JP2014144870A - 紙送りローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状のローラ本体3を構成する内層6、および外層8の初期の物性があらかじめ設定した設計値とされているとともに、中間層7によって、前記両層間で成分が移動するのが確実に防止されて、前記両層の物性が初期から大きく変動したり、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりしないため、長期に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラ1を提供する。
【解決手段】前記中間層7を、前記内層6の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルム9を筒状に捲回して形成した。
【選択図】図1
【解決手段】前記中間層7を、前記内層6の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルム9を筒状に捲回して形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、静電式複写機や各種プリンタ等の画像形成装置において紙送りに用いられる紙送りローラに関するものである。
例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機や、あるいはインクジェットプリンタ等の画像形成装置、さらには自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構には、各種の紙送りローラが組み込まれている。
前記紙送りローラとしては、紙(プラスチックフィルムなどを含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって紙を搬送する、例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
前記紙送りローラとしては、紙(プラスチックフィルムなどを含む。以下同様。)と接触しながら回転して摩擦によって紙を搬送する、例えば給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等が挙げられる。
前記紙送りローラとして、従来は、例えばゴムの架橋物等の弾性材料によって筒状に一体形成され、その外周面が紙との接触面とされた単層のローラ本体と、当該ローラ本体の中心の通孔に挿通されたシャフトとを備えたものが一般的に用いられてきた。
しかし単層のローラ本体は、通紙枚数が多くなると、前記外周面の紙に対する摩擦係数が低下して紙の搬送不良を生じたり、紙が前記外周面をすべることによって音が出る、いわゆる鳴きを生じたりしやすいという問題があった。
しかし単層のローラ本体は、通紙枚数が多くなると、前記外周面の紙に対する摩擦係数が低下して紙の搬送不良を生じたり、紙が前記外周面をすべることによって音が出る、いわゆる鳴きを生じたりしやすいという問題があった。
そこで、これらの問題が生じるのを抑制するために、特許文献1では、ローラ本体を、それぞれ筒状の内層、中間層、および外層からなる3層構造とするとともに、前記各層をいずれも非多孔質で、かつ内層はタイプAデュロメータ硬さが10以下、外層はタイプAデュロメータ硬さが25〜60のエラストマによって形成することが検討されている。
すなわち、内層を前記のように軟らかいエラストマによって形成することで、ローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制しながら、外層を、前記内層よりも硬いエラストマによって形成することで、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができ、紙の搬送不良や鳴きが生じるのを、従来の単層構造のものに比べて、より長期に亘って防止できると考えられている。
すなわち、内層を前記のように軟らかいエラストマによって形成することで、ローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制しながら、外層を、前記内層よりも硬いエラストマによって形成することで、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができ、紙の搬送不良や鳴きが生じるのを、従来の単層構造のものに比べて、より長期に亘って防止できると考えられている。
中間層は、前記内層と外層との間で成分が移動するのを防止するために形成される。
すなわち、内層中に含まれる架橋剤、促進剤等の架橋成分や、可塑剤、オイル等の添加剤成分が外層側に移動したり、逆に外層中に含まれるこれらの成分が内層側に移動したりして、それぞれの層の硬さや弾性等の物性が、あらかじめ設定された範囲から大きく変動するのを防止するとともに、特に内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりするのを防止するために、前記内層、および外層間に中間層を設けている。
すなわち、内層中に含まれる架橋剤、促進剤等の架橋成分や、可塑剤、オイル等の添加剤成分が外層側に移動したり、逆に外層中に含まれるこれらの成分が内層側に移動したりして、それぞれの層の硬さや弾性等の物性が、あらかじめ設定された範囲から大きく変動するのを防止するとともに、特に内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりするのを防止するために、前記内層、および外層間に中間層を設けている。
前記中間層は、内層の外周面に、例えばポリウレタン等の樹脂を含む塗材をコーティングすることによって形成されている。また、例えば前記中間層を形成した内層を、当該内層の外径よりも内径が僅かに小さくされた外層の通孔内に圧入する等して、前記中間層と外層との間に接着剤等を介さずに、前記内層、中間層、および外層が一体化された3層構造のローラ本体が構成されている。
ところが、前記のように中間層を、内層の外周面に塗材をコーティングして形成する場合には、前記塗材が内層の外周面ではじかれることによって、形成される中間層にピンホール等の欠陥を生じやすい。
また前記中間層は、例えば連続したプラスチックフィルム等に比べて膜強度が低いため、前記中間層を形成した内層を外層の通孔内に圧入する際に、中間層が傷ついたりはく離したりしやすい。
また前記中間層は、例えば連続したプラスチックフィルム等に比べて膜強度が低いため、前記中間層を形成した内層を外層の通孔内に圧入する際に、中間層が傷ついたりはく離したりしやすい。
そのため前記従来の中間層では、内層と外層との間を完全に隔離して成分の移動を防止することが困難な場合がある。すなわち、前記ピンホールや傷、はく離等の欠陥を生じると、これら欠陥の部分を通して、成分が内層から外層へ、あるいはその逆方向へ移動してしまうのである。
しかもこれらの欠陥を、前記のように圧入等によってローラ本体を組み立てた後から発見するのは困難であり、欠陥が生じているのを見過ごして紙送りローラを使用し続けた場合には、成分の移動による内層や外層の物性変化によって、摩擦係数が大きく低下したり、鳴きを生じたりしやすくなる。また、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりするおそれもある。
しかもこれらの欠陥を、前記のように圧入等によってローラ本体を組み立てた後から発見するのは困難であり、欠陥が生じているのを見過ごして紙送りローラを使用し続けた場合には、成分の移動による内層や外層の物性変化によって、摩擦係数が大きく低下したり、鳴きを生じたりしやすくなる。また、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりするおそれもある。
引用文献1には、前記塗材の塗布に代えて、熱収縮チューブを内層に被せたのち、加熱により熱収縮させることで、前記内層の外周面に密着させて中間層を形成することも記載されている。
かかる熱収縮チューブは、基本的に非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルムからなるため、前記欠陥を生じにくい。
かかる熱収縮チューブは、基本的に非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルムからなるため、前記欠陥を生じにくい。
しかし、前記のように熱収縮チューブを熱収縮させて中間層を形成すると、それによって内層には中間層から応力が加えられるため、前記内層の硬さや弾性等の物性が、設計値から大きく外れるおそれがある。例えば内層の硬さは、前記応力が加えられることで、設計値より硬くなる傾向がある。
しかも、中間層から内層にどの程度の応力が加えられるかを予測することは困難である。
しかも、中間層から内層にどの程度の応力が加えられるかを予測することは困難である。
内層の外径、中間層のもとになる熱収縮チューブの内径や熱収縮量等がばらつくと、中間層から内層に加えられる応力が大きく変動してしまう。
そのため、前記中間層から内層に加えられる応力を予測して、圧縮後の内層の物性が所定値となるように、前記内層のもとになる材料を調製するといったことは、実質的に不可能である。
そのため、前記中間層から内層に加えられる応力を予測して、圧縮後の内層の物性が所定値となるように、前記内層のもとになる材料を調製するといったことは、実質的に不可能である。
本発明の目的は、筒状のローラ本体を構成する内層、および外層の初期の物性があらかじめ設定した設計値とされているとともに、中間層によって、前記両層間で成分が移動するのが確実に防止されて、前記両層の物性が初期から大きく変動したり、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりしないため、長期に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供することにある。
本発明は、筒状のローラ本体を備えた紙送りローラであって、前記ローラ本体は、それぞれ筒状の内層、中間層、および外層からなる3層構造を有し、前記中間層は、前記内層の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルムを筒状に捲回して形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、ローラ本体を構成する内層と外層との間を、従来の塗材からなるものとは違って、非多孔質でかつ連続した膜強度の強い、そのためピンホールや傷、剥離等を生じにくいプラスチックフィルムからなる中間層によって確実に隔離することができる。
本発明によれば、ローラ本体を構成する内層と外層との間を、従来の塗材からなるものとは違って、非多孔質でかつ連続した膜強度の強い、そのためピンホールや傷、剥離等を生じにくいプラスチックフィルムからなる中間層によって確実に隔離することができる。
また前記中間層は、前記プラスチックフィルムを、前記内層の外周面に筒状に捲回して形成されるため、その巻き方を調整することで、前記中間層から内層に加えられる応力をほぼゼロにすることが可能である上、前記応力を任意の値に調整することも可能である。そのため、従来の熱収縮チューブからなる中間層を備えたものと違って、前記内層の初期の物性を、あらかじめ設定した設計値に、容易に設定することができる。
したがって本発明によれば、前記内層、および外層の初期の物性が、あらかじめ設定した設計値とされているとともに、前記中間層によって、前記内層と外層との間で成分が移動するのが確実に防止されて、前記両層の物性が初期から大きく変動したり、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりしないため、長期に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供することが可能となる。
なお内層の外周面に捲回したプラスチックフィルムの両端は、内層と外層との間を完全に隔離して、前述した成分の移動を確実に防止するために、前記内層の外周面の周方向に互いにオーバーラップさせた状態とされる。
また内層はエラストマによって形成され、外層は前記内層よりも硬いエラストマによって形成される。これにより、先に説明したようにローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制しながら、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができ、紙の搬送不良や鳴きが生じるのを、従来の単層構造のものに比べて、より長期に亘って防止できる。
また内層はエラストマによって形成され、外層は前記内層よりも硬いエラストマによって形成される。これにより、先に説明したようにローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制しながら、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができ、紙の搬送不良や鳴きが生じるのを、従来の単層構造のものに比べて、より長期に亘って防止できる。
前記プラスチックフィルムは、厚みが12μm以上、100μm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、プラスチックフィルムからなる中間層を設けることによる、先に説明した成分の移動を防止する効果が十分に得られないおそれがある。特に可塑剤やオイル等の液状の成分が、中間層を透過しやすくなる。
厚みが前記範囲未満では、プラスチックフィルムからなる中間層を設けることによる、先に説明した成分の移動を防止する効果が十分に得られないおそれがある。特に可塑剤やオイル等の液状の成分が、中間層を透過しやすくなる。
一方、厚みが前記範囲を超える場合には、前記プラスチックフィルムのオーバーラップ部分での厚みの変化(ここだけ厚みが2倍になる)により、外層の外径、すなわちローラ本体の外径に生じるフレ(外径のばらつき)が大きくなって、良好な紙送りができなくなるおそれがある。
これに対し、プラスチックフィルムの厚みを前記範囲内とすれば、前記オーバーラップ部分での厚みの変化を、内層、および外層の変形によって吸収して、前記外径のフレをできるだけ小さくしながら、前記プラスチックフィルムからなる中間層による、成分の移動を防止する効果をできるだけ向上することが可能となる。
これに対し、プラスチックフィルムの厚みを前記範囲内とすれば、前記オーバーラップ部分での厚みの変化を、内層、および外層の変形によって吸収して、前記外径のフレをできるだけ小さくしながら、前記プラスチックフィルムからなる中間層による、成分の移動を防止する効果をできるだけ向上することが可能となる。
前記プラスチックフィルムは、非多孔質のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであるのが好ましい。
前記PETフィルムは、特に液状の成分等の透過を防止する機能に優れている上、同等程度の機能を有する他のプラスチックフィルムに比べて汎用性が高く、入手が容易で安価であるという利点がある。
前記PETフィルムは、特に液状の成分等の透過を防止する機能に優れている上、同等程度の機能を有する他のプラスチックフィルムに比べて汎用性が高く、入手が容易で安価であるという利点がある。
前記内層は、ブチルゴム(IIR)、またはエチレンプロピレンゴムによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが15以下であるのが好ましい。
内層を、かかる軟らかいエラストマによって形成することにより、ローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制できる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも内層の耐久性を向上できる。
内層を、かかる軟らかいエラストマによって形成することにより、ローラ本体の外周面と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制できる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも内層の耐久性を向上できる。
また、エラストマとしてブチルゴムを使用する場合は、当該ブチルゴムが特に振動吸収性能に優れるため、先に説明した鳴き等をより一層確実に防止できる。
一方、エラストマとしてエチレンプロピレンゴムを使用する場合は、当該エチレンプロピレンゴムが耐候性、耐薬品性等の耐性に特に優れるため、内層の耐久性をさらに向上できる。
一方、エラストマとしてエチレンプロピレンゴムを使用する場合は、当該エチレンプロピレンゴムが耐候性、耐薬品性等の耐性に特に優れるため、内層の耐久性をさらに向上できる。
外層は、エチレンプロピレンゴム、またはウレタンゴムによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下であるのが好ましい。
外層を、前記の硬さを有する内層よりも硬いエラストマによって形成することにより、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも外層の耐久性を向上できる。
外層を、前記の硬さを有する内層よりも硬いエラストマによって形成することにより、ローラ本体の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも外層の耐久性を向上できる。
また、エラストマとしてエチレンプロピレンゴムを使用する場合は、前記のようにエチレンプロピレンゴムが耐候性、耐薬品性等の耐性に特に優れるため、外層の耐久性をさらに向上できる。
一方、エラストマとしてウレタンゴムを使用する場合には、当該ウレタンゴムが耐候性、耐摩耗性に特に優れるため、やはり外層の耐久性をさらに向上できる。
一方、エラストマとしてウレタンゴムを使用する場合には、当該ウレタンゴムが耐候性、耐摩耗性に特に優れるため、やはり外層の耐久性をさらに向上できる。
なお内層、および外層のタイプAデュロメータ硬さを、本発明では、日本工業規格JIS K6253−3:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って、23℃で測定した値でもって表すこととする。
本発明によれば、筒状のローラ本体を構成する内層、および外層の初期の物性があらかじめ設定した設計値とされているとともに、中間層によって、前記両層間で成分が移動するのが確実に防止されて、前記両層の物性が初期から大きく変動したり、内層から外層へ移動した成分が、当該外層の外周面においてブリードしたりブルームしたりしないため、長期に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラを提供することができる。
図1(a)は、本発明の紙送りローラの、実施の形態の一例の外観を示す斜視図、同図(b)は、前記例の紙送りローラのうちローラ本体の断面図である。
図1(a)を参照して、この例の紙送りローラ1は、外周面2が紙との接触面とされた筒状のローラ本体3と、前記ローラ本体3の中心の通孔4に挿通されたシャフト5とを備えている。シャフト5は、例えば金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成される。
図1(a)を参照して、この例の紙送りローラ1は、外周面2が紙との接触面とされた筒状のローラ本体3と、前記ローラ本体3の中心の通孔4に挿通されたシャフト5とを備えている。シャフト5は、例えば金属、セラミック、硬質樹脂等によって形成される。
図1(a)(b)を参照して、ローラ本体3は、それぞれ筒状の内層6、中間層7、および外層8を備えている。
〈内層6〉
内層6は、エラストマによって、前記通孔4を備えた筒状に形成される。また内層6は、非多孔質で、かつタイプAデュロメータ硬さが15以下であるのが好ましい。
〈内層6〉
内層6は、エラストマによって、前記通孔4を備えた筒状に形成される。また内層6は、非多孔質で、かつタイプAデュロメータ硬さが15以下であるのが好ましい。
内層6を、かかる軟らかいエラストマによって形成することにより、ローラ本体3の外周面2と紙との接触面積を確保するとともに、摩擦係数の低下を抑制できる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも内層の耐久性を向上できる。
なおタイプAデュロメータ硬さの下限は特に限定されず、1以上であれば良い。
また内層6の、ローラ本体3の径方向の厚みは2mm以上であるのが好ましく、10mm以下であるのが好ましい。
なおタイプAデュロメータ硬さの下限は特に限定されず、1以上であれば良い。
また内層6の、ローラ本体3の径方向の厚みは2mm以上であるのが好ましく、10mm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、当該内層6を設けることによる前記効果が十分に得られないおそれがあり、前記範囲を超える場合にはローラ本体3が偏摩耗してフレを生じやすくなるおそれがある。
(エラストマ)
前記エラストマとしては、IIR、またはエチレンプロピレンゴムが好ましい。
(エラストマ)
前記エラストマとしては、IIR、またはエチレンプロピレンゴムが好ましい。
このうちIIRとしては、イソブチレンとイソプレンとの共重合体である種々のIIRの1種または2種以上が使用可能である。前記IIRとしては、例えばイソプレン単位の割合が1.5質量%以上、4.5質量%以下程度であるもの等が好適に用いられる。
かかるIIRの具体例としては、例えばJSR(株)製のJSR BUTYL268〔安定剤:NS、不飽和度:1.5モル%、ムーニー粘度:51ML1+8(125℃)、比重:0.92〕、JSR BUTYL 365〔安定剤:NS、不飽和度:2.0モル%、ムーニー粘度:33ML1+8(125℃)、比重:0.92〕等の少なくとも1種が挙げられる。
かかるIIRの具体例としては、例えばJSR(株)製のJSR BUTYL268〔安定剤:NS、不飽和度:1.5モル%、ムーニー粘度:51ML1+8(125℃)、比重:0.92〕、JSR BUTYL 365〔安定剤:NS、不飽和度:2.0モル%、ムーニー粘度:33ML1+8(125℃)、比重:0.92〕等の少なくとも1種が挙げられる。
一方、エチレンプロピレンゴムとしては、エチレンとプロピレンの共重合体である狭義のエチレンプロピレンゴム(EPM)、およびエチレンとプロピレンとジエンの共重合体であるエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)が挙げられ、特にEPDMが好ましい。
またEPDMとしては、エチレン、プロピレン、およびジエンを共重合させた種々の共重合体がいずれも使用可能である。前記ジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
またEPDMとしては、エチレン、プロピレン、およびジエンを共重合させた種々の共重合体がいずれも使用可能である。前記ジエンとしては、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPD)等が挙げられる。
またEPDMとしては伸展油で伸展したいわゆる油展EPDM、および伸展油で伸展していない非油展EPDMのいずれを用いてもよい。
ジエンがENBであるENB系の油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)670F〔ゴム分:伸展油=100:100(質量比)〕、671F〔ゴム分:伸展油=100:70(質量比)〕、三井化学(株)製の三井EPT3042E〔ゴム分:伸展油=100:120(質量比)〕等の1種または2種以上が挙げられる。
ジエンがENBであるENB系の油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)670F〔ゴム分:伸展油=100:100(質量比)〕、671F〔ゴム分:伸展油=100:70(質量比)〕、三井化学(株)製の三井EPT3042E〔ゴム分:伸展油=100:120(質量比)〕等の1種または2種以上が挙げられる。
またジエンがDCPDであるDCPD系の油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン400〔ゴム分:伸展油=100:100(質量比)〕等が挙げられる。
またジエンがENBであるENB系の非油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン501A、505A等の少なくとも1種が挙げられる。
またジエンがENBであるENB系の非油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン501A、505A等の少なくとも1種が挙げられる。
さらにジエンがDCDPであるDCDP系の非油展EPDMとしては、例えば住友化学(株)製のエスプレン301A,301、305等の1種または2種以上が挙げられる。
EPDMは、前記例示のものをいずれか1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記IIRまたはエチレンプロピレンゴムをベースポリマとして含み、架橋剤、促進剤等の架橋成分や、充填剤、可塑剤、オイル等の添加剤成分を配合したゴム組成物を、例えばプレス架橋により、筒状に成形するとともに架橋させたのち、さらに必要に応じて長さをカットしたり外周面を研磨したりすることで前記内層6が形成される。
EPDMは、前記例示のものをいずれか1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記IIRまたはエチレンプロピレンゴムをベースポリマとして含み、架橋剤、促進剤等の架橋成分や、充填剤、可塑剤、オイル等の添加剤成分を配合したゴム組成物を、例えばプレス架橋により、筒状に成形するとともに架橋させたのち、さらに必要に応じて長さをカットしたり外周面を研磨したりすることで前記内層6が形成される。
〈中間層7〉
中間層7は、前記内層6の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルム9を筒状に捲回して形成される。具体的には、プラスチックフィルム9の始端(巻き始めの一端)9aを、内層6の外周面の周方向の1箇所に固定しながら、前記プラスチックフィルム9を、前記外周面に沿って、当該外周面の全面に亘って筒状に巻き付けることにより、中間層7が形成される。
中間層7は、前記内層6の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルム9を筒状に捲回して形成される。具体的には、プラスチックフィルム9の始端(巻き始めの一端)9aを、内層6の外周面の周方向の1箇所に固定しながら、前記プラスチックフィルム9を、前記外周面に沿って、当該外周面の全面に亘って筒状に巻き付けることにより、中間層7が形成される。
前記中間層7は、前記のように、従来の塗材からなるものとは違って、非多孔質でかつ連続した膜強度の強い、そのためピンホールや傷、剥離等を生じにくいプラスチックフィルム9からなるため、かかる中間層7を設けることにより、内層6と外層8との間を確実に隔離して、前記両層間で成分が移動するのを防止できる。
また前記中間層7は、前記プラスチックフィルム9を、前記内層6の外周面に筒状に捲回して形成されるため、その巻き方を調整することで、前記中間層7から内層6に加えられる応力をほぼゼロにすることが可能である上、前記応力を任意の値に調整することも可能である。そのため、従来の熱収縮チューブからなる中間層を備えたものと違って、前記内層6の初期の物性を、あらかじめ設定した設計値に、容易に設定することができる。
また前記中間層7は、前記プラスチックフィルム9を、前記内層6の外周面に筒状に捲回して形成されるため、その巻き方を調整することで、前記中間層7から内層6に加えられる応力をほぼゼロにすることが可能である上、前記応力を任意の値に調整することも可能である。そのため、従来の熱収縮チューブからなる中間層を備えたものと違って、前記内層6の初期の物性を、あらかじめ設定した設計値に、容易に設定することができる。
したがって、前記内層6、および外層8の初期の物性が、あらかじめ設定した設計値とされているとともに、前記中間層7によって、前記内層6と外層8との間で成分が移動するのを防止して、前記両層の物性が初期から大きく変動したり、内層6から外層8へ移動した成分が、当該外層8の外周面2においてブリードしたりブルームしたりしないため、長期に亘って良好な紙送りを維持できる紙送りローラ1を得ることができる。
プラスチックフィルム9は、例えば接着剤によって内層6の外周面に接着しても良い。
しかし前記接着剤を用いずに、例えば内層6の外周面にプラスチックフィルム9を筒状に巻き付けた状態で保持しながら、前記内層6の外径よりも内径が僅かに小さくされた外層8の通孔内に圧入して、前記各層を、いずれも接着剤を介さずに一体化するのが、使用材料を削減し、かつ接着剤を塗布する工程を省略して、紙送りローラ1の生産性を向上できるため好ましい。
しかし前記接着剤を用いずに、例えば内層6の外周面にプラスチックフィルム9を筒状に巻き付けた状態で保持しながら、前記内層6の外径よりも内径が僅かに小さくされた外層8の通孔内に圧入して、前記各層を、いずれも接着剤を介さずに一体化するのが、使用材料を削減し、かつ接着剤を塗布する工程を省略して、紙送りローラ1の生産性を向上できるため好ましい。
前記プラスチックフィルム9の始端9aと、終端(巻き終わりの一端)9bとは、内層6と外層8との間を完全に隔離して、前述した成分の移動を確実に防止するため、図1(b)中に拡大して示すように、前記内層6の外周面の周方向に互いにオーバーラップさせた状態とされる。
前記オーバーラップ量は特に限定されないが、0.5mm以上であるのが好ましく、内層6の外周面の半周以下であるのが好ましい。
前記オーバーラップ量は特に限定されないが、0.5mm以上であるのが好ましく、内層6の外周面の半周以下であるのが好ましい。
オーバーラップ量が前記範囲未満では、中間層7によって内層6と外層8との間を十分に隔離できないおそれがあり、前記範囲を超える場合には、巻きつけの作業時間が長くなったり、プラスチックフィルム9の消費量が多くなったりするおそれがある。
プラスチックフィルム9の厚みは12μm以上、100μm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、プラスチックフィルム9からなる中間層7を設けることによる、先に説明した成分の移動を防止する効果が十分に得られないおそれがある。特に可塑剤やオイル等の液状の成分が、中間層7を透過しやすくなる。
プラスチックフィルム9の厚みは12μm以上、100μm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、プラスチックフィルム9からなる中間層7を設けることによる、先に説明した成分の移動を防止する効果が十分に得られないおそれがある。特に可塑剤やオイル等の液状の成分が、中間層7を透過しやすくなる。
一方、厚みが前記範囲を超える場合には、前記プラスチックフィルム9のオーバーラップ部分での厚みの変化により、外層8の外径、すなわちローラ本体3の外径に生じるフレが大きくなって、良好な紙送りができなくなるおそれがある。
これに対し、プラスチックフィルム9の厚みを前記範囲内とすれば、前記オーバーラップ部分での厚みの変化を、内層6、および外層8の変形によって吸収して、前記外径のフレをできるだけ小さくしながら、前記プラスチックフィルム9からなる中間層7による、成分の移動を防止する効果をできるだけ向上することが可能となる。
これに対し、プラスチックフィルム9の厚みを前記範囲内とすれば、前記オーバーラップ部分での厚みの変化を、内層6、および外層8の変形によって吸収して、前記外径のフレをできるだけ小さくしながら、前記プラスチックフィルム9からなる中間層7による、成分の移動を防止する効果をできるだけ向上することが可能となる。
前記プラスチックフィルム9としては、例えばPET、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、超硬分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の1種または2種以上からなる単層または複層で、かつ非多孔質のフィルム等が挙げられる。
特に、液状の成分等の透過を防止する機能に優れている上、同等程度の機能を有する他のプラスチックフィルムに比べて汎用性が高く、入手が容易で安価な非多孔質のPETフィルムが好ましい。
特に、液状の成分等の透過を防止する機能に優れている上、同等程度の機能を有する他のプラスチックフィルムに比べて汎用性が高く、入手が容易で安価な非多孔質のPETフィルムが好ましい。
〈外層8〉
外層8は、エラストマによって、前記ローラ本体3の外周面2を備えた筒状に形成される。また外層8は、非多孔質で、かつタイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下であるのが好ましい。
外層8を、内層6よりも硬いエラストマによって形成することにより、ローラ本体3の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも外層の耐久性を向上できる。
外層8は、エラストマによって、前記ローラ本体3の外周面2を備えた筒状に形成される。また外層8は、非多孔質で、かつタイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下であるのが好ましい。
外層8を、内層6よりも硬いエラストマによって形成することにより、ローラ本体3の耐摩耗性と摩擦係数のバランスをとることができる。また非多孔質構造とすることにより、多孔質構造とした場合よりも外層の耐久性を向上できる。
外層8の、ローラ本体3の径方向の厚みは1mm以上であるのが好ましく、3mm以下であるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、前記外周面が早期に摩耗して、ローラ本体3の使用寿命が短くなるおそれがあり、前記範囲を超える場合には、前記内層6を設けることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。
厚みが前記範囲未満では、前記外周面が早期に摩耗して、ローラ本体3の使用寿命が短くなるおそれがあり、前記範囲を超える場合には、前記内層6を設けることによる前記効果が十分に得られないおそれがある。
(エラストマ)
前記エラストマとしては、エチレンプロピレンゴム、またはウレタンゴムが好ましい。
このうちエチレンプロピレンゴムとしては、先に内層6のところで例示した種々のエチレンプロピレンゴムの1種または2種以上がいずれも使用可能である。
また、ウレタンゴムとしては、熱硬化性を有する狭義のウレタンゴム、および熱可塑性ウレタンエラストマ(TPU)のいずれも使用可能である。特にTPUが好ましく、かかるTPUとしては、例えば分子内に、ポリウレタン構造を有するハードセグメントと、ポリエステルまたはポリエーテル構造を有するソフトセグメントとを含み、射出成形等が可能な熱可塑性を有するとともに、ローラ本体3の外層8として機能しうる弾性を有する種々のウレタン系の熱可塑性エラストマが、いずれも使用可能である。
前記エラストマとしては、エチレンプロピレンゴム、またはウレタンゴムが好ましい。
このうちエチレンプロピレンゴムとしては、先に内層6のところで例示した種々のエチレンプロピレンゴムの1種または2種以上がいずれも使用可能である。
また、ウレタンゴムとしては、熱硬化性を有する狭義のウレタンゴム、および熱可塑性ウレタンエラストマ(TPU)のいずれも使用可能である。特にTPUが好ましく、かかるTPUとしては、例えば分子内に、ポリウレタン構造を有するハードセグメントと、ポリエステルまたはポリエーテル構造を有するソフトセグメントとを含み、射出成形等が可能な熱可塑性を有するとともに、ローラ本体3の外層8として機能しうる弾性を有する種々のウレタン系の熱可塑性エラストマが、いずれも使用可能である。
TPUの具体例としては、例えばBASFジャパン(株)製のエラストラン(登録商標)C60A10WN〔JIS A硬さ:65±4、可塑剤入り〕、C70A10WN〔JIS A硬さ:73±4、可塑剤入り〕、C70A11FG〔JIS A硬さ75±3、可塑剤なし〕、ET870−11V〔JIS A硬さ:71±3、可塑剤なし〕等の、比較的低硬度のTPUの1種または2種以上が挙げられる。
前記エチレンプロピレンゴムをベースポリマとして含み、架橋剤、促進剤等の架橋成分や、充填剤、可塑剤、オイル等の添加剤成分を配合したゴム組成物を、例えばプレス架橋により、筒状に成形するとともに架橋させたのち、さらに必要に応じて長さをカットしたり外周面を研磨したりすることで、前記外層8が形成される。
また、前記TPUをベースポリマとして含み、充填剤、可塑剤、オイル等の添加剤成分を配合した熱可塑性エラストマ組成物を、例えば射出成形によって筒状に成形したのち、さらに必要に応じて長さをカットしたり外周面を研磨したりすることで、前記外層8が形成される。
また、前記TPUをベースポリマとして含み、充填剤、可塑剤、オイル等の添加剤成分を配合した熱可塑性エラストマ組成物を、例えば射出成形によって筒状に成形したのち、さらに必要に応じて長さをカットしたり外周面を研磨したりすることで、前記外層8が形成される。
〈内層6、外層8を構成する他の成分〉
(架橋成分)
架橋成分としては架橋剤が挙げられる他、前記架橋剤とともに促進剤、促進助剤等の1種または2種以上が併用される。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。
(架橋成分)
架橋成分としては架橋剤が挙げられる他、前記架橋剤とともに促進剤、促進助剤等の1種または2種以上が併用される。
このうち架橋剤としては、例えば硫黄系架橋剤、チオウレア系架橋剤、トリアジン誘導体系架橋剤、過酸化物系架橋剤、各種モノマー等の1種または2種以上が挙げられる。
硫黄系架橋剤としては、粉末硫黄や有機含硫黄化合物等が挙げられる。また有機含硫黄化合物等としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、N,N−ジチオビスモルホリン等が挙げられる。
チオウレア系架橋剤としては、例えばテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、(CnH2n+1NH)2C=S〔式中、nは1〜10の整数を示す。〕で表されるチオウレア等が挙げられる。
チオウレア系架橋剤としては、例えばテトラメチルチオウレア、トリメチルチオウレア、エチレンチオウレア、(CnH2n+1NH)2C=S〔式中、nは1〜10の整数を示す。〕で表されるチオウレア等が挙げられる。
過酸化物系架橋剤としては、ベンゾイルペルオキシド等が挙げられる。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、下記の有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばグアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤、チオウレア系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。促進剤は種類によってその機能が異なっているため、2種以上の促進剤を併用するのが好ましい。
促進剤としては、例えば消石灰、マグネシア(MgO)、リサージ(PbO)等の無機促進剤や、下記の有機促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。
また有機促進剤としては、例えばグアニジン系促進剤、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、チウラム系促進剤、チオウレア系促進剤、ジチオカルバミン酸塩系促進剤等の1種または2種以上が挙げられる。促進剤は種類によってその機能が異なっているため、2種以上の促進剤を併用するのが好ましい。
前記のうちグアニジン系促進剤としては、例えば1,3−ジフェニルグアニジン(D)、1,3−ジ−o−トリルグアニジン(DT)、1−o−トリルグビグアニド(BG)、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩等の1種または2種以上が挙げられる。
またチアゾール系促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(HM、M60−OT)、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール(64)、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(DS、MDB)等の1種または2種以上が挙げられる。
またチアゾール系促進剤としては、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(DM)、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩(MZ)、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩(HM、M60−OT)、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール(64)、2−(4′−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール(DS、MDB)等の1種または2種以上が挙げられる。
スルフェンアミド系促進剤としては、例えばN−シクロへキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等が挙げられる。
チウラム系促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT、TMT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT−N)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等の1種または2種以上が挙げられる。
チウラム系促進剤としては、例えばテトラメチルチウラムモノスルフィド(TS)、テトラメチルチウラムジスルフィド(TT、TMT)、テトラエチルチウラムジスルフィド(TET)、テトラブチルチウラムジスルフィド(TBT−N)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(TRA)等の1種または2種以上が挙げられる。
ジチオカルバミン酸塩系促進剤としては、例えばジメチルジチオカルバミン酸亜鉛(PZ)、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛(EZ)、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(BZ)、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛(ZP)、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛(ZTC)、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム(TP)、ジメチルジチオカルバミン酸銅(TTCU)、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄(TTFE)、ジエチルジチオカルバミン酸テルル(TTTE)等の1種または2種以上が挙げられる。
促進助剤としては、亜鉛華等の金属化合物;ステアリン酸、オレイン酸、綿実脂肪酸等の脂肪酸、その他従来公知の促進助剤の1種または2種以上が挙げられる。
架橋剤、促進剤、および促進助剤の配合割合は、ベースポリマの種類、組み合わせ、および配合割合や、あるいは架橋剤、促進剤、および促進助剤の種類や組み合わせ、そして内層6、外層8に求められるタイプAデュロメータ硬さ等に応じて適宜設定できる。
架橋剤、促進剤、および促進助剤の配合割合は、ベースポリマの種類、組み合わせ、および配合割合や、あるいは架橋剤、促進剤、および促進助剤の種類や組み合わせ、そして内層6、外層8に求められるタイプAデュロメータ硬さ等に応じて適宜設定できる。
(充填剤)
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、内層6、外層8を硬く、すなわちタイプAデュロメータ硬さを大きくしたり、機械的強度等を向上したりできる。
充填剤としては、例えば酸化亜鉛、シリカ、カーボン、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化チタン等の1種または2種以上が挙げられる。
充填剤を配合することにより、内層6、外層8を硬く、すなわちタイプAデュロメータ硬さを大きくしたり、機械的強度等を向上したりできる。
(可塑剤、オイル)
可塑剤としては、例えば三洋化成工業(株)製のサンフレックス(登録商標)EB−200、EB−300、EB−400(いずれもポリエチレングリコールジベンゾエート類)や、イーストマンケミカル社製のベンゾフレックス(登録商標)9‐88〔ジプロピレングリコールジベンゾエート〕等の1種または2種以上が挙げられる。
可塑剤としては、例えば三洋化成工業(株)製のサンフレックス(登録商標)EB−200、EB−300、EB−400(いずれもポリエチレングリコールジベンゾエート類)や、イーストマンケミカル社製のベンゾフレックス(登録商標)9‐88〔ジプロピレングリコールジベンゾエート〕等の1種または2種以上が挙げられる。
またオイルとしては、パラフィンオイル〔出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW−380〕等が挙げられる。
前記可塑剤、およびオイルは両方を併用しても良いし、一方のみを用いてもよい。
可塑剤、および/またはオイルを配合することにより、内層6、外層8軟らかく、すなわちタイプAデュロメータ硬さを小さくすることができる。
前記可塑剤、およびオイルは両方を併用しても良いし、一方のみを用いてもよい。
可塑剤、および/またはオイルを配合することにより、内層6、外層8軟らかく、すなわちタイプAデュロメータ硬さを小さくすることができる。
(充填剤、可塑剤、オイルの配合割合)
前記のように充填剤は、内層6、外層8を硬くするために機能し、逆に可塑剤やオイルは、前記両層を軟らかくするために機能する。
そのため、前記充填剤、可塑剤、およびオイルの配合割合は、前記内層6、外層8に求められる特性、特にタイプAデュロメータ硬さに応じて、また併用するベースポリマの種類や硬さ等に応じて適宜設定できる。
前記のように充填剤は、内層6、外層8を硬くするために機能し、逆に可塑剤やオイルは、前記両層を軟らかくするために機能する。
そのため、前記充填剤、可塑剤、およびオイルの配合割合は、前記内層6、外層8に求められる特性、特にタイプAデュロメータ硬さに応じて、また併用するベースポリマの種類や硬さ等に応じて適宜設定できる。
本発明の構成は、以上で説明した図の例のものには限定されない。
例えば、中間層7は、2層以上の積層構造を有するプラスチックフィルムによって形成しても良い。また内層6、および外層8も、2層以上の積層構造に形成しても良い。
また、外層8の外周面2には溝等の凹部を形成してもよい。前記凹部を設けると、紙から発生する紙粉等を前記凹部内に取り込むことで、前記外周面2への紙粉の付着による摩擦係数の低下を抑制して、より長期に亘って良好な紙送りを維持することができる。
例えば、中間層7は、2層以上の積層構造を有するプラスチックフィルムによって形成しても良い。また内層6、および外層8も、2層以上の積層構造に形成しても良い。
また、外層8の外周面2には溝等の凹部を形成してもよい。前記凹部を設けると、紙から発生する紙粉等を前記凹部内に取り込むことで、前記外周面2への紙粉の付着による摩擦係数の低下を抑制して、より長期に亘って良好な紙送りを維持することができる。
さらにシャフト5は、図示しない駆動機構への連結等のため、角柱状等の、円柱状以外の形状に形成してもよい。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜、設計変更を施すことができる。
本発明の紙送りローラ1は、例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機や、あるいはインクジェットプリンタ等の画像形成装置、さらには自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構に組み込まれる、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等の種々の紙送りローラとして用いることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜、設計変更を施すことができる。
本発明の紙送りローラ1は、例えば静電式複写機、レーザープリンタ、普通紙ファクシミリ装置、およびこれらの複合機や、あるいはインクジェットプリンタ等の画像形成装置、さらには自動現金預払機(ATM)等の機器類における紙送り機構に組み込まれる、給紙ローラ、搬送ローラ、プラテンローラ、排紙ローラ等の種々の紙送りローラとして用いることができる。
〈外層Aの形成〉
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製した。
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製した。
表1中の各成分は下記のとおり。
(ベースポリマ)
油展EPDM:住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)670F、ゴム分:伸展油=100:100(質量比)
(充填剤)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)VN3
炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製のBF300
酸化チタン:チタン工業(株)製の商品名KRONOS酸化チタンKR−380
カーボンブラック: 東海カーボン(株)製のシースト3
(オイル)
パラフィンオイル:出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW−380
(架橋成分)
粉末硫黄:架橋剤、鶴見化学工業(株)製
促進剤TET:テトラエチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TET
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM
酸化亜鉛:促進助剤、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:促進助剤、日油(株)製の商品名つばき
次いで前記ゴム組成物を金型に充填し、加圧下で160℃×20分間プレス架橋して、内径φ19mm、外径φ23mm、長さ60mmのコットルを形成したのち、このコットルを長さ30mmにカットして外層Aを形成した。
(ベースポリマ)
油展EPDM:住友化学(株)製のエスプレン(登録商標)670F、ゴム分:伸展油=100:100(質量比)
(充填剤)
シリカ:東ソー・シリカ(株)製のNipsil(登録商標)VN3
炭酸カルシウム:備北粉化工業(株)製のBF300
酸化チタン:チタン工業(株)製の商品名KRONOS酸化チタンKR−380
カーボンブラック: 東海カーボン(株)製のシースト3
(オイル)
パラフィンオイル:出光興産(株)製のダイアナ(登録商標)プロセスオイルPW−380
(架橋成分)
粉末硫黄:架橋剤、鶴見化学工業(株)製
促進剤TET:テトラエチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラー(登録商標)TET
促進剤DM:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーDM
酸化亜鉛:促進助剤、三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:促進助剤、日油(株)製の商品名つばき
次いで前記ゴム組成物を金型に充填し、加圧下で160℃×20分間プレス架橋して、内径φ19mm、外径φ23mm、長さ60mmのコットルを形成したのち、このコットルを長さ30mmにカットして外層Aを形成した。
当該外層Aの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ25であった。
〈外層Bの形成〉
下記表2に示すように、パラフィンオイルを配合しなかったこと以外は前記外層Aと同様にしてゴム組成物を形成し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の外層Bを形成した。
〈外層Bの形成〉
下記表2に示すように、パラフィンオイルを配合しなかったこと以外は前記外層Aと同様にしてゴム組成物を形成し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の外層Bを形成した。
表2中の各成分は外層Aと同じである。
当該外層Bの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ30であった。
〈外層Cの形成〉
下記表3に示すように、油展EPDM200質量部に代えて非油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン505A〕100質量部を配合するとともに、炭酸カルシウムを配合しなかったこと以外は前記外層Aと同様にしてゴム組成物を形成し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の外層Cを形成した。
当該外層Bの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ30であった。
〈外層Cの形成〉
下記表3に示すように、油展EPDM200質量部に代えて非油展EPDM〔住友化学(株)製のエスプレン505A〕100質量部を配合するとともに、炭酸カルシウムを配合しなかったこと以外は前記外層Aと同様にしてゴム組成物を形成し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の外層Cを形成した。
表3中の各成分は、非油展EPDM以外は外層Aと同じである。
当該外層Cの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ60であった。
〈外層Dの形成〉
TPU〔BASFジャパン(株)製のエラストラン(登録商標)C70A11FG、JIS A硬さ75±3、可塑剤なし〕のペレットと可塑剤〔ポリエチレングリコールジベンゾエート類、三洋化成工業(株)製のサンフレックス(登録商標)EB−300〕とを下記表4に示す割合でペール缶に入れ、80℃で15時間加熱して、ペレット中に可塑剤を含浸させた。
当該外層Cの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ60であった。
〈外層Dの形成〉
TPU〔BASFジャパン(株)製のエラストラン(登録商標)C70A11FG、JIS A硬さ75±3、可塑剤なし〕のペレットと可塑剤〔ポリエチレングリコールジベンゾエート類、三洋化成工業(株)製のサンフレックス(登録商標)EB−300〕とを下記表4に示す割合でペール缶に入れ、80℃で15時間加熱して、ペレット中に可塑剤を含浸させた。
次いでペール缶中の全量、すなわち可塑剤が含浸されたペレットと、前記ペレットに含浸されなかった残りの可塑剤とを2軸押出機〔スクリュー径30mm、L/D:36D、回転数:10〜300rpm〕に供給して混練しながら連続的に押し出したのちペレット化して、エラストマ組成物のペレットを作製した。
次いでこのペレットを50トン射出成形機〔住友重機械工業(株)製〕に供給し、射出成型して、内径φ19mm、外径φ23mm、長さ40mmの筒状に形成し、次いで80℃で15時間アニールたのち、長さ30mmにカットして外層Dを形成した。
次いでこのペレットを50トン射出成形機〔住友重機械工業(株)製〕に供給し、射出成型して、内径φ19mm、外径φ23mm、長さ40mmの筒状に形成し、次いで80℃で15時間アニールたのち、長さ30mmにカットして外層Dを形成した。
当該外層Dの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ50であった。
〈内層aの形成〉
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製した。
〈内層aの形成〉
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製した。
表5中の各成分のうちIIR、および促進剤TBT-Nは下記のとおり。
IIR:JSR(株)製のJSR BUTYL268、安定剤:NS、不飽和度:1.5モル%、ムーニー粘度:51ML1+8(125℃)、比重:0.92
促進剤TBT−N:テトラブチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
その他の成分は外層Aと同じである。
IIR:JSR(株)製のJSR BUTYL268、安定剤:NS、不飽和度:1.5モル%、ムーニー粘度:51ML1+8(125℃)、比重:0.92
促進剤TBT−N:テトラブチルチウラムジスルフィド、大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
その他の成分は外層Aと同じである。
次いで前記ゴム組成物を金型に充填し、加圧下で160℃×30分間プレス架橋して、内径φ13.3mm、外径φ20mm、長さ60mmのコットルを形成したのち、このコットルを長さ30mmにカットして内層aを形成した。
当該内層aの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ10であった。
当該内層aの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ10であった。
〈内層bの形成〉
下記表6に示すように、パラフィンオイルの量を45質量部としたこと以外は前記内層aと同様にしてゴム組成物を調製し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の内層bを形成した。
下記表6に示すように、パラフィンオイルの量を45質量部としたこと以外は前記内層aと同様にしてゴム組成物を調製し、プレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の内層bを形成した。
表6中の各成分は、内層aと同じである。
当該内層bの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ15であった。
〈内層cの形成〉
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製し、当該ゴム組成物を用いたこと以外は前記内層aと同様にプレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の内層cを形成した。
当該内層bの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ15であった。
〈内層cの形成〉
下記の各成分を配合してゴム組成物を調製し、当該ゴム組成物を用いたこと以外は前記内層aと同様にプレス架橋したのちカットして同形状、同寸法の内層cを形成した。
表7中の各成分は、外層Aと同じである。
当該内層cの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ15であった。
〈実施例1〉
前記内層aの通孔にシャフトを圧入するとともに、その外周面に、中間層のもとになる非多孔質のPETフィルム〔東レ(株)製のルミラー(登録商標)、厚み25μm〕を、その両端が周方向にオーバーラップするように巻き付けた状態で外層Aの通孔内に圧入して、前記内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
当該内層cの、23℃でのタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した測定方法によって測定したところ15であった。
〈実施例1〉
前記内層aの通孔にシャフトを圧入するとともに、その外周面に、中間層のもとになる非多孔質のPETフィルム〔東レ(株)製のルミラー(登録商標)、厚み25μm〕を、その両端が周方向にオーバーラップするように巻き付けた状態で外層Aの通孔内に圧入して、前記内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
なお前記PETフィルムの両端の、前記外周面の周方向のオーバーラップ量は1mmとした。
〈実施例2〉
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが12μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例2〉
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが12μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例3〉
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが100μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例4〉
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが5μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが100μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例4〉
中間層のもとになる非多孔質のPETフィルムとして、東レ(株)製のルミラーのうち、厚みが5μmであるものを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈比較例1〉
内層aの外周面にPETフィルムを巻き付けずに、外層Aの通孔内に圧入して、前記内層aと外層Aの2層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈比較例2〉
中間層のもとになるPETフィルムとして、多孔質である、東洋紡績(株)製の発砲PETフィルム(厚み50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
内層aの外周面にPETフィルムを巻き付けずに、外層Aの通孔内に圧入して、前記内層aと外層Aの2層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈比較例2〉
中間層のもとになるPETフィルムとして、多孔質である、東洋紡績(株)製の発砲PETフィルム(厚み50μm)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈比較例3〉
内層aの外周面に、ポリウレタン系の塗材〔DSM社製のNeo Rez R9330〕を、刷毛を用いて塗布し、常温で乾燥させて厚み20μmの中間層を形成したのち、外層Aの通孔内に圧入して、前記内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
内層aの外周面に、ポリウレタン系の塗材〔DSM社製のNeo Rez R9330〕を、刷毛を用いて塗布し、常温で乾燥させて厚み20μmの中間層を形成したのち、外層Aの通孔内に圧入して、前記内層a、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
なお前記中間層には、あらかじめ前記塗材を5×5mm程度の塗り残した領域を設けておき、それによって中間層の欠陥を再現した。
〈実施例5〉
内層aに代えて内層bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例5〉
内層aに代えて内層bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例6〉
内層aに代えて内層cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層c、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例7〉
外層Aに代えて外層Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および前記外層Bの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
内層aに代えて内層cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層c、中間層、および外層Aの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例7〉
外層Aに代えて外層Bを用いたこと以外は実施例1と同様にして、内層a、中間層、および前記外層Bの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例8〉
内層aに代えて内層bを用いるとともに、外層Aに代えて外層Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および前記外層Cの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例9〉
内層aに代えて内層bを用いるとともに、外層Aに代えて外層Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および前記外層Dの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
内層aに代えて内層bを用いるとともに、外層Aに代えて外層Cを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および前記外層Cの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈実施例9〉
内層aに代えて内層bを用いるとともに、外層Aに代えて外層Dを用いたこと以外は実施例1と同様にして、前記内層b、中間層、および前記外層Dの3層構造のローラ本体を備えた紙送りローラを製造した。
〈成分の移動〉
前記各実施例、比較例で製造した紙送りローラを、日本工業規格JIS K6257:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方」所載の測定方法に準じて、70℃で96時間静置したのち、外層を剃刀でカットした断面の径方向の中央部の硫黄量を、SEM・EDX法によって求めた。
前記各実施例、比較例で製造した紙送りローラを、日本工業規格JIS K6257:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方」所載の測定方法に準じて、70℃で96時間静置したのち、外層を剃刀でカットした断面の径方向の中央部の硫黄量を、SEM・EDX法によって求めた。
測定には、(株)日立ハイテクノロジーズ製の走査電子顕微鏡S−3400Nと、(株)堀場製作所製のエネルギー分散型X線分析装置EMAX EVOLOTION EX270とを用いた。
そして、それ自体が硫黄を含む外層A〜Cについては、複層構造にしていない単体の外層をブランクとして同様に熱処理して測定した硫黄量を基準値として、測定した硫黄量が前記基準値より15%以上、増加したものを成分の移動あり(×)、増加量が10%以上、15%未満であったものを成分の移動ごくわずかにあるものの実用レベル(△)、増加量が10%未満であったものを成分の移動なし(○)として評価した。
そして、それ自体が硫黄を含む外層A〜Cについては、複層構造にしていない単体の外層をブランクとして同様に熱処理して測定した硫黄量を基準値として、測定した硫黄量が前記基準値より15%以上、増加したものを成分の移動あり(×)、増加量が10%以上、15%未満であったものを成分の移動ごくわずかにあるものの実用レベル(△)、増加量が10%未満であったものを成分の移動なし(○)として評価した。
またそれ自体が硫黄を含まない外層Dについては、測定した硫黄量が0.2質量%を超えたものを成分の移動あり(×)、0.2質量%未満であったものを成分の移動なし(○)として評価した。
〈外径のフレ〉
前記各実施例、比較例で製造した紙送りローラの、幅方向中央部の外径を、(株)キーエンス製のレーザー外径測定機を用いて測定して、フレが0.3以上であったものを外径のフレあり(×)、0.3未満であったもの外径のフレなし(○)として評価した。
〈外径のフレ〉
前記各実施例、比較例で製造した紙送りローラの、幅方向中央部の外径を、(株)キーエンス製のレーザー外径測定機を用いて測定して、フレが0.3以上であったものを外径のフレあり(×)、0.3未満であったもの外径のフレなし(○)として評価した。
以上の結果を表8〜表10に示す。
表8の比較例1の結果より、内層と外層との間に中間層を設けない場合には、成分の移動を生じることが判った。また表9の比較例2、3の結果より、前記中間層として、多孔質のプラスチックフィルムや、欠陥を有する塗材の膜を設けても、成分の移動を防止できないことが判った。
これに対し表8〜表10の実施例1〜9の結果より、内層と外層との間に、非多孔質のプラスチックフィルムからなる中間層を設けることで、成分の移動を防止できることが判った。また前記非多孔質のプラスチックフィルムとしては、PETフィルムが好ましいことも判った。
これに対し表8〜表10の実施例1〜9の結果より、内層と外層との間に、非多孔質のプラスチックフィルムからなる中間層を設けることで、成分の移動を防止できることが判った。また前記非多孔質のプラスチックフィルムとしては、PETフィルムが好ましいことも判った。
ただし実施例1〜4の結果より、前記プラスチックフィルムは、前記成分の移動をより一層確実に防止するとともに、外径のフレが生じるのを防止するために、その厚みが12μm以上、100μm以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例1、5〜9の結果より、外層は、EPDM、またはTUPによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例1、5〜9の結果より、外層は、EPDM、またはTUPによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下であるのが好ましいことが判った。
また実施例1、5〜9の結果より、内層は、IIR、またはEPDMによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが15以下であるのが好ましいことが判った。
1 紙送りローラ
2 外周面
3 ローラ本体
4 通孔
5 シャフト
6 内層
7 中間層
8 外層
9 プラスチックフィルム
9a 始端
9b 終端
2 外周面
3 ローラ本体
4 通孔
5 シャフト
6 内層
7 中間層
8 外層
9 プラスチックフィルム
9a 始端
9b 終端
Claims (5)
- 筒状のローラ本体を備えた紙送りローラであって、前記ローラ本体は、それぞれ筒状の内層、中間層、および外層からなる3層構造を有し、前記中間層は、前記内層の外周面に、非多孔質でかつ連続したプラスチックフィルムを筒状に捲回して形成されていることを特徴とする紙送りローラ。
- 前記プラスチックフィルムは、厚みが12μm以上、100μm以下である請求項1に記載の紙送りローラ。
- 前記プラスチックフィルムは、非多孔質のポリエチレンテレフタレートフィルムである請求項1または2に記載の紙送りローラ。
- 前記内層は、ブチルゴム、またはエチレンプロピレンゴムによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが15以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
- 前記外層は、エチレンプロピレンゴム、またはウレタンゴムによって非多孔質でかつ筒状に形成され、タイプAデュロメータ硬さが25以上、60以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の紙送りローラ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013015731A JP2014144870A (ja) | 2013-01-30 | 2013-01-30 | 紙送りローラ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016175728A (ja) * | 2015-03-19 | 2016-10-06 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 搬送ローラー、及び、紙処理装置 |
JP2018017692A (ja) * | 2016-07-29 | 2018-02-01 | 住友ゴム工業株式会社 | 加硫促進剤の定量方法および拡散係数の算出方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07315615A (ja) * | 1994-05-27 | 1995-12-05 | Katsuragawa Electric Co Ltd | 原稿送り装置 |
JP2006111401A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 紙送りローラ |
-
2013
- 2013-01-30 JP JP2013015731A patent/JP2014144870A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07315615A (ja) * | 1994-05-27 | 1995-12-05 | Katsuragawa Electric Co Ltd | 原稿送り装置 |
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