JP2016170280A - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

【課題】一部の画像形成部のみで画像を形成する場合に画像を形成しない画像形成部の部材の劣化などを抑制できると共に、クリーニング部材による異音の発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】モノモード時に画像を形成しない画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおける感光ドラムの使用量に関する情報が所定の閾値を超えた場合に、該画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいても中間転写ベルト５１を感光ドラム１に当接させる構成とする。
【選択図】図７

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関するものである。

従来、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置では、ドラム状やベルト状の電子写真感光体や静電記録誘電体とされる像担持体に、適宜の作像プロセスにてトナー像が形成される。このトナー像は、転写装置によって記録材に転写される。転写装置は、記録材担持体や中間転写体を有して構成され、記録材担持体により搬送される記録材にトナー像を直接転写させるか、あるいは一旦中間転写体に１次転写させた後に記録材に２次転写させる。

また、このような画像形成装置として、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーで画像を形成する画像形成部を独立して有するタンデム型の画像形成装置がある。また、各画像形成部において像担持体に形成される静電潜像の現像方式としては、像担持体と現像装置とが接触した状態で現像を行う接触現像方式がある。

ここで、タンデム型の画像形成装置では、複数の画像形成部のうち一部の画像形成部のみで画像を形成するモードが設けられることがある。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの４色全てのトナーを用いて画像形成を行うフルカラーモードと、ブラックトナーのみを用いたモノクロ画像（ブラック単色画像）を形成するモノモードと、の２種類のモードを使い分ける方法が知られている。

また、一部の画像形成部のみで画像を形成する場合に、画像を形成しない画像形成部で像担持体から現像装置を離間させておく方法が知られている。この方法によれば、画像を形成しない画像形成部において、像担持体と現像装置との接触機会を低減して、像担持体や現像装置の劣化を抑制することができる。また、像担持体と現像装置との接触部に存在するトナーの摺擦機械を低減して、トナーの劣化を抑制することができ、また劣化したトナーがカブリ（白地部へのトナー付着）などで消費されることを抑制してトナーの消費を抑えることができる。

また、一部の画像形成部のみで画像を形成する場合に、画像を形成しない画像形成部で像担持体と転写装置の中間転写体や記録材担持体とを離間させる方法が知られている（特許文献１）。この方法によれば、像担持体と転写装置との接触機会を低減して、像担持体の寿命を延ばすことができる。

さらに、近年、画像形成装置の更なる小型化や低コスト化のために、複数の像担持体を共通の駆動源で駆動する構成が採用されることがある。

特開平６−２５８９１４号公報

しかしながら、一部の画像形成部のみで画像形成する場合に画像を形成しない画像形成部で像担持体から現像装置及び転写装置を離間させる画像形成装置では、「クリーニングブレード鳴き」という現象が発生する場合がある。

つまり、従来、転写工程後に像担持体上に残留するトナーを、像担持体にクリーニング部材として弾性体で形成されたクリーニングブレードを当接させることで、掻き取って回収することが行われている。その際、通常は、トナーやトナーの外添剤が像担持体とクリーニングブレードとの当接部に送り込まれ、これが像担持体とクリーニングブレードとの間の摩擦力を低減させる潤滑剤の役目を果たしている。

しかし、画像を形成しない画像形成部において像担持体から現像装置を離間させた場合、その画像形成部では像担持体とクリーニングブレードとの当接部への潤滑剤の役目を果たすトナーや外添剤の供給が断たれる。このとき、複数の像担持体が共通の駆動源によって駆動されるなどして、画像を形成しない画像形成部でも像担持体が回転する場合、像担持体の回転を続けることで次第に像担持体とクリーニングブレードとの間の摩擦力が上昇する。これにより、クリーニングブレード及び像担持体の振動が増大し、異音（クリーニングブレード鳴き）が発生する場合がある。

このクリーニングブレード鳴きは、像担持体に転写装置が当接されていれば、その中間転写体や記録材担持体により像担持体を介してクリーニングブレードの振動が緩和されるため、発生しにくい。しかし、上述のように、画像を形成しない画像形成部において像担持体から転写装置を離間させる構成とされることがある。この場合、画像を形成しない画像形成部では、中間転写体や記録材担持体により像担持体を介してクリーニングブレードの振動を抑制することができず、クリーニングブレード鳴きが発生する場合がある。

なお、以上では、画像を形成しない画像形成部において転写装置を像担持体から離間させる場合を例に説明した。同様に、画像形成しない画像形成部において、転写装置を像担持体に接触させると共にその接触圧を小さくする構成とされる場合がある。この場合も、画像を形成しない画像形成部では、クリーニングブレード鳴きが発生しやすくなる。

したがって、本発明の目的は、一部の画像形成部のみで画像を形成する場合に画像を形成しない画像形成部の部材の劣化などを抑制できると共に、クリーニング部材による異音の発生を抑制することができる画像形成装置を提供することである。

上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、回転可能な像担持体、前記像担持体に対し接離可能であり前記像担持体上に現像剤で画像を形成する現像装置、及び、前記像担持体に当接して配置され前記像担持体上から現像剤を除去するクリーニング部材、をそれぞれが有する複数の画像形成部と、前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体上に形成された画像を記録材に転写させる転写装置と、前記複数の画像形成部のうち少なくとも一つの画像形成部の前記像担持体に対して対応する前記現像装置を接離させる接離手段と、前記複数の画像形成部のうち少なくとも一つの画像形成部の前記像担持体と前記転写装置との接触圧を変更する変更手段と、を有し、前記複数の画像形成部のうち一部の画像形成のみで画像を形成しその他の画像形成部では画像を形成しないモードを実行可能であり、前記モードは、前記一部の画像形成部では前記像担持体に前記現像装置が当接し、前記その他の画像形成部では前記像担持体から前記現像装置が離間しかつ前記像担持体と前記転写装置との接触圧が前記一部の画像形成部よりも小さくされ、前記一部の画像形成部及び前記その他の画像形成部の前記像担持体が回転駆動された状態で実行される画像形成装置において、前記モードが所定の期間を超えて続いて実行された場合に、前記他の画像形成部における前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくさせる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置である。

本実施例によれば、一部の画像形成部のみで画像を形成する場合に画像を形成しない画像形成部の部材の劣化などを抑制できると共に、クリーニング部材による異音の発生を抑制することができる。

画像形成装置の概略断面図である。 画像形成部の概略断面図である。 転写接離機構の動作を説明するための模式図である。 現像接離機構の動作を説明するための模式図である。 画像形成装置の要部の制御態様を示すブロック図である。 フルカラーモード時のタイミングチャート図である。 モノモード時のタイミングチャート図である。 画像形成ジョブのフローチャート図である。 画像形成装置の他の例の概略断面図である。

以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。

［実施例１］
１．画像形成装置の全体的な構成
図１は、本発明の一実施例に係る画像形成装置１００の概略断面図である。本実施例の画像形成装置１００は、電子写真方式を用いてフルカラー画像の形成が可能な、中間転写方式を採用したタンデム型のカラーレーザービームプリンタである。

画像形成装置１００は、複数の画像形成部（ステーション）として第１、第２、第３、第４の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫを有する。各画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫは、それぞれイエロー（Ｙ）、マゼンタ（Ｍ）、シアン（Ｃ）、ブラック（Ｋ）の各色の画像を形成する。

なお、各画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫに対応して設けられた同様の機能、構成を有する要素について、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを示す符号の末尾のＹ、Ｍ、Ｃ、Ｋは省略して、当該要素について総括的に説明する。また、各色用の要素を、語頭にＹ、Ｍ、Ｃ、Ｋを付して区別することがある。

画像形成装置１００は、各画像形成部Ｓに、画像形成装置１００の装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジ１０を有する。各プロセスカートリッジ１０は、図中矢印Ｒ１方向に回転可能に設けられた、像担持体としてのドラム型（円筒形）の電子写真感光体（感光体）である感光ドラム１を有する。各プロセスカートリッジ１０Ｙ、１０Ｍ、１０Ｃ、１０Ｋには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが格納されている。また、画像形成装置１００は、各プロセスカートリッジ１０の感光ドラム１を露光する露光手段としての露光装置（レーザービームスキャナ）３を有する。本実施例では、各プロセスカートリッジ１０、各プロセスカートリッジ１０の感光ドラム１を露光する露光装置３などによって、各色の画像を形成する各画像形成部Ｓが構成される。

また、画像形成装置１００は、各画像形成部Ｓで形成された画像を記録材Ｐに転写させる転写装置５を有する。転写装置５は、図中矢印Ｒ２方向に循環移動（回転）可能に設けられた、中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト５１を有する。中間転写ベルト５１は、複数の張架ローラ（支持ローラ）としての２次転写対向ローラ５４、駆動ローラ５５、テンションローラ５６に張架されている。また、転写装置５は、中間転写ベルト５１の内周面側において、各プロセスカートリッジ１０Ｙ、１０Ｍ、１０Ｃ、１０Ｋに対応して設けられた、１次転写手段としてのローラ型の１次転写部材である１次転写ローラ５２Ｙ、５２Ｍ、５２Ｃ、５２Ｋを有する。１次転写ローラ５２は、中間転写ベルト５１を介して感光ドラム１に向けて付勢され、中間転写ベルト５１と感光ドラム１とが接触する１次転写部（１次転写ニップ）Ｎ１を形成する。なお、詳しくは後述するように、各１次転写ローラ５２は可動式となっており、各感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接離が可能とされている。また、転写装置５は、中間転写ベルト５１の外周面側において、２次転写対向ローラ５４と対向する位置に、２次転写手段としてのローラ型の２次転写部材である２次転写ローラ５３を有する。２次転写ローラ５３は、中間転写ベルト５１を介して２次転写対向ローラ５４に向けて付勢され、中間転写ベルト５１と２次転写ローラ５３とが接触する２次転写部（２次転写ニップ）Ｎ２を形成する。中間転写ベルト５１、１次転写ローラ５２ｙ、５２ｍ、５２ｃ、５２ｂ、２次転写ローラ５３などは、各感光ドラム１から記録材Ｐにトナー像を転写する転写装置５の一部である。

その他、画像形成装置１００は、記録用紙などの記録材Ｐを２次転写部Ｎ２へと搬送する給搬送装置（図示せず）、トナー像を記録材Ｐに定着させる定着装置６などを有する。

図２は、代表して一つの画像形成部Ｓの構成を示す概略断面図である。プロセスカートリッジ１０は、感光ドラム１と、帯電手段としてのローラ型の帯電部材である帯電ローラ２と、現像手段としての現像装置４と、クリーニング手段としてのクリーニング装置７と、を有する。

本実施例では、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫの感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋは、共通の駆動手段（駆動源）としての共通の駆動モータ（メインモータ）Ｍ１（図５）によって回転駆動される。つまり、本実施例では、単独の駆動モータＭ１が駆動、停止されることで、この駆動モータＭ１の駆動、停止に応じて全ての感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋが駆動、停止する。これにより、複数の感光ドラムをそれぞれ別個の駆動モータで回転駆動する構成と比べて、画像形成装置１００の構成の簡易化、低コスト化を図ることが可能となる。また、本実施例では、中間転写ベルト５１も全ての感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋと共通の駆動モータＭ１によって回転駆動される。

画像形成時には、回転駆動される感光ドラム１の表面は、帯電ローラ２によって略均一に所定の極性（本実施例では負極性）の所定の電位に帯電させられる。このとき帯電ローラ２には、帯電電圧印加手段としての帯電電源Ｅ１（図５）から所定の帯電電圧（帯電バイアス）が印加される。帯電した感光ドラム１の表面は、画像情報に応じて露光装置３によって走査露光され、静電潜像（静電像）が形成される。感光ドラム１上に形成された静電潜像は、現像装置４によってトナー像として現像（可視化）される。

本実施例では、現像装置４は、現像剤として表面に外添剤が付着した負帯電性の非磁性一成分現像剤（トナー）を用いる。この現像装置４は、像担持体に対し接離可能であり像担持体上に現像剤で画像を形成する現像装置の一例である。図２に示すように、現像装置４は、トナーを担持して搬送する現像部材（現像剤担持体）としての現像ローラ４１と、現像ローラ４１上のトナー層を均一化するための現像ブレード４２と、表面に外添剤が付着したトナーを収容する現像容器４３と、を有する。各現像装置４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋの現像容器４３Ｙ、４３Ｍ、４３Ｃ、４３Ｋには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収容されている。本実施例では、各現像装置４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋの各現像ローラ４１Ｙ、４１Ｍ、４１Ｃ、４１Ｋは、全ての感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋと共通の駆動モータＭ１（図５）によって回転駆動される。そして、駆動モータＭ１から各現像装置４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋへの駆動伝達経路には、クラッチ機構ＣＬ（図５）が設けられており、各現像装置４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋで個別に現像ローラ４１への駆動伝達のＯＮ／ＯＦＦを切り替えられるようになっている。現像装置４は、現像ローラ４１に担持されたトナーを、現像ローラ４１の回転によって感光ドラム１との接触部（現像部）へと搬送する。そして、感光ドラム１上の静電潜像（静電像）に応じて、現像ローラ４１から感光ドラム１にトナーが移動する。これによって、感光ドラム１上の静電潜像がトナー像として現像（可視化）される。このとき、現像ローラ４１には、現像電圧印加手段としての現像電源Ｅ２（図５）から、所定の現像電圧（現像バイアス）が印加される。本実施例では、イメージ部露光と反転現像とにより、トナー像が形成される。つまり、一様に帯電処理された後に露光されることによって電位の絶対値が低下した感光ドラム１上の露光部に、感光ドラム１の帯電極性と同極性に帯電したトナーが付着する。

感光ドラム１上に形成されたトナー像は、１次転写部Ｎ１において、１次転写ローラ５の作用により、回転駆動される中間転写ベルト５１上に転写（１次転写）される。このとき、１次転写ローラ５には、１次転写電圧印加手段としての１次転写電源Ｅ３（図５）から、現像時のトナーの帯電極性（正規の帯電極性）とは逆極性の直流電圧である１次転写電圧（１次転写バイアス）が印加される。例えば、フルカラー画像形成時には、各感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋに形成されたトナー像が、各１次転写部Ｎ１において中間転写ベルト５１上に順次に重ね合わせるようにして転写される。また、中間転写ベルト５１上に転写されたトナー像は、２次転写部Ｎ２において、２次転写ローラ５３の作用により、中間転写ベルト５１と２次転写ローラ５３とに挟持されて搬送される記録材Ｐに転写（二次転写）される。このとき、２次転写ローラ５３には、２次転写電圧印加手段としての２次転写電源Ｅ４（図５）から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の直流電圧である２次転写電圧（２次転写バイアス）が印加される。

トナー像が転写された記録材Ｐは、定着装置６へと搬送され、ここで加熱及び加圧されることによってその上にトナー像が定着される。その後、記録材Ｐは、画像形成装置１００の装置本体の外部へ排出される。

一方、１次転写工程後に感光ドラム１の表面に残留したトナー（１次転写残トナー）は、クリーニング装置７によって感光ドラム１の表面から除去されて回収される。クリーニング装置７は、感光ドラム１に当接して配置されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード７１によって、回転する感光ドラム１の表面から１次転写残トナーを掻き取って、回収容器７２に回収する。クリーニングブレード７１の感光ドラム１に当接する部分は、弾性部材（本実施例ではウレタンゴム）からなる板状部材で形成されている。

画像形成時の各部の動作タイミングなどについては、画像形成モードごとに後述して更に詳しく説明する。

２．転写装置の接離機構
本実施例の画像形成装置１００は、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫで画像を形成するフルカラーモードと、Ｋ画像形成部のみで画像を形成しＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは画像を形成しないモノモードと、を実行可能である。

図３（ａ）に示すように、フルカラーモードでは、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫの感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋと中間転写ベルト５１とが接触させられる。また、図３（ｂ）に示すように、モノモードでは、原則として、Ｋ画像形成部ＳＫの感光ドラム１Ｋと中間転写ベルト５１とが接触させられ、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃと中間転写ベルト５１とは離間される。

ここで、１次転写ローラ５は、その長手方向（回転軸線方向）の両端部が軸受部材５７によって回転可能に支持されている。また、軸受部材５７は、感光ドラム１に対し近づく方向及び離れる方向にスライド移動可能に保持されている。この軸受部材５７が付勢手段としてのバネ５８によって感光ドラム１に向けて付勢されることで、１次転写ローラ５は感光ドラム１に向けて付勢される。

そして、画像形成装置１００は、感光ドラム１と転写装置５との接触圧を変更する変更手段としての、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接離状態を変更する転写接離機構８を有する。本実施例では、転写接離機構８は、各画像形成部Ｓの１次転写ローラ５２の軸受部材５７を感光ドラム１から離れる方向に移動させる移動部材８１を有する。移動部材８１は、図示しない転写接離駆動手段としての転写接離モータによって動作する。このように、本実施例では、変更手段としての転写接離機構８は、押圧部材としての１次転写ローラ５２を感光ドラム１に対し近づける方向及び遠ざける方向に移動させることで、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触圧を変更する。

フルカラーモードでは、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫにおいて、軸受部材５７が転写接離機構８の移動部材８１により移動させられていない状態とされる。この状態で、上述のように軸受部材５７がバネ５８によって付勢されて、１次転写部Ｎ１において中間転写ベルト５１が感光ドラム１に対し所定の接触圧で接触させられる。一方、モノモードでは、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、軸受部材５７が転写接離機構８の移動部材８１により感光ドラム１から離れる方向に移動させられた状態とされる。この状態で、１次転写ベルト５１が中間転写ベルト５１を介して感光ドラム１に当接した状態が解除され、本実施例では１次転写ローラ５２は中間転写ベルト５１の内周面から離間される。なお、本実施例では、このとき中間転写ベルト５１の駆動ローラ５５の位置が変更されて、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて中間転写ベルト５１が感光ドラム１に接触しないようにされる。また、本実施例では、転写接離機構８は、Ｋ画像形成部ＳＫにおいても感光ドラム１と中間転写ベルト５１とを離間させられるようになっているが、これは必須ではない。

このように、本実施例では、モノモードにおいて、画像を形成しないＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１と中間転写ベルト５１とを離間させる。これにより、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触機会を低減し、感光ドラム１の表面の削れを低減することができる。

３．現像装置の接離機構
本実施例の画像形成装置１００は、上述のようにフルカラーモードとモノモードとを実行可能である。そして、フルカラーモードでは、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫにおいて現像装置４の現像ローラ４１が感光ドラム１に当接させられる。一方、モノモードでは、Ｋ画像形成部ＳＫの現像装置４の現像ローラ４１は感光ドラム１に当接させられ、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの現像装置４の現像ローラ４１は感光ドラム１から離間される。

そのために、画像形成装置１００は、感光ドラム１に対して現像装置４を接離させる接離手段として、感光ドラム１に対して現像ローラ４１を接離させる現像接離機構９を有する。本実施例では、現像接離機構９は、ＹＭＣ画像形成ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１に対して対応する現像ローラ４１を同期して（実質的に同時に）当接及び離間させる第１の接離機構部を有する。また、現像接離機構９は、Ｋ画像形成部ＳＹの感光ドラム１に対して対応する現像ローラ４１を、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣとは独立して当接及び離間させる第２の接離機構部を有する。

図４は、代表して一つの画像形成部Ｓにおける現像接離機構９の動作を説明するための模式図である。現像接離機構９は、現像容器４３に設けられた受け部４３ａに作用する移動部材９１を有する。移動部材９１は、図示しない現像離接駆動手段としての現像離接モータによって動作する。現像容器４３は、プロセスカートリッジ１０において揺動可能に保持されており、付勢手段としてのバネ（図示せず）によって、現像ローラ４１を感光ドラム１に当接させる方向に付勢されている。図４（ａ）に示すように、現像ローラ４１を感光ドラム１から離間させる際には、移動部材９１が図中矢印Ａ方向へ移動することにより、移動部材９１によって現像容器４３の受け部４３ａを移動させて、現像容器４３をバネの付勢力に抗して回動させる。一方、図４（ｂ）に示すように、現像ローラ４１を感光ドラム１に当接させる際には、移動部材９１が中矢印Ｂ方向へ移動することにより、移動部材９１による受け部４３ａの押圧が解除され、現像容器４３がバネの付勢力によって回動する。

なお、本実施例では、現像装置４は、現像ローラ４１が感光ドラム１から離間した状態をホームポジションとしている。つまり、実質的に現像動作時にのみ所定のタイミングで現像ローラ４１が感光ドラム１に当接させられる。また、本実施例では、現像ローラ４１は、感光ドラム１から離間されると、駆動モータＭ１からの駆動伝達がクラッチ機構ＣＬ（図５）によって切断されて回転が停止される。また、現像ローラ４１は、感光ドラム１に当接させられる際に、駆動モータＭ１からの駆動伝達がクラッチ機構ＣＬによって接続されて回転が開始される。

このように、本実施例では、モノモードにおいて、画像を形成しないＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１と現像ローラ４１とを離間させる。これにより、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、感光ドラム１と現像ローラ４１との接触機会、現像ローラ４１と感光ドラム１との接触部に存在するトナーの摺擦機会を低減することができる。その結果、感光ドラム１や現像ローラ４１の劣化、現像装置４内のトナーの劣化を抑制することができ、また劣化したトナーがカブリ（白地部へのトナー付着）などで消費されることを抑制してトナーの消費を抑えることができる。

４．制御態様
図５は、本実施例の画像形成装置１００の要部の概略制御態様を示すブロック図である。画像形成装置１００には、画像形成装置１００の各部を統括的に制御する制御手段としての制御部１１０が設けられている。制御部１１０は、演算処理を行う中心的素子であるＣＰＵ、記憶手段としての記憶素子（メモリ）であるＲＯＭ、ＲＡＭなどを有して構成される。ＲＡＭには、センサーの検出結果、演算結果などが格納され、ＲＯＭには制御プログラム、予め求められたデータテーブルなどが格納されている。本実施例との関係で言えば、制御部１１０には、各高圧電源Ｅ１、Ｅ２、Ｅ３、Ｅ４、露光装置３、駆動モータ（メインモータ）Ｍ１、転写接離機構８、現像接離機構９などが接続されている。そして、本実施例では、特に、制御部１１０は、後述するモノモード時の中間転写ベルト５１の接離動作を実行させる。

５．フルカラーモード時の画像形成プロセス
図６は、フルカラーモード時のタイミングチャートである。なお、図６のタイミングチャートでは、２イメージの画像形成を１つのジョブとして行う場合について示している。

制御部１１０は、フルカラー画像の信号が送られてくると、まずメインモータＭ１の駆動を開始させる。このメインモータＭ１によって、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫの感光ドラム１及び中間転写ベルト５１が同時に回転を開始する。

制御部１１０は、メインモータＭ１の駆動の開始と同時に、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫの帯電ローラ２への帯電バイアスの印加を開始させる。

制御部１１０は、画像形成プロセスを開始し、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣとＫ画像形成部ＳＫにおいて、それぞれ現像ローラ４１を感光ドラム１へ当接させる。この当接動作は、帯電ローラ２により適切に帯電させられた感光ドラム１の表面が現像装置４に最近接する位置を通過した後の所定のタイミングで行う。また、制御部１１０は、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣとＫ画像形成部ＳＫにおいて、上記当接動作を行うのと同時に、メインモータＭ１からそれぞれの現像装置４へクラッチ機構ＣＬにより動力を伝達させ、それぞれの現像ローラ４１を回転させる。

次に、制御部１１０は、各画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫにおいて、所定のタイミングで露光装置３からレーザービームを発信させることで、それぞれの感光ドラム１の表面を露光して静電潜像を形成する。そして、現像ローラ４１からこの静電潜像にトナーを供給することにより、この静電潜像を現像してトナー像（現像剤像）を形成する。また、その後、感光ドラム１上に形成されたトナー像は、１次転写ローラ５２に印加した１次転写バイアスによって中間転写ベルト５１に１次転写される。

次に、制御部１１０は、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣとＫ画像形成部ＳＫにおいて、それぞれの感光ドラム１上にトナー像を形成する工程が終了した後に、それぞれの感光ドラム１から現像ローラ４１を離間させる。その後、制御部１１０は、全ての画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣ、ＳＫにおいて、帯電ローラ２への帯電バイアスの印加を終了させる。また、その後、制御部１１０は、２次転写及び定着などの工程が全て終了した後に、メインモータＭ１の駆動を停止させる。

６．モノモード時の画像形成プロセス
図７は、モノモード時のタイミングチャートである。なお、図７のタイミングチャートも、図６の場合と同様、２イメージの画像形成を１つのジョブとして行う場合について示している。また、図８は、本実施例における画像形成ジョブのフローチャートである。以下、図７のタイミングチャート及び図８のフローチャートを参照して、モノモード時の動作について説明する。

まず、制御部１１０は、ｔ０のタイミングにおいて、画像信号が送られてくると、ジョブを開始する（Ｓ１０１）。この際、制御部１１０は、フルカラーモード又はモノモードのどちらとして処理を行うか、画像情報に応じて判断する（Ｓ１０２）。以下では、モノモードとして処理を行う場合について述べる（Ｓ１０２のＹｅｓ）。

制御部１１０は、ジョブを開始すると、フルカラーモード時と同様に、まずメインモータＭ１の駆動を開始させる。これにより、全ての感光ドラム１Ｙ、１Ｍ、１Ｃ、１Ｋ及び中間転写ベルト５１が同時に回転を開始する。

制御部１１０は、メインモータＭ１の駆動の開始と同時に、Ｋ画像形成部ＳＫの帯電ローラ２への帯電バイアスの印加を開始させる。一方、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣについては、画像形成に使用しないため、帯電ローラ２への帯電バイアスの印加は行なわない。

ここで、制御部１１０は、メインモータＭ１を駆動させると同時に、モノモードにおいて感光ドラム１をどの程度使用したかを示す指数（以下「モノカウントＣ１」という。）を記憶手段としてのメモリに逐次記録していく。本実施例では、制御部１１０は、プロセススピードに基づいて感光ドラム１の回転数から感光ドラム１の表面の移動距離を換算して、１０ｍｍｓｅｃ毎にモノカウントＣ１を更新する。なお、本実施例では、感光ドラム１の使用量に関する情報であるモノカウントＣ１として、感光ドラム１の回転数を表面の移動距離として換算した値を用いた。つまり、本実施例では、感光ドラム１の使用量に関する情報は、感光ドラム１の回転数から算出される。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、単純に動作時間をカウントしてもよく、印刷枚数を画像サイズ及び連続印刷枚数などの諸条件で重み付けした値を用いてもよい。感光ドラム１の使用量（回転量）と相関する任意の指標を用いることができる。

また、制御部１１０には、予め、モノカウントＣ１に対して所定の閾値（以下「モノ閾値Ｔ１」という。）を設定しておく。このモノ閾値（第１の閾値）Ｔ１は、クリーニングブレード７１の振動が大きくなりクリーニングブレード鳴きが発生し始めるまでのモノモードの継続時間を、実験により見積もった値である。その際、このモノ閾値Ｔ１は、動作までのタイムラグや種々条件による誤差などをふまえたうえで、所定のマージンを持たせて設定している。本実施例では、閾値Ｔ１は、レターサイズ紙連続８０イメージ相当の感光ドラム１の回転数に対応する値とした。

次に、制御部４１は、現像装置４の当接動作及び露光動作などによるトナー像形成プロセスを開始するのに先駆けて、ｔ１のタイミングにおいて、モノカウントＣ１とモノ閾値Ｔ１とを比較する（Ｓ１０３）。タイミングｔ１においては、モノカウントＣ１はモノ閾値Ｔ１を下回っているため（Ｓ１０３のＹｅｓ）、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、中間転写ベルト５１を感光ドラム１から離間させる（Ｓ１０４）。

次に、制御部１１０は、Ｋ画像形成部において、フルカラーモード時と同様にして現像装置４の当接動作及び露光動作などによるトナー像形成プロセスを行う（Ｓ１０５）。一方、制御部１１０は、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣについては、現像装置４の当接動作及び露光動作などによるトナー像形成プロセスを行わない。

制御部１１０は、モノモード時において感光ドラム１を回転させている間、モノカウントＣ１を逐次更新する。図７のタイミングチャートでは、１イメージ目のトナー像形成及び１次転写を行っている最中であるタイミングｔ２において、モノカウントＣ１がモノ閾値Ｔ１に達する場合について示している。

その後、タイミングｔ３において、１イメージ分の露光が終了する。また、１イメージ目の１次転写工程についても、略同時（より詳細には感光ドラム上の露光終了位置が１次転写部を通過した時）に終了する（Ｓ１０６）。ここでは２イメージの画像形成を行うので、続いて２イメージ目のトナー像形成プロセスに移行する（Ｓ１０７のＮｏ）。

そして、本実施例では、その移行の際、制御部１１０は、２イメージ目のトナー像形成プロセス（より詳細には露光動作）を開始する前のタイミングｔ４において、再度モノカウントＣ１とモノ閾値Ｔ１とを比較する（Ｓ１０３）。この時、モノカウントＣ１がモノ閾値Ｔ１を上回っているため（Ｓ１０３のＹｅｓ）、制御部１１０は、モノモードの実行中ではあるが、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて中間転写ベルト５１を感光ドラム１に当接させる（Ｓ１１４）。

その後、タイミングｔ５からｔ６にかけて、２イメージ目のトナー像形成プロセスを行う。ここでは２イメージの画像形成を行うので、タイミングｔ６において、２イメージ目の露光が終了するのと略同時（より詳細には感光ドラム上の露光終了位置が１次転写部を通過した時）に、ジョブの全イメージの１次転写工程が終了する（Ｓ１０７のＹｅｓ）。

制御部１１０は、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて、感光ドラム１上に２イメージ目のトナー像を形成する工程が終了した後に、現像ローラ４１を感光ドラム１から離間させる。その後、制御部１１０は、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて、帯電ローラ２への帯電バイアスの印加を終了させる。また、その後、制御部１１０は、２次転写及び定着などの工程が全て終了した後に、メインモータＭ１の駆動を停止させ、画像形成ジョブを終了する（Ｓ１０８）。

なお、モノモードにおける、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１への中間転写ベルト５１の当接動作は、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて一次転写を行っている期間を避けて行うことが好ましい。本実施例では、上述のように、モノカウントＣ１がモノ閾値Ｔ１に達したタイミングｔ２に上記当接動作を行わない。そして、１イメージ目の露光及び１次転写工程が終了したタイミングｔ４まで待った後に上記当接動作を行う。これにより、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて感光ドラム１から中間転写ベルト５１へトナー像を１次転写させている最中に感光ドラム１への中間転写ベルト５１の当接動作を行うことによるショックで画像のぶれが発生することを防ぐことができる。さらに、上記当接動作は、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて露光装置３による露光を行っている期間を避けて行うことが好ましい。本実施例では、上述のように、２イメージ目の露光工程を開始する前のタイミングｔ４に上記当接を行う。これにより、Ｋ画像形成部ＳＫにおいて感光ドラム１に形成される静電潜像が振動などにより乱されることを防ぐことができる。

このように、本実施例では、モノモードにおいて画像を形成しないＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは、現像ローラ４１及び中間転写ベルト５１を感光ドラム１から離間させる。これにより、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、現像装置４内のトナー劣化及びトナー消費、並びに、感光ドラム１の表面の削れなどを抑制することができる。しかし、本実施例では、この状態が所定の期間続いた場合、具体的にはモノカウントＣ１がモノ閾値Ｔ１を上回るほど継続した場合には、モノモードにおいてもＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１に中間転写ベルト５１を当接させる。これにより、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいてクリーニングブレード７１と感光ドラム１との摩擦力が増大した状態であっても、中間転写ベルト５１により感光ドラム１を介してクリーニングブレード７１の振動を抑え込むことができる。したがって、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣのカートリッジ１０の寿命を延命しつつ、クリーニングブレード鳴きを抑制することができる。

６．モノカウントＣ１のリセット
次に、図８のフローチャートを再度参照して、本実施例におけるモノカウントＣ１がリセットされる条件について説明する。

上述のように、モノカウントＣ１は、モノモードにおいて感光ドラム１が回転している間は逐次更新され続ける。一方、制御部１１０は、画像信号に対して、モノモードとして処理を行わないと判断した場合（Ｓ１０２のＮｏ）、フルカラーモードとして処理を行う（Ｓ１２３）。この場合、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいても現像ローラ４１を感光ドラム１へ当接させた状態で画像形成を行う（Ｓ１２４）。

ここで、制御部１１０は、フルカラーモードにおいてＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの現像ローラ４１を感光ドラム１にどの程度当接させたかを示す指数（以下「現像当接カウントＣ２」という。）を記憶手段としてのメモリに逐次記録していく。本実施例では、制御部１１０は、プロセススピードに基づいて感光ドラム１の回転数から感光ドラム１の表面の移動距離を換算して、１０ｍｍｓｅｃ毎に現像当接カウントＣ２を更新する。なお、モノカウントＣ１と同様に、現像ローラ４１を当接させた状態での感光ドラム１の使用量に関する情報である現像当接モノカウントＣ２も、感光ドラム１の回転数を表面の移動距離として換算した値に限定されるものではない。また、制御部１１０には、予め、現像当接カウントＣ２に対して所定の閾値（以下「現像当接閾値Ｔ２」という。）を設定しておく。

ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて現像ローラ４１が感光ドラム１に当接されている間（Ｓ１２７のＮｏ）、現像当接カウントＣ２は逐次加算され続ける。そして、制御部１１０は、現像当接カウントＣ２が現像当接閾値Ｔ２を上回った場合（Ｓ１２５のＮｏ）、現像当接カウントＣ２及びモノカウントＣ１をリセットする。

つまり、前述のように、モノモード時にクリーニングブレード鳴きが発生するのは、次の原因によるものである。すなわち、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて現像ローラ４１が感光ドラム１に長い間当接されず、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との当接部への潤滑剤としてのトナー及び外添剤の供給が断たれることである。そこで、どの程度トナー及び外添剤の供給が断たれているかを、モノカウントＣ１として管理している。一方で、現像ローラ４１がある程度の期間感光ドラム１へ当接されていれば、クリーニングブレード７１と感光ドラム１との境界面に所定量のトナー及び外添剤が供給される。そこで、どの程度トナー及び外添剤が供給されたかを、現像当接カウントＣ２として管理する。この現像当接カウントＣ２が所定の現像当接閾値Ｔ２を上回った場合、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との境界面に十分な量の潤滑剤が供給されたと判断し、モノカウントＣ１及び現像当接カウントＣ２をリセットする。

また、上述のような機序に鑑みれば、現像当接カウントＣ２は、フルカラーモード時にのみ加算するのではなく、トナー吐き出し制御などの所定の制御の一環として現像ローラ４１が感光ドラム１に当接された場合にも加算してよい。ここで、トナー吐き出し制御とは、現像装置４に劣化したトナーが蓄積することなどを抑制するために、例えば所定の間隔で定期的に所定量のトナーを感光ドラム１に移動させてクリーニング装置７によって回収する動作である。

なお、本実施例では、現像当接閾値（第２の閾値）Ｔ２は、レターサイズ紙連続２イメージ相当の感光ドラム１の回転数に対応する値とした。

以上、本実施例の構成をまとめると次の通りである。モノモード（特殊モード）が実行される際には、ブラックの画像形成部ＳＫの感光ドラム１のみを用いて画像を形成する。そのため、モノモードでは使用されないイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは、感光ドラム１と現像ローラ４１とを離間させ、また感光ドラム１と転写装置５の中間転写ベルト５１とを離間させる。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部（フルカラーモードでしか使われない画像形成部）で、感光ドラム１や現像ローラ４１、トナーが受ける負荷を抑えることが可能となる。この結果、これらイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣのプロセスカートリッジ１０の寿命を長くすることが可能となる。

しかしながら、モノモードが実行されて、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１と現像ローラ４１とが離間した状態では、これらの感光ドラム１に対して現像ローラ４１からトナーやトナーの外添剤が供給されなくなる。この状態が長く続くと、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との間に介在するトナーや外添剤が減るので、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との摩擦が大きくなる。この結果、感光ドラム１とクリーニングブレード７１が振動して異音（クリーニングブレード鳴き）が生じる場合がある。

そこで、本実施例では、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、現像ローラ４１や中間転写ベルト５１が感光ドラム１と離間している状態が所定の期間を超えた場合に、感光ドラム１と中間転写ベルト５１とを接触させる。これによって、感光ドラム１やクリーニングブレード７１の振動を抑制する。より詳細には、現像ローラ４１や中間転写ベルト５１が感光ドラム１と離間している状態でその感光ドラム１の使用量（回転量：モノカウントＣ１）が一定の閾値（モノ閾値Ｔ１）を超えた場合に、感光ドラム１と中間転写ベルト５１とを接触させるようにした。この結果、感光ドラム１やクリーニングブレード７１の振動を抑え、ひいては異音（クリーニングブレード鳴き）の発生を抑えることができる。

なお、本実施例では、モノモード時にイエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは、感光ドラム１と中間転写ベルト５１とが完全に離間する構成とした。しかし、感光ドラム１と中間転写ベルト５１とが完全に離間せず、一部接触していてもかまわない。モノモード時に、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣで感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触圧が減じれば、感光ドラム１が受ける負荷を減じる上で少なくとも効果がある。つまり、フルカラーモードからモノモードに切り替わったときに、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部において、感光ドラム１と現像ローラ４１とを離間させ、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触圧をフルカラーモード時よりも減ずるようにする。そして、この状態が所定の閾値を超えて続いた場合には、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触圧を大きくして（例えばフルカラーモード時と同様の大きさに戻すなどして）、感光ドラム１やクリーニングブレード７１の振動を抑えればよい。ここで、上述のように、本実施例では、モノモードに切り替わったときに、イエロー、マゼンタ、シアンの画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいて、感光ドラム１と中間転写ベルト５１とを離間させている。そのため、感光ドラム１と中間転写ベルト５１との接触圧が０になるまで減少する。この構成は、イエロー、マゼンタ、シアンの各感光ドラム１に加わる負荷を小さくするうえで最も好ましい。

このように、本実施例の画像形成装置１００は、複数の画像形成部Ｓのうち一部の画像形成ＳＫのみで画像を形成しその他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは画像を形成しないモノモードを実行可能である。モノモードは、次の状態で実行される。すなわち、上記一部の画像形成部ＳＫでは感光ドラム１に現像装置４が当接する。また、上記その他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣでは感光ドラム１から現像装置４が離間しかつ感光ドラム１と転写装置５との接触圧が上記一部の画像形成部ＳＫよりも小さくされる。また、上記一部の画像形成部ＳＫ及び上記その他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１が回転駆動される。そして、本実施例では、この画像形成装置１００は、モノモードが所定の期間を超えて続いて実行された場合に、上記他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおける上記接触圧を上記小さくされた状態よりも大きくさせる制御手段１１０を有する構成とされる。特に、本実施例では、制御手段１１０は、上記の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおける上記接触圧を上記小さくされた状態とするために、上記他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１と転写装置５とを離間させる。また、本実施例では、上記他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの上記接触圧を上記小さくされた状態よりも大きくするために、上記他の画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１と転写装置５とを接触させる。

以上、本実施例によれば、モノモードにおいて画像を形成しない画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの感光ドラム１などの部材の劣化などを抑制できると共に、クリーニングブレード７１による異音の発生を抑制することができる。

［実施例２］
次に、本発明の他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本的な構成及び動作は、実施例１のものと同じである。したがって、本実施例の画像形成装置において、実施例１のものと同一又は対応する機能、構成を有する要素については、同一符号を付して、詳しい説明は省略する。

画像形成装置１００の使用環境、現像装置４の使用度合い、及びプロセススピードといった諸条件が変わると、クリーニングブレード鳴きが発生しやすくなる場合がある。そのため、これら各種条件に応じてモノ閾値Ｔ１を変化させることができる。モノ閾値Ｔ１は、これら各種条件のうち少なくとも一つの条件に応じて変化させることができ、全ての条件に応じて変化させてもよい。本実施例では、制御部１１０は、下記表１に示すように、画像形成装置１００の使用環境、現像装置４の使用度合い、及びプロセススピードに応じてモノ閾値Ｔ１を変化させる。ここで、表１に示すモノ閾値Ｔ１の値は、感光ドラム１の回転数を、レターサイズ紙連続ジョブにおけるイメージ数に換算した値である。

本実施例では、クリーニングブレード７１の感光ドラム１と当接する部分はウレタンゴム製であり、画像形成装置１００の使用環境がより低温であるほど硬度が高くなる。クリーニングブレード７１の硬度が高くなった場合、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との当接圧がより高くなり、クリーニングブレード鳴きが発生しやすくなる。そこで、本実施例では、画像形成装置１００に、その使用環境を検知する環境検知手段としての温度センサー１１（図１）を設ける。そして、制御部１１０は、温度センサー１１により検出された装置本体の温度Ｔが低温であるほどモノ閾値Ｔ１を小さくする（より詳細には、予め設定された、より小さいモノ閾値Ｔ１を選択して用いる。）。つまり、温度センサー１１により検知された温度が第１の温度の場合よりも、第１の温度よりも低い第２の温度の場合の方の、モノ閾値Ｔ１を小さくする。

また、現像装置４を使用していくと、現像装置４内のトナーの表面に付着させている外添剤が徐々に遊離する。その場合、現像ローラ４１の感光ドラム１への当接時間が同じであっても、感光ドラム１とクリーニングブレード７１との当接部に供給される外添剤が減少し、潤滑作用が低下する。そこで、本実施例では、画像形成装置１００に現像装置４の使用量に関する情報Ａｕを検知する検知手段を設ける。本実施例では、制御部１１０が現像装置４の使用量に関する情報を検知する検知手段としての機能を有する。そして、制御部１１０は、現像装置４の使用量に関する情報Ａｕが所定の閾値（以下「現像寿命Ａｌ」という。）に達した場合に、モノ閾値Ｔ１を小さくする。つまり、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣの現像装置４の使用量に関する情報が示す該現像装置４の使用量が第１の使用量の場合よりも、第１の使用量よりも大きい第２の使用量の場合の方の、モノ閾値Ｔ１を小さくする。ここで、本実施例では、現像装置４の使用量に関する情報Ａｕ及び現像寿命Ａｌとしては、現像ローラ４１の総回転数を用いる。ただし、これに限定されるものではなく、例えば現像装置４内に残存しているトナーの量なでであってもよい。現像装置４内のトナーの劣化度合いと相関する任意の指標を用いることができる。

また、例えば、熱を通しにくく定着に時間がかかる厚紙に画像を形成する場合などに、プロセススピードを通常よりも遅くして画像形成を行う場合がある。その際、振動により発生するエネルギーが次第に増大していく負性減衰となり、クリーニングブレード鳴きが悪化する場合がある。そこで、本実施例では、制御部１１０は、低速モードで画像形成を行うときは、モノ閾値Ｔ１を小さくする。つまり、モノモードを実行する際の感光ドラム１の回転速度が第１の回転速度の場合よりも、第１の回転速度より遅い第２の回転速度の場合の方の、モノ閾値Ｔ１を小さくする。

なお、表１に示すモノ閾値Ｔ１が０の場合は、モノ閾値Ｔ１を最も小さくした場合である。この場合、図７の例に即して言えば、モノモードでの１イメージ目のトナー像形成プロセス（露光、現像）の前に、ＹＭＣ画像形成部ＳＹ、ＳＭ、ＳＣにおいても感光ドラム１に中間転写ベルト５１を当接させる。

以上、本実施例によれば、実施例１と同様の効果が得られると共に、画像形成装置１００の使用環境、現像装置４の使用度合い、及びプロセススピードといった諸条件に応じて、より効果的にクリーニングブレード鳴きを抑制することができる。

［その他］
以上、本発明を具体的な実施例に即して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。

例えば、上述の実施例では、ブラックトナーのみを用いたモノクロ画像（ブラック単色画像）を形成するモノモードについて述べたが、これに限定されるものではない。ブラックトナーと例えばシアントナーのみを用いた２色モードや、例えばイエロートナーのみを用いない３色モードであってもかまわない。その場合も上述の実施例で示したモノモードと同様に、画像形成に用いず現像ローラを感光ドラムに当接させていない画像形成部のクリーニングブレード鳴きを抑制することができる。

また、上述の実施例では、感光ドラムに形成されたトナー像を記録材に転写させる転写装置は、中間転写ベルトを利用するものとした。つまり、上述の実施例では、感光ドラムに形成されたトナー像を一旦中間転写ベルトに１次転写してから、中間転写ベルト上のトナー像を記録材に２次転写する転写装置を用いた。しかし、転写装置は中間転写体を用いたものに限定されるものではない。例えば、図９に示すように、中間転写ベルトの代わりに、記録材を搬送する記録材担持体としての静電搬送ベルト（ＥＴＢ）１５１を用いることも可能である。図９の画像形成装置において図１の画像形成装置のものと同一又は対応する機能、構成を有する要素には同一符号を付している。図９の画像形成装置１００の場合には、転写装置５は、静電搬送ベルト１５１によって搬送している紙などの記録材（記録媒体）Ｐに、直接、感光ドラム１からトナー像を転写する。このような画像形成装置１００においても、感光ドラム１から現像ローラ４１や静電搬送ベルト１５１が離間している状態がある閾値を超えて続いた場合に、感光ドラム１に静電搬送ベルト１５１を接触させればよい。これにより、感光ドラム１やクリーニングブレード７１の振動を抑え、ひいては異音の発生を抑えることができる。

１ 感光ドラム
４ 現像装置
５ 転写装置
７ クリーニング装置
８ 転写接離機構
９ 現像接離機構
１０ プロセスカートリッジ
４１ 現像ローラ
５１ 中間転写ベルト
５２ １次転写ローラ
７１ クリーニングブレード
１００ 画像形成装置
１１０ 制御部
Ｓ 画像形成部

Claims (15)

1. 回転可能な像担持体、前記像担持体に対し接離可能であり前記像担持体上に現像剤で画像を形成する現像装置、及び、前記像担持体に当接して配置され前記像担持体上から現像剤を除去するクリーニング部材、をそれぞれが有する複数の画像形成部と、
   前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体上に形成された画像を記録材に転写させる転写装置と、
   前記複数の画像形成部のうち少なくとも一つの画像形成部の前記像担持体に対して対応する前記現像装置を接離させる接離手段と、
   前記複数の画像形成部のうち少なくとも一つの画像形成部の前記像担持体と前記転写装置との接触圧を変更する変更手段と、
   を有し、
   前記複数の画像形成部のうち一部の画像形成のみで画像を形成しその他の画像形成部では画像を形成しないモードを実行可能であり、前記モードは、前記一部の画像形成部では前記像担持体に前記現像装置が当接し、前記その他の画像形成部では前記像担持体から前記現像装置が離間しかつ前記像担持体と前記転写装置との接触圧が前記一部の画像形成部よりも小さくされ、前記一部の画像形成部及び前記その他の画像形成部の前記像担持体が回転駆動された状態で実行される画像形成装置において、
   前記モードが所定の期間を超えて続いて実行された場合に、前記他の画像形成部における前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくさせる制御手段を有することを特徴とする画像形成装置。
2. 前記制御手段は、前記他の画像形成部における前記接触圧を前記小さくされた状態とするために、前記他の画像形成部の前記像担持体と前記転写装置とを離間させ、かつ、前記他の画像形成部の前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくするために、前記他の画像形成部の前記像担持体と前記転写装置とを接触させることを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記画像形成装置は、前記像担持体の使用量に関する情報を記憶する記憶手段を有し、
   前記制御手段は、前記モードにおける前記他の画像形成部の前記像担持体の使用量に関する情報が第１の閾値を超えた場合に、前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくさせることを特徴とする請求項１又は２に記載の画像形成装置。
4. 前記制御手段は、前記他の画像形成部の前記像担持体に前記現像装置が当接した状態で実行される別のモードにおける前記他の画像形成部の前記像担持体の使用量に関する情報が所定の第２の閾値を超えた場合に、前記記憶手段に記憶された前記モードにおける前記他の画像形成部の前記像担持体の使用量に関する情報をリセットすることを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
5. 前記像担持体の使用量に関する情報は、前記像担持体の回転数から算出されることを特徴とする請求項３又は４に記載の画像形成装置。
6. 前記画像形成装置は、該画像形成装置の使用環境を検知する環境検知手段を有し、
   前記制御手段は、前記環境検知手段により検知された使用環境に応じて前記第１の閾値を変化させることを特徴とする請求項３〜５のいずれか一項に記載の画像形成装置。
7. 前記制御手段は、前記環境検知手段により検知された温度が第１の温度の場合よりも、前記第１の温度よりも低い第２の温度の場合の方の、前記第１の閾値を小さくすることを特徴とすることを特徴とする請求項６に記載の画像形成装置。
8. 前記画像形成装置は、前記複数の画像形成部のうち少なくとも一つの画像形成部の前記現像装置の使用量に関する情報を検知する検知手段を有し、
   前記制御手段は、前記検知手段により検知された前記他の画像形成部の前記現像装置の使用量に関する情報に応じて前記第１の閾値を変化させることを特徴とする請求項３〜７のいずれか一項に記載の画像形成装置。
9. 前記制御手段は、前記他の画像形成部の前記現像装置の使用量に関する情報が示す該現像装置の使用量が第１の使用量の場合よりも、前記第１の使用量よりも大きい第２の使用量の場合の方の、前記第１の閾値を小さくすることを特徴とする請求項８に記載の画像形成装置。
10. 前記画像形成装置は、前記モードを複数の異なる前記像担持体の回転速度で実行することが可能であり、
    前記制御手段は、前記回転速度に応じて前記第１の閾値を変化させることを特徴とする請求項３〜９のいずれか一項に記載の画像形成装置。
11. 前記制御手段は、前記回転速度が第１の回転速度の場合よりも、前記第１の回転速度より遅い第２の回転速度の場合の方の、前記第１の閾値を小さくすることを特徴とする請求項１０に記載の画像形成装置。
12. 前記転写装置は、前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体からトナー像が転写されるか又は前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体からトナー像が転写される記録材を担持する無端状のベルトと、前記ベルトを介して前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体に対応して設けられた押圧部材と、を有し、
    前記変更手段は、前記押圧部材を前記像担持体に対し近づける方向及び遠ざける方向に移動させることで前記像担持体と前記ベルトとの接触圧を変更することを特徴とする請求項１〜１１のいずれか一項に記載の画像形成装置。
13. 前記押圧部材は、前記像担持体から前記ベルト又は前記ベルトに担持された記録材に画像を転写させる転写部材であることを特徴とする請求項１２に記載の画像形成装置。
14. 前記制御手段は、前記他の画像形成部における前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくすることを、前記一部の画像形成部の前記像担持体に形成された画像の前記転写を行っている期間を避けて行わせることを特徴とする請求項１〜１３のいずれか一項に記載の画像形成装置。
15. 前記画像形成装置は、前記複数の画像形成部のそれぞれの前記像担持体を帯電させる、前記複数の画像形成部のそれぞれに設けられた帯電手段と、前記複数の画像形成部のそれぞれの帯電させられた前記像担持体を露光して静電像を形成する露光手段と、を有し、
    前記制御手段は、前記他の画像形成部における前記接触圧を前記小さくされた状態よりも大きくすることを、前記一部の画像形成部の前記像担持体を前記露光手段により露光して静電像を形成している期間を避けて行わせることを特徴とする請求項１〜１４のいずれか一項に記載の画像形成装置。

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