以下、実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る紙幣処理システム(認識支援装置)の一例を示す図である。
紙幣処理システムは、紙幣処理装置本体1と紙幣処理装置本体1を操作するための制御装置2とから構成されている。上記制御装置2が制御する紙幣処理装置本体1は、1台であっても、複数台であっても良い。
紙幣処理装置本体1は、紙幣(券)を種類或いは状態に応じて区分し、区分した紙幣を種類或いは状態ごとに集積する区分集積装置1Aと所定数毎に紙幣を施封する施封装置1Bとを有している。上記紙幣処理装置本体1は、1つの区分集積装置1Aに対して任意の数の施封装置1Bが接続可能な構成となっている。
上記区分集積装置1Aは、複数の種類からなる複数の紙幣が一括して投入される。上記区分集積装置1Aは、投入された各紙幣の種類及び状態に応じて分類する。上記区分集積装置1Aは、分類した紙幣を各集積庫(カセット)或いは施封装置1Bへ搬送する。上記施封装置1Bは、上記区分集積装置1Aから供給される紙幣を集積庫(カセット)に集積し、所定数毎に紙帯で施封する。
上記制御装置2は、上記紙幣処理装置本体1の制御、上記紙幣処理装置本体1に対する動作設定、或いは上記紙幣処理装置本体1による処理データの管理などを行う。上記制御装置2は、たとえば、パーソナルコンピュータにより構成される。上記制御装置2は、後述する表示部、操作部及び記憶部などを有している。
次に、上記紙幣処理装置本体1の内部の構成について説明する。
図1に示すように、紙幣処理装置本体1は、区分集積装置1A及び施封装置1Bにより構成されている。
上記区分集積装置1Aには、複数の紙幣Pを投入する投入部4(未処理券収納部)が設けられている。上記投入部4には、複数の種類が混在する複数の紙幣が一括して投入される。上記投入部4に投入される紙幣Pは、それぞれ長手方向と短手方向とを有する。上記投入部4には、紙幣の長手方向の上端或いは下端が下を向く姿勢で投入される。
なお、図1Bに示す紙幣処理システムの紙幣処理装置本体1は、垂直方向に対して約40度傾斜した状態で紙幣を保持する。
上記投入部4は、ステージ5、バックアッププレート6、及び、取出しローラ10を有している。上記ステージ5には、複数の紙幣Pがその上端或いは下端に当接して整位された状態で投入される。上記バックアッププレート6は、上記ステージ5に対して鉛直方向に立設されている。上記バックアッププレート6は、ばね8によりステージ5に沿って取出しローラ10側(図中左方向)に移動するようになっている。上記取出しローラ10は、1対のローラにより構成される。上記取出しローラ10は、所定方向に回転することによりステージ5上の図中左端にある紙幣Pを順に取り出す。したがって、上記投入部4に投入された複数の紙幣Pは、バックアッププレート6によってステージ5に沿って図中左方向に移動され、取出しローラ10(取出し部)に押し付けられる。
上記取出しローラの後段には、搬送路12が設けられている。上記搬送路12は、複数のローラ15と搬送ベルト14、16により構成されている。上記搬送路12では、複数のローラ15により駆動する搬送ベルト14、16により紙幣Pが搬送される。上記搬送路12には、上記取出しローラ10により取り出された紙幣Pが順に供給される。たとえば、上記取出しローラ10は、紙幣Pをその上端或いは下端を先頭にして短手方向に搬送路12に供給する。また、上記取出しローラ10により搬送路12上に供給される紙幣Pは、表裏がばらばらの状態となっている。図1Aに示す構成例では、上記投入部4から取出される紙幣Pの取出し方向は下向きとなっている。
上記取出しローラ10の後段に延設された搬送路12上には、検知部30が設けられている。上記検知部30は、紙幣Pの券種、表裏、天地、汚れや破損の有無等の特徴を検知(判別)する。上記検知部30は、種々のセンサにより構成される。上記検知部30に設けられる種々のセンサは、搬送路12を搬送される紙幣Pから種々の情報を読み取る。上記検知部30には、たとえば、紙幣Pの表面の画像を読み取るイメージセンサ、紙幣Pの厚さを検知するセンサ、紙幣Pに含まれる磁性体を検知するセンサなどが設けられる。上記検知部30の各センサにより読み取った情報に基づいて、後述する判定部は、上述したような紙幣Pの特徴を判定する。
図1Aに示す区分集積装置1Aでは、表裏及び天地がばらばらの状態の複数の紙幣Pが上記投入部4に投入される。このため、上記検知部30を通過する各紙幣Pも、表裏及び天地がばらばらな状態となっている。ここで、上記検知部30を通過する紙幣Pの表裏及び天地に関する向きは4種類ある。以下の説明では、表面が上方を向いて搬送方向前方に対して上端を向けて取出された紙幣Pを表上(FF)券と称し、表面が上方を向いて搬送方向前方に対して下端を向けて取出された紙幣Pを表下(FR)券と称し、裏面が上方を向いて搬送方向前方に対して上端を向けて取出された紙幣Pを裏上(BF)券と称し、裏面が上方を向いて搬送方向前方に対して下端を向けて取出された紙幣Pを裏下(BR)券と称する。つまり、検知部30を通過して搬送される紙幣Pは、これら4種類の搬送姿勢のうちいずれかの姿勢で搬送されることになる。
上記検知部30の後段に延設された搬送路12上には、検知部30における検知結果に基づいて紙幣Pの搬送方向を選択的に切換えるための複数のゲートG1〜G9が設けられている。
まず、ゲートG1は、紙幣Pを後段の処理が可能なものとリジェクトするものとに振り分ける。たとえば、上記検知部30において、後段の処理が不可能であることが判定された紙幣は、ゲートG1を介してリジェクト箱32(図中右方向)へ搬送される。後段の処理が不可能な紙幣としては、たとえば、2枚取りが判定された紙幣、所定のレベルを超えて大きくスキューしたことが判定された紙幣、或いは再流通可能な正券と判定されなかった損券や偽券などの紙幣(紙幣とは限らない)などがある。上記リジェクト箱32には、紙葉類処理装置1の外部からアクセスが可能となっている。つまり、リジェクト箱32に集積された紙幣Pは、係員が取り出すことができるようになっている。
一方、検知部30において後段の処理が可能であると判定された紙幣Pは、ゲートG1を介してゲートG2(図中左方向)へ搬送される。ゲートG2は、表裏に応じて紙幣Pを振り分けるようになっている。ゲートG2の下流側の搬送路は、2方向に分岐されている。すなわち、ゲートG2は、表裏の状態に応じて紙幣Pの搬送方向を2方向に選択的に切換える。
ゲートG2の下流側で分岐された一方の搬送路上には、紙幣Pの表裏を反転させるための表裏反転機構34(表裏反転部)が設けられている。また、ゲートG2の下流側で分岐された他方の搬送路36は、紙幣Pの表裏を変化させずに、単に紙幣Pを通過させる搬送パスとなっている。すなわち、ゲートG2の後段では、紙幣Pの表裏を取り揃えられるようになっている。
上記表裏反転機構34は、2組の搬送ベルト33、35により構成される。上記搬送ベルト33及び35は、その入口から出口に向けて中心軸の回りで180°回転されたねじり搬送路を形成している。したがって、上記ゲートG2により表裏反転機構34へ振り分けられた紙幣Pは、表裏反転される。たとえば、FF券は、上記表裏反転機構34により表裏反転され、裏面を上にしたBF券に反転される。
上記表裏反転機構34を通過して表裏反転された紙幣P、及び、上記表裏反転機構34を通過せずに搬送路(搬送パス)36を通過した紙幣Pは、いずれも合流部38を介してゲートG3に送り込まれる。
ゲートG2から表裏反転機構34を介して合流部38に至る紙幣Pの処理時間(搬送時間)とゲートG2から搬送路36を介して合流部38に至る紙幣Pの搬送時間とが同じになるように設定されている。これにより、表裏反転機構34を介して搬送された紙幣Pと搬送路36を通過された紙幣Pとが同じタイミングで合流部38を通過する。
ゲートG3は、合流部38を通過した紙幣Pを振り分けるようになっている。ゲートG3の下流側の搬送路は、2方向に分岐されている。ゲートG3は、紙幣Pの種類(あるいは状態)に応じて紙幣Pの搬送方向を2方向に選択的に切換える。
ゲートG3の下流側で分岐された一方の搬送路は、紙幣Pを施封装置1Bへ搬送するための搬送路である。また、ゲートG3の下流側で分岐された他方の搬送路(水平搬送路)40は、紙幣Pを区分集積装置1A内の各集積庫41〜46に集積するための搬送路である。また、各集積庫41〜46には、それぞれ紙幣の有無を検知するセンサが設けられている。
すなわち、ゲートG3により図中右方向に分岐された水平搬送路40は、複数の集積庫41〜46の上方で略水平方向に延びた搬送路を形成している。水平搬送路40上には、紙幣Pを6つの集積庫41〜46のうちのいずれか1つに振り分けて集積するための5つのゲートG5〜G9が設けられている。
水平搬送路40の最も上流側にあるゲートG5によって選択的に振り分けられた紙幣Pは集積庫41に集積される。ゲートG6によって選択的に振り分けられた紙幣Pは集積庫42に集積される。ゲートG7によって選択的に振り分けられた紙幣Pは集積庫43に集積される。ゲートG8によって選択的に振り分けられた紙幣Pは集積庫44に集積される。ゲートG9によって選択的に振り分けられた紙幣Pは集積庫45或いは集積庫46に集積される。
上記施封装置1Bは、図1Aに示すように、集積庫51、集積庫52、供給部53、施封機構54、印刷機構55、帯供給部56を有している。上記集積庫51、52は、それぞれゲートG4を介して送り込まれた紙幣Pを集積する。各集積庫51、52には、それぞれ紙幣の有無を検知するセンサが設けられている。
上記供給部53は、集積庫51或いは52に集積された所定枚数(たとえば100枚)の紙幣Pを施封機構54に供給する。上記施封機構54は、供給部53によって供給される集積庫51或いは52に集積された所定枚数(たとえば100枚)の紙幣Pを紙帯で施封する施封機構である。上記印刷機構55は、上記施封機構54で使用する紙帯に所望の印刷データを印刷する。上記帯供給部56は、上記施封機構54で使用する紙帯を供給する。
上記施封装置1Bには、上記区分集積装置1AのゲートG3により図中左方向に分岐された搬送路によって紙幣Pが供給される。上記区分集積装置1Aから供給された紙幣Pは、施封装置1B内においてゲートG4により搬送方向が2方向に選択的に切換えられる。ゲートG4によって分岐搬送される紙幣Pは、施封装置1B内の集積庫51或いは集積庫52に選択的に集積される。
上記ゲートG4を介していずれかの集積庫51或いは52に集積された紙幣Pは、供給部53によって施封機構54へ送り込まれる。上記施封機構54では、上記帯供給部56から供給された紙帯によって上記供給部53により供給された所定枚数の紙幣Pを施封する。所定枚数毎に施封された紙幣Pの束は、図示しないコンベアを介して装置外へ搬出される。
なお、上記区分集積装置1Aでは、後述する設定に基づいて特定の券種を施封装置1Bへ供給するようになっている。したがって、上記施封装置1Bでは、上記区分集積装置1Aが供給される特定の券種の紙幣を施封するようになっている。また、施封装置1Bにて施封すべき券種以外の券種の紙幣Pは、上記区分集積装置1A内の集積庫41〜46のいずれかに集積される。
次に、紙葉類処理システムの制御系について説明する。
図2は、上記紙幣処理システムの制御系のブロック図を示す図である。
上記紙幣処理装置本体1の区分集積装置1Aの制御系は、図2に示すように、制御部60、記憶部61、取出し制御部62、搬送制御部63、ゲート制御部64、判定部65などにより構成されている。
上記制御部60は、予め設定した動作プログラムに従って区分集積装置1Aの全体動作を制御する。上記記憶部61には、上記制御部60により実行される動作プログラムが記憶される。また、上記記憶部61は、データの記憶用に用いられる。たとえば、上記記憶部61には、各集積庫41〜46、及び、施封装置1Bの集積庫51、52に集積される集積枚数を計数する計数テーブルが設けられている。
上記取出し制御部62は、制御部60の制御に基づいて取出しローラ10の駆動するものである。上記搬送制御部63は、制御部60の制御に基づいて搬送ローラ15、…の駆動するものである。上記ゲート制御部64は、制御部60の制御に基づいてゲートG1〜G3、G5〜G9の駆動を行うものである。
上記判定部65は、検知部30の検知結果に基づいて、紙幣Pの状態を判定するものである。上記判定部65では、各センサにより読み取った情報と基準となる情報とを比較することにより紙幣Pの特徴を判定する。また、上記判定部65は、検知部30の検知結果に基づく判定結果を制御部60に出力するものである。
たとえば、上記判定部65は、当該紙幣Pの券種を判定するとともに、当該紙幣Pの表裏及び天地を判定する。さらに、上記判定部65は、当該紙幣Pが正券か損券かを判定する。正券とは、再流通が可能な券であり、損券とは、再流通が不可な券である。つまり、正券か損券かは、紙幣の状態(質)の良し悪しにより判定されるものである。上記判定部65では、紙幣の汚れ、破れ、折れ、紙質、テープ貼り等の度合いによって正券か損券かを判定する。
上記紙幣処理装置本体1の施封装置1Bの制御系は、図2に示すように、制御部70、記憶部71、搬送制御部72、ゲート制御部73、移動機構74、施封機構54、印刷機構55などにより構成されている。
上記制御部70は、予め設定した動作プログラムに従って施封装置1Bの全体動作を制御する。上記記憶部71には、上記制御部70により実行される動作プログラムが記憶される。上記搬送制御部72は、上記制御部70の制御に基づいて搬送ローラを駆動するものである。上記ゲート制御部73は、上記制御部60の制御に基づいてゲートG4の駆動を行うものである。上記移動機構74は、上記制御部70の制御に基づいて上記集積庫51或いは52に集積された所定枚数の紙葉類を移動(搬送)するものである。
上記制御装置2の制御系は、図2に示すように、制御部80、記憶部81、表示部82、操作部83、通信部84などにより構成されている。
上記制御部80は、予め設定した動作プログラムに従って制御装置2全体の制御を司るものである。たとえば、上記制御部80は、係員からの操作指示に基づいて上記区分集積装置1Aに対する各種の動作設定などを行う機能を有する。上記記憶部81は、上記制御部80により実行される動作プログラムが記憶される。また、上記記憶部81には、区分集積装置1Aの各集積庫41〜46、及び、施封装置1Bの集積庫51、52に対する設定情報などが後述するプリセット(設定名)に対応して記憶される。
上記表示部82は、制御部80の表示制御に基づいて係員に対する操作案内などを表示するものである。上記操作部83は、係員が操作指示を入力するものである。上記表示部82は、ディスプレイ装置などにより構成される。上記操作部83は、キーボード或いはマウスなどの入力装置などにより構成される。上記表示部82と上記操作部83とは、たとえば、タッチパネル内蔵のディスプレイ装置により構成されるようにしても良い。さらに、上記表示部82と上記操作部83とは、タッチパネル内蔵のディスプレイ装置とキーボード等の入力装置とを設けた構成としても良い。
通信部84は、外部(例えば別の紙幣処理システム)と通信し、後述する各券種(紙幣の種類別)の処理量データ又は各券種(紙幣の種類別)の流通量データ等を受信することができる。
次に、上記制御装置2による紙葉類処理装置本体1の各集積庫(カセット)41〜46、51、52の設定について説明する。
ここでは、上記表示部82と上記操作部83とは、タッチパネル内蔵のディスプレイ装置により構成されているものとする。また、各集積庫41〜46、51、52の設定は、管理者(スーパーバイザ)により行われるものとする。
図3は、上記制御装置2においてカセットの設定画面を表示する動作を説明するためのフローチャートである。また、図4は、ログイン画面の表示例を示す図である。図5は、管理者の認証画面の表示例を示す図である。図6は、管理者用のメニュー画面の表示例を示す図である。
まず、上記制御部80は、上記表示部82にログイン画面を表示する(ステップS1)。たとえば、上記ログイン画面は、図4に示すように、スーパーバイザ(設定変更などの権限を有する管理者)とオペレータ(管理権限を持たない係員)との選択ボタンが表示される。このようなログイン画面において管理者を選択するボタンが入力されると(ステップS2、YES)、上記制御部80は、上記表示部82に当該管理者の認証画面を表示する(ステップS3)。たとえば、管理者の認証画面は、図5に示すように、当該管理者のID情報とパスワードとを入力画面を表示する。
このような画面において認証情報(ID情報とパスワード)が入力されると、上記制御部80は、入力された認証情報が正しいか否かを判断する(ステップS4)。この判断により入力された認証情報が正しいと判断した場合(ステップS4、YES)、上記制御部80は、上記表示部82に管理者用のメニュー画面を表示する(ステップS5)。
たとえば、管理者用のメニュー画面には、図6に示すように、少なくともカセットの設定(カセットアサイン)を選択するボタンが表示される。このような管理者用のメニュー画面においてカセットの設定を選択するボタンが入力されると(ステップS6、YES)、上記制御部80は、上記表示部82に後述するようなカセットアサイン画面を表示する(ステップS7)。このカセットアサイン画面において、紙幣処理装置本体1内の各カセットの設定(各カセットに割り当てる紙幣の条件の設定)が行われる。
上記のように、各カセットの設定或いは正券と損券とを区分するための正損レベルの設定は、パスワード等の認証情報により認証された管理者のみが行えるようになっている。すなわち、上記紙幣処理システムでは、管理者により設定された設定内容に基づいて紙幣を区分するようになっている。これにより、一般のオペレータ(管理権限を有しない係員)が各カセットの設定或いは正損レベルの設定を変更してしまうことを防止することができる。
次に、各集積庫(カセット)41〜46、51、52の設定画面について説明する。
図7は、各集積庫の設定画面(カセットアサイン画面)の表示例である。
図7に示す表示例では、カセットアサイン画面は、設定状況の表示ウインドウ101、設定名の表示ウインドウ102、読込ボタン103、記憶ボタン104、券種指定ボタン111〜117、状態表示アイコン121〜127、状態指定ボタン130(131〜134)、追加ボタン141、削除ボタン142、正損レベル設定ボタン151、アプライボタン152、紙帯プリント設定ボタン153、プリセットボタン154、リターンボタン155などから構成されている。
上記表示ウインドウ101は、各集積庫の設定情報を表示する表示領域である。この表示ウインドウ101には、各集積庫41〜46、51、52に割り当てられている紙幣の券種及び条件などが一覧表示されている。図7に示す表示例において、表示ウインドウ101の左端の欄は、集積庫を示す情報が表示される。たとえば、「S1−1」は、施封装置1Bの集積庫51を示し、「S1−2」は、施封装置1Bの集積庫52を示す。さらに、「S2−1」〜「S4−2」は、2台目以降の施封装置の各集積庫を示している。
なお、図1では、区分集積装置1Aに対して1台の施封装置を接続した構成を示しているが、紙葉類処理システムでは、上述したように、1台の区分集積装置1Aに対して複数台の施封装置を接続することが可能である。1台の区分集積装置1Aに対して複数台の施封装置を接続した場合、「S2−1」〜「S4−2」は、2台目以降の施封装置の各集積庫を示す。
図7に示す表示ウインドウ101の例において、左端の欄の「A」は、区分集積装置1A内の集積庫41を示し、「B」は、区分集積装置1A内の集積庫42を示している。ここで、図7に示す表示例では、「A」の欄が2つ設けられている。これは、「A」つまり集積庫41に対して2種類の紙幣が割り当てることが可能であることを示している。このように、1つの集積庫に対しても複数種類の紙幣を割り当てることも可能となっている。
図7の表示ウインドウ101における左から2つ目の欄は、対応する集積庫に割り当てられている紙幣の券種を示す情報が表示される。たとえば、図7に示す表示ウインドウ101の例では、「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)及び「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)に「500ユーロ」、「A」のカセット(つまり、集積庫41)に「20ユーロ」、「B」のカセット(つまり、集積庫42)に「10ユーロ」がそれぞれ割り当てられていることを示している。
図7に示す表示ウインドウ101の例において、左から3つ目の欄は、紙幣に対する第1の条件として紙幣の状態を示す情報が表示される。この欄では、紙幣に対する第1の条件として、正券(Fit)、損券(Unfit)、或いは、正券と損券の混合(Mix)を示す情報が表示される。
たとえば、図7に示す表示ウインドウ101の例では、「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)及び「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)には、第1の条件が「Mix」の「500ユーロ」が割り当てられていることを示している。また、「A」のカセット(つまり、集積庫41)には、第1の条件が「正券と損券の混合(Mix)」の「20ユーロ」が割り当てられていることを示している。「B」のカセット(つまり、集積庫42)には、第1の条件が「正券と損券の混合(Mix)」の「10ユーロ」が割り当てられていることを示している。
図7の表示ウインドウ101における左から4つ目の欄は、紙幣に対する第2の条件として紙幣の状態を示す情報が表示される。この欄では、紙幣に対する第2の条件として、紙幣の向き(集積庫に集積した時の向き)が、正方向(Forward)、逆方向(Backward)、或いは、正方向と逆方向の混合(Mix)を示す情報が表示される。なお、区分集積装置1Aに向きを揃える機構が設けられている場合、このような紙幣の向き(集積庫に集積した時の向き)を示す表示欄は、省略される。
たとえば、図7に示す表示ウインドウ101の例では、「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)及び「S1−1」のカセット(つまり、集積庫51)には、第1の条件が「正券と損券の混合(Mix)」で、かつ、第2の条件が「正方向と逆方向の混合(Mix)」の「500ユーロ」が割り当てられていることを示している。また、「A」のカセット(つまり、集積庫41)には、第1の条件が「正券と損券の混合(Mix)」で、かつ、第2の条件が「正方向と逆方向の混合(Mix)」の「20ユーロ」が割り当てられていることを示している。「B」のカセット(つまり、集積庫42)には、第1の条件が「正券と損券の混合(Mix)」で、かつ、第2の条件が「正方向と逆方向の混合(Mix)」の「10ユーロ」が割り当てられていることを示している。
図7の表示ウインドウ101における左から5つ目(右端)の欄は、対応する集積庫に割り当てられている紙幣の券種の正損レベルを示す情報が表示される。たとえば、図7に示す表示ウインドウ101の例では、各カセットに割り当てられている各券種に対して正損レベルとしてレベル「5」が設定されていることを示している。
上記表示ウインドウ102は、「プリセット」と呼ぶ設定名を表示する表示領域である。上記「プリセット」は、図7に示すような設定内容全体に対する設定名である。上記「プリセット」は、たとえば、表示ウインドウ102の右端をクリックすることにより変更することができるようになっている。
上記読込ボタン103は、上記表示ウインドウ102に表示されているプリセットの設定内容を読み込むことを指示するボタンである。上記記憶ボタン104は、図7に示す各種のボタンにより設定した内容を上記表示ウインドウ102に表示されているプリセット(設定名)で記憶することを指示するボタンである。
上記券種指定ボタン111〜117は、紙幣の券種を指定するボタンである。図7に示す例では、上記券種指定ボタン111が「5ユーロ」、上記券種指定ボタン112が「10ユーロ」、上記券種指定ボタン113が「20ユーロ」、上記券種指定ボタン114が「50ユーロ」、上記券種指定ボタン115が「100ユーロ」、上記券種指定ボタン116が「200ユーロ」、上記券種指定ボタン117が「500ユーロ」、を指定するボタンである。
たとえば、「S1−1」に「500ユーロ」を割り当てる場合、図7に示すように、「S1−1」の欄を選択状態(反転表示状態)としたまま、上記券種指定ボタン117を指示する。これにより、上記「S1−1」のカセットに「500ユーロ」の紙幣が割り当てられる。
上記状態表示アイコン121〜127は、紙幣の券種及び状態に対応する各区分集積装置1A内の各集積庫41〜46の割り当て状態を表示するものである。図7に示す例では、上記表示アイコン121が「5ユーロ」、上記表示アイコン122が「10ユーロ」、上記表示アイコン123が「20ユーロ」、上記表示アイコン124が「50ユーロ」、上記表示アイコン125が「100ユーロ」、上記表示アイコン126が「200ユーロ」、上記表示アイコン127が「500ユーロ」、に割り当て状態を示している。
たとえば、図8は、上記券種指定ボタン111〜117と上記状態表示アイコン121〜127の例を示す図である。また、図9は、各表示アイコン121〜127が表す情報を説明するための図である。図8及び図9に示すように、各表示アイコン121〜127は、それぞれ、正方向の正券(fitかつforward)に対する割り当て状態を示すアイコン121a〜127a、正方向の損券(unfitかつforward)に対する割り当て状態を示すアイコン121b〜127b、逆方向の正券(fitかつbackward)に対する割り当て状態を示すアイコン121c〜127c、逆方向の損券(unfitかつbackward)に対する割り当て状態を示すアイコン121d〜127dにより構成されている。したがって、各表示アイコン121〜127は、対応する券種について4つの条件ごとに、割り当てられている集積庫41〜46を示している。
上記状態指定ボタン130は、正券ボタン131、損券ボタン132、正方向ボタン133、及び、逆方向ボタン134から構成される。上記正券ボタン131は、紙幣の条件として、正券(fit)であることを指定するボタンである。上記損券ボタン132、紙幣の条件として、損券(unfit)であることを指定するボタンである。上記正方向ボタン133は、紙幣の条件として、正方向(forward)であることを指定するボタンである。上記逆方向ボタン134は、紙幣の条件として、逆方向(backward)であることを指定するボタンである。
上記追加ボタン141は、選択されている集積庫に割り当てられている紙幣の条件(券種及び紙幣の状態)等を追加することを指示するボタンである。上記削除ボタン142、選択されている集積庫に割り当てられている紙幣の条件(券種及び紙幣の状態)等を削除することを指示するボタンである。
上記正損レベル設定ボタン151は、各紙幣が正券か損券かを判定するための閾値を変更することを指示するボタンである。上記アプライボタン152は、画面上に表示されている設定内容を適用することを指示するボタンである。上記紙帯プリント設定ボタン153は、施封装置1Bにおいて所定数の紙幣を束ねるための紙帯にプリントする内容を設定することを指示するボタンである。上記プリセットボタン154は、プリセットとしての設定名を設定することを指示するボタンである。上記リターンボタン155は、操作を元に戻すことを指示するボタンである。
以下、認識支援処理の詳細について説明する。
図10は、認識支援処理の一例を示すフローチャートである。
区分集積装置1Aの判定部65は、搬送される紙幣(紙葉類)を処理し(S21)、処理結果を送信する(S22)。即ち、判定部65は、搬送される紙幣の画像を読み取り、紙幣に対応する画像データを取得し、画像データからシリアル番号領域(識別情報領域)(図13参照)を検出し、検出されたシリアル番号領域から、複数のキャラクター領域(図13参照)を検出し、検出したこれら複数のキャラクター領域の夫々からキャラクターを認識し、前記画像データ及び認識結果を処理結果として送信する。
なお、判定部65は、シリアル番号を構成する全てのキャラクターを認識した場合には認識成功の認識結果を出力し、一部のキャラクターが認識できなかった場合には認識失敗の認識結果を出力する。
たとえば、8桁の番号とアルファベットで構成されるシリアル番号の認識について説明する。なお、本実施形態が認識対象とするものは番号、アルファベットだけに限定されるものではなく、たとえば記号でもよい。本実施形態では、認識対象の番号、アルファベット、記号を総称してキャラクターと呼ぶ。
図11Aは、認識結果フォーマットの一例を示す図である。図11Bは、認識結果フォーマットの定義を説明するための図である。
図11A及び図11Bに示すように、桁1の認識情報は、認識成功を示す情報(8)、及び桁1の画像(A)又は桁1の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(A)を含む。桁2の認識情報は、認識失敗(認識候補なし)を示す情報(0)を含む。桁3の認識情報は、認識成功を示す情報(8)、及び桁3の画像(C)又は桁3の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(C)を含む。桁4の認識情報は、認識成功を示す情報(8)、及び桁4の画像(1)又は桁4の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(1)を含む。桁5の認識情報は、認識失敗(認識候補数1)を示す情報(1)、及び桁5の画像から認識候補として抽出されたキャラクターコードに対応する画像(2)を含む。桁6の認識情報は、認識成功を示す情報(8)、及び桁6の画像(3)又は桁6の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(3)を含む。桁7の認識情報は、認識成功を示す情報(8)、及び桁7の画像(4)又は桁7の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(4)を含む。桁8の認識情報は、認識失敗(認識候補数3)を示す情報(3)、及び桁8の画像から認識候補として抽出された複数のキャラクターコードに対応する複数の画像(6、0、8)を含む。
ここで、各桁の認識処理について補足する。上記したように判定部65は、画像データからキャラクター領域(図13参照)を検出し、記憶部61に記憶されたキャラクター辞書を参照し、このキャラクター領域の濃度分布等から、このキャラクター領域に含まれたキャラクター候補を抽出する。たとえば、判定部65は、キャラクター領域の濃度分布に対して、閾値以上の類似度の濃度分布特性を持つキャラクター候補を抽出する。判定部65は、閾値以上で且つ高い類似度の1つのキャラクター候補を抽出した場合、このキャラクター候補を認識キャラクターと判定する(認識成功)。また、判定部65は、閾値以上の類似度を持つ複数のキャラクター候補を抽出した場合には、複数のキャラクター候補有りと判定する(認識失敗、認識候補数n)。また、判定部65は、閾値以上の類似度を持つ1以上のキャラクター候補を抽出できない場合には、認識キャラクター無し及びキャラクター候補無しと判定する(認識失敗、認識候補なし)。
上記したように、判定部65は、画像データ及び認識結果を処理結果(ファイル)として送信し(S22)、制御部80は、処理結果を受信する。制御部80は、処理結果を解析し、認識成功の桁数とPmax(シリアル番号の桁数)とが一致する場合(S23、YES)、制御部80は、処理結果(認識成功したシリアル番号データ)を記憶部81に保存する(S29)。認識成功の桁数がPmax(シリアル番号の桁数)より少ない場合(S23、NO)、つまり、シリアル番号を構成する複数のキャラクターのうちの1以上のキャラクターの認識に失敗している場合、制御部80は、オペレータによる入力処理を実行する。
表示部82は、1以上のキャラクターの認識に失敗している処理結果(ファイル)を表示し(S24)、オペレータは、操作部83を介して、処理結果(ファイル)を選択する(S25)。表示部82は、選択された処理結果(図11Aに示す認識結果フォーマット)に基づき、図13に示す画面を表示する(S26、S27)。
図13に示すように、表示部82は、桁1の認識情報(認識成功を示す情報(8)、及び桁1の画像(A)又は桁1の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(A))に基づき、桁1のキャラクターの認識結果を第1の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁1に対応する第1欄(非強調表示欄)に、桁1の画像(A)又は桁1の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(A)を表示する(たとえば表示部82は、背景を白、キャラクターを黒で表示する)。操作部83は、たとえば表示部82に対応するタッチパネルを備え、タッチパネルは、表示部82の表示内容に対応して各種情報の入力を受け付けたり、表示候補の選択入力を受け付けたり、表示内容の変更入力を受け付けたりする。タッチパネルは、上記第1の表示形式で表示された第1欄の認識結果の変更入力等は受け付けない。
また、表示部82は、桁2の認識情報(認識失敗(認識候補なし)を示す情報(0))に基づき、桁2のキャラクターの認識結果を第2の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁2に対応する第2欄(強調表示欄)を空欄で表示する(たとえば表示部82は、背景(空欄)を白で表示する)。なお、タッチパネルは、上記第2の表示形式で表示された第2欄に対するキャラクターの入力を受け付ける。
また、表示部82は、桁3の認識情報(認識成功を示す情報(8)、及び桁3の画像(C)又は桁3の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(C))に基づき、桁3のキャラクターの認識結果を第1の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁3に対応する第3欄(非強調表示欄)に、桁3の画像(C)又は桁3の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(C)を表示する。タッチパネルは、上記第1の表示形式で表示された第3欄の認識結果の変更入力等は受け付けない。
また、表示部82は、桁4の認識情報(認識成功を示す情報(8)、及び桁4の画像(1)又は桁4の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(1))に基づき、桁4のキャラクターの認識結果を第1の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁4に対応する第4欄(非強調表示欄)に、桁4の画像(1)又は桁4の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(1)を表示する。タッチパネルは、上記第1の表示形式で表示された第4欄の認識結果の変更入力等は受け付けない。
また、表示部82は、桁5の認識情報(認識失敗(認識候補数1)を示す情報(1)、及び桁5の画像から認識候補として抽出されたキャラクターコードに対応する画像(2))に基づき、桁5のキャラクターの認識結果を第3の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁5に対応する第5欄(強調表示欄)に、桁5の画像から認識候補として抽出されたキャラクターコードに対応する画像(2)を表示する(たとえば表示部82は、背景を白、キャラクターを赤で表示する、或いはキャラクターを黒で点滅表示する)。タッチパネルは、上記第3の表示形式で表示された第5欄に表示された画像(2)の確定入力又は変更入力を受け付ける。
また、表示部82は、桁6の認識情報(認識成功を示す情報(8)、及び桁6の画像(3)又は桁6の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(3))に基づき、桁6のキャラクターの認識結果を第1の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁6に対応する第6欄(非強調表示欄)に、桁6の画像(3)又は桁6の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(3)を表示する。タッチパネルは、上記第1の表示形式で表示された第6欄の認識結果の変更入力等は受け付けない。
また、表示部82は、桁7の認識情報(認識成功を示す情報(8)、及び桁7の画像(4)又は桁7の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(4))に基づき、桁7のキャラクターの認識結果を第1の表示形式で表示する。たとえば、表示部82は、桁7に対応する第7欄(非強調表示欄)に、桁7の画像(4)又は桁7の画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(4)を表示する。タッチパネルは、上記第1の表示形式で表示された第7欄の認識結果の変更入力等は受け付けない。
また、表示部82は、桁8の認識情報(認識失敗(認識候補数3)を示す情報(3)、及び桁8の画像から認識候補として抽出された複数のキャラクターコードに対応する複数の画像(6、0、8))に基づき、桁8のキャラクターの認識結果を第4の表示形式で表示する。たとえば、桁8の画像の濃度分布に対して、第1の類似度の濃度分布特性を持つ第1のキャラクターコード(6)、第1の類似度より低い第2の類似度の濃度分布特性を持つ第2のキャラクターコード(0)、第2の類似度より低い第3の類似度の濃度分布特性を持つ第3のキャラクターコード(8)が抽出されたと仮定する。たとえば、表示部82は、桁8に対応する第8欄(強調表示欄)に、桁8の画像から第1の認識候補として抽出された第1のキャラクターコードに対応する画像(2)を表示し(たとえば表示部82は、背景を白、キャラクターを赤で表示する、或いはキャラクターを黒で点滅表示する)、さらに、第8欄から第1の距離の第1の表示領域に、第2の認識候補として抽出された第2のキャラクターコードに対応する画像(0)を表示し(例えばキャラクターを青で表示する)、さらに、第8欄から第1の距離より長い第2の距離の第2の表示領域に、第3の認識候補として抽出された第3のキャラクターコードに対応する画像(8)を表示する(例えばキャラクターを青で表示する)。つまり、表示部82は、第1の認識候補として抽出された第1のキャラクターコードに対応する画像(2)を最優先で表示し、第2の認識候補として抽出された第2のキャラクターコードに対応する画像(0)を二番目に優先して表示し、第2の認識候補として抽出された第2のキャラクターコードに対応する画像(8)を三番目に優先して表示する。
ここで、図12に示すフローチャートを参照して、図13に示す画面の表示処理について説明する。
制御部80は、初期設定後(i=0)、全桁数のチェックが終わるまで(S41)(S42)、以下の処理(S43〜S50)を繰り返す。
まず、桁Piが認識成功の場合(S43、YES)、制御部80は、桁Piに対応する画像を桁Piの表示欄に入力する(S44)。この場合、表示欄に入力された画像は修正できないものとする。なお、桁Piに対応する画像とは、上記説明したように、桁Piの画像(桁Piのキャラクター領域の画像)、又は桁Piの画像から認識されたキャラクターコードに対応する画像(辞書の画像)である。
桁Piが認識失敗(S43、NO)で、桁Piの認識候補が無い場合(S45、NO)、制御部80は、桁Piの表示欄を空欄(空白)にする(S46)。
桁Piが認識失敗(S43、NO)で、桁Piの認識候補が1つの場合(S45、YES)(S47、YES)、制御部80は、桁Piに対応する認識候補の画像を桁Piの表示欄に入力する(S48)。
桁Piが認識失敗(S43、NO)で、桁Piの認識候補が複数の場合(S45、YES)(S47、NO)、制御部80は、桁Piに対応する複数の認識候補のうち、桁Piのキャラクターとして最も可能性の高い認識候補の画像を桁Piの表示欄に入力し、他の認識候補の画像は桁Piの表示欄に対応して設けられる選択欄に入力する(S49)。
上記処理により、表示部82は、図13に示す画面を表示することができる。また、上記したように認識結果に応じて表示形式を変えることにより、オペレータは、認識成功した桁、認識に失敗し候補が1つだけの桁、認識に失敗し候補が複数の桁を一瞬で判断することができる。
オペレータは、図13に示す画面を見ながら、簡単に、認識に失敗した桁のキャラクターを入力することができる(S28)。たとえば、オペレータが、表示部82(タッチパネル)の第2欄をタッチし、表示部82(操作部83のタッチパネル)上のキーボードの所定キーをタッチすると、操作部83は、第2欄に対して、所定キーに対応するキャラクター(例えばB)を入力する。
また、オペレータが、表示部82の第5欄をタッチすると、操作部83は、第5欄に表示された認識候補(2)を確定する。或いは、オペレータが、表示部82の第5欄を所定時間タッチし続けると、第5欄の認識候補の修正が可能となり、オペレータが、表示部82上のキーボードの所定キーをタッチすると、操作部83は、第5欄に対して、所定キーに対応するキャラクターを入力する。
また、オペレータが、表示部82の第8欄をタッチすると、操作部83は、第8欄に表示された認識候補(6)を確定する。或いは、オペレータが、表示部82の第8欄に対応して表示された第1の表示領域をタッチすると、操作部83は、第1の表示領域に表示された認識候補(0)を第8欄に入力し確定する。或いは、オペレータが、表示部82の第8欄に対応して表示された第2の表示領域をタッチすると、操作部83は、第2の表示領域に表示された認識候補(8)を第8欄に入力し確定する。或いは、オペレータが、表示部82の第8欄を所定時間タッチし続けると、第8欄の認識候補の修正が可能となり、オペレータが、表示部82上のキーボードの所定キーをタッチすると、操作部83は、第8欄に対して、所定キーに対応するキャラクターを入力する。
全桁が確定すると、制御部80は、確定したシリアル番号データを含む処理結果を記憶部81へ保存する(S29)。言い換えれば、制御部80は、判定部65により認識されたキャラクター(認識結果)と、オペレータにより確定、選択、又は入力されたキャラクターとに基づき最終認識結果を生成し、記憶部81へ保存する。
さらに、制御部80は、上記最終認識結果に基づき、どのシリアル番号の紙幣がどの集積庫に集積されているか、どのシリアル番号の紙幣がどの施封番号で施封されているかを示す最終情報を生成し、記憶部81へ保存する(S30)。最終情報により、紙幣処理システム内の紙幣を追跡することができる。
なお、複数の紙幣のシリアル番号の認識に失敗した場合には、認識失敗に対応した複数ファイルが表示され、オペレータは、1ファイルずつ選択し、各紙幣の最終認識結果を生成することができる。
本実施形態により以下の作用効果が得られる。
本実施形態の紙幣処理システムは、上記構成により、オペレータによる入力の手間を最小化することができ、オペレータの作業負担を軽減することができ、処理効率も向上する。つまり、オペレータは、認識失敗の桁のみ入力したり、候補を選択したりするだけでよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。