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JP2017080902A - 建材用バリアフィルム - Google Patents

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JP2017080902A JP2015208331A JP2015208331A JP2017080902A JP 2017080902 A JP2017080902 A JP 2017080902A JP 2015208331 A JP2015208331 A JP 2015208331A JP 2015208331 A JP2015208331 A JP 2015208331A JP 2017080902 A JP2017080902 A JP 2017080902A
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Abstract

【課題】化粧板における反りを防止できるガスバリア性が向上した建材用バリアフィルムの提供。【解決手段】合成樹脂からなる基材層2の一方の面に蒸着層3、アクリル系コート層4がこの順に積層し、基材層2の他方の面及びアクリル系コート層4の表面に接着補助処理部5,6が形成されており、アクリル系コート層4は、アクリル酸系樹脂が二価以上の金属の化合物における金属イオンによりカルボキシル基において架橋させられたアクリル酸系樹脂を有する建材用バリアフィルム1。【選択図】図1

Description

本発明は、扉などの建具や床などに適用される建材用バリアフィルムに関する。
合板、MDFなどの木質系基材に化粧シートを貼り付けた化粧板が、開き戸、引き戸などの扉、間仕切りなどに適用される。このとき、温度・湿度の変化によって化粧板に反りが発生するおそれがあり、その反りを防止するために、化粧シートの裏側に無機質薄膜蒸着層や熱可塑性合成樹脂の押出しコート層を設ける技術が開示されている(特許文献1)。
特開平9−29919号公報
しかし、上記のような反り防止技術では、温度・湿度変化が大きな環境では反りが発生する可能性がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、ガスバリア性が向上した建材用バリアフィルムを提供することを目的としている。
課題を解決するために、本発明の一態様の建材用バリアフィルムは、合成樹脂からなる基材層の一方の面に蒸着層、アクリル系コート層がこの順に積層し、上記基材層の他方の面及び上記アクリル系コート層の表面に接着補助処理部が形成され、上記アクリル系コート層は、アクリル酸系樹脂が二価以上の金属の化合物における金属イオンによりカルボキシル基において架橋させられたアクリル酸系樹脂を有することを特徴とする。
また、本発明の他の態様は、木質系基材を用いた芯材表面に、発明の一態様の建材用バリアフィルム、化粧シートがこの順に形成されてなる建具を提供することである。
建具は、例えば、開き戸、引き戸などの扉などである。
本発明の態様によれば、蒸着膜と共にガスバリア性を有するアクリル系コート層を設けることで、ガスバリア性が向上した建材用バリアフィルムを提供可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る建材用バリアフィルムを示す断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る建具を示す断面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、及び構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
本実施形態の建材用バリアフィルム1は、図1に示すように、合成樹脂製の基材層2の表面に無機物又は無機酸化物からなる蒸着層3が形成され、その蒸着層3の上に、アクリル系コート層4が形成されている。また、バリアフィルム1の表裏面を形成する、アクリル系コート層4の表面及び基材層2の裏面にはそれぞれ、接着補助処理が施されて接着補助処理部5,6が形成されている。
<基材層2>
基材層2は、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体,あるいは、これらの混合物等のオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンナフタレート−イソフタレート共重合体,ポリカーボネート,ポリアリレート等のエステル系熱可塑性樹脂、ポリメタアクリル酸メチル,ポリメタアクリル酸エチル,ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系熱可塑性樹脂、あるいは、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等の非ハロゲン系熱可塑性樹脂などを挙げることができる。基材層2は、一軸ないし二軸方向に延伸したシートであっても、未延伸であってもよいが、後述する蒸着層3が少なくとも一方の面に形成される基材となるものであり、機械的強度が強く、寸法安定性に優れるなどの理由から二軸方向に延伸したシートが好ましい。
もっとも、基材層2を構成する合成樹脂は、無機物や無機酸化物からなる蒸着膜が形成可能な合成樹脂であれば特に限定されない。
<蒸着層3>
蒸着層3は、アルミニウムに代表される金属薄膜からなる無機物の薄膜、あるいは、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムに代表される無機酸化物の薄膜からなる。蒸着層3は、真空蒸着法、プラズマ活性化化学反応蒸着法等の周知の蒸着法で、基材層2の表面に薄膜形成される。蒸着層3の膜厚は8nm程度、塗布量は固形分換算量0.5g/m程度が防湿性の点で好適である。また、蒸着層3の保護の為に蒸着面にビニル系樹脂等を適宜塗布してもよい。
<アクリル系コート層4>
アクリル系コート層4は、アクリル酸系樹脂が、熱処理を受けることなく、二価以上の金属の化合物における金属イオンによりカルボキシル基において架橋させられたアクリル酸系樹脂を主成分とする。主成分とは、例えば全成分の質量比に対して70%質量部以上である。
二価以上の金属の化合物は、多価金属の酢酸塩、乳酸塩、塩化物、及び硫酸塩の少なくとも一つからなる水溶性金属塩であることが好ましい。例えば、二価以上の金属の化合物は、酢酸亜鉛、酢酸カルシウム及び乳酸カルシウムの少なくとも一つからなる。
そして、アクリル系コート層4は、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下となるように設定されていることが好ましい。
また、アクリル系コート層4にポリアルコール系樹脂を含有しても良い。更に、アクリル酸系樹脂に、一価アルカリ金属化合物及び多価金属化合物の少なくとも一方を含有しても良い。
次に、このようなガスバリア性のアクリル系コート層4について、詳説する。
アクリル系コート層4は、アクリル酸からなる不飽和酸を重合した単独重合体若しくはその共重合体からなるアクリル酸系樹脂が、熱処理を受けることなく、二価以上の多価の金属の化合物における金属イオンにより、カルボキシル基相互のイオン架橋を行い、ガスバリア性が向上される。
アクリル酸系樹脂の数平均分子量については、特に限定されないが、フィルム状成形する観点から、2,000〜10,000,000の範囲であることが好ましく、さらには5,000〜1,000,000の範囲であることが好ましい。
アクリル系コート層4は、その単独のフィルム状形成物において、乾燥条件下(30℃相対湿度0%)で測定した酸素透過係数が、好ましくは1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下、さらに好ましくは500cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であり、最も好ましくは100cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下である。
ここで、酸素透過係数は、例えば以下の方法で求めることができる。プラスチックフィルム基材上に厚さ1μmのアクリル系コート層4が形成された積層フィルムを作成し、用いたプラスチックフィルム基材の酸素透過度が既知であれば、積層フィルムの酸素透過度が基材として用いたプラスチックフィルム単独の酸素透過度に対して10分の1以下であれば、積層フィルムの酸素透過度の測定値が、ほぼアクリル系コート層4単独の酸素透過度とみなすことができる。そして、得られた値は、厚さ1μmのアクリル系コート層4の酸素透過度であるため、その値に1μmを乗じることにより、酸素透過係数に換算することができる。
フィルムの酸素透過度は、Modern Control社製の酸素透過度試験器OXTRAN2/20を用いて、温度30℃、相対湿度0%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126 B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm(STP)・μm/(m・day・MPa)である。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃・1気圧)を意味する。
アクリル酸系樹脂は、既存のアクリル酸系重合体(樹脂)を用いることができる。アクリル酸系重合体は、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する重合体である。具体的には、重合性単量体としての、α,β−モノエチレン性不飽和アクリル酸の重合体、その単量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体、さらにアルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチンなどの分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類を例示することができる。
これらのアクリル酸系重合体は、それぞれを単独で、または少なくとも2種のアクリル酸系重合体を混合して用いることができる。
アクリル酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和アクリル酸と酢酸ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステル類との共重合体の場合には、さらにケン化することにより、飽和カルボン酸ビニルエステル部分をビニルアルコールに変換して使用することができる。
アクリル酸系重合体が、α,β−モノエチレン性不飽和アクリル酸とその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体である場合には、得られるフィルムのガスバリア性及び高温水蒸気や熱水に対する耐性の観点から、その共重合組成は、α,β−モノエチレン性不飽和アクリル酸単量体組成が60モル%以上であることが好ましい。より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%、即ち、アクリル酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる重合体であることが最も好ましい。
アクリル酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和アクリル酸単量体以外の、例えば、酸性多糖類の場合には、アルギン酸を好ましく用いることができる。
アクリル酸系重合体は、一価アルカリ金属化合物及び/又は多価金属化合物を加えたものであってもよい。
アクリル酸系重合体に加える一価のアルカリ金属化合物としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、フランシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩などが挙げられる。また、多価金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛などの遷移金属やアルミニウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩、その他のアンモニウム錯体や2〜4級アミン錯体とそれらの炭酸塩や有機酸塩、アルキルアルコキシドなどが挙げられる。
アクリル酸系重合体に一価アルカリ金属化合物を加える場合の組成は、塗工適性と塗液安定性の観点で、アクリル酸系重合体のカルボキシル基に対して、一価アルカリ金属化合物は0.01〜0.35化学当量であることが好ましい。
アクリル酸系重合体に多価金属化合物を加える場合の組成は、塗工適性と塗液安定性の観点で、アクリル酸系重合体のカルボキシル基に対して、多価金属化合物は0.05〜0.30化学当量であることが好ましい。
また、アクリル酸系重合体に一価アルカリ金属化合物と多価金属化合物を共に加える場合の組成は、アクリル酸系重合体のカルボキシル基に対して、一価アルカリ金属化合物は多価金属化合物の溶解性とガスバリア性の観点で0.01〜0.35化学当量であることが好ましく、多価金属化合物は塗液安定性の観点で、0.05〜0.75化学当量であることが好ましい。
アクリル系コート層4の厚さは、特に限定されないが、フィルム形成性の観点から、0.001μm〜1mmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.01〜100μm、より好ましくは、0.05〜10μm、特に好ましくは0.05〜5μmの範囲である。
アクリル酸系樹脂にポリアルコール系樹脂を併用してもよい。ポリアルコール系樹脂とは、分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール系重合体であり、ポリビニルアルコールや糖類及び澱粉類を含むものである。
ポリビニルアルコールは、ケン化度が好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上であり、数平均重合度が通常300〜1,500である。
糖類としては、単糖類やオリゴ糖類及び多糖類を使用する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体や誘導体、サイクロデキストリンのような環状オリゴ糖なども含まれる。これらの糖類は、水に溶解性のものが好ましい。
澱粉類は、多糖類に含まれるが本実施形態で使用される澱粉類としては小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。加工澱粉としては、物理的変性澱粉、酵素変性澱粉、化学分解変性澱粉、化学変性澱粉、澱粉類にモノマーをグラフト重合したグラフト澱粉などが挙げられる。これらの澱粉類の中でも、焙焼デキストリンやそれらの還元性末端をアルコール化した還元澱粉糖化物などの、水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、含水物であってもよい。また、これらの澱粉類は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態では、イオン架橋するための金属化合物として、二価以上の金属の化合物が使用され、水溶液に溶解した金属イオンがアクリル系コート層4の表面から層内部に移行して、金属イオンとしてアクリル酸系樹脂の2個又はそれ以上のカルボキシル基の相互を、イオン結合によりイオン架橋する。金属化合物ではなく金属単体としても使用可能である。
そのイオン架橋によりアクリル系コート層4の層内部が緻密となり、酸素ガスの層中の透過を抑制してガスバリア性が高められる。
多価金属化合物の金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移金属、さらにアルミニウムなどを挙げることができる。
多価金属化合物の具体例としては、上記多価金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、有機酸塩、無機酸塩、その他、多価金属のアンモニウム錯体や多価金属の2〜4級アミン錯体とそれら錯体の炭酸塩や有機酸塩などが挙げられる。
有機酸塩としては、酢酸塩、蓚酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ステアリン酸塩、モノエチレン性不飽和カルボン酸塩などが挙げられる。無機酸塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などを挙げることができる。さらには多価金属のアルキルアルコキシドも使用できる。
これらの多価金属化合物はそれぞれ単独で、又は少なくとも2種の多価金属化合物を混合して用いることができる。
多価金属化合物としては、本実施形態の材料のガスバリア性、高温水蒸気や熱水に対する耐性、及び製造性の観点から、二価以上の金属の化合物が好ましく用いられる。さらに好ましくは、アルカリ土類金属、及びコバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの酸化物、塩化物、硫酸塩、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、乳酸塩、さらにはコバルト、ニッケル、亜鉛のアンモニウム錯体とその錯体の炭酸塩を用いることができる。
最も好ましくは、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛の各酸化物、塩化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩及び乳酸塩である。
浸漬処理時間の短縮や浸漬処理温度の緩和の観点から、好ましい多価金属の化合物としては、アクリル系コート層4のイオン化処理に用いることを考慮して、水溶液中での溶解性が高く、水溶液中でイオンとして存在する、酢酸塩、乳酸塩、塩化物、硫酸塩などの水溶性金属塩の使用が好ましい。
また、溶解性が低く、水溶液中でイオンとして存在する量が少ない、酸化物、水酸化物、炭酸塩などの多価金属の化合物を使用する場合には、アクリル系コート層4のイオン化速度を高める観点から、一次粒子径が100nm以下の微粒子を使用することが好ましい。
製造時の材料費の観点からは、高価な多価金属化合物微粒子を使用するよりも、安価な水溶性金属塩を使用することが好ましい。
本実施形態の浸漬処理で使用する多価金属化合物を含有する浸漬処理液に、一価の金属の化合物を添加して使用することもできる。一価の金属の化合物を添加することで、浸漬処理時のイオン化の挙動(アクリル酸系重合体層の膨潤及びイオン化速度)を制御でき、より効率的な処理が可能になることがあり得る。この点も本発明の潜在した特徴点のひとつであるといえる。
一価の金属の化合物としては、アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。
ここで、蒸着膜とアクリル系コート層4との接合性を高めるために、蒸着膜とアクリル系コート層4との間にアンカーコート層(不図示)を設けても良い。
アンカーコート層の材料としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系など各種のポリマー材料が使用されるが、ポリオール成分とポリイソシアネートとを含有するウレタン系コート剤が好ましい。
ウレタン系コート剤におけるポリオール成分としては、ポリエステル系ポリオールが好ましく、ポリエステル系ポリオールとしては、多価カルボン酸などとグリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示される。
アンカーコート層の厚さは、適宜に決めることができるが、0.01〜10μmの厚さであることが好ましく、より好ましくは0.05〜5μmである。0.01μm未満の厚さでは接合性不足となり、10μmを超えると生産性が低下する。
ここで、基材層2やアクリル酸系樹脂に、より物性を高め或いは各種物性を付加するなどのために、通常の添加剤を添加することもできる。各種の添加剤として、例えば、酸化防止剤、染料、顔料、熱安定剤、光安定剤、充填剤などを用いることができる。
<接着補助処理部5,6>
また、アクリル系コート層4及び基材層2の各表面に対し、それぞれ接着補助処理が施されることで、接着補助処理部5,6が形成されている。
接着補助処理は、木質系基材や化粧板11などに対する接着剤の接着力を向上させるための処理であって、コロナ放電を利用したコロナ処理、プラズマを利用したリアクティブエッチング処理、プライマーコート処理等、公知の接着補助処理を採用すればよい。
コロナ放電は、例えば放電量30W・分/mで放電処理を行う。リアクティブエッチング処理は、例えば周波数13.56MHzの高周波電源を用い、自己バイアス値を450V、Ed値を210W・m/秒でプラズマ処理を行う。
プライマーコート処理は、例えば上述のアンカーコート層の材料を塗布することで実施する。
<アクリル系コート層4の形成>
バリアフィルム1は、合成樹脂からなる基材層2の表面に公知の蒸着法で例えば無機酸化膜からなる蒸着膜を形成し、その蒸着膜の上に、更なるガスバリア層形成のためのアクリル酸系樹脂溶液を塗布し乾燥してなる積層フィルム(アクリル系コート層4)を、熱処理をすることなく、二価以上の金属の化合物を含む水溶液又は加熱水溶液を貯蔵する処理槽にて、好ましくは連続的に、浸漬処理し、必要により洗浄槽中を搬送させ洗浄液にて洗浄し、次いで乾燥させて、金属イオンによりアクリル酸系樹脂を架橋させることで形成する。
また、基材層2の裏面及びアクリル系コート層4の表面に接着補助処理部5,6を形成する。
アクリル酸系樹脂の塗布と乾燥について説明する。
ポリアクリル酸などの各種のポリマー材料が乾燥時に0.001μm〜1mmの範囲に、好ましくは、0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜10μm、特に好ましくは0.05〜5μmの範囲の厚さになるように塗布される。
塗布装置は特に限定されず、通常の各種の塗布装置が使用される。具体的な方法又は装置としては、ディッピング法やスプレー法、或いはコーターや印刷機を使用する。塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、オフセットグラビア方式など、コーターとしては、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、エアナイフコーター、デイップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどを用いることができる。
溶媒は特に限定されないが、溶解性や経済性などからして、水系又はアルコール系が好ましい。
乾燥は好ましくは乾燥炉中を搬送させて行い、乾燥条件は、使用する樹脂や溶媒によるので特に限定されない。自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記のコーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤーなどを用いることもできる。
アクリル酸系樹脂を塗布後の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度に設定されていればよく、30℃から160℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、40℃から150℃の範囲であり、最も好ましくは、45℃から140℃の範囲である。30℃未満であると乾燥に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。160℃を超えると、耐熱性のある基材を使用しなければならないなど基材が限定される。また、160℃を超えると、アクリル系コート層4の耐水性が上がり過ぎ、浸漬処理過程における処理速度が遅くなり好ましくない。
乾燥時間も上記同様に、特に限定されないが、1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、1秒以上20分以内であり、最も好ましくは3秒以上10分以内である。1秒未満であると、アクリル酸系樹脂塗液中の溶媒除去が不充分であり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
特に、アクリル系コート層4の乾燥の最適条件は、アクリル酸中のカルボキシル基が、脱水反応や脱カルボニル化反応、或いはポリアルコール系樹脂を使用した場合のエステル化反応を起こさない条件である。乾燥過程で、脱水反応や脱カルボニル化反応、或いはエステル化反応が生じると、アクリル系コート層4の耐水性が上がり過ぎ、浸漬処理時間が長時間になってしまい、また、処理時間を短縮させるためには、処理温度を高温にする必要がでてきてしまい、工業的な製造に適さなくなる。
以上のことから、上記の耐水性を付与しない程度の、乾燥温度としては、45℃から100℃の範囲が好ましい。45℃から100℃の乾燥温度範囲においては、乾燥時間は特に制限はないが、工業的な製造を考えると、10分以内であることが好ましい。さらに好ましくは5分以内であり、最も好ましくは3分以内である。
ただし、100℃から160℃の乾燥条件であっても、アクリル系コート層4の耐水性が付与されない程度に、乾燥時間が短時間であれば、浸漬処理に用いる基材として好ましい条件になる。この場合に、耐水性を付与しない条件と工業的な製造を考えると、2分以内であることが好ましく、さらに好ましくは1分以内であり、最も好ましくは30秒以内である。
上記浸漬処理について説明する。
アクリル系コート層4となる積層フィルムの前駆体に、多価金属の化合物溶液への浸漬処理を行うために、当前駆体のイオン架橋を行う金属化合物溶液が貯蔵された処理槽中を搬送させて金属化合物を浸漬させる。金属化合物の水溶液又は加熱水溶液を貯蔵する処理槽は、大気圧解放型であり、好ましくは、多数の搬送ローラが設置されて積層フィルムの浸漬経路を長くしている。
本実施形態では、基本的に熱処理工程が不要であり、熱処理によるエステル架橋が生じないので、ガスバリア性のための樹脂層表面が比較的に柔らかく、金属イオンが侵入し易く、温和な条件で浸漬処理を行うことができる。
金属化合物を浸漬処理に使用するが、浸漬処理時間の短縮及び浸漬処理温度の緩和の観点からして、浸漬処理液としては、水溶液中での溶解性が高くて水溶液中でイオンとして存在する、酢酸塩、乳酸塩、塩化物、硫酸塩などの水溶性金属塩の使用が好ましい。水溶液以外に、金属化合物の分散液も使用し得る。
浸漬処理液の多価金属の化合物濃度としては、0.1〜50(質量)%含有することが好ましく、1〜30%含有することがさらに好ましい。最も好ましくは、3〜20%含有することである。
多価金属の化合物の濃度が0.1%未満であると、アクリル系コート層4をイオン化するのには金属化合物量が不足してガスバリア性が充分に発現しない。また、50%を超えると、浸漬処理時に過剰の多価金属の化合物がアクリル系コート層4へ付着してしまい、洗浄工程がない場合に、塗布面の外観が不良になる。洗浄工程がある場合でも、過剰の多価金属化合物を洗浄して外観を良好にするためには、時間がかかり過ぎるので工業的な製造に適さない。
浸漬処理液温度は、アクリル酸系樹脂をイオン化させるために、アクリル酸系樹脂を浸漬処理槽中の多価金属の化合物でイオン化できる温度であれば、特に限定されない。
5℃から100℃の範囲であることが好ましく、さらに好ましくは、10℃から95℃の範囲であり、最も好ましくは、15℃から95℃の範囲である。5℃未満であるとイオン化処理に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。100℃を超えると、高圧下での処理が必要となるため特殊な処理装置が必要となり好ましくない。
アクリル酸系コート層が耐水性を有しないため、処理温度が60℃未満であっても、短時間でガスバリア性を発現する。工業的な製造の観点からは、処理温度は低い温度で行うことが好ましく、処理温度としては、15℃以上60℃未満であることが好ましい。さらに好ましくは、20℃以上55℃以下であり、最も好ましくは23℃以上50℃以下である。
漬処理時間も上記同様に、特に限定されないが、0.1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、0.1秒以上10分以内であり、最も好ましくは0.1秒以上1分以内である。0.1秒未満であると、アクリル系コート層4のイオン化が不充分となり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
上記の洗浄処理について説明する。
アクリル系コート層4が多価金属イオンを含む水溶液で浸漬された積層フィルムは、次いで、好ましくはガスバリア性積層フィルムの透明性を確保し、或いは異臭の発生を抑止する必要性により、積層フィルム表面に付着した過剰の金属化合物及び金属化合物のカウンターイオンを除去するために、洗浄処理を受ける。
洗浄は浸漬処理時に付着した過剰な多価金属の化合物などを除去できれば特に限定はなく、洗浄液を貯蔵する洗浄槽を通過させてもよいし、洗浄液をシャワー状に吹き付けてもよい。
洗浄槽は好ましくは、多数の搬送ローラが設置されて積層フィルムの洗浄経路を長くしてもよい。
水溶性の有機酸の金属塩を使用した場合には、アクリル系コート層4中へ多価金属イオンと共に、酢酸イオンなどの有機酸成分が侵入する。有機酸成分が臭いを放つ物質であって、臭いの影響を除去する必要のある箇所に使用する場合には、浸漬処理後のガスバリア性積層体を洗浄し有機酸成分を除去して、臭いの影響を除く必要がある。
本実施形態では、基本的には、熱処理によるエステル架橋が生じないので、ガスバリア性のための樹脂層表面が比較的に柔らかく、余分の金属化合物などを洗い出し易くなっている。
洗浄液は、浸漬処理時に付着した過剰な多価金属の化合物や余分なイオンなど除去できれば、特に限定はなく、水道水や蒸留水或いはイオン交換水などを使用することができる。
洗浄液温度は、浸漬処理時に付着した過剰な多価金属の化合物などを除去できれば、特に限定はないが、5℃から100℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、10℃から70℃の範囲であり、最も好ましくは、20℃から50℃の範囲である。5℃未満であると洗浄機能が低く洗浄に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。100℃を超えると高圧下での処理が必要となるため特殊な処理装置が必要となり好ましくない。
洗浄時間も特に限定されないが、0.1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、0.1秒以上20分以内であり、最も好ましくは0.1秒以上3分以内である。0.1秒未満であると、洗浄が不充分であり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
浸漬処理及び洗浄後に乾燥処理が行われ、乾燥は好ましくは乾燥炉中を搬送させて行う。洗浄後のフィルムの乾燥方法は特に限定されない。乾燥には、自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記のコーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤーなどを用いることができる。
乾燥温度は、浸漬処理液溶媒及び洗浄液を除去できる温度であれば、特に限定されないが、20℃から160℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、40℃から120℃の範囲であり、最も好ましくは、45℃から100℃の範囲である。20℃未満であると乾燥に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。160℃を超えると耐熱性のある基材を使用しなければならず基材の限定を受けることとなり好ましくない。
また、乾燥時間も、特に限定されないが、1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、1秒以上20分以内であり、最も好ましくは3秒以上5分以内である。1秒未満であると、浸漬処理溶媒及び洗浄液の除去が不充分となり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
<建具>
本実施形態の建具として扉を例示する。但し、本発明の建具は扉に限定されるものではない。
本実施形態の建具は、図2に示すように、木質系基材を用いた芯材10の両面にそれぞれ、本実施形態の建材用バリアフィルム1、化粧板11がこの順に貼り合わされて形成されて居る。
貼り付ける際の接着剤としては、例えばアクリル樹脂系、ウレタン樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン酢酸ビニル樹脂系等が使用可能であり、特にはエチレン酢酸ビニル共重合系が接着性、耐熱クリープ性、発熱性低減の点で好適である。
化粧板11は、例えば、基板層に熱可塑性樹脂層、絵柄層、表面保護層を有する化粧シートが張り合わされて構成されている。但し、化粧板11は、これに限定されるものではなく、適宜公知の化粧板11を用いることが出来る。
本実施形態では、蒸着膜と共にガスバリア性を有するアクリル系コート層4を設けることで、ガスバリア性が向上した建材用バリアフィルム1を提供可能となる。
アクリル系コート層は、アクリル酸系樹脂が二価以上の金属の化合物における金属イオンによりカルボキシル基において架橋されることで、消臭効果も奏する。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
裏面のコロナ処理で接着補助処理部5,6を形成したPETを基材層2とした。厚さは12μmである。
この基材層2の上に、真空蒸着法にて酸化アルミニウムを蒸着して蒸着膜を形成した、蒸着膜の膜厚は8nm、塗布量は固形分換算量0.5g/m程度とした。
その蒸着膜の上にアクリル系コート層4を形成した。
アクリル系コート層4の組成は、次の通りである。
すなわち、アクリル系コート層4は、下記の構成の塗液1,2を調製して構成した。
塗液1は、蒸着膜とポリカルボン酸系樹脂層との密着性を向上させるためのアンカーコート(AC層)塗液である。塗液2はポリカルボン酸系樹脂として用いたポリアクリル酸塗液である。
塗液1:大日本インキ化学工業(株)製ドライラミネート及びアンカーコート兼用接着剤;デイックドライ(商標名) LX−747A 硬化剤;KX−75 溶剤;酢酸エチル
(配合)LX−747A(ポリエステル系樹脂 62%酢酸エチル溶液)10kg
KX−75(ポリイソシアネート系樹脂 75%酢酸エチル溶液)
1.5kg
酢酸エチル 18.5kg
合計 30kg

塗液2:ポリカルボン酸系樹脂:東亞合成(株)製ポリアクリル酸(アロン(商標名) A−10H) 溶剤;水及びイソプロピルアルコール
(配合)アロン(商標名) A−10H(ポリアクリル酸25%水溶液) 10kg
イソプロピルアルコール 1.5kg
水 18.5kg
合計 30kg
そして、グラビアコーターを用いて、上記塗液1を塗工し、90℃に設定した乾燥装置を1分間通過させて、0.2μmのアンカーコート層を形成した。次いで、形成したアンカーコート層の上に上記塗液2を塗工し、90℃に設定した乾燥装置を2分間通過させて、PET/AC(0.3g/m、0.2μm)/ポリカルボン酸系樹脂層(0.5g/m、0.4μm)からなる積層体を得た(ガスバリア性積層体前駆体)。括弧内に各層の乾燥塗布量を示した。
得られたガスバリア性積層体前駆体は外観及び透明性は良好であった。また、得られたガスバリア性積層体前駆体のポリカルボン酸系樹脂層は、28℃の水に対して易溶であった。
さらに、上記で得たガスバリア性積層体前駆体を連続的に浸漬処理槽中及び洗浄処理槽中へ搬送して連続的に浸漬処理及び洗浄処理をした後、90℃に設定した乾燥装置を1分間で通過させてガスバリア性積層体を得た。
このとき、浸漬処理槽中の処理液は、酢酸亜鉛が10%含有された水溶液であり、水溶液の温度は23℃、処理時間は20秒であった。また、洗浄処理槽中の洗浄液は蒸留水であり、蒸留水の温度は23℃、処理時間は5秒であった。
以上のようにして作製したガスバリア性積層体をアクリル系コート層4とした。
そのアクリル系コート層4の表面にコロナ処理で接着補助処理部5,6を形成した。
ここで、実施例のコロナ処理は、放電量30W・分/mで放電処理を実施した。
<比較例1>
アクリル系コート層4を設けない以外は、上記実施例1と同様にして構成して比較例1を製造した。
<比較例2>
接着補助処理部5,6を形成しない以外は、上記実施例1と同様にして構成して比較例2を製造した。
「評価」
そして、実施例1及び比較例1について次の評価を行った。
<酸素透過度の評価>
バリアフィルム1の酸素透過度は、Modern Control社製の酸素透過度試験器OXTRAN2/20を用いて、温度20℃・相対湿度80%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126 B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm(STP)/(m・day・MPa)である。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃・1気圧)を意味する。
・平面引張強度 :JAS合板 平面引張試験に準拠して測定して平面引張強度を算出した。平面引張強度の単位はN/cmである。
なお、評価に供したサンプルは、バリアフィルム1とMDFとを24時間コールドプレスしたもの用い、サンプルを5cm角にカットし、底辺が2cm角の金属治具をバリアフィルム1の面にシアノアクリレート系接着剤にて貼り、24時間常温(約23℃)養生した後、カッターナイフにて金属治具に沿ってMDFにまで達する切り込みを入れ、測定試験機器により試験片に対して垂直面方向に引張り、その際の剥離界面を目視観察して評価すると共に引張強度を測定した。表1には、併せて、その際の剥離界面の位置も記載した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2017080902
表1から分かるように、本発明に基づく実施例1は、蒸着膜と共にバリア性を有するアクリル系コート層4を設けたことで、酸素透過が大幅に小さく抑えられると共に平面引張強度も良好となり、環境変化により発生する化粧板の反りを従来品に比べて小さくすることができることが分かる。
1 建材用バリアフィルム
2 基材層
3 蒸着層
4 アクリル系コート層
5,6 接着補助処理部
10 芯材
11 化粧板

Claims (5)

  1. 合成樹脂からなる基材層の一方の面に蒸着層、アクリル系コート層がこの順に積層し、上記基材層の他方の面及び上記アクリル系コート層の表面に接着補助処理部が形成され、
    上記アクリル系コート層は、アクリル酸系樹脂が二価以上の金属の化合物における金属イオンによりカルボキシル基において架橋させられたアクリル酸系樹脂を有することを特徴とする建材用バリアフィルム。
  2. 上記二価以上の金属の化合物は、多価金属の酢酸塩、乳酸塩、塩化物、及び硫酸塩の少なくとも一つからなる水溶性金属塩であることを特徴とする請求項1に記載した建材用バリアフィルム。
  3. 上記アクリル系コート層は、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載された建材用バリアフィルム。
  4. 上記アクリル系コート層にポリアルコール系樹脂を含有したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載された建材用バリアフィルム。
  5. 上記アクリル酸系樹脂に、一価アルカリ金属化合物及び多価金属化合物の少なくとも一方を含有したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載された建材用バリアフィルム。
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