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JP4542844B2 - 2トランス型dc−dcコンバータ - Google Patents

2トランス型dc−dcコンバータ Download PDF

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JP4542844B2 JP2004207597A JP2004207597A JP4542844B2 JP 4542844 B2 JP4542844 B2 JP 4542844B2 JP 2004207597 A JP2004207597 A JP 2004207597A JP 2004207597 A JP2004207597 A JP 2004207597A JP 4542844 B2 JP4542844 B2 JP 4542844B2
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Description

本発明は、2トランス型DC−DCコンバータの改良に関する。
トランスを用いるトランス式DC−DCコンバータは入出力を完全に電気絶縁可能であるため広範に用いられている。このトランス式DC−DCコンバータにおいて、2個のトランスをもつ2トランス型DC−DCコンバータが知られている。
下記の特許文献1は、本質的に通常の1トランス方式のDC−DCコンバータを並列に接続して相補動作させる2トランス型DC−DCコンバータを提案している。この2トランス型DC−DCコンバータでは、二つのトランスが交互に電流出力するため出力側チョークコイルを用いなくても小容量の平滑コンデンサだけでリップルを低減することが可能となる。
下記の特許文献2は、図9に示す形式の2トランス型DC−DCコンバータを提案している。この2トランス型DC−DCコンバータでは、トランスT1、T2の一次コイルW2、W5は、スイッチング素子Q1を通じて入力直流電源2から給電される。一次コイルW2、W5と並列にコンデンサC2とスイッチング素子Q2とを直列してなるクランプ回路が接続されている。DはMOSトランジスタであるスイッチング素子Q1、Q2の寄生(内蔵)ダイオードである。トランスT1、T2の二次コイルW3、W6の電圧は、通常の同期整流回路100により交互に整流されて出力される。スイッチング素子Q1〜Q4はPWM制御されて出力電圧Voを一定化する。スイッチング素子Q1、Q2は交互に(相補的に)断続される。図9のDC−DCコンバータの動作を以下に簡単に説明する。
(モード1)
スイッチング素子Q1をオンすると、一次コイルW2、W5には入力直流電圧が印加される。スイッチング素子Q2はオフしているとする。入力端から一次コイルW2、W5に電流i1が流れ、コンデンサC1は放電する。一次コイルW2、W5に流れる電流は一次コイルW2、W5のインダクタンスにより時間とともに増大し、二次コイルW3、W6にはドット側の端子がプラスとなる電圧が発生し、スイッチング素子Q3のオンにより二次コイルW6から電流i3が出力され、磁気エネルギーがトランスT1のコアに蓄積される。
(モード2)
次に、スイッチング素子Q1をオフすると、トランスT1の蓄積エネルギーにより接続点40の電位は急上昇し、コンデンサC2は、トランスT1の蓄積エネルギーを消滅させるべくスイッチング素子Q2の寄生ダイオードDを通じて充電される。
(モード3)
次に、スイッチング素子Q2をオンすると、トランスT1の蓄積エネルギーによりスイッチング素子Q2を通じてコンデンサC2は更に良好に充電される。この動作の終了後、コンデンサC2の蓄電電圧により、コンデンサC2は、スイッチング素子Q2を通じて一次コイルW5、W2に放電方向に電流を流し、コンデンサC2は放電される。この電流は時間とともに増加し、一次コイルW2、W5の無ドット側の端子にプラス電圧が発生し、スイッチング素子Q4のオンにより一次コイルW3から電流が出力されるとともに、トランスT2には磁気エネルギーが蓄積される。
(モード4)
次に、スイッチング素子Q2をオフすると、トランスT2の蓄積エネルギーにより接続点40の電位は急低下し、トランスT2の蓄積エネルギーを消滅させるべく、一次コイルW5は入力端、スイッチング素子Q1の寄生ダイオードDを通じて電流を流し、コンデンサC1は充電される。
(モード1)
スイッチング素子Q1をオンすると、トランスT2の蓄積エネルギーによりコンデンサC1は更に充電される。この動作の終了後、この動作サイクルが終了し、最初に戻る。
特開2003−102175号公報 USP5291382
しかしながら、上記した公報の2トランス型DC−DCコンバータは、多数のスイッチング素子が必要となり、電流リップルが大きいと言う問題があった。
また、図9に示す2トランス型DC−DCコンバータでは、トランスから入力直流電源2側へ逆方向電流が流れ出すため入力電流のリップル成分が大きいという問題があった。
このため、入力直流電源2の電流変化を低減するべく、入力直流電源2と並列に接続される入力側平滑コンデンサC1として大容量コンデンサを採用せねばならなかった。しかし、高耐圧で大容量のコンデンサは体格が大型となり高価でもあるため、装置の大型化と高コスト化を招く。また、入力直流電源2とDC−DCコンバータとを接続するラインが放射する電磁波ノイズのシールドも重要な問題となった。更に、電流のリップル成分が大きいということは入力電流の実効値が大きくなるため、損失及び発熱が増大するという欠点もあった。また更に、トランスが直流電流成分により偏磁されるためトランスの大型化を招いた。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、小型軽量化及びスイッチング素子数低減が可能で、そのうえ優れた効率と小さい入力電流のリップル成分を有し入力側平滑コンデンサの小容量化も可能な2トランス型DC−DCコンバータを提供することをその目的としている。
なお、請求項及びこの発明の開示の記載において、発明の各構成要素に付した符号は理解を容易化するためになされたものに過ぎず、対応する符号をもつ実施例の構成要素に限定されないことはもちろんである。
発明の2トランス型DC−DCコンバータは、一次コイルW1、W2と二次コイルW3とからなるトランスT1と、一次コイルW4、W5と二次コイルW6とからなるトランスT2との2つのトランスを有するとともに、コイルW1、W4は直列接続されて第1コイル対を構成し、コイルW2、W5は直列接続されて第2コイル対を構成する磁気回路と、所定の直流電源電圧で運用される第一電圧系統1000に電力授受可能に接続される交直変換回路11と、前記第一電圧系統1000と異なる直流電源電圧で運用される第二電圧系統2000に電力授受可能に接続される交直変換回路21と、第一電圧系統1000と第二電圧系統2000との間の電力伝送を制御するコントローラとを備え、前記第1コイル対の一端は、前記第一電圧系統1000の一端に接続され、前記交直変換回路11は、前記第一電圧系統1000の他端と前記第1コイル対の他端とを接続する主スイッチQ1と、
前記第一電圧系統1000の他端と前記第2コイル対の一端とを接続するコンデンサC1と、一端が前記第2コイル対の一端に、他端が前記第1コイル対の他端及び第2コイル対の他端に接続されて前記主スイッチQ1オフ時に前記主スイッチQ1を流れていた電流をバイパスするクランプ回路とを有し、前記コントローラは、前記主スイッチQ1をオフして前記コンデンサC1を充電する充電モードと、前記主スイッチQ1をオンして前記コンデンサC1を放電する放電モードと所定周期で繰り返し実施することを特徴としている。
すなわち、本発明の2トランス型DC−DCコンバータは、図9に示す従来の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、直流コイル体(一次コイルW1、W4)を追加し、更に、第一電圧系統1000が直流コイル体(一次コイルW1、W4)を通じて、主スイッチQ1と交流コイル体(一次コイルW2、W5)との接続点に給電する回路構成を採用している。なお、各スイッチの制御はPWM制御の他、公知の種々のパルス制御方式を採用することができる。
クランプ回路としては、主スイッチQ1オフ時のサージ電圧を吸収する各種公知のものを採用することができる。主スイッチQ1としては双方向通電可能なMOSトランジスタが好適である。本明細書で言う交直変換回路とは、入力される交流電力(直流電力成分を含んでいてもよい)を直流電力に変換したり、又は、入力される直流電力(交流電力成分を含んでいてもよい)を交流電力に変換する回路を言う。
交直変換回路21としては、通常の同期整流回路やダイオード整流回路を用いることができ、同期整流回路をインバータ動作させて第二電圧系統2000から第一電圧系統1000への送電を行うことができる。
このようにすれば、以下に説明するように、特に平滑コンデンサの小型化による小型軽量化、スイッチング素子数低減、効率向上、入力電流と出力電流のリップル成分の低減が可能な2トランス型DC−DCコンバータを実現することができる。
態様1では、前記クランプ回路は、直列に接続されたコンデンサC2及び副スイッチQ2とにより構成され、前記コントローラは、前記主スイッチQ1をオフし、前記副スイッチQ2をオンして前記コンデンサC1を充電する充電モードと、前記主スイッチQ1をオンし、前記副スイッチQ2をオフして前記コンデンサC1を放電する放電モードとを交互に実施する。このようにすれば、クランプ電力を有効に再利用することができる。
態様2では、前記第1コイル対は、前記第一電圧系統1000を送電側、前記第二電圧系統2000を受電側とする場合に、前記第一電圧系統1000から前記交直変換回路11側へ途切れることなく電流を流す。
このようにすれば、従来の2トランス型DC−DCコンバータの欠点であったDC−DCコンバータから入力直流電源である第一電圧系統1000への電流逆流を格段に低減することができるので、大型の平滑コンデンサを用いずとも入力電流のリップル成分を良好に低減することができる。したがって、本発明の2トランス型DC−DCコンバータでは、交直変換回路11の入力電流を平滑する電流平滑回路を第一電圧系統1000と交直変換回路11との間に設ける必要がないか、もしくは設けたとしてもそれを大幅に小型化することが可能となる。
態様3では、前記交直変換回路21は、一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW6を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続されるスイッチング素子Q3と、一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW3を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続されるスイッチング素子Q4とを備え、前記コントローラは、前記主スイッチQ1と前記スイッチング素子Q3及びQ4の一方とを同期オンし、前記副スイッチQ2と前記スイッチング素子Q3及びQ4の他方とを同期オンする。
このようにすれば、交直変換回路21をいわゆる同期整流回路で構成することができるので、損失を減らすことができる。なお、ここでいう同期オンとは同時にオンする場合の他、一方がオンした後、所定時間後、他方がオンする場合も含む。また、第二電圧系統2000から第一電圧系統1000への送電も可能となる。なお、スイッチング素子Q3、Q4の一方を三端子スイッチング素子としてのトランジスタではなく、二端子スイッチング素子としてのダイオードにより構成してもよい。
態様4では、前記コントローラは、前記出力スイッチQ1、Q2のオン・デューティ比の変更を所定範囲内に規制することにより、前記同期整流回路の出力電流のリップル成分を所定値レベル未満とする。
このようにすれば、チョークコイルを用いることなく出力電流のリップル成分を低減することができる。
態様5では、前記第一電圧系統1000を高電圧側、第二電圧系統2000を低電圧側とする。これにより、高電圧の第一電圧系統1000から低電圧の第二電圧系統2000への降圧送電、又は、低電圧の第二電圧系統2000から高電圧の第一電圧系統10への昇圧送電を行うことができる。
態様6では、前記第一電圧系統1000は、前記第二電圧系統2000より低電圧とされる。これにより、低電圧の第一電圧系統1000から高電圧の第二電圧系統2000への昇圧送電、又は、高電圧の第二電圧系統2000から低電圧の第一電圧系統10への降圧送電を行うことができる。
態様7では、前記交直変換回路11は、前記第一電圧系統1000をなす直流電源又は電気負荷へ電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続されている。これにより、入力電流のリップル成分を許容範囲に維持しつつ体格、重量を軽減することができる。
態様8では、前記交直変換回路21は、前記第二電圧系統2000をなす直流電源又は電気負荷へ電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続されている。これにより、出力電流のリップル成分を許容範囲に維持しつつ体格、重量を軽減することができる。
態様9では、前記コントローラは、PWM制御する前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の変更により、互いに異なる直流電源電圧で運用される前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への第一送電モードと、前記第二電圧系統2000から前記第一電圧系統1000へ送電する第二送電モードと切り替える。
これにより、チョークコイルを必要としない点を利用して双方向に送電する。これにより、構成を複雑化することなく上記2トランス型DC−DCコンバータの利便性を向上することができる。
特に、この態様は、交直変換回路11が、第一電圧系統1000をなす直流電源又は電気負荷へ電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続され、交直変換回路21が、第二電圧系統2000をなす直流電源又は電気負荷に電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続される場合に好適である。
すなわち、本発明の2トランス型DC−DCコンバータでは同期整流された出力電流に含まれるリップル成分は非常に小さい。このため、リップル除去用のチョークコイルを必要としない。このため、逆方向への送電に際して、同期整流回路である交直変換回路21側から交直変換回路11側に逆送電するに際してこのチョークコイルにスイッチングサージ電圧が発生することがなく、このスイッチングサージ電圧を減衰乃至防止するための回路工夫を省略することができる。
なお、送電方向の変更はスイッチング素子のデューティ比変更のみにより実施することができる。これに対して、従来のトランス型DC−DCコンバータにより双方向送電を行う場合、本来の整流側から本来のインバータ側に逆送電を行う場合、従来のDC−DCコンバータの出力リップルが大きいために、整流回路から出力される電流からリップルを除去するためのチョークコイルを省略することが困難であった。このため、逆方向送電に際して本来の整流側回路をインバータ動作させると、このチョークコイルにスイッチングサージ電圧が生じるため、このスイッチングサージ電圧を減衰乃至抑制するための回路を追加せざるを得ず、回路系の複雑化を回避することが困難であり、このため、従来のトランス型DC−DCコンバータの双方向送電は実現困難であった。
態様10では、前記コントローラは、前記第一送電モードにおいて、前記主スイッチQ1のオン・デューティ比を、前記第二電圧系統2000の電圧が所定の目標電圧より低い場合に増大し、高い場合に減少し、前記第二送電モードにおいて、前記主スイッチQ1のオン・デューティ比を、前記第一電圧系統1000の電圧が所定の目標電圧より低い場合に減少し、高い場合に増大する。このようにすれば、双方向送電における出力電圧制御を簡単に実施することができる。
態様11では、前記第一電圧系統1000と並列接続されて前記交直変換回路11と交流電力を授受する平滑コンデンサを有し、前記第一電圧系統1000は、互いに直列接続された直流電源及び電源スイッチを有し、前記コントローラは、前記第二電圧系統2000から前記第一電圧系統1000への送電を行って前記平滑コンデンサをプリチャージした後、前記電源スイッチを閉じる。
このようにすれば、第一電圧系統1000の電源スイッチが開いている状態からこの2トランス型DC−DCコンバータを通じて第二電圧系統2000に送電する場合でも、あらかじめ第二電圧系統2000から第一電圧系統1000の平滑コンデンサをプリチャージしてから第一電圧系統1000の電源スイッチを投入することができるため、電源スイッチ投入時に第一電圧系統1000の直流電源から平滑コンデンサへ突入電流が流れるのを防止することができ、平滑コンデンサや電源系の保護を行うことができる。
態様12では、前記コントローラは、前記平滑コンデンサのプリチャージにおいて前記平滑コンデンサへの印加電圧を徐々に増加する。これにより、平滑コンデンサの一層の保護を実現することができる。
態様13では、前記主スイッチQ1の電流を検出する電流センサを有し、前記コントローラは、所定タイミングにおける前記電流センサの検出電流の大きさに基づいて前記同期整流回路における負荷電流の減少を判定することにより前記同期整流回路の同期整流動作を停止する。
同期整流回路において、負荷電流が減少して無負荷又はそれに近い状態となると、二次コイルW3、W6に誘導される電圧と、第二電圧系統2000のバッテリ電圧とが略等しくなる。しかし、同期整流回路を構成するスイッチング素子Q3、Q4としては通常、両方向通電可能なMOSトランジスタが採用されるため、第一電圧系統1000から第二電圧系統2000への送電という本来の目的から外れて第二電圧系統2000から第一電圧系統1000への逆送電という状況が生じ易くなる。これを防止するには、二次電流が非常に小さい条件では同期整流を中断する。この同期整流の中断は素子の駆動損失低減の観点からも好ましい。
このためには、同期整流回路の出力電流を検出して同期整流の中断の是非を判定することが考えられるが、降圧DC−DCコンバータでは一次側に比べて大電流となる二次側電流の検出に用いる抵抗素子の抵抗値を極めて小さくする必要があり、電流検出用抵抗素子を精度よく製造するのが難しいという問題があり、電流検出抵抗の電力損失や発熱も問題となる。
もちろん、負荷電流がまだ大きい段階での同期整流の中断は整流損失の増大を招くため、同期整流の中断は負荷電流が十分に小さくなった時点で同期整流中断を行うことが好ましい。このためには、同期整流回路のスイッチング素子Q3、Q4の電流逆流を検出して同期整流を中断することが考えられるが、第二電圧系統2000としての負荷には電流逆流が望ましくないものもあり、第二電圧系統2000に逆流を生じさせることなく、同期整流の是非を確実に判定することが望まれている。また、上述したように降圧DC−DCコンバータでは、大電流のトランス二次側での電流検出は電力損失や発熱が問題となる。
この態様は上記観点からなされたものであり、トランスの一次側すなわちインバータ側特に主スイッチQ1の電流値に基づいて二次側電流が略0となることを推定して同期整流の是非を判定する。好適なCT(カレントトランスフォーマ)による検出では検出信号はトランスの一次側回路すなわち交直変換回路11の電位から独立とすることができるため、信号処理が第一電圧系統1000の電位と無関係に行うことができる。また、降圧DC−DCコンバータでは電流センサとしてのCT又は電流検出用抵抗の電力損失を減らすことができる。また、電流検出用抵抗として低抵抗値のものを高精度に製造する必要がなくその製造が容易となる。なお、トランス二次側にて同期整流中断後のその再開は、スイッチング素子Q3、Q4のダイオードを通じて流れる負荷電流が増大したことを、主スイッチQ1の電流変化に基づいて検出すればよい。
態様14では、前記コントローラは、前記主スイッチQ1のオンが指令されてから所定時間経過後の前記主スイッチQ1の電流の大きさに基づいて前記同期整流動作を停止すべきかどうかを判定する。
本発明の2トランス型DC−DCコンバータでは、主スイッチQ1のオン期間に主スイッチQ1を流れる電流は、DC成分である負荷電流成分と交流成分である励磁電流成分との和となる。ここで言う励磁電流成分とは、トランスの一次コイルに無負荷時に流れる電流を言う。負荷電流が増大するにつれて主スイッチQ1の電流が電流0又は0に近い所定のしきい値電流を示す電流値ラインを横切るタイミングが変化する。したがって、主スイッチQ1がオンしてから所定時間後の主スイッチQ1の電流の大きさを判定することにより、言い換えれば上記所定時間後に主スイッチQ1の電流と上記電流値ラインとを比較することにより、スイッチング素子Q3、Q4の電流すなわち同期整流回路の負荷電流が略0か否かを判定することができる。
なお、この判定方法は、本質的に主スイッチQ1の電流値が上記電流値ラインを横切るタイミングが、予め設定された所定のタイミング(負荷電流が略0に設定されている)とのどちらが早いかを判定することと同義である。ここで言うタイミングは、好適には主スイッチQ1のオン指令からの時間を基準として設定するのが簡単である。
態様15において、前記所定時間は、前記主スイッチQ1をオンした直後に前記主スイッチQ1に逆方向へ流れる過渡的共振電流の通電時間よりも長く設定される。
このようにすれば、主スイッチQ1の断続時の電流におけるLC共振により主スイッチQ1の電流が振動し、それにより同期整流停止の判定を誤って行うのを防止することができる。すなわち、共振型DC−DCコンバータのインバータとしての交直変換回路11の主スイッチQ1がオンして主スイッチQ1に過渡的なLC共振電流が逆方向に流れたとしてもこれを同期整流回路における逆方向電流の発生と混同して同期整流回路を誤停止する不具合がない。
態様16では、前記コントローラは、前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への送電に際して、前記第一電圧系統1000から前記交直変換回路11に印加される前記直流電源電圧の増大につれて前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の最大値を減少させる。
このようにすれば、第一電圧系統1000から第二電圧系統2000への送電に際して、サージ電圧の重畳などにより第一電圧系統1000からインバータとしての交直変換回路11への入力直流電圧が急増した場合に生じる主スイッチQ1への印加電圧の急増を簡素な回路により確実に防止するとともに、入力直流電圧が低い状態においてはオン・デューティ比の制御範囲を広く確保できるので、出力電圧制御やリップル低減制御への適応性を高く取ることができる。
態様17では、第二電圧系統2000から第一電圧系統1000への送電に際して、第二電圧系統2000から前記交直変換回路21に印加される前記直流電源電圧の増大につれて前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の最大値を増大させる。
このようにすれば、第二電圧系統2000から第一電圧系統1000への送電に際して、サージ電圧の重畳などにより第二電圧系統2000からインバータとしての交直変換回路21への入力直流電圧が急増した場合に生じる主スイッチQ1への印加電圧の急増を簡素な回路により確実に防止するとともに、この入力直流電圧が低い状態においてはオン・デューティ比の制御範囲を広く確保できるので、出力電圧制御やリップル低減制御への適応性を高く取ることができる。
態様18では、前記コントローラは、前記平滑コンデンサへの前記プリチャージの終了後に前記電源スイッチを閉じ、前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への送電を行う。このようにすれば、第一電圧系統1000の電源スイッチが開いている状態からこの2トランス型DC−DCコンバータを通じて第二電圧系統2000に送電する場合でも、あらかじめ第二電圧系統2000から第一電圧系統1000の平滑コンデンサをプリチャージしてから第一電圧系統1000の電源スイッチを投入することができるため、電源スイッチ投入時に第一電圧系統1000の直流電源から平滑コンデンサへ突入電流が流れるのを防止することができ、平滑コンデンサ及び第一電圧系統1000の直流電源の保護を行うことができる。
態様19では、前記コントローラは、前記直電源電圧の増大につれて減少する所定制限値未満に前記主スイッチQ1のオン・デューティ比Dの最大値Dmaxを規制することを特徴としている。
このようにすれば、サージ電圧の重畳などにより第一電圧系統1000からインバータとしての交直変換回路11への入力直流電圧が急増した場合でも、主スイッチQ1への印加電圧の急増を簡素な回路により確実に防止することができる。更に、入力直流電圧が低い状態においてはオン・デューティ比の制御範囲を広く確保できるので、出力電圧制御やリップル低減制御への適応性を高く取ることができる。
態様20では、前記交直変換回路21は、一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW6を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続される第一整流ダイオードと、一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW3を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続される第二整流ダイオードと、を備えることを特徴としている。このようにすれば、交直変換回路21をいわゆるダイオード整流回路で構成することができるので、損失を減らすことができる。
本発明のDC−DCコンバータの好適態様を以下の実施例を参照して具体的に説明する。なお、この発明は、下記の実施例に限られるものではなく、各構成要素は、それと主要機能が共通する一乃至複数の公知の構成要素に置換可能であることは当然である。
(回路の全体構成)
実施例1のDC−DCコンバータを図1に示す回路図を参照して説明する。 このDC−DCコンバータ1は単方向降圧コンバータであって、高電圧の入力直流電源(高圧バッテリ)2と低電圧用の負荷3との間に配置されている。なお、DC−DCコンバータ1は単方向昇圧コンバータであってもよく、負荷3は直流電源であってもよい。
DC−DCコンバータ1は、トランスT1、T2、スイッチング素子Q1、Q2、Q3、Q4、コンデンサC1、C2、C3、及びコントローラ4からなる。
コントローラ4は、スイッチング素子Q1〜Q4をオンオフ制御するものであって、この実施例では、DC−DCコンバータ1の出力電圧を設定値にフィードバック制御するべく、DC−DCコンバータ1の出力電圧を読み込み、この出力電圧と設定値との偏差に基づいてスイッチング素子Q1のオンデューティ比をPWM制御している。なお、PWM制御におけるキャリヤ周波数は通常の場合と同じく数十〜数百kHzとされるが、それによる損失増大や電磁波ノイズの問題が許す限りできるだけ高く設定されることが好ましい。
各スイッチング素子Q1〜Q4は、図1に示すようにMOSトランジスタとされているが、接合ダイオードとたとえばIGBTなどの他のトランジスタとを並列接続する周知の構成に置換してもよい。
トランスT1は一次コイルW1、W2と二次コイルW3を有し、トランスT2は一次コイルW4、W5と二次コイルW6とを有する。コンデンサC3は、リップル低減のために負荷3と並列接続された周知の出力側平滑コンデンサである。スイッチング素子Q3、Q4は整流回路を構成している。なお、コンデンサC3からなる出力側平滑回路の代わりに通常の出力側平滑回路と同様にチョークコイルとコンデンサC3とにより出力側の平滑回路を構成してもよい。スイッチング素子Q1〜Q4はNチャンネルMOSトランジスタにより構成されている。
10は、入力直流電源2のプラス端と一次コイルW1との接続点、20は、入力直流電源2のマイナス端と主スイッチQ1とコンデンサC1との接続点、30は、コンデンサC1とコンデンサC2と一次コイルW2との接続点、40は、主スイッチQ1と副スイッチQ2と一次コイルW4と一次コイルW5との接続点である。
コイルW1、W2、W4、W5とコンデンサC1、C2とスイッチング素子Q1、Q2とを入力側回路とも称し、コイルW3、W6とコンデンサC3とスイッチング素子Q3、Q4とを出力側回路とも称するものとする。
(入力側回路)
以下、入力側回路について説明する。
この実施例において、通常設定されるデッドタイムを無視すれば主スイッチQ1と副スイッチQ2とは交互動作するので、MOSトランジスタの寄生ダイオードDを通過する電流以外の回路電流の流れは、主スイッチQ1がオンした時に形成される主スイッチ回路と、副スイッチQ2がオンした時に形成される副スイッチ回路とに基づいて考えることが簡単である。主スイッチ回路は、接続点10、一次コイルW1、W4、主スイッチQ1、接続点20、入力直流電源2を結ぶ第一回路部、並びに、接続点20、コンデンサC1、コイルW2、W5、主スイッチQ1、接続点20を結ぶ第二回路部とからなる。副スイッチ回路は、接続点10、コイルW1、W4、接続点40、副スイッチQ2、コンデンサC2、接続点30、コンデンサC1、接続点20、入力直流電源2を結ぶ第三回路部と、接続点40、副スイッチQ2、コンデンサC2、コイルW2、W5、接続点40を結ぶ第四回路部とをからなる。また、入力直流電源2から、一次コイルW1、W4、一次コイルW2、W5、コンデンサC1を経て入力直流電源2に至るコンデンサC1充電回路が形成されている。
(出力側回路)
以下、出力側回路について説明する。
この実施例の出力側回路は図9に示す従来の2トランス型DC−DCコンバータの出力側回路と同じ同期整流回路である。出力スイッチQ3、Q4は原理的には相補動作するので、出力スイッチQ3がオンした時に形成される第五回路部と、出力スイッチQ4がオンした時に形成される第六回路部とに区分することができる。第五回路部は、接続点60、出力スイッチQ3、コイルW6、コンデンサC3、接続点60を結ぶ回路であり、第六回路部は、接続点60、出力スイッチQ4、コイルW3、コンデンサC3、接続点60を結ぶ回路である。出力スイッチQ3、Q4のどちらか又両方をダイオードに置換してもよい。出力スイッチQ3は主スイッチQ1とほぼ同じ動作状態をもち、出力スイッチQは副スイッチQ2とほど同じ動作状態をもつ。スイッチング素子Q1〜Q4の動作タイミングを図2に示し、コイルW1〜W6の電圧変化を図3に模式図示する。なお、スイッチング素子Q1、Q2の状態遷移において、スイッチング素子Q3、Q4の状態遷移時にデッドタイムを設けられているが、必須ではない。
なお、この実施例では、コイルW1及びコイルW2のターン数をN1、コイルW3のターン数をN2、コイルW4及びコイルW5のターン数をN3、コイルW6のターン数をN4とした時、N1/N2=N3/N4とされているが、このターン数比は必須ではない。好適には、N1=N3、N2=N4とされる。このターン数比の変更が可能であることは当然である。
(動作の全体説明)
次に、上記したDC−DCコンバータ1の動作原理を以下に説明する。
図2はスイッチング素子Q1〜Q4の模式動作を示すタイミングチャート、図3は各コイルの電圧波形を示すタイミングチャート、図4は電流i1の波形を示すタイミングチャート、図5は電流i2の波形を示すタイミングチャート、図6は電流i3、i4の波形を示すタイミングチャート、図7は主スイッチQ1オン時(モードA)における回路図、図8は副スイッチQ2オン時(モードB)における回路図である。なお、コンデンサC1、C2の充電、放電時の電流の方向は図7、図8に示される通りである。図6では、トランスT2のコイルW6の電流i3と、トランスT1のコイルW3の電流i4とが一緒に記載されている。モードAにおいて電流i4はほとんど0と見なすことができ、モードBにおいて電流i3はほとんど0と見なすことができる。なお、図2に示す実際のタイミングチャートにおいて、デッドタイムの設定は好適である。また、実際にはスイッチング素子Q1〜Q4は瞬時に立ち上がるのではなく、所定の傾斜率によりオン、オフ間で遷移することも当然である。図2に示すように、スイッチング素子Q1,Q3は同期動作し、スイッチング素子Q2,Q4は同期動作し、スイッチング素子Q1,Q2は相補動作し、スイッチング素子Q3,Q4は相補動作する。モードAにてスイッチング素子Q1,Q3がオンし、スイッチング素子Q2,Q4がオフする。モードBにてスイッチング素子Q1,Q3がオフし、スイッチング素子Q2,Q4がオンする。
回路動作を図7、図8を参照して説明する。図7は主スイッチQオン、副スイッチQ2オフである状態(モードA)を、図8は主スイッチQ1オフ、副スイッチQ2オンである状態(モードB)を示す。この実施例では、スイッチング素子Q1、Q2が寄生ダイオードDをもつため、接続点20の電位を0Vと仮定する場合に、接続点40は約−0.8V以下に低下することはない。
図7、図8に示すこの実施例の回路と、図9に示す従来回路とを比較すると、回路200が同じである。つまり、図9に示す従来回路では、入力直流電源(第一電圧系統1000に相当)2は回路200に直接、給電している。これに対して、図7、図8では、入力直流電源2は、主スイッチQ1により制御される電流を一次コイルW1、W4を通じて回路200に供給するとともに、二次コイルW3、W6に供給する。このため、図9に示す従来回路では、一次コイルW2、W5に、主スイッチQ1オン時に直流電流が流れる。これに対して、図7、図8に示すこの実施例の回路200の一次側では、コンデンサC1、C2が充放電されるだけであり、一次コイルW2、W5には直流電流は流れない。
以下、1サイクルの動作の各期間(モード)を順次説明する。なお、入力直流電源2からの入力電流をi1、コンデンサC1の充放電電流をi2、コンデンサC2の充放電電流をi3と呼ぶ。簡単化のために、トランスT1、T2は各コイルのターン数はすべて1ターンとして各起磁力(アンペアターン)は電流値に等しくなるとし、トランスT1、トランスT2の磁気抵抗は等しいとする。ただし、各コイルにはそのリーケージインダクタンスに相当する素子がそれぞれ直列接続されていると考えるべきであるが、以下の説明ではこのリーケージインダクタンスを無視する。また、下記の各モードはこのDC−DCコンバータ1の起動から十分に時間が経過した後の1サイクルを説明するものとする。
以下の説明において、デッドタイムを省略するがデッドタイムの設定は可能である。
(モードAの説明)
主スイッチQ1がオンし、副スイッチQ2がオフするモードAを図7を参照して説明する。なお、以下の説明では、ターン数は1としているため、各コイルの起磁力(アンペアターン)の符号として電流と同一の符号in(nは数字)を用いるものとする。したがって、各コイルの起磁力(アンペアターン)は、磁束形成方向により正又は負のどちらかの符号をもつものとする。
主スイッチQ1のオンにより、入力直流電源2から一次コイルW1、W4を経てきた電流i1は、先行する後述のモードBにて一次コイルW5、W2を経てコンデンサC1に向かう流れから転流して、直接に接続点20に向かう。これにより、入力電流i1は時間的に増加し、トランスT2においては、一次コイルW4の起磁力(アンペアターン)i1と一次コイルW5の起磁力(アンペアターン)i2とが形成される。また、後述するモードBにて蓄電されて平均電圧Vinよりも高電圧となっているコンデンサC1は、一次コイルW2、W5、主スイッチQ1を通じて、電流i2で放電する。この電流i2は放電方向に時間的に増加する流れとなる。
この実施例では、一次コイルW4の起磁力(アンペアターン)i1が形成する磁束の向きは、一次コイルW5の起磁力(アンペアターン)i2が形成する磁束の向きに等しくなるようにする。その結果、これらの起磁力(アンペアターン)の和(i1+i2)に対応する磁束φ2が形成される。二次コイルW6には、磁束φ2の変化に応じた大きさの二次電圧V6が形成される。二次コイルW6の巻き向きは、モードAにおいて電流i3を出力する向きとなる向きとされる。
負荷3を抵抗とみなせば、二次電圧V6に比例した大きさの電流i3が流れる。したがって、理想的にはこの電流i3はこのモード期間において所定振幅の略直流電流となる。トランスT2からの電流i3の流出に応じて、一次コイルW4を流れる電流i1、及び、一次コイルW5を流れる電流i2がそれぞれ増加する。すなわち、一次コイルW4を流れる電流i1と、一次コイルW5を流れる電流i2とは、トランスT2の励磁電流と電流i3とに対応するので、一次コイルW5を流れる電流i2からトランスT2の励磁電流を差し引いた電流と一次コイルW4を流れる電流i1とが、二次コイルW6から電流i3として出力される。
結局、主スイッチQ1がオンしている期間には、トランスT2において、一次コイルW4の電流増大による第一の向きへの起磁力(アンペアターン)の増加と、一次コイルW5の放電方向への電流の増加による起磁力(アンペアターン)の増加との合計である合成起磁力(アンペアターン)により、二次コイルW6に二次電圧が形成され、電流i3が出力される。この時、トランスT1は、チョークコイルとして作動する。つまり、主スイッチQ1がオンしている期間には、トランスT2において、一次コイルW4の電流増加による磁束増加と、この上記磁束増加を助長する一次コイルW5の充電方向における電流増加による磁束増加とにより、二次コイルW6から電流i3が出力され、電流i3を出力するための電力エネルギーは一次コイルW4、W5から供給される。
(モードBの説明)
次に、主スイッチQ1をオフし、副スイッチQ2をオンするモードBを図8を参照して説明する。
入力直流電源2から一次コイルW1、W4を経て接続点40に至る電流i1は、主スイッチQ1のオフによる接続点40の電位上昇により減少傾向となる。接続点40から一次コイルW5、W2を経て流れる電流i2’はコンデンサC1を充電する。入力直流電源2から一次コイルW1、W4を通じて流入する電流ic2はコンデンサC2を流れてコンデンサC1を充電する。したがって、電流i1はi2’とic2との和すなわち、コンデンサC1の充電電流i2に等しい。
この時、一次コイルW1の電流i1の減少によりトランスT1のある方向への磁束は減少する。この時、一次コイルW2における電流変化、すなわち、図7に示す放電電流i2から図8に示す充電電流i2’への変化は、上記した一次コイルW1の電流i1の減少によるトランスT1のある方向への磁束の減少を助長する向きとされる。
これにより、二次コイルW3には、一次コイルW1における電流i1の変化(増加から減少)と、一次コイルW2における電流変化(i2から反対向きのi2’)とにより、電流i4を出力する向きに電圧V3を発生する。この電圧は上記電流変化による磁束変化率に比例する大きさの略直流電圧となる。二次コイルW3の巻き向きは、モードBにおいて電流i4が出力される向きとされる。
負荷3を抵抗とすれば、電圧V4の大きさに比例する電流i4が流れる。理想的にはこの電流i4はこのモード期間において所定振幅の略直流電流となる。トランスT1からの電流i4の流出に応じて、一次コイルW1を流れる電流i1、及び、一次コイルW2を流れる電流i2’がそれぞれ増加するので、一次コイルW2を流れる電流i2’からトランスT1の励磁電流を差し引いた電流と一次コイルW1を流れる電流i1とが二次コイルW3から電流i4として出力される。
結局、主スイッチQ1がオフしている期間には、トランスT1において、一次コイルW1の電流減少による起磁力(アンペアターン)の減少と、一次コイルW2のコンデンサC1充電方向への電流の増加による起磁力(アンペアターン)の増加との合計である合成起磁力(アンペアターン)により、二次コイルW3に二次電圧が形成され、電流i4が出力される。この時、トランスT2は、チョークコイルとして作動する。つまり、主スイッチQ1がオフしている期間には、トランスT1において、一次コイルW1の電流減少による磁束減少と、この上記磁束減少を助長する一次コイルW2の放電方向における電流変化による磁束減少とにより、二次コイルW3から電流i4が出力され、電流i4を出力するための電力は一次コイルW1、W2から供給される。なお、コンデンサC2と副スイッチQ2とは、本質的にクランプ回路として、主スイッチQ1のオフ時のサージ電圧発生を防止する。
(電力の流れの説明)
上記DC−DCコンバータ1における電力の流れを図10を参照して説明する。
図10において、1000は入力直流電源2に相当する入力電圧系(第一電圧系統)、11、21は交直変換回路、2000はバッテリを含む負荷3に相当する出力電圧系(第二電圧系統)である。図10は第一電圧系統1000から第二電圧系統2000へ送電する場合を示し、交直変換回路11は第一電圧系統1000からトランスT1、T2に送電するため直流電力を交流電力に変換し、交直変換回路21はトランスT1、T2から第二電圧系統2000に送電するため交流電力を直流電力に変換する。コイルW2、W5は直列接続されて第2コイル対をなし、コイルW1、W4は直列接続されて第1コイル対を構成している。
交直変換回路11は、図1に示すように主スイッチQ1とコンデンサC1と、コンデンサC2と副スイッチQ2とからなるとともに、第2コイル対W2、W5に交流電流を流す機能を有する。また、交直変換回路11は、主スイッチQ1を通じてコイルW1、W4に直流電流成分を含むスイッチング電流を流す機能を有する。
第1コイル対は、トランスT1にてコイルW2、W3と電磁結合するコイルW1と、トランスT2にてコイルW5、W6と電磁結合するコイルW4とを直列に接続してなり、第1コイル対は交直変換回路11の主スイッチQ1を通じて第一電圧系統1000の低位側に接続されている。これにより、主スイッチQ1をオンしてコンデンサC1を放電する期間に同時に、入力直流電源2から第1コイル対に直流電流を流す。このため、第1コイル対に流れる入力電流i1はコンデンサC1の充電時にも、コンデンサC1の放電時にも流れることができ、入力電流i1のリップル成分が減少する。なお、ここでいうリップル成分とは、主スイッチQ1のキャリヤ周波数又はその高調波成分を意味するが、緩慢な電流変動やサージ電流を意味しない。
更に説明すると、第2コイル対は、主スイッチQ1がオンするコンデンサC1放電期間にてコイルW5から電力を出力し、主スイッチQ1がオフするコンデンサC1充電期間にてコイルW2から電力を出力する。
上記コンデンサC1の充電は、主スイッチQ1オフにより第一電圧系統1000から後述する第1コイル対及び第2コイル対を順次通じてコンデンサC1を充電することにより行う。すなわち、コンデンサC1の充電時に第2コイル対のコイルW2からコイルW3への送電を行い、主スイッチQ1オンによるコンデンサC1の放電時に第2コイル対のコイルW5からコイルW6への送電を行う。結局、モードBにおけるコンデンサC1の充電では、トランスT2を通じて交直変換回路11は一次コイルW5を通じて電力を出力しつつ、コンデンサC1を充電し、次のモードAにてコンデンサC1に充電されたエネルギーを一次コイルW2を通じて電力として出力する。
また、コンデンサC1の放電を伴う主スイッチQ1オン時の入力電流i1の増加は、第1コイル対を構成するコイルW1への磁気エネルギーの蓄積及びチョークコイル作用と、コイルW4からコイルW6への電力伝送を可能とする。逆に、コンデンサC1の充電を伴う主スイッチQ1オフ時の入力電流i1の減少は、コイルW1からコイルW3への電力伝送と、コイルW4への磁気エネルギーの蓄積及びチョークコイル作用とをもたらす。これにより、入力電流i1のリップル成分は更に低減される。結局、電力の流れは図10に示すようになる。つまり、主スイッチQ1をオンしコンデンサC1を放電する期間において、エネルギーP5がコイルW5から、エネルギーP4がコイルW4から、コイルW6側へ伝送され、コイルW1、W2はチョークコイルとして磁気エネルギー蓄積を行う。主スイッチQ1をオフしコンデンサC1を充電する期間において、エネルギーP1がコイルW1から、エネルギーP2がコイルW2から、コイルW3側に伝送され、コイルW4、W5はチョークコイルとして磁気エネルギー蓄積を行う。これら蓄積された磁気エネルギーが後に有効利用されることは明白である。
(実施例効果)
以上説明したこの実施例のDC−DCコンバータ1では、主スイッチQ1のオン期間とオフ期間を変更したとしても、DC−DCコンバータ1の電流i3+i4はとぎれることなくほぼ連続した直流電流と見なすことができる。また、入力直流電源2からDC−DCコンバータ1への入力電流i1も常に入力直流電源2側からDC−DCコンバータ1に流入する電流波形となり、従来のように逆流する期間がほとんどないので、入力直流電源2と並列に平滑コンデンサを設置する必要がない。
また、一部の伝送電力は電流i1のリップルにより一次コイルW1、W4から二次コイルW3、W6に伝送されるものの、伝送電力の大部分は、一次コイルW2、W5を流れる電流のモードBとモードAとの反転により送電されるため、入力電流のリップル成分が小さいにもかかわらず、大きな電力を二次側に出力することができる。また、コンデンサC1は、従来において入力直流電源2と並列接続されていた平滑コンデンサと比べて、静電容量を格段に小さくすることができる。更に、モードAにおけるトランスT1と、モードBにおけるトランスT2とはチョークコイルとして作用するので、一次コイルW1、W4の電流変化すなわちこのDCーDCコンバータの入力電流を平滑化するとともに、二次コイルの電流すなわちこのDCーDCコンバータの出力電流を平滑化することができる。
(変形態様1)
デッドタイムを設定してもよいことは当然である。
副スイッチQ2のオフとそれに続く主スイッチQ1のオンとの間にデッドタイムを設けると、副スイッチQ2のオフにより、主スイッチQ1の両端間の寄生容量とトランスの漏れインダクタンスとのLC回路が形成されてこの寄生容量を通じて主スイッチQ1に電流が共振的に流れ、それにより主スイッチQ1の電圧降下又は電流が0またはその近傍になるタイミングにて主スイッチQ1をオンすればソフトスイッチングを実現することができる。
また、主スイッチQ1のオフとそれに続く副スイッチQ2のオンとの間にデッドタイムを設けると、主スイッチQ1のオフによるサージ電圧は副スイッチQ2の寄生ダイオードを通じてコンデンサC2に転流して、サージ電圧が生じることを抑止することができる。
(変形態様2)
一次コイルW1、W4のターン数と一次コイルW2、W5のターン数との比率は1としてもよく、1以外の値としてもよい。
(変形態様3)
トランスT1、T2のリーケージインダクタンスと励磁インダクタンスとの割合は用途に応じて種々設定することができるが、後述するように入力電流のリップル成分や出力電流のリップル成分を広いデューティー範囲で減少するように設定することが好ましい。
(変形態様4)
この実施例では、トランスT1、T2は、それらの閉磁気回路中に所定の空隙が形成された有ギャップ型コアをもつトランスにより構成することにより直流電流成分による磁気飽和が生じやすくなるのを防止することが好ましいが、ギャップ付きコアとすることは必須ではない。
(変形態様5)
この実施例では、降圧型DC−DCコンバータを説明したが、トランスT1、トランスT2の一次コイルと二次コイルとのターン数比を変更することにより、昇圧型DC−DCコンバータとすることができることは当然である。
(変形態様6)
この実施例では、出力スイッチQ3、Q4を相補動作させて同期整流を行っているが、出力スイッチQ3、Q4の一方又は両方を整流ダイオードに置換してもよい。また、コイルW3、W6と出力スイッチQ3、Q4やそれに代わる整流ダイオードの位置を交換してもよい。
(変形態様7)
上記実施例1では、入力直流電力を交流電力に変換してトランスT1、T2に与える回路すなわちインバータ回路として主スイッチQ1、副スイッチQ2、コンデンサC1、コンデンサC2を用いた回路を電源から電力を受け取る入力側回路とし、出力スイッチQ3、Q4とコンデンサC3からなる同期整流回路を電源に電力を供給する出力側回路としたが、この逆に電力を送電する単方向DC−DCコンバータとしてもよい。
(変形態様8)
トランスT1のコアと、トランスT2のコアとは、共通磁路をもつ合併コアとしてもよい。また、トランスT1のコアと、トランスT2のコアとを併置しておき、一つのコアのある柱部ともう一つのコアの柱部とにまとめてコイルを巻いてもよい。このようにすれば、一次コイルW2、W5は同じコイルとすることができ、一次コイルW1、W4も同じコイルとすることができる。
実施例2のDC−DCコンバータ1を図11を参照して説明する。
この実施例は、広範囲のオンデューティ比の変化を要しない用途において、主スイッチQ1のオンデューティ比の変更範囲を50%を中心として所定範囲X(ここでは40〜60%)に限定したものである。これにより、図11に示すように出力電流のリップル成分を所定値未満に抑制することができる。出力電流ioのリップル成分は、主スイッチQ1のオンデューティ比(オンデューティ比)により連続的に変化する特性(図13参照)をもち、この時のオンデューティ比最小点は、種々の回路定数、特にトランスT1、T2の磁気抵抗に影響される。トランスT1とトランスT2の電磁気的特性が等しい場合、オンデューティ比50%において出力電流ioのリップル成分は0となり、出力電流を平坦とすることができる。
実施例3のDC−DCコンバータ1を図12を参照して説明する。
この実施例は、実施例1の単方向DC−DCコンバータを双方向DC−DCコンバータに変更したものである。300はトランスT1、T2の一次側回路であり、図7に示す回路200の一次側回路部分に相当する。400は同期整流回路であって、図7に示す回路200の二次側回路部分に相当し、出力スイッチQ3、Q4とコンデンサC3とからなる。一次側回路300は本発明で言う交直変換回路11に相当し、二次側回路400は同期整流回路であって本発明で言う交直変換回路21に相当する。500はコントローラ、600はスイッチング素子Q1、Q2をPWM制御するドライバ、700はスイッチング素子Q3、Q4をPWM制御するドライバである。
コントローラ500は、電源2すなわち本発明で言う第一電圧系統1000側から電源3すなわち第二電圧系統2000側へ電力伝送する場合に、同期整流回路400の出力電圧を読み込み、この出力電圧とあらかじめ記憶されている目標電圧とを比較し、比較結果に基づいて、出力電圧が目標電圧より小さい場合に主スイッチQ1のオンデューティ比を増大し、出力電圧が目標電圧より高い場合に主スイッチQ1のオンデューティ比を減少する制御を行う。このフィードバック制御により、電源2から電源3に送電して、電源3の電圧を目標電圧に収束させることができる。
次に、コントローラ500が、電源3側から電源2側に電力伝送する場合に、回路300の入力電圧(実施例1では入力直流電圧Vin)を読み込み、この入力電圧とあらかじめ記憶されている目標電圧とを比較し、比較結果に基づいて、入力電圧が目標電圧より小さい場合に主スイッチQ1のオンデューティ比を減少し、入力電圧が目標電圧より高い場合に主スイッチQ1のオンデューティ比を増加する制御を行う。このフィードバック制御により、電源3から電源2に送電して、電源2の電圧を目標電圧に収束させることができる。
実施例4のDC−DCコンバータ1を図13を参照して説明する。
この実施例は、実施例1のDC−DCコンバータにおいて、出力スイッチQ3のオンを主スイッチQ1のオンより所定時間Δt1だけ早め、同じく出力スイッチQ4のオンを副スイッチQ2のオンより所定時間Δt2だけ早めたものである。このようにすれば、出力スイッチQ3、Q4が切り替わり時に短絡されるため、この短絡電流によりスナバ回路を用いなくてもサージ電圧を抑制することができ、しかも今まで無駄に失われていた電力をトランスT1、T2により電磁的に有効回収することができる。なお、出力スイッチQ3のオンを主スイッチQ1のオンより早める所定時間と、出力スイッチQ4のオンを副スイッチQ2のオンより早める所定時間は等しくてもよく、異なっていてもよい。
実施例5のDC−DCコンバータ1を図14を参照して以下に説明する。
この実施例では、図1に示す主スイッチQ1、副スイッチQ2、コンデンサC1、C2からなる交直変換回路11を、トランスT1、T2の両側に用いることを特徴している。すなわち、図14において、交直変換回路11、11’はそれぞれ、図1に示す主スイッチQ1、副スイッチQ2、コンデンサC1、C2からなる交直変換回路11からなる。
ただし、図14に示す交直変換回路11’の主スイッチQ1と、交直変換回路11の主スイッチQ1とは逆位相で作動され、図14に示す交直変換回路11’の副スイッチQ2と、交直変換回路11の副スイッチQ2とは逆位相で作動される。
実施例6のDC−DCコンバータ1を図15及び図16を参照して説明する。この実施例は、図12に示す実施例3の双方向性DC−DCコンバータの変形態様であり、図15はこの実施例の双方向性DC−DCコンバータの回路図、図16はそのタイミングチャートである。
この実施例は、図1に示す実施例1のDC−DCコンバータにおいて、第二電圧系統2000としての負荷3を低圧バッテリ31に変更し、第一電圧系統1000としての入力直流電源2を、電源スイッチ32、高圧バッテリ33、インバータ34に変更したものである。言い換えれば、この実施例は、図12に示す実施例2の双方向性DC−DCコンバータにおいて、高圧バッテリ2にインバータ34と電源スイッチ32とを追加したものである。電源スイッチ32は、高圧バッテリ33の高位端において高圧バッテリ33と直列接続されて、コントローラ4により制御される。したがって、DC−DCコンバータ1の交直変換回路11は高圧バッテリ33から電源スイッチ32を通じて給電される。インバータ34は、自動車の走行動力発生用の高圧三相交流モータ35を駆動制御する三相インバータであって、その一対の直流入力端間には平滑コンデンサCinが接続されている。
以下、このDC−DCコンバータ1の動作を図16に示すタイミングチャートを参照して説明する。
コントローラ4が外部の車両ECUからDC−DCコンバータ1の起動要求を受け取る場合に電源スイッチ32が開いている場合、リレーにより構成された電源スイッチ32を投入する前に、まずDC−DCコンバータ1を運転して平滑コンデンサCinをプリチャージする動作を行う。このプリチャージ動作では、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比を所定値から徐々に減少させる。
DC−DCコンバータ1は、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比を増加するにつれてコイルW6に発生する二次電圧が増大し、その結果として第二電圧系統2000としての負荷3への出力電流が増大する。また、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比を減少するにつれて、コイルW6に発生する二次電圧が減少し、その結果として第二電圧系統2000としての負荷3への出力電流が減少する。更に、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比を減少すると、コイルW6に発生する二次電圧が減少し、その結果として第二電圧系統2000からDC−DCコンバータ1を通じて第一電圧系統1000側へ給電が行われる。なお、コイルW3に発生する二次電圧はコイルW6に発生する二次電圧と逆方向の増減変化特性をもつ。
すなわち、電源スイッチ32が開いている状態にて、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比が徐々に減少され、これにより交直変換回路11が平滑コンデンサCinに印加する電圧は徐々に増加していく。このプリチャージ動作を所定期間又は平滑コンデンサCinの蓄電電圧が高圧バッテリ33の電圧に近い所定値に達するまで実施した後、電源スイッチ32を投入する。すると、高圧バッテリ33の電圧が交直変換回路11に印加され、交直変換回路11からDC−DCコンバータ1を通じて低圧バッテリ31に電力が送電される。これにより、電源スイッチ32の投入に際して高圧バッテリ33からインバータ34の平滑コンデンサCinに突入電流が流れ込むのを阻止することができる。
この平滑コンデンサCinのプリチャージ動作は、高圧バッテリ33から低圧バッテリ31への送電以外に、電源スイッチ32が開いている状態から走行モータ35を駆動する場合にも用いることができる。すなわち、電源スイッチ32の投入に際して必ず実施することが好ましい。このようにすれば、電源スイッチ32の投入に際して平滑コンデンサCinに突入電流が流れるのを常に阻止することができる。
この電源スイッチ32投入時のプリチャージ動作の制御を図17に示すフローチャートにより説明する。まず、電源スイッチ32の投入指令の有無を検出し(S100)、投入が指令されていれば上記したスイッチング素子Q1のオン・デューティ比Dを徐々に減少させるプリチャージ動作を行い(S102)、所定時間が経過したら(S104)、プリチャージ動作が完了したもの判定して電源スイッチ32の投入を指令する(S106)。なお、このプリチャージ制御は、図17に示すソフトウエア処理の代わりに同等の機能をもつハードウエア回路により処理され得ることは当然である。
実施例7のDC−DCコンバータ1を図1を参照して説明する。この実施例は、第一電圧系統1000としての高圧バッテリ2からDC−DCコンバータ1の交直変換回路11への入力電圧が急速に上昇し、それに実施例3で説明したフィードバック制御が追いつかない場合を考慮して過大電圧がスイッチング素子Q1などに印加されるのを防止するためになされるものである。
更に説明すると、図12に示す実施例3では、電源2(第一電圧系統1000)から電源3(第二電圧系統2000)への降圧送電動作において、交直変換回路21に相当する二次側回路400の出力電圧が設定値を超える場合にはスイッチング素子Q1のオン・デューティ比を減少し、設定値より小さければスイッチング素子Q1のオン・デューティ比を増加するフィードバック制御を行う。これにより、電源2すなわち図1に示す第一電圧系統1000の電圧が増加しても同期整流回路400の出力電圧を所定設定値に収束させることができる。
しかしながら、図12において、電源2の出力電圧すなわち一次側回路300すなわちDC−DCコンバータ1の交直変換回路11の入力電圧が急激に変化する場合にはこのフィードバック制御が追従できない可能性が生じる。
図1の回路において、スイッチング素子Q1のソース・ドレイン間の電圧Vdsは、電源2の出力電圧すなわち交直変換回路11の入力電圧をVin、スイッチング素子Q1のオン・デューティ比Dとする時、Vin/(1−D)に略等しい。つまり、スイッチング素子Q1のソース・ドレイン間の電圧Vdsの最大値Vdsmax(Vsmaxとも言う)は、その時のスイッチング素子Q1のオン・デューティ比DをDmaxとする時、Vin/(1−Dmax)を超えることはない。そこで、入力電圧Vinの増大につれてオン・デューティ比Dの最大値Dmaxを減少していけば、上記最大値Vdsmaxが一定値すなわちスイッチング素子Q1のソース・ドレイン間の耐圧Vdsthを超えるのを防止することができる。
上記したこのオン・デューティ比Dの最大値Dmaxの設定動作を図18に示すフローチャートを参照して説明する。まず、入力電圧Vinを読み込み(S200)、予め記憶する入力電圧Vinとオン・デューティ比Dの最大値Dmaxとの関係を示すテーブルから入力電圧Vinに対応するオン・デューティ比Dの最大値Dmaxを抽出し(S202)、現在のオン・デューティ比Dの指令を読み込む(S204)。次に、現在のオン・デューティ比Dがオン・デューティ比Dの最大値Dmaxより大きいかどうかを判定し(S206)、大きければ、オン・デューティ比Dをその最大値Dmaxに設定して交直変換回路11,21に出力し、そうでなければ現在のオン・デューティ比Dを交直変換回路11,21に出力する(S210)。上記テーブルに記憶する入力電圧Vinとオン・デューティ比Dの最大値Dmaxとの関係を図19にラインL1として示す。なお、図19におけるラインL2は、スイッチング素子Q1を耐圧以内に抑制するためのオンデューティーの最大値である。
このようにすれば、入力電圧Vinの急上昇によるスイッチング素子Q1の耐圧破壊を確実に防止することができる。また、入力電圧Vinが小さい状態では、オン・デューティ比Dの最大値Dmaxを大きく設定することが出来るので、制御自由度を増大することができる。
なお、図18における処理は、図12に示すコントローラ500により実施される。コントローラ500により決定されるか、あるいは外部からコントローラ500に入力されるPWM制御指令は図18による最大値制限をなされた後、ドライバ600、700を通じて一次側回路300すなわち交直変換回路11、並びに、それと同期動作する二次側回路(同期整流回路)400すなわち交直変換回路21に出力されて、スイッチング素子Q1〜Q4を駆動する。図18に示す処理はできるだけ高速かつ頻繁に行われることが好ましい。もちろん、図18に示すソフトウエア処理の代わりに同等の機能をもつハードウエア回路により処理され得ることは当然である。
図20、図21に、この実施例のオン・デューティ比Dの最大値Dmaxを入力電圧Vinに応じて制限する場合と、制限しない場合におけるスイッチング素子Q1のソース・ドレイン間電圧の波形を示す。図20は制限しない場合であり、図21は制限する場合である。
実施例8のDC−DCコンバータ1を図22を参照して説明する。図22は、図1において、スイッチング素子Q1と直列に電流センサ71を接続したものである。電流センサとしては、種々公知のものを用いることができる。この実施例は、電流検出センサ71により検出した電流を用いて同期整流回路である交直変換回路21による同期整流の運転、停止を制御する点を特徴としている。
この同期整流停止制御をコントローラ4により行うソフトウエアにより行った例を図23に示すフローチャートにより説明する。なお、このサブルーチンは、主スイッチQ1のオンすなわち主スイッチQ1の動作指令Vgq1がハイレベルとなった時点からスタートさせるものとする。
まず、ルーチンスタートとともに内蔵タイマーのカウントをスタートし(S300)、電流センサ71からスイッチング素子Q1の電流iq1を読み込む(S302)。次に、タイマーのカウント値が予め設定された所定のしきい値時間Tthに達したかどうかを調べ(S304)、達していなければS302に戻り、達したら、検出された電流iq1が予め設定された所定の電流しきい値ithより順(正)方向に大きいかどうかを判定し(S306)、大きければ同期整流回路の逆流は生じていないと判定し、小さければ同期整流回路に逆流が生じる可能性がある状態と判定して交直変換回路21のスイッチング素子Q3、Q4をオフし、同期整流を中断する(S308)。所定の電流しきい値ithは、同期整流回路である交直変換回路21から第二電圧系統2000へ出力される負荷電流が0であっても、少なくともトランスの損失分だけは主スイッチQ1の負荷電流成分として発生することを考慮して主スイッチQ1の電流0レベルより所定値だけ順方向に大きい値を採用することが好ましい。したがって、上記しきい値時間Tthは、無負荷時に主スイッチQ1の検出電流がこの電流しきい値ithに一致するまでの時間に設定されることが好ましい。
(変形態様)
上記したスイッチング素子Q3、Q4のオフと同時にインバータすなわち交直変換回路11も所定時間停止させてもよい。
(変形態様)
上記実施例では、主スイッチQ1のオンから所定時間後(負荷電流0における主スイッチQ1の電流値が主スイッチQ1オン後に電流しきい値ithとなるまでの時間)において主スイッチQ1の電流値が所定の電流しきい値ithより正方向に大きいか小さいかを判定して負荷電流レベルすなわち逆電流の発生可能性を判定した。
その代わりに、図24に示すフローチャートに示すサブルーチンを採用してもよい。このサブルーチンでは、まずルーチンスタートとともに内蔵タイマーのカウントをスタートし(S300)、電流センサ71からスイッチング素子Q1の電流iq1を読み込む(S302)。次に、電流iq1が所定の電流しきい値ithに達したかどうかを判定し(S314)、達したら、そのタイマを停止してその時のカウント値つまり、主スイッチQ1オンからの経過時間Tcを所定のしきい値時間Tthと比較し(S316)、経過時間Tcがしきい値時間Tth以下なら同期整流回路の逆流は生じていないと判定してルーチンを終了し、経過時間Tcがしきい値時間Tthよりも長ければ小さければ同期整流回路に逆流が生じる可能性がある状態と判定して交直変換回路21のスイッチング素子Q3、Q4をオフし、同期整流を中断する(S318)。
なお、この実施例において、図23、図24に示すソフトウエア処理の代わりに同等の機能をもつたとえばハードウエア回路を採用できることは当然である。
種々の大きさの負荷電流における主スイッチQ1の電流波形と、主スイッチQ1のゲート電圧波形とを図25に示す。
図25において、主スイッチQ1の電流iq1のうちのiq1Mは励磁電流成分であり、iq1Lは主スイッチQ1の電流iq1のうちの所定の負荷電流成分であり、両者の和が主スイッチQ1の電流iq1となる。励磁電流成分iq1Mは、主スイッチQ1の電流値は、無負荷時においては主スイッチQ1のオン開始からまず逆方向に流れ、この逆方向電流が略一定の電流変化率にて次第に減少して0となり、その後、順方向電流が主スイッチQ1のオフまで次第に増加する波形となる。これは、主スイッチQ1のオン時に主スイッチQ1に流れる電流が、第一電圧系統1000から出てコイルW1、W4、主スイッチQ1を通じて第一電圧系統1000に帰る電源供給成分と、コンデンサC1の正極から出てコイルW2、W5、主スイッチQ1、コンデンサC1の負極に帰る電流成分のコンデンサ供給成分の和となるためである。負荷電流が増大すると、負荷電流の大きさの分だけ主スイッチQ1のオン開始からまず逆方向に流れる電流成分が、この逆方向電流が略一定の電流変化率にて次第に減少して0となり、その後、順方向電流が主スイッチQ1のオフまで次第に増加する波形となる。したがって、主スイッチQ1の電流iq1がある電流しきい値ithを超えて正となる時点が早ければ、負荷電流が大きく、遅ければ負荷電流は小さい。なお、電流しきい値ithを負値に設定すれば、主スイッチQ1のオン直後において負荷電流の大きさすなわち逆電流発生の可能性を判定することも理論的には可能である。しかしながら、主スイッチQ1のソフトスイッチングを用いる場合には、回路のLC共振の影響により図25に示すように電流波形が主スイッチQ1のオン直後に負に沈むため、この影響を避けるために、電流判定は、主スイッチQ1のオンからこの影響がない所定時間後に設定することが好適である。
(その他の効果)
上記説明した各実施例によれば、次の効果を奏することができる。
(1)まず、トランスT1、T2の一次側アンペアターン、すなわち、それらの磁束の方向の反転は、主スイッチQ1及び副スイッチQ2のオン・オフにより、入力電流i1の流れる方向を主スイッチQ1側と一次コイルW2、W5側とに切り替えることにより、コンデンサC1、C2への電流方向を反転させて生じさせるので、入力電流i1自体は全モードにおいて入力直流電源2からトランスT1、トランスT2の一次コイルW1、W4に流れ込む方向となり、その結果として入力電流i1の電流のリップル成分を図9に示す2トランス型DC−DCコンバータに比較して大幅に低減することができ、図9において必要であった入力直流電源2と並列接続が必要であった大容量の平滑コンデンサC1を省略したり、小型化したりすることができる。DC−DCコンバータにおける入力電流や出力電流のリップル成分低減の重要性はよく知られており、電磁ノイズの低減や平滑コンデンサの小型化又は省略が可能となる。
(2)主スイッチQ1のオン期間とオフ期間とに出力スイッチQ3、Q4が交互に出力するため、出力電流を常時的に出力することができ、出力電流のリップル成分を大幅に小さくすることが出来るので出力側チョークコイルの省略が可能となる。また、1つのトランスの中性点と両端との間の出力を二つの整流素子にて全波整流する形式に比較して、整流素子の耐圧を低減することができる。
(3)次に、トランスT2の直流励磁電流成分すなわち一次コイルW4、W5の電流変化の総和に含まれる直流成分が小さくなるので、トランスT2の直流偏磁や磁気飽和を抑制することができ、その磁気回路(コア)中の空隙幅を大幅に短縮することができ、それに応じてトランスT2のコアを小型化することができる。
(4)出力電流のリップル成分を調整することができ、出力電流のリップル成分を好適な使用範囲にて最小化することができる。
(5)入力電流や出力電流のリップル低減、ソフトスイッチングの実現、トランス等の銅損低減により、エネルギー効率の向上を実現することができる。
(6)出力スイッチQ3、Q4を早期オンすることにより、サージを抑止しつつ電力の有効回収を行うことができる。
(7)簡素な構成の制御回路により、電力伝送方向の切り替えを実現することができる。
実施例1の2トランス型DC−DCコンバータを示す回路図である。 図1のDC−DCコンバータ1のタイミングチャートである。 図1のDC−DCコンバータ1の各部電圧波形である。 入力電流i1の波形を示すタイミングチャートである。 コンデンサC1の充放電電流i2の波形を示すタイミングチャートである。 出力電流波形を示すタイミングチャートである。 実施例1の2トランス型DC−DCコンバータにおけるモードAの動作を示す回路図である。 実施例1の2トランス型DC−DCコンバータにおけるモードBの動作を示す回路図である。 従来の2トランス型DC−DCコンバータの一例を示す回路図である。 実施例1のDC−DCコンバータの電力の流れを示すブロック図である。 実施例2を示す回路図である。 実施例3を示す回路図である。 実施例4を示す特性図である。 実施例5を示す回路図である。 実施例6を示す回路図である。 実施例6の動作を示すタイミングチャートである。 実施例6を動作を示すフローチャートである。 実施例7を動作を示すフローチャートである。 実施例7の入力電圧とオンーティ比と示す図である。 実施例7の効果を示す試験波形図(未実施)である。 実施例7の効果を示す試験波形図(実施)である。 実施例8を示す回路図である。 実施例8を動作を示すフローチャートである。 実施例8を動作を示すフローチャートである。 主スイッチの負荷状態における電流波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 2トランス型DC−DCコンバータ
2 入力電源
3 負荷系
4 コントローラ
10 第一電圧系統
11 交直変換回路
20 第二電圧系統
21 交直変換回路
T1 トランス
T2 トランス
W1 トランスT1の一次コイル
W2 トランスT1の一次コイル
W3 トランスT1の二次コイル
W4 トランスT2の一次コイル
W2 トランスT2の一次コイル
W3 トランスT2の二次コイル
Q1 主スイッチ(スイッチング素子)
Q2 副スイッチ(スイッチング素子)
C1 コンデンサ
C2 コンデンサ

Claims (21)

  1. 一次コイルW1、W2と二次コイルW3とからなるトランスT1と、一次コイルW4、W5と二次コイルW6とからなるトランスT2との2つのトランスを有するとともに、コイルW1、W4は直列接続されて第1コイル対を構成し、コイルW2、W5は直列接続されて第2コイル対を構成する磁気回路と、
    所定の直流電源電圧で運用される第一電圧系統1000に電力授受可能に接続される交直変換回路11と、
    前記第一電圧系統1000と異なる直流電源電圧で運用される第二電圧系統2000に電力授受可能に接続される交直変換回路21と、
    第一電圧系統1000と第二電圧系統2000との間の電力伝送を制御するコントローラと、
    を備え、
    前記第1コイル対の一端は、
    前記第一電圧系統1000の一端に接続され、
    前記交直変換回路11は、
    前記第一電圧系統1000の他端と前記第1コイル対の他端とを接続する主スイッチQ1と、
    前記第一電圧系統1000の他端と前記第2コイル対の一端とを接続するコンデンサC1と、
    一端が前記第2コイル対の一端に、他端が前記第1コイル対の他端及び第2コイル対の他端に接続されて前記主スイッチQ1オフ時に前記主スイッチQ1を流れていた電流をバイパスするクランプ回路と、
    を有し、
    前記コントローラは、
    前記主スイッチQ1をオフして前記コンデンサC1を充電する充電モードと、前記主スイッチQ1をオンして前記コンデンサC1を放電する放電モードと所定周期で繰り返し実施することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  2. 請求項1記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記クランプ回路は、
    直列に接続されたコンデンサC2及び副スイッチQ2とにより構成され、
    前記コントローラは、
    前記主スイッチQ1をオフし、前記副スイッチQ2をオンして前記コンデンサC1を充電する充電モードと、前記主スイッチQ1をオンし、前記副スイッチQ2をオフして前記コンデンサC1を放電する放電モードとを交互に実施することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  3. 請求項1又は2記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記第1コイル対は、
    前記第一電圧系統1000を送電側、前記第二電圧系統2000を受電側とする場合に、前記第一電圧系統1000から前記交直変換回路11へ途切れることなく同一方向へ電流を流すことを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記交直変換回路21は、
    一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW6を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続されるスイッチング素子Q3と、
    一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW3を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続されるスイッチング素子Q4と、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記主スイッチQ1と前記スイッチング素子Q3及びQ4の一方とを同期オンし、前記副スイッチQ2と前記スイッチング素子Q3及びQ4の他方とを同期オンすることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記出力スイッチQ1、Q2のオン・デューティ比の変更を所定範囲内に規制することにより、前記同期整流回路の出力電流のリップル成分を所定値レベル未満とすることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記第一電圧系統1000は、
    前記第二電圧系統2000より高電圧とされることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  7. 請求項1乃至5のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記第一電圧系統1000は、
    前記第二電圧系統2000より低電圧とされることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記交直変換回路11は、
    前記第一電圧系統1000をなす直流電源又は電気負荷へ電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続されていることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記交直変換回路21は、
    前記第二電圧系統2000をなす直流電源又は電気負荷へ電流平滑用のチョークコイル素子を介することなく接続されていることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    PWM制御する前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の変更により、互いに異なる直流電源電圧で運用される前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への第一送電モードと、前記第二電圧系統2000から前記第一電圧系統1000へ送電する第二送電モードと切り替えることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  11. 請求項10記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記第一送電モードにおいて、前記主スイッチQ1のオン・デューティ比を、前記第二電圧系統2000の電圧が所定の目標電圧より低い場合に増大し、高い場合に減少し、
    前記第二送電モードにおいて、前記主スイッチQ1のオン・デューティ比を、前記第一電圧系統1000の電圧が所定の目標電圧より低い場合に減少し、高い場合に増大することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  12. 請求項10記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記第一電圧系統1000と並列接続されて前記交直変換回路11と交流電力を授受する平滑コンデンサを有し、
    前記第一電圧系統1000は、互いに直列接続された直流電源及び電源スイッチを有し、
    前記コントローラは、前記第二電圧系統2000から前記第一電圧系統1000への送電を行って前記平滑コンデンサをプリチャージした後、前記電源スイッチを閉じることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  13. 請求項12記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記平滑コンデンサのプリチャージにおいて前記平滑コンデンサへの印加電圧を徐々に増加することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  14. 請求項4乃至13のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記主スイッチQ1の電流を検出する電流センサを有し、
    前記コントローラは、
    所定タイミングにおける前記電流センサの検出電流の大きさに基づいて前記同期整流回路における負荷電流の減少を判定することにより前記同期整流回路の同期整流動作を停止することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  15. 請求項14記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記主スイッチQ1のオンが指令されてから所定時間経過後の前記主スイッチQ1の電流の大きさに基づいて前記同期整流動作を停止すべきかどうかを判定することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  16. 請求項15記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記所定時間は、
    前記主スイッチQ1をオンした直後に前記主スイッチQ1に逆方向へ流れる過渡的共振電流の通電時間よりも長く設定されることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  17. 請求項2乃至16のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への送電に際して、前記第一電圧系統1000から前記交直変換回路11に印加される前記直流電源電圧の増大につれて前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の最大値を減少させることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  18. 請求項2乃至16のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記第二電圧系統2000から前記第一電圧系統1000への送電に際して、前記第二電圧系統2000から前記交直変換回路21に印加される前記直流電源電圧の増大につれて前記主スイッチQ1のオン・デューティ比の最大値を増大させることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  19. 請求項12記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    前記平滑コンデンサへの前記プリチャージの終了後に前記電源スイッチを閉じ、前記第一電圧系統1000から前記第二電圧系統2000への送電を行うことを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  20. 請求項1乃至19のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記コントローラは、
    記直電源電圧の増大につれて減少する所定制限値未満に前記主スイッチQ1のオン・デューティ比Dの最大値Dmaxを規制することを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
  21. 請求項1乃至9、請求項17、18、20のいずれか記載の2トランス型DC−DCコンバータにおいて、
    前記交直変換回路21は、
    一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW6を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続される第一整流ダイオードと、
    一端が前記第二電圧系統2000の一端に接続され、他端が前記コイルW3を通じて前記第二電圧系統2000の他端に接続される第二整流ダイオードと、を備えることを特徴とする2トランス型DC−DCコンバータ。
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