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JP2017112705A - 永久磁石式回転電機及びその製造方法 - Google Patents

永久磁石式回転電機及びその製造方法 Download PDF

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JP2017112705A JP2015244768A JP2015244768A JP2017112705A JP 2017112705 A JP2017112705 A JP 2017112705A JP 2015244768 A JP2015244768 A JP 2015244768A JP 2015244768 A JP2015244768 A JP 2015244768A JP 2017112705 A JP2017112705 A JP 2017112705A
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聡 今盛
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Abstract

【課題】風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機及びその製造方法を提供する。【解決手段】永久磁石式回転電機1において、回転子コア21は、1つの磁極22あたり、並べて配置された複数の磁石スロット23と、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27とを備える。2つの連通路27の各々に、各連通路27の幅を狭める突出部29a,29bを形成し、突出部29a,29bの一部もしくは全部が非磁性部となっている。【選択図】図2

Description

本発明は、永久磁石式回転電機及びその製造方法に関する。
永久磁石式回転電機は、誘導機などと比較して高トルク・高効率であることが知られており、近年その用途が拡大している。永久磁石式回転電機の中でもEV(Electric Vehicle)やHEV(Hybrid Electric Vehicle)の主機として用いられる電動機は、小型で大出力を得るために高速回転領域で使用されることが増えてきている。
永久磁石式回転電機を例えば20000rpm程度の高速回転領域で使用する場合、第一に問題となるのが回転子の破損である。
表面磁石型の回転電機の場合、永久磁石は接着剤で回転子コアに貼り付ける方法が一般的であるが、接着剤のみでは到底遠心力に耐えることができず、永久磁石が剥がれてしまう可能性が高い。そこで、磁石外周にバインドを巻き付けるという補強手法が考えられている。しかし、磁石外周にバインドを巻き付けると、磁気回路的なギャップが広がってトルクが低下してしまう。
その一方、埋込磁石型の回転電機の場合、永久磁石は回転子コアの内部に形成された磁石スロット内に配置される。一般的に、埋込磁石型の回転電機の回転子コアには、1極あたり複数の磁石スロットを形成し、各磁石スロット内に永久磁石が配置される。そして、回転子コアは、磁石スロットの外側に形成される外周縁部と、磁石スロットの内側に形成される芯部とを備えている。外周縁部及び芯部は、隣接する磁石スロット間に形成される1つ又は複数のセンタブリッジと、最も端の2つの磁石スロットの、センタブリッジと反対側の縁に形成される2つのサイドブリッジとにより繋がっている。このため、埋込磁石型の回転電機において、磁石スロット内に配置される永久磁石は、センタブリッジとサイドブリッジとにより支えられているので、高速回転領域では埋込磁石型の回転電機の方が表面磁石型の回転電機よりも適しているといえる。
ここで、高速回転かつ大径の回転電機で発生する強大な遠心力に耐えるためには、前述の1極あたり2つのサイドブリッジのみならず、1つ又は複数のセンタブリッジによって遠心力を分散させ、かつ各ブリッジの幅を広くすることで遠心力に耐えられる構造とする必要がある。このようにブリッジの数を増やしたり幅を広げたりすると、各ブリッジを介して永久磁石からの磁束が漏れ、容易に高トルク化を実現することはできない。すなわち、各ブリッジにおける磁束漏れ低減と耐遠心力の向上を両立させることが高速回転の埋込磁石型回転電機の課題の1つである。
この課題に対して、特許文献1では、サイドブリッジをなくす構成を採用し、前述の課題を解決している。つまり、最も端の2つの磁石スロットが回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通し、外周縁部及び芯部が1つのセンタブリッジのみによって繋がるようにしている。このように、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させると、各連通路の部分は空気となり、比透磁率は1となるため、ブリッジにおける磁束漏れを低減することができる。また、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させると、耐遠心力をも向上させることができる。これは、永久磁石をセンタブリッジのみで支えなくてはならないことを意味するため、一見矛盾しているようであるが、次のように説明することができる。
回転子コアとシャフトは焼きばめによって固定することが一般的である。焼きばめを行うと、回転子コアの内部には周方向に引張応力が発生する。高速回転時に発生する遠心力はこの焼きばめによって発生する引張応力に上乗せされるため、遠心力と焼きばめによって発生する引張応力の和が回転子コアの強度限界を超えないように設計する必要がある。しかも、高速回転に耐えられるように焼きばめシロを大きく設定すると、それに従って引張応力も増加する。ところが、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させると、磁石スロットの外側に形成された外周縁部は、回転軸を中心とした円周の一部が切れているために変形が可能となり、焼きばめによる応力を逃がすことができる。つまり、磁石スロットよりも外側で焼きばめによる引張応力がほとんど発生しなくなるため、遠心力にのみ耐えることができればよい状況となる。このため、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させると、強度的な問題は解決できる。
以上より、サイドブリッジをなくす構成を採用し、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させる構成を採用した埋込磁石型の永久磁石式回転電機は、高速回転用途として適しているといえる。
国際公開第2014/122947号
しかしながら、従来の特許文献1に示した永久磁石式回転電機などの、サイドブリッジをなくす構成を採用し、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させる構成を採用した埋込磁石型の永久磁石式回転電機にあっては、以下の問題点があった。
即ち、かかる構成を採用した埋込磁石型の永久磁石式回転電機において、漏れ磁束を十分に低減するためには各連通路の幅を比較的大きくする必要がある。これは、各連通路の幅が狭いと、各連通路の比透磁率1の空気部分の磁気抵抗がさほど大きくならず、結局、磁束が漏れてしまうためである。
一方、各連通路の幅が大きいと、高速回転時に過大な風損が発生するという問題が生じる。風損は、回転子と固定子のギャップ付近における回転子の回転時に固定子と回転子との間に発生する空気の流れや摩擦によって発生する機械的な損失であり、一般に回転速度の3〜4乗に比例して増加していく。そのため、一般産業用の低速回転モータで風損が問題となることはほとんどないのに対し、例えば、20000rpm程度の高速回転モータでは風損の影響が無視できなくなることが多い。また、回転子と固定子のギャップ部分が真円同士の二重円筒構造になっていないと乱流が発生し、風損がさらに増加してしまう。風損が増加すると、効率が低下するのはもちろん、ギャップ部分の過熱により絶縁破壊や永久磁石の減磁などから故障を引き起こす可能性もある。
従って、本発明はこの従来の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る永久磁石式回転電機は、内周面が円筒状に形成される円筒状の固定子コア及び該固定子コアに設けられた複数のティースの各々に巻回された複数の巻線を備えた固定子と、前記固定子コアの内周側に所定のギャップを隔てて対向して回転自在に配置される回転子とを備え、該回転子が、外周面が円筒状に形成されて前記固定子コアの内周側に回転自在に配置される回転子コアであって、1つの磁極あたり、並べて配置された複数の磁石スロットと、複数の磁石スロットの外側に形成された外周縁部と、複数の磁石スロットの内側に形成された芯部と、隣接する磁石スロット間に形成され、前記外周縁部と前記芯部とを繋ぐ1つ又は複数のセンタブリッジと、最も端の2つの磁石スロットを前記回転子コアの外周面にそれぞれ連通させる2つの連通路とを備えた回転子コアと、前記複数の磁石スロットの各々内に配置された複数の永久磁石と、前記回転子コアに固定されたシャフトとを備え、前記2つの連通路の各々に、各連通路の幅を狭める突出部を形成し、該突出部の一部もしくは全部が非磁性部となっていることを要旨とする。
また、本発明の別の態様に係る永久磁石式回転電機の製造方法は、内周面が円筒状に形成される円筒状の固定子コアを形成する工程と、該固定子コアに設けられた複数のティースの各々に複数の巻線を巻回する工程と、外周面が円筒状に形成される回転子コアであって、1つの磁極あたり、並べて配置された複数の磁石スロットと、複数の磁石スロットの外側に形成された外周縁部と、複数の磁石スロットの内側に形成された芯部と、隣接する磁石スロット間に形成され、前記外周縁部と前記芯部とを繋ぐ1つ又は複数のセンタブリッジと、最も端の2つの磁石スロットを前記回転子コアの外周面にそれぞれ連通させる2つの連通路と、該2つの連通路の各々に形成された、各連通路の幅を狭める突出部とを備えた回転子コアを形成する工程と、前記回転子コアにシャフトを固定する工程と、前記回転子コアを前記固定子コアの内周側に回転自在に配置する工程とを備え、前記回転子コアを形成する工程が、複数の板材を準備する板材準備工程と、前記複数の板材の各々に対して、外周面を円形にするとともに、前記シャフトが嵌め込まれる孔、前記複数の磁石スロットが形成される孔及び前記2つの連通路の各々に前記突出部を形成する孔を形成する板材加工工程と、前記複数の板材の各々の前記突出部に対応する部分の一部もしくは全部に非磁性化を行って複数の非磁性部を形成する非磁性化工程と、前記複数の板材を、前記シャフトが嵌め込まれる孔、前記複数の磁石スロットが形成される孔及び前記2つの連通路の各々に前記突出部を形成する孔が積層方向に整列するように、積層して固定する板材積層工程とを含むことを要旨とする。
本発明に係る永久磁石式回転電機及びその製造方法によれば、風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロットを回転子コアの外周面にそれぞれ連通路で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機及びその製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る永久磁石式回転電機の概略構成を示す断面図である。 図1に示す永久磁石式回転電機における回転子の1つの磁極の部分の断面図である。 図1に示す永久磁石式回転電機の変形例における回転子の1つの磁極の部分の断面図である。 第1参考例に係る永久磁石式回転電機における回転子の1つの磁極の部分の断面図である。 第2参考例に係る永久磁石式回転電機における回転子の1つの磁極の部分の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係永久磁石式回転電機は、図1に示されており、永久磁石式回転電機1は、4極24スロットの埋込磁石型同期電動機である。なお、本発明は、磁極の数やスロット数、その他の各部分の寸法などによって何ら制約を受けるものではない。
永久磁石式回転電機1は、図1に示すように、固定子10と、この固定子10の内周側に所定のギャップGを隔てて対向して回転自在に配置された回転子20とを備えている。
ここで、固定子10は、円筒状のフレーム2と、フレーム2の内周側に配置された内周面11aが円筒状に形成された円筒状の固定子コア11とを備えている。固定子コア11の内周面11a側には、円周方向に等間隔で形成された24個のスロット12及び24個のティース13が形成される。各ティース13には、スロット12内に巻装された巻線14が巻回されている。
また、回転子20は、積層鉄心で形成され、外周面21aが円筒状に形成された円筒状の回転子コア21と、この回転子コア21に円周方向に等間隔で設けられた4つの磁極22とを備えている。回転子20は、回転子コア21の中心部に嵌挿固定されたシャフト3によって回転する。
回転子コア21は、1つの磁極22あたり、図2に示すように、2つの磁石スロット23と、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24と、2つの磁石スロット23の内側に設けられた芯部25と、隣接する磁石スロット23間に形成され、外周縁部24及び芯部25を繋ぐ1つのセンタブリッジ26とを備えている。2つの磁石スロット23は、それら2つの磁石スロット23間の中心C2と、回転子コア21(芯部25)の中心C1とを結ぶ線L1に対し、中心C2が線上にある2つの磁石スロット23の幅方向の中心線L2が垂直となるように、並べて配置されている。各磁石スロット23は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する略矩形状の貫通孔で形成される。
そして、各磁石スロット23内には直方体形状の永久磁石28が配置されて固定されている。従って、1つの磁極22あたり、2つの永久磁石28が前述の2つの磁石スロット23の配置形態で並べて配置されている。この2つの永久磁石28の磁極は、隣り合う磁極22における永久磁石28の磁極と異なるように配置される。
また、回転子コア21において、最も端の2つの磁石スロット23(本実施形態の場合、2つの磁石スロットのみ)を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27が形成されている。即ち、一方(図2において、左斜め上)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から上方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27と、他方(図2において、右斜め下)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から右方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27とが形成されている。各連通路27は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する。また、各連通路27は、各磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から回転子コア21の外周面21aに向けて直線状に延び、後述する一対の突出部29a,29bを形成しない状態での幅Hは、各磁石スロット23の幅H1よりもやや小さい程度である。
そして、各連通路27には、図2に示すように、前述の各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bが形成されている。一対の突出部29a,29bは、連通路27の両壁部から突出するとともに連通路27が延びる方向に沿って延び、互いに対向する一対の突出部29a,29b間の幅hは、一対の突出部29a,29bを形成しない場合の連通路27の幅Hよりも狭くなっている。つまり、互いに対向する一対の突出部29a,29b間の幅hは、各磁石スロット23の幅H1よりも大幅に小さい。ここで、互いに対向する一対の突出部29a,29bは、連通路27の両壁部を構成する回転子コア21の壁面から上方から見た形状が長方形状に突出し、連通路27に沿う方向の長さは、連通路27の長さとほぼ同一となっている。また、各突出部29a,29bは、回転子コア21の軸方向の両端にまで延びている。
このように、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを形成することにより、各連通路27の幅Hを狭めない場合よりも風損を減少させることができる。また、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを形成することにより、回転子コア21の外周面21aを、一対の突出部29a,29bを形成しない場合よりも真円に近づけることができ、回転子コア21と固定子コア11のギャップGの部分が真円同士の二重円筒構造に近づけることができ、乱流の発生を極力抑制して風損の増大を防ぐことができる。
そして、一対の突出部29a,29bのうち少なくとも一方の一部もしくは全部は、非磁性化された非磁性部となっている。各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを形成することにより、各連通路27の幅Hが狭くなり、各連通路27の空気部分の比透磁率1の部分の幅が狭くなるため、各連通路27の幅Hを狭めない場合より各永久磁石28からの磁束の漏れが大きくなる。しかし、一対の突出部29a,29bのうち少なくとも一方の一部もしくは全部を非磁性部としているため、各永久磁石28から一対の突出部29a,29bを介して漏れる磁束の量を低減することができる。このため、各連通路27の幅Hを狭めない場合と同等に磁束漏れを低減することができる。磁束漏れを回避する観点からは、一対の突出部29a,29bの双方の全部が非磁性部となっていることが好ましい。
ここで、非磁性部を規定する「非磁性」の意味は、常磁性、反磁性及び反強磁性のすべてを含む意であり、いわゆる弱磁性をも含む意である。
なお、各連通路27の幅を狭くしても各連通路27は残っているので、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24は、回転子コア21の中心C1を中心とした外周面21aの一部が切れているために変形が可能となり、シャフト3の焼きばめによる応力を逃がすことができる。このため、回転子コア21における強度的な問題は解決できる。
従って、本実施形態に係る永久磁石式回転電機1によれば、風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通路27で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機1を提供することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る永久磁石式回転電機の変形例を図3を参照して説明する。図3は、図1に示す永久磁石式回転電機の変形例における回転子の1つの磁極の部分の断面図である。図3において、図2に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
図3に示す永久磁石式回転電機の変形例においては、図1に示す永久磁石式回転電機と同様に、回転子コア21において、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27が形成されている。即ち、一方(図3において、左斜め上)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から上方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27と、他方(図3において、右斜め下)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から右方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27とが形成されている。各連通路27は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する。また、各連通路27は、各磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から回転子コア21の外周面21aに向けて直線状に延び、後述する1つの突出部29aを形成しない状態での幅Hは、各磁石スロット23の幅H1よりもやや小さい程度である。
そして、各連通路27には、図1に示す永久磁石式回転電機1と異なり、図3に示すように、前述の各連通路27の幅Hを狭める1つの突出部29aが形成されている。突出部29aは、連通路27の一方の壁部から突出するとともに連通路27が延びる方向に沿って延び、突出部29aと連通路27の対向する壁部との間の幅hは、1つの突出部29aを形成しない場合の連通路27の幅Hよりも狭くなっている。つまり、突出部29aと連通路27の壁部との幅hは、各磁石スロット23の幅H1よりも大幅に小さい。ここで、突出部29aは、連通路27の一方の壁部を構成する回転子コア21の壁面から上方から見た形状が長方形状に突出し、連通路27に沿う方向の長さは、連通路27の長さとほぼ同一となっている。また、突出部29aは、回転子コア21の軸方向の両端にまで延びている。なお、本変形例における突出部29aと連通路27の壁部との間の幅hは、図2に示す互いに対向する一対の突出部29a,29b間の幅hとほぼ同一である。
このように、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭める突出部29aを形成することにより、各連通路27の幅Hを狭めない場合よりも風損を減少させることができる。また、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭める突出部29aを形成することにより、回転子コア21の外周面21aを、突出部29aを形成しない場合よりも真円に近づけることができ、回転子コア21と固定子コア11のギャップGの部分が真円同士の二重円筒構造に近づけることができ、乱流の発生を極力抑制して風損の増大を防ぐことができる。
そして、突出部29aの一部もしくは全部は、非磁性化された非磁性部となっている。各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭める突出部29aを形成することにより、各連通路27の幅Hが狭くなり、各連通路27の空気部分の比透磁率1の部分の幅が狭くなるため、各連通路27の幅Hを狭めない場合より各永久磁石28からの磁束の漏れが大きくなる。しかし、突出部29aの一部もしくは全部を非磁性部としているため、各永久磁石28から突出部29aを介して漏れる磁束の量を低減することができる。このため、各連通路27の幅Hを狭めない場合と同等に磁束漏れを低減することができる。磁束漏れを回避する観点からは、突出部29aの全部が非磁性部となっていることが好ましい。
なお、各連通路27の幅を狭くしても各連通路27は残っているので、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24は、回転子コア21の中心C1を中心とした外周面21aの一部が切れているために変形が可能となり、シャフト3の焼きばめによる応力を逃がすことができる。このため、回転子コア21における強度的な問題は解決できる。
従って、本変形例に係る永久磁石式回転電機によれば、風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通路27で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機1を提供することができる。
ここで、第1参考例に係る永久磁石式回転電機について、図4を参照して説明する。
第1参考例に係る永久磁石式回転電機における回転子コア21は、1つの磁極22あたり、図4に示すように、2つの磁石スロット23と、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24と、2つの磁石スロット23の内側に設けられた芯部25と、隣接する磁石スロット23間に形成され、外周縁部24及び芯部25を繋ぐセンタブリッジ26とを備えている。2つの磁石スロット23は、それら2つの磁石スロット23間の中心C2と、回転子コア21(芯部25)の中心C1とを結ぶ線L1に対し、中心C2が線上にある2つの磁石スロット23の幅方向の中心線L2が垂直となるように、並べて配置されている。各磁石スロット23は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する略矩形状の貫通孔で形成される。
そして、各磁石スロット23内には直方体形状の永久磁石28が配置されて固定されている。従って、1つの磁極22あたり、2つの永久磁石28が前述の2つの磁石スロット23の配置形態で並べて配置されている。この2つの永久磁石28の磁極は、隣り合う磁極22における永久磁石28の磁極と異なるように配置される。
一方、この第1参考例に係る永久磁石式回転電機の場合、回転子コア21には、本実施形態の永久磁石式回転電機と異なり、最も端の2つの磁石スロット23(第1参考例の場合、2つの磁石スロットのみ)を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路が形成されておらず、一方(図4において、左斜め上)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部に外周縁部24と芯部25とを繋ぐサイドブリッジ30が設けられ、他方(図4において、右斜め下)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部にも外周縁部24と芯部25とを繋ぐサイドブリッジ30が設けられている。
このように、第1参考例に係る永久磁石式回転電機の場合には、磁石スロット23内に配置される永久磁石28は、センタブリッジ26とサイドブリッジ30とにより支えられているので、高速回転かつ大径の回転電機で発生する強大な遠心力に耐えることができる。
しかし、各永久磁石28からの磁束がサイドブリッジ30を介して漏れてしまう問題がある。
これに対して、図5に示す第2参考例に係る永久磁石式回転電機の場合には、各永久磁石28からの磁束がサイドブリッジ部分を介して漏れる問題を解決することができる。
即ち、第2参考例に係る永久磁石式回転電機における回転子コア21は、1つの磁極22あたり、図5に示すように、2つの磁石スロット23と、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24と、2つの磁石スロット23の内側に設けられた芯部25と、隣接する磁石スロット23間に形成され、外周縁部24及び芯部25を繋ぐセンタブリッジ26とを備えている。2つの磁石スロット23は、それら2つの磁石スロット23間の中心C2と、回転子コア21(芯部25)の中心C1とを結ぶ線L1に対し、中心C2が線上にある2つの磁石スロット23の幅方向の中心線L2が垂直となるように、並べて配置されている。各磁石スロット23は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する略矩形状の貫通孔で形成される。
そして、各磁石スロット23内には直方体形状の永久磁石28が配置されて固定されている。従って、1つの磁極22あたり、2つの永久磁石28が前述の2つの磁石スロット23の配置形態で並べて配置されている。この2つの永久磁石28の磁極は、隣り合う磁極22における永久磁石28の磁極と異なるように配置される。
また、回転子コア21において、最も端の2つの磁石スロット23(第2参考例の場合、2つの磁石スロットのみ)を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27が形成されている。即ち、一方(図5において、左斜め上)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から上方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27と、他方(図5において、右斜め下)の磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から右方に延びて回転子コア21の外周面21aに連通する連通路27とが形成されている。各連通路27は、回転子コア21の軸方向の両端にまで貫通する。また、各連通路27は、各磁石スロット23のセンタブリッジ26とは反対側の端部から回転子コア21の外周面21aに向けて直線状に延び、その幅Hは、各磁石スロット23の幅H1よりもやや小さい程度である。
このように、第2参考例に係る永久磁石式回転電機の場合、回転子コア21において、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27が形成されている。そして、各連通路27の幅Hが各磁石スロット23の幅H1よりもやや小さい程度に形成される。このため、各連通路27の部分は空気となり、比透磁率は1となるため、サイドブリッジにおける磁束漏れを低減することができる。
しかし、第2参考例に係る永久磁石式回転電機の場合には、各連通路27の幅Hが大きいため(本実施形態の場合と比べて一対の突出部29a,29bが形成されていない分大きい、変形例と比べて1つの突出部29aが形成されていない分大きい)、高速回転時に過大な風損が発生するという問題が生じる。また、回転子コア21と固定子コアのギャップ部分が連通路27の存在によって真円同士の二重円筒構造とはならないため、乱流が発生し、風損がさらに増加してしまう問題がある。
これに対して、本実施形態の永久磁石式回転電機及び変形例の永久磁石式回転電機の場合、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを、あるいは各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭める1つの突出部29aを形成することにより、各連通路27のHを狭めない場合よりも風損を減少させることができる。また、各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを、あるいは各連通路27に、各連通路27の幅Hを狭める1つの突出部29aを形成することにより、回転子コア21の外周面21aを、一対の突出部29a,29bを、あるいは1つの突出部29aを形成しない場合よりも真円に近づけることができ、回転子コア21と固定子コア11のギャップGの部分が真円同士の二重円筒構造に近づけることができ、乱流の発生を極力抑制して風損の増大を防ぐことができる。
また、本実施形態の永久磁石式回転電機の場合、一対の突出部29a,29bのうち少なくとも一方の一部もしくは全部が非磁性化された非磁性部となっており、変形例の永久磁石式回転電機の場合、1つの突出部29aの一部もしくは全部が非磁性化された非磁性部となっている。このため、各永久磁石28から一対の突出部29a,29bあるいは1つの突出部29aを介して漏れる磁束の量を低減することができる。これにより、各連通路27の幅を狭めない場合と同等に磁束漏れを低減することができる。
次に、図1に示す本実施形態に係る永久磁石式回転電機1の製造方法について説明する。
永久磁石式回転電機1の製造に際し、先ず、固定子10を製造する。
固定子10の製造工程は、内周面11aが円筒状に形成される円筒状の固定子コア11を形成する工程(固定子コア形成工程)と、固定子コア11に設けられた複数のティース13の各々に複数の巻線14を巻回する工程(巻線巻回工程)とを含む。
ここで、固定子コア形成工程では、軟磁性材料からなる板材を複数のティース13を形成する部分を有する所定の2次元形状にプレス加工して打ち抜き、これを必要な枚数だけ積層してカシメや溶接によって積層方向に固定する。これにより、固定子コア11は形成される。軟磁性材料からなる板材としては、例えば、無方向性電磁鋼板が挙げられる。固定子コア11の形成に際し、軟磁性フェライト材を所定の3次元形状にプレスし、焼結してもよい。
そして、巻線巻回工程では、巻線14の素材として、導電性を有し、表面が絶縁されているものを準備する。例えば、巻線14の素材として、一般的に使用されるマグネットワイヤが好適である。そして、巻線14の巻線方式は、図1に示す24スロットの場合には、分布巻方式を使用する。
そして、巻線巻回工程の後に、フレーム2によって固定子コア11を固定する。以上により、固定子10は製造される。
次に、回転子20を製造する。
回転子20の製造工程は、回転子コア21を形成する工程(回転子コア形成工程)と、回転子コア21にシャフト3を固定する工程(シャフト固定工程)とを備えている。
回転子コア形成工程は、外周面21aが円筒状に形成される回転子コア21であって、1つの磁極22あたり、並べて配置された2つの磁石スロット23と、2つの磁石スロット23の外側に形成された外周縁部24と、2つの磁石スロット23の内側に形成された芯部25と、隣接する磁石スロット23間に形成され、外周縁部24と芯部25とを繋ぐ1つのセンタブリッジ26と、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通させる2つの連通路27とを備えた回転子コア21を形成するものである。
そして、この回転子コア形成工程においては、複数の板材(図示せず)を準備する工程(板材準備工程)と、複数の板材の各々に対して、外周面を円形とするとともに、シャフト3が嵌め込まれる孔、2つの磁石スロット23が形成される孔及び2つの連通路27の各々に一対の突出部29a,29bを形成する孔を形成する工程(板材加工工程)と、複数の板材の各々の一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部に非磁性化を行って複数の非磁性部を形成する工程(非磁性化工程)と、複数の板材を、シャフト3が嵌め込まれる孔、複数(本実施形態にあっては2つ)の磁石スロット23が形成される孔及び2つの連通路27の各々に一対の突出部29a,29bを形成する孔が積層方向に整列するように、積層して固定する工程(板材積層工程)とを含んでいる。
ここで、板材準備工程では、回転子コア21の素材となるマルテンサイト系ステンレス材からなる板材を複数枚準備する。板材としては、マルテンサイト系のステンレス材の他に珪素鋼板を用いることも可能である。但し、珪素鋼板を用いる場合には、非磁性化処理を行う際に改質物質の使用が必要となる。板材の板厚は、渦電流損を低減するという観点から0.35mm〜0.65mm程度まで薄くすることが好ましい。ステンレス材は、表面に酸化層が存在するため板間の絶縁はある程度取れているものの、渦電流損を確実に低減するために表面に無機もしくは有機物による絶縁コーティングを施してもよい。マルテンサイト系のステンレス材はフェライト相中に炭化物が分散した組織となっている焼きなまし状態で使用すると比較的軟磁気特性が高く、回転電機の高トルク化に寄与することができる。
次に、板材加工工程では、複数の板材の各々に対して、回転子コア21の外周面21aとなる外周面を円形とするとともに、シャフト3が嵌め込まれる孔、2つの磁石スロット23が形成される孔及び前述の2つの連通路27の各々に一対の突出部29a,29bを形成する孔を形成する。板材の加工は、プレスによる打ち抜きの他にワイヤカットなどを挙げることができる。2つの連通路27の各々に一対の突出部29a,29bを形成する孔については、一対の突出部29a,29b間の間隔を、回転時に空気の乱流を作らないようにするためになるべく狭くすることが好ましい。但し、あまり狭くし過ぎると、シャフト3の焼きばめ時や非磁性化処理時のわずかな変形によって一対の突出部29a,29bが接触してしまう可能性があるため、一対の突出部29a,29b間の間隔は例えば1〜2mm程度が理想的である。また、加工された各板材の外周面は真円でなくてもよいが、風損を可能な限り低減するとう観点では真円もしくは真円に近い形状が好ましい。
次に、非磁性化工程では、前述の加工を行った複数の板材の各々の一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部に非磁性化を行って複数の非磁性部を形成する。この非磁性化の手法は、簡便性などの観点からレーザ照射が最も好ましいが、局所的に加熱・急冷が可能な手法であれば何でも構わない。以下ではレーザ照射を行う場合について述べる。また、レーザ照射後に磁性が一部残る弱磁性化であっても本発明の効果は得られるが、レーザ照射時間を調整して十分に磁性を消失させる非磁性化を行うことが好ましい。
非磁性化を行う箇所は、各板材において、一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部である。磁束漏れを回避する観点からは、一対の突出部29a,29bに対応する部分の双方の全部が非磁性部となっていることが好ましいが、各連通路27における磁気抵抗を十分に増やせるのであれば、各板材において、一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち一方のみの一部もしくは全部に非磁性化を行ってもよい。また、レーザを照射する際は、非磁性化を行う箇所に一度に照射してもよいし、スポットの小さいレーザをスキャンしてもよい。また、レーザ照射後の急冷は、空冷で構わないが、必要に応じ水冷や油冷を行ってもよい。また、珪素鋼板を回転子コア21の板材の素材に用いる場合には、非磁性のオーステナイト相を安定化させるために、CrやCなどの改質物質の付与が必要である。具体的には、これらの物質を板材の表面に塗布してからレーザ照射をすればよい。ただし、この場合、レーザ照射時に改質物質を板材の内部に浸透させるには、少なくともレーザ照射部には絶縁コーティングを施さないほうがよい。
次に、板材積層工程では、前述の非磁性化を行った複数の板材を、シャフト3が嵌め込まれる孔、2つの磁石スロット23が形成される孔及び2つの連通路27の各々に一対の突出部29a,29bを形成する孔が積層方向に整列するように、積層して固定する。積層した板材同士の結着は、カシメや溶接によって行うことができる。これにより、回転子コア21が製造される。
この後に行うシャフト固定工程では、回転子コア21の、シャフト3が嵌め込まれる孔にシャフト3を固定する。この際に、シャフト3を回転子コア21に焼きばめによって固定する。また、シャフト3を回転子コア21に固定した後、各磁石スロット23に永久磁石28を挿入し、接着剤により永久磁石28を固定する。そして、永久磁石28の着磁を行う。これにより、回転子20が製造される。
最後に、回転子20が製造されたならば、回転子コア21を図示しない軸受を介して固定子コア11の内側に回転自在に配置する(回転子コア配置工程)。これにより、永久磁石式回転電機1が製造される。
また、図3に示す変形例に係る永久磁石式回転電機の場合には、板材加工工程において、複数の板材の各々に対して、回転子コア21の外周面21aとなる外周面を円形とするとともに、シャフト3が嵌め込まれる孔、2つの磁石スロット23が形成される孔及び前述の2つの連通路27の各々に1つの突出部29aを形成する孔を形成する。また、非磁性化工程において、複数の板材の各々の突出部29aに対応する部分の一部もしくは全部に非磁性化を行って複数の非磁性部を形成する。それ以外の製造工程は、図1に示す本実施形態に係る永久磁石式回転電機1の製造方法と同様である。
以上説明したように、本実施形態に係る永久磁石式回転電機1、変形例に係る永久磁石式回転電機及びそれらの製造方法によれば、風損を大量に発生させずに漏れ磁束の低減と耐遠心力の向上を両立させた、最も端の2つの磁石スロット23を回転子コア21の外周面21aにそれぞれ連通路27で連通させる構成を採用した永久磁石式回転電機1及びその製造方法を提供できる。
また、複数の板材の各々の一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部に行う非磁性化及び複数の板材の各々の突出部29aに対応する部分の一部もしくは全部に行う非磁性化は、非磁性化を行う箇所にレーザ照射によって局所的に加熱するともに当該箇所を急冷することにより行う。これにより、非磁性化をしたい箇所のみにレーザを照射することで容易に局所的な非磁性化を達成することができる。なお、一般的に鉄心の局所的非磁性化には高周波加熱などの手法も存在するが、サイドブリッジを切り離した複雑な構造、即ち、各連通路27に各連通路27の幅を狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bを形成した構造あるいは各連通路27に各連通路27の幅を狭める1つの突出部29aを形成した構造をしていると、非磁性化を行いたい箇所のみに高周波加熱による電流を集中させることは困難である。
また、回転子コア21を構成する複数の板材の各々の素材として、マルテンサイト系のステンレス材を用いている。マルテンサイト系のステンレス材は、加熱・急冷するだけでオーステナイト化されるため、比較的容易に磁性を消失もしくは弱めることができる。仮に、前述したように、珪素鋼板などを回転子コア21を構成する複数の板材の素材として用いた場合には、非磁性化を達成するために、CrやCなどの改質物質を塗布する必要があり、非磁性化工程が複雑になってしまう。なお、マルテンサイト系のステンレス材はCrを多量に含むために電気抵抗が高く、板厚が同等の場合は電磁鋼板と比較して遜色のない渦電流損特性を示すため、回転子コア21の中で非磁性化を行わない部分に求められる特徴をも有している。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、各連通路27の幅を狭める突出部は、図2に示す各連通路27の幅Hを狭めるように互いに対向する一対の突出部29a,29bあるいは図3に示す各連通路27の幅Hを狭める1つの突出部29aに限らず、各連通路27の幅を狭めるものであればその数は問わない。そして、各連通路27の幅を狭める突出部の一部あるいは全部が非磁性部となっていればよい。
また、回転子コア21は、1つの磁極22あたり、2つの磁石スロット23を並べて配置しているが、3つ以上の磁石スロット23を並べて配置してもよい。この場合、隣接する磁石スロット23間のセンタブリッジ26は2つ以上となる。
また、1つのセンタブリッジの26の一部もしくは全部が、前述の場合、2つ以上のセンタブリッジ26の一部もしくは全部が非磁性部となっていてもよい。これにより、各永久磁石28からのセンタブリッジ26を介しての磁束漏れを抑制し、より一層の高トルク化を図ることができる。
そして、1つ又は複数のセンタブリッジの26の一部もしくは全部を非磁性部とする場合には、前述の非磁性化工程において、複数の板材の各々の一対の突出部29a,29bに対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部に非磁性化を行うのみならず、複数の板材の各々の1つ又は複数のセンタブリッジ26に対応する部分の一部もしくは全部に非磁性化を行えばよい。
1 永久磁石式回転電機
2 フレーム
3 シャフト
10 固定子
11 固定子コア
11a 内周面
13 ティース
14 巻線
20 回転子
21 回転子コア
21a 外周面
22 磁極
23 磁石スロット
24 外周縁部
25 芯部
26 センタブリッジ
27 連通路
28 永久磁石
29a,29b 突出部
G ギャップ

Claims (8)

  1. 内周面が円筒状に形成される円筒状の固定子コア及び該固定子コアに設けられた複数のティースの各々に巻回された複数の巻線を備えた固定子と、前記固定子コアの内周側に所定のギャップを隔てて対向して回転自在に配置される回転子とを備え、
    該回転子が、外周面が円筒状に形成されて前記固定子コアの内周側に回転自在に配置される回転子コアであって、1つの磁極あたり、並べて配置された複数の磁石スロットと、複数の磁石スロットの外側に形成された外周縁部と、複数の磁石スロットの内側に形成された芯部と、隣接する磁石スロット間に形成され、前記外周縁部と前記芯部とを繋ぐ1つ又は複数のセンタブリッジと、最も端の2つの磁石スロットを前記回転子コアの外周面にそれぞれ連通させる2つの連通路とを備えた回転子コアと、前記複数の磁石スロットの各々内に配置された複数の永久磁石と、前記回転子コアに固定されたシャフトとを備え、
    前記2つの連通路の各々に、各連通路の幅を狭める突出部を形成し、該突出部の一部もしくは全部が非磁性部となっていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  2. 前記突出部は、各連通路の幅を狭めるように互いに対向する一対の突出部で構成され、該一対の突出部のうち少なくとも一方の一部もしくは全部が前記非磁性部となっていることを特徴とする請求項1に記載の永久磁石式回転電機。
  3. 前記1つ又は複数のセンタブリッジの一部もしくは全部が非磁性部となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の永久磁石式回転電機。
  4. 内周面が円筒状に形成される円筒状の固定子コアを形成する工程と、該固定子コアに設けられた複数のティースの各々に複数の巻線を巻回する工程と、外周面が円筒状に形成される回転子コアであって、1つの磁極あたり、並べて配置された複数の磁石スロットと、複数の磁石スロットの外側に形成された外周縁部と、複数の磁石スロットの内側に形成された芯部と、隣接する磁石スロット間に形成され、前記外周縁部と前記芯部とを繋ぐ1つ又は複数のセンタブリッジと、最も端の2つの磁石スロットを前記回転子コアの外周面にそれぞれ連通させる2つの連通路と、該2つの連通路の各々に形成された、各連通路の幅を狭める突出部とを備えた回転子コアを形成する工程と、前記回転子コアにシャフトを固定する工程と、前記回転子コアを前記固定子コアの内周側に回転自在に配置する工程とを備え、
    前記回転子コアを形成する工程が、複数の板材を準備する板材準備工程と、前記複数の板材の各々に対して、外周面を円形にするとともに、前記シャフトが嵌め込まれる孔、前記複数の磁石スロットが形成される孔及び前記2つの連通路の各々に前記突出部を形成する孔を形成する板材加工工程と、前記複数の板材の各々の前記突出部に対応する部分の一部もしくは全部に非磁性化を行って複数の非磁性部を形成する非磁性化工程と、前記複数の板材を、前記シャフトが嵌め込まれる孔、前記複数の磁石スロットが形成される孔及び前記2つの連通路の各々に前記突出部を形成する孔が積層方向に整列するように、積層して固定する板材積層工程とを含むことを特徴とする永久磁石式回転電機の製造方法。
  5. 前記突出部は、各連通路の幅を狭めるように互いに対向する一対の突出部で構成されており、前記板材加工工程では、前記複数の板材の各々に対して、前記2つの連通路の各々に前記一対の突出部を形成する孔を形成し、前記非磁性化工程では、前記複数の板材の各々の前記一対の突出部に対応する部分のうち少なくとも一方の一部もしくは全部に非磁性化を行うことを特徴とする請求項4に記載の永久磁石式回転電機の製造方法。
  6. 前記非磁性化工程において、前記複数の板材の各々の前記1つ又は複数のセンタブリッジに対応する部分の一部もしくは全部に非磁性化をも行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の永久磁石式回転電機の製造方法。
  7. 前記非磁性化は、非磁性化を行う箇所にレーザ照射によって局所的に加熱するともに前記箇所を急冷することにより行うことを特徴とする請求項4乃至6のうちいずれか一項に記載の永久磁石式回転電機の製造方法。
  8. 前記複数の板材の各々の素材として、マルテンサイト系のステンレス材を用いることを特徴とする請求項4乃至7のうちいずれか一項に記載の永久磁石式回転電機の製造方法。
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