JP2014512948A - ホスホン酸塩触媒を含有する組成物、並びに、この組成物の調製及び使用方法 - Google Patents
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Abstract
組成物は、縮合反応によって硬化することができる。この組成物は、ホスホン酸塩縮合反応触媒を使用する。このホスホン酸塩は、従来のスズ触媒に代わるものとして使用される。この組成物は反応して、ガム、ゲル、又はゴムを形成することができる。
Description
(関連出願の相互参照)
なし。
なし。
(発明の分野)
縮合反応硬化性組成物は、新規ホスホン酸塩触媒を含有する。この組成物は、有機スズ化合物のような従来の触媒を存在させずとも硬化することができる。
縮合反応硬化性組成物は、新規ホスホン酸塩触媒を含有する。この組成物は、有機スズ化合物のような従来の触媒を存在させずとも硬化することができる。
スズ化合物は、接着剤、封止剤、低透過性製品(例えば、断熱ガラス用途、コーティング及びシリコーンエラストマーラテックスにおいて有用であるもの)といった多くのポリオルガノシロキサン組成物の縮合硬化のための触媒として有用である。
縮合反応触媒としての有機スズ化合物は、スズの価数が+4又は+2のいずれかであるもの、すなわち、スズ(IV)化合物又はスズ(II)化合物である。スズ(IV)化合物の例としては、カルボン酸の第二スズ塩、例えば、二ラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL)、二ラウリン酸ジメチルスズ、ジ−(n−ブチル)スズビス−ケトネート、二酢酸ジブチルスズ、マレイン酸ジブチルスズ、ジブチルスズジアセチルアセトネート、ジブチルスズジメトキシド、カルボメトキシフェニルスズトリス−ウベレート(carbomethoxyphenyl tin tris-uberate)、ジブチルスズジオクトエート、二ギ酸ジブチルスズ、イソブチルスズトリセロエート(isobutyl tin triceroate)、ジメチルスズジブチレート(dimethyl tin dibutyrate)、ジメチルスズジ−ネオデコノエート(dimethyl tin di-neodeconoate)(DMDTN)、ジブチルスズジ−ネオデコノエート、酒石酸トリエチルスズ、二安息香酸ジブチルスズ、ブチルスズトリ−2−エチルヘキソエート、二酢酸ジオクチルスズ、オクチル酸スズ、ジブチルスズジオクトエート、オレイン酸スズ、酪酸スズ、ナフテン酸スズ、二塩化ジメチルスズ、これらの組み合わせ、及び/又はこれらの部分加水分解生成物が挙げられる。スズ(IV)化合物は当該技術分野において既知であり、例えば、Dow Chemical Companyの事業部門であるAcima Specialty Chemicals(欧州、スイス)のMetatin(登録商標)740及びFascat(登録商標)4202などが市販されている。スズ(II)化合物の例としては、有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えば、二酢酸スズ(II)、ジオクタン酸スズ(II)、ジエチルヘキサン酸スズ(II)、二ラウリン酸スズ(II)、カルボン酸の第一スズ塩、例えば、オクチル酸すず、オレイン酸すず、酢酸すず、二ドデカン酸すず(II)、ステアリン酸すず(II)、ナフテン酸すず(II)、ヘキサン酸すず(II)、コハク酸すず(II)、カプリル酸すず(II)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
REACH(化学物質の登録、評価、許可、及び制限)は、ヒトの健康及び環境を守ることを支援し、化学産業の将来性及び競争を改善するのを意図した欧州連合一次法である。この一次法により、封止剤及びコーティングのような多くの縮合反応硬化性ポリオルガノシロキサン製品において使用されているスズ系触媒は、使用が禁止されることになっている。それゆえに、縮合反応硬化性組成物において従来のスズ触媒を置き換えることが産業上必要とされている。
縮合反応によって反応することができる組成物は、以下のものを含む:
(A)ホスホン酸塩縮合反応触媒、及び
(B)ベースポリマー。
(A)ホスホン酸塩縮合反応触媒、及び
(B)ベースポリマー。
成分(A)は、組成物の縮合反応を触媒することができる。
用語の定義及び用法
全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。例えば、マルクーシュグループの水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルカリル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリールのサブグループ、並びにそこに包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。
全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。例えば、マルクーシュグループの水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルカリル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリールのサブグループ、並びにそこに包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。
「...を含まない」は、組成物がその成分を感知不可能な量しか含有しない、又は、その成分を欠落した同じ組成物と比較したときに参照実施例2における方法により測定される不粘着時間を変化させるのに不十分な量しかその成分を組成物が含有しないことを意味する。例えば、本明細書に記載の組成物は、スズ触媒を含まないものであり得る。「スズ触媒を含まない」は、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒できるスズ触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又は、スズ触媒を含まない同じ組成物と比較したときに参照実施例2における方法により測定される不粘着時間を変化させるのに不十分な量でしか組成物がスズ触媒を含有しないことを意味する。組成物は、チタン触媒を含まないものであり得る。「チタン触媒を含まない」は、組成物が、組成物中の他の成分の加水分解性基との縮合反応を触媒できるチタン触媒を感知不可能な量でしか含有しない、又は、チタン触媒を含まない同じ組成物と比較したときに参照実施例2における方法により測定される不粘着時間を変化させるのに不十分な量でしか組成物がチタン触媒を含有しないことを意味する。あるいは、本明細書に記載の組成物は、金属縮合反応触媒を含まないものであり得る。「金属縮合反応触媒を含まない」は、組成物が、Al、Bi、Sn、Ti及び/又はZrの化合物のような縮合反応を触媒できる周期表の3a族、4a族、5a族又は4b族の化合物を感知不可能な量でしか含有しない、あるいは、金属縮合反応触媒を含まない同じ組成物と比較したときに参照実施例2における方法により測定される不粘着時間を変化させるのに不十分な量でしか組成物がこのような金属縮合反応触媒を含有しないことを意味する。
「非官能性」は、例えば、ポリオルガノシロキサンといった成分が縮合反応に参加しないことを意味する。
次の略語は、以下のように定義される。略語「cP」は、センチポアズを指す。「DP」は、ポリマーの重合度を指す。「FTIR」は、フーリエ変換赤外分光法を指す。「GPC」は、ゲル透過クロマトグラフィーを指す。「Mn」は、ポリマーの数平均分子量を指す。Mnは、GPCを使用して測定され得る。「Mw」は、ポリマーの重量平均分子量を指す。「NMR」は、核磁気共鳴を指す。
組成物
縮合反応(組成物)により反応することができる組成物は、以下のものを含む:
(A)ホスホン酸塩縮合反応触媒、及び
(B)1分子当たり平均で1個以上の加水分解性置換基を有するベースポリマー。この組成物は、場合により、1つ以上の追加成分を更に含み得る。1つ以上の追加成分は、成分(A)及び(B)とは異なり得る。好適な追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;並びにこれらの組み合わせにより、例示される。
縮合反応(組成物)により反応することができる組成物は、以下のものを含む:
(A)ホスホン酸塩縮合反応触媒、及び
(B)1分子当たり平均で1個以上の加水分解性置換基を有するベースポリマー。この組成物は、場合により、1つ以上の追加成分を更に含み得る。1つ以上の追加成分は、成分(A)及び(B)とは異なり得る。好適な追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;並びにこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(A)ホスホン酸塩縮合反応触媒
成分(A)は、ホスホン酸塩を含む。ホスホン酸塩は、モノマーホスホン酸塩、ポリマーホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。ホスホン酸塩は、有機ホスホン酸塩、シリルホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(A)は、ホスホン酸塩を含む。ホスホン酸塩は、モノマーホスホン酸塩、ポリマーホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。ホスホン酸塩は、有機ホスホン酸塩、シリルホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。
ホスホン酸塩は、平均一般式(i)を有する。
(式中、
各A1は独立して一価の炭化水素基であり、
各A2は独立して水素原子、一価の有機基、式−SiA3 3(式中、各A3は独立して一価の炭化水素基である)のシリル基、又はシロキサン基であり、
添字aは0以上の値を有する。
(式中、
各A1は独立して一価の炭化水素基であり、
各A2は独立して水素原子、一価の有機基、式−SiA3 3(式中、各A3は独立して一価の炭化水素基である)のシリル基、又はシロキサン基であり、
添字aは0以上の値を有する。
あるいは、上記の式(i)中、各A1は独立して一価の炭化水素基であり、各A2は独立して水素原子、一価の炭化水素基又はシリル基である。)A1、A2及びA3の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリール、プロペニル及びヘキセニル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル及びキシリル)、アルカリル(例えば、ベンジル)、並びにアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)が挙げられる。添字aは0〜50、あるいは0〜20の範囲の値を有し得る。あるいは、成分(A)がモノマーホスホン酸塩である場合、添字aは0の値を有し得る。あるいは、各A1は独立して1〜8個の炭素原子のアルキル基、又は、1〜8個の炭素原子のアルケニル基であり、各A2は独立して水素原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、又は、各A3が独立して1〜4個の炭素原子のアルキル基であるシリル基である。A1及びA2及びA3に好適なアルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、エチルヘキシル、及びオクチルである。あるいは、各A1及び各A3は独立して、メチル、ビニル及びオクチル及びから選択され得る。あるいは、各A2は独立して水素原子又はシリル基から選択され得る。あるいは、各A2は独立して水素原子又は有機基から選択され得る。あるいは、各A2は独立して水素原子又は一価の炭化水素基、例えば、アルキル基又はアルケニル基、あるいはアルキル基から選択され得る。当業者であれば、平均式(i)が様々な種の平衡混合物(ここで、この式(i)の分子の少なくとも一部はシリル基を含有し、式(i)の分子の一部はシリル基を含有しない)を表すことができることを認識するであろう。
成分(A)は、ジエテニル−ジホスホン酸、ビニルホスホン酸、ビス(トリメチルシリル)ビニルホスホン酸、トリメチルシリルビニルホスホン酸、ビス(ジメチルビニルシリル)ビニルホスホネート、ジメチルビニルシリルビニルホスホン酸ホスホン酸、ジメチルメチルホスホネート、ビス(トリメチルシリル)オクチルホスホネート、トリメチルシリルオクチルホスホネート、及びオクチルホスホン酸又はこれらの組み合わせを含み得る。あるいは、成分(A)は、ビス(トリメチルシリル)オクチルホスホネートとトリメチルシリルオクチルホスホネートとオクチルホスホン酸の混合物を含み得る。ホスホン酸は、市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)4−6085は、モノマーシリルホスホン酸塩種とモノマー有機ホスホン酸塩種を含む混合物であり、DOW CORNING(登録商標)4−6025は、モノマーホスホン酸塩種とポリマーホスホン酸塩種を含む混合物であり、DOW CORNING(登録商標)4−6035もまた、市販のホスホン酸塩である。これらのホスホン酸塩は全て、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から入手可能である。ジメチルメチルホスホネートもまた市販されている。
組成物は、1つの単一のホスホン酸塩縮合反応触媒を含有し得る。あるいは、組成物は、成分(A)として上述した2つ以上のホスホン酸塩縮合反応触媒を含み得、この2つ以上のホスホン酸塩縮合反応触媒は、構造、粘度、分子量、並びに、A1、A2及びA3についての定義のような特性の少なくとも1つにおいて異なる。組成物は、スズ触媒を含まないものであり得る。組成物は、チタン触媒を含まないものであり得る。あるいは、組成物は、金属縮合反応触媒を含まないものであり得る。あるいは、組成物は、成分(A)として本明細書に定義されているホスホン酸塩縮合反応触媒以外の、成分(B)の加水分解性基の縮合反応を触媒し得るいかなるホスホン酸塩も含まないものであり得る。あるいは、組成物は、成分(A)として本明細書に定義されているホスホン酸塩縮合反応触媒以外の成分(B)の加水分解性基の縮合反応を触媒し得るいかなる成分も含まないものであり得る。
成分(B)ベースポリマー
成分(B)は、ベースポリマーである。成分(B)は、1分子当たり平均で1個以上の、共有結合した加水分解性置換基を有するポリマー主鎖を含む。あるいは、この1個以上の加水分解性置換基は、シリル加水分解性置換基である。ポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジオルガノシロキサン)、有機ポリマー主鎖、又はシリコーン有機コポリマー主鎖から選択され得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖又は有機主鎖であり得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖であり得る。加水分解性置換基は、ハロゲン原子、アミド基(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、又はメチルアセトアミド基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、ハイドロカーボンオキシ基(例えば、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基)、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ(ketoximo)基、アルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせにより、例示される。あるいは、成分(B)は、1分子当たり平均で2個以上の加水分解性置換基を有し得る。成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の末端位置、側鎖位置又は末端位置と側鎖位置の両方に位置し得る。あるいは、成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の1つ以上の末端位置に位置し得る。成分(B)は、直鎖、側鎖、環状又は樹脂性構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖、側鎖、又は環状構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖又は側鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造及び樹脂状構造を含み得る。成分(B)は、ホモポリマー又はコポリマー又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、ベースポリマーである。成分(B)は、1分子当たり平均で1個以上の、共有結合した加水分解性置換基を有するポリマー主鎖を含む。あるいは、この1個以上の加水分解性置換基は、シリル加水分解性置換基である。ポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン(例えば、ポリジオルガノシロキサン)、有機ポリマー主鎖、又はシリコーン有機コポリマー主鎖から選択され得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖又は有機主鎖であり得る。あるいは、成分(B)のポリマー主鎖は、ポリオルガノシロキサン主鎖であり得る。加水分解性置換基は、ハロゲン原子、アミド基(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、又はメチルアセトアミド基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基)、ハイドロカーボンオキシ基(例えば、アルコキシ基又はアルケニルオキシ基)、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ(ketoximo)基、アルコキシシリルヒドロカルビレン基、又はこれらの組み合わせにより、例示される。あるいは、成分(B)は、1分子当たり平均で2個以上の加水分解性置換基を有し得る。成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の末端位置、側鎖位置又は末端位置と側鎖位置の両方に位置し得る。あるいは、成分(B)中の加水分解性置換基は、ポリマー主鎖上の1つ以上の末端位置に位置し得る。成分(B)は、直鎖、側鎖、環状又は樹脂性構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖、側鎖、又は環状構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖又は側鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造を含み得る。あるいは、成分(B)は、直鎖構造及び樹脂状構造を含み得る。成分(B)は、ホモポリマー又はコポリマー又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、式(ii)の基の中に含有される加水分解性置換基を有し得る:
(式中、各Dは独立して、酸素原子、二価の有機基、シリコーン有機基、又は二価の炭化水素基と二価シロキサン基の組み合わせを表し、各Xは独立して加水分解性置換基を表し、各Rは独立して一価の炭化水素基を表し、添字cは0、1、2又は3を表し、添字aは0、1又は2を表し、添字bは0以上の値を有し、但し、平均で少なくとも1個のXが式中に存在するように、(a+c)の合計は少なくとも1である。あるいは、添字bは、0〜18の範囲の値を有し得る。
(式中、各Dは独立して、酸素原子、二価の有機基、シリコーン有機基、又は二価の炭化水素基と二価シロキサン基の組み合わせを表し、各Xは独立して加水分解性置換基を表し、各Rは独立して一価の炭化水素基を表し、添字cは0、1、2又は3を表し、添字aは0、1又は2を表し、添字bは0以上の値を有し、但し、平均で少なくとも1個のXが式中に存在するように、(a+c)の合計は少なくとも1である。あるいは、添字bは、0〜18の範囲の値を有し得る。
あるいは、各Dは独立して、酸素原子及び二価の炭化水素基から選択され得る。あるいは、各Dは、酸素原子であり得る。あるいは、各Dは、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、次式)であり得る。
あるいは、Dの例は酸素原子であり得、一方、Dの異なる例は二価の炭化水素基である。
あるいは、Dの例は酸素原子であり得、一方、Dの異なる例は二価の炭化水素基である。
あるいは、各Xは、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アミド基(例えば、アセトアミド、メチルアセトアミド基、又はベンズアミド基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、オキシモ基、ケトキシモ基、及びハロゲン原子からなる群より選択され得る。あるいは、各Xは、アルコキシ基、アミド基、アシルオキシ基、アミノ基、ヒドロキシル基及びオキシモ基からなる群より選択され得る。
あるいは、上記の式中の各Rは独立して、1〜20個の炭素原子のアルキル基、6〜20個の炭素原子のアリール基、及び7〜20個の炭素原子のアラルキル基から選択され得る。
あるいは、添字bは0であり得る。
成分(B)は、ベースポリマーの0.2mol%〜10mol%、あるいは0.5mol%〜5mol%、あるいは0.5mol%〜2.0mol%、あるいは0.5mol%〜1.5mol%、あるいは0.6mol%〜1.2mol%の範囲の量で上記の式(ii)により説明されている基を含み得る。
成分(B)は、直鎖構造を持つポリオルガノシロキサン主鎖、すなわち、ポリジオルガノシロキサン主鎖を有し得る。成分(B)がポリジオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(B)は、アルコキシ末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、ヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサン、又はこれらの組み合わせを含み得る。
成分(B)は、式(I)のポリジオルガノシロキサンを含み得る:
(式中、各R1は独立して加水分解性置換基であり、各R2は独立して一価の有機基であり、各R3は独立して酸素原子又は二価の炭化水素基であり、各添字dは独立して1、2又は3であり、添字eは、25℃にて少なくとも100mPa・sの粘度及び/又は少なくとも87のDPを有するポリジオルガノシロキサンを与えるのに十分な値を有する整数である。)DPは、ポリスチレン較正を用いてGPCにより、測定され得る。あるいは、添字eは、1〜200,000の範囲の値を有し得る。
(式中、各R1は独立して加水分解性置換基であり、各R2は独立して一価の有機基であり、各R3は独立して酸素原子又は二価の炭化水素基であり、各添字dは独立して1、2又は3であり、添字eは、25℃にて少なくとも100mPa・sの粘度及び/又は少なくとも87のDPを有するポリジオルガノシロキサンを与えるのに十分な値を有する整数である。)DPは、ポリスチレン較正を用いてGPCにより、測定され得る。あるいは、添字eは、1〜200,000の範囲の値を有し得る。
R1に好適な加水分解性置換基としては、限定するものではないが、X基について上述した加水分解性置換基が挙げられる。あるいは、R1の加水分解性置換基は、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、及びメチルアセトアミド基から選択され得る。
R2に好適な有機基としては、限定されるものではないが、炭化水素基及びハロゲン化炭化水素基のような一価の有機基が挙げられる。R2の一価の炭化水素基の例としては、限定するものではないが、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、並びにアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)が挙げられる。R2の一価ハロゲン化炭化水素基の例としては、限定するものではないが、塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチル)が挙げられる。R2の他の一価の有機基の例としては、限定するものではないが、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)、及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)が挙げられる。あるいは、各R2は、メチルなどのアルキル基であり得る。
成分(B)は、上記の式(I)において各添字dが1であり、各R3が酸素原子である場合、α,ω−二官能性ポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、成分(B)は、式(II)を有し得る:R1R2 2SiO−(R2 2SiO)e’−SiR2 2R1(式中、R1及びR2は上記の通りであり、添字e’は、上記の粘度を有する式(II)のポリジオルガノシロキサンを与えるのに十分な値を有する。あるいは、添字e’は、1〜200,000、あるいは50〜1,000、あるいは200〜700の範囲の値を有し得る。
あるいは、成分(B)は、上記の式(II)のヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンを含み得る(式中、各R1はヒドロキシル基であり得、各R2は、メチルなどのアルキル基であり得、添字e’は、25℃にて100mPa・sの粘度をヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサンが有するような値を有し得る。あるいは、添字e’は50〜700の範囲の値を有し得る。))例示的なヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、ヒドロキシル末端封鎖ポリジメチルシロキサンである。成分(B)としての使用に好適なヒドロキシル末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は、環式ポリジオルガノシロキサンの平衡化といった、当該技術分野において既知の方法により調製され得る。
あるいは、成分(B)は、例えば、上記の式(I)において各R3が二価の炭化水素基、又は二価の炭化水素基と二価シロキサン基の組み合わせである場合に、アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンを含み得る。各R3は、アルキレン基(例えば、エチレン、プロピレン又はヘキシレン)、アリーレン基(例えば、フェニレン)、又はアルキルアリーレン基(例えば、次式)であり得る。
あるいは、各R1及び各R2はアルキルであり得、各R3は、アルキレン(例えば、エチレン)であり得、各添字dは3であり得る。
あるいは、各R1及び各R2はアルキルであり得、各R3は、アルキレン(例えば、エチレン)であり得、各添字dは3であり得る。
アルコキシシリルヒドロカルビレン末端封鎖ポリジオルガノシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサンを(アルコキシシリルヒドロカルビル)テトラメチルジシロキサンと反応させることにより、調製され得る。
有機ポリマー
あるいは、成分(B)は、水分硬化性シラン官能性有機ポリマーを含み得る。あるいは、有機ポリマーは、ポリマー主鎖中の少なくとも半分の原子が、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を含有する末端水分硬化性シリル基をを有する炭素原子ポリマーであり得る。有機ポリマーは、例えば、炭化水素ポリマー、ポリエーテル、アクリレートポリマー、ポリウレタン及びポリ尿素から選択することができる。
あるいは、成分(B)は、水分硬化性シラン官能性有機ポリマーを含み得る。あるいは、有機ポリマーは、ポリマー主鎖中の少なくとも半分の原子が、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を含有する末端水分硬化性シリル基をを有する炭素原子ポリマーであり得る。有機ポリマーは、例えば、炭化水素ポリマー、ポリエーテル、アクリレートポリマー、ポリウレタン及びポリ尿素から選択することができる。
成分(B)は、エラストマーであってよく、すなわち、0℃未満のガラス転移温度(Tg)を有し得る。成分(B)がエラストマーである場合、成分(B)は、半結晶質及び非晶質ポリオレフィン(例えば、α−オレフィン)とは区別することができ、一般に熱可塑性ポリマーと呼ばれる。
成分(B)は、シリル化ポリ−α−オレフィン、イソ−モノ−オレフィンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、ジエンとビニル芳香族モノマーのシリル化コポリマー、オレフィンとジエンのシリル化コポリマー(ポリイソブチレンとイソプレンから調製されたシリル化ブチルゴム、場合によりハロゲン化され得る)、又はこれらの組み合わせ(シリル化コポリマー)、イソ−モノ−オレフィンのシリル化ホモポリマー、ビニル芳香族モノマーのシリル化ホモポリマー、ジエンのシリル化ホモポリマー(例えば、シリル化ポリブタジエン又はシリル化水素添加ポリブタジエン)、又はこれらの組み合わせ(シリル化ホモポリマー)、又はシリル化コポリマーとシリル化ホモポリマーの組み合わせを含み得る。議論を進めるため、シリル化コポリマー及びシリル化ホモポリマーは、集合的に「シリル化ポリマー」と表される。シリル化ポリマーは、場合により、1個以上のハロゲン基、特にブロミン基を含有し得る。
好適なモノ−イソ−オレフィンの例としては、限定するものではないが、イソアルキレン(例えば、イソブチレン、イソペンチレン、イソヘキシレン及びイソヘプチレン)、あるいはイソブチレンが挙げられる。好適なビニル芳香族モノマーの例としては、限定するものではないが、アルキルスチレン(例えば、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン及びパラ−メチルスチレン)、あるいはパラ−メチルスチレンが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル及びt−ブチル、あるいはメチルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、ビニル、アリール、プロペニル、ブテニル及びヘキセニル、あるいはビニルが挙げられる。シリル化有機ポリマーは、20,000〜500,000、あるいは50,000〜200,000、あるいは20,000〜100,000、あるいは25,000〜50,000、あるいは28,000〜35,000の範囲のMnを有し得る。Mnの値はトリプル検出サイズ排除クロマトグラフィーにより測定し、ポリスチレン分子量標準に基づいて計算した。
シリル化ポリ−α−オレフィンの好適な例は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、VESTOPLAST(登録商標)として流通している縮合反応硬化性シリル化ポリマーが挙げられ、これはDegussa AG Coatings & Colorants(Marl,Germany,Europe)から市販されている。
簡単に述べると、シリル化コポリマーの調製方法は、i)少なくとも50モル%の、4〜7個の炭素原子を有するイソ−モノ−オレフィンと、ビニル芳香族モノマーと、を有するオレフィンコポリマーと、ii)少なくとも2個の加水分解性基と少なくとも1個のオレフィン系不飽和炭化水素又はハイドロカーボンオキシ基とを有するシランと、iii)フリーラジカル発生剤と、を接触させることを包含する。
あるいは、シリル化コポリマーは、既知の方法(例えば、イソシアネート官能性アルコキシシランと反応させる手法、Naの存在下で塩化アリールと反応させ、その後、ヒドロシリル化する手法)により、市販のヒドロキシル化ポリブタジエン(例えば、Cray Valley SA(Paris,France)から商品名Poly BD及びKrasolで市販されているもの)を転化する工程を含む方法により、調製され得る。
あるいは、シラン改質炭化水素ポリマーの例としては、シラン改質ポリイソブチレンが挙げられ、これはテレケリックポリマーの形態で市販されている。シラン改質ポリイソブチレンは、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレート)から誘導された硬化性シリル基を含有することができ、これは、リビングアニオン重合、原子移動ラジカル重合又は連鎖移動重合により調製されたポリイソブチレンと反応することができる。
あるいは、成分(B)は、ポリエーテルを含み得る。ポリエーテルの1つのタイプは、式(−CtH2t−O−)の繰り返しオキシアルキレン単位を含むポリオキシアルキレンポリマーである(式中、添字tは2〜4の範囲の値を有する整数である。)ポリオキシアルキレンポリマーは典型的には末端ヒドロキシル基を有し、例えば、過剰なアルキルトリアルコキシシランと反応させて末端アルキルジアルコキシシリル基を導入することにより、ケイ素原子に結合した加水分解性置換基を有するシリル基で容易に末端封鎖することができる。あるいは、重合は、ヒドロシリル化型プロセスによって生じ得る。ほとんどオキシプロピレン単位から構成されるポリオキシアルキレンは、多くの封止剤用途に好適な特性を有し得る。末端アルキルジアルコキシシリル又はトリアルコキシシリル基を有するポリオキシアルキレンポリマー(特にポリオキシプロピレン)は、成分(A)及び水分の存在下で互いに反応し得る。これらのベースポリマーは、組成物中に別個の架橋剤を必要としないものであり得る。
あるいは、加水分解性シリル基を有する有機ポリマーは、アクリレートポリマーであり得、これはアクリレート及び/又はメタクリレートエステルモノマーの付加ポリマーであり、アクリレートポリマー中に少なくとも50%のモノマー単位を含み得る。アクリレートエステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、n−プロピル、エチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル及び2−エチルヘキシルアクリレートである。メタクリレートエステルモノマーの例は、n−ブチル、イソブチル、メチル、n−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル及びラウリルメタクリレートである。一部の適用例では、アクリレートポリマーは、周囲温度よりも低いガラス転移温度(Tg)を有し得、アクリレートポリマーはメタクリレートポリマーよりも低いTgのポリマーを生じ得る。例示的なアクリレートポリマーは、ポリブチルアクリレートである。アクリレートポリマーは、スチレン、アクリロニトリル又はアクリルアミドのような他のモノマーをより少量含有する。アクリレートポリマーは、従来のラジカル重合又はリビングラジカル重合(例えば、原子移動ラジカル重合)、可逆的付加開裂連鎖移動重合、又はアニオン重合(例えば、リビングアニオン重合)といった様々な方法により調製することができる。硬化性シリル基は、例えば、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーから誘導することができる。加水分解性シリル基(例えば、ジアルコキシアルキルシリル又はトリアルコキシシリル基)は、例えば、ジアルコキシアルキルシリルプロピルメタクリレート又はトリアルコキシシリルプロピルメタクリレートから誘導することができる。アクリレートポリマーが、反応性末端基を形成する重合プロセス(例えば、原子移動ラジカル重合、連鎖移動重合又はリビングアニオン重合)により調製された場合、アクリレートポリマーは、シリル置換アルキルアクリレート又はメタクリレートモノマーと容易に反応して、末端加水分解性シリル基を形成することができる。
シラン改質ポリウレタン又はポリ尿素は、例えば、末端エチレン性不飽和基を有するポリウレタン又はポリ尿素を、加水分解性基とSi−H基とを含有するシリルモノマー(例えば、ジアルコキシアルキルケイ素水素化物又はトリアルコキシケイ素水素化物)と反応させることにより、調製することができる。
シリコーン−有機ブロックコポリマー
あるいは、ベースポリマーは、シリコーン−有機ブロックコポリマー主鎖を有し得、これは少なくとも1個のポリオルガノシロキサン基のブロックと、少なくとも1個の有機ポリマー鎖のブロックと、を含む。ポリオルガノシロキサン基は、次の式の基を含み得る。
−(R4 fSiO(4−f)/2)−(式中、各R4は独立して、有機基、例えば、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素基(例えば、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル及びノナフルオロヘキシル)、18個以下の炭素原子を有するハイドロカーボンオキシ基、あるいは、酸素原子含有基(例えば、(メタ)アクリル又はカルボキシル)、窒素原子含有基(例えば、アミノ官能基、アミド官能基及びシアノ官能基)、イオウ原子含有基(例えば、メルカプト基)により例示される別の有機基であり、添字fは平均で1〜3、あるいは1.8〜2.2の範囲の値を有する。
あるいは、ベースポリマーは、シリコーン−有機ブロックコポリマー主鎖を有し得、これは少なくとも1個のポリオルガノシロキサン基のブロックと、少なくとも1個の有機ポリマー鎖のブロックと、を含む。ポリオルガノシロキサン基は、次の式の基を含み得る。
−(R4 fSiO(4−f)/2)−(式中、各R4は独立して、有機基、例えば、1〜18個の炭素原子を有する炭化水素基、1〜18個の炭素原子を有するハロゲン化炭化水素基(例えば、クロロメチル、ペルフルオロブチル、トリフルオロエチル及びノナフルオロヘキシル)、18個以下の炭素原子を有するハイドロカーボンオキシ基、あるいは、酸素原子含有基(例えば、(メタ)アクリル又はカルボキシル)、窒素原子含有基(例えば、アミノ官能基、アミド官能基及びシアノ官能基)、イオウ原子含有基(例えば、メルカプト基)により例示される別の有機基であり、添字fは平均で1〜3、あるいは1.8〜2.2の範囲の値を有する。
あるいは、各R4は、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基、又はハロゲン化炭化水素基であり得、添字fは0、1又は2であり得る。)R4に好適な基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、シクロヘキシル、フェニル、トリル基、塩素又はフッ素で置換されたプロピル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)、クロロフェニル、β−(ペルフルオロブチル)エチル又はクロロシクロヘキシル基が挙げられる。
ポリマー主鎖中の有機ブロックは、例えば、ポリスチレン及び/又は置換ポリスチレン、例えば、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ビニルメチルスチレン)、ジエン、ポリ(p−トリメチルシリルスチレン)及びポリ(p−トリメチルシリル−α−メチルスチレン)を含み得る。ポリマー主鎖中に組み込まれ得る他の有機基としては、アセチレン末端オリゴフェニレン、ビニルベンジル末端芳香族ポリスルホンオリゴマー、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステル系モノマー、ポリアルキレン、ポリウレタン、脂肪族ポリエステル、脂肪族ポリアミド、及び芳香族ポリアミドを挙げることができる。
シリコーン樹脂
あるいは、成分(B)は、成分(B)について上述したポリマーのうちの1つに加えて又はその代わりに、シリコーン樹脂を含み得る。好適なシリコーン樹脂は、MQ樹脂により例示され、これは、次の式のシロキサン単位を含む:
R29 wR30 (3−w)SiO1/2及びSiO4/2、(式中、R29及びR30は、一価の有機基(例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される一価の炭化水素基)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)及びフッ素化シクロアルキル(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される)、及び、他の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)であり、添字wの各例は、0、1又は2である。あるいは、各R29及び各R30は、アルキル基であり得る。)MQ樹脂は、0.5:1〜1.5:1の、Mユニット対Qユニットのモル比(M:Q)を有し得る。これらのモル比は、Si29 NMR分光法により簡単に測定される。この技法は、シリコーン樹脂の総ヒドロキシル量に加えて、シリコーン樹脂及び最初のシリコーン樹脂中に存在したネオペンタマー(neopentamer)Si(OSiMe3)4から誘導されたR29 3SiO1/2(「M」)単位とSiO4/2(「Q」)単位の濃度を量的に測定することができる。
あるいは、成分(B)は、成分(B)について上述したポリマーのうちの1つに加えて又はその代わりに、シリコーン樹脂を含み得る。好適なシリコーン樹脂は、MQ樹脂により例示され、これは、次の式のシロキサン単位を含む:
R29 wR30 (3−w)SiO1/2及びSiO4/2、(式中、R29及びR30は、一価の有機基(例えば、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される一価の炭化水素基)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)及びフッ素化シクロアルキル(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル、及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される)、及び、他の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル)であり、添字wの各例は、0、1又は2である。あるいは、各R29及び各R30は、アルキル基であり得る。)MQ樹脂は、0.5:1〜1.5:1の、Mユニット対Qユニットのモル比(M:Q)を有し得る。これらのモル比は、Si29 NMR分光法により簡単に測定される。この技法は、シリコーン樹脂の総ヒドロキシル量に加えて、シリコーン樹脂及び最初のシリコーン樹脂中に存在したネオペンタマー(neopentamer)Si(OSiMe3)4から誘導されたR29 3SiO1/2(「M」)単位とSiO4/2(「Q」)単位の濃度を量的に測定することができる。
MQシリコーン樹脂は、液体炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン及びヘプタンにより例示される)のような溶媒又は液体有機ケイ素化合物(低粘度環状及び直鎖ポリジオルガノシロキサン)に可溶性である。
MQシリコーン樹脂は、式X”SiO3/2により表される末端単位を2.0%以下、あるいは0.7%以下、あるいは0.3%以下含有し得る(式中、X”は、ヒドロキシル又は加水分解性基(例えば、アルコキシ(例えば、メトキシ及びエトキシ)、アルケニルオキシ(例えば、イソプロペニルオキシ)、ケトキシモ(例えば、メチルエチルケトキシモ)、カルボキシ(例えば、アセトキシ)、アミドオキシ(例えば、アセトアミドオキシ)及びアミノキシ(例えば、N,N−ジメチルアミノキシ))を表す。)シリコーン樹脂中に存在するシラノール基の濃度は、FTIRを使用して測定することができる。
MQシリコーン樹脂の所望の流動特性を達成するのに必要とされるMnは、少なくとも一部分をシリコーン樹脂の分子量及びこの成分中に存在するR29により表される有機基のタイプに応じ異なる。MQシリコーン樹脂のMnは、典型的には3,000超、より典型的には4500〜7500である。
MQシリコーン樹脂は、任意の好適な方法により調製することができる。このタイプのシリコーン樹脂は、報告によると、対応するシランの共加水分解により、又は当該技術分野において既知のシリカヒドロゾルキャッピング法(silica hydrosol capping methods)により、調製されている。簡単に述べると、この方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルをトリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン又はそれらの組み合わせと反応させる工程と、M及びQ単位を含む生成物(MQ樹脂)を回収する工程を包含する。得られるMQ樹脂は、2〜5重量パーセントのケイ素結合ヒドロキシル基を含有し得る。
MQシリコーン樹脂を調製するのに使用される中間体は、式R29 3SiXのトリオルガノシランであり得る(式中、Xは、成分(B)について上述したように、4個の加水分解性基(例えば、ハロゲン、アルコキシ又はヒドロキシル)を有するシラン、又はアルカリ金属ケイ酸塩(例えば、ケイ酸ナトリウム)のいずれかのシラン加水分解性基を表す。)
一部の組成物では、シリコーン樹脂中のケイ素結合ヒドロキシル基(すなわち、HOR29SiO1/2又はHOSiO3/2基)は、シリコーン樹脂の総重量の0.7重量%以下、あるいは0.3重量%以下であることが望ましいものであり得る。シリコーン樹脂の調製中に形成されるケイ素結合ヒドロキシル基は、シリコーン樹脂を、適切な末端基を含有するシラン、ジシロキサン又はジシラザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキシ基又は加水分解性基に転化される。加水分解性基を含有するシランは、シリコーン樹脂のケイ素結合ヒドロキシル基と反応させるのに必要な量よりも過剰に添加され得る。
様々な好適なMQ樹脂が、例えばDow Corning Corporation(Midland、MI、U.S.A.)、Momentive Performance Materials(Albany、N.Y.、U.S.A.)、及びBluestar Silicones USA Corp.(East Brunswick、N.J.、U.S.A.)などの企業から市販されている。例えば、DOW CORNING(登録商標)MQ−1600固形樹脂、DOW CORNING(登録商標)MQ−1601固形樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)1250界面活性剤、DOW CORNING(登録商標)7466樹脂、及びDOW CORNING(登録商標)7366樹脂(これらはすべてDow Corning Corporationから市販されている)が、本明細書に記述されている方法での使用に好適である。好適なMQ樹脂の他の例が、米国特許第5,082,706号(Tangney)に開示されている。あるいは、これもDow Corning Corporationから市販されているDOW CORNING(登録商標)MQ−1640 Flake樹脂のようなM、T及びQ単位を含有する樹脂が使用され得る。このような樹脂は、有機溶媒の溶液として供給され得る。
あるいは、シリコーン樹脂は、シルセスキオキサン樹脂、すなわち、式(R31SiO3/2)のT単位を含有する樹脂を含み得る。各R31は独立して水素原子及び一価の有機基、例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ペンチル、オクチル、デシル、ドデシル、ウンデシル及びオクタデシル)、シクロアルキル(例えば、シクロペンチル及びシクロヘキシル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びベンジル)、及びアラルキル(例えば、2−フェニルエチル)により例示される)、ハロゲン化炭化水素基(塩素化アルキル基(例えば、クロロメチル及びクロロプロピル基)、フッ素化アルキル基(例えば、フルオロメチル、2−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブチル、5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル、6,6,6,5,5,4,4,3,3−ノナフルオロヘキシル、及び8,8,8,7,7−ペンタフルオロオクチル)、塩素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジクロロシクロプロピル、2,3−ジクロロシクロペンチル)、及びフッ素化シクロアルキル基(例えば、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロブチル、3,4−ジフルオロシクロヘキシル及び3,4−ジフルオロ−5−メチルシクロヘプチルにより例示される)、及び別の一価の有機基(例えば、酸素原子で置換された炭化水素基(例えば、グリシドキシアルキル)、及び窒素原子で置換された炭化水素基(例えば、アミノアルキル)及びシアノ官能基(例えば、シアノエチル及びシアノプロピル))から選択され得る。本明細書での使用に好適なシルセスキオキサン樹脂は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例えば、15のDP及び1200の重量平均分子量(Mw)を有するメチルメトキシシロキサンメチルシルセスキオキサン樹脂が、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からDOW CORNING(登録商標)US−CF 2403樹脂として市販されている。あるいは、シルセスキオキサン樹脂は、フェニルシルセスキオキサン単位、メチルシルセスキオキサン単位又はこれらの組み合わせを有し得る。このような樹脂は、当該技術分野において既知であり、これもまたDow Corning CorporationからDOW CORNING(登録商標)200 Flake樹脂として市販されている。あるいは、シリコーン樹脂は、式(R31 2SiO2/2)及び/又は(R31R32SiO2/2)のD単位と、式(R31SiO3/2)及び/又は(R32SiO3/2)のT単位とを含み得る、すなわち、DT樹脂である(式中、R31は上記の通りであり、R32は、上記のX基のような加水分解性基である。)DT樹脂は当該技術分野において既知であり、市販されており、例えば、メトキシ官能性DT樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)3074及びDOW CORNING(登録商標)3037樹脂が挙げられ、シラノール官能性樹脂としては、DOW CORNING(登録商標)800 Series樹脂が挙げられ、これらもまたDow Corning Corporationから市販されている。他の好適な樹脂としては、メチル及びフェニル基を含有するDT樹脂が挙げられる。
組成物に添加されるシリコーン樹脂の量は、組成物の最終用途に応じ変動する。例えば、組成物の反応生成物がゲルである場合、シリコーン樹脂はほとんど又は全く添加されない可能性もある。しかしながら、組成物中のシリコーン樹脂の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0〜90重量%、あるいは0.1〜50重量%の範囲であり得る。
成分(B)の量は、組成物の反応生成物の最終用途、成分(B)に選択されるベースポリマーのタイプ、並びに、存在する場合には、存在する任意の追加の成分のタイプ及び量といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(B)の量は、組成物の0.01〜99重量%、あるいは10〜95重量%、あるいは10〜65重量%の範囲であり得る。
成分(B)は、1つの単一ベースポリマー、又は以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上のベースポリマーを含む組み合わせであり得る:平均分子量、加水分解性置換基、シロキサン単位、配列、及び粘度。成分(B)の1つのベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個のみの加水分解性置換基を含有する場合、組成物は、1分子当たり平均で2個を超える加水分解性置換基を有する追加のベースポリマー、又は成分(C)架橋剤を更に含み得る。
成分(A)は、成分(B)中のポリマー主鎖及び/又は加水分解性基のタイプといった様々な因子に基づいて選択され得る。例えば、成分(B)が有機ポリマー主鎖を有する場合、成分(A)は、ポリマーホスホン酸塩を含み得る。あるいは、成分(B)が有機ポリマー主鎖を有する場合、成分(A)は、シリルホスホン酸塩と有機ホスホン酸塩の組み合わせを含み得る。成分(B)がシリコーン有機ブロックコポリマー主鎖を有する場合、成分(A)は、シリルホスホン酸塩、有機ホスホン酸塩又はこれらの組み合わせを含み得る。あるいは、成分(B)がシリコーン有機ブロックコポリマー主鎖を有する場合、成分(A)は、ポリマーホスホン酸塩を含み得る。あるいは、成分(B)がポリオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(A)は上記の式(i)のホスホン酸塩を含み得る。あるいは、成分(B)がポリオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(A)は、有機ホスホン酸塩、シリルホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。あるいは、成分(B)がポリオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(A)は、有機ホスホン酸塩及びシリルホスホン酸塩を含み得る。あるいは、成分(B)がポリオルガノシロキサン主鎖を有する場合、成分(A)はポリマーホスホン酸塩を含み得る。
追加成分
組成物は、場合により、1つ以上の追加成分を更に含み得る、すなわち、成分(A)及び(B)に加えて、成分(A)及び(B)とは異なる1つ以上の成分を更に含み得る。追加成分は、存在する場合、組成物の使用方法及び/又は組成物の硬化生成物の最終用途のような因子に基づいて選択され得る。追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤(例えば、(f1)補強充填剤、(f2)増量充填剤、(f3)伝導性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性又はその両方));(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤(例えば、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤又は(h4)抗菌剤);(J)難燃剤;(K)表面改質剤(例えば、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤);(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;及びこれらの組み合わせであり得る。
組成物は、場合により、1つ以上の追加成分を更に含み得る、すなわち、成分(A)及び(B)に加えて、成分(A)及び(B)とは異なる1つ以上の成分を更に含み得る。追加成分は、存在する場合、組成物の使用方法及び/又は組成物の硬化生成物の最終用途のような因子に基づいて選択され得る。追加成分は、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤(例えば、(f1)補強充填剤、(f2)増量充填剤、(f3)伝導性充填剤(例えば、導電性、熱伝導性又はその両方));(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤(例えば、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤又は(h4)抗菌剤);(J)難燃剤;(K)表面改質剤(例えば、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤);(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;及びこれらの組み合わせであり得る。
成分(C)架橋剤
成分(C)は、成分(B)が1分子当たり平均で1又は2個のみの加水分解性置換基を含有する場合に、並びに/あるいは、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の架橋密度を増加させるために、組成物に添加され得る架橋剤である。一般に、成分(C)は、組成物の反応生成物において所望される架橋度に依存して変動する官能基により、並びに、反応生成物が縮合反応の副生成物に起因する重量喪失を著しく示すことのないように、選択される。一般に、成分(C)の選択は、組成物が、水分不透過性パッケージにおいて、数ヶ月にわたる保存中に有用であるべく十分な反応性を保つように、行われる。成分(C)の正確な量は、選択されるベースポリマー及び架橋剤のタイプ、ベースポリマー及び架橋剤の加水分解性置換基の反応性、並びに、反応生成物に所望される架橋密度といった因子に応じて変動する。しかしながら、架橋剤の量は、成分(B)100重量部に基づいて、0.5〜100重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、成分(B)が1分子当たり平均で1又は2個のみの加水分解性置換基を含有する場合に、並びに/あるいは、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の架橋密度を増加させるために、組成物に添加され得る架橋剤である。一般に、成分(C)は、組成物の反応生成物において所望される架橋度に依存して変動する官能基により、並びに、反応生成物が縮合反応の副生成物に起因する重量喪失を著しく示すことのないように、選択される。一般に、成分(C)の選択は、組成物が、水分不透過性パッケージにおいて、数ヶ月にわたる保存中に有用であるべく十分な反応性を保つように、行われる。成分(C)の正確な量は、選択されるベースポリマー及び架橋剤のタイプ、ベースポリマー及び架橋剤の加水分解性置換基の反応性、並びに、反応生成物に所望される架橋密度といった因子に応じて変動する。しかしながら、架橋剤の量は、成分(B)100重量部に基づいて、0.5〜100重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、加水分解性基を有するシラン架橋剤、又はその部分若しくは完全加水分解生成物を含み得る。成分(C)は、成分(B)の加水分解性置換基と反応性である置換基を、1分子当たり平均で2個を超えて有する。成分(C)に好適なシラン架橋剤の例は、一般式(III)を有し得る:R8 kSi(R9)(4−k)(式中、各R8は独立して、一価の炭化水素基(例えば、アルキル基)であり、各R9は加水分解性置換基であり、これは成分(B)について上述したXと同じであり得る。あるいは、各R9は、例えば、ハロゲン原子、アセトアミド基、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、アルコキシ基、アミド基、アミノ基、アミノキシ基、ヒドロキシル基、オキシモ基、ケトキシモ基、又はメチルアセトアミド基であり得、添字kの各例は、0、1、2、又は3であり得る。)成分(C)について、添字kは、2より大きい平均値を有する。あるいは、添字kは、3〜4の範囲の値を有し得る。あるいは、各R9は独立して、ヒドロキシル、アルコキシ、アセトキシ、アミド又はオキシムから選択され得る。あるいは、成分(C)は、アシルオキシシラン、アルコキシシラン、ケトキシモシラン、及びオキシモシランから選択され得る。
成分(C)は、アルコキシシラン(ジアルコキシシラン(例えば、ジアルキルジアルコキシシラン)、トリアルコキシシラン(例えば、アルキルトリアルコキシシラン)、テトラアルコキシシランにより例示される)、又は、その部分若しくは完全加水分解生成物、又はこれらの別の組み合わせを含み得る。好適なトリアルコキシシランの例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせ、あるいは、メチルメトキシシランが挙げられる。好適なテトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシランが挙げられる。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアルコキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部の範囲であり得る。
成分(C)は、アシルオキシシラン(例えば、アセトキシシラン)を含み得る。アセトキシシランとしては、テトラアセトキシシラン、オルガノトリアセトキシシラン、ジオルガノジアセトキシシラン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。このアセトキシシランは、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及び三級ブチル)、アルケニル基(例えば、ビニル、アリール又はヘキセニル)、アリール基(例えば、フェニル、トリル、又はキシリル)、アラルキル基(例えば、ベンジル又は2−フェニルエチル)、及びフッ素化アルキル基(例えば、3,3,3−トリフルオロプロピル)を含有し得る。例示のアセトキシシランとしては、限定するものではないが、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、プロピルトリアセトキシシラン、ブチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、オクチルトリアセトキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、テトラアセトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、成分(C)は、オルガノトリアセトキシシラン、例えば、メチルトリアセトキシシランとエチルトリアセトキシシランとを含む混合物、を含み得る。硬化性シリコーン組成物中で使用されるアセトキシシランの量は、成分(B)100重量部当たり0.5〜15重量部、あるいは3〜10重量部の範囲であり得る。
組成物中で使用され得るアルコキシ基とアセトキシ基とを両方含有する成分(C)に好適なシランの例としては、メチルジアセトキシメトキシシラン、メチルアセトキシジメトキシシラン、ビニルジアセトキシシラン、ビニルアセトキシジメトキシシラン、メチルジアセトキシエトキシシラン、メチルアセトキシジエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)に好適なアミノ官能性アルコキシシランは、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2及びこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(C)に好適なオキシモシランとしては、アルキルトリオキシモシラン(例えば、メチルトリオキシモシラン、エチルトリオキシモシラン、プロピルトリオキシモシラン、及びブチルトリオキシモシラン)、アルコキシトリオキシモシラン(例えば、メトキシトリオキシモシラン、エトキシトリオキシモシラン及びプロポキシトリオキシモシラン)、又はアルケニルトリオキシモシラン(例えば、プロペニルトリオキシモシラン又はブテニルトリオキシモシラン)、アルケニルオキシモシラン(例えば、ビニルオキシモシラン)、アルケニルアルキルジオキシモシラン(例えば、ビニルメチルジオキシモシラン、ビニルエチルジオキシモシラン、ビニルメチルジオキシモシラン、又はビニルエチルジオキシモシラン)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(C)に好適なケトキシモシランとしては、メチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、メチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(methyl tris(methylpropylketoximo)silane)、メチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、エチルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(dimethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylethylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylpropylketoximo)silane)、エチルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(ethyl tris(methylisobutylketoximo)silane)、ビニルトリス(ジメチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトキシモ)シラン、ビニルトリス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(vinyl tris(methylpropylketoximo)silane)、ビニルトリス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン、テトラキス(ジメチルケトキシモ)シラン(tetrakis(dimethylketoximo)silane)、テトラキス(メチルエチルケトキシモ)シラン、テトラキス(メチルプロピルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylpropylketoximo)silane)、テトラキス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(tetrakis(methylisobutylketoximo)silane)、メチルビス(ジメチルケトキシモ)シラン(methylbis(dimethylketoximo)silane)、メチルビス(シクロヘキシルケトキシモ)シラン(methylbis(cyclohexylketoximo)silane)、トリエトキシ(エチルメチルケトキシム)シラン(triethoxy(ethylmethylketoxime)silane)、ジエトキシジ(エチルメチルケトキシム)シラン(diethoxydi(ethylmethylketoxime)silane)、エトキシトリ(エチルメチルケトキシム)シラン、メチルビニルビス(メチルイソブチルケトキシモ)シラン(methylvinylbis(methylisobutylketoximo)silane)、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(C)は、高分子であり得る。例えば、成分(C)は、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン)、1,4−ビス[トリメトキシシリル(エチル)]ベンゼン、及びビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィドといった、ジシランを含み得る。
成分(C)は、1つの単一の架橋剤、又は、以下の特性のうちの少なくとも1つにおいて異なる2つ以上の架橋剤を含む組み合わせであり得る:加水分解性置換基、及びケイ素に結合した他の有機基、並びに、高分子架橋剤が使用される場合には、シロキサン単位、構造、分子量及び配列。
成分(D)乾燥剤
成分(D)は、乾燥剤である。乾燥剤は、様々な供給源由来の水を捕捉する。例えば、乾燥剤は、水及びアルコールといった、縮合反応の副生成物を捕捉し得る。
成分(D)は、乾燥剤である。乾燥剤は、様々な供給源由来の水を捕捉する。例えば、乾燥剤は、水及びアルコールといった、縮合反応の副生成物を捕捉し得る。
成分(D)に好適な吸着剤の例としては、無機粒子を挙げることができる。吸着剤は、10マイクロメートル以下、あるいは5マイクロメートル以下の粒径を有し得る。吸着剤は、例えば、10Å(オングストローム)以下、あるいは5Å以下、あるいは3Å以下といった、水及びアルコールを吸着するのに十分な平均孔径を有し得る。吸着剤の例としては、沸石(例えば、菱沸石、モルデン沸石及び方沸石)、分子篩(例えば、アルカリ金属のアルミノケイ酸塩、シリカゲル、シリカマグネシアゲル、活性炭、活性アルミナ、酸化カルシウム)及びこれらの組み合わせが挙げられる。当業者であれば、必要以上に実験せずとも成分(D)に好適な乾燥剤を選択できるであろう。当業者であれば、シリカゲルのような特定の乾燥剤が水を捕捉し、一方、分子篩のようなその他の吸着剤が水、アルコール、又はそれら両方を捕捉し得ることを認識しているであろう。
市販の乾燥剤の例としては、乾燥分子篩(例えば、Grace Davidsonから商品名SYLOSIV(登録商標)で、及びZeochem(Louisville,Kentucky,U.S.A.)から商品名PURMOLで市販されている3Å(オングストローム)の分子篩、並びに、Ineos Silicas(Warrington,England)から入手可能なDoucilゼオライト4Aなどの4Å(オングストローム)の分子篩)が挙げられる。他の有用な分子篩としては、UOP(Illinois,U.S.A.)から全て市販されているMOLSIV ADSORBENT TYPE 13X、3A、4A及び5A、Atofina(Philadelphia,Pennsylvania,U.S.A.)からのSILIPORITE NK 30AP及び65xP、並びに、W.R.Grace(Maryland,U.S.A.)から入手可能な分子篩が挙げられる。
あるいは、乾燥剤は、化学的手段により水及び/又は他の副生成物を捕捉し得る。(成分(C)に加えて)組成物に添加された一定量のシラン架橋剤は、化学的乾燥剤としても機能し得る。理論に束縛されるものではないが、化学的乾燥剤は、組成物の複数の構成部分を一緒に混合した後に、この組成物を水に触れさせないようにするために、多部構成組成物(multiple part composition)の乾燥部分に添加され得る。例えば、乾燥剤として好適なアルコキシシランとしては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(D)の量は、選択される具体的な乾燥剤に依存する。しかしながら、成分(D)が化学的乾燥剤である場合、その量は、0部〜5部、あるいは0.1部〜0.5部の範囲であり得る。成分(D)は、1つの化学的乾燥剤であり得る。あるいは、成分(D)は、2つ以上の異なる化学的乾燥剤を含み得る。
成分(E)
成分(E)は、増量剤及び/又は可塑剤である。非官能性ポリオルガノシロキサンを含む増量剤を、組成物に使用することができる。例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R22 2SiO2/2の二官能性単位及び式R23 3SiD’−の末端単位を有し得る。(式中、各R22及び各R23は独立して一価の有機基(例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリール及びヘキセニル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、フェニルエチル)により例示される)であり、D’は、酸素原子、又は末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価基(例えば、成分(B)について上述した基D)であり、あるいは、D’は酸素原子である。)非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサンにより例示される。このようなポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200流体が挙げられ、5E−5m2/s〜0.1m2/s(50cSt〜100,000cSt)、あるいは5E−5m2/s〜0.05m2/s(50cSt〜50,000cSt)、あるいは0.013〜0.06m2/s(12,500〜60,000cSt)の範囲の粘度を有し得る。
成分(E)は、増量剤及び/又は可塑剤である。非官能性ポリオルガノシロキサンを含む増量剤を、組成物に使用することができる。例えば、非官能性ポリオルガノシロキサンは、式R22 2SiO2/2の二官能性単位及び式R23 3SiD’−の末端単位を有し得る。(式中、各R22及び各R23は独立して一価の有機基(例えば、一価の炭化水素基(アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチル)、アルケニル(例えば、ビニル、アリール及びヘキセニル)、アリール(例えば、フェニル、トリル、キシリル及びナフチル)、及びアラルキル基(例えば、フェニルエチル)により例示される)であり、D’は、酸素原子、又は末端単位のケイ素原子を別のケイ素原子と連結する二価基(例えば、成分(B)について上述した基D)であり、あるいは、D’は酸素原子である。)非官能性ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な非官能性ポリオルガノシロキサンは、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサンにより例示される。このようなポリジメチルシロキサンとしては、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されているDOW CORNING(登録商標)200流体が挙げられ、5E−5m2/s〜0.1m2/s(50cSt〜100,000cSt)、あるいは5E−5m2/s〜0.05m2/s(50cSt〜50,000cSt)、あるいは0.013〜0.06m2/s(12,500〜60,000cSt)の範囲の粘度を有し得る。
有機可塑剤は、上記の非官能性ポリオルガノシロキサン増量剤に加えて、又はその代わりに、使用され得る。有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。有機可塑剤は、フタル酸塩、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、アジピン酸塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。有機可塑剤は、ビス(2−エチルヘキシル)テレフタレート、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、分枝状又は直鎖の1,2シクロヘキサンジカルボン酸,ジノニルエステル、ビス(2−プロピルへプチル)フタレート、ジイソノニルアジペート、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
有機可塑剤は、式
の基を1分子当たり平均で少なくとも1個有し得る(式中、R18は、水素原子又は一価の有機基を表す。あるいは、R18は、分枝状又は直鎖一価の炭化水素基を表し得る。)一価の有機基は、4〜15個の炭素原子、あるいは9個〜12個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基であり得る。好適な可塑剤は、アジピン酸塩、カルボン酸塩、フタル酸塩及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
の基を1分子当たり平均で少なくとも1個有し得る(式中、R18は、水素原子又は一価の有機基を表す。あるいは、R18は、分枝状又は直鎖一価の炭化水素基を表し得る。)一価の有機基は、4〜15個の炭素原子、あるいは9個〜12個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基であり得る。好適な可塑剤は、アジピン酸塩、カルボン酸塩、フタル酸塩及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
あるいは、有機可塑剤は、環式炭化水素中の炭素原子に結合した上記の式の基を、1分子当たり平均で少なくとも2個有し得る。有機可塑剤は、次の一般式を有し得る:
(式中、Z基は、3個以上の炭素原子、あるいは3〜15個の炭素原子を有する環式炭化水素基を表す。添字sは、1〜12の範囲の値を有し得る。Z基は、飽和又は芳香族であり得る。各R20は独立して水素原子、又は分枝状若しくは直鎖の一価の有機基である。R19の一価の有機基は、メチル、エチル又はブチルといった、アルキル基であり得る。あるいは、R20の一価の有機基は、エステル官能基であり得る。各R19は独立して、4〜15個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基である。)
(式中、Z基は、3個以上の炭素原子、あるいは3〜15個の炭素原子を有する環式炭化水素基を表す。添字sは、1〜12の範囲の値を有し得る。Z基は、飽和又は芳香族であり得る。各R20は独立して水素原子、又は分枝状若しくは直鎖の一価の有機基である。R19の一価の有機基は、メチル、エチル又はブチルといった、アルキル基であり得る。あるいは、R20の一価の有機基は、エステル官能基であり得る。各R19は独立して、4〜15個の炭素原子のアルキル基といった、分枝状又は直鎖の一価の炭化水素基である。)
好適な有機可塑剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。可塑剤は、フタル酸塩(例えば、フタル酸ジアルキル(例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジへプチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、又はフタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ビス(2−プロピルへプチル)、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル)、フタル酸ベンジルブチル、及びテレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル))、ジカルボン酸塩(例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、2−エチルヘキシルメチル−1,4−ベンゼンジカルボキシレート、1,2シクロヘキサンジカルボン酸)、分枝状及び直鎖のジノニルエステル、アジピン酸ジイソノニル、トリメリト酸塩(例えば、トリメリト酸トリオクチル)、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサノエート)、トリアセチン、非芳香族二塩基酸エステル(例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル及びコハク酸ジイソデシル)、脂肪族エステル(例えば、オレイン酸ブチル及びアセチルリシノール酸メチル(methyl acetyl recinolate))、リン酸塩(例えば、リン酸トリクレシル及びリン酸トリブチル)、塩素化パラフィン、炭化水素油(例えば、アルキルジフェニル及び部分水素添加テルフェニル)、加工油、エポキシ可塑剤(例えば、エポキシ化大豆油及びベンジルエポキシステアレート)、トリス(2−エチルヘキシル)エステル、脂肪酸エステル、及びこれらの組み合わせを含み得る。好適な可塑剤及びそれらの供給業者の例としては、下表において以下に列挙されているものが挙げられる。
あるいは、ポリマー可塑剤を使用することもできる。ポリマー可塑剤の例としては、様々な方法によりビニル若しくはアリールモノマーを重合することによって得られるアルケニルポリマー;ポリアルキレングリコールエステル(例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、及びペンタエリスリトールエステル);二塩基酸(例えば、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸及びフタル酸)と二価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール及びジプロピレングリコール)から得られるポリエステル可塑剤;それぞれ500以上の分子量を有するポリエーテルポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール)とポリスチレン(例えば、ポリスチレン及びポリ−α−メチルスチレン)とを含むポリエーテル;並びに、ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエンアクリロニトリル及びポリクロロプレンが挙げられる。
有機可塑剤が存在する場合、有機可塑剤の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて、5〜150重量部の範囲であり得る。
成分(E)について上述したポリオルガノシロキサン増量剤及び有機可塑剤は、それぞれ単独で、又は、これらを2つ以上組み合わせて、のいずれかで使用され得る。低分子量有機可塑剤と高分子量ポリマー可塑剤を組み合わせて使用してもよい。組成物中で使用される成分(E)の正確な量は、組成物及びその硬化生成物の所望される最終用途といった様々な因子によって異なる。しかしながら、成分(E)の量は、組成物中の全成分の総重量に基づいて0.1〜10重量%の範囲であり得る。
成分(F)充填剤
成分(F)は、充填剤である。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、伝導性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、組成物は、場合により、成分(f1)補強充填剤を更に含み得、これは、存在する場合には、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%の範囲の量で添加され得る。成分(f1)の正確な量は、組成物の反応生成物の形態、及び、他の充填剤が添加されるかどうか、といった様々な因子によって異なる。好適な補強充填剤の例としては、補強シリカ充填剤(例えば、ヒュームシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル及び沈殿シリカ)が挙げられる。ヒュームドシリカは、当該技術分野において既知であり、市販されている:例えば、Cabot Corporation(Massachusetts,U.S.A.)から名称CAB−O−SILで販売されているヒュームドシリカ。
成分(F)は、充填剤である。充填剤は、補強充填剤、増量充填剤、伝導性充填剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、組成物は、場合により、成分(f1)補強充填剤を更に含み得、これは、存在する場合には、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%の範囲の量で添加され得る。成分(f1)の正確な量は、組成物の反応生成物の形態、及び、他の充填剤が添加されるかどうか、といった様々な因子によって異なる。好適な補強充填剤の例としては、補強シリカ充填剤(例えば、ヒュームシリカ、シリカエアロゲル、シリカキセロゲル及び沈殿シリカ)が挙げられる。ヒュームドシリカは、当該技術分野において既知であり、市販されている:例えば、Cabot Corporation(Massachusetts,U.S.A.)から名称CAB−O−SILで販売されているヒュームドシリカ。
組成物は、場合により、成分(f2)増量充填剤を、組成物の0.1〜95重量%、あるいは1〜60重量%、あるいは1〜20重量%の範囲の量で更に含み得る。増量充填剤の例としては、破砕石英、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム(例えば、軽質炭酸カルシウム)、酸化亜鉛、タルク、珪藻土、酸化鉄、粘土、雲母、白亜、二酸化チタン、ジルコニア、砂、カーボンブラック、グラファイト、又はこれらの組み合わせが挙げられる。増量充填剤は、当該技術分野において既知であり、例えば、U.S.Silica(Berkeley Springs,WV)により名称MIN−U−SILで販売されている破砕シリカといったように、市販されている。好適な軽質炭酸カルシウムとしては、SolvayからのWinnofil(登録商標)SPM、並びに、SMIからのUltrapflex(登録商標)及びUltrapflex(登録商標)100が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(f3)伝導性充填剤を更に含む。伝導性充填剤は、熱伝導性又は導電性であってよく、あるいはいずれもであってもよい。伝導性充填剤は、当該技術分野において既知であり、金属粒子(例えば、アルミニウム、銅、金、ニッケル、銀、及びこれらの組み合わせ);非伝導性基材上にコーティングされたこのような金属;金属酸化物(例えば、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛及びこれらの組み合わせ)、溶融性充填剤(例えば、はんだ)、窒化アルミニウム、アルミニウム三水和物、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、炭素繊維、ダイヤモンド、グラファイト、水酸化マグネシウム、オニキス、炭化ケイ素、炭化タングステン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
あるいは、他の充填剤が組成物に添加されてもよく、タイプ及び量は、組成物の硬化生成物の最終用途などの因子によって異なる。このような他の充填剤の例としては、磁気粒子(例えば、フェライト)、及び誘電性粒子(例えば、溶融ガラス微小球、チタニア、及び炭酸カルシウム)が挙げられる。
成分(G)処理剤
組成物は、場合により、成分(G)処理剤を更に含み得る。成分(G)の量は、選択される処理剤のタイプ、処理される粒子のタイプ及び量、粒子が組成物の添加前に処理されるのかどうか、又は、粒子がその場で処理されるのかどうか、といった因子に応じて変動する。しかしながら、成分(G)は、組成物の0.01〜20重量%、あるいは0.1〜15重量%、あるいは0.5〜5重量%の範囲の量で使用され得る。粒子、例えば、充填剤、物理的乾燥剤、特定の難燃剤、特定の顔料、及び/又は、特定の水放出剤は、存在する場合には、場合により、成分(G)で表面処理され得る。粒子は、組成物に添加される前に、又は、その場にて、成分(G)で処理され得る。成分(G)は、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環式ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン、又はメチルフェニルシロキサン、又は脂肪酸を含み得る。脂肪酸の例としては、ステアリン酸カルシウムといったステアリン酸塩が挙げられる。
組成物は、場合により、成分(G)処理剤を更に含み得る。成分(G)の量は、選択される処理剤のタイプ、処理される粒子のタイプ及び量、粒子が組成物の添加前に処理されるのかどうか、又は、粒子がその場で処理されるのかどうか、といった因子に応じて変動する。しかしながら、成分(G)は、組成物の0.01〜20重量%、あるいは0.1〜15重量%、あるいは0.5〜5重量%の範囲の量で使用され得る。粒子、例えば、充填剤、物理的乾燥剤、特定の難燃剤、特定の顔料、及び/又は、特定の水放出剤は、存在する場合には、場合により、成分(G)で表面処理され得る。粒子は、組成物に添加される前に、又は、その場にて、成分(G)で処理され得る。成分(G)は、アルコキシシラン、アルコキシ官能性オリゴシロキサン、環式ポリオルガノシロキサン、ヒドロキシル官能性オリゴシロキサン、例えば、ジメチルシロキサン、又はメチルフェニルシロキサン、又は脂肪酸を含み得る。脂肪酸の例としては、ステアリン酸カルシウムといったステアリン酸塩が挙げられる。
成分(G)として使用できる一部の代表的な有機ケイ素充填剤処理剤としては、シリカ充填剤を処理するのに通常使用される組成物、例えば、オルガノクロロシラン、オルガノシロキサン、オルガノシラザン(例えば、ヘキサアルキルジシラザン)、及びオルガノアルコキシシラン、例えば、C6H13Si(OCH3)3、C8H17Si(OC2H5)3、C10H21Si(OCH3)3、C12H25Si(OCH3)3、C14H29Si(OC2H5)3、及びC6H5CH2CH2Si(OCH3)3が挙げられる。使用できる他の処理剤としては、アルキルチオール、脂肪酸、チタン酸塩、チタン酸塩カップリング剤、ジルコン酸塩カップリング剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(G)は、式:R13 oSi(OR14)(4−p)を有するアルコキシシランを含んでよい。(式中、添字pは1〜3の範囲の値を有し得、あるいは添字pは3である。各R13は独立して、1〜50個の炭素原子、あるいは8〜30個の炭素原子、あるいは8〜18個の炭素原子の一価の炭化水素基といった、一価の有機基である。R13としては、ヘキシル、オクチル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル及びオクタデシルなどのアルキル基、並びにベンジル及びフェニルエチルなどの芳香族基が挙げられる。R13は、飽和又は不飽和、並びに、分枝状又は非分枝状であり得る。あるいは、R13は、飽和及び非分枝状であり得る。
各R14は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。)成分(G)は、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、フェニルエチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせにより例示される。
アルコキシ官能性オリゴシロキサンはまた、処理剤としても使用され得る。例えば、好適なアルコキシ官能性オリゴシロキサンとしては、式(R15O)qSi(OSiR16 2R17)(4−q)のものが挙げられる。この式中、添字qは1、2、又は3であり、あるいは添字qは3である。各R15は、アルキル基であり得る。各R16は、1〜10個の炭素原子の不飽和一価の炭化水素基であり得る。各R17は、少なくとも10個の炭素原子を有する不飽和一価の炭化水素基であり得る。
金属充填剤などの特定の粒子は、アルキルチオール(例えば、オクタデシルメルカプタン)、脂肪酸(例えば、オレイン酸及びステアリン酸)、及びこれらの組み合わせで処理され得る。
他の処理剤としては、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンが挙げられる。好適なアルケニル官能性ポリオルガノシロキサンとしては、限定するものではないが、以下のものが挙げられる。
(式中、添字rは、1,500以下の値を有する。)
(式中、添字rは、1,500以下の値を有する。)
あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンが、処理剤として有用である。充填剤の表面を処理するためのこの方法は、相溶性の部分を充填剤表面に繋ぎ止める手段として、集積している又は分散している又はその両方のいずれかの多数の水素結合を利用する。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合可能なケイ素結合基を1分子当たり平均で少なくとも1個有する。この基は、多数のヒドロキシル官能基を有する有機基、又は、少なくとも1個のアミノ官能基を有する有機基から選択され得る。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、水素結合が、充填剤に対するポリオルガノシロキサンにとっての主な取り付け様式であることを意味する。ポリオルガノシロキサンは、充填剤と共有結合を形成できなくてもよい。ポリオルガノシロキサンは、縮合可能なシリル基(例えば、ケイ素が結合したアルコキシ基、シラザン、及びシラノール)を含まなくてもよい。水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマー、アミノ官能性ポリオルガノシロキサン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択され得る。あるいは、水素結合可能なポリオルガノシロキサンは、糖−シロキサンポリマーであり得る。
成分(H)殺生物剤
成分(H)は、殺生物剤である。成分(H)の量は、選択される殺生物剤のタイプ及び所望される効果といった因子に応じて変動する。しかしながら、成分(H)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0重量%超〜5重量%の範囲であり得る。成分(H)は、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、又はこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(H)は、殺生物剤である。成分(H)の量は、選択される殺生物剤のタイプ及び所望される効果といった因子に応じて変動する。しかしながら、成分(H)の量は、組成物の全成分の重量に基づいて0重量%超〜5重量%の範囲であり得る。成分(H)は、(h1)殺真菌剤、(h2)除草剤、(h3)殺虫剤、又はこれらの組み合わせにより、例示される。
成分(h1)は、殺真菌剤であり、例えば、殺真菌剤としては、N−置換ベンゾイミダゾールカルバメート、ベンゾイミダゾリルカルバメート(例えば、メチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、エチル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、イソプロピル2−ベンゾイミダゾリルカルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−5−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[2−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エチルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)−6−メチルベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、イソプロピルN−{2−[1−(N−メチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{1−(N,N−ジメチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[N−メチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−プロピルカルバモイル)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、エトキシエチルN−{2−[1−(N−ブチルカルバモイルオキシ)ベンゾイミダゾリル]}カルバメート、メチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−クロロベンゾイミダゾリル]}カルバメート、及びメチルN−{2−[1−(N,N−ジメチルカルバモイル)−6−ニトロベンゾイミダゾリル]}カルバメート)、10,10’−オキシビスフェノキサルシン(商品名:Vinyzene,OBPA)、ジ−ヨードメチル−パラ−トリルスルホン、ベンゾチオフェン−2−シクロヘキシルカルボキサミド−S,S−ジオキシド、N−(フルオロジクロリド(fluordichloride)メチルチオ)フタルイミド(商品名:Fluor−Folper,Preventol A3)、メチル−ベンゾイミダゾール−2−イルカルバメート(商品名:Carbendazim,Preventol BCM)、亜鉛−ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)(亜鉛ピリチオン)2−(4−チアゾリル)−ベンゾイミダゾール、N−フェニル−ヨードプロパルギルカルバメート、N−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロリド−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、及び/又は、トリアゾリル化合物(例えば、銀を含有するゼオライトと組み合わせたテブコナゾール)が挙げられる。
成分(h2)は除草剤であり、例えば、好適な除草剤としては、アミド系除草剤(例えば、アリドクロルN,N−ジアリール−2−クロロアセトアミド、CDEA 2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド、エトニプロミド(RS)−2−[5−(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロフェノキシ]−N−エチルプロピオンアミド)、アニリド系除草剤(例えば、シサニリドシス−2,5−ジメチルピロリジン−1−カルボキシアニリド、フルフェナセット4’−フルオロ−N−イソプロピル−2−[5−(トリフルオロメチル)−1,3,4−チアジアゾール−2−イルオキシ]アセトアニリド、ナプロアニリド(RS)−α−2−ナフトキシプロピオンアニリド)、アリールアラニン系除草剤(例えば、ベンゾイルプロップN−ベンゾイル−N−(3,4−ジクロロフェニル)−DL−アラニン、フラムプロップ−M N−ベンゾイル−N−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−D−アラニン)、クロロアセトアニリド系除草剤(例えば、ブタクロールN−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド、メタザクロル2−クロロ−N−(ピラゾール−1−イルメチル)アセト−2’,6’−キシリジド、プリナクロル(RS)−2−クロロ−N−(1−メチルプロパ−2−イニル)アセトアニリド)、スルホンアニリド系除草剤(例えば、クロランスラム3−クロロ−2−(5−エトキシ−7−フルオロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−イルスルホンアミド)安息香酸、メトスラム2’,6’−ジクロロ−5,7−ジメトキシ−3’−メチル[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、抗生物質系除草剤(例えば、ビラナホス4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−L−ホモアラニル−L−アラニル−L−アラニン)、安息香酸系除草剤(例えば、クロランベン3−アミノ−2,5−ジクロロ安息香酸、2,3,6−TBA 2,3,6−トリクロロ安息香酸)、ピリミジニルオキシ安息香酸系除草剤(例えば、ビスピリバック2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安息香酸)、ピリミジニルチオ安息香酸系除草剤(例えば、ピリチオバック2−クロロ−6−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)安息香酸)、フタル酸系除草剤(例えば、クロルタールテトラクロロテレフタル酸)、ピコリン酸系除草剤(例えば、アミノピラリド4−アミノ−3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸)、キノリンカルボン酸系除草剤(例えば、キンクロラック3,7−ジクロロキノリン−8−カルボン酸)、ヒ素系除草剤(例えば、CMAカルシウムビス(水素メチルアルソネート)、MAMAアンモニウム水素メチルアルソネート、亜ヒ酸ナトリウム)、ベンソイルシクロヘキサンジオン系除草剤(例えば、メソトリオン2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン)、ベンゾフラニルアルキルスルホネート系除草剤(例えば、ベンフレセート2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチルベンゾフラン−5−イルエタンスルホネート)、カルバミン酸塩系除草剤(例えば、カルボキサゾールメチル5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イルカルバメート、フェナスラム(fenasulam)メチル4−[2−(4−クロロ−o−トリルオキシ)アセトアミド]フェニルスルホニルカルバメート)、カルバニル酸塩系除草剤(例えば、BCPC(RS)−sec−ブチル3−クロロカルバニレート、デスメジファムエチル3−フェニルカルバモイルオキシフェニルカルバニレート、スウェップメチル3,4−ジクロロカルバニレート)、シクロヘキセンオキシム系除草剤(例えば、ブトロキシジム(RS)−(EZ)−5−(3−ブチリル−2,4,6−トリメチルフェニル)−2−(1−エトキシイミノプロピル)−3−ヒドロキシシクロヘキサ−2−エン−1−オン、テプラロキシジム(RS)−(EZ)−2−{1−[(2E)−3−クロロアリールオキシイミノ]プロピル}−3−ヒドロキシ−5−ペルヒドロピラン−4−イルシクロヘキサ−2−エン−1−オン)、シクロプロピルイソオキサゾール系除草剤(例えば、イソキサクロルトール4−クロロ−2−メシルフェニル5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−4−イルケトン)、ジカルボキシミド系除草剤(例えば、フルメジン2−メチル−4−(α,α,α−トリフルオロ−m−トリル)−1,2,4−オキサジアジナン−3,5−ジオン)、ジニトロアニリン系除草剤(例えば、エタルフルラリンN−エチル−α,α,α−トリフルオロ−N−(2−メチルアリール)−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、プロジアミン5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−o−トルイジン)、ジニトロフェノール系除草剤(例えば、ジノプロップ4,6−ジニトロ−o−シメン−3−オール、エチノフェンα−エトキシ−4,6−ジニトロ−o−クレゾール)、ジフェニルエーテル系除草剤(例えば、エトキシフェンO−[2−クロロ−5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)ベンゾイル]−L乳酸)、ニトロフェニルエーテル系除草剤(例えば、アクロニフェン2−クロロ−6−ニトロ−3−フェノキシアニリン、ニトロフェン2,4−ジクロロフェニル4−ニトロフェニルエーテル)、ジチオカルバメート系除草剤(例えば、ダゾメット3,5−ジメチル−1,3,5−チアジアジナン−2−チオン)、ハロゲン化脂肪族系除草剤(例えば、ダラポン2,2−ジクロロプロピオン酸)、クロロ酢酸)、イミダゾリノン系除草剤(例えば、イマザピル(RS)−2−(4−イソプロピル−4−メチル−5−オキソ−2−イミダゾリン−2−イル)ニコチン酸)、無機除草剤(例えば、四ホウ酸二ナトリウム十水和物、アジ化ナトリウム)、ニトリル系除草剤(例えば、クロロキシニル3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシベンゾニトリル、イオキシニル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−ヨードベンゾニトリル)、有機リン系除草剤(例えば、アニロホスS−4−クロロ−N−イソプロピルカルバニロイルメチルO,O−ジメチルホスホロジチオネート、グルホシネート4−[ヒドロキシ(メチル)ホスフィノイル]−DL−ホモアラニン、フェノキシ系除草剤(例えば、クロメプロップ(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド、フェンテラコール2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)エタノール)、フェノキシ酢酸系除草剤(例えば、MCPA(4−クロロ−2−メチルフェノキシ)酢酸)、フェノキシ酪酸系除草剤(例えば、MCPB 4−(4−クロロ−o−トリルオキシ)酪酸)、フェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、フェノプロップ(RS)−2−(2,4,5−トリクロロフェノキシ)プロピオン酸)、アリールオキシフェノキシプロピオン酸系除草剤(例えば、イソキサピリホップ(RS)−2−[2−[4−(3,5−ジクロロ−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオニル]イソオキサゾリジン)、フェニレンジアミン系除草剤(例えば、ジニトラミンN1,N1−ジエチル−2,6−ジニトロ−4−トリフルオロメチル−m−フェニレンジアミン)、ピラゾリルオキシアセトフェノン系除草剤(例えば、ピラゾキシフェン2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン)、ピラゾリルフェニル系除草剤(例えば、ピラフルフェン2−クロロ−5−(4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル)−4−フルオロフェノキシ酢酸)、ピリダジン系除草剤(例えば、ピリダフォル6−クロロ−3−フェニルピリダジン−4−オール)、ピリダジノン系除草剤(例えば、クロリダゾン5−アミノ−4−クロロ−2−フェニルピリダジン−3(2H)−オン、オキサピラゾン5−ブロモ−1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1−フェニルピリダジン−4−イルオキサム酸)、ピリジン系除草剤(例えば、フルロキシピル4−アミノ−3,5−ジクロロ−6−フルオロ−2−ピリジルオキシ酢酸、チアゾピルメチル2−ジフルオロメチル−5−(4,5−ジヒドロ−1,3−チアゾール−2−イル)−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルニコチネート)、ピリミジンジアミン除草剤(例えば、イプリダム6−クロロ−N4−イソプロピルピリミジン−2,4−ジアミン)、四級アンモニウム系除草剤(例えば、ジエタムクアット1,1’−ビス(ジエチルカルバモイルメチル)−4,4’−ビピリジニウム、パラクアット1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジニウム)、チオカルバメート系除草剤(例えば、シクロエートS−エチルシクロヘキシル(エチル)チオカルバメート、チオカルバジルS−ベンジルジ−sec−ブチルチオカルバメート)、チオカルボネート除草剤(例えば、EXD O,O−ジエチルジチオビス(チオホルメート))、チオ尿素系除草剤(例えば、メチウロン1,1−ジメチル−3−m−トリル−2−チオ尿素)、トリアジン系除草剤(例えば、トリアジフラム(RS)−N−[2−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチルエチル]−6−(1−フルオロ−1−メチルエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、クロロトリアジン系除草剤(例えば、シプラジン6−クロロ−N2−シクロプロピル−N4−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、プロパジン6−クロロ−N2,N4−ジ−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メトキシトリアジン系除草剤(例えば、プロメトンN2,N4−ジ−イソプロピル−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン)、メチルチオトリアジン系除草剤(例えば、シアナトリン2−(4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)−2−メチルプロピオニトリル)、トリアジノン系除草剤(例えば、ヘキサジノン3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4(1H,3H)−ジオン)、トリアゾール系除草剤(例えば、エプロナズN−エチル−N−プロピル−3−プロピルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド)、トリアゾロン系除草剤(例えば、カルフェントラゾン(RS)−2−クロロ−3−{2−クロロ−5−[4−(ジフルオロメチル)−4,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]−4−フルオロフェニル}プロピオン酸)、トリアゾールピリミジン系除草剤(例えば、フロラスラム2’,6’,8−トリフルオロ−5−メトキシ[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン−2−スルホンアニリド)、ウラシル系除草剤(例えば、フルプロパシルイソプロピル2−クロロ−5−(1,2,3,6−テトラヒドロ−3−メチル−2,6−ジオキソ−4−トリフルオロメチルピリミジン−1−イル)ベンゾエート)、尿素系除草剤(例えば、シクルロン3−シクロ−オクチル−1,1−ジメチル尿素、モニソウロン(monisouron)1−(5−tert−ブチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−3−メチル尿素)、フェニル尿素系除草剤(例えば、クロロクスロン3−[4−(4−クロロフェノキシ)フェニル]−1,1−ジメチル尿素、シデュロン1−(2−メチルシクロヘキシル)−3−フェニル尿素)、ピリミジニルスルホニル尿素系除草剤(例えば、フラザスルフロン1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)尿素、ピラゾスルフロン5−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸)、トリアジニルスルホニル尿素除草剤(例えば、チフェンスルフロン3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)チオフェン−2−カルボン酸)、チアジアゾリル尿素除草剤(例えば、テブチウロン1−(5−tert−ブチル−1,3,4−チアジアゾ
ール−2−イル)−1,3−ジメチル尿素)、並びに/又は、未分類の除草剤(例えば、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(tritac)(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オール、2,4−D、クロリムロン、及びフェノキサプロップ)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
ール−2−イル)−1,3−ジメチル尿素)、並びに/又は、未分類の除草剤(例えば、クロルフェナック(2,3,6−トリクロロフェニル)酢酸、メタゾール2−(3,4−ジクロロフェニル)−4−メチル−1,2,4−オキサジアゾリジン−3,5−ジオン、トリタック(tritac)(RS)−1−(2,3,6−トリクロロベンジルオキシ)プロパン−2−オール、2,4−D、クロリムロン、及びフェノキサプロップ)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(h3)は、殺虫剤である。好適な殺虫剤は、アトラジン、ダイアジノン、及びクロロピリホスにより、例示される。議論を進めるため、殺虫剤は、昆虫忌避剤(例えば、N,N−ジエチル−メタ−トルアミド)及びプレスロイド(例えば、ピレトリン)を包含するものとする。
成分(h4)は、抗菌剤である。好適な抗菌剤は市販されており、例えば、DOW CORNING(登録商標)5700及びDOW CORNING(登録商標)5772が挙げられ、これらはDow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からのものである。
あるいは、成分(H)は、例えば、ホウ素無水物、ホウ砂又は八ホウ酸二ナトリウム四水和物といったホウ素含有物質を含んでよく、これは殺虫剤、殺真菌剤、及び/又は難燃剤として機能し得る。
成分(J)難燃剤
成分(J)は、難燃剤である。好適な難燃剤としては、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム水和物、及びケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)、白金及び白金化合物を挙げることができる。あるいは、難燃剤は、ハロゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド(octabromordiphenyl oxide)、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリールエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVCから選択され得る。あるいは、難燃剤は、リン系難燃剤(例えば、(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、リン、環式リン酸塩、トリアリールホスフェート、ビス−メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート)、リン酸エステル(例えば、トリクレイル(tricreyl)、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル)、様々なアミンのリン酸塩(例えば、リン酸アンモニウム、トリオクチル、トリブチル又はトリス−ブトキシエチルホスフェートエステル)から選択され得る。他の難燃剤としては、テトラアルキル鉛化合物(例えば、テトラエチル鉛)、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、メラミン及び誘導体(例えば、メラミン塩)、グアニジン、ジシアンジアミド、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ三水和物、及び水酸化マグネシウムとアルミナ三水和物を挙げることができる。
成分(J)は、難燃剤である。好適な難燃剤としては、例えば、カーボンブラック、水酸化アルミニウム水和物、及びケイ酸塩(例えば、ウォラストナイト)、白金及び白金化合物を挙げることができる。あるいは、難燃剤は、ハロゲン系難燃剤(例えば、デカブロモジフェニルオキシド、オクタブロモジフェニルオキシド(octabromordiphenyl oxide)、ヘキサブロモシクロドデカン、デカブロモビフェニルオキシド、ジフェニルオキシベンゼン、エチレンビス−テトラブロモフタルアミド、ペンタブロモエチルベンゼン、ペンタブロモベンジルアクリレート、トリブロモフェニルマレイン酸イミド、テトラブロモビスフェニルA、ビス−(トリブロモフェノキシ)エタン、ビス−(ペンタブロモフェノキシ)エタン、ポリジブロモフェニレンオキシド、トリブロモフェニルアリールエーテル、ビス−ジブロモプロピルエーテル、テトラブロモフタル酸無水物、ジブロモネオペンチルグリコール、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、ペンタブロモジフェニルオキシド、トリブロモスチレン、ペンタブロモクロロシクロヘキサン、テトラブロモキシレン、ヘキサブロモシクロドデカン、臭素化ポリスチレン、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン、トリフルオロプロペン及びPVCから選択され得る。あるいは、難燃剤は、リン系難燃剤(例えば、(2,3−ジブロモプロピル)−ホスフェート、リン、環式リン酸塩、トリアリールホスフェート、ビス−メラミニウムペンテート、ペンタエリスリトール二環式ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、ホスフィンオキシドジオール、トリフェニルホスフェート、トリス−(2−クロロエチル)ホスフェート)、リン酸エステル(例えば、トリクレイル(tricreyl)、トリキシレニル、イソデシルジフェニル、エチルヘキシルジフェニル)、様々なアミンのリン酸塩(例えば、リン酸アンモニウム、トリオクチル、トリブチル又はトリス−ブトキシエチルホスフェートエステル)から選択され得る。他の難燃剤としては、テトラアルキル鉛化合物(例えば、テトラエチル鉛)、ペンタカルボニル鉄、メチルシクロペンタジエニルマンガントリカルボニル、メラミン及び誘導体(例えば、メラミン塩)、グアニジン、ジシアンジアミド、スルファミン酸アンモニウム、アルミナ三水和物、及び水酸化マグネシウムとアルミナ三水和物を挙げることができる。
難燃剤の量は、選択される難燃剤、及び溶媒が存在するかどうかといった因子に応じて変動する。しかしながら、組成物中の難燃剤の量は、組成物の全成分の総重量に基づいて0重量%超〜10重量%の範囲であり得る。
成分(K)表面改質剤
成分(K)は、表面改質剤である。好適な表面改質剤は、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤により、例示される。成分(k1)に好適な接着促進剤は、遷移金属キレート、ハイドロカーボンオキシシラン、例えば、アルコキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ、アミノ官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含み得る。接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R24 tR25 uSi(OR26)4−(t+u)を有するシランを含み得、式中、各R24は独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価有機基であり、R25は、接着促進基(例えば、アミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基)を有するSic結合置換基を少なくとも1個含有し、添字tは0〜2の範囲の値を有し、添字uは1又は2のいずれかであり、(t+u)の合計は3以下である。あるいは、接着促進剤は、上記シランの部分縮合体を含み得る。あるいは、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含み得る。
成分(K)は、表面改質剤である。好適な表面改質剤は、(k1)接着促進剤又は(k2)離型剤により、例示される。成分(k1)に好適な接着促進剤は、遷移金属キレート、ハイドロカーボンオキシシラン、例えば、アルコキシシラン、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせ、アミノ官能性シラン、又はこれらの組み合わせを含み得る。接着促進剤は、当該技術分野において既知であり、式R24 tR25 uSi(OR26)4−(t+u)を有するシランを含み得、式中、各R24は独立して、少なくとも3個の炭素原子を有する一価有機基であり、R25は、接着促進基(例えば、アミノ、エポキシ、メルカプト、又はアクリレート基)を有するSic結合置換基を少なくとも1個含有し、添字tは0〜2の範囲の値を有し、添字uは1又は2のいずれかであり、(t+u)の合計は3以下である。あるいは、接着促進剤は、上記シランの部分縮合体を含み得る。あるいは、接着促進剤は、アルコキシシランとヒドロキシ官能性ポリオルガノシロキサンの組み合わせを含み得る。
あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性化合物を含み得る。あるいは、接着促進剤は、不飽和又はエポキシ官能性アルコキシシランを含み得る。例えば、官能性アルコキシシランは、式R27 vSi(OR28)(4−v)を有することができ、添字vは1、2又は3であり、あるいは、添字vは1である。各R27は、独立して一価の有機基であるが、但し、少なくとも1つのR27は、不飽和有機基又はエポキシ官能性有機基である。R27のエポキシ官能性有機基は、3−グリシドキシプロピル及び(エポキシシクロヘキシル)エチルにより例示される。R27の不飽和有機基は、3−メタクリロイルオキシプロピル、3−アクリロイルオキシプロピル、並びに、ビニル、アリール、ヘキセニル、ウンデシレノイル(undecylenyl)などの不飽和一価の炭化水素基により例示される。各R28は、独立して、1〜4個の炭素原子、あるいは1〜2個の炭素原子の飽和炭化水素基である。R28は、メチル、エチル、プロピル及びブチルにより例示される。
好適なエポキシ官能性アルコキシシランの例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシラン、(エポキシシクロヘキシル)エチルジエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好適な不飽和アルコキシシランの例としては、ビニルトリメトキシシラン、アリールトリメトキシシラン、アリールトリエトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、ウンデシレノイル(undecylenyl)トリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、接着促進剤は、上記のようなヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの反応生成物、又は、ヒドロキシ末端ポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランの物理的ブレンドなどのエポキシ官能性シロキサンを含み得る。接着促進剤は、エポキシ官能性アルコキシシランとエポキシ官能性シロキサンの組み合わせを含み得る。例えば、接着促進剤は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランと、ヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの反応生成物と、の混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニルシロキサンの混合物、あるいは、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとヒドロキシ末端メチルビニル/ジメチルシロキサンコポリマーの混合物により、例示される。
あるいは、接着促進剤は、H2N(CH2)2Si(OCH3)3、H2N(CH2)2Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)5Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、H2N(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH3)3、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH2CH3)3、H2N(CH2)2SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)5SiCH3(OCH2CH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、H2N(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、CH3NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH3)2、C4H9NH(CH2)2NH(CH2)3SiCH3(OCH2CH3)2及びこれらの組み合わせにより例示されるアミノ官能性アルコキシシランなどのアミノ官能性シランを含み得る。
あるいは、接着促進剤は、遷移金属キレートを含み得る。好適な遷移金属キレートとしては、チタン酸塩、アセチルアセトナトジルコニウムなどのジルコン酸塩、アセチルアセトナトアルミニウムなどのアルミニウムキレート、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
成分(k2)は、離型剤である。好適な離型剤は、フッ素化化合物(例えば、フルオロ官能性シリコーン又はフルオロ官能性有機化合物)により、例示される。
あるいは、成分(K)にの表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の外観を変化させるために使用することができる。例えば、表面改質剤は、組成物の反応生成物の表面の光沢を増加させるために使用され得る。このような表面改質剤は、アルキル及びアリール基を有するポリジオルガノシロキサンを含み得る。例えば、DOW CORNING(登録商標)550流体は、Dow Corning Corporationから市販されている0.00013m2/s(125cSt)の粘度を有するトリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチル/メチルフェニル)シロキサンである。
あるいは、成分(K)は、亜麻仁油、桐油、大豆油、ヒマシ油、魚油、麻実油、綿実油、オイチシカ油及び菜種油といった、植物又は動物供給源から得られる天然油であり得る。
成分(K)の正確な量は、成分(K)として選択される表面改質剤のタイプ、並びに、組成物及びその反応生成物の最終用途といった、様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(K)は、存在する場合、組成物の重量に基づいて0.01〜50重量部、あるいは0.01〜10重量部、あるいは0.01〜5重量部の範囲の量で組成物に添加され得る。成分(K)は、1つの接着促進剤であってもよい。あるいは、成分(K)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる表面改質剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(L)鎖延長剤
鎖延長剤は、二官能性シラン及び二官能性シロキサンを含んでよく、これらは、架橋が生じる前にポリオルガノシロキサン鎖の長さを延長する。鎖延長剤は、硬化生成物の引張弾性率を減少させるために使用することができる。鎖延長剤と架橋剤は、成分(B)中の加水分解性置換基との反応において競合する。顕著な鎖延長を得るためには、二官能性シランは、これと共に使用される三官能性架橋剤よりもかなり高い反応性を有する必要がある。好適な鎖延長剤としては、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアセトアミドシラン又はアルケニルアルキルジアセトアミドシラン、特にメチルビニルジ(N−メチルアセトアミド)シラン又はジメチルジ(N−メチルアセトアミド)シラン)、ジアセトキシシラン(例えば、ジアルキルジアセトキシシラン又はアルキルアルケニルジアセトキシシラン)、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアミノシラン又はアルキルアルケニルジアミノシラン)、ジアルコキシシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン)、並びに、α−アミノアルキルジアルコキシアルキルシラン、2〜25の重合度を有し、1分子当たり平均で少なくとも2個の加水分解性基(例えば、アセトアミド又はアセトキシ又はアミノ又はアルコキシ又はアミド又はケトキシモ置換基)を有するポリジアルキルシロキサン、並びに、ジケトキシミノシラン(diketoximinosilanes)(例えば、ジアルキルケトキシミノシラン及びアルキルアルケニルジケトキシミノシラン)が挙げられる。成分(L)は、1つの鎖延長剤であってもよい。あるいは、成分(L)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる鎖延長剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
鎖延長剤は、二官能性シラン及び二官能性シロキサンを含んでよく、これらは、架橋が生じる前にポリオルガノシロキサン鎖の長さを延長する。鎖延長剤は、硬化生成物の引張弾性率を減少させるために使用することができる。鎖延長剤と架橋剤は、成分(B)中の加水分解性置換基との反応において競合する。顕著な鎖延長を得るためには、二官能性シランは、これと共に使用される三官能性架橋剤よりもかなり高い反応性を有する必要がある。好適な鎖延長剤としては、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアセトアミドシラン又はアルケニルアルキルジアセトアミドシラン、特にメチルビニルジ(N−メチルアセトアミド)シラン又はジメチルジ(N−メチルアセトアミド)シラン)、ジアセトキシシラン(例えば、ジアルキルジアセトキシシラン又はアルキルアルケニルジアセトキシシラン)、ジアミノシラン(例えば、ジアルキルジアミノシラン又はアルキルアルケニルジアミノシラン)、ジアルコキシシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン)、並びに、α−アミノアルキルジアルコキシアルキルシラン、2〜25の重合度を有し、1分子当たり平均で少なくとも2個の加水分解性基(例えば、アセトアミド又はアセトキシ又はアミノ又はアルコキシ又はアミド又はケトキシモ置換基)を有するポリジアルキルシロキサン、並びに、ジケトキシミノシラン(diketoximinosilanes)(例えば、ジアルキルケトキシミノシラン及びアルキルアルケニルジケトキシミノシラン)が挙げられる。成分(L)は、1つの鎖延長剤であってもよい。あるいは、成分(L)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる鎖延長剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(M)末端封鎖剤
成分(M)は、末端封鎖剤であり、これはM単位、すなわち、式R29 3SiO1/2のシロキサン単位を含む。(式中、各R29は独立して一価の炭化水素基などの、成分(B)とは反応性ではない一価の有機基を表す。)成分(M)は、一方の末端をトリオルガノシリル基(例えば、(CH3)3SiO−)により、もう一方の末端をヒドロキシル基により末端封鎖されたポリオルガノシロキサンを含み得る。成分(M)は、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)であり得る。ヒドロキシル末端基とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサンは、全ての末端基の50%超、あるいは75%超をヒドロキシル基として有し得る。ポリジメチルシロキサン中のトリオルガノシリル基の量は、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を制御するために使用することができる。理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、特定の硬化生成物における弾性率が低くなり得ると考えられている。成分(M)は、1つの末端封鎖剤であってもよい。あるいは、成分(M)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる末端封鎖剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(M)は、末端封鎖剤であり、これはM単位、すなわち、式R29 3SiO1/2のシロキサン単位を含む。(式中、各R29は独立して一価の炭化水素基などの、成分(B)とは反応性ではない一価の有機基を表す。)成分(M)は、一方の末端をトリオルガノシリル基(例えば、(CH3)3SiO−)により、もう一方の末端をヒドロキシル基により末端封鎖されたポリオルガノシロキサンを含み得る。成分(M)は、ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)であり得る。ヒドロキシル末端基とトリオルガノシリル末端基の両方を有するポリジオルガノシロキサンは、全ての末端基の50%超、あるいは75%超をヒドロキシル基として有し得る。ポリジメチルシロキサン中のトリオルガノシリル基の量は、組成物の縮合反応により調製される反応生成物の弾性率を制御するために使用することができる。理論に束縛されるものではないが、トリオルガノシリル末端基の濃度が高いほど、特定の硬化生成物における弾性率が低くなり得ると考えられている。成分(M)は、1つの末端封鎖剤であってもよい。あるいは、成分(M)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる末端封鎖剤を含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。
成分(N)非反応性結合剤
成分(N)は、非反応性のエラストマー有機ポリマーであり、すなわち、成分(B)と反応しないエラストマー有機ポリマーである。成分(N)は成分(B)と相溶性であり、すなわち、成分(N)は成分(B)と二相系を形成しない。成分(N)の気体及び水分透過性は低くてもよい。成分(N)は、30,000〜75,000の範囲のMnを有し得る。あるいは、成分(N)は、高分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーと低分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーとのブレンドであり得る。この場合、高分子量ポリマーは100,000〜600,000の範囲のMnを有し、低分子量ポリマーは900〜10,000、あるいは900〜3,000の範囲のMnを有する。Mnの範囲の下端の値は、成分(N)が成分(B)及び組成物の他の成分と相溶性を有するように、選択され得る。
成分(N)は、非反応性のエラストマー有機ポリマーであり、すなわち、成分(B)と反応しないエラストマー有機ポリマーである。成分(N)は成分(B)と相溶性であり、すなわち、成分(N)は成分(B)と二相系を形成しない。成分(N)の気体及び水分透過性は低くてもよい。成分(N)は、30,000〜75,000の範囲のMnを有し得る。あるいは、成分(N)は、高分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーと低分子量の非反応性エラストマー有機ポリマーとのブレンドであり得る。この場合、高分子量ポリマーは100,000〜600,000の範囲のMnを有し、低分子量ポリマーは900〜10,000、あるいは900〜3,000の範囲のMnを有する。Mnの範囲の下端の値は、成分(N)が成分(B)及び組成物の他の成分と相溶性を有するように、選択され得る。
成分(N)は、ポリイソブチレンを含み得る。ポリイソブチレンは当該技術分野において既知であり、市販されている。成分(N)として使用に好適な例としては、BASF Corporation(ドイツ)により商品名OPPANOL(登録商標)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。このようなポリイソブチレンを、以下表に要約する。
他のポリイソブチレンとしては、日油株式会社化成事業部(150−6019東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号恵比寿ガーデンプレイスタワー、日本)からの最高分子量の水素添加ポリイソブテンPARLEAM(登録商標)SV(POLYSYNLANE SV)(運動粘度(98.9℃)4700)といった異なるParleamグレードが挙げられる。他のポリイソブチレンは、ExxonMobil Chemical Co.(Baytown,Texas,U.S.A.)から市販されており、例としては、商品名VISTANEX(登録商標)(例えば、MML−80、MML−100、MML−120、及びMML−140)で流通しているポリイソブチレンが挙げられる。VISTANEX(登録商標)ポリイソブチレンは、鎖末端オレフィン結合のみを含有する長い直鎖マクロ分子から構成されるパラフィン系炭化水素である。VISTANEX(登録商標)MMポリイソブチレンは、70,000〜90,000の範囲の粘度平均分子量を有する。低分子量ポリイソブチレンとしては、VISTANEX(登録商標)LM(例えば、LM−MS(8,700〜10,000の範囲の粘度平均分子量、これもまたExxonMobil Chemical Co.製)及びVISTANEX LM−MH(10,000〜11,700の粘度平均分子量)、並びに、AmocoからのSoltex PB−24(Mn 950)及びIndopol(登録商標)H−100(Mn 910)及びIndopol(登録商標)H−1200(Mn 2100)が挙げられる。他のポリイソブチレンは、BP Chemicals(London,England)により商品名NAPVIS(登録商標)及びHYVIS(登録商標)で流通している。これらのポリイソブチレンとしては、NAPVIS(登録商標)200、D10及びDE3、並びに、HYVIS(登録商標)200が挙げられる。NAPVIS(登録商標)ポリイソブチレンは、900〜1300の範囲のMnを有し得る。
あるいは、成分(N)は、ブチルゴムを含み得る。あるいは、成分(N)は、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。SEBS及びSEPSブロックコポリマーは、当該技術分野において既知であり、Kraton Polymers U.S.LLC(Houston,Texas,U.S.A.)からKraton(登録商標)Gポリマーとして、及び、Kuraray America,Inc.(New York,NY,U.S.A.)からSeptonポリマーとして市販されている。あるいは、成分(N)は、ポリオレフィンプラストマーを含み得る。ポリオレフィンプラストマーは、当該技術分野において既知であり、Dow Chemical Company,Elastomers & Specialty Products Division(Midland,Michigan,U.S.A.)からAFFINITY(登録商標)GA 1900及びAFFINITY(登録商標)GA 1950として市販されている。
成分(N)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜50部、あるいは10部〜40部、あるいは5部〜35部の範囲であり得る。成分(N)は、1つの非反応性エラストマー有機ポリマーであり得る。あるいは、成分(K)は、以下の特性のうちの少なくとも1つが異なる2つ以上の異なる非反応性エラストマー有機ポリマーを含んでもよい:構造、粘度、平均分子量、ポリマー単位、及び配列。あるいは、成分(N)は、成分(B)が有機ポリマー主鎖を有するベースポリマーを含む場合に、組成物に添加され得る。
成分(O)老化防止添加剤
成分(O)は、老化防止添加剤である。老化防止添加剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。好適な酸化防止剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、及び、フェノール系酸化防止剤と安定剤の組み合わせが挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、完全立体障害フェノール及び部分障害フェノールを含む。あるいは、安定剤は、テトラメチル−ピペリジン誘導体のような立体障害アミンであってもよい。好適なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE、及びCiba Specialty Chemicals(U.S.A)からのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖の、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。紫外線安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル/セバケート、及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これら及び他のTINUVIN(登録商標)添加剤(例えば、TINUVIN(登録商標)765)は、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY,U.S.A.)から市販されている。他にも紫外線及び光安定剤は市販されており、ChemturaのLowLite、PolyOneのOnCap、E.I.du Pont de Nemours and Company(Delaware,U.S.A.)のLight Stabilizer 210により例示される。あるいは、例えば、組成物又はその硬化生成物から安定剤が外に出てしまう可能性を最小限に抑えるために、オリゴマーの(高分子量)安定剤が使用され得る。オリゴマーの酸化防止剤安定剤(特に障害アミン光安定剤(HALS))は、Ciba TINUVIN(登録商標)622であり、これは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルである。熱安定剤は、酸化鉄及びカーボンブラック、カルボン酸鉄、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウム及びオクタン酸ジルコニウム、並びにポルフィリンを含み得る。
成分(O)は、老化防止添加剤である。老化防止添加剤は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、熱安定剤、又はこれらの組み合わせを含み得る。好適な酸化防止剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。好適な酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、及び、フェノール系酸化防止剤と安定剤の組み合わせが挙げられる。フェノール系酸化防止剤は、完全立体障害フェノール及び部分障害フェノールを含む。あるいは、安定剤は、テトラメチル−ピペリジン誘導体のような立体障害アミンであってもよい。好適なフェノール系酸化防止剤としては、ビタミンE、及びCiba Specialty Chemicals(U.S.A)からのIRGANOX(登録商標)1010が挙げられる。IRGANOX(登録商標)1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を含む。紫外線吸収剤の例としては、分枝状及び直鎖の、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチル−フェノール(TINUVIN(登録商標)571)が挙げられる。紫外線安定剤の例としては、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピぺリジル/セバケート、及びこれらの組み合わせ(TINUVIN(登録商標)272)が挙げられる。これら及び他のTINUVIN(登録商標)添加剤(例えば、TINUVIN(登録商標)765)は、Ciba Specialty Chemicals(Tarrytown,NY,U.S.A.)から市販されている。他にも紫外線及び光安定剤は市販されており、ChemturaのLowLite、PolyOneのOnCap、E.I.du Pont de Nemours and Company(Delaware,U.S.A.)のLight Stabilizer 210により例示される。あるいは、例えば、組成物又はその硬化生成物から安定剤が外に出てしまう可能性を最小限に抑えるために、オリゴマーの(高分子量)安定剤が使用され得る。オリゴマーの酸化防止剤安定剤(特に障害アミン光安定剤(HALS))は、Ciba TINUVIN(登録商標)622であり、これは、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールと共重合したブタン二酸のジメチルエステルである。熱安定剤は、酸化鉄及びカーボンブラック、カルボン酸鉄、セリウム水和物、ジルコン酸バリウム、オクタン酸セリウム及びオクタン酸ジルコニウム、並びにポルフィリンを含み得る。
成分(O)の量は、選択される特定の老化防止添加剤及び所望される老化防止効果といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(O)の量は、組成物の重量に基づいて0〜5重量%、あるいは0.1〜4重量%、あるいは0.5〜3重量%の範囲であり得る。成分(O)は、1つの老化防止添加剤であってもよい。あるいは、成分(O)は、2つ以上の異なる老化防止添加剤であってもよい。
成分(P)水放出剤
成分(P)は、適用温度範囲にわたって水を放出する水放出剤である。成分(P)は、組成物と部分的又は完全に反応するのに十分な量の水を成分(P)が含有するように、並びに、使用温度(すなわち、組成物が使用される温度)に十分な時間にわたって曝露されたときに成分(P)が十分な量の水を放出するように、選択される。しかしながら、成分(P)は、組成物の製造工程の間及び組成物を貯蔵する間に過度の水が放出されないように水を十分に捕捉する。例えば、成分(P)は、組成物が使用される適用プロセスの間又はその後に、十分な水が組成物の縮合反応に利用可能であるように、組成物の混練中に水を十分に捕捉する。この「制御放出」特性はまた、過度の水が適用プロセス中にあまりにも急速に放出されないようにするという効果をもたらし得るが、それは、これが組成物の縮合反応により形成される反応組成物中に発泡又は空隙を生じ得るからである。軽質炭酸カルシウムは、適用温度が80℃〜120℃、あるいは90℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲である場合に、成分(P)として使用され得る。しかしながら、組成物が連続(二軸)混練装置で調製される場合、成分は、短い時間にわたって適合温度よりも20℃〜30℃高い温度にて混練され得る。それゆえに、成分(P)は、混練中に含水量の全てを放出せず、しかしながら、十分な時間にわたって適切な範囲の温度に曝露されると成分(P)が組成物の縮合反応に十分な量の水を放出するように、選択される。
成分(P)は、適用温度範囲にわたって水を放出する水放出剤である。成分(P)は、組成物と部分的又は完全に反応するのに十分な量の水を成分(P)が含有するように、並びに、使用温度(すなわち、組成物が使用される温度)に十分な時間にわたって曝露されたときに成分(P)が十分な量の水を放出するように、選択される。しかしながら、成分(P)は、組成物の製造工程の間及び組成物を貯蔵する間に過度の水が放出されないように水を十分に捕捉する。例えば、成分(P)は、組成物が使用される適用プロセスの間又はその後に、十分な水が組成物の縮合反応に利用可能であるように、組成物の混練中に水を十分に捕捉する。この「制御放出」特性はまた、過度の水が適用プロセス中にあまりにも急速に放出されないようにするという効果をもたらし得るが、それは、これが組成物の縮合反応により形成される反応組成物中に発泡又は空隙を生じ得るからである。軽質炭酸カルシウムは、適用温度が80℃〜120℃、あるいは90℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲である場合に、成分(P)として使用され得る。しかしながら、組成物が連続(二軸)混練装置で調製される場合、成分は、短い時間にわたって適合温度よりも20℃〜30℃高い温度にて混練され得る。それゆえに、成分(P)は、混練中に含水量の全てを放出せず、しかしながら、十分な時間にわたって適切な範囲の温度に曝露されると成分(P)が組成物の縮合反応に十分な量の水を放出するように、選択される。
好適な水放出剤の例は、金属塩水和物、水和分子篩、及びSolvayから商品名WINNOFIL(登録商標)SPMで入手可能な軽質炭酸カルシウムにより、例示される。選択される水放出剤は、組成物のために選択される他の成分(例えば、触媒のタイプ及び量)、混練、包装及び適用中のプロセス条件といった、様々な因子に応じて異なる。二軸混練装置において、滞留時間は、数分未満、典型的には1〜2分未満であり得る。成分は急速に加熱されるが、それは、容器における及び軸に沿った表面積/容積比が高く、成分をせん断することにより熱が生じるからである。どれだけの量の水が成分(P)から得られるかは、水結合能力、温度、曝露時間(持続時間)、及び混練装置の中を通過する組成物を剥離するために使用される真空のレベルに応じて異なる。理論に束縛されるものではないが、120℃の二軸混練温度では、組成物が90℃にて適用された場合、室温にて1〜2週間にわたる縮合反応により組成物を反応させるのに十分な水が軽質CaCO3上に残ると考えられる。
水放出剤は、例えば、ベースポリマーの水透過性が低い場合(例えば、ベースポリマーが有機ポリマー主鎖を有する場合)に、添加することができ、並びに/又は、組成物中の成分(P)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の選択、及び、任意の追加成分が存在するかどうかといった様々な因子に応じて異なるが、成分(P)の量は、組成物の重量に基づいて5〜30部の範囲であり得る。
理論に束縛されるものではないが、組成物を適用温度に加熱すると、熱は水を遊離させ、水は、成分(B)の加水分解性基と反応して組成物を硬化させると考えられる。組成物中に残されるアルコール及び/又は水などの副生成物は、乾燥剤により捕捉され得、これにより、縮合反応(平衡反応である)は完了に向かって進行する。
成分(Q)顔料
成分(Q)は、顔料である。議論を進めるため、用語「顔料」は、本明細書に記載の組成物の反応生成物に色を付与するのに使用される任意の成分を包含するものとする。顔料の量は、選択される顔料のタイプ及び反応生成物の所望される色合いといった様々な因子に応じて異なる。例えば、組成物は、組成物中の全成分の量に基づいて、0〜20重量%、あるいは0.001〜5重量%の顔料を含み得る。
成分(Q)は、顔料である。議論を進めるため、用語「顔料」は、本明細書に記載の組成物の反応生成物に色を付与するのに使用される任意の成分を包含するものとする。顔料の量は、選択される顔料のタイプ及び反応生成物の所望される色合いといった様々な因子に応じて異なる。例えば、組成物は、組成物中の全成分の量に基づいて、0〜20重量%、あるいは0.001〜5重量%の顔料を含み得る。
好適な顔料の例としては、インディゴ、二酸化チタンStan−Tone 50SP01 Green(PolyOneから市販されている)及びカーボンブラックが挙げられる。カーボンブラックの代表的な非限定例としては、Shawiniganアセチレンブラック(Chevron Phillips Chemical Company LPから市販されている)、SUPERJET(登録商標)カーボンブラック(LB−1011)(Elementis Pigments Inc.(Fairview Heights,IL U.S.A.)により供給されている)、SR 511(Sid Richardson Carbon Co,(Akron,OH U.S.A.)により供給されている)、並びに、N330、N550、N762、N990(Degussa Engineered Carbons(Parsippany,NJ,U.S.A.))が挙げられる。
成分(R)レオロジー添加剤
組成物は、場合により、組成物のレオロジーを改質するために、組成物の重量に基づいて最大で5重量%、あるいは1〜2重量%の成分(R)レオロジー添加剤を更に含み得る。レオロジー添加剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、ポリアミド、Evonkから市販されているPolyvest、King Industriesから市販されているDisparlon、Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp、Nanocorから市販されているRheospan、Lubrizolから市販されているIrcogelが挙げられる。他の好適なレオロジー添加剤としては、ポリアミド蝋、硬化ヒマシ油誘導体、及び金属石鹸(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸バリウム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
組成物は、場合により、組成物のレオロジーを改質するために、組成物の重量に基づいて最大で5重量%、あるいは1〜2重量%の成分(R)レオロジー添加剤を更に含み得る。レオロジー添加剤は、当該技術分野において既知であり、市販されている。例としては、ポリアミド、Evonkから市販されているPolyvest、King Industriesから市販されているDisparlon、Du Pontから市販されているKevlar Fibre Pulp、Nanocorから市販されているRheospan、Lubrizolから市販されているIrcogelが挙げられる。他の好適なレオロジー添加剤としては、ポリアミド蝋、硬化ヒマシ油誘導体、及び金属石鹸(例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸バリウム)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
あるいは、成分(R)は、25℃にて固体(蝋)である微結晶性ワックスを含み得る。融点は、所望される温度の適用範囲の下端にて蝋が融点を有するように、選択することができる。理論に束縛されるものではないが、成分(R)は、流動特性を改善する一方で、例えば、組成物を基材に適用した後に、組成物を数度冷却する際に生強度を急激に増大(すなわち、温度降下に伴って組成物から生成されるシールの負荷保持能力の増加に対応する粘度の大幅な増加)を可能にする加工助剤として働くと考えられる。理論に束縛されるものではないが、蝋の組み込みは、充填剤の組み込み、(組成物の製造中の)混練及び脱気、及び混合(多部構成組成物の複数の構成部分の適用中の静的又は動的混合)を促進し得ると考えられる。蝋は、溶融すると加工助剤として働き、混練中の組成物において充填剤の組み込み、混練プロセスそれ自体、並びに、使用される場合には脱気工程を容易にすると考えられる。蝋は、100℃以下の溶融温度では、単純な静的ミキサーでも、適用前の多部構成組成物の複数の構成部分の混合を促進し得る。蝋はまた、80℃〜110℃、あるいは90℃〜100℃の範囲の温度にて、良好なレオロジーを伴って、組成物の適用を促進し得る。
成分(R)としての使用に好適な蝋は、無極性炭化水素であり得る。蝋は、分枝状構造、環状構造、又はこれらの組み合わせを有し得る。例えば、石油微結晶性ワックスは、Strahl & Pitsch,Inc.(West Babylon,NY,U.S.A.)から入手可能であり、例としては、SP 96(62℃〜69℃の範囲の融点)、SP 18(73℃〜80℃の範囲の融点)、SP 19(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 26(76℃〜83℃の範囲の融点)、SP 60(79℃〜85℃の範囲の融点)、SP 617(88℃〜93℃の範囲の融点)、SP 89(90℃〜95℃の範囲の融点)、及びSP 624(90℃〜95℃の範囲の融点)が挙げられる。他の石油微晶蝋としては、Crompton Corporation(Petrolia,Pennsylvania,U.S.A.)から商品名Multiwaxで流通している蝋が挙げられる。これらの蝋としては、180−W(飽和分枝状及び環状無極性炭化水素を含み、79℃〜87℃の範囲の融点を有する)、Multiwax(登録商標)W−445(飽和分枝状及び環状無極性炭化水素を含み、76℃〜83℃の範囲の融点を有する)、並びに、Multiwax(登録商標)W−835(飽和分枝状及び環状無極性炭化水素を含み、73℃〜80℃の範囲の融点を有する)が挙げられる。
成分(R)の量は、選択される特定のレオロジー添加剤及び組成物の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、成分(R)の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部、あるいは1部〜15部、あるいは1部〜5部の範囲であり得る。成分(R)は、1つのレオロジー添加剤であってもよい。あるいは、成分(R)は、2つ以上の異なるレオロジー添加剤を含んでもよい。
成分(S)溶媒
組成物には溶媒を使用してもよい。溶媒は、組成物の流動及びシリコーン樹脂のような特定の成分の導入を促進し得る。本明細書で使用される溶媒は、組成物の成分の流動化を促進するがこれらの成分のいずれとも本質的に反応しないものである。溶媒は、組成物中の成分の溶解性及び揮発性に基づいて選択され得る。「溶解性」は、溶媒が組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分であることを指す。「揮発性」は、溶媒の蒸気圧を指す。溶媒の揮発性が高すぎる(高すぎる蒸気圧を有する)場合、適用温度にて組成物中に気泡が生じル場合があり、この気泡は破裂を生じる、又は他の方法により硬化組成物の特性を弱める、又は負の影響を与える恐れがある。しかしながら、溶媒が十分に揮発性でない(蒸気圧が低すぎる)場合には、溶媒は、組成物の反応生成物において可塑剤のままとなる、又は反応生成物が物理特性を発現する時間が所望されるよりも長くなる恐れがある。
組成物には溶媒を使用してもよい。溶媒は、組成物の流動及びシリコーン樹脂のような特定の成分の導入を促進し得る。本明細書で使用される溶媒は、組成物の成分の流動化を促進するがこれらの成分のいずれとも本質的に反応しないものである。溶媒は、組成物中の成分の溶解性及び揮発性に基づいて選択され得る。「溶解性」は、溶媒が組成物の成分を溶解及び/又は分散させるのに十分であることを指す。「揮発性」は、溶媒の蒸気圧を指す。溶媒の揮発性が高すぎる(高すぎる蒸気圧を有する)場合、適用温度にて組成物中に気泡が生じル場合があり、この気泡は破裂を生じる、又は他の方法により硬化組成物の特性を弱める、又は負の影響を与える恐れがある。しかしながら、溶媒が十分に揮発性でない(蒸気圧が低すぎる)場合には、溶媒は、組成物の反応生成物において可塑剤のままとなる、又は反応生成物が物理特性を発現する時間が所望されるよりも長くなる恐れがある。
好適な溶媒としては、好適な蒸気圧を有するポリオルガノシロキサン、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン及び他の低分子量ポリオルガノシロキサン、例えば、5E−7〜1.5E−6m2/s(0.5〜1.5センチストークス(cSt))のDow Corning(登録商標)200流体及びDOW CORNING(登録商標)OS流体(これらは、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている)が挙げられる。
あるいは、溶媒は有機溶媒であり得る。有機溶媒は、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn−プロパノール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン)、グリコールエーテル(例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、又はエチレングリコールn−ブチルエーテル)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、1,1,1−トリクロロエタン、又は塩化メチレン)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ホワイトスピリット、ミネラルスピリット、ナフサ、n−メチルピロリドン、又はこれらの組み合わせであり得る。
溶媒の量は、選択される溶媒のタイプ並びに組成物のために選択される他の成分の量及びタイプといった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、溶媒の量は、組成物の1〜99重量%、あるいは2〜50重量%の範囲であり得る。
成分(T)粘着付与剤
組成物は、場合により、成分(T)粘着付与剤を更に含み得る。粘着付与剤は、脂肪族炭化水素樹脂、例えば、6〜20個の炭素原子を有する水素添加ポリオレフィン、水素添加テルペン樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせを含み得る。粘着付与樹脂は、市販されている。脂肪族炭化水素樹脂は、Exxon ChemicalからのESCOREZ 1102、1304、1310、1315及び5600、EastmanからのEastotac樹脂(例えば、100℃の環球式軟化点を有するEastotac H−100、115℃の環球式軟化点を有するEastotac H−115E、及び130℃の環球式軟化点を有するEastotac H−130L)により、例示される。水素添加テルペン樹脂は、荒川化学工業株式会社のArkon P 100、及びGoodyearのWingtack 95により、例示される。水素添加ロジングリセロールエステルは、HerculesのStaybelite Ester 10及びForalにより、例示される。市販のポリテルペンの例としては、HerculesのPiccolyte A125が挙げられる。脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族樹脂としては、Exxon ChemicalのECR 149B又はECR 179Aが挙げられる。あるいは、固体粘着付与剤(すなわち、25℃以上の環球式軟化点を有する粘着付与剤)が添加され得る。好適な粘着付与剤としては、任意の適合性樹脂又はこれらの混合物、例えば、(1)天然又は変性ロジン(例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、揮発ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン)、(2)天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル(例えば、ペール、ウッドロジン(pale,wood rosin)のグリセロールエステル、水素添加ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル、(3)天然テルペン(例えば、スチレン/テルペン及びα−メチルスチレン/テルペン)のコポリマー及びターポリマー、(4)ASTM方法E28,58Tにより測定した場合に60℃〜150℃の範囲の軟化点を有するポリテルペン樹脂(後者のポリテルペン樹脂は一般に、やや低温にてフリーデル・クラフツ触媒の存在下でピネンとして知られる二環式モノテルペンのようなテルペン炭化水素の重合から生じ、また、水素添加ポリテルペン樹脂も含まれる)、(5)(例えば、酸性媒質中で二環式テルペンとフェノールの縮合から生じる樹脂生成物としての)フェノール系変性テルペン樹脂及びこれらの水素添加誘導体、(6)60℃〜135℃の範囲の環球式軟化点を有する脂肪族石油炭化水素樹脂(後者の樹脂は、主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から生じ、水素添加脂肪族石油炭化水素樹脂も含む)、(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びこれらの水素添加誘導体、並びに(8)脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びこれらの水素添加誘導体が挙げられる。粘着付与剤の量は、選択される特定の粘着付与剤及び組成物中の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、粘着付与剤の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部の範囲であり得る。
組成物は、場合により、成分(T)粘着付与剤を更に含み得る。粘着付与剤は、脂肪族炭化水素樹脂、例えば、6〜20個の炭素原子を有する水素添加ポリオレフィン、水素添加テルペン樹脂、ロジンエステル、水素添加ロジングリセロールエステル、又はこれらの組み合わせを含み得る。粘着付与樹脂は、市販されている。脂肪族炭化水素樹脂は、Exxon ChemicalからのESCOREZ 1102、1304、1310、1315及び5600、EastmanからのEastotac樹脂(例えば、100℃の環球式軟化点を有するEastotac H−100、115℃の環球式軟化点を有するEastotac H−115E、及び130℃の環球式軟化点を有するEastotac H−130L)により、例示される。水素添加テルペン樹脂は、荒川化学工業株式会社のArkon P 100、及びGoodyearのWingtack 95により、例示される。水素添加ロジングリセロールエステルは、HerculesのStaybelite Ester 10及びForalにより、例示される。市販のポリテルペンの例としては、HerculesのPiccolyte A125が挙げられる。脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族樹脂としては、Exxon ChemicalのECR 149B又はECR 179Aが挙げられる。あるいは、固体粘着付与剤(すなわち、25℃以上の環球式軟化点を有する粘着付与剤)が添加され得る。好適な粘着付与剤としては、任意の適合性樹脂又はこれらの混合物、例えば、(1)天然又は変性ロジン(例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、揮発ロジン、水素添加ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン)、(2)天然又は変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル(例えば、ペール、ウッドロジン(pale,wood rosin)のグリセロールエステル、水素添加ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素添加ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル、(3)天然テルペン(例えば、スチレン/テルペン及びα−メチルスチレン/テルペン)のコポリマー及びターポリマー、(4)ASTM方法E28,58Tにより測定した場合に60℃〜150℃の範囲の軟化点を有するポリテルペン樹脂(後者のポリテルペン樹脂は一般に、やや低温にてフリーデル・クラフツ触媒の存在下でピネンとして知られる二環式モノテルペンのようなテルペン炭化水素の重合から生じ、また、水素添加ポリテルペン樹脂も含まれる)、(5)(例えば、酸性媒質中で二環式テルペンとフェノールの縮合から生じる樹脂生成物としての)フェノール系変性テルペン樹脂及びこれらの水素添加誘導体、(6)60℃〜135℃の範囲の環球式軟化点を有する脂肪族石油炭化水素樹脂(後者の樹脂は、主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から生じ、水素添加脂肪族石油炭化水素樹脂も含む)、(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びこれらの水素添加誘導体、並びに(8)脂肪族/芳香族又は脂環式/芳香族コポリマー及びこれらの水素添加誘導体が挙げられる。粘着付与剤の量は、選択される特定の粘着付与剤及び組成物中の他の成分の選択といった様々な因子に応じて異なる。しかしながら、粘着付与剤の量は、組成物の重量に基づいて0部〜20部の範囲であり得る。
当業者であれば、本明細書に記載の特定の成分は1つを超える機能を有し得るため、上述の組成物の成分を選択する際、成分の種類に重複があり得ることを認識するであろう。例えば、特定のアルコキシシランは充填剤処理剤としても接着促進剤としても有用であり得、特定の脂肪酸エステルは可塑剤としても有用であり得、充填剤処理剤としても有用であり得、カーボンブラックは顔料、難燃剤、及び/又は充填剤として有用であり得、非反応性ポリジオルガノシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサン)は増量剤としても溶媒としても有用であり得る。当業者であれば、組成物の意図された使用、並びに、組成物の硬化生成物の形態及び意図された使用、並びに、組成物が一部構成又は多部構成組成物として製造されるかどうかといった、様々な因子に基づき、適切な成分及びその量を区別及び選択することができるであろう。当業者であれば、組成物の反応生成物が、ガム、ゲル又はゴムといった所望の形態を有するように組成物を調製するために、成分及びそれらの量を選択することができるであろう。
組成物の製造方法
上記の組成物は、例えば、混合などの任意の好都合な手段によって全成分を組み合わせることにより、一部構成組成物として調製され得る。例えば、一部構成組成物は、場合により、ベースポリマー(B)と増量剤(E)を組み合わせ(予め混合し)、生じた展延ベースポリマーを充填剤(F)の全て又は一部と混合し、これを架橋剤(C)及び成分(A)を含むプレミックスと混合することにより、製造され得る。(O)老化防止添加剤及び(Q)顔料といった他の添加剤は、任意の所望される段階にて混合物に添加され得る。最終混合工程は実質的に無水の条件下で行うことができ、生じた組成物は一般に使用準備が整うまで実質的無水条件下で、例えば、密封容器で保管される。
上記の組成物は、例えば、混合などの任意の好都合な手段によって全成分を組み合わせることにより、一部構成組成物として調製され得る。例えば、一部構成組成物は、場合により、ベースポリマー(B)と増量剤(E)を組み合わせ(予め混合し)、生じた展延ベースポリマーを充填剤(F)の全て又は一部と混合し、これを架橋剤(C)及び成分(A)を含むプレミックスと混合することにより、製造され得る。(O)老化防止添加剤及び(Q)顔料といった他の添加剤は、任意の所望される段階にて混合物に添加され得る。最終混合工程は実質的に無水の条件下で行うことができ、生じた組成物は一般に使用準備が整うまで実質的無水条件下で、例えば、密封容器で保管される。
あるいは、組成物は、架橋剤が存在する場合、多部構成(例えば、2部構成)組成物として調製され得る。この例では、触媒及び架橋剤は別個の構成部分として保管され、これらの構成部分は、組成物の使用直前に組み合わされる。例えば、二部構成硬化性組成物は、成分(B)及び(C)を含む成分を組み合わせて混合のような任意の好都合な手段により第一(硬化剤)構成部分を形成することによって、調製され得る。第二(ベース)構成部分は、混合のような任意の好都合な手段により成分(A)及び(B)を組み合わせることによって、調製され得る。これらの成分は、一部構成組成物又は多部構成組成物のどちらが選択されるかといった様々な因子に応じて、周囲条件又は無水条件下で周囲温度又は高温にて組み合わせられ得る。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、使用直前に、混合のような任意の好都合な手段により、組み合わせることができる。ベース構成部分と硬化剤構成部分は、相対的に1:1〜10:1の範囲のベース:硬化剤量で組み合わせることができる。
成分の混合に使用される装置は、特に限定されない。好適な混合装置の例は、選択される各成分のタイプ及び量に応じて、当業者により選択され得る。例えば、反応によりガム又はゲルを形成する組成物などの比較的低粘度の組成物には、撹拌バッチケトルが使用され得る。あるいは、例えば、より粘稠な組成物及び、粒子を比較的多量に含有する組成物には、二軸押出成形機のような押出成形機といった連続混練装置が使用され得る。当業者であれば、本明細書に提供されている説明に基づいて、必要以上の実験を行うことなく組成物を調製できるであろう。本明細書に記載の組成物に使用できる代表的な方法としては、例えば、米国特許出願公開第2009/0291238号及び同第2008/0300358号に開示されているものが挙げられる。
上述のように製造されるこれらの組成物は、水分への曝露から組成物を保護する容器での保管時に安定であり得るが、これらの組成物は、大気の水分に曝露されると縮合反応によって反応し得る。あるいは、低浸透性組成物が配合された場合、組成物は、水放出剤から水分が放出された際に硬化して、硬化生成物を生じ得る。
使用方法
上記のように調製された組成物及びこれらの反応生成物は、様々な用途を有する。上記の成分は、成分(A)及び(B)を含む様々なタイプの組成物を調製するために、使用され得る。組成物は、組成物のタイプ並びに組成物及び/又は組成物の反応生成物の所望される最終用途に応じて、上記の追加成分のうちの1つ以上を更に含み得る。例えば、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個の加水分解性基を有する場合に、ベースポリマーの粘度を増加させるために、及び/又は、ガムを形成するために、鎖延長プロセスに使用され得る。あるいは、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で2個以上の加水分解性基を有する場合に、及び/又は、架橋剤が組成物中に存在する場合に、硬化性組成物を配合するために使用することができる。本明細書に記載の組成物は、水分に曝露することにより縮合反応によって、反応し得る。例えば、組成物は、大気水分に曝露されると、縮合反応によって反応し得る。あるいは、組成物は、水放出剤が存在する場合に、水放出剤から放出される水分と反応する。
上記のように調製された組成物及びこれらの反応生成物は、様々な用途を有する。上記の成分は、成分(A)及び(B)を含む様々なタイプの組成物を調製するために、使用され得る。組成物は、組成物のタイプ並びに組成物及び/又は組成物の反応生成物の所望される最終用途に応じて、上記の追加成分のうちの1つ以上を更に含み得る。例えば、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で1〜2個の加水分解性基を有する場合に、ベースポリマーの粘度を増加させるために、及び/又は、ガムを形成するために、鎖延長プロセスに使用され得る。あるいは、上記の成分及び方法は、例えば、ベースポリマーが1分子当たり平均で2個以上の加水分解性基を有する場合に、及び/又は、架橋剤が組成物中に存在する場合に、硬化性組成物を配合するために使用することができる。本明細書に記載の組成物は、水分に曝露することにより縮合反応によって、反応し得る。例えば、組成物は、大気水分に曝露されると、縮合反応によって反応し得る。あるいは、組成物は、水放出剤が存在する場合に、水放出剤から放出される水分と反応する。
以下の実施例は、本発明を当業者に実証する目的で含まれる。しかし、本開示の見地から、当業者には当然のことながら、開示される特定の実施形態において、特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨及び範囲を逸脱しない範囲で多くの変更をなし、尚も類似する又は同様の結果を得ることができる。
参照実施例1−皮膜形成時間(Skin Over Time、SOT)試験
硬化速度の尺度である皮膜形成時間は、硬化している材料が、指先が接触しても非粘着性である表面膜を形成するのにかかる分単位の時間として定義する。皮膜形成時間は、エンドユーザーが目地材(sealant joint)を使用できる時間を表す。
硬化速度の尺度である皮膜形成時間は、硬化している材料が、指先が接触しても非粘着性である表面膜を形成するのにかかる分単位の時間として定義する。皮膜形成時間は、エンドユーザーが目地材(sealant joint)を使用できる時間を表す。
参照実施例2−不粘着時間(TFT)試験
硬化速度の尺度である不粘着時間は、硬化している組成物が、ポリエチレンが接触しても非粘着性である表面膜を形成するのにかかる分単位の時間として定義した。この方法には、封止剤の非粘着性を判定するために、ポリエチレンフィルムによる接触を使用した。不粘着時間は、組成物を硬化することにより調製される製品の表面に汚れが付着しなくなるまでに必要とされる時間を反映する。
硬化速度の尺度である不粘着時間は、硬化している組成物が、ポリエチレンが接触しても非粘着性である表面膜を形成するのにかかる分単位の時間として定義した。この方法には、封止剤の非粘着性を判定するために、ポリエチレンフィルムによる接触を使用した。不粘着時間は、組成物を硬化することにより調製される製品の表面に汚れが付着しなくなるまでに必要とされる時間を反映する。
試験パネルは、下記のように用意し、手袋(使い捨てニトリル手袋)をはめた指を接触させた−手袋は皮膜に引き寄せられることになる。指がパネルから離れた場合には、試験パネル(Qパネル)の粘性又は粘着性を評価した。粘性又は粘着性が全く観察されなくなった場合、パネル上の組成物は既に硬化していた。ドローダウンから不粘着段階までにかかった時間は、サンプルの「不粘着時間」として記録した。4日後に硬化を全く示さなかった試験パネルは、「硬化せず」と評価される。4日を超える硬化時間は、記録されなかった。試験パネルの外観、並びに、容器内のサンプルの2日超過後の外観及び粘度もまた、記録した。このデータは、サンプルの相溶性及び可使時間を表すものであり、物質の任意の分離、ゲル化、又は変色も記録する。
以下の実施例では、以下の成分を使用した。
成分(B1)は、0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサンであった。
成分(B1)は、0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサンであった。
成分(B2)は、15のDP及び1,200のMwを有するメチルシルセスキオキサン樹脂を有するメチルメトキシシロキサン(Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)からDOW CORNING(登録商標)US−CF 2403樹脂として市販されている)であった。
成分(B3)は、4.1E−5m2/s(41cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサンであった。
成分(C1)は、メチルトリメトキシシラン(MTM)であった。
成分(C2)は、メチルトリアセトキシシラン(MTA)であった。
成分(C3)は、メチルエチルケトキシム(MTO)であった。
成分(C4)は、50%のエチルトリアセトキシシランと、47%のメチルトリアセトキシシランと、2%のメチル−エチル−アセトキシシランのオリゴマーと、の混合物であった。
成分(A)について選別された触媒は、以下表に示される。TNBTは、テトラ−n−ブチルチタネートを指す。TNBT及びDBTDLは、比較実施例を調製するために陽性対照として使用された。
参照実施例3−サンプル調製方法−封止剤モデル
触媒、架橋剤及びベースポリマーを以下の方法を用いて一緒に混練した。100mLのガラス容器を用いて、全材料を混合し、全サンプルを安全に保管した。ベースポリマーを25gの量で容器に添加し、続いて架橋剤を1.8g又は0.5gの量で添加した。架橋剤を添加してから、容器の内容物をスパチュラを用いて手作業で30秒間十分に混合した。触媒を容器に添加し、30秒間又は可能な限り触媒が均一に混合されるまで、サンプルと十分に混合した。
触媒、架橋剤及びベースポリマーを以下の方法を用いて一緒に混練した。100mLのガラス容器を用いて、全材料を混合し、全サンプルを安全に保管した。ベースポリマーを25gの量で容器に添加し、続いて架橋剤を1.8g又は0.5gの量で添加した。架橋剤を添加してから、容器の内容物をスパチュラを用いて手作業で30秒間十分に混合した。触媒を容器に添加し、30秒間又は可能な限り触媒が均一に混合されるまで、サンプルと十分に混合した。
全成分が組み込まれた後で、サンプルを撹拌せずに30分間静置して、生じるのであれば末端封鎖が生じるのと等しい機会を与えた。「Qパネル」とも呼ばれるスチール試験プレートを「ドローダウン」に使用した。全ての試験プレートについて同じ条件を作り出すように、これらのプレートは少量のアセトンと布で擦り、あらゆる粒子又は汚れを除去した。
サンプルを30分間静置し、Qパネルからアセトンが揮発した後、Qパネルに組成物を添加し、Qパネル上に組成物の平らなコーティングが形成されるようにパネル全体にわたって組成物上にドローダウンバーを通過させることにより、サンプルのドローダウンを行った。ドローダウンバーから100μmの間隙で、ドローダウンを行った。参照実施例2の方法に従って、不粘着時間を測定した。
参照実施例4−サンプル調製方法−コーティングモデル
蓋がスナップ式の14mLのガラス容器中の10gの樹脂性ベースポリマーに触媒を加えた。触媒の量は、0.1gであった。蓋を閉め、混ざり合うまで激しく容器を振った。得られた溶液を、撹拌せずに30分間静置し、30分の時点で参照実施例3に記載のようにサンプルのドローダウンを行った。
蓋がスナップ式の14mLのガラス容器中の10gの樹脂性ベースポリマーに触媒を加えた。触媒の量は、0.1gであった。蓋を閉め、混ざり合うまで激しく容器を振った。得られた溶液を、撹拌せずに30分間静置し、30分の時点で参照実施例3に記載のようにサンプルのドローダウンを行った。
実施例1−アルコキシ組成物
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として1.8gの成分(C1)メチルトリメトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。下表に記載の触媒を成分(A)として0.1%、1.0%及び5.0%の量で加えた。
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として1.8gの成分(C1)メチルトリメトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。下表に記載の触媒を成分(A)として0.1%、1.0%及び5.0%の量で加えた。
実施例1は、このアルコキシ硬化性ポリジメチルシロキサン組成物中で、リン酸トリブチル及びトリブチルメチルアンモニウムホスフェートを例外として、試験した全ての触媒が様々な硬化時間及び触媒配合量にて組成物を硬化し得ることを示した。
一定の触媒及び酸濃度にて反応を比較するために、触媒の酸価を計算した。この情報を用いて、組成物に添加された酸の量に基づき触媒の当量を計算することができ、これにより、触媒のより良好な比較が可能になる。下表は、異なる触媒を比較するためにこの試験に用いられた酸触媒全てについて計算された、固形分量及び酸価を示す。
このアルコキシ硬化性ポリジメチルシロキサン組成物において、実施例1の硬化条件下で、DOW CORNING(登録商標)4−6085は、Nacure 4054のようなリン酸エステルよりも遅い硬化を触媒するように見えた。DOW CORNING(登録商標)4−6085は、より高い固形分量及び酸価を有しており、そのためより多くの酸触媒が存在していた。理論に束縛されるものではないが、DOW CORNING(登録商標)4−6085については高濃度の場合に、よりくもりが観察されたことから、実施例2において調製された組成物では、高触媒配合量のDOW CORNING(登録商標)4−6085はベースポリマーと不相溶性であった可能性があるが、しかしながら、DOW CORNING(登録商標)4−6085はそれでもこの組成物において縮合反応を触媒することができた。
リン酸トリストリメチルシリルは、実施例1の条件下でDOW CORNING(登録商標)4−6085よりも速い硬化を触媒した。理論に束縛されるものではないが、これは、トリストリメチルシリルホスフェートが加水分解において二酸ではなく三酸であったことに起因すると考えられた。リン酸トリストリメチルシリルとDOW CORNING(登録商標)4−6085の相溶性は、最大触媒配合量にて良好であるようであり、硬化フィルムは「透明及び光沢あり」であったが、DOW CORNING(登録商標)4−6085は、実施例1の組成物において5%触媒配合量にてわずかにくもった膜を示した。
下の表は、閉じた容器で2日にわたって保存した後の、実施例1において調製された硬化しなかった組成物の外観を示す。これらのほとんどは、空気/水分の不在下で保存された場合に、透明であった。Phospholan触媒を含有する組成物は例外であり、くもり又は強いくもりのある溶液が生じ、粘度の増加も観察された。理論に束縛されるものではないが、これは、添加した触媒の固形分量が高かったことに起因したと考えられ、これらの触媒はいずれも溶媒を含まず固形分100%であった。これは同様にくもりを生じ、触媒固形分量が高かったNacure XC−C207についてにも当てはまる。
この実施例は、DOW CORNING 4−6085が、シラノール末端ポリジオルガノシロキサンベースポリマーとメトキシシラン架橋剤とを含有する組成物に配合するのに本実施例1のベースポリマー及び架橋剤と十分に相溶性であることを示す。
実施例2−アルコキシ組成物
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として0.5gの成分(C1)メチルトリメトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。下表に記載の触媒を成分(A)として0.1%、1.0%及び5.0%の量で加えた。
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として0.5gの成分(C1)メチルトリメトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。下表に記載の触媒を成分(A)として0.1%、1.0%及び5.0%の量で加えた。
実施例2では、全ての組成物は、実施例1におけるよりも長い硬化時間を示した。実施例1における高いHTMレベルは、低触媒濃度での硬化を可能にするように見えた。硬化した組成物のうち、それらの全ては、実施例2の条件下で、1%及び5%の触媒配合量にてTNBTを含有する対照よりも良好か又は同等の硬化時間を有したが、0.1%の触媒配合量では硬化は良好ではなかった。理論に束縛されるものではないが、触媒配合量が少なくなると硬化性能が乏しくなるのは、ベースポリマーと反応し、組成物を架橋できるようになる前に、蒸発により架橋剤が失われたことに起因した可能性があると考えられた。
実施例2の組成物の外観は全体にわたって、下の表に示すように、2日にわたっての保存後に、実施例1の組成物よりもくもっていた。触媒配合量が高くなるほどよりくもりが見られた。実施例3において最もくもりの少ない組成物は、TNBT(対照)、Nacure 4054、Nacure XC−9207、リン酸トリメチルシリル及びDOW CORNING(登録商標)4−6085を含有させたものであり、これは透明な溶液を示した。
実施例3−アセトキシ組成物
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として1.8gの成分(C2)メチルトリアセトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。成分(B1)及び(C2)のみを含有する陰性対照を例外として、試験された各組成物は、下の表に示されている触媒を1%含有した。
ベースポリマーとして成分(B1)0.004m2/s(4000cSt)の粘度を有するシラノール末端ポリジメチルシロキサン、及び、架橋剤として1.8gの成分(C2)メチルトリアセトキシシランを用いて、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。成分(B1)及び(C2)のみを含有する陰性対照を例外として、試験された各組成物は、下の表に示されている触媒を1%含有した。
本実施例3においてアセトキシ硬化性ポリジメチルシロキサン組成物は、触媒なしだと20時間で硬化したが、触媒を加えると著しく硬化速度が増加し、触媒のほとんどは陰性対照よりも硬化を速めた。理論に束縛されるものではないが、Nacure XP−297が容器内で硬化した理由は、この触媒が水/IPA溶媒中に溶解し、メチルトリアセトキシシラン(MTA)を直ちに加水分解して硬化を引き起こしたことによると考えられる。試験した酸含有リン及びスルホン酸の両方は、実施例3のアセトキシ組成物を硬化し、それらのほとんどは数分のうちに透明で光沢のある膜を生じた。理論に束縛されるものではないが、リン酸トリブチル及びトリブチルアンモニウムジブチルホスフェートは、これらの化合物が実施例3の硬化条件下でアセトキシ組成物を硬化するのに十分なほど酸性ではなかったため、硬化が乏しかったものと考えられた。Phospholan PE169、リン酸トリス(トリメチルシリル)及びモノ−n−ドデシルホスフェートは例外であり、これらは、十分に酸性であったけれども触媒なしのブランクよりも硬化は速くなかった。この理由は不明である。
MTAを含有する組成物の2日後の外観について下表に掲載する。ほとんどの組成物は粘度が増加したが、XP−297だけは、触媒が水/IPA中にあったことにより、完全にゲル化した。ホスホニトリルクロリドを含有する組成物は粘度が減少した。全てのサンプルはくもっているように見えたが、これは、固体MTAが組成物に完全に相溶性ではなかったことに起因した可能性がある。理論に束縛されるものではないが、これは、メチルトリアセトキシシランとエチルトリアセトキシシランの混合物を用いることにより、大幅に減少され得ると考えられる。
実施例4−オキシモ組成物
ベースポリマーとして成分(B1)、及び、架橋剤として1.8gの成分(C3)メチルトリオキシモシランを使用して、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。陰性対照を例外として、各サンプルは1%の触媒を含有した。不粘着時間及び外観を参照実施例3と同様に評価した。結果は下表に示す。
ベースポリマーとして成分(B1)、及び、架橋剤として1.8gの成分(C3)メチルトリオキシモシランを使用して、参照実施例3の方法に従って、サンプルを調製した。陰性対照を例外として、各サンプルは1%の触媒を含有した。不粘着時間及び外観を参照実施例3と同様に評価した。結果は下表に示す。
触媒の選択を実施例4のオキシム組成物において評価した。評価した触媒のうち、この組成物を硬化しなかったものは、水/IPA中に溶解されたリン酸エステルであるXP−297だけであった。理論に束縛されるものではないが、これは、シラノール官能性ポリジメチルシロキサンベースポリマーと反応することができるようになる前のオキシム架橋剤の急速な加水分解に起因し得ると考えられる。触媒のほとんどは、スルホン酸触媒を含有するものでさえ、数分で本実施例4における組成物を硬化し、滑らかで透明な膜を生じた。DOW CORNING(登録商標)4−6085は、DBTDL及びTNBT対照の両方よりも本実施例4の組成物において速い硬化を触媒した。
実施例4において調製された硬化しなかったサンプルの2日後の外観は、下の表に示す。リン含有触媒のほとんどは、硬化しなかった組成物の粘度の増加を示しており、Nacure XP−297はゲルを示した。理論に束縛されるものではないが、このゲルはおそらく触媒を含有する水に起因すると考えられる。陽性対照、TNBT及びDBTDL、並びに、Nacure 4054及びビス(エチルヘキシルホスホネート)のみが、このオキシム組成物において二日後に透明な組成物を生じた。
実施例5−触媒を有する樹脂
参照実施例4における方法を使用して、サンプルを調製し、評価した。Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている成分(B2)メチルシルセスキオキサン樹脂を有するメチルメトキシシロキサンをベースポリマーとして使用した。陰性対照(触媒を含有しない)を例外として、各サンプルは1%の触媒を含有した。
参照実施例4における方法を使用して、サンプルを調製し、評価した。Dow Corning Corporation(Midland,Michigan,USA)から市販されている成分(B2)メチルシルセスキオキサン樹脂を有するメチルメトキシシロキサンをベースポリマーとして使用した。陰性対照(触媒を含有しない)を例外として、各サンプルは1%の触媒を含有した。
実施例6−直鎖ベースポリマーを有する樹脂性ベースポリマー
成分(B2)に加えて、直鎖ポリジメチルシロキサンベースポリマーを加えたことを除いて、上記の実施例5におけるように、サンプルを調製し、評価した。直鎖ベースポリマーは、12cPの粘度及び2.5%のシラノール含有量を有するヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンであった。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。結果は下表に示す。
成分(B2)に加えて、直鎖ポリジメチルシロキサンベースポリマーを加えたことを除いて、上記の実施例5におけるように、サンプルを調製し、評価した。直鎖ベースポリマーは、12cPの粘度及び2.5%のシラノール含有量を有するヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンであった。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。結果は下表に示す。
実施例6のメトキシ官能性樹脂組成物において試験された触媒のうち、Nacure XC−C207、Nacure XC−206、4−6085、リン酸トリス(トリメチルシリル)、Nacure XP−333、モノ−n−ドデシルホスフェート、及びビスエチルヘキシルホスフェート、並びに、DOW CORNING(登録商標)4−6085は全て硬化を示した。このモデル組成物を用いて試験したサンプルは全て、2日後の粘度が変化しなかった。Nacure XP−297のみが一部くもりを示したが、他のサンプルは全て透明であった。
(実施例7)
樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に直鎖ベースポリマーと触媒を一緒に混合したことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製し、評価した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。結果は下表に示す。
樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に直鎖ベースポリマーと触媒を一緒に混合したことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製し、評価した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。結果は下表に示す。
触媒が直鎖物質と予め混合されたメトキシ樹脂組成物では、Nacure XC−C207、Nacure XC−206、DOW CORNING(登録商標)4−6085、ホスホニトリルクロリド、リン酸ジブチル、リン酸トリス(トリメチルシリル)、及びモノ−n−ドデシルホスフェートを含有するサンプルが、不粘着時間により示されるような硬化を示した。Nacure XP−297、ホスホニトリルクロリド、及びPhospholan PE65のみが一部くもりを示したが、他のサンプルは全て、2日超にわたる保管後も残渣を有さずに透明であった。
(実施例8)
実施例6からの直鎖ベースポリマーが異なる直鎖ベースポリマー、すなわち、38〜45cPの範囲の粘度及び3.6%〜4%のシラノール含有量を有するヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンに置き換えられたことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製した。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを予め混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
実施例6からの直鎖ベースポリマーが異なる直鎖ベースポリマー、すなわち、38〜45cPの範囲の粘度及び3.6%〜4%のシラノール含有量を有するヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンに置き換えられたことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製した。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを予め混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
これらのサンプルのほとんどは、外観が残渣なしに透明であり、保存後の粘度が変化しないことにより示されるように、本実施例8のメトキシ樹脂組成物において良好な安定性及び相溶性を示した。Nacure XC−C207及びリン酸トリス(トリメチルシリル)は、本実施例8においてDBTDL対照よりも組成物の速い硬化を触媒した。
(実施例9)
実施例7において使用された直鎖ベースポリマーを実施例8において使用された直鎖ベースポリマーと置き換えたことを除いて、実施例7におけるように、サンプルを調製した。樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に、直鎖ベースポリマー及び触媒を一緒に予め混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
実施例7において使用された直鎖ベースポリマーを実施例8において使用された直鎖ベースポリマーと置き換えたことを除いて、実施例7におけるように、サンプルを調製した。樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に、直鎖ベースポリマー及び触媒を一緒に予め混合した。不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
これらのほとんどのサンプルの外観は、残渣を有さずに透明であり、保管後の粘度、組成が変化しないことにより示されるように、本実施例9のメトキシ樹脂組成物において良好な安定性及び相溶性を示した。
(実施例10)
実施例6において使用された直鎖ベースポリマーを、75%のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと25%のメトキシ末端ポリジメチルシロキサンを含む直鎖ベースポリマー混合物(21cPの粘度を有する混合物)で置き換えたことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製した。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを予め混合した。硬化したサンプルの不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
実施例6において使用された直鎖ベースポリマーを、75%のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンと25%のメトキシ末端ポリジメチルシロキサンを含む直鎖ベースポリマー混合物(21cPの粘度を有する混合物)で置き換えたことを除いて、実施例6におけるように、サンプルを調製した。触媒を加える前に、樹脂及び直鎖ベースポリマーを予め混合した。硬化したサンプルの不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
(実施例11)
直鎖ベースポリマーを、実施例10において使用された直鎖ベースポリマーの混合物で置き換えたことを除いて、実施例7におけるように、サンプルを調製した。樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に、触媒と、直鎖ベースポリマーの混合物と、を予め混合した。硬化した膜について、不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
直鎖ベースポリマーを、実施例10において使用された直鎖ベースポリマーの混合物で置き換えたことを除いて、実施例7におけるように、サンプルを調製した。樹脂性ベースポリマーと組み合わせる前に、触媒と、直鎖ベースポリマーの混合物と、を予め混合した。硬化した膜について、不粘着時間及び外観は、上記のように評価した。硬化しなかった組成物の2日超過後の粘度における変化及び外観もまた、上記のように評価した。結果は下記の表に示す。
産業上の利用可能性
実施例は、試験されているホスホン酸塩触媒が様々な縮合反応硬化性組成物において縮合反応を触媒できることを示している。ホスホン酸塩触媒は、有機スズ化合物、有機チタン化合物及び一部の組成実施例において試験された他の触媒といった対照と比較して優れた性能を示した。本明細書に提供されている説明及び実施例を用いれば、当業者は、ホスホン酸塩縮合反応触媒及び上記の他の成分を使用して様々な組成物を配合することができるであろう。
実施例は、試験されているホスホン酸塩触媒が様々な縮合反応硬化性組成物において縮合反応を触媒できることを示している。ホスホン酸塩触媒は、有機スズ化合物、有機チタン化合物及び一部の組成実施例において試験された他の触媒といった対照と比較して優れた性能を示した。本明細書に提供されている説明及び実施例を用いれば、当業者は、ホスホン酸塩縮合反応触媒及び上記の他の成分を使用して様々な組成物を配合することができるであろう。
本明細書に記載の組成物は、上記の背景技術の項に記載のもののようなスズ触媒を含まないものであり得る。理論に束縛されるものではないが、ホスホン酸塩触媒は、上記実施例において示したように、特定のホスホン酸塩がスズ触媒を含有する同じ組成物と比較して同等又はより少量の触媒配合量にてより速い硬化速度を与えることに示されるように、一部の縮合反応硬化組成物において同等又はより良好な硬化性能をもたらし得ると考えられる。
理論に束縛されるものではないが、(参照実施例2の方法に従って不粘着時間により測定されるような)硬化速度は、成分(A)と組成物中の他の成分の相溶性により影響を受ける可能性があり、すなわち、組成物中の成分(A)の均質性が上昇するにつれて硬化速度が増加すると考えられる。当業者であれば、成分(A)の溶解度パラメーター、成分(A)の酸価、存在する成分(B)のタイプ及び量、並びに、溶媒の添加のような任意の追加成分の選択といった様々な因子が全て、組成物における成分(A)の均質性に影響し得ることを認識するであろう。それゆえに、成分(A)に選択される特定のリン酸塩/ホスホン酸塩/スルホン酸は、組成物中の成分の選択によって、様々なベースポリマー上の加水分解性置換基の縮合反応を触媒することが可能である。当業者であれば、本明細書に提供されている説明及び実施例に基づいて、成分(A)及び(B)を含む様々な組成物を配合することができるであろう。
Claims (22)
- (A)ホスホン酸塩縮合反応触媒と、
(B)1分子当たり平均で1個以上の加水分解性置換基を有するベースポリマーと、
を含み、縮合反応によって反応することができる、組成物。 - (A)ホスホン酸塩縮合反応触媒と、
(B)1分子当たり平均で1個以上の加水分解性置換基、及び、ポリオルガノシロキサン主鎖を有するベースポリマーと、
を含み、縮合反応によって反応することができる、組成物。 - (A)ホスホン酸塩縮合反応触媒と、
(B)1分子当たり平均で1個以上の加水分解性置換基、及び、シリコーン有機コポリマー主鎖を有するベースポリマーと、
を含み、縮合反応によって反応することができる、組成物。 - 成分(A)がモノマーホスホン酸塩、ポリマーホスホン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 成分(A)が有機ホスホン酸塩、シリルホスホン酸塩、又はこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 成分(A)が有機ホスホン酸塩とシリルホスホン酸塩との組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 各A1が独立してアルキル基又はアルケニル基であり、各A2が独立して水素原子、アルキル基、アルケニル基、又はシリル基であり、各A3が独立してアルキル基であり、添字aが0〜50の範囲の値を有する、請求項7に記載の組成物。
- 添字aが、0より大きい値を有する、請求項7に記載の組成物。
- 各A1が独立して1〜8個の炭素原子のアルキル基、又は、1〜8個の炭素原子のアルケニル基であり、各A2が独立して水素原子、1〜4個の炭素原子のアルキル基、又は、シリル基であり、ケイ素原子に結合した各基A1が独立して1〜4個の炭素原子のアルキル基である、請求項7に記載の組成物。
- 成分(A)が、ジエテニル−ジホスホン酸、ビニルホスホン酸、ビス(トリメチルシリル)ビニルホスホネート、トリメチルシリルビニルホスホン酸、ビス(ジメチルビニルシリル)ビニルホスホネート、ジメチルビニルシリルビニルホスホン酸、ジメチルメチルホスホネート、ビス(トリメチルシリル)オクチルホスホネート、トリメチルシリルオクチルホスホネート、及びオクチルホスホン酸、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 成分(A)が、ビストリメチルシリルオクチルホスホネートと、トリメチルシリルオクチルホスホネートと、オクチルホスホン酸との混合物を含む、請求項11に記載の組成物。
- (C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1つの成分を更に含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 各R3が独立して二価の有機基である、請求項15に記載の組成物。
- 前記ポリマー主鎖が有機である、請求項14に記載の組成物。
- 成分(A)及び成分(B)を含む成分を混合する工程を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
- 成分(A)及び(B)とは異なる少なくとも1つの追加成分を添加する工程を更に含み、前記少なくとも1つの追加成分が、(C)架橋剤;(D)乾燥剤;(E)増量剤、可塑剤又はこれらの組み合わせ;(F)充填剤;(G)充填剤処理剤;(H)殺生物剤;(J)難燃剤;(K)表面改質剤;(L)鎖延長剤;(M)末端封鎖剤;(N)非反応性結合剤;(O)老化防止添加剤;(P)水放出剤;(Q)顔料;(R)レオロジー添加剤;(S)溶媒;(T)粘着付与剤;並びにこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項18に記載の方法。
- 成分(C)が存在し、前記組成物が多部構成組成物であり、成分(A)及び成分(C)が別個の構成部分の中に保存される、請求項19に記載の方法。
- 請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物の反応生成物。
- 前記反応生成物が、ガム、ゲル、及びゴムから選択される形態を有する、請求項21に記載の反応生成物。
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