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JP2015087464A - 押圧部材、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

押圧部材、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2015087464A JP2013224178A JP2013224178A JP2015087464A JP 2015087464 A JP2015087464 A JP 2015087464A JP 2013224178 A JP2013224178 A JP 2013224178A JP 2013224178 A JP2013224178 A JP 2013224178A JP 2015087464 A JP2015087464 A JP 2015087464A
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小室 仁
Hitoshi Komuro
仁 小室
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Abstract

【課題】ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材、ならびにその押圧部材を有する定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転可能な回転部材に接触しながら回転する管状体の内部に配置され、前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部72を有し、押圧部72は、前記管状体の回転軸方向(矢印X方向)と略平行な方向を長手方向とする長孔75を複数有している押圧部材である。
【選択図】図3

Description

本発明は、押圧部材、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式を用いた複写機、プリンタ等の画像形成装置では、記録紙等の記録媒体に形成された未定着トナー像を定着装置によって定着して画像形成を行っている。このような画像形成装置に用いられる定着装置としては、例えば、定着ロールと、定着ロールに対して圧接配置される加圧ロールと、を備え、定着ロールと加圧ロールとの間に、未定着トナー像を形成した記録媒体を通過させ、未定着トナー像に対して加熱と加圧を行うことによって、記録媒体上にトナー像を定着させる定着装置がある。このような定着装置は、ロールニップ方式、2ロール方式、又は加熱ロール方式と呼ばれている。
定着装置においては、省エネルギーの観点や、画像形成装置の使用時にユーザーをできるだけ待たせないようにする等の観点から、定着ロール等の部材を瞬時に加熱させて、予め定めた定着温度に達するまでの時間(以下、ウォームアップタイムと呼ぶ場合がある)を少なくすることが望まれている。
そこで、前述の2ロール方式の定着装置に代えて、例えば、回転可能な回転部材と、この回転部材に接触して回転する管状体(例えば、エンドレスベルトなどの定着ベルト)と、この管状体の内周面に配置され、管状体を回転部材へ押圧して、回転部材と管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部を有する押圧部材と、を備え、このニップ部に記録媒体を通過させる、いわゆるベルトニップ方式を採用した定着装置が知られている。
例えば、特許文献1には、回転駆動し、弾力性ないし柔軟性を有する加圧ロールと、これに当接して、従動回転する耐熱性エンドレスベルトと、平面部を有し、該平面部で耐熱性エンドレスベルトを内部から押圧し、加圧ロールと耐熱性エンドレスベルトとの間にニップ部を略平面状に形成する押圧部材と、耐熱性エンドレスベルトの内周に配置された熱源と、を備える定着装置であって、耐熱性エンドレスベルトを、熱源からの輻射熱により、直接加熱するとともに、押圧部材を介して熱伝導により加熱する定着装置が開示されている。
例えば、特許文献2には、互いに圧接させた加熱部材と加圧ロールとの間に形成されるニップ部に、記録媒体を通過させることにより加熱をおこなう定着装置において、前記加熱部材は、加熱ヒータと、加熱ヒータを保持する枠体と、枠体を加圧する金属製のステーと、前記加熱ヒータと加圧ローラに挟まれて、加熱ヒータと摺動しながら加圧ローラと同速で移動する低熱容量の耐熱フィルムとからなり、前記金属製のステーには、表面積に対して3%以上の空孔が長手方向に均一の間隔で設けられた定着装置が開示されている。
例えば、特許文献3には、ベルト部材を定着側の回転部材もしくは、加圧側の回転部材に用いる定着装置が開示されている。
特開2007−121469号公報 特開2010−134094号公報 特開2012−118488号公報
本発明の目的は、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材、ならびにその押圧部材を有する定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、回転可能な回転部材に接触しながら回転する管状体の内部に配置され、前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部を有し、前記押圧部は、前記管状体の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有している押圧部材である。
請求項2に係る発明は、前記押圧部は、金属から構成される請求項1記載の押圧部材である。
請求項3に係る発明は、前記押圧部は、前記ニップ部の記録媒体入口側に配置される第1押圧部と、前記ニップ部の記録媒体出口側に配置される第2押圧部と、を有し、前記第1及び第2押圧部のうち少なくとも第2押圧部は、前記管状体の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有している請求項1又は2記載の押圧部材である。
請求項4に係る発明は、前記管状体と対向する前記押圧部の表面に形成される前記長孔に、潤滑剤又は摺動材料が保持されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の押圧部材である。
請求項5に係る発明は、前記管状体と前記押圧部との間に配置される摺動部材を備え、前記摺動部材は、前記摺動部材に接触する前記押圧部の表面を被覆する被覆部と、前記押圧部の表面に形成される前記長孔の少なくとも一部に入り込んだアンカー部と、を有し、前記被覆部と前記アンカー部とが一体となっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の押圧部材である。
請求項6に係る発明は、回転可能な回転部材と、前記回転部材に接触しながら回転する管状体と、前記管状体の内部に配置され、前記管状体の内周面から前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部を有する押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の押圧部材である定着装置である。
請求項7に係る発明は、像保持体と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を含み、前記定着手段が、請求項6に記載の定着装置である画像形成装置である。
請求項1に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材が提供される。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材が提供される。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材が提供される。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材が提供される。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される押圧部材が提供される。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される定着装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない場合と比べて、ウォームアップタイムが短く、且つ管状体を押圧する押圧部の変形が抑制される画像形成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の構成の一例を示すが概略構成図である。 本発明の実施形態に係る押圧部の構成の一例を示す一部模式斜視図である。 本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式斜視図である。 (A)は、本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式斜視図であり、(B)は、本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式断面図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る定着装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す概略構成図である。また、図2は、本発明の実施形態に係る定着装置の構成の一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、大きく画像形成部(画像形成手段)Xと定着部(定着手段)Yとの2つの構成に分かれている。
画像形成部Xは、帯電後に像様の光を照射することにより表面に静電電位の差による潜像が形成され、矢印D方向に回転する感光体ドラム(潜像保持体)1を備えており、この周囲に、回転方向(矢印D方向)の順に、感光体ドラム1の表面を帯電させる帯電ロール(帯電手段)2と、感光体ドラム1に像様の光を照射して表面に静電潜像を形成する像露光器(潜像形成手段)3と、感光体ドラム1表面に形成された潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像(未定着像)を形成する現像器(現像手段)4と、感光体ドラム1と対向し、記録紙(被記録媒体)Pを挟んで感光体ドラム1との間に転写バイアス電界を生成する転写ロール(転写手段)5と、トナー像の転写後に感光体ドラム1に残留するトナーを除去するクリーナ(クリーニング部材)6とが設けられている。
図1の感光体ドラム1は、例えば、金属製パイプの表面に有機感光材料、アモルファスセレン系感光材料、アモルファスシリコン系感光材料等から構成される感光体層を形成したものが用いられる。
図1の帯電ロール2は、例えば、ステンレススチール、アルミニウム等の導電性を有する金属等のロールに、エピクロルヒドリンゴム等の高抵抗材料を表面に設けたものであり、感光体ドラム1に当接し、従動回転するようになっている。そして、予め定められた電圧が印加されることにより、帯電ロール2と感光体ドラム1との接触部近傍における間隙内で継続的な放電が生じ、感光体ドラム1の表面が帯電される。
図1の像露光器3は、例えば、画像信号に基づいて点滅するレーザ光を発生し、これをポリゴンミラー等によって感光体ドラム1の主走査方向に走査するものであり、これにより感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される。
図1の現像器4は、例えば、ブラックのトナーを収容しており、当該トナーを担持した現像ロールを感光体ドラム1と近接・対向させ、感光体ドラム1表面に形成された静電潜像に対応してトナーを転移し、可視化したトナー像(未定着像)を形成する(現像する)ものである。
図1の転写ロール5は、例えば、導電性もしくは半導電性のロール状部材等から構成され、感光体ドラム1との間に転写用バイアス電圧を印加することによって、感光体ドラム1表面のトナー像を記録紙Pに転写するものである。
図1のクリーナ6は、例えば、感光体ドラム1の表面に圧接されるブレード状の部材等であり、感光体ドラム1表面に残留するトナーを除去するものである。なお、クリーナ6としては、このようなブレード状のものに代えて、ロール状部材によってトナーを掻き取ったり、ブラシによってトナーを掃き出したりするもの等であってもよい。
以上の構成の画像形成部Xにおいては、感光体ドラム1と転写ロール5との対向部へ、その上流側(図1における右側)から矢印C方向に、記録紙Pが供給されるように、給紙機構が構成されている(図示省略)。感光体ドラム1と転写ロール5との対向部に搬送された記録紙Pの表面には、転写ロール5によりトナー像が、感光体ドラム1から転写される。つまり、画像形成部Xにおいて、記録紙P表面にトナー像(未定着像)が形成される。
そして、記録紙Pの搬送方向(矢印C方向)における画像形成部Xの下流側に位置する定着部Yは、記録紙P表面に転写されたトナー像を加熱溶融する等して、記録紙Pにトナー像を定着させる定着装置7により構成されている。
図2に示す定着装置7は、回転部材の一例としての加圧ロール73と、加圧ロール73に接触しながら回転する管状体の一例としての定着ベルト(例えば、エンドレスベルト)71と、定着ベルト71の内部に配置され、定着ベルト71の内周面から定着ベルト71を加圧ロール73へ押圧して、加圧ロール73と定着ベルト71との間に記録紙(記録媒体)Pが通過するニップ部Nを形成する押圧部72を有する押圧部材(押圧手段)と、を備える。定着ベルト71の内部には、例えば出力500W以上1200W以下の加熱手段の一例としてのハロゲンランプ74が設けられている。図2の押圧部72は、このハロゲンランプ74を取り囲むように配置され、図2の定着ベルト71は、押圧部72の外周を取り巻くように設けられている。定着ベルト71と加圧ロール73との間に形成されるニップ部Nに、未定着のトナー像が形成された記録紙Pを矢印C方向に挿入し、通過させることで、加熱加圧定着が行われるようになっている。
図2に示す定着装置7の動作を説明する。まず、ハロゲンランプ74からの輻射熱により、定着ベルト71が予め定められた温度(定着温度)まで加熱される。本実施形態において、定着ベルト71が定着温度に達するまでの時間がウォームアップタイムとなる。そして、加圧ロール73が図示しない駆動モータに連結されて矢印B方向に回転し、この回転に従動して定着ベルト71も矢印A方向に回転する。そして記録紙Pが、不図示の搬送手段によって、押圧部72により定着ベルト71と加圧ロール73との間に形成されたニップ部Nに搬送される。そして、記録紙Pがニップ部Nを通過した際に、ニップ部Nに作用する圧力、定着ベルト71から供給される熱等が記録紙Pに加えられ、未定着トナー像が記録紙P上に定着される。定着後の記録紙Pは、ニップ部Nを通過後、定着ベルト71から剥離され、定着装置7から排出される。
次に、本実施形態の押圧部材を構成する押圧部72について説明する。図2の定着装置7に用いられる押圧部材は押圧部72から構成されるものである。図2の押圧部72は、全体として断面略C字形に形成されており、その頂点部分には平面部Hが設けられ、平面部Hとは反対側が開口した略C字形となっている。
図3は、本発明の実施形態に係る押圧部の構成の一例を示す一部模式斜視図である。図3に示すように、押圧部72は、定着ベルト71の回転軸方向(矢印X、定着ベルト71は矢印X方向の回転軸を有し、その回転軸を中心に図2に示す矢印A方向に回転する)と略平行な方向を長手方向とする長孔75を複数有している。ここで、本実施形態において、長孔75の長手方向が、定着ベルト71の回転軸方向(矢印X)と略平行とは、定着ベルト71の回転軸方向に対する長孔75の長手方向の傾きが75°以上−105°以下の範囲まで含まれる。
本実施形態の押圧部72、すなわち管状体(定着ベルト71)の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔75を複数有する押圧部72を用いることにより、長孔75が断熱部として作用するため、孔を有しない押圧部と比較して、定着ベルト71の熱が押圧部72から放熱されることが抑制されると考えられる。より具体的には、ニップ部Nの領域以外でハロゲンランプ74の輻射熱により加熱された定着ベルト71が、ニップ部Nの領域に移動した際に、定着ベルト71の熱が押圧部72から放熱されることが抑えられると考えられる。その結果、定着ベルト71は、予め設定した温度(定着温度)まで容易に加熱されるため、すなわち、定着ベルト71の加熱における熱容量が抑えられるため、定着装置7のウォームアップタイムが短縮され、省エネルギー化が図られると考えられる。
また、押圧部72によって管状体(定着ベルト71)を押圧すると、押圧部72には、主に管状体の軸方向に対して垂直方向(すなわち、押圧部72の厚み方向)の応力が掛かると考えられる。管状体(定着ベルト71)の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔75を複数有する押圧部72は、管状体の回転軸方向と略平行な方向以外の方向(例えば、回転軸方向に対して垂直方向)を長手方向とする長孔を複数有する押圧部等と比較して、押圧部の厚み方向に延びる孔が少ないため、押圧部に掛かる応力(荷重)に対する押圧部の変形が抑制されると考えられる。これにより、管状体の回転軸方向と略平行な方向以外の方向を長手方向とする長孔を複数有する押圧部を用いた場合より、押圧部に掛ける押圧力が上げられ、ニップ部Nに掛かる荷重も上げられるため、トナー像の定着性、記録媒体の搬送性の安定化が図られると考えられる。なお、ニップ部Nの荷重は、押圧部72と加圧ロール73との間の荷重である。そして、本実施形態の押圧部72を有する押圧部材を用いることにより、ニップ部Nの荷重は、例えば10kg以上、好ましくは15kg以上に設定される。
押圧部72に設けられる長孔75の大きさは、押圧部72に掛かる荷重や、厚み及び長さ等の寸法や、材質等によって適宜設定されるものであるが、例えば、長孔75の平均短径(短手方向の平均径であり、以下、気孔径と呼ぶ場合がある)は、例えば、0.01mm以上1mm以下の範囲が好ましく、0.05mm以上0.5mm以下の範囲がより好ましい。また、長孔75の平均長径(長手方向の平均径)は、例えば、0.5mm以上50mm以下の範囲が好ましく、2mm以上20mm以下の範囲が好ましい。長孔75の平均短径が0.01mm未満又は平均長径が1mm未満であると、長孔75が断熱部として十分に作用しない場合があり、長孔75の平均短径が1mm超又は平均長径が100mm超であると、押圧部72の強度が低下する場合がある。また、平均長径/平均短径=5以上500以下の範囲であることが好ましく、15以上100以下の範囲であることがより好ましい。平均長径/平均短径が5未満であると長孔としての硬化が薄れる場合があり、500を超えると本気孔部材の製造上高コスト及び形状不安定になる場合がある。
押圧部72に設けられる長孔75の気孔率は、押圧部72に掛かる荷重や、厚み及び長さ等の寸法や、材質等によって適宜設定されるものであるが、例えば、5%以上40%以下の範囲が好ましく、10%以上30%以下の範囲がより好ましい。長孔75の気孔率が5%未満では、長孔75が断熱部として十分に作用しない場合があり、長孔75の気孔率が40%超では、押圧部72の強度が低下する場合がある。長孔75の気孔率とは、押圧部72の総体積に対する長孔75の総体積であり、押圧部材の材料の比重と外形形状から求められる長孔が存在しない場合の想定重量と、長孔有の本部材の重量との差分を、長孔有の本部材の重量で除したことにより測定される。押圧部72に設けられる複数の長孔75は、押圧部72の強度の点から、各長孔75が独立した独立型の長孔であることが好ましが、複数の長孔75の一部が連通した連通型の長孔を含んでいても良い。
押圧部72は、耐久性及び耐熱性等の点から、鉄、アルミなどの金属材料から構成されることが好ましく、さらに熱伝導性等の点から、アルミ、アルミ合金(例えばA3004系)等のアルミ系材料がより好ましい。一般的に、金属製の押圧部は、押圧部の変形を抑える点で好ましいが、管状体(定着ベルト71)の熱が、金属製の押圧部から放熱され易くなる。しかし、本実施形態では、金属製の押圧部を用いても、長孔75が断熱部として作用し、管状体の熱が押圧部から放熱されることが抑えられると考えられる。
押圧部72の厚みは、材料強度とも絡む為特に制限されるものではないが、例えば、0.5mm以上10mm以下の範囲が好ましく、1.5mm以上5mm以下の範囲がより好ましい。押圧部72の厚みが0.5mm未満では、耐久性及び耐熱材料強度が不足し変形する場合があり、10mmを超えると熱容量が大きくウォームアップ時間がかかり過ぎる場合がある。
次に、押圧部72の製造方法の一例を説明する。上記の複数の長孔75を有する押圧部72は、例えば、鋳型鋳造法、連続帯溶融法、ガス化合物熱分解製造法等により製造される。
鋳型鋳造法とは、例えば、高圧容器の中に対象材料の溶解部と凝固部とが設けてあり、高周波加熱等によって溶解部内の対象材料(例えば金属)を溶解し、凝固部内において、予め定めた圧力のガス中で溶融した対象材料中にガスを溶解させ、容器底面部を水冷チラー等によって冷却した銅盤を有する鋳型の中に鋳込んで下方から上方へ対象材料を一方向に凝固させる方法である。そして、例えば、対象材料中に溶解したガスが、対象材料が凝固する際に前述の長孔75となり、凝固した対象材料中の長孔75の長手方向の向きは、凝固方向に制御される。溶解部及び凝固部を設けた高圧容器は、所望の高圧と温度に耐えられる容器であれば特に指定しない。
連続帯溶融法とは、例えば、高圧ガスの下で棒状の対象材料(例えば金属)を高周波加熱コイルで部分的に溶解させ、その溶融部にガスを吸収させ連続的に移動させる方法である。そして、例えば、溶融部に吸収されたガスが前述の長孔75となり、また、対象材料中の長孔75の長手方向の向きは、移動方向によって、制御される。なお、連続体溶融法は、ステンレス鋼や金属間化合物等のアルミより熱伝導率の低い材料でも、上記鋳型鋳造法より均一な気孔径や気孔率を有する押圧部72が得られる。
ガス化合物熱分解法とは、例えば、水素化物や窒化物等の熱分解化合物を溶融した対象材料(溶融金属)に添加し、鋳型で一方向に凝固させる方法である。そして、例えば、溶融金属中の熱分解化合物の熱分解により、長孔75が形成され、また、長孔75の長手方向の向きは、凝固方向に制御される。
押圧部72の気孔径や気孔率の制御の点等から、ガス化合物熱分解法及び鋳型鋳造法を併用することが好ましい。予め定めた量の熱分解化合物(例えばTiH粉末ペレット)を鋳型底面にセットし、例えば0.05MPa以上0.2MPa以下のアルゴン雰囲気下で、対象材料(例えば銅200g)を高周波加熱によりるつぼ内で溶解し、底部を水冷した上記鋳型に溶解した対象材料を鋳込んで、一方向凝固させる方法である。
図4は、本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式斜視図である。図4に示すように、押圧部材は、前述の押圧部72、および定着ベルト71に対向する押圧部72の表面Sに形成された長孔75を有し、長孔75には潤滑剤76が保持されている。潤滑剤76は、少なくとも定着ベルト71と接触する押圧部72の表面(例えば、平面部H)に形成された長孔75に保持されていればよい。また、本実施形態では、潤滑剤76に代えて摺動材料を用いてもよい。このように、定着ベルト71に対向する押圧部72の表面に形成される長孔75に潤滑剤76又は摺動材料を保持させることにより、定着ベルト71と押圧部72とが摺動する際に、潤滑剤76又は摺動材料が長孔75からしみ出るため、長孔75に潤滑剤76又は摺動材料を保持させない場合と比較して、押圧部72と定着ベルト71との摩擦が抑えられると考えられる。その結果、定着ベルト71又は加圧ロール73を回転させるための駆動トルクが抑えられ、定着ベルト71の回転始動時等におけるベルトスリップ現象が抑えられると考えられる。
定着ベルト71側の押圧部72の表面に形成された長孔75に潤滑剤76又は摺動材料を保持する方法としては、例えば、摺動材料を塗布焼成したり、摺動材料分散液中に押圧部材を浸漬させたりして、長孔に含浸させる方法等が挙げられる。
潤滑剤76としては、押圧部72の表面に潤滑性を付与するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、酸化防止剤入りのアミノ変性シリコーンオイルであるヒンダードアミンオイル等のシリコーンオイル、フッ素グリース等が挙げられる。また、摺動材料としては、押圧部72の表面に摺動性を付与するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーンエラストマー(シリコーン樹脂)、フッ素樹脂、フッ素含有エラストマー等の低摩擦性樹脂等が挙げられる。
図5(A)は、本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式斜視図であり、図5(B)は、本発明の実施形態に係る押圧部材の他の構成の一例を示す一部模式断面図である。図5(A)及び(B)に示すように、押圧部材は、前述の押圧部72に加え、定着ベルト71に対向する押圧部72の表面に配置される摺動部材(摺動シート)77を備えている。すなわち、図5に示す摺動部材77は、押圧部72と定着ベルト71の内周面との間に配置されている。摺動部材77は、摺動部材77と接触する押圧部72の表面を被覆する被覆部78と、摺動部材77と接触する押圧部72の表面に形成される長孔75の少なくとも一部に入り込んだアンカー部79と、を有しており、被覆部78とアンカー部79とは一体となっている。例えば、摺動部材77を構成する材料を押圧部72の表面に塗布し、加熱することで、被覆部78及びアンカー部79が一体となった摺動部材77が得られる。このような被覆部78及びアンカー部79を有する摺動部材77を用いることにより、アンカー部79を有していない被覆材料を用いた場合と比較して、摺動部材77と押圧部72との接着性が向上するため、定着ベルト71と摺動部材77とが摺動する際に、摺動部材77の位置ずれ等が抑えられると考えられる。
摺動部材77を構成する材料としては、押圧部72の表面に摺動性を付与するものであれば特に制限されるものではないが、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、シリコーンエラストマー(シリコーン樹脂)、フッ素樹脂、フッ素含有エラストマー等の低摩擦性樹脂等が挙げられる。
次に、図2の定着装置7のその他の構成について説明する。図2のハロゲンランプ74は、例えば、ガラス製で円筒状のランプ管の略軸心にフィラメントが配され、かつ、ランプ管の周面の一部の領域に、白色セラミックス等の熱半遮蔽部材が被覆されたものである。この領域の範囲は、例えば、フィラメントを基点(中心)として、中心角180°以上270°以下の範囲であることが好ましい。この範囲に熱半遮蔽部材を設けることで、例えば、ニップ部Nに対応する押圧部72の平面部Hが加熱され易く、定着ベルト71や、押圧部72の平面部H以外の箇所が過剰に加熱されることが防止される。
図2に示す定着ベルト71は、例えば、熱吸収性層と、熱吸収層上に配置される離型層とを備える2層構造であり、離型層が加圧ロール73と接触する構成となっている。離型層は、例えば、厚さ1μm以上40μm以下の範囲の層であり、離型性かつ耐久性等の点から、例えば、ポリイミド樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂やパーフルオロポリテトラエチレン樹脂等のフッ素樹脂等の樹脂から構成されている。また、熱吸収性層は、例えば、厚さ30μm以上100μm以下の範囲の層であり、ポリイミド樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂やパーフルオロポリテトラエチレン樹脂等のフッ素樹脂等の樹脂にカーボンブラック等の熱伝導性フィラー等を混合したものから構成されている。定着ベルト71としては、ハロゲンランプ74からの輻射熱を定着ベルト71に吸収させ易くする等の点から、熱伝導性フィラー等を混合して、熱吸収性を向上させる処理が為された熱吸収性層を含むことが好ましい。また、定着ベルト71は、2層構造に限定されるものではなく、例えば、熱吸収性層のみ、又は離型性と熱吸収性とを兼ね備える単層構造でもよい。なお、定着ベルト71の外径は、定着装置7の大きさ等に応じて適宜設定されるものであるが、例えば、φ15mm以上φ200mm以下に設定される。
図2に示す加圧ロール73は、例えば、金属製の芯金と、芯金の外周に設けられる弾性層とを備える所謂ソフトロールであることが望ましい。弾性層は、耐熱性、弾性等の点から、例えば、シリコーンゴムやその発泡体等から構成される。本実施形態では、定着ベルト71側からの押圧力によって、ニップ部Nにおいて加圧ロール73の弾性層が凹み、ニップ部Nの形状が、押圧部72の平面部Hの影響を受けて、略平面状となっている。このように、押圧部72の平面部Hの影響を受けて、ニップ部Nの形状が略平面状となることで、例えば、定着ベルト71及び加圧ロール73の搬送速度が略同一となり、記録紙Pの紙しわやカール等の発生が抑制されると考えられる。なお、加圧ロール73は、弾性層を備える必要は必ずしもないが、加圧ロール73の表面性状としては、形成したいニップ形状に対応する形状に変形する弾力性ないし柔軟性を有することが望ましい。
図6は、本発明の実施形態に係る定着装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。図6に示す定着装置60は、回転部材の一例としての定着ロール61と、管状体の一例としての加圧ベルト62と、押圧部材64と、により主要部が構成されており、加圧側にベルトを用いたフリーベルトニップ方式の定着装置である。押圧部材64は、加圧ベルト62を定着ロール61に押圧する第1押圧部64a及び第2押圧部64bと、摺動部材68と、を有する。定着ロール61の内部には、記録紙P上のトナー像を加熱定着させるための加熱手段、例えば、ヒータランプ66が設けられている。
図6に示す定着装置60の動作を説明する。まず、定着ロール61が図示しない駆動モータに連結されて矢印C方向に回転し、この回転に従動して加圧ベルト62も回転する。そして、ヒータランプ66からの輻射熱により、定着ロール61が予め定められた温度(定着温度)まで加熱される。本実施形態において、定着ロール61が定着温度に達すまでの時間がウォームアップタイムとなる。そして、記録紙Pは、定着装置用搬送部56から、定着ロール61と加圧ベルト62との間に形成されたニップ部Nに搬送される。そして、記録紙Pがニップ部Nを通過した際に、ニップ部Nに作用する圧力、定着ロール61から供給される熱等が記録紙Pに加えられ、未定着トナー像が記録紙P上に定着される。定着後の記録紙Pは、ニップ部Nを通過後、後述する剥離部材40により定着ロール61から剥離され、定着装置60から排出される。
次に、図6に示す押圧部材64について説明する。図6に示す押圧部材64を構成する第1押圧部64a及び第2押圧部64bは、加圧ベルト62の内側において金属製等のホルダ65に支持されている。そして、第1押圧部64a及び第2押圧部64bは、加圧ベルト62の内周面から加圧ベルト62を定着ロール61へ押圧して、加圧ベルト62と定着ロール61との間に記録紙(記録媒体)Pが通過するニップ部Nを形成するものである。第1押圧部64aは、ニップ部Nの記録媒体入口側(記録媒体上流側)に配置され、第1押圧部64aにより、例えば幅の広いニップ部Nが確保される。また、第2押圧部64bは、ニップ部Nの記録媒体出口側(記録媒体下流側)に配置され、第2押圧部64bにより、例えば定着ロール61表面が局所的に押圧されて、記録紙Pにダウンカールが形成される。
通常、ニップ部Nの記録媒体出口側に配置される第2押圧部64bは、例えば、記録紙Pを定着ロール61から剥離し易くするために、ニップ部Nの記録媒体入口側に配置される第1押圧部64aに掛ける荷重以上の荷重を掛けることが望ましい。そのため、第1押圧部64aより第2押圧部64bの方が、押圧部の厚み方向に掛かる応力は高くなり易いと考えられる。また、前述のように、ウォームアップタイムの短縮の観点等から、押圧部からの放熱を抑えることが望ましい。そこで、本実施形態では、第1押圧部64a及び第2押圧部64bのうち、少なくとも第2押圧部64bが、加圧ベルト62(管状体)の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有していることが好ましく、第1押圧部64a及び第2押圧部64bが、加圧ベルト62(管状体)の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有していることがより好ましい。なお、この長孔については前述の通りであるので説明を省略する。そして、少なくとも第2押圧部64bに前述の長孔を設けることにより、定着装置60のウォームアップタイムが短縮され、少なくとも第2押圧部64bの変形が抑制されると考えられる。
押圧部材64の第1押圧部64aは、例えば、シリコーンゴムやフッ素含有ゴム等の弾性体や板バネ等が用いられる。また、押圧部材64の第2押圧部64bは、例えば、PPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属等で形成される。
図6に示す押圧部材64は、摺動部材68を備えている。摺動部材68は、第1及び第2押圧部(64a,64b)と加圧ベルト62との間に介在されており、ニップ部Nより上流側の摺動部材68の少なくとも一部が不図示の固定部材等によってホルダ65に固定されている。図6に示す摺動部材68は、図5に示す摺動部材77と同様の構成である。第1及び第2押圧部(64a,64b)の摺動性の点等から、摺動部材68を設置した方が好ましいが、摺動部材68を設けなくてもよい。また、加圧ベルト62と対向する第2押圧部64bの表面(及び第1押圧部64aの表面)に形成される長孔に潤滑剤又は摺動部材を保持させてもよい。
次に、図6に示す定着装置60のその他の構成について説明する。
図6に示す定着ロール61は、金属製等のコア(円筒状芯金)611の周囲に弾性体層612、および離型層613を積層して構成された円筒状ロールであり、回転自在に支持されている。
定着ロール61のコア611は、機械的強度、伝熱性の点で、例えば、鉄、アルミニウム(例えば、A−5052材)、SUS、銅等の金属または合金、セラミックス、FRM等が挙げられる。
また、定着ロール61の弾性体層612の材質は、従来公知のものの中から適宜選択されればよいが、例えば、シリコーンエラストマー(以下、シリコーンゴムと呼ぶ場合がある)、フッ素含有エラストマー(以下、フッ素含有ゴムと呼ぶ場合がある)等が挙げられる。
また、定着ロール61の離型層613の材質としては、トナー像Pに対し適度な離型性を示すものが望ましく、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
また、定着ロール61の周辺には、定着後の記録紙Pを剥離するための剥離部材40、ロール表面の温度を制御するための温度センサ69が設けられている。剥離部材40は、定着ロール61の回転方向Cと対向する向き(カウンタ方向)に、定着ロール61と近接する状態で配置される剥離バッフル41と、剥離バッフル41を保持するホルダ42とで構成されている。
本実施形態では、ヒータランプ66を加熱手段として用いているが、加熱手段としては、ニップ部Nを加熱するものであれば、定着ロール61を内部加熱するタイプに限られず、例えば、定着ロール61を外部加熱するもの等が挙げられる。
図6に示す加圧ベルト62は、加圧ベルト62の内部に配置された押圧部材64とベルト走行ガイド63とによって回転自在に支持され、定着ロール61からの駆動力を受けることで従動回転される。本実施形態の加圧ベルト62は、原形が円筒形状に形成された継ぎ目がない無端ベルト、継ぎ目(シーム)があるベルト等のベルト部材等が挙げられる。
加圧ベルト62としては、その形状、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて従来公知のものの中から適宜選択される。加圧ベルト62の構造としては、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。多層構造の加圧ベルト62としては、ベース層と離型層とを有するもの等が挙げられる。加圧ベルト62のベース層の材質としては、例えば、熱硬化性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等などが挙げられる。離型層の材質としては、例えば、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
加圧ベルト62内に設けられたホルダ65には、潤滑剤塗布部材67が配置されている。潤滑剤塗布部材67は、加圧ベルト62の内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤塗布部材67から加圧ベルト62の内周面に潤滑剤が供給される。
潤滑剤は、潤滑性、潤滑性の指標となる動粘度、耐熱性、揮発性の点等から、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、酸化防止剤入りのアミノ変性シリコーンオイルであるヒンダードアミンオイル等のシリコーンオイル等が好ましく、更に濡れ性の点等から、アミノ変性シリコーンオイルがより好ましい。また、耐熱性により優れた性能を有する点等から、メチルフェニルシリコーンオイルも好ましい。なお、耐熱性の点等から、ヒンダードアミンオイルが好ましい。
図7は、本発明の実施形態に係る定着装置の構成の他の一例を示す概略構成図である。図7に示す定着装置50は、管状体の一例として定着ベルト51と、回転部材の一例としての加圧ロール52と、定着ベルト51の内側に設けられ、定着ベルト51を加圧ロール52へ押圧する押圧部53を有する押圧部材と、定着ベルト51の外周面に配置され、定着ベルト51を発熱させる磁場発生ユニット80とにより主要部が構成される、所謂IHベルト方式の定着装置である。
図7に示す定着装置50の動作について説明する。図示しない駆動モータにより加圧ロール52は矢印C方向への回転し、これに伴い、定着ベルト51が矢印C’方向へ回転する。また、磁場発生ユニット80により発生される交番磁束の電磁誘導作用により、定着ベルト51が予め定められた温度(定着温度)まで加熱される。加熱された定着ベルト51は、加圧ロール52とのニップ部Nまで移動する。定着装置用搬送部44から、未定着トナー像が形成された記録紙(記録媒体)Pが、定着ベルト51と加圧ロール52との間に形成されたニップ部Nに搬送される。記録紙Pが前記ニップ部Nを通過した際に、未定着トナー像は定着ベルト51により加熱され、記録紙Pの表面に定着される。このようにして画像が形成された記録紙Pは、不図示の搬送手段により、定着装置50から排出される。
図7に示す押圧部材は、押圧部53と、摺動部材55とを備えている。押圧部53は定着ベルト51の内側において金属製等のホルダ57に支持されている。そして、押圧部53は定着ベルト51を介して加圧ロール52と対向するように配置され、定着ベルト51の内周面から加圧ロール52を定着ベルト51へ押圧して、定着ベルト51と加圧ロール52との間に記録紙(記録媒体)Pが通過するニップ部Nを形成している。
図7に示す押圧部53は、定着ベルト51(管状体)の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有している。なお、この長孔については前述の通りであるので説明を省略する。本実施形態においても、押圧部53に前述の長孔を設けることにより、定着装置60のウォームアップタイムが短縮され、押圧部53の変形が抑制されると考えられる。押圧部53は、例えば、PPS、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、または鉄、アルミニウム、SUS等の金属等で形成される。
図7に示す摺動部材55は、押圧部53と定着ベルト51との間に介在されており、摺動部材55の両端部が不図示の固定部材等によってホルダ57に固定されている。図7に示す摺動部材55は、図5に示す摺動部材77と同様の構成である。押圧部53の摺動性の点等から、摺動部材55を設置した方が好ましいが、摺動部材55を設けなくてもよい。また、定着ベルト51と対向する押圧部53の表面に形成される長孔に潤滑剤又は摺動部材を保持させてもよい。
次に、図7に示す定着装置50のその他の構成について説明する。
定着ベルト51は、内周側に配置された押圧部53と、ベルトガイド部材54とによって回転自在に支持されている。ベルトガイド部材54の材質は、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等の耐熱性樹脂等である。
定着ベルト51は、例えば、環状のベルトであり、図での説明は省略するが、内側から順に基材層、発熱層、弾性層、離型層等を積層した層状構造をなしている。
基材層は、例えば厚さ10μm以上100μm以下の耐熱性の高い樹脂等で形成されている。樹脂としては、例えばポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド等が挙げられる。
発熱層は、磁場発生ユニット80により発生される交番磁束の電磁誘導作用により発熱するものである。発熱層の材質としては、例えば、コバルト、鉄、ニッケル等の金属又はこれらの合金等の金属材料等が挙げられる。
弾性層は、例えば、厚さ10μm以上500μm以下の耐熱性、熱伝導性が良い材料であるシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコンゴム等で形成される。
離型層の材質は、例えば、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。
加圧ロール52は鉄、アルミニウム、SUS等の芯金521の周囲に弾性体層522、および離型層523を積層して構成されている。弾性体層522の材質は、例えば、シリコーンスポンジ、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。離型層523の材質は、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)や、それらの複合材料であるフッ素樹脂等の耐熱性樹脂等が挙げられる。
ニップ部Nの下流側には、定着ベルト51の回転方向と対向する方向に、定着ベルト51と近接して配置される剥離バッフル41と、剥離バッフル41を保持するホルダ42とを備える剥離部材40が設けられている。剥離部材40により、記録紙Pが定着ベルト51から剥離される。
また、ホルダ57には、潤滑剤塗布部材67が配置されている。潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト51の内周面に対して接触するように配置され、潤滑剤塗布部材67から定着ベルト51の内周面に潤滑剤が供給される。
潤滑剤塗布部材67により供給される潤滑剤は、例えばジメチルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等のシリコーンオイルやフッ素オイル等の液体状オイル、固形物質と液体とを混合させたグリース等、更には、これらを組み合わせたもの等が挙げられる。
磁場発生ユニット80は、磁界を発生させる励磁コイル81と、励磁コイル81を保持するコイル支持部材82と、励磁コイル81に電流を供給する励磁回路83とで構成されている。磁場発生ユニット80は、断面が定着ベルト51の形状に沿って湾曲している形状とされ、定着ベルト51の外周表面と予め定めた間隙を保持して設置される。
励磁コイル81には、例えば、相互に絶縁された銅線材を束ねたリッツ線を長円形状や楕円形状、長方形状等の閉ループ状に巻いたものが用いられる。励磁コイル81には、励磁回路83によって所定の周波数の交流電流が印加され、励磁コイル81の周囲には交流磁界が発生する。
コイル支持部材82の材質は、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート等の耐熱性樹脂等が用いられる。また、コイル支持部材82の中央部には、フェライト等の強磁性体が配設されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
富士ゼロックス社製の画像形成装置DocuPrint P350Dを用い、以下に示す条件で、試験した。この画像形成装置に搭載した定着装置は、図2に示す定着装置であり、具体的構成は以下の通りである。
加圧ロールは、円筒状のアルミ製のコアの外周面に、弾性体層として発泡スポンジを4mmの厚さで被覆し、該弾性体層の表面に離型層としてフッ素樹脂を被覆した外径28mmのロールである。定着ベルトは、5質量%のカーボンブラックを含有したポリイミド樹脂を基材(厚み70μm、外径30mm)とし、該基材の外周面に、離型層としてのフッ素樹脂層を25μmの厚さで被覆したものである。定着ベルトの内部には、加熱源として850wのハロゲンランプを配設した。
押圧部を構成する材料としてアルミを用い、前述のガス化合物熱分解法及び鋳型鋳造法を併用して押圧部を作製した。上記方法及び条件で作製された押圧部に形成される長孔、すなわち定着ベルトの回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔の大きさは、マイクロスコープ装置(キーエンス社製、VHX-1000型)を用い、観察し形状測定する方法で測定し、30個の長孔の平均値として求めた平均短径が0.2mmであり、平均長径が10mmであった(平均長径/平均短径=50)。また、長孔の気孔率は、15%であった。使用した押圧部の大きさは、長さ(長手方向)が250mm、押圧部の幅(短手方向)が7mm、厚みが3mmであった。実施例1では、押圧部の長手方向が、定着ベルトの回転軸方向に対応するものであるため、押圧部に形成された長孔の長手方向が、押圧部の長手方向と略平行となっているかを上記と同じ方法により確認した。その結果、長孔の長手方向は、押圧部の長手方向に対して85°以上95°以下の範囲であったため、長孔の長手方向は、定着ベルトの回転軸方向(実施例1では押圧部の長手方向)と略平行であると言える。
定着ベルト側の押圧部の表面に配置される摺動部材として、厚さ20μmのフッ素樹脂シートを用いた。摺動部材は、定着ベルト側の押圧部の表面にフッ素樹脂を塗布することにより作製されたものであり、前述の通り、押圧部の表面を被覆する被覆部と、押圧部の表面に形成される長孔の少なくとも一部に入り込んだアンカー部とを有している。
実施例1の定着装置において、押圧部の平面部Hの上流側から下流側までの長さを7mm、押圧部と加圧ロールの間の荷重(すなわち、ニップ部Nの荷重)を15kgに設定し、定着温度を155℃(普通紙入り口側の押圧部近傍に置いた温度センサにて測定)で制御し、200mm/secの速度で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を通紙する条件に設定した。
実施例1において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、14秒であった。定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
また、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形は確認されなかった。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を1万枚通紙した結果、定着画像ズレ及び紙皺は発生せず、カールも5mm以下であり、良好な定着性を示した。このような良好な定着性は、15kgのニップ荷重に対して、押圧部の変形が抑えられ、ニップ部Nの平坦性が確保されたためであると考えられる。また、普通紙を1万枚通紙している間、定着ベルトのスリップ現象も見られなかった。これは、定着ベルト側の押圧部の表面に配置された摺動部材により、定着ベルトの摺動トルクが抑えられためと考えられる。
(実施例2)
実施例2では、摺動部材を用いないこと以外は実施例1と同様の条件で試験した。
実施例2において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、13秒であった。定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
また、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形は確認されなかった。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を1万枚通紙した結果、定着画像ズレ及び紙皺は発生せず、カールも5mm以下であり、実施例1と同様な定着性を示した。しかし、普通紙の通紙開始直後に、定着ベルトのスリップ現象が発生した。これは、定着ベルト側の押圧部の表面に摺動部材が配置されていないため、摺動部材を配置した実施例1より、定着ベルトの摺動トルクが高くなったためと考えられる。
(実施例3)
実施例3では、定着ベルト側の押圧部の表面に形成された長孔にPTFE分散液に浸漬し焼成し含浸する方法でPTFEを保持したこと以外は実施例2と同様の条件で試験した。
実施例3において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、16秒であった。定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
また、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形は確認されなかった。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を1万枚通紙した結果、定着画像ズレ及び紙皺は発生せず、カールも5mm以下であり、実施例1と同様な定着性を示した。普通紙を1万枚通紙している間、定着ベルトのスリップ現象も見られなかった。これは、定着ベルト側の押圧部の表面に形成された長孔に保持されたPTFEにより、定着ベルトの摺動トルクが抑えられためと考えられる。
(実施例4)
実施例4では、前述のガス化合物熱分解法及び鋳型鋳造法を併用して、長孔の平均短径を0.4mm、平均長径を15mm、長孔の気孔率を25%とした押圧部を作製したこと以外は実施例3と同様の条件で試験した。
実施例4において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、14秒であった。定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
また、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形は確認されなかった。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を1万枚通紙した結果、定着画像ズレ及び紙皺は発生せず、カールも5mm以下であり、実施例1と同様な定着性を示した。普通紙を1万枚通紙している間、定着ベルトのスリップ現象も見られなかった。これは、定着ベルト側の押圧部の表面に形成された長孔に保持されたPTFEにより、定着ベルトの摺動トルクが抑えられためと考えられる。
(比較例1)
比較例1では、気孔を有していないアルミ材を押圧部に用いたこと以外は実施例1と同様の条件で試験した。
比較例1において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、22秒であり、実施例1〜4より遅い結果となった。定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
この結果から、定着ベルトの回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有する押圧部を用いることにより、気孔を有していない押圧部を用いた場合と比較して、定着ベルトの熱が押圧部から放熱され難くなり、定着ベルトの温度が上昇し易くなったため、ウォームアップタイム(予め定めた定着温度に達するまでの時間)が短縮されたものと考えられる。
なお、比較例1において、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形は確認されなかった。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を1万枚通紙した結果、定着画像ズレ及び紙皺も発生せず、カールも5mm以下であり、実施例1と同様な定着性を示した。普通紙を1万枚通紙している間、実施例1と同様に定着ベルトのスリップ現象も見られなかった。
(比較例2)
比較例2では、気孔を有していないアルミ材に、定着ベルトの回転軸方向に対して垂直な方向(この垂直方向は、アルミ材の厚み方向となる)を長手方向とする長孔を複数形成したものを押圧部として用いたこと以外は実施例1と同様の条件で試験した。比較例2の長孔の長さ(長手方向)を5mmとし、長孔同士の間隔を10mmとした。
比較例2において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、14秒であり、実施例1とほとんど変わらない結果となった。なお、定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。比較例2では、実施例1と長孔の長手方向と異なるが、長孔を有しているため、実施例1と同様に定着ベルトの熱が押圧部から放熱され難くなり、実施例1と同様のウォームアップタイムとなったものと考えられる。
比較例2において、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形が確認された。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を100枚通紙した結果、普通紙の中央部において定着画像ズレ及び紙皺が発生し、カールも20mm以上であった。この結果から、定着ベルトの回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を有する押圧部の方が、定着ベルトの回転軸方向と略平行な方向以外の方向を長手方向とする長孔を有する押圧部より、ニップ荷重に対する押圧部の変形が抑えられ、良好な定着性を示すと考えられる。
(比較例3)
比較例3では、気孔を有していないアルミ材に、直径2mmの円形形の孔を複数形成したものを押圧部として用いたこと以外は実施例1と同様の条件で試験した。比較例3の孔同士の間隔を8mmとした。
比較例3において、普通紙を通紙する前に、ハロゲンランプによる加熱を開始してから、定着ベルトの温度が定着温度である155℃に達するまでの時間を計測した結果、14秒であり、実施例1とほとんど変わらない結果となった。なお、定着ベルトの温度は前述の温度センサにより計測した値であり、ハロゲンランプによる加熱前の定着ベルトの温度は20℃であった。
比較例3において、押圧部と加圧ロールの間に15kgの荷重(ニップ荷重)を掛けた段階で、押圧部の変形を目視により観察したところ、押圧部の変形が確認された。そして、上記条件で、画像形成装置の画像形成部で印字した普通紙(富士ゼロックス社製J紙A4)を100枚通紙した結果、普通紙の中央部において定着画像ズレ及び紙皺が発生し、カールも20mm以上であった。この結果から、定着ベルトの回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を有する押圧部の方が、球形の孔を有する押圧部より、ニップ荷重に対する押圧部の変形が抑えられ、良好な定着性を示すと考えられる。
1 感光体ドラム、2 帯電ロール、3 像露光器、4 現像器、5 転写ロール、6クリーナ、7 定着装置、10 画像形成装置、40 剥離部材、41 剥離バッフル、42 ホルダ、44 定着装置用搬送部、50 定着装置、51 定着ベルト、52 加圧ロール、53 押圧部、54 ベルトガイド部材、55 摺動部材、56 定着装置用搬送部、57 ホルダ、60 定着装置、61 定着ロール、62 加圧ベルト、63 ベルト走行ガイド、64 押圧部材、64a 第1押圧部、64b 第2押圧部、65 ホルダ、66 ヒータランプ、67 潤滑剤塗布部材、68 摺動部材、69 温度センサ、71 定着ベルト、72 押圧部、73 加圧ロール、74 ハロゲンランプ、75長孔、76 潤滑剤、77 摺動部材、78 被覆部、79 アンカー部、80 磁場発生ユニット、81 励磁コイル、82 コイル支持部材、83 励磁回路、521 芯金、522 弾性体層、523 離型層、611 コア、612 弾性体層、613 離型層。

Claims (7)

  1. 回転可能な回転部材に接触しながら回転する管状体の内部に配置され前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部を有し、
    前記押圧部は、前記管状体の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有していることを特徴とする押圧部材。
  2. 前記押圧部は、金属から構成されることを特徴とする請求項1記載の押圧部材。
  3. 前記押圧部は、前記ニップ部の記録媒体入口側に配置される第1押圧部と、前記ニップ部の記録媒体出口側に配置される第2押圧部と、を有し、
    前記第1及び第2押圧部のうち少なくとも第2押圧部は、前記管状体の回転軸方向と略平行な方向を長手方向とする長孔を複数有していることを特徴とする請求項1又は2記載の押圧部材。
  4. 前記管状体と対向する前記押圧部の表面に形成される前記長孔に、潤滑剤又は摺動材料が保持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の押圧部材。
  5. 前記管状体と前記押圧部との間に配置される摺動部材を備え、
    前記摺動部材は、前記摺動部材に接触する前記押圧部の表面を被覆する被覆部と、前記押圧部の表面に形成される前記長孔の少なくとも一部に入り込んだアンカー部と、を有し、前記被覆部と前記アンカー部とが一体となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の押圧部材。
  6. 回転可能な回転部材と、前記回転部材に接触しながら回転する管状体と、前記管状体の内部に配置され、前記管状体の内周面から前記管状体を前記回転部材へ押圧して、前記回転部材と前記管状体との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部を有する押圧手段と、を備え、前記押圧手段は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の押圧部材であることを特徴とする定着装置。
  7. 像保持体と、前記像保持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像を静電荷像現像用現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を含み、
    前記定着手段が、請求項6に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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