JP2017019413A - 昇温システム - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両の昇温システムに関し、モータを含む電力機器を冷却する冷媒の流量を速やかに確保して電力機器を適切に保護する。
【解決手段】エンジン2とモータとを搭載したハイブリッド車両1に設けられ、モータを含む電力機器3を冷却する冷媒を温める昇温システムにおいて、冷媒を圧送するポンプ31と冷媒を冷却するためのラジエータ33とを介装した冷却回路30を設ける。また、エンジン2の排気系統2Aからラジエータ33へ向かう方向に送風する電動のファン4を、ラジエータ33と排気系統2Aとの間に設置する。さらに、ファン4及び車載の電池5が配置された第一電気回路10上に、抵抗器6をファン4と直列に配置する。そして、抵抗器6を冷却回路30におけるポンプ31の直下流部30aに接触配置する。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン2とモータとを搭載したハイブリッド車両1に設けられ、モータを含む電力機器3を冷却する冷媒を温める昇温システムにおいて、冷媒を圧送するポンプ31と冷媒を冷却するためのラジエータ33とを介装した冷却回路30を設ける。また、エンジン2の排気系統2Aからラジエータ33へ向かう方向に送風する電動のファン4を、ラジエータ33と排気系統2Aとの間に設置する。さらに、ファン4及び車載の電池5が配置された第一電気回路10上に、抵抗器6をファン4と直列に配置する。そして、抵抗器6を冷却回路30におけるポンプ31の直下流部30aに接触配置する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッド車両の駆動用モータ等の電力機器を冷却する冷媒を温める昇温システムに関する。
従来、車両に搭載されたエンジンやモータ等を冷却する手法として、ポンプとラジエータとが介装された冷却回路に冷媒を循環させるものが知られている。すなわち、ポンプで圧送された冷媒が、エンジンやモータ等の発熱装置を冷却したのち、ラジエータで冷却されて再びポンプに戻るものである。所定流量の冷媒が冷却回路内を流通することで、エンジンやモータ等の適切な冷却が可能となる。
ところで、冷媒が凍結するような極寒の環境では、冷媒の粘度が高くなって冷却回路内を流れ難くなり、冷却回路における冷媒の流量が不足することがある。冷媒の流量不足はエンジンやモータ等の冷却不足を招くことから、このような環境下ではこれらの装置が故障するおそれがある。そこで、冷媒の低温化が懸念される場合には、冷媒を昇温してその流量を確保することが求められる。
これに関し、特許文献1には、エンジン冷却用冷却水(冷媒)が通過するラジエータを加温する技術が記載されている。この技術は、エンジンを搭載した車両において暖機時間の短縮及び極低温環境での暖房性能の向上等を実現するために、エンジンの排気系を通過して予熱された空気をラジエータへ送風するものである。このようにラジエータが温められれば、ラジエータを通過する冷媒も加温されうる。
しかしながら、特許文献1の技術は、エンジンの排気系の熱を利用してラジエータを加温するものであるため、エンジンの排気系の温度がある程度高くならない限り冷媒を加温することができない。つまり、エンジンの排気熱を利用した昇温手法では、冷媒を速やかに温めることができない可能性がある。特にエンジンは、モータやインバータといった電力機器に比べて温度上昇に時間がかかるため、エンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両において、モータ等の電力機器を冷却する冷媒をエンジンの排気熱で温めるようとすると、冷媒の流量が確保されるよりも前に電力機器が高温化する虞がある。したがって、特許文献1の技術をそのままハイブリッド車両に適用した場合には、冷却を必要とする電力機器を適切に保護できない可能性がある。
また、冷媒はポンプによって圧送されることで冷却回路を循環するため、冷媒の流量を速やかに確保するには、ポンプの内部やポンプの近く(直下流,直上流)にある冷媒を温めることが有効である。しかしながら、特許文献1の技術はラジエータを加温するものであるため、ラジエータとポンプとが互いに近接して配置されない限り、ポンプの近くにある冷媒を効率よく温めることができない。したがって、特許文献1の技術では、冷媒の流量を速やかに確保することができない虞がある。この点においても、特許文献1の技術には改善の余地がある。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、ハイブリッド車両の昇温システムに関し、モータを含む電力機器を冷却する冷媒の流量を速やかに確保して電力機器を適切に保護することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)ここで開示する昇温システムは、エンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両に設けられ、前記モータを含む電力機器を冷却する冷媒を温める昇温システムである。本昇温システムは、前記冷媒を圧送するポンプと前記冷媒を冷却するためのラジエータとを介装した冷却回路と、前記ラジエータと前記エンジンの排気系統との間に設置され、前記排気系統から前記ラジエータへ向かう方向に送風する電動のファンと、前記ファン及び車載の電池が配置された第一電気回路と、前記第一電気回路上において前記ファンと直列に配置され、前記冷却回路における前記ポンプの直下流部に接触配置された抵抗器と、を備える。
(2)前記ラジエータが、前記冷却回路における前記ポンプよりも上流に配置されることが好ましい。
(3)前記昇温システムが、前記ファン及び前記電池が配置されるとともに前記抵抗器を迂回する第二電気回路と、前記第一電気回路及び前記第二電気回路の何れか一方に通電する切替部と、前記切替部を制御することで前記ファンの作動状態を制御する制御装置と、を備えることが好ましい。前記制御装置は、前記エンジンの排気温度が所定排気温未満である場合に、前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させ、前記排気温度が前記所定排気温以上である場合に、前記第二電気回路に通電して前記ファンを回転させることが好ましい。
(3)前記昇温システムが、前記ファン及び前記電池が配置されるとともに前記抵抗器を迂回する第二電気回路と、前記第一電気回路及び前記第二電気回路の何れか一方に通電する切替部と、前記切替部を制御することで前記ファンの作動状態を制御する制御装置と、を備えることが好ましい。前記制御装置は、前記エンジンの排気温度が所定排気温未満である場合に、前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させ、前記排気温度が前記所定排気温以上である場合に、前記第二電気回路に通電して前記ファンを回転させることが好ましい。
(4)前記制御装置は、前記排気温度が高いほど前記ファンの回転速度を高めることが好ましい。
(5)前記制御装置は、前記ハイブリッド車両を走行可能状態に切り替える操作がされた時点で、前記冷媒の温度が所定値未満であれば前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させることが好ましい。
(6)前記制御装置は、前記ハイブリッド車両の走行モードが前記モータを駆動源とするEVモードに設定されている場合でも、前記時点で前記冷媒の温度が前記所定値未満であれば前記エンジンを強制的に始動させることが好ましい。
(5)前記制御装置は、前記ハイブリッド車両を走行可能状態に切り替える操作がされた時点で、前記冷媒の温度が所定値未満であれば前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させることが好ましい。
(6)前記制御装置は、前記ハイブリッド車両の走行モードが前記モータを駆動源とするEVモードに設定されている場合でも、前記時点で前記冷媒の温度が前記所定値未満であれば前記エンジンを強制的に始動させることが好ましい。
開示の昇温システムによれば、抵抗器の熱とエンジンの排気系統の熱とを利用して冷媒を温められることから、冷媒の流量を速やかに確保することができる。これにより、冷却を必要とする電力機器(例えばモータ,インバータ,車載充電器等)を適切に保護することができる。
図面を参照して、実施形態としての昇温システムについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができるとともに、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることが可能である。
[1.システム構成]
図1に、実施形態としての昇温システムの全体構成を例示する。この昇温システムは、エンジン2と駆動用のモータとを搭載したハイブリッド車両1(以下、車両1と略称する)に設けられる。車両1には、モータ,インバータ,DC-DCコンバータ,車載充電器等の電力機器が搭載される。これらの電力機器は作動時の発熱量が大きいことから冷却回路30を流れる冷媒により冷却される。以下、これらの電力機器を「EVコンポ3」という。なお、車両1には、この冷却回路30とは別に、エンジン2を冷却するための冷却回路(図示略)も設けられる。冷却回路30は、例えば配管やホースで形成される。
図1に、実施形態としての昇温システムの全体構成を例示する。この昇温システムは、エンジン2と駆動用のモータとを搭載したハイブリッド車両1(以下、車両1と略称する)に設けられる。車両1には、モータ,インバータ,DC-DCコンバータ,車載充電器等の電力機器が搭載される。これらの電力機器は作動時の発熱量が大きいことから冷却回路30を流れる冷媒により冷却される。以下、これらの電力機器を「EVコンポ3」という。なお、車両1には、この冷却回路30とは別に、エンジン2を冷却するための冷却回路(図示略)も設けられる。冷却回路30は、例えば配管やホースで形成される。
冷却回路30には、上述のEVコンポ3に加えて、ポンプ31,コンデンスタンク32及びラジエータ33が介装される。ポンプ31は、EVコンポ3を冷却する冷媒を冷却回路30内で循環させるための電動圧送器(電制ウォーターポンプ)であり、オン状態で(稼動時に)冷媒を圧送する。なお、冷媒の流通方向(循環方向)は、図1中に太矢印で示すように、反時計回りである。コンデンスタンク32は、ポンプ31へ気泡が流入することを防止するための気液分離タンクであり、ポンプ31の直上流に設けられて冷媒に含まれる気泡を液体成分から分離して外部に排出する。ラジエータ33は、冷媒を冷却するための熱交換器であり、コンデンスタンク32よりも上流に設けられる。つまり、ラジエータ33は、冷却回路30におけるポンプ31よりも上流に配置される。
また、ラジエータ33は、エンジン2のエキゾーストマニホールド2A(排気系統,以下、エキマニ2Aと略称する)と並んで設けられる。エキマニ2Aは、エンジン2の作動時に排出される高温の燃焼ガス(排気)の流路を形成するものである。エキマニ2Aの温度や、エキマニ2Aの周辺部品や周囲の空気の温度は、エンジン2の排気の熱によって上昇する。
ラジエータ33及びエキマニ2Aの間には、ラジエータ33に空気を流すためのファン4が設置される。つまり、ラジエータ33,ファン4,エキマニ2Aは、この順で一列に並べられる。ファン4は、車載の補機バッテリ5(電池)の電力で作動する電動ファンであり、複数の羽根が回転することで空気の流れを生成する。ファン4と補機バッテリ5とは、二つの電気回路10,20でそれぞれ接続される。言い換えると、二つの電気回路10,20の何れにも、ファン4及び補機バッテリ5が配置される。二つの電気回路10,20には、何れか一方の回路にだけ電流を流す切替回路40(切替部)が設けられる。また、二つの電気回路10,20の一方にはレジスタ6(抵抗器)が配され、通電される回路10,20によってファン4に印加される電圧値が異なるようになっている。以下、二つの電気回路10,20を区別する場合には、レジスタ6が配された一方を第一電気回路10といい、他方を第二電気回路20という。第二電気回路20は、レジスタ6を迂回する回路であるともいえる。
ファン4は、印加される電圧の大きさに応じて、その回転速度が二段階に(低速,高速に)切り替わる。電圧が低い場合にはファン4は低速で回転する。以下、ファン4のこの作動状態をロー駆動という。また、電圧が高い場合にはファン4は高速で回転する。以下、ファン4のこの作動状態をハイ駆動という。第一電気回路10は、レジスタ6の抵抗値の分だけ第二電気回路20よりも電圧が低くなることから、第一電気回路10に電流を流すとファン4がロー駆動となる。反対に、第二電気回路20に電流を流すとファン4がハイ駆動となる。言い換えると、第一電気回路10は、ファン4のロー駆動時に電流が流れる電気回路であり、第二電気回路20は、ファン4のハイ駆動時に電流が流れる電気回路である。
切替回路40は、補機バッテリ5とファン4との間の通電経路を第一電気回路10又は第二電気回路20に切り替えるものであり、例えばスイッチ,コンタクタ,リレー等で構成される。切替回路40は、二つの電気回路10,20の何れか一方に通電し、他方を遮断することで、ファン4の作動状態をロー駆動とハイ駆動とに切り替える。切替回路40は、後述のEV−ECU50によって制御される。
レジスタ6は、ファン4と直列に接続され、第一電気回路10の電圧値を下げることでファン4の回転速度を下げて、ファン4の作動時に生じる音を低減するものである。レジスタ6は、冷却回路30におけるポンプ31の直下流部30aに接触配置される。これにより、レジスタ6と冷却回路30との間で熱交換が行われる。すなわち、レジスタ6が通電されて発熱すると、レジスタ6の温度が冷媒の温度(以下、冷媒温度Twという)よりも高くなることから、レジスタ6の熱が冷媒に移動する。このため、ポンプ31の直下流部30aの冷媒温度Twが上昇するとともにレジスタ6の温度が低下する。
二つの電気回路10,20にはそれぞれ、電流の向きを反転させる反転スイッチ11,21が介装され、ファン4に供給される電流の向きが変えられるようになっている。
ファン4は、供給される電流の向きに応じてその回転方向を切り替え可能に構成されている。つまり、反転スイッチ11,21によって電流の向きを変えることで、ファン4の回転方向が切り替わり、送風方向が逆転する。本実施形態のファン4は、正回転時にラジエータ33からエキマニ2Aへ向かう方向に送風し、逆回転時にこれと逆方向(すなわちエキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向)に送風するものとする。反転スイッチ11,21は、EV−ECU50によって制御される。
ファン4は、供給される電流の向きに応じてその回転方向を切り替え可能に構成されている。つまり、反転スイッチ11,21によって電流の向きを変えることで、ファン4の回転方向が切り替わり、送風方向が逆転する。本実施形態のファン4は、正回転時にラジエータ33からエキマニ2Aへ向かう方向に送風し、逆回転時にこれと逆方向(すなわちエキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向)に送風するものとする。反転スイッチ11,21は、EV−ECU50によって制御される。
ファン4は、正回転時と逆回転時とでその機能が異なる。ファン4は、正回転時にはラジエータ33に外部の空気を通過させることで冷媒を冷やすラジエータファンとして機能する。一方、逆回転時には、ラジエータ33にエキマニ2Aの周辺の空気を通過させることで冷媒を加温するヒータファンとして機能する。
冷却回路30には、冷媒温度Twを検出する温度センサ7が設けられる。温度センサ7の具体的な位置は特に限定されないが、例えば図1に示すように、EVコンポ3の上流側に設けることで、EVコンポ3を冷却する前の冷媒温度Twを検出してもよい。あるいは、EVコンポ3の下流側に温度センサ7を設けることで、EVコンポ3を冷却したのちの冷媒温度Twを検出してもよい。温度センサ7は、検出した冷媒温度Twの情報をEV−ECU50に伝達する。
また、エンジン2には、排気温度Teを検出する排気温センサ8が設けられる。排気温センサ8の位置も特に限定されず、例えば図1に示すように、エキマニ2Aに設けられていてもよいし、エキマニ2Aの下流側の排気通路であってもよい。排気温センサ8は、検出した排気温度Teの情報を後述のエンジンECU60に伝達する。
また、エンジン2には、排気温度Teを検出する排気温センサ8が設けられる。排気温センサ8の位置も特に限定されず、例えば図1に示すように、エキマニ2Aに設けられていてもよいし、エキマニ2Aの下流側の排気通路であってもよい。排気温センサ8は、検出した排気温度Teの情報を後述のエンジンECU60に伝達する。
車両1には、エンジン2を制御するエンジンECU60と、車両1を統合制御するEV−ECU50(制御装置)とが設けられる。エンジンECU60は、車載ネットワークに接続されてエンジン2の運転状態を司る電子制御装置(Engine Electronic Control Unit)であり、CPU,MPUなどのマイクロプロセッサやROM,RAMなどを集積した電子デバイスとして形成される。本実施形態のエンジンECU60は、排気温センサ8から伝達された情報をEV−ECU50に伝達する。
EV−ECU50は、車載ネットワークに接続され、他の電子制御装置(例えば、エンジンECU60,図示しないモータECU,エアコンECU等)よりも上位の電子制御装置であり、周知のマイクロプロセッサやROM,RAMなどを集積した電子デバイスとして形成される。EV−ECU50は、他の電子制御装置で実施される制御のタイミングや制御量を監視し、必要に応じて各制御に介入する権限を持つ。
EV−ECU50は、アクセル開度,車速,駆動用バッテリの充電率等に基づいて、車両1の走行モードを設定する。ここで設定される走行モードとしては、エンジン2が停止した状態でモータの出力のみで走行するEVモード,エンジン2で発電をしながらモータの出力のみで走行するシリーズモード,モータ及びエンジン2を駆動源として走行するパラレルモード,エンジン2の出力のみで走行するエンジンモード等が挙げられる。
本実施形態のEV−ECU50は、エンジン2,EVコンポ3,ファン4,ポンプ31の各作動状態を制御するとともに、切替回路40及び反転スイッチ11,21の状態を制御することでファン4の作動状態を制御する。
本実施形態では、冷媒が凍結するような極寒環境で車両1を始動させるとき(オフ状態から走行可能な状態にするとき)に実施される昇温制御について詳述する。
本実施形態では、冷媒が凍結するような極寒環境で車両1を始動させるとき(オフ状態から走行可能な状態にするとき)に実施される昇温制御について詳述する。
[2.制御構成]
昇温制御とは、冷媒温度Twが低いために冷却回路30内の冷媒の粘度が高く流速が遅い(流量が不足する)場合に、冷媒を温めて流速(流量)を確保する制御である。例えば、外気温が非常に低い環境で冷媒が凍結に近い状態となった場合は、ポンプ31を作動させても冷媒が冷却回路30を循環することができない。この場合、EVコンポ3が適切に冷却されないため、常時冷却が必要なEVコンポ3の高温化が懸念される。昇温制御は、このように冷媒が凍結に近い状態のときに冷媒を昇温することで、EVコンポ3を適切に冷却して保護するための制御である。昇温制御は、極寒環境下や冷媒温度Twが極低温の状況で、EV−ECU50によって実施される。
昇温制御とは、冷媒温度Twが低いために冷却回路30内の冷媒の粘度が高く流速が遅い(流量が不足する)場合に、冷媒を温めて流速(流量)を確保する制御である。例えば、外気温が非常に低い環境で冷媒が凍結に近い状態となった場合は、ポンプ31を作動させても冷媒が冷却回路30を循環することができない。この場合、EVコンポ3が適切に冷却されないため、常時冷却が必要なEVコンポ3の高温化が懸念される。昇温制御は、このように冷媒が凍結に近い状態のときに冷媒を昇温することで、EVコンポ3を適切に冷却して保護するための制御である。昇温制御は、極寒環境下や冷媒温度Twが極低温の状況で、EV−ECU50によって実施される。
昇温制御は、二段階に分かれている。第一段階では、レジスタ6の通電時に発する熱(ジュール熱)とエンジン2が排出する熱(排熱)とが利用され、第二段階ではエンジン2の排熱のみが利用される。第一段階は、昇温制御の開始条件が成立したら開始され、切替条件が成立したら終了する。第二段階は、切替条件が成立したら開始され、昇温制御の終了条件が成立したら終了する。開始条件,切替条件,終了条件は以下の通りである。
開始条件:冷媒温度Twが第一所定値T1未満である(Tw<T1)
切替条件:排気温度Teが所定排気温Tth以上である(Te≧Tth)
終了条件:冷媒温度Twが第二所定値T2以上である(Tw≧T2)
開始条件:冷媒温度Twが第一所定値T1未満である(Tw<T1)
切替条件:排気温度Teが所定排気温Tth以上である(Te≧Tth)
終了条件:冷媒温度Twが第二所定値T2以上である(Tw≧T2)
ここで、第一所定値T1(所定値)は、冷媒の流量が適切に確保される(ポンプ31の作動によりEVコンポ3を適切に冷却できる)冷媒温度Twの最低値である。また、第二所定値T2は、第一所定値T1よりも大きい値(T2>T1)であり、冷却回路30内を冷媒がスムーズに流れることのできる冷媒温度Twの最低値である。これらの値T1,T2は、冷媒の性質やポンプ31,EVコンポ3の性能等に基づいて予め設定される。所定排気温Tthは、レジスタ6の通電を止め、熱交換効率の高いラジエータ33のみで冷媒を温めるように切り替えるための温度(例えばエンジン2が暖まった〔暖機が終了した〕とみなせる排気温度Te)であり、予め設定される。
昇温制御の第一段階では、第一電気回路10に通電するように切替回路40を制御して、レジスタ6の熱でポンプ31の直下流部30aの冷媒を加温するとともに、ファン4が逆回転するように反転スイッチ11を制御して、エンジン2の排熱でラジエータ33の冷媒を加温する。つまり、昇温制御の第一段階では、ファン4の作動状態がロー駆動かつ逆回転に制御される。このように第一段階では、レジスタ6及びエンジン2の両方の熱で冷媒が温められるため、エンジン2の熱だけで冷媒を温める場合と比べて、冷媒が速やかに加温される。
レジスタ6は、通電が開始されると直ぐに温度上昇し始め、エンジン2の暖機が終了するよりも前に比較的高温の状態となる。このため、第一段階ではエンジン2が暖まるまでのエンジン2の排熱に加えてレジスタ6の熱も利用することで、ポンプ31の直下流部30aの冷媒を最初に加温することができる。ここで、昇温制御が実施されるのは冷媒が凍結に近い状態(略流通していない状態)のときであるため、ポンプ31の直下流部30aに伝えられた熱は、下流側に伝わるとともに上流側にあるポンプ31へもじわじわと伝わっていき、ポンプ31内の冷媒も加温され、ポンプ31の動力確保が行われる。これにより、ポンプ31によって冷媒が冷却回路30内を循環できるようになる。
エンジン2の排気温度Teが所定排気温Tth以上になると上記の切替条件が成立するため、昇温制御が第一段階から第二段階に切り替えられる。第二段階では、第二電気回路20に通電するように切替回路40を制御して、レジスタ6への通電を終了するとともに、ファン4が逆回転するように反転スイッチ21を制御して、エンジン2の排熱だけでラジエータ33の冷媒を加温する。つまり、昇温制御が第二段階に切り替えられると、ファン4の作動状態がロー駆動からハイ駆動に切り替えられるとともに、逆回転に制御される。このように第二段階では、レジスタ6よりも熱交換効率が高いラジエータ33を利用して冷媒を温める。
EV−ECU50は、昇温制御に関する上記の開始条件,切替条件,終了条件の成否を判定し、判定結果に応じて各装置(エンジン2,切替回路40,反転スイッチ11,21等)を制御する。EV−ECU50は、温度センサ7から伝達された冷媒温度Twの情報に基づいて、開始条件及び終了条件の成否を判定し、エンジンECU60から伝達された排気温度Teの情報に基づいて、切替条件の成否を判定する。つまり、温度センサ7により検出された情報に基づいて、本制御の開始と終了とが判断される。
本実施形態のEV−ECU50は、車両1を走行可能状態(READY_ON状態)に切り替える操作がされた時点で、開始条件が成立するか否かを判定し、この条件が成立した場合に昇温制御を開始する。つまり、昇温制御は車両1の走行開始前に実施される。なお、走行可能状態とは、エンジン2とモータとの少なくとも一方が作動可能な状態である。
EV−ECU50は、開始条件が成立した時点で、エンジン2,EVコンポ3及びポンプ31をオン状態(稼動している状態)に制御し、ファン4をロー駆動かつ逆回転に制御する。具体的には、EV−ECU50は、エンジン2をアイドリング状態に制御し、EVコンポ3及びポンプ31に給電されるように図示しない電気回路やスイッチ等を制御する。このようにEV−ECU50は、仮に車両1の走行モードがEVモードに設定されている場合(すなわちエンジン2が停止状態である場合)でも、開始条件が成立したらエンジン2を強制的に始動させる。さらに、EV−ECU50は、切替回路40を制御して第一電気回路10に通電するとともに、反転スイッチ11を制御してファン4を逆回転させる。これにより、レジスタ6が発熱するとともに、エキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向に空気が流れる。
EV−ECU50は、昇温制御(第一段階)の実施中に切替条件が成立したら、ファン4をロー駆動からハイ駆動に切り替えるとともに、ファン4を逆回転に制御する。具体的には、EV−ECU50は、切替回路40を制御して第二電気回路20に通電するとともに、反転スイッチ21を制御してファン4を逆回転させる。これにより、レジスタ6への通電が終了するとともに、エキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向に流れる空気の風量が増大する。
EV−ECU50は、昇温制御(第二段階)の実施中に終了条件が成立したら、エンジン2をオフ状態に制御するとともにファン4をハイ駆動かつ正回転に制御する。具体的には、EV−ECU50は、切替回路40の状態を維持しながら、反転スイッチ21を制御してファン4を正回転させる。これにより、ファン4がハイ駆動で正回転し、ラジエータ33からエキマニ2Aへ向かう方向に空気が流れて、昇温制御が終了する。
[3.フローチャート]
図2は上述の昇温制御の手順を例示するフローチャートである。このフローチャートは、車両1をオフ状態から走行可能状態であるREADY_ON状態に切り替える操作がされた時点で、EV−ECU50において実行される。
図2は上述の昇温制御の手順を例示するフローチャートである。このフローチャートは、車両1をオフ状態から走行可能状態であるREADY_ON状態に切り替える操作がされた時点で、EV−ECU50において実行される。
図2に示すように、EV−ECU50では、まず冷媒温度Twが検出され(ステップS1)、その冷媒温度Twが第一所定値T1未満であるか否かが判定される(ステップS2)。すなわち、冷媒温度Twに基づき開始条件の成否が判定され、Tw<T1であればステップS3に進み、Tw≧T1であればステップS12に進む。
ステップS3では、EVコンポ3,ポンプ31及びエンジン2がオン状態に制御され、ステップS4ではファン4がロー駆動かつ逆回転に制御される。なお、開始条件が成立した場合には、車両1の走行モードに関わらず(EVモードであったとしても)、エンジン2が強制的に始動させられる。続いて排気温度Teが検出され(ステップS5)、その排気温度Teが所定排気温Tth以上であるか否かが判定される(ステップS6)。すなわち、排気温度Teに基づき切替条件の成否が判定され、Te≧TthであればステップS7に進む。一方、Te<TthのときはステップS5に戻り、再び排気温度Teが検出されて、切替条件の成否が判定される(ステップS5,S6)。これらのステップS5,S6は、Te≧Tthとなるまで繰り返される。
ステップS7ではファン4がロー駆動からハイ駆動に切り替えられるとともに逆回転に制御される。次いで、冷媒温度Twが検出され(ステップS8)、その冷媒温度Twが第二所定値T2以上であるか否かが判定される(ステップS9)。すなわち、冷媒温度Twに基づき終了条件の成否が判定され、Tw≧T2であればステップS10に進む。一方、Tw<T2のときはステップS8に戻り、再び冷媒温度Twが検出されて、終了条件の成否が判定される(ステップS8,S9)。これらのステップS8,S9は、Tw≧T2となるまで繰り返される。
ステップS10では、車両1の走行モードに応じてエンジン2が制御される。すなわち、走行モードがEVモードであればエンジン2の作動が止められ(オフ状態に制御され)、走行モードがEVモード以外(エンジン2が作動するモード)であればエンジン2がオン状態のままに制御される。そして、ステップS11においてファン4がハイ駆動かつ正回転に制御され、このフローを終了する。
ステップS2からステップS12に進んだ場合には、昇温制御は実施されずに通常の制御が実施される。通常の制御では、EVコンポ3及びポンプ31がオン状態に制御され、ファン4がハイ駆動かつ正回転に制御される。また、エンジン2は、車両1の走行モードや駆動用バッテリの充電状態等に応じてオン,オフが制御される。そして、このフローを終了する。
ステップS2からステップS12に進んだ場合には、昇温制御は実施されずに通常の制御が実施される。通常の制御では、EVコンポ3及びポンプ31がオン状態に制御され、ファン4がハイ駆動かつ正回転に制御される。また、エンジン2は、車両1の走行モードや駆動用バッテリの充電状態等に応じてオン,オフが制御される。そして、このフローを終了する。
[4.効果]
(1)上述の昇温システムには、エキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向に送風する電動のファン4と、ファン4と直列に配置(接続)されたレジスタ6とが設けられる。そのため、エンジン2がエキマニ2Aに排出する熱と、レジスタ6が発する熱との両方で冷媒を温めることができる。特に、レジスタ6はエンジン2よりも早く温度上昇するため、エンジン2の排熱に加えてレジスタ6の熱も利用することで、冷媒を速やかに温めることができる。これにより冷媒の流量が速やかに確保されることから、EVコンポ3を適切に冷却することができる。したがって、EVコンポ3を適切に保護することができる。
(1)上述の昇温システムには、エキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向に送風する電動のファン4と、ファン4と直列に配置(接続)されたレジスタ6とが設けられる。そのため、エンジン2がエキマニ2Aに排出する熱と、レジスタ6が発する熱との両方で冷媒を温めることができる。特に、レジスタ6はエンジン2よりも早く温度上昇するため、エンジン2の排熱に加えてレジスタ6の熱も利用することで、冷媒を速やかに温めることができる。これにより冷媒の流量が速やかに確保されることから、EVコンポ3を適切に冷却することができる。したがって、EVコンポ3を適切に保護することができる。
また、レジスタ6が冷却回路30におけるポンプ31の直下流部30aに接触配置されるため、レジスタ6の熱でポンプ31の直下流部30aの冷媒を最初に加温することができる。これにより、冷媒が凍結しているような状態であっても、ポンプ31の直下流部30aに伝えられた熱が上流側にあるポンプ31へ伝わっていくことでポンプ31内の冷媒が加温されることから、ポンプ31の動力を速やかに確保することができ、ポンプ31によって冷媒を速やかに循環させることができる。したがって、冷媒の流量を速やかに確保してEVコンポ3を適切に保護することができる。
また、レジスタ6が冷却回路30に接触配置されているため、ファン4の音を低減するためにレジスタ6を使用する場合(すなわち昇温制御以外の通常の使用時で)は、冷却回路30の冷媒でレジスタ6を冷却することができる。さらに、レジスタ6をポンプ31の直下流部30aに設置することで、ポンプ31の直上流に設けられるコンデンスタンク32の設置に支障をきたすことはない。
(2)上述の昇温システムでは、ラジエータ33が冷却回路30におけるポンプ31よりも上流に配置される。つまり、冷却回路30におけるポンプ31の直下流部30aにはレジスタ6が接触配置され、ポンプ31の上流にはラジエータ33が配置される。このように、冷媒を温める機能を有するレジスタ6及びラジエータ33をポンプ31の両側(上流側及び下流側)にそれぞれ配置する(二つの熱源でポンプ31を挟む)ことで、ポンプ31の内部やポンプ31の近くにある冷媒を効率よく温めることができる。これにより、冷媒がポンプ31で圧送されやすくなることから、冷媒の流量をより速やかに確保することができる。したがって、EVコンポ3をより適切に保護することができる。
(3)上述の昇温システムでは、エンジン2の排気温度Teに基づいてロー駆動とハイ駆動とが切り替えられる。具体的には、排気温度Teが所定排気温Tth未満である場合にファン4がロー駆動かつ逆回転に制御され、排気温度Teが所定排気温Tth以上である場合にファン4がハイ駆動かつ逆回転に制御される。
このように、排気温度Teが比較的低い場合には、暖まる前(例えば暖機中)のエンジン2の排熱だけでなく、エンジン2よりも早く温度上昇するレジスタ6の熱も利用して冷媒を温めることで、エンジン2の排熱だけで冷媒を温める場合と比べて冷媒を速やかに加温することができる。一方、排気温度Teが比較的高い場合には、ファン4を高速で逆回転させてレジスタ6よりも熱交換効率が高いラジエータ33を集中的に利用することによって、エンジン2の排熱で冷媒を効率よく温めることができる。このように、エンジン2の排気温度Teに応じて制御内容を変更することで、冷媒をより早く温度上昇させることができる。したがって、冷媒の流量を速やかに確保してEVコンポ3をより適切に保護することができる。
(4)上述の昇温システムでは、車両1を走行可能状態に切り替える(例えばEVコンポ3を停止状態から作動可能な状態に切り替える)操作がされた時点で、冷媒温度Twが第一所定値T1未満であれば昇温制御が開始される。車両1が走行可能状態に切り替わる時点は、EVコンポ3が発熱し始める可能性のある時点であり、冷却回路30に冷媒を流し始める時点である。したがって、この時点で冷媒の流量不足が懸念されるような場合に昇温制御を実施することで、EVコンポ3が発熱しうるタイミングに合わせて冷媒の流量を増大させることができる。そのため、EVコンポ3をより適切に冷却して保護することができる。
(5)上述の昇温システムでは、車両1の走行モードがEVモードに設定されている場合でも、車両1を走行可能状態に切り替える操作がされた時点で、冷媒温度Twが第一所定値T1未満であればエンジン2が強制的に始動させられる。つまり、エンジン2は、上述の昇温制御の開始時には車両1の走行モードに関わらず始動する。このように、車両1の走行モードがEVモードであっても冷媒の低温化が懸念される場合には、エンジン2を始動することで冷媒を昇温させることが可能である。そのため、EVコンポ3を適切に保護することができる。また、昇温制御が終了したときに設定されている走行モードがEVモードであれば、エンジン2をオフ状態に制御することで最低限のエンジン2の作動により昇温制御を行うことができる。
(6)上述のファン4は、正回転と逆回転とが切り替えられることで、冷媒を冷却するラジエータファンとして機能するとともに冷媒を温めるヒータファンとしても機能する。つまり、上述の昇温システムによれば、既存のラジエータファンを活用して冷媒を温めることができる。そのため、既存のラジエータファンとは別にファンを設ける場合と比べて、省スペース化と低コスト化を図ることができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の実施形態では、ファン4の回転速度が低速と高速との二段階に切り替えられる場合について説明したが、ファン4の回転速度が三段階以上に変更可能であってもよい。例えば、EV−ECU50は、上述の昇温制御の実施中に排気温度Teが高くなるほどファン4の回転速度を高めるようにしてもよい。このように排気温度Teに応じてファン4の回転速度を変更することで、エンジン2の排熱を更に効率よくラジエータ33に送給することができる。そのため、冷媒が更に効率よく温められ、冷媒の流量がより速やかに確保されることから、EVコンポ3をより適切に保護することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述の実施形態では、ファン4の回転速度が低速と高速との二段階に切り替えられる場合について説明したが、ファン4の回転速度が三段階以上に変更可能であってもよい。例えば、EV−ECU50は、上述の昇温制御の実施中に排気温度Teが高くなるほどファン4の回転速度を高めるようにしてもよい。このように排気温度Teに応じてファン4の回転速度を変更することで、エンジン2の排熱を更に効率よくラジエータ33に送給することができる。そのため、冷媒が更に効率よく温められ、冷媒の流量がより速やかに確保されることから、EVコンポ3をより適切に保護することができる。
また、上述の実施形態では、ファン4がラジエータ33とエンジン2のエキマニ2Aとの間に設置される場合を例示したが、ファン4は、少なくとも、ラジエータ33とエンジン2の排気が通過しうる排気系統との間に設置されればよい。なお、エンジン2の排気系統の具体例としては、エキマニ2Aよりも下流側に配置される排気管や触媒が挙げられる。
また、上述の実施形態では、ラジエータ33が冷却回路30におけるコンデンスタンク32の直上流に設けられる場合を例示したが、ラジエータ33の位置はこれに限定されない。例えば、ラジエータ33が冷却回路30におけるEVコンポ3とポンプ31との間(すなわちレジスタ6の下流側)に設けられてもよい。
また、上述の昇温制御にかかる開始条件,切替条件,終了条件は何れも上述の実施形態で示したものに限られない。例えば、開始条件及び終了条件が、上述の冷媒温度Twに代えて(あるいは併用して)、冷媒の粘度や流量,外気温等に基づくものであってもよい。また、EV−ECU50は、温度センサ7による検出情報に代えて、例えば冷媒の粘度や流量,外気温から推定された冷媒温度Twに基づいて開始条件及び終了条件の成否を判定してもよい。同様に、切替条件が、上述の排気温度Teに代えて(あるいは併用して)、エンジン2の油温やエンジン2の作動(暖機運転)が継続された時間等に基づくものであってもよい。また、EV−ECU50は、排気温センサ8による検出情報に代えて、例えばエンジン2の油温やエンジン2の作動(暖機運転)が継続された時間から推定された排気温度Teに基づいて、切替条件の成否を判定してもよい。
また、上述の実施形態では、EVコンポ3が昇温制御の開始と同時にオン状態に制御される場合について説明したが、EVコンポ3をオン状態に制御するタイミングはこれに限定されない。例えば、図2のフローに例示したように、昇温制御の開始と同時にEVコンポ3をオン状態に制御すれば、昇温制御により冷媒が温められつつEVコンポ3が作動するため、EVコンポ3を保護しながら車両1を走行させることが可能である。また、昇温制御の終了と同時にEVコンポ3をオン状態に制御した場合には、EVコンポ3の高温化をより確実に防止することができる。
上述の実施形態では、ファン4が回転方向を反転させることができるものを示したが、ファン4は少なくともエキマニ2Aからラジエータ33へ向かう方向に送風することができるもの(すなわち、上述の逆回転の方向に回転可能であるもの)であればよい。また、レジスタ6は、少なくとも電気回路に電気抵抗を与えるものであって通電時に発熱するものであればよく、その種類は特に限定されない。
1 車両
2 エンジン
2A エキマニ,エキゾーストマニホールド(排気系統)
3 EVコンポ(モータを含む電力機器)
4 ファン
5 補機バッテリ(電池)
6 レジスタ(抵抗器)
10 第一電気回路
20 第二電気回路
30 冷却回路
30a 直下流部
31 ポンプ
33 ラジエータ
40 切替回路(切替部)
50 EV−ECU(制御装置)
T1 第一所定値(所定値)
Te 排気温度
Tth 所定排気温
Tw 冷媒温度
2 エンジン
2A エキマニ,エキゾーストマニホールド(排気系統)
3 EVコンポ(モータを含む電力機器)
4 ファン
5 補機バッテリ(電池)
6 レジスタ(抵抗器)
10 第一電気回路
20 第二電気回路
30 冷却回路
30a 直下流部
31 ポンプ
33 ラジエータ
40 切替回路(切替部)
50 EV−ECU(制御装置)
T1 第一所定値(所定値)
Te 排気温度
Tth 所定排気温
Tw 冷媒温度
Claims (6)
- エンジンとモータとを搭載したハイブリッド車両に設けられ、前記モータを含む電力機器を冷却する冷媒を温める昇温システムであって、
前記冷媒を圧送するポンプと前記冷媒を冷却するためのラジエータとを介装した冷却回路と、
前記ラジエータと前記エンジンの排気系統との間に設置され、前記排気系統から前記ラジエータへ向かう方向に送風する電動のファンと、
前記ファン及び車載の電池が配置された第一電気回路と、
前記第一電気回路上において前記ファンと直列に配置され、前記冷却回路における前記ポンプの直下流部に接触配置された抵抗器と、
を備えたことを特徴とする、昇温システム。 - 前記ラジエータが、前記冷却回路における前記ポンプよりも上流に配置される
ことを特徴とする、請求項1記載の昇温システム。 - 前記ファン及び前記電池が配置されるとともに前記抵抗器を迂回する第二電気回路と、
前記第一電気回路及び前記第二電気回路の何れか一方に通電する切替部と、
前記切替部を制御することで前記ファンの作動状態を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記エンジンの排気温度が所定排気温未満である場合に、前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させ、前記排気温度が前記所定排気温以上である場合に、前記第二電気回路に通電して前記ファンを回転させる
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の昇温システム。 - 前記制御装置は、前記排気温度が高いほど前記ファンの回転速度を高める
ことを特徴とする、請求項3記載の昇温システム。 - 前記制御装置は、前記ハイブリッド車両を走行可能状態に切り替える操作がされた時点で、前記冷媒の温度が所定値未満であれば前記第一電気回路に通電して前記ファンを回転させる
ことを特徴とする、請求項3又は4記載の昇温システム。 - 前記制御装置は、前記ハイブリッド車両の走行モードが前記モータを駆動源とするEVモードに設定されている場合でも、前記時点で前記冷媒の温度が前記所定値未満であれば前記エンジンを強制的に始動させる
ことを特徴とする、請求項5記載の昇温システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015139034A JP2017019413A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 昇温システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015139034A JP2017019413A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 昇温システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017019413A true JP2017019413A (ja) | 2017-01-26 |
Family
ID=57887496
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015139034A Pending JP2017019413A (ja) | 2015-07-10 | 2015-07-10 | 昇温システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017019413A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111347833A (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 株式会社斯巴鲁 | 电动车的温度调节控制系统 |
CN111867872A (zh) * | 2018-04-10 | 2020-10-30 | 日产自动车株式会社 | 电动机的冷却方法及冷却装置 |
-
2015
- 2015-07-10 JP JP2015139034A patent/JP2017019413A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111867872A (zh) * | 2018-04-10 | 2020-10-30 | 日产自动车株式会社 | 电动机的冷却方法及冷却装置 |
CN111867872B (zh) * | 2018-04-10 | 2023-08-04 | 日产自动车株式会社 | 电动机的冷却方法及冷却装置 |
CN111347833A (zh) * | 2018-12-20 | 2020-06-30 | 株式会社斯巴鲁 | 电动车的温度调节控制系统 |
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