実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における衛星管制システムの構成を示すブロック図である。図1において、1は、衛星管制装置(SMAC:Satellite Monitor And Control)であり計算機等で構成され、衛星の監視制御を行うものである。2は、ベースバンド装置であり、変復調部(BBE)5とパケット処理部3とからなる。パケット処理部3は、ベースバンド装置2において、TCP/IP通信にて衛星管制装置(SMAC)1とのパケット信号I/Fをつかさどる部分である。4は、CMDservであり、パケット処理部3に実装される本発明の機構を具備するソフトウエアモジュールである。変復調部(BBE)5は、パケット処理部3への又はパケット処理部3からのパケットデータをベースバンド信号に変調又は復調する装置であり、例えばTCP/IP制御命令を、70MHz帯の中間周波数のアナログ信号に変換する。CMDは、衛星管制装置(SMAC)1からベースバンド装置2へ送信される制御信号であり、ACKは、ベースバンド装置2から衛星管制装置(SMAC)1へ送信される応答信号である。ベースバンド装置2の変復調部(BBE)5の先には人工衛星7との通信を行なうアンテナ6が接続されている。図1において、全ての衛星管制装置(SMAC)1は、1台のベースバンド装置2に接続されている。
図2は、この発明の実施の形態1における処理判定の説明図である。図2において、シーケンスIDは、衛星管制装置(SMAC)1から送信される制御信号(CMD)に付与される連続番号であり、並行動作する衛星管制装置(SMAC)1は、対応する制御信号(CMD)には同じ値が付与されている。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、ある衛星管制装置(SMAC)1から制御信号(CMD)を受け取ってから、他の衛星管制装置(SMAC)1から送信される、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)の受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。
図1の、CMDserv4の動作について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、この発明の実施の形態1におけるCMDserv内部の初期化動作を示すフローチャートである。図4は、この発明の実施の形態1におけるCMDserv内部の接続要求動作を示すフローチャートである。図5は、この発明の実施の形態1におけるCMDserv内部の制御要求動作を示すフローチャートである。
CMDserv4内部の初期化動作について図3を用いて説明する。ST−1にて、CMDserv4は、変復調部(BBE)5に接続し、衛星通信をするための初期化処理を行い、ST−2にて、衛星管制装置(SMAC)1からの接続要求を受け付けるPortを用意すると共に、受けつけWindow/システム健全のためのタイマ設定を行なう。
CMDserv4内部の接続要求動作について図4を用いて説明する。ST−3にてCMDserv4は、衛星管制装置(SMAC)1から接続要求を受け、衛星管制装置(SMAC)1を接続する。ST−4にて、接続した衛星管制装置(SMAC)1が許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−6へ飛び、ST−6にて、接続処理のNGを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1へ返送する。ST−4の判定がYESの場合は、ST−5にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−6にて、接続処理のYESを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1へ返送する。
CMDserv4内部の制御要求動作について図5を用いて説明する。ST−7にて、CMDserv4は、衛星管制装置(SMAC)1から制御信号(CMD)を受け取り、ST−8にて、受け取った制御信号(CMD)について、CMDシーケンスIDが連続であるか及び接続された衛星管制装置(SMAC)1で最初のCMDかを判定し、判定がNGの場合は制御要求を却下する。判定が、YESの場合は、ST−9にて、受け付けWindow(シーケンスID毎)を生成し、ST−10にて、受け付けWindowへ登録する。ST−11にて、受け付け終了かを判定し、未終了の場合はST−7へと戻る。受け付け終了の場合は、ST−12へ進む。
ST−12にて、図2における受け付けWindow内のCMDデータ部を比較し、ST−13にて、比較した結果、シーケンスID及びCMDデータが全て一致するかを判定する。判定の結果NGの場合は、CMD異常とし、ST−15にて、衛星管制装置(SMAC)1にNAK(Non_ACK)返信する。判定が、YESの場合は、ST−14にて、衛星管制装置(SMAC)1にACK返信し、ST−16にて、システム健全性のチェック範囲を超過したか判定する。判定が、NGの場合は、ST−7へと戻る。判定が、YESの場合は、ST−17へ進む。
ST−17にて、図2における受け付けWindowを超過して制御信号(CMD)を受信したかを判定し、判定がNGの場合は、ST−19にて、受け付けWindow破棄した後、ST−7へと戻る。判定がYESの場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワークに遅延、又は衛星管制装置(SMAC)1の処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−18にて、衛星管制装置(SMAC)1にNAK返信(システムwrong)し、ST−19にて、受け付けWindow破棄した後、ST−7へと戻る。
図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)は、CMDserv4に接続しているそれぞれの衛星管制装置(SMAC)1毎に設定値を保持し、判定を実施しても良い。
CMDserv4が以上の動作をすることにより、簡単な構成で、コマンドの誤送信が検出でき、さらには、制御要求が経由したネットワークの遅延又は衛星管制装置(SMAC)1の処理遅延が検出できる。
また、複数(N台)ある衛星管制装置(SMAC)1のN−1台までの冗長性を確保可能である。衛星管制装置(SMAC)1間での相互監視を必要とせずに、衛星管制装置(SMAC)1の異常に対しても固定時間で異常を判定できる。
なお、この発明に実施の形態1においては、全ての衛星管制装置(SMAC)1が、1台のベースバンド装置2に接続されている場合について説明したが、図6に示すように、所定の台数の衛星管制装置(SMAC)1を複数のベースバンド装置2に接続する構成としても良い。この場合、ベースバンド装置2の故障に対しても冗長性が確保できる。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2における衛星管制システムの構成を示すブロック図である。図7において、1は、衛星の監視制御を行う衛星管制装置(SMAC)である。2Aは、ベースバンド装置であり、ベースバンド装置2Aは、変復調部(BBE)5とパケット処理部3Aとからなる。パケット処理部3Aは、ベースバンド装置2において、TCP/IP通信にて衛星管制装置(SMAC)1とのパケット信号I/Fをつかさどる部分である。
4Aは、CMDservであり、CMDserv4Aはパケット処理部3Aに実装される本発明の機構を具備するソフトウエアモジュールである。変復調部(BBE)5は、パケット処理部3Aへの又はパケット処理部3Aからのパケットデータをベースバンド信号に変調又は復調する装置であり、例えばTCP/IP制御命令を、70MHz帯の中間周波数のアナログ信号に変換する。CMDは、衛星管制装置(SMAC)1からベースバンド装置2Aへ送信される制御信号であり、ACKは、ベースバンド装置2Aから衛星管制装置(SMAC)1へ送信される応答信号である。ベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5の先には、それぞれ人工衛星7との通信を行なうアンテナ6が接続されている。
図7において、衛星管制装置1、ベースバンド装置2A、およびアンテナ6は、それぞれ2つのサイト(設備設置場所)8に配置されている。一方(#1)のサイト8内に設置されたベースバンド装置2A(以下、#1のベースバンド装置2Aという)は、同じ(#1の)サイト8内に設置された衛星管制装置1およびアンテナ6と接続する。他方(#2)のサイト8内に配置されたベースバンド装置2A(以下、#2のベースバンド装置2Aという)は、同じ(#2の)サイト8内に設置された1つ以上の衛星管制装置1および1つのアンテナ6と接続する。このため、衛星管制装置1は、2つのサイト8合計で少なくとも2つ以上設置されている。また、#1と#2の2つのサイト8は物理的に離れた場所にあり、#1のベースバンド装置2AのCMDserv4A(以下、#1のCMDserv4Aという)と#2のベースバンド装置2AのCMDserv4A(以下、#2のCMDserv4Aという)は、相互にWAN(Wide Area Network)回線を通じて接続される。
2つのサイト8のベースバンド装置2Aのうち、#1のベースバンド装置2Aのパケット処理部3Aは変復調部(BBE)5と接続し、変復調部(BBE)5で変調又は復調されたデータをアンテナ6を通して衛星7と送受信する。#2のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5は、パケット処理部3Aと接続せず、待機状態である。#1のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1からベースバンド装置2Aに送信された制御信号(CMD)は、#1のCMDserv部4Aから#1のサイト8内の変復調部(BBE)5に送信される。このため、#1のCMDserv4Aと#2のCMDserv4Aの間でも、衛星管制装置(SMAC)1とベースバンド装置2Aとの間と同様に、制御信号(CMD)と応答信号(ACK)が送受信される。#2のサイト8に設置された衛星管制装置1から#2のベースバンド装置2Aに送信された制御信号(CMD)は、#2のCMDserv部4Aから#1のCMDserv部4Aに送信され、#1のCMDserv部4Aから#1のサイト8内の変復調部(BBE)5に送信される。
#2のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5および、アンテナ6は、#1のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5および、アンテナ6のバックアップとして用いられる。#1のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5、アンテナ6などに通信障害が発生した場合に、#1のCMDserv部4Aは、#1のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5との接続を待機状態にし、制御信号(CMD)を#2のCMDserv部4Aに送信する。また、#1のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5、アンテナ6などに通信障害が発生した場合に、#2のCMDserv部4Aは、#2のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5と接続し、#1のCMDserv部4Aおよび#2のサイト8に設置された衛星管制装置1から受信した制御信号(CMD)を#2のベースバンド装置2Aの変復調部(BBE)5に送信する。
この発明の実施の形態2における#1および#2のCMDserv4Aが受信する制御信号(CMD)の処理判定は、それぞれ図2のとおりである。最初に、図2により、#2のCMDserv4Aの処理を説明する。図2におけるシーケンスIDは、#2のCMDserv部4Aにおいては、#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1から送信される制御信号(CMD)に付与される連続番号である。並行動作する#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1からの制御信号(CMD)は、対応する制御信号(CMD)には同じ値が付与されている。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、ある衛星管制装置(SMAC)1から制御信号(CMD)を受け取ってから、他の衛星管制装置(SMAC)1から送信される、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)毎に設けられた受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。#2のCMDserv4Aは、システム健全性のチェック範囲に受信した制御信号をもとに、受信した制御信号の誤送信や遅延による異常を検知し、異常が無い場合は、受信した制御信号を同じシーケンス番号のまま#1のCMDserv4Aに送信する。
次に、図2により、#1のCMDserv4Aの処理を説明する。図2におけるシーケンスIDは、#1のCMDserv部4Aにおいては、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Aから送信される制御信号(CMD)に付与される連続番号である。並行動作する#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1および#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1からの制御信号(CMD)は、対応する制御信号(CMD)には同じ値が付与されている。また、#2のCMDserv4Aは、#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1から受信した制御信号(CMD)から異常が検知されなければ、制御信号(CMD)を同じシーケンスIDのまま#1のCMDserv部4Aに送信する。このため、並行動作する#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Aからの制御信号(CMD)は、対応する制御信号(CMD)には同じシーケンスIDが付与されている。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、最初に、あるシーケンスIDの制御信号(CMD)を受け取ってから、他の衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Aから送信される、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)毎に設けられた受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。
ここで、#1のCMDserv4Aが受信する制御信号は、#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1および#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1からの#2のCMDserv4Aを経由した制御信号であり。#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1からの#2のCMDserv4Aを経由した制御信号は、#2のCMDserv4AおよびWANによる転送の遅延が発生するため、#1のCMDserv4Aで設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#2のCMDserv4Aで設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より長い時間に設定される。言い換えれば、#2のCMDserv4Aで設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#1のCMDserv4Aで設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より短い時間に設定される。#1のCMDserv4Aは、システム健全性のチェック範囲に受信した制御信号をもとに、受信した制御信号の誤送信や遅延による異常を検知し、異常が無い場合は、受信した制御信号を#1の変復調部(BBE)5に送信する。
図7の、CMDserv4Aの動作について、図8〜図12を用いて説明する。図8は、この発明の実施の形態2におけるCMDserv4A内部の初期化動作を示すフローチャートである。図9および図10は、この発明の実施の形態2におけるCMDserv4A内部の接続要求動作を示すフローチャートである。図11および図12は、この発明の実施の形態2におけるCMDserv4A内部の制御要求動作を示すフローチャートである。
CMDserv4A内部の初期化動作について図8を用いて説明する。ST−21にて、CMDserv4Aは、変復調部(BBE)5に接続するか否かを判断する。図7の構成では、#1のCMDserv4Aは、変復調部(BBE)5と接続するため、衛星通信をするための初期化処理を行う(ST−22)。また、#2のCMDserv4Aは、変復調部(BBE)5と接続しないため、ST−23へ飛ぶ。ST−23にて、#1のCMDserv4Aおよび#2のCMDserv4Aは、衛星管制装置(SMAC)1からの接続要求を受け付けるPortを用意すると共に、受け付けWindow/システム健全のためのタイマ設定を行なう。
CMDserv4A内部の接続要求動作について図9および図10を用いて説明する。図9は、#1のCMDserv4A内部の接続要求動作を示す。ST−31にて#1のCMDserv4Aは、衛星管制装置(SMAC)1から接続要求を受け、ST−32にて、接続した衛星管制装置(SMAC)1が許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−34へ飛び、ST−34にて、接続処理のNGを接続要求のあったSMAC1へ返送する。ST−32の判定がYESの場合は、ST−33にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−34にて、接続処理のYESを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1へ返送する。同様に#1のCMDserv4Aは、ST−31にて#2のCMDserv4Aから接続要求を受け、ST−32にて、#2のCMDserv4Aが許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−34へ飛び、ST−34にて、接続処理のNGを#2のCMDserv4Aへ返送する。ST−32の判定がYESの場合は、ST−33にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−34にて、接続処理のYESを#2のCMDserv4Aへ返送する。
図10は、#2のCMDserv4A内部の接続要求動作を示す。ST−31にて#2のCMDserv4Aは、#1のCMDserv4Aに対する接続要求を行う。接続要求に対する#1のCMDserv4Aからの接続処理の返送結果をST−36にて判定し、NGであれば、接続要求に対する処理を終了する。ST−36の判定がOKであれば、#1のCMDserv4Aとの送受信用のリソースを割当てる(ST−37)。次に、ST−38にて、衛星管制装置(SMAC)1から接続要求を受け、ST−39にて、接続した衛星管制装置(SMAC)1が許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−41へ飛び、ST−41にて、接続処理のNGを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1へ返送する。ST−39の判定がYESの場合は、ST−40にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−41にて、接続処理のYESを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1へ返送する。
CMDserv4A内部の制御要求動作について図11および図12を用いて説明する。図11は、#1のCMDserv4A内部の制御要求動作を示す。図11において、#1のCMDserv4Aは、ST−51にて、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Aから制御信号(CMD)を受け取り、ST−52にて、受け取った制御信号(CMD)について、CMDシーケンスIDが連続であるか及び接続された衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMSserv4Aからの同じシーケンスIDをもつ最初の制御信号(CMD)かを判定し、判定がNGの場合は制御要求を却下する。判定が、YESの場合は、ST−53にて、受け付けWindow(シーケンスID毎)を生成し、ST−54にて、受け付けWindowへ登録する。ST−55にて、受け付け終了かを判定し、未終了の場合はST−51へと戻る。受け付け終了の場合は、ST−56へ進む。
ST−56にて、図2における受け付けWindow内のCMDデータ部を比較し、ST−57にて、比較した結果、シーケンスID及びCMDデータが全て一致するかを判定する。判定の結果NGの場合は、CMD異常とし、ST−59にて、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4AにNAK(Non_ACK)返信する。判定が、YESの場合は、ST−58にて、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4AにACK返信し、ST−60にて、システム健全性のチェック範囲を超過したか判定する。判定が、NGの場合は、ST−51へと戻る。判定が、YESの場合は、ST−61へ進む。
ST−61にて、図2における受け付けWindowを超過して制御信号(CMD)を受信したかを判定する。ST−61における判定がYESとなる場合、受け付けWindowを超過して受信した制御信号(CMD)が衛星管制装置(SMAC)1からである場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に衛星管制装置(SMAC)1から受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワークに遅延、又は衛星管制装置(SMAC)1の処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−62にて、衛星管制装置(SMAC)1にNAK返信(システムwrong)し、ST−65にて、受け付けWindow破棄した後、ST−51へと戻る。
#2のCMDserv4Aから受信した制御信号(CMD)によりST−61における判定がYESとなる場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に#2のCMDserv4Aから受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワーク(WAN回線)に遅延、又は#2のCMDserv4Aの処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−62にて、#2のCMDserv4AにNAK返信(システムwrong)し、ST−65にて、受け付けWindow破棄した後、ST−51へと戻る。
ST−61における判定がNOの場合は、ST−56における誤データの検出を判断し(ST−63)、誤データの検出が無ければ、制御信号(CMD)の誤送信や遅延などによる異常が検知されなかったことになり、ST−64にて制御信号(CMD)を変復調部(BBE)5に送信し、ST−65にて、受け付けWindow破棄した後、ST−51へと戻る。
図12は、#2のCMDserv4A内部の制御要求動作を示す。図12において、#2のCMDserv4Aは、ST−71にて、衛星管制装置(SMAC)1から制御信号(CMD)を受け取り、ST−72にて、受け取った制御信号(CMD)のシーケンスIDが連続であるか及び接続された衛星管制装置(SMAC)1からの同じシーケンスIDをもつ最初のCMDかを判定し、判定がNGの場合は制御要求を却下する。判定が、YESの場合は、ST−73にて、受け付けWindow(シーケンスID毎)を生成し、ST−74にて、受け付けWindowへ登録する。このとき、設定する受け付けWindowは、#1のCMDserv4Aで設定するものより短い時間を設定する。これは、#1のCMDserv4Aでは、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Aからの制御信号(CMD)を受信するのに対し、#1のCMDserv4Aでは、衛星管制装置(SMAC)1からの制御信号(CMD)のみを受信するためである。その後、ST−75にて、受け付け終了かを判定し、未終了の場合はST−71へと戻る。受け付け終了の場合は、ST−76へ進む。
ST−76にて、図2における受け付けWindow内のCMDデータ部を比較し、ST−77にて、比較した結果、シーケンスID及びCMDデータが全て一致するかを判定する。判定の結果NGの場合は、CMD異常とし、ST−79にて、衛星管制装置(SMAC)1にNAK(Non_ACK)返信する。判定が、YESの場合は、ST−78にて、衛星管制装置(SMAC)1にACK返信し、ST−80にて、システム健全性のチェック範囲を超過したか判定する。判定が、NGの場合は、ST−71へと戻る。判定が、YESの場合は、ST−81へ進む。
ST−81にて、図2における受け付けWindowを超過して制御信号(CMD)を受信したかを判定する。ST−81における判定がYESとなる場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワークに遅延、又は衛星管制装置(SMAC)1の処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−82にて、衛星管制装置(SMAC)1にNAK返信(システムwrong)し、ST−85にて、受け付けWindow破棄した後、ST−71へと戻る。ST−81における判定がNOの場合は、ST−76における誤データの検出を判断し(ST−83)、誤データの検出が無ければ、制御信号(CMD)の誤送信や遅延などによる異常が検知されなかったことになり、ST−84にて制御信号(CMD)を変復調部(BBE)5に送信し、ST−85にて、受け付けWindow破棄した後、ST−71へと戻る。
図13および図14に、#1のサイト8に通信障害(変復調部(BBE)5の異常など)が発生した場合に関する#1のサイト8と#2のサイト8の切り替えに関するCMDserv4Aの動作を示す。最初に、図13により、#1のサイト8に通信障害(変復調部(BBE)5の異常など)に関する#1のCMDserv4Aの動作を説明する。#1のCMDserv4Aは、ST−91にて、#1のサイト8に通信障害を検出したかを判断し、NOであれば、この動作を終了するが、YESであれば、ST−92にて、他のCMDserv4Aに通信障害を伝達する。ここで、他のCMDserv4Aは、#2のCMDserv4Aであるが、#2のCMDserv4A以外にも同様にWAN回線により接続しているCMDserv4Aが有れば、同様に通信障害を伝達する。次に、ST−93にて、#1のベースバンド装置の代替となるベースバンド装置2Aを選択し、ST−94にて、WAN回線で接続している他のCMDserv4Aに代替の接続先となるベースバンド装置2Aを伝達する。ここでも、WAN回線で接続されているCMDserv4Aが#2のみであれば、代替先のベースバンド装置は、#2のベースバンド装置2Aであり、WAN回線で接続されているCMDserv4Aが多数あれば、その中の1つのCMDserv4Aが選択される。伝達先のCMDservAは、WAN回線で接続されているCMDserv4Aが#2のみであれば、#2のCMDserv4Aである。
#1のCMDserv4Aは、ST−95にて、代替先の(#2の)CMDservAに接続要求を行い、ST−96にて代替先の(#2の)CMDservAから接続が許可されると、ST−97にて送受信用のリソースを割当て、以後、通信障害発生前の#2のCMDserv4Aと同様の動作を行う。
次に、図14により、#1のサイト8に通信障害(変復調部(BBE)5の異常など)が発生した場合に関する#2のCMDserv4Aの動作を説明する。#2のCMDserv4Aは、ST−101にて、#1のCMDserv4Aから通信障害を伝達されたかを判断し、NOであれば、この動作を終了するが、YESであれば、ST−102にて、#1のCMDserv4Aから代替となる接続先となるベースバンド装置2Aの情報を取得する。ST−103にて、#2のCMDserv4Aは、#2のCMDserv4Aを備えたベースバンド装置2Aが代替先であるか判断し、YESであれば、図8に示した動作により、通信障害(変復調部(BBE)5の異常など)が発生する前の#1のCMDserv4Aと同様の動作を行う。また、ST−103の判断がNOであれば、ST−105にて代替先のCMDserv4Aに接続要求を送信し、接続要求に対する返送結果をST−106にて判定し、NGであれば、接続要求に対する処理を終了する。ST−106の判定がOKであれば、代替先のCMDserv4Aとの送受信用のリソースを割当てる(ST−107)。
#1および#2CMDserv4Aが以上の動作をすることにより、2つのサイト8に設置したベースバンド装置2Aにおける#1のサイトで衛星の監視制御を行い、#2のサイトを通信障害発生時のバックアップとして切り替えて使用することができる。
また、サイト8は、3以上の複数(M個)である場合にも同様に構成することが可能であり、適用することができ、#1のサイトで衛星の監視制御を行い、他のM−1サイトを通信障害発生時のバックアップとして切り替えて使用することができる。
実施の形態3.
図15は、この発明の実施の形態3における衛星管制システムの構成を示すブロック図である。図15において、1Aは、衛星の監視制御を行う衛星管制装置(SMAC)である。2Bは、ベースバンド装置であり、ベースバンド装置2Bは、変復調部(BBE)5とパケット処理部3Bとからなる。パケット処理部3Bは、ベースバンド装置2Bにおいて、TCP/IP通信にて衛星管制装置(SMAC)1Aとのパケット信号I/Fをつかさどる部分である。
4Bは、CMDservであり、CMDserv4Bはパケット処理部3Bに実装される本発明の機構を具備するソフトウエアモジュールである。変復調部(BBE)5は、パケット処理部3Bへの又はパケット処理部3Bからのパケットデータをベースバンド信号に変調又は復調する装置であり、例えばTCP/IP制御命令を、70MHz帯の中間周波数のアナログ信号に変換する。CMDは、衛星管制装置(SMAC)1Aからベースバンド装置2Bへ送信される制御信号であり、ACKは、ベースバンド装置2Bから衛星管制装置(SMAC)1Aへ送信される応答信号である。ベースバンド装置2Bの変復調部(BBE)5の先には、それぞれ人工衛星7との通信を行なうアンテナ6が接続されている。
図15において、衛星管制装置1A、ベースバンド装置2B、およびアンテナ6は、それぞれ2つのサイト(設備設置場所)8に配置されている。一方(#1)のサイト8内に設置されたベースバンド装置2B(以下、#1のベースバンド装置2Bという)は、同じ(#1の)サイト8内に設置された衛星管制装置1Aおよびアンテナ6と接続する。他方(#2)のサイト8内に配置されたベースバンド装置2B(以下、#2のベースバンド装置2Bという)は、同じ(#2の)サイト8内に設置された1つ以上の衛星管制装置1Aおよび1つのアンテナ6と接続する。このため、衛星管制装置1Aは、2つのサイト8合計で少なくとも2つ以上設置されている。また、#1のベースバンド装置2BのCMDserv4B(以下、#1のCMDserv4Bという)と#2のベースバンド装置2BのCMDserv4B(以下、#2のCMDserv4Bという)は、相互にWAN回線を通じて接続される。
それぞれの衛星管制装置(SMAC)1Aは、#1および#2の衛星7を監視制御し、それぞれのサイトの8のCMDserv4Bに、#1の衛星に対する制御信号(CMD)および#2の衛星に対する制御信号(CMD)を送信する。#1のCMDserv4Bは、衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4Bから受信した制御信号(CMD)の内、#1の衛星に対する制御信号(CMD)を#1のサイト8の変復調部(BBE)5で変調し、#1のサイト8のアンテナ6経由で#1の衛星7に送信するとともに、#2の衛星に対する制御信号を#2のCMDserv4Bに送信する。#2のCMDserv4Bは、衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#1のCMDserv4Bから受信した制御信号(CMD)の内、#2の衛星に対する制御信号(CMD)を#2のサイト8の変復調部(BBE)5で変調し、#2のサイト8のアンテナ6経由で#2の衛星7に送信するとともに、#1の衛星に対する制御信号(CMD)を#1のCMDserv4Bに送信する。このため、#1のCMDserv4Bと#2のCMDserv4Bの間でも、衛星管制装置(SMAC)1Aからベースバンド装置2Bと同様に、制御信号(CMD)と応答信号(ACK)が送受信される。
この発明の実施の形態3における#1および#2のCMDserv4Bが受信する制御信号(CMD)の処理判定は、それぞれ図2のとおりである。#1のCMDserv4Bは、#1の衛星を制御する制御信号(CMD)を#2のCMDserv4Bおよび#1のサイト8内に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aより受信するとともに、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)を、#1のサイト8内に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aより受信する。また、#2のCMDserv4Bは、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)を#1のCMDserv4Bおよび#2のサイト8内に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aより受信するとともに、#1の衛星を制御する制御信号(CMD)を、#2のサイト8内に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aより受信する。
最初に、図2により、#1のCMDserv4Bの#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対する受信処理を説明する。この場合の、図2におけるシーケンスIDは、#1および#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aから送信される、#2の衛星7を制御する制御信号(CMD)に付与される連続番号である。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、ある衛星管制装置(SMAC)1Aから制御信号(CMD)を受け取ってから、他の衛星管制装置(SMAC)1Aから送信される、同一のシーケンスIDを持つ、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)毎に設けられた受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。#1のCMDserv4Bは、システム健全性のチェック範囲に受信した制御信号をもとに、受信した制御信号の誤送信や遅延による異常を検知し、異常が検知されなかった場合は、受信した制御信号を同じシーケンス番号のまま#2のCMDserv4Bに送信する。
#2のCMDserv4Bの#1の衛星を制御する制御信号(CMD)に対する受信処理も同様である。この場合の、図2におけるシーケンスIDは、#1および#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aから送信される、#1の衛星7を制御する制御信号(CMD)に付与される連続番号である。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、ある衛星管制装置(SMAC)1Aから制御信号(CMD)を受け取ってから、他の衛星管制装置(SMAC)1Aから送信される、同一のシーケンスIDを持つ、#1の衛星を制御する制御信号(CMD)毎に設けられた受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ、#1の衛星を制御する制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。#2のCMDserv4Bは、システム健全性のチェック範囲に受信した制御信号(CMD)をもとに、受信した制御信号(CMD)の誤送信や遅延による異常を検知し、異常が検知されなかった場合は、受信した制御信号(CMD)を同じシーケンス番号のまま#1のCMDserv4Bに送信する。なお、#2のCMDserv4Bが#1の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindowやシステム健全性チェック範囲は、#1のCMDserv4Bが#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindowやシステム健全性チェック範囲とは、それぞれ独立に時間を決めてよい。
次に、同じ図2により、#2のCMDserv4Bの#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対する受信処理を説明する。ここでは、前述のとおり、図2におけるシーケンスIDは、#1および#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aから送信される、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に付与される連続番号である。並行動作する#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aおよび、#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aからの#2の衛星を制御する制御信号(CMD)は、対応する制御信号(CMD)には同じ値が付与されている。また、#1のCMDserv4Bは、#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aから受信した#2の衛星を制御する制御信号(CMD)から異常が検知されなければ、制御信号(CMD)を同じシーケンスIDのまま#2のCMDserv部4Bに送信する。このため、並行動作する#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aおよび、#1のCMDserv4Bからの制御信号(CMD)では、対応する制御信号(CMD)には同じ値が付与されている。受け付けWindow(CMD有効範囲)は、あるシーケンスIDが付与された制御信号(CMD)を最初に受け取ってから、衛星管制装置(SMAC)1AからおよびCMDserv4Bから送信される、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)毎に設けられた受付期間(Δt)である。システム健全性のチェック範囲は、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)である。
ここで、#2のCMDserv4Bが受信する、#2の衛星を制御する制御信号(CMD)は、#2のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aおよび、#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aからの#1のCMDserv4Bを経由した制御信号(CMD)であり。#1のサイト8の衛星管制装置(SMAC)1Aからの#1のCMDserv4Bを経由した制御信号は、#1のCMDserv4BおよびWANによる転送の遅延が発生する。このため、#2のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#1のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より長い時間に設定される。言い換えれば、#1のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#2のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より短い時間に設定される。#2のCMDserv4Bは、システム健全性のチェック範囲に受信した制御信号(CMD)をもとに、受信した制御信号(CMD)の誤送信や遅延による異常を検知し、異常が検知されなかった場合は、受信した#2の衛星を制御する制御信号(CMD)を#2の変復調部(BBE)5に送信する。
#1のCMDserv4Bの#1の衛星を制御する制御信号(CMD)に対する受信処理についても、#2のCMDserv4Bの#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対する動作と同様であり、#1のCMDserv4Bは、あるシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)を受け取ってから、衛星管制装置(SMAC)1からおよびCMDserv4Bから送信される、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)の受付期間(Δt)である受け付けWindow(CMD有効範囲)と、受け付けWindowより更に後に、同一のシーケンスIDを持つ制御信号(CMD)があるか判定する期間(α)であるシステム健全性のチェック範囲により受信した制御信号(CMD)の処理を行う。
#1のCMDserv4Bで#1の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#2のCMDserv4Bで#1の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より長い時間に設定される。#1のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)は、#2のCMDserv4Bで#2の衛星を制御する制御信号(CMD)に対して設定する受け付けWindow(CMD有効範囲)より短い時間に設定される。
図15の、#1および#2のCMDserv4Bの動作について、図3、図16〜図18を用いて説明する。この発明の実施の形態3におけるCMDserv4B内部の初期化動作は、図3に示すとおりである。図16は、この発明の実施の形態3におけるCMDserv内部4Bの接続要求動作を示すフローチャートである。図17〜図18は、この発明の実施の形態3におけるCMDserv4B内部の制御要求動作を示すフローチャートである。
#1および#2のCMDserv4B内部の初期化動作について図3を用いて説明する。ST−1にて、#1および#2のCMDserv4Bは、それぞれのベースバンド装置2Bが備える変復調部(BBE)5に接続し、衛星通信をするための初期化処理を行い、ST−2にて、衛星管制装置(SMAC)1Aからの接続要求を受け付けるPortを用意すると共に、受けつけWindow/システム健全のためのタイマ設定を行なう。
CMDserv4B内部の接続要求動作について図16を用いて説明する。図16は、#1のCMDserv4B内部の接続要求動作を示す。ST−111〜ST−114は、#1のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4Bからの#1の衛星7に対する制御に関する接続を行う動作である。ST−111にて#1のCMDserv4Bは、衛星管制装置(SMAC)1Aから#1の衛星7の制御に関する接続要求を受け、ST−112にて、接続した衛星管制装置(SMAC)1Aが#1の衛星7の制御を許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−114へ飛び、ST−114にて、接続処理のNGを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1Aへ返送する。ST−112の判定がYESの場合は、ST−113にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−114にて、接続処理のYESを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1Aへ返送する。同様に、#1のCMDserv4Bは、ST−111にて#2のCMDserv4Bから#1の衛星7の制御に関する接続要求を受け、ST−112にて、#2のCMDserv4Bが#1の衛星7の制御を許可されたものかを判定し、NOである場合は、ST−114へ飛び、ST−114にて、接続処理のNGを#2のCMDserv4Bへ返送する。ST−112の判定がYESの場合は、ST−113にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−114にて、接続処理のYESを#2のCMDserv4Aへ返送する。
図16の、ST−115〜ST−121は、#1のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aからの#2の衛星7に対する制御に関する接続を行う動作である。ST−115にて#1のCMDserv4Bは、#2のCMDserv4Bに対し、#2の衛星7の制御に関する接続要求を行う。接続要求に対する#2のCMDserv4Bからの接続処理の返送結果をST−116にて判定し、NGであれば、接続要求に対する処理を終了する。ST−116の判定がOKであれば、#2のCMDserv4Bとの送受信用のリソースを割当てる(ST−117)。次に、ST−118にて、衛星管制装置(SMAC)1Aから接続要求を受け、ST−119にて、接続した衛星管制装置(SMAC)1Aの#2の衛星7に関する制御が許可されているかを判定し、NOである場合は、ST−121へ飛び、ST−121にて、接続処理のNGを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1Aへ返送する。ST−119の判定がYESの場合は、ST−120にて、送受信用のリソースを割り当てた後、ST−121にて、接続処理のYESを接続要求のあった衛星管制装置(SMAC)1Aへ返送する。
#2のCMDserv4B内部の接続要求動作も同様であり、図16のST−111〜ST−114にて#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#1のCMDserv4Bからの#2の衛星7に対する制御に関する接続を行い、図16のST−115〜ST−121により、#2のサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aからの#1の衛星7に対する制御に関する接続を行う動作を行う。
CMDserv4B内部の制御要求動作について図17および図18を用いて説明する。図17は、#1のCMDserv4B内部の#1の衛星7の制御に関する制御要求動作を示す。図17において、#1のCMDserv4Bは、ST−131にて、衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4Bから#1の衛星7の制御に関する制御信号(CMD)を受け取り、ST−132にて、受け取った制御信号(CMD)のシーケンスIDが連続であるか及び接続された衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4Bからの同じシーケンスIDをもつ最初の制御信号(CMD)かを判定し、判定がNGの場合は制御要求を却下する。判定が、YESの場合は、ST−133にて、受け付けWindow(シーケンスID毎)を生成し、ST−134にて、受け付けWindowへ登録する。ST−135にて、受け付け終了かを判定し、未終了の場合はST−131へと戻る。受け付け終了の場合は、ST−136へ進む。
ST−136にて、図2における受け付けWindow内のCMDデータ部を比較し、ST−137にて、比較した結果、シーケンスID及びCMDデータが全て一致するかを判定する。判定の結果NGの場合は、CMD異常とし、ST−139にて、衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4BにNAK(Non_ACK)返信する。判定が、YESの場合は、ST−138にて、衛星管制装置(SMAC)1Aおよび#2のCMDserv4BにACK返信し、ST−140にて、システム健全性のチェック範囲を超過したか判定する。判定が、NGの場合は、ST−131へと戻る。判定が、YESの場合は、ST−141へ進む。
ST−141にて、図2における受け付けWindowを超過して制御信号(CMD)を受信したかを判定する。ST−141における判定がYESとなる場合、受け付けWindowを超過して受信した制御信号(CMD)が衛星管制装置(SMAC)1Aからである場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に衛星管制装置(SMAC)1Aから受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワークに遅延、又は衛星管制装置(SMAC)1Aの処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−142にて、衛星管制装置(SMAC)1AにNAK返信(システムwrong)し、ST−145にて、受け付けWindow破棄した後、ST−131へと戻る。
#2のCMDserv4Bからの制御信号によりST−141における判定がYESとなる場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワーク(WAN回線)に遅延、又は#2のCMDserv4Bの処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−142にて、#2のCMDserv4BにNAK返信(システムwrong)し、ST−145にて、受け付けWindow破棄した後、ST−131へと戻る。
ST−141における判定がNOの場合は、ST−136における誤データの検出を判断し(ST−143)、誤データの検出が無ければ、ST−141の判断とあわせると制御信号(CMD)の誤送信や遅延などによる異常が検知されなかったことになり、ST−144にて制御信号(CMD)を変復調部(BBE)5に送信し、ST−145にて、受け付けWindow破棄した後、ST−141へと戻る。なお、#2のCMDserv4B内部の#2の衛星7の制御に関する制御要求動作も同様に、図17のフローに従った動作を行う。
図18は、#2のCMDserv4B内部の#1の衛星7の制御に関する制御要求動作を示す。図18において、#2のCMDserv4Bは、ST−151にて、衛星管制装置(SMAC)1Aから制御信号(CMD)を受け取り、ST−152にて、受け取った制御信号(CMD)について、CMDシーケンスIDが連続であるか及び接続された衛星管制装置(SMAC)1Aからの同じシーケンスIDをもつ最初の制御信号(CMD)かを判定し、判定がNGの場合は制御要求を却下する。判定が、YESの場合は、ST−153にて、受け付けWindow(シーケンスID毎)を生成し、ST−154にて、受け付けWindowへ登録する。このとき、設定する受け付けWindowは、#1のCMDserv4Bで#1の衛星7の制御する制御信号(CMD)に対して設定するものより短い時間を設定する。これは、#1のCMDserv4Bでは、衛星管制装置(SMAC)1および#2のCMDserv4Bからの#1の衛星7の制御に関する制御信号(CMD)を受信するのに対し、#2のCMDserv4Bでは、#1の衛星7の制御に関する制御信号(CMD)については、衛星管制装置(SMAC)1Aからの制御信号(CMD)のみを受信するためである。その後、ST−155にて、受け付け終了かを判定し、未終了の場合はST−151へと戻る。受け付け終了の場合は、ST−156へ進む。
ST−156にて、図2における受け付けWindow内のCMDデータ部を比較し、ST−157にて、比較した結果、シーケンスID及びCMDデータが全て一致するかを判定する。判定の結果NGの場合は、CMD異常とし、ST−159にて、衛星管制装置(SMAC)1AにNAK(Non_ACK)返信する。判定が、YESの場合は、ST−158にて、衛星管制装置(SMAC)1AにACK返信し、ST−160にて、システム健全性のチェック範囲を超過したか判定する。判定が、NGの場合は、ST−151へと戻る。判定が、YESの場合は、ST−161へ進む。
ST−161にて、図2における受け付けWindowを超過してCMDを受信したかを判定する。ST−161における判定がYESとなる場合は、図2におけるt+Δtからt+Δt+αの時間(システム健全性のチェック範囲)内に受信した正常な制御要求があったので、該当する制御要求が経由したネットワークに遅延、又は衛星管制装置(SMAC)1Aの処理遅延があったと判断して、異常を事前に検知し、ST−162にて、衛星管制装置(SMAC)1AにNAK返信(システムwrong)し、ST−165にて、受け付けWindow破棄した後、ST−151へと戻る。ST−161における判定がNOの場合は、ST−156における誤データの検出を判断し(ST−163)、誤データの検出が無ければ、ST−161の判断とあわせると制御信号(CMD)の誤送信や遅延などによる異常が検知されなかったことになり、ST−164にてCMDを変復調部(BBE)5に送信し、ST−165にて、受け付けWindow破棄した後、ST−151へと戻る。なお、#1のCMDserv4B内部の#2の衛星7の制御に関する制御要求動作も同様に、図18のフローに従った動作を行う。
以上のように、この発明の実施の形態3に関わる発明では、#1のCMDserv4Bと#2のCMDserv4Bとの間で、衛星7の制御を行う制御信号(CMD)を互いに送受信するため、どのサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aからも、#1の衛星7および#2の衛星7を制御することができる。
なお、図15の構成例では、#1および#2の2つのサイト8にベースバンド装置2Bおよび衛星管制装置(SMAC)1Aを設置した例を示したが、同様に、#1〜#MのM個(Mは3以上)のサイトにベースバンド装置2Bおよび衛星管制装置(SMAC)1Aを設置し、それぞれのベースバンド装置2BのCMDserv4AをWAN回線で接続する構成にすることにより、どのサイト8に設置された衛星管制装置(SMAC)1Aからも、#1〜#Mまでの最大でM個の衛星7を制御することができる。