JP2013188058A - Dc/dcコンバータ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な制御によって起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れることを抑制し、故障の発生を抑えることができるDC/DCコンバータを提供する。
【解決手段】複数のスイッチング素子と、電流共振コンデンサと、共振インダクタと、1次巻線及び2次巻線を備えたトランスとを有し、前記スイッチング素子のスイッチング制御により電力変換を行うLLC共振型のDC/DCコンバータであって、起動時に、前記スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる制御を行うことで前記電流共振コンデンサに充電させる制御部を備える。
【選択図】図1
【解決手段】複数のスイッチング素子と、電流共振コンデンサと、共振インダクタと、1次巻線及び2次巻線を備えたトランスとを有し、前記スイッチング素子のスイッチング制御により電力変換を行うLLC共振型のDC/DCコンバータであって、起動時に、前記スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる制御を行うことで前記電流共振コンデンサに充電させる制御部を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、DC/DCコンバータに関する。
従来、太陽光発電システムなどを含む各種分野において、太陽電池などの直流電力を所定電圧の直流電力へ変換するDC/DCコンバータが用いられている。
従来のDC/DCコンバータの一構成例を図7に示す。図7に示すDC/DCコンバータは、LLC共振方式を用いた所謂ハーフブリッジ型のDC/DCコンバータである。このDC/DCコンバータは、図7に示すように、スイッチング素子Q1及びQ2と、入力コンデンサC0と、電圧共振コンデンサCvと、電流共振コンデンサCrと、トランスTr0とを備えている。なお、トランスTr0の2次側にはダイオード及びコンデンサから成る整流回路(図示せず)が接続される。また、トランスTr0は図示しない漏れインダクタンスと励磁インダクタンスを含み、前記漏れインダクタンスは共振インダクタンスに相当する。上記LLC共振方式とは、電流共振コンデンサCrと、トランスTr0の図示しない漏れインダクタンスと励磁インダクタンスによる直列共振を利用した方式である。
図7に示すDC/DCコンバータの入力側には直流電源Vdcが接続される。例えばDC/DCコンバータを太陽光発電システムに適用する場合は、直流電源Vdcは太陽電池に相当する。このようなDC/DCコンバータにおいては、定常時、スイッチング素子Q1とQ2をデッドタイム(両方のスイッチング素子がオフとなる期間)を設けつつ相補的にスイッチングさせることにより、各スイッチがオン動作の時はゼロ電流スイッチング、オフ動作の時はゼロ電圧スイッチングとなるソフトスイッチングを達成して比較的高効率な電力変換を行うことができる。
図7に示すDC/DCコンバータにおいて、スイッチング素子Q1はオフの状態でスイッチング素子Q2をオンとすると、直流電源Vdc、電流共振コンデンサCr、トランスTr0の1次巻線及びスイッチング素子Q2の順の経路で電流が流れる。その後、スイッチング素子Q2をオフとしてデッドタイムに入ると、電圧共振コンデンサCvが放電し、トランスTr0の1次巻線に流れる電流がスイッチング素子Q1のボディダイオードに転流する(図7に示す破線矢印)。定常時であれば、その転流期間にスイッチング素子Q1をオンさせればゼロ電流スイッチングとなり、その後回路共振条件により電流が反転する。
しかしながら、DC/DCコンバータの起動時の場合は、電流共振コンデンサCrに充電された電荷が空の状態であるため、スイッチング素子Q1はオフの状態でスイッチング素子Q2をオンとすると、トランスTr0の1次巻線に流れ込む電流が大きくなる(突入電流が流れる)。
すると、その後、スイッチング素子Q2をオフとし、さらにスイッチング素子Q1をオンとし、さらにスイッチング素子Q1をオフとしてデッドタイムに入っても、電流が反転しないことが起こりうる。その状態でスイッチング素子Q2をオンとすると、スイッチング素子Q1に逆並列に接続されたボディダイオードに逆バイアスがかかり、リカバリ電流が流れることによりスイッチング素子Q1及びQ2を電流が貫通する短絡モードが発生する(図7に示す太線矢印)。短絡モードはDC/DCコンバータの故障の原因となるので望ましくない。
ここで、特許文献1には、電源起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れるのを防止するスイッチング電源装置として、発振手段から発生する発振信号を電源動作開始時からカウントし、一定のカウント数をカウントすると、直前にカウントした際の発振信号のオン時間より長い時間だけオンするように制御するものが開示されている。
また、特許文献2には、電源起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れるのを防止するスイッチング電源装置として、ハーフブリッジ型の一方のスイッチング素子の両端電圧が所定の電圧以上となったときに電圧検出信号を出力する電圧検出回路を備え、電圧検出信号により他方のスイッチング素子をオンとするものが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2の技術では、電源起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れるのを防止するために複雑な制御が必要であるという問題がある。
そこで、本発明は、簡易な制御によって起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れることを抑制し、故障の発生を抑えることができるDC/DCコンバータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、複数のスイッチング素子と、電流共振コンデンサと、共振インダクタと、1次巻線及び2次巻線を備えたトランスとを有し、前記スイッチング素子のスイッチング制御により電力変換を行うLLC共振型のDC/DCコンバータであって、
起動時に、前記スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる制御を行うことで前記電流共振コンデンサに充電させる制御部を備える構成としている。
起動時に、前記スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる制御を行うことで前記電流共振コンデンサに充電させる制御部を備える構成としている。
このような構成によれば、起動時に、スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる簡易な制御により、電流共振コンデンサを充電させる。そして、電流共振コンデンサを充電させることができるので、トランスの一次側に大きな電流(突入電流)が流れることを抑制できる。これにより、デッドタイムにおいてスイッチング素子の一部に接続された逆並列ダイオードにトランスの一次側に流れる電流が転流する状態になった場合に、共振により電流を反転させることができる。従って、逆並列ダイオードに逆バイアスがかかる状態になってもリカバリ電流が流れず、スイッチング素子を貫通電流が流れる短絡モードの発生を抑制できる。
なお、上記構成において、共振インダクタとは、トランスに対して外付けであるインダクタは勿論、トランスが疎結合トランスの場合の漏れインダクタンスも含まれる。
また、上記構成において、前記制御部は、起動時に、前記スイッチング素子の一部を複数回オンさせる制御を行う構成としてもよい。
また、上記いずれかの構成において、二つの前記スイッチング素子を有するハーフブリッジ型のDC/DCコンバータであって、
前記制御部は、起動時に、前記スイッチング素子の一方がオフの状態で前記スイッチング素子の他方を少なくとも一回オンさせる制御を行う構成としてもよい。
前記制御部は、起動時に、前記スイッチング素子の一方がオフの状態で前記スイッチング素子の他方を少なくとも一回オンさせる制御を行う構成としてもよい。
また、上記いずれかの構成において、四つの前記スイッチング素子を有するフルブリッジ型のDC/DCコンバータであって、
前記制御部は、起動時に、対角上の対となる前記スイッチング素子の一方の組がオフの状態で対角上の対となる前記スイッチング素子の他方の組を少なくとも一回オンさせる制御を行う構成としてもよい。
前記制御部は、起動時に、対角上の対となる前記スイッチング素子の一方の組がオフの状態で対角上の対となる前記スイッチング素子の他方の組を少なくとも一回オンさせる制御を行う構成としてもよい。
本発明によると、簡易な制御によって起動時にスイッチング素子に貫通電流が流れることを抑制し、故障の発生を抑えることができる。
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るDC/DCコンバータ10の回路構成を図1に示す。図1に示すDC/DCコンバータ10は、LLC共振を用いた所謂ハーフブリッジ型のDC/DCコンバータである。
本発明の第1実施形態に係るDC/DCコンバータ10の回路構成を図1に示す。図1に示すDC/DCコンバータ10は、LLC共振を用いた所謂ハーフブリッジ型のDC/DCコンバータである。
図1に示すように、DC/DCコンバータ10は、入力コンデンサC0と、MOSFETで構成されるスイッチング素子Q1及びQ2と、電圧共振コンデンサCvと、電流共振コンデンサCrと、トランスTr0と、マイコン1と、ドライバ2A及び2Bと、入力端子T1及びT2を備えている。なお、トランスTr0の2次側には、ダイオード及びコンデンサから成る整流回路(図示せず)が接続される。また、トランスTr0は疎結合トランスであり、図示しない漏れインダクタンスと励磁インダクタンスを含み、漏れインダクタンスは電流直列共振に寄与する共振インダクタに相当する。
MOSFETで構成されるスイッチング素子Q1及びQ2は、ドレイン−ソース間に逆並列ダイオードであるボディダイオードが接続される。ボディダイオードは、寄生ダイオード(内蔵ダイオード)である。なお、逆並列ダイオードは、外付けで接続されたダイオードであってもよい。
入力端子T1及びT2には、外部の直流電源Vdcのプラス側とマイナス側がそれぞれ接続される。入力端子T1には入力コンデンサC0の一端が接続され、入力端子T2には入力コンデンサC0の他端が接続される。スイッチング素子Q1とQ2を直列接続した組が、入力コンデンサC0と並列接続される。
スイッチング素子Q1のドレインに電圧共振コンデンサCvの一端が接続されると共に、電流共振コンデンサCrの一端も接続される。電流共振コンデンサCrの他端はトランスTr0の1次巻線の一端に接続される。トランスTr0の1次巻線の他端は電圧共振コンデンサCvの他端に接続されると共に、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点にも接続される。
スイッチング素子Q1のゲートには、Q1をスイッチングするためのゲート駆動回路であるドライバ2Aの出力端が接続され、スイッチング素子Q2のゲートには、Q2をスイッチングするためのゲート駆動回路であるドライバ2Bの出力端が接続される。マイコン1がドライバ2Aに駆動信号を出力することにより、ドライバ2Aによりスイッチング素子Q1が駆動される。また、マイコン1がドライバ2Bに駆動信号を出力することにより、ドライバ2Bによりスイッチング素子Q2が駆動される。
ここで、定常時におけるスイッチング素子Q1及びQ2の駆動の一例を図2に示す。図2に示すように、スイッチング素子Q1及びQ2は、デッドタイムt1及びt2を含めて相補的に駆動される。
まず、スイッチング素子Q1がオフの状態でスイッチング素子Q2がオンとなると、直流電源Vdc、電流共振コンデンサCr、トランスTr0の1次巻線及びスイッチング素子Q2の順の経路で電流が流れる。その後、スイッチング素子Q2をオフとしてデッドタイムt1に入ると、電圧共振コンデンサCvが放電し、トランスTr0の1次巻線を流れる電流がスイッチング素子Q1のボディダイオードに転流する。そして、Q1のボディダイオードへの転流期間にQ1をオンさせればゼロ電流スイッチングとなり、その後回路共振条件により電流が反転する。
すると、電流共振コンデンサCr、スイッチング素子Q1及びトランスTr0の1次巻線の順の経路で電流が還流する。その後、スイッチング素子Q1をオフとしてデッドタイムt2に入ると、トランスTr0の1次巻線に流れる電流により電圧共振コンデンサCvが充電される。その後、電圧共振コンデンサCvの電圧が入力電圧以上となると、電流は入力コンデンサを介してスイッチング素子Q2のボディダイオードへ転流となるため、転流期間にQ2をオンさせる。
次に、起動時におけるスイッチング素子Q1及びQ2の駆動の一例を図3に示す。図3に示すように、起動時にはまず、スイッチング素子Q1はオフの状態で、微小な期間T1のオン時間で間隔T2ごとに複数回スイッチング素子Q2をオンさせる。期間T1は例えば1.3μsとし、間隔T2は1msとすればよく、複数回は例えば図3では4回としている。なお、これらの値は仕様に応じて適宜変更可能であるのは言うまでもない。
このようなスイッチング素子Q2のオン動作により、起動時には電荷が空となっている電流共振コンデンサCrを充電させることができる。その後、図3で示すように、上述した定常時のスイッチング動作を開始させる。
スイッチング素子Q1がオフの状態でスイッチング素子Q2をオンとすると、電流共振コンデンサCrは充電されているため、トランスTr0の1次巻線に大きな電流(突入電流)は流れない。従って、その後、スイッチング素子Q2をオフとしてデッドタイムに入ると、トランスTr0の1次巻線に流れる電流がスイッチング素子Q1のボディダイオードに転流し、転流期間にスイッチング素子Q1をオンさせ共振により電流は反転することが可能となる。
その後、スイッチング素子Q1をオフとしてデッドタイムに入った後、スイッチング素子Q2をオンとしても、スイッチング素子Q1のボディダイオードにリカバリ電流は流れない。よって、スイッチング素子Q1及びQ2を貫通電流が流れる短絡モードの発生を抑えることができる。
このように本実施形態によれば、起動時に電流共振コンデンサCrを充電させる簡易な制御により、スイッチング素子Q1及びQ2を貫通電流が流れる短絡モードの発生を抑え、DC/DCコンバータ10の故障の発生を抑制することができる。
本実施例では、DC/DCコンバータを図1のような回路構成としたが、回路の動作モードが等価であればこれに限定されない。例えば、電圧共振コンデンサCvは、図1においてスイッチング素子Q1のみに並列接続されているが、スイッチング素子Q1とQ2各々に電圧共振コンデンサを並列接続しても良い。あるいは、電圧共振コンデンサを省いても良い。この場合、スイッチング素子の出力容量が電圧共振コンデンサの役割を果たす。
また、トランスTr0はある程度大きな漏れインダクタンスを有する疎結合トランスである必要はなく、漏れインダクタンスが微小な密結合トランスに外付けで電流共振コンデンサCrと直列に共振インダクタを接続しても良い。また、電流共振コンデンサCrやトランスTr0により構成される共振回路をスイッチング素子Q2に並列接続しても同じである。さらに、図示しないトランスTr0の2次側の整流回路は回路構成を限定せず、ダイオードブリッジによる整流回路や倍電圧整流回路などであっても良い。
また、トランスTr0はある程度大きな漏れインダクタンスを有する疎結合トランスである必要はなく、漏れインダクタンスが微小な密結合トランスに外付けで電流共振コンデンサCrと直列に共振インダクタを接続しても良い。また、電流共振コンデンサCrやトランスTr0により構成される共振回路をスイッチング素子Q2に並列接続しても同じである。さらに、図示しないトランスTr0の2次側の整流回路は回路構成を限定せず、ダイオードブリッジによる整流回路や倍電圧整流回路などであっても良い。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係るDC/DCコンバータ20の回路構成を図4に示す。図4に示すDC/DCコンバータ20は、LLC共振を用いた所謂フルブリッジ型のDC/DCコンバータである。
本発明の第2実施形態に係るDC/DCコンバータ20の回路構成を図4に示す。図4に示すDC/DCコンバータ20は、LLC共振を用いた所謂フルブリッジ型のDC/DCコンバータである。
図4に示すように、DC/DCコンバータ20は、入力コンデンサC0と、MOSFETで構成されるスイッチング素子Q1、Q2、Q3及びQ4と、電流共振コンデンサCrと、トランスTr0と、マイコン3と、ドライバ4A及び4Bと、入力端子T1及びT2を備えている。なお、トランスTr0の2次側には、ダイオード及びコンデンサから成る整流回路(図示せず)が接続される。また、トランスTr0は疎結合トランスであり、図示しない漏れインダクタンスと励磁インダクタンスを含み、漏れインダクタンスは電流直列共振に寄与する共振インダクタンスに相当する。
入力端子T1及びT2には、外部の直流電源Vdcのプラス側とマイナス側がそれぞれ接続される。入力端子T1には入力コンデンサC0の一端が接続され、入力端子T2には入力コンデンサC0の他端が接続される。スイッチング素子Q1とQ3を直列接続した組と、スイッチング素子Q2とQ4を直列接続した組とが、入力コンデンサC0と並列接続される。
スイッチング素子Q2のソースとスイッチング素子Q4のドレインとの接続点に電流共振コンデンサCrの一端が接続される。電流共振コンデンサCrの他端はトランスTr0の1次巻線の一端に接続される。トランスTr0の1次巻線の他端は、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q3のドレインとの接続点に接続される。
スイッチング素子Q1及びQ3のゲートには、Q1とQ3をスイッチングするためのゲート駆動回路であるドライバ4Aの出力端が接続され、スイッチング素子Q2及びQ4のゲートには、Q2とQ4をスイッチングするためのゲート駆動回路であるドライバ4Bの出力端が接続される。マイコン3からスイッチング素子Q1の駆動用に駆動信号を出力するラインは、スイッチング素子Q4の駆動用に駆動信号を出力するラインと接続される。マイコン3からスイッチング素子Q3の駆動用に駆動信号を出力するラインは、スイッチング素子Q2の駆動用に駆動信号を出力するラインと接続される。これにより、マイコン3は、スイッチング素子Q1とQ4、スイッチング素子Q2とQ3をそれぞれ組として駆動できる。なおドライバ4Aとドライバ4Bは、例えば2つの信号入力を用いてハイサイドのスイッチング素子とローサイドのスイッチング素子を各々駆動する回路であり、これら出力は互いに絶縁されている。即ち、ドライバ4Aであればローサイドのスイッチング素子Q3を駆動すると共に、ハイサイドのフローティング電位となるスイッチング素子Q1を駆動する。同じくドライバ4Bであればローサイドのスイッチング素子Q4を駆動すると共に、ハイサイドのフローティング電位となるスイッチング素子Q2を駆動する。
ここで、定常時におけるスイッチング素子Q1〜Q4の駆動の一例を図5に示す。図5に示すように、スイッチング素子Q1及びQ4の組と、スイッチング素子Q2及びQ3の組は、デッドタイムt3及びt4を含めて相補的に駆動される。
まず、スイッチング素子Q2及びQ3がオフの状態でスイッチング素子Q1及びQ4がオンとなると、直流電源Vdc、スイッチング素子Q1、トランスTr0の1次巻線、電流共振コンデンサCr及びスイッチング素子Q4の順の経路で電流が流れる。その後、スイッチング素子Q1及びQ4をオフとしてデッドタイムt3に入ると、トランスTr0の1次巻線を流れる電流が、電流共振コンデンサCr、スイッチング素子Q2のボディダイオード、入力コンデンサC0及びスイッチング素子Q3のボディダイオードの順の経路で還流する。その後、スイッチング素子Q2、Q3のボディダイオードへの転流期間にQ2,Q3をオンさせることによりゼロ電流スイッチングとなり回路共振条件により電流が反転する。
すると、直流電源Vdc、スイッチング素子Q2、電流共振コンデンサCr、トランスTr0の1次巻線及びスイッチング素子Q3の順の経路で電流が流れる。その後、スイッチング素子Q2及びQ3をオフとしてデッドタイムt4に入ると、トランスTr0の1次巻線を流れる電流が、スイッチング素子Q1のボディダイオード、入力コンデンサC0及びスイッチング素子Q4のボディダイオード及び電流共振コンデンサCrの順の経路で還流する。その後、スイッチング素子Q1、Q4のボディダイオードへの転流期間にQ1,Q4をオンさせることによりゼロ電流スイッチングとなり回路共振条件により電流が反転する。
次に、DC/DCコンバータ20における起動時の制御について説明する。仮に、起動時にスイッチング素子Q2及びQ3がオフの状態でスイッチング素子Q1及びQ4をオンとすると、電流共振コンデンサCrに充電された電荷が空であるため、トランスTr0の1次巻線に大きな電流(突入電流)が流れる。
そのため、その後、スイッチング素子Q1及びQ4をオフとしてデッドタイムに入ると、スイッチング素子Q2及びQ3のボディダイオードを介して電流が還流するが、起動時の電流が大きいため、電流方向が反転しないことが起こりうる。その後、電流が反転しないまま、スイッチング素子Q2及びQ3のオン状態、さらにデッドタイムが経過し、スイッチング素子Q1及びQ4をオンとすると、スイッチング素子Q2及びQ3のボディダイオードにリカバリ電流が流れる。従って、スイッチング素子Q1及びQ3、スイッチング素子Q2及びQ4のそれぞれの組に貫通電流が流れる短絡モードが発生してしまう。
このような現象の発生を抑えるため、以下のように起動時の制御を行う。本実施形態に係る起動時におけるスイッチング素子Q1〜Q4の駆動の一例を図6に示す。
図6に示すように、起動時にはまず、スイッチング素子Q2及びQ3はオフの状態で、微小な期間T3のオン時間で間隔T4ごとに複数回スイッチング素子Q1及びQ4をオンさせる。期間T3及び間隔T4は仕様によって適宜適当な値を設定でき、複数回も図6では4回としているが、仕様によって適宜設定できる。
このようなスイッチング素子Q1及びQ4のオン動作により、起動時には電荷が空となっている電流共振コンデンサCrを充電させることができる。その後、図6で示すように、上述した定常時のスイッチング動作を開始させる。
スイッチング素子Q2及びQ3がオフの状態でスイッチング素子Q1及びQ4をオンとすると、電流共振コンデンサCrは充電されているため、トランスTr0の1次側コイルに大きな電流(突入電流)は流れない。従って、その後、スイッチング素子Q1及びQ4をオフとしてデッドタイムに入ると、スイッチング素子Q2及びQ3のボディダイオードを介した電流の還流が発生するが、転流期間にスイッチング素子Q2,Q3をオンさせれば電流は反転する。
その後、スイッチング素子Q2及びQ3をオフとしてデッドタイムに入った後、スイッチング素子Q1及びQ4をオンとしても、スイッチング素子Q2及びQ3のボディダイオードにリカバリ電流は流れない。よって、スイッチング素子Q1及びQ3、スイッチング素子Q2及びQ4のそれぞれの組を貫通電流が流れる短絡モードの発生を抑えることができる。
このように本実施形態によれば、起動時に電流共振コンデンサCrを充電させる簡易な制御により、スイッチング素子Q1及びQ3、スイッチング素子Q2及びQ4のそれぞれの組を貫通電流が流れる短絡モードの発生を抑え、DC/DCコンバータ20の故障の発生を抑制することができる。
本実施例では、DC/DCコンバータを図4のような回路構成としたが、回路の動作モードが等価であればこれに限定されない。例えば、実施例1で記載した電圧共振コンデンサは省いているが、スイッチング素子Q1〜Q4各々に並列にコンデンサを接続しても良い。また、トランスTr0はある程度大きな漏れインダクタンスを有する疎結合トランスである必要はなく、漏れインダクタンスが微小な密結合トランスに外付けで電流共振コンデンサCrと直列に共振インダクタを接続しても良い。さらに、図示しないトランスTr0の2次側の整流回路は回路構成を限定せず、ダイオードブリッジによる整流回路や倍電圧整流回路などであっても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明に係るDC/DCコンバータの入力側に例えば直流電源として太陽電池を接続し、後段にDC/ACインバータを接続することで、太陽光発電システムを構成してもよい。
1 マイコン
2A、2B ドライバ
3 マイコン
4A、4B ドライバ
10、20 DC/DCコンバータ
Vdc 直流電源
T1、T2 入力端子
C0 入力コンデンサ
Cv 電圧共振コンデンサ
Cr 電流共振コンデンサ
Tr0 トランス
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子
2A、2B ドライバ
3 マイコン
4A、4B ドライバ
10、20 DC/DCコンバータ
Vdc 直流電源
T1、T2 入力端子
C0 入力コンデンサ
Cv 電圧共振コンデンサ
Cr 電流共振コンデンサ
Tr0 トランス
Q1、Q2、Q3、Q4 スイッチング素子
Claims (4)
- 複数のスイッチング素子と、電流共振コンデンサと、共振インダクタと、1次巻線及び2次巻線を備えたトランスとを有し、前記スイッチング素子のスイッチング制御により電力変換を行うLLC共振型のDC/DCコンバータであって、
起動時に、前記スイッチング素子の一部を定常時における当該スイッチング素子のオン時間よりも短いオン時間にて少なくとも一回オンさせる制御を行うことで前記電流共振コンデンサに充電させる制御部を備えることを特徴とするDC/DCコンバータ。 - 前記制御部は、起動時に、前記スイッチング素子の一部を複数回オンさせる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
- 二つの前記スイッチング素子を有するハーフブリッジ型のDC/DCコンバータであって、
前記制御部は、起動時に、前記スイッチング素子の一方がオフの状態で前記スイッチング素子の他方を少なくとも一回オンさせる制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。 - 四つの前記スイッチング素子を有するフルブリッジ型のDC/DCコンバータであって、
前記制御部は、起動時に、対角上の対となる前記スイッチング素子の一方の組がオフの状態で対角上の対となる前記スイッチング素子の他方の組を少なくとも一回オンさせる制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
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