JP2016050289A - Pa樹脂組成物およびその樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形後のハードコーティングが不要でありながら、成形外観が良好で、軋み音低減効果に優れるPA樹脂組成物と、その樹脂成形品を提供する。
【解決手段】(a)ポリアミド(PA)100重量部に対し、(b)主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を、前記(a)成分に対して0.5〜20重量部含有し、アクリロニトリル−スチレン共重合体は、アクリロニトリル(AN)成分とスチレン(St)成分の重量比がAN/St=10/90〜50/50である。
【選択図】なし
【解決手段】(a)ポリアミド(PA)100重量部に対し、(b)主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を、前記(a)成分に対して0.5〜20重量部含有し、アクリロニトリル−スチレン共重合体は、アクリロニトリル(AN)成分とスチレン(St)成分の重量比がAN/St=10/90〜50/50である。
【選択図】なし
Description
本発明は、成形外観が良好で、きしみ音低減効果に優れるPA樹脂組成物、およびその樹脂成形品に関するものである。
ポリアミド(PA)は機械特性、耐熱性、耐薬品性等の物理的特性に優れており、自己潤滑性にも優れているため、タンク等の工業用部品、ケース、カバー等の各種ハウジング、ギヤ、軸受け摺動部材等の広汎な用途に使用されている。しかしながら、同材、他部材と擦れ合うと、軋み音が発生しやすいといった問題点がある。
そこで、熱可塑性樹脂の軋み音を防止ないし低減させるための手段として、特許文献1では、フッ素系やシリコーン系のコーティング組成物を表面処理剤として塗布している。
しかしながら、特許文献1に記載の方法の場合、コーティング工程という追加の工程が必要となるので、工程上多くの時間が必要とされ、コストが嵩むなどの短所を有している。しかも、表面処理剤を使用する場合は、表面のべとつき、外観低下などの問題がある。そのため、近年、軋み音を低減できる無塗装樹脂への要求が増えている。
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、成形後のコーティング工程が不要でありながら、成形外観が良好で、軋み音低減効果に優れるPA樹脂組成物と、その樹脂成形品を提供することを目的とする。
そのための手段として、本発明のPA樹脂組成物は、(a)ポリアミド(PA)100重量部に対し、(b)主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を0.5〜20重量部含有してなる。前記アクリロニトリル−スチレン共重合体は、アクリロニトリル(AN)成分とスチレン(St)成分の重量比が、AN/St=10/90〜50/50である。
このとき、前記(b)グラフト共重合体中、ポリエチレン成分(PE)を40〜90wt%、アクリロニトリル−スチレン共重合体を60〜10wt%含有することが好ましい。なお、PE成分とポリアクリロニトリル−スチレン共重合体成分との合計は、100wt%である。
また、本発明によれば、上記PA樹脂組成物を所定形状に成形してなる樹脂組成物を提供することもできる。
なお、本発明において、数値範囲を示す「○○〜××」は、特に明示しない限り「○○以上××以下」を意味する。
本発明によれば、ベース樹脂であるPAに対して、添加物として、(b)主鎖がポリエチレンであり、側鎖が所定のAN/St重量比からなるアクリロニトリル−スチレン共重合体である、グラフト共重合体を特定量配合することで、樹脂成形品そのものの軋み音を低減することができる。したがって、本発明のPA樹脂組成物からなる樹脂成形品に対しては、軋み音低減のためのハードコーティング工程は必要なく、樹脂成形品の外観も良好となる。
本発明の樹脂組成物は、(a)ポリアミド(PA)に、添加剤として特定の(b)グラフト共重合体を添加してなる。以下、本発明の各構成要件について説明する。
<(a)PA>
ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン46等の脂肪族ポリアミド樹脂、ポリヘキサジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等の芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。また、これらに用いられる原料モノマーを2種類以上共重合してなる共重合ポリアミド樹脂や、これらのポリアミド樹脂を2種類以上混合したものでも良い。
ポリアミドは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン612、ナイロン46等の脂肪族ポリアミド樹脂、ポリヘキサジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド、キシレン基含有ポリアミド等の芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。また、これらに用いられる原料モノマーを2種類以上共重合してなる共重合ポリアミド樹脂や、これらのポリアミド樹脂を2種類以上混合したものでも良い。
<(b)グラフト共重合体>
(b)グラフト共重合体は、主鎖がポリエチレン(PE)であり、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体である、グラフト共重合体である。このグラフト共重合体は、ポリエチレン成分が40〜90wt%、アクリロニトリル−スチレン共重合体成分が60〜10wt%であるのが好ましい(両成分の合計は100wt%)。ポリエチレン成分とアクリロニトリル−スチレン共重合体成分との配合バランスがこの範囲を外れると、得られる樹脂成形品の軋み音低減効果が低下する。より好ましくは、ポリエチレン成分が50〜80wt%、アクリロニトリル−スチレン共重合体が50〜20wt%である。この範囲であると、グラフト共重合体の製造時にポリエチレンとアクリロニトリル−スチレン共重合体とがブロッキングしにくく、グラフト共重合体の製造が容易であるため好ましい。
(b)グラフト共重合体は、主鎖がポリエチレン(PE)であり、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体である、グラフト共重合体である。このグラフト共重合体は、ポリエチレン成分が40〜90wt%、アクリロニトリル−スチレン共重合体成分が60〜10wt%であるのが好ましい(両成分の合計は100wt%)。ポリエチレン成分とアクリロニトリル−スチレン共重合体成分との配合バランスがこの範囲を外れると、得られる樹脂成形品の軋み音低減効果が低下する。より好ましくは、ポリエチレン成分が50〜80wt%、アクリロニトリル−スチレン共重合体が50〜20wt%である。この範囲であると、グラフト共重合体の製造時にポリエチレンとアクリロニトリル−スチレン共重合体とがブロッキングしにくく、グラフト共重合体の製造が容易であるため好ましい。
また、上記グラフト共重合体の側鎖であるアクリロニトリル−スチレン共重合体成分中のアクリロニトリル(AN)成分とスチレン(St)成分の重量比は、AN/St=10/90〜50/50、好ましくは15/85〜50/50とする。この重量比を外れると、樹脂成形品における軋み音低減効果が小さくなる傾向がある。
グラフト共重合体としては、上記の条件を満たしていればいずれの公知のものを使用することができ、その製造方法も特に限定されないが、一例としては特開平4−211447号公報に記載された製造方法が挙げられる。また、市販品としては、例えば日油(株)製のモディパーA1401などが挙げられる。
本発明のPA樹脂組成物は、(a)PA100重量部に対して、(b)グラフト共重合体の添加量は0.5〜20重量部、好ましくは0.3〜18重量部とする。(b)成分の含有量が上記範囲から外れていると、樹脂成形品において優れた軋み音低減効果が得られない。
更に、本発明のポリアミド樹脂組成物は、球状シリカ、CFの他、ガラス繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム繊維、鉱物破砕繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、石コウ繊維、水酸化マグネシウム繊維、炭化ケイ素繊維、ジルコニア繊維等の繊維強化材、マイカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、ベントナイト、セリサイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、アルミナ、硅酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、グラファイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、四フッ化エチレン樹脂、超高密度ポリエチレン等の各形状の有機および/又は無機の充填剤、着色剤、固体潤滑剤、アニオン系活性剤であるデノンVー57s(丸菱油化工業製)等の帯電防止剤、リン酸トリフェニル等の難燃剤、ステアリン酸ステアリル等の滑剤などを、組成物の特性を低下させない範囲において添加することも可能である。
本発明のPA樹脂組成物は熱可塑性樹脂なので、射出成形や押し出し成形などにより、所定形状に成形された樹脂成形品を得ることができる。当該樹脂成形品は、添加剤として所定のグラフト共重合体を所定量含有することで、同材、他部材と擦れた際の軋み音が生じにくい。これにより、当該樹脂成形品は、従来問題となっていたコーティング工程の追加なしに軋み音低減効果が改善され、樹脂成形品の外観も良好となる。本発明の樹脂成形品は、軋み音低減効果に優れた性質を有するため、例えば自動車やOA電子機器、電気・電子機器などの種々の分野で極めて有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
(a)成分としてポリアミド66〔宇部興産(株)製、商品名:ubeナイロン2020B、標準グレード〕、(b)成分として主鎖がポリエチレン、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体であるグラフト共重合体(PE/AN/St=50wt%/15wt%/35wt%)〔日油(株)製、商品名:モディパーA1401〕を用いた。表1に示す割合、すなわち(a)100重量部に対して(b)成分3重量部を、二軸押出機(PCM−30:池貝製)により溶融混練(押出温度:250〜270℃)し、ペレット状の樹脂組成物を得た。次いで、このペレットを射出成形(バレル温度:260〜270℃、金型温度:80℃)し、試験片(150mm×100mm×2mm)を作成した。
(a)成分としてポリアミド66〔宇部興産(株)製、商品名:ubeナイロン2020B、標準グレード〕、(b)成分として主鎖がポリエチレン、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体であるグラフト共重合体(PE/AN/St=50wt%/15wt%/35wt%)〔日油(株)製、商品名:モディパーA1401〕を用いた。表1に示す割合、すなわち(a)100重量部に対して(b)成分3重量部を、二軸押出機(PCM−30:池貝製)により溶融混練(押出温度:250〜270℃)し、ペレット状の樹脂組成物を得た。次いで、このペレットを射出成形(バレル温度:260〜270℃、金型温度:80℃)し、試験片(150mm×100mm×2mm)を作成した。
[実施例2]
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して1重量部にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して1重量部にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例3]
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して15重量部にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して15重量部にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例4]
(a)成分を、ポリアミド6〔宇部興産(株)製、商品名:ubeナイロン1013B、標準グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
(a)成分を、ポリアミド6〔宇部興産(株)製、商品名:ubeナイロン1013B、標準グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例5]
(a)成分を、ポリアミド612〔デュポン(株)製、商品名:ザイテル151L、標準グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
(a)成分を、ポリアミド612〔デュポン(株)製、商品名:ザイテル151L、標準グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例6]
(a)成分を、ガラス繊維を33wt%添加した強化グレードであるポリアミド66〔デュポン(株)製、商品名:ザイテル70G33L、強化グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
(a)成分を、ガラス繊維を33wt%添加した強化グレードであるポリアミド66〔デュポン(株)製、商品名:ザイテル70G33L、強化グレード〕にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例7]
(b)成分であるグラフト重合体中の主鎖であるポリエチレンと、側鎖を構成するポリアクリロニトリル及びスチレンの比率を、PE/AN/St=90wt%/3wt%/7wt%にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分であるグラフト重合体中の主鎖であるポリエチレンと、側鎖を構成するポリアクリロニトリル及びスチレンの比率を、PE/AN/St=90wt%/3wt%/7wt%にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例8]
(b)成分であるグラフト重合体中の主鎖であるポリエチレンと、側鎖を構成するポリアクリロニトリル及びスチレンの比率を、PE/AN/St=40wt%/18wt%/42wt%にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分であるグラフト重合体中の主鎖であるポリエチレンと、側鎖を構成するポリアクリロニトリル及びスチレンの比率を、PE/AN/St=40wt%/18wt%/42wt%にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例9]
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=50(25)wt%/50(25)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=50(25)wt%/50(25)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
[実施例10]
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=15(7.5)wt%/85(42.5)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=15(7.5)wt%/85(42.5)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
[比較例1]
(b)成分を添加しない以外は実施例1と同様である。
(b)成分を添加しない以外は実施例1と同様である。
[比較例2]
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して30重量部にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して30重量部にした以外は、実施例1と同様である。
[比較例3]
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して0.1重量部にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分の添加量を(a)成分100重量部に対して0.1重量部にした以外は、実施例1と同様である。
[比較例4]
(b)成分をポリエチレンとアクリロニトリル−スチレン共重合体のブレンド物PE/P(AN/St)にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分をポリエチレンとアクリロニトリル−スチレン共重合体のブレンド物PE/P(AN/St)にした以外は、実施例1と同様である。
[比較例5]
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=85(42.5)wt%/15(7.5)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分であるグラフト重合体の側鎖を構成するポリアクリロニトリルとスチレンの重量比をAN/St=85(42.5)wt%/15(7.5)wt%にした以外は、実施例1と同様である。
[比較例6]
(b)成分をポリエチレンにした以外は、実施例1と同様である。
(b)成分をポリエチレンにした以外は、実施例1と同様である。
[比較例7]
(b)成分を添加しない以外は、実施例4と同様である。
(b)成分を添加しない以外は、実施例4と同様である。
[比較例8]
(b)成分を添加しない以外は、実施例5と同様である。
(b)成分を添加しない以外は、実施例5と同様である。
[比較例9]
(b)成分を添加しない以外は、実施例6と同様である。
(b)成分を添加しない以外は、実施例6と同様である。
得られた実施例及び比較例の各試験片を用いて、軋み音及び成形外観を以下の方法にて評価した。
<軋み音の評価>
得られた試験片を、軋み音評価試験用のプレート(60mm×100mm×2mm)と、擦り合わせる相手材用として同材プレート(50mm×25mm×2mm)に切り出してバリ取りを行った後、25℃、湿度50%でそれぞれ12時間状態調整した。また、相手材用のプレート(50mm×25mm×2mm)として、PA66、PC/ABS(70重量部/30重量部)、PBT、及びステンレス製のプレートも準備した。軋み音評価試験用のプレートと、相手材としての各プレートをZiegler社のスティックスリップ測定装置SSP−02に固定し、荷重=10N,40N、速度=1mm/s,10mm/sの条件でそれぞれ擦り合わせた時の軋み音リスク値の測定を行った。なお、軋み音リスク値は、値が小さいほど軋み音発生のリスクが低いことを示す。軋み音リスク値の判断基準は以下に示す通りである。
軋み音リスク値1〜3:軋み音発生のリスクが低い
軋み音リスク値4〜5:軋み音発生のリスクがやや高い
軋み音リスク値6〜10:軋み音発生のリスクが高い
<軋み音の評価>
得られた試験片を、軋み音評価試験用のプレート(60mm×100mm×2mm)と、擦り合わせる相手材用として同材プレート(50mm×25mm×2mm)に切り出してバリ取りを行った後、25℃、湿度50%でそれぞれ12時間状態調整した。また、相手材用のプレート(50mm×25mm×2mm)として、PA66、PC/ABS(70重量部/30重量部)、PBT、及びステンレス製のプレートも準備した。軋み音評価試験用のプレートと、相手材としての各プレートをZiegler社のスティックスリップ測定装置SSP−02に固定し、荷重=10N,40N、速度=1mm/s,10mm/sの条件でそれぞれ擦り合わせた時の軋み音リスク値の測定を行った。なお、軋み音リスク値は、値が小さいほど軋み音発生のリスクが低いことを示す。軋み音リスク値の判断基準は以下に示す通りである。
軋み音リスク値1〜3:軋み音発生のリスクが低い
軋み音リスク値4〜5:軋み音発生のリスクがやや高い
軋み音リスク値6〜10:軋み音発生のリスクが高い
<成形外観の評価>
成形外観に関しては、試験片(150mm×100mm×2mm)を目視により、以下の基準により評価した。
○:良好(フローマーク、ジェッティング、剥離等がない。)
×:不良(フローマーク、ジェッティング、剥離等が存在。)
なお、フローマークとは成形品のゲート付近に円形波紋ができる概観不良である。ジェッティングとは、成形品に蛇状の樹脂の流れ模様ができる外観不良である。剥離とは、成形外観の表面に樹脂が剥がれたようなあとができる外観不良を意味する。
成形外観に関しては、試験片(150mm×100mm×2mm)を目視により、以下の基準により評価した。
○:良好(フローマーク、ジェッティング、剥離等がない。)
×:不良(フローマーク、ジェッティング、剥離等が存在。)
なお、フローマークとは成形品のゲート付近に円形波紋ができる概観不良である。ジェッティングとは、成形品に蛇状の樹脂の流れ模様ができる外観不良である。剥離とは、成形外観の表面に樹脂が剥がれたようなあとができる外観不良を意味する。
表1〜4の結果から、(b)グラフト共重合体を添加しない比較例1,7〜9と、各実施例の結果とを比較すると、(a)PAに対して、(b)成分として、主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を0.5〜20重量部添加することにより、樹脂成形品に軋み音低減効果が認められ、かつ成形外観も良好であった。加えて、比較例5と実施例9,10の結果より、(b)成分として添加されるグラフト重合体において、側鎖を構成するアクリロニトリル(AN)50wt%に対するスチレン(St)の重量比を50wt%以下とすると、軋み音発生のリスクが低い樹脂成形品を得られることが明らかとなった。
一方、比較例2の結果、(b)成分として、主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を添加する場合であっても、その添加量が30重量部と過剰であると、樹脂成形品の外観が不良になった。また、比較例3の結果、この(b)成分が0.1重量部と少ないと、樹脂成形品に軋み音低減効果が認められなかった。また、比較例4及び比較例6の結果、(b)成分として、ポリエチレンとアクリロニトリル‐スチレン共重合体とをそれぞれ単体で、あるいはポリエチレンのみを単体で、(a)PAに添加した場合には、樹脂成形品の外観が不良となった。
Claims (3)
- (a)ポリアミド(PA)100重量部に対し、(b)主鎖がポリエチレンで、側鎖がアクリロニトリル−スチレン共重合体のグラフト共重合体を0.5〜20重量部含有し、
前記アクリロニトリル−スチレン共重合体は、アクリロニトリル(AN)成分とスチレン(St)成分の重量比がAN/St=10/90〜50/50である、PA樹脂組成物。 - 請求項1に記載のPA樹脂組成物であって、
前記(b)グラフト共重合体は、40〜90wt%以下のポリエチレン成分と、10〜60wt%のアクリロニトリル−スチレン共重合体成分とを含む(ポリエチレン成分とアクリロニトリル−スチレン共重合体成分との合計は100wt%)、PA樹脂組成物。 - 請求項1又は請求項2に記載のPA樹脂組成物を所定形状に成形してなる、樹脂成形品。
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CN111040440A (zh) * | 2019-12-26 | 2020-04-21 | 广州市聚赛龙工程塑料股份有限公司 | 一种低密度高耐磨尼龙复合材料及其制备方法和应用 |
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- 2014-09-02 JP JP2014177821A patent/JP2016050289A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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