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JP2017189888A - 偽造防止媒体 - Google Patents

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JP2017189888A
JP2017189888A JP2016079451A JP2016079451A JP2017189888A JP 2017189888 A JP2017189888 A JP 2017189888A JP 2016079451 A JP2016079451 A JP 2016079451A JP 2016079451 A JP2016079451 A JP 2016079451A JP 2017189888 A JP2017189888 A JP 2017189888A
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JP2016079451A
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誠 前平
Makoto Maehira
誠 前平
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】従来からのホログラムなどからなる偽造防止媒体では、類似の技術が用いられた偽物に対し、専門的知識を有する者であれば、比較的簡単に真贋判定を実施できるが、一般ユーザーにとっては、判別が難しいものであった。【解決手段】可逆性示温材料を有する層を間に介して、第1の光学効果層と第2の光学効果層とを設けることにより、手のひらや呼気などによって加温するという簡便な検証方法で、明確な真贋判定を可能にするものである。【選択図】図1

Description

本発明は、有価証券類などの偽造や改竄の防止や、不正を容易に発見することが求められる偽造防止媒体に関するものである。
有価証券、証明書、ブランド品、電子機器や各種機械類の専用消耗材ないし専用交換部品、更には個人認証媒体などの分野においては、偽造ないし変造などが困難であることが望まれている。そのため、このような分野では、偽造防止効果に優れた光学構造体などを設けることがある。
この様な光学構造体の多くは、回折格子、ホログラムや散乱構造またはレンズアレイなどの微細構造を含んでいる。これらの微細構造は、例えば観察角度の変化に応じて、色や視覚画像の変化を生じるという効果がある。
このような偽造防止手段として採用される偽造防止媒体としては、例えば、基材上に剥離性を持つ剥離層、回折格子が形成された回折構造形成層、金属光沢を持つ反射層、接着層を順次積層して回折構造物を転写箔化したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、透明な回折格子として、反射層に透明金属蒸着薄膜や向き化合物の薄膜を形成する事により、反射層より下層に位置するものも、回折格子を通して目視にて観察できるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。
更に、特許文献3では、ホログラムに対して、部分的金属反射層が設けられた成形品及びその製造方法が提案されている。
しかし、このようなホログラムなどの回折格子構造からなる偽造防止媒体だけでは、本物がどのようなものであるかを熟知している専門家にとっては、真贋の判別が容易であったとしても、一般のユーザーにとっては、類似の物が添付されている場合に、それが偽物であるかどうかを判定することは、困難であるといえる。
特開昭61−190369号公報 実開平1−59671号公報 特開昭62−79489号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、単に偽造防止媒体を観察するだけでなく、何らかの器具を使用することなく、簡便な操作を実施するだけで、明確な変化を視認できることにより、一般ユーザーでも簡単に真贋判定することができる偽造防止媒体を提供しようとするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために成されたものでる。すなわち、第1の発明は、少なくとも一部に温度変化に応じて色変化を生じる可逆性示温材料層を有する偽造防止媒体であって、前記示温材料層を間に介して、少なくとも第1の光学効果層と第2の光学効
果層とが設けられてなることを特徴とする偽造防止媒体である。
次に第2の発明は、前記示温材料層が、実質的に透明なプラスチック材料中に可逆性示温材料を含有したプラスチック基材であることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体である。
第3の発明は、前記第1の光学効果層が、体積ホログラム、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上に前記凹凸構造形成層とは屈折率の異なる誘電体層を積層してなる回折構造形成体のいずれか、またはそれらの組合せからなり、前記第2の光学効果層が、墨インキ層、金属光沢を有する反射層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に金属薄膜層を有してなる凹凸構造形成体Aのいずれか、または2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
第4の発明は、前記第1の光学効果層が、表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に、規則性を有する網点状や直交格子状、または万線状に配列された金属反射層からなるパターン群を有することを特徴とする凹凸構造形成体Bからなり、前記第2の光学効果層が、前記金属反射層からなるパターン群とモアレ像を形成する墨インキ層、金属光沢を有する反射層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に、前記第1の光学効果層に設けられた金属反射層からなるパターン群とモアレ像を形成する金属反射層を網点状や直交格子状、あるいは万線状に設けた凹凸構造形成体Cのいずれか、または2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
第5の発明は、前記第1の光学効果層が、一定方向に配向された二色性色素を含む偏光子層を少なくとも有し、前記第2の光学効果層が少なくとも液晶材料層を有し、前記液晶材料のメソゲン基が、任意のパターン状に、異なる2つ以上の配向方向に配向されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
第6の発明は、前記第1の光学効果層が、ワイヤグリットからなる偏光子層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状に金属反射層を除去してなる凹凸構造形成体Dのいずれかからなり、前記第2の光学効果層が、少なくとも液晶材料層を有し、前記液晶材料のメソゲン基が、任意のパターン状に、異なる2つ以上の配向方向に配向されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
第7の発明は、前記液晶材料層が、二色性色素を含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の偽造防止媒体である。
第8の発明は、前記第1の光学効果層が、ワイヤグリットからなる偏光子層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状に金属反射層を除去してなる凹凸構造形成体Dのいずれかからなり、前記第2の光学効果層が、前記第1の光学効果層に設けられた偏光方向と異なる方向の偏光特性を有するワイヤグリッドを少なくとも一部に有する光学効果層、あるいは表面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状の金属反射層除去部がパターンを形成してなる凹凸構造形成体Eのいずれかからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
第9の発明は、前記第1の光学効果層において、ワイヤグリッドからなる偏光子層あるいは凹凸構造形成体Dが、少なくとも2つ以上の偏光方向を有し、且つ前記第2の光学効果層において、ワイヤグリッドあるいは凹凸構造形成体Eが、2つ以上の偏光方向を有することを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載の偽造防止媒体である。
第10の発明は、前記可逆性示温材層が、常温では着色しており、加温することにより無色となることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の偽造防止媒体である。
本発明は、少なくとも一部に可逆性示温材料層を有する偽造防止媒体であって、この可逆性示温材料層を間に介して第1の光学効果層と第2の光学効果層とを設けることにより、前記可逆性示温材料層を手で暖めるなどの簡便な手法を用いることにより、簡便で視認しやすい真贋判定を実施することができる。
本発明の偽造防止媒体の例を示す断面図である。 本発明の偽造防止媒体の構成例を示す断面図である。 本発明の偽造媒体の検証例を示す平面図である。(a)加温前(b)加温後 本発明の偽造媒体の別の構成例を示す断面図である。 本発明の第2の光学効果層の凹凸構造例を示す斜視図である。 図5の凹凸構造の光学効果を説明する概念図である。 本発明の偽造防止媒体の別の検証例を示す平面図である。(a)加温後反射光での観察(b)加温後透過光での観察 本発明の第1の光学効果層の例を示す平面図である。 図8のA−A切断面の例を示す断面図である。 本発明の偽造防止媒体の別の検証例を示す平面図である。 本発明の偽造防止媒体の別の構成例を示す断面図である。 図11の偽造防止媒体の検証例を示す概念図である。 本発明の第1の光学効果層の一例を示す平面図である。 図13のB−B切断面の例を示す断面図である。 本発明の第1の光学効果層の一例を示す平面図である。 本発明の検証例の一例を示す平面図である。(a)第1の光学効果層に設けた偏光潜像(b)第2の光学効果層に設けた偏光潜像(c)加温後透過光での観察画像
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下に示す実施形態は、本発明の単なる一例であって、当業者であれば、適宜設計変更可能である。
図1は、本発明の偽造防止体1の基本構成例を示す断面図である。ここでは、可逆性示温材料は、実質的に透明なプラスチック中に練り込まれた状態で保持されており、偽造防止媒体1の可逆性示温材料含有基材10として設けられている。
前記可逆性示温材料含有基材10を間に挟むように、第1の光学効果層20と第2の光
学効果層30とが設けられている。
ここで、可逆性示温材料含有基材10に用いられるプラスチック素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコールなどの公知各種素材を用いることができる。
また、可逆性示温材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)フェノール性水酸基を有する化合物およびそれらの金属塩、カルボン酸類、カルボン酸塩、酸性リン酸エステル類などからなる顕色剤、(ハ)前記(イ)と(ロ)との呈色反応が生じる温度を既定する材料などからなる可逆性示温材料などが挙げられる。
電子供与性呈色性有機化合物としては、一般にフルオラン類を始めとして、ジフェニルメタンフタリド類、インドリルフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンランクトン類などの各種、化合物を用いることができる。
また、顕色剤としては、モノフェノール類やポリフェノール類、これらの各種誘導体などをはじめ、これらフェノール系水酸基を有する化合物のナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、コバルト、錫、銅、鉄などの金属塩などを例示することができる。
また、カルボン酸類としては、マレイン酸、フマール酸、安息香酸、トルイル酸、クロロ安息香酸、エトキシ安息香酸、没食子酸、ナフトエ酸、フタル酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸などを例示することができ、これらの金属塩を用いても良い。
更には、酸性リン酸エステル類としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、n−オクチルアシッドホスフェートなどの各種化合物を例示することができる。
また、(ハ)前記(イ)と(ロ)との呈色反応が生じる温度を既定する材料としては、アルコール類を始めとして、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、スルフィド類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸アミド類、ワックス類などの各種材料を用いることができる。
また、これらの材料の他に、光安定剤や消色促進剤をはじめ、各種添加剤が添加されてあっても良い。
これらの材料からなる可逆性示温材料は、常温では発色状態であり、体温などによって加温されることにより、無色状態となることが望ましい。
また、可逆性示温材料としては、これら(イ)、(ロ)、(ハ)などの各種材料をマイクロカプセル中に封入して用いることが望ましい。
マイクロカプセル化については、従来から公知の界面重合法、in Situ重合法、液中硬化被膜法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被膜法、スプレードライング法などの各種手法を用いることができる。
但し、マイクロカプセルの被膜材料としては、耐熱性の高い材料や硬化型の材料を用いることが望ましい。
このようにして得られた、可逆性示温材料と前記プラスチック材料とを混練し、製膜することにより、可逆性示温材料含有基材10を得ることが出来る。このような可逆性示温材料を内包するプラスチック基材は、一般に入手が困難であり、偽造防止等のセキュリティ性の高い用途においては有利であると言えるが、前記プラスチック素材のみからなる基材シートのいずれかの面または両面上に、可逆性示温材料をインキ化し、全面またはパターン状に塗布したものを用いても良い。
また、可逆性示温材料含有基材10は、その両面またはいずれか片方の面上に、紫外線吸収剤などを含む耐光性層の設置や、易接着処理などの各種処理が施されていても良く、
更には、隠蔽層や、用途に応じた各種印刷層が設けられていても何ら問題はない。
(第一の構成)
<実施例1、実施例2 参照>
図2は、本発明の偽造防止媒体1の一つの構成例を示す断面図である。
第1の光学効果層20として、回折格子構造を設けた凹凸構造形成層202上に凹凸構造形成層202とは屈折率のことなる誘電体層203を設けた回折構造形成体を転写箔化し、可逆性示温材料含有基材10に転写した構成を例示しているが、体積ホログラムを設けてあっても良い。
第1の光学効果層20として、回折構造形成体を用いる際の前記回折構造形成体の典型的な作製方法を以下に記載する。
回折構造形成体は、例えば、フォトリソグラフィを利用して製造した原版(母型)から複製することにより得られる。例えば、一方の主面に電子線レジストを塗布した平板状のガラス基板をXYステージ上に載置し、コンピュータ制御のもとでステージを移動させながら電子線レジストに電子線を照射することにより、電子線レジストをパターン露光する。その後、現像プロセスによって電子線レジスト上に回折格子の凹凸構造を形成する。また、電子線レジストに替えてフォトレジストを用い、電子線に替えてレーザー光線を利用することもできる。
これらの方法により、回折格子を備えた原版を得る。そして、電鋳やメッキ等の方法により金属製のスタンパを作製する。次いで、この金属製スタンパを型として用いて、回折格子表示体を構成する回折格子を転写、複製する。
具体的には、まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PEN)やポリカーボネート(PC)などからなるフィルム又はシート状の薄い光透過性の基材上に、剥離層201ならびに熱可塑性樹脂または熱硬化製樹脂、または光硬化性樹脂などの合成樹脂からなる凹凸構造形成層202を塗布する。次いで、塗膜に金属製スタンパを密着させ、この状態で樹脂層に熱又は光を与える。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂から金属製スタンパを剥離することにより、回折格子の凹凸形状が転写された凹凸構造形成層202が得られる。
また、凹凸構造形成層202に設けられた回折格子に追従するように誘電体層203が形成される。誘電体層203は、凹凸構造形成層202とは屈折率の異なる実質的に透明な誘電体からなる層であり、硫化亜鉛や酸化チタン、酸化ケイ素、フッ化マグネシウムなどの各種材料を真空蒸着法やスパッタリング法などの公知な気相堆積法を用いて形成する
ことができる。
更に、誘電体層203上に、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の単独または2種以上の混合物からなる接着層204を塗布し、可逆性示温材料含有基材10に対し、任意の形状に加工された熱板などを用いて、熱転写することによって、第1の光学効果層20を得ることができる。
ここで、接着層204には、シリカやタルクなどのフィラー類が添加されてあっても良く、更には、誘電体層203と接着層204との層間に紫外線吸収層や易接着層などの中間層や印刷層などが設けられていても良い。
図2では、第2の光学効果層30として、金属光沢層301と隠蔽層302とが設けられているが、墨インキ層が単独で設けられていても良く、また図2の金属光沢層301の代わりとして、墨インキ層が用いられた積層構成で設けられてあっても良い。
ここで、金属光沢層301は、各種金属光沢インキを用いて公知の印刷法により設けても良く、あるいはアルミなどの金属箔押しなどによって形成されても良い。
隠蔽層302は、酸化チタンや沈降性硫酸バリウムなどの白色顔料を含むインキを塗布することで、形成することができ、隠蔽層302の表面に絵柄や文字などの任意の模様が印刷などによって設けられていても良い。更には、隠蔽層302は、必ずしも設けられていなくても良い。
図3は、上述の様にして得られた偽造防止媒体1の検証例を示した図である。
ここで、可逆性示温材料含有基材10で用いられている可逆性示温材料は、通常状態で着色しているが、色相は黒以外であることが望ましい。
これにより、通常状態において、回折格子からなる模様があることは認識されるものの、詳細な絵柄を明確に認識することが難しい状態となる。
続いて、偽造防止媒体1に対し、手のひらや呼気などの体温等を用いて、熱を加えることにより、可逆性示温材料は無色となり、可逆性示温材料含有基材10を透かして、第2の光学効果層30が現れるため、黒色あるいは金属光沢上に設けられた回折格子構造体を観察することができる事となる。
よって、回折格子からなる模様の視認性が向上し、より明確に回折格子からなる模様を認識することが可能となる。
(第二の構成)
<実施例3〜実施例6 参照>
図4は、第1の光学効果層20として、前述の第一の構成と同様に誘電体層203を有する回折格子構造体が設けられており、第2の光学効果層30として、金属反射層305を有する凹凸構造形成体Aが設けられた例を示している。
凹凸構造形成体Aは、前記回折格子構造体における凹凸構造形成層304に凹凸形状を設けるまでの工程については、同様の方法によって作製することができる。
凹凸構造形成層304にスタンパを用いて凹凸形状を形成した後、金属反射層305として、アルミ、銅、金、銀、ニッケルなどの各種金属を蒸着法やスパッタリング法などの公知気相堆積法を用いて形成することができる。
その後、金属反射層305上に、クリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂などの各種樹脂の単独または2種以上の混合物からなる接着層306を塗布して、凹凸構造形成体A(転写箔)構成を得ることができる。
ここで、接着層306には、シリカやタルクなどのフィラー類が添加されてあっても良く、更には、金属反射層305と接着層306との層間に紫外線吸収層や易接着層などの中間層や印刷層などが設けられていても良い。
この様にして得られた凹凸構造形成体A(転写箔)を用いて、可逆性示温材料含有基材10に対し、任意の形状に加工された熱板などを用いて、熱転写することによって、第2の光学効果層30を得ることができる。
これにより、通常状態では、第1の光学効果層側20からの観察では、透明な誘電体層203を有する回折構造体の観察ならびに、第1の光学効果層20の下地となる可逆性示温材料含有基材10の色調を観察することが可能となり、裏返して第2の光学効果層30側からの観察では、金属反射層305を有し、第1の光学効果層20とはデザインの異なる回折格子模様等を観察することができる。
次に、偽造防止媒体1を手のひらや呼気等の熱で加温することにより、可逆性示温材料含有基材は無色となり、第1の光学効果層20側からの観察では、第2の光学効果層30が有する金属反射層305の効果により、より明確に第1の光学効果層の模様を観察することが可能となると同時に、第2の光学効果層30に設けられた模様も観察されることから、それらの組合せによって、新たな模様を表示することが可能となる。
また、第2の光学効果層30に光変調機能を持たせた回折格子とすることにより、第1の光学効果層20を加温後に観察した際に、新たな光学効果を発現させることが可能となる。
また、第2の光学効果層30の凹凸構造形成層304に形成される凹凸構造は、必ずしも長さを有する溝構造からなる回折格子構造である必要はなく、図5に示すような凸部410または凹部構造が形成されてあってもよい。
このような凸または凹構造は、第一の構成で示したようなフォトリソグラフィを用いて作製したスタンパを活用することによって、形成することが可能である。
凸部または凹部に用いられる形状としては、例えば、円錐状、角錐状、楕円錐状、円柱状もしくは円筒状、角柱状もしくは角筒状、截頭円錐状、截頭角錐状、截頭楕円錐状、円柱もしくは円筒に円錐を接合した形状、角柱もしくは角筒に角錐を接合した形状、半球、半楕円体、弾丸型、おわん型をした形状等を挙げることができる。
特に、凹凸構造形成層に形成される複数の凹部または凸部の断面はテーパー形状であることが好ましい。複数の凹部または凸部の断面がテーパー形状であると金属性のスタンパと樹脂との離型性が高く、量産性に優れているためである。さらに、複数の凹部または凸
部の断面がテーパー形状である場合、複数の凹部または凸部の断面が矩形状のものより良好な低反射性、低散乱性を得ることができる。
ここで、テーパー形状とは、凹部または凸部の基材表面に対して平行な断面積が、凹部または凸部の基端から先端に行くに従い減少するように形成されている場合をいう。
図5に示す様に、凹凸構造形成部400において、隣接する凹部または凸部の中心間距離が一定である時、図6に示すように、この凹凸構造形成部400に光を照射すると、凹凸構造形成部400は、入射光401の進行方向に対して、特定の方向に回折光を射出する。
一般的に回折光に関しては、以下の式で表すことができる。
d(sinα±sinβ)=nλ … (1)
この等式(1)において、dは凹部または凸部の中心間距離を表し、λは入射光および回折光の波長を表している。また、αは入射光の入射角を、βは回折光の射出角を表しており、nは次数であり、最も代表的な回折光は、1次回折光であることから、n=1と考えることができる。
ここで、入射角αは、0次回折光すなわち正反射光の射出角と同じと考えることができ、また、α、βは、表示体に対する法線方向すなわち、図4のZ軸から時計回りの方向を正方向とする。
よって、等式(1)は以下の式となる。
d(sinα−sinβ)=λ … (2)
従って、凹部または凸部の中心間距離dと、入射角すなわち0次回折光の射出角αを一定とした時、等式(2)から明らかなように、1次回折光403の射出角βは、波長λに応じて変化する。
すなわち、凹凸構造形成部400は分光器としての機能を有している。従って、照明光が白色光である場合、凹凸構造形成部400の観察角度を変化させると、観察者が知覚する色が変化することとなる。
また、或る観察条件のもとで観察者が知覚する色は、凹部または凸部の中心間距離dに応じて変化する。一例として、凹凸構造形成部400が、その法線方向に1次回折光403を射出するとする。すなわち、1次回折光403の射出角βは、0°であるとする。そして、観察者は、この1次回折光を知覚するとする。この時の0次回折光402の射出角をαとすると、等式(2)は、下記の等式(3)へと簡略化することができる。
d=λ/sinα … (3)
等式(3)から明らかなように、法線方向からの観察者に対し、特定の色を知覚させるには、その色に対応した波長λと照明光の入射角|α|と中心間距離dとを、それらが等式(3)に示す関係を満足するように設定すれば良い。
ここで、dを400nm以下という微細な構造とすることで、入射光401に対する正反射光402の反射率を著しく低減させることができ、また、構造の周期性により入射光401の入射角度によっては可視光の1次回折光403を特定方向に発生させることができる。
第2の光学効果層にこの様なテーパー形状の凹凸構造を設けることにより、法線方向からなの観察では、殆ど黒色として認識されることから、第一の構成で説明した第2の光学
効果層に墨インキを用いた場合と同様の効果が得られる。
さらには、通常のホログラム等とは異なる特殊な角度から第2の光学効果層を観察した場合にのみ、1次回折光403が観察されることから、墨インキ層の場合に比べて、より高い偽造防止効果を有していると言える。
更には、第2の光学効果層30の金属反射層305を部分的に除去するデメタライズ処理がなされてあっても良い。
デメタライズ処理の方法としては、マスク印刷層などを用いてパターニングした後、アルカリ性溶液あるいは酸性溶液によってエッチングを行う化学エッチング法あるいは、水溶性樹脂からなるインキによってレリーフ構造形成層102上にパターン印刷を施した後、蒸着法あるいはスパッタリング法等の気相堆積法により光反射層を設け、その後水溶性樹脂も含めて水洗処理することによる水性エッチング法などの一般的な方法や、予め凹凸形状の深さや幅、方向性等を制御して設けた後、金属反射層305を設け、その後、珪素酸化物(SiO 1<x<2)やフッ化マグネシウムなどの薄膜を形成してエッチングすることにより、凹凸形状に応じて部分的に金属反射層を除去する方法(後程、詳述する)などが挙げられる。
上述のようなデメタライズ処理により、通常の反射光による観察では確認できない微細なドットパターン状に金属反射層を除去することもでき、これにより、図7に示すように、可逆性示温材料含有基材10を加温して、透過光による観察を実施した時のみ、潜像を確認することが可能となる。
ここで、ドットパターンとは必ずしも円形である必要はなく、楕円、三角や四角、五角形などの多角形、星型や文字、数字などの任意の形状を用いることができる。
(第三の構成)
<実施例7、実施例8 参照>
図8は、第1の光学効果層20の別の例を示す平面図である。図8では、デメタライズ処理された金属反射層205を有する凹凸構造形成体Bが第1の光学効果層20として用いられている例を示している。
デメタライズ処理の方法については、先に説明した手法などを用いて実施することができる。
図9は、図8におけるA−A切断面の例を示す断面図である。ここでは、マスク層207をグラビア印刷やオフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷などの公知印刷手法を用いて形成した後、アルカリ溶液などによる化学エッチングを施した例を示している。
ここで、マスク層207並びに金属反射層205の少なくとも一部は、規則的に配列された網点状や直交格子状、あるいは万線状に設けられている。
このような構成の凹凸構造形成体Bは、先に説明した凹凸構造形成体Aの作製方法と同様の手法を用いることにより、作製することが可能である。
これに対し、第2の光学効果層30は、前記凹凸構造形成体Bの少なくとも一部に形成された、網点状や直交格子状、あるいは万線状の金属反射層とモアレ現象を発生するように配列された網点状や直交格子状、あるいは万線状の墨インキ層などの印刷層として設けられている。
ここで、墨インキ層などの印刷層の作製方法については、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷など、公知印刷技術を用いて作製することができる。
これにより、通常状態では、第1の光学効果層20側から観察すると回折格子模様21やデメタライズ処理された金属反射層205からなる模様を観察できるだけであるが、可逆性示温材料含有基材10を手のひらや呼気などによって加温することにより、前記可逆性示温材料含有基材10が無色化され、可逆性示温材料含有基材10を透かして第2の光学効果層30が出現することにより、モアレによるパターンが現れ、認識することが可能となる。
この時、観察者は、偽造防止媒体1を透過光によって、観察することで、より明確なモアレによるパターンを認識することが可能となる。図10は、このようにして観察されるモアレ画像22の例を示す平面図である。
ここで、第2の光学効果層30は、印刷層の他にも、凹凸構造形成層304に凹凸構造を設け、この表面に金属反射層305を設けた凹凸構造形成体であって、前記金属反射層305が、前記凹凸構造体Bの少なくとも一部に設けられた、規則的に配列された網点状や直交格子状、あるいは万線状の金属反射層205とモアレ現象を発生するように配列されたドット状や直交格子状、あるいは万線状の金属反射層305が設けられた凹凸構造形成体Cであっても良い。
凹凸構造形成体Cの作製方法は、前記第二の構成における凹凸構造形成体Aと同様の手法によって、作製することができる。
これにより、通常環境下において、第1の光学効果層20側から観察した場合には、凹凸構造体Bに形成された凹凸構造に起因する回折格子模様などの模様が確認され、裏返して第2の光学効果層30側から観察した場合には、凹凸構造Cに形成された凹凸構造に起因する回折格子模様などの模様が確認される。
すなわち、通常環境下において、デザイン性に優れた異なる模様の表示が可能となる。
次いで、偽造防止体1を手のひらや呼気などによって加温することにより、可逆性示温材料含有基材10が無色化し、基材を透かして観察することにより、モアレ画像22を観察することが可能となる。
(第四の構成)
<実施例9 参照>
図11は、偽造防止媒体1の別の構成の例を示す断面図である。図11では、第1の光学効果層20として、偏光子層250が設けられており、第2の光学効果層30として、液晶層350が設けられた構成例を示している。
偏光子250は、二色性色素を一定方向に配列させたものであり、具体的には延伸されたポリビニルアルコールなどの樹脂フィルムに二色性色素を染色、すなわち吸着配向させるといった手法がある。
別の手法として、ネマチック液晶やスメクチック液晶などからなる重合性液晶中に二色性色素を添加し、液晶材料のメソゲン基を一定方向に配向させ、硬化等によって固定化する事により偏光子を得る手法などがある。
ポリビニルアルコールなどの樹脂フィルムを染色して偏光フィルムを作製する場合の二色性色素の例としては、一般に直接染料を挙げることができる。
具体的には、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Violet 9、C.I.Direct Red 81などといった直接染料を例としてあげることができる。
また、液晶材料に添加する、いわゆるゲスト−ホスト型の二色性色素としては、アゾ色素、アントラキノン色素、ジオキサジン色素などを例としてあげることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、必ずしも偽造防止体1の全面に偏光子を設ける必要がなく、フィルム化された偏光子をカットして偽造防止体1に貼付する手法であっても問題はないが、偏光子のインキ化や転写箔化等によって、偽造防止体1に対し部分的に設けることが望ましいと言える。
ゲスト−ホスト型の二色性色素を用いた偏光子を作製する場合には、紫外線などの放射線によって硬化することが可能なネマチック液晶やスメクチック液晶といった液晶材料のメソゲン基を一定方向に配向させる必要がある。
液晶材料のメソゲン基を配向させる手法としては、一般にラビング法や液晶材料の塗布面に、一定方向に配列した微細な凹部を設ける方法、また光配向法などの手法を用いることができる。
ラビング法では、配向層として、ポリイミド層又はポリビニルアルコール層などのポリマー層を形成し、その表面をラビング布で擦る。液晶材料のメソゲン基は、ラビング布で擦った方向、すなわち、ラビング方向に配向する。
前記一定方向に配列した微細な凹部を設ける方法では、例えば、フォトリソグラフィを利用して製造した原版(母型)から複製することにより熱可塑性樹脂や熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂等の配向層となる塗膜表面に凹部を形成し、その表面に液晶材料を塗布することによって、液晶材料のメソゲン基を配向させることができる。
また、光配向法では、塗膜に偏光などの異方性を有する光を照射して、膜内の分子の再配列又は化学反応を誘起する。例えば、アゾベンゼン誘導体の光異性化、桂皮酸エステル、クマリン、カルコン、及びベンゾフェノンなどの誘導体の光二量化又は架橋、並びにポリイミドなどの光分解を生じさせるといった手法により、配向層となる塗膜に異方性を付与する。
上述の様にして得られた偏光子を熱転写などによって、偽造防止体1の表面に設けることにより、偏光子層250を得ることができる。
ここで、偏光子層250は、二色性色素を含む液晶材料層の他にも、耐摩性保護層、紫外線吸収層、配向層、OVD(Optical Variable Device)層、中間層、接着層などの種々機能層を含んでいてもなんら問題ない。
第2の光学効果層30である液晶材料層350は、偽造防止体1の検証作業時の視認性の容易さを考慮し、液晶材料のメソゲン基が、2方向以上の複数の方向に配向されている事が望ましい。
液晶材料のメソゲン基を配向させる手法としては、上述の方法を用いることができるが、ラビング法では、任意の方向に配向方向を設定することが困難である。
よって、一定の方向に凹部を設けた配向領域1とそれとは別の方向に凹部を設けた配向領域2を少なくとも含む配向膜を用いるか、あるいは光配向膜に対し、2種以上の異なる方向に調整された偏光光がマスク版を介して照射された配向膜を用いることが望ましい。
この時、2方向以上の配向方向は、互いに直交する方向を含むことが望ましく、更には、この配向方向の内、いずれか一つが前記偏光子層250の配向方向と同じであることが望ましい。
また、液晶材料層350は、前記偏光子層250と反対側の面上に、別の偏光子層を設けても良いが、全体の膜厚が増すことや、コスト面などを考慮すると、液晶材料層350中に二色性色素を含んでいることが望ましい。
更に、液晶材料層350は、耐摩性保護層、紫外線吸収層、配向層、OVD(Optical Variable Device)層、中間層、接着層などの種々機能層を含んでいてもなんら問題ない。
図12は、図11の偽造防止体1の検証方法の例を示す概念図である。偽造防止体1を手のひらや呼気などによって加温し、可逆性示温材料含有基材10を無色化した後、透過光観察することにより、液晶材料層350中の2方向以上に配向されたメソゲン基によって形成されている潜像を確認することができる。
(第五の構成)
<実施例10 参照>
第五の構成は、第1の光学効果層20として、ワイヤグリッドあるいは、表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状に金属反射層を除去してなる凹凸構造形成体Dからなっている。
凹凸構造形成体Dは、金属反射層の一部がデメタライズされた構成となっているが、先に記述した水性エッチング法や化学エッチング法では、通常の印刷工程を含むため、偏光性を示すことができる微細な形状に金属反射層を除去することは、困難である。
図13は、第1の光学効果層20として、凹凸構造形成体Dを用いた場合の例を示す平面図である。
凹凸構造形成体Dを作製するためには、まず電子線レジストに対し、電子線を照射してパターンを形成するフォトリソグラフィを利用して製造した原版(母型)から複製したスタンパを用いて、基材上に塗布した凹凸構造形成層202に凹凸構造を形成する。
この時、凹凸構造形成層202を塗布した基材の搬送方向をyとすると、yの方向から左右に10度までの方向に延在している凹凸構造を有する第1領域R1とxの方向から左右に65度までの方向に延在している凹凸構造を有する第2領域R2とを設ける。
その後、蒸着法などの気相堆積法により、アルミニウムなどの金属反射層205を設ける。この時の凹凸構造形成層202を設けた基材の搬送方向は、同じくy方向とする。
続いて、同じくy方向への基材搬送を実施しながら、珪素酸化物(SiO 1<x<2)の斜方蒸着を実施して、珪素酸化物層208を形成する。
その後、アルカリ性溶液等によるエッチングを実施することにより、図14に示す断面図のように、第1領域R1の金属反射層205と珪素酸化物層208とが除去され、第2
領域R2にのみ金属反射層205および珪素酸化物208が形成される。
この様にして、微細な万線状の金属反射層を有する凹凸構造形成体Dを作製することができる。
また、万線は、必ずしも連続した直線である必要はなく、破線や図15に示すような長さを有し、長さ方向が一定方向に整列したランダムなパターン構造であってもよい。
ここで、凹凸構造形成体Dは、剥離層、紫外線吸収層、中間層、接着層などの各種機能層を設けられていてもなんら問題はない。
これに対し、第2の光学効果層30は、第四の構成で詳述した液晶材料層350からなっており、偽造防止媒体1を手のひらや呼気などによって加温することにより、可逆性示温材料含有基材が無色化し、透過光で観察することにより、前記液晶材料層350に形成されている潜像を観察することが可能となる。
(第六の構成)
<実施例11 参照>
第1の光学効果層20は、第五の構成と同様に、ワイヤグリッド、あるいは凹凸構造形成体Dが設けられている。但し、前記ワイヤグリッド、あるいは凹凸構造形成体Dは、2つ以上の偏光方向を有していることが望ましい。
これに対し、第2の光学効果層30は、前記第1の光学効果層に設けられた偏光方向と異なる方向の偏光特性を有するワイヤグリッドを少なくとも一部に有する光学効果層、あるいは表面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状の金属反射層除去部がパターンを形成してなる凹凸構造形成体Eのいずれかが形成されている。
また、第2の光学効果層においても、ワイヤグリッドあるいは凹凸構造形成体Eが、2つ以上の偏光方向を有していることが望ましい。
また、凹凸構造形成体Eは、第五の構成における凹凸構造形成体Dと同様の手法により作製することができる。
図16は、第1の光学効果層20に設けられた偏光方向パターン例(a)と第2の光学効果層30に設けられた偏光方向パターン例(b)並びに、加温時の透過光による観察(C)によって、観察される組合せ潜像画像80の例が示されている。
図に示すように、第1の光学効果層20並びに第2の光学効果層に設けられた偏光方向の異なるパターンがそれぞれ組み合わさる事により、新たな画像を観察することが可能となる。
以上のように、本発明の技術を用いることにより、手のひらや呼気などによる加温という簡単な操作によって、誰でも簡単に、明確な真贋判定が可能な偽造防止媒体を提供することができる。
本発明の各構成について、実際の構成例と検証時の目視効果について、表1にまとめて示す。
表1に示す通り、本発明における各構成の偽造防止媒体を用いることにより、加温という極めて簡便な検証手段により、目視による明確な変化が得られることから、一般ユーザーであっても、簡単に真贋判定を実施することが可能となる。
1 … 偽造防止媒体
10 … 可逆性示温材料含有基材
20 … 第1の光学効果層
201 … 剥離層
202 … 凹凸構造形成層
203 … 誘電体層
204 … 接着層
205 … 金属反射層
207 … マスク層
208 … 珪素酸化物層
21 … 回折格子模様
22 … モアレ画像
250 … 偏光子層
30 … 第2の光学効果層
301 … 金属光沢層
302 … 隠蔽層
303 … 剥離層
304 … 凹凸構造形成層
305 … 金属反射層
306 … 接着層
350 … 液晶材料層
400 … 凹凸構造形成部
401 … 入射光
402 … 正反射光または0次回折光
403 … 1次回折光
410 … 凸部
60 … 光源
70 … 観察者
R1 … 第1領域
R2 … 第2領域
80 … 組合せ潜像画像

Claims (10)

  1. 少なくとも一部に温度変化に応じて色変化を生じる可逆性示温材料層を有する偽造防止媒体であって、前記示温材料層を間に介して、少なくとも第1の光学効果層と第2の光学効果層とが設けられてなることを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 前記示温材料層が、実質的に透明なプラスチック材料中に可逆性示温材料を含有したプラスチック基材であることを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
  3. 前記第1の光学効果層が、体積ホログラム、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上に前記凹凸構造形成層とは屈折率の異なる誘電体層を積層してなる回折構造形成体のいずれか、またはそれらの組合せからなり、
    前記第2の光学効果層が、墨インキ層、金属光沢を有する反射層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に金属薄膜層を有してなる凹凸構造形成体Aのいずれか、または2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  4. 前記第1の光学効果層が、表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に、規則性を有する網点状や直交格子状、または万線状に配列された金属反射層からなるパターン群を有することを特徴とする凹凸構造形成体Bからなり、
    前記第2の光学効果層が、前記金属反射層からなるパターン群とモアレ像を形成する墨インキ層、金属光沢を有する反射層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部に、前記第1の光学効果層に設けられた金属反射層からなるパターン群とモアレ像を形成する金属反射層を網点状や直交格子状、あるいは万線状に設けた凹凸構造形成体Cのいずれか、または2種以上の組合せからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  5. 前記第1の光学効果層が、一定方向に配向された二色性色素を含む偏光子層を少なくとも有し、
    前記第2の光学効果層が少なくとも液晶材料層を有し、前記液晶材料のメソゲン基が、任意のパターン状に、異なる2つ以上の配向方向に配向されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  6. 前記第1の光学効果層が、ワイヤグリットからなる偏光子層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状に金属反射層を除去してなる凹凸構造形成体Dのいずれかからなり、
    前記第2の光学効果層が、少なくとも液晶材料層を有し、前記液晶材料のメソゲン基が、任意のパターン状に、異なる2つ以上の配向方向に配向されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  7. 前記液晶材料層が、二色性色素を含むことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の偽造防止媒体。
  8. 前記第1の光学効果層が、ワイヤグリットからなる偏光子層、あるいは表面に微細な凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状に金属反射層を除去してなる凹凸構造形成体Dのいずれかからなり、
    前記第2の光学効果層が、前記第1の光学効果層に設けられた偏光方向と異なる方向の偏
    光特性を有するワイヤグリッドを少なくとも一部に有する光学効果層、あるいは表面に凹凸構造を有する凹凸構造形成層と前記凹凸構造を有する面上の少なくとも一部において、前記凹凸構造に応じて、微細な万線状の金属反射層除去部がパターンを形成してなる凹凸構造形成体Eのいずれかからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  9. 前記第1の光学効果層において、ワイヤグリッドからなる偏光子層あるいは凹凸構造形成体Dが、少なくとも2つ以上の偏光方向を有し、
    且つ前記第2の光学効果層において、ワイヤグリッドあるいは凹凸構造形成体Eが、2つ以上の偏光方向を有することを特徴とすることを特徴とする請求項8に記載の偽造防止媒体。
  10. 前記可逆性示温材層が、常温では着色しており、加温することにより無色となることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の偽造防止媒体。
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