JP2007326432A - ハイブリッド自動車用エンジン冷却システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却ファンの駆動を抑えつつ、ラジエータの熱歪みを低減することができるハイブリッド自動車用エンジン冷却システムを提供する。
【解決手段】ラジエータ10と、冷却ファン11と、ラジエータ10内における冷却水の偏流の発生に関連する因子を検出する偏流検出手段13、18と、ラジエータ10を流れる冷却水流量を検出する流量検出手段19と、冷却ファン11の駆動制御を行う冷却システムECU20とを備え、冷却システムECU20を、ハイブリッドECU9により電動モータ2のみを駆動源として走行する走行モードからエンジン1を駆動源として使用する走行モードに切り替えられた際に、流量検出手段19によって検出された冷却水流量が所定流量を超え、かつ偏流検出手段13、18によって検出された偏流の発生に関連する因子に基づいて偏流発生条件が成立していると判定した場合に、冷却ファン11を駆動させるように構成する。
【選択図】図2
【解決手段】ラジエータ10と、冷却ファン11と、ラジエータ10内における冷却水の偏流の発生に関連する因子を検出する偏流検出手段13、18と、ラジエータ10を流れる冷却水流量を検出する流量検出手段19と、冷却ファン11の駆動制御を行う冷却システムECU20とを備え、冷却システムECU20を、ハイブリッドECU9により電動モータ2のみを駆動源として走行する走行モードからエンジン1を駆動源として使用する走行モードに切り替えられた際に、流量検出手段19によって検出された冷却水流量が所定流量を超え、かつ偏流検出手段13、18によって検出された偏流の発生に関連する因子に基づいて偏流発生条件が成立していると判定した場合に、冷却ファン11を駆動させるように構成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、水冷エンジンと電動モータとを組み合わせて走行するハイブリッド自動車のエンジン冷却システムに関するものである。
従来より、エンジンと電動モータとを走行用駆動源として備え、運転状態に応じてエンジンと電動モータとを使い分けて走行するハイブリッド自動車が知られている。
また、ハイブリッド自動車には、エンジンとラジエータとの間にエンジン冷却水(以下、冷却水と略す)を循環させることにより熱交換を行う冷却システムが備えられている。冷却水として一般に用いられるLLC(不凍液)は、低温時に粘度が高くなるため、極低温時においては冷却水がラジエータ全体に均一に流れずに一部のチューブのみに集中して流れるという偏流が生じる。この結果、冷却水が流れやすい部位(偏流部)と冷却水が流れにくい部位(非偏流部)とが顕在化し、その境界において温度差が発生してチューブに熱歪みが生じる。
ところで、ハイブリッド自動車では、状況に応じてエンジンを停止させて電動モータのみを駆動源とする走行を行い、燃費の向上や環境破壊物質排出量の低減を図るようにしている。また、バッテリの充電量が低下すると、再びエンジンを起動し、電動モータのみを駆動源とする走行からエンジンを駆動源として使用する走行に切り替えるようになっている。
ハイブリッド自動車において、所定車速以上の車速で走行している場合に、電動モータのみを駆動源とする走行からエンジンを駆動源として使用する走行に切り替えると、エンジン冷却水を循環させるウォータポンプが急激に起動する。このため、エンジン内部の冷却水の循環流量が増大し、ラジエータに急激に冷却水が流入する。このとき、外気温が極低温度であるとラジエータに偏流が生じる可能性が高く、このような場合にラジエータに急激に冷却水が流入すると、偏流部に大量の冷却水が集中して流れ込むため、偏流部と非偏流部との温度差が拡大し、さらに大きな熱歪みが発生する。
これに対し、電動モータのみを駆動源とする走行からエンジンを駆動源として使用する走行モードに切り替わり、ラジエータに急激に冷却水が流れ込んだ際に、冷却水温度に関係なくラジエータに冷却風を供給するファンを強制的に駆動することで、ラジエータを急速に冷却して偏流部をなくすことが考えられる。これにより、冷却水流量が増大しても、冷却水が一部のチューブに集中して流れ込むことを抑制することができるため、大きな熱歪みの発生を抑制することができる。
しかしながら、大きな熱歪みが発生する頻度は稀であるにも関わらず、やたらと冷却ファンを駆動させると、冷却ファンモータの寿命低下や、消費電力の増大による燃費の悪化という問題がある。
本発明は、上記点に鑑み、冷却ファンの駆動を抑えつつ、ラジエータの熱歪みを低減することができるハイブリッド自動車用エンジン冷却システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、水冷エンジン(1)と電動モータ(2)とを走行用駆動源として備え、駆動源が異なる複数の走行モードで走行するハイブリッド自動車に適用され、水冷エンジン(1)の冷却水と空気とを熱交換して冷却水を冷却するラジエータ(10)と、ラジエータ(10)に空気を供給する冷却ファン(11)と、ラジエータ(10)内における冷却水の偏流の発生に関連する因子を検出する偏流検出手段(13、18)と、ラジエータ(10)を流れる冷却水の流量を検出する流量検出手段(19)と、複数の走行モードを切り替える走行モード切替手段(9)と、冷却ファン(11)の駆動制御を行う制御手段(20)とを備え、制御手段(20)は、走行モード切替手段(9)により電動モータ(2)のみを駆動源として走行する走行モードから、水冷エンジン(1)を駆動源として使用する走行モードに切り替えられた際に、流量検出手段(19)によって検出された冷却水流量が所定流量を超え、かつ偏流検出手段(13、18)によって検出された偏流の発生に関連する因子に基づいて偏流発生条件が成立していると判定した場合に、冷却ファン(11)を駆動させることを特徴としている。
なお、「熱媒体の偏流」とは、冷却水がラジエータ(10)全体に均一に流れずに、一部の部位に集中的に流れるという現象のことをいう。
また、「水冷エンジン(1)を駆動源として使用する走行モード」とは、電動モータ(2)の状態に関係なく、走行用駆動源として少なくとも水冷エンジン(1)が起動している走行モードのことをいい、水冷エンジン(1)のみを駆動源として走行する走行モードの他に、水冷エンジン(1)および電動モータ(2)の両方を駆動源として使用する走行モードを含んでいる。
これにより、停止していた水冷エンジン(1)が起動し、ラジエータ(10)に冷却水が急激に流れ込み、かつラジエータ(10)内に偏流が発生した場合のみ、冷却ファン(11)を強制的に駆動してラジエータ(10)を急速に冷却し、冷却水がラジエータ(10)内を均一に流れるようにすることで、偏流を抑制することができる。このため、冷却ファン(11)の駆動を抑えつつ、ラジエータ(10)の熱歪みを低減することが可能となる。
この場合、流量検出手段を、車速を検出する車速検出手段(19)を有するように構成し、制御手段(20)を、車速検出手段(19)により検出された車速が所定車速を超えた場合に、ラジエータ(10)を流れる冷却水の流量が所定流量を超えたと判定するように構成することができる。
また、偏流検出手段を、外気温を検出する外気温検出手段(18)を有するように構成し、偏流の発生に関する因子を、外気温検出手段(18)により検出された外気温が含まれるように構成し、偏流発生条件を、外気温が所定外気温以下であることが含まれるように構成することができる。
また、偏流検出手段を、冷却水がラジエータ(10)に流入するか否かを検出する通水検出手段(13)を有するように構成し、偏流の発生に関する因子を、通水検出手段(13)により検出されたラジエータ(10)への冷却水の流入の有無が含まれるように構成し、偏流発生条件を、ラジエータ(10)への冷却水の流入があることが含まれるように構成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の一実施形態について図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態は、本発明に係る冷却システムをハイブリッド自動車の走行用駆動源の1つとして用いられるエンジン(内燃機関)の冷却に適用したものである。図1は、本実施形態に係るエンジン冷却システムを搭載したハイブリッド自動車を示す模式図である。
図1に示すように、ハイブリッド自動車は、走行用駆動源としてエンジン(水冷エンジン)1および電動モータ2を備えており、それらの駆動力は変速機3を介して駆動輪4に伝達される。電動モータ2にはバッテリ5からインバータ6を介して給電され、その際、インバータ6は、バッテリ5の直流電圧を交流電圧に変換するとともに、交流電圧の周波数を変化させることにより電動モータ2の回転数を制御する。
発電機7は、車両の減速時やバッテリ5の充電残量が所定値以下になったときに、エンジン1に駆動されて発電を行うようになっている。この発電機7の発電電力はインバータ6を介してバッテリ5に供給され、これによりバッテリ5の充電が行われる。
また、ハイブリッド自動車は、エンジン1への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジンECU(エンジン電子制御装置)8と、発電機7の制御および変速機3やクラッチ(図示せず)の制御を行うとともにエンジンECU8に制御信号(例えば、エンジン1の回転数やトルクの目標値等)を出力するハイブリッドECU(走行用ECU)9とを備えている。なお、エンジンECU8およびハイブリッドECU9は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にてそれぞれ構成されている。
図2は、本実施形態に係るエンジン冷却システムを示す模式図である。図2に示すように、本実施形態のエンジン1は水冷式であり、その冷却水(熱媒体)をエンジン用ラジエータ10にて冷却するシステムとなっている。本実施形態では、冷却水としてLLC(不凍液)を用いている。LLCは、低温時には粘度が高くなるという性質を有している。
エンジン用ラジエータ10は、周知のごとく扁平チューブとコルゲートフィンとの組み合わせからなる熱交換コア部と、熱交換コア部のチューブに対して冷却水の分配、集合の役割を果たすタンク部とを備えている。そして、エンジン用ラジエータ10の近傍(例えば、車両後方側)に配設された冷却ファン11から送風される空気(冷却風)と冷却水との間で熱交換して、冷却水を冷却する。
冷却ファン11は、ファンモータ11aによって回転駆動されるものであり、ファンコントローラ11bによって冷却ファン11の回転数が制御されている。ファンコントローラ11bには、後述する冷却システムECU20からの制御信号が入力されるため、エンジン用ラジエータ10への冷却空気の送風量は、冷却システムECU20の制御によって変化する構造となっている。
エンジン1とエンジン用ラジエータ10は、エンジン1とエンジン用ラジエータ10との間で閉回路を形成する第1の冷却水回路Aによって接続されている。第1の冷却水回路Aには、エンジン1の動力によって機械的に駆動されて第1の冷却水回路A等に冷却水を循環させる水ポンプ12が配設されている。そして、第1の冷却水回路A内においては、冷却水は、エンジン1の冷却水出口1aからラジエータ10を経由してエンジン1の冷却水入口1bに循環するようになっている。
第1の冷却水回路Aの冷却水出口1a近傍には、冷却水温センサ13が配設されている。冷却水温センサ13は、冷却水出口1aから吐出された直後の冷却水温度を検出し、その検出信号を後述する冷却システムECU20に出力するように構成されている。
第1の冷却水回路Aの途中には、エンジン用ラジエータ10を迂回させて冷却水を流通させるバイパス回路Bが、第1の冷却水回路Aに対して並列に接続されている。水ポンプ12の吸入側に設けられたサーモスタット14により、バイパス回路Bに冷却水を流通させる場合とエンジン用ラジエータ10に冷却水を流通させる場合との切替制御がなされる。
サーモスタット14は冷却水温度応動弁であり、周知のごとくサーモワックス(感温部材)の温度による体積変化を利用して弁体を変位させて冷却水通路を開閉する。具体的には、冷却水温度がサーモワックスにより設定される設定温度(本実施形態では86℃)まで上昇すると、サーモスタット14はエンジン用ラジエータ10の出口側冷却水回路を開口し、冷却水はエンジン用ラジエータ10に流れる。一方、冷却水温度が設置温度以下の場合には、冷却水はバイパス回路Bに流れる。
第1の冷却水回路Aにおいて、冷却水温センサ13配設されている部位より下流には分岐部15が形成されており、水ポンプ12とサーモスタット14との間には合流部16が形成されている。そして、分岐部15と合流部16との間には、第2の冷却水回路Cが設けられている。第2の冷却水回路Cには、ヒータコア17が配設されている。ヒータコア17は、車両用空調装置(図示せず)の空調用送風機(図示せず)から送風される空調用空気を、ヒータコア17内に流れる冷却水と熱交換することにより加熱させるものである。
また、本実施形態の冷却システムは、外気温を検出する外気温センサ18および車両の速度を検出する車速センサ(車速検出手段)19を備えている。これらのセンサ18、19は、それぞれ検出信号を後述する冷却システムECU20に出力するように構成されている。なお、本実施形態では、車速センサ19は、その検出信号をハイブリッドECU9にも出力するように構成されている。
冷却システムECU(制御手段)20は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータとその周辺回路にて構成されている。そして、冷却システムECU20には、冷却水温センサ13、外気温センサ18および車速センサ19からのセンサ信号と、ハイブリッドECU9からの走行モード信号とが入力される。また、冷却システムECU20は、演算結果に基づいて、ファンコントローラ11bに制御信号を出力する。なお、冷却水温センサ13および外気温センサ18が、本発明の偏流検出手段に相当している。
ところで、ハイブリッド自動車は、エンジン1および電動モータ2の作動状態が異なる複数の走行モードで走行するように構成されている。本実施形態の複数の走行モードとしては、エンジン1のみを駆動源として使用するエンジン走行モードや、電動モータ2のみを駆動源として使用するモータ走行モード、エンジン1および電動モータ2の両方を駆動源として使用するハイブリッド走行モードがある。なお、エンジン走行モードおよびハイブリッド走行モードを、まとめてエンジン使用走行モードともいう。
本実施形態のハイブリッド自動車には、運転者のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ21、およびバッテリ5(図1参照)の残量を検出するバッテリ残量センサ22が備えられている。これらのセンサ21、22は、それぞれ検出信号をハイブリッドECU9に出力するように構成されている。
ハイブリッドECU9のROMには、車速、アクセル開度およびバッテリ残量をパラメータとするマップがあらかじめ記憶されている。また、ハイブリッドECU9には、車速センサ19、アクセル開度センサ21およびバッテリ残量センサ22からのセンサ信号が入力される。そして、ハイブリッドECU9は、これらのセンサ信号によりマップを参照して走行モードを決定し、決定した走行モードに基づいて、電動モータ2およびエンジンECU8に制御信号を出力する。また、ハイブリッドECU9は、決定した走行モードを走行モード信号として冷却システムECU20に出力する。なお、ハイブリッドECU9が、本発明の走行モード切替手段に相当している。
次に、上記構成のハイブリッド自動車のエンジン冷却システムにおける冷却ファン制御について、図3および図4に基づいて説明する。図3は本実施形態におけるエンジン冷却システムの冷却システムECU20がROMに格納されたプログラムに従って行う冷却ファン制御を示すフローチャートで、図4は本実施形態における通常ファン制御を示す制御図である。
図3において、まず、通常ファン制御を行う(S100)。すなわち、図4に示すように、ハイブリッドECU9を介してエンジンECU8から冷却水温を所定温度に保つための水温制御信号を受けて、ファンモータ11aをPWM制御するためのパルス信号をファンコントローラ11bに出力する。
図3に戻り、ハイブリッドECU9により決定された走行モードが、モータ走行モードからエンジン使用走行モードに切り替わったか否かを判定する(S110)。ハイブリッドECU9により決定された走行モードがモータ走行モードからエンジン使用走行モードに切り替わっていない場合には(S110:NO)、エンジン1が停止していると診断し、S100に戻る。
一方、ハイブリッドECU9により決定された走行モードがモータ走行モードからエンジン使用走行モードに切り替わった場合には(S110:YES)、エンジン1が起動したと診断し、車速センサ19により測定された車速が所定車速を上回っているか否かを判定する(S120)。
ハイブリッド自動車が高速(40km/h以上)で走行している際に、モータ走行モードからエンジン使用走行モードに移行する、すなわち停止しているエンジン1を起動させると、エンジン回転数が急激に上昇する。本実施形態のように、水ポンプ12がエンジン1の動力によって機械的に駆動される場合、ラジエータ10に流れる冷却水流量はエンジン回転数に比例するため、エンジン回転数が急激に上昇すると、ラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大する。したがって、所定車速を、この車速以上ではモータ走行モードからエンジン使用走行モードに移行した際にラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大するという車速(本実施形態では40km/h)に設定し、車速センサ19により測定された車速を所定車速と比較することで、ラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大するか否かを診断することができる。なお、車速センサ19が、本発明の流量検出手段に相当している。
この結果、車速センサ19により測定された車速が所定車速を上回っていない場合には(S120:NO)、ラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大していないと診断し、S100に戻る。
一方、車速センサ19により測定された車速が所定車速を上回っている場合には(S120:YES)、ラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大したと診断し、外気温センサ18により測定された外気温が所定外気温度を下回っているか否かを判定する(S130)。
冷却水の偏流は、外気温が極低温(例えば−10℃以下)の場合に発生する。これは、極低温時において、冷却水に用いられるLLCの粘度が急激に高くなるため、冷却水が一部のチューブにのみ流れやすくなり、ラジエータ10全体に均一に流れにくくなるためである。したがって、所定外気温度を偏流の発生開始温度、すなわちこの温度以下では偏流が発生する可能性があるという温度(本実施形態では−10℃)に設定し、外気温センサ18により測定された外気温を所定外気温度と比較することで、冷却水の偏流が発生している可能性があるか否かを診断することができる。なお、外気温センサ18が、本発明の外気温検出手段に相当している。
この結果、外気温センサ18により測定された外気温が所定外気温度を下回っていない場合には(S130:NO)、外気温が偏流の発生条件(極低外気温度時)を満たしていない、すなわちラジエータ10に偏流が発生していないと診断し、S100に戻る。
一方、外気温センサ18により測定された外気温が所定外気温度を下回っている場合には(S130:YES)、外気温が偏流の発生条件を満たしている、すなわちラジエータ10に偏流が発生している可能性があると診断し、冷却水温センサ13により測定された冷却水温度が所定冷却水温度を上回っているか否かを判定する(S140)。
ここで、所定冷却水温度は、サーモスタット14のサーモワックスにより設定される設定温度(本実施形態では86℃)と同一温度に設定されている。このため、冷却水温度が所定冷却水温度を上回っているか否かを判定することで、冷却水がラジエータ10に流れているか否かを診断することができる。なお、冷却水温センサ13が、本発明の通水検出手段に相当している。
冷却水温センサ13により測定された冷却水温度が所定冷却水温度を上回っていない場合には(S140:NO)、冷却水はバイパス回路Bを流れてラジエータ10には流れていないと診断し、S100に戻る。
一方、冷却水温センサ13により測定された冷却水温度が所定冷却水温度を上回っている場合には(S140:YES)、冷却水がラジエータ10に流れており、さらにS130の診断結果とあわせて、ラジエータ10に偏流が発生していると診断し、冷却ファン11を数秒間強制的に駆動し(S150)、S100に戻る。
なお、外気温およびラジエータ2への通水の有無が、本発明の「偏流の発生に関連する因子」に相当している。また、極低外気温およびラジエータ2への通水が、本発明の「偏流発生条件」に相当している。
ラジエータ10の大きな熱歪みは、冷却水の偏流が生じた時に冷却水流量が急激に増大し、偏流部に大量の冷却水が集中して流れ込むことで、偏流部と非偏流部との温度差を拡大させることで発生する。
これに対し、本実施形態では、モータ走行モードからエンジン使用走行モードに切り替わり、ラジエータ10に流れる冷却水流量が急激に増大すると判断し、さらに極低外気温時にサーモスタット14が開いてラジエータ10に通水している場合に、ラジエータ10に偏流が発生していると診断した場合にのみ、冷却ファン11を強制的に駆動するようにしている。これにより、ラジエータ10を急速に冷却し、冷却水が全てのチューブに均一に流れるようにすることで、大きな熱歪みの発生を抑制することができる。したがって、冷却ファン11の駆動を抑えつつ、ラジエータ10の熱歪みを低減することが可能となる。これにより、ファンモータ11aの寿命を向上させることができるとともに、消費電力を低下させて燃費を向上させることができる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態において、冷却システムECU20を、偏流発生条件(極低外気温、ラジエータ10に通水している)を全て満たしている場合に、ラジエータ10内に冷却水の偏流が発生したと診断するように構成したが、これに限らず、偏流発生条件のうちどちらか1つを満たしている場合に偏流が発生したと診断するように構成してもよい。
なお、上記実施形態において、冷却システムECU20を、偏流発生条件(極低外気温、ラジエータ10に通水している)を全て満たしている場合に、ラジエータ10内に冷却水の偏流が発生したと診断するように構成したが、これに限らず、偏流発生条件のうちどちらか1つを満たしている場合に偏流が発生したと診断するように構成してもよい。
また、上記実施形態において、ハイブリッドECU9を、車速、アクセル開度およびバッテリ残量に基づいて走行モードを決定するように構成したが、これに限らず、車速、アクセル開度およびバッテリ残量のうち少なくとも1つに基づいて走行モードを決定するように構成してもよいし、車速、アクセル開度およびバッテリ残量以外の物理量に基づいて走行モードを決定するように構成してもよい。
また、上記実施形態において、車速センサ19により検出された車速からラジエータ10に流れる冷却水流量を求めているが、これに限らず、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転数センサを設け、エンジン回転数センサにより検出されたエンジン回転数からラジエータ10に流れる冷却水流量を求めてもよい。
また、上記実施形態において、水ポンプ4として機械式のポンプを用いたが、電動式のポンプを用いてもよい。
また、上記実施形態では、エンジンECU8、ハイブリッドECU9、冷却システムECU20が、それぞれ、別々のECUである場合を例として説明したが、それらのうち2つ以上のECUを1つのECUとすることもできる。
1…エンジン(水冷エンジン)、2…電動モータ、9…ハイブリッドECU(走行モード切替手段)、10…ラジエータ、11…冷却ファン、13…冷却水温センサ(通水検出手段)、18…外気温センサ(外気温検出手段)、19…車速センサ(車速検出手段)、20…冷却システムECU(制御手段)。
Claims (4)
- 水冷エンジン(1)と電動モータ(2)とを走行用駆動源として備え、駆動源が異なる複数の走行モードで走行するハイブリッド自動車に適用され、
前記水冷エンジン(1)の冷却水と空気とを熱交換して前記冷却水を冷却するラジエータ(10)と、
前記ラジエータ(10)に空気を供給する冷却ファン(11)と、
前記ラジエータ(10)内における前記冷却水の偏流の発生に関連する因子を検出する偏流検出手段(13、18)と、
前記ラジエータ(10)を流れる前記冷却水の流量を検出する流量検出手段(19)と、
前記複数の走行モードを切り替える走行モード切替手段(9)と、
前記冷却ファン(11)の駆動制御を行う制御手段(20)とを備え、
前記制御手段(20)は、前記走行モード切替手段(9)により前記電動モータ(2)のみを駆動源として走行する走行モードから、前記水冷エンジン(1)を駆動源として使用する走行モードに切り替えられた際に、前記流量検出手段(19)によって検出された前記冷却水流量が所定流量を超え、かつ前記偏流検出手段(13、18)によって検出された前記偏流の発生に関連する因子に基づいて偏流発生条件が成立していると判定した場合に、前記冷却ファン(11)を駆動させることを特徴とするハイブリッド自動車用エンジン冷却システム。 - 前記流量検出手段は、車速を検出する車速検出手段(19)を有しており、
前記制御手段(20)は、前記車速検出手段(19)により検出された車速が所定車速を超えた場合に、前記ラジエータ(10)を流れる前記冷却水の流量が所定流量を超えたと判定することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド自動車用エンジン冷却システム。 - 前記偏流検出手段は、外気温を検出する外気温検出手段(18)を有しており、
前記偏流の発生に関する因子には、前記外気温検出手段(18)により検出された外気温が含まれており、前記偏流発生条件には、前記外気温が所定外気温以下であることが含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド自動車用エンジン冷却システム。 - 前記偏流検出手段は、前記冷却水が前記ラジエータ(10)に流入するか否かを検出する通水検出手段(13)を有しており、
前記偏流の発生に関する因子には、前記通水検出手段(13)により検出された前記ラジエータ(10)への前記冷却水の流入の有無が含まれており、前記偏流発生条件には、前記ラジエータ(10)への前記冷却水の流入があることが含まれていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷却システム。
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JP2018040295A (ja) * | 2016-09-07 | 2018-03-15 | 日立建機株式会社 | ダンプトラック及び冷却ファン制御方法 |
WO2021193485A1 (ja) * | 2020-03-26 | 2021-09-30 | いすゞ自動車株式会社 | 車両用冷却装置 |
-
2006
- 2006-06-07 JP JP2006158221A patent/JP2007326432A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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