JP2016100517A - ソレノイド - Google Patents
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Abstract
【課題】組立時のヨークの薄肉部の座屈を防止すると共に、磁気回路中のエアギャップをなくして吸引力を向上させたソレノイドを提供する。
【解決手段】ソレノイド10は、コイルユニット12と、コイルユニット12の内側に配置され狭窄部14aを有するヨーク14と、ヨーク14の一方の端部と平面部16aとが当接するように配置されたプレート16と、中央に開口が形成された底面部11aと筒状の側面部11bとを有し、ヨーク14の外周面と開口の内周面とが当接し、プレート16と側面部11bとが当接するように配置されたケース11と、を備えている。ソレノイド10は、コイルユニット12と、ヨーク14と、プレート16と、ケース11とによって囲まれた第1空間18に樹脂を充填して、コイルユニット12とヨーク14とをプレート16とケース11に対して固定したバインダ20を備えている。
【選択図】図2
【解決手段】ソレノイド10は、コイルユニット12と、コイルユニット12の内側に配置され狭窄部14aを有するヨーク14と、ヨーク14の一方の端部と平面部16aとが当接するように配置されたプレート16と、中央に開口が形成された底面部11aと筒状の側面部11bとを有し、ヨーク14の外周面と開口の内周面とが当接し、プレート16と側面部11bとが当接するように配置されたケース11と、を備えている。ソレノイド10は、コイルユニット12と、ヨーク14と、プレート16と、ケース11とによって囲まれた第1空間18に樹脂を充填して、コイルユニット12とヨーク14とをプレート16とケース11に対して固定したバインダ20を備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、ソレノイドに関する。
従前より、弁開閉時期制御装置の進角室及び遅角室への作動油の給排を制御するために、オイルコントロールバルブ(OCV)が使用されている。OCVは外周に溝や孔が形成された円筒形状のスプールを円筒形状のスリーブの内周側に挿入して軸方向に往復移動させることにより作動油の流動方向の切り換えや作動油の流通、遮断を行う。
通常、OCVにおけるスプールの往復移動は、ばねの付勢力とリニアソレノイドアクチュエータ(以下、単にソレノイドと称する)の駆動力により行われる。ばねの付勢力とソレノイドの駆動力は軸方向に沿って逆向きに作用するように構成されており、ソレノイドの駆動力が0のときはばねの付勢力によりスプールは一方端部に移動し、ソレノイドを駆動させたときは駆動力がばねの付勢力を上回り、スプールは他方端部に移動する。
OCVのスプールを駆動するソレノイドは、例えば特許文献1に示すような構成を備えている。特許文献1に開示された電磁調節装置(本願発明のソレノイドに相当)は、コイルホルダ(本願発明のボビンに相当)に巻回されたコイルからなるコイルユニットと、コイルユニットの内周側に配置されたヨークコアユニット(本願発明のヨークに相当)と、ヨークコアユニットの内周側に配置されたアーマチュア部(本願発明のプランジャに相当)と、ヨークコアユニットが当接するハウジングベース(本願発明のプレートに相当)とハウジングシェル(本願発明のケースに相当)とを備えている。
コイルに通電すると、発生した磁力線がハウジングシェル、ハウジングベース、ヨークコアユニット、アーマチュア部、ヨークコアユニットを通って磁気回路を形成し、アーマチュア部及びアーマチュア部と一体となったプランジャユニットが軸心方向に移動する。
特許文献1に開示された電磁調節装置においては、ヨークコアユニットの一部が外周面から径方向内側に向けて狭窄中間部(本願発明の狭窄部に相当)が形成されており、狭窄中間部の最も内径側の部分(以下、薄肉部分と称する)の肉厚は非常に薄くなっている。
ヨークコアユニットとハウジングシェルとの間の磁気抵抗を小さくするために、ヨークコアユニットは特許文献1の図1の左方からハウジングシェルに圧入されている。圧入完了の時点で、ヨークコアユニットの左端面はハウジングシェルの左端面と面一になっており、ヨークコアユニットの右端面はハウジングベースの左端面にエアギャップなく当接している。
しかし、現実に図1のようにヨークコアユニットをハウジングベースにエアギャップなく当接させることは非常に困難である。ヨークコアユニットをハウジングシェルに圧入するときは、通常、ハウジングシェルを固定した状態で、ヨークコアユニットの左端面がハウジングシェルの左端面と面一になるまでヨークコアユニットを押圧する。
量産時におけるヨークコアユニットの左右方向の長さは常に同じではなく、公差の範囲内でばらつきを有している。また、ハウジングシェルの左端面とハウジングベースの左端面との距離も部品の寸法公差と組立公差の範囲内でばらつきを有している。
よって、ハウジングシェルの左端面とハウジングベースの左端面の距離よりもヨークコアユニットの左端面から右端面までの長さが長ければ、押圧によりヨークコアユニットの左端面がハウジングシェルの左端面と面一になる前に、ヨークコアユニットの右端面がハウジングベースの左端面に当接してしまう。その状態で、面一になるまでヨークコアユニットを無理やり押圧すると、押圧力が薄肉部分の曲げ座屈荷重を超えてしまい、薄肉部分が座屈してヨークコアユニットが変形してしまうおそれがある。
逆に、ハウジングシェルの左端面とハウジングベースの左端面の距離よりもヨークコアユニットの左端面から右端面までの長さが短ければ、押圧によりヨークコアユニットの左端面がハウジングシェルの左端面と面一になるまで押圧しても、ヨークコアユニットの右端面とハウジングベースの左端面との間にはエアギャップが存在することになる。この結果、磁気回路におけるヨークコアユニットとハウジングベースとの間の磁気抵抗が高くなり、電磁調節装置の駆動効率が低下して吸引力が低下するおそれがある。
このような特許文献1に開示された電磁調節装置の課題を回避するために、本願出願人は、図8に示す構造のソレノイド210を発明した。このソレノイド210においては、プレート16の中央部に開口を設け、ヨーク14の外周面とプレート16の開口の内周面とが対向するように構成されている点で、電磁調節装置とは異なっている。そして、樹脂からなるカバー22の底面には凹部22aが形成されており、ヨーク14の上端面をケース11の上端面と面一になるまで押圧して圧入しても、ヨーク14の下端面が凹部22aの底面に接触しないように構成されている。それにより、ヨーク14の薄肉部分が座屈するのを防止している。
ソレノイド210においては、ヨーク14の外周面とプレート16の開口の内周面とを圧入により当接させる構成とすると、ヨーク14の押圧時に薄肉部が座屈して変形するおそれがあるので、ヨーク14の外周面とプレート16の開口の内周面との間にはわずかながらエアギャップが存在するように構成されている。そのため、磁気回路におけるヨーク14とプレート16との間の磁気抵抗が高くなり、ソレノイド210の駆動効率が低下して吸引力が低下するおそれがある。
上記問題に鑑み、本発明は、組立時のヨークの薄肉部の座屈を防止すると共に、磁気回路中のエアギャップをなくして吸引力を向上させたソレノイドを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るソレノイドの特徴構成は、絶縁体からなるボビンと絶縁被膜で被覆された銅線を前記ボビンに巻回して形成されたコイルとを有するコイルユニットと、前記コイルユニットの内周側の空間に配置され、外周面の全周に径方向内側に向けて形成された窪みである狭窄部を有する、磁性体からなる円筒形状のヨークと、平面部を有し、前記ヨークの一方の端部と前記平面部とが当接するように配置された、磁性体からなる円板形状のプレートと、中央に開口が形成された底面部と前記底面部から立設した筒状の側面部とを有し、前記ヨークの外周面と前記開口の内周面とが当接し、前記プレートと前記側面部とが当接するように配置された、磁性体からなるケースと、を備え、前記コイルユニットは、前記ヨークと前記プレートと前記ケースとに囲まれて形成された内部空間に収容されており、前記内部空間のうち、前記コイルユニットと、前記ヨークと、前記プレートと、前記ケースとによって囲まれた第1空間に樹脂を充填して、前記コイルユニットと前記ヨークとを前記プレートと前記ケースに対して固定したバインダを備える点にある。
このような特徴構成とすれば、ヨークとプレートとの間、ヨークとケースとの間、プレートとケースとの間はいずれも当接による接触のため隙間は0である。従って、コイルに通電したときに発生する磁力線が通る磁気回路のエアギャップがほぼ0になるので磁気抵抗を限りなく小さくすることが可能となる。このため、ソレノイドの駆動効率が向上し、吸引力は大きく向上する。また、バインダによりコイルユニットとヨークとをプレートとケースに対して固定しているので、ヨークをケースに対して圧入して固定する必要がない。その結果、ヨークをケースに挿入するときの押圧力が小さくて済むので、押圧力によって狭窄部の薄肉部分が座屈して変形するおそれもない。
本発明に係るソレノイドにおいては、前記ヨークは前記第1空間に繋がった溝を外周に有し、前記バインダを構成する樹脂が前記溝に充填されることにより、前記ヨークが前記プレートと前記ケースに対して固定されると好適である。
このような構成とすれば、バインダを構成する樹脂がヨークの溝にも充填されるので、ヨークはケースとプレートに対して更に強固に固定される。
本発明に係るソレノイドにおいては、前記空間のうち前記コイルユニットと前記狭窄部とによって囲まれて形成され且つ前記第1空間と連通した第2空間に、前記バインダを構成する樹脂が充填されていると好適である。
このような構成とすれば、樹脂が第2空間に充填されるので、コイルユニットとヨークが樹脂と接する面積は増大する。このため、コイルユニットとヨークとはケースとプレートに対して更に強固に固定される。
本発明に係るソレノイドにおいては、前記ヨークの内周に区画された空間に摺動可能に配置された、磁性体からなるプランジャをさらに備え、前記ヨークの内周面及び前記プランジャの外周面の少なくともいずれか一方に前記プランジャの摺動性を高めるコーティング剤が塗布されていると好適である。
このような構成とすれば、ヨークの面粗度が粗くても、プランジャは低摺動抵抗でヨークの内周側の空間を摺動することができる。このため、ヨークの内周面に対する研磨などによる表面処理が不要となり、安価にソレノイドを提供することができる。
以下、本発明に係るソレノイドの実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
1.第1実施形態
〔ソレノイドの構成〕
図1に示すように、第1実施形態に係るソレノイド10は、例えば自動車用エンジン(以下、単にエンジンと称する)の弁開閉時期制御装置30において作動油を進角室41及び遅角室42に給排するオイルコントロールバルブ(OCV)50に用いられる。
〔ソレノイドの構成〕
図1に示すように、第1実施形態に係るソレノイド10は、例えば自動車用エンジン(以下、単にエンジンと称する)の弁開閉時期制御装置30において作動油を進角室41及び遅角室42に給排するオイルコントロールバルブ(OCV)50に用いられる。
弁開閉時期制御装置30は、不図示のクランクシャフトと同期回転するハウジング31とハウジング31の内側でハウジング31の軸心Xと同軸心に配置され、カムシャフト60と一体回転する内部ロータ32とを備えている。
ハウジング31及び内部ロータ32は固定ボルト51によってカムシャフト60に固定されている。ハウジング31は、タイミングスプロケット33を一体的に備えている。ハウジング31の内側には内部ロータ32が収容され、ハウジング31と内部ロータ32との間に、流体圧室としての進角室41と遅角室42が形成されている。内部ロータ32には、進角室41に連通する進角流路43や遅角室42に連通する遅角流路44等が形成されている。
OCV50は、内部ロータ32の内側に軸心Xと同軸心に配置されている。OCV50は、ソレノイド10と、スリーブとしても機能する固定ボルト51と、固定ボルト51に内挿されたスプール52と、スプリング53とを備えている。これらの部品は、いずれも軸心Xと同軸心に配置されている。スプリング53はスプール52を固定ボルト51の頭部側(図1の左方)に向けて付勢する。OCV50は、印加する電圧の大きさを変えてソレノイド10の駆動力の大きさを変え、これによりスプリング53の付勢力に抗してスプール52の位置を変化させる。スプール52の位置により、OCV50を例えば、作動油を進角室41に供給し遅角室42から排出する進角モードと、作動油を進角室41から排出し遅角室42に供給する遅角モードと、作動油を進角室41と遅角室42に供給も排出もしない中立モードとに切り換える。進角室41と遅角室42に供給される作動油は、オイルパン70に貯留されており、エンジンの回転と同期して回転するオイルポンプ72により吸入、吐出され、進角流路43や遅角流路44を流通する。
ソレノイド10は、図2に示すように、ケース11と、コイルユニット12と、ヨーク14とプランジャ15と、プレート16と、シャフト17と、カバー22と、を備えている。以下の説明で、上下左右を用いて方向を説明する際は、図2における上下左右方向を基準にする。
ケース11は鉄等の磁性体からなり、上部中央に開口が形成された底面部11aと底面部11aから下方に向けて立設した筒状の側面部11bとを有する。コイルユニット12は、上下方向に延在する円状筒の両端にフランジが形成された形状で樹脂等の絶縁体からなるボビン12aと、ボビン12aの円状筒の外周に巻回された絶縁被膜で被覆された銅線からなるコイル12bとを有する。銅線の端部は不図示のコネクタに接続され、外部電源に接続されている。ボビン12aの上側のフランジの一部は底面部11aに当接している。ケース11もコイルユニット12も軸心Xと同軸心に配置されている。
図2に示すように、ヨーク14は鉄等の磁性体からなる円筒形状を有しており、ボビン12aの円状筒の内周側の空間に軸心Xと同軸心に配置されている。ヨーク14の上端近傍の外周面は底面部11aの開口の内周面と隙間なく接している。図3に示すように、ヨーク14の上下方向の中央近傍であって外周面の全周には、径方向内側に向かう窪みである狭窄部14aが形成されている。狭窄部14aのもっとも外径の小さい部分、すなわち、ヨーク14の径方向の肉厚が最も薄い部分が薄肉部分14bである(図2参照)。狭窄部14aは、コイル12bへの通電により発生した磁力線をプランジャ15に導くために設けられている。
また、ヨーク14には、図2に示すように、狭窄部14aよりも下方に、狭窄部14aの径方向の深さよりも浅い溝14cが全周に亘って形成されている。ヨーク14の上端近傍の内周面には、プランジャ15の移動を止める環状のストッパ21が嵌め込まれている。
プレート16は鉄等の磁性体からなり、中央に窪みを有する円板形状を有している。プレート16は、平面部16aがヨーク14の下端面と隙間なく当接した状態で、軸心Xと同軸心に配置されている。プレート16の外周面はケース11の側面部11bに圧入されている。これにより、プレート16はケース11に対して固定されている。
コイルユニット12はケース11とヨーク14とプレート16とに囲まれて形成された内部空間に収容されている。
プランジャ15は鉄等の磁性体からなり、ヨーク14の内周に区画された空間にあって、且つ、プレート16の窪みの中央部に形成された突出面16bに軸心Xと同軸心に載置されている。このとき、プランジャ15の上端面は、径方向に見たときに、ヨーク14の薄肉部分14bと重なる位置にある。プランジャ15の中央部には軸心Xに沿って軸心Xと同軸心の貫通孔が形成されており、そこにシャフト17が圧入されている。コイル12bへの通電のオンオフによって、プランジャ15とシャフト17とは一体となって軸心Xに沿って摺動する。図2は、コイル12bへの通電がなされていない状態を表している。
コイルユニット12が収容された内部空間のうち、ケース11と、コイルユニット12と、ヨーク14と、プレート16とによって囲まれた第1空間18には樹脂からなるバインダ20が備えられている。バインダ20は、溶融した樹脂をプレート16に形成された貫通孔16cを介して第1空間18に流し込んで充填した後、樹脂を硬化させることにより形成されている。これにより、コイルユニット12は、ケース11及びプレート16に対して固定される。
バインダ20の樹脂はヨーク14の溝14cにも充填されている。これにより、ヨーク14はケース11及びプレート16に対して固定される。
カバー22は樹脂等の絶縁体からなり、ケース11とプレート16とを覆うように取り付けられている。カバー22には弁開閉時期制御装置30が取り付けられるエンジンブロックに取り付けるための不図示のボルト孔が開けられている。
外部電源からコネクタを介してコイル12bに通電すると磁力線が発生する。発生した磁力線は磁気抵抗の低い磁性体の内部を通る。ソレノイド10においては、磁力線は主に磁性体からなるケース11、プレート16、ヨーク14の薄肉部分14bより下方の部分、プランジャ15、ヨーク14の薄肉部分14bより上方の部分を通る。この磁力線による電磁エネルギーにより、プランジャ15はより磁気抵抗の小さい状態になるように動く。具体的にはプランジャ15は図2の状態からストッパ21に当接するまで上方に移動する。これにより、シャフト17も上方に移動し、OCV50のスプール52をスプリング53の付勢力に抗して移動させることができる。
〔ソレノイドの組立方法〕
次に、ソレノイド10の組立方法について説明する。まず、ケース11にコイルユニット12を収容して、次にプレート16を圧入する。この状態では、コイルユニット12はケース11に対して固定されていない。その後、ケース11の底面部11aの開口からヨーク14をプレート16の平面部16aに当接するまで挿入する。このときヨーク14がボビン12aの円状筒の内周側の空間を通るようにする。ヨーク14の外径と底面部11aの開口の内径の大きさの差は0か、若しくは、薄肉部分14bが座屈しない軽圧入となる程度にヨーク14の外径を開口の内径よりもやや大きくしている。このため、挿入時にヨーク14には大きな押圧力は印加されず、薄肉部分14bが座屈することもない。
次に、ソレノイド10の組立方法について説明する。まず、ケース11にコイルユニット12を収容して、次にプレート16を圧入する。この状態では、コイルユニット12はケース11に対して固定されていない。その後、ケース11の底面部11aの開口からヨーク14をプレート16の平面部16aに当接するまで挿入する。このときヨーク14がボビン12aの円状筒の内周側の空間を通るようにする。ヨーク14の外径と底面部11aの開口の内径の大きさの差は0か、若しくは、薄肉部分14bが座屈しない軽圧入となる程度にヨーク14の外径を開口の内径よりもやや大きくしている。このため、挿入時にヨーク14には大きな押圧力は印加されず、薄肉部分14bが座屈することもない。
ヨーク14が挿入されてプレート16に当接した状態の中間組立品を図2の状態から上下を逆にして、すなわち、底面部11aが下になるようにして射出成形用金型にセットする。これにより、ボビン12aの上側のフランジの一部が底面部11aに当接する。そして、プレート16に設けられた貫通孔16cを介して、熱可塑性樹脂を第1空間18及び溝14cに充填する。樹脂の充填後、中間組立品を冷却して樹脂を硬化させる。これにより、コイルユニット12とヨーク14は、ケース11及びプレート16に対して固定される。
その後、シャフト17が圧入された状態のプランジャ15をヨーク14の内周に区画された空間に挿入し、ストッパ21を嵌め込む。最後に別途成形したカバー22をケース11とプレート16とを覆うように取り付けて、図2に示すようなソレノイド10が完成する。
本実施形態に係るソレノイド10であれば、ヨーク14とプレート16との間は当接による接触のため隙間は0であり、プレート16とケース11とは圧入されているので隙間は0であり、ケース11とヨーク14との間は隙間なし又は軽圧入による挿入のため隙間は0である。従って、コイル12bに通電したときに発生する磁力線が通る磁気回路のエアギャップがほぼ0になるので磁気抵抗を限りなく小さくすることが可能となる。このため、ソレノイド10の駆動効率が向上し、吸引力は大きく向上する。図4に示すように、図8に示す従来の構造のソレノイド210と図2に示す本実施形態の構造のソレノイド10とでは、ソレノイド10の方が明らかに吸引力が向上していることが理解される。
本実施形態において、コイルユニット12やケース11、ヨーク14、プレート16のうち、バインダ20の樹脂と接する箇所の面粗度を粗くすれば、バインダ20のコイルユニット12やケース11、ヨーク14、プレート16への食いつきをより高めることができ、コイルユニット12とヨーク14とをケース11及びプレート16に対してより強固に固定することができる。
2.第2実施形態
以下、本発明の第2実施形態に係るソレノイド110について図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、同様の構成に関する説明は省略する。本実施形態のソレノイド110においては、ヨーク140の形状が第1実施形態のヨーク14とは異なっており、それに伴い、バインダ20の樹脂が充填される範囲が異なっている。
以下、本発明の第2実施形態に係るソレノイド110について図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、同様の構成に関する説明は省略する。本実施形態のソレノイド110においては、ヨーク140の形状が第1実施形態のヨーク14とは異なっており、それに伴い、バインダ20の樹脂が充填される範囲が異なっている。
ソレノイド110のヨーク140は、図5、図6に示すように、溝14cから軸心Xの方向に狭窄部14aまで延在する4本の連通溝142が形成されている。このような連通溝142を設けると、第1空間18に樹脂を充填するときに、樹脂は同時に連通溝142を通り、コイルユニット12のボビン12aと狭窄部14aとによって囲まれて形成される第2空間180にも充填される。このように、第1空間18以外に第2空間180にも樹脂を充填することにより、コイルユニット12とヨーク140が樹脂と接触する面積がより大きくなり、コイルユニット12とヨーク14は、ケース11及びプレート16に対してより強固に固定される。なお、本実施形態においては、連通溝142は4本設けたが、これより多くても少なくてもよい。充填する樹脂の粘度や充填時間に合わせて適切な本数の連通溝142を形成することができる。
図7に示すように、ヨーク140の内周面にはプランジャ15の摺動性を良好にするコーティング剤144が塗布されている。コーティング剤144はヨーク140の内周面の凹凸に倣って塗布されるが、コーティング剤144自体の性質により、ヨーク140の内周面の面粗度が大きくてもプランジャ15の摺動時の摺動抵抗を小さくすることができる。これにより、ヨーク140の内周面に対する研磨などによる表面処理が不要となり、安価にソレノイド110を提供することができる。
コーティング剤144は第1実施形態のヨーク14の内周面に塗布してもよい。また、コーティング剤144はヨーク14、140に替えて又はヨーク14、140と共にプランジャ15に塗布してもよい。
上記各実施形態においては、プレート16の外周面はケース11の側面部11bに圧入されていたが、これだけに限られるものではない。例えば、ケース11の側面部11bに下方に突出した複数の突起を設け、該突起をプレート16に設けた孔に圧入してもよい。また、圧入ではなく溶接等の方法によりケース11とプレート16とを接合してもよい。ケース11とプレート16の間の磁気抵抗を小さくできるのであれば、任意の方法によりケース11とプレート16とを接合することができる。
本発明は、ソレノイドに利用することが可能である。
10、110 ソレノイド
11 ケース
11a 底面部
11b 側面部
12 コイルユニット
12a ボビン
12b コイル
14、140 ヨーク
14a 狭窄部
14c 溝
15 プランジャ
16 プレート
16a 平面部
18 第1空間
20 バインダ
144 コーティング剤
180 第2空間
11 ケース
11a 底面部
11b 側面部
12 コイルユニット
12a ボビン
12b コイル
14、140 ヨーク
14a 狭窄部
14c 溝
15 プランジャ
16 プレート
16a 平面部
18 第1空間
20 バインダ
144 コーティング剤
180 第2空間
Claims (4)
- 絶縁体からなるボビンと絶縁被膜で被覆された銅線を前記ボビンに巻回して形成されたコイルとを有するコイルユニットと、
前記コイルユニットの内周側の空間に配置され、外周面の全周に径方向内側に向けて形成された窪みである狭窄部を有する、磁性体からなる円筒形状のヨークと、
平面部を有し、前記ヨークの一方の端部と前記平面部とが当接するように配置された、磁性体からなる円板形状のプレートと、
中央に開口が形成された底面部と前記底面部から立設した筒状の側面部とを有し、前記ヨークの外周面と前記開口の内周面とが当接し、前記プレートと前記側面部とが当接するように配置された、磁性体からなるケースと、を備え、
前記コイルユニットは、前記ヨークと前記プレートと前記ケースとに囲まれて形成された内部空間に収容されており、
前記内部空間のうち、前記コイルユニットと、前記ヨークと、前記プレートと、前記ケースとによって囲まれた第1空間に樹脂を充填して、前記コイルユニットと前記ヨークとを前記プレートと前記ケースに対して固定したバインダを備えるソレノイド。 - 前記ヨークは前記第1空間に繋がった溝を外周に有し、
前記バインダを構成する樹脂が前記溝に充填されることにより、前記ヨークが前記プレートと前記ケースに対して固定される、請求項1に記載のソレノイド。 - 前記空間のうち前記コイルユニットと前記狭窄部とによって囲まれて形成され且つ前記第1空間と連通した第2空間に、前記バインダを構成する樹脂が充填されている、請求項1又は2に記載のソレノイド。
- 前記ヨークの内周に区画された空間に摺動可能に配置された、磁性体からなるプランジャをさらに備え、
前記ヨークの内周面及び前記プランジャの外周面の少なくともいずれか一方に前記プランジャの摺動性を高めるコーティング剤が塗布されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のソレノイド。
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