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JP2015035514A - Cmp用研磨液 - Google Patents

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JP2015035514A
JP2015035514A JP2013165996A JP2013165996A JP2015035514A JP 2015035514 A JP2015035514 A JP 2015035514A JP 2013165996 A JP2013165996 A JP 2013165996A JP 2013165996 A JP2013165996 A JP 2013165996A JP 2015035514 A JP2015035514 A JP 2015035514A
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JP2013165996A
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美千代 藤田
Michiyo Fujita
美千代 藤田
一賀 午菴
Kazuyoshi Goan
一賀 午菴
奥士 奥山
Okushi Okuyama
奥士 奥山
洋一 藤枝
Yoichi Fujieda
洋一 藤枝
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Abstract

【課題】本発明の解決課題は、被研磨面における研磨傷の発生を抑制し、研磨速度が高く、かつ分散安定性に優れたCMP用研磨液を提供することである。
【解決手段】CMP用研磨液は、研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子がアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含み、研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、コア層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、シェル層が、酸化セリウムを含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、CMP用研磨液に関する。特に、被研磨面における研磨傷の発生を抑制し、研磨速度が高く、かつ分散安定性に優れたCMP用研磨液に関する。
近年、半導体装置の集積度の向上、多層配線化に伴い、メモリデバイスの記憶容量が飛躍的に増大している。その一方で、チップサイズが大きくなるとともに、高集積化に伴い製造工程が増大することにより、チップのコストアップを招いている。このような状況下において、高密度で微細なチップを製造するための加工技術の研究が進められており、そのような加工技術の一つとして、CMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)技術が挙げられる。CMP技術は、CMP用研磨液中の研磨材粒子による機械的作用とCMP用研磨液に含まれる成分による化学的作用によって平滑な研磨面を得る研磨技術であって、例えば、半導体素子の製造工程における、層間絶縁膜やBPSG膜(ボロン、リン等をドープした二酸化ケイ素膜)の平坦化工程等に用いられている。
また、半導体製造工程における微細化素子分離法(Shallow Trench Isolation)、いわゆるSTI技術において、ウェハ基板上に成膜した酸化ケイ素絶縁層のうち余分な部分を研磨して除去するためにCMP技術が用いられる。なお、ウェハ基板上における酸化ケイ素絶縁層の下層には、ストッパ層が形成されており、酸化ケイ素絶縁層と当該ストッパ層との研磨速度差を利用して、研磨を停止させることができる。したがって、研磨の停止を精度良く行うためには、ストッパ層の材料として、酸化ケイ素絶縁層に対して研磨速度比が大きい窒化ケイ素が用いられることが好ましい。
このようなCMP技術においては、被研磨面の平坦性を向上させるために、種々の研磨材が検討されている。
CMP技術に用いられる研磨材粒子としては、シリカ粒子が一般的であるが、シリカ粒子は、酸化ケイ素膜の研磨速度と窒化ケイ素膜の研磨速度の差が小さい、すなわち研磨選択性が低い。このため、STI技術においては、酸化ケイ素膜と窒化ケイ素膜との研磨選択性に優れる酸化セリウム粒子が用いられることが好ましい。
例えば、STI技術におけるCMP工程において、研磨材粒子として酸化セリウムを含む水系分散体をCMP用研磨液として用いることにより、研磨速度が速く、しかも比較的研磨傷の少ない被研磨面を得る技術が提供されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかしながら、酸化セリウム粒子は、従来のシリカ粒子に比べて研磨特性は優れるものの、CMP用研磨液中に分散させると、比重が大きいため沈降しやすく、結果として研磨特性が低下してしまう。これに対し、研磨特性を改善するために分散剤等の添加剤を過剰に添加すると、酸化セリウム粒子の凝集が促進されて、凝集沈降が著しくなり、分散安定性が低下する。
このような問題に対し、分散安定性を確保するため、研磨材粒子からなる砥粒の凝集を抑制し、保存状態を保つことのできる第一液と、その第一液を研磨に最適な状態に調整する第二液とに分けて保存するという方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、第一液と第二液とを混合し使い切らなかった分は、砥粒が凝集するため短期間しか保存することができない。
特許第3335667号公報 特開平9−270402号公報 特許第5177430号公報
本発明の課題は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、被研磨面における研磨傷の発生を抑制し、研磨速度が高く、かつ分散安定性に優れたCMP用研磨液を提供することである。
本発明に係る上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子がアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含み、前記研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、コア層が、特定元素の酸化物を含有し、かつ、シェル層が、酸化セリウムを含有することにより、被研磨面における研磨傷の発生を抑制し、研磨速度が高く、かつ分散安定性に優れたCMP用研磨液を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子がアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含み、
前記研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、
コア層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、
シェル層が、酸化セリウムを含有することを特徴とするCMP用研磨液。
2.前記研磨材粒子が、前記コア層と前記シェル層との間に中間層を更に有し、かつ、
前記中間層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、酸化セリウムとを含有することを特徴とする第1項に記載のCMP用研磨液。
3.前記研磨材粒子と前記カチオン性有機重合体粒子と水とを含む第一液に、前記アニオン性水溶性化合物と水とを含む第二液が混合されてなることを特徴とする第1項又は第2項に記載のCMP用研磨液。
本発明によれば、被研磨面における研磨傷の発生を抑制し、研磨速度が高く、かつ分散安定性に優れたCMP用研磨液を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
すなわち、研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、コア層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、シェル層が、酸化セリウムを含有するため、表面に酸化セリウム粒子と同等の研磨特性を具備しつつ、酸化セリウム粒子よりも比重が低い。したがって、CMP用研磨液中に、表面が酸化セリウムで被覆された研磨材粒子が含まれているので、被研磨面における研磨傷の発生を抑制でき、高い研磨速度を得ることができる。更に、研磨材粒子の比重が低いため、本発明のCMP用研磨液は、酸化セリウムを分散させた研磨液よりも長期間に亘って高い分散性を維持することができる。
本発明に係る一実施形態である研磨材粒子の3層構造を示す模式図 本発明に係る一実施形態である研磨材粒子の3層構造の組成を模式的に示すグラフ 本発明に係る一実施形態である研磨材粒子の3層構造の組成を模式的に示すグラフ 本発明に係る一実施形態である研磨材粒子の2層構造の組成を模式的に示すグラフ 本発明に係る一実施形態である研磨材粒子の2層構造の組成を模式的に示すグラフ
本発明のCMP用研磨液は、研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子がアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含み、前記研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、コア層が、アルミニウム(Al)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、インジウム(In)、スズ(Sn)、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)、トリウム(Th)及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、シェル層が、酸化セリウムを含有することを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項3までの請求項に共通する技術的特徴である。
また、本発明は、前記研磨材粒子が、前記コア層と前記シェル層との間に中間層を更に有し、かつ、前記中間層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、酸化セリウムとを含有することが好ましい。これにより、研磨材粒子の調製が容易になり、CMP用研磨液を容易に調製することができる。
また、本発明は、前記研磨材粒子と前記カチオン性有機重合体粒子と水とを含む第一液に、前記アニオン性水溶性化合物と水とを含む第二液が混合されてなることが好ましい。このようにCMP用研磨液を、第一液と第二液とを混合して調製し、使用する場合においても、混合後の状態で長期間に亘って高い分散性を維持することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
本発明のCMP用研磨液は、研磨材粒子とカチオン性有機重合体粒子とがアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含んで構成されている。
本発明のCMP用研磨液の材料や製造方法、用途等について、以下説明する。
《研磨材粒子》
研磨材粒子は、本発明のCMP用研磨液に含まれる砥粒の構成材料である。
(研磨材粒子の層構造)
本発明に係る研磨材粒子は、コア・シェル構造を有し、コア層1が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、シェル層3が、酸化セリウムを含有する。
研磨材粒子は、コア層1とシェル層3との間に中間層2を有することが好ましく、図1に示すような3層構造となっていることが好ましい。中間層2は、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、酸化セリウムとを含有する。後述するように、中間層2が、コア層1又はシェル層3と一体として形成され、研磨材粒子が実質的に2層構造となっていても良い。
研磨材粒子の具体的な構成及び材料としては、例えば、酸化イットリウムを主成分とするコア層1と、コア層1の外側に形成される酸化イットリウムと酸化セリウムを含む中間層2と、中間層2の外側に形成される酸化セリウムを主成分とするシェル層3と、を有する構造が挙げられる。ここで、本発明において主成分とは、含有量が50mol%以上であることをいう。
このような3層構造の研磨材粒子として、例えば、図2Aに示す研磨材粒子のコア層1には、酸化セリウムがほとんど含まれておらず、酸化イットリウムが主成分となっている。具体的には、コア層1の酸化セリウム含有量が、コア層1の外側に形成される中間層2の酸化セリウム含有量以下となっていれば良い。そして、中間層2の酸化セリウム含有量は、中間層2の外側(シェル層3側)から中間層2の内側(コア層1側)にかけて一定の濃度勾配で組成が変化(減少)する。なお、中間層2の酸化セリウム含有量は、コア層1の酸化セリウム含有量以上であって、シェル層3の酸化セリウム含有量以下であれば良い。中間層2の外側に形成されるシェル層3は、酸化セリウムをほぼ100mol%の割合で含有している。具体的には、シェル層3の酸化セリウム含有量は、50〜100mol%が好ましく、特に、75mol%以上であることが好ましい。研磨材粒子の表面を構成するシェル層3に含まれる酸化セリウムの含有量を100mol%に近づけることで、酸化セリウムの持つ優れた研磨速度を発揮することができる。
また、3層構造の研磨材粒子としては、例えば、図2Bに示すように構成されていても良い。当該研磨材粒子は、中間層2に含有される酸化イットリウムと酸化セリウムの割合が、研磨材粒子の中心からの距離にかかわらず一定で、ほぼ半分ずつとなるように構成されている。
また、研磨材粒子は、コア層1と中間層2とが実質的に一つの層を形成し、その外側にシェル層3が形成される2層構造となっていても良い。
このような2層構造の研磨材粒子として、例えば、図2Cに示すようにコア層1と中間層2とに区別がない構造であっても良い。このような研磨材粒子は、コア層1との境界がなく、酸化イットリウムと酸化セリウムの含有量がほぼ半分ずつである中間層2と、当該中間層2の外側に形成される酸化セリウムを主成分とするシェル層3と、から構成される。
また、2層構造の研磨材粒子としては、例えば、図2Dに示すように構成されていても良い。このような研磨材粒子においては、コア層1との境界がない中間層2は、研磨材粒子の中心側から外側にかけて所定の濃度勾配で酸化セリウム含有量が増大するように構成されている。
なお、研磨材粒子のコア層1及び中間層2に含有される材料として、使用時に印加される応力に対して壊れにくい酸化イットリウムを一例として説明したが、これに限定されるものではなく、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物であれば良い。
また、研磨材粒子のコア層1に含有される元素の酸化物は、中間層2に含有される元素の酸化物(酸化セリウムを除く。)と同一であることが、層間の結合力を保つことができるため好ましい。
なお、研磨材粒子は、中間層2を有する3層構造であるものとしたが、中間層2を有しない2層構造であっても良い。
また、研磨材粒子のシェル層3は、酸化セリウムを主成分とするものとしたが、酸化セリウムのみから形成されているものとしても良い。
(研磨材粒子の製造方法)
研磨材粒子の製造方法として、3層構造を有する研磨材粒子を製造する場合の製造方法の一例を示す。かかる製造方法は、以下の5つの工程からなる。
(1)コア層形成工程
コア層形成工程は、まず、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩を含有する水溶液に尿素系化合物を添加して、前記Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩基性炭酸塩が分散される第1分散溶液を調製する。
前記Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩としては、例えば、硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩等を用いることができるが、硝酸塩を用いることが好ましい。
尿素系化合物としては、例えば、尿素、尿素の塩(例えば、硝酸塩、塩酸塩等)、N,N´−ジメチルアセチル尿素、N,N´−ジベンゾイル尿素、ベンゼンスルホニル尿素、p−トルエンスルホニル尿素、トリメチル尿素、テトラエチル尿素、テトラメチル尿素、トリフェニル尿素、テトラフェニル尿素、N−ベンゾイル尿素、メチルイソ尿素、エチルイソ尿素等を用いることができるが、尿素を用いることが好ましい。
なお、以下の説明においては、コア層形成工程は、尿素を用いて塩基性炭酸塩を形成させる場合について示すが、一例であって、これに限定されるものではない。
Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の塩を含有する水溶液中での当該元素のイオン濃度は、0.001mol/Lから0.1mol/Lで、尿素は前記イオン濃度の5から50倍の濃度が好ましい。これは、前記Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の水溶液中でのイオン濃度及び尿素のイオン濃度を、当該範囲内とすることで、単分散性を示す球状の研磨材粒子を合成することができるためである。
そして、第1分散溶液は、80℃以上で加熱撹拌され、当該第1分散溶液中に分散するコア層1となる塩基性炭酸塩を成長させる。
なお、加熱撹拌の際には、十分な撹拌効率が得られれば、特に撹拌機の形状等は指定しないが、より高い撹拌効率を得るためには、ローター・ステータータイプの撹拌機を使用することが好ましい。
(2)中間層形成工程
中間層形成工程は、コア層形成工程により形成された塩基性炭酸塩を含む第1分散溶液に、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる、コア層形成工程において含まれていた元素の塩、例えばイットリウム硝酸塩を含有する水溶液とCeの塩を含有する水溶液を添加する。そして、例えば、コア層1であるイットリウムの塩基性炭酸塩の外側にイットリウムとセリウムが混合された中間層2を形成させることによりコア層1を粒子成長させ、より粒子径の大きな塩基性炭酸塩を得る。具体的には、第1分散溶液に添加する水溶液の添加速度は、1分当たり0.003mmol/Lから3.0mmol/Lが好ましく、特に、添加量に占めるCeの割合が90mol%未満であることが好ましい。これは、添加速度及び添加量に占めるCeの割合が、当該範囲を外れると、形成される研磨材粒子が単分散性を示す球状粒子とすることが難しくなるためである。また、第1分散溶液は、前記速度で水溶液を添加されながら、80℃以上で加熱撹拌されることが好ましい。これは、80℃以下で加熱撹拌されると、コア層形成工程において添加された尿素の分解が進まなくなり、粒子形成が阻害されるためである。ここで、コア層1の外側に中間層2が形成された粒子が分散された分散溶液を第2分散溶液とする。
(3)シェル層形成工程
シェル層形成工程は、中間層形成工程によりコア層1の外側に中間層2が形成された粒子が分散された第2分散溶液に、Ceの塩を含有する水溶液を添加して、中間層2の外側にCeの塩基性炭酸塩が主成分であるシェル層3を形成させることで、更に粒子成長させる。Ceの塩を含む水溶液は、1分当たり0.003mmol/Lから3.0mmol/Lの添加速度で、80℃以上で加熱撹拌しながら添加されることが好ましい。これは、添加速度が、当該範囲を外れると、形成される研磨材粒子が単分散性を示す球状粒子とすることが難しくなるためである。加熱温度については、中間層形成工程の場合と同様、80℃以下で加熱撹拌されると、コア層形成工程において添加された尿素の分解が進まなくなり、粒子形成が阻害されるためである。ここで、中間層2の外側にシェル層3が形成された粒子が分散された分散溶液を第3分散溶液とする。
(4)固液分離工程
固液分離工程では、シェル層形成工程により得られた第3分散溶液から、シェル層3が中間層2の外側に形成された固体を、固液分離の操作により回収し、研磨材前駆体を得る。なお、固液分離工程において、必要に応じて得られた研磨材前駆体を乾燥した後に、焼成工程へ移行しても良い。
(5)焼成工程
焼成工程は、固液分離により得られた塩基性炭酸塩の研磨材前駆体を空気中又は酸化性雰囲気中で、400℃以上で焼成する。焼成された研磨材前駆体は、酸化物となり、外側が酸化セリウムで覆われた研磨材粒子となる。
(研磨材粒子の粒子径と研磨速度、表面精度)
研磨材粒子は、その使用用途によって粒子径に対する要求レベルが異なるが、研磨後の被研磨面の仕上がり表面精度が高くなるにつれて、使用される研磨材に含まれる研磨材粒子の微粒子化が必要になり、例えば、半導体デバイスの製造工程で使用するには平均粒子径が2.0μm以下である必要がある。研磨材の粒子径が小さくなるほど、研磨後の被研磨面の仕上がり表面精度が高くなるのに対して、研磨速度は粒子径が小さいほど遅くなる傾向がある。このため、粒子径を0.02μm未満とすると、セリウム系の研磨材の研磨速度が、コロイダルシリカ等の研磨材に比べて速いという優位性が失われてしまう。したがって、研磨材粒子の平均粒子径としては0.02〜2.0μmの範囲が好ましく、更に0.05〜1.5μmの範囲がより好ましい。
また、研磨加工後の平面精度を高めるためには、できるだけ粒子径が揃っており、粒子径分布変動係数が小さい研磨材を使用することが望ましい。
《カチオン性有機重合体粒子》
カチオン性有機重合体粒子は、本発明のCMP用研磨液に含まれる砥粒の構成材料である。
本発明において、カチオン性有機重合体粒子とは、酸の存在等の条件下でカチオンになり得る(以下、単に「カチオンになり得る」という。)化合物からなる粒子である。具体的には、例えば、下記式(1)〜(4)で表される基を有する化合物が挙げられる。
Figure 2015035514
上記式(1)〜(4)において、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜30のアリール基を表し、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。また、R´は、水素原子、炭素数1〜30の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜30のアリール基を表す。
カチオン性有機重合体粒子としては、カチオンになり得るものであれば、特に制限はないが、例えば、上記式(1)〜(4)で表される置換基のような、カチオンになり得る基を有する重合体粒子、又は、カチオンになり得る基を有する界面活性剤が付着した重合体粒子等を用いることができる。
カチオン性有機重合体粒子が、カチオンになり得る基を有する重合体粒子である場合、当該カチオンになり得る基は、重合体の側鎖及び末端のうち少なくとも一方に位置する。
カチオンになり得る基を側鎖に有する重合体は、カチオンになり得るモノマーの単独重合若しくは二種以上のカチオンになり得るモノマーの共重合又はカチオンになり得るモノマーとそれ以外のモノマーとの共重合によって得ることができる。
上記カチオンになり得るモノマーとしては、例えば、アミノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アミノアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド又はそのN−アルキル置換体、N−アミノアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステル等を挙げることができる。
アミノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等を;
アミノアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−(ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(ジメチルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等を;
(メタ)アクリル酸アミド又はそのN−アルキル置換体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリルアミド等を;
N−アミノアルキル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミドが好ましい。
なお、これらカチオンになり得るモノマーは、塩化メチル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル等が付加した塩の形態であっても良い。カチオンになり得るモノマーがこれらの塩である場合には、塩化メチルが付加した塩が好ましい。
上記それ以外のモノマーとしては、例えば、芳香族ビニル化合物、不飽和ニトリル化合物、(メタ)アクリル酸エステル(ただし、上記カチオンになり得るモノマーに相当するものは除く。)、共役ジエン化合物、カルボン酸のビニルエステル、ハロゲン化ビニリデン等を挙げることができる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ハロゲン化スチレン等を;
不飽和ニトリル化合物としては、例えば、アクリロニトリル等を;
(メタ)アクリル酸エステル(ただし、上記カチオンになり得るモノマーに相当するものは除く。)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を;
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン等を;
カルボン酸のビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル等を;
ハロゲン化ビニリデンとしては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン等を、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましい。
更に必要に応じて、重合性不飽和結合を二個以上有するモノマーを共重合しても良い。
このようなモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルビフェニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2´−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシプロピオキシフェニル〕プロパン、2,2´−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシジフェニル〕プロパン、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールブロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらのうち、ジビニルベンゼン及びエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
カチオン性有機重合体粒子が、カチオンになり得るモノマーとそれ以外のモノマーとの共重合体である場合には、原料として使用するカチオンになり得るモノマーは、全モノマーに対して0.1〜60質量%であることが好ましく、0.1〜20質量%であることが更に好ましい。
上記のような重合体は、ラジカル重合開始剤を用いて公知の方法により製造することができる。ここで、ラジカル重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル等を挙げることができる。ラジカル重合開始剤の使用量としては、モノマーの総量100質量部に対して好ましくは0.05〜3.0質量部であり、より好ましくは0.1〜2.0質量部である。
上記末端にカチオンになり得る基を有する重合体は、上記したようなモノマーを重合するに際して、重合開始剤として重合体の末端に残存してカチオンになり得る基を有する重合開始剤(以下、「カチオン性重合開始剤」ということがある。)を用いて製造することができる。また、必要に応じて重合性不飽和結合を二個以上有するモノマーを共重合しても良い。
この場合の原料となる単量体としては、上記したカチオンになり得るモノマー及びそれ以外のモノマーのうちから選択される少なくとも1種のモノマーの単独重合又は共重合によって製造することができる。ここで、原料モノマーの一部又は全部にカチオンになり得るモノマーを使用すると、重合体の側鎖及び末端の双方にカチオンになり得る基を有する重合体を得ることができる。
上記カチオン性重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−545」として販売)、
2,2´−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−546」として販売)、
2,2´−アゾビス[N−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−548」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)−プロピオンアミジン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−552」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−553」として販売)、
2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「V−50」として販売)、
2,2´−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−558」として販売)、
2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(和光純薬工業(株)から商品名「VA−057」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−メチル−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−041」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−044」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−054」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−058」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−059」として販売)、
2,2´−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}ジヒドロクロライド(和光純薬工業(株)から商品名「VA−060」として販売)、
2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)(和光純薬工業(株)から商品名「VA−061」として販売)、等を挙げることができる。
これらのうち、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(商品名「V−50」)、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(商品名「VA−057」)及び2,2´−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン)ジヒドロクロライド(商品名「VA−044」)を使用することが好ましい。
かかるカチオン性重合開始剤の使用量としては、モノマーの総量100質量部に対して好ましくは0.1〜5.0質量部であり、より好ましくは0.2〜3.0質量部であり、更に0.5〜2.0質量部であることが好ましい。
カチオン性有機重合体粒子がカチオンになり得る基を有する界面活性剤が付着した重合体粒子である場合、重合体としては、中性又はアニオン性基を有するものであることが好ましい。このような重合体は、上記した「その他のモノマー」又は「その他のモノマー」と「重合性不飽和結合を二個以上有するモノマー」とを、上記したようなラジカル重合開始剤(上記カチオン性重合開始剤ではないもの)を用いて、公知の方法により製造することができる。
アニオン性基を有するモノマーとしては、例えば、上記したカルボン酸のビニルエステル等を用いることができる。ここで、アニオン性基を有するモノマーの使用量としては、全モノマーに対して1〜60質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることが更に好ましい。
この場合のラジカル重合開始剤の使用量としては、モノマーの総量100質量部に対して好ましくは0.05〜3.0質量部であり、より好ましくは0.1〜2.0質量部である。
上記カチオンになり得る基を有する界面活性剤としては、アルキルピリジニルクロライド、アルキルアミンアセテート、アルキルアンモニウムクロライド、アルキンアミン等の他、特開昭60−235631号公報に記載されているようなジアリルアンモニウムハロゲン化物等の反応性陽イオン界面活性剤等が挙げられる。
カチオンになり得る基を有する界面活性剤の使用量は、重合体100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部であり、更に好ましくは1〜10質量部である。
重合体にカチオンになり得る基を有する界面活性剤を付着させるには、適宜の方法が使用できるが、例えば重合体粒子を含有する分散体を調製し、これに界面活性剤の溶液を加えることにより行うことができる。
カチオン性有機重合体粒子の平均粒子径としては、1.0μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.02〜0.6μmであり、特に0.04〜0.3μmであることが好ましい。平均粒子径は、動的光散乱法、レーザー散乱回折法、透過型電子顕微鏡観察等により測定することができる。
《アニオン性水溶性化合物》
アニオン性水溶性化合物は、本発明のCMP用研磨液に含まれる砥粒の構成材料である。
アニオン性水溶性化合物が有するアニオン性の官能基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等を挙げることができる。
アニオン性水溶性化合物としては、好ましくはアニオン性水溶性高分子又はアニオン性界面活性剤である。
アニオン性官能基としてカルボキシル基を含有するアニオン性水溶性高分子としては、例えば、不飽和カルボン酸の(共)重合体、ポリグルタミン酸、ポリマレイン酸等を挙げることができる。
上記不飽和カルボン酸(共)重合体は、不飽和カルボン酸の単独重合体又は不飽和カルボン酸とその他の単量体との共重合体である。不飽和カルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸を挙げることができる。その他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ベンジル等を挙げることができる。
アニオン性基としてスルホン基を含有するアニオン性水溶性高分子としては、例えば、スルホン基を有する不飽和単量体の(共)重合体等を挙げることができる。
上記スルホン基を有する不飽和単量体の(共)重合体は、スルホン基を有する不飽和単量体の単独重合体又はスルホン基を有する不飽和単量体とその他の単量体との共重合体である。スルホン基を有する不飽和単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸等を挙げることができる。その他の単量体としては、上記した不飽和カルボン酸共重合体の原料として例示したその他の単量体と同様の単量体を使用することができる。
これらのアニオン性水溶性高分子のうち、不飽和カルボン酸(共)重合体が好ましく、特にポリ(メタ)アクリル酸が好ましい。
なお、これらアニオン性水溶性高分子としては、これに含まれるアニオン性基の全部又は一部が塩であるものを使用しても良い。その場合のカウンターカチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、カリウムイオン等を挙げることができ、これらのうちアンモニウムイオン又はアルキルアンモニウムイオンが好ましい。そのようなアニオン性水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸アンモニウム等が挙げられる。
アニオン性水溶性高分子の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により溶媒を水として測定したポリエチレングリコール換算の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは3,000〜30,000であり、より好ましくは4,000〜25,000、更に好ましくは5,000〜20,000である。この範囲の重量平均分子量にあるアニオン性水溶性高分子を使用することにより、被研磨面の表面欠陥の発生をより低減するという効果が有効に発現されることとなる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等を挙げることができる。これらのアニオン性界面活性剤のカウンターカチオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン、カリウムイオン等を挙げることができる。
これらのうち、ドデシルベンゼンスルホン酸の塩又はアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸の塩が好ましく、これらのアンモニウム塩がより好ましい。
本発明に用いられるアニオン性水溶性化合物としては、アニオン性水溶性高分子が好ましい。
《砥粒》
本発明のCMP用研磨液に含有される砥粒は、(A)研磨材粒子、(B)カチオン性有機重合体粒子、(C)アニオン性水溶性化合物からなる。
カチオン性有機重合体粒子は、研磨材粒子100質量部に対して10〜80質量部であることが好ましく、15〜60質量部であることがより好ましい。アニオン性水溶性化合物は、研磨材粒子100質量部に対して10〜50質量部であることが好ましく、15〜40質量部であることがより好ましい。
上記砥粒は、電子顕微鏡観察によって、上記研磨材粒子とカチオン性有機重合体粒子とが、アニオン性水溶性化合物を介して集合してなる特異な集合状態にあることが分かっている。
本発明のCMP用研磨液に含有される砥粒の量は、水系分散体の全量に対して好ましくは0.1〜2.0質量%であり、より好ましくは0.2〜0.8質量%である。
本発明のCMP用研磨液は、上記の砥粒を必須成分として含有するが、そのほかに任意的に酸、塩基、防腐剤等を含有していても良い。
上記酸としては、有機酸、無機酸のいずれを用いることもできる。有機酸としては、例えば、パラトルエンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば、硝酸、塩酸及び硫酸等が挙げられる。これら酸の配合量は、CMP用研磨液全体に対して好ましくは2質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
上記塩基としては、有機塩基、無機塩基のいずれを用いることもできる。有機塩基としては、例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、水酸化テトラメチルアンモニウム等の含窒素有機化合物等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。これら塩基の含有量は、CMP用研磨液全体に対して好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
上記防腐剤としては、例えば、ブロモニトロアルコール化合物、イソチアゾロン化合物を挙げることができる。ブロモニトロアルコール化合物としては、例えば2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−ブタンジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド等が挙げられる。イソチアゾロン化合物としては、例えば、1,2−ベンゾイソチアゾロン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン、5−クロロ−2−フェネチル−3−イソチアゾロン、4−ブロモ−2−n−ドデシル−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−3−イソチアゾロン、4−メチル−5−クロロ−2−(4´−クロロベンジル)−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−(4´−クロロベンジル)−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−(4´−クロロフェニル)−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−(2´−メトキシ−3´−クロロフェニル)−3−イソチアゾロン、4,5−ジブロモ−2−(4´−クロロベンジル)−3−イソチアゾロン、4−メチル−5−クロロ−2−(4´−ヒドロキシフェニル)−3−イソチアゾロン、4,5−ジクロロ−2−n−ヘキシル−3−イソチアゾロン、5−クロロ−2−(3´,4´−ジクロロフェニル)−3−イソチアゾロン等が挙げられる。これらのうち2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール、1,2−ベンゾイソチアゾロン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン又は2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オンが好ましい。
これら防腐剤の含有量は、CMP用研磨液全体に対して好ましくは0.1質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。
本発明のCMP用研磨液は、必須成分として上記の砥粒及び任意添加成分として酸、塩基、防腐剤等を含有した水系分散体である。
本発明のCMP用研磨液に使用できる分散媒としては、例えば、水、又は、水と水溶性アルコールとの混合溶媒を挙げることができる。水溶性アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等を挙げることができる。これらのうち、研磨材の製造時の分散媒としては、水を使用することが好ましい。
本発明のCMP用研磨液のpHは、25℃換算値において、好ましくは4.0〜9.0であり、より好ましくは5.0〜8.5であり、更に5.5〜8.0であることが好ましい。
上記各成分からなる砥粒を含有する本発明のCMP用研磨液は、被研磨面に実質的に研磨傷が発生せずかつ高速な研磨が可能であり、特に、微細素子分離工程(STI工程)における絶縁膜研磨、多層化配線基板の層間絶縁膜の研磨に極めて好適に用いられる。
《CMP用研磨液の製造方法》
本発明のCMP用研磨液は、研磨材粒子0.1〜10質量%と、研磨材粒子100質量部に対して5〜100質量部のカチオン性有機重合体粒子を含有する第一液に、アニオン性水溶性化合物5〜30質量%を含有する第二液を添加する工程を含む方法により製造することができる。
第一液は水系分散体であり、その分散媒は、所望のCMP用研磨液の分散媒と同様であり、水を使用することが好ましい。第一液中の研磨材粒子の含有量は、好ましくは0.25〜7.5質量%である。第一液中のカチオン性有機重合体粒子の含有量は、所望のCMP用研磨液に含有される砥粒における研磨材粒子とカチオン性有機重合体粒子との比に応じて決定することができ、好ましくは第一液に含有される研磨材粒子100質量部に対して10〜80質量部であり、より好ましくは15〜60質量部である。第一液のpHは、好ましくは3.5〜9.0であり、より好ましくは4.0〜8.0であり、更に好ましくは4.5〜6.0である。第一液は、そのpHを上記の好ましいpH範囲とするために、上記した酸又は塩基を含有することができる。
第一液を調製するには、(1)研磨材粒子を含有する水系分散体とカチオン性有機重合体粒子を含有する水系分散体とをそれぞれ準備し、両者を混合する方法、(2)研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子のうちの一方を含有する水系分散体を準備し、これに他方を固体状(粉体状)で加えることにより混合する方法、(3)両者を固体状(粉体状)で混合し、次いでこれを水系媒体に分散させる方法のいずれの方法であっても良い。これらの方法のうち、上記(1)の方法が好ましい。
第二液は溶液であり、その溶媒は、所望のCMP用研磨液の分散媒と同様であり、水を使用することが好ましい。第二液に含有されるアニオン性水溶性化合物の量は、好ましくは10〜25質量%であり、より好ましくは15〜20質量%である。第二液のpHは、好ましくは4.0〜9.0であり、より好ましくは5.0〜8.0であり、更に好ましくは5.5〜7.0である。第二液は、そのpHを上記の好ましいpH範囲とするために、上記した酸又は塩基を含有することができる。
第一液及び第二液に含有される各成分の含有量を上記の好ましい範囲とすることにより、これらを用いて均一な組成の砥粒を適当な含有量で含有する本発明のCMP用研磨液又はその濃縮物を容易に得ることができる。
上記のように調製された第一液及び第二液を準備し、第一液を好ましくは撹拌しつつ、これに第二液を添加し、必要に応じて任意添加成分を加え、更に必要に応じて砥粒の含有量を調整すべく希釈することにより、本発明のCMP用研磨液を製造することができる。
第一液と第二液とを混合した後にCMP用研磨液のpHを調整するために、更に酸又は塩基を加えても良い。
また、本発明のCMP用研磨液が、上述の防腐剤を含有するものである場合、防腐剤はあらかじめ第一液及び第二液のいずれか一方又は双方に含有させておいても良く、あるいは防腐剤を含有しない第一液及び第二液を混合した後に更に防腐剤を加えても良い。これらのうち、あらかじめ第一液に混合しておくことが好ましい。
こうして調製された水系分散体は、孔径2〜10μm程度のフィルターで濾過した後にCMP工程に供しても良い。
本発明のCMP用研磨液によれば、砥粒を構成する研磨材粒子が上記のように構成されていることにより、第一液と第二液を混合した後においても長期間に亘って高い分散安定性を維持するため、あらかじめ上記成分の全てを含有する水系分散体又はその濃縮物として製造・保存して使用することができる。
したがって、本発明のCMP用研磨液は、上記成分の全てを含有する水系分散体又はその濃縮物として製造・保存して使用しても良いし、上記のように第一液及び第二液を別々に製造・保存して、化学機械研磨工程に行う直前に上記のように混合して使用しても良い。
第一液及び第二液を別々に製造・保存する場合には、第一液若しくは第二液又はその双方は、各液に含有される各成分の含有割合を保ったまま濃縮状態に調製されたものであっても良い。したがって、第一液は、研磨材粒子100質量部及びカチオン性有機重合体粒子5〜100質量部を含有し、第二液は、アニオン性水溶性化合物を含有する。
第一液が濃縮物である場合、この第一液中の研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子の含有量は、それぞれ30質量%以下とすることが好ましく、それぞれ20質量%以下とすることがより好ましい。第一液である濃縮物中の研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子をかかる含有量とすることにより、第一液を長期間保存した後でも第一液中で粒子の沈降が生じず、あるいは沈降が生じたとしても容易に再分散させることができるため、これを希釈することにより容易に本発明のCMP用研磨液の製造に供することができる。したがって、第一液中の研磨材粒子の含有量は、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは2.5〜20質量%である。
一方、第二液が濃縮物である場合、この第二液中のアニオン性水溶性化合物の含有量は40質量%以下であることが好ましい。第二液である濃縮物中のアニオン性水溶性化合物をかかる含有量とすることにより、第二液を均一かつ安定な溶液とすることができ、第二液を長期間保存した後でもこれを希釈することにより本発明のCMP用研磨液の製造に好適に供することができることとなる。したがって、第二液中のアニオン性水溶性化合物の含有量は、好ましくは5〜40質量%である。
《本発明のCMP用研磨液を用いた化学機械研磨》
(無機絶縁膜作製方法)
本発明のCMP用研磨液が使用される無機絶縁膜の作製方法として、低圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。
低圧CVD法による酸化ケイ素膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用いる。これらのSiH−O系酸化反応を400℃以下の低温で行わせることにより酸化ケイ素膜が得られる。場合によっては、CVD後1000℃又はそれ以下の温度で熱処理される。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH−O−PH系反応ガスを用いることが好ましい。
プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250℃〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このようにして作製される酸化ケイ素膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。
同様に、低圧CVD法による窒化ケイ素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiHCl、窒素源としてアンモニア:NHを用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより窒化ケイ素膜が得られる。
プラズマCVD法による窒化ケイ素膜の形成における反応ガスとしては、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
基板として、半導体基板、すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の、半導体基板上に酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された酸化ケイ素膜又は窒化ケイ素膜を上記CMP用研磨液で研磨することによって、酸化ケイ素膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
また、本発明のCMP用研磨液は、STIにも使用できる。STIに使用するためには、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の比、酸化ケイ素膜研磨速度/窒化ケイ素膜研磨速度が10以上であることが必要である。この比が小さすぎると、酸化ケイ素膜研磨速度と窒化ケイ素膜研磨速度の差が小さくなり、STIを行う際、所定の位置で研磨を停止することができなくなる。また、この比が50以上であると、窒化ケイ素膜の研磨速度が更に小さくなって研磨の停止が容易になり、よりSTIに好適である。
(研磨装置)
研磨装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限はない。また、研磨布にはCMP用研磨液がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm以下が好ましい。半導体基板を研磨している間、研磨布には上記CMP用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常にCMP用研磨液で覆われていることが好ましい。
(洗浄)
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤー等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして平坦化されたシャロートレンチを形成した後、酸化ケイ素絶縁膜層の上に、アルミニウム配線を形成し、その配線間及び配線上に再度上記方法により酸化ケイ素絶縁膜を形成後、上記CMP用研磨液を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造することができる。
《その他の用途》
本発明のCMP用研磨液は、半導体基板に形成された酸化ケイ素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化ケイ素膜、ガラス、窒化ケイ素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザー単結晶、青色レーザーLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
[実施例1]
《研磨材粒子1〜8の調製》
(研磨材粒子1の調製)
(1)0.01mol/Lのイットリウム硝酸水溶液10Lを用意し、この水溶液に、尿素が0.20mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.08mol/Lのイットリウム硝酸水溶液300mLと0.32mol/Lのセリウム硝酸水溶液300mLの混合液を10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子1を得た。
(5)得られた研磨材粒子1は、粒子100個の走査型電子顕微鏡写真(SEM像)から、平均粒子径0.40μm、粒子径分布の変動係数11%の単分散粒子であった。ここで、粒子径分布変動係数は以下の式で求めた。
変動係数(%)=(粒子径分布の標準偏差/平均粒子径)×100
(6)研磨材粒子を日立ハイテクノロジーズ製集束イオンビーム(FB−2000A)により断面加工を行い、粒子中心付近を通る面を切り出した。切断面より、日立ハイテクノロジーズ製STEM−EDX(HD−2000)を使用して元素分析を行い、粒子組成の分布評価を行った結果、研磨材粒子1は3層構造であり、研磨材粒子の断面において、0.3μmのイットリウムのコア層、その外側に0.04μmの層厚で中間層(イットリウム:セリウム=1:4のモル比)、更にその外側(最表面)に0.01μmの層厚で酸化セリウムのシェル層が形成されていることが分かった。
(研磨材粒子2の調製)
(1)0.05mol/Lのイットリウム硝酸水溶液10Lを用意し、この水溶液に、尿素が1.0mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.08mol/Lのイットリウム硝酸水溶液300mLと0.32mol/Lのセリウム硝酸水溶液300mLの混合液を10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子2を得た。
(5)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子2の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子2は、平均粒子径0.62μm、変動係数14%の単分散粒子であり、コア層の直径0.57μm(イットリウム)、中間層の層厚0.02μm(イットリウム:セリウム=1:4のモル比)、シェル層の層厚0.005μm(酸化セリウム)の3層構造であった。
(研磨材粒子3の調製)
(1)0.1mol/Lのイットリウム硝酸水溶液10Lを用意し、この水溶液に、尿素が2.0mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.08mol/Lのイットリウム硝酸水溶液300mLと0.32mol/Lのセリウム硝酸水溶液300mLの混合液を10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子3を得た。
(5)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子3の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子3は、平均粒子径0.75μm、変動係数19%の単分散粒子であり、コア層の直径0.72μm(イットリウム)、中間層の層厚0.01μm(イットリウム:セリウム=1:4のモル比)、シェル層の層厚0.005μm(酸化セリウム)の3層構造であった。
(研磨材粒子4の調製)
(1)0.01mol/Lのイットリウム硝酸水溶液10Lを用意し、この水溶液に、尿素が0.20mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのイットリウム硝酸水溶液300mLを(10−0.16t)mL/minの添加速度で、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液300mLを(0.16t)mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。ただし、tは添加開始からの時間(分)を表しており、時間経過とともに添加速度を関数的に変化させている。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子4を得た。
(5)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子4の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子4は、平均粒子径0.37μm、変動係数15%の単分散粒子であり、コア層の直径0.24μm(イットリウム)、中間層の層厚0.06μm(イットリウム:セリウム=1:1のモル比であり、中心から外側に向けてセリウムの比率が傾斜的に高くなる濃度分布を持つ)、シェル層の層厚0.005μm(酸化セリウム)の3層構造であった。
(研磨材粒子5の調製)
(1)0.005mol/Lのイットリウムと0.005mol/Lのセリウムを含む硝酸水溶液10Lを用意し、尿素が0.20mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.08mol/Lのイットリウム硝酸水溶液600mLと0.32mol/Lのセリウム硝酸水溶液600mLの混合液を10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子5を得た。
(5)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子5の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子5は、平均粒子径0.38μm、変動係数19%の単分散粒子であった。
また、研磨材粒子5は、イットリウムとセリウムが混在した0.31μmのコア層、その外側に層厚0.035μmの酸化セリウムのシェル層が形成されている実質的な2層構造であった。そのコア層の外側から0.03μmの領域には、コア層中心部に比べてセリウム比が高い領域が存在していた。
(研磨材粒子6の調製)
(1)0.01mol/Lのイットリウム硝酸水溶液10Lを用意し、この水溶液に、尿素が0.20mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃で一時間加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.40mol/Lのイットリウム硝酸水溶液600mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液に、0.4mol/Lのセリウム硝酸水溶液50mLを10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(4)上記(3)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して研磨材粒子6を得た。
(5)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子6の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子6は、平均粒子径0.45μm、変動係数15%の単分散粒子であった。また、研磨材粒子6は、コア層の直径0.43μm(イットリウム)、シェル層の層厚0.01μm(酸化セリウム)の2層構造であった。
(研磨材粒子7の調製)
(1)水10Lを用意し、尿素が0.20mol/Lになるように添加し、十分に撹拌した後に90℃になるまで加熱撹拌した。
(2)上記(1)の操作で得られた分散溶液に、0.08mol/Lのイットリウム硝酸水溶液600mLと0.32mol/Lのセリウム硝酸水溶液600mLの混合液を10mL/minの添加速度で、90℃で加熱撹拌しながら添加した。
(3)上記(2)の操作で得られた分散溶液から析出した研磨材前駆体をメンブランフィルターにて分離し、600℃で焼成して、比較例としての研磨材粒子7を得た。
(4)研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子7の粒子径及び元素分析の評価を行った。研磨材粒子7は、平均粒子径0.40μm、変動係数13%の単分散粒子であり、イットリウム:セリウム=1:4のモル比の1層構造であった。
(研磨材粒子8の調製)
(1)炭酸セリウムを空気中、700℃で4時間加熱し、酸化セリウムを得た。この酸化セリウムをイオン交換水と混合してジルコニアビーズを使用したビーズミルで粉砕した。これを72時間静置し、上部の90質量%相当分を分取することにより分級し、28.7質量%の酸化セリウム粒子(研磨材粒子8)を含有する酸化セリウム粒子(研磨材粒子8)の水分散体を得た。
(2)上記水分散体を乾燥して得た酸化セリウム粒子(研磨材粒子8)につき、研磨材粒子1と同様に、研磨材粒子8の粒子径の評価を行ったところ、平均粒子径0.14μmであった。
《カチオン性有機重合体粒子(a)〜(c)の調製》
(カチオン性有機重合体粒子(a)の調製)
モノマーとしてメチルメタクリレート40質量部、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート20質量部及びスチレン40質量部、重合開始剤として2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド(商品名「V−50」、和光純薬工業(株)製)0.5質量部、界面活性剤として非イオン系界面活性剤「アデカリアソープ ER−10」((株)ADEKA製)1質量部及びイオン交換水400質量部を混合し、窒素ガス雰囲気下、撹拌しながら70℃に昇温し、同温度で5時間重合させることにより、カチオン性有機重合体粒子(a)が得られた。平均粒子径は126nm、粒子含有率は19.5質量%であった。
(カチオン性重合体粒子(b)及び(c)の調製)
上記カチオン性重合体粒子(a)の調製において、使用するモノマーを、メチルメタクリレート23質量部、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート12質量部、スチレン64質量部及びジビニルベンゼン1質量部に変更し、使用する界面活性剤を、非イオン系界面活性剤「アデカリアソープ ER−30」((株)ADEKA製)0.5質量部に変更した以外は同様にして、カチオン性重合体粒子(b)を調製した。平均粒子径は269nm、粒子含有率は19.8質量%であった。
また、上記カチオン性重合体粒子(a)の調製において、使用するモノマーを、メチルメタクリレート40質量部、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート20質量部、スチレン33質量部、ジビニルベンゼン5質量部及びメチルメタクリルアミド2質量部に変更し、使用する界面活性剤を、非イオン系界面活性剤「アデカリアソープ ER−30」((株)ADEKA製)1質量部に変更した以外は同様にして、カチオン性重合体粒子(c)を調製した。平均粒子径は59nm、粒子含有率は19.7質量%であった。
《CMP用研磨液1〜32の調製》
(CMP用研磨液1の調製)
(1)第一液の調製
あらかじめ容器に入れたイオン交換水中に、研磨材粒子1を加え、研磨材粒子含有量が6.25質量%となるように希釈した。ここにカチオン性有機重合体粒子(a)を含有する水分散体を、第一液中のカチオン性有機重合体粒子(a)含有量が0.625質量%となるような量だけ加えた。この混合物につき、更に30分間撹拌を継続することにより、研磨材粒子1及びカチオン性有機重合体粒子(a)を含有する水分散体である第一液を調製した。
(2)第二液の調製
アニオン性水溶性化合物として重量平均分子量Mwが10,000のポリアクリル酸アンモニウムを10質量%含有する水溶液である第二液を調製した。
(3)CMP用研磨液1の調製
上記で調製した第一液を撹拌しつつ、これに第二液を、アニオン性水溶性化合物の量が第一液中の研磨材粒子1の100質量部に対して40質量部に相当する量だけ加え、更に30分間撹拌を継続した。これを孔径5μmのポリプロピレン製デプスフィルターで濾過することにより、100質量部の研磨材粒子1(5.0質量%)、10質量部のカチオン性有機重合体粒子(a)(0.5質量%)及びアニオン性水溶性化合物として40質量部のポリアクリル酸アンモニウム(2.0質量%)からなる砥粒1を7.5質量%含有するCMP用研磨液濃縮物1を得た。
このCMP用研磨液濃縮物1を、砥粒1の含有量が2.00質量%となるように希釈することでCMP用研磨液1を得た。
(CMP用研磨液2〜16の調製)
CMP用研磨液1の調製において、第一液中の研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子並びに第二液中のアニオン性水溶性化合物の種類及び含有量を表1に記載のとおりに変更した以外は同様にして、それぞれ砥粒2〜16を含有するCMP用研磨液濃縮物2〜16を調製した。砥粒2〜16の組成は、表2に記載のとおりとなった。
なお、表1〜4において、PAAA(1)は、重量平均分子量Mwが10,000のポリアクリル酸アンモニウムを示し、PAAA(2)は、重量平均分子量Mwが6,000のポリアクリル酸アンモニウムを示し、DBSAは、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウムを示す。
このようにして得られたCMP用研磨液濃縮物2〜16を、イオン交換水によってそれぞれ砥粒2〜16が表5に記載の含有量となるように希釈することで、CMP用研磨液2〜16を得た。
Figure 2015035514
Figure 2015035514
(CMP用研磨液17の調製)
(1)第一液の濃縮物の調製
あらかじめ容器に入れたイオン交換水中に、研磨材粒子1を加え、第一液中の研磨材粒子含有量が5.0質量%となるように希釈した。ここにカチオン性有機重合体粒子(a)を含有する水分散体を、第一液中のカチオン性有機重合体粒子(a)含有量が4.0質量%となるような量だけ加えた。この混合物につき、更に30分間撹拌を継続した後、これを孔径5μmのポリプロピレン製デプスフィルターで濾過することにより、研磨材粒子1及びカチオン性有機重合体粒子(a)を含有する第一液の濃縮物を調製した。
(2)第二液の調製
アニオン性水溶性化合物として重量平均分子量Mwが10,000のポリアクリル酸アンモニウムを10質量%含有する水溶液である第二液を調製した。
(3)CMP用研磨液17の調製
あらかじめ容器に入れたイオン交換水中に、上記で調製した第一液の濃縮物を、研磨材粒子1の含有量が0.5質量%となるような量だけ入れた。ここに第二液を、アニオン性水溶性化合物の量が第一液中の研磨材粒子1の100質量部に対して5質量部に相当する量だけ加え、更に30分間撹拌を継続することにより、100質量部の研磨材粒子1(0.5質量%)、80質量部のカチオン性有機重合体粒子(a)(0.4質量%)及びアニオン性水溶性化合物として5質量部のポリアクリル酸アンモニウム(0.025質量%)からなる砥粒17を0.925質量%含有するCMP用研磨液17を得た。
(CMP用研磨液18〜32の調製)
CMP用研磨液17の調製において、第一液中の研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子並びに第二液中のアニオン性水溶性化合物の種類及び含有量を表3に記載のとおりに変更した以外は同様にして、それぞれ砥粒18〜32を含有するCMP用研磨液18〜32を調製した。砥粒18〜32の組成は、表4に記載のとおりとなった。
Figure 2015035514
Figure 2015035514
《CMP用研磨液の評価》
このようにして調製した各CMP用研磨液1〜32について以下の評価を行った。評価結果を表5に示す。
(化学機械研磨試験)
上記のようにして調製したCMP用研磨液1〜32を使用して、以下の条件下、直径8インチの熱酸化膜付きウェハを被研磨体として化学機械研磨を行った。
研磨装置:(株)荏原製作所製、型式「EPO−112」
研磨パッド:ロデール・ニッタ(株)製、「IC1000/SUBA400」
水系分散体供給速度:200mL/分
定盤回転数:100rpm
研磨ヘッド回転数:107rpm
研磨ヘッド押し付け圧:350hPa
(研磨速度の評価)
被研磨体である直径8インチの熱酸化膜付きウェハにつき、その研磨前の膜厚を光干渉式膜厚計「NanoSpec 6100」(ナノメトリクス・ジャパン(株)製)によってあらかじめ測定した後、上記の化学機械研磨試験条件にて1分間研磨を行った。研磨後の被研磨体の膜厚を、研磨前と同じ光干渉式膜厚計を用いて測定し、研磨前の膜厚との差、すなわち化学機械研磨により減少した膜厚を求めた。ここで減少した膜厚及び研磨時間から研磨速度を算出し、結果を表5に示した。
(研磨傷の評価)
被研磨体である直径8インチの熱酸化膜付きウェハを、上記の化学機械研磨試験条件にて2分間研磨を行った。研磨後の被研磨面につき、ケーエルエー・テンコール(株)製のウェハ欠陥検査装置「KLA2351」により欠陥検査した。まず、ピクセルサイズ0.39μm、敷居値(threshold)20の条件でウェハ被研磨面の全範囲について、「KLA2351」が「欠陥」としてカウントした数を計測した。次いで、これら「欠陥」を順次に装置のディスプレイ上に表示し、それぞれの「欠陥」がスクラッチであるか否かを分類することにより、ウェハ全面のスクラッチ数を調べた。なお、ウェハ欠陥検査装置が欠陥としてカウントしたもののうち、スクラッチでないものとは、例えば付着したゴミ、ウェハ製造時に発生したシミ等を挙げることができる。
(分散安定性の評価)
CMP用研磨液をポリタンクに入れて温度20℃、相対湿度50%の環境で静置し、3月後に超音波分散機で分散してから再度上記と同様の研磨試験を行った。
Figure 2015035514
表5に示すとおり、本発明のCMP用研磨液によれば、研磨速度が高く、研磨傷の発生が抑制されていることが示されている。また、3月静置後のCMP用研磨液においても、研磨速度及び研磨傷の数にほとんど変化がなく、本発明のCMP用研磨液は分散安定性に優れていることが示されている。
一方、比較例のCMP用研磨液においては、研磨速度が低いものや、3月静置後のCMP用研磨液を用いた場合に研磨傷の数が大幅に増大しているものがあった。
[実施例2]
本実施例は、本発明に係る砥粒が、研磨材粒子とカチオン性有機重合体粒子とがアニオン性水溶性化合物を介して集合してなることを検証するために行った。
上記実施例1で調製したCMP用研磨液1を更にイオン交換水で希釈してコロジオン膜に塗布し乾燥した後、透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影した。
当該透過型電子顕微鏡写真を確認することで、本発明に係る砥粒1が、研磨材粒子1とカチオン性有機重合体粒子(a)とがポリアクリル酸アンモニウムを介して集合して形成されていることを確認した。
1 コア層
2 中間層
3 シェル層

Claims (3)

  1. 研磨材粒子及びカチオン性有機重合体粒子がアニオン性水溶性高分子化合物を介して集合してなる砥粒と、水と、を含み、
    前記研磨材粒子が、コア・シェル構造を有し、
    コア層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物を含有し、かつ、
    シェル層が、酸化セリウムを含有することを特徴とするCMP用研磨液。
  2. 前記研磨材粒子が、前記コア層と前記シェル層との間に中間層を更に有し、かつ、
    前記中間層が、Al、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、In、Sn、Y、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、W、Bi、Th及びアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素の酸化物と、酸化セリウムとを含有することを特徴とする請求項1に記載のCMP用研磨液。
  3. 前記研磨材粒子と前記カチオン性有機重合体粒子と水とを含む第一液に、前記アニオン性水溶性化合物と水とを含む第二液が混合されてなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のCMP用研磨液。
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