JP2014168887A - 画像処理装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、搬送ローラに付着した色材による印刷媒体の汚れを抑制する。
【解決手段】印刷媒体の第1面上の領域であって第1面の印刷が完了した後に印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、接触領域内の第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する。
【選択図】 図10
【解決手段】印刷媒体の第1面上の領域であって第1面の印刷が完了した後に印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、接触領域内の第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する。
【選択図】 図10
Description
本発明は、色材を用いて画像を印刷する技術に関するものである。
従来から、インクを用いて画像を印刷する技術が用いられている。また、両面印刷を行う場合に、搬送ローラを介したインクの再転移を抑制するために、以下のような技術が提案されている。まず、画像データを、写真領域や文字領域などの複数の分割領域に分割する。次に、搬送ローラと接触する範囲と重なる分割領域内の画像データに対して、濃度が低くなる濃度変換処理を施す。この濃度変換処理は、分割領域単位で行われる。
ところが、濃度を低くする技術を適用する場合、インクの転移を抑制できるものの、印刷された画像が過剰に薄くなる場合があった。例えば、上記のように分割領域単位で濃度変換処理を施す場合、印刷された分割領域の濃度が過剰に薄くなる場合があった。このような課題は、色材としてインクを用いる場合に限らず、トナー等の他の色材を用いる場合に共通する課題であった。
本発明の主な利点は、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、搬送ローラに付着した色材による印刷媒体の汚れを抑制することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
画像処理装置であって、
入力画像データを取得するデータ取得部と、
前記入力画像データに応じて、印刷装置に、印刷媒体の第1面の印刷と前記第1面の反対側の第2面の印刷とを実行させるための印刷データを生成するデータ生成部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記印刷媒体の前記第1面上の領域であって前記第1面の印刷が完了した後に前記印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、前記接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、前記接触領域内の前記第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、前記第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する、
画像処理装置。
画像処理装置であって、
入力画像データを取得するデータ取得部と、
前記入力画像データに応じて、印刷装置に、印刷媒体の第1面の印刷と前記第1面の反対側の第2面の印刷とを実行させるための印刷データを生成するデータ生成部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記印刷媒体の前記第1面上の領域であって前記第1面の印刷が完了した後に前記印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、前記接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、前記接触領域内の前記第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、前記第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する、
画像処理装置。
第2部分に像が形成されてから第1面の印刷が完了するまでの経過時間は、第1部分に像が形成されてから第1面の印刷が完了するまでの経過時間に比べて短い。この構成によれば、第2部分の色材量が、第1部分の第1上限量よりも小さい第2上限量以下に制限されるので、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、搬送ローラに付着した色材による印刷媒体の汚れを抑制できる。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法および画像処理装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)、等の形態で実現することができる。
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての複合機を示す説明図である。この複合機100は、複合機100の全体を制御するCPU110と、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置130と、液晶パネル等の表示部140と、タッチパネル等の操作部150と、プリンタ170と、他の装置(例えば、USBフラッシュメモリ)を接続するためのインタフェース180と、を備えている。不揮発性記憶装置130は、プログラム132と、上限データ134と、を格納している。
図1は、本発明の一実施例としての複合機を示す説明図である。この複合機100は、複合機100の全体を制御するCPU110と、DRAM等の揮発性記憶装置120と、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置130と、液晶パネル等の表示部140と、タッチパネル等の操作部150と、プリンタ170と、他の装置(例えば、USBフラッシュメモリ)を接続するためのインタフェース180と、を備えている。不揮発性記憶装置130は、プログラム132と、上限データ134と、を格納している。
CPU110は、揮発性記憶装置120と不揮発性記憶装置130とを用いてプログラム132を実行することによって、後述する画像処理を実行する。このように、CPU110と揮発性記憶装置120と不揮発性記憶装置130との全体は、画像処理を実行する画像処理装置200に対応する。図示するように、CPU110は、データ取得部210と、抽出部220と、データ生成部230と、として機能する。データ生成部230は、色変換部232と、調整部234と、調整済データ生成部236と、を含んでいる。これらの処理部の機能については、後述する。
図2は、複合機100の構成、特にプリンタ170の構成、を示す概略断面図である。図中には、互いに直交する3つの方向D1、D2、D3が示されている。第3方向D3は、鉛直上方向である。以下、第1方向D1のことを「+D1方向」とも呼ぶ。また、第1方向D1とは反対の方向を「−D1方向」とも呼ぶ。「+D2方向」と「−D2方向」と「+D3方向」と「−D3方向」とについても、同様である。また、+D1方向側を、単に「+D1側」とも呼ぶ。他の方向側についても、同様である。
プリンタ170は、印刷媒体PM(紙等のシート状の媒体)を収容する給紙トレー305と、給紙トレー305の上側(+D3側)に配置されたピックアップローラ310と、給紙トレー305の−D1側に配置された一対の給紙ローラ321、322と、給紙ローラ321、322の上側(+D3側)に配置された搬送ローラ330と、搬送ローラ330よりも+D1側であって搬送ローラ330よりも上側(+D3側)に配置された印刷ヘッド350と、搬送ローラ330の+D1側に配置された排紙トレー360と、給紙ローラ321、322の−D1側に配置された一対の再給紙ローラ341、342と、を備えている。印刷ヘッド350は、シアンCとマゼンタMとイエローYとブラックKとのインク滴を印刷媒体PMに向かって吐出することによって、インクドットを印刷媒体PM上に形成する。
プリンタ170には、印刷媒体PMの4つの搬送路R1〜R4が設けられている。第1搬送路R1は、給紙ローラ321、322の−D1側から、上方向(+D3方向)に延びて、搬送ローラ330の上側(+D3側)に至る。第2搬送路R2は、搬送ローラ330の上側(+D3側)から、+D1方向に真っ直ぐに延びて、排紙トレー360に至る。印刷ヘッド350は、この第2搬送路R2上に配置されており、第2搬送路R2に置かれた印刷媒体PMの上側(+D3側)の面上にインクドットを形成する。図示を省略するが、印刷ヘッド350は、第2方向D2と平行に移動しながらインク滴を吐出することによって、印刷媒体PM上の第2方向D2に延びる領域内の印刷が可能である。第3搬送路R3は、搬送ローラ330の上側(+D3側)から、斜め下に向かって延びて、再給紙ローラ341、342の+D1側に至る。第4搬送路R4は、再給紙ローラ341、342の−D1側から、上方向(+D3方向)に延び、さらに、再給紙ローラ341、342の上方を+D1方向に延びて、搬送ローラ330の上側(+D3側)に至る。再給紙ローラ341、342と、第3搬送路R3と、第4搬送路R4とは、両面印刷を行う場合に、利用される。
なお、説明を簡略化するために、図2には、プリンタ170の構成の一部のみが示されている。図示を省略するが、プリンタ170は、さらに、搬送路R1〜R4を形成する壁と、他のローラと、各ローラを駆動するモータと、プリンタ170の各要素を制御する制御回路等の他の部材を備えている。
図3は、プリンタ170による両面印刷の手順を示す概略図である。両面印刷は、図3(A)〜図3(F)の順番に、進行する。まず、図3(A)に示すように、ピックアップローラ310は、給紙トレー305から1枚の印刷媒体PMを取り出して、取り出した印刷媒体PMを、給紙ローラ321、322に供給する。給紙ローラ321、322は、印刷媒体PMを挟持して、第1搬送路R1を通じて、搬送ローラ330に、印刷媒体PMを搬送する。
次に、図3(B)に示すように、搬送ローラ330は、搬送ローラ330の上側(+D3側)に載っている印刷媒体PMを、第2搬送路R2に沿って、+D1方向に搬送する。この際、印刷ヘッド350は、印刷媒体PMに向かってインク滴を吐出することによって、印刷媒体PMの+D3側の面(「第1面S1」と呼ぶ)に、インクドットdtを形成する。搬送ローラ330による+D1方向への搬送と、印刷ヘッド350によるインクドットdtの形成とは、交互に繰り返される。そして、図3(C)に示すように、搬送ローラ330は、印刷媒体PMのほぼ全体を、+D1側に搬送する。これにより、印刷媒体PMの第1面S1の印刷が完了する。なお、片面印刷が行われる場合には、搬送ローラ330は、印刷媒体PMの全体を+D1側に搬送することによって、印刷媒体PMを排紙トレー360に排出する。
次に、図3(D)に示すように、搬送ローラ330は、逆方向に回転し、印刷媒体PMを、−D1方向に搬送する。搬送される印刷媒体PMは、第3搬送路R3を通じて、再給紙ローラ341、342に供給される。再給紙ローラ341、342は、印刷媒体PMを挟持して、第3搬送路R3から第4搬送路R4へ、搬送する。これにより、印刷媒体PMは、印刷ヘッド350と対向する位置を、−D1方向に移動するように、搬送される。このように、再給紙ローラ341、342は、第1面S1の印刷が完了した後に、印刷媒体PMを、第1面S1の印刷時の搬送方向(+D1方向)とは反対の方向(−D1方向)に、搬送する。
なお、プリンタ170には、−D1方向に搬送される印刷媒体PMを、第1搬送路R1または第4搬送路R4ではなく、第3搬送路R3へ案内する部材を設けることが好ましい。そのような部材としては、例えば、第1搬送路R1と第4搬送路R4とを塞ぐ可動部材を採用可能である。
続いて、図4(E)に示すように、再給紙ローラ341、342は、第4搬送路R4から第2搬送路R2へ、印刷媒体PMを搬送する。印刷媒体PMが第4搬送路R4に沿って移動することによって、印刷媒体PMの第1面S1が下側(−D3側)を向き、反対側の面(第2面S2と呼ぶ)が、上側(+D3側)を向く。そして、印刷媒体PMは、第2搬送路R2を+D1側に向かって搬送され、印刷ヘッド350は、印刷媒体PMの第2面S2上にインクドットdtを形成する。第2面S2の印刷は、第1面S1の印刷と同様に、進行する。そして、図3(F)に示すように、搬送ローラ330は、印刷媒体PMの全体を+D1側に搬送し、第2面S2の印刷が完了する。
なお、図3(D)に示すように、再給紙ローラ341は、印刷直後の第1面S1のインクドットdtと接触する。この段階でインクドットdtの乾燥が不十分である場合、再給紙ローラ341にインクが付着し、再給紙ローラ341から再び印刷媒体PMにインクが転写される可能性がある。また、図3(E)に示すように、搬送ローラ330も、第1面S1のインクドットdtと接触する。従って、この段階でインクドットdtの乾燥が不十分である場合、搬送ローラ330にインクが付着し、搬送ローラ330から印刷媒体PMにインクが転写される可能性がある。
印刷が完了した時点で、インクドットdtの乾燥時間は、後に印刷された部分よりも、先に印刷された部分において、長い。例えば、図3(B)、図3(C)の例では、第1面S1上の第1部分ACaが、第1部分ACaの−D1側の第2部分ACbよりも、先に印刷される。第1部分ACaでは、第2部分ACbよりも、インクドットdtの乾燥が先に始まる。第1面S1の印刷が完了した時点では、第1部分ACaでの乾燥時間は、第2部分ACbでの乾燥時間よりも、長い。従って、印刷が完了した時点で、インクの意図しない転写の可能性は、第2部分ACbよりも、第1部分ACaにおいて、小さい。一般には、印刷が完了した時点において、先に印刷された部分では、後に印刷された部分よりも、意図しない転写の可能性が小さい。
また、図3(D)に示すように、再給紙ローラ341は、第1面S1の印刷が完了した後に、第2面S2の印刷を行うために、第1面S1の印刷時の搬送方向(+D1方向)とは反対の方向(−D1方向)に、印刷媒体PMを搬送する。従って、第1面S1と接触する再給紙ローラ341は、第1部分ACaよりも先に第2部分ACbと接触する。すなわち、インクドットdtが形成されてから再給紙ローラ341と接触するまでの時間(すなわち、乾燥時間)は、第2部分ACbよりも、第1部分ACaにおいて、長い。従って、再給紙ローラ341によるインクの意図しない転写の可能性は、第2部分ACbよりも、第1部分ACaにおいて、小さい。一般には、先に印刷された部分では、後に印刷された部分よりも、意図しない転写の可能性が小さい。
以上のように、インクの意図しない転写の可能性は、印刷媒体PMの第1面S1上の搬送方向の位置に応じて、異なっている。具体的には、第1面S1の印刷時の第1方向D1を基準とする場合に(図3(C))、+D1側の端EPに近いほど、意図しない転写の可能性が小さく、−D1側の端EMに近いほど、意図しない転写の可能性が大きい。本実施例の印刷処理は、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制するために、そのような位置依存性を考慮してインク量を制御する。
図4は、印刷処理のフローチャートである。この印刷処理は、例えば、ユーザが、複合機100(図1)に対して画像の印刷を指示した場合に、CPU110によって実行される。ユーザは、操作部150を操作することによって、画像の印刷の指示を含む種々の情報を、入力可能である。
最初のステップS100では、データ取得部210は、ユーザの指示に従って、印刷処理のための画像データ(以下、「入力画像データ」とも呼ぶ)を取得する。例えば、データ取得部210は、ユーザの指示に従って、インタフェース180に接続されたメモリカードから、印刷対象の画像データを取得する。そして、データ取得部210は、取得した画像データのラスタライズ処理を行うことによって、入力画像データを生成する。ラスタライズ処理は、画像データを処理解像度のビットマップデータに変換する処理である。生成されるビットマップデータは、例えば、赤Rと緑Gと青Bとの3つの色成分の階調値(例えば、0から255までの256階調)で複数の画素(以下「印刷画素」とも呼ぶ)のそれぞれの色を表している。以下、入力画像データによって表される画像を「入力画像」とも呼ぶ。
次のステップS110では、抽出部220は、入力画像からオブジェクト画像を抽出するオブジェクト抽出処理を実行する。図5は、オブジェクト抽出処理のフローチャートである。図6は、オブジェクト抽出処理の概略図である。図6(A)は、入力画像IMの例を示している。図示された入力画像IMは、第1面S1に印刷されるべき画像を示しており、第2面S2に印刷されるべき画像については、図示を省略する。図中の第1方向D1と第2方向D2とは、第1面S1の印刷時(図3(B)、図3(C))の、入力画像IMに対する方向を示している。入力画像IMは、白い背景と、写真Ipと、写真Ipの−D1側に配置された4つの文字列It1〜It4と、を表している。4つの文字列It1〜It4は、それぞれ、第2方向D2に沿って延びている。また、図示するように、入力画像IMは、第1方向D1と第2方向D2とに沿ってマトリクス状に配置された複数の画素Pxによって、表現されている。第1数Nnは、第1方向D1の画素数を示し、第2数Nmは、第2方向D2の画素数を示している。
図5の最初のステップS200では、抽出部220は、入力画像データから、各画素Pxの色値を取得する。本実施例では、各画素の色値は、赤Rと緑Gと青Bとの3つの色成分の階調値である。次のステップS210では、抽出部220は、元の色値から輝度値Ypを算出する。元の色値からの輝度値Ypの算出は、予め決められた演算式に従って、行われる。本実施例では、以下の演算式が用いられる。
Yp=(0.25R+0.5G+0.25B)/255
本実施例では、算出された輝度値Ypは、0以上1以下の範囲内の値として、定義されている。
Yp=(0.25R+0.5G+0.25B)/255
本実施例では、算出された輝度値Ypは、0以上1以下の範囲内の値として、定義されている。
次のステップS220では、抽出部220は、第1方向D1の輝度値分布を算出する。図6(B)は、輝度値分布の算出例を示している。抽出部220は、第2方向D2に延びる1本の画素ライン(「画素行」とも呼ぶ)から、輝度値Ypの平均値Yavを算出する。抽出部220は、この平均輝度値Yavの算出を、1番目からNn番目までのNn本の画素ラインのそれぞれついて、行う。図6(B)は、画素ラインの−D1方向の位置PD1と、平均輝度値Yavと、の対応関係を示すグラフである。
図示するように、背景のみを表す画素ラインの平均輝度値Yavは、ほとんど「1」である。また、写真Ipを表す画素ラインの平均輝度値Yavは、比較的小さく、文字列It1〜It4を表す画素ラインの平均輝度値Yavは、比較的大きい。この理由は、以下の通りである。すなわち、文字は、背景上の細線によって表されるので、文字列を表す画素ラインは、比較的多くの背景画素(すなわち、背景を表す画素)を含む。一方、写真は、その内部に背景を含まないので、写真を表す画素ラインは、比較的少しの背景画素を含む。従って、写真を表す画素ラインの平均輝度値Yavは、文字列を表す画素ラインの平均輝度値Yavと比べて、小さい傾向がある。一般に、写真に限らず、イラストやパイチャート等の文字とは異なる種類のオブジェクトを表す画素ラインの平均輝度値Yavは、文字列を表す画素ラインの平均輝度値Yavと比べて、小さい傾向がある。
図5の次のステップS230では、抽出部220は、平均輝度値Yavを用いて、入力画像IMからオブジェクト画像を抽出する。具体的には、抽出部220は、平均輝度値Yavに応じて、画素ラインによって表されるオブジェクトの種類を、「背景Ab」と「文字At」と「非文字Ai」とのいずれかに特定する。平均輝度値Yavが所定の第1閾値Yth1以上である場合、種類が「背景Ab」と特定される。平均輝度値Yavが第1閾値Yth1未満であり、かつ、平均輝度値Yavが所定の第2閾値Yth2以上である場合、種類が「文字At」と特定される。ここで、第2閾値Yth2は、第1閾値Yth1よりも、小さい。平均輝度値Yavが第2閾値Yth2未満である場合、種類が「非文字Ai」と特定される。
図6(C)は、画素ラインの位置PD1と、特定された種類と、の対応関係を示すグラフである。図6(D)は、入力画像IM上の特定された種類毎の領域を示す概略図である。図6(C)に示するように、写真Ipを表す連続な複数の画素ラインが、非文字Aiと特定されている。図6(D)の非文字領域Ai1は、非文字Aiと特定された複数の画素ラインによって構成される領域である。図示するように、非文字領域Ai1は、写真Ipを含み、入力画像IMの−D2側の端から+D2側の端まで拡がる矩形領域である。以下、この非文字領域Ai1によって表される画像を、「非文字オブジェクト画像Oi1」とも呼ぶ。
また、図6(C)に示すように、文字列It1〜It4を表す複数の画素ラインが、文字Atと特定されている。図6(D)の文字領域At1〜At4は、それぞれ、文字Atと特定された複数の画素ラインによって構成される領域である。図示するように、4つの文字領域At1〜At4は、それぞれ、4つの文字列It1〜It4に対応しており、背景を挟んで互いに分離している。各文字領域At1〜At4は、それぞれ、入力画像IMの−D2側の端から+D2側の端まで拡がる矩形領域である。以下、これらの文字領域At1〜At4によって表される画像の全体を、「文字オブジェクト画像Ot1」とも呼ぶ。文字オブジェクト画像Ot1は、互いに分離した4つの画像(4つの領域At1〜At4のそれぞれの画像)で構成されている。
以上のように、抽出部220は、オブジェクトの種類を表す値(以下「特徴値WTI」と呼ぶ)を、画素ライン毎に決定することによって、2種類のオブジェクト画像Ot1、Oi1を抽出する。そして、図5の処理が終了する。
図4の次のステップS120では、色変換部232が、入力画像データの色変換を行う。色変換部232は、所定のルックアップテーブルに従って、印刷画素毎に、赤Rと緑Gと青Bの階調値を、複数のインクのそれぞれの階調値(ここでは、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックKのそれぞれの階調値)に、変換する。各インクの階調値は、インクの使用量(単に「インク量」とも呼ぶ)を表している。本実施例では、インク量は、0%から100%までの多階調(例えば、256階調)で表現されている。0%は、インク量がゼロであることを意味し、100%は、インク量が取り得る最大値を意味している。以下、色変換済のビットマップデータを、「インク画像データ」とも呼ぶ。色変換部232は、この色変換によって、複数の画素のそれぞれの色値として、CMYKの階調値を特定する。
次のステップS130では、調整部234が、インク使用量調整処理を実行する。図7は、インク使用量調整処理のフローチャートである。最初のステップS300は、調整リストの生成処理であり、次のステップS310は、調整リストに応じてインク使用量(各インクの階調値)を調整する処理である。インク使用量を調整する処理では、インク画像データによって表されるブラックKの階調値が、上限データ134によって定められる上限値を超える場合に、その階調値が上限値以下の値に調整される。調整リストは、調整前のCMYKの階調値と調整後のCMYKの階調値との対応関係を表すリストである。後述するように、調整リストは、調整すべき階調値の対応関係のみを、表している。
図8は、調整リストの生成処理のフローチャートである。最初のステップS400では、調整部234は、調整リストを初期化する。本実施例では、文字用調整リストと、非文字用調整リストとの、2つの空のリストが生成される。次のステップS410では、調整部234は、入力画像IMの処理対象の画素ライン(すなわち、画素行)の番号iを「1」に初期化する。次のステップS420では、調整部234は、入力画像IMのi番目の画素行(以下、単に「i行」とも呼ぶ)の特徴値WTIを特定する。特徴値WTIが「背景Ab」を表す場合、処理は、ステップS450に移行する。特徴値WTIが「非文字Ai」を表す場合、調整部234は、次のステップS430で、i行を用いて非文字用調整リストを更新する。特徴値WTIが「文字At」を表す場合、調整部234は、次のステップS440で、i行を用いて文字用調整リストを更新する。いずれの場合も、調整リストの更新が終了したら、処理は、ステップS450に移行する。ステップS450では、調整部234は、処理対象の画素ラインの番号iに「1」を追加して番号iを更新する。次のステップS460では、調整部234は、全ての画素ラインの処理が終了したか否か(ここでは、番号iが第1数Nn以上であるか否か)を判定する。未処理の画素ラインが残っている場合(S460:No)、調整部234は、ステップS420に戻って、更新された番号iの画素ラインの処理を行う。全ての画素ラインの処理が終了したら(S460:Yes)、図8の処理が終了する。
図9は、調整リストの更新処理のフローチャートである。このフローチャートは、文字用調整リストと非文字用調整リストとに共通である。以下、非文字用調整リストを更新することとして、説明を行う。
最初のステップS500では、調整部234は、上限データ134(図1)を参照して、i行の階調値の上限値を取得する。図10は、上限データ134の説明図である。上限データ134は、ブラックKの上限値IUkと、シアンCとマゼンタMとイエローYとに共通な上限値IUcmyと、を定めている。以下、ブラックKの上限値IUkを、「ブラック上限値IUk」とも呼ぶ。上限値IUk、IUcmyは、印刷媒体PMの第1面S1上の再給紙ローラ341(図1)と接触する領域内で、設定されている。
図10(A)は、印刷媒体PMの第1面S1と再給紙ローラ341との接触領域の概略図である。図中の第1方向D1と第2方向D2とは、第1面S1の印刷時(図3(B)、図3(C))の、印刷媒体PMに対する方向を示している。図示するように、再給紙ローラ341は、第2方向D2に沿って間隔をあけて並ぶ3つのローラ341a、341b、341cを含んでいる(以下、再給紙ローラ341a、341b、341cと呼ぶ)。図中では、3つの接触領域AC1、AC2、AC3が、ハッチングで示されている。接触領域AC1、AC2、AC3は、両面印刷時に再給紙ローラ341a、341b、341cと接触する領域を、それぞれ示している。各接触領域AC1、AC2、AC3は、いずれも、第1面S1上を、印刷媒体PMの+D1側の端EPから−D1側の端EMまで延びる矩形状の領域である。接触領域AC1、AC2、AC3の第2方向D2の幅は、再給紙ローラ341a、341b、341cの幅と、それぞれ同じである。接触領域AC1、AC2、AC3を除いた残りの領域は、再給紙ローラ341a、341b、341cとは接触しない領域である(以下「非接触領域AnC」と呼ぶ)。
図10(B)は、第1面S1上の上限値IUcmy、IUkの分布を示す概略図である。本実施例では、ブラックKのインクの意図しない転写を抑制するように、ブラック上限値IUkが定められている。図示するように、接触領域AC1、AC2、AC3内では、ブラックKの上限値IUkが、100%よりも小さい値に設定されている。CMYの上限値IUcmyは、ブラックKの階調値をブラック上限値IUkに設定した場合の上限値を示している。ブラックKの階調値がブラック上限値IUkよりも小さい場合には、CMYの階調値として、上限値IUcmyよりも大きい値を採用可能である。非接触領域AnC内では、ブラックKおよびCMYの上限値IUk、IUcmyは設定されていない。
図10(C)は、階調値の上限値IUと、−D2方向の位置PD2と、の対応関係の概略を示すグラフである。接触領域AC1、AC2、AC3内のブラックKの上限値IUは、上限データ134によって定められるブラック上限値IUkである。後述するように、ブラック上限値IUkは、印刷媒体PM内の第2方向D2の位置に応じて4段階で変化する。図10(C)では、4段階のブラック上限値IUkが、重ねて示されている。非接触領域AnC内のブラックKの上限値IUは、色変換(図4:S120)の結果、ブラックKの階調値が取り得る最大値である。
同様に、接触領域AC1、AC2、AC3内のCMYの上限値IUは、上限データ134によって定められる上限値IUcmyである。上限値IUcmyは、ブラック上限値IUkの変化に応じて、4段階で変化する。図10(C)では、4段階の上限値IUcmyが、重ねて示されている。非接触領域AnC内のCMYの上限値IUは、ブラックKの階調値が非接触領域AnC内の上限値である場合に、取り得る最大値である。
図示するように、接触領域AC1、AC2、AC3内のブラック上限値IUkは、非接触領域AnC内のブラックKの上限値IUよりも、小さい値に設定されている。この理由は、再給紙ローラ341a、341b、341cを介するブラックインクの転写を抑制するためである。
図10(D)は、上限値IUk、IUcmyと、−D1方向の位置PD1と、の対応関係の概略を示すグラフである。図示するように、−D1方向の位置PD1は、4つの区間Sa、Sb、Sc、Sdに区分され、各区間Sa、Sb、Sc、Sd毎に、上限値IUk、IUcmyが設定されている。ブラック上限値IUkは、印刷媒体PMの+D1側の端EPから−D1側のEMに向かって、徐々に小さくなる。この理由は、以下の通りである。図3で説明したように、第1面S1の印刷時の第1方向D1を基準とする場合に、インクの意図しない転写の可能性は、印刷媒体PMの+D1側の端EPに近いほど小さく、印刷媒体PMの−D1側の端EMに近いほど大きい。そこで、ブラックKのインクの意図しない転写を抑制するために、意図しない転写の可能性が比較的高い領域では、ブラック上限値IUkが比較的小さな値に設定される。そして、ブラックKの階調値が過剰に小さくなることを抑制するために、意図しない転写の可能性が比較的低い領域では、ブラック上限値IUkが比較的大きな値に設定される。CMYの上限値IUcmyは、インク総量が過剰に多くなることを抑制するために、ブラック上限値IUkが大きいほど、小さい値に設定される。
なお、図10(B)では、第1接触領域AC1は、図10(C)で説明した4つの区間Sa、Sb、Sc、Sdに対応する4つの部分領域AC1a、AC1b、AC1c、AC1dに区分されている。各部分領域の符号は、接触領域の符号の末尾に、区間を特定する1文字の符号(+D1側から−D1側に向かって順番に「a」、「b」、「c」、「d」)を付加したものである。第2接触領域AC2と第3接触領域AC3とについても、同様である。
図9のステップS500では、調整部234は、上限データ134を参照することによって、i行の位置に対応付けられたブラック上限値IUkを取得する。例えば、i行が図10(D)の第2区間Sbに含まれる場合、ブラック上限値IUkは76%(図10(B))である。
次のステップS510では、調整部234は、i行の複数の画素のうちの接触領域AC1、AC2、AC3に含まれる画素の中から、濃画素の階調値を取得する。ここで、濃画素とは、ブラックKの階調値IKがブラック上限値IUkよりも大きい画素を意味している。検出される濃画素の数は、ゼロ以上の種々の値であり得る。
次のステップS520では、調整部234は、処理対象の濃画素の番号jを「1」に初期化する。
次のステップS530では、調整部234は、j番目の濃画素のCMYKの調整後階調値の候補Cm、Mm、Ym、Kmを取得する。本実施例では、調整部234は、ブラックKの調整前の階調値IKを、ブラック上限値IUkに変更することによって、調整後階調値の候補Cm、Mm、Ym、Kmを取得する。CMYの階調値は、変更されない。
図11は、非文字用調整リストの生成とインク量の調整との例を示す概略図である。図11(A)には、抽出部220によって抽出された非文字オブジェクト画像Oi1が示されている。第1画素Px1が、濃画素として検出されている。第1画素Px1は、第3接触領域AC3の第1部分領域AC3aに含まれる画素である。第1画素Px1のCMYKの階調値は、「4、4、4、88」であり、ブラック階調値IK(88)が、ブラック上限値IUk(79)よりも大きい。調整部234は、このような濃画素の調整後階調値の候補Cm、Mm、Ym、Kmとして、「4、4、4、79」を採用する。
図9の次のステップS540では、調整部234は、調整リストを参照して、j番目の濃画素の調整前階調値が、調整リストに登録済であるか否かを判定する。未登録である場合(S540:No)、次のステップS545で、調整部234は、調整前階調値と調整後階調値との対応関係を、調整リストに登録する。例えば、図11の例では、第1画素Px1の調整前階調値と調整後階調値との対応関係が、1番の対応関係として登録されている。
次のステップS560では、調整部234は、処理対象の濃画素の番号jに「1」を追加して番号jを更新する。次のステップS570では、調整部234は、全ての濃画素の処理が終了したか否かを判定する。未処理の濃画素が残っている場合(S570:No)、調整部234は、ステップS530に戻って、更新された番号jの濃画素の処理を行う。これにより、1本の画素ラインに複数の濃画素が含まれる場合には、複数の対応関係が調整リストに登録され得る。全ての濃画素の処理が終了した場合(S570:Yes)、図9の処理が終了する。
ステップS540で、j番目の濃画素の調整前階調値が、調整リストに登録済である場合(S540:Yes)、次のステップS550で、調整部234は、ブラックKの調整後階調値の候補Kmが、登録済のブラックKの調整後階調値Kxよりも小さいか否かを判定する。候補階調値Kmが登録済階調値Kxよりも小さい場合(S550:Yes)、次のステップS555で、調整部234は、登録済の調整後階調値を、調整後階調値の新たな候補に置換する(すなわち、j番目の濃画素の調整前階調値に対応する調整後階調値を、新たな候補で更新する)。そして、調整部234は、ステップS560に移行する。ステップS550の判定結果がNoである場合には、調整部234は、ステップS555をスキップして、ステップS560に移行する。
図12は、非文字用調整リストに登録された調整後階調値が更新される例を示す概略図である。説明のために、図12では、入力画像IMが、図11の入力画像IMとは異なる階調値で表されていることとする。この例では、先ず、濃画素として第1画素Px11が処理される。第1画素Px11は、第3接触領域AC3の第1部分領域AC3aに含まれている。第1画素Px11のCMYKの階調値は「4、4、4、88」であり、ブラック上限値IUkは、79である。調整用リストには、第1画素Px11のCMYKの階調値「4、4、4、88」と、調整後階調値の候補「4、4、4、79」と、の対応関係が、1番の対応関係として登録される。
後述するように、第1画素Px11を含む画素ラインの処理の後には、別の画素ラインが処理される。ここで、濃画素として第2画素Px12が処理されることとする。第2画素Px12は、第3接触領域AC3の第2部分領域AC3bに含まれている。第2画素Px12のCMYKの階調値は、第1画素Px11のCMYKの階調値と同じである(図9:S540:Yes)。また、ブラック上限値IUkは、76である。この結果、調整後階調値の候補は「4、4、4、76」である。この新たな候補のブラックKの階調値(76)は、登録済のブラックKの調整後階調値(79)よりも、小さい(図9:S550:Yes)。従って、調整部234は、登録済の調整後階調値(4、4、4、79)を、調整後階調値の新たな候補(4、4、4、76)に置換する。
全ての濃画素の処理が終了したら(図9:S570:Yes)、図9の処理、すなわち、図8のステップS430が終了する。そして、全ての画素行の処理が終了するまで、ステップS420〜S460の処理が繰り返される。例えば、図11の例では、さらに、第3接触領域AC3の第2部分領域AC3bに含まれる第2画素Px2が濃画素として検出され、第2画素Px2の調整前階調値(2、2、2、78)と調整後階調値(2、2、2、76)との対応関係が、2番目の対応関係として登録されている。以上、非文字用調整リストの更新について説明したが、文字用調整リストの更新も、同様に行われる。図13は、文字用調整リストの生成とインク量の調整との例を示す概略図である。図13(A)には、抽出部220によって抽出された文字オブジェクト画像Ot1が示されている。第1画素Px21が、濃画素として検出されている。第1画素Px21は、第1文字領域At1の文字を表す画素であり、第3接触領域AC3の第3部分領域AC3cに含まれている。第1画素Px21のCMYKの階調値は、「8、8、8、76」であり、ブラック上限値IUkは、73である。調整用リストには、第1画素Px21のCMYKの階調値「8、8、8、76」と、調整後階調値の候補「8、8、8、73」と、の対応関係が、1番の対応関係として登録される。
次に、濃画素として第2画素Px22が処理される。第2画素Px22は、第2文字領域At2の文字を表す画素であり、第3接触領域AC3の第4部分領域AC3dに含まれている。第2画素Px22のCMYK階調値は、第1画素Px21のCMYK階調値と同じである。また、ブラック上限値IUkは、70である。この結果、調整後階調値の候補は「8、8、8、70」である。この新たな候補のブラックKの階調値(70)は、登録済のブラックKの調整後階調値(73)よりも、小さい。従って、調整部234は、登録済の調整後階調値(8、8、8、73)を、調整後階調値の新たな候補(8、8、8、70)に置換する。
以上のように、全ての画素ラインの処理が終了した場合(図8:S460:Yes)、図9の処理、すなわち、図7のステップS300が、終了する。図7の次のステップS310では、調整部234は、生成した調整リストに応じて、インク画像データの階調値を調整する。具体的には、調整部234は、非文字領域Ai1(非文字オブジェクト画像Oi1)の全ての画素の階調値を、非文字用調整リストに従って変換し、文字領域At1〜At4(文字オブジェクト画像Ot1)の全ての画素の階調値を、文字用調整リストに従って、変換する。
例えば、図11(B)の例では、第1画素Px1を含む第1画素群Px1gの複数の画素の階調値が、図11(A)の調整リストの1番の対応関係の調整前階調値と同じである。従って、第1画素群Px1gの複数の画素の階調値が、1番の対応関係の調整後階調値に調整される。また、第2画素Px2を含む第2画素群Px2gの複数の画素の階調値が、図11(A)の調整リストの2番の対応関係の調整前階調値と同じである。従って、第2画素群Px2gの複数の画素の階調値が、2番の対応関係の調整後階調値に調整される。なお、第1画素群Px1gと第2画素群Px2gとは、それぞれ、非文字領域Ai1の全体(接触領域AC1、AC2、AC3と非接触領域AnCとの両方を含む)から検出される。従って、接触領域AC1、AC2、AC3と非接触領域AnCと間の色のバランスが崩れることを抑制しつつ、インク量を調整できる。
図12(B)の例では、第1画素Px11を含む第1画素群Px11gの複数の画素の階調値と、第2画素Px12を含む第2画素群Px12gの複数の画素の階調値とが、図12(A)の調整リストの1番の対応関係の調整前階調値と同じである。従って、第1画素Px11と第2画素Px12とを含む複数の画素(第1画素群Px11gと第2画素群Px12g)の階調値が、1番の対応関係の調整後階調値に調整される。なお、第1画素群Px11gを含む第1部分領域AC3aのブラック上限値IUk(79)は、第2画素群Px12gを含む第2部分領域AC3bのブラック上限値IUk(76)よりも、大きい。しかし、第1画素群Px11gと第2画素群Px12gとの両方のブラックKの階調値は、共通のブラック上限値IUk(小さい方のブラック上限値IUk(76))以下に調整される。従って、第1部分領域AC3aと第2部分領域AC3bとの間の色のバランスが崩れることを抑制しつつ、インク量を調整できる。
図13(B)の例では、第1画素Px21と第2画素Px22とを含む文字を表す複数の画素の階調値が、図13(A)の調整リストの1番の対応関係の調整前階調値と同じである。従って、文字オブジェクト画像Ot1の全体の文字を表す画素の階調値が、1番の対応関係の調整後階調値に調整される。なお、第1画素Px21を含む第3部分領域AC3cのブラック上限値IUk(73)は、第2画素Px22を含む第4部分領域AC3dのブラック上限値IUk(70)よりも、大きい。しかし、第1画素Px21と第2画素Px22との両方のブラックKの階調値は、共通のブラック上限値IUk(小さい方のブラック上限値IUk(70))以下に調整される。従って、第1部分領域AC3aと第2部分領域AC3bとの間の色のバランスが崩れることを抑制しつつ、インク量を調整できる。また、本実施例では、全ての文字領域At1〜At4の画素の階調値が、共通の調整リストに従って、調整される。従って、複数の文字列の間で色のバランスが崩れることを抑制しつつ、インク量を調整できる。
図7のステップS310の終了に応じて、図7の処理、すなわち、図4のステップS130が終了する。なお、ステップS130のインク使用量調整処理は、第1面S1に印刷されるべき画像に対して行われる。第2面S2に印刷されるべき画像に対しては、インク使用量調整処理は、行われない。また、両面印刷を行わずに片面印刷を行う場合には、インク使用量調整処理は省略される。
図4の次のステップS140では、調整済データ生成部236は、階調値が調整されたインク画像データに応じて、印刷データを生成する。印刷データは、プリンタ170によって解釈可能な形式の画像データである。印刷データを生成する方法としては、データ形式に適した任意の方法を採用可能である。例えば、調整済データ生成部236は、調整済のインク画像データを用いてハーフトーン処理を行い、ハーフトーン処理の結果に応じて、印刷データを生成する。ハーフトーン処理としては、いわゆる誤差拡散法に従った処理が行われる。この代わりに、ディザマトリクスを用いる方法を採用してもよい。次のステップS150では、調整済データ生成部236は、生成した印刷データをプリンタ170に送信する。プリンタ170は、受信した印刷データに従って、画像を印刷する。
以上のように、データ生成部230の調整済データ生成部236は、図11で説明したように、第1部分領域AC3aにおけるブラックKの階調値として、所定の第1上限値(79)以下の量を定め、第2部分領域AC3bにおけるブラックKの階調値として、第1上限値(79)よりも小さい所定の第2上限値(76)以下の量を定める印刷データを生成する。従って、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体PMの汚れを抑制できる。
また、図3(D)で説明したように、再給紙ローラ341は、第1面S1の印刷が完了した後に、第2面S2の印刷を行うために、第1面S1の印刷時の搬送方向(+D1方向)とは反対の方向(−D1)に印刷媒体PMを搬送するローラである。このような再給紙ローラ341を備えるプリンタ170を用いる場合には、印刷媒体PM(図10(A))の+D1側の端EPと−D1側の端EMとの間のインクの乾燥時間の差(インクドットdtが形成されてからインクドットdtが再給紙ローラ341と接触するまでの時間の差)が大きい傾向にある。本実施例では、図10(C)で説明したように、第1方向D1の位置に応じて、ブラック上限値IUkが異なっている。従って、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
また、図11で説明したように、第3接触領域AC3の第1部分領域AC3aと非接触領域AnCとの両方が、第1部分領域AC3aのブラック上限値IUkよりも大きい同じ階調値を示す画素(第1画素群Px1g)を含む場合に、第1部分領域AC3aと非接触領域AnCとの両方の画素(第1画素群Px1g)のブラックKの階調値が、ブラック上限値IUk以下であるように、印刷データが生成される。従って、接触領域と非接触領域との間の色のバランスが崩れることを抑制しつつ、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
また、図12で説明したように、第3接触領域AC3の第1部分領域AC3aと第2部分領域AC3bとの両方が、比較的大きいブラック上限値IUk(第1部分領域AC3aのブラック上限値IUk)よりも大きい同じ階調値を示す画素(Px11、Px12)を含む場合に、それらの画素Px11、Px12の両方のブラックKの階調値が、比較的小さいブラック上限値IUk(第2部分領域AC3bのブラック上限値IUk)以下であるように、印刷データが生成される。従って、第1部分領域AC3aと第2部分領域AC3bとの間の色のバランスが崩れることを抑制しつつ、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
また、図12(A)の第1画素Px11のブラックKの階調値(88)は、図11(A)の第1画素Px1のブラックKの階調値(88)と同じである。しかし、図12(B)の第1画素Px11調整後のブラックKの階調値(76)は、図11(B)の第1画素Px1の調整後のブラックKの階調値(79)よりも、小さい。この理由は、1つのオブジェクト画像が、同じ階調値を有する複数の濃画素を含む場合には、各濃画素に対応付けられたブラック上限値IUkのうちの最も小さいブラック上限値IUkが、複数の濃画素に共通に適用されるからである。
換言すれば、1つのオブジェクト画像に含まれる同じ階調値を有する複数の濃画素には、それら複数の濃画素のいずれとも対応付けられていないブラック上限値IUk(例えば、当該オブジェクト領域の外の領域に対応付けられたブラック上限値IUk)は、適用されない。例えば、図11の非文字オブジェクト画像Oi1が、接触領域内に印刷されるべき部分として、第2部分領域AC3b内の部分を含まずに第1部分領域AC3a内の部分のみを含み、かつ、第1部分領域AC3aに含まれる第1画素Px1のブラックKの階調値(88)が、第1部分領域AC3aのブラック上限値IUk(79)よりも大きいと仮定する。この場合、その第1画素Px1のブラックKの調整後の階調値は、第2部分領域AC3bのブラック上限値IUk(76)よりも大きく第1部分領域AC3aのブラック上限値IUk(79)以下の値に設定される(本実施例では、第1部分領域AC3aのブラック上限値IUkと同じ79)。従って、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
また、本実施例では、上述のように、シアンCとマゼンタMとイエローYとブラックKとのそれぞれのインクのうちの最も濃いブラックKの階調値が、ブラック上限値IUkによって制限される。従って、他のインクと比べて目立ちやすいブラックKによる汚れを抑制できる。また、ブラックKの階調値を制限する場合であっても、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制できる。特に、ブラックKのインクが、他のインクと比べて、乾燥し難い場合に(例えば、CMYの各インクが染料インクであり、ブラックKのインクが顔料インクである場合に)、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制し、さらに、再給紙ローラ341に付着したブラックKのインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
また、本実施例では、調整部234は、色変換済のインク画像データの階調値を調整する。そして、調整済データ生成部236は、調整済の階調値に応じて印刷データを生成する。従って、調整済データ生成部236は、ブラックKの適切な階調値を実現する印刷データを生成することができる。なお、印刷済画像におけるブラックKのインクの単位面積当たりのインク量は、ブラック上限値IUkに対応付けられた量以下に制限される。印刷済画像における単位面積当たりのインク量は、例えば、インクドットdtの総数によって特定可能である。互いにサイズが異なる複数種類のインクドットが用いられる場合には、サイズに応じた重み付きのインクドットの総数を採用すればよい。
B.第2実施例:
図14は、オブジェクト画像の抽出と調整リストの生成との別の実施例を示す概略図である。上述した図8の実施例では、調整リストとして、文字用調整リストと非文字用調整リストとの2つが用いられている。従って、非文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの文字オブジェクト画像には、共通の文字用調整リストが適用される(図示省略)。第2実施例では、非文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの文字オブジェクト画像には、互いに異なる文字用調整リストが適用される。同様に、文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの非文字オブジェクト画像には、互いに異なる非文字用調整リストが適用される。
図14は、オブジェクト画像の抽出と調整リストの生成との別の実施例を示す概略図である。上述した図8の実施例では、調整リストとして、文字用調整リストと非文字用調整リストとの2つが用いられている。従って、非文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの文字オブジェクト画像には、共通の文字用調整リストが適用される(図示省略)。第2実施例では、非文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの文字オブジェクト画像には、互いに異なる文字用調整リストが適用される。同様に、文字オブジェクト画像を挟んで分離した2つの非文字オブジェクト画像には、互いに異なる非文字用調整リストが適用される。
図14には、入力画像IM2と、抽出されるオブジェクト画像と、が示されている。この入力画像IM2は、−D1方向に沿って並ぶ、文字領域At11、At12と、非文字領域Ai11と、文字領域At13、At14と、非文字領域Ai12と、を表している。抽出部220は、非文字領域を挟まずに第1方向D1に沿って並ぶ1以上の文字領域を、1つの文字オブジェクト画像として抽出し、文字領域を挟まずに第1方向D1に沿って並ぶ1以上の非文字領域を、1つの非文字オブジェクト画像として抽出する。例えば、図14の例では、第1文字領域At11と第2文字領域At12とが、第1文字オブジェクト画像Ot11として抽出され、第1非文字領域Ai11が、第1非文字オブジェクト画像Oi11として抽出され、第3文字領域At13と第4文字領域At14とが、第2文字オブジェクト画像Ot12として抽出され、第2非文字領域Ai12が、第2非文字オブジェクト画像Oi12として抽出される。
調整部234は、オブジェクト画像毎に、調整リストを生成する。図14の例では、調整部234は、第1文字オブジェクト画像Ot11に応じて、第1文字オブジェクト画像Ot11のための第1文字用調整リストを生成する。同様に、第1非文字オブジェクト画像Oi11に応じて、第1非文字オブジェクト画像Oi11のための第1非文字用調整リストが生成され、第2文字オブジェクト画像Ot12に応じて、第2文字オブジェクト画像Ot12のための第2文字用調整リストが生成され、第2非文字オブジェクト画像Oi12に応じて、第2非文字オブジェクト画像Oi12のための第2非文字調整リストが生成される。
このように、第2実施例では、オブジェクト画像毎に調整リストが生成されるので、1つのオブジェクト画像における階調値の制限が、他のオブジェクト画像に影響を与えることを、抑制できる。この結果、印刷された画像の濃度が過剰に薄くなることを抑制しつつ、再給紙ローラ341に付着したインクによる印刷媒体の汚れを抑制できる。
C.第3実施例:
図15は、調整リストの別の実施例を示す説明図である。上記各実施例からの差異は、調整部234が、ブラックKの階調値を調整する場合に、CMYの階調値も調整する点だけである。調整部234は、ブラックKの階調値を低減する場合に、CMYのそれぞれの階調値を増大させる。例えば、調整部234は、ブラックKの調整後階調値を調整前階調値で除算して得られる比率の逆数を、CMYのそれぞれの階調値に乗じることによって、CMYのそれぞれの調整後階調値を増大させる。この結果、階調値の調整に起因する色の変化を抑制できる。図15の例では、ブラックKの階調値が低減される代わりに、CMYのそれぞれの階調値が増大しているので、印刷済画像の色が薄くなることを抑制できる。なお、CMYのいずれかの調整後階調値が、上限値IUcmyを超える場合には、調整部234は、上限値IUcmyを超えた調整後階調値を、上限値IUcmyに再設定する。ここで、印刷される色の変化を抑制するためには、CMYの階調値の比率を、階調値の調整前後で維持することが好ましい。
図15は、調整リストの別の実施例を示す説明図である。上記各実施例からの差異は、調整部234が、ブラックKの階調値を調整する場合に、CMYの階調値も調整する点だけである。調整部234は、ブラックKの階調値を低減する場合に、CMYのそれぞれの階調値を増大させる。例えば、調整部234は、ブラックKの調整後階調値を調整前階調値で除算して得られる比率の逆数を、CMYのそれぞれの階調値に乗じることによって、CMYのそれぞれの調整後階調値を増大させる。この結果、階調値の調整に起因する色の変化を抑制できる。図15の例では、ブラックKの階調値が低減される代わりに、CMYのそれぞれの階調値が増大しているので、印刷済画像の色が薄くなることを抑制できる。なお、CMYのいずれかの調整後階調値が、上限値IUcmyを超える場合には、調整部234は、上限値IUcmyを超えた調整後階調値を、上限値IUcmyに再設定する。ここで、印刷される色の変化を抑制するためには、CMYの階調値の比率を、階調値の調整前後で維持することが好ましい。
D.変形例:
(1)ブラック上限値IUkは、第1面S1と再給紙ローラ341a、341b、341cとの接触領域AC1、AC2、AC3に限らず、第1面S1の印刷が完了した後に第1面S1と他のローラとが接触する領域内において、定められていてもよい。例えば、図3(E)に示す搬送ローラ330と第1面S1とが接触する領域内において、ブラック上限値IUkが定められていても良い。また、ブラック上限値IUkは、図10(D)に示すように、第1方向D1の位置の変化に応じてステップ状に変化してもよく、この代わりに、第1方向D1の位置の変化に応じて滑らかに変化してもよい。
(1)ブラック上限値IUkは、第1面S1と再給紙ローラ341a、341b、341cとの接触領域AC1、AC2、AC3に限らず、第1面S1の印刷が完了した後に第1面S1と他のローラとが接触する領域内において、定められていてもよい。例えば、図3(E)に示す搬送ローラ330と第1面S1とが接触する領域内において、ブラック上限値IUkが定められていても良い。また、ブラック上限値IUkは、図10(D)に示すように、第1方向D1の位置の変化に応じてステップ状に変化してもよく、この代わりに、第1方向D1の位置の変化に応じて滑らかに変化してもよい。
また、両面印刷を実行可能なプリンタ170の構成としては、図2、図3に示す構成に限らず、種々の構成を採用可能である。例えば、図2、図3と同じ方向を向いて見た場合に、第1面S1の印刷が完了した後に、時計回りに印刷媒体PMを搬送することによって、印刷媒体PMを反転させる構成(第1面S1と第2面S2とを入れ替える構成)を採用してもよい。いずれの場合も、第1面S1の印刷が完了した後に、印刷媒体PMを反転させるために、第1面S1の印刷時の搬送方向とは反対の方向に印刷媒体PMを搬送するローラを含む構成を採用可能である。そのような構成を採用する場合、そのローラと第1面S1との接触領域内において、ブラック上限値IUkが定められていることが好ましい。
いずれの場合も、第1面S1上のローラとは接触しない非接触領域にのみインクドットdtが形成されるような画像を印刷すれば、入力画像データの階調値に応じた本来のインク量(すなわち、ブラック上限値IUkによって制限されていない場合のインク量)を特定可能である。
(2)データ生成部230(例えば、調整部234)は、インクの色成分の階調値を調整する代わりに、インクの色成分とは異なる他の色成分の階調値を調整してもよい。データ生成部230は、例えば、赤R、緑G、青Bの階調値を調整することによって、ブラックKのインク量を上限値以下に調整してもよい。例えば、赤R、緑G、青Bの合計値が、所定の下限値(「RGB下限値」と呼ぶ)以上となるように、赤R、緑G、青Bの比率を固定しつつ、赤R、緑G、青Bのそれぞれの階調値を増大させてもよい。こうすれば、ブラックKのインク量を、RGB下限値によって実現される量以下に調整することができる。
(3)データ生成部230(例えば、調整部234)は、ブラックKのインクに限らず、他のインクのインク量を、上限値以下に調整してもよい。一般には、意図しない再転移が生じ易いインクのインク量を、上限値以下に調整すればよい。
(4)印刷処理の手順としては、図4で説明した手順に限らず、種々の手順を採用可能である。例えば、データ取得部210は、図示しないネットワークを通じて、他の装置から入力画像データを取得してもよい。また、データ取得部210の代わりに、色変換部232が、ステップS120で、ラスタライズを実行してもよい。この場合、ユーザによって指定された印刷対象の画像データが、入力画像データに対応する。抽出部220は、データ取得部210によって取得された画像データを、そのまま入力画像データとして用いて、オブジェクト画像を抽出すればよい。この代わりに、色変換部232によってラスタライズされた画像データを用いて、オブジェクト画像を抽出してもよい。この場合も、抽出部220は、入力画像中のオブジェクト画像を抽出している、ということができる。一般に、抽出部220がオブジェクト画像を抽出するために解析する画像データとしては、入力画像と同じ画像を表す任意の画像データを採用可能である。また、データ取得部210は、ラスタライズ済の画像データを、入力画像データとして取得してもよい。
オブジェクト画像の抽出方法としては、図5、図6で説明した方法に限らず、他の種々の方法を採用可能である。例えば、処理対象の画像を複数の処理領域に分割し、処理領域毎に画素値(例えば、輝度値)の分散を算出し、分散が第1閾値よりも小さい処理領域を文字領域に分類し、分散が第2閾値(第2閾値>第1閾値)よりも大きい処理領域を写真領域に分類し、分散が第1閾値以上第2閾値以下である処理領域をイラスト領域に分類する。そして、同じ種類の処理領域が連続することによって構成される1つの連続な領域を、1つのオブジェクト画像として抽出する。ここで、第2方向D2に延びる1本の画素ラインが、複数のオブジェクト画像と重なっていても良い。いずれの場合も、データ生成部230(例えば、調整部234)は、オブジェクト画像毎に調整リストを生成して、1つのオブジェクト画像内の全ての画素に、共通の調整リストを適用することが好ましい。こうすれば、1つのオブジェクト画像の内部で色のバランスが崩れることを抑制できる。
(5)プリンタ170が利用可能なインクとしては、CMYKのそれぞれのインクに加えて、他のインク(例えば、レッドインク)を採用してもよい。また、ブラックKのインクのみを採用してもよい。また、プリンタ170としては、インクを用いるインクジェット式のプリンタに限らず、トナーを用いるレーザプリンタを採用してもよい。この場合、定着後の冷却が不十分な状態で、印刷済の第1面S1が搬送ローラと接触すると、トナーが搬送ローラに付着し、搬送ローラから印刷媒体PMにトナーが転写される可能性がある。この場合、上限データ134によって定められる単位面積当たりのトナー量の上限値が、トナーが印刷媒体PMに定着してから、印刷媒体PM上のトナーが両面印刷のための搬送ローラに接触するまでの時間(冷却時間)が短いほど、小さいことが好ましい。そして、データ生成部230(例えば、調整部234)は、そのようなトナー量の上限値を用いて、トナー量を調整することが好ましい。
(6)図1に示す実施例において、画像処理装置200の機能(例えば、処理部210〜236の機能)は、複合機100の画像処理装置200とは異なる他の装置(例えば、ネットワークを介してプリンタと通信可能なコンピュータ)によって、実現されてもよい。いずれの場合も、データ生成部230(例えば、調整済データ生成部236)は、印刷データを、ネットワークを通じて、プリンタに送信すればよい。
また、ネットワークを介して互いに通信可能な複数の装置(例えば、コンピュータ)が、画像処理装置200の機能を一部ずつ分担して、全体として、画像処理装置200の機能を提供してもよい(これらの装置を備えるシステムが画像処理装置に対応する)。
上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1のデータ生成部230の機能を、論理回路を有する専用のハードウェア回路によって実現してもよい。
また、本発明の機能の一部または全部がコンピュータプログラムで実現される場合には、そのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、一時的ではない記録媒体)に格納された形で提供することができる。プログラムは、提供時と同一または異なる記録媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体)に格納された状態で、使用され得る。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」は、メモリカードやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種ROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスクドライブ等のコンピュータに接続されている外部記憶装置も含んでいる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...複合機、110...CPU、120...揮発性記憶装置、130...不揮発性記憶装置、132...プログラム、134...上限データ、140...表示部、150...操作部、170...プリンタ、180...インタフェース、200...画像処理装置、210...データ取得部、220...抽出部、230...データ生成部、232...色変換部、234...調整部、236...調整済データ生成部、305...給紙トレー、310...ピックアップローラ、321...給紙ローラ、330...搬送ローラ、341、341a、341b、341c...再給紙ローラ、350...印刷ヘッド、360...排紙トレー、PM...印刷媒体、dt...インクドット
Claims (8)
- 画像処理装置であって、
入力画像データを取得するデータ取得部と、
前記入力画像データに応じて、印刷装置に、印刷媒体の第1面の印刷と前記第1面の反対側の第2面の印刷とを実行させるための印刷データを生成するデータ生成部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記印刷媒体の前記第1面上の領域であって前記第1面の印刷が完了した後に前記印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、前記接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、前記接触領域内の前記第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、前記第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する、
画像処理装置。 - 請求項1に記載の画像処理装置であって、
前記搬送ローラは、前記第1面の印刷が完了した後に、前記第2面の印刷を行うために、前記第1面の印刷時の搬送方向とは反対の方向に前記印刷媒体を搬送するローラである、
画像処理装置。 - 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、さらに、
前記入力画像データによって表される画像中のオブジェクト画像を抽出する抽出部を備え、
前記データ生成部は、
前記入力画像データに応じて複数の画素のそれぞれの色値を特定し、
1つのオブジェクト画像が、前記接触領域内の前記第1部分に印刷されるべき部分画像である接触部分画像と、前記接触領域の外に印刷されるべき部分画像である非接触部分画像と、を含み、かつ、前記接触部分画像と前記非接触部分画像との両方が、前記第1上限量よりも多い色材量に対応付けられた色値の画素である第1種濃画素を含む場合に、前記接触部分画像の前記第1種濃画素の前記色材量と、前記非接触部分画像の前記第1種濃画素の前記色材量と、の両方が、前記第1上限量以下であるように、前記印刷データを生成する、
画像処理装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置であって、さらに、
前記入力画像データによって表される画像中のオブジェクト画像を抽出する抽出部を備え、
前記データ生成部は、
前記入力画像データに応じて複数の画素のそれぞれの色値を特定し、
1つのオブジェクト画像が、前記接触領域内の前記第1部分に印刷されるべき部分画像である第1接触部分画像と、前記接触領域内の前記第2部分に印刷されるべき部分画像である第2接触部分画像と、を含み、かつ、前記第1接触部分画像と前記第2接触部分画像との両方が、前記第1上限量よりも多い色材量に対応付けられた色値の画素である第2種濃画素を含む場合に、前記第1接触部分画像の前記第2種濃画素の前記色材量と、前記第2接触部分画像の前記第2種濃画素の前記色材量と、の両方が、前記第1上限量よりも少ない前記第2上限量以下であるように、前記印刷データを生成する、
画像処理装置。 - 請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記データ生成部は、
1つのオブジェクト画像が、前記接触領域内に印刷されるべき部分として前記第2接触部分画像を含まずに前記第1接触部分画像のみを含み、かつ、前記第1接触部分画像が前記第2種濃画素を含む場合に、前記第1接触部分画像の前記第2種濃画素の前記色材量が、前記第2上限量より多く前記第1上限量以下であるように、前記印刷データを生成する、
画像処理装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記印刷装置は、シアンとマゼンタとイエローとブラックとを含む複数色の色材を用いる印刷装置であり、
前記特定の色材は、前記ブラックの色材であり、
前記データ生成部は、前記接触領域内の前記第1部分における前記ブラックの色材の前記色材量が前記第1上限量以下であり、かつ、前記接触領域内の前記第2部分における前記ブラックの色材の前記色材量が前記第2上限量以下であるように、前記印刷データを生成する、
画像処理装置。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の画像処理装置であって、
前記印刷装置は、シアンとマゼンタとイエローとブラックとを含む複数の色材を用いる印刷装置であり、
前記データ生成部は、
前記入力画像データに従って色変換処理を実行することによって、複数の画素のそれぞれの色値として前記複数の色材のそれぞれの階調値を表す色材画像データを生成する色変換部と、
前記色材画像データによって表される前記階調値を調整する調整部と、
前記調整された階調値に応じて前記印刷データを生成する調整済データ生成部と、
を備え、
前記調整部は、
前記接触領域内の前記第1部分に印刷されるべき第1画素の前記特定の色材の前記階調値である特定色階調値が前記第1上限量に対応付けられた第1上限階調値よりも大きい場合に、前記第1画素の前記特定色階調値を前記第1上限階調値以下に変更し、
前記接触領域内の前記第2部分に印刷されるべき第2画素の前記特定色階調値が前記第2上限量に対応付けられた第2上限階調値よりも大きい場合に、前記第2画素の前記特定色階調値を前記第2上限階調値以下に変更する、
画像処理装置。 - プログラムであって、
入力画像データを取得するデータ取得機能と、
前記入力画像データに応じて、印刷装置に、印刷媒体の第1面の印刷と前記第1面の反対側の第2面の印刷とを実行させるための印刷データを生成するデータ生成機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記データ生成機能は、前記印刷媒体の前記第1面上の領域であって前記第1面の印刷が完了した後に前記印刷装置の搬送ローラと接触する領域である接触領域を含む範囲に印刷されるべき画像を表す印刷データを生成する場合に、前記接触領域内の第1部分における特定の色材の単位面積当たりの量である色材量として、所定の第1上限量以下の量を定め、かつ、前記接触領域内の前記第1部分よりも後に印刷される第2部分における色材量として、前記第1上限量よりも少ない所定の第2上限量以下の量を定める印刷データを生成する機能を含む、
プログラム。
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