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JP2007313758A - ガスバリア性積層フィルム及びガスバリア性多層フィルム並びにそれらの製造方法 - Google Patents

ガスバリア性積層フィルム及びガスバリア性多層フィルム並びにそれらの製造方法 Download PDF

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JP2007313758A JP2006146014A JP2006146014A JP2007313758A JP 2007313758 A JP2007313758 A JP 2007313758A JP 2006146014 A JP2006146014 A JP 2006146014A JP 2006146014 A JP2006146014 A JP 2006146014A JP 2007313758 A JP2007313758 A JP 2007313758A
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Abstract

【課題】ポリカルボン酸系重合体及び水溶性多価金属塩を併用するガスバリア性積層フィルムにおいて、高温の熱処理を回避して高いガスバリア性を確保し、生産性や塗工性或いは耐水性など他の性能までも併せて改良する。
【解決手段】プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む層を、熱処理をせずに形成し、ポリカルボン酸系重合体を含む層に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層を形成し、水溶性多価金属塩における多価金属イオンの移行により、ポリカルボン酸系重合体がカルボキシル基においてイオン架橋されていることを特徴とする、ガスバリア性積層フィルム及びその製法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリア性積層フィルム及びガスバリア性多層フィルム並びにそれらの製造方法に関し、詳しくは、酸素の影響により劣化を受け易い飲食品や医薬品及び電子部品などの包装材料として、或いは高温熱水処理を必要とする物品の包装材料として有用なガスバリア性積層フィルムとガスバリア性多層フィルム並びにそれらの製造方法に係わるものである。
プラスチックフィルム及びプラスチック積層フィルムは、飲食品や化粧品及び医薬品或いは電子機器などの多分野における包装材料として、フィルムや容器などの形態において汎用されているが、その高機能化のひとつとして、ガスバリア性(酸素ガスや水蒸気などの透過遮断性)が非常に重要となっている。
包装材料においては、酸素ガスは包装飲食品の酸化劣化や微生物の発育の促進による変質をもたらし、水分の蒸発は収納食品の品質や風味を低下し、易揮発性成分の散逸は医薬品の重要成分の損逸となり、さらに酸素ガスは収納電子機器や精密機器などの変質劣化を派生することがあるので、外部から侵入する酸素ガスの遮蔽或いは収納品の水分や易揮発性成分の外部への散逸抑止などのために、従来からガスバリア性は非常に重要視されている。
ところが、プラスチック汎用フィルムは概してガスバリア性が低く、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどは比較的ガスバリア性が高いとしても、廃棄焼却時の環境汚染の問題が避けられず、これらの塩素系ポリマーに代わり得る材料として、ポリビニルアルコールなどのポリアルコール系樹脂の積層フィルムは安価で環境問題がなく低湿度雰囲気下でのガスバリア性が高いが、その水酸基に起因して高湿度雰囲気下ではガスバリア性が急激に低下してしまい、水分を含む飲食品などの包装には使用できない。高湿度下でのガスバリア性の低下を改善したポリマーとして、ビニルアルコールとエチレンの共重合体が知られているが、高湿度下でのガスバリア性を高めるためには高いエチレン含有量が必要であり、そのようなポリマーは水に難溶となり成形や塗布などの加工が容易でなくなる。
そのため、ガスバリア性を高める高度な改良技術として、ポリビニルアルコールなどのポリアルコール系樹脂を(メタ)アクリル酸樹脂などのポリカルボン酸系重合体と併用して、それらの熱処理によるエステル結合架橋によって耐高湿潤性を高めてガスバリア性も高くしたガスバリア性フィルム及びその製法が多数開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、当ガスバリア性フィルムの樹脂材料に金属化合物をも併用して、エステル架橋に加えてカルボン酸基の金属イオン架橋も利用してガスバリア性をさらに高めたガスバリア性フィルム及びその積層フィルムも多数開示されている(例えば、特許文献2,3を参照)。
これらの手法では高湿潤雰囲気下でのガスバリア性は格別に高められているが、高温でのかなりの時間の熱処理工程を要するために、エネルギー多量消費及びフィルム基材とガスバリア性樹脂の熱劣化や変質変形などの問題が派生し、かかる問題を回避するために熱処理工程を低温で行えば長時間の処理を要し生産性が低下してしまう。
このため、ポリビニルアルコールとエチレン−マレイン酸共重合体などを併用して熱処理工程を緩和する、ガスバリア性フィルムの製法も提案されているが(例えば、特許文献4を参照)、なお高温の熱処理が不可避でありガスバリア性も充分高められているともいえない。
さらに新しい樹脂材料からのガスバリア性フィルムの改良として、ポリアルコール系樹脂とポリカルボン酸系重合体とを併用せずに、ポリカルボン酸系重合体と多価金属の化合物のみを併用し、ポリカルボン酸系重合体層に金属化合物の層を設けた、或いはポリカルボン酸系重合体と金属化合物の混合物からなるフィルムを使用する、ガスバリア性フィルム材料(特許文献5を参照)、基材の少なくとも片面にカルボン酸系樹脂層及びバインダー樹脂と界面活性剤を含有する多価金属化合物含有層が隣接して配置されたガスバリア性積層体(特許文献6を参照)が開示され、これらは高温での熱処理を必要としないので注目される。
しかしながら、特許文献5に記載されたガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア性積層フィルムが低温の水に長時間触れるような場合には、ポリカルボン酸系重合体における金属イオン架橋よりも先にポリカルボン酸系重合体が水分によって膨潤し、その結果フィルムの透明性が失われたりガスバリア性が低下することがある。
その他、表面のカルボン酸濃度を規定した熱可塑性樹脂フィルムに金属蒸着などにより金属層を設けたガスバリア性フィルム(特許文献7を参照)、ポリアクリル酸とイソシアネート化合物などの特定の架橋剤によるガスバリア性フィルム(特許文献8を参照)、なども提示されているが、いずれも高温の熱処理を受けるものである。また、フィルム基材にポリカルボン酸系重合体層を形成し、多価金属の化合物の溶液を塗布した積層フィルムを、熱処理を行わずに水分の存在下に放置して架橋させる、ガスバリア性積層フィルムの製法も開示されているが(特許文献9を参照)、熱処理工程を行わないとしても放置して架橋させるので、イオン架橋に長時間を要し生産性が非常に低い。
以上において、包装材料としてのガスバリア性フィルムないしはガスバリア性積層フィルムにおける技術改良の流れを概観したが、主たる課題であるガスバリア性は漸次に向上されているとしても、高温熱処理問題や生産性或いは製品外観や耐水性などの他の性能までは併せて改良され難く、これらの諸課題を充分に改善するガスバリア性包装材料は未だ見られない状況である。
特開平6−220221号公報(要約) 特開平10−237180号公報(要約、特許請求の範囲の請求項15、及び段落0039,0062,0066) 特開2000−931号公報(要約) 特開2000−323204号公報(要約) 国際出願公開パンフレットWO03/091317(表紙頁の要約、及び第89,91頁の請求の範囲2,22) 国際出願公開パンフレットWO2005/037534(表紙頁の要約、及び第32,34頁の請求の範囲1,16) 特開平7−314612号公報(要約、特許請求の範囲の請求項1、及び段落0051) 特開2001−310425号公報(特許請求の範囲の請求項2,6) 特開2005−125693号公報(要約、及び段落0014)
背景技術として段落0002〜0006において概述した、包装材料としてのガスバリア性フィルムに関する技術改良の流れを鑑みると、ガスバリア性の向上は、ガスバリア性樹脂材料の改良により、特に、ポリアルコール系樹脂とポリカルボン酸系重合体とを使用し金属化合物をも併用して、それらの熱処理によるエステル結合架橋及びカルボン酸基の金属イオン架橋を利用してガスバリア性を高めたガスバリア性積層フィルムなどにおいて、充分に達成されているけれども、このようなガスバリア性樹脂材料においては高温での熱処理が必要でありコストやエネルギーの負担が大きい。また、種々の改良案においても、なお、高温での熱処理が必要であることや生産性が低いこと、製品の外観不良や塗液の塗工性が悪いことなどの付帯的課題までは併せて改良され難く、しかして、本発明は、高温の熱処理の問題を回避して高いガスバリア性を確保し、生産性或いは製品外観などの付帯的課題までも併せて可及的に改良することを、発明の課題として目指すものである。
本発明の発明者らは、上記の課題の解決を実現するために、ガスバリア性フィルムにおける樹脂材料の種類、エステル架橋及びイオン架橋における工程、或いはイオン架橋剤の種類や付与手法、さらには熱処理条件の緩和手段及び各材料の積層構成の形態や塗工法などにおいて、多観点からの思考を行い、実験による試行と実証とを重ね、その過程のなかで、ポリカルボン酸系重合体と多価金属の化合物によるガスバリア性樹脂材料において、架橋剤としてのイオンの付与方法として、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液をポリカルボン酸系重合体層に隣接するように塗工する、熱処理工程を行わない方法を採用した。この方法により、塗工性の向上や製品外観の改善が達成された。また、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液は、主に水を溶媒とすることでガスバリア性の発現を早めることができることも見い出し、本発明を創作するに至った。
具体的には、ガスバリア性樹脂材料として水溶性多価金属塩とポリカルボン酸系重合体の組み合わせを選択した。その選択により、金属イオンによって、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基を速やかに架橋させ、高いガスバリア性を発現させることが可能となった。熱処理を行わないので熱処理に伴う問題などは派生しない。
さらに、製品フィルムの外観の透明性や塗布表面の均一性(塗布剤のはじきが生じない)を確保して、高い耐水性までを得るためには、水溶性多価金属塩を水系樹脂と組み合わせて使用することが必須の要件となる。
本発明のガスバリア性積層フィルムの製法としては、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面にポリカルボン酸系重合体の塗液を塗布してなる積層フィルムにおいて、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層に隣接して水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液を塗布し、これらの塗布層を熱処理をすることなく乾燥して層を形成するものである。
以上の段落に記載された主要な構成が、本発明の前記した課題を解決するために、合理的で有意性を有するものであることは、後述する実施例と比較例との対照により実証されている。
本発明において、より具体的には、ポリカルボン酸系重合体は、酸素透過係数が特定され、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸の群から選ばれる少なくとも一種の不飽和酸を重合した単独重合体もしくはそれらの共重合体又はそれらの混合物である。また、好ましくは、フィルム基材にアンカーコート層を介してポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層、又は水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液から形成される層が積層される。
水溶性多価金属塩としては、主としてカルシウム又は亜鉛の酢酸塩、乳酸塩、塩化物であり、水系樹脂が多価金属イオンと反応性がない又は反応性が緩やかなものであり、水系樹脂が好ましくは、水系ポリウレタン樹脂、水系ポリイソシアネート樹脂、水系アクリル樹脂、水系アルキッド樹脂及び水系フッ素樹脂のいずれかであって、或いは水系樹脂がオキサゾリン基含有樹脂であり、また、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液にポリアルコール系樹脂が併用されている態様も使用可能で、これらは混合溶液としてフィルム基材に塗布され、ポリアルコール系樹脂としては主としてポリビニルアルコール樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、澱粉、糖類のいずれか又はこれらの混合物が用いられる。
本発明の構成における特徴としては、フィルム基材にポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層が配され、さらにその層に隣接するように水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液から形成される層が配され、これらの工程において熱処理を受けることがなく、ガスバリア性を発現することを特徴とするガスバリア性積層フィルムであり、フィルム基材にガスバリア層を形成するために、専らポリカルボン酸系重合体と水溶性多価金属塩が使用され、金属イオンによりカルボン酸系重合体のカルボキシル基が架橋させられる。ポリカルボン酸系重合体とポリアルコール系樹脂を併用した態様においてもエステル架橋の形成は不要なので、熱処理を受ける必要がなく、高温でかなりの時間の熱処理工程がないから、フィルム基材のカールなどの変形や収縮及び熱劣化さらにはガスバリア性樹脂層の変質や着色化などの従来の問題が解消され、耐熱性の低いフィルム基材の使用も可能になり、多量のエネルギー使用も不要となって、製造工程も短縮されて、製造工程の経済性が高まりエネルギー消費による環境負荷も低減される。
さらに本発明においては、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層に隣接して水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液を塗布し、これらの塗布層を熱処理をすることなく乾燥して、水溶性多価金属塩における多価金属イオンの移行により、ポリカルボン酸系重合体がカルボキシル基においてイオン架橋されることによって、ガスバリア性積層フィルムが製造されるので、i)金属イオン水溶液の浸漬法などに比べて生産のラインスピードが速く製造が効率的かつ経済的に行え、ii)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から熱処理をせずに形成される層への多価金属イオンの移行が常温においても速く、イオン架橋によるガスバリア性の発現が速やかに行われ、iii)多価金属塩の水溶液において水系樹脂が使用されるので、製品外観の透明性が高く、製品表面への塩析出も抑制され、塗液のはじきが無い、という特性を備えている。
ところで、段落0002〜0007において記述した先行技術の各特許文献を精査すると、特許文献5には、ポリアルコール系樹脂とポリカルボン酸系重合体とを併用せずに、ポリカルボン酸系重合体と多価金属の化合物のみを併用し、ポリカルボン酸系重合体層に金属化合物の層を設けたガスバリア性フィルム材料が開示され、特許文献6には、基材の少なくとも片面にカルボン酸系樹脂層及びバインダー樹脂と界面活性剤を含有する多価金属化合物含有層が隣接して配置されたガスバリア性積層体が開示され、特許文献9には、フィルム基材にポリカルボン酸系重合体層を形成し、多価金属の化合物の溶液を塗布した積層フィルムを、熱処理を行わずに水分の存在下に放置して架橋させる、ガスバリア性積層フィルムの製法も開示されているが、何れもが、本発明におけるポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層に隣接して水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液を塗布する特有の構成を示すものではない。
さらに、段落0007には記載しない特開平2004−34616号公報には、ガスバリア性ポリマー層に隣接して、多価金属の化合物及びポリエステルとポリイソシアネートを含有するポリマー層を設けることが記載されているが(特許請求の範囲の請求項1,10を参照)、i)ガスバリア性樹脂として、ポリアルコール系ポリマーとポリカルボン酸系ポリマーを併用し、ii)多価金属の化合物は水溶性多価金属塩とは限らず、iii)ポリエステルとポリイソシアネートを含有するポリマーは水系であるか不明であり、iv)加熱処理工程を必須とするから(段落0051を参照)、当文献に記載の発明は本発明と実質的に異なるものである。
段落0007には記載しない国際公開パンフレットWO2004/096540には、ポリカルボン酸系重合体層に隣接して、ポリビニルアルコールと酢酸カルシウムの混合水溶液を塗布することが記載されているが(第21頁の実施例5を参照)、i)基材として必ず熱収縮性フィルムを使用し(第31頁の請求の範囲1を参照)、ii)多価金属化合物と樹脂との塗工液においては水溶性多価金属塩と水系樹脂とは限らず(第11頁を参照)、一方、本発明は水溶性多価金属塩と水系樹脂に特定して、段落0014に詳述した特有の効果を奏するものであるから、当文献の記載は本発明を示唆するものではない。
上記した特許文献6には、ポリカルボン酸系樹脂層及び水系バインダー樹脂と界面活性剤を含有する多価金属化合物含有層が隣接して配置されているが(第32頁の請求の範囲1及び第25頁の調製例7を参照)、i)界面活性剤を必ず使用し(第32頁請求の範囲1を参照)、ii)多価金属の化合物は無機化合物(酸化亜鉛)が使用されているから(第25頁の調製例7を参照)、当文献の記載は本発明を示唆するものではない。
以上においては、本発明の創作される経緯とその構成の特徴及び先行技術との差異などについて概述したので、ここで本発明についてその全体を俯瞰して、その構成全体を明確に記載すると、本発明は、次の発明単位群から構成されるものであって、[1]及び[10]の発明を基本発明として、それ以外の発明は、基本発明を具体化ないしは実施態様化するものである。(なお、発明群全体をまとめて「本発明」という。)
[1]プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)及び水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)を備えており、塗液(A)から形成される層(a)と塗液(B)から形成される層(b)とが互いに隣接した少なくとも一対の積層単位を形成することを特徴とする、ガスバリア性積層フィルム。
[2]ポリカルボン酸系重合体が、単独でフィルムに成形したときに、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることを特徴とする、[1]におけるガスバリア性積層フィルム。
[3]フィルム基材にアンカーコート層を介して、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)、又は水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)が積層されていることを特徴とする、[1]又は[2]におけるガスバリア性積層フィルム。
[4]ポリカルボン酸系重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸の群から選ばれる少なくとも一種の不飽和酸を重合した単独重合体もしくはそれらの共重合体又はそれらの混合物であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルム。
[5]水溶性多価金属塩が、カルシウム又は亜鉛の酢酸塩、乳酸塩、塩化物であり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂、水系ポリイソシアネート樹脂、水系アクリル樹脂、水系アルキッド樹脂及び水系フッ素樹脂のいずれかであって、或いは水系樹脂がオキサゾリン基含有樹脂であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルム。
[6]水溶性多価金属塩が、酢酸亜鉛又は酢酸カルシウムであり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂又は水系ポリイソシアネート樹脂であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルム。
[7]ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に、ポリアルコール系樹脂が含有されていることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルム。
[8][1]〜[7]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルムと、該ガスバリア性積層フィルムの少なくとも一方の面に接着層を介して、又は直接に、プラスチックフィルムを積層したことを特徴とするガスバリア性多層フィルム。
[9][1]〜[7]におけるガスバリア性積層フィルムを備えることを特徴とする包装材料。
[10]プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させることを特徴とする、ガスバリア性積層フィルムの製造方法。
[11]フィルム基材にアンカーコート剤を塗布し乾燥させ、次いでポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させることを特徴とする、[10]におけるガスバリア性積層フィルムの製造方法。
[12]ポリカルボン酸系重合体が、単独でフィルムに成形したときに、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であり、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸の群から選ばれる少なくとも一種の不飽和酸を重合した単独重合体もしくはそれらの共重合体又はそれらの混合物であり、水溶性多価金属塩が、酢酸亜鉛又は酢酸カルシウムであり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂又は水系ポリイソシアネート樹脂であることを特徴とする、[10]又は[11]におけるガスバリア性積層フィルムの製造方法。
[13]プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させて[10]〜[12]のいずれかにおけるガスバリア性積層フィルムを得た後に、該ガスバリア性フィルムの少なくとも一方の面に、接着層を介して、又は直接に、プラスチックフィルムを積層してガスバリア性多層フィルムを得ることを特徴とする、ガスバリア性多層フィルムの製造方法。
本発明においては、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から熱処理をせずに形成される層に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液を塗布し、これらの塗布層を乾燥して、水溶性多価金属塩における多価金属イオンが、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層へ移行することにより、ポリカルボン酸系重合体がカルボキシル基においてイオン架橋されることによって、ガスバリア性積層フィルムが製造されるので、i)金属イオン水溶液の浸漬法などに比べて生産のラインスピードが速く製造が効率的かつ経済的に行え、ii)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層への多価金属イオンの移行が常温においても速く、イオン架橋によるガスバリア性の発現が速やかに行われ、iii)多価金属塩の水溶液において水系樹脂が使用されるので、製品外観の透明性が高く、製品表面への塩析出も抑制され、塗布液のはじきが無い。
本発明については、発明の課題を解決するための手段として、本発明の基本的な構成及び特徴に沿ってその概略を前述したが、以下においては、前述した本発明群の発明の実施の形態を、主として、ガスバリア性積層フィルムとその製法について、具体的に詳しく説明する。
1.ガスバリア性積層フィルム
(1)積層フィルムの基本的な構成
本発明の主たるガスバリア性積層フィルムは、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)及びその層に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層を有する。
水溶性多価金属塩における金属イオンの、ポリカルボン酸系重合体層への移行により、ポリカルボン酸系重合体が、高温の熱処理を受けることなく、多価金属イオンによりカルボキシル基の相互において架橋させられ、ガスバリア性を発現することとなる。
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)層は、フィルム基材の一方の面に形成されるが、よりガスバリア性を高める必要があれば両面に形成することもできる。水溶性多価金属塩は水系樹脂との混合液として塗布することで、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)として形成される。
ガスバリア性積層フィルムの基本的な層構成が図1及び図2に模式断面図として示されており、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)(図中の1)が、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)(図中の2)に隣接して形成され、層(a)は、アンカーコート(アンダーコート)層(図中の3)を介して又は直接に基材フィルム(図中の4)上に積層されている。
(2)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)
本発明においては、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)は、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)をフィルム基材上に塗布し乾燥させることで形成され、層(a)のポリカルボン酸は、それに隣接して配される、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)における多価金属イオンにより、カルボキシル基相互がイオン架橋され、ガスバリア性が向上される。
i)ポリカルボン酸系重合体
ポリカルボン酸系重合体の数平均分子量については、特に限定されないが、塗液の塗工適性や安定性の観点から、2,000〜10,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5,000〜4,000,000の範囲であり、最も好ましくは20,000〜1,500,000である。この時、分子量の異なるポリカルボン酸系重合体を混合して用いてもよい。
ポリカルボン酸系重合体は、その単独のフィルム状形成物について、乾燥条件下(30℃・相対湿度0%)で測定した酸素透過係数が、好ましくは1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下、さらに好ましくは500cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であり、最も好ましくは100cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下である。
ここで、酸素透過係数は、例えば以下の方法で求めることができる。プラスチックフィルム基材上に厚さ1μmのポリカルボン酸系重合体層が形成された積層フィルムを作製し、使用したプラスチックフィルム基材の酸素透過度が既知であるとき、積層フィルムの酸素透過度が基材として用いたプラスチックフィルム単独の酸素透過度に対して10分の1以下であれば、積層フィルムの酸素透過度の測定値が、ほぼポリカルボン酸系重合体層単独の酸素透過度とみなすことができる。そして、得られた値は、厚さ1μmのポリカルボン酸系重合体の酸素透過度であるため、その値に1μmを乗じることにより、酸素透過係数に換算することができる。
フィルムの酸素透過度は、Modern Control社製の酸素透過度試験器OXTRAN2/20を用いて、温度30℃・相対湿度0%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126 B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm(STP)・μm/(m・day・MPa)である。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃・1気圧)を意味する。
ii)ポリカルボン酸系重合体の具体例
本発明で用いるポリカルボン酸系重合体は、既存のポリカルボン酸系重合体を用いることができるが、既存のポリカルボン酸系重合体とは、分子内に2個以上のカルボキシル基を有する重合体の総称である。
具体的には、重合性単量体としての、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の重合体、その単量体と他のエチレン性不飽和単量体との共重合体、さらにアルギン酸、カルボキシメチルセルロース、ペクチンなどの分子内にカルボキシル基を有する酸性多糖類を例示することができる。
これらのポリカルボン酸系重合体は、それぞれを単独で、又は少なくとも2種のポリカルボン酸系重合体を混合して用いることができる。
ここで、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが代表的なものである。また、それらと共重合可能な量体として、エチレン性不飽和カルボン酸ビニルエステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルイタコネート類、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、スチレン、アクリルアミドなども使用される。ポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸と酢酸ビニルなどの飽和カルボン酸ビニルエステル類との共重合体の場合には、さらにケン化することにより、飽和カルボン酸ビニルエステル部分をビニルアルコールに変換して使用することができる。
本発明で用いるポリカルボン酸系重合体が、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とその他のエチレン性不飽和単量体との共重合体である場合には、得られるフィルムのガスバリア性及び高温水蒸気や熱水に対する耐性の観点から、その共重合組成は、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体組成が60モル%以上であることが好ましい。より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%、即ち、ポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる重合体であることが最も好ましい。
さらに、ポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のみからなる場合には、その好適な具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体、及びそれらの混合物が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸から選ばれる少なくとも1種の重合性単量体の重合によって得られる重合体もしくは共重合体又はそれらの混合物を用いることができる。より好ましくは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、及びそれらの混合物を用いることである。
ポリカルボン酸系重合体がα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸単量体以外の、例えば、酸性多糖類の場合には、アルギン酸を好ましく用いることができる。
iii)ポリカルボン酸系重合体への金属添加
本発明で使用するポリカルボン酸系重合体は、一価アルカリ金属化合物或いは多価金属化合物を加えたものであってもよい。
ポリカルボン酸系重合体に加える一価のアルカリ金属化合物としては、例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、フランシウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩などが挙げられる。また多価金属化合物としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛などの遷移金属やアルミニウムの酸化物、水酸化物、炭酸塩、無機酸塩、有機酸塩、その他アンモニウム錯体や2〜4級アミン錯体とそれらの炭酸塩や有機酸塩、アルキルアルコキシドなどが挙げられる。
ポリカルボン酸系重合体に一価アルカリ金属化合物を加える場合の組成は、塗工適性と塗液安定性の観点で、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基に対して、一価アルカリ金属化合物は0.01〜0.35化学当量であることが好ましい。
ポリカルボン酸系重合体に多価金属化合物を加える場合の組成は、塗工適性と塗液安定性の観点で、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基に対して、多価金属化合物は0.05〜0.25化学当量であることが好ましい。
また、ポリカルボン酸系重合体に一価アルカリ金属化合物と多価金属化合物をを共に加える場合の組成は、ポリカルボン酸系重合体のカルボキシル基に対して、一価アルカリ金属化合物は多価金属化合物の溶解性とガスバリア性の観点で0.01〜0.35化学当量であることが好ましく、多価金属化合物は塗液安定性の観点で、0.05〜0.75化学当量であることが好ましい。
iv)ポリカルボン酸系重合体へのポリアルコール系樹脂の添加
本発明では、ポリカルボン酸系重合体にポリアルコール系樹脂を添加してもよい。本発明で用いるポリアルコール系樹脂とは、分子内に2個以上の水酸基を有するアルコール系重合体であり、ポリビニルアルコールや糖類及び澱粉類を含むものである。
ポリビニルアルコールは、ケン化度が好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上であり、数平均重合度が通常300〜1,500である。
糖類としては、単糖類やオリゴ糖類及び多糖類を使用する。これらの糖類には、糖アルコールや各種置換体や誘導体、サイクロデキストリンのような環状オリゴ糖なども含まれる。これらの糖類は、水に溶解性のものが好ましい。
澱粉類は、多糖類に含まれるが本発明で使用される澱粉類としては小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、モチトウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、米澱粉、サゴ澱粉などの生澱粉(未変性澱粉)のほか、各種の加工澱粉がある。加工澱粉としては、物理的変性澱粉、酵素変性澱粉、化学分解変性澱粉、化学変性澱粉、澱粉類にモノマーをグラフト重合したグラフト澱粉などが挙げられる。これらの澱粉類の中でも、焙焼デキストリンやそれらの還元性末端をアルコール化した還元澱粉糖化物などの、水に可溶性の加工澱粉が好ましい。澱粉類は、含水物であってもよく、また、これらの澱粉類は、それぞれ単独で、或いは2種以上を組み合わせて使用することができる。
v)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)は、ポリカルボン酸系重合体を溶媒に溶解して得られる。溶媒としては、水やアルコール類を用いることができるが、環境負荷の観点とポリカルボン酸系重合体の溶解性の観点で、好ましくは水が使用される。
溶媒とポリカルボン酸系重合体の割合は、塗工適性と塗液安定性の観点で、溶媒100質量部に対して0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましく、1〜10質量部が最も好ましい。
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)には、段落0025〜0026に記載したように一価アルカリ金属化合物と多価金属化合物を、或いはポリアルコール樹脂を添加してもよい。
vi)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液から形成される層の厚み
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)の厚みは、特に限定されないが、ガスバリア性及び生産性の観点から、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜1μmの範囲である。
(3)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)
i)水溶性多価金属塩の作用
本発明においては、多価金属塩としては、二価以上の金属塩が使用され、水溶液に溶解した金属イオンがポリカルボン酸系重合体を含む層の表面から内側に移行して、ポリカルボン酸系重合体の二個又はそれ以上のカルボキシル基の相互を、イオン結合によりイオン架橋する。
そのイオン架橋によりポリカルボン酸系重合体を含む層の内部が緻密となり、酸素ガスの層中の透過を抑制してガスバリア性が高められる。
ii)水溶性多価金属塩
水溶性多価金属塩の金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、チタン、ジルコニウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移金属、さらにアルミニウムなどを挙げることができる。
本発明における、水溶性多価金属塩としては、上記金属の無機酸塩、有機酸塩、その他アンモニウム錯体や2〜4級アミン錯体とそれらの炭酸塩や有機酸塩、アルキルアルコキシドなどが挙げられる。無機酸塩としては、塩化物、硫酸塩、硝酸塩が好ましく、有機酸塩としては、蟻酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩が好ましい。
ガスバリア性及び水への溶解性の観点で、より好ましくはアルカリ土類金属及び銅、亜鉛の無機酸塩、有機酸塩が用いられ、最も好ましくは、カルシウム、亜鉛の塩化物、酢酸塩、乳酸塩が用いられる。
特に、本発明では後述の水系樹脂と混合する必要性とフィルムのガスバリア性の観点から、水溶性多価金属塩は25℃の水への溶解度が、5g/水100g以上であるであるものが好ましく用いられる。より好ましくは7g/水100g以上、最も好ましくは10g/水100g以上の範囲である。水への溶解度が低いと、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として充分な金属イオンを含む均一な塗液が得られず、また塗液(B)を塗工して得られたガスバリア性積層フィルムのガスバリア性は不充分になる。
これらの水溶性多価金属塩はそれぞれ単独で、又は少なくとも二種の水溶性金属塩を混合して用いることができる。
iii)水系樹脂の作用
本発明においては、水溶性多価金属塩を含む層を形成するために、水溶性多価金属塩と付帯樹脂としての水系樹脂の混合物水溶液が使用される。
水溶性多価金属塩の水溶液において水系樹脂が使用されるので、製品外観の透明性が高く、製品表面への塩析出も抑制され、塗布液のはじきが発生しない。
水系樹脂とポリカルボン酸系重合体との反応性は、無い又は緩やかであり、かつ水系樹脂は多価金属塩とポリカルボン酸系重合体との反応を適度に速やかに進めるものである必要がある。それにより、ポリカルボン酸系重合体と多価金属塩との反応によるゲル生成を抑制し、塗面を良好に保つことができる。
これらの水系樹脂は、樹脂の硬化後において、耐熱水性のある膜を形成しうるものである。
iv)水系樹脂の種類
水系樹脂としては、水溶性多価金属塩と水系樹脂を混合した時に、沈殿などが生成せず安定な塗液を得られるものであればよい。
水系樹脂の種類としては、水系ポリウレタン樹脂、水系イソシアネート樹脂、水系アクリル樹脂、水系アルキッド樹脂、水系フッ素樹脂及びオキサゾリン樹脂が好ましく使用される。
具体的には例えば、水系ポリウレタン樹脂としては、エマルジョン型ポリウレタン樹脂、水性ポリエステルポリオールと水分散型ポリイソシアネートからなる水系ウレタン樹脂などが挙げられる。水系アクリル系樹脂としては、熱硬化性アクリルエマルジョン、自己架橋型アクリルエマルジョンなどが挙げられる。また、ポリイソシアネートのような硬化剤を使用し得る。
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層の表面では、多価金属塩がnm(ナノメーター)のオーダーで析出する可能性があるが、水系樹脂がその析出物間を埋め尽くして、表面を平滑にしていると推定される。
v)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)は、溶媒に水溶性多価金属塩と水系樹脂を溶解して得ることができる。溶媒としては、水やアルコール類を用いることができるが、環境負荷の観点と多価金属塩の溶解性の観点で、好ましくは水が使用される。
塗液における水溶性多価金属塩の割合は、ガスバリア性と多価金属塩の溶解性の観点で、塗液100質量部に対して5〜30質量部が好ましく、7〜25質量部がより好ましく、8〜20質量部が最も好ましい。
塗液における水系樹脂の割合は、ガスバリア性と塗工適性の観点で、塗液100質量部に対して0.1〜70質量部が好ましく、0.5〜65質量部がより好ましく、1〜60質量部が最も好ましい。
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)は、一価金属を添加して使用することもできる。一価金属を添加することで、ポリカルボン酸系重合体のイオン化の挙動を制御でき、より効果的な金属イオンによる架橋形成が可能になることがあり得る。
vi)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液から形成される層の厚み
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)の厚みは、特に限定されないが、ガスバリア性及び生産性の観点から、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜1μmの範囲である。
(4)フィルム基材
i)使用形態
本発明においては、フィルム基材は、特に材料は限定されないが透明な熱可塑性樹脂が好ましく使用される。
具体的には、熱可塑性樹脂を押出成形や射出成形或いはブロー成形や延伸ブロー成形さらには流延成形などの汎用の手段で成形した、フィルム状基材が使用される。フィルム基材は、単一の層から構成されたものであってもよいし、或いは、同時溶融押出成形などのラミネーションによる複数の層から構成されたものであってもよい。
形態はフィルム状を基本とするが、シート状或いはボトルやトレーなどの容器状の形態でもよい。
本発明は高温での熱処理を受けないので、フィルム基材のカールや収縮或いは変形や変質などの惧れがなく、耐熱性の低いフィルム基材も使用することが可能である。
ii)樹脂の種類
プラスチックフィルム基材を構成する熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系(共)重合体、塩化ビニル系(共)重合体、アクリル系(共)重合体、ポリカーボネートなど各種の素材が使用できる。経済性や包装材料の物性からして、オレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリアミドが好ましい。
オレフィン系樹脂としては、好ましくは、各種のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−共重合体などが使用され、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレートなどが使用され、ポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド重合体などが使用される。
これらの熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合し使用してもよい。
(5)アンカーコート層
本発明においては、アンカーコート層はアンダーコート層として、フィルム基材とポリカルボン酸系重合体を含む層(a)、及び水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層(b)との接合性を高めるために、好ましくは使用されるが必須のものではない。
i)アンカーコート剤の種類
アンカーコート層の材料としては、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系など各種のポリマー材料が使用されるが、ポリオール成分とポリイソシアネートとを含有するウレタン系コート剤が好ましい。
ウレタン系コート剤におけるポリオール成分としては、ポリエステル系ポリオールが好ましく、ポリエステル系ポリオールとしては、多価カルボン酸などとグリコール類とを反応させて得られるポリエステル系ポリオールが挙げられる。ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが例示される。
ii)アンカーコート層の厚み
アンカーコート層の厚みは、適宜に決めることができるが、0.01〜10μmの厚みであることが好ましく、より好ましくは0.05〜5μmであり、特に好ましくは0.05〜1μmである。0.01μm未満の厚みでは接合性不足となり、10μmを超えると生産性が低下する。
(6)添加剤
本発明においては、フィルム基材又はポリカルボン酸系重合体を含む塗液及び水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液に、より物性を高め或いは各種物性を付加するなどのために、通常の添加剤を添加することもできる。各種の添加剤として、例えば、酸化防止剤、染料、顔料、熱安定剤、光安定剤、充填剤などを用いることができる。
(7)ガスバリア性積層フィルムの性能
本発明のガスバリア性積層フィルムは、高湿度下においても酸素などのガスバリア性に優れたフィルムである。したがって、本発明のガスバリア性積層フィルムの20℃・相対湿度80%における酸素透過度は、好ましくは1,000cm(STP)/(m・day・MPa)以下、より好ましくは500cm(STP)/(m・day・MPa)以下、さらに好ましくは100cm(STP)・/(m・day・MPa)以下である。酸素透過度がかかる値を有するフィルムであれば、ガスバリア材用フィルムとして好適に用いられる。
フィルムの酸素透過度は、Modern Control社製の酸素透過度試験器OXTRAN2/20を用いて、温度20℃・相対湿度80%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126 B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm(STP)/(m・day・MPa)である。
(8)ガスバリア性積層フィルムの用途
本発明のガスバリア性積層フィルムは、飲食品や化粧品及び医薬品或いは電子機器や精密機器などのガスバリア性包装フィルムとして基本的に使用されるが、その他の用途として、シートやパウチなどとして各種の包装材料、特に、トレイやカップ状の形状などによるガスバリア性加熱殺菌用包装材料としても有用である。
2.ガスバリア性積層フィルムの製造
(1)ガスバリア性積層フィルムの基本的な製造法
本発明の第二の主体となるガスバリア性積層フィルムの製造方法は、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、必要により両面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し乾燥してなる積層フィルムにおいて、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を熱処理をすることなく乾燥して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)における多価金属イオンの層間移行により、ポリカルボン酸系重合体がカルボキシル基においてイオン架橋されることを、基本的な構成とする。
(2)製造工程
本発明の製造工程が、製造プロセスの概略図として図3に例示されている。図3に沿って説明すると、ロール状に巻かれたフィルム基材5を連続的に送り出し、必要によりアンカーコート剤を、コーター6により塗布しアンカーコート層を形成し、乾燥炉7を通過させて乾燥させ溶媒を除去し、次いでポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を、コーター8により塗布しポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から層(a)を形成し、再び乾燥炉7を通過させて乾燥させ溶媒を除去し、次いで、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)をコーター9により塗布し、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から層(b)を形成し、さらに乾燥炉7を通過させて乾燥させ溶媒を除去し、フィルム基材にアンカーコート層とポリカルボン酸系重合体を含む層、及び水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層が積層されたガスバリア性積層フィルム10として、巻き取りロールに巻き取り製品とする。
(3)アンカーコート剤の塗布及び乾燥
i)アンカーコート剤の塗布
アンカーコート層は、ウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系など各種のポリマー材料が乾燥時に0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜1μmの厚みになるように塗布される。
塗布装置は特に限定されず、通常の各種の塗布装置が使用される。アンカーコート剤と溶剤からなる溶液を基材上へ塗布する方法や装置として、ディッピング法やスプレー法、或いはコーターや印刷機を使用する。塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、オフセットグラビア方式など、コーターとしては、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、エアナイフコーター、デイップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどを用いることができる。
より接合性を高くするために、予めフィルム基材の塗布面に、コロナ放電やプラズマ処理或いはイトロ処理などの物理的予備処理を施しておいてもよい。
ii)乾燥
乾燥は乾燥炉中を搬送させて行い、乾燥条件は溶媒を除去できる範囲であればよく、例えば、乾燥温度は20〜160℃の範囲であればよく、乾燥時間は0.5秒以上10分以下であることが好ましい。
アンカーコート剤と溶剤からなる溶液を、基材上へ塗工後、溶剤を蒸発し乾燥させる方法は乾燥炉に限らず特に限定されない。自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記のコーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤーなどを用いることもできる。
(4)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の塗布と乾燥
i)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の塗布
段落0027に記載したポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)は、乾燥時の厚みが、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜1μmの範囲に塗布される。
塗布装置は特に限定されず、通常の各種の塗布装置が使用される。具体的な方法又は装置としては、ディッピング法やスプレー法、或いはコーターや印刷機を使用する。塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、オフセットグラビア方式など、コーターとしては、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、エアナイフコーター、デイップコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどを用いることができる。
ii)ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の乾燥
乾燥は好ましくは乾燥炉中を搬送させて行い、乾燥条件は、使用する樹脂や溶媒によるので特に限定されない。自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記のコーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤーなどを用いることもできる。
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布後の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度であればよく、20〜160℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、30〜150℃の範囲であり、最も好ましくは、45〜130℃の範囲である。20℃未満であると乾燥に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。160℃を超えると、耐熱性のある基材を使用しなければならないなど基材が限定される。
乾燥時間も上記同様に、特に限定されないが、1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、1秒以上20分以内であり、最も好ましくは3秒以上10分以内である。1秒未満であると、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の溶媒除去が不充分であり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
特に本発明において、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の乾燥の最適条件は、ポリカルボン酸中のカルボキシル基が、脱水反応や脱カルボニル化反応、或いはポリアルコール系樹脂を使用した場合のエステル化反応を起こさない条件である。乾燥過程で、脱水反応や脱カルボニル化反応、或いはエステル化反応が生じると、ポリカルボン酸系重合体を含む層の耐水性が上がり過ぎ、多価金属のイオンの移行が長時間を要するようになってしまい、また、処理時間を短縮させるためには、処理温度を高温にする必要が生じてしまい、好ましくない。
以上のことから、上記の耐水性を付与しない程度の、乾燥温度としては、45〜100℃の範囲が好ましい。45〜100℃の乾燥温度範囲においては、乾燥時間は特に制限はないが、工業的な製造を考えると、10分以内であることが好ましい。さらに好ましくは5分以内であり、最も好ましくは3分以内である。
(5)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)の塗布と乾燥
本発明においては、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)に隣接する様に、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)が配される。層(a)はそれに接する形で塗液(B)が塗布されると、速やかに多価金属イオンによってカルボキシル基が架橋され、高いガスバリア性を発現する。
i)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)の塗布
段落0033に記載した水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)は、乾燥時の厚みが、0.01〜10μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは、0.05〜5μm、特に好ましくは0.05〜1μmの範囲になるように塗布される。
塗布装置は特に限定されず、通常の各種の塗布装置が使用される。具体的な方法又は装置としては、コーターや印刷機を使用する。塗工方式としては、ダイレクトグラビア方式、リバースグラビア方式、キスリバース方式、オフセットグラビア方式など、コーターとしては、グラビアコーター、リバースグラビアコーター、エアナイフコーター、バーコーター、コンマコーター、ダイコーターなどを用いることができる。
ii)水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)の乾燥
乾燥は好ましくは乾燥炉中を搬送させて行い、乾燥条件は、使用する樹脂や溶媒によるので特に限定されない。自然乾燥による方法や、所定の温度に設定したオーブン中で乾燥させる方法、上記のコーター付属の乾燥機、例えばアーチドライヤー、フローティングドライヤー、ドラムドライヤー、赤外線ドライヤーなどを用いることもできる。
塗布後の乾燥温度は、溶媒を除去できる温度であればよく、20〜160℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは、30〜150℃の範囲であり、最も好ましくは、45〜130℃の範囲である。20℃未満であると乾燥に時間がかかり過ぎるため工業的な製造に適さない。160℃を超えると、耐熱性のある基材を使用しなければならないなど基材が限定される。
乾燥時間も上記同様に、特に限定されないが、1秒以上60分以内であることが好ましい。さらに好ましくは、1秒以上20分以内であり、最も好ましくは3秒以上10分以内である。1秒未満であると、溶媒除去が不充分であり、60分を超えると処理時間がかかり過ぎるため工業的な製造には適さない。
3.ガスバリア性積層フィルムの層構成
本発明のガスバリア性積層フィルムは、プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)と、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)が隣接して配されている。これらの層の積層形態としては、基材フィルムの片面側からして、(a)/(b)、(b)/(a)、(a)/(b)/(a)、(b)/(a)/(b)の順序で積層されている態様が例示できる。
層(a)と層(b)からなるこれらの構成単位は、基材フィルムの片面又は両面に配される。基材フィルムとこれらの層の間に、基材フィルムとこれらの層の密着性を高めるために、好ましくはアンカーコート層が設けられるが、必須のものではない。
4.ガスバリア性多層フィルム
本発明のガスバリア性多層フィルムは、前述したガスバリア性積層フィルムにさらに、少なくとも一方の面にプラスチックフィルムを積層する構成のものである。
このようなプラスチックフィルムとしては、強度向上、シール性、シールの易開封性、意匠性、光遮蔽性、防湿性などの付与を目的とするものであり、使用目的に応じて適宜に選択される。その材質は特に限定されないが、段落0036に記載した基材フィルムにおけるプラスチックと同様の材質のものが使用される。このようなプラスッチクフィルムは、単独で又は複数のものを積層して使用できる。
プラスチックフィルムを積層する方法としては、接着剤を介して、もしくは直接に積層することができる。具体的には積層方法としては、通常のラミネート法が好適に使用でき、ドライラミネート法やウェットラミネート法或いは押出ラミネート法を例示できる。
以下においては、本発明における実施例を開示して比較例を対照しながら、本発明をより詳細に具体的に示して、本発明の構成をいっそう明らかにし、本発明の構成の各要件の合理性と有意性及び従来技術への卓越性を実証する。
〔積層フィルムの各種物性の評価方法〕
1.水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)における塗工時のはじきの評価
基材フィルム上にアンカーコート層を形成し、その上にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から層(a)を形成したフィルムを作製した。また、基材フィルム上にアンカーコート層を形成せずに、直接にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から層(a)を形成したフィルムを作製した。
さらに層(a)の上に、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布して、その時の塗面の様子を観察した。
塗液(B)が良好に塗布されたものは合格とし、塗膜のはじきが観察されたものは不合格と評価した。
2.外観評価
1.と同様に、基材フィルム上にアンカーコート層を形成し、その上にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から層(a)を形成したフィルムを作製した。
また、基材フィルム上にアンカーコート層を形成せずに、直接にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から層(a)を形成したフィルムを作製した。
さらに層(a)の上に、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布して、その時の塗面の外観を観察した。
乾燥後のフィルムが透明であったものは良好とし、塩の析出や白化が生じたものを不良と評価した。
3.水浸漬後のヘイズ
コーティング層の耐水性を評価するために、ガスバリア性積層フィルムを作製した後、20℃の冷水中に24時間放置し、このフィルムのヘイズを測定した。ヘイズの測定は、日本電飾工業(株)製の濁度計NDH2000を用いて測定した。測定方法はJIS K7136(プラスチック−透明材料のヘイズの求め方)に準拠した。
4.水浸漬後のフィルム酸素透過度
コーティング層の耐水性を評価するために、ガスバリア性積層フィルムを作製した後、20℃の冷水中に10分間放置し、このフィルムの酸素透過度を測定した。
酸素透過度は、Modern Control社製の酸素透過度試験器OXTRAN2/20を用いて、温度20℃・相対湿度80%の条件下で測定した。測定方法は、JIS K−7126 B法(等圧法)、及びASTM D3985−81に準拠し、測定値は、単位cm(STP)/(m・day・MPa)である。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃・1気圧)を意味する。
5.レトルト後の外観評価
ガスバリア性積層フィルムにシール層を設けて多層フィルムとし、袋状に成形してパウチを作製した。パウチに水を充填し、121℃で40分間のレトルト処理を行った。レトルト方式は貯湯式レトルトである。レトルト後のパウチを外観評価し、パウチの状態が良好なものを「良好」、剥離(デラミネーション)の発生或いは白化などの問題が起きた場合を「不良」とした。
6.レトルト後のフィルム酸素透過度
ガスバリア性多層フィルムでパウチを作製した。パウチに水を充填し、121℃で40分間のレトルト処理を行った。レトルト方式は貯湯式レトルトである。レトルト後のフィルムの酸素透過度は、上記の4の方法に拠った。
〔塗液の組成〕
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の各組成
Figure 2007313758
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)の各組成
Figure 2007313758
[塗液1]
ポリアクリル酸水溶液(東亞合成(株)製 ポリアクリル酸(PAA)水溶液 アロンA−10H 数平均分子量200,000 25重量%濃度)を蒸留水で希釈し、ポリアクリル酸の5重量%水溶液(塗液1)を調製した。
[塗液2]
上記の塗液1において、ポリアクリル酸のカルボキシル基に対してアルカリ金属として0.02化学当量の水酸化ナトリウムを加え完全に溶解させて、塗液2を調製した。
[塗液3]
上記の塗液1において、ポリアクリル酸のカルボキシル基に対して0.2化学当量の酸化亜鉛を加え室温で2日間撹拌し、塗液3を調製した。
[塗液4]
上記の塗液1において、ポリアクリル酸のカルボキシル基に対してアルカリ金属として0.1化学当量の水酸化ナトリウムと、多価金属として0.3化学当量の酸化亜鉛を加え室温で2日間撹拌し、塗液4を調製した。
[塗液5]
酢酸亜鉛(和光純薬(株)製 酢酸亜鉛:溶解度40g/水100g・25℃)を蒸留水で希釈し、酢酸亜鉛の20重量%水溶液を調製した。エマルジョン型水系ポリウレタン樹脂(アクリレートコポリマー/ヘキサメチレンジイソシアネート(Henkel社製 主剤 LiofolA6018−21/硬化剤HardenerUR5889−21))を主剤/硬化剤(重量比)=50/4の割合で混合し、水系樹脂混合液を調製した。20重量%酢酸亜鉛水溶液と水系樹脂混合液を重量比50/50で混合し、塗液5を調製した。
[塗液6]
酢酸カルシウム(和光純薬(株)製 酢酸カルシウム:溶解度35g/水100g・25℃)を蒸留水で希釈し、酢酸カルシウムの20重量%水溶液を調製した。エマルジョン型水系ポリウレタン樹脂(アクリレートコポリマー/ヘキサメチレンジイソシアネート(Henkel社製 主剤LiofolA6018−21/硬化剤HardenerUR5889−21))を主剤/硬化剤(重量比)=50/4の割合で混合し、水系樹脂混合液を調製した。20重量%酢酸カルシウム水溶液と水系樹脂混合液を重量比50/50で混合し、塗液6を調製した。
[塗液7]
酢酸亜鉛(和光純薬(株)製 酢酸亜鉛:溶解度40g/水100g・25℃)を蒸留水で希釈し、酢酸亜鉛の20重量%水溶液を調製した。この酢酸亜鉛水溶液に、オキサゾリン基含有水系樹脂(株)日本触媒製 エポクロス)を、20重量%酢酸亜鉛水溶液と重量比50/50で混合し、塗液7を調製した。
[塗液8]
酢酸亜鉛(和光純薬(株)製 酢酸亜鉛:溶解度40g/水100g・25℃)を蒸留水で希釈し、酢酸亜鉛の1重量%水溶液を調製した。エマルジョン型水系ポリウレタン樹脂(アクリレートコポリマー/ヘキサメチレンジイソシアネート(Henkel社製 主剤LiofolA6018−21/硬化剤HardenerUR5889−21))を主剤/硬化剤(重量比)=50/4の割合で混合し、水系樹脂混合液を調製した。1重量%酢酸亜鉛水溶液と水系樹脂混合液を重量比50/50で混合し、塗液8を調製した。
[塗液9]
酢酸亜鉛(和光純薬(株)製 酢酸亜鉛:溶解度40g/水100g・25℃)を蒸留水で希釈し、酢酸亜鉛の10重量%水溶液を調製した。エマルジョン型水系ポリウレタン樹脂(アクリレートコポリマー/ヘキサメチレンジイソシアネート(Henkel社製 主剤LiofolA6018−21/硬化剤HardenerUR5889−21))を主剤/硬化剤(重量比)=50/4の割合で混合し、水系樹脂混合液を調製した。10重量%酢酸亜鉛水溶液と水系樹脂混合液を重量比99.9/0.1で混合し、塗液9を調製した。
[塗液10]
酸化亜鉛微粒子トルエン分散液(住友大阪セメント(株)製 酸化亜鉛分散塗料 ZR133)を塗液10とした。(なお、参考として酸化亜鉛の水への溶解度は、0.042mg/水100g・18℃である。)
[ガスバリア性フィルムの性能評価]
(実施例1)
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製ルミラーP−60 厚さ12μm 内面コロナ処理 以下、「PET」という。)のコロナ処理面上に、バーコーター(RK PRINT−COAT INSTRUMENT 社製K303PROOFER)を用いて、市販のアンカーコート用接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 ディックドライLX747 硬化剤KX75 溶剤:酢酸エチル)を塗工し、乾燥させた。得られたアンカーコート層の厚さは0.1μmであった。次いでアンカーコート層上に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液1を前記バーコーターを用いて塗工し、乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。さらに、乾燥したポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成させた層上に、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液5を前記バーコーターを用いて塗工し乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。こうして、[PET(12μm)/アンカーコート層(0.1μm)/ポリカルボン酸系重合体を含む層(0.3μm)/(水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層(0.3μm)]のガスバリア性積層フィルムを形成した。
(実施例2)
アンカーコート層をなくした以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例3)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液2を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例4)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液3を使用した以外は、実
施例1と同様に実施した。
(実施例5)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液4を使用した以外は、実
施例1と同様に実施した。
(実施例6)
基材として2軸延伸6ナイロンフィルム(ユニチカ(株)製 エンブレムON
BC 厚さ15μm 内面コロナ処理;以下、「OPA」という。)を使用した以
外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例7)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液2を、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液6を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
(実施例8)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液2を、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液7を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例1)
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液8を使用した以外は、実施例1と同様に実施した。
(比較例2)
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液8を使用した以外は、実施例2と同様に実施した。
(比較例3)
ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液2を使用した以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例4)
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液9を使用した以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例5)
基材として実施例6で用いた2軸延伸6ナイロンフィルムを使用し、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液9を使用した以外は、比較例3と同様に実施した。
(比較例6)
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液10を使用した以外は、比較例1と同様に実施した。
(比較例7)
水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗工しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。
Figure 2007313758
[ガスバリア性多層フィルムの性能評価]
(実施例9)
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 PET)のコロナ処理面上に、バーコーター(RK PRINT−COAT INSTRUMENT社製 K303PROOFER)を用いて、市販のアンカーコート用接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 ディックドライLX747 硬化剤KX75 溶剤:酢酸エチル)を塗工し、乾燥させた。得られたアンカーコート層の厚さは0.1μmであった。次いでアンカーコート層上にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液1を前記バーコーターを用いて塗工し、乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。さらに、乾燥したポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成させた層上に、水溶性多価金属と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液5を前記バーコーターを用いて塗工し乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。こうして、[PET(12μm)/アンカーコート層(0.1μm)/ポリカルボン酸系重合体を含む層(0.3μm)/水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層(0.3μm)]のガスバリア性積層フィルムを形成した。さらに上記コート層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製 TM250/硬化剤CAT−RT86 溶剤:酢酸エチル)を塗工し、ポリプロピレンフィルム(東レ(株) トレファンNO ZK93K 厚さ60μm 以下、「CPP」という)をラミネートし、ガスバリア性多層フィルムを得た。
(実施例10)
2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 PET)のコロナ処理面上に、バーコーター(RK PRINT−COAT INSTRUMENT社製 K303PROOFER)を用いて、市販のアンカーコート用接着剤(大日本インキ化学工業(株)製 ディックドライLX747 硬化剤KX75 溶剤:酢酸エチル)を塗工し、乾燥させた。得られたアンカーコート層の厚さは0.1μmであった。次いでアンカーコート層上にポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)として塗液1を前記バーコーターを用いて塗工し、乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。さらに、乾燥したポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成させた層上に、水溶性多価金属と水系樹脂を含む塗液(B)として塗液5を前記バーコーターを用いて塗工し乾燥させた。このコーティング層の厚さは0.3μmであった。こうして、[PET(12μm)/アンカーコート層(0.1μm)/ポリカルボン酸系重合体を含む層(0.3μm)/水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む層(0.3μm)]のガスバリア性フィルムを形成した。さらに上記コート層上に、ウレタン系接着剤(東洋モートン(株)製 TM250/硬化剤CAT−RT86 溶剤:酢酸エチル)を塗工し、実施例6で用いた2軸延伸6ナイロンフィルムのコロナ処理面にラミネートした。さらに、その上に、上記ウレタン系接着剤を塗工し、未延伸ポリプロピレンフィルム(東レ(株)製CPP)をラミネートし、ガスバリア性多層フィルムを得た。
(実施例11)
CPPの代わりに未延伸直鎖低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製 T
UX−TCS 厚さ50μm:以下、「LLDPE」という。)を使用した以外は、実施例10と同様に実施した。
(比較例8)
ガスバリア性積層フィルムとして比較例1で作製したものを使用した以外は、実施例9と同様に実施した。
(比較例9)
ガスバリア性積層フィルムとして比較例1で作製したものを使用した以外は、実施例11と同様に実施した。
(比較例10)
ガスバリア性積層フィルムとして比較例2で作製したものを使用した以外は、実施例10と同様に実施した。
(比較例11)
ガスバリア性積層フィルムとして比較例4で作製したものを使用した以外は、実施例10と同様に実施した。
(比較例12)
ガスバリア性積層フィルムとして比較例7で作製したものを使用した以外は、実施例10と同様に実施した。
Figure 2007313758

[実施例と比較例の結果の考察]
表1〜3における、実施例1〜8及び比較例1〜7を対照することにより、本発明のガスバリア性積層フィルムは、ガスバリア性に優れ、透明性が高く(ヘイズ値が低い)、塗工性と外観が良好であることが明らかであるが、本発明の構成の要件を満たさない比較例1〜7においては、ガスバリア性やその他の性能が劣っている。
具体的には、比較例1〜3では、酢酸亜鉛の使用量が少な過ぎて、水浸漬後の酸素透過度が高過ぎている。比較例4,5では、水系樹脂の使用量が少な過ぎ殆ど使用されていないので、塗工性と製品外観が悪く、水浸漬後の酸素透過度も高過ぎている。比較例6では無機金属化合物(酸化亜鉛)が使用され、水系樹脂を使用していないので、水浸漬後の透明性が低く、水浸漬後の酸素透過度が高くなっている。比較例7では、水溶性多価金属と水系樹脂を含む塗液(B)からなる層(b)が塗布形成されず、当然に水浸漬後の酸素透過度が高過ぎている。
表4における、レトルト後の性能評価においては、実施例9〜11では、レトルト後の外観やレトルト後のフィルム酸素透過度も良好である。
比較例8〜11では、酢酸亜鉛の量や水系樹脂の量が少な過ぎ或いは使用されていないので、レトルト後の外観やレトルト後のフィルム酸素透過度において劣っている。比較例12では、水溶性多価金属と水系樹脂を含む層が塗布形成されていないので、レトルト後の外観やレトルト後のフィルム酸素透過度において劣っている。
以上の各実施例と各比較例の対照及び考察からして、本発明の構成が合理性と有意性を充分に備え、従来技術に対する卓越性を有していることが明確にされている。
本発明のガスバリア性積層フィルムの層構成を例示する、断面模式図である。 本発明のガスバリア性積層フィルムの層構成を例示する、断面模式図である。 本発明のガスバリア性積層フィルムの製造プロセスを例示する、概略模式図である。
符号の説明
1:水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)
2:ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から形成される層(a)
3:アンカーコート層 4:基材フィルム
5:基材フィルムの巻き出し部 6:アンカーコート層の塗工部
7:乾燥炉
8:ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)の塗工部
9:水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)の塗工部
10:ガスバリア性積層フィルムの巻き取り部

Claims (13)

  1. プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)及び水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)を備えており、塗液(A)から形成される層(a)と塗液(B)から形成される層(b)とが互いに隣接した少なくとも一対の積層単位を形成することを特徴とする、ガスバリア性積層フィルム。
  2. ポリカルボン酸系重合体が、単独でフィルムに成形したときに、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であることを特徴とする、請求項1に記載されたガスバリア性積層フィルム。
  3. フィルム基材にアンカーコート層を介して、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)、又は水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)から形成される層(b)が積層されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載されたガスバリア性積層フィルム。
  4. ポリカルボン酸系重合体が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸の群から選ばれる少なくとも一種の不飽和酸を重合した単独重合体もしくはそれらの共重合体又はそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルム。
  5. 水溶性多価金属塩が、カルシウム又は亜鉛の酢酸塩、乳酸塩、塩化物であり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂、水系ポリイソシアネート樹脂、水系アクリル樹脂、水系アルキッド樹脂及び水系フッ素樹脂のいずれかであって、或いは水系樹脂がオキサゾリン基含有樹脂であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルム。
  6. 水溶性多価金属塩が、酢酸亜鉛又は酢酸カルシウムであり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂又は水系ポリイソシアネート樹脂であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルム。
  7. ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に、ポリアルコール系樹脂が含有されていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルム。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルムと、該ガスバリア性積層フィルムの少なくとも一方の面に接着層を介して、又は直接に、プラスチックフィルムを積層したことを特徴とするガスバリア性多層フィルム。
  9. 請求項1〜請求項7に記載されたガスバリア性積層フィルムを備えることを特徴とする包装材料。
  10. プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させることを特徴とする、ガスバリア性積層フィルムの製造方法。
  11. フィルム基材にアンカーコート剤を塗布し乾燥させ、次いでポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させることを特徴とする、請求項10に記載されたガスバリア性積層フィルムの製造方法。
  12. ポリカルボン酸系重合体が、単独でフィルムに成形したときに、30℃で相対湿度0%における酸素透過係数が1,000cm(STP)・μm/(m・day・MPa)以下であり、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸の群から選ばれる少なくとも一種の不飽和酸を重合した単独重合体もしくはそれらの共重合体又はそれらの混合物であり、水溶性多価金属塩が、酢酸亜鉛又は酢酸カルシウムであり、水系樹脂が水系ポリウレタン樹脂又は水系ポリイソシアネート樹脂であることを特徴とする、請求項10又は請求項11に記載されたガスバリア性積層フィルムの製造方法。
  13. プラスチックフィルム基材の少なくとも一方の面に、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)を塗布し、ポリカルボン酸系重合体を含む塗液(A)から熱処理をせずに形成される層(a)に隣接して、水溶性多価金属塩と水系樹脂を含む塗液(B)を塗布し、これらの塗布層を乾燥させて請求項10〜請求項12のいずれかに記載されたガスバリア性積層フィルムを得た後に、該ガスバリア性フィルムの少なくとも一方の面に、接着層を介して、又は直接に、プラスチックフィルムを積層してガスバリア性多層フィルムを得ることを特徴とする、ガスバリア性多層フィルムの製造方法。
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