JP2017154218A - ボーリング工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 穴のボーリング加工を行う際に実用的なボーリング工具を提供する。
【解決手段】 外周部に切れ刃14が設けられて円筒状をなす鋼製の本体10を有し、本体の外周面OSの少なくとも一部を当接させつつ切れ刃によって穴の内周面ISのボーリング加工を行うための工具において、本体の外周面に、超硬物質の皮膜を設ける。本体を鋼製のものとし、本体の磨耗を防止するためのの手段として、その本体の外周面に超硬物質の皮膜を形成するという手段を採用しているため、比較的大径の本体を有する場合であっても、工具自体の製造コストを抑えることが可能である。。
【選択図】 図2
【解決手段】 外周部に切れ刃14が設けられて円筒状をなす鋼製の本体10を有し、本体の外周面OSの少なくとも一部を当接させつつ切れ刃によって穴の内周面ISのボーリング加工を行うための工具において、本体の外周面に、超硬物質の皮膜を設ける。本体を鋼製のものとし、本体の磨耗を防止するためのの手段として、その本体の外周面に超硬物質の皮膜を形成するという手段を採用しているため、比較的大径の本体を有する場合であっても、工具自体の製造コストを抑えることが可能である。。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ボーリング加工を行うためのボーリング工具に関する。
ワークに穿設された穴の仕上げ加工を行うための工具として、例えば、下記特許文献に記載された工具が存在する。この工具は、いわゆるリーマと呼ばれるものであり、本体となるボデーに切れ刃を設け、ボデーの外周面の一部を穴の内周面に当接させて加工を行うようにされている。つまり、ボデーの外周面の一部がガイド面とされた工具である。
上記特許文献に記載された工具は、穴の内周面への当接によるボデーの磨耗に懸念して、ボデー自体が超硬合金から形成されている。超硬合金は、加工が困難であり、また、大きな穴に対する加工を行うためには大型の超硬合金製ボデーを採用しなければならず、その工具のコストが高くなってしまう。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、穴のボーリング加工を行う際に実用的なボーリング工具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のボーリング工具は、外周部に切れ刃が設けられて円筒状をなす鋼製の本体を有し、本体の外周面の少なくとも一部を当接させつつ切れ刃によって穴の内周面のボーリング加工を行うための工具であり、本体の外周面に、超硬物質の皮膜が設けられたことを特徴とする。
なお、本発明のボーリング工具は、リーマの一種と考えることもできるが、比較的大径な穴の内周面に対する加工に利用できることから、また、比較的切削代の大きな切削加工をも行い得ることから、敢えて、ボーリング工具と称している。
なお、本発明のボーリング工具は、リーマの一種と考えることもできるが、比較的大径な穴の内周面に対する加工に利用できることから、また、比較的切削代の大きな切削加工をも行い得ることから、敢えて、ボーリング工具と称している。
本発明のボーリング工具は、本体を鋼製のものとし、本体の磨耗を防止するためのの手段として、その本体の外周面に超硬物質の皮膜を形成するという手段を採用している。そのため、比較的大径の本体を有する場合であっても、工具自体の製造コストを抑えることが可能である。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の(1)項ないし(8)項が、それぞれ、請求項1ないし請求項8に相当する。
(1)円筒形状をなす鋼製の本体と、その本体と一体とされてその本体から軸線方向に延び出すシャンクと、前記本体の外周部に設けられた切れ刃とを備え、前記本体の外周面の少なくとも一部を当接させつつ前記切れ刃によって穴の内周面のボーリング加工を行うためのボーリング工具であって、
前記本体の外周面に、超硬物質の皮膜が設けられたボーリング工具。
前記本体の外周面に、超硬物質の皮膜が設けられたボーリング工具。
本態様は、請求可能発明の基本的態様であり、本態様のボーリング工具では、切れ刃が設けられている本体の外周面のどこかの部分が、ボーリング加工において、加工されたワークの穴の内周面に摺接することを前提としている。その前提の上で、本体の外周面の少なくとも一部分、詳しく言えば、摺接する部分に、超硬物質の皮膜が形成されている。そのため、本体の外周面の磨耗が、効果的に防止若しくは抑制される。本体が鋼製のものであることから、当該ボーリング工具が大径の穴を加工するものであっても、当該ボーリング工具自体の製造も比較的容易であり、そのコストも比較的低く抑えることができる。
本態様のボーリング工具において、「切れ刃」は、1枚に限定されない。例えば、本体の軸線を挟んで2つの切れ刃が背向するように設けられている場合、言い換えれば、例えば、配設角度ピッチが180°となるように設けられている場合であっても、僅かではあるが偏心するような加工が行われるときには、それら2つの切れ刃の間において、本体の外周面のいずれかの部分(例えば、周方向における2つの切れ刃の間におけるいずれかの部分)が当接することが予想される。したがって、請求可能発明は、2つの切れ刃が本体に配置されているようなボーリング工具にも適用可能であり、2つの切れ刃を有するボーリング工具も、請求可能発明のボーリング工具の一種となり得るのである。
本態様のボーリング工具において、皮膜とされる「超硬物質」は、「高硬度物質」とも呼ぶことができるものであり、詳しくは、鋼よりも硬度の高い物質と考えることができる。超硬物質は、特に限定されない。例えば、Hv800以上の硬度の皮膜であれば、充分に、本体の外周面の磨耗が抑制される。また、皮膜の厚さも、0.03mm以上あれば、充分であるが、皮膜形成のコスト等に鑑みれば0.1mm以下であることが望ましい。皮膜の形成方法も、溶射,スパッタリング等、種々の方法を採用することが可能である。
(2)前記超硬物質が、超硬合金、セラミック、サーメットのうちの一種である( 1)項に記載のボーリング工具。
本態様は、超硬物質に対する限定を付加した態様である。本態様において列挙した物質のいずれかを採用すれば、高い硬度の皮膜を形成することが可能である。特に、超硬合金を採用する場合、溶射によって簡単に皮膜を形成することができる。具体的には、タングステンカーバイト(WC)に、ニッケル(Ni),クロム(Cr)等を含有させたものを好適に採用することが可能である。超硬合金を溶射して皮膜を形成する場合には、溶射後に表面を研磨等することによって、皮膜を適切な厚みのものに調製することが望ましい。
(3)前記超硬物質の皮膜が、前記本体の外周の30%以上となる範囲に設けられている( 1)項または( 2)項に記載のボーリング工具。
本態様は、超硬物質の皮膜の形成範囲、詳しく言えば、本体の周方向における形成範囲に関する限定を加えた態様である。当該ボーリング工具の用途からすれば、概ね本体の全周に渡って、具体的に言えば、切れ刃が設けられる箇所以外の全周に渡って、皮膜を形成することが望ましい。しかしながら、実際には、加工において穴の内周面に当接することが予想される箇所にのみ皮膜を形成すればよく、本態様では、その意味で、少なくとも30%の範囲にわたって皮膜が形成されることを要件としているのである。
なお、皮膜は、周方向において連続して設けられることが望ましいが、後に説明するクーラントが導入される溝等が形成される場合には、その溝には皮膜を形成する必要がなく、その場合には、必ずしも、連続して設けられることを要しない。
(4)前記切れ刃の径方向の先端の、前記本体の外周面からの突出代が、0.02mm以下とされている( 1)項ないし( 3)項のいずれか1つに記載のボーリング工具。
本態様は、切れ刃の突出の程度に関する限定を加えた態様である。厳密に言えば、本体の外周面に、切れ刃を取り付けるための凹所やクーラント溝等が形成されている場合、その外周面は完全なる円筒面とはならない。外周面の円筒面となっていない部分を補完して仮想円筒面を定義した場合に、その仮想円筒面からの突出代が、本態様における突出代である。換言すれば、当該ボーリング工具の中心軸線、つまり、本体の軸線を中心とした場合において外周面の円筒面となっている部分の軸線からの距離(外周面の半径)と、切れ刃の径方向の先端と軸線との距離との差が、本態様における突出代となる。先に説明したように、請求可能発明のボーリング工具は、加工の際に外周面が穴の内周面に接触することが前提である。その前提に鑑み、本態様のボーリング工具では、突出代が0.02mm以下と小さくされており、その程度の突出代であれば、加工の際、本体の外周面が穴の内周面に当接し得る。なお、加工において目標となる寸法の径を有する穴と本体とを同軸的に配置して本体をその穴に挿入した場合の本体の外周面と穴の内周面とのクリアランス(隙間)、言い換えれば、本体と加工後の穴との片側クリアランスは、上記突出代と等しいものと考えることができる。
(5)前記切れ刃が、交換可能に前記本体に取り付けられたチップによって構成されている( 1)項ないし( 4)項のいずれか1つに記載のボーリング工具。
本態様は、本体に対する切れ刃の配設形態に関する限定を加えた態様である。本態様における「チップ」は、例えば、インサートと呼ばれたり、スローアウェイチップと呼ばれるものである。そのようなチップを切れ刃として取り付けた態様が、本態様である。そのようなチップを本体に取り付ける場合、一般的には、チップはカートリッジに取り付けられ、そのカートリッジがボルト等の締結部材によって本体に締結される。本態様のボーリング工具では、本体が鋼製であるため、本体が超硬合金製のものと異なり、ボルトを螺合させるための雌ネジ穴等、締結部材が係合する部分を、加工によって本体に容易に形成することが可能である。つまり、簡単に言えば、本体が鋼製であるが故に、本態様のように、チップを交換可能とする構成を、容易に実現することが可能なのである。
(6)前記本体が、外周面において周方向に延びるように形成された溝と、その溝に当該本体の内部からクーラントを供給するためのクーラント供給路を有する( 1)項ないし( 5)項のいずれか1つに記載のボーリング工具。
先に説明したように、加工された穴の内周面に本体の外周面が当接しているため、本体の外周面と穴の内周面との間にクーラントを存在させる必要がある。しかしながら、外側からクーラントを供給したとしても、本体の外周面と穴の内周面とのクリアランスが小さい場合には、クーラントが充分に回りきらないことが予想される。本態様によれば、当該ボーリング工具の内部から周方向に延びる溝にクーラントが供給されるために、本体の外周面と穴の内周面との間に、効果的に、クーラントが供給される。
(7)前記溝が、軸線方向において傾斜して形成されている( 6)項に記載のボーリング工具。
本態様によれば、本体の回転によって、外周面の軸線方向におけるある程度の範囲、つまり、溝が軸線方向に渡る範囲において、本体の外周面と穴の内周面との間に、効果的に、クーラントが供給される。
(8)前記本体の外周面に、それぞれが前記溝となる複数条の溝が軸線方向に並んで形成されている( 6)項または( 7)項に記載のボーリング工具。
本態様によれば、本体の軸線方向の長さが比較的長いボーリング工具であっても、軸線方向に並ぶ複数の溝により、本体の外周面と穴の内周面との間に、効果的に、クーラントが供給される。
以下、請求可能発明を実施するための形態として、請求可能発明の実施例であるボーリング工具およびそれの変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の形態で実施することができる。
実施例のボーリング工具は、図1に3面図において示すようなものである。詳しくは、図1(a)が正面図、図1(b)が側面図、図1(c)が底面図である。
ボーリング工具は、大まかには、概して円筒形状をなす鋼製(詳しくは、ダイス鋼である)の本体10と、その本体10と一体とされてその本体10から軸線方向に延び出すシャンク12と、前記本体10の外周部に設けられた切れ刃となる超硬合金製のチップ14(「インサート」と呼ぶこともできる)とを備えている。
本体10の中心軸線を軸線Lとすれば、シャンク12は、軸線Lを中心軸線とするように、本体10から延び出している。シャンク12は、本体10と同軸的に一体成形されており、本体10同様、鋼製である。シャンク12が工作機の主軸ヘッドによって保持されることで、当該ボーリング工具は、軸線Lまわりに回転する。なお、シャンク12は、ストレートシャンクであるが、テーパーシャンクとされてもよい。
本体10の外周の周方向の一部分には、チップ14を取り付けるための切欠16(「主溝」と呼ぶことも可能である)が形成されており、この切欠16に、チップ14が、保持具であるカートリッジ18を介して、交換可能に取り付けられている。ちなみに、カートリッジ18は鋼製であり、チップ14は、カートリッジ18に六角穴付き皿ボルト20によって固定され、カートリッジ18は、切欠16に形成された座に、六角穴付きボルト22によって固定されている。本体10が鋼製であるため、カートリッジ18を取り付けるための座や、締結部材である六角穴付きボルト22を螺合させるためのタップ穴を、当該本体10に、切削加工によって容易に形成することが可能とされている。
本体10の外周部には僅かな段差が形成されており、僅かに径が大きい下部の外周面が、当該本体10の外周面OSを構成するものとなっている。チップ14の外周端は、本体10の外周面OSより僅かに突出している。厳密には、その外周面OSの径を本体外周径Dと呼ぶこととすれば、チップ14の外周端は、本体外周径Dを径とする円筒面から、突出代dだけ突出している。この突出代dは、0.02mm以下とされるのが望ましく、具体的には、0.005mm〜0.01mm程度とされている。
したがって、本ボーリング工具を使ってボーリング加工を行うときには、図2に示すように、本体10の外周面OSと、ワークWの加工された穴の内周面ISとの間には、僅かな隙間しか存在しない。というよりも、チップ14がワークWから受ける力によって、ボーリング工具が弾性的に傾くことにより、本体10の外周面OSの一部が穴の内周面ISに当接する状態で加工が進行する。言い換えれば、本体10の外周面OSの一部が、穴の内周面ISに摺接しながらボーリング加工が行われるのである。
本体10の外周面OSの上記当接により、本体10の外周面OSが磨耗することが予想される。そのため、本ボーリング工具では、本体10の外周に超硬物質の皮膜が形成されている。具体的には、タングステンカーバイト(WC)に、ニッケル(Ni),クロム(Cr)を含有させた粉末を溶射することによって、超硬物質の層を形成させ、その後、本体10の外周を研磨することによって、所定の厚みの皮膜とされている。ちなみに、皮膜の厚みは、0.05mm〜0.2mm程度とされている。
本ボーリング工具では、図1(c)にR1で示す範囲、つまり、当該工具の回転方向におけるチップ14の後方側の60°〜240°の範囲において、外周面OSの一部が穴の内周面ISに当接する可能性が高いため、その範囲をカバーすべく、チップ14を取り付けるための切欠16を除く部分の殆どに、つまり、図1(c)においてR2で示す範囲に、超硬物質の皮膜が形成されている。なお、外周面OSの当接部分がある程度の範囲に限定される場合には、その範囲だけ超硬物質の皮膜を形成させればよく、その場合は、例えば、本体10の外周の30%程度の範囲だけに皮膜を形成させてもよい。
さらに、本ボーリング工具では、外周面OSに、当該外周面OSと穴の内周面ISとの間にクーラントを行き渡らせるためのクーラント溝が形成されている。図3は、外周面OSを展開した図であり、その図をも参照しつつ説明すれば、クーラント溝は、周方向に対して傾いて延びるようにして、互いに平行に軸線方向に並んで4条形成されたクーラント主溝30と、それらクーラント主溝30に渡って軸線方向に延びる3つのクーラント縦溝32とを含んで構成されている。クーラント縦溝32は、図1(c)に示す位置に形成され、クーラント主溝30のうちの複数のものに跨って形成されている。
本ボーリング工具の中心には、シャンク12を貫いて本体10に至るようにして延びるクーラント主供給路34が形成されており、本体10の内部には、そのクーラント主供給路34から分岐し、3つのクーラント縦溝32の各々の上端に連通する3つのクーラント分岐路36が形成されている。クーラント分岐路36の端部には、概して“く”の字に曲がった連通パイプ38が差し込まれており、この連通パイプ38を介して、クーラント分岐路36はクーラント縦溝32に連通している。クーラント主供給路34,3つのクーラント分岐路36,3つのクーラント縦溝32を含んで、4条のクーラント主溝30にクーラントを供給するクーラント供給路が形成されているのである。
先に説明したように、加工の際、本体10の外周面OSとワークWに形成された穴の内周面ISとの間の隙間(クリアランス)は、殆どない状態であるため、本体10の外周OSと穴の内周面ISとの間にクーラントを行き渡らせるのが難しいが、本ボーリング工具では、上記のようなクーラント主溝30を設けることによって、クーラントを容易に行き渡らせることが可能とされている。詳しく言えば、クーラント主溝30が、当該ボーリング工具の回転に伴って回転移動することで、クーラント主溝30内のクーラントが穴の内周面ISに沿って移動し、内周面ISの全体に接することで、クーラントが本体10の外周面OSと穴の内周面ISとの間の隙間に行き渡るのである。本ボーリング工具では、複数条のクーラント主溝30が、周方向に対して傾斜して延びるように配置されているため、軸線方向における比較的長い範囲に対して、クーラントを効率よく供給することが可能とされている。
上記ボーリング工具では、1つのチップ14が取り付けられているが、請求可能発明は、2つのチップ14が取り付けられたボーリング工具に対しても適用可能である。変形例のボーリング工具として、例えば、図4に底面図を示すようなボーリング工具とすることも可能である。この変形例のボーリング工具では、周方向において互いに反対側となる位置に、2つのチップ14が取り付けられている。このようなボーリング工具でも、本体10の外周面OSの一部が、穴の内周面ISに摺接して加工が行われることが予想できる。したがって、変形例のボーリング工具では、図4におけるR3の範囲に、つまり、チップ14を取り付けるための2つの切欠16の間の部分に、超硬物質の皮膜を形成させればよく、また、その範囲に、クーラント溝を設ければよい。なお、図に示すボーリング工具では、周方向において互いに丁度反対側となる位置に、言い換えれば、周方向において180°異なる位置に、2つのチップ14が取り付けられているが、例えば、2つのチップ14のうちの一方が、周方向にズレていてもよい。つまり、必ずしも、2つのチップ14が丁度反対側となる位置に取り付けられていなくてもよいのである。
10:本体 12:シャンク 14:チップ 16:切欠(主溝) 18:カートリッジ 20:六角穴付き皿ボルト 22:六角穴付きボルト 30:クーラント主溝 32:クーラント縦溝 34:クーラント主供給路 36:クーラント分岐路 38:連通パイプ L:軸線 OS:外周面(本体の) IS:内周面(穴の) D:本体外周径 d:突出代(チップの)
Claims (8)
- 円筒形状をなす鋼製の本体と、その本体と一体とされてその本体から軸線方向に延び出すシャンクと、前記本体の外周部に設けられた切れ刃とを備え、前記本体の外周面の少なくとも一部を当接させつつ前記切れ刃によって穴の内周面のボーリング加工を行うためのボーリング工具であって、
前記本体の外周面に、超硬物質の皮膜が設けられたボーリング工具。 - 前記超硬物質が、超硬合金、セラミック、サーメットのうちの一種である請求項1に記載のボーリング工具。
- 前記超硬物質の皮膜が、前記本体の外周の30%以上となる範囲に設けられている請求項1または請求項2に記載のボーリング工具。
- 前記切れ刃の径方向の先端の、前記本体の外周面からの突出代が、0.02mm以下とされている請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のボーリング工具。
- 前記切れ刃が、交換可能に前記本体に取り付けられたチップによって構成されている請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載のボーリング工具。
- 前記本体が、外周面において周方向に延びるように形成された溝と、その溝に当該本体の内部からクーラントを供給するためのクーラント供給路を有する請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載のボーリング工具。
- 前記溝が、周方向に対して傾斜して形成されている請求項6に記載のボーリング工具。
- 前記本体の外周面に、それぞれが前記溝となる複数条の溝が軸線方向に並んで形成されている請求項6または請求項7に記載のボーリング工具。
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