして形成することができる。また、位相差補正層は、光軸が位相差補正層の法線方向を向くとともに、常光線屈折率よりも小さな異常光線屈折率を位相差補正層の法線方向に有する、いわゆる負のCプレートとして形成することができる。
本工程において形成される位相差補正層は、例えば、熱重合または電離放射線重合が可能な重合性液晶化合物により構成することができる。ここで、電離線とは、紫外線等を含む電磁波、および電子線等を含み分子を重合し得るエネルギー量子を有する粒子線のいずれをも含む。なお、具体的な重合性液晶化合物については、一般的に用いられる重合性液晶化合物と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
位相差補正層の形成方法としては、例えば、樹脂層上に、位相差補正層を形成するための重合性液晶化合物を含有する位相差補正層形成用組成物を塗布して塗膜を形成し、当該塗膜中に存在する重合性液晶分子を所望の方向に配向させた後、配向状態を保持したまま重合させて固定化することにより位相差補正層を形成する方法が挙げられる。
位相差補正層形成用組成物を塗布する方法としては、例えば、スピンコーティング方法、ダイコーティング方法、スリットコーティング方法、グラビア印刷法、オフセット印刷法、凸版印刷法、スクリーン印刷法、転写印刷法、静電印刷法、無版印刷法等の各種印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、ディップコート法、キスコート法、スプレーコート法、コンマコート法、インクジェット法等が挙げられる。
次に、位相差補正層形成用組成物を塗布して得られた塗膜において、重合性液晶分子を所望の方向に配向させる方法としては、例えば、塗膜に熱を照射する等して加熱し、塗膜に含まれる溶剤を除去することともに、塗膜中に存在する重合性化合物を液晶相が発現する温度にまで昇温させて所望の方向に配向させる方法が挙げられる。このときの加熱の温度および時間については、位相差補正層形成用組成物に含まれる重合性液晶化合物の特性に応じて適宜調整することができ、特に限定されない。
最後に、重合性液晶分子を所望の方向に配向させた状態を保持したまま重合させて固定化する方法としては、例えば、重合性液晶分子を所望の方向に配向させた状態の塗膜に向け、電離放射線または熱を照射して重合させることにより、液晶化合物を固定化する方法が挙げられる。このとき、電離放射線としては、紫外線を用いることが好ましく、紫外線照射には、例えば、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。なお、紫外線の照射光量は、重合性液晶化合物の種類や組成、光重合開始剤の種類や量等によって適宜調整することができる。
本工程において形成される位相差補正層の厚みは、位相差補正層が示す位相差や位相差補正層を構成する重合性液晶化合物の種類等に応じて適宜調整され、特に限定されない。本工程においては、例えば、5μm以下であることが好ましく、中でも3μm以下であることが好ましく、特に2μm以下であることが好ましい。位相差補正層の厚みが上記範囲内であることにより、位相差補正層としての機能を発揮することができるとともに、所定のフレキシブル性を付与することが可能となる。また、位相差補正層の厚みは、例えば、0.3μm以上とすることができる。
(2)色調整層
本工程において形成される光学調整層は、色調を調整するための色調整層であっても良い。本工程においては、樹脂層および機能層の間に色調整層を形成することにより、可視光領域における透過率を調整して、機能層が視認されるのを抑制することが可能である。また、透過率を調整することにより、外光の透過を抑え、外光反射を抑制することが可能である。
色調整層の材料としては、例えば、樹脂バインダと、樹脂バインダ中に分散する色材が挙げられる。
樹脂バインダとしては、例えば、感光性樹脂であっても良く、あるいは硬化性樹脂であっても良い。感光性樹脂には、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂を、1種以上を用いることができる。アクリル系樹脂には、例えば、アルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等からなる感光性樹脂をバインダ樹脂の樹脂成分として用いることができる。
また、色材としては、例えば、黒色色材、赤色色材、青色色材、緑色色材、黄色色材、紫色色材等が挙げられる。黒色色材としては、例えば、カーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。なお、色材は、顔料であっても良く、染料であっても良い。
色調整層の形成方法としては、例えば、樹脂バインダ中に色材が分散した色調整層形成用組成物を、樹脂層上に、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアロールコーティング等の塗布法を用いて塗布する方法が挙げられる。
本工程において形成される色調整層の厚みは、色調整層に含まれる顔料または染料濃度等に応じて適宜調整され、特に限定されない。本工程においては、例えば、5μm以下であることが好ましく、中でも3μm以下であることが好ましく、特に1μm以下であることが好ましい。色調整層の厚みが上記範囲内であることにより、色調整層としての機能を発揮することができるとともに、所定のフレキシブル性を付与することが可能となる。また、色調整層の厚みは、0.3μm以上とすることができる。
(3)反射防止層
本工程において形成される光学調整層は、反射を防止するための反射防止層であっても良い。本工程においては、樹脂層および機能層の間に反射防止層を形成することにより、本発明における樹脂層と空気層との界面における光反射を防止することが可能である。
本工程において形成される反射防止層は、樹脂層と空気層との界面での入射光の反射を低減させる機能を有する。このような反射防止層は、低屈折率層を含み多層膜干渉効果により反射光量を低減することが可能である。具体的には、反射防止層は、低屈折率層の単層から構成されていても良く、あるいは低屈折率層および高屈折率層を積層した多層から構成されていても良い。
反射防止層に用いられる低屈折率層の材料としては、例えば、LiF(屈折率n=1.36)、MgF(屈折率n=1.38)、3NaF・AlF(屈折率n=1.4)、AlF(屈折率n=1.37)、NaAlF(屈折率n=1.33)、SiO(屈折率n=1.45)等の無機材料が挙げられる。また、これらの無機材料を微粒子化し、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反射材料、フルオロアクリレート系のフッ素系有機化合物等が挙げられる。さらに、低屈折率層は、空隙を有する微粒子を含有していても良い。空隙を有する微粒子としては、例えば、金属酸化物、樹脂から構成される微粒子や、シリカ微粒子が挙げられる。
また、反射防止層に用いられる高屈折率層の材料としては、例えば、ZnO(屈折率n=1.9)、TiO(屈折率n=2.3〜2.7)、CeO(屈折率n=1.95)、アンチモンがドープされたSnO(屈折率n=1.95)又はITO(屈折率n=1.95)、ZrO(屈折率n=2.05)、Y(屈折率n=1.87)、SiN(屈折率n=1.9)、SiON(屈折率n=1.55)、Nb(屈折率n=2.4)、SiO(屈折率n=1.45)等の無機材料が挙げられる。有機系材料としては、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。
反射防止層の形成方法としては、例えば、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオンプレーティング等による気相法を用いて反射防止層を形成するための反射防止層形成用材料を堆積する方法や、樹脂バインダ中に反射防止層形成用材料を分散させた組成物を、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアロールコーティング等の塗布法を用いて塗布して乾燥させた後、熱や電離放射線等により硬化する方法等が挙げられる。
本工程において形成される反射防止層の厚みは、反射を防止しようとする波長等に応じて適宜調整され、特に限定されない。本工程においては、例えば、10μm以下であることが好ましく、中でも1μm以下であることが好ましく、特に0.5μm以下であることが好ましい。反射防止層の厚みが上記範囲内であることにより、反射防止層としての機能を発揮することができるとともに、所定のフレキシブル性を付与することが可能となる。また、反射防止層の厚みは、10nm以上とすることができる。
5.バリア層形成工程
本発明においては、上述した樹脂層形成工程と機能層形成工程との間に、バリア層を形成するバリア層形成工程を有していても良い。
本工程において形成されるバリア層は、本発明により得られる積層体を表示装置に用いた際に、酸素や水蒸気等の侵入を抑制することが可能である。また、樹脂層を薬液から保護することが可能である。
バリア層の材料は、無機材料であっても良く、有機材料であっても良い。バリア層が無機材料を含有する場合には、酸素や水蒸気等の侵入を良好に抑制することができ、バリア層が有機材料を含有する場合には、樹脂層を薬液から保護することができる。バリア層に用いられる無機材料としては、例えば、ケイ素化合物が挙げられ、具体的には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化窒化ケイ素等が挙げられる。また、バリア層に用いられる有機材料としては、耐アルカリ性または耐酸性を有する樹脂材料が挙げられ、具体的には、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
バリア層の形成方法としては、例えば、バリア層が無機材料を含有する場合、スパッタリング法、真空蒸着法、プラズマCVD法等が挙げられる。また、バリア層が有機材料を含有する場合、樹脂層上に、スピンコーティング、ロールコーティング、グラビアロールコーティング等の塗布法を用いて塗布する方法や、バリア層を単独で形成し、樹脂層の表面に粘着層等を介して貼り合せる方法等が挙げられる。
本工程において形成されるバリア層の厚みは、バリア層を構成する材料や、本発明により得られる積層体の用途等に応じて適宜調整され、特に限定されない。本工程においては、例えば、1500nm以下であることが好ましく、中でも1000nm以下であることが好ましく、特に500nm以下であることが好ましい。バリア層の厚みが上記範囲内であることにより、バリア層としての機能を発揮することができるとともに、所定のフレキシブル性を付与することが可能となる。また、バリア層の厚みは、例えば、10nm以上とすることができる。
6.支持体貼合工程
本発明においては、機能層の表面に支持体を貼り合わせる支持体貼合工程を有していても良い。
以下、本工程について図を参照しながら説明する。
図2は、本工程において、支持体を貼り合せた後の積層体の一例を示す概略断面図である。本工程は、図1(a)、(b)に示すように、ガラス基材1上に、樹脂層2および機能層3を形成した後に、機能層3の表面に支持体4を貼り合せることにより、積層体10を製造する工程である。
ここで、本工程において用いられる支持体は、本発明により得られる積層体の用途に応じて適宜選択することができる。例えば、本工程において用いられる支持体としては、タッチパネル用のセンサ電極基材、カラーフィルタ、有機エレクトロルミネッセンス基材、円偏光板等が挙げられる。具体的には、ガラス基材上に形成された樹脂層および機能層が、センサ電極基材である場合、支持体はカラーフィルタ、有機エレクトロルミネッセンス基材等とすることができる。なお、ガラス基材上に形成された樹脂層および機能層を、透明基材上に加飾部が形成された前面板保護基材とすることもでき、この場合、支持体はセンサ電極基材、円偏光板等とすることができる。
なお、以下、有機エレクトロルミネッセンスを有機ELと略して説明する場合がある。
図3は、ガラス基材1上に形成された樹脂層2および機能層が、ブラックマトリクス3、センサ電極8a、8bおよび保護層11を有するセンサ電極基材である場合の、積層体10の一例を示す概略断面図である。図3においては、センサ電極基材が、樹脂層2上に複数の開口部を有するように配置されたブラックマトリクス3と、ブラックマトリクス3に平面視上重なるように配置されたセンサ電極8a、8bと、センサ電極8a、8bの間に配置された絶縁層6とを有する。また、支持体4は、カラーフィルタ基材であり、ガラス基材1上に形成された透明樹脂層19と、着色部17(ここでは、赤色着色部17R、緑色着色部17G、青色着色部17B)と、着色部17を覆うように形成された保護層18とを有する。本工程においては、センサ電極基材とカラーフィルタとを貼り合せる場合、センサ電極基材におけるブラックマトリクス3の開口部と、カラーフィルタ基材における着色部17とが平面視上重なるように位置合わせを行うことが好ましい。
図4は、ガラス基材1上に形成された樹脂層2および機能層が、ブラックマトリクス3、センサ電極8a、8bおよび保護層11を有するセンサ電極基材である場合の、積層体10の他の例を示す概略断面図である。図4に示すように、支持体4は、有機EL基材であり、ガラス基材16上に、透明基材15と、透明基材15上に配置された薄膜トランジスタ(TFT)配線12と、TFTおよびその配線12により画定された画素内に配置された有機EL画素13(ここでは、赤色画素13R、緑色画素13G、青色画素13B)と、保護層14を有する。本工程においては、センサ電極基材と有機EL基材とを貼り合せる場合、センサ電極基材におけるブラックマトリクス3と、有機EL基材におけるTFT配線12とが平面視上重なるように位置合わせを行うことが好ましい。
本工程において、ガラス基材上に配置された樹脂層および機能層を、支持体と貼り合せる際には、機能層と支持体との間に粘着層を配置しても良い。
本工程において用いられる粘着層の材料は、所定の光透過性を有することが好ましい。中でも、所定のフレキシブル性を有することが好ましい。このような粘着層の材料としては、例えば、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等の一般的な材料が挙げられる。
粘着層の厚みは、粘着層としての粘着力を発揮することができる程度の厚みであることが好ましく、粘着層の材料等に応じて適宜調整することができる。なお、具体的な粘着層の厚みについては、一般的な表示装置に用いられる粘着層と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本工程においては、予め機能層の表面および支持体の表面に付したアライメントマークを用いて、所望の位置に貼り合せても良い。なお、アライメントマークについては、表示装置の製造工程において一般的に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本工程において用いられる支持体、すなわち、センサ電極基材、円偏光板、有機EL基材等については、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
7.ガラス基材剥離工程
本発明においては、支持体貼合工程の後に、ガラス基材を剥離する工程を有していても良い。
以下、本工程について図を参照しながら説明する。
図5(a)に示すように、本工程は、ガラス基材1側から、ガラス基材1および樹脂層の界面にレーザー光hを照射する工程とすることができる。これにより、図5(b)に示すように、ガラス基材1を樹脂層2との界面から剥離することが可能となる。
ガラス基材を剥離する方法としては、ガラス基材を樹脂層から剥離することができる方法であれば特に限定されないが、例えば、レーザー光をガラス基材側から照射し、当該ガラス基材を透過したレーザー光が樹脂層に吸収され、ガラス基材および樹脂層の界面を剥離する方法が挙げられる。このとき用いられるレーザー光は、ガラス基材と樹脂層との界面に照射することにより、当該界面からガラス基材および樹脂層を剥離することができれば良く、例えば、ガラス基材および樹脂層の界面における結合を切り離すことができるような波長域のレーザーであることが好ましい。具体的には、レーザー光が有する波長域が紫外線領域であることが好ましい。紫外線領域としては、例えば300nm〜400nmの範囲内であることが好ましく、中でも320nm〜380nmの範囲内であることが好ましく、特に340nm〜360nmの範囲内であることが好ましい。このようなレーザー光としては、例えば、XeCl、XeF等のエキシマレーザー、YAG、YVO等の固体レーザー、半導体レーザー等が挙げられる。
レーザー光の照射方法としては、ガラス基材および樹脂層の界面に十分にレーザー光を照射することができる方法であることが好ましく、例えば、図5(a)に示すように、ガラス基材1の一方の方向へ、露光装置50を移動させながらスキャンする方法が挙げられる。
本工程において、樹脂層からガラス基材を良好に剥離するために、予め、ガラス基材と樹脂層との間にレーザー光を吸収するレーザー吸収層を配置していても良い。レーザー吸収層の材料は、レーザー光を照射することにより、レーザーアブレーションが起こり得る材料であることが好ましい。このようなレーザー吸収層の具体的な材料については、レーザー光の種類等に応じて適宜選択することができ、一般的にレーザー吸収層として用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。また、レーザー吸収層の厚みや形成方法についても、一般的なレーザー吸収層と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
8.モジュール加工工程
本発明においては、上述した機能層形成工程の後に、樹脂層を切断してモジュール加工する工程を有していても良い。
以下、本工程について図を参照しながら説明する。
図6(a)に示すように、ガラス基材1に樹脂層2およびパターン状の機能層3を形成し、所望の単位積層体を多面付けし、次に、図6(b)に示すように、ガラス基材1および樹脂層2を、所定の単位に切断することにより、樹脂層2および機能層3から構成された積層体をモジュール加工することができる。
モジュール加工工程を有することにより、容易に単位積層体を形成することができる。また、例えば、単位積層体に配線等の他の部材を設ける場合には、上述した支持体貼合工程を行う前に、単位積層体に配線等の他の部材を設ける工程を行うことが好ましい。積層体上に、配線等の他の部材を容易に設けることができるからである。
本工程において樹脂層を切断する方法としては、ガラス基材および樹脂層を切断することができる方法でれば特に限定されず、一般的なガラスの切断法を用いることができる。例えば、切断したい線に沿ってレーザー光を照射することによる切断法、ガラスカッターを用いた切断法、フッ酸等の薬液による切断法等が挙げられる。また、本工程においては、レーザー光を照射することにより樹脂層を切断し、その後ガラスを切断しても良い。
B.表示装置の製造方法
本発明の表示装置の製造方法は、ガラス基材、樹脂層および機能層が順に積層された積層体を準備する積層体準備工程と、上記積層体の上記機能層側に表示パネルを貼り合わせる表示パネル貼合工程とを有し、上記積層体が、上述した積層体の製造方法により得られることを特徴とする。
以下、本発明の表示装置の製造方法について、図を参照しながら説明する。
本発明の表示装置の製造方法は、上述した図1(a)、(b)に示すように、ガラス基材1上に、樹脂層2および機能層3が積層された積層体10を準備する工程と、図示はしないが、積層体の機能層側に表示パネルを貼り合せる表示パネル貼合工程とを有する。
本発明においては、積層体が加飾部を有する前面板保護基材である場合には、図7(a)、に示すように、積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図7(a)では、前面板保護基材である積層体10と表示パネル30の間に、タッチパネルの位置検知を行うことが可能なセンサ電極基材20を有する例について示している。
一方、本発明においては、積層体が図4に示すようにブラックマトリクス3およびセンサ電極8を有するセンサ電極基材である場合には、図7(b)に示すように、積層体10を表示パネル30に貼り合せて表示装置100とすることができる。なお、図7(b)では、センサ電極基材である積層体10の表示パネル30とは反対側の面に、前面板保護基材40を有する例について示している。
なお、本発明の表示装置の具体的な構成については、例えば、特許第5392641号と同様とすることができるため、ここでの詳しい記載は省略する。
本発明によれば、積層体が、上述した積層体の製造方法により得られるものであるため、樹脂層の薄膜化を図ることができ、所定のフレキシブル性を有する表示装置を得ることができる。また、樹脂層がガラス基材上に形成されることにより、製造過程における加熱により樹脂層が収縮する等の不具合を抑制することができるため、機能層の高精度な位置合わせが可能となり、品質の高い表示装置を得ることができる。
なお、具体的な効果については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
以下、本発明の表示装置の製造方法における積層体準備工程および表示パネル貼合工程について説明する。
1.積層体準備工程
本発明における積層体準備工程は、ガラス基材、樹脂層および機能層が順に積層された積層体を準備する工程である。
なお、本工程において準備される積層体については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.表示パネル貼合工程
本発明における表示パネル貼合工程は、積層体の機能層側に表示パネルを貼り合わせる工程である。
本工程において用いられる表示パネルは、液晶表示パネル、電界発光(EL)パネルが代表的であるが、その他、電子ペーパーパネル、ブラウン管によるディスプレイ装置でも良く、公知の各種表示パネルでも良い。
上述した表示パネルについては、一般的な表示装置に用いられるものと同様とすることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。
本工程において積層体の機能層側に表示パネルを貼り合せる方法としては、一般的な表示装置の製造工程において用いられる貼り合せ方法と同様とすることができ、例えば、粘着層を介して両者を圧着する方法が挙げられる。
なお、本工程の具体的な説明については、上記「A.積層体の製造方法 6.支持体貼合工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
3.その他の工程
本発明においては、上述した積層体準備工程、表示パネル貼合工程の他に、通常、積層体におけるガラス基材を剥離するガラス基材剥離工程を有する。なお、ガラス基材剥離工程については、上述した「A.積層体の製造方法 7.ガラス基材剥離工程」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、必要に応じてその他の工程を有しても良い。その他の工程としては、例えば、積層体が前面板保護基材である場合には、センサ電極基材準備工程を有していても良い。一方、積層体がセンサ電極基材である場合には、前面板保護基材準備工程を有していても良い。なお、センサ電極基材準備工程、前面板保護基材準備工程は、一般的な表示装置に用いられるセンサ電極基材および前面板保護基材を準備する工程と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
C.積層体
本発明の積層体は、ガラス基材を有する第1態様と、ガラス基材を有しない第2態様とに分けることができる。
以下、第1態様および第2態様に分けて説明する。
1.第1態様
本態様の積層体は、ガラス基材と、上記ガラス基材上に配置され、透明性を有する樹脂層と、上記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層とを有し、上記樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする。
以下、本態様の積層体について、図を参照しながら説明する。
図8(a)は、本態様の積層体の一例を示す概略断面図である。図8(a)に示すように、本態様の積層体は、ガラス基材1と、ガラス基材1上に配置された樹脂層2と、樹脂層2上にパターン状に配置された機能層3とを有する。
また、本態様における積層体は、樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする。
本態様によれば、樹脂層の厚みが10μm以下であることにより、所望のフレキシブル性を実現することが可能な積層体とすることができる。
なお、具体的な効果については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様の積層体を構成するガラス基材、樹脂層および機能層等については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
2.第2態様
本態様の積層体は、透明性を有する樹脂層と、上記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層と、上記機能層上に配置された支持体とを有し、上記樹脂層の厚みが10μm以下であり、上記樹脂層が最外層であることを特徴とする。
以下、本態様の積層体について、図を参照しながら説明する。
図8(b)は、本態様の積層体の一例を示す概略断面図である。図8(b)に示すように、本態様の積層体は、樹脂層2と、樹脂層2上にパターン状に配置された機能層3とを有する。
また、本態様における積層体は、樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする。
本態様によれば、樹脂層の厚みが10μm以下であることにより、所望のフレキシブル性を実現することが可能な積層体とすることができる。
なお、具体的な効果については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
本態様の積層体を構成するガラス基材、樹脂層および機能層等については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
3.その他の部材
本発明においては、必要に応じてその他の部材を有していても良い。その他の部材としては、例えば、アンカー層、光学調整層、バリア層および支持体等が挙げられる。なお、これらの部材については、上記「A.積層体の製造方法」の項に記載した内容と同様とすることができるため、ここでの記載は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
キャリアガラス基材上に、透明基材形成用組成物としてポリイミド前駆体を塗布し、加熱処理を行うことでイミド化させ、透明基材(ポリイミド基材)(厚み:10μm)を形成した。
得られたポリイミド基材上に、ダイコート法を用いてアクリル系樹脂から構成されたアンカー層(厚み:0.5μm)を形成した。
次に、得られたアンカー層上に、スパッタリング法を用いて銀合金から構成された導電層を形成し、その後、レジストパターンをマスクとして導電層をエッチングした。これにより、メッシュ状の第1センサ電極(線幅:3μm、厚み:0.2μm)を形成した。
次に、第1センサ電極を覆うように、ダイコート法を用いてアクリル系樹脂から構成された絶縁層(厚み:1.5μm)を形成した。
次いで、絶縁層上に、第1センサ電極と同様に第2センサ電極(線幅:3μm、厚み:0.2μm)を形成した。
最後に、第2センサ電極を覆うように、ダイコート法を用いてアクリル系樹脂から構成された保護層(厚み:1.5μm)を形成した。
これにより、本発明のセンサ電極基材を得た。なお、第1センサ電極および第2センサ電極の配置は、例えば、図3、4の符号8a、8bに示すような配置とした。
[実施例2]
アンカー層上に、ダイコート法を用いて被覆カーボンを顔料とするアクリル系樹脂から構成されたブラックマトリクス層(厚み:1.5μm)を形成した。その後、得られたブラックマトリクス層を、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、同一材料から構成されるブラックマトリクス(線幅:5μm)および加飾部を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
なお、第1センサ電極および第2センサ電極は、ブラックマトリクスおよび加飾部と平面視上重なるような配置とした。
[実施例3]
アンカー層上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を形成し、加飾部を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
なお、着色部の厚みは2.0μmであった。
[実施例4]
アンカー層上に形成されたブラックマトリクスの開口部に、赤色着色部、緑色着色部および青色着色部を形成したこと以外は、実施例2と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
なお、着色部の厚みは2.0μmであった。
[実施例5]
ポリイミド基材およびアンカー層の間に、円偏光板を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。なお、円偏光板には、ポリイミド基材側から、直線偏光板、面内レターデーション値がλ/4に相当する位相差層、面内レターデーション値がλ/2に相当する位相差層、+Cプレートを含む位相差層が、転写法により順に積層されたものを用いた。円偏光板を構成する各層の厚みは2μmであった。
[実施例6]
ポリイミド基材およびアンカー層の間に、円偏光板を形成したこと以外は、実施例4と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。なお、円偏光板には、ポリイミド基材側から、直線偏光板、面内レターデーション値がλ/4に相当する位相差層、面内レターデーション値がλ/2に相当する位相差層、+Cプレートを含む位相差層が、転写法により順に積層されたものを用いた。円偏光板を構成する各層の厚みは2μmであった。
[実施例7]
アンカー層および第1センサ電極の間に、CVD法によりバリア層(材料:酸化ケイ素、厚み:300nm)を形成したこと以外は、実施例1と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
[比較例1]
ポリイミド基材の厚みを25μmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
[比較例2]
アンカー層を形成しなかったこと以外は、比較例1と同様の方法によりセンサ電極基材を得た。
[比較例3]
膜厚25μmのPET基材の一方の面上に第1センサ電極を形成し、他方の面上に第2センサ電極を形成することによりセンサ電極基材を得た。なお、第1センサ電極および第2センサ電極の材料や厚み等については、実施例1の第1センサ電極および第2センサ電極と同様とした。
[比較例4]
第1のPET基材上に第1センサ電極を形成し、第2のPET基材上に第2センサ電極を形成し、これらを第1のPET基材と第2のPET基材とを接着剤を用いて貼り合せることにより積層し、第1のPET基材/第1センサ電極/接着剤/第2のPET基材/第2センサ電極の順で積層されたセンサ電極基材を得た。なお、第1のPET基材および第2のPET基材の厚みは、比較例3のPET基材と同様とし、第1センサ電極および第2センサ電極の材料や厚み等については、実施例1の第1センサ電極および第2センサ電極と同様とした。また、接着剤には、ロールtoロールで用いられる市販のフィルム貼り合せ用アクリル粘着剤を用いた。接着剤の厚みは25μmであった。
[評価]
(耐屈曲性試験)
実施例1〜7および比較例1〜4により得られたセンサ電極基材について、耐屈曲性試験を行った。耐屈曲性試験における測定条件は、下記の通りである。
なお、実施例1〜7、および比較例1、2は、キャリアガラス基材側からエキシマレーザ光をポリイミドとキャリアガラス基材の界面に集光させることにより、ポリイミドの界面側の一部にレーザーアブレージョンを起こし、キャリアガラス基材を剥離したセンサ電極基材を用い、下記条件の屈曲試験を行った。
<測定条件>
・サンプルサイズ:200mm×120mm、150mm×70mm
センサ電極基材を、長辺および短辺のいずれかの方向に3mmRで屈曲させることで試験を行った。
・曲げ半径R=3mm
・回転数:120rpm
・ストローク:20mm
20万回の屈曲試験を実施後における透過率変化率、基材の破損の有無、機能層の剥がれの有無について評価を行った。
なお、本発明では、上述の耐屈曲性試験に合格することにて、センサ電極基材がフレキシブル性を有すると定義する。
結果は、表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜7により得られたセンサ電極基材は、耐屈曲性試験後の透過率がほぼ変化しなかったのに対し、比較例1〜4では、耐屈曲性試験後の透過率に大きな変化(透過率の低下)が見られた。これは、比較例1〜4により得られたセンサ電極基材が、耐屈曲性試験後に基材の破損や剥がれといった不具合が生じたことに起因していると考えられる。
以上の結果から、実施例1〜7は、耐屈曲性試験に合格(判定:○)したが、比較例1〜4では、耐屈曲性試験に不合格(判定:×)であった。
1 …ガラス基材
2 …樹脂層
3 …機能層
4 …支持体
10 …積層体
30 …表示パネル
100 …表示装置

Claims (10)

  1. ガラス基材上に、樹脂層形成用組成物を塗布して樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    前記樹脂層上に、パターン状の機能層を形成する機能層形成工程と
    を有することを特徴とする積層体の製造方法。
  2. 前記樹脂層が、ポリイミドを含むポリイミド樹脂層であり、
    前記樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
  3. 前記機能層形成工程の後に、前記樹脂層を切断してモジュール加工するモジュール加工工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の積層体の製造方法。
  4. 前記機能層の表面に支持体を貼り合わせる支持体貼合工程と、
    前記支持体貼合工程の後に、前記ガラス基材を剥離するガラス基材剥離工程と
    を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
  5. 前記樹脂層形成工程と前記機能層形成工程との間に、アンカー層を形成するアンカー層形成工程を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
  6. 前記樹脂層形成工程と前記機能層形成工程との間に、光学調整層を形成する光学調整層形成工程を有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
  7. 前記樹脂層形成工程と前記機能層形成工程との間に、バリア層を形成するバリア層形成工程を有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の積層体の製造方法。
  8. ガラス基材、樹脂層および機能層が順に積層された積層体を準備する積層体準備工程と、
    前記積層体の前記機能層側に表示パネルを貼り合わせる表示パネル貼合工程と
    を有し、
    前記積層体が、請求項1または請求項2に記載された積層体の製造方法により得られることを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. ガラス基材と、
    前記ガラス基材上に配置され、透明性を有する樹脂層と、
    前記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層と
    を有し、
    前記樹脂層の厚みが10μm以下であることを特徴とする積層体。
  10. 透明性を有する樹脂層と、
    前記樹脂層上に、パターン状に配置された機能層と、
    前記機能層上に配置された支持体と
    を有し、
    前記樹脂層の厚みが10μm以下であり、
    前記樹脂層が最外層であることを特徴とする積層体。
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