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JP2015068517A - 焼却炉における燃焼運転方法および焼却炉 - Google Patents

焼却炉における燃焼運転方法および焼却炉 Download PDF

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祥子 重政
通孝 古林
Michitaka Furubayashi
通孝 古林
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Abstract

【課題】再循環排ガスの流量配分の変更を行うことなく、簡単な操作で火格子からの熱分解ガスの挙動を制御し、安定的にNOx排出量を低減することができる、焼却炉の運転方法および焼却炉を提供する。【解決手段】焼却炉(1)の二次燃焼室(3)から排出された排気ガス(再循環排ガス)を、乾燥用に用いられる火格子(4)の上方に位置する天井壁(乾燥段上部天井壁)(7)からおよび後壁(8)から、炉底の火格子(4)に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給する、焼却炉(1)における燃焼運転方法であって、一次燃焼室(2)内のごみの燃焼状況に応じて、乾燥段上部天井壁(7)から供給される再循環排ガスの供給角度を変更する(12)ことにより一次燃焼室内の熱分解ガスの挙動を制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、ごみを焼却処理するために使用される焼却炉における燃焼運転方法および焼却炉に関する。
傾斜型または水平型の複数の火格子を一次燃焼室の底部に設け、火格子の下側から燃焼用の一次空気を送入して一次燃焼室内にてごみの燃焼を行い、ごみの燃焼によって生じたガスをさらに一次燃焼室の上部に設けた二次燃焼室に送り、この二次燃焼室に二次空気を送入しここで二次燃焼を行う焼却炉が従来から知られている。
特許文献1には、このような焼却炉において、炉出口における排気ガス温度を所定の温度範囲内に調節することができ、しかも高い窒素酸化物抑制効果を有するものでありながら、火格子等を腐食させる恐れのない焼却炉の運転方法が記載されている。
この運転方法では、焼却炉から排出されかつ冷却された排気ガスを、一次燃焼室内部の火格子よりも上部に循環送入し、一次燃焼室に送入される排気ガスにより、燃焼火炎を直接冷却するものであった。すなわち、排気ガスは、燃焼火炎に直接当たるような方向に送入されていた。この運転方法は、一次燃焼室内に送入される排気ガスにより、焼却火炎を直接冷却するとともに、燃焼ガスの混合・攪拌効果を含めて燃焼ガスをゆるやかに完全燃焼させることを目的としていた。この運転方法は、さらに、炉出口における排気ガス温度を所定の範囲内に調節すると共に、窒素酸化物の発生を良好に制御することも目的としていた。
また、特許文献2には、燃焼炉の前部炉壁に配置されて乾燥ゾーン側から発炎燃焼ゾーン側に燃焼排ガスを送入する排ガスノズルを設け、燃焼炉の後部炉壁に配置されておき燃焼ゾーン側から発炎燃焼ゾーン側に燃焼排ガスを送入する排ガスノズルを設け、各ノズルから発炎燃焼ゾーン火炎の中心部をめがけて燃焼排ガスを送入する方法が記載されている。
この方法によると、火炎中の熱ガス温度、酸素濃度が低下するために、火炎温度が低下し、火炎部空間が広がる。この結果、高発熱量燃料焼却時の炉床、炉壁へのクリンカ附着および炉床炉壁の損傷が防止できると共に、火炎温度の低下に伴い、NOxの発生が抑制可能となっている。
特開昭59−441513号公報 特公平5−31045号公報
出願人は、既に、炉内の特定の位置から再循環排ガスを供給すれば、再循環排ガスの吹き出し部付近の圧力が周囲の圧力に比べて低くなるため、ごみ層からの燃焼排ガスが引き寄せられ、その結果、一次燃焼室全体を燃焼空間として有効に活用することができることを見いだし、再循環排ガスの供給位置および供給方向について種々検討した上、再循環排ガスの適切な供給位置および供給方向について特許出願している(PCT/JP2013/059277)。
上記特許出願によれば、焼却炉全体の温度分布が均一化され、局所的な高温場がなくなることにより、NOx排出量が低減する。
しかしながら、一次燃焼室中のごみの燃焼位置は、搬入されるごみの組成等により変動し得るものであり、ごみの燃焼位置が乾燥段側に移動した場合には、乾燥段の天井に引き寄せられる熱分解ガス量が増え、二次燃焼室出口のCOやNHの濃度が高くなる。逆に、ごみの燃焼位置が後燃焼段側に移動した場合には、熱分解ガスはほとんど後壁側に引き寄せられるため、NO濃度が高くなる。
このような状況を改善するために、ごみの燃焼位置の変動に従って乾燥段の天井と後壁から吹き込む再循環排ガスの流量割合を変化させることが本出願人により提案されている(特願2013-38510号)。
しかしながら、上記特許出願による方法では、その制御がシビアであり、ファン能力によっては理想の配分にできない可能性もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、再循環排ガスの流量配分の変更を行うことなく、簡単な操作で火格子からの熱分解ガスの挙動を制御し、安定的にNOx排出量を低減することができる、焼却炉の運転方法および焼却炉を提供することを目的とする。
本発明者らは、乾燥段上部天井壁から吹き込む再循環排ガスの吹き込み角度を変更することにより、乾燥段側に引き寄せられる熱分解ガス量を制御することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、ごみを焼却処理するための焼却炉の一次燃焼室の底部に複数の火格子が設けられ、該火格子の下側から燃焼用の一次空気が送入され、ごみの燃焼によって生じたガスが一次燃焼室の上部に設けられた二次燃焼室に送られ、該二次燃焼室に二次空気が送入されてここで二次燃焼が行われる焼却炉において、該焼却炉の二次燃焼室から排出された排気ガス(以降において再循環排ガスともいう)を、一次燃焼室内の底部に複数備えられた火格子の内、乾燥用に用いられる火格子の上方に位置する天井壁(以降において乾燥段上部天井壁ともいう)から、および、一次燃焼室内のごみ供給方向に対して後流側の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給する、焼却炉における燃焼運転方法であって、一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度を変更することにより一次燃焼室内の熱分解ガスの挙動を制御する、焼却炉における燃焼運転方法に関する。
上記本発明の焼却炉における燃焼運転方法において、好ましくは、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が乾燥段側、すなわち、前寄りに移動した場合に、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度をより上向きになるように調整し、逆に、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が後燃焼段側、すなわち、後寄りに移動した場合に、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度をより下向きになるように調整する。
上記本発明の焼却炉における燃焼運転方法において、好ましくは、二次燃焼室出口におけるCOの濃度および/または一次燃焼室の乾燥段上部天井壁付近におけるNHの濃度が1分〜4時間の平均値で上昇傾向にある場合が、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が前寄りに移動した場合であり、二次燃焼室出口におけるCOの濃度および/または一次燃焼室の乾燥段上部天井壁付近におけるNHの濃度が1分〜4時間の平均値で下降傾向にある場合が、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が後寄りに移動した場合である。なお、本明細書中、「壁付近」とは、壁から0〜100cm程度離間した範囲の空間を意味する。
上記本発明の焼却炉における燃焼運転方法において、好ましくは、二次燃焼室出口におけるNO濃度が1分〜4時間の平均値で上昇傾向にある場合が、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が後寄りに移動した場合であり、二次燃焼室出口におけるNO濃度が1分〜4時間の平均値で下降傾向にある場合が、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が前寄りに移動した場合である。NHやNOの濃度を上記のように1分〜4時間の平均値で評価するのは、1分未満では濃度の変動が激しく再循環排ガスの供給角度の制御が追随できないためであり、4時間を超えると燃焼位置の変化に基づく濃度の変化を正しく捉えることができなくなるためである。
上記本発明の焼却炉における燃焼運転方法において、好ましくは、乾燥段上部天井壁付近の温度が下降傾向となり、かつ、後燃焼段天井壁付近の温度が上昇傾向になった場合が、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が後寄りに移動した場合である。
上記本発明の焼却炉における燃焼運転方法において、好ましくは、前記乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度は、水平方向に対して−30°〜0°の範囲(水平方向に対して上向きを正(プラス)の角度とする)で制御される。−30°より下向きにした場合、乾燥段上部天井から供給される再循環排ガスが着火域に流入し、失火させる危険があるため推奨できない。
また、本発明は、ごみの一次燃焼が行われる一次燃焼室と、該一次燃焼室でのごみの燃焼によって生じたガスに対して二次燃焼が行われる、一次燃焼室の上部に設けられた二次燃焼室とを備え、該一次燃焼室の底部に複数の火格子が設けられ、該火格子の下側からごみの燃焼に用いられる一次空気が送入されるようになっており、該二次燃焼室には、二次燃焼室に送られる、ごみの燃焼によって生じたガスの二次燃焼を行うための二次空気が送入されるようになっている、焼却炉であって、該一次燃焼室には、乾燥段上部天井壁および後壁に、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように再循環排ガスを供給する再循環排ガス供給手段がそれぞれ設けられており、乾燥段上部天井壁の再循環排ガス供給手段は、一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度を変更するためのガス供給角度調節手段を有している、ものである。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記一次燃焼室内のごみの燃焼状況を判断するための検知手段を有する。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記検知手段は、前記二次燃焼室に設けられた、CO濃度検出手段である。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記検知手段は、前記乾燥段上部天井壁付近に設けられた、NH濃度検出手段である。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記検知手段は、前記二次燃焼室に設けられた、NO濃度検出手段である。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記検知手段は、乾燥段上部の温度および後燃焼乾燥段上部の温度を検出する検温手段である。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記ガス供給角度調節手段は、整流板である。
上記本発明の焼却炉において、好ましくは、前記検知手段が検出した情報を入力し、この情報に基づいて、前記ガス供給角度調節手段を制御する制御手段を有する。
本発明の焼却炉の運転方法では、一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度を変更することとしたので、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が変化した場合であっても、乾燥段上部天井壁および後壁からの再循環排ガスの流量配分を変更しなくても、簡単な操作で火格子からの熱分解ガス挙動を制御することができる。また、流量配分を変更する方法と組み合わせれば、さらに制御範囲が広くなると考えられる。
都市ごみ等のごみを焼却するための焼却炉を示す概略構成図である。 乾燥段上部天井壁の供給口(7a)に整流板(10)が設けられた場合を説明するための図である。 エキスパンションの概略を示す図である。 ユニバーサルジョイントの概略を示す図である。 実施例1(−16°)の場合のNH濃度を示す図である。 実施例3(−8°)の場合のNH濃度を示す図である。 実施例5(0°)の場合のNH濃度を示す図である。
以下、本発明の焼却炉の運転方法および焼却炉について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、都市ごみ等のごみを焼却するための焼却炉を示す概略構成図である。
焼却炉(1)は、一次空気が供給される下部の一次燃焼室(2)と、二次空気が供給される上部の二次燃焼室(3)とが連絡する様式となっている。
一次燃焼室(2)の底部には、複数の火格子(4)が設置されている。一次燃焼室(2)内には、投入ホッパ(5)を介して焼却処理すべきごみが搬入される。したがって、図に示す一次燃焼室(2)の左側は、焼却処理すべきごみが供給される側であり、図面中炉内左側の火格子(4)は乾燥用の火格子として使用される。
各火格子(4)には、送風機(6)を介してその下方から燃焼用一次空気が供給されるようになっている。また、二次燃焼室(3)には、二次燃焼室内において二次燃焼を行うための二次空気が供給されるようになっている(図示省略)。
一次燃焼室(2)の上方において、乾燥用の左側の火格子(4)の上方に位置する乾燥段上部天井壁(7)と後燃焼用の右側の火格子(4)の上方に位置する後燃焼段上部天井壁(9)との間に形成された開口が二次燃焼室(3)への入口となっており、乾燥段上部天井壁(7)、および一次燃焼室(2)内のごみ供給方向に対して後流側の後壁(8)には、二次燃焼室(2)の後部に設けられた炉出口(13)から排出された排気ガスをバグフィルタ(図示せず)で除塵した後、再循環排ガスとして供給するための供給口が設けられている。これらの供給口は、乾燥段上部天井壁(7)および後壁(8)のそれぞれにおいて、単数箇所に設けられていても複数の箇所に設けられていてもよい。
各供給口から一次燃焼室に向けて、再循環排ガスは任意の角度で供給されるようになっている。本発明においては、一次燃焼室(2)内に供給される再循環排ガスは、炉底の火格子(4)に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給される。
本発明では、さらに、乾燥段上部天井壁(7)に設けられた供給口からの再循環排ガスは、一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、その供給角度が変更されて供給することができるようになっており、そのためのガス供給角度調節手段が設けられている。
ガス供給角度調節手段は、ガス供給角度を調節することができるものであれば、如何なるものであってもよいが、例えば、整流板、ユニバーサルジョイント、エキスパンションなどが挙げられる。これらは、遠隔操作により自動的に角度が変更できる手段となりうる点で有利である。
図2は、乾燥段上部天井壁(7)の供給口(7a)に整流板(10)が設けられた場合を示している。
図2に示すように、整流板(10)の角度を適宜調節する(11)ことにより、供給口(7a)から供給される再循環排ガスの供給角度(12)を変更することができる。
他のガス供給角度調節手段として、図3に、エキスパンションの概略を示し、図4に、ユニバーサルジョイントの概略を示す。ユニバーサルジョイントは、球面状の接合面を有する自在継手であり、例えば、特表昭60-500728号公報の可撓性パイプ継手が参照される。
上記の乾燥段側の供給口か角度ら供給される再循環排ガスの供給角度は、水平方向から上向きを正の角度として水平方向に対して−16°〜0°の範囲で制御される。
また、後壁側の供給口から供給される再循環排ガスの供給角度は、10°〜30°の範囲内に固定される。
より具体的には、一次燃焼室(2)内のごみの燃焼位置が乾燥段側、すなわち、前寄りに移動した場合には、乾燥段側の供給口から供給される再循環排ガスの供給角度をより上向きになるように整流板(10)を調整し、逆に、一次燃焼室(2)内のごみの燃焼位置が後燃焼段側、すなわち、後寄りに移動した場合には、乾燥段側の供給口から供給される再循環排ガスの供給角度をより下向きになるように整流板(10)を調整する。
ここで、乾燥段側の供給口から供給される再循環排ガスの供給角度を調節するために、一次燃焼室(2)内の燃焼状況を把握する。そのための手段として、一次燃焼室(2)内のごみの燃焼状況を判断するための検知手段が設けられる。
この検知手段としては、各種のものを挙げることができ、例えば、二次燃焼室(3)に設けられる、CO濃度検出手段、NO濃度検出手段、一次燃焼室(2)内の乾燥段上部に設けられるNH濃度検出手段、一次燃焼室(2)の乾燥段上部および後燃焼段上部の温度を検出する検温手段等が挙げられる。より具体的には、NH濃度は、一次燃焼室(2)出口付近に設置したレーザ式NH計により測定することが可能である。
各検知手段に対する、望ましい検知位置、その他の有効な検知位置、検知結果に対する制御方法を表1−1、表1−2に示す。
Figure 2015068517
Figure 2015068517
なお、表中BFは、バグフィルターを意味する。
上記の表に挙げた各検知手段は、それぞれ、単独で用いることとしてもよいが、これらの2つ以上を組み合わせて用いるようにしてもよい。
また、以上の説明は、検知手段が示す一次燃焼室(2)の燃焼状況を見る操作者が直接的に手動により上記のガス供給角度調節手段を操作することを想定しているが、検知手段が示す一次燃焼室(2)内の燃焼状況を表す数値を入力し、この入力された数値に基づいてガス供給角度調節手段を制御する制御手段を設けて自動で角度制御するようにしてもよい。このようにすれば、常に最適な角度を保つことが可能となる。
以下、汎用ソフトFluent Ver.6.3を用いた熱流体解析により一次燃焼室(2)および二次燃焼室(3)のそれぞれの出口における各種ガス濃度、温度等を算出したので、実施例として詳細に説明する。
(実施例)
・計算条件
本実施例において、傾斜型ストーカ炉(焼却規模:150t/d)を対象とし、乾燥段上部天井壁(7)からの再循環排ガスの供給角度を変更した条件について計算を行った。下記表2に共通の計算条件を示す。
Figure 2015068517
また、後壁(8)に設けた供給口から供給される再循環排ガスの供給角度は、水平方向に対して、23°に固定した。
乾燥段上部天井壁(7)からの再循環排ガスの供給角度を、水平方向に対して−16°、−12°、−8°、−4°および0°(水平)とした場合を、それぞれ、実施例1〜5として計算し、得られた結果を下記表3に示し、また、実施例1(−16°)の場合のNH濃度を図5に示し、実施例3(−8°)の場合のNH濃度を図6に示し、実施例5(0°)の場合のNHを図7に示す。
Figure 2015068517
なお、上記表3中、ηは燃焼効率を示す。
表3に示されるように、乾燥段上部天井壁(7)の供給口(7a)から供給される再循環排ガスの供給角度と、一次燃焼室出口における、温度、NH濃度、NO、二次燃焼室出口におけるCO濃度、NH濃度との間には相関関係がある。また、図5〜7によっても、再循環ガスの供給角度に応じて、乾燥段側に引き寄せられるNH濃度が大きく変動することが示されている。
実施例1では、再循環排ガスが下向き(−16°)に供給され、この結果、火格子燃焼ガスは、前側から流れる量が多くなり、火格子燃焼ガスに含まれるNHは、一次燃焼室(2)の出口および二次燃焼室(3)の出口において高濃度で残る(それぞれ、169ppmおよび67ppm)。しかし、炉出口(13)におけるNO濃度は低い(2ppm)。
実施例5では、再循環排ガスが水平方向(0°)に供給され、この結果、火格子燃焼ガスは、そのほとんどが後壁(8)の方に引き寄せられ、火格子燃焼ガスに含まれるNHは燃焼する。そのため、一次燃焼室(2)の出口のNH濃度は、低く(4ppm)、NO濃度は高くなった(40ppm)。これにより、炉出口(13)のNO濃度も高くなった(36ppm)。
実施例2〜4は、NH濃度等の各値について実施例1と実施例5の中間的な結果が得られた。
上記結果により、これを利用して、例えば、一次燃焼室(2)内の乾燥段上部天井壁(7)にNH濃度レーザを設け、この位置のNH濃度を計測できるようにしておけば、一次燃焼室(2)内の燃焼位置に変動があっても、このレーザにより計測されるNH濃度に応じて、乾燥段側からの再循環排ガスの供給角度を変更することにより、一次燃焼室(2)内のガスの流れを制御することができる。
すなわち、一次燃焼室(2)内の燃焼位置が前側(乾燥段側)になっていた場合、前(乾燥段寄り)から多くの未燃ガスがすり抜けることになるが、そのような未燃ガスには高濃度にNHが含まれることになるので、そのような高濃度のNHをNH濃度レーザが計測し、この計測結果を受けて、一次燃焼室(2)内のガス流れを後壁側に引き寄せるようにすべく、再循環排ガスの供給角度を水平方向に調節する。逆に、一次燃焼室(2)内の燃焼位置が後側(後壁側)になっていた場合には、前側の火格子(4)の燃焼ガス量が少なくなり、乾燥段側のNH濃度が低下することになり、この場合、後側のNO濃度が高くなる傾向となるので、低濃度のNH濃度を計測するNHレーザの計測結果を受けて、一次燃焼室(2)内のガス流れを前側に引き寄せるようにすべく、再循環排ガスの供給角度を下向きになるように調節する。
以上に説明したように、本発明の焼却炉により一次燃焼室内の燃焼状況に応じて一次燃焼室内の熱分解ガスの挙動を制御することが可能である。
1 焼却炉
2 一次燃焼室
3 二次燃焼室
4 火格子
5 投入ホッパ
6 送風機
7 乾燥段上部天井壁
8 後壁
9 後燃焼段上部天井壁
10 整流板
13 炉出口

Claims (11)

  1. ごみを焼却処理するための焼却炉の一次燃焼室の底部に複数の火格子が設けられ、該火格子の下側から燃焼用の一次空気が送入され、ごみの燃焼によって生じたガスが一次燃焼室の上部に設けられた二次燃焼室に送られ、該二次燃焼室に二次空気が送入されてここで二次燃焼が行われる焼却炉において、該焼却炉の二次燃焼室から排出された排気ガス(以降において再循環排ガスという)を、一次燃焼室内の底部に複数備えられた火格子の内、乾燥用に用いられる火格子の上方に位置する天井壁(以降において乾燥段上部天井壁という)から、および、一次燃焼室内のごみ供給方向に対して後流側の後壁から、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように供給する、焼却炉における燃焼運転方法であって、
    一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度を変更することにより一次燃焼室内の熱分解ガスの挙動を制御する、焼却炉における燃焼運転方法。
  2. 一次燃焼室内のごみの燃焼位置が乾燥段側、すなわち、前寄りに移動した場合に、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度をより上向きになるように調整し、逆に、一次燃焼室内のごみの燃焼位置が後燃焼段側、すなわち、後寄りに移動した場合に、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度をより下向きになるように調整する、請求項1に記載の焼却炉における燃焼運転方法。
  3. 前記乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度は、水平方向に対して上向きを正の角度として水平方向に対して−30°〜0°の範囲で制御される、請求項1または2に記載の焼却炉における燃焼運転方法。
  4. ごみの一次燃焼が行われる一次燃焼室と、該一次燃焼室でのごみの燃焼によって生じたガスに対して二次燃焼が行われる、一次燃焼室の上部に設けられた二次燃焼室とを備え、該一次燃焼室の底部に複数の火格子が設けられ、該火格子の下側からごみの燃焼に用いられる一次空気が送入されるようになっており、該二次燃焼室には、二次燃焼室に送られる、ごみの燃焼によって生じたガスの二次燃焼を行うための二次空気が送入されるようになっている、焼却炉であって、
    該一次燃焼室には、乾燥段上部天井壁および後壁に、炉底の火格子に直接当たらないようにかつ燃焼によって生じたガスを引き寄せるように再循環排ガスを供給する再循環排ガス供給手段がそれぞれ設けられており、乾燥段上部天井壁の再循環排ガス供給手段は、一次燃焼室内のごみの燃焼状況に応じて、該乾燥段上部天井壁から供給される再循環排ガスの供給角度を変更するためのガス供給角度調節手段を有している、焼却炉。
  5. 前記一次燃焼室内のごみの焼却状況を判断するための検知手段を有する、請求項4に記載の焼却炉。
  6. 前記検知手段は、前記二次燃焼室に設けられた、CO濃度検出手段である、請求項5に記載の焼却炉。
  7. 前記検知手段は、前記乾燥段上部天井壁付近に設けられた、NH濃度検出手段である、請求項5に記載の焼却炉。
  8. 前記検知手段は、前記二次燃焼室に設けられた、NO濃度検出手段である、請求項5に記載の焼却炉。
  9. 前記検知手段は、乾燥段上部の温度および後燃焼段上部の温度を検出する検温手段である、請求項5に記載の焼却炉。
  10. 前記ガス供給角度調節手段は、整流板である、請求項4〜9のいずれか1つに記載の焼却炉。
  11. 前記検知手段が検出した情報を入力し、この情報に基づいて、前記ガス供給角度調節手段を制御する制御手段を有する、請求項5〜10のいずれか1つに記載の焼却炉。
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