実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
また、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、発明の理解を容易とするため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。例えば、実際の製造工程において、エッチングなどの処理によりレジストマスクなどが意図せずに目減りすることがあるが、理解を容易とするために省略して示すことがある。
また、上面図(「平面図」ともいう)や斜視図などにおいて、図面をわかりやすくするために、一部の構成要素の記載を省略する場合がある。
また、本明細書等において「電極」や「配線」の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」の用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、ソース及びドレインの機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合など、動作条件などによって互いに入れ替わるため、いずれがソースまたはドレインであるかを限定することが困難である。このため、本明細書においては、ソース及びドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
また、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。よって、「電気的に接続する」と表現される場合であっても、現実の回路においては、物理的な接続部分がなく、配線が延在しているだけの場合もある。
また、本明細書などにおいて、「平行」とは、例えば、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」及び「直交」とは、例えば、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
なお、本明細書などにおいて、計数値および計量値に関して「同一」、「同じ」、「等しい」または「均一」などと言う場合は、明示されている場合を除き、誤差としてプラスマイナス20%の変動を含むものとする。
また、本明細書において、リソグラフィ工程を行った後にエッチング工程を行う場合は、特段の説明がない限り、リソグラフィ工程で形成したレジストマスクは、エッチング工程終了後に除去するものとする。
また、電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND電位)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。
なお、半導体の不純物とは、例えば、半導体を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物と言える。不純物が含まれることにより、例えば、半導体のDOS(Density of State)が高くなることや、キャリア移動度が低下することや、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、および酸化物半導体の主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。酸化物半導体の場合、例えば水素などの不純物の混入によって酸素欠損を形成する場合がある。また、半導体がシリコンである場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、工程順または積層順など、なんらかの順番や順位を示すものではない。また、本明細書等において序数詞が付されていない用語であっても、構成要素の混同を避けるため、特許請求の範囲において序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲において異なる序数詞が付される場合がある。また、本明細書等において序数詞が付されている用語であっても、特許請求の範囲などにおいて序数詞を省略する場合がある。
なお、「チャネル長」とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域、またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。すなわち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、本明細書等において、トランジスタの「オン状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に短絡しているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「オフ状態」とは、トランジスタのソースとドレインが電気的に遮断しているとみなせる状態をいう。
また、本明細書等において、「オン電流」とは、トランジスタがオン状態の時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。また、「オフ電流」とは、トランジスタがオフ状態である時にソースとドレイン間に流れる電流をいう場合がある。
また、トランジスタのオフ電流は、ゲートとソース間の電圧(以下、「Vgs」ともいう。)に依存する場合がある。従って、トランジスタのオフ電流がI以下である、とは、トランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在することを言う場合がある。また、トランジスタのオフ電流とは、所定のVgs、所定の電圧範囲内のVgs等における電流値を指す場合がある。
一例として、しきい値電圧Vthが0.5Vであり、Vgsが0.5Vにおけるソースとドレイン間に流れる電流(以下、「Ids」ともいう。)が1×10−9Aであり、Vgsが0.1VにおけるIdsが1×10−13Aであり、Vgsが−0.5VにおけるIdsが1×10−19Aであり、Vgsが−0.8VにおけるIdsが1×10−22Aであるようなnチャネル型トランジスタを想定する。当該トランジスタのIdsは、Vgsが−0.5Vにおいて、または、Vgsが−0.5V乃至−0.8Vの範囲において、1×10−19A以下であるから、当該トランジスタのオフ電流は1×10−19A以下である、と言う場合がある。当該トランジスタのドレイン電流が1×10−22A以下となるVgsが存在するため、当該トランジスタのオフ電流は1×10−22A以下である、と言う場合がある。
また、トランジスタのオフ電流は、温度に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、室温、60℃、85℃、95℃、または125℃におけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)におけるオフ電流、を表す場合がある。室温、60℃、85℃、95℃、125℃、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証される温度、または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等が使用される温度(例えば、5℃乃至35℃のいずれか一の温度)、におけるトランジスタのオフ電流がI以下となるVgsの値が存在するときに、トランジスタのオフ電流がI以下である、と言う場合がある。
トランジスタのオフ電流は、ドレインとソースの間の電圧(以下、「Vds」ともいう。)に依存する場合がある。本明細書において、オフ電流は、特に記載がない場合、Vdsの絶対値が0.1V、0.8V、1V、1.2V、1.8V、2.5V、3V、3.3V、10V、12V、16V、または20Vにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等の信頼性が保証されるVdsにおけるオフ電流を表す場合がある。または、当該トランジスタが含まれる半導体装置等で使用されるVdsにおけるオフ電流を表す場合がある。
また、「チャネル幅」とは、例えば、半導体とゲート電極とが重なる領域、またはトランジスタがオン状態のときに半導体の中で電流の流れる部分、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。すなわち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ)と、が異なる場合がある。例えば、ゲート電極が半導体の側面を覆う場合、実効的なチャネル幅が、見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつゲート電極が半導体の側面を覆うトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、見かけ上のチャネル幅よりも、実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
このような場合、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
(実施の形態1)
本発明の一態様の表示装置100の構成例について、図1乃至図7を用いて説明する。なお、本明細書に開示する表示装置100は、表示素子として発光素子を用いた表示装置を例示する。また、本発明の一態様の表示装置100として、トップエミッション構造(上面射出構造)の表示装置を例示する。ただし、本発明の一態様の表示装置100は、ボトムエミッション構造(下面射出構造)、またはデュアルエミッション構造(両面射出構造)の表示装置とすることも可能である。
<表示装置の構成>
図1は、外部電極124が接続され、かつ、層147に覆われた表示装置100の斜視図である。また、図2(A)は、表示装置100の平面図である。図2(B)は、図2(A)にV1−V2の一点鎖線で示す部位の断面図である。図2(C)は、図2(A)にH1−H2の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図3は、図1にA1−A2の一点鎖線で示す部位の詳細な断面図である。なお、図3は、図2(C)に示した断面の一部をより詳細に説明するための図である。
本実施の形態に示す表示装置100は、表示領域131、回路132、および回路133を有する。また、表示装置100は、電極115、EL層117、電極118を含む発光素子125と、端子電極216を有する。発光素子125は、表示領域131中に複数形成されている。また、各発光素子125には、発光素子125の発光量を制御するトランジスタ232が接続されている。
端子電極216は、異方性導電接続層123を介して外部電極124と電気的に接続されている。また、端子電極216の一部は回路132と電気的に接続され、端子電極216の他の一部は回路133と電気的に接続されている。
回路132および回路133は、複数のトランジスタ252により構成されている。回路132および回路133は、外部電極124を介して供給された信号を、表示領域131中のどの発光素子125に供給するかを決定する機能を有する。
トランジスタ232およびトランジスタ252は、ゲート電極206、ゲート絶縁層207、半導体層208、ソース電極209a、ドレイン電極209bを有する。また、ソース電極209a、およびドレイン電極209bと同じ層に、配線219が形成されている。また、トランジスタ232およびトランジスタ252上に絶縁層210が形成され、絶縁層210上に絶縁層211が形成されている。また、電極115が絶縁層211上に形成されている。電極115は、絶縁層210および絶縁層211に形成された開口を介してドレイン電極209bに電気的に接続されている。また、電極115上に隔壁114が形成され、電極115および隔壁114上に、EL層117および電極118が形成されている。
また、表示装置100は、接着層120を介して基板111と基板121が貼り合わされた構造を有する。
また、基板111の一方の面には、接着層112を介して絶縁層205が形成されている。また、基板121の一方の面には、接着層142を介して絶縁層145が形成され、絶縁層145を介して遮光層264が形成されている。また、基板121の一方の面には、絶縁層145を介して着色層266、オーバーコート層268が形成されている。
絶縁層205は下地層として機能し、基板111や接着層112などから、トランジスタや発光素子への水分や不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。絶縁層145は下地層として機能し、基板121や接着層142などから、トランジスタや発光素子への水分や不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。
絶縁層205及び絶縁層145は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウム等を、単層または多層で形成するのが好ましい。絶縁層205及び絶縁層145は、スパッタリング法やCVD法、熱酸化法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能である。
基板111および基板121としては、有機樹脂材料などの可撓性を有する材料などを用いることができる。表示装置100をボトムエミッション構造の表示装置、またはデュアルエミッション構造の表示装置とする場合には、基板111としてEL層117から射出される光を透過できる材料を用いる。また、表示装置100をトップエミッション構造の表示装置、またはデュアルエミッション構造の表示装置とする場合には、基板121としてEL層117から射出される光を透過できる材料を用いる。
また、基板111および基板121として用いる材料の機械的強度が低すぎる場合、表示装置100の作製時に基板が変形しやすくなるため、歩留まりの低下など、生産性低下の一因となる。一方で、基板111および基板121として用いる材料の機械的強度が高すぎる場合は、表示装置が屈曲しにくくなってしまう。材料の機械的強度を表す指標の一つにヤング率がある。基板111および基板121に好適な材料のヤング率は、1GPa(1×109Pa)以上100GPa(100×109Pa)以下、好ましくは2GPa以上50GPa以下、より好ましくは2GPa以上20GPa以下である。なお、ヤング率の測定は、ISO527、JISK7161、JISK7162、JISK7127、ASTMD638、ASTMD882などを参考にして行うことができる。
基板111および基板121の厚さは、5μm以上100μm以下が好ましく、10μm以上50μm以下がより好ましい。また、基板111または基板121の一方、もしくは両方を、複数の層を含む積層基板としてもよい。
基板111および基板121は、互いに同じ材料で同じ厚さとすることが好ましい。ただし、目的に応じて、互いに異なる材料や、異なる厚さとしてもよい。
基板111および基板121に用いることができる、可撓性及び可視光に対する透光性を有する材料の一例としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などがある。また、光を透過させる必要がない場合には、非透光性の基板を用いてもよい。例えば、基板121または基板111として、アルミニウムなどを用いてもよい。
また、基板121および基板111の熱膨張係数は、好ましくは30ppm/K以下、さらに好ましくは10ppm/K以下とする。また、基板121および基板111の表面に、予め窒化シリコンや酸化窒化シリコン等の窒素と珪素を含む膜や窒化アルミニウム等の窒素とアルミニウムを含む膜のような透水性の低い保護膜を成膜しておいても良い。なお、基板121および基板111として、繊維体に有機樹脂が含浸された構造物(所謂、プリプレグとも言う)を用いてもよい。
このような基板を用いることにより、割れにくい表示装置を提供することができる。または、軽量な表示装置を提供することができる。または、屈曲しやすい表示装置を提供することができる。
層147として、基板111及び基板121よりも柔らかい材料を用いる。例えば、層147として、基板111よりもヤング率が小さい材料を用いる。
層147に用いる材料のヤング率は、基板111及び基板121に用いる材料のヤング率の50分の1以下が好ましく、100分の1以下がより好ましく、500分の1以下がさらに好ましい。
層147に用いることができる材料の一例として、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの粘弾性を有する高分子材料がある。また、層147に用いる材料は、透光性を有する材料であることが好ましい。
また、ヤング率の小さい材料はヤング率の大きい材料よりも変形しやすいため、変形時に生じる内部応力が分散しやすい。よって、層147として、基板111及び基板121よりもヤング率の小さい材料を用いることで、屈曲時に基板111及び基板121に生じる局在的な応力を緩和し、基板111及び基板121の破損を防ぐことができる。また、層147は、外部からの物理的な圧迫や衝撃を分散する緩衝材としても機能できる。
また、層147を有することにより、屈曲部の最小曲率半径が層147の厚さよりも小さくなることを防ぐことができる。よって、過剰に小さい曲率半径で屈曲することに起因する基板111または基板121の破損を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、表示装置100を折り曲げる際に、屈曲部の最小曲率半径が1mm以下であっても、表示装置100の破損を防ぐことができる。
なお、層147の厚さは、基板111及び基板121の2倍以上100倍以下が好ましく、5倍以上50倍以下がより好ましい。基板111及び基板121よりも層147を厚くすることで、応力緩和や緩衝材としての効果を良好なものとすることができる。
また、表示装置の用途によっては、層147を複数の層を有する積層構造としてもよい。
また、基板111側に形成される層147の厚さt1と、基板121側に形成される層147の厚さt2は、それぞれが同じ厚さとすることが好ましい。厚さt1と厚さt2を同じ厚さにすると、表示装置100を中立面に配置することができる。表示装置100を中立面に配置することで、屈曲部の層147に生じる圧縮応力または引っ張り応力に起因する表示装置100へのダメージを低減することができる。よって、より信頼性の高い表示装置を実現することができる。
本発明の一態様によれば、外部からの衝撃に強く、破損しにくい表示装置を実現することができる。
本発明の一態様によれば、屈曲と伸長が繰り返し行われても破損しにくく、信頼性の高い表示装置を実現することができる。
また、基板111及び基板121の端部(側面)を層147で覆うことにより、該端部からの水分などの不純物の侵入を防ぐことができる。このため、表示装置100の額縁を小さくしても、信頼性及び表示品位が良好な表示装置100を実現することができる。よって、本発明の一態様によれば、表示装置100の生産性や、設計自由度などを高めることができる。また、本発明の一態様の表示装置を用いた半導体装置の生産性や、設計自由度などを高めることができる。
<画素回路構成例>
次に、図4を用いて、表示装置100のより具体的な構成例について説明する。図4(A)は、表示装置100の構成を説明するためのブロック図である。表示装置100は、表示領域131、回路132、および回路133を有する。回路132は、例えば走査線駆動回路として機能する。また、回路133は、例えば信号線駆動回路として機能する。
また、表示装置100は、各々が略平行に配設され、且つ、回路132によって電位が制御されるm本の走査線135と、各々が略平行に配設され、且つ、回路133によって電位が制御されるn本の信号線136と、を有する。さらに、表示領域131はm行n列のマトリクス状に配設された複数の画素130を有する。なお、m、nは、ともに2以上の自然数である。
表示領域131において、各走査線135は、画素130のうち、いずれかの行に配設されたn個の画素130と電気的に接続される。また、各信号線136は、画素130のうち、いずれかの列に配設されたm個の画素130に電気的に接続される。
また、図5(A)に示すように、表示領域131を挟んで回路132と向き合う位置に、回路152を設けてもよい。また、図5(B)に示すように、表示領域131を挟んで回路133と向き合う位置に、回路153を設けてもよい。図5(A)及び図5(B)では、各走査線135が回路152と回路132に接続される例を示している。ただし、これに限らず、例えば、各走査線135が回路132と回路152のどちらか一方に接続されていてもよい。図5(B)では、各信号線136が回路153と回路133に接続される例を示している。ただし、これに限らず、例えば、各信号線136が回路133と回路153のどちらか一方に接続されていてもよい。また、回路132、回路133、回路152及び回路153は、画素130を駆動する以外の機能を有していてもよい。
また、回路132、回路133、回路152及び回路153を、駆動回路部という場合がある。画素130は、画素回路137及び表示素子を有する。画素回路137は表示素子を駆動する回路である。駆動回路部が有するトランジスタは、画素回路137を構成するトランジスタと同時に形成することができる。また、駆動回路部の一部または全部を他の基板上に形成して、表示装置100と電気的に接続してもよい。例えば、駆動回路部の一部または全部を単結晶基板を用いて形成し、表示装置100と電気的に接続してもよい。
図4(B)および図4(C)は、図4(A)に示す表示装置の画素130に用いることができる回路構成を示している。
〔発光表示装置用画素回路の一例〕
また、図4(B)に示す画素回路137は、トランジスタ431と、容量素子233と、トランジスタ232と、トランジスタ434と、を有する。また、画素回路137は、表示素子として機能できる発光素子125と電気的に接続されている。
トランジスタ431のソース電極およびドレイン電極の一方は、データ信号が与えられるn列目の信号線136(以下、信号線DL_nという)に電気的に接続される。さらに、トランジスタ431のゲート電極は、ゲート信号が与えられるm行目の走査線135(以下、走査線GL_mという)に電気的に接続される。
トランジスタ431は、データ信号のノード435への書き込みを制御する機能を有する。
容量素子233の一対の電極の一方は、ノード435に電気的に接続され、他方は、ノード437に電気的に接続される。また、トランジスタ431のソース電極およびドレイン電極の他方は、ノード435に電気的に接続される。
容量素子233は、ノード435に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
トランジスタ232のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線VL_aに電気的に接続され、他方はノード437に電気的に接続される。さらに、トランジスタ232のゲート電極は、ノード435に電気的に接続される。
トランジスタ434のソース電極およびドレイン電極の一方は、電位供給線V0に電気的に接続され、他方はノード437に電気的に接続される。さらに、トランジスタ434のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。
発光素子125のアノードおよびカソードの一方は、電位供給線VL_bに電気的に接続され、他方は、ノード437に電気的に接続される。
発光素子125としては、例えば有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子ともいう)などを用いることができる。ただし、これに限定されず、例えば無機材料からなる無機EL素子を用いても良い。
なお、電源電位としては、例えば相対的に高電位側の電位または低電位側の電位を用いることができる。高電位側の電源電位を高電源電位(「VDD」ともいう)といい、低電位側の電源電位を低電源電位(「VSS」ともいう)という。また、接地電位を高電源電位または低電源電位として用いることもできる。例えば高電源電位が接地電位の場合には、低電源電位は接地電位より低い電位であり、低電源電位が接地電位の場合には、高電源電位は接地電位より高い電位である。
例えば、電位供給線VL_aはVDDを供給する機能を有する。また、電位供給線VL_bはVSSを供給する機能を有する。また、電位供給線V0はVSSを供給する機能を有する。
ここで、図4(B)の画素回路137を有する表示装置の動作例について説明しておく。まず、回路132により画素回路137を行毎に選択し、トランジスタ431をオン状態にしてデータ信号(電位)をノード435に書き込む。同時に、トランジスタ434をオン状態にしてノード437の電位をVSSとする。
その後、トランジスタ431をオフ状態としてノード435に書き込まれたデータ信号を保持する。同時に、トランジスタ434もオフ状態となる。トランジスタ232のソースとドレインの間に流れる電流量は、ノード435に書き込まれたデータ信号に応じて決まる。よって、発光素子125は、流れる電流量に応じた輝度で発光する。これを行毎に順次行うことにより、画像を表示できる。
〔液晶表示装置用画素回路の一例〕
図4(C)に示す画素回路137は、トランジスタ431と、容量素子233と、を有する。また、画素回路137は、表示素子として機能できる液晶素子432と電気的に接続されている。
液晶素子432の一対の電極の一方の電位は、画素回路137の仕様に応じて適宜設定される。例えば、液晶素子432の一対の電極の一方に、共通の電位(コモン電位)を与えてもよい。液晶素子432に含まれる液晶は、ノード436に書き込まれるデータにより配向状態が設定される。
液晶素子432のモードとしては、例えば、TNモード、STNモード、VAモード、ASM(Axially Symmetric Aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、MVAモード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、IPSモード、FFSモード、またはTBA(Transverse Bend Alignment)モードなどを用いてもよい。また、他の例として、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどがある。ただし、これに限定されず、様々なモードを用いることができる。
また、ブルー相(Blue Phase)を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物により液晶素子432を構成してもよい。ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため、配向処理が不要であり、かつ視野角依存性が小さい。
m行n列目の画素回路137において、トランジスタ431のソース電極およびドレイン電極の一方は、信号線DL_nに電気的に接続され、他方はノード436に電気的に接続される。トランジスタ431のゲート電極は、走査線GL_mに電気的に接続される。トランジスタ431は、ノード436へのデータ信号の書き込みを制御する機能を有する。
容量素子233の一対の電極の一方は、特定の電位が供給される配線(以下、容量線CL)に電気的に接続され、他方は、ノード436に電気的に接続される。また、液晶素子432の一対の電極の他方はノード436に電気的に接続される。なお、容量線CLの電位の値は、画素回路137の仕様に応じて適宜設定される。容量素子233は、ノード436に書き込まれたデータを保持する保持容量としての機能を有する。
ここで、図4(C)の画素回路137を有する表示装置の動作例について説明しておく。まず、回路132により画素回路137を行毎に選択し、トランジスタ431をオン状態にしてノード436にデータ信号を書き込む。
次に、トランジスタ431をオフ状態としてノード436に書き込まれたデータ信号を保持する。ノード436に書き込まれたデータ信号に応じて、液晶素子432の透過光量が決まる。これを行毎に順次行うことにより、表示領域131に画像を表示できる。
〔表示素子〕
本発明の一態様の表示装置は、様々な形態を用いること、または様々な表示素子を有することが出来る。例えば、EL(エレクトロルミネッセンス)素子(有機物及び無機物を含むEL素子、有機EL素子、無機EL素子)、LED(白色LED、赤色LED、緑色LED、青色LEDなど)、トランジスタ(電流に応じて発光するトランジスタ)、電子放出素子、液晶素子、電子インク、電気泳動素子、グレーティングライトバルブ(GLV)、プラズマディスプレイ(PDP)、MEMS(マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム)を用いた表示素子、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、DMS(デジタル・マイクロ・シャッター)、MIRASOL(登録商標)、IMOD(インターフェアレンス・モジュレーション)素子、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子、エレクトロウェッティング素子、圧電セラミックディスプレイ、カーボンナノチューブを用いた表示素子などの少なくとも一つを有することができる。これらの他にも、電気的または磁気的作用により、コントラスト、輝度、反射率、透過率などが変化する表示媒体を有していてもよい。また、表示素子として量子ドットを用いてもよい。EL素子を用いた表示装置の一例としては、ELディスプレイなどがある。電子放出素子を用いた表示装置の一例としては、フィールドエミッションディスプレイ(FED)又はSED方式平面型ディスプレイ(SED:Surface−conduction Electron−emitter Display)などがある。量子ドットを用いた表示装置の一例としては、量子ドットディスプレイなどがある。液晶素子を用いた表示装置の一例としては、液晶ディスプレイ(透過型液晶ディスプレイ、半透過型液晶ディスプレイ、反射型液晶ディスプレイ、直視型液晶ディスプレイ、投射型液晶ディスプレイ)などがある。電子インク、電子粉流体(登録商標)、又は電気泳動素子を用いた表示装置の一例としては、電子ペーパーなどがある。なお、半透過型液晶ディスプレイや反射型液晶ディスプレイを実現する場合には、画素電極の一部、または、全部が、反射電極としての機能を有するようにすればよい。例えば、画素電極の一部、または、全部が、アルミニウム、銀、などを有するようにすればよい。さらに、その場合、反射電極の下に、SRAMなどの記憶回路を設けることも可能である。これにより、さらに、消費電力を低減することができる。
なお、LEDを用いる場合、LEDの電極や窒化物半導体の下に、グラフェンやグラファイトを配置してもよい。グラフェンやグラファイトは、複数の層を重ねて、多層膜としてもよい。このように、グラフェンやグラファイトを設けることにより、その上に、窒化物半導体、例えば、結晶を有するn型GaN半導体層などを容易に成膜することができる。さらに、その上に、結晶を有するp型GaN半導体層などを設けて、LEDを構成することができる。なお、グラフェンやグラファイトと、結晶を有するn型GaN半導体層との間に、AlN層を設けてもよい。なお、LEDが有するGaN半導体層は、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)で成膜してもよい。ただし、グラフェンを設けることにより、LEDが有するGaN半導体層は、スパッタ法で成膜することも可能である。
<カラー表示を実現するための画素構成例>
ここで、カラー表示を実現するための画素構成の一例を、図6を用いて説明しておく。図6(A)、図6(B)、図7(A)、および図7(B)は、図1の表示領域131中に示した領域170を拡大した平面図である。例えば、図6(A)に示すように、3つの画素130をそれぞれ副画素として機能させて、3つまとめて1つの画素140として用いる。3つの画素130それぞれに対応する着色層266を、赤、緑、青、とすることで、フルカラー表示を実現することができる。なお、図6(A)では、赤色の光を発する画素130を画素130Rと示し、緑色の光を発する画素130を画素130Gと示し、青色の光を発する画素130を画素130Bと示している。また、着色層266の色は、赤、緑、青、以外であってもよく、例えば、黄、シアン、マゼンダなどを用いてもよい。
また、図6(B)に示すように、4つの画素130を副画素として機能させて、まとめて1つの画素140として用いてもよい。例えば、4つの画素130それぞれに対応する着色層266を、赤、緑、青、黄としてもよい。なお、図6(B)では、赤色の光を発する画素130を画素130Rと示し、緑色の光を発する画素130を画素130Gと示し、青色の光を発する画素130を画素130Bと示し、黄色の光を発する画素130を画素130Yと示している。1つの画素140に含まれる副画素(画素130)の数を増やすことで、再現できる色域を広げることができる。よって、表示装置の表示品位を高めることができる。
また、4つの画素130それぞれに対応する着色層266を、赤、緑、青、白としてもよい(図6(B)参照)。白の光を発する画素130(画素130W)を設けることで、表示領域の発光輝度を高めることができる。なお、白の光を発する画素130Wを設ける場合は、画素130Wに対応する着色層266は設けなくてもよい。画素130Wに対応する着色層266を設けないことで、着色層266透過時の輝度低下がなくなるため、表示領域の発光輝度をより高めることができる。また、表示装置の消費電力を低減することができる。一方で、画素130Wに対応する白の着色層266を設けることにより、白色光の色温度を制御することができる。よって、表示装置の表示品位を高めることができる。また、表示装置の用途によっては、2つの画素130を副画素として機能させて、まとめて1つの画素140として用いてもよい。
また、4つの画素130をまとめて一つの画素140を構成する場合は、図7(B)に示すように、4つの画素130をマトリクス状に配置してもよい。また、4つの画素130をまとめて一つの画素140を構成する場合は、画素130Yや画素130Wに代えてシアン、マゼンダなどの光を発する画素を用いてもよい。また、画素140内に、同じ色を発する画素130を複数設けてもよい。
なお、画素140に含まれる画素130それぞれの占有面積や形状などは、それぞれ同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよい。また、配列方法として、ストライプ配列やマトリクス配列以外の方法でもよい。例えば、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などを適用することもできる。ペンタイル配列を適用した場合の一例を、図7(A)に示す。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、表示装置全体が、層147に覆われた場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、表示装置が、層147に覆われていない領域を有していてもよい。あるいは、例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、表示装置が、層147に覆われていなくてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、表示装置100の作製方法の一例について、図8乃至図24を用いて説明する。なお、図8、図9、図11乃至図14、および図20乃至図23は、図15(A)中のA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面に相当する。
<表示装置の作製方法例>
〔剥離層を形成する〕
まず、基板101上に剥離層113を形成する(図8(A)参照。)。なお、基板101としては、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、セラミック基板、金属基板などを用いることができる。また、本実施の形態の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている。なお、酸化バリウム(BaO)を多く含ませることで、より実用的な耐熱ガラスが得られる。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。
剥離層113は、タングステン、モリブデン、チタン、タンタル、ニオブ、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、シリコンから選択された元素、または該元素を含む合金材料、または該元素を含む化合物材料を用いて形成することができる。また、これらの材料を単層又は積層して形成することができる。なお、剥離層113の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。また、剥離層113を、酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはInGaZnO(IGZO)等の金属酸化物を用いて形成することもできる。
剥離層113は、スパッタリング法やCVD法、塗布法、印刷法等により形成できる。なお、塗布法はスピンコーティング法、液滴吐出法、ディスペンス法を含む。
剥離層113を単層で形成する場合、タングステンまたはモリブデンの少なくとも一方を含む材料を用いることが好ましい。または、剥離層113を単層で形成する場合、タングステンの酸化物若しくはタングステンの酸化窒化物、モリブデンの酸化物若しくはモリブデンの酸化窒化物、またはタングステンとモリブデンを含む材料の酸化物若しくは酸化窒化物を用いることが好ましい。
また、剥離層113として、例えば、タングステンを含む層とタングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステンを含む層に接して酸化物絶縁層を形成することで、タングステンを含む層と酸化物絶縁層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。また、タングステンを含む層の表面を、熱酸化処理、酸素プラズマ処理、オゾン水等の酸化力の強い溶液での処理等を行ってタングステンの酸化物を含む層を形成してもよい。
本実施の形態では、基板101としてガラス基板を用いる。また、剥離層113として基板101上にスパッタリング法によりタングステン層を形成する。
〔絶縁層を形成する〕
次に、剥離層113上に下地層として絶縁層205を形成する(図8(A)参照。)。絶縁層205は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化アルミニウム等を、単層または多層で形成するのが好ましい。例えば、絶縁層205を、酸化シリコンと窒化シリコンを積層した2層構造としてもよいし、上記材料を組み合わせた5層構造としてもよい。絶縁層205は、スパッタリング法やCVD法、熱酸化法、塗布法、印刷法等を用いて形成することが可能である。
絶縁層205の厚さは、30nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上400nm以下とすればよい。
絶縁層205は、基板101や剥離層113などからの不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。また、基板101を基板111に換装した後も、基板111や接着層112などから発光素子125への不純物元素の拡散を防止、または低減することができる。本実施の形態では、絶縁層205としてプラズマCVD法により厚さ200nmの酸化窒化シリコンと厚さ50nmの窒化酸化シリコンの積層膜を用いる。
〔ゲート電極を形成する〕
次に、絶縁層205上にゲート電極206を形成する(図8(A)参照。)。ゲート電極206は、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた金属元素、または上述した金属元素を成分とする合金か、上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、マンガン、ジルコニウムのいずれか一または複数から選択された金属元素を用いてもよい。また、ゲート電極206は、単層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造等がある。また、アルミニウムに、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数を組み合わせた合金膜、もしくは窒化膜を用いてもよい。
また、ゲート電極206は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
まず、絶縁層205上にスパッタリング法、CVD法、蒸着法等により、後にゲート電極206となる導電膜を積層し、該導電膜上にフォトリソグラフィ工程によりレジストマスクを形成する。次に、レジストマスクを用いてゲート電極206となる導電膜の一部をエッチングして、ゲート電極206を形成する。この時、他の配線および電極も同時に形成することができる。
導電膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。なお、ドライエッチング法によりエッチングを行った場合、レジストマスクを除去する前にアッシング処理を行うと、剥離液を用いたレジストマスクの除去を容易とすることができる。
なお、ゲート電極206は、上記形成方法の代わりに、電解メッキ法、印刷法、インクジェット法等で形成してもよい。
ゲート電極206の厚さは、5nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下である。
また、ゲート電極206を、遮光性を有する導電性材料を用いて形成することで、外部からの光が、ゲート電極206側から半導体層208に到達しにくくすることができる。その結果、光照射によるトランジスタの電気特性の変動を抑制することができる。
〔ゲート絶縁層を形成する〕
次に、ゲート絶縁層207を形成する(図8(A)参照。)。ゲート絶縁層207は、例えば酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムと酸化シリコンの混合物、酸化ハフニウム、酸化ガリウムまたはGa−Zn系金属酸化物などを用いればよく、積層または単層で設ける。
また、ゲート絶縁層207として、ハフニウムシリケート(HfSiOx)、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSixOyNz)、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAlxOyNz)、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどのhigh−k材料を用いることでトランジスタのゲートリークを低減できる。例えば、酸化窒化シリコンと酸化ハフニウムの積層としてもよい。
ゲート絶縁層207の厚さは、5nm以上400nm以下、より好ましくは10nm以上300nm以下、より好ましくは50nm以上250nm以下とするとよい。
ゲート絶縁層207は、スパッタリング法、CVD法、蒸着法等で形成することができる。
ゲート絶縁層207として酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、または窒化酸化シリコン膜を形成する場合、原料ガスとしては、シリコンを含む堆積性気体及び酸化性気体を用いることが好ましい。シリコンを含む堆積性気体の代表例としては、シラン、ジシラン、トリシラン、フッ化シラン等がある。酸化性気体としては、酸素、オゾン、一酸化二窒素、二酸化窒素等がある。
また、ゲート絶縁層207は、窒化物絶縁層と酸化物絶縁層をゲート電極206側から順に積層する積層構造としてもよい。ゲート電極206側に窒化物絶縁層を設けることで、ゲート電極206側から水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が半導体層208に移動することを防ぐことができる。なお、一般に、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等は、半導体の不純物元素として機能する。また、水素は、酸化物半導体の不純物元素として機能する。よって、本明細書等における「不純物」には、水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が含まれるものとする。
また、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、半導体層208側に酸化物絶縁層を設けることで、ゲート絶縁層207と半導体層208の界面における欠陥準位密度を低減することが可能である。この結果、電気特性の劣化の少ないトランジスタを得ることができる。なお、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、酸化物絶縁層として、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む酸化物絶縁層を用いて形成すると、ゲート絶縁層207と半導体層208の界面における欠陥準位密度をさらに低減することが可能であるため好ましい。
また、ゲート絶縁層207を、上記のように窒化物絶縁層と酸化物絶縁層の積層とする場合、酸化物絶縁層よりも窒化物絶縁層を厚くすることが好ましい。
窒化物絶縁層は酸化物絶縁層よりも比誘電率が大きいため、ゲート絶縁層207の膜厚を厚くしても、ゲート電極206に生じる電界を効率よく半導体層208に伝えることができる。また、ゲート絶縁層207全体を厚くすることで、ゲート絶縁層207の絶縁耐圧を高めることができる。よって、半導体装置の信頼性を高めることができる。
また、ゲート絶縁層207は、欠陥の少ない第1の窒化物絶縁層と、水素ブロッキング性の高い第2の窒化物絶縁層と、酸化物絶縁層とが、ゲート電極206側から順に積層される積層構造とすることができる。ゲート絶縁層207に、欠陥の少ない第1の窒化物絶縁層を用いることで、ゲート絶縁層207の絶縁耐圧を向上させることができる。特に、半導体層208として酸化物半導体を用いる場合は、ゲート絶縁層207に、水素ブロッキング性の高い第2の窒化物絶縁層を設けることで、ゲート電極206及び第1の窒化物絶縁層に含まれる水素が半導体層208に移動することを防ぐことができる。
第1の窒化物絶縁層、第2の窒化物絶縁層の作製方法の一例を以下に示す。はじめに、シラン、窒素、及びアンモニアの混合ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により、欠陥の少ない窒化シリコン膜を第1の窒化物絶縁層として形成する。次に、原料ガスを、シラン及び窒素の混合ガスに切り替えて、水素濃度が少なく、且つ水素をブロッキングすることが可能な窒化シリコン膜を第2の窒化物絶縁層として成膜する。このような形成方法により、欠陥が少なく、且つ水素のブロッキング性を有する窒化物絶縁層が積層されたゲート絶縁層207を形成することができる。
また、ゲート絶縁層207は、不純物のブロッキング性が高い第3の窒化物絶縁層と、欠陥の少ない第1の窒化物絶縁層と、水素ブロッキング性の高い第2の窒化物絶縁層と、酸化物絶縁層とが、ゲート電極206側から順に積層される構造とすることができる。ゲート絶縁層207に、不純物のブロッキング性が高い第3の窒化物絶縁層を設けることで、ゲート電極206から水素、窒素、アルカリ金属、またはアルカリ土類金属等が半導体層208に移動することを防ぐことができる。
第1の窒化物絶縁層乃至第3の窒化物絶縁層の作製方法の一例を以下に示す。はじめに、シラン、窒素、及びアンモニアの混合ガスを原料ガスとして用いたプラズマCVD法により、不純物のブロッキング性が高い窒化シリコン膜を第3の窒化物絶縁層として形成する。次に、アンモニアの流量を増加させることで、欠陥の少ない窒化シリコン膜を第1の窒化物絶縁層として形成する。次に、原料ガスを、シラン及び窒素の混合ガスに切り替えて、水素濃度が少なく、且つ水素をブロッキングすることが可能な窒化シリコン膜を第2の窒化物絶縁層として成膜する。このような形成方法により、欠陥が少なく、且つ不純物のブロッキング性を有する窒化物絶縁層が積層されたゲート絶縁層207を形成することができる。
また、ゲート絶縁層207として酸化ガリウム膜を形成する場合、MOCVD法を用いて形成することができる。
なお、トランジスタのチャネルが形成される半導体層208と、酸化ハフニウムを含む絶縁層を、酸化物絶縁層を介して積層し、酸化ハフニウムを含む絶縁層に電子を注入することで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
〔半導体層を形成する〕
半導体層208は、非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体等を用いて形成することができる。例えば、非晶質シリコンや、微結晶ゲルマニウム等を用いることができる。また、炭化シリコン、ガリウム砒素、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体や、有機半導体等を用いることができる。
まず、半導体層208を形成するための半導体膜を、プラズマCVD法、LPCVD法、メタルCVD法、またはMOCVD法などのCVD法や、ALD法、スパッタリング法、蒸着法などにより形成する。該半導体膜をMOCVD法により形成すると、被形成面へのダメージを少なくすることができる。
続いて、半導体膜上にレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて半導体膜の一部を選択的にエッチングすることで、半導体層208を形成する。レジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
半導体膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。半導体膜のエッチング終了後、レジストマスクを除去する(図8(B)参照。)。
〔ソース電極、ドレイン電極等を形成する〕
次に、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216を形成する(図8(C)参照。)。まず、ゲート絶縁層207及び半導体層208上に、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216を形成するための導電膜を形成する。
導電膜としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金を単層構造または積層構造を用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、そのチタン膜または窒化チタン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、そのモリブデン膜または窒化モリブデン膜上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造、タングステン膜上に銅膜を積層し、さらにその上にタングステン膜を形成する三層構造等がある。
なお、インジウム錫酸化物、亜鉛酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの酸素を含む導電性材料、窒化チタン、窒化タンタルなどの窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。また、前述した金属元素を含む材料、酸素を含む導電性材料、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造とすることもできる。
また、導電膜の厚さは、5nm以上500nm以下、より好ましくは10nm以上300nm以下、より好ましくは10nm以上200nm以下である。本実施の形態では、導電膜として厚さ300nmのタングステン膜を形成する。
次に、レジストマスクを用いて、導電膜の一部を選択的にエッチングし、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216(これと同じ層で形成される他の電極または配線を含む)を形成する。レジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
導電膜のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。なお、エッチング工程により、露出した半導体層208の一部が除去される場合がある。導電膜のエッチング終了後、レジストマスクを除去する。
ソース電極209a、ドレイン電極209bを設けることにより、トランジスタ232、およびトランジスタ252が形成される。
〔絶縁層を形成する〕
次に、ソース電極209a、ドレイン電極209b、配線219、および端子電極216上に、絶縁層210を形成する(図8(D)参照。)。絶縁層210は、絶縁層205と同様の材料および方法で形成することができる。
また、半導体層208に酸化物半導体を用いる場合は、少なくとも絶縁層210の半導体層208と接する領域に、酸素を含む絶縁層を用いることが好ましい。例えば、絶縁層210を複数層の積層とする場合、少なくとも半導体層208と接する層を酸化シリコンで形成すればよい。
〔開口の形成〕
次に、レジストマスクを用いて、絶縁層210の一部を選択的にエッチングし、開口128を形成する(図8(D)参照。)。この時、図示しない他の開口も同時に形成することができる。レジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成するとフォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
絶縁層210のエッチングは、ドライエッチング法でもウエットエッチング法でもよく、両方を用いてもよい。
開口128の形成により、ドレイン電極209b、端子電極216の一部が露出する。開口128の形成後、レジストマスクを除去する。
〔平坦化膜を形成する〕
次に、絶縁層210上に絶縁層211を形成する(図9(A)参照。)。絶縁層211は、絶縁層205と同様の材料および方法で形成することができる。
また、発光素子125の被形成面の表面凹凸を低減するために、絶縁層211に平坦化処理を行ってもよい。平坦化処理として特に限定はないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP))、やドライエッチング処理により行うことができる。
また、平坦化機能を有する絶縁材料を用いて絶縁層211を形成することで、研磨処理を省略することもできる。平坦化機能を有する絶縁材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層させることで、絶縁層211を形成してもよい。
また、開口128と重畳する領域の絶縁層211の一部を除去して、開口129を形成する。この時、図示しない他の開口部も同時に形成する。また、後に外部電極124が接続する領域の絶縁層211は除去する。なお、開口129等は、絶縁層211上にフォトリソグラフィ工程によるレジストマスクの形成を行い、絶縁層211のレジストマスクに覆われていない領域をエッチングすることで形成できる。開口129を形成することにより、ドレイン電極209bの表面を露出させる。
また、絶縁層211に感光性を有する材料を用いることで、レジストマスクを用いることなく開口129を形成することができる。本実施の形態では、感光性のポリイミド樹脂を用いて絶縁層211および開口129を形成する。
〔陽極を形成する〕
次に、絶縁層211上に電極115を形成する(図9(B)参照。)。電極115は、後に形成されるEL層117が発する光を効率よく反射する導電性材料を用いて形成することが好ましい。なお、電極115は単層に限らず、複数層の積層構造としてもよい。例えば、電極115を陽極として用いる場合、EL層117と接する層を、インジウム錫酸化物などのEL層117よりも仕事関数が大きく透光性を有する層とし、その層に接して反射率の高い層(アルミニウム、アルミニウムを含む合金、または銀など)を設けてもよい。
電極115は、絶縁層211上に電極115となる導電膜を形成し、該導電膜上にレジストマスクを形成し、該導電膜のレジストマスクに覆われていない領域をエッチングすることで形成できる。該導電膜のエッチングは、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、または双方を組み合わせたエッチング法を用いることができる。レジストマスクの形成は、フォトリソグラフィ法、印刷法、インクジェット法等を適宜用いて行うことができる。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。電極115の形成後、レジストマスクを除去する。
〔隔壁を形成する〕
次に、隔壁114を形成する(図9(C)参照。)。隔壁114は、隣接する画素の発光素子125が意図せず電気的に短絡し、誤発光することを防ぐために設ける。また、後述するEL層117の形成にメタルマスクを用いる場合、メタルマスクが電極115に接触しないようにする機能も有する。隔壁114は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂などの有機樹脂材料や、酸化シリコンなどの無機材料で形成することができる。隔壁114は、その側壁がテーパーまたは連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。隔壁114の側壁をこのような形状とすることで、後に形成されるEL層117や電極118の被覆性を良好なものとすることができる。
〔EL層を形成する〕
EL層117の構成については、実施の形態7で説明する。
〔陰極を形成する〕
本実施の形態では電極118を陰極として用いるため、電極118を後述するEL層117に電子を注入できる仕事関数の小さい材料を用いて形成することが好ましい。また、仕事関数の小さい金属単体ではなく、仕事関数の小さいアルカリ金属、またはアルカリ土類金属を数nm形成した層を緩衝層として形成し、その上にアルミニウムなどの金属材料、インジウム錫酸化物等の導電性を有する酸化物材料、または半導体材料を用いて形成してもよい。また、緩衝層として、アルカリ土類金属の酸化物、ハロゲン化物、または、マグネシウム−銀等の合金を用いることもできる。
また、電極118を介して、EL層117が発する光を取り出す場合には、電極118は、可視光に対し透光性を有することが好ましい。電極115、EL層117、電極118により、発光素子125が形成される(図9(D)参照。)。
本実施の形態では、トランジスタ232及び発光素子125を有する基板101を、素子基板171と呼ぶ。
〔対向基板を形成する〕
素子形成基板141上に剥離層143と絶縁層145を形成する(図10(A)参照)。素子形成基板141としては、基板101と同様の材料を用いることができる。剥離層143は、剥離層113と同様の材料および方法で形成することができる。また、絶縁層145は、絶縁層205と同様の材料および方法で形成することができる。
次に、絶縁層145上に、遮光層264を形成する(図10(B)参照)。その後、着色層266を形成する(図10(C)参照)。
遮光層264および着色層266は、様々な材料を用いて、印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法を用いて、それぞれ所望の位置に形成する。
次に、遮光層264および着色層266上にオーバーコート層268を形成する(図10(D)参照)。
オーバーコート層268としては、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等の有機絶縁層を用いることができる。オーバーコート層268を形成することによって、例えば、着色層266中に含まれる不純物等を発光素子125側に拡散することを抑制することができる。ただし、オーバーコート層268は、必ずしも設ける必要はなく、オーバーコート層268を形成しない構造としてもよい。
また、オーバーコート層268として透光性を有する導電膜を形成してもよい。オーバーコート層268として透光性を有する導電膜を設けることで、発光素子125から発せられた光235を透過し、かつ、イオン化した不純物の透過を防ぐことができる。
透光性を有する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、グラフェン等の他、透光性を有する程度に薄く形成された金属膜を用いてもよい。
以上の工程で素子形成基板141上に着色層266などの構造物を設けることができる。本実施の形態では、着色層266などを有する素子形成基板141を、対向基板181と呼ぶ。
〔素子基板と対向基板を貼り合わせる〕
次に、素子基板171が有する発光素子125と、対向基板181が有する着色層266が向かい合うように、素子基板171と対向基板181を、接着層120を介して貼り合わせる(図11(A)参照。)。
接着層120としては、光硬化型の接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、または嫌気型接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、イミド樹脂等を用いることができる。トップエミッション構造の場合は接着層120に光の波長以下の大きさの乾燥剤(ゼオライト等)や、屈折率の大きいフィラー(酸化チタンや、ジルコニウム等)を混合すると、EL層117が発する光の取り出し効率が向上するため好適である。
〔基板101を絶縁層から剥離する〕
次に、基板101及び剥離層113を絶縁層205から剥離する(図11(B)参照。)。剥離方法としては、機械的な力を加えること(人間の手や治具で引き剥がす処理や、ローラーを回転させながら分離する処理、超音波等)を用いて行えばよい。たとえば、剥離層113に鋭利な刃物またはレーザ光照射等で切り込みをいれ、その切り込みに水を注入する。または、その切り込みに霧状の水を吹き付ける。毛細管現象により水が剥離層113と絶縁層205の間にしみこむことにより、基板101を剥離層113とともに絶縁層205から容易に剥離することができる。
〔基板111を貼り合わせる〕
次に、接着層112を介して基板111を絶縁層205に貼り合わせる(図12(A)、図12(B)参照。)。接着層112は、接着層120と同様の材料を用いることができる。本実施の形態では、基板111として、厚さ20μm、ヤング率10GPaのアラミド(ポリアミド樹脂)を用いる。
〔素子形成基板141を絶縁層から剥離する〕
次に、素子形成基板141及び剥離層143を、絶縁層145から剥離する(図13(A)参照。)。素子形成基板141の剥離は、前述した基板101の剥離と同様の方法で行うことができる。
〔基板121を貼り合わせる〕
次に、接着層142を介して基板121を絶縁層145に貼り合わせる(図13(B)参照。)。接着層142は、接着層120と同様の材料を用いることができる。また、基板121は基板111と同様の材料を用いることができる。
〔開口を形成する〕
次に、端子電極216および開口128と重畳する領域の、基板121、接着層142、絶縁層145、着色層266、オーバーコート層268、および接着層120を除去して、開口122を形成する(図14(A)参照。)。開口122を形成することにより、端子電極216の表面の一部が露出する。
〔外部電極を形成する〕
次に、開口122に異方性導電接続層123を形成し、異方性導電接続層123上に外部電極124を設ける(図14(B)参照)。外部電極124は、異方性導電接続層123を介して端子電極216と電気的に接続される。また、外部電極124及び端子電極216を介して、表示装置100に電力や信号が供給される。なお、外部電極124としては、例えばFPC(Flexible printed circuit)や、TCP(Tape Carrier Package)などを用いることができる。TCPは、例えばTAB(Tape Automated Bonding)テープに集積回路が形成された半導体チップを実装したものである。該半導体チップは、TABテープを介して端子電極216と電気的に接続される。
異方性導電接続層123は、様々な異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いて形成することができる。
異方性導電接続層123は、熱硬化性、又は熱硬化性及び光硬化性の樹脂に導電性粒子を混ぜ合わせたペースト状又はシート状の材料を硬化させたものである。異方性導電接続層123は、光照射や熱圧着によって異方性の導電性を示す材料となる。異方性導電接続層123に用いられる導電性粒子としては、例えば球状の有機樹脂をAuやNi、Co等の薄膜状の金属で被覆した粒子を用いることができる。
なお、外部電極124として金属線を用いてもよい。該金属線と端子電極216の接続は、異方性導電接続層123を用いてもよいが、異方性導電接続層123を用いずに、ワイヤーボンディング法により行ってもよい。また、該金属線と端子電極216の接続をハンダ付けで行ってもよい。
このようにして、外部電極124が接続された表示装置100を作製することができる。図15(A)に外部電極124が接続された表示装置100の斜視図を示す。なお、表示領域131、回路132、及び回路133を覆うように基板121を設け、それ以外の領域に基板121を設けない表示装置としてもよい。このような構成を有する表示装置の一例を図15(B)に示す。図15(B)に示す表示装置200は、外部電極124を接続する領域に基板121を設けない点が、表示装置100と異なる。よって、表示装置200が有する基板111の外形形状と基板121の外形形状は異なっている。
〔層147を形成する〕
続いて、表示装置100を層147で覆う。図16を用いて表示装置100を覆う層147の作製方法一例を説明する。図16(A)に示す構造体191は凹部192を有する。また、構造体193は凹部194を有する。凹部192及び凹部194は、互いに同様の形状を有することが好ましい。また、凹部192及び凹部194は、それぞれの表面に鏡面加工などを施して、表面の平坦性を高めることが好ましい。
構造体191、および構造体193は、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体191、および構造体193に用いる材料は金属に限定されない。構造体191、および構造体193として、ガラス、セラミックス、有機樹脂、木材、などの材料を用いてもよい。
まず、凹部192と凹部194が向かい合うように、構造体191と構造体193を重ね合わせる。次に、凹部192と凹部194で囲まれた空間内に、外部電極124が接続された表示装置100を配置する(図16(B)参照。)。
続いて、凹部192と凹部194で囲まれた空間内に、液状の充填材195を入れる。充填材195としては、硬化後に透光性を有する高分子材料を用いることが好ましい。また、充填材195としては、硬化剤を必要としない一液型の材料や、主剤と硬化剤を混合することで硬化が進行する二液型の材料などを用いることができる。また、加熱や、紫外線などの光が照射されることにより硬化が進行する材料を用いてもよい。また、充填材195は、水分の透過を阻害する防湿剤を有していてもよい。
本実施の形態では、充填材195として、硬化後に透光性を有するシリコーンゴムとなる二液型の材料を用いる。
充填材195を凹部192及び凹部194の形状に沿って硬化させることにより、層147を形成できる。層147の形成後、構造体191と構造体193を分離する(図17参照。)。なお、充填材195の充填前に、凹部192及び凹部194の表面に剥離剤を塗布しておくと、構造体191及び構造体193と、層147の分離を容易とすることができるため好ましい。
図18(A1)は、外部電極124が接続され、かつ、層147に覆われた表示装置100の斜視図である。また、図18(A2)は、図18(A1)にH1−H2の一点鎖線で示す部位の断面図である。表示装置100を層147で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行われても破損しにくい表示装置を実現することができる。また、表示装置100を覆う層147は、継ぎ目の無い構造であるため、基板111及び基板121の端部を層147で覆うことにより、該端部からの水分などの不純物の侵入を防ぎ、信頼性及び表示品位が良好な表示装置100を実現することができる。
図18(B1)は、外部電極124が接続され、かつ、層147に覆われた表示装置200の斜視図である。また、図18(B2)は、図18(B1)にH3−H4の一点鎖線で示す部位の断面図である。表示装置200のように、基板111と基板121の外形寸法が異なる場合は、基板111と基板121のどちらか一方の端部(側面)を層147で覆えばよい。少なくとも基板111と基板121のどちらか一方の基板の側面を層147で覆うことにより、結果として、基板111と基板121の重畳部分の外周を層147で覆うことになる。よって、表示領域131への水分などの不純物の侵入を防ぎ、信頼性及び表示品位が良好な表示装置200を実現することができる。また、図18(B3)に示すように、外形寸法が異なる基板111と基板121の両方が覆われるように層147を設けてもよい。また、図19は、図18(B1)にH5−H6の一点鎖線で示す部位の詳細な断面図である。
<表示装置の変形例>
図20(A)は、基板121と着色層266の間にタッチセンサ271を設けた表示装置100の断面図である。具体的には、図20(A)に示す表示装置100は、絶縁層145と着色層266の間に電極272、絶縁層273、電極274、及び絶縁層275を設けている。電極272、及び電極274は、透光性を有する導電性材料を用いて形成することが好ましい。絶縁層273及び絶縁層275は、絶縁層205と同様の材料及び方法で形成することができる。タッチセンサ271は、電極272及び電極274を含む。なお、本実施の形態では、タッチセンサ271として静電容量方式のタッチセンサを例示しているが、抵抗膜方式のタッチセンサを用いてもよい。また、静電容量方式のタッチセンサとしては、例えば、表面型静電容量方式のタッチセンサ、投影型静電容量方式のタッチセンサなどを用いることができる。また、トランジスタなどの能動素子を用いたアクティブ方式のタッチセンサを用いることもできる。
なお、電極272及び電極274などの導電膜、つまり、タッチセンサを構成する配線や電極に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低いものが望ましい。一例として、銀、銅、アルミニウム、カーボンナノチューブ、グラフェン、ハロゲン化金属(ハロゲン化銀など)などを用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメール)多数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。または、導電体を網目状にした金属メッシュを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤや、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤ、Agメッシュや、Cuメッシュ、Alメッシュなどを用いてもよい。Agナノワイヤの場合、光透過率は89%以上、シート抵抗値は40以上100以下Ω/□を実現することができる。なお、透過率が高いため、表示素子に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、金属ナノワイヤ、金属メッシュ、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを用いてもよい。
また、基板111または基板121のうち、光235が射出される側の基板の外側に、反射防止層、光拡散層、マイクロレンズアレイ、プリズムシート、位相差板、偏光板などの特定の機能を有する材料で形成された層(以下、「機能層」ともいう。)を一種以上設けてもよい。反射防止層としては、例えば円偏光板などを用いることができる。機能層を設けることで、より表示品位の良好な表示装置を実現することができる。または、表示装置の消費電力を低減することができる。また、機能層として、タッチセンサ271を有する基板を表示装置100と重ねて設けてもよい。
図20(B)は、機能層161を有するトップエミッション構造の表示装置100の断面図である。機能層161は、基板121の外側に設けられている。なお、表示装置100がボトムエミッション構造を有する場合は、基板111の外側に機能層161を設けてもよい。また、表示装置100がデュアルエミッション構造を有する場合は、基板111の外側、及び基板121の外側に機能層161を設けてもよい。
また、基板111または基板121として、特定の機能を有する材料を用いてもよい。例えば、基板111または基板121として、円偏光板を用いてもよい。また、例えば、基板111または基板121を、位相差板を用いて形成し、当該基板と重ねて偏光板を設けてもよい。また、例えば、基板111または基板121を、プリズムシートを用いて形成し、当該基板と重ねて円偏光板を設けてもよい。基板111または基板121として、特定の機能を有する材料を用いることで、表示品位の向上と、製造コストの低減を実現することができる。
また、図21(A)の断面図に示すように、基板221上にタッチセンサ271を設けたタッチパネル270を、表示装置100の外側に設け、タッチパネル270と表示装置100の外側に層147を設けてもよい。タッチパネル270は、外部電極224を介して信号の入力および出力を行うことができる。なお、図21(A)に例示している表示装置100は、トップエミッション構造の表示装置であるため、光235が射出される基板121側にタッチパネル270を設けている。表示装置100がボトムエミッション構造の表示装置である場合は、タッチパネル270を基板111側に設ければよい。また、表示装置100がデュアルエミッション構造の表示装置である場合は、タッチパネル270を基板121側および基板111側の一方または両方に設けてもよい。
また、図21(B)の断面図に示すように、表示装置100の外側に層147を設けた後に、さらに層147の外側にタッチパネル270を設けてもよい。なお、図21(B)に例示している表示装置100は、トップエミッション構造の表示装置であるため、光235が射出される基板121側の層147の外側にタッチパネル270を設けている。表示装置100がボトムエミッション構造の表示装置である場合は、タッチパネル270を基板111側の層147の外側に設ければよい。また、表示装置100がデュアルエミッション構造の表示装置である場合は、タッチパネル270を基板121側の層147の外側および基板111側の層147の外側の一方または両方に設けてもよい。
また、表示装置で表示する画像をモノクロ表示で用いる場合や、表示装置を照明装置として用いる場合は、図22(A)に示すように、着色層266を設けなくてもよい。また、必要に応じて遮光層264、及びオーバーコート層268を設けなくてもよい。また、発光素子125を後述する微小光共振器構造とする場合も、着色層266を設けなくてもよい。また、外部電極124上に半導体チップ162を設けてもよい。
なお、図22(B)に示すように、着色層266、遮光層264、オーバーコート層268、などを設けない構成にしてもよい。その場合は、画素毎にEL層117A、EL層117Bなどの発光波長域の異なるEL層117を設けることによって、カラー表示を行うことが出来る。EL層117A、EL層117Bなどは、例えば、それぞれ、赤、青、緑、などの異なる色で発光させればよい。このように、着色層266を用いないことによって、光損失量を減らすことが出来る。また、後述する微小光共振器構造とEL層117A、EL層117Bを組み合わせることで、色純度を向上することができる。また、図23に示すように、電極118上に着色層266を設けてもよい。
図24は、図15(B)中のA5−A6の一点鎖線で示す部位に相当する断面図である。本発明の一態様の表示装置に、必要に応じて、トランジスタなどの機能素子が形成されている基板上に半導体チップ162を設けてもよい。図24に、基板111の上に半導体チップ162(図15(B)に図示せず。)を設ける例を示す。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した層147の厚さt1および厚さt2を同じとするための、層147の作製方法例について、図25乃至図27を用いて説明する。
<表示装置の作製方法例>
まず、表示装置100に外部電極124を接続した後、表示装置100の側面にスペーサ165を配置する。図25(A)は、スペーサ165が配置された表示装置100の斜視図である。また、図25(B)は、スペーサ165が配置された表示装置100の上面図である。また、図25(C)は、図25(B)中にV3−V4の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図25(D)は、図25(B)中にV5−V6の一点鎖線で示した部位の断面図である。
図25(A)乃至図25(C)は、表示装置100の三辺の側面に、コの字型の断面を有するスペーサ165を配置する例を示している。具体的には、スペーサ165の窪み部分に、基板111および基板121の側面が位置するようにスペーサ165を配置する。
また、スペーサ165の基板111表面に垂直な方向の厚さt1と、スペーサ165の基板121表面に垂直な方向の厚さt2は、同じ厚さとすることが好ましい(図25(D)参照。)。なお、厚さt1、厚さt2、および表示装置100の厚さt3を合わせた厚さを、厚さtとする。なお、例えば、表示装置100の屈曲方向が決まっている場合や、基板111と基板121の厚さが異なっている場合など、目的に応じて厚さt1と厚さt2を異なる厚さとしてもよい。また、表示装置100上の位置によって厚さtを変化させてもよい。
また、スペーサ165の断面形状は必ずしもコの字型に限らない。例えば、図25(E)に示すように、コの字型の断面を有するスペーサ165に代えて、Y字型の断面を有するスペーサ165aを用いてもよい。
また、図25(A)および図25(B)では、表示装置100の三辺にそれぞれ複数のスペーサ165を配置する例を示しているが、これに限らない。図26(A)に示すように、表示装置100の三辺にそれぞれ一つのスペーサ165を配置してもよい。スペーサ165は、表示装置100の少なくとも三辺に、それぞれ1つ以上配置すればよい。よって、表示装置100の四辺にスペーサ165を配置してもよい。
また、図26(B)に示すように、表示装置100の四隅にスペーサ165を配置してもよい。また、図26(C)に示すように、表示装置100の三辺の一部または全部をスペーサ165で覆ってもよい。
また、図27に示すように、基板111および基板121上に直方体のスペーサ165bを配置してもよい。図27(A)は、スペーサ165bが配置された表示装置100の斜視図である。また、図27(B)は、スペーサ165bが配置された表示装置100の上面図である。図27(C)は、図27(A)および図27(B)中にV7−V8の一点鎖線で示した部位の断面図である。図27(D)は、図27(A)および図27(B)中にV9−V10の一点鎖線で示した部位の断面図である。
続いて、スペーサ165が設けられた表示装置100を、構造体191の凹部192内に配置する(図28(A)参照)。次に構造体193を構造体191に重ねる(図28(B)参照)。この時、スペーサ165が設けられた表示装置100が、構造体193の凹部194からはみ出ないように注意する。
図29(A)は、スペーサ165が設けられた表示装置100を間に挟んで、構造体191と構造体193を重ね合わせた状態を示す斜視図である。スペーサ165が設けられた表示装置100は、凹部192と凹部194で囲まれた空間内に配置されている。図29(B)は、図29(A)中のV11−V12の一点鎖線で示す部位の断面図である。また、図29(C)は、スペーサ165aが設けられた表示装置100を、凹部192および凹部194で囲まれた空間内に配置した時の断面図である。この時、該空間内の距離kは、厚さtと同じであることが好ましい。
次に、凹部192および凹部194で囲まれた空間内に液状の充填材195を入れる(図30(A)参照。)。この時、充填材195の粘度が高いと、スペーサ165の周囲に間隙が生じ、表示装置100の信頼性や表示品位が低下する場合がある。粘度の低い充填材195を用いると、スペーサ165の周囲に充填材195が入りやすくなるため、間隙の発生を抑えることができる。充填材195の粘度は、10Pa・s(パスカル秒)以下が好ましく、5Pa・s以下がより好ましく、1Pa・s以下がさらに好ましい。
充填材195を凹部192及び凹部194の形状に沿って硬化させることにより、層147を形成できる。層147の形成後、構造体191と構造体193を分離する(図30(B)参照。)。なお、充填材195の充填前に、凹部192及び凹部194の表面に剥離剤を塗布しておくと、構造体191及び構造体193と、層147の分離を容易とすることができるため好ましい。
なお、スペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bと、層147が異なる材料の場合、屈折率や透過率などの違いから当該スペーサと層147の境界部分近傍に光学的な歪みが生じ、表示装置100の表示品位が低下する場合がある。よって、当該スペーサは表示領域131と重ならないように配置することが好ましい。
このため、スペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bに、層147と同じ屈折率や透過率などを有する材料を用いることが好ましい。層147と同じ屈折率や透過率などを有する材料を用いてスペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bを形成することで、境界が視認できない程度に両者を接合することができる。よって、表示装置100の表示品位を良好なものとすることができる。
また、スペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bに、層147と同じ組成を有する材料を用いることで、当該スペーサと層147の接合状態を良好なものとすることができる。よって、接合境界面からの不純物の侵入を防ぎ、表示装置100の信頼性を良好なものとすることができる。
例えば、スペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bとして、充填材195と同じ充填材を用いることで、層147と同じ組成を有するスペーサを形成することができる。スペーサ165、スペーサ165a、およびスペーサ165bと、層147に同じ組成を有する材料を用いることで、両者の屈折率や透過率などを同じにすることができる。本実施の形態に例示した作製方法により、実質的に継ぎ目のない層147を形成することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した作製方法とは異なる表示装置100の作製方法例について、図31乃至図38を用いて説明する。
<表示装置の作製方法例>
本実施の形態では、内側に凹部502を有する構造体501を用いて、表示装置100を作製する方法について説明する。
構造体501は、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体501に用いる材料は金属に限定されない。構造体501として、ガラス、セラミックス、有機樹脂、木材、などの材料を用いてもよい。
図31(A)は、構造体501の斜視図である。また、図31(B)は、図31(A)中にX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図31(C)は、図31(A)中にY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。凹部502の深さd1は、厚さt1または厚さt2、および厚さt3を合算した深さと同じ深さが好ましい。例えば、厚さt3が70μmであり、厚さt1を100μm、とする場合、深さd1を170μm以上とすることが好ましい。
まず、凹部502に充填材195aを入れる。その後、充填材195aを硬化させて層511を作製する(図32(A)参照。)。使用する充填材195aの充填量は、作製する層511の厚さt1に応じて決めればよい(図32(B)および図32(C)参照。)。
次に、層511上に表示装置100を配置する(図33参照。)。この時、表示装置100と層511の間に気泡が入らないように注意する。図34(A)は、層511上に表示装置100を配置した状態を示す斜視図である。また、図34(B)は、図34(A)中にX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図34(C)は、図34(A)中にY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。図34では、表示装置100の基板111と層511が向かい合うように、層511上に表示装置100を配置する例を示しているが、基板121と層511が向かい合うように表示装置100を配置してもよい。
次に、層511を表示装置100と一緒に構造体501から分離する(図35(A)参照。)。なお、図35(B)は、図35(A)中にY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図であり、層511上に設けられた表示装置100の断面図である。
次に、凹部502に充填材195bを入れる(図36参照。)。続いて、表示装置100を層511とともに反転させ、表示装置100の基板121が充填材195bと向かい合うように、表示装置100を充填材195b上に配置する。この時、表示装置100と充填材195bの間に気泡が入らないように注意する。なお、先の工程において基板121と層511を向かい合わせた場合は、基板111が充填材195bと向かい合うように、表示装置100を凹部502内の充填材195b上に配置する。
図37(A)は、凹部502内の充填材195b上に表示装置100を配置した状態を示す斜視図である。また、図37(B)は、図37(A)中にX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図37(C)は、図37(A)中にY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。なお、厚さt2は、充填材195bの充填量によって決定される(図38(B)参照。)。また、充填材195bの充填量は、少なくとも、基板111及び基板121の端部が覆われるように決めればよい。
その後、充填材195bを硬化させる。硬化した該充填材195bは層511と接合して一体物となり、層147が形成される。層147の形成後、層147および表示装置100を構造体501から取り出す(図38(A)参照。)。図38(B)は、図38(A)中にY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。
充填材195aと充填材195bは、充填材195と同じ材料を用いることができる。また、充填材195aおよび充填材195bとして、異なる材質の材料を用いてもよい。ただし、充填材195aと充填材195bに同じ材質の材料を用いることで、硬化後の接合を良好なものとすることができる。本実施の形態に例示した作製方法により、実質的に継ぎ目のない層147を形成することができる。
このようにして、表示装置100を層147で覆うことができる。表示装置100を層147で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行われても破損しにくい表示装置を実現することができる。また、少なくとも、基板111及び基板121の端部を層147で覆うことにより、該端部からの水分などの不純物の侵入を防ぎ、信頼性及び表示品位が良好な表示装置100を実現することができる。また、表示装置100を覆う層147を、継ぎ目の無い一体物とすることで、表示装置100の信頼性をさらに高めることができる。
本実施の形態に示した作製方法によれば、実施の形態2に示した作製方法と比較して少ない材料で層147を形成することができる。また、実施の形態2に示した作製方法と比較して、使用する構造体の数を低減できる。なお、本実施の形態に示した作製方法は、層147の厚さを薄くする場合などに特に有効である。例えば、厚さt1または厚さt2を1mm以下、好ましくは500μm以下にする場合に特に有効である。本実施の形態に示した作製方法によれば、層147を形成するための材料を低減することができる。本発明の一態様の作製方法によれば、表示装置の生産性を高めることができる。また、該表示装置を用いた半導体装置の生産性を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した作製方法とは異なる、層147に覆われた表示装置100の作製方法例について、図39乃至図44を用いて説明する。
<表示装置の作製方法例>
本実施の形態では、内側に凹部552を有する構造体551を用いて、層147に覆われ表示装置100を作製する方法について説明する。
構造体551は、例えば金型などを用いることができる。ただし、構造体551に用いる材料は金属に限定されない。構造体551として、ガラス、セラミックス、有機樹脂、木材、などの材料を用いてもよい。
図39(A)は、構造体551の斜視図である。また、図39(B)は、図39(A)中にX3−X4の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図39(C)は、図39(A)中にY3−Y4の一点鎖線で示した部位の断面図である。凹部552の深さd2は、厚さt以上が好ましい。例えば、厚さt3が70μmであり、厚さt1および厚さt2を100μmとする場合、深さd2を270μm以上とすることが好ましい。
まず、凹部552に充填材195aを入れる。その後、充填材195aを硬化させて層511を作製する(図40(A)参照。)。使用する充填材195aの充填量は、作製する層511の厚さt1に応じて決めればよい(図40(B)および図40(C)参照。)。
次に、凹部552内の層511上に表示装置100を配置する(図41参照。)。この時、表示装置100と層511の間に気泡が入らないように注意する。図42(A)は、層511上に表示装置100を配置した状態を示す斜視図である。また、図42(B)は、図42(A)中にX3−X4の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図42(C)は、図42(A)中にY3−Y4の一点鎖線で示した部位の断面図である。図42では、表示装置100の基板111と層511が向かい合うように、層511上に表示装置100を配置する例を示しているが、基板121と層511が向かい合うように表示装置100を配置してもよい。
次に、凹部552に充填材195bを充填し、充填材195bで表示装置100を覆う。図43(A)は、凹部552に充填材195bを充填した状態を示す斜視図である。また、図43(B)は、図43(A)中にX3−X4の一点鎖線で示した部位の断面図である。また、図43(C)は、図43(A)中にY3−Y4の一点鎖線で示した部位の断面図である。なお、厚さt2は、充填材195bの充填量によって決定される(図44(B)参照。)。また、充填材195bの充填量は、少なくとも、基板111及び基板121の端部が覆われるように決めればよい。
その後、充填材195bを硬化させる。硬化した該充填材195bは層511と接合して一体物となり、層147が形成される。層147の形成後、層147および表示装置100を構造体551から取り出す(図44(A)参照。)。図44(B)は、図44(A)中にY3−Y4の一点鎖線で示した部位の断面図である。
上記実施の形態で説明した通り、充填材195aと充填材195bは、充填材195と同じ材料を用いることができる。また、充填材195aおよび充填材195bとして異なる材質の材料を用いてもよい。ただし、充填材195aと充填材195bに同じ材質の材料を用いることで、硬化後の接合を良好なものとすることができる。本実施の形態に例示した作製方法により、実質的に継ぎ目のない層147を形成することができる。
このようにして、表示装置100を層147で覆うことができる。表示装置100を層147で覆うことにより、屈曲と伸長が繰り返し行われても破損しにくい表示装置を実現することができる。また、表示装置100を覆う層147は、継ぎ目の無い一体物であるため、少なくとも、基板111及び基板121の端部を層147で覆うことにより、該端部からの水分などの不純物の侵入を防ぎ、信頼性及び表示品位が良好な表示装置100を実現することができる。また、表示装置100を覆う層147を、継ぎ目の無い一体物とすることで、表示装置100の信頼性をさらに高めることができる。
本実施の形態に示した作製方法によれば、実施の形態2に示した作製方法と比較して少ない材料で層147を形成することができる。また、実施の形態2に示した作製方法と比較して、使用する構造体の数を低減できる。なお、本実施の形態に示した作製方法は、層147の厚さを薄くする場合などに特に有効である。例えば、厚さt1または厚さt2を1mm以下、好ましくは500μm以下にする場合に特に有効である。本実施の形態に示した作製方法によれば、層147を形成するための材料を低減することができる。本発明の一態様の作製方法によれば、表示装置の生産性を高めることができる。また、該表示装置を用いた半導体装置の生産性を高めることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態に示したトランジスタと置き換えて使用することができるトランジスタの構成例について、図45乃至図49を用いて説明する。
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図45(A1)に例示するトランジスタ410は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタである。トランジスタ410は、絶縁層109上にゲート電極として機能できる電極246を有する。また、電極246上に絶縁層116を介して半導体層242を有する。電極246はゲート電極206と同様の材料及び方法で形成することができる。
また、トランジスタ410は、半導体層242のチャネル形成領域上に、チャネル保護層として機能できる絶縁層209を有する。絶縁層209は、絶縁層116と同様の材料および方法により形成することができる。電極244の一部、および電極245の一部は、絶縁層209上に形成される。
チャネル形成領域上に絶縁層209を設けることで、電極244および電極245の形成時に生じる半導体層242の露出を防ぐことができる。よって、電極244および電極249の形成時に半導体層242の薄膜化を防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
図45(A2)に示すトランジスタ411は、絶縁層119上にバックゲート電極として機能できる電極213を有する点が、トランジスタ410と異なる。電極213は、ゲート電極206と同様の材料および方法で形成することができる。
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、GND電位や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
電極246および電極213は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層116、絶縁層209、および絶縁層119は、ゲート絶縁層として機能することができる。
なお、電極246または電極213の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という場合がある。例えば、トランジスタ411において、電極213を「ゲート電極」と言う場合、電極246を「バックゲート電極」と言う場合がある。また、電極213を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ411をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極246および電極213のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
半導体層242を挟んで電極246および電極213を設けることで、更には、電極246および電極213を同電位とすることで、半導体層242においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ411のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ411は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ411の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
また、電極246および電極213は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、絶縁層109側もしくは電極213上方に生じる荷電粒子等の電荷が半導体層242のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電荷を印加する−GBT(Gate Bias−Temperature)ストレス試験)の劣化が抑制されると共に、異なるドレイン電圧におけるオン電流の立ち上がり電圧の変動を抑制することができる。なお、この効果は、電極246および電極213が、同電位、または異なる電位の場合において生じる。
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(すなわち、経年変化)を、短時間で評価することができる。特に、BTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
また、電極246および電極213を有し、且つ電極246および電極213を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタにおける電気特性のばらつきも同時に低減される。
また、バックゲート電極を有するトランジスタは、ゲートに正の電荷を印加する+GBTストレス試験前後におけるしきい値電圧の変動も、バックゲート電極を有さないトランジスタより小さい。
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
図45(B1)に例示するトランジスタ420は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネル保護型のトランジスタである。トランジスタ420は、トランジスタ410とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層209が半導体層242を覆っている点が異なる。また、半導体層242と重なる絶縁層209の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層242と電極244が電気的に接続している。また、半導体層242と重なる絶縁層209の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層242と電極245が電気的に接続している。絶縁層209の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
図45(B2)に示すトランジスタ421は、絶縁層119上にバックゲート電極として機能できる電極213を有する点が、トランジスタ420と異なる。
絶縁層209を設けることで、電極244および電極245の形成時に生じる半導体層242の露出を防ぐことができる。よって、電極244および電極245の形成時に半導体層242の薄膜化を防ぐことができる。
また、トランジスタ420およびトランジスタ421は、トランジスタ410およびトランジスタ411よりも、電極244と電極246の間の距離と、電極245と電極246の間の距離が長くなる。よって、電極244と電極246の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極245と電極246の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
〔トップゲート型トランジスタ〕
図46(A1)に例示するトランジスタ430は、トップゲート型のトランジスタの一種である。トランジスタ430は、絶縁層109の上に半導体層242を有し、半導体層242および絶縁層109上に、半導体層242の一部に接する電極244および半導体層242の一部に接する電極245を有し、半導体層242、電極244、および電極245上に絶縁層116を有し、絶縁層116上に電極246を有する。
トランジスタ430は、電極246および電極244、並びに、電極246および電極245が重ならないため、電極246および電極244間に生じる寄生容量、並びに、電極246および電極245間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極246を形成した後に、電極246をマスクとして用いて不純物元素255を半導体層242に導入することで、半導体層242中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図46(A3)参照)。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
なお、不純物元素255の導入は、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。
不純物元素255としては、例えば、第13族元素または第15族元素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることができる。また、半導体層242に酸化物半導体を用いる場合は、不純物元素255として、希ガス、水素、および窒素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることも可能である。
図46(A2)に示すトランジスタ431は、電極213および絶縁層217を有する点がトランジスタ430と異なる。トランジスタ431は、絶縁層109の上に形成された電極213を有し、電極213上に形成された絶縁層217を有する。前述した通り、電極213は、バックゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層217は、ゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層217は、絶縁層205と同様の材料および方法により形成することができる。
トランジスタ411と同様に、トランジスタ431は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ431の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図46(B1)に例示するトランジスタ440は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ440は、電極244および電極245を形成した後に半導体層242を形成する点が、トランジスタ430と異なる。また、図46(B2)に例示するトランジスタ441は、電極213および絶縁層217を有する点が、トランジスタ440と異なる。トランジスタ440およびトランジスタ441において、半導体層242の一部は電極244上に形成され、半導体層242の他の一部は電極245上に形成される。
トランジスタ411と同様に、トランジスタ441は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ441の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
トランジスタ440およびトランジスタ441も、電極246を形成した後に、電極246をマスクとして用いて不純物元素255を半導体層242に導入することで、半導体層242中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
〔s−channel型トランジスタ〕
図47に、半導体層242として酸化物半導体を用いたトランジスタ構造の一例を示す。図47に例示するトランジスタ450は、半導体層242aの上に半導体層242bが形成され、半導体層242bの上面、半導体層242bの側面、および半導体層242aの側面が半導体層242cに覆われた構造を有する。図47(A)はトランジスタ450の上面図である。図47(B)は、図47(A)中のX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図(チャネル長方向の断面図)である。図47(C)は、図47(A)中のY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図(チャネル幅方向の断面図)である。
半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cは、InもしくはGaの一方、または両方を含む材料で形成する。代表的には、In−Ga酸化物(InとGaを含む酸化物)、In−Zn酸化物(InとZnを含む酸化物)、In−M−Zn酸化物(Inと、元素Mと、Znを含む酸化物。元素Mは、Al、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHfから選ばれた1種類以上の元素で、Inよりも酸素との結合力が強い金属元素である。)がある。
半導体層242aおよび半導体層242cは、半導体層242bを構成する金属元素のうち、1種類以上の同じ金属元素を含む材料により形成されることが好ましい。このような材料を用いると、半導体層242aおよび半導体層242bとの界面、ならびに半導体層242cおよび半導体層242bとの界面に界面準位を生じにくくすることができる。よって、界面におけるキャリアの散乱や捕獲が生じにくく、トランジスタの電界効果移動度を向上させることが可能となる。また、トランジスタのしきい値電圧のばらつきを低減することが可能となる。よって、良好な電気特性を有する半導体装置を実現することが可能となる。
半導体層242aおよび半導体層242cの厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、半導体層242bの厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
また、半導体層242bがIn−M−Zn酸化物であり、半導体層242aおよび半導体層242cもIn−M−Zn酸化物であるとき、半導体層242aおよび半導体層242cをIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、半導体層242bをIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]とすると、y1/x1がy2/x2よりも大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも1.5倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。さらに好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも2倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242c、および半導体層242bを選択する。より好ましくは、y1/x1がy2/x2よりも3倍以上大きくなるように半導体層242a、半導体層242cおよび半導体層242bを選択する。このとき、半導体層242bにおいて、y1がx1以上であるとトランジスタに安定した電気特性を付与できるため好ましい。ただし、y1がx1の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y1はx1の3倍未満であると好ましい。半導体層242aおよび半導体層242cを上記構成とすることにより、半導体層242aおよび半導体層242cを、半導体層242bよりも酸素欠損が生じにくい層とすることができる。
なお、半導体層242aおよび半導体層242cがIn−M−Zn酸化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInと元素Mの含有率は、好ましくはInが50atomic%未満、元素Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、元素Mが75atomic%以上とする。また、半導体層242bがIn−M−Zn酸化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInと元素Mの含有率は好ましくはInが25atomic%以上、元素Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、元素Mが66atomic%未満とする。
例えば、InまたはGaを含む半導体層242a、およびInまたはGaを含む半導体層242cとしてIn:Ga:Zn=1:3:2、1:3:4、1:3:6、1:6:4、または1:9:6などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物や、In:Ga=1:9などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga酸化物や、酸化ガリウムなどを用いることができる。また、半導体層242bとしてIn:Ga:Zn=3:1:2、1:1:1、5:5:6、または4:2:4.1などの原子数比のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物を用いることができる。なお、半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの原子数比はそれぞれ、誤差として上記の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
半導体層242bを用いたトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、半導体層242b中の不純物および酸素欠損を低減して高純度真性化し、半導体層242bを真性または実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とすることが好ましい。また、少なくとも半導体層242b中のチャネル形成領域が真性または実質的に真性と見なせる半導体層とすることが好ましい。
なお、実質的に真性と見なせる酸化物半導体層とは、酸化物半導体層中のキャリア密度が、1×1017/cm3未満、1×1015/cm3未満、または1×1013/cm3未満である酸化物半導体層をいう。
[酸化物半導体のエネルギーバンド構造]
ここで、半導体層242a、半導体層242b、および半導体層242cの積層により構成される半導体層242の機能およびその効果について、図50示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図50は、図47(B)にD1−D2の一点鎖線で示す部位のエネルギーバンド構造図である。図50は、トランジスタ450のチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図50中、Ec382、Ec383a、Ec383b、Ec383c、Ec386は、それぞれ、絶縁層109、半導体層242a、半導体層242b、半導体層242c、絶縁層116の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。
絶縁層109と絶縁層116は絶縁物であるため、Ec382とEc386は、Ec383a、Ec383b、およびEc383cよりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
また、Ec383aは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383aは、Ec383bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、Ec383cは、Ec383bよりも真空準位に近い。具体的には、Ec383cは、Ec383bよりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、半導体層242aと半導体層242bとの界面近傍、および、半導体層242bと半導体層242cとの界面近傍では、混合領域が形成されるため、伝導帯下端のエネルギーは連続的に変化する。即ち、これらの界面において、準位は存在しないか、ほとんどない。
従って、当該エネルギーバンド構造を有する積層構造において、電子は半導体層242bを主として移動することになる。そのため、半導体層242aと絶縁層109との界面、または、半導体層242cと絶縁層116との界面に準位が存在したとしても、当該準位は電子の移動にほとんど影響しない。また、半導体層242aと半導体層242bとの界面、および半導体層242cと半導体層242bとの界面に準位が存在しないか、ほとんどないため、当該領域において電子の移動を阻害することもない。従って、上記酸化物半導体の積層構造を有するトランジスタ450は、高い電界効果移動度を実現することができる。
なお、図50に示すように、半導体層242aと絶縁層109の界面、および半導体層242cと絶縁層116の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位390が形成され得るものの、半導体層242a、および半導体層242cがあることにより、半導体層242bと当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
特に、本実施の形態に例示するトランジスタ450は、半導体層242bの上面と側面が半導体層242cと接し、半導体層242bの下面が半導体層242aと接して形成されている。このように、半導体層242bを半導体層242aと半導体層242cで覆う構成とすることで、上記トラップ準位の影響をさらに低減することができる。
ただし、Ec383aまたはEc383cと、Ec383bとのエネルギー差が小さい場合、半導体層242bの電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある。トラップ準位に電子が捕獲されることで、絶縁層の界面にマイナスの固定電荷が生じ、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
従って、Ec383a、およびEc383cと、Ec383bとのエネルギー差を、それぞれ0.1eV以上、好ましくは0.15eV以上とすると、トランジスタのしきい値電圧の変動が低減され、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができるため、好ましい。
また、半導体層242a、および半導体層242cのバンドギャップは、半導体層242bのバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
本発明の一態様によれば、電気特性のばらつきが少ないトランジスタを実現することができる。よって、電気特性のばらつきが少ない半導体装置を実現することができる。本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。よって、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
また、酸化物半導体のバンドギャップは2eV以上あるため、チャネルが形成される半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流を極めて小さくすることができる。具体的には、チャネル幅1μm当たりのオフ電流を室温下において1×10−20A未満、好ましくは1×10−22A未満、さらに好ましくは1×10−24A未満とすることができる。すなわち、オンオフ比を20桁以上150桁以下とすることができる。
本発明の一態様によれば、消費電力が少ないトランジスタを実現することができる。よって、消費電力が少ない撮像装置や半導体装置を実現することができる。
また、半導体層に酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう)はオフ電流が著しく低いため、例えば、トランジスタ431としてOSトランジスタを用いることで、容量素子233を小さくすることができる。または、容量素子233を設けずに、トランジスタなどの寄生容量を容量素子233に代えて用いることができる。よって、画素130の占有面積を小さくすることができ、表示領域131の高精細化が容易となり、表示装置100の表示品位を良好なものとすることができる。また、表示装置100の消費電力を低減することができる。また、信頼性の高い表示装置100を提供することができる。
図47に示すトランジスタ450の説明にもどる。絶縁層109に設けた凸部上に半導体層242bを設けることによって、半導体層242bの側面も電極243で覆うことができる。すなわち、トランジスタ450は、電極243の電界によって、半導体層242bを電気的に取り囲むことができる構造を有している。このように、導電膜の電界によって、チャネルが形成される半導体層を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。また、s−channel構造を有するトランジスタを、「s−channel型トランジスタ」もしくは「s−channelトランジスタ」ともいう。
s−channel構造では、半導体層242bの全体(バルク)にチャネルが形成される場合がある。s−channel構造では、トランジスタのドレイン電流を大きくすることができ、さらに大きいオン電流を得ることができる。また、電極243の電界によって、半導体層242bに形成されるチャネル形成領域の全領域を空乏化することができる。したがって、s−channel構造では、トランジスタのオフ電流をさらに小さくすることができる。
なお、絶縁層109の凸部を高くし、また、チャネル幅を小さくすることで、s−channel構造によるオン電流の増大効果、オフ電流の低減効果などをより高めることができる。また、半導体層242bの形成時に、露出する半導体層242aを除去してもよい。この場合、半導体層242aと半導体層242bの側面が揃う場合がある。
また、図48に示すトランジスタ451のように、半導体層242の下方に、絶縁層を介して電極213を設けてもよい。図48(A)はトランジスタ451の上面図である。図48(B)は、図48(A)中のX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。図48(C)は、図48(A)中のY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。
また、図49に示すトランジスタ452のように、電極243の上方に層214を設けてもよい。図49(A)はトランジスタ452の上面図である。図49(B)は、図49(A)中のX1−X2の一点鎖線で示した部位の断面図である。図49(C)は、図49(A)中のY1−Y2の一点鎖線で示した部位の断面図である。
図49では、層214を絶縁層211上に設けているが、絶縁層119上に設けてもよい。層214を、遮光性を有する材料で形成することで、光照射によるトランジスタの特性変動や、信頼性の低下などを防ぐことができる。なお、層214を少なくとも半導体層242bよりも大きく形成し、層214で半導体層242bを覆うことで、上記の効果を高めることができる。層214は、有機物材料、無機物材料、又は金属材料を用いて作製することができる。また、層214を導電性材料で作製した場合、層214に電圧を供給してもよいし、電気的に浮遊した(フローティング)状態としてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態7)
本実施の形態では、発光素子125に用いることができる発光素子の構成例について説明する。なお、本実施の形態に示すEL層320が、他の実施の形態に示したEL層117に相当する。
<発光素子の構成>
図51(A)に示す発光素子330は、一対の電極(電極318、電極322)間にEL層320が挟まれた構造を有する。なお、以下の本実施の形態の説明においては、例として、電極318を陽極として用い、電極322を陰極として用いるものとする。
また、EL層320は、少なくとも発光層を含んで形成されていればよく、発光層以外の機能層を含む積層構造であっても良い。発光層以外の機能層としては、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、バイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い物質)の物質等を含む層を用いることができる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等の機能層を適宜組み合わせて用いることができる。
図51(A)に示す発光素子330は、電極318と電極322との間に与えられた電位差により電流が流れ、EL層320において正孔と電子とが再結合し、発光するものである。つまりEL層320に発光領域が形成されるような構成となっている。
本発明において、発光素子330からの発光は、電極318、または電極322側から外部に取り出される。従って、電極318、または電極322のいずれか一方は透光性を有する物質で成る。
なお、EL層320は図51(B)に示す発光素子331のように、電極318と電極322との間に複数積層されていても良い。n層(nは2以上の自然数)の積層構造を有する場合には、m番目(mは、1≦m<nを満たす自然数)のEL層320と、(m+1)番目のEL層320との間には、それぞれ電荷発生層320aを設けることが好ましい。
電荷発生層320aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料、金属酸化物、有機化合物とアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物との複合材料の他、これらを適宜組み合わせて形成することができる。有機化合物と金属酸化物の複合材料としては、例えば、有機化合物と酸化バナジウムや酸化モリブデンや酸化タングステン等の金属酸化物を含む。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素等の低分子化合物、または、それらの低分子化合物のオリゴマー、デンドリマー、ポリマーなど、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔輸送性有機化合物として正孔移動度が10−6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、電荷発生層320aに用いるこれらの材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、発光素子330の低電流駆動、および低電圧駆動を実現することができる。
なお、電荷発生層320aは、有機化合物と金属酸化物の複合材料と他の材料とを組み合わせて形成してもよい。例えば、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物と金属酸化物の複合材料を含む層と、透明導電膜とを組み合わせて形成してもよい。
このような構成を有する発光素子331は、エネルギーの移動や消光などの問題が起こり難く、材料の選択の幅が広がることで高い発光効率と長い寿命とを併せ持つ発光素子とすることが容易である。また、一方の発光層で燐光発光、他方で蛍光発光を得ることも容易である。
なお、電荷発生層320aとは、電極318と電極322に電圧を印加したときに、電荷発生層320aに接して形成される一方のEL層320に対して電子を注入する機能を有し、他方のEL層320に正孔を注入する機能を有する。
図51(B)に示す発光素子331は、EL層320に用いる発光物質の種類を変えることにより様々な発光色を得ることができる。また、発光物質として発光色の異なる複数の発光物質を用いることにより、ブロードなスペクトルの発光や白色発光を得ることもできる。
図51(B)に示す発光素子331を用いて、白色発光を得る場合、複数のEL層の組み合わせとしては、赤、青及び緑色の光を含んで白色に発光する構成であればよく、例えば、青色の蛍光材料を発光物質として含む発光層と、緑色と赤色の燐光材料を発光物質として含む発光層を有する構成が挙げられる。また、赤色の発光を示す発光層と、緑色の発光を示す発光層と、青色の発光を示す発光層とを有する構成とすることもできる。または、補色の関係にある光を発する発光層を有する構成であっても白色発光が得られる。発光層が2層積層された積層型素子において、一方の発光層から得られる発光の発光色と別の発光層から得られる発光の発光色を補色の関係にする場合、補色の関係としては、青色と黄色、あるいは青緑色と赤色などが挙げられる。
なお、上述した積層型素子の構成において、積層される発光層の間に電荷発生層を配置することにより、電流密度を低く保ったまま、高輝度領域での長寿命素子を実現することができる。また、電極材料の抵抗による電圧降下を小さくできるので、大面積での均一な発光が可能となる。
また、発光素子125を、EL層117から発する光を共振させる微小光共振器(「マイクロキャビティ」ともいう)構造とすることで、異なる発光素子125で同じEL層117を用いても、異なる波長の光を狭線化して取り出すことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る表示装置が適用された電子機器の例について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様に係る表示装置を用いた電子機器として、テレビ、モニタ等の表示装置、照明装置、デスクトップ型或いはノート型のパーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、DVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体に記憶された静止画又は動画を再生する画像再生装置、ポータブルCDプレーヤ、ラジオ、テープレコーダ、ヘッドホンステレオ、ステレオ、置き時計、壁掛け時計、コードレス電話子機、トランシーバ、携帯電話、自動車電話、携帯型ゲーム機、タブレット型端末、パチンコ機などの固定式ゲーム機、電卓、携帯情報端末、電子手帳、電子書籍、電子翻訳機、音声入力機器、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電気シェーバ、電子レンジ等の高周波加熱装置、電気炊飯器、電気洗濯機、電気掃除機、温水器、扇風機、毛髪乾燥機、エアコンディショナー、加湿器、除湿器などの空調設備、食器洗い器、食器乾燥器、衣類乾燥器、布団乾燥器、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気冷凍冷蔵庫、DNA保存用冷凍庫、懐中電灯、チェーンソー等の工具、煙感知器、透析装置等の医療機器などが挙げられる。さらに、誘導灯、信号機、ベルトコンベア、エレベータ、エスカレータ、産業用ロボット、電力貯蔵システム、電力の平準化やスマートグリッドのための蓄電装置等の産業機器が挙げられる。また、蓄電体からの電力を用いて電動機により推進する移動体なども、電子機器の範疇に含まれるものとする。上記移動体として、例えば、電気自動車(EV)、内燃機関と電動機を併せ持ったハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、これらのタイヤ車輪を無限軌道に変えた装軌車両、電動アシスト自転車を含む原動機付自転車、自動二輪車、電動車椅子、ゴルフ用カート、小型又は大型船舶、潜水艦、ヘリコプター、航空機、ロケット、人工衛星、宇宙探査機や惑星探査機、宇宙船などが挙げられる。
特に、本発明の一態様に係る表示装置を適用した電子機器として、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、照明装置や表示装置を、家屋やビルの内壁または外壁や、自動車の内装または外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
図52(A)は、携帯電話機(スマートフォンを含む)の一例を示している。携帯電話機7400は、筐体7401に組み込まれた表示部7402の他、操作ボタン7403、外部接続ポート7404、スピーカ7405、マイク7406などを備えている。なお、携帯電話機7400は、本発明の一態様に係る表示装置を表示部7402に用いることにより作製される。
図52(A)に示す携帯電話機7400は、表示部7402にタッチセンサを有し、表示部7402を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、表示部7402を指などで触れることにより行うことができる。
また操作ボタン7403の操作により、電源のON、OFFや、表示部7402に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
ここで、表示部7402には、本発明の一態様の表示装置が組み込まれている。したがって、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯電話機とすることができる。
図52(B)は、スマートフォンなどの携帯電話機の一例を示している。携帯電話機7410は、筐体7411に、表示部7412、マイク7416、スピーカ7415、カメラ7417、外部接続部7414、操作用ボタン7413などを備えている。また、本発明の一態様の表示装置は、曲面を有する表示部7412に適用することが可能である。
図52(B)に示す携帯電話機7410は、表示部7412を指などで触れることで、情報を入力することができる。また、電話を掛ける、或いはメールを作成するなどの操作を、表示部7412を指などで触れることにより行うことができる。
表示部7412の画面は主として3つのモードがある。第1は、画像の表示を主とする表示モードであり、第2は、文字等の情報の入力を主とする入力モードである。第3は表示モードと入力モードの2つのモードが混合した表示+入力モードである。
例えば、電話を掛ける、或いはメールを作成する場合は、表示部7412を文字の入力を主とする文字入力モードとし、画面に表示させた文字の入力操作を行えばよい。この場合、表示部7412の画面のほとんどにキーボード又は番号ボタンを表示させることが好ましい。
また、表示部7412に表示される画像の種類によってモードを切り替えることもできる。例えば、表示部に表示する画像信号が動画のデータであれば表示モード、テキストデータであれば入力モードに切り替えてもよい。
また、入力モードにおいて、表示部7412のタッチセンサを用い、表示部7412のタッチ操作による入力が一定期間ないと判断される場合には、画面のモードを入力モードから表示モードに切り替えるように制御してもよい。
また、携帯電話機7410内部に、ジャイロセンサや加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯電話機7410の向き(縦か横か)を判断して、表示部7412の画面表示の向きを自動的に切り替えるようにすることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部7412を触れること、又は筐体7411の操作用ボタン7413の操作により行うこともできる。
図52(C)は、リストバンド型の表示装置の一例を示している。携帯表示装置7100は、筐体7131、表示部7102、操作ボタン7103、及び送受信装置7104を備える。
携帯表示装置7100は、送受信装置7104によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7102に表示することができる。また、音声信号を他の受信機器に送信することもできる。
また、操作ボタン7103によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え、または音声のボリュームの調整などを行うことができる。
ここで、表示部7102には、本発明の一態様に係る表示装置が組み込まれている。したがって、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い携帯表示装置とすることができる。
図52(D)乃至図52(F)は、照明装置の一例を示している。照明装置7200、照明装置7210、照明装置7220はそれぞれ、操作スイッチ7203を備える台部7201と、台部7201に支持される発光部を有する。
図52(D)に示す照明装置7200は、波状の発光面を有する発光部7202を備える。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図52(E)に示す照明装置7210の備える発光部7212は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7210を中心に全方位を照らすことができる。
図52(F)に示す照明装置7220は、凹状に湾曲した発光部7222を備える。したがって、発光部7222からの発光を、照明装置7220の前面に集光するため、特定の範囲を明るく照らす場合に適している。
また、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光部はフレキシブル性を有しているため、当該発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
ここで、照明装置7200、照明装置7210及び照明装置7220が備える各々の発光部には、本発明の一態様に係る表示装置が組み込まれている。したがって、表示部を任意の形状に湾曲または屈曲可能であり、且つ信頼性の高い照明装置とすることができる。
図53(A)に、携帯型の表示装置の一例を示す。表示装置7300は、筐体7301、表示部7302、操作ボタン7303、引き出し部材7304、制御部7305を備える。
表示装置7300は、筒状の筐体7301内にロール状に巻かれたフレキシブルな表示部7302を備える。
また、表示装置7300は制御部7305によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7302に表示することができる。また、制御部7305には蓄電装置を備える。また、制御部7305にコネクタを備え、映像信号や電力を直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7303によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。
図53(B)に、表示部7302を引き出し部材7304により引き出した状態を示す。この状態で表示部7302に映像を表示することができる。また、筐体7301の表面に配置された操作ボタン7303によって、片手で容易に操作することができる。
なお、表示部7302を引き出した際に表示部7302が湾曲しないよう、表示部7302の端部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
表示部7302には、本発明の一態様に係る表示装置が組み込まれている。したがって、表示部7302はフレキシブルで且つ信頼性の高い表示装置であるため、表示装置7300は軽量で且つ信頼性の高い表示装置とすることができる。
図54(A)および図54(B)は、2つ折り可能なタブレット型端末9600を例示している。図54(A)は、タブレット型端末9600を開いた状態であり、タブレット型端末9600は、筐体9630、表示部9631、表示モード切り替えスイッチ9626、電源スイッチ9627、省電力モード切り替えスイッチ9625、留め具9629、操作スイッチ9628、を有する。
筐体9630は、筐体9630aと筐体9630bを有し、筐体9630aと筐体9630bは、ヒンジ部9639により結合されている。また、筐体9630は、ヒンジ部9639により2つ折り可能となっている。
また、表示部9631は、筐体9630a、筐体9630b、およびヒンジ部9639上に形成されている。表示部9631に本明細書等に開示した表示装置を用いることにより、表示部9631の屈曲が可能で、信頼性の高いタブレット型端末とすることが可能となる。
表示部9631は、一部をタッチセンサの領域9632とすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631は、例えば、半分の領域が表示のみの機能を有する構成とし、もう半分の領域をタッチセンサの機能を有する構成とすることができる。また、表示部9631全ての領域がタッチセンサの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631の全面にキーボードボタン表示させて、データ入力端末とすることもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9626は、縦表示又は横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9625は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
図54(B)は、タブレット型端末9600を閉じた状態であり、タブレット型端末9600は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有する。なお、図54(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリ9635、DCDCコンバータ9636を有する構成について示している。
表示部9631に本発明の一態様に係る表示装置を用いることにより、表示部9631を折り曲げることができる。例えば、タブレット型端末9600は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、可搬性に優れ、また、筐体9630を閉じることで表示部9631を保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末とすることができる。
また、この他にも図54(A)及び図54(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作又は編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチセンサ、表示部、又は映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の一面又は二面に配置することで効率よくバッテリ9635の充電を行う構成とすることができるため好適である。なおバッテリ9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図54(B)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図54(C)にブロック図を示し説明する。図54(C)には、太陽電池9633、バッテリ9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリ9635、DCDCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図54(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池で発電した電力は、バッテリ9635を充電するための電圧となるようDCDCコンバータ9636で昇圧又は降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧又は降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリ9635の充電を行う構成とすればよい。
なお太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリ9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
なお、本発明の一態様の表示装置を具備していれば、上記で示した電子機器や照明装置に特に限定されないことは言うまでもない。
図55(A)乃至図55(C)に、電子機器の一例として、折りたたみ可能な携帯情報端末9310を例示する。図55(A)に展開した状態の携帯情報端末9310を示す。図55(B)に展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の携帯情報端末9310を示す。図55(C)に折りたたんだ状態の携帯情報端末9310を示す。携帯情報端末9310は、表示パネル9316、筐体9315、及びヒンジ9313を有する。携帯情報端末9310は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域を実現できる。よって、表示画像の一覧性に優れる。
また、携帯情報端末9310が有する表示パネル9316は、ヒンジ9313によって連結された3つの筐体9315に支持されている。ヒンジ9313部分において、表示パネル9316を屈曲させることができる。携帯情報端末9310は、展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。また、本発明の一態様の表示装置を表示パネル9316に用いることができる。例えば、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる表示装置を用いることができる。また、表示パネル9316は、タッチセンサを有していてもよい。
なお、本発明の一態様において、表示パネル9316が折りたたまれた状態又は展開された状態であることを検知するセンサを備えてもよい。表示パネル9316の制御装置は、該センサから表示パネル9316が折りたたまれた状態であることを示す情報を取得して、折りたたまれた部分(又は折りたたまれて使用者から視認できなくなった部分)の動作を停止してもよい。具体的には、表示を停止してもよい。また、タッチセンサを有する場合は、タッチセンサによる検知を停止してもよい。
同様に、表示パネル9316の制御装置は、表示パネル9316が展開された状態であることを示す情報を取得して、表示やタッチセンサによる検知などを再開してもよい。
図55(D)及び図55(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末9320を示す。図55(D)に表示部9322が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末9320を示す。図55(E)に、表示部9322が内側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末9320を示す。携帯情報端末9320を使用しない際に、非表示部9325を外側に折りたたむことで、表示部9322の汚れや傷つきを抑制できる。本発明の一態様に係る表示装置を表示部9322に用いることができる。
図55(F)は携帯情報端末9330の外形を説明する斜視図である。図55(G)は、携帯情報端末9330の上面図である。図55(H)は携帯情報端末9340の外形を説明する斜視図である。
携帯情報端末9330、携帯情報端末9340は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。
携帯情報端末9330及び携帯情報端末9340は、文字や画像情報を複数の面に表示することができる。例えば、1つ又は複数の操作ボタン9339を正面に表示することができる(図55(F))。また、破線の矩形で示す情報9337を上面に表示することができる(図55(G))。また、破線の矩形で示す情報9337を側面に表示することができる(図55(H))。なお、情報9337の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名、電子メールなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報9337が表示されている位置に、情報9337の代わりに、操作ボタン9339、アイコンなどを表示してもよい。なお、図55(F)及び図55(G)では、上面や側面に情報9337が表示される例を示したが、これに限定されない。例えば、底面や背面に情報9337が表示されてもよい。
例えば、携帯情報端末9330の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9330を収納した状態で、その表示(ここでは情報9337)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9330の上面に表示する。使用者は、携帯情報端末9330をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
携帯情報端末9330の筐体9335、携帯情報端末9340の筐体9336がそれぞれ有する表示部9333には、本発明の一態様の表示装置を用いることができる。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い表示装置を歩留まりよく提供できる。
また、図55(I)に示す携帯情報端末9345のように、3面以上に情報を表示してもよい。ここでは、情報9355、情報9356、情報9357がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
携帯情報端末9345の筐体9354が有する表示部9358には、本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い表示装置を歩留まりよく提供できる。
本発明の一態様に係る表示装置は、外部からの衝撃に強く、破損しにくい表示装置である。また、本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、外部からの衝撃に強く、破損しにくい電子機器を実現することができる。
図56(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体7131、筐体7132、表示部7133、表示部7134、マイク7105、スピーカ7106、操作キー7107、スタイラス7108等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7133または表示部7134に用いることができる。表示部7133または表示部7134に本発明の一態様に係る表示装置を用いることで、キズなどによる表示品質の低下が起こりにくい携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、図56(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部7133と表示部7134とを有しているが、表示部の数はこれに限定されない。
図56(B)は、スマートウオッチであり、筐体7332、表示部7334、操作ボタン7311、操作ボタン7312、接続端子7313、バンド7321、留め具7322、等を有する。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7334に用いることができる。
図56(C)は、携帯情報端末であり、筐体7501に組み込まれた表示部7502の他、操作ボタン7503、外部接続ポート7504、スピーカ7505、マイク7506などを備えている。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7502に用いることができる。
図56(D)はビデオカメラであり、第1筐体7701、第2筐体7702、表示部7703、操作キー7704、レンズ7705、接続部7706等を有する。操作キー7704およびレンズ7705は第1筐体7701に設けられており、表示部7703は第2筐体7702に設けられている。そして、第1筐体7701と第2筐体7702とは、接続部7706により接続されており、第1筐体7701と第2筐体7702の間の角度は、接続部7706により変更が可能である。表示部7703における映像を、接続部7706における第1筐体7701と第2筐体7702との間の角度に従って切り替える構成としても良い。レンズ7705の焦点となる位置には本発明の一態様の撮像装置を備えることができる。本発明の一態様に係る表示装置は、表示部7703に用いることができる。
図57(A)に自動車9700の外観を示す。図57(B)に自動車9700の運転席を示す。自動車9700は、車体9701、車輪9702、ダッシュボード9703、ライト9704等を有する。本発明の一態様にかかる表示装置は、自動車9700の表示部などに用いることができる。例えば、図57(B)に示す表示部9710乃至表示部9715に本発明の一態様にかかる表示装置を設けることができる。
表示部9710と表示部9711は、自動車のフロントガラスに設けられた表示装置である。本発明の一態様に係る表示装置は、表示装置が有する電極を、透光性を有する導電性材料で作製することによって、反対側が透けて見える、いわゆるシースルー状態の表示装置とすることができる。シースルー状態の表示装置であれば、自動車9700の運転時にも視界の妨げになることがない。よって、本発明の一態様にかかる表示装置を自動車9700のフロントガラスに設置することができる。なお、表示装置に、表示装置を駆動するためのトランジスタなどを設ける場合には、有機半導体材料を用いた有機トランジスタや、酸化物半導体を用いたトランジスタなど、透光性を有するトランジスタを用いるとよい。
表示部9712はピラー部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9712に映し出すことによって、ピラーで遮られた視界を補完することができる。表示部9713はダッシュボード部分に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9713に映し出すことによって、ダッシュボードで遮られた視界を補完することができる。すなわち、自動車の外側に設けられた撮像手段からの映像を映し出すことによって、死角を補い、安全性を高めることができる。また、見えない部分を補完する映像を映すことによって、より自然に違和感なく安全確認を行うことができる。
また、図58は、運転席と助手席にベンチシートを採用した自動車の室内を示している。表示部9721は、ドア部に設けられた表示装置である。例えば、車体に設けられた撮像手段からの映像を表示部9721に映し出すことによって、ドアで遮られた視界を補完することができる。また、表示部9722は、ハンドルに設けられた表示装置である。表示部9723は、ベンチシートの座面の中央部に設けられた表示装置である。なお、表示装置を座面や背もたれ部分などに設置して、当該表示装置を、当該表示装置の発熱を熱源としたシートヒーターとして利用することもできる。
表示部9714、表示部9715、または表示部9722はナビゲーション情報、スピードメーターやタコメーター、走行距離、給油量、ギア状態、エアコンの設定など、その他様々な情報を提供することができる。また、表示部に表示される表示項目やレイアウトなどは、使用者の好みに合わせて適宜変更することができる。なお、上記情報は、表示部9710乃至表示部9713、表示部9721、表示部9723にも表示することができる。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は照明装置として用いることも可能である。また、表示部9710乃至表示部9715、表示部9721乃至表示部9723は加熱装置として用いることも可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。