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JP2002345189A - 永久磁石埋め込み同期電動機 - Google Patents

永久磁石埋め込み同期電動機

Info

Publication number
JP2002345189A
JP2002345189A JP2001141767A JP2001141767A JP2002345189A JP 2002345189 A JP2002345189 A JP 2002345189A JP 2001141767 A JP2001141767 A JP 2001141767A JP 2001141767 A JP2001141767 A JP 2001141767A JP 2002345189 A JP2002345189 A JP 2002345189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
permanent magnet
magnet
synchronous motor
conductive member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001141767A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichiro Yonekura
光一郎 米倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2001141767A priority Critical patent/JP2002345189A/ja
Publication of JP2002345189A publication Critical patent/JP2002345189A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】永久磁石に対する渦電流の集中を抑制し、熱損
失を低減する。 【解決手段】コイル部を形成したステータ2と、永久磁
石6を内部に埋め込んだロータ3を有する。永久磁石6
は各磁極がロータ内周に向かって凸となるU字型または
V字型に配置した対の磁石片6−1、6−2で構成さ
れ、これら磁石片のロータ外周に接近している部位には
スリット11が設けられる。渦電流の集中しやすい部分
にスリット11により抵抗を高めることで、渦電流の発
生を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は永久磁石をロータ内
部に埋め込んだ、永久磁石埋め込み同期電動機に関し、
とくにコイルをステ一タに集中巻し、永久磁石の磁束を
弱める方向に界磁を行い、その運転領域を拡大するよう
にした同期電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石をロータ内部に埋め込んで設置
した永久磁石埋め込み同期モータは、フレミングの左手
則によって生じるマグネットトルクのほか、ロ一タの磁
石のある部位と磁石の無い部位とのインダクタンスの差
によって生じるリラクタンストルクが利用でき、このた
め出力トルクが大きく、高効率であると一般に考えられ
ている。さらには永久磁石を弱める方向にコイル磁束を
作用させる、いわゆる弱め界磁を行うことにより、広範
囲な運転が可能で高出力化が可能で、これらにより近年
広く利用されつつある。
【0003】そのなかでも、とくにステータにコイルを
集中巻したモータは、分布巻したものと比較して小型化
が図れ、また製造工程が簡素化でき、低コストであるこ
とから注目されている。
【0004】しかしながら、反面、コイルを集中巻とす
ることで、ロータ回転時の鎖交磁束の変化が大きくなっ
てしまい、そのためロータ内部の永久磁石の磁束密度変
化が大きくなり、永久磁石内部に渦電流が生じて発熱、
減磁を生じる現象がある。
【0005】これを防止するために、例えば特開200
0−245085号に示されるようなものがある。
【0006】これはロータ内部に埋め込む永久磁石を複
数に分割し、なおかつその分割された磁石片を絶縁材で
コーティングするなどして電気的に絶縁することで渦電
流の発生を抑制し、永久磁石の発熱およびそれによって
生じる熱減磁を防止しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の構造において、渦電流の発生を効果的に抑制
するには、永久磁石を分割する際に、一つ一つ磁石片を
十分小さくする必要があった。このことはロータ磁極1
極を構成する磁石片の数を充分大きくする必要があると
いうことであり、磁石片の一つ一つに絶縁処理を施し、
その後に1極分の1つの磁石として構成するには、大幅
なコストの増加が避けられない。
【0008】さらには、分割数が多くなると、磁石片と
磁石片の間に介在する絶縁材料の占める体積が大きくな
り、そのため永久磁石の見かけの強さが低下し、磁石を
分割しない場合と比較して、モータのトルク、出力が低
下してしまうという問題点もあった。
【0009】本発明はこのような問題を解決することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、コイル部
を形成したステータと、永久磁石を内部に埋め込んだロ
ータとを有する同期電動機において、前記永久磁石は各
磁極がロータ内周に向かって凸となるU字型またはV字
型に配置した対の磁石片で構成され、これら磁石片のロ
ータ外周に接近している部位にはスリットが設けられて
いる。
【0011】第2の発明は、コイル部を形成したステー
タと、永久磁石を内部に埋め込んだロータとを有する同
期電動機において、前記永久磁石は各磁極がロータ内周
に向かって凸となるU字型またはV字型に配置した対の
磁石片で構成され、これら磁石片の外周には導電性部材
が配置されている。
【0012】第3の発明は、第2の発明において、前記
導電性部材は磁石片のロータ外周側の片表面に配置され
ている。
【0013】第4の発明は、第2の発明において、前記
導電性部材は磁石片のロータ外周側に近い先端部にのみ
配置されている。
【0014】第5の発明は、第4の発明において、前記
導電性材料と磁石片との間には空隙が設けらていれる。
【0015】第6の発明は、コイル部を形成したステー
タと、永久磁石を内部に埋め込んだロータとを有する同
期電動機において、前記永久磁石は各磁極がロータ内周
に向かって凸となるU字型またはV字型に配置した対の
磁石片で構成される一方、前記ロータのロータコアを積
層鋼板で構成し、この積層鋼板を固定する溶接部を、ロ
ータ外周上で前記磁石片が最もロータ外周側に接近して
いる部位とする。
【0016】
【作用・効果】第1の発明では、永久磁石の中で発生す
る渦電流が多く集中する、ロータ外周に最も近い部位に
スリットを設けることで、部分的に材料の電気抵抗を高
くしたのと同じ効果が得られ、これにより渦電流の発生
を抑制し、それに伴う熱損失を抑制することができる。
【0017】第2の発明では、永久磁石の外周面に導電
性部材を配置したので、ロータ内に発生する渦電流は導
電性部材の内部で最も多く発生することになる。導電性
部材に発生する渦電流は、その反磁界発生作用により、
内側にある永久磁石への磁界変化の浸透を抑制するの
で、永久磁石の内部の渦電流を小さくできる。導電性部
材には渦電流による損失が発生するが、導電性部材の体
積を永久磁石よりも充分小さくすることで、導電性部材
の発熱量を小さくし、その損失を低減することが可能と
なる。
【0018】第3の発明では、導電性部材を渦電流の発
生しやすいロータ外周面側のみに配置したので、導電性
部材の体積を少なくして、上記効果を更に高めることが
可能となる。
【0019】第4の発明では、導電性部材を永久磁石の
先端部に配置することで、より少ない部材で効果的に発
熱を抑制できる。
【0020】第5の発明では、導電性部材と永久磁石と
接触させないので、永久磁石の温度上昇を効果的に抑制
できる。
【0021】第6の発明では、ロータの積層鋼板の溶接
部位を特定することで、実質的に導電部材を配置したの
と同じ作用効果を得ることができ、構成の簡略化が図れ
る。
【0022】
【実施の形態】図1および図2は本発明の第1の実施形
態を示す。
【0023】図において、モータ1は、ステータ2とロ
一タ3から構成される。
【0024】ステ一タ2は複数枚の電磁鋼板を積層して
構成されるステ一タピース7のティース部7aに、コイ
ル8a,8bを集中巻したものを複数個、周方向に並べ
て固定することで構成される。
【0025】一方、ロ一タ3は、複数枚の電磁鋼板を積
層してなるロータコア4の内部にロータ回転軸心と平行
に複数の磁石挿入孔4aが設けられており、その中にそ
れぞれ一対の永久磁石片6−1と6−2を1極分の磁石
とする永久磁石6が、周方向に偶数個、等間隔に並べて
埋め込まれている。
【0026】ここで永久磁石6が偶数個である理由は、
隣り合う磁極の方向がそれぞれ異なるように永久磁石6
を配置する必要があるためで、永久磁石片6−1および
6−2がロータ外周方向に向かってN極が現れるように
なっているものとすると、その両側の隣の磁極の永久磁
石6はS極が外周側になるように着磁される。
【0027】そしてロータコア4はその中心部を貫通す
るシャフト5に固定されており、その回転力をシャフト
5から取り出せるようになっている。
【0028】この実施の形態では、永久磁石6の磁極数
が6で、ステ一タ2の極数が9の、いわゆる6極9スロ
ットのモータを例として挙げているが、本発明は他の組
合せの構成を有するモータであっても同じように適用で
きる。
【0029】図1のモータでは、ステータの極数が9で
あるので、周方向に2つおきの3つのコイルが直列また
は並列に接続されて1相分のコイルを形成している。あ
る3つのコイルをU相とすると、別の2つおきの3つの
コイルがV相で、さらに別の2つおき3つのコイルがW
相となり3相のコイルを構成する。
【0030】一方、ロータ3には永久磁石6が埋め込ま
れているd軸と、磁石が無い方向のq軸とがあり、一般
に永久磁石の透磁率はロータコア4を形成する鋼板に比
較して充分小さいので、ステ一タ2からの磁束はd軸方
向は通り難く、逆にq軸方向へは通り易くなっている。
したがって、d軸方向のインダクタンスとq軸方向のイ
ンダクタンスを比較した場合、d軸方向のインダクタン
スの方が小さくなっている。
【0031】そのため、前述のステータ2の3相のコイ
ルに、最適な電流を流すよう制御することで、磁石が発
生する磁束とコイルの発生する磁束の相互作用によって
生じるマグネットトルクのほかに、より磁気的に安定な
方向へ移行しようとするリラクタンストルクが作用する
ことになり、比較的大きなトルクを得られるようになっ
ているのである。
【0032】ここで、本発明の特徴は、ロ一タ3内部に
埋め込まれる永久磁石6の構成にある。
【0033】まず、永久磁石6の全体、または一部をロ
一タ外周へ接近させ、各磁極について、一対の永久磁石
片6−1と6−2とをロータ中心軸方向に向かって凸と
なるV字型またはU字型に配置する。
【0034】これによりロータ外周から比較的距離のあ
る磁極中心部(V字、U字の谷部)は、ステータ2から
の磁界の影響をあまり大きく受けず、その部分の磁束密
度変化は比較的小さく、発生する渦電流量も小さくな
る。
【0035】一方、ロータ外周に近い部位(V字、U字
の両端部)では、逆にステータ2からの磁界を大きく受
け、そのときの永久磁石内部での磁束密度変化も当然大
きくなる。そこで、図2(a)に示すように、磁石が最
もロ一タ外周に接近する端部付近に複数の互いに平行な
スリット11が、永久磁石片6−1、6−2の着磁方向
と平行に設けてある。
【0036】このような形状の永久磁石片6−1、6−
2をロータコア4に設けられた磁石挿入孔4aに挿入
し、ロータ3を構成することにより、磁石内渦電流の発
生を効果的に抑制することが可能になっている。
【0037】以下、この理由を説明する。
【0038】一般にステータに集中巻コイルを施した永
久磁石埋め込み同期モータにあっては、1つのコイルに
ついて複数のステータティースを挟むように巻回された
分布巻のモータと比較して、ロータが受けるステータか
らの磁束変化が極めて大きくなる特性がある。というの
は分布巻モータに比較して、集中巻モータはステータの
テイースの数が少なく、隣接するティースとの磁極間距
離が大きくなるとともに、隣接するティースは必ず異相
であるため、空間的な磁界分布が理想的な正弦波とかけ
離れた形状になってしまうためである。
【0039】そのため、理想的な同期モータでは、同期
回転するロータから見た磁界は一定であるのに対して、
集中巻モータでは、ロータに作用する磁界が大きく変化
することになる。さらに、運転速度領域を拡大する目的
で永久磁石の磁束を弱める方向にステータのコイルに電
流を流すように制御する、所謂弱め界磁制御を行う場合
においては、ロータ内の永久磁石には、その発生する磁
束を弱めようとする磁界が、上記のような理由により、
回転に従って大きな変動を伴って作用することになる。
【0040】このとき、永久磁石がロータの外周から比
較的遠い場所にある(磁石が奥まった位置に埋め込まれ
ている)場合には、ステータが発生する磁界と永久磁石
のそれとが作用しあう距離が充分あるため、直接永久磁
石の内部で起きる磁束密度の変化は比較的小さく抑えら
れることが知られている。しかし、このように磁石をロ
ータ外周から深くに埋め込んでしまうと、同一磁石のN
極とS極間や、あるいは隣接する他極の磁石との間でル
ープを構成してしまう磁束が多くなり、これらはロ一タ
内で完結してしまうため、ロータ表面に影響を及ぼさな
くなる。すなわち永久磁石が見かけ上、弱くなったのと
同じであり、そのためモータとして所望のトルク、出力
を得るためには永久磁石の体積を大きくするなどしなけ
ればならない。
【0041】そこで、本発明の形状のように永久磁石6
の全体、または一部をロ一タ外周へ接近させ、上述のよ
うな無効な磁束を極力減少させる必要が生じる。
【0042】このとき、各永久磁石6の一対の永久磁石
片6−1、6−2の配置形状を、ロータ中心軸方向に向
かって凸のV字型またはU字型とすれば、ロータ外周か
ら比較的距離のある磁極中心部であるV字、U字の谷部
は、ステ一タ2からの磁界の影響をあまり大きく受け
ず、その部分の磁束密度変化は比較的小さいため、発生
する渦電流量も小さくできる。
【0043】一方、ロータ外周に近い部位(V字、U字
の両端部)では、逆にステータ2からの磁界を大きく受
け、そのときの永久磁石内部での磁束密度変化も当然大
きくなる。
【0044】しかし、図2(a)のように、永久磁石片
6−1(6−2)の端部(V字端部に当たる)にスリッ
ト11を設けておくと、部分的に材料の電気抵抗を高く
したのと同じ効果があり、渦電流の発生を抑制し、それ
に伴う損失も抑制することが可能になるのである。
【0045】この場合、永久磁石6をその体積全てに亘
って分割、絶縁する必要はなく、本来渦電流が集中する
部位にのみスリット11を設ける構成としたため、比較
的低コストであり、また同じ体積中に占める磁石の割合
も大きくすることが可能になっている。
【0046】また、このときの磁石に設けるスリットの
形状は、図2(a)の方向だけに限らず、例えば同図2
(b)に示すように、垂直方向に複数のスリット11を
設けても同様の効果が期待できる。
【0047】次に他の実施の形態を説明する。
【0048】図3は本発明の第2の実施形態を示す図で
ある。
【0049】本実施形態では、前記した図1の実施形態
で示したような構造のロータ3において、永久磁石6の
外周表面に銅やアルミに代表されるような導電性の比較
的高い薄板材料からなる導電性部材12を設けている。
【0050】この場合、永久磁石片6−1、6−2に
は、図2で示したようなスリット11は設けても設けな
くても良い。また導電性部材12は永久磁石6とは別の
薄板部材で形成されるが、それとは異なり、永久磁石6
の表面に導電性のコーティングを施していもよい。ま
た、導電性部材13は永久磁石6に直接的取付けずに、
永久磁石6の外周面に沿って磁石挿入孔4aの内周面に
配置したりすることができる。
【0051】このような構成のロータ3を有するモータ
を駆動するとき、比較的回転が低い領域ではロータ3に
作用する磁界変化の速度(周波数)も低いため、渦電流
の影響はあまり問題にならない。
【0052】ただし、導電性部材12が非磁性材料であ
る場合には、その部分が永久磁石6から見た磁気回路上
に存在するエアギャップと同様になるため、その意味で
導電性部材12の厚さは極力薄い方が好ましい。またこ
の厚さは充分薄くても、渦電流の作用には周波数が高く
なるほど表面に集中して現れる表皮効果があるため、後
述する効果には悪影響は及ぼさない。
【0053】これに対してモータの運転速度が比較的高
くなると、ロータ3に作用する磁界変化の周波数も高く
なり、ロータ内に渦電流が発生する。ただし、永久磁石
6の外周面に導電性部材12が配置されるため、渦電流
はその内部で最も多く発生することになる。導電性部材
12の内部に発生する渦電流は、その反磁界発生作用に
より、それよりも内側にある永久磁石6への磁界変化の
浸透を抑制するので、永久磁石6の内部の渦電流はほと
んど問題とならなくなる。
【0054】逆に導電性部材12には渦電流による損失
が発生し、導電性部材12自体が発熱するが、その発熱
量(損失)は、導電性部材12の薄板の体積(図でいう
面積)を永久磁石6の体積よりも充分小さくしておくこ
とにより、導電性部材12が無い場合に永久磁石6に生
じる損失よりも小さくすることが可能となる。
【0055】図4に第3の実施形態を示す。
【0056】本実施形態では、図1の実施形態で示した
構造のロータ3において、永久磁石6のロータ外周側の
片側表面に沿って、銅やアルミなどの導電性の比較的高
い薄板材料からなる導電性部材13を配置している。
【0057】なお、導電性部材13は永久磁石6に直接
的取付けたり、あるいは永久磁石6の外周面に沿って磁
石挿入孔4aの内周面に配置したりすることができる。
【0058】導電性部材13が永久磁石6の片側表面に
のみあるので、低回転時に永久磁石6から見た磁気抵抗
を比較的小さくすることが可能で、モータのトルクの低
下を抑制できるとともに、前述の実施形態で説明したの
と同様に発熱による損失を低減する効果も得られる。
【0059】図5には第4の実施形態を示す。
【0060】モータが比較的低回転の領域においては、
導電性部材の厚さは極力薄い方が好ましいことは前述の
通りだが、その効果をさらに十分に発生させるために
は、導電性部材の体積を極めて小さくする必要がある。
【0061】そこで本実施形態では、V字型またはU字
型に配置した永久磁石片6−1、6−2のうち、最も渦
電流が発生する部位である、磁石がロータ外周に接近す
る両先端部の外周側にのみ導電性部材14を配置してい
る。
【0062】こうすることで、永久磁石6が発生する磁
束を殆ど損なうことなく、上記した渦電流による熱的損
失の抑制効果を高められるのである。
【0063】図6は第5の実施形態を示す図である。
【0064】本実施形態では、図5で示した実施形態に
おいて、導電性部材14と永久磁石6との間にエアギャ
ップ17を設け、互いに直接的に接触しないようにして
いる。こうすることで導電性部材14に渦電流が発生し
て発熱した際に、その熱は直接永久磁石6へ伝達される
ことなく、まずロータコア4に伝えられることになる。
さらにこの導電性部材14が設けられている部位はロー
タ3の外周に極めて近い部分であるので、ロータ3が回
転することによって、ロータ外周の空気によって効率的
に冷却されることが期待できる。このため永久磁石6が
高温になることをさらに効果的に抑制できる。
【0065】なお、ここでは導電性部材14と永久磁石
6の間はエアギャップ17としたが、これについては、
例えば永久磁石6を固定する際の接着剤や樹脂層のよう
なものでも同様の効果が得られる。
【0066】図7に第6の実施形態を示す。
【0067】本実施形態では、電磁鋼板を積層して構成
するロータコア4について、それらを互いに溶接により
固定する際に、ロータ周方向において、内部に埋め込ま
れる永久磁石6が最も外周面に接近する部位を溶接部1
5としている。
【0068】溶接部15では、積層された鋼板どうしが
電気的に接合された導通状態となるため、この部分に溶
接深さと同じ厚さの導電性部材を設置したのと同様の効
果が生じる。したがって、前述の実施形態と同様の効果
が得られる上、溶接部15はロータ外周上にあり、常に
外気と接しているので、ロータ3が回転することでその
部分で発生した熱は効果的に冷却され、永久磁石6が高
温になるのを抑制できる。
【0069】さらには、永久磁石6の端部がロータ外周
に最も接近している、図中aのロータコア部分は、永久
磁石6が発生する磁束が同一磁石6のN極とS極間でシ
ョートしてしまうのを抑制する絞りとなる(磁気抵抗が
大きくなっている)ので、この部位を溶接部15とする
ことで、溶接時の熱で鋼板の磁気特性が部分的に低下
し、絞りとしての効果がさらに増大し、トルク、出力の
向上が図れるという利点も生じる。
【0070】本発明は上記した実施の形態に限定される
ものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の技術
的思想の範囲内において、さまざまな変更が可能である
ことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】(a)と(b)は、同じくその永久磁石片を示
す斜視図である。
【図3】第2の実施形態を示す要部の断面図である。
【図4】第3の実施形態を示す要部の断面図である。
【図5】第4の実施形態を示す要部の断面図である。
【図6】第5の実施形態を示す要部の断面図である。
【図7】第6の実施形態を示す要部の断面図である。
【符号の説明】
1 モータ 2 ステータ 3 ロータ 4 ロータコア 4a 磁石挿入孔 6 永久磁石 6−1 永久磁石片 6−2 永久磁石片 11 スリット 12 導電性部材 13 導電性部材 14 導電性部材 15 溶接部 17 エアギャップ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイル部を形成したステータと、永久磁石
    を内部に埋め込んだロータとを有する同期電動機におい
    て、前記永久磁石は各磁極がロータ内周に向かって凸と
    なるU字型またはV字型に配置した対の磁石片で構成さ
    れ、これら磁石片のロータ外周に接近している部位には
    スリットが設けられていることを特徴とする同期電動
    機。
  2. 【請求項2】コイル部を形成したステータと、永久磁石
    を内部に埋め込んだロータとを有する同期電動機におい
    て、前記永久磁石は各磁極がロータ内周に向かって凸と
    なるU字型またはV字型に配置した対の磁石片で構成さ
    れ、これら磁石片の外周には導電性部材が配置されてい
    ることを特徴とする同期電動機。
  3. 【請求項3】前記導電性部材は磁石片のロータ外周側の
    片表面に配置されている請求項2に記載の同期電動機。
  4. 【請求項4】前記導電性部材は磁石片のロータ外周側に
    近い先端部にのみ配置されている請求項2に記載の同期
    電動機。
  5. 【請求項5】前記導電性材料と磁石片との間には空隙が
    設けらていれる請求項4に記載の同期電動機
  6. 【請求項6】コイル部を形成したステータと、永久磁石
    を内部に埋め込んだロータとを有する同期電動機におい
    て、前記永久磁石は各磁極がロータ内周に向かって凸と
    なるU字型またはV字型に配置した対の磁石片で構成さ
    れる一方、前記ロータのロータコアを積層鋼板で構成
    し、この積層鋼板を固定する溶接部を、ロータ外周上で
    前記磁石片が最もロータ外周側に接近している部位とす
    ることを特徴とする同期電動機。
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