発明の詳細な説明
本発明は、免疫応答を調節するポリペプチド、可溶性受容体、および抗体を含むがこれらに限定されない、新規薬剤を提供する。該薬剤には、細胞相互作用および免疫応答シグナル伝達に関与する免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである受容体のアゴニストおよびアンタゴニストが含まれる。関連するポリペプチドおよびポリヌクレオチド、該薬剤を含む組成物、ならびに該薬剤を作製する方法もまた提供する。免疫応答を調節する薬剤をスクリーニングする方法も提供する。免疫応答を活性化する方法、免疫応答を刺激する方法、免疫応答を促進する方法、免疫応答を増加させる方法、ナチュラルキラー (NK) 細胞および/もしくはT細胞を活性化する方法、NK細胞および/もしくはT細胞の活性を上昇させる方法、NK細胞および/もしくはT細胞の活性を促進する方法、腫瘍成長を阻害する方法、ならびにまたはがんを治療する方法などの、新規薬剤を使用する方法をさらに提供する。
I. 定義
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語および語句を以下に定義する。
本明細書において用いられる「アゴニスト」および「アゴニストの」という用語は、標的および/または経路の生物学的活性を、直接または間接的に、実質的に誘導する、活性化する、促進する、増加させる、または増強することができる薬剤を指すか、または説明する。「アゴニスト」という用語は、タンパク質の活性を部分的にまたは完全に誘導する、活性化する、促進する、増加させる、または増強する任意の薬剤を含むように、本明細書において用いられる。適切なアゴニストには、具体的には、アゴニスト抗体またはその断片、可溶性受容体、他の融合タンパク質、ポリペプチド、および小分子が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる「アンタゴニスト」および「アンタゴニストの」という用語は、標的および/または経路の生物学的活性を、直接または間接的に、部分的にまたは完全に遮断する、阻害する、減少させる、または中和することができる薬剤を指すか、または説明する。「アンタゴニスト」という用語は、タンパク質の活性を部分的にまたは完全に遮断する、阻害する、減少させる、または中和する任意の薬剤を含むように、本明細書において用いられる。適切なアンタゴニスト剤には、具体的には、アンタゴニスト抗体またはその断片、可溶性受容体、他の融合タンパク質、ポリペプチド、および小分子が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる「調節」および「調節する」という用語は、生物学的活性の変化または変更を指す。調節には、活性の刺激または阻害が含まれるが、これらに限定されない。調節は、活性の上昇もしくは低下、結合特性の変化、またはタンパク質、経路、系、もしくは関心対象の他の生物学的標的の活性と関連する生物学的、機能的、もしくは免疫学的特性における他の任意の変化であってよい。
本明細書において用いられる場合、「可溶性受容体」という用語は、可溶型で細胞から分泌され得る、受容体の第1膜貫通ドメインに先行する受容体タンパク質の細胞外断片を指す。「可溶性受容体」という用語は、細胞外ドメイン全体を含む分子、または細胞外ドメインの断片を包含する。
本明細書において用いられる場合、「リンカー」または「リンカー領域」という用語は、第1ポリペプチド(例えば、PVR成分)と第2ポリペプチド(例えば、Fc領域)との間に挿入されるリンカーを指す。いくつかの態様において、リンカーはペプチドリンカーである。リンカーは、ポリペプチドの発現、分泌、または生物活性に悪影響を及ぼすべきではない。好ましくは、リンカーは抗原性がなく、免疫応答を誘発しない。
「選択的に結合する」または「特異的に結合する」という用語は、結合物質が、関連タンパク質および非関連タンパク質を含む代替の物質よりも、エピトープ、タンパク質、または標的分子に、より頻繁に、より迅速に、より長い時間にわたって、より高い親和性で、または上記のもののいくつかの組み合わせで、反応するかまたは会合することを意味する。ある特定の態様において、「特異的に結合する」とは、例えば、結合物質が、約0.1 mMまたはそれ未満、より通常では約1μM未満のKDでタンパク質または標的と結合することを意味する。ある特定の態様において、「特異的に結合する」とは、結合物質が、少なくとも約0.1μMもしくはそれ未満、少なくとも約0.01μMもしくはそれ未満、または少なくとも約1 nMもしくはそれ未満のKDで標的と結合することを意味する。異なる種における相同タンパク質間の配列同一性のために、特異的結合は、2つ以上の種におけるタンパク質または標的を認識する結合物質を含み得る。同様に、異なるタンパク質のポリペプチド配列のある特定の領域内の相同性のために、特異的結合は、2つ以上のタンパク質または標的を認識する結合物質を含み得る。ある特定の態様において、第1標的と特異的に結合する結合物質は、第2標的と特異的に結合する場合もあり、または結合しない場合もあることが理解される。よって、「特異的結合」は、必ずしも排他的結合、すなわち単一標的への結合を要求しない(が、それを含み得る)。したがって、結合物質は、ある特定の態様において、2つ以上の標的と特異的に結合し得る。ある特定の態様において、複数の標的が、結合物質上の同じ抗原結合部位によって結合され得る。例えば、抗体は、ある特定の場合において、2つの同一の抗原結合部位を含む場合があり、その各々が、2つまたはそれ以上のタンパク質上の同じエピトープと特異的に結合する。ある特定の代替の態様において、抗体は二重特異性であってよく、異なる特異性を有する少なくとも2つの抗原結合部位を含む。非限定的な例として、二重特異性抗体は、1つのタンパク質上のエピトープを認識する1つの抗原結合部位を含み、第2のタンパク質上の異なるエピトープを認識する第2の異なる抗原結合部位をさらに含み得る。一般に、結合に対する言及は特異的結合を意味するが、必ずしもそうではない。
「ポリペプチド」および「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状または分枝状であってよく、修飾アミノ酸を含んでよく、非アミノ酸によって中断されてもよい。本用語はまた、天然にまたは介入によって;例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または標識成分との結合などの任意の他の操作もしくは修飾によって修飾されたアミノ酸ポリマーもまた包含する。この定義には、例えば、1つまたは複数のアミノ酸の類似体(例えば、非天然アミノ酸を含む)、および当技術分野において公知の他の修飾を含むポリペプチドもまた含まれる。本発明のポリペプチドは抗体または免疫グロブリンスーパーファミリーの他のメンバーに基づき得るため、ある特定の態様において、ポリペプチドは一本鎖または会合した鎖として存在し得ることが理解される。
「ポリヌクレオチド」および「核酸」および「核酸分子」という用語は、本明細書において互換的に使用され、任意の長さのヌクレオチドのポリマーを指し、DNAおよびRNAを含む。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾されたヌクレオチドもしくは塩基、および/またはそれらの類似体、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼによってポリマー内に取り込まれ得る任意の基質であってよい。
2つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチドの文脈における「同一の」または「同一性」パーセントという用語は、配列同一性の一部としていかなる保存的アミノ酸置換も考慮せずに、最大限の一致が得られるように(必要であれば、ギャップを導入して)比較およびアラインメントした場合に、同じであるか、または同じであるヌクレオチドもしくはアミノ酸残基を特定の割合で有する、2つまたはそれ以上の配列または部分配列を指す。同一性パーセントは、配列比較ソフトウェアもしくはアルゴリズムを使用して、または目視検査によって、測定され得る。アミノ酸配列またはヌクレオチド配列のアラインメントを得るために使用され得る様々なアルゴリズムおよびソフトウェアが、当技術分野において周知である。これらには、BLAST、ALIGN、Megalign、BestFit、GCG Wisconsin Package、およびそれらの変化形が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、本発明の2つの核酸またはポリペプチドは実質的に同一であり、このことは、配列比較アルゴリズムを使用してまたは目視検査により測定して、最大限の一致が得られるように比較およびアラインメントした場合に、それらが少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%の、およびいくつかの態様においては少なくとも95%、96%、97%、98%、99%のヌクレオチドまたはアミノ酸残基同一性を有することを意味する。いくつかの態様において、同一性は、少なくとも約10、少なくとも約20、少なくとも約40〜60残基、少なくとも約60〜80残基長、またはそれらの間の任意の整数値の配列の領域にわたって存在する。いくつかの態様において、同一性は、60〜80残基よりも長い領域、例えば少なくとも約80〜100残基などにわたって存在し、いくつかの態様において、それらの配列は、比較される配列の全長、例えばヌクレオチド配列のコード領域などにわたって実質的に同一である。
「保存的アミノ酸置換」は、1つのアミノ酸残基が、類似の側鎖を有する別のアミノ酸残基で置換される置換である。塩基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)、および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む、類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーが、当技術分野において定義されている。例えば、チロシンに対するフェニルアラニンの置換は、保存的置換である。一般に、本発明のポリペプチド、可溶性受容体、および/または抗体の配列における保存的置換は、そのアミノ酸配列を含むポリペプチド、可溶性受容体、または抗体の標的結合部位への結合を無効にしない。結合を排除しないヌクレオチドおよびアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当技術分野において周知である。
本明細書において用いられる「ベクター」という用語は、関心対象の1つまたは複数の遺伝子または配列を宿主細胞中に送達し、かつ通常は発現させることができる構築物を意味する。ベクターの例には、ウイルスベクター、裸のDNAまたはRNA発現ベクター、プラスミド、コスミド、またはファージベクター、陽イオン性縮合剤と会合したDNAまたはRNA発現ベクター、およびリポソーム内に封入されたDNAまたはRNA発現ベクターが含まれるが、これらに限定されない。
「単離された」ポリペプチド、可溶性受容体、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、天然には見出されない形態のポリペプチド、可溶性受容体、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物である。単離されたポリペプチド、可溶性受容体、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物には、それらがもはや天然に見出される形態ではない程度にまで精製されたものが含まれる。いくつかの態様において、単離されたポリペプチド、可溶性受容体、抗体、ポリヌクレオチド、ベクター、細胞、または組成物は、実質的に純粋である。
本明細書において用いられる「実質的に純粋」という用語は、少なくとも50%純粋(すなわち、混入物を含まない)少なくとも90%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも98%純粋、または少なくとも99%純粋である物質を指す。
本明細書において用いられる「免疫応答」という用語は、自然免疫系および適応免疫系の両方からの応答を含む。これは、T細胞およびB細胞応答(例えば、細胞性免疫応答および/または体液性免疫応答)の両方、ならびにナチュラルキラー (NK) 細胞、単球、マクロファージ等などの、免疫系の他の細胞からの応答を含む。
本明細書において用いられる「がん」および「がん性」という用語は、制御されない細胞成長によって細胞の集団が特徴づけられる、哺乳動物における生理学的状態を指すか、または説明する。がんの例には、癌腫、芽細胞腫、肉腫、ならびにリンパ腫および白血病などの血液がんが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書において用いられる「腫瘍」および「新生物」という用語は、良性(非がん性)、または前がん病変を含む悪性(がん性)のいずれかの、過剰な細胞成長または増殖に起因する、組織の任意の塊を指す。
本明細書において用いられる「転移」という用語は、新たな位置での同様のがん性病変の発生を伴う、がんが起源の部位から身体の他の領域に広がるまたは移行する過程を指す。「転移」細胞または「転移する」細胞は、隣接する細胞との付着接触を失っており、かつ疾患の原発部位から血流またはリンパ液を介して遊走して、隣接する身体構造に浸潤する細胞である。
「がん幹細胞」および「CSC」および「腫瘍幹細胞」および「腫瘍開始細胞」という用語は、本明細書において互換的に使用され、(1) 広範な増殖能を有し;2) 非対称細胞分裂を行って、増殖または発生能力が低下した1つまたは複数の型の分化細胞の子孫を生成することができ;かつ (3) 自己複製または自己維持のための対称細胞分裂を行うことができる、がんまたは腫瘍由来の細胞を指す。これらの特性は、腫瘍を形成できない大多数の腫瘍細胞と比べ、適切な宿主(例えば、マウス)に連続移植した際に腫瘍またはがんを形成するまたは確立する能力をがん幹細胞に付与する。がん幹細胞は、分化に対して自己複製を無秩序な様式で起こして、変異を生じながら経時的に変化し得る異常な細胞型を伴う腫瘍を形成する。
「がん細胞」および「腫瘍細胞」という用語は、がん細胞集団の大部分を構成する非腫瘍形成性細胞と、腫瘍形成性幹細胞(がん幹細胞)の両方を含む、がんまたは腫瘍または前がん病変に由来する細胞の全集団を指す。本明細書において用いられる場合、「がん細胞」または「腫瘍細胞」という用語は、腫瘍細胞とがん幹細胞とを区別するために、再生および分化する能力を欠く細胞を単に指す場合には、「非腫瘍形成性」という用語によって修飾される。
本明細書において用いられる「腫瘍形成性」という用語は、自己複製(付加的な腫瘍形成性のがん幹細胞を生じる)および他のすべての腫瘍細胞を生成するための増殖(分化した、したがって非腫瘍形成性の腫瘍細胞を生ずる)という特性を含む、がん幹細胞の機能的特性を指す。
本明細書において用いられる「腫瘍形成能」という用語は、適切な宿主(例えば、マウス)に連続移植した際に、腫瘍由来の細胞のランダムな試料が明白な腫瘍を形成する能力を指す。
「対象」という用語は、任意の動物(例えば、哺乳動物)を指し、これには、特定の治療のレシピエントになる予定のヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、げっ歯類等が含まれるが、これらに限定されない。典型的には、「対象」および「患者」という用語は、ヒト対象に関して本明細書において互換的に使用される。
「薬学的に許容される」という用語は、ヒトを含む動物での使用に関して、連邦政府もしくは州政府の規制当局によって承認されたかもしくは承認可能な、または米国薬局方もしくは他の一般に認識されている薬局方に列挙されている物質を指す。
「薬学的に許容される賦形剤、担体、または佐剤」または「許容される薬学的担体」という用語は、本開示の少なくとも1つの結合物質(例えば、抗体)と共に対象に投与することができ、かつ治療効果を送達するのに十分な用量で投与された場合に、その薬理学的活性を損なわず、かつ無毒性である、賦形剤、担体、または佐剤を指す。
「有効量」または「治療有効量」または「治療効果」という用語は、哺乳動物などの対象における疾患または障害を「治療する」のに有効な、結合物質、可溶性受容体、抗体、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、小有機分子、または他の薬物の量を指す。がんまたは腫瘍の場合、治療有効量の薬剤(例えば、可溶性受容体または抗体)は、治療効果を有し、したがって免疫応答を強化することができる、抗腫瘍応答を強化することができる、免疫細胞の細胞溶解活性を上昇させることができる、免疫細胞による腫瘍細胞の死滅を増加させることができる、腫瘍細胞の数を減少させることができる;腫瘍形成能、腫瘍形成頻度、もしくは腫瘍形成能力を低下させることができる;がん幹細胞の数もしくは発生頻度を減少させることができる;腫瘍サイズを減少させることができる;がん細胞集団を減少させることができる;例えば軟部組織および骨へのがんの転移を含む、末梢器官へのがん細胞浸潤を阻害するもしくは停止することができる;腫瘍もしくはがん細胞の転移を阻害するおよび停止することができる;腫瘍もしくはがん細胞の成長を阻害するおよび停止することができる;がんと関連する症状の1つもしくは複数をある程度まで軽減することができる;罹患率および死亡率を低下させることができる;生活の質を改善することができる;またはこのような効果の組み合わせを有する。
「治療する」または「治療」または「治療すること」または「緩和する」または「緩和すること」という用語は、(1) 診断された病的状態または障害の症状を治癒する、減速する、和らげる、および/またはその進行を停止する治療的手段と、(2) 標的化される病的状態または障害の発生を予防するかまたは遅延させる予防的または防止的手段の両方を指す。したがって、治療の必要がある者には、障害を既に有する者;障害を有する傾向がある者;および障害が予防されるべき者が含まれる。がんまたは腫瘍の場合、患者が以下のうちの1つまたは複数を示すならば、対象は本発明の方法による「治療」に成功している:免疫応答の増加;抗腫瘍応答の増加、免疫細胞の細胞溶解活性の上昇、免疫細胞による腫瘍細胞の死滅の増加、がん細胞の数の減少もしくは完全な非存在;腫瘍サイズの減少;軟部組織および骨へのがん細胞の転移を含む、末梢器官へのがん細胞浸潤の阻害もしくは非存在;腫瘍もしくはがん細胞の転移の阻害もしくは非存在;がん成長の阻害もしくは非存在;特定のがんと関連する1つもしくは複数の症状の軽減;罹患率および死亡率の低下;生活の質の改善;腫瘍形成能の低下;がん幹細胞の数もしくは発生頻度の減少;または効果のいくつかの組み合わせ。
本開示および特許請求の範囲において用いられる場合、単数形「1つの (a)」、「1つの (an)」、および「その」は、特に文脈によって明白に指示されていない限り、複数形も含む。
態様が、「〜を含む」という言語を用いて本明細書において記載されている場合にはいつでも、「〜からなる」および/または「〜から本質的になる」という点で記載される別途類似の態様もまた提供されることが理解される。態様が、「本質的に〜からなる」という言語を用いて本明細書において記載されている場合にはいつでも、「〜からなる」という点で記載される別途類似の態様もまた提供されることもまた理解される。
本明細書において用いられる場合、「約」または「およそ」のついたある値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータを対象とする態様を含む(および記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句で使用される場合の「および/または」という用語は、AとBの両方;AまたはB;A(単独);およびB(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、および/またはC」などの語句で使用される場合の「および/または」という用語は、以下の態様の各々を包含することが意図される:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
II. 結合物質
本発明は、免疫グロブリンスーパーファミリー、特にPVRファミリーのメンバーと結合する薬剤を提供する。PVRファミリーには、ポリオウイルス受容体 (PVR)、ポリオウイルス受容体関連タンパク質1 (PVRL1)、ポリオウイルス受容体関連タンパク質2 (PVRL2)、ポリオウイルス受容体関連タンパク質3 (PVRL3)、ポリオウイルス受容体関連タンパク質4 (PVRL4)、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体 (TIGIT)、CD226、ならびにCD96が含まれるが、これらに限定されない。これらのタンパク質はいずれも、一般的に構造および機能の両方において関連している。受容体はI型膜貫通タンパク質であり、これは典型的に、1つまたは複数の免疫グロブリン (Ig) 様ドメインを含む細胞外ドメイン (ECD)、単一の膜貫通ドメイン、および細胞質尾部からなる。受容体はそのN末端Ig様ドメインを介して相互作用を媒介し、Ig様ドメインは一般に反対側の細胞表面上の他のIg様ドメインと結合し(同種親和性相互作用)、ならびにまたインテグリンおよび炭水化物とも相互作用する(異種親和性相互作用)(Wong et al., 2012, Int. J. Cell Biol.; epub)。
ヒトポリオウイルス受容体 (PVR) は、3つの細胞外Ig様ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞質尾部を含む70 kDタンパク質である。Ig様ドメインは、N末端のV型ドメイン、およびそれに続く2つのC2型ドメインを含む。PVRは主に、内皮細胞、単球、上皮細胞、および中枢神経系細胞上に見出される。PVRは、CD226、CD96、PVRL3、およびビトロネクチンと共に、細胞‐細胞および細胞‐マトリックス相互作用に関与する。PVRは、CD155、ネクチン様5、およびNECL-5としても知られている。
ヒトポリオウイルス受容体関連タンパク質1〜4 (PVRL1〜4) はいずれも、PVRと類似した構造、すなわち、N末端のV型ドメインおよびそれに続く2つのC2型ドメインを含む3つのIg様ドメイン、膜貫通ドメイン、ならびに細胞質尾部を有する。PVRL1は、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞、巨核球、およびCD34陽性幹細胞上に広く発現されている。PVRL1は、単純ヘルペスウイルス(HSV-1およびHSV-2)の受容体として機能し、細胞間結合の形成に関与する。PVRL1は、CD111、ネクチン-1、HVEC、HLGR、およびPRR1しても知られている。PVRL1と同様に、PVRL2も、内皮細胞、上皮細胞、神経細胞、巨核球、およびCD34陽性幹細胞上に広く発現されており、HSVの受容体として機能する。加えて、これは、細胞間結合の形成に関与し、CD226および他のPVRファミリーメンバーと相互作用する。PVRL2は、CD112、ネクチン-2、HVEB、およびPRR2としても知られている。PVRL3およびPVRL4は、大部分の正常細胞上に弱くのみ発現されるようであるが、PVRL1およびPVRL2と同様に、PVRL3およびPVRL4は細胞間結合の形成に関与する。加えて、PVRL4は、麻疹ウイルスの受容体として同定された。PVRL3はCD113およびネクチン-3としても知られており、PVRL4はネクチン-4、LNIR、およびPRR4としても知られている。
CD226は、2つのC2型ドメインを含む2つのIg様ドメイン、それに続く膜結合ドメイン、ならびに免疫受容体チロシン活性化モチーフ (ITAM) を含む細胞質尾部を含む、〜65 kD糖タンパク質である。CD226は、ナチュラルキラー (NK) 細胞、単球、マクロファージ、T細胞、巨核球、およびB細胞のサブセット上で観察されている。CD226は、PVRおよびPVRL2と結合し、NK細胞およびT細胞の活性化に関与するようである。この受容体は、DNAM-1、PTA-1、およびTLiSA1としても知られている。
TIGITは、1つのIg様V型ドメイン、それに続く膜貫通ドメイン、および2つの免疫受容体チロシン抑制性モチーフ (ITIM) を含む細胞質尾部を含む、26 kDタンパク質である。TIGITは、NK細胞および大部分の活性化T細胞の表面上で観察されているが、ナイーブリンパ球上では低いかまたは陰性である。TIGITは、PVR、PVRL2、PVRL3、およびPVRL4と結合し、T細胞およびNK細胞の両方に対して阻害機能を有するようである。この受容体は、VSIG9、Vstm3、およびWUCAMとしても知られている。
CD96は、2つのV型ドメインおよび1つのC2型ドメインを含む3つのIg様ドメイン、それに続く膜結合ドメイン、ならびにITIMモチーフを含む細胞質尾部を含む、160 kDタンパク質である。CD96は、NK細胞およびT細胞の表面上で発現されることが示されている。CD96はPVRに結合し、CD96の主な機能は、PVRを発現している他の細胞へのNK細胞の接着を媒介することであると考えられている。しかしながら、ITIMの存在から、CD96はまた阻害効果も有し得ることが示唆される。この受容体はtactileとしても知られている。
ヒトPVR、PVRL1〜4、TIGIT、CD226、およびCD96の全長アミノ酸 (aa) 配列は、当技術分野において公知であり、SEQ ID NO:1 (PVR)、SEQ ID NO:2 (PVRL1)、SEQ ID NO:3 (PVRL2)、SEQ ID NO:4 (PVRL3)、SEQ ID NO:5 (PVRL4)、SEQ ID NO:6 (TIGIT)、SEQ ID NO:7 (CD96)、およびSEQ ID NO:8 (CD226) として本明細書において提供される。本明細書において用いられる場合、「野生型タンパク質」に対応するアミノ酸位置への言及は、シグナル配列を含む全長アミノ酸配列の番号づけを指す。
ある特定の態様において、結合物質はポリペプチドである。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。ある特定の態様において、結合物質は可溶性受容体である。ある特定の態様において、結合物質は二重特異性薬剤である。ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、PVR変種を含む。本明細書において用いられる場合、「変種」タンパク質は、野生型タンパク質のアミノ酸に対応する1つまたは複数のアミノ酸において、置換、欠失、および/または付加を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、ヒトPVRの1つまたは複数のIg様ドメインを含む。ある特定の態様において、PVR変種は、ヒトPVRのN末端IgVドメインを含み、この場合、PVR変種は野生型PVRと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の態様において、PVR変種は、本質的にヒトPVRのN末端IgVドメインからなり、この場合、PVR変種は野生型PVRと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、ヒトPVRのN末端IgVドメインおよび1つのIgC2ドメインを含み、この場合、PVR変種は野生型PVRと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、ヒトPVRのN末端IgVドメインおよび両方のIgC2ドメインを含み、この場合、PVR変種は野生型PVRと比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸40〜143に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸60〜90に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸125〜133に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸60〜90および125〜133に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸65、67、72、73、74、81、82、84、および85に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸72に対応するアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸82に対応するアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、野生型PVRのアミノ酸72および82に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、およびSEQ ID NO:21からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、PVRL1変種を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、ヒトPVRL1の1つまたは複数のIg様ドメインを含む。ある特定の態様において、PVRL1変種は、ヒトPVRL1のN末端IgVドメインを含み、この場合、PVRL1変種は野生型PVRL1と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の態様において、PVRL1変種は、本質的にヒトPVRL1のN末端IgVドメインからなり、この場合、PVRL1変種は野生型PVRL1と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、ヒトPVRL1のN末端IgVドメインおよび1つのIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL1変種は野生型PVRL1と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、ヒトPVRL1のN末端IgVドメインおよび両方のIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL1変種は野生型PVRL1と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、野生型PVRL1のアミノ酸41〜144に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、野生型PVRL1のアミノ酸61〜93に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、野生型PVRL1のアミノ酸126〜134に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL1変種は、野生型PVRL1のアミノ酸61〜93および126〜134に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。
ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、PVRL2変種を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、ヒトPVRL2の1つまたは複数のIg様ドメインを含む。ある特定の態様において、PVRL2変種は、ヒトPVRL2のN末端IgVドメインを含み、この場合、PVRL2変種は野生型PVRL2と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の態様において、PVRL2変種は、本質的にヒトPVRL2のN末端IgVドメインからなり、この場合、PVRL2変種は野生型PVRL2と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、ヒトPVRL2のN末端IgVドメインおよび1つのIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL2変種は野生型PVRL2と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、ヒトPVRL2のN末端IgVドメインおよび両方のIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL2変種は野生型PVRL2と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、野生型PVRL2のアミノ酸45〜160に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、野生型PVRL2のアミノ酸64〜97に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、野生型PVRL2のアミノ酸142〜150に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、野生型PVRL2のアミノ酸64〜97および142〜150に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。
ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、PVRL3変種を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、ヒトPVRL3の1つまたは複数のIg様ドメインを含む。ある特定の態様において、PVRL3変種は、ヒトPVRL3のN末端IgVドメインを含み、この場合、PVRL3変種は野生型PVRL3と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の態様において、PVRL3変種は、本質的にヒトPVRL3のN末端IgVドメインからなり、この場合、PVRL3変種は野生型PVRL3と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、ヒトPVRL3のN末端IgVドメインおよび1つのIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL3変種は野生型PVRL3と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、ヒトPVRL3のN末端IgVドメインおよび両方のIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL3変種は野生型PVRL3と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、野生型PVRL3のアミノ酸68〜168に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、野生型PVRL3のアミノ酸86〜117に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、野生型PVRL3のアミノ酸150〜158に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL3変種は、野生型PVRL3のアミノ酸86〜117および150〜158に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。
ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、PVRL4変種を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、ヒトPVRL4の1つまたは複数のIg様ドメインを含む。ある特定の態様において、PVRL4変種は、ヒトPVRL4のN末端IgVドメインを含み、この場合、PVRL4変種は野生型PVRL4と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。ある特定の態様において、PVRL4変種は、本質的にヒトPVRL4のN末端IgVドメインからなり、この場合、PVRL4変種は野生型PVRL4と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、ヒトPVRL4のN末端IgVドメインおよび1つのIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL4変種は野生型PVRL4と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、ヒトPVRL4のN末端IgVドメインおよび両方のIgC2ドメインを含み、この場合、PVRL4変種は野生型PVRL4と比較して1つまたは複数のアミノ酸置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、野生型PVRL4のアミノ酸42〜147に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、野生型PVRL4のアミノ酸62〜94に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、野生型PVRL4のアミノ酸129〜137に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。いくつかの態様において、PVRL4変種は、野生型PVRL4のアミノ酸62〜94および129〜137に対応する1つまたは複数のアミノ酸において置換を含む。
PVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、PVRL4、TIGIT、CD96、およびCD226の細胞外ドメイン (ECD) は、SEQ ID NO:9〜16として提供される(予測されるシグナル配列を含まない)。当業者は、様々なECDドメインに対応する正確なアミノ酸の理解が異なる場合がある。したがって、本明細書において記載されるECDのN末端および/またはC末端は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸の分だけ伸長または短縮されてもよい。このことは、ECD内の個々のIg型ドメインにも当てはまる。
ヒトTIGITおよびヒトCD96は、それらの活性をそれらのITIMを介して媒介する抑制性受容体であり、免疫応答を阻害する能力を有すると考えられている。対照的に、ヒトCD226は、その活性をITAMを介して媒介する活性化受容体であり、免疫応答を活性化する能力を有すると考えられている。TIGIT、CD96、およびCD226はいずれも、NK細胞およびT細胞上に発現される。3つの受容体はいずれもPVRと結合し、TIGITが、CD96およびCD226と比較して、PVRに対する最も高い親和性を有することが示されている。多くの場合、TIGITの抑制効果は支配的であり、抗原刺激(例えば、腫瘍、ウイルス、感染)に対する免疫応答は減少するかまたは抑制されると考えられる。理論によって縛られることはないが、抑制性受容体TIGITおよび/またはCD96の操作を通じて、強力な免疫応答が活性化され得るおよび/または増加し得ることが提唱される。例えば、強力な免疫応答は、TIGITと特異的に相互作用するが、シグナル伝達を活性化しない結合物質(すなわち、「遮断薬」)を用いて達成することができ、この場合、この薬剤はCD226と結合せず、かつ/またはその活性化に影響を及ぼさず、例えばNK細胞および/またはT細胞の活性の上昇を可能にする。免疫応答は、結合物質が、TIGITおよびCD96の両方と特異的に相互作用するが、これらの分子からのいかなる抑制性シグナル伝達も活性化しない場合に、強化され得る。これによってCD226シグナル伝達が支配的となり、強力またはより強力な免疫応答が生じる。
したがって、いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、PVRとTIGITとの間の相互作用を妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、PVRとTIGITとの間の相互作用およびPVRとCD96との間の相互作用を妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、PVRとCD96との間の相互作用を妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、PVRとTIGITとの間の相互作用を妨げるが、PVRとCD226との間の相互作用を妨げない。いくつかの態様において、結合物質は、PVRとTIGITとの間の相互作用およびPVRとCD96との間の相互作用を妨げるが、PVRとCD226との間の相互作用を妨げない。いくつかの態様において、結合物質は、PVRとCD96との間の相互作用を妨げるが、PVRとCD226との間の相互作用を妨げない。いくつかの態様において、結合物質は、PVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、結合物質は、PVRとTIGITとの間の相互作用、PVRとCD96との間の相互作用を妨げ、PVRとCD226との間の相互作用を妨げない。いくつかの態様において、結合物質は、PVRL2変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、結合物質は、PVRL2とTIGITとの間の相互作用を妨げ、PVRL2とCD226との間の相互作用を妨げない。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合する。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトCD96の細胞外ドメインと特異的に結合する。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、かつCD96の細胞外ドメインと結合する。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトCD96の細胞外ドメインと特異的に結合し、CD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、かつCD96の細胞外ドメインと結合し、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は、PVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、結合物質はTIGITおよびCD96と特異的に結合し、CD226と結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は、PVRL2変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、結合物質はTIGITと特異的に結合し、CD226と結合しない(または弱く結合する)。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインおよびヒトCD96の細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)およびPVRとCD96との間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げるが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合せず(または弱く結合し)、PVRとCD226との間の相互作用(例えば、結合)を阻害も妨げもしない。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインおよびCD96の細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)およびPVRとCD96との間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げるが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合せず(または弱く結合し)、PVRとCD226との間の相互作用(例えば、結合)を阻害も妨げもしない。いくつかの態様において、結合物質は、PVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、PVR変種を含む可溶性受容体は、ヒトTIGITの細胞外ドメインおよびヒトCD96の細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)およびPVRとCD96との間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げるが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合せず(または弱く結合し)、PVRとCD226との間の相互作用(例えば、結合)を阻害も妨げもしない。いくつかの態様において、結合物質は、PVRL2変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、PVRL2変種を含む可溶性受容体は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRL2とTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)およびPVRとTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げるが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合せず(または弱く結合し)、PVRとCD226との間の相互作用(例えば、結合)を阻害も妨げもしない。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合するが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)PVR変種を含む。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、かつヒトCD96の細胞外ドメインと特異的に結合するが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)PVR変種を含む。いくつかの態様において、PVR変種は、本明細書において記載されるPVR変種である。いくつかの態様において、PVR変種は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、およびSEQ ID NO:21からなる群より選択される配列を含む。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合するが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合しない(または弱く結合する)PVRL2変種を含む。いくつかの態様において、PVRL2変種は、本明細書において記載されるPVRL2変種である。いくつかの態様において、PVRL2変種はSEQ ID NO:38を含む。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRL2とTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRL2とTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げるが、ヒトCD226の細胞外ドメインと結合せず(または弱く結合し)、PVRL2とCD226との間の相互作用(例えば、結合)を阻害も妨げもしない。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合するPVRL3変種を含む。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合するPVRL4変種を含む。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRL3とTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げる。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、PVRL4とTIGITとの間の相互作用(例えば、結合)を阻害するかまたは妨げる。
いくつかの態様において、結合物質は、変種ヒトPVRの1つまたは複数のIg様ドメインを含むTIGIT結合物質である。いくつかの態様において、結合物質は、変種ヒトPVRの1つまたは複数のIg様ドメインを含むCD96結合物質である。いくつかの態様において、結合物質は、変種ヒトPVRの1つまたは複数のIg様ドメインを含むTIGITおよびCD96結合物質である。いくつかの態様において、TIGIT結合物質は、変種ヒトPVRを含み、CD226と結合しない(または弱く結合する)。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は融合タンパク質である。本明細書において用いられる場合、「融合タンパク質」とは、少なくとも2つの遺伝子のヌクレオチド配列を含む核酸分子によって発現されるハイブリッドタンパク質である。ある特定の態様において、可溶性受容体またはポリペプチドなどの結合物質は、非PVRポリペプチドをさらに含む。いくつかの態様において、可溶性受容体は、ヒトFc領域、タンパク質タグ(例えば、myc、FLAG、GST)、他の内因性タンパク質もしくはタンパク質断片、またはECDと第2ポリペプチドとの間の任意のリンカー領域を含む任意の他の有用なタンパク質配列を含むがこれらに限定されない非PVRポリペプチドに連結されている、PVRファミリーメンバーECDまたはその断片(例えば、Ig様ドメイン)を含み得る。ある特定の態様において、非PVRポリペプチドはヒトFc領域を含む。ある特定の態様において、非PVRポリペプチドは本質的にヒトFc領域からなる。ある特定の態様において、非PVRポリペプチドはヒトFc領域からなる。Fc領域は、免疫グロブリンのクラス、IgG、IgA、IgM、IgD、およびIgEのいずれかから得られ得る。いくつかの態様において、Fc領域はヒトIgG1 Fc領域である。いくつかの態様において、Fc領域はヒトIgG2 Fc領域である。いくつかの態様において、Fc領域は野生型Fc領域である。いくつかの態様において、Fc領域は、天然のアミノ酸変動を含む野生型Fc領域である。いくつかの態様において、Fc領域は変異型または改変型のFc領域である。いくつかの態様において、Fc領域は、N末端において、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸の分だけ切断されている(例えば、ヒンジドメインにおいて)。いくつかの態様において、Fc領域は、C末端において、1つまたは複数のアミノ酸の分だけ切断されている(例えば、C末端リジンを失っている)。いくつかの態様において、望ましくないジスルフィド結合形成を妨げるために、ヒンジドメイン中のアミノ酸が変更される。いくつかの態様において、望ましくないジスルフィド結合形成を妨げるために、システインが異なるアミノ酸と置換される。いくつかの態様において、望ましくないジスルフィド結合形成を妨げるために、システインがセリンと置換される。いくつかの態様において、Fc領域は、ヘテロ多量体またはヘテロ二量体分子の形成を促進するように改変される。ある特定の態様において、非PVRポリペプチドは、SEQ ID N0:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む。ある特定の態様において、非PVRポリペプチドは、本質的にSEQ ID N0:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48からなる。
ある特定の態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、PVR変種ECD(またはPVRL1〜4変種ECD)の少なくとも断片およびFc領域を含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、PVR変種ECD(またはその断片)のC末端は、免疫グロブリンFc領域のN末端に連結されている。いくつかの態様において、PVR変種ECD(またはその断片)は、Fc領域に直接連結されている(すなわち、介在ペプチドリンカーを含まない)。いくつかの態様において、PVR変種ECD(またはその断片)は、ペプチドリンカーを介してFc領域に連結されている。
本明細書において用いられる場合、「リンカー」という用語は、第1ポリペプチド(例えば、PVR変種ECDまたはその断片)と第2ポリペプチド(例えば、Fc領域)との間に挿入されるリンカーを指す。いくつかの態様において、リンカーはペプチドリンカーである。リンカーは、融合タンパク質の発現、分泌、または生物活性に悪影響を及ぼすべきではない。リンカーは、抗原性があってはならず、免疫応答を誘発するべきではない。適切なリンカーは当業者に公知であり、グリシン残基とセリン残基の混合物を含む場合が多く、立体的に妨げられないアミノ酸を含む場合が多い。有用なリンカー中に取り込まれ得る他のアミノ酸には、スレオニン残基およびアラニン残基が含まれる。リンカーは長さに幅があってよく、例えば1〜50アミノ酸長、1〜22アミノ酸長、1〜10アミノ酸長、1〜5アミノ酸長、または1〜3アミノ酸長であってよい。リンカーには、SerGly、GGSG、GSGS、GGGS、S(GGS)n、この場合nは1〜7である、GRA、ポリ(Gly)、ポリ(Ala)、ESGGGGVT (SEQ ID NO:33)、LESGGGGVT (SEQ ID NO:34)、GRAQVT (SEQ ID NO:35)、WRAQVT (SEQ ID NO:36)、およびARGRAQVT (SEQ ID NO:37) が含まれるが、これらに限定されない。本明細書において用いられる場合、リンカーは、第1ポリペプチド(例えば、PVR変種ECDまたはその一部)のC末端または第2ポリペプチド(例えば、Fc領域)のN末端のいずれかに由来するアミノ酸残基を含まない介在ペプチド配列である。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、またはSEQ ID NO:28を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:29、SEQ ID NO:43、またはSEQ ID NO:44を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:30を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:31を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:45またはSEQ ID NO:46を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:47またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:19を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:20を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含む融合タンパク質である。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドは第2ポリペプチドに直接連結されている。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドは第2ポリペプチドに直接連結されている。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドはリンカーによって第2ポリペプチドに接続されている。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドはリンカーによって第2ポリペプチドに接続されている。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:19またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドは第2ポリペプチドに直接連結されている。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:19またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドは第2ポリペプチドに直接連結されている。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:19またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドはリンカーによって第2ポリペプチドに接続されている。いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:19またはSEQ ID NO:21を含む第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドはリンカーによって第2ポリペプチドに接続されている。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38と少なくとも80%同一である第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドは第2ポリペプチドに直接連結されている。いくつかの態様において、第1ポリペプチドは、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一である。
いくつかの態様において、結合物質は、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38と少なくとも80%同一である第1ポリペプチド、およびSEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:44、SEQ ID NO:45、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、またはSEQ ID NO:48を含む第2ポリペプチドを含み、この場合、第1ポリペプチドはリンカーによって第2ポリペプチドに接続されている。いくつかの態様において、第1ポリペプチドは、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、またはSEQ ID NO:38と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%同一である。
受容体タンパク質は、一般に、タンパク質の輸送を指示するシグナル配列を含む。シグナル配列(シグナルペプチドまたはリーダー配列とも称される)は、新生ポリペプチドのN末端に位置する。それらはポリペプチドを小胞体に標的化し、タンパク質は、それらの目的地、例えば、細胞小器官の内腔、内膜、細胞外膜、または分泌によって細胞外部に局在化される。大部分のシグナル配列は、タンパク質が小胞体に輸送された後、シグナルペプチダーゼによってタンパク質から切断される。ポリペプチドからのシグナル配列の切断は、通常、アミノ酸配列の特定の部位で起こり、シグナル配列内のアミノ酸残基に依存する。通常、特定の1つの切断部位が存在するが、2つ以上の切断部位が、シグナルペプチダーゼによって認識および/または使用され、ポリペプチドの不均一なN末端が生じる場合がある。例えば、シグナル配列内の異なる切断部位の使用によって、N末端のアミノ酸が異なるポリペプチドが発現され得る。したがって、いくつかの態様において、本明細書において記載されるポリペプチドは、異なるN末端を有するポリペプチドの混合物を含み得る。いくつかの態様において、N末端は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のアミノ酸の分だけ長さが異なる。いくつかの態様において、N末端は、1、2、3、4、または5アミノ酸だけ長さが異なる。いくつかの態様において、ポリペプチドは実質的に均一であり、すなわちポリペプチドは同じN末端を有する。いくつかの態様において、ポリペプチドのシグナル配列は、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個等)のアミノ酸置換および/または欠失を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドのシグナル配列は、1つの切断部位を主要にさせるアミノ酸置換および/または欠失を含み、それによって1つのN末端を有する実質的に均一なポリペプチドが生じる。いくつかの態様において、ポリペプチドのシグナル配列は、天然(すなわち、PVRファミリーメンバー)のシグナル配列ではない。
本発明の結合物質のうちのいくつかは、所望の生化学的特徴、例えば、天然のまたは変更されていないFc領域を含むほぼ同じ免疫原性の融合タンパク質と比較した場合の、血清半減期の短縮、血清半減期の延長、または標的細胞局在化の増加などを提供するように、Fc領域の少なくとも一部分が欠失しているかまたはさもなくば変更されている融合タンパク質を含むことを、当業者は認識するであろう。Fc領域に対する改変は、1つまたは複数のドメインにおける1つまたは複数のアミノ酸の付加、欠失、または置換を含み得る。本明細書において開示される改変された融合タンパク質は、2つの重鎖定常ドメイン(CH2またはCH3)のうち1つもしくは複数またはヒンジ領域に対する変更または改変を含み得る。他の態様において、CH2ドメイン全体が除去され得る(ΔCH2構築物)。いくつかの態様において、除外された定常領域ドメインは、存在しない定常領域ドメインによって典型的に付与される分子可動性のいくらかを提供する短いアミノ酸スペーサー(例えば、10アミノ酸残基)によって置換される。
いくつかの態様において、改変された融合タンパク質は、CH3ドメインをヒンジ領域または第1ポリペプチドに直接連結させるように操作される。他の態様において、ペプチドスペーサーが、第1ポリペプチドのヒンジ領域と改変されたCH2および/またはCH3ドメインとの間に挿入される。例えば、CH2ドメインが欠失しており、残りのCH3ドメイン(改変されているかまたは改変されていない)が5〜20アミノ酸スペーサーによって第1ポリペプチドのヒンジ領域に結合している構築物が発現され得る。このようなスペーサーは、定常ドメインの調節エレメントが自由かつ到達可能なままであること、またはヒンジ領域が可動性のままであることを保証するように付加され得る。しかしながら、アミノ酸スペーサーが、場合によっては、免疫原性であり、構築物に対する望ましくない免疫応答を誘発することが判明し得ることに留意するべきである。したがって、ある特定の態様において、構築物に付加される任意のスペーサーは、融合タンパク質の所望の生物学的品質が維持されるように、比較的非免疫原性である。
いくつかの態様において、改変された融合タンパク質は、定常ドメインの部分的な欠失、または数個もしくはただ単一のアミノ酸の置換のみを有し得る。例えば、CH2ドメインの選択された領域における単一アミノ酸の変異は、Fc結合を実質的に減少させ、それによって標的細胞局在化を増加させるのに十分であり得る。同様に、特定のエフェクター機能(例えば、補体C1q結合)を制御する1つまたは複数の定常領域ドメインの一部を単に欠失させることが望ましい場合がある。定常領域のこのような部分的欠失は、対象の定常領域ドメインに関連する他の望ましい機能を無傷のままにしながら、結合物質の選択された特徴(例えば、血清半減期)を改善し得る。その上、上記で言及されたように、開示される融合タンパク質の定常領域は、得られる構築物のプロファイルを向上させる1つまたは複数のアミノ酸の変異または置換によって改変され得る。この点において、改変された融合タンパク質の立体配置および免疫原性プロファイルを実質的に維持しつつ、保存された結合部位によって提供される活性(例えば、Fc結合)を破壊することが可能であり得る。ある特定の態様において、改変された融合タンパク質は、望ましい特徴、例えばエフェクター機能の減少もしくは増加などを向上させるため、またはより多くの細胞毒もしくは炭水化物付着部位を提供するために、定常領域への1つまたは複数のアミノ酸の付加を含む。
定常領域がいくつかのエフェクター機能を媒介することは、当技術分野において公知である。例えば、IgGまたはIgM抗体(抗原に結合したもの)のFc領域への補体のC1成分の結合は、補体系を活性化する。補体の活性化は、細胞病原体のオプソニン化および溶解において重要である。補体の活性化はまた、炎症反応を刺激し、自己免疫性過敏症にも関与し得る。加えて、Fc領域は、Fc受容体 (FcR) を発現している細胞に結合し得る。IgG(ガンマ受容体)、IgE(イプシロン受容体)、IgA(アルファ受容体)、およびIgM(ミュー受容体)を含む種々のクラスの抗体に特異的ないくつかのFc受容体が存在する。
したがって、いくつかの態様において、改変された融合タンパク質は、変更されたエフェクター機能を提供し、これは次に、投与された薬剤の生物学的プロファイルに影響を及ぼす。例えば、いくつかの態様において、定常領域ドメインの欠失または不活性化(点変異または他の手段による)は、循環している改変型薬剤のFc受容体結合を減少させ、それによって標的細胞局在化を増加させ得る。他の態様において、定常領域の改変は、薬剤の血清半減期を延長または短縮する。いくつかの態様において、定常領域は、ジスルフィド結合またはオリゴ糖付着部位を除去するように改変される。
ある特定の態様において、改変された融合タンパク質は、Fc領域に通常付随する1つまたは複数のエフェクター機能を有さない。いくつかの態様において、薬剤は、ADCC活性を有さず、かつ/またはCDC活性を有さない。ある特定の態様において、薬剤は、Fc受容体および/または補体因子に結合しない。ある特定の態様において、薬剤はエフェクター機能を有さない。
本発明はまた、ヘテロ二量体分子を包含する。一般に、ヘテロ二量体分子は2つのポリペプチドを含む。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、少なくとも2つの標的と結合することができる。標的は、例えば、単一細胞上の2つの異なる受容体、または2つの別個の細胞上の2つの異なる標的であってよい。したがって、いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子の一方のポリペプチドは、本明細書において記載されるポリペプチド(例えば、TIGITと結合する)を含み、ヘテロ二量体分子のもう一方のポリペプチドは抗体である。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、1つの標的と結合することができ、かつまた「非結合」機能を含む。したがって、いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子の一方のポリペプチドは、本明細書において記載されるポリペプチド(例えば、TIGITと結合する)を含み、ヘテロ二量体分子のもう一方のポリペプチドは免疫応答刺激物質である。本明細書において用いられる場合、「免疫応答刺激物質」という語句は、最も広い意味で用いられ、免疫系の成分のいずれかの活性化を誘導するか、またはその活性を上昇させることによって、免疫系を直接または間接的に刺激する物質を指す。例えば、免疫応答刺激物質には、サイトカイン、ならびに腫瘍抗原および病原体由来の抗原を含む様々な抗原が含まれる。いくつかの態様において、免疫応答刺激物質には、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 (GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子 (M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF)、幹細胞因子 (SCF))、インターロイキン(例えば、IL-1、IL2、IL-3、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18)、免疫抑制機能を阻止する抗体(例えば、抗CTLA4抗体、抗CD28抗体、抗CD3抗体)、toll様受容体(例えば、TLR4、TLR7、TLR9)、またはB7ファミリーのメンバー(例えば、CD80、CD86)が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、より強力な細胞性免疫応答を誘発するために、第1標的(例えば、TIGIT)、および第2標的、例えば白血球上のエフェクター分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはCD80)またはFc受容体(例えば、CD64、CD32、またはCD16)などと結合し得る。
いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、個々の薬剤と比較して増強された効力を有する。いずれの薬剤(例えば、可溶性受容体またはサイトカイン)も特有の薬物動態 (PK)(例えば、循環半減期)を有し得ることが、当業者には公知である。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの活性薬剤および/またはポリペプチドのPKを同調させる能力を有し、ここで、該2つの個々の薬剤および/またはポリペプチドは異なるPKプロファイルを有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの薬剤および/またはポリペプチドの作用を共通の領域(例えば、腫瘍および/または腫瘍環境)に集中させる能力を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの薬剤および/またはポリペプチドの作用を共通の標的(例えば、腫瘍または腫瘍細胞)へ集中させる能力を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの薬剤および/またはポリペプチドの作用を2つ以上の生物学的経路または免疫応答の2つ以上の局面へ標的化する能力を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、単独の薬剤および/またはポリペプチドのいずれかよりも低下した毒性および/または副作用を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの個々の薬剤および/またはポリペプチドの混合物と比較して、低下した毒性および/または副作用を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、増加した治療指数を有する。いくつかの態様において、ヘテロ二量体分子は、2つの個々の薬剤および/もしくはポリペプチドの混合物または単剤としての薬剤および/もしくはポリペプチドと比較して、増加した治療指数を有する。
いくつかの態様において、結合物質は、第1 CH3ドメインおよび第2 CH3ドメインを含む多二量体 (multidimeric) 分子であり、その各々はヘテロ多量体またはヘテロ二量体の形成を促進するように改変されている。いくつかの態様において、第1および第2 CH3ドメインは、ノブ・イントゥ・ホール (knobs-into-holes) 技法を用いて改変される。いくつかの態様において、第1および第2 CH3ドメインは、変更された静電相互作用をもたらすアミノ酸の変化を含む。いくつかの態様において、第1および第2 CH3ドメインは、変更された疎水性/親水性相互作用をもたらすアミノ酸の変化を含む(例えば、米国特許出願公開第2011/0123532号を参照されたい)。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、(a) SEQ ID NO:39の253位および292位に相当する位置のアミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG1定常領域、ならびにSEQ ID NO:39の240および282に相当する位置のアミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG1定常領域;(b) SEQ ID NO:40の249位および288位に相当する位置のアミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:40の236位および278位に相当する位置のアミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG2定常領域;(c) SEQ ID NO:41の300位および339位に相当する位置のアミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG3定常領域、ならびにSEQ ID NO:41の287位および329位に相当する位置のアミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG3定常領域;ならびに (d) SEQ ID NO:42の250位および289位に相当する位置のアミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG4定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の237位および279位に相当する位置のアミノ酸がリジンで置換された第2 IgG4定常領域からなる群より選択される重鎖定常領域を含むヘテロ二量体分子である。
いくつかの態様において、ヘテロ二量体タンパク質は2つのポリペプチドを含み、この場合、各ポリペプチドはヒトIgG2 CH3ドメインを含み、一方のIgG2 CH3ドメインのSEQ ID NO:40の249位および288位に相当する位置のアミノ酸はグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換され、かつ他方のIgG2 CH3ドメインのSEQ ID NO:40の236位および278位に相当する位置のアミノ酸はリジンで置換されている。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、SEQ ID NO:39の253位および292位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG1定常領域、ならびにSEQ ID NO:39の240位および282位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG1定常領域を含むヘテロ二量体分子である。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、SEQ ID NO:40の249位および288位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG2定常領域、ならびにSEQ ID NO:40の236位および278位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG2定常領域を含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、SEQ ID NO:41の300位および339位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG3定常領域、ならびにSEQ ID NO:41の287位および329位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG3定常領域を含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、SEQ ID NO:42の250位および289位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がグルタミン酸またはアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG4定常領域、ならびにSEQ ID NO:42の237位および279位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG4定常領域を含む融合タンパク質である。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、SEQ ID NO:40の249位および288位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がグルタミン酸で置換された第1ヒトIgG2定常領域、ならびに236位および278位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG2定常領域を含む融合タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、249位および288位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がアスパラギン酸で置換された第1ヒトIgG2定常領域、ならびに236位および278位に相当する位置においてアミノ酸置換を有し、該アミノ酸がリジンで置換された第2ヒトIgG2定常領域を含む融合タンパク質である。
いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は一価である。いくつかの態様において、結合物質は、一価であるヘテロ二量体タンパク質である。いくつかの態様において、結合物質は、一価である可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は二価である。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は単一特異性である。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は二重特異性である。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は多重特異性である。
いくつかの態様、結合物質は、本明細書において記載される可溶性受容体および/またはポリペプチドと実質的に相同である。これらの結合物質は、例えば、保存的置換変異、すなわち類似のアミノ酸による1つまたは複数のアミノ酸の置換を含み得る。例えば、保存的置換とは、あるアミノ酸の、同一の一般的クラスにおける別のアミノ酸による、例えば、1つの酸性アミノ酸の別の酸性アミノ酸による、1つの塩基性アミノ酸の別の塩基性アミノ酸による、または1つの中性アミノ酸の別の中性アミノ酸による置換を指す。保存的アミノ酸置換によって意図されるものは、当技術分野において周知であり、本明細書において記載される。
いくつかの態様において、結合物質は二重特異性抗体である。二重特異性抗体は、少なくとも2つの異なるエピトープを特異的に認識し、それらと結合することができる。異なるエピトープは、同じ分子内にあってよく(例えば、ヒトTIGIT上の2つのエピトープ)、または異なる分子上にあってもよい(例えば、TIGIT上の1つのエピトープおよびCD96上の1つのエピトープ)。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、モノクローナルヒト抗体またはヒト化抗体である。いくつかの態様において、抗体は、第1抗原標的を発現している細胞に細胞防御機構を集中させるために、第1抗原標的(例えば、TIGIT)、および第2抗原標的、例えば白血球上のエフェクター分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはCD80)またはFc受容体(例えば、CD64、CD32、またはCD16)などを特異的に認識し、それらと結合し得る。いくつかの態様において、抗体は、細胞傷害性薬剤を、特定の標的抗原を発現する細胞に指向するために使用することができる。これらの抗体は、抗原結合アーム、および細胞傷害性薬剤または放射性核種キレート剤、例えばEOTUBE、DPTA、DOTA、もしくはTETAなどと結合するアームを有する。
二重特異性抗体を作製するための技法は当業者に公知であり、例えば、Millstein et al., 1983, Nature, 305:537-539;Brennan et al., 1985, Science, 229:81;Suresh et al., 1986, Methods in Enzymol., 121:120;Traunecker et al., 1991, EMBO J., 10:3655-3659;Shalaby et al., 1992, J. Exp. Med., 175:217-225;Kostelny et al., 1992, J. Immunol., 148:1547-1553;Gruber et al., 1994, J. Immunol., 152:5368;米国特許第5,731,168号;および米国特許出願公開第2011/0123532号を参照されたい。二重特異性抗体は、無傷の抗体または抗体断片であってよい。3つ以上の結合価を有する抗体もまた企図される。例えば、三重特異性抗体が調製され得る (Tutt et al., 1991, J. Immunol., 147:60)。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、二重特異性抗体は、TIGITの細胞外ドメインおよびCD96の細胞外ドメインと特異的に結合する。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITと特異的に結合する第1抗原結合部位、およびヒトCD96と特異的に結合する第2抗原結合部位を含む二重特異性抗体である。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITと特異的に結合する第1抗原結合部位、およびヒトCD96と特異的に結合する第2抗原結合部位を含む二重特異性抗体であり、この場合、第1抗原結合部位と第2抗原結合部位の軽鎖は同一である。
いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、TIGITのシグナル伝達を遮断する二重特異性抗体である。いくつかの態様において、結合物質は、ヒトTIGITの細胞外ドメインと特異的に結合し、かつヒトCD96の細胞外ドメインと結合し、TIGITのシグナル伝達を遮断し、かつCD96のシグナル伝達を遮断する二重特異性抗体である。
本発明の結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)は、当技術分野において公知の任意の方法によって、特異的結合についてアッセイすることができる。使用され得る免疫測定法には、Biacore解析、FACS解析、免疫蛍光法、免疫細胞化学、ウェスタンブロット、放射免疫測定法、ELISA、「サンドイッチ」免疫測定法、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光免疫測定法、およびプロテインA免疫測定法などの技法を使用する競合および非競合アッセイ系が含まれるが、これらに限定されない。このようなアッセイは、当技術分野において日常的であり、周知である(例えば、Ausubel et al., Editors, 1994-present, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York, NYを参照されたい)。
例えば、TIGITなどの標的に対する結合物質(例えば、可溶性受容体)の特異的結合は、ELISAを用いて決定され得る。ELISAアッセイは、抗原を調製すること、96ウェルマイクロタイタープレートのウェルを抗原でコーティングすること、酵素基質(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物にコンジュゲートされた結合物質をウェルに添加すること、ある時間にわたってインキュベートすること、および該抗原に結合した結合物質の存在を検出することを含む。いくつかの態様では、結合物質は検出可能な化合物にコンジュゲートされないが、その代わりに、検出可能な化合物にコンジュゲートされた、該結合物質を認識する抗体(例えば、PEコンジュゲート抗Fc抗体)をウェルに添加する。いくつかの態様では、抗原でウェルをコーティングする代わりに、結合物質をウェルにコーティングすることができ、コーティングされたウェルに抗原を添加した後に、検出可能な化合物にコンジュゲートされた抗体を添加することができる。当業者は、検出されるシグナルを増大するために変更できるパラメータ、および当技術分野において公知のELISAの他の変法について精通しているであろう。
別の例では、標的に対する結合物質(例えば、可溶性受容体)の特異的結合は、FACSを用いて決定され得る。FACSスクリーニングアッセイは、抗原を融合タンパク質(例えば、TIGIT-CD4TM)として発現するcDNA構築物を作製すること、該構築物を細胞にトランスフェクトすること、該抗原を細胞の表面上に発現させること、トランスフェクトされた細胞と結合物質を混合すること、およびある時間にわたってインキュベートすることを含み得る。結合物質によって結合された細胞は、検出可能な化合物にコンジュゲートされた、該結合物質を認識する二次抗体(例えば、PEコンジュゲート抗Fc抗体)およびフローサイトメーターを用いて同定され得る。FACSスクリーニングアッセイを用いて、2つ以上の受容体、例えばTIGITおよびCD96と結合する結合物質を同定することができる。FACSスクリーニングアッセイを用いて、結合物質が受容体と結合しないか、または受容体に弱く結合することを示すことができる。当業者は、検出されるシグナルを最適化するために変更できるパラメータ、およびスクリーニング(例えば、遮断薬剤に関するスクリーニング)を増強し得るFACSの他の変法について精通しているであろう。
標的(例えば、TIGIT)に対する結合物質(例えば、可溶性受容体)の結合親和性、および結合物質/標的相互作用の解離速度は、競合結合アッセイによって決定され得る。競合結合アッセイの一例は、漸増量の非標識標的の存在下において標識標的(例えば、3Hまたは125I)またはその断片もしくは変種と関心対象の結合物質とをインキュベートした後に、標識標的に結合した結合物質を検出することを含む放射免疫測定法である。標的(例えば、TIGIT)に対する結合物質の親和性、および結合解離速度は、スキャッチャードプロット解析によってそのデータから決定することができる。いくつかの態様では、標的(例えば、TIGIT)と結合する結合物質の結合速度および解離速度を決定するために、Biacore動態解析が用いられる。Biacore動態解析は、チップ表面上に標的(例えば、TIGIT)が固定化されたチップへの結合物質の結合およびそのチップからの解離を解析することを含む。
いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、約1μMもしくはそれ未満、約100 nMもしくはそれ未満、約40 nMもしくはそれ未満、約20 nMもしくはそれ未満、約10 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、または約0.1 nMもしくはそれ未満の解離定数 (KD) でTIGITと結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約1 nMまたはそれ未満のKDでTIGITと結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約0.1 nMまたはそれ未満のKDでTIGITと結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約0.1 nMまたはそれ未満のKDでヒトTIGITと結合する。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)はまた、約1μMもしくはそれ未満、約100 nMもしくはそれ未満、約40 nMもしくはそれ未満、約20 nMもしくはそれ未満、約10 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、または約0.1 nMもしくはそれ未満のKDでCD96と結合する。いくつかの態様において、結合物質はまた、約1 nMまたはそれ未満のKDでCD96と結合する。いくつかの態様において、結合物質はまた、約0.1 nMまたはそれ未満のKDでCD96と結合する。いくつかの態様において、結合物質はまた、約0.1 nMまたはそれ未満のKDでCD96と結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約10 nMまたはそれ未満のKDで、ヒトTIGITおよびマウスTIGITの両方と結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約1 nMまたはそれ未満のKDで、ヒトTIGITおよびマウスTIGITの両方と結合する。いくつかの態様において、結合物質は、約0.1 nMまたはそれ未満のKDで、ヒトTIGITおよびマウスTIGITの両方と結合する。いくつかの態様において、結合物質はヒトCD226と結合しない。いくつかの態様において、結合物質は高いKDでヒトCD226と結合する(弱い結合)。
いくつかの態様において、TIGITに対する結合物質の解離定数は、Biacoreチップ上に固定化されたTIGIT細胞外ドメインの少なくとも一部を含むTIGIT融合タンパク質を用いて決定された解離定数である。いくつかの態様において、CD96に対する結合物質の解離定数は、Biacoreチップ上に固定化されたCD96細胞外ドメインの少なくとも一部を含むCD96融合タンパク質を用いて決定された解離定数である。いくつかの態様において、CD226に対する結合物質の解離定数または結合の欠如は、Biacoreチップ上に固定化されたCD226細胞外ドメインの少なくとも一部を含むCD226融合タンパク質を用いて決定された解離定数である。
いくつかの態様において、結合物質は、約1μMもしくはそれ未満、約100 nMもしくはそれ未満、約40 nMもしくはそれ未満、約20 nMもしくはそれ未満、約10 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、または約0.1 nMもしくはそれ未満の最大半量有効濃度 (EC50) でヒトTIGITと結合する。ある特定の態様において結合物質また、約40 nMもしくはそれ未満、約20 nMもしくはそれ未満、約10 nMもしくはそれ未満、約1 nMもしくはそれ未満、または約0.1 nMもしくはそれ未満のEC50でヒトCD96と結合する。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITおよび/またはCD96と結合し、免疫応答を調節する。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、免疫応答を活性化する、および/または増加させる。いくつかの態様において、結合物質は細胞性免疫を増加させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質は自然細胞性免疫を増加させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質は適応細胞性免疫を増加させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質はT細胞活性を上昇させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質は細胞溶解性T細胞 (CTL) 活性を上昇させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質はNK細胞活性を上昇させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質はリンホカイン活性化キラー細胞 (LAK) 活性を上昇させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質は腫瘍細胞死滅を増加させる、促進する、または増強する。いくつかの態様において、結合物質は腫瘍成長の阻害を増加させる、促進する、または増強する。
いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITと結合し、TIGITシグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、TIGITと結合し、TIGITシグナル伝達を遮断する。いくつかの態様において、結合物質は、TIGIT媒介性シグナル伝達のアンタゴニストである。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、CD96と結合し、CD96シグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、CD96と結合し、CD96シグナル伝達を遮断する。いくつかの態様において、結合物質は、CD96媒介性シグナル伝達のアンタゴニストである。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITおよびCD96と結合し、TIGITシグナル伝達およびCD96シグナル伝達を阻害する。いくつかの態様において、結合物質(例えば、可溶性受容体)は、TIGITおよびCD96と結合し、TIGITシグナル伝達を遮断し、かつCD96シグナル伝達を遮断する。いくつかの態様において、結合物質は、TIGIT媒介性シグナル伝達のアンタゴニストおよびCD96媒介性シグナル伝達のアンタゴニストである。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITと結合し、TIGITシグナル伝達を阻害するが、CD226と結合せず(または弱く結合し)、CD226シグナル伝達を阻害しない。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITおよびCD96と結合し、TIGITおよびCD96シグナル伝達を阻害するが、CD226と結合せず(または弱く結合し)、CD226シグナル伝達を阻害しない。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITと結合し、TIGITシグナル伝達を阻害し、かつCD226シグナル伝達を増加させる。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITおよびCD96と結合し、TIGITおよびCD96シグナル伝達を阻害し、かつCD226シグナル伝達を増加させる。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、CD226シグナル伝達を増加させる。
いくつかの態様において、結合物質は、本明細書において記載されるPVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、PVR変種はTIGITと結合し、TIGIT活性を阻止する。いくつかの態様において、結合物質は、本明細書において記載されるPVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、PVR変種はTIGITと結合し、TIGIT活性を阻止し、かつまたCD96とも結合し、CD96活性を阻止する。いくつかの態様において、結合物質は、本明細書において記載されるPVR変種を含む可溶性受容体を含み、この場合、PVR変種はTIGITと結合し、CD226活性を上昇させる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、ヒトCD226のアゴニスト(直接的または間接的のいずれか)である。いくつかの態様において、結合物質はCD226のアゴニストであり、免疫応答を活性化する、および/または増加させる。いくつかの態様において、結合物質はCD226のアゴニストであり、NK細胞および/またはT細胞の活性(例えば、細胞溶解活性またはサイトカイン産生)を活性化する、および/または上昇させる。ある特定の態様において、結合物質は、該活性を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または約100%上昇させる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、TIGITおよび/またはCD96のアンタゴニスト(直接的または間接的のいずれか)である。いくつかの態様において、結合物質はTIGITおよび/またはCD96のアンタゴニストであり、免疫応答を活性化する、および/または増加させる。いくつかの態様において、結合物質はTIGITおよび/またはCD96のアンタゴニストであり、NK細胞および/またはT細胞の活性(例えば、細胞溶解活性またはサイトカイン産生)を活性化する、および/または上昇させる。ある特定の態様において、結合物質結合物質は、該活性を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または約100%上昇させる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、NK細胞の活性化を増加させる。ある特定の態様において、結合物質(可溶性受容体)はT細胞の活性化を増加させる。ある特定の態様において、結合物質によるNK細胞および/またはT細胞の活性化は、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%というNK細胞および/またはT細胞の活性化のレベルの上昇をもたらす。
結合物質(または候補結合物質)が免疫応答を調節するかどうかを判定するためのインビボおよびインビトロアッセイは、当技術分野において公知であるか、または開発中である。いくつかの態様において、T細胞活性化を検出する機能的アッセイが使用され得る。例えば、本明細書において記載される結合物質の存在下または非存在下において、T細胞の集団を、PVRを発現する照射済みの同種異形細胞で刺激することができる。TIGITおよび/またはCD96シグナル伝達を遮断する薬剤は、増殖および細胞周期進行、IL-2産生、ならびに/またはCD25およびCD69の上方制御によって測定されるT細胞活性化の増加を引き起こす。いくつかの態様において、NK細胞活性を検出する機能的アッセイが使用され得る。例えば、本明細書において記載される結合物質の存在下または非存在下において、PVRを発現している標的細胞の集団をNK細胞と共培養することができる。TIGITおよび/またはCD96シグナル伝達を遮断する薬剤は、NK細胞によって死滅する標的細胞の割合の増加を引き起こす。
ある特定の態様において、結合物質は腫瘍成長を阻害することができる。ある特定の態様において、結合物質は、インビボにおいて(例えば、異種移植片マウスモデルにおいて、および/またはがんを有するヒトにおいて)腫瘍成長を阻害することができる。
ある特定の態様において、結合物質は、腫瘍の腫瘍形成能を低下させることができる。ある特定の態様において、結合物質は、マウス異種移植片モデルなどの動物モデルにおいて、腫瘍の腫瘍形成能を低下させることができる。ある特定の態様において、結合物質は、マウス異種移植片モデルなどの動物モデルにおいて、がん幹細胞を含む腫瘍の腫瘍形成能を低下させることができる。ある特定の態様において、腫瘍内のがん幹細胞の数または発生頻度は、少なくとも約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約50倍、約100倍、または約1000倍減少する。ある特定の態様において、がん幹細胞の数または発生頻度の減少は、動物モデルを用いた限界希釈アッセイによって決定される。腫瘍内のがん幹細胞の数または発生頻度の減少を決定するための限界希釈アッセイの使用に関する付加的な例および指針は、例えば、国際特許出願公開第WO 2008/042236号;米国特許出願公開第2008/0064049号;および米国特許出願公開第2008/0178305号において見出すことができる。
ある特定の態様において、結合物質は、以下の効果のうちの1つまたは複数を有する:腫瘍細胞の増殖を阻害すること、腫瘍成長を阻害すること、腫瘍の腫瘍形成能を低下させること、腫瘍内のがん幹細胞の発生頻度を減少させることによって腫瘍の腫瘍形成能を低下させること、腫瘍細胞の細胞死を誘発すること、細胞接触依存的成長阻害を増加させること、腫瘍細胞アポトーシスを増加させること、上皮間葉転換 (EMT) を減少させること、または腫瘍細胞の生存を減少させること。いくつかの態様において、結合物質は、以下の効果のうちの1つまたは複数を有する:ウイルス感染を阻害すること、慢性ウイルス感染を阻害すること、ウイルス負荷を減少させること、ウイルス感染細胞の細胞死を誘発すること、またはウイルス感染細胞の数もしくは割合を減少させること。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、マウス、カニクイザル、またはヒトにおいて、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約24時間、少なくとも約3日間、少なくとも約1週間、または少なくとも約2週間の循環半減期を有する。ある特定の態様において、結合物質は、マウス、カニクイザル、またはヒトにおいて、少なくとも約5時間、少なくとも約10時間、少なくとも約24時間、少なくとも約3日間、少なくとも約1週間、または少なくとも約2週間の循環半減期を有するIgG(例えば、IgG1またはIgG2)融合タンパク質である。ポリペプチドおよび可溶性受容体などの薬剤の半減期を延長する(または短縮する)方法は、当技術分野において公知である。例えば、IgG融合タンパク質の循環半減期を延長する公知の方法には、pH6.0における胎児性Fc受容体 (FcRn) への抗体のpH依存的結合を増加させる変異をFc領域に導入することが含まれる(例えば、米国特許出願公開第2005/0276799号、第2007/0148164号、および第2007/0122403号を参照されたい)。Fc領域を欠く可溶性受容体の循環半減期を延長する公知の方法には、PEG化などのような技法が含まれる。
本発明のいくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。ポリペプチドは、TIGITおよび/またはCD96と結合する組換えポリペプチド、天然ポリペプチド、または合成ポリペプチドであってよい。本発明のいくつかのアミノ酸配列が、タンパク質の構造または機能に有意に影響を及ぼすことなく変更され得ることが、当技術分野において認識されるであろう。したがって、本発明はさらに、TIGITおよび/またはCD96に対する実質的な結合活性を示すポリペプチドの変化形を含む。いくつかの態様において、ポリペプチドのアミノ酸配列変動には、欠失、挿入、逆位、反復、および/または他の種類の置換が含まれる。
ポリペプチド、その類似体および変種は、通常はそのポリペプチドの一部ではない付加的な化学部分を含むようにさらに改変され得る。誘導体化された部分は、ポリペプチドの溶解度、生物学的半減期、および/または吸収を改善し得る。該部分はまた、ポリペプチドおよび変種の望ましくない副作用を減少させ得るかまたは排除し得る。化学部分についての概要は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical press, Londonにおいて見出すことができる。
本明細書において記載されるポリペプチドは、当技術分野において公知の任意の適切な方法によって生成され得る。そのような方法は、直接的なタンパク質合成法から、ポリペプチド配列をコードするDNA配列を構築し、それらの配列を適切な宿主において発現させることにまで及ぶ。いくつかの態様において、DNA配列は、関心対象の野生型タンパク質をコードするDNA配列を単離または合成することにより、組換え技術を用いて構築される。任意に、該配列は、その機能的類似体を提供するために、部位特異的突然変異誘発によって変異誘発され得る。例えば、Zoeller et al., 1984, PNAS, 81:5662-5066、および米国特許第4,588,585号を参照されたい。
いくつかの態様において、関心対象のポリペプチドをコードするDNA配列は、オリゴヌクレオチド合成機を使用する化学合成によって構築され得る。オリゴヌクレオチドは、所望のポリペプチドのアミノ酸配列に基づき、関心対象の組換えポリペプチドを産生する宿主細胞において好まれるコドンを選択して、設計することができる。関心対象の単離されたポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を合成するために、標準的な方法を適用することができる。例えば、完全なアミノ酸配列を用いて、逆翻訳された遺伝子を構築することができる。さらに、特定の単離されたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNAオリゴマーを合成することができる。例えば、所望のポリペプチドの一部をコードするいくつかの小さなオリゴヌクレオチドを合成し、次いで連結することができる。個々のオリゴヌクレオチドは、典型的に、相補的な組み立てのために5'または3'オーバーハングを含む。
関心対象の特定のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列が(合成、部位特異的突然変異誘発、または別の方法によって)ひとたび組み立てられると、これを発現ベクターに挿入し、所望の宿主内でのタンパク質の発現に適した発現制御配列に機能的に連結させることができる。ヌクレオチド配列決定、制限酵素マッピング、および/または適切な宿主内での生物学的活性ポリペプチドの発現によって、適切な組み立てを確認することができる。当技術分野において周知であるように、宿主内でトランスフェクト遺伝子の高発現レベルを得るために、該遺伝子は、選択された発現宿主において機能的である転写および翻訳の発現制御配列に機能的に連結されなければならない。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質(例えば、可溶性受容体)をコードするDNAを増幅し発現させるために、組換え発現ベクターが用いられる。例えば、組換え発現ベクターは、哺乳動物、微生物、ウイルス、または昆虫の遺伝子に由来する適切な転写および/または翻訳の調節エレメントに機能的に連結された、結合物質のポリペプチド鎖をコードする合成DNA断片またはcDNA由来DNA断片を有する、複製可能なDNA構築物であってよい。転写単位は一般に、(1) 遺伝子発現において調節の役割を有する遺伝子エレメント、例えば転写プロモーターまたはエンハンサー、(2) mRNAに転写され、タンパク質に翻訳される構造配列またはコード配列、ならびに (3) 適切な転写開始配列および翻訳開始配列ならびに転写終結配列および翻訳終結配列の組み立てを含む。調節エレメントは、転写を制御するためのオペレーター配列を含み得る。通常は複製起点によって付与される、宿主において複製する能力、および形質転換体の認識を容易にする選択遺伝子が、付加的に組み込まれ得る。DNA領域は、それらが互いに機能的に関連している場合に、「機能的に連結される」。例えば、シグナルペプチド(分泌リーダー)に対するDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与する前駆体として発現される場合、該ポリペプチドに対するDNAに機能的に連結される;プロモーターは、それがコード配列の転写を制御する場合、該配列に機能的に連結される;またはリボソーム結合部位は、それが翻訳を可能にするように配置される場合、コード配列に機能的に連結される。いくつかの態様において、酵母発現系における使用のために意図される構造エレメントには、翻訳されたタンパク質の宿主細胞による細胞外分泌を可能にするリーダー配列が含まれる。他の態様において、組換えタンパク質が、リーダー配列または輸送配列なしで発現される場合、これはN末端のメチオニン残基を含み得る。最終産物を提供するために、この残基を任意に、その後、発現された組換えタンパク質から切断することができる。
発現制御配列および発現ベクターの選択は、宿主の選択に依存する。多種多様な発現宿主/ベクターの組み合わせを使用することができる。真核生物宿主にとって有用な発現ベクターには、例えば、SV40、ウシパピローマウイルス、アデノウイルス、およびサイトメガロウイルス由来の発現制御配列を含むベクターが含まれる。細菌宿主にとって有用な発現ベクターには、公知の細菌プラスミド、例えば、pCR1、pBR322、pMB9、およびそれらの誘導体を含む大腸菌 (E. coli) 由来のプラスミドなど、ならびにより広範な宿主範囲のプラスミド、例えば、M13および他の繊維状一本鎖DNAファージなどが含まれる。
ポリペプチド(または標的として使用するためのタンパク質)の発現に適している宿主細胞には、適切なプロモーターの制御下にある原核生物、酵母細胞、昆虫細胞、または高等真核細胞が含まれる。原核生物には、グラム陰性生物またはグラム陽性生物、例えば大腸菌またはバチルス属 (Bacillus) が含まれる。高等真核細胞には、以下に記載されるような哺乳動物起源の樹立細胞株が含まれる。無細胞翻訳系もまた使用され得る。細菌、真菌、酵母、および哺乳動物の細胞宿主と共に使用するのに適切なクローニングベクターおよび発現ベクターは、Pouwel et al. (1985, Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, New York, NY) によって記載されている。抗体産生を含むタンパク質産生の方法に関する付加的な情報は、例えば、米国特許出願公開第2008/0187954号;米国特許第6,413,746号および第6,660,501号;ならびに国際特許出願公開第WO2004/009823号において見出すことができる。
組換えポリペプチドを発現させるために、様々な哺乳動物細胞培養系が用いられる。哺乳動物細胞における組換えタンパク質の発現は、そのようなタンパク質が一般に、正しく折りたたまれ、適切に修飾され、かつ生物学的に機能的であるため、好ましい場合がある。適切な哺乳動物宿主細胞株の例には、COS-7(サル腎臓由来)、L-929(マウス線維芽細胞由来)、C127(マウス乳房腫瘍由来)、3T3(マウス線維芽細胞由来)、CHO(チャイニーズハムスター卵巣由来)、HeLa(ヒト子宮頸癌由来)、BHK(ハムスター腎臓線維芽細胞由来)、およびHEK-293(ヒト胎児腎由来)細胞株、ならびにそれらの変種が含まれる。哺乳動物発現ベクターは、転写されないエレメント、例えば、複製起点、発現される遺伝子に連結された適切なプロモーターおよびエンハンサー、ならびに他の転写されない5'または3'隣接配列など、ならびに翻訳されない5'または3'配列、例えば、必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナーおよびアクセプター部位、ならびに転写終結配列などを含み得る。
昆虫細胞培養系(例えば、バキュロウイルス)における組換えタンパク質の発現もまた、正しく折りたたまれ、かつ生物学的に機能的なタンパク質を産生するための頑強な方法を提供する。昆虫細胞において異種タンパク質を産生するためのバキュロウイルス系は、当業者に周知である(例えば、Luckow and Summers, 1988, Bio/Technology, 6:47を参照されたい)。
したがって、本発明は、本明細書において記載される結合物質を含む細胞を提供する。いくつかの態様において、該細胞は、本明細書において記載される結合物質を産生する。ある特定の態様において、該細胞は融合タンパク質を産生する。いくつかの態様において、該細胞は可溶性受容体を産生する。いくつかの態様において、該細胞は抗体を産生する。いくつかの態様において、該細胞は二重特異性抗体を産生する。いくつかの態様において、該細胞はヘテロ二量体タンパク質を産生する。
形質転換された宿主によって産生されたタンパク質は、任意の適切な方法に従って精製され得る。標準的な方法には、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差(differential solubility)、またはタンパク質精製のための任意の他の標準的な技法が含まれる。適切なアフィニティーカラムに対する通過による容易な精製を可能にするために、ヘキサ-ヒスチジン、マルトース結合ドメイン、インフルエンザコート配列、およびグルタチオン-S-トランスフェラーゼなどの親和性タグをタンパク質に付着させることができる。単離されたタンパク質はまた、タンパク質分解、質量分析 (MS)、核磁気共鳴 (NMR)、高速液体クロマトグラフィー (HPLC)、およびX線結晶構造解析のような技法を用いて、物理的に特徴づけることができる。
いくつかの態様において、組換えタンパク質を培養液中に分泌する発現系からの上清は、まず、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えばAmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて濃縮することができる。濃縮段階の後、濃縮物を適切な精製マトリックスに適用することができる。いくつかの態様において、陰イオン交換樹脂、例えば、ペンダントジエチルアミノエチル (DEAE) 基を有するマトリックスまたは基材が使用され得る。マトリックスは、アクリルアミド、アガロース、デキストラン、セルロース、またはタンパク質精製において通常使用される他の種類であってよい。いくつかの態様において、陽イオン交換段階が使用され得る。適切な陽イオン交換体には、スルホプロピル基またはカルボキシメチル基を含む様々な不溶性マトリックスが含まれる。いくつかの態様において、セラミックヒドロキシアパタイト (CHT) を含むがこれに限定されないヒドロキシアパタイト媒体が使用され得る。ある特定の態様において、結合物質をさらに精製するために、疎水性RP-HPLC媒体、例えばペンダントメチル基または他の脂肪族基を有するシリカゲルを使用する1つまたは複数の逆相HPLC段階が使用され得る。均一な組換えタンパク質を提供するために、前述の精製段階のいくつかまたはすべてを様々な組み合わせで使用することもできる。
いくつかの態様において、細菌培養物中に産生された組換えタンパク質は、例えば、細胞ペレットからの最初の抽出に続く、1回または複数回の濃縮、塩析、水溶性イオン交換、またはサイズ排除クロマトグラフィー段階によって、単離することができる。最終精製段階のために、HPLCが使用され得る。組換えタンパク質の発現において使用される微生物細胞は、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、または細胞溶解剤の使用を含む任意の簡便な方法によって破壊され得る。
ポリペプチドを精製するための当技術分野において公知の方法にはまた、例えば、米国特許出願公開第2008/0312425号、第2008/0177048号、および第2009/0187005号において記載されている方法が含まれる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、免疫グロブリンFc領域を含まないポリペプチドである。ある特定の態様において、該ポリペプチドは、プロテインA、プロテインG、リポカリン、フィブロネクチンドメイン、アンキリンコンセンサス反復配列ドメイン、およびチオレドキシンからなる群より選択される種類のタンパク質骨格を含む。タンパク質標的に高親和性で結合する非抗体ポリペプチドを同定するおよび生成するための種々の方法が、当技術分野において公知である。例えば、Skerra, 2007, Curr. Opin. Biotechnol., 18:295-304;Hosse et al., 2006, Protein Science, 15:14-27;Gill et al., 2006, Curr. Opin. Biotechnol., 17:653-658;Nygren, 2008, FEBS J., 275:2668-76;およびSkerra, 2008, FEBS J., 275:2677-83を参照されたい。ある特定の態様では、結合ポリペプチドを生成するおよび/または同定するために、ファージディスプレイ技術が使用され得る。ある特定の態様では、結合ポリペプチドを生成するおよび/または同定するために、哺乳動物細胞ディスプレイ技術が使用され得る。
その血清半減期を延長する(または短縮する)ために、ポリペプチドを改変することがさらに望ましい場合がある。これは、例えば、ポリペプチド内の適切な領域の変異により、またはサルベージ受容体結合エピトープをペプチドタグに組み入れ、次いでこれをポリペプチドのいずれかの末端または中央に融合させることにより(例えば、DNAまたはペプチド合成によって)、該エピトープをポリペプチドに組み入れることによって達成することができる。
ヘテロコンジュゲート分子もまた、本発明の範囲内である。ヘテロコンジュゲート分子は、共有結合で結合している2つのポリペプチドから構成される。このような分子は、例えば、腫瘍細胞などの望ましくない細胞に免疫細胞を標的化するために提案されている。架橋剤が関与する方法を含む、合成タンパク質化学における公知の方法を用いて、ヘテロコンジュゲート分子がインビトロにおいて調製され得ることもまた企図される。例えば、ジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエーテル結合を形成することによって、免疫毒素を構築することができる。この目的のために適切な試薬の例には、イミノチオレートおよびメチル-4-メルカプトブチルイミデートが含まれる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は、いくつかのコンジュゲート形態(すなわち、免疫コンジュゲートまたは放射性コンジュゲート)または非コンジュゲート形態のいずれか1つとして使用することができる。ある特定の態様では、CDCおよびADCCを含む対象の天然防御機構を利用して悪性細胞またはがん細胞を排除するために、結合物質を非コンジュゲート形態で使用することができる。
ある特定の態様において、本明細書において記載される結合物質は小分子である。「小分子」という用語は一般に、定義によりペプチド/タンパク質ではない、低分子量の有機化合物を指す。本明細書において記載される小分子結合物質は、高親和性でTIGITおよび/またはCD96に結合し、TIGITおよび/またはCD96とPVRとの相互作用を妨げるかまたは遮断することができる。いくつかの態様において、該小分子は、TIGITおよび/またはCD96とPVRとの相互作用を妨げるかまたは遮断し、TIGITシグナル伝達を破壊するが、CD226シグナル伝達を破壊しない。
いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、細胞傷害性薬剤にコンジュゲートされる。いくつかの態様において、細胞傷害性薬剤は、メトトレキサート、アドリアマイシン (adriamicin)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン、または他の挿入剤を含むがこれらに限定されない化学療法剤である。いくつかの態様において、細胞傷害性薬剤は、細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素的に活性な毒素、またはそれらの断片であり、これには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシン (modeccin) A鎖、αサルシン、シナアブラギリ (Aleurites fordii) タンパク質、ジアンシン (dianthin) タンパク質、ヨウシュヤマゴボウ (Phytolaca Americana) タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP-S)、ツルレイシ (Momordica charantia) 阻害剤、クルシン (curcin)、クロチン (crotin)、サボンソウ (Sapaonaria officinalis) 阻害剤、ゲロニン、マイトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン (restrictocin)、フェノマイシン (phenomycin)、エノマイシン (enomycin)、およびトリコテセン類 (tricothecenes) が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において、細胞傷害性薬剤は、放射性コンジュゲートまたは放射性コンジュゲート結合物質を生成するための放射性同位体である。放射性コンジュゲート結合物質を生成するために、90Y、125I、131I、123I、111In、131In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu、186Re、188Re、および212Biを含むがこれらに限定されない種々の放射性核種が利用可能である。結合物質と、カリチアマイシン、メイタンシノイド、トリコセン (trichothene)、およびCC1065などの1つまたは複数の小分子毒素、ならびに毒性活性を有するこれらの毒素の誘導体とのコンジュゲートもまた、使用することができる。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、メイタンシノイドにコンジュゲートされる。いくつかの態様において、本明細書において記載される結合物質は、メルタンシン (DM1) にコンジュゲートされる。結合物質と細胞傷害性薬剤のコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えば、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジイジチオール (pyridyidithiol))プロピオン酸 (SPDP)、イミノチオラン (IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCLなど)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(グルタルエルデヒド (glutareldehyde) など)、ビス-アジド化合物(ビス (p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6-ジイソアネートなど)、およびビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)を用いて作製される。
III. ポリヌクレオチド
ある特定の態様において、本発明は、本明細書において記載される結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを包含する。「ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド」という用語は、ポリペプチドのコード配列のみを含むポリヌクレオチド、ならびに付加的なコード配列および/または非コード配列を含むポリヌクレオチドを包含する。本発明のポリヌクレオチドは、RNAの形態またはDNAの形態であってよい。DNAには、cDNA、ゲノムDNA、および合成DNAが含まれ;二本鎖または一本鎖であってよく、一本鎖は、コード鎖または非コード(アンチセンス)鎖であってよい。
ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドと少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、およびいくつかの態様においては少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドと少なくとも80%同一、少なくとも85%同一、少なくとも90%同一、少なくとも95%同一、およびいくつかの態様においては少なくとも96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む。SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドもまた提供される。SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドもまた提供される。SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21、およびSEQ ID NO:38からなる群より選択されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの相補体とハイブリダイズするポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドもまた提供される。ある特定の態様において、ハイブリダイゼーションは、高ストリンジェンシーの条件下である。高ストリンジェンシーの条件は、当業者に公知であり、(1) 洗浄に低イオン強度および高温を使用する条件、例えば0.1%ドデシル硫酸ナトリウムを含む15 mM塩化ナトリウム/1.5 mMクエン酸ナトリウム (1x SSC) を50℃で使用する条件;(2) ハイブリダイゼーション中に、変性剤、例えばホルムアミド、例えば5x SSC(0.75 M NaCl、75 mMクエン酸ナトリウム)中の0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/50 mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH6.5を含む50% (v/v) ホルムアミドを42℃で使用する条件;または (3) 50%ホルムアミド、5x SSC、50 mMリン酸ナトリウム (pH 6.8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5xデンハルト溶液、超音波処理サケ精子DNA (50μg/ml)、0.1% SDS、および10%デキストラン硫酸を42℃で使用し、50%ホルムアミドを含む0.2x SSC中で55℃にて洗浄した後、EDTAを含む0.1x SSCからなる55℃での高ストリンジェンシー洗浄を行う条件を含み得るが、これらに限定されない。
ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、例えば、宿主細胞からのポリペプチドの発現および分泌を助けるポリヌクレオチド(例えば、該細胞からのポリペプチドの輸送を制御するための分泌配列として機能するリーダー配列)に同じ読み枠で融合された成熟ポリペプチドのコード配列を含む。リーダー配列を有するポリペプチドは、プレタンパク質であり、リーダー配列が宿主細胞によって切断されることにより、成熟型のポリペプチドが形成され得る。ポリヌクレオチドはまた、成熟タンパク質+付加的な5'アミノ酸残基であるプロタンパク質をコードし得る。プロ配列を有する成熟タンパク質は、プロタンパク質であり、そのタンパク質の不活性型である。ひとたびプロ配列が切断されると、活性成熟タンパク質が残る。
ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは、例えばコードされるポリペプチドの精製を可能にするマーカー配列に同じ読み枠で融合された成熟ポリペプチドのコード配列を含む。例えば、マーカー配列は、細菌宿主の場合、該マーカーに融合された成熟ポリペプチドの精製を提供するための、pQE-9ベクターによって供給されるヘキサ-ヒスチジンタグであってよく、またはマーカー配列は、哺乳動物宿主(例えば、COS-7細胞)が用いられる場合、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質に由来する赤血球凝集素 (HA) タグであってよい。いくつかの態様において、マーカー配列は、他の親和性タグと共に使用することができるFLAGタグ、配列DYKDDDDK (SEQ ID NO:32) のペプチドである。
本発明はさらに、例えば、断片、類似体、および/または誘導体をコードする、本明細書において上記されたポリヌクレオチドの変種に関する。
ある特定の態様において、本発明は、本明細書において記載される結合物質(例えば、可溶性受容体またはポリペプチド)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと少なくとも約80%同一、少なくとも約85%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約95%同一、およびいくつかの態様においては少なくとも約96%、97%、98%、または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチドを提供する。
本明細書において用いられる場合、参照ヌクレオチド配列と少なくとも、例えば95%「同一」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドという語句は、該ポリヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチド当たり最大5個までの点変異を含み得ることを除いて、該ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が参照配列と同一であることを意味することが意図される。換言すると、参照ヌクレオチド配列と少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列中の最大5%までのヌクレオチドを、欠失させるかもしくは別のヌクレオチドで置換することができ、または参照配列中の全ヌクレオチドの最大5%までのいくつかのヌクレオチドを、参照配列に挿入することができる。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5'もしくは3'末端の位置または該末端位置の間の任意の箇所に存在してよく、参照配列内のヌクレオチド内で個々にまたは参照配列内の1つもしくは複数の連続した群として散在していてよい。
ポリヌクレオチド変種は、コード領域、非コード領域、またはその両方に変更を含み得る。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、サイレントな置換、付加、または欠失をもたらすが、コードされるポリペプチドの特性または活性を変更しない変更を含む。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、ポリペプチドのアミノ酸配列に変化を生じないサイレント置換(遺伝暗号の縮重に起因する)を含む。ポリヌクレオチド変種は、種々の理由のために、例えば、特定の宿主に対してコドン発現を最適化する(すなわち、ヒトmRNAにおけるコドンを大腸菌などの細菌宿主によって好まれるコドンに変更する)ために生成され得る。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、配列の非コード領域またはコード領域中に少なくとも1つのサイレント変異を含む。
いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、コードされるポリペプチドの発現(または発現レベル)を調節または変更するように生成される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、コードされるポリペプチドの発現を増加させるように生成される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変異体は、コードされるポリペプチドの発現を減少させるように生成される。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、親のポリヌクレオチド配列と比較して増加したコードポリペプチドの発現を有する。いくつかの態様において、ポリヌクレオチド変種は、親のポリヌクレオチド配列と比較して減少したコードポリペプチドの発現を有する。
いくつかの態様において、少なくとも1つのポリヌクレオチド変種は、ヘテロ二量体分子の生成を増加させるように(コードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることなく)生成される。いくつかの態様において、少なくとも1つのポリヌクレオチド変種は、二重特異性抗体の生成を増加させるように(コードされるポリペプチドのアミノ酸配列を変化させることなく)生成される。
ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは単離されている。ある特定の態様において、ポリヌクレオチドは実質的に純粋である。
本明細書において記載されるポリヌクレオチドを含むベクターおよび細胞もまた提供される。いくつかの態様において、発現ベクターはポリヌクレオチド分子を含む。いくつかの態様において、宿主細胞は、ポリヌクレオチド分子を含む発現ベクターを含む。いくつかの態様において、宿主細胞はポリヌクレオチド分子を含む。
IV. 使用方法および薬学的組成物
本発明の結合物質は、がんの免疫療法などの治療的な処置方法を含むがこれに限定されない種々の適用において有用である。ある特定の態様において、結合物質は、免疫応答を活性化する、促進する、増加させる、および/もしくは増強する、腫瘍成長を阻害する、腫瘍容積を減少させる、腫瘍細胞アポトーシスを増加させる、ならびに/または腫瘍の腫瘍形成能を低下させるのに有用である。本発明の結合物質はまた、ウイルスなどの病原体に対する免疫療法に有用である。ある特定の態様において、結合物質は、免疫応答を活性化する、促進する、増加させる、および/もしくは増強する、ウイルス感染を阻害する、ウイルス感染を減少させる、ウイルス感染細胞アポトーシスを増加させる、ならびに/またはウイルス感染細胞の死滅を増加させるのに有用である。この使用方法は、インビトロ、エクスビボ、またはインビボ方法であってよい。いくつかの態様において、結合物質は免疫応答のアゴニストである。いくつかの態様において、結合物質はTIGITのアンタゴニストである。いくつかの態様において、結合物質はCD96のアンタゴニストである。いくつかの態様において、結合物質はTIGITおよびCD96のアンタゴニストである。いくつかの態様において、結合物質はCD226のアゴニストである。
本発明は、本明細書において記載される結合物質を用いて、対象における免疫応答を活性化する方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、本明細書において記載される結合物質を用いて、対象における免疫応答を促進する方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、本明細書において記載される結合物質を用いて、対象における免疫応答を増加させる方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、本明細書において記載される結合物質を用いて、対象における免疫応答を増強する方法を提供する。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、細胞性免疫を増加させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、T細胞活性を上昇させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、CTL活性を上昇させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、NK細胞活性を上昇させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、T細胞活性を上昇させることおよびNK細胞活性を上昇させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答の活性化、促進、増大、および/または増強は、CTL活性を上昇させることおよびNK細胞活性を上昇させることを含む。いくつかの態様において、免疫応答は抗原刺激の結果である。いくつかの態様において、抗原刺激は腫瘍細胞である。いくつかの態様において、抗原刺激はがんである。いくつかの態様において、抗原刺激は病原体である。いくつかの態様において、抗原刺激はウイルス感染細胞である。
いくつかの態様において、対象における免疫応答を増加させる方法は、本明細書において記載される結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含み、この場合、該結合物質は、TIGITとPVRとの間の相互作用を阻害し、CD96とPVRとの間の相互作用を阻害し、かつCD226とPVRとの間の相互作用を阻害しない。
いくつかの態様において、本発明は、CD226陽性細胞の活性を上昇させる方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、CD226陽性細胞を、本明細書において記載される結合物質の有効量と接触させる段階を含む。いくつかの態様において、CD226陽性細胞は、T細胞、NK細胞、単球、マクロファージ、および/またはB細胞である。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、細胞溶解活性の上昇によって証明される。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、標的細胞の死滅の増加によって証明される。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、腫瘍細胞の死滅の増加によって証明される。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、腫瘍成長の阻害によって証明される。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、ウイルス感染の阻害によって証明される。いくつかの態様において、CD226陽性細胞の活性の上昇は、ウイルス感染細胞の死滅の増加によって証明される。
本発明はまた、本明細書において記載される結合物質を用いて、腫瘍の成長を阻害する方法を提供する。ある特定の態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、インビトロで細胞混合物を結合物質と接触させる段階を含む。例えば、免疫細胞(例えば、T細胞またはNK細胞)と混合した不死化細胞株またはがん細胞株を、結合物質が添加された培地中で培養する。いくつかの態様では、腫瘍細胞を、患者試料、例えば、組織生検材料、胸水、または血液試料などから単離し、免疫細胞(例えば、T細胞および/またはNK細胞)と混合し、結合物質が添加された培地中で培養する。いくつかの態様において、結合物質は、免疫細胞の活性を上昇させる、促進する、および/または増強する。いくつかの態様において、結合物質は腫瘍細胞成長を阻害する。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。
いくつかの態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、インビボで腫瘍または腫瘍細胞を結合物質と接触させる段階を含む。ある特定の態様において、腫瘍または腫瘍細胞を結合物質と接触させることは、動物モデルにおいて行われる。例えば、結合物質を、同系腫瘍を有するマウスに投与することができる。いくつかの態様において、結合物質は、マウスにおける免疫細胞の活性を上昇させる、促進する、および/または増強する。いくつかの態様において、結合物質は腫瘍成長を阻害する。いくつかの態様では、腫瘍成長を予防するために、腫瘍細胞を動物に導入するのと同時またはそのすぐ後に、結合物質を投与する(「予防モデル」)。いくつかの態様では、腫瘍が特定のサイズに成長した後に、結合物質を治療剤として投与する(「治療モデル」)。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。
ある特定の態様において、腫瘍の成長を阻害する方法は、本明細書において記載される結合物質の治療有効量を対象に投与する段階を含む。ある特定の態様において、対象はヒトである。ある特定の態様において、対象は、腫瘍を有するか、または腫瘍を除去されたことがある。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。
加えて、本発明は、対象における腫瘍の成長を阻害する方法であって、結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含む方法を提供する。ある特定の態様において、腫瘍はがん幹細胞を含む。ある特定の態様において、腫瘍内のがん幹細胞の発生頻度は、結合物質の投与によって減少する。いくつかの態様において、対象における腫瘍内のがん幹細胞の発生頻度を減少させる方法であって、結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含む方法が提供される。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。
いくつかの態様において、対象における腫瘍成長を阻害する方法は、本明細書において記載される結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含み、この場合、該結合物質は、TIGITとPVRとの間の相互作用を阻害し、CD96とPVRとの間の相互作用を阻害し、かつCD226とPVRとの間の相互作用を阻害しない。いくつかの態様において、PVRは腫瘍細胞上に発現される。いくつかの態様において、TIGITはNK細胞および/またはT細胞上に発現される。いくつかの態様において、CD96はNK細胞および/またはT細胞上に発現される。いくつかの態様において、CD226はNK細胞および/またはT細胞上に発現される。いくつかの態様において、PVRは腫瘍細胞上に発現され、かつTIGITおよびCD226はNK細胞および/またはT細胞上に発現される。いくつかの態様において、PVRは腫瘍細胞上に発現され、かつTIGIT、CD96、およびCD226はNK細胞および/またはT細胞上に発現される。
加えて、本発明は、対象における腫瘍の腫瘍形成能を低下させる方法であって、本明細書において記載される結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含む方法を提供する。ある特定の態様において、腫瘍はがん幹細胞を含む。いくつかの態様において、腫瘍の腫瘍形成能は、腫瘍内のがん幹細胞の発生頻度を減少させることによって低下する。いくつかの態様において、本方法は、本明細書において記載される結合物質を使用する段階を含む。ある特定の態様において、腫瘍内のがん幹細胞の発生頻度は、結合物質を投与することによって減少する。
いくつかの態様において、腫瘍は固形腫瘍である。ある特定の態様において、腫瘍は、結腸直腸腫瘍、膵腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、肝腫瘍、乳房腫瘍、腎腫瘍、前立腺腫瘍、神経内分泌腫瘍、胃腸腫瘍、黒色腫、子宮頸部腫瘍、膀胱腫瘍、神経膠芽腫、および頭頸部腫瘍からなる群より選択される腫瘍である。ある特定の態様において、腫瘍は結腸直腸腫瘍である。ある特定の態様において、腫瘍は卵巣腫瘍である。いくつかの態様において、腫瘍は肺腫瘍である。ある特定の態様において、腫瘍は膵腫瘍である。ある特定の態様において、腫瘍は黒色腫腫瘍である。
本発明はさらに、対象におけるがんを治療する方法であって、結合物質の治療有効量を対象に投与する段階を含む方法を提供する。いくつかの態様において、結合物質は、TIGITおよび/またはCD96の細胞外ドメインと結合し、免疫応答を増加させ、かつがんの成長を阻害するかまたは減少させる。いくつかの態様において、結合物質はTIGITと結合する。いくつかの態様において、結合物質はTIGITおよびCD96と結合する。いくつかの態様において、結合物質はTIGITと結合し、CD226と結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は、TIGITおよびCD96と結合し、CD226と結合しない(または弱く結合する)。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。
本発明は、がんを治療する方法であって、本明細書において記載される結合物質の治療有効量を対象(例えば、治療を必要とする対象)に投与する段階を含む方法を提供する。ある特定の態様において、対象はヒトである。ある特定の態様において、対象はがん性腫瘍を有する。ある特定の態様において、対象は腫瘍を除去されたことがある。
ある特定の態様において、がんは、結腸直腸癌、膵癌、肺癌、卵巣癌、肝癌、乳癌、腎癌、前立腺癌、消化管癌、黒色腫、子宮頸癌、神経内分泌癌、膀胱癌、神経膠芽腫、および頭頸部癌からなる群より選択されるがんである。ある特定の態様において、がんは膵癌である。ある特定の態様において、がんは卵巣癌である。ある特定の態様において、がんは結腸直腸癌である。ある特定の態様において、がんは乳癌である。ある特定の態様において、がんは前立腺癌である。ある特定の態様において、がんは肺癌である。ある特定の態様において、がんは黒色腫である。
いくつかの態様において、がんは血液がんである。いくつかの態様において、がんは、急性骨髄性白血病 (AML)、ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、T細胞性急性リンパ芽球性白血病 (T-ALL)、慢性リンパ性白血病 (CLL)、ヘアリーセル白血病、慢性骨髄性白血病 (CML)、非ホジキンリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)、マントル細胞リンパ腫 (MCL)、および皮膚T細胞リンパ腫 (CTCL)からなる群より選択される。
本発明はまた、細胞におけるTIGITおよび/またはCD96シグナル伝達を不活性化する、阻害する、または抑制する方法であって、該細胞を本明細書において記載される結合物質の有効量と接触させる段階を含む方法を提供する。ある特定の態様において、細胞はT細胞である。いくつかの態様において、細胞は細胞溶解性細胞である。いくつかの態様において、細胞はCTLである。いくつかの態様において、細胞はNK細胞である。ある特定の態様において、本方法は、細胞を結合物質と接触させる段階が、結合物質の治療有効量を対象に投与することを含む、インビボ方法である。いくつかの態様において、本方法は、インビトロまたはエクスビボ方法である。ある特定の態様において結合物質は、TIGITおよび/またはCD96シグナル伝達を阻害する、抑制する、および/または減少させる。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。
本発明はまた、細胞におけるCD226シグナル伝達を活性化するかまたは増強する方法であって、該細胞を本明細書において記載される結合物質の有効量と接触させる段階を含む方法を提供する。ある特定の態様において、細胞はT細胞である。いくつかの態様において、細胞は細胞溶解性細胞である。いくつかの態様において、細胞はCTLである。いくつかの態様において、細胞はNK細胞である。ある特定の態様において、本方法は、細胞を結合物質と接触させる段階が、結合物質の治療有効量を対象に投与することを含む、インビボ方法である。いくつかの態様において、本方法は、インビトロまたはエクスビボ方法である。ある特定の態様において、結合物質は、CD226シグナル伝達を活性化する、促進する、誘導する、増強する、および/または増加させる。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体を含む。いくつかの態様において、結合物質は可溶性受容体である。いくつかの態様において、結合物質はポリペプチドである。いくつかの態様において、結合物質は抗体である。
細胞(例えば、腫瘍細胞またはウイルス感染細胞)上での免疫グロブリンスーパーファミリーのいくつかのメンバーの過剰発現または異常な露出は、この受容体が免疫系による監視(「免疫監視」)の標的として役立つことを可能にし得る。例えば、上皮細胞生物学の中心的な特徴は、上皮細胞が単細胞層内に存在することである。したがって、それらは、3つの異なる表面、管腔に曝露される頂端表面、基底膜と相互作用する側底膜、および隣接細胞間の相互作用領域を形成する「細胞間表面」を有する。理論によって縛られることはないが、この3番目の表面である細胞間表面が、直接的な細胞間連絡を可能にする領域である可能性が高いことから、本発明者らは、Igスーパーファミリーのメンバーのいくつかは一般にこの表面に限定されると考えている。
多くのタンパク質は、細胞間相互作用および微小環境との細胞相互作用に関与している。これらのタンパク質のいくつかは、細胞間膜領域内に存在することが公知であり、これには、接着結合に寄与するカドヘレン (cadheren)、ギャップ結合に寄与するコネキシン、ならびに密着結合に寄与するクローディンおよびオクルディンが含まれる。これらのタンパク質に加えて、他のタンパク質が、密着結合および接着結合によって形成される頂端結合複合体内に存在すると考えられている。例えば、一部の正常な細胞構造では、Igスーパーファミリーのメンバー(例えば、受容体)は細胞間表面において発現し、本明細書において記載される結合物質によって検出されない。しかしながら、細胞形態が変化した細胞または正常な細胞構造を失った細胞(例えば、腫瘍細胞またはウイルス感染細胞)は、タンパク質/受容体、例えば、PVR、PVRL2、および/またはPVRL3の異常な露出を有する場合があり、それによって、これらの細胞は本明細書において記載される結合物質による監視によって検出可能となる。
加えて、細胞表面上でのPVRファミリーメンバーの過剰発現により、その細胞は、対抗受容体を発現する細胞(例えば、CTLおよび/またはNK細胞)に対するより優れた標的となり得る。興味深いことに、ヒトPVRおよびPVRL2は、結腸直腸癌、胃癌、卵巣癌、神経芽細胞腫、骨髄性白血病、および多発性骨髄腫を含む、ある特定の腫瘍において過剰発現されることが見出されている(例えば、Masson et al., 2001, Gut, 49:236-240;Tahara-Hanaoka et al., 2006, Blood, 107: 1491-1496;Carlsten et al., 2007, Cancer Res., 67:1317-1325;Castriconi et al., 2004, Cancer Res., 64:9180-9184;Pende et al., 2005, Blood, 105:2066-2073;El-Sherbiny et al., 2007, Cancer Res., 67:8444-8449を参照されたい)。
したがって、本発明は、結合物質で治療するためのヒト対象を特定する方法であって、対象が、参照試料中のPVRの発現またはPVRの予め決定されたレベルと比較して、上昇したレベルのPVRを有する腫瘍を有しているかどうかを判定する段階を含む方法を提供する。本明細書において用いられる場合、「参照試料」には、正常組織、同じ組織型の非がん性組織、同じ組織型の腫瘍組織、および異なる組織型の腫瘍組織が含まれるが、これらに限定されない。したがって、いくつかの態様において、腫瘍におけるPVRの発現レベルは、正常組織におけるPVRの発現レベルと比較される。いくつかの態様において、腫瘍におけるPVRの発現レベルは、同じ組織型の非がん性組織におけるPVRの発現レベルと比較される。いくつかの態様において、腫瘍におけるPVRの発現レベルは、同じ組織型の腫瘍におけるPVRの発現レベルと比較される。いくつかの態様において、腫瘍におけるPVRの発現レベルは、異なる組織型の腫瘍におけるPVRの発現レベルと比較される。いくつかの態様において、腫瘍におけるPVRの発現レベルは、PVRの予め決定されたレベルと比較される。いくつかの態様において、PVRの発現レベルの決定は、治療前に行われる。いくつかの態様において、PVRの発現レベルの決定は、免疫組織化学的検査による。いくつかの態様において、腫瘍が、参照試料中のPVRの発現または予め決定されたレベルと比較して上昇した発現レベルのPVRを有する場合、対象は、本明細書において記載される結合物質を投与される。例えば、いくつかの態様において、腫瘍が、参照試料中のPVRの発現レベルと比較して上昇した発現レベルのPVRを有する場合、対象は、本明細書において記載される結合物質を投与される。いくつかの態様において、腫瘍が、PVRの予め決定されたレベルと比較して上昇した発現レベルのPVRを有する場合、対象は、本明細書において記載される結合物質を投与される。
いくつかの態様において、腫瘍が、上昇したレベルのPVRを有する場合、対象は、TIGITおよび/またはCD96と特異的に結合する結合物質による治療のために選択される。いくつかの態様において、治療のために選択された場合、対象は、本明細書において記載される結合物質を投与される。ある特定の態様において、対象は腫瘍を除去されたことがある。
本発明はまた、結合物質で治療するためのヒト対象を特定する方法であって、対象が、同じ型の組織中または参照試料中のPVRの発現と比較して、PVRの異常な発現を有する腫瘍を有しているかどうかを判定する段階を含む方法を提供する。いくつかの態様において、腫瘍がPVRの異常な発現を有する場合、対象は、TIGITおよび/またはCD96と特異的に結合する結合物質による治療のために選択される。いくつかの態様において、治療のために選択された場合、対象は、本明細書において記載される結合物質を投与される。ある特定の態様において、対象は腫瘍を除去されたことがある。
本発明はまた、本明細書において記載される結合物質で治療するためのヒト対象を選択する方法であって、対象が、上昇した発現レベルのPVRを有する腫瘍を有するかどうかを判定する段階を含む方法を提供し、腫瘍が、上昇した発現レベルのPVRを有する場合、対象は治療のために選択される。いくつかの態様において、ヒト対象における腫瘍成長を阻害する方法は、腫瘍が、上昇した発現レベルのPVRを有するかどうかを判定する段階、および本明細書において記載される結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含む。いくつかの態様において、ヒト対象におけるがんを治療する方法は、(a) 上昇したレベルのPVRを有するがんを有する対象に少なくとも部分的に基づいて、治療するための対象を選択する段階、および (b) 本明細書において記載される結合物質の治療有効量を該対象に投与する段階を含む。
細胞、腫瘍、またはがんにおけるPVR核酸発現のレベルを決定する方法は、当業者に公知である。これらの方法には、PCRベースのアッセイ、マイクロアレイ解析、およびヌクレオチド配列決定(例えば、NextGen配列決定)が含まれるが、これらに限定されない。細胞、腫瘍、またはがんにおけるPVRタンパク質酸発現のレベルを決定する方法には、ウェスタンブロット解析、タンパク質アレイ、ELISA、免疫組織化学的検査 (IHC)、およびFACSが含まれるが、これらに限定されない。
腫瘍またはがんが、上昇した発現レベルのPVRを有するかどうかを判定する方法は、種々の試料を使用し得る。いくつかの態様において、試料は、腫瘍またはがんを有する対象から採取される。いくつかの態様において、試料は新鮮な腫瘍/がん試料である。いくつかの態様において、試料は凍結された腫瘍/がん試料である。いくつかの態様において、試料はホルマリン固定パラフィン包埋試料である。いくつかの態様において、試料は血液試料である。いくつかの態様において、試料は血漿試料である。いくつかの態様では、試料を処理して、細胞溶解物にする。いくつかの態様では、試料を処理して、DNAまたはRNAにする。
本発明はさらに、本明細書において記載される結合物質を含む薬学的組成物を提供する。ある特定の態様において、薬学的組成物は、薬学的に許容される媒体をさらに含む。いくつかの態様において、薬学的組成物は、免疫療法に使用される。いくつかの態様において、薬学的組成物は、対象(例えば、ヒト患者)における腫瘍成長の阻害に使用される。いくつかの態様において、薬学的組成物は、対象(例えば、ヒト患者)におけるがんの治療に使用される。
ある特定の態様において、製剤は、本発明の精製された結合物質を薬学的に許容される媒体(例えば、担体または賦形剤)と混合することにより、貯蔵および使用のために調製される。適切な薬学的に許容される媒体には、無毒性緩衝液、例えば、リン酸、クエン酸、および他の有機酸など;塩、例えば塩化ナトリウムなど;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤;保存剤、例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾールなど;低分子量ポリペプチド(例えば、約10アミノ酸残基未満);タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど;親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンなど;アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなど;炭水化物、例えば、単糖類、二糖類、グルコース、マンノース、またはデキストリンなど;キレート剤、例えばEDTAなど;糖、例えば、スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなど;塩形成対イオン、例えばナトリウムなど;金属錯体、例えばZn-タンパク質複合体など;ならびに非イオン性界面活性剤、例えばTWEENまたはポリエチレングリコール (PEG) などが含まれるが、これらに限定されない(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical press, London)。
本発明の薬学的組成物は、局所治療または全身治療のためのいくつもの方法で投与することができる。投与は、表皮パッチもしくは経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴剤、坐剤、スプレー、液剤、および散剤による局所投与;噴霧器によるものを含む、散剤もしくはエアロゾルの吸入もしくは吹送、気管内、および鼻腔内による肺投与;経口投与;または静脈内、動脈内、腫瘍内、皮下、腹腔内、筋肉内(例えば、注射または注入)、もしくは頭蓋内(例えば、髄腔内または脳室内)を含む非経口投与であってよい。
治療用製剤は単位剤形で存在してもよい。このような製剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、水もしくは非水媒体中の溶液もしくは懸濁液、または坐剤が含まれる。錠剤などの固体組成物において、主要な有効成分は薬学的担体と混合される。従来の錠剤化成分には、コーンスターチ、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、またはゴム、および希釈剤(例えば、水)が含まれる。これらを用いて、本発明の化合物またはその薬学的に許容される無毒性塩の均一な混合物を含む固体の予備製剤組成物を形成することができる。次いで、固体の予備製剤組成物は、上記の種類の単位剤形に細分される。製剤または組成物の錠剤、丸剤等は、コーティングされるかまたは別の方法で調合されて、長時間作用の利点をもたらす剤形を提供し得る。例えば、錠剤または丸剤は、外側成分によって被覆された内側組成物を含み得る。さらに、崩壊に耐えるよう働き、かつ内側成分が無傷のまま胃を通過することまたは内側成分の放出を遅延させることを可能にする腸溶層によって、該2つの成分を分離することができる。種々の材料を、このような腸溶層またはコーティングのために使用することができ、このような材料には、いくつかのポリマー酸、ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような材料との混合物が含まれる。
本明細書において記載される結合物質は、マイクロカプセル中に封入することもできる。このようなマイクロカプセルは、例えば、コアセルベーション技法または界面重合によって、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ-(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルが、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)またはRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 22st Edition, 2012, Pharmaceutical press, Londonに記載されているようなマクロエマルジョンにおいて調製される。
ある特定の態様において、薬学的製剤は、リポソームと複合体化された本発明の結合物質を含む。リポソームを生成する方法は、当業者に公知である。例えば、いくつかのリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン (PEG-PE) を含む脂質組成物を用いた逆相蒸発によって生成され得る。リポソームを規定の細孔サイズのフィルターを通して押し出して、所望の直径を有するリポソームを得ることができる。
ある特定の態様において、徐放調製物を生成することができる。徐放調製物の適切な例には、結合物質を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、この場合、該マトリックスは成形物品(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である。徐放マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル、例えばポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリル酸) またはポリ(ビニルアルコール) など、ポリラクチド、L-グルタミン酸と7エチル-L-グルタミン酸との共重合体、非分解性エチレン-酢酸ビニル、分解性乳酸-グリコール酸共重合体、例えばLUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸共重合体および酢酸リュープロリドから構成される注射用ミクロスフェア)など、イソ酪酸酢酸スクロース、およびポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が含まれる。
ある特定の態様において、結合物質の投与に加えて、前記方法または治療は、少なくとも1種の免疫応答刺激物質の投与をさらに含む。いくつかの態様において、免疫応答刺激物質には、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子 (GM-CSF)、マクロファージコロニー刺激因子 (M-CSF)、顆粒球コロニー刺激因子 (G-CSF)、幹細胞因子 (SCF))、インターロイキン(例えば、IL-1、IL2、IL-3、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18)、免疫抑制機能を阻止する抗体(例えば、抗CTLA-4抗体、抗CD28抗体、抗CD3抗体)、toll様受容体(例えば、TLR4、TLR7、TLR9)、またはB7ファミリーのメンバー(例えば、CD80、CD86)が含まれるが、これらに限定されない。免疫応答刺激物質は、結合物質の投与の前、投与と同時、および/または投与の後に投与することができる。結合物質および免疫応答刺激物質を含む薬学的組成物もまた提供される。いくつかの態様において、免疫応答刺激物質は、1種、2種、3種、またはそれ以上の免疫応答刺激物質を含む。
ある特定の態様において、結合物質の投与に加えて、前記方法または治療は、少なくとも1種の付加的な治療剤の投与をさらに含む。付加的な治療剤は、結合物質の投与の前、投与と同時、および/または投与の後に投与することができる。結合物質および付加的な治療剤を含む薬学的組成物もまた提供される。いくつかの態様において、少なくとも1種の付加的な治療剤は、1種、2種、3種、またはそれ以上の付加的な治療剤を含む。
2種またはそれ以上の治療剤を用いる併用療法は、必須ではないものの、異なる作用機序によって働く薬剤を用いる場合が多い。異なる作用機序を有する薬剤を用いる併用療法は、相加効果または相乗効果をもたらし得る。併用療法は、各薬剤の用量を単独療法で用いられるよりも少なくすることが可能であり、それによって有毒な副作用が軽減され、かつ/または該薬剤の治療指数が上昇する。併用療法は、耐性がん細胞が発生する可能性を低下させ得る。いくつかの態様において、併用療法は、免疫応答に影響を及ぼす(例えば、該応答を増強するかまたは活性化する)治療剤、および腫瘍/がん細胞に影響を及ぼす(例えば、阻害するかまたは死滅させる)治療剤を含む。
いくつかの態様において、結合物質と少なくとも1種の付加的な治療剤との併用は、相加的または相乗的な結果をもたらす。いくつかの態様において、併用療法は、結合物質の治療指数の上昇をもたらす。いくつかの態様において、併用療法は、付加的な薬剤の治療指数の上昇をもたらす。いくつかの態様において、併用療法は、結合物質の毒性および/または副作用の減少をもたらす。いくつかの態様において、併用療法は、付加的な薬剤の毒性および/または副作用の減少をもたらす。
有用なクラスの治療剤には、例えば、抗チューブリン剤、アウリスタチン、DNA副溝結合物質、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、白金錯体、例えば、シスプラチン、モノ(白金)、ビス(白金)、および三核白金錯体など、ならびにカルボプラチン)、アントラサイクリン、抗生物質、葉酸代謝拮抗剤、代謝拮抗剤、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ素化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソ尿素、platinol、プリン代謝拮抗剤、ピューロマイシン、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤、ビンカアルカロイド等が含まれる。ある特定の態様において、第2の治療剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、有糸分裂阻害剤、トポイソメラーゼ阻害剤、または血管新生阻害剤である。
本明細書において記載される結合物質と併用して投与され得る治療剤には、化学療法剤が含まれる。したがって、いくつかの態様において、前記方法または治療は、化学療法剤と併用される、または化学療法剤の混合物と併用される、本発明の結合物質の投与を含む。結合物質による治療は、化学療法の施行の前、施行と同時、または施行の後に行うことができる。併用投与は、単一の薬学的製剤としての同時投与もしくは別個の製剤を用いる同時投与、または一般にすべての活性薬剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮できるような時間内でのいずれかの順序での連続投与を含み得る。そのような化学療法剤の調製および投与スケジュールは、製造業者の説明書に従って、または当業者によって経験的に決定されるように、使用され得る。そのような化学療法の調製および投与スケジュールは、The Chemotherapy Source Book, 4th Edition, 2008, M. C. Perry, Editor, Lippincott, Williams & Wilkins, Philadelphia, PAにおいても記載されている。
本発明において有用な化学療法剤には、アルキル化剤、例えばチオテパおよびシクロスホスファミド (CYTOXAN) など;スルホン酸アルキル、例えば、ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファンなど;アジリジン、例えば、ベンゾドーパ (benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ (meturedopa)、およびウレドーパ (uredopa) など;エチレンイミンおよびメチラメラミン (methylamelamine) であって、アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスファオラミド (triethylenethiophosphaoramide)、およびトリメチローロメラミン (trimethylolomelamime) を含む;ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、クロルナファジン、コロホスファミド (cholophosphamide)、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノブエンビキン (novembichin)、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなど;ニトロス尿素 (nitrosureas)、例えば、カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなど;抗生物質、例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、アウスラマイシン (authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン (cactinomycin)、カリチアマイシン、カラビシン (carabicin)、カミノマイシン (caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン (potfiromycin)、ピューロマイシン、ケラマイシン (quelamycin)、ロドルビシン (rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど;代謝拮抗剤、例えばメトトレキサートおよび5-フルオロウラシル (5-FU) など;葉酸類似体、例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなど;プリン類似体、例えば、フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなど;ピリミジン類似体、例えば、アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シトシンアラビノシド、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FUなど;アンドロゲン、例えば、カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなど;抗副腎剤、例えば、アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなど;葉酸補充剤、例えばフォリン酸など;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デホファミン (defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルミチン (elformithine);酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフラン (sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2',2''-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン (gacytosine);アラビノシド (Ara-C);タキソイド、例えばパクリタキセル (TAXOL) およびドセタキセル (TAXOTERE);クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;白金類似体、例えばシスプラチンおよびカルボプラチンなど;ビンブラスチン;白金;エトポシド (VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロン酸;CPT11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン (DMFO);レチノイン酸;エスペラミシン;カペシタビン (XELODA);および上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれるが、これらに限定されない。化学療法剤にまた、腫瘍に対するホルモン作用を調節するかまたは阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、抗エストロゲン、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン (FARESTON) を含む;および抗アンドロゲン、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、およびゴセレリンなど;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体も含まれる。ある特定の態様において、付加的な治療剤はシスプラチンである。ある特定の態様において、付加的な治療剤はカルボプラチンである。
ある特定の態様において、化学療法剤はトポイソメラーゼ阻害剤である。トポイソメラーゼ阻害剤は、トポイソメラーゼ酵素(例えば、トポイソメラーゼIまたはII)の作用を妨げる化学療法剤である。トポイソメラーゼ阻害剤には、ドキソルビシンHCl、クエン酸ダウノルビシン、ミトキサントロンHCl、アクチノマイシンD、エトポシド、トポテカンHCl、テニポシド (VM-26)、およびイリノテカン、ならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様において付加的な治療剤はイリノテカンである。
ある特定の態様において、化学療法剤は代謝拮抗剤である。代謝拮抗剤は、正常な生化学反応に必要な代謝産物と類似しているが、細胞分裂などの、細胞の1つまたは複数の正常な機能を妨げるのに十分な程度に異なっている構造を有する化学物質である。代謝拮抗剤には、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、メトトレキサートナトリウム、ラリトレキセド (ralitrexed)、ペメトレキセド、テガフール、シトシンアラビノシド、チオグアニン、5-アザシチジン、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、6-チオグアニン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビン、ならびにこれらのいずれかの薬学的に許容される塩、酸、または誘導体が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の態様において、付加的な治療剤はゲムシタビンである。
ある特定の態様において、化学療法剤は、チューブリンと結合する薬剤を含むがこれに限定されない有糸分裂阻害剤である。いくつかの態様において、該薬剤剤はタキサンである。ある特定の態様において、該薬剤は、パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはパクリタキセルもしくはドセタキセルの薬学的に許容される塩、酸、もしくは誘導体である。ある特定の態様において、該薬剤は、パクリタキセル (TAXOL)、ドセタキセル (TAXOTERE)、アルブミン結合型パクリタキセル (ABRAXANE)、DHA-パクリタキセル、またはPG-パクリタキセルである。ある特定の代替の態様において、有糸分裂阻害剤は、ビンカアルカロイド、例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン (binblastine)、ビノレルビン、もしくはビンデシンなど、またはそれらの薬学的に許容される塩、酸、もしくは誘導体を含む。いくつかの態様において、有糸分裂阻害剤は、キネシンEg5の阻害剤、またはAurora AもしくはPlk1などの有糸分裂キナーゼの阻害剤である。ある特定の態様において、付加的な治療剤はパクリタキセルである。
いくつかの態様において、付加的な治療剤は小分子などの薬剤を含む。例えば、治療は、本発明の結合物質と、EGFR、HER2 (ErbB2)、および/またはVEGFを含むがこれらに限定されない腫瘍関連抗原に対する阻害剤として作用する小分子との併用投与を含み得る。いくつかの態様において、本発明の結合物質は、ゲフィチニブ (IRESSA)、エルロチニブ (TARCEVA)、スニチニブ (SUTENT)、ラパタニブ (lapatanib)、バンデタニブ (ZACTIMA)、AEE788、CI-1033、セジラニブ (RECENTIN)、ソラフェニブ (NEXAVAR)、およびパゾパニブ (GW786034B) からなる群より選択されるプロテインキナーゼ阻害剤と併用して投与される。いくつかの態様において、付加的な治療剤はmTOR阻害剤を含む。
ある特定の態様において、付加的な治療剤は、がん幹細胞経路を阻害する小分子である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はNotch経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はWnt経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はBMP経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はHippo経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はmTOR/AKR経路の阻害剤である。
いくつかの態様において、付加的な治療剤は抗体などの生体分子を含む。例えば、治療は、本発明の結合物質と、EGFR、HER2/ErbB2、および/またはVEGFと結合する抗体を含むがこれらに限定されない腫瘍関連抗原に対する抗体との併用投与を含み得る。ある特定の態様において、付加的な治療剤は、がん幹細胞マーカーに特異的な抗体である。いくつかの態様において、付加的な治療剤は、Notch経路の成分と結合する抗体である。いくつかの態様において、付加的な治療剤は、Wnt経路の成分と結合する抗体である。ある特定の態様において、付加的な治療剤は、がん幹細胞経路を阻害する抗体である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はNotch経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はWnt経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤はBMP経路の阻害剤である。いくつかの態様において、付加的な治療剤は、β-カテニンシグナル伝達を阻害する抗体である。ある特定の態様において、付加的な治療剤は、血管新生阻害剤である抗体(例えば、抗VEGFまたはVEGF受容体抗体)である。ある特定の態様において、付加的な治療剤は、ベバシズマブ (AVASTIN)、ラムシルマブ、トラスツズマブ (HERCEPTIN)、ペルツズマブ (OMNITARG)、パニツムマブ (VECTIBIX)、ニモツズマブ、ザルツムマブ、またはセツキシマブ (ERBITUX) である。
さらに、本明細書において記載される結合物質による治療は、1つまたは複数のサイトカイン(例えば、リンホカイン、インターロイキン、腫瘍壊死因子、および/または増殖因子)などの他の生体分子との併用治療を含み得るか、または腫瘍の外科的切除、がん細胞の除去、もしくは治療している医師によって必要と見なされる任意の他の治療を伴い得る。
いくつかの態様において、結合物質は、これらに限定されないが、アドレノメデュリン (AM)、アンジオポエチン (Ang)、BMP、BDNF、EGF、エリスロポエチン (EPO)、FGF、GDNF、G-CSF、GM-CSF、GDF9、HGF、HDGF、IGF、遊走刺激因子、ミオスタチン (GDF-8)、NGF、ニューロトロフィン、PDGF、トロンボポエチン、TGF-α、TGF-β、TNF-α、VEGF、P1GF、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、およびIL-18からなる群より選択される増殖因子と併用され得る。
ある特定の態様において、前記治療は、放射線療法と併用される本発明の結合物質の投与を含む。結合物質による治療は、放射線療法の施行の前、施行と同時、または施行の後に行うことができる。そのような放射線療法の施行スケジュールは、熟練の医師によって決定され得る。
ある特定の態様において、前記治療は、抗ウイルス療法と併用される本発明の結合物質の投与を含む。結合物質による治療は、抗ウイルス療法の施行の前、施行と同時、または施行の後に行うことができる。併用療法において用いられる抗ウイルス薬は、対象が感染しているウイルスに依存する。
併用投与は、単一の薬学的製剤としての同時投与もしくは別個の製剤を用いる同時投与、または一般にすべての活性薬剤がそれらの生物学的活性を同時に発揮できるような時間内でのいずれかの順序での連続投与を含み得る。
結合物質と少なくとも1種の付加的な治療剤との組み合わせが任意の順序でまたは同時に投与され得ることが認識されるであろう。いくつかの態様において、結合物質は、以前に第2の治療剤による治療を受けたことがある患者に投与される。ある特定の他の態様において、結合物質および第2の治療剤は、実質的に同時にまたは同時に投与される。例えば、対象は、第2の治療剤(例えば、化学療法)による治療の経過を経ながら、結合物質(例えば、可溶性受容体)を投与され得る。ある特定の態様において、結合物質は、第2の治療剤による治療の1年以内に投与される。ある特定の代替の態様において、結合物質は、第2の治療剤による任意の治療の10、8、6、4、または2ヶ月以内に投与される。ある特定の他の態様において、結合物質は、第2の治療剤による任意の治療の4、3、2、または1週間以内に投与される。いくつかの態様において、結合物質は、第2の治療剤による任意の治療の5、4、3、2、または1日以内に投与される。2種(またはそれ以上)の薬剤または治療がおよそ数時間以内または数分以内に(すなわち、実質的に同時に)対象に投与され得ることがさらに認識されるであろう。
疾患を治療するために、本発明の結合物質の適切な投与量は、治療される疾患の種類、該疾患の重症度および経過、該疾患の応答性、結合物質が治療目的で投与されるのかまたは予防目的で投与されるのか、以前の治療、患者の病歴等に依存し、すべてが治療している医師の裁量による。結合物質は、1回もしくは数日間から数ヶ月間続く一連の治療にわたって、または治癒がもたらされるまでもしくは疾患状態の減退が達成されるまで(例えば、腫瘍サイズの減少)投与され得る。最適な投与スケジュールは、患者の体内の薬物蓄積の測定値から計算することができ、個々の薬剤の相対的効力に応じて変動する。投与する医師は、最適な投与量、投与方法、および反復数を容易に決定することができる。ある特定の態様において、投与量は、0.01μg〜100 mg/kg体重、0.1μg〜100 mg/kg体重、1μg〜100 mg/kg体重、1 mg〜100 mg/kg体重、1 mg〜80 mg/kg体重、10 mg〜100 mg/kg体重、10 mg〜75 mg/kg体重、または10 mg〜50 mg/kg体重である。ある特定の態様において、結合物質の投与量は、約0.1 mg〜約20 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約0.5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約1 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約1.5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約2 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約2.5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約7.5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約10 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約12.5 mg/kg体重である。いくつかの態様において、結合物質の投与量は約15 mg/kg体重である。ある特定の態様において、該投与量は、1日に、1週間に、1ヶ月に、または1年に1回またはそれ以上投与され得る。ある特定の態様において、結合物質は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回投与される。
いくつかの態様において、結合物質は、初回の、より高い「負荷」用量で投与された後、1回または複数回の、より低い用量で投与され得る。いくつかの態様において、投与の頻度も変化し得る。いくつかの態様において、投与計画は、初回用量の投与の後の、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または1ヶ月に1回の追加用量(または「維持」用量)の投与を含み得る。例えば、投与計画は、初回負荷用量の投与の後の、例えば初回用量の2分の1の、毎週の維持用量の投与を含み得る。または投与計画は、初回負荷用量の投与の後の、例えば初回用量の2分の1の1週間おきの、維持用量の投与を含み得る。または投与計画は、3週間にわたる3回の初回用量の投与の後の、例えば同じ量の1週間おきの、維持用量の投与を含み得る。
当業者に公知であるように、いずれの治療剤の投与も、副作用および/または毒性をもたらし得る。場合によっては、副作用および/または毒性は、治療的に有効な用量での特定の薬剤の投与を不可能にするほど重篤である。場合によっては、薬物治療を中断しなければならず、他の薬剤が試され得る。しかしながら、同じ治療クラスの多くの薬剤は同様の副作用および/または毒性を示す場合が多く、このことは、患者が治療を中止しなければならないか、または可能であったとしても、その治療剤に関連する不快な副作用に悩まされなければならないことを意味する。
したがって、本発明は、本明細書において記載される結合物質を対象に投与する方法であって、結合物質、化学療法剤等の投与に関連する副作用および/または毒性を減少させ得る、1つまたは複数の薬剤を投与するための間欠投与戦略を用いる段階を含む方法を提供する。いくつかの態様において、ヒト対象におけるがんを治療する方法は、治療的に有効な用量の結合物質を治療的に有効な用量の化学療法剤と併用して該対象に投与する段階を含み、この場合、薬剤の一方または両方は間欠投与戦略に従って投与される。いくつかの態様において、間欠投与戦略は、初回用量の結合物質を対象に投与すること、およびその後の用量の結合物質を2週間に約1回投与することを含む。いくつかの態様において、間欠投与戦略は、初回用量の結合物質を対象に投与すること、およびその後の用量の結合物質を3週間に約1回投与することを含む。いくつかの態様において、間欠投与戦略は、初回用量の結合物質を対象に投与すること、およびその後の用量の結合物質を4週間に約1回投与することを含む。いくつかの態様において、結合物質は間欠投与戦略を用いて投与され、化学療法剤は毎週投与される。
V. スクリーニング
本発明は、免疫応答を調節する薬剤を同定するためのスクリーニング方法を提供する。いくつかの態様において、本発明は、免疫応答を調節する、タンパク質、ペプチド、ペプチド模倣体、小分子、化合物、または他の薬物を含むがこれらに限定されない候補薬剤をスクリーニングする方法を提供する。
いくつかの態様において、免疫応答を調節する候補薬剤をスクリーニングする方法は、薬剤が免疫応答細胞に影響を及ぼすかどうかを判定する段階を含む。いくつかの態様において、免疫応答を調節する候補薬剤をスクリーニングする方法は、薬剤が免疫細胞の活性を上昇させ得るかどうかを判定する段階を含む。いくつかの態様において、免疫応答を調節する候補薬剤をスクリーニングする方法は、薬剤が、CTLおよび/またはNK細胞などの細胞溶解性細胞の活性を上昇させ得るかどうかを判定する段階を含む。
VI. 結合物質を含むキット
本発明は、本明細書において記載される結合物質を含み、かつ本明細書において記載される方法を行うために使用され得るキットを提供する。ある特定の態様において、キットは、1つまたは複数の容器中に少なくとも1種の精製結合物質を含む。いくつかの態様において、該キットは、対照、アッセイを行うための指示書、ならびに解析および結果の提示に必要な任意のソフトウェアのすべてを含む、検出アッセイを行うのに必要および/または十分な成分のすべてを含む。当業者は、本発明の開示される結合物質が、当技術分野において周知の確立されたキット形式の1つに容易に組み込まれ得ることを容易に認識するであろう。
結合物質および少なくとも1種の付加的な治療剤を含むキットがさらに提供される。ある特定の態様において、第2の(またはそれ以上の)治療剤は化学療法剤である。ある特定の態様において、第2の(またはそれ以上の)治療剤は血管新生阻害剤である。
本開示の態様は、本開示のある特定の抗体の調製および本開示の抗体を使用する方法を詳細に説明している以下の非限定的な実施例を参照することにより、さらに定義され得る。材料および方法の両方に対する多くの修正が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。
実施例1
PVRファミリー構築物
膜繋留タンパク質および可溶性受容体を含む、PVRファミリーメンバーTIGIT、CD96、CD226、PVRL1、PVRL2、PVRL3、PVRL4、PVR、およびPVR変種のタンパク質構築物を調製した(図2)。各膜繋留受容体は、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインをヒトCD4膜貫通ドメインおよび細胞内緑色蛍光タンパク質 (GFP) タグで置換して、シグナル伝達に関して非機能的となるように設計した。膜繋留タンパク質構築物は、標準的な組換えDNA技法を用いて、ヒトPVRファミリータンパク質の細胞外ドメイン (ECD) の少なくとも1つのドメインをCD4の膜貫通ドメインおよびC末端GFPタンパク質タグに連結することによって作製した。これらの構築物は、「PVRファミリーメンバー」-CD4TM-GFP、例えばPVR-CD4TM-GFPと称される。可溶性受容体は、免疫グロブリンFcドメインに連結されたECDの少なくとも1つのドメインを含むように設計した。可溶性受容体PVRファミリータンパク質構築物は、標準的な組換えDNA技法を用いて、ヒトPVRファミリーメンバータンパク質のECD領域をヒトIgG1のFcドメインに連結することによって作製した。これらの構築物は、「PVRファミリーメンバー」-Fc、例えばCD226-Fcと称される。当業者に公知であるように、構築物において用いられた任意の所与のタンパク質のECD領域は、ECDを含み得るか、またはECDの断片、例えばIgVドメインだけを含み得る。また、ECDまたはIgドメインと見なされるものは、該ドメインのアミノ末端、カルボキシル末端、または両末端において、1、2、3個、またはそれ以上のアミノ酸だけ異なってもよい。これらの融合タンパク質は、PVRファミリーメンバーの結合相互作用を調べるために使用することができる。
作製された構築物は、表2のPVRファミリーメンバーに由来するECD領域またはそれらの断片を含む。
実施例2
PVRファミリーメンバー間の結合相互作用
PVRファミリーのメンバー間の結合相互作用を、フローサイトメトリーによって調べた。該ファミリーメンバーの各々を、ヒトIgG1のFc領域に融合された受容体のECDの少なくとも1つのドメインを含むFc融合タンパク質として、およびまたヒトCD4膜貫通領域および細胞内緑色蛍光 (GFP) タンパク質タグに融合された受容体のECDの少なくとも1つのドメインを含む膜繋留型として発現させた(実施例1を参照されたい)。
特定の膜繋留受容体(PVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、またはPVRL4)をコードする発現ベクターをHEK-293T細胞にトランスフェクトし、次いで特定の受容体-Fc融合タンパク質(CD96、TIGIT、またはCD226)がトランスフェクト細胞に結合する能力を調べることにより、個々の潜在的結合相互作用を評価した。HEK-293T細胞に、PVR-CD4TM-GFP、PVRL1-CD4TM-GFP、PVRL2-CD4TM-GFP、PVRL3-CD4TM-GFP、またはPVRL4-CD4TM-GFPをコードするcDNA発現ベクターを一過性にトランスフェクトし、次いでその後、可溶性のCD226-Fc、TIGIT-Fc、またはCD96-Fc融合タンパク質と混合した。加えて、特定の膜繋留受容体(PVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、またはPVRL4)をコードする発現ベクターをHEK-293T細胞にトランスフェクトし、次いで特定の受容体-Fc融合タンパク質(PVR、PVRL1、PVRL2、PVRL3、またはPVRL4)がトランスフェクト細胞に結合する能力を調べることにより、個々の潜在的結合相互作用を評価した。HEK-293T細胞に、PVR-CD4TM-GFP、PVRL1-CD4TM-GFP、PVRL2-CD4TM-GFP、PVRL3-CD4TM-GFP、またはPVRL4-CD4TM-GFPをコードするcDNA発現ベクターを一過性にトランスフェクトし、次いでその後、可溶性のPVR-Fc、PVRL1-Fc、PVRL2-Fc、PVRL3-Fc、またはPVRL4-Fc融合タンパク質と混合した。結合は、その後、フィコエリトリン (PE) にコンジュゲートされた抗ヒトFc抗体で細胞を染色し、フローサイトメトリーを用いて解析することによって検出した。
図3Aに示されるように、膜繋留PVRは、可溶性受容体CD226、TIGIT、およびCD96によって結合された。加えて、可溶性受容体CD226はPVRL2に弱く結合し、可溶性受容体TIGITはPVRL2、PVRL3、およびPVRL4に結合した。図3Bに示されるように、可溶性受容体PVRはPVRL3と結合し、可溶性受容体PVRL1はPVRL3およびPVRL4と結合し;可溶性受容体PVRL3はPVRL1、PVRL2、およびPVRと結合し;可溶性受容体PVRL4はPVRL1と結合した。正の結合相互作用は円によって強調してある。PVRファミリーの異なるメンバー間で観察された結合相互作用の略図もまた示す(図3C)。この解析中に観察された表示の結合相互作用のいくつかは、新規であると考えられる。
実施例3
PVR変種の作製
TIGITに結合したPVRの結晶構造が以前に開示された(Stengel et al., 2012, PNAS, 109:5399-5404を参照されたい)。この構造を調べ、TIGIT結合には重要ではないが、CD226またはCD96の結合に潜在的に影響し得ると考えられるPVR内の残基を選択した。これらの残基を図4において強調してある。アミノ酸65、67、72、73、74、81、82、84、および85位 (SEQ ID NO:18) が20個すべてのアミノ酸で個々に置換された変種ヒトPVR N末端IgVドメイン分子のcDNA発現ライブラリーを設計し、作製した。このcDNA発現ベクターは、CD4膜貫通ドメインおよび緑色蛍光タンパク質 (GFP) タグに融合されたPVRのN末端IgVドメインをコードした。この発現ベクタープラスミドはまた、細菌のアンピシリン耐性遺伝子を含んだ。100倍過剰の、アンピシリン耐性を欠いた非関連ベクターの存在下で、変種PVR分子のcDNAライブラリーをCAP-T細胞にトランスフェクトした。CAP-T細胞は不死化羊膜細胞株であり、SV40ラージT抗原を安定に発現している(CEVEC Pharmaceuticals、Koln Germany)。この戦略は、細胞当たりトランスフェクトされる特有のPVR変種プラスミドの数を減少させるために設計された。トランスフェクションの48時間後、細胞を、蛍光標識されたTIGIT-Fc、CD96-Fc、CD226-Fc、TIGIT-FcとCD226-Fcの組み合わせ、またはCD96-FcとCD226-Fcの組み合わせと共にインキュベートした。細胞を、蛍光活性化細胞選別 (FACS) によって解析して、TIGITまたはCD96のいずれかへの結合を示すが、CD226への結合を欠いた細胞を単離した。単離された細胞からプラスミドを回収し、細菌を形質転換するのに使用し、この細菌をアンピシリン含有プレート上にプレーティングした。個々のコロニーからのプラスミドを配列決定し、解析した。このようにして、PVRのTIGIT、CD96、およびCD226への相対的結合を可能にするアミノ酸置換が同定された。
図5は、2つのこのようなアミノ酸変種の結合パターンを示す。PVR変種S72N(セリンからアルギニン)は、野生型PVRと比較してTIGITまたはCD96への結合に有意に影響を及ぼさなかったが、PVR変種S72Nは野生型PVRと比較してCD226への結合が実質的に減少した。別の変種、PVR変種Q82K(グルタミンからリジン)は、野生型PVRと比較してTIGITへの結合が増加したと考えられ、TIGITおよびCD226の存在下で異なる結合パターンを有した。これにより、TIGITが、利用可能な変種PVRへの結合についてCD226とより効率的に競合することが可能になり得る。
実施例4
ナチュラルキラー (NK) 細胞の細胞傷害性アッセイ
ヒト慢性骨髄性白血病細胞株K562およびヒト肺腺癌細胞株A549を、10% (v/v) ウシ胎仔血清 (FBS)、2 mM L-グルタミン、100 U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシン (Gibco) を補充したRPMI 1640培地(Gibco/Life Technologies、Carlsbad, CA)中で、5% CO2の加湿雰囲気において37℃で培養する。製造業者の推奨(Lonza、Basel, Switzerland)に従ってAmaxa Nucleofector装置およびNucleofector Kit Vを使用して、エレクトロポレーションにより、K562細胞にGFP、ヒトPVR、またはヒトPVR変種をトランスフェクトする(2 x 106個細胞当たり4μg DNA)。トランスフェクション効率は、GFP陽性に関するフローサイトメトリーにより評価して、日常的に60〜70%である。製造業者の説明書に従ってFuGENE 6(Promega、Madison, WI)を使用して、A549細胞に同じ構築物をトランスフェクトする(1 x 106個細胞当たり3μg DNA)。トランスフェクション効率は日常的に>95%である。
RosetteSep NK Cell Enrichment Cocktail(Stem Cell Technologies、Vancouver, British Columbia, Canada)と共に30分間インキュベートしてからFicoll-Hypaque密度勾配遠心分離 (Stem Cell Technologies) を行うことにより、初代ヒトNK細胞を新鮮な末梢血バフィーコート(Stanford Blood Center、Palo Alto, CA)から直接単離する。ヒトNK細胞を、10% FBS、100 U/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシンを補充したL-グルタミン不含RPMI 1640培地中で培養する。単離されたNK細胞は、フローサイトメトリーにより日常的に>98% CD56+CD3-である。NK細胞株NK-92をAmerican Type Culture Collection (Manassas, VA) から購入し、20% FBS、100 U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン、および150 U/ml組換えヒトIL-2を含むRPMI 1640中で維持する。
NK-92細胞または初代ヒトNK細胞を、300 U/ml組換えヒトIL-2(PeproTech、Rocky Hill, NJ)を伴うかまたは伴わずに96ウェルV底プレートにプレーティングし、37℃で一晩インキュベートする。いくつかの実験においては、NK-92細胞または初代NK細胞を、NKp30, NKp46、もしくはNKG2Dに対する10μg/mlの特異的遮断抗体(Biolegend、San Diego, CA)、または等量のアイソタイプ一致ポリクローナルヒトIgG(Sigma-Aldrich、St. Louis, MO)と共に4℃で30分間インキュベートしてから、細胞傷害性アッセイにおいて使用する。標的細胞(GFP、ヒトPVR、またはヒトPVR変種をトランスフェクトされたK562細胞またはA549細胞)を、10μMカルセインAM (Life Technologies) で37℃にて1時間標識し、次にNK細胞と様々なエフェクター:標的比(50:1〜3:1)で混合する。37℃で4時間インキュベートした後、無細胞上清を回収し、カルセイン放出を、485 nmの励起および535 nmの発光において蛍光光度計で定量する。特異的細胞溶解の割合を、溶解% = 100 x (ER-SR)/(MR-SR)、式中、ER、SR、およびMRはそれぞれ実験的、自発的、および最大カルセイン放出を示す、として決定する。自発的放出は、培地単独中(すなわち、エフェクター細胞の非存在下)でインキュベートした標的細胞によって放射される蛍光であり、最大放出は、等容積の10% SDSを用いて標的細胞を溶解することによって決定される。
いくつかの実験では、NK細胞の細胞傷害性を、可溶性ヒトPVR-FcまたはヒトPVR-Fc変種の存在下で評価する。10μg/mlのPVR-FcまたはヒトPVR-Fc変種を添加して、初代ヒトNK細胞またはNK-92細胞を上記のようにプレーティングする。K562細胞またはA549細胞に対するNK細胞溶解を上記のように解析する。
新たに単離された初代ヒトNK細胞を、300 IU/ml組換えヒトIL-2(PeproTech、Rocky Hill, NJ)を伴うかまたは伴わずに37℃で一晩インキュベートした。次にこのNK細胞を、HBSS中で、30μg/mlのPVR-Fc変種Q82K(灰色バー)、PVR-Fc野生型対照(黒色バー)、または培地のみ(白色バー)で4℃にて30分間前処理した。NK細胞を洗浄し、さらなる30μg/mlのPVR-Fc変種またはPVR-Fc WTを補充した培地中に再懸濁し、96ウェルV底プレートにプレーティングした。標的細胞(HEK-293T細胞またはK562細胞)を、10μMカルセインAM(Life Technologies、Grand Island NY)で37℃にて2時間標識し、次にNK細胞と12:1のエフェクター:標的比で混合した。37℃で4時間インキュベートした後、無細胞上清を回収し、カルセイン放出を、485 nmの励起および535 nmの発光において蛍光光度計で定量した。特異的細胞溶解の割合を上記のように決定した。
NK細胞は、未処理のNK細胞または野生型PVRで処理したNK細胞と比較してPVR変種Q82Kで処理した場合に、標的細胞を死滅させる能力が増加することを実証した(図6)。細胞溶解は、いずれの試料においてもIL-2を添加した場合に増加した。
NK活性化および/またはNK活性はまた、アッセイ中にNK細胞によって産生されるIFN-γの量を測定することによって評価することもできる。96ウェル平底培養プレートのウェルにHEK-293T細胞またはA549細胞を、5 x 104個標的細胞/ウェルの密度で播種した。標的細胞をコンフルエンスになるまで一晩増殖させた。新たに単離されたヒトNK細胞を、HBSS中で、30μg/mlのPVR-Fc変種Q82K(灰色バー)、PVR-Fc野生型対照(黒色バー)、または培地のみ(白色バー)で4℃にて30分間前処理した。次いでNK細胞を洗浄し、さらなる30μg/mlのPVR-Fc変種またはPVR-Fc WTを補充した培地中に再懸濁し、300 IU/mlヒトIL-2を含む培地中、2 x 105個細胞/ウェルで標的細胞に添加した。2つ組セットの細胞を、ヒトIL-2を含まない培地中で設定した。24時間後に培養上清を回収し、ELISA(R&D Systems、Minneapolis, MN)によりIFN-γ含有量について解析した。
IL-2の非存在下において、NK細胞は非常に限られた量のIFN-γを産生し、異なる試料の間でほとんど差はないようであった。対照的に、IL-2の存在下においては、PVR-Fc野生型または未処理対照と比較してPVR-Fc変種Q82Kで前処理した場合に、NK細胞はより高レベルのIFN-γを産生した(図7)。
実施例5
PVR変種とTIGIT、CD226、およびPVRL3との間の結合相互作用のFACS解析
HEK-293T細胞に、PVR-CD4TM-GFP、PVR S72N変種-CD4TM-GFP、PVR Q82K変種-CD4TM-GFP、またはPVR Q82K+S72N二重変種-CD4TM-GFPをコードするcDNA発現ベクターを一過性にトランスフェクトした。24時間後、細胞を可溶性のTIGIT-Fc、CD226-Fc、またはPVRL3-Fc融合タンパク質と混合し、次いでその後、PEコンジュゲート抗ヒトFc二次抗体で染色した。次に融合タンパク質結合をフローサイトメトリーによって解析した。
この結果から、二重変異体PVR融合タンパク質は、親の野生型PVRと比較してTIGITに対する改善された結合を示すが、CD226に対しては検出可能な結合を示さないことが示される(図8)。PVR変種は、親の野生型PVRと比べて、PVRL3に対する比較的またはいくらか改善された結合を有した。したがって、免疫応答(例えば腫瘍に対する)を増強することに加えて、PVR変種は、正常な密着結合構造の破壊により腫瘍上に露出したPVRL3に結合し、免疫監視のために腫瘍細胞を標的化することによって、腫瘍に優先的に局在する能力を有し得る。
本明細書において記載される実施例および態様は、単に例示目的であること、ならびにそれを考慮した様々な修正または変更が当業者に示唆され、本出願の精神および範囲の範囲内に含まれることが理解される。
本明細書において引用された出版物、特許、特許出願、インターネットサイト、ならびにポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列の両方を含むアクセッション番号/データベース配列はすべて、各個々の出版物、特許、特許出願、インターネットサイト、またはアクセッション番号/データベース配列が詳細にかつ個別に参照により組み入れられることが示されるのと同程度に、すべての目的のために全体として参照により本明細書に組み入れられる。
本出願において開示された配列は、以下のものである:
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトPVR (SEQ ID NO:1)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトPVRL1 (SEQ ID NO:2)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトPVRL2 (SEQ ID NO:3)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトPVRL3 (SEQ ID NO:4)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトPVRL4 (SEQ ID NO:4)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトTIGIT (SEQ ID NO:6)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトCD96 (SEQ ID NO:7)
下線が引かれた予測シグナル配列を有するヒトCD226 (SEQ ID NO:8)
PVRファミリー
予測シグナル配列を含まないヒトPVR‐ECD (SEQ ID NO:9)
予測シグナル配列を含まないヒトPVRL1‐ECD (SEQ ID NO:10)
予測シグナル配列を含まないヒトPVRL2‐ECD (SEQ ID NO:11)
予測シグナル配列を含まないヒトPVRL3‐ECD (SEQ ID NO:12)
予測シグナル配列を含まないヒトPVRL4‐ECD (SEQ ID NO:13)
予測シグナル配列を含まないヒトTIGIT‐ECD (SEQ ID NO:14)
予測シグナル配列を含まないヒトCD96‐ECD (SEQ ID NO:15)
予測シグナル配列を含まないヒトCD226‐ECD (SEQ ID NO:16)
ヒトPVR‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:17)
変種1ヒトPVR‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:18)
X = 任意のアミノ酸
変種2ヒトPVR‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:19)
変種3ヒトPVR‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:20)
変種4ヒトPVR‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:21)
ヒトPVRL1‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:22)
ヒトPVRL2‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:23)
ヒトPVRL3‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:24)
ヒトPVRL4‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:25)
ヒトIgG
1 Fc領域 (SEQ ID NO:26)
ヒトIgG
1 Fc領域 (SEQ ID NO:27)
ヒトIgG
1 Fc領域 (SEQ ID NO:28)
ヒトIgG2 Fc領域 (SEQ ID NO:29)
ヒトIgG2 Fc領域(13B鎖)(SEQ ID NO:30)
ヒトIgG2 Fc領域(13A鎖)(SEQ ID NO:31)
変種ヒトPVRL2‐N末端IgVドメイン (SEQ ID NO:38)
X = 任意のアミノ酸
ヒトIgG1重鎖定常領域 (SEQ ID NO:39)
ヒトIgG2重鎖定常領域 (SEQ ID NO:40)
ヒトIgG3重鎖定常領域 (SEQ ID NO:41)
ヒトIgG4重鎖定常領域 (SEQ ID NO:42)
ヒトIgG
2 Fc領域 (SEQ ID NO:43)
ヒトIgG
2 Fc領域変種 (SEQ ID NO:44)
ヒトIgG
2 Fc領域(変種13A)(SEQ ID NO:45)
ヒトIgG
2 Fc領域変種(変種13A)(SEQ ID NO:46)
ヒトIgG
2 Fc領域(変種13B)(SEQ ID NO:47)
ヒトIgG
2 Fc領域変種(変種13B)(SEQ ID NO:48)