[go: up one dir, main page]

JP2013138704A - 医療機器、および医療機器の製造方法 - Google Patents

医療機器、および医療機器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013138704A
JP2013138704A JP2011289682A JP2011289682A JP2013138704A JP 2013138704 A JP2013138704 A JP 2013138704A JP 2011289682 A JP2011289682 A JP 2011289682A JP 2011289682 A JP2011289682 A JP 2011289682A JP 2013138704 A JP2013138704 A JP 2013138704A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
layer
medical device
coil
coil layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011289682A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5891789B2 (ja
Inventor
Hayao Tanaka
速雄 田中
Kenichi Kanemasa
賢一 兼政
Kenjiro Yamaguchi
憲二郎 山口
Hiroshi Matsubuchi
広志 松渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2011289682A priority Critical patent/JP5891789B2/ja
Publication of JP2013138704A publication Critical patent/JP2013138704A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5891789B2 publication Critical patent/JP5891789B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Abstract

【課題】コイル状のワイヤとその内側に配置された層との密着性を保持して、内腔面積を十分に確保しつつ、屈曲性にも優れた医療機器、および、医療機器の製造方法を提供する。
【解決手段】内部にメインルーメン20を有する内層11と、幅方向の断面形状が非円形のワイヤ31を長手方向に巻回したコイル層30と、外層12と、操作線70が挿通されたサブルーメン80と、を備えるカテーテル100を形成する。コイル層30の外表面は平坦であり、コイル層30の縦断面におけるワイヤ31の断面形状において、外側辺32は直線状で、内側辺33は弧状であって、長手方向に対して斜めに傾斜している。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療機器、および医療機器の製造方法に関する。
従来のカテーテルは、樹脂製の薄壁構造であり、ガイドワイヤなどによって受動的に屈曲して用いられる。一般にカテーテルは耐キンク性に乏しく、カテーテルを体腔内に挿通してガイドワイヤに沿って屈曲させた後にガイドワイヤを抜くと内腔(メインルーメン)が潰れてしまうことが問題となる。そのため、樹脂製の内側チューブの外周にワイヤコイルを配置して耐キンク性を向上したカテーテルが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1記載のカテーテルは、内側チューブの外周にリボン状のワイヤ(いわゆる、平線)を所定間隙で離間して巻回したワイヤコイルをコイル層として備えている。内側チューブの周囲には外側チューブが積層されており、コイル層は外側チューブに包埋されている。コイル層を備えるカテーテルは、良好な屈曲性を維持しつつ、ワイヤコイルの保形性により耐キンク性が向上する。また、ワイヤコイルに平線を用いることで、丸線を用いる場合に比べてコイル層の薄型化が期待でき、その結果、内腔の断面積を十分に確保することが期待できる。このようなカテーテルは、たとえば、腎臓動脈のような多方向に屈曲した血管等の手術にも好適に用いることができる。
特表2003−527226号公報
しかしながら、特許文献1記載のカテーテルにおいて、ワイヤコイルは、ワイヤの平坦面が内側チューブの外周面に平行に当接するようにして巻回されている。ここで、体腔内に挿入されたカテーテルを引き抜く際にはカテーテルに大きな抵抗力が作用する。この抵抗力は、湾曲した体腔内でまっすぐに伸長しようとするカテーテルと体腔壁面との間の垂直抗力、およびカテーテルと体腔壁面との摩擦力に起因して生じる。特許文献1のカテーテルの場合、カテーテルの引き抜き時にこの抵抗力が内側チューブとコイル層との接合界面に負荷される。このため、コイル層と内側チューブとの接合力が低下して界面剥離を誘起するおそれがあった。以上のように、従来のカテーテルにおいては、平線からなるワイヤコイルを用いて、層間の優れた密着性と優れた耐キンク性とを兼ね備えたカテーテルを得ることは困難であるという課題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、平線等の非円形断面のワイヤを用いて、耐キンク性に優れ、層間の界面剥離を良好に防止することができるとともに十分な内腔面積を確保することができる医療機器、および、医療機器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の医療機器は、長尺状の医療機器であって、横断面形状が非円形のワイヤを医療機器の長手方向にコイル状に巻回したコイル層を有し、このコイル層の外表面が平坦であり、かつ、コイル層の縦断面におけるワイヤの断面形状において、(1)ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合の当該内側辺が長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)ワイヤの内側辺が弧状である場合のこのワイヤの断面形状の中心厚み方向が長手方向に対して斜めに傾斜していることを特徴とする。
なお、本発明の医療機器は、複数本のワイヤがコイル状に多条巻きされていてもよい。
また、本発明の医療機器は、隣接するワイヤ同士が互いに密着して多条巻きされていてもよい。
また、本発明の医療機器は、隣接するワイヤの一部同士が長手方向に互いに重なり合っていて、断面形状において互いに面接触または点接触していてもよい。
また、本発明の医療機器は、コイル層の縦断面において、隣接するワイヤの内側辺が長手方向に対して同一の向きに斜めに傾斜するとともに各ワイヤの径方向の厚さが遠位側から近位側にかけて次第に大きくなっていてもよい。
また、本発明の医療機器は、ワイヤの横断面の幅寸法が厚さ寸法より長く、コイル層の縦断面におけるワイヤの内側辺の傾斜角度が長手方向に対して45度以下であってもよい。
また、本発明の医療機器は、ワイヤの横断面の幅方向の両側が、ともに外方に突出する円弧状でもよい。
また、本発明の医療機器は、複数本のワイヤがコイル状に多条巻きされており、隣接するワイヤの円弧状の両側同士が互いに点接触していてもよい。
また、本発明の医療機器は、隣接するワイヤ同士の点接触の位置が、両側の円弧の最大突出部同士の間にあってもよい。
また、本発明の医療機器が、内部にメインルーメンを有する長尺の管状本体を備えるカテーテルであって、管状本体は、内部にメインルーメンを有する内層と、内層の外周表面に形成され、複数本のワイヤがコイル状に多条に巻回形成されてなるコイル層と、コイル層を被覆する外層と、メインルーメンの外周に形成され、操作線が挿通された少なくとも一つのサブルーメンと、を有してもよい。
また、本発明の医療機器は、コイル層のワイヤの一部が内層に嵌入していてもよい。
また、本発明の医療機器の第1の製造方法は、長尺状の医療機器の製造方法であって、横断面形状が非円形のワイヤを医療機器の長手方向にコイル状に巻回してコイル層を成形する工程と、このコイル層のワイヤの外表面を平坦に研削する工程と、を含み、コイル層の縦断面におけるワイヤの断面形状において、(1)ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合の当該内側辺が長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)ワイヤの内側辺が弧状である場合のこのワイヤの断面形状の中心厚み方向が長手方向に対して斜めに傾斜するようにコイル層を成形するものである。
また、本発明の医療機器の製造方法において、複数本のワイヤをコイル状に多条巻きする工程を有し、この多条巻きする工程において、先に巻き始めるワイヤである先巻きワイヤに対して、それ以降に巻き始めるワイヤである後巻きワイヤの内側辺の一部を巻き径の内側方向に押し付けながら巻回してもよい。
また、本発明の医療機器の第2の製造方法は、長尺状の医療機器の製造方法であって、横断面形状が平坦な辺を含む非円形のワイヤを用意する工程と、この平坦な辺を外側に向けてワイヤを医療機器の長手方向にコイル状に巻回してコイル層を成形する工程を有し、コイル層の縦断面におけるワイヤの断面形状において、(1)ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合のこの内側辺が長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)ワイヤの内側辺が弧状である場合のこのワイヤの断面形状の中心厚み方向が長手方向に対して斜めに傾斜するようにコイル層を成形するものである。
本発明によれば、コイル層の内側の界面に対するワイヤの内側辺の高いアンカー性により、この界面におけるコイル層の密着性が向上する。一方、コイル層の外表面は平坦であるためコイル層を薄型化することができる。その結果、十分な内腔面積を確保することができるとともに、コイル状のワイヤの保形性による優れた耐キンク性とワイヤ層の密着性に優れた医療機器、およびその製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る医療機器のカテーテル先端部の側断面図である。 図1のコイル層付近の一部を拡大した側断面図である。 第2の実施形態に係る医療機器のカテーテル先端部の側断面図である。 図3のコイル層付近の一部を拡大した側断面図である。 第1の実施形態に係るカテーテルの全体を示す側面図と、先端部の動作例を示す側面図であって、(a)はカテーテルを屈曲する前の全体を示す側面図であり、(b)はスライダを操作して先端を紙面上方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(c)はスライダを操作して先端を(b)よりも大きな曲率で紙面上方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(d)はスライダを操作して先端を紙面下方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(e)はスライダを操作して、先端を(d)よりも大きな曲率で紙面下方に屈曲させた状態を示す側面図である。 第1の実施形態に係るカテーテルが屈曲する際のコイル層のワイヤの隣接する巻き同士の動作を示す概念図であり、(a)は直線状態を示す概念図であり、(b)は紙面上方、すなわち、ワイヤの断面形状の直線状の外側辺方向に屈曲した状態を示す概念図であり、(c)は紙面下方、すなわち、ワイヤの断面形状の弧状の内側辺方向に屈曲した状態を示す概念図である。 (a)は、第1の実施形態に係るカテーテルのコイル層に相当するワイヤの縦断面の顕微鏡写真を表す図である。(b)は、(a)にて楕円で囲った部分を拡大した顕微鏡写真を表す図である。
以下、本発明の医療機器をカテーテルに適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。本明細書では、「医療機器の縦断面」とは、医療機器(各実施形態ではカテーテル)を、その中心軸を通って長手方向に平行に切断した断面をいう。以下、特に断りがない場合、長手方向とは医療機器の長手方向(長尺方向)を意味し、径方向とは医療機器の太さ方向を意味する。また、「医療機器の横断面」とは、医療機器を径方向に平行に切断した断面をいう。カテーテルの一部材である管状本体、コイル層、内層等の縦断面に関しても同様である。また、ワイヤにおいて、「コイル状のワイヤ」の「縦断面における断面形状」とは、ワイヤをコイル状に巻回した状態での、医療機器の縦断面におけるワイヤの断面形状をいう。これに対して、「横断面形状が非円形」の「ワイヤ」とは、コイル状とする前の、長尺なワイヤを、当該ワイヤの幅方向(ワイヤの延在方向に対する直交方向)に切断したときの断面形状をいう。
〔第1の実施形態〕
図1は第1の実施形態に係るカテーテル100における管状本体10の先端部の側断面図である。図1の左方がカテーテル先端側にあたり、右方が手元側(基端側)にあたる。カテーテルの先端を遠位端DEともいい、基端を近位端CEともいう。ただし、図1においてはカテーテル100の近位端CEは図示を省略している。なお、図5に、本実施形態のカテーテル100の全体図および動作図を示している。図5の詳細な説明は後述する。
本実施形態に係るカテーテルは、図1に示すように、内部にメインルーメン20を有する長尺の管状本体10を備えている。具体的には、管状本体10は、内層11、コイル層30、マーカー40、外層12、コート層50およびサブルーメン80を備えている。内層11は管状本体10の最内周にあたり、メインルーメン20を画定する管状の層である。すなわち、内層11は内部にメインルーメン20を有している。コイル層30は、内層11の外周に配置されている。マーカー40は、遠位端DEの付近に装着されている。外層12は、コイル層30およびマーカー40を含む内層11の外周全体を被覆する層である。コート層50は、外層12の外周に形成されている。サブルーメン80(第一サブルーメン80a、第二サブルーメン80b)は、メインルーメン20の外周に形成され、操作線70(第一操作線70a、第二操作線70b)が挿通されている。
以下、本実施形態のカテーテル100の構成について具体的に説明する。図1に示すように、本実施形態に係るカテーテル100の管状本体10は、樹脂材料111により形成された内層11と、この内層11とは別の樹脂材料112により形成された外層12とを有している。なお、内層11および外層12を含むカテーテル100の本体である管状本体10は、シースと呼ばれる。また、内層11または外層12は、1層で形成してもよいし、2種以上の異種または同種の材料で形成した多層構造としてそれぞれ形成してもよい。
コイル層30は、本実施形態では、横断面形状が非円形の複数本(具体的には4本)のワイヤ31同士を、長手方向に互いに密着して多条に巻回(多条巻き)することにより形成されている。このように形成されたコイル層30は、図1に示すように、コイル層30の縦断面におけるワイヤ31の断面形状において、カテーテル100の外径側にあたる外側辺32が長手方向に対して平行であり、内径側にあたる内側辺33が弧状であって、当該断面形状の中心厚み方向が長手方向に対して斜めに傾斜している。コイル層30の縦断面におけるワイヤ31の断面形状の中心厚み方向とは、ワイヤ31の個々の断面形状における厚み中心(径寸法の中央)を長手方向に連続的に結んで描かれる直線または曲線の延在方向をいう。本実施形態では、図2および後述する図4に示す矢印Wの方向がワイヤ31の中心厚み方向にあたる。なお、中心厚み方向が長手方向に対して斜めに傾斜しているとは、この中心厚み方向が、長手方向成分と径方向成分をともに含むことを意味する。一方、コイル層30の縦断面において、ワイヤ31の外側辺32は長手方向に対して平行である。コイル層30の外表面は平坦であり、滑らかな円筒状をなしている。コイル層30は、内層11の外周に配置されて外層12により被覆されることで、この外層12の樹脂材料112が、コイル層30と内層11との間に介在している。
ここで、ワイヤ31の外側辺32と外層12との界面は剥離していて、両者の長手方向の相対移動を許容してもよい。一方、長手方向に傾斜した内側辺33が、内層11とコイル層30との間に介在した外層12の樹脂材料112に対して嵌入することで、当該内側辺33は外層12に対してアンカー効果を奏する。本実施形態のワイヤ31の横断面形状において、長径寸法にあたる幅寸法とは、ワイヤ31の中心厚み方向の寸法をいう。ワイヤ31の幅寸法は、短径寸法にあたる厚さ寸法よりも長い。厚さ寸法に対する幅寸法の比、すなわち厚さ寸法を1としたときの幅寸法は、1.1以上5以下が好ましく、1.5以上4以下がより好ましく、2以上4以下が更に好ましい。ワイヤ31の幅寸法の実寸法としては、1mm以下、好ましくは0.5mmである。
より具体的には、本実施形態のワイヤ31の横断面形状は、長円形を外側辺32でカットした部分長円形である。ワイヤ31の横断面の幅方向の両側は、ともに外方に突出する円弧状である。なお、ワイヤ31の横断面形状は、平坦な外側辺32を含む非円形であるかぎり特に限定されない。外側辺32が平坦であるとは、当該外側辺32が実質的に直線状である場合のほか、他の側辺に比べて外側辺32の曲率が有為に小さいことを意味する。外側辺32以外の側辺形状は、弧状でもよく、直線部分を含んでもよく、コーナー部を含んでもよい。すなわち、ワイヤ31の横断面形状は、部分円形、部分長円形もしくは部分楕円形など弧状部分を含む曲線的形状でもよく、または矩形、台形、菱形、平行四辺形、凸多角形もしくは凹多角形などの直線的形状でもよい。より具体的には、正方形または長方形を線分でカットした台形、三角形または五角形でもよい。この非円形の横断面形状は、これに外接する最小面積の長方形を想定した場合にその長辺と短辺の長さが異なるものでもよい。以下、ワイヤ31の横断面形状とコイル層30の縦断面形状とを特に区別せず、ワイヤ31の断面形状と呼称する場合がある。
このようなワイヤ31を使用し、後述する製造工程で、各ワイヤ31の外側辺32、すなわち、コイル層30の外表面を研削することにより、前述したように、外表面が平坦な円筒形であり、各ワイヤ31の断面形状における内側辺33が、長手方向に対して傾斜しているコイル層30を得ることができる。また、図2の拡大図に示すように、隣接する各ワイヤ31の断面形状の内側辺33が、長手方向に対して同一方向に斜めに傾斜し、かつ、当該断面形状の厚さが、傾斜方向に次第に厚肉に形成されている。すなわち、ワイヤ31の各巻きは、断面形状において、遠位端DE側の厚さaが最小で、遠位側から近位側にかけて次第に厚肉となり、近位端CE側の厚さbが最大となる。また、内側辺33の当該ワイヤ31の傾斜角度が、長手方向に対して45度以下であることが好ましい。傾斜角度を45度以下とすることで、内層11とコイル層30との間に介在する外層12への良好な嵌入が可能となり、かつ、剛性が過度に高くなることがなく、カテーテル100の可撓性や屈曲性を妨げることがない。本実施形態では、ワイヤ31の断面形状における内側辺33が長手方向に対して、約20度傾斜している。
ここで、本発明でいう傾斜および傾斜角度について説明する。特許文献1では、平線ワイヤを巻回するときに、カテーテルの長手方向に対して、ワイヤの内側辺が平行となるように巻回している。これに対し、本発明では、ワイヤ31の内側辺33が長手方向に対して平行とならずに所定角度で交差するようにワイヤ31を巻回してコイル層30を形成している。そのため、ワイヤ31の断面形状において、内側辺33が長手方向に対して交差(傾斜)して配置される。本実施形態のように内側辺33が弧状である場合のワイヤ31の傾斜角度とは、コイル層30の縦断面におけるワイヤ31の中心厚み方向(図2の矢印W)とカテーテル100の長手方向とが交わる角度をいう。なお、ワイヤ31の内側辺33が直線状である場合は、内側辺33とカテーテル100の長手方向とが交わる角度を、ワイヤ31の傾斜角度という。
本実施形態のコイル層30においては、図1に示すように、隣接するワイヤ31が互いに密着している。図2に示すように、コイル層30の縦断面において、ワイヤ31の幅方向(すなわち長手方向の遠位側と近位側)の両側には円弧状の端部が形成されている。隣接するワイヤ31同士で、この円弧状の端部の一部同士が距離cだけ長手方向に重なり合って面接触している。また、ワイヤ31の両側の互いの面接触の位置yは、ワイヤ31の互いの両側の円弧の最大突出部x、x'同士の間に位置している。面接触の位置yとは、コイル層30の縦断面において、隣接するワイヤ31同士が接触している線分領域である。面接触の位置yが最大突出部x、x'同士の間に位置しているとは、最大突出部x、x'が、この線分領域を挟む両外側(この線分領域の端点上を含む)に位置していることをいう。
上述のように、本実施形態では、コイル層30が多条のワイヤ31を用いて密巻きされ、ワイヤ31の円弧状の端部同士が重なりあっている。このため、隣接するワイヤ31同士が相対的に回動および変位してコイル層30が屈曲するにあたり、ワイヤ31同士の密着状態を維持して滑らかに相対移動することが可能である。よって、カテーテル100を所望の方向に所望の曲率で自在に屈曲させることができる。
マーカー40は、内層11の遠位端DEの付近の外周に、リング部材が装着されて形成されている。また、マーカー40は、X線不透過性の材料で形成されている。そのため、X線により遠位端DEのマーカー40の位置を確認することで、カテーテル100が患者の体内のいずれの位置まで挿入されたかを確認することができる。
また、管状本体10の遠位端DEの近傍における外層12の周囲には、管状本体10の最外層として、潤滑処理が外表面に施された親水性のコート層50が設けられている。コート層50は、任意に設ければよい。たとえば、外層12が潤滑性や親水性に優れていれば、コート層50を設けなくてもよい。
操作線70(第一操作線70a、第二操作線70b)を挿通するサブルーメン80(第一サブルーメン80a、第二サブルーメン80b)は、図2に示すように、外層12の内部に管部材が埋設されることで形成されている。また。メインルーメン20と外径方向に離間して設けていることで、メインルーメン20を通じて薬剤等を供給したり光学系を挿通したりする際に、これらがサブルーメン80に脱漏しないようにすることができる。そして、本実施形態のようにサブルーメン80をコイル層30の外側に設けることにより、摺動する操作線70に対して、コイル層30の内側、すなわちメインルーメン20が保護される。また、操作線70の先端(遠位端)71(71a、71b)は、図1に示すように、マーカー40に連結されている。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、遠位端DEのマーカー40以外の部分、たとえば外層12に操作線70を固着してもよく、またはマーカー40のカシメ加工によって操作線70を固定してもよい。
ここで、図5に示すように、カテーテル100の遠位端部15とは、カテーテル100の遠位端DE(先端)を含む所定の長さの範囲をいう。なお、カテーテル100の遠位端DEは、管状本体10の遠位端でもある。また、カテーテル100の近位端部16とは、カテーテル100の近位端CEを含む所定の長さの範囲をいう。同様に、管状本体10の遠位端部とは、遠位端DEを含む所定の長さの範囲をいい、管状本体10の近位端とは、管状本体10の近位端部PEを含む所定の長さの範囲をいう。
操作部60は、図5の各図に示すように、カテーテル100の近位端CEに接続され、長手方向に延在する軸部61と、軸部61に対して長手方向にそれぞれ進退するスライダ64(たとえば、第一スライダ64a、第二スライダ64b)と、軸部61と一体に該軸部61の軸周りに回転するハンドル部62と、管状本体10の基端部が軸周りに回転可能に差し込まれた把持部63とを備えている。管状本体10の近位端部PEは、軸部61に固定されている。操作部60のスライダ64に対し、2本の操作線70(第一操作線70a、第二操作線70b)をそれぞれ個別に、または二本以上を同時に牽引する操作を行うことにより、カテーテル100の遠位端部15を屈曲させることができるようになっている。また、たとえば、一方の手で把持部63を把持した状態で、他方の手でハンドル部62を把持部63に対して軸回転させることにより、管状本体10の全体を軸部61とともに回転させることができるようになっている。
本実施形態のサブルーメン80は、図5の各図に示すように、管状本体10の近位端部PEにおいて開口している。なお、管状本体10の近位端部PEよりも遠位側において開口していてもよい。各サブルーメン80には、それぞれ操作線70が挿通され、且つ、各操作線70がサブルーメン80に対して摺動可能となっている。
第一操作線70aの近位端は、第一サブルーメン80aの開口より導出され、操作部60の第一スライダ64aに接続されている。同様に、第二操作線70bの近位端は、第二サブルーメン80bの開口より導出され、操作部60の第二スライダ64bに接続されている。そして、第一スライダ64aと第二スライダ64bとを軸部61に対して個別に基端側にスライドさせる。この操作により、各々に接続された第一操作線70aまたは第二操作線70bが個別に牽引され、カテーテル100の遠位端部15(つまり管状本体10の遠位端DE)に引張力が与えられる。これにより、当該牽引された操作線70の側に遠位端部15が屈曲する。
内層11の材料としては、たとえば、フッ素系の熱可塑性ポリマーを用いることができる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などの樹脂材料111を用いることができる。このように、内層11にフッ素系樹脂を用いることにより、カテーテル100のメインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
外層12の材料としては、たとえば、熱可塑性ポリマーを用いることができる。一例として、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のほか、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)などの樹脂材料112を用いることができる。
コイル層30のワイヤ31の材料としては、金属材料製の平線を用いることが好ましいが、本発明がこれに限定されることはなく、いずれの材料を用いてもよい。ワイヤ31の具体的な材料としては、ステンレススチール(SUS)、ニッケルチタン系合金、鋼、チタンもしくは銅合金などの金属材料、または樹脂材料を用いることができる。
マーカー40の材料としては、たとえば、白金などのX線不透過材料を用いることができる。また、本実施形態のマーカー40はリング形状であるが、これに限らず、長手方向にコイル層30と離間して配置した他のコイルでもよい。
コート層50の材料としては、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性の樹脂材料を用いることができる。
サブルーメン80は、メインルーメン20に沿って形成された空孔である。外層12に貫通形成した空孔をサブルーメン80としてもよく、または外層12に中空管を挿通して当該中空管の内腔をサブルーメン80としてもよい。本実施形態では、PTFEやポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、外層12よりも硬質かつタッキング性が低い樹脂材料からなる中空管(図2を参照)を外層12に挿通し、その内腔をサブルーメン80としている。
操作線70の材料としては、外層12の樹脂材料112とともに操作線70を挿通したサブルーメン80を押し出す場合、操作線70には、樹脂材料112の溶融温度以上の耐熱性が求められる。このような操作線70の場合、具体的な材料としては、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PIもしくはPTFEなどの高分子ファイバー、または、ステンレススチール(SUS)、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金などの金属線を用いることができる。一方、管状本体10を成形した後にサブルーメン80内に操作線70を挿通する場合など、操作線70に耐熱性が求められない場合は、上記各材料に加えて、PVDF、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエステルなどを使用することもできる。以上、カテーテル100の形成材料は、コストや製作の容易さ、用途目的などを考慮して、適宜選択することができる。
上述のような構成の管状本体10の近位端(PE)に、図示しない操作部を接続して、本実施形態のカテーテル100が構成されている。操作部は、第一、第二操作線70a、70bの近位端と接続している。操作部により第一操作線70aまたは第二操作線70b、もしくは、双方を牽引することで、カテーテル100の管状本体10を、直線的な形状から、所望の方向に自在に屈曲させることができる。その操作手順については、後述の第2の実施形態で詳細に説明する。
なお、カテーテル100が屈曲するとは、カテーテル100の中心軸(たとえばメインルーメン20の中心軸)が直線以外(曲線状または折れ線状など)となるようにカテーテル100が変形する(曲がる)ことを意味する。
ここで、本実施形態のカテーテル100の代表的な寸法について説明する。メインルーメン20の半径は200μm〜300μm程度とすることができる。内層11の厚さは10μm〜30μm程度、外層12の厚さは50μm〜150μm程度、コイル層30の外径は直径500μm〜860μm、コイル層30の内径は直径420μm〜660μmとすることができる。そして、カテーテル100の(管状本体10の)軸心からサブルーメン80の中心までの半径は300μm〜450μm程度、サブルーメン80の内径は40μm〜100μmとすることができる。操作線70の太さは30μm〜60μmとすることができる。そして、カテーテル100の(管状本体10の)軸心からコート層50を含む最外半径を350μm〜490μm程度とすることができる。
すなわち、本実施形態のカテーテル100の外径は直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管に挿通可能である。また、本実施形態のカテーテル100は、たとえば、分岐する血管内においても所望の方向にカテーテル100を進入させることが可能である。
次に、上述のような構成の本実施形態のカテーテル100の製造方法の一例について説明する。本実施形態のカテーテル100の製造方法は、横断面形状が非円形のワイヤ31を、長手方向にコイル状に巻回してコイル層30を形成する工程(以下、「コイル層形成工程」と呼ぶ)を少なくとも有している。より具体的には、カテーテル100の製造方法は、たとえば、芯線の外周に、樹脂材料111により内層11を形成する工程(以下「内層形成工程」と呼ぶ)と、内層11の外周表面に、前述のコイル層30を形成するコイル層形成工程と、コイル層30の外表面を研削して滑らかにする工程(以下「研削工程」と呼ぶ)と、内層11の遠位端DEの近傍の外周に、マーカー40を装着する工程(以下、「マーカー装着工程」と呼ぶ)と、樹脂材料112により外層12を形成し、管状本体10を形成する工程(以下、「外層形成工程」と呼ぶ)と、を有する。本実施形態では、さらに、外層12の周囲にコート層50を形成する工程(以下、「コート層形成工程」と呼ぶ)や、操作部60を接続する工程(以下、「操作部接続工程」と呼ぶ)などを有している。このような工程を含む製造方法により、本実施形態のカテーテル100が製造される。以下、各工程について詳細に説明する。
内層形成工程では、芯線として、任意で表面に離型処理された図示しない円柱状のマンドレル(芯線)に、前述したような樹脂材料111を押出し、または、ディスパージョン被覆成形して内層11を形成する。
コイル層形成工程では、(i)内層11の表面にワイヤ31を巻回してコイル層30を成形する方法(表面積層法)か、または(ii)ワイヤ31を螺旋巻回してコイル層30を予め作成しておき、そのコイル層30の内部に、内層11で被覆された芯線を遊挿する方法(個別作成法)を採用することができる。本実施形態では、(ii)の個別作成法を例示する。具体的には、まず、巻線機を用いて、複数本のワイヤ31をコイル芯線の表面に多条巻回する。このコイル芯線は、内層11で被覆されている上記の芯線(マンドレル)とは別体である。コイル層30を形成するにあたっては、ワイヤ31の断面形状において内側辺33が長手方向に対して斜めに傾斜する角度でワイヤ31を巻線機にセットして多条巻回するとよい。コイル層30は、巻線機の一回の巻回プロセスによって成形された一個の多条コイルで構成してもよく、または巻線機の複数回の巻回プロセスによって成形された複数個の多条コイルを軸方向に互いに連結してなる一個の連結コイルで構成してもよい。さらには、複数個の多条コイルを互いに連結せずに軸方向に並べて配置することによりコイル層30を構成してもよい。
このようにして成形されたコイル層30に対して、上記の研削工程を施して、コイル層30の外表面を滑らかに加工する。研削工程は後記にて詳述する。研削工程後のコイル層30を洗浄したのち、内層11で被覆された芯線を遊挿し、さらに上記の外層形成工程を行う。外層形成工程では、コイル層30の表面、およびワイヤ31を包摂するようにしてコイル層30と同層に、外層12を形成する。外層形成工程で、コイル層30の表面よりも大きな内径の樹脂チューブを予め成形したうえで、この樹脂チューブをコイル層30に遊装し、これらを熱収縮チューブの熱収縮に起因する圧縮力により一体に成形する。このとき、コイル層30を径方向に僅かに収縮させることで、ワイヤ31を内層11に嵌入させてもよい。上述のように本実施形態では、コイル層30を予め研削してからこれを内層11に被着して一体化する。これにより、研削工程で発生する削り滓や研削工程で使用する研削液と内層11とが接触することがない。このため内層11を清浄に維持することができる。
上記ではワイヤ31を螺旋巻回してコイル層30を成形したうえで、このコイル層30に研削工程を施すことを説明したが、本発明のカテーテル100の製造方法にこれにかぎられない。図2に例示するような平坦な外側辺32と傾斜した内側辺33をもつ非円形断面のワイヤ31を予め用意しておき、巻回装置を用いて、コイル層30の外表面が平坦になるようにワイヤ31を巻回してコイル層30を成形してもよい。
ワイヤ31を傾斜させて多条巻きするにあたっては、先に巻き始めるワイヤ31を先巻きワイヤと呼称し、それ以降に巻き始めるワイヤ31を後巻きワイヤと呼称したときに、後巻きワイヤを先巻きワイヤに対して押圧しながら巻回するとよい。
また、本実施形態のワイヤ31は、コイル層形成工程の後、かつ研削工程の前は、断面形状における幅中央が内径方向に突出し、幅両側が外方に向いた反り形状となっている(図示せず)。そのため、研削工程の後は、図1、図2の拡大図等に示すように、ワイヤ31の断面形状における内側辺33の幅中央が内径方向に突出して幅両側が傾斜して外方に向いた反り形状となっている。そして外側辺32は平坦である。このような反り形状とする手法としては(i)予め当該形状に成形されたワイヤ31を用意してこれをコイル状に巻回する方法と、(ii)平坦なワイヤ31に対してコイル巻回時に応力を付与してこれを弓なり長円形に変形させる方法と、を代表的に採用することができる。
研削工程では、コイル層30の各ワイヤ31の外側辺32を、研削装置を用いて研削する。コイル層30からコイル芯線を抜去したうえで、芯なし研削盤(センターレスグラインダー)を用いてコイル層30の外表面を研削して平坦化してもよく、またはコイル層30にコイル芯線を挿通した状態で、コイル芯線を軸回転させながらコイル層30の外表面を円筒研削盤で研削して平坦化してもよい。コイル層30の外表面を平坦化するに際には、ワイヤ31の外側辺32を長手方向に平行に研削して、コイル層30の外観が滑らかで、かつ外径が所定の長さ領域内において略同一となるようにするとよい。また、コイル層30の外径が長手方向の遠位側から近位側にかけて徐々に大径になるように、テーパー状に研削してもよい。さらに、本実施形態では、図2に示すように、隣接するワイヤ31の互いの面接触の位置yよりも、外側辺32が径方向において外方に位置するように研削している。
マーカー装着工程では、前述した材料製のマーカー40を、内層11の外周であって、コイル層30よりも遠位端DE側に装着する。マーカー装着工程と外層形成工程との時間的な先後は任意であり、カテーテル100の遠位端DEに装着されたマーカー40を外層12で埋設してもよく、または外層12の表面にマーカー40をカシメ固定により装着してもよい。
外層形成工程では、コイル層30とマーカー40とを含む内層11の外周全体に、前述したような樹脂材料112を用いて外層12を形成する。外層12は、樹脂材料112を内層11の外周に押し出し成形して形成してもよい。または、予め内層11の外径よりも内径が広い管状の外層12を樹脂材料112で形成し、この外層12を内層11の外周に装着する。さらに、その外周に図示しない熱収縮チューブを装着して加熱し、熱収縮チューブを熱収縮させることにより内層11と外層12とを密着させてもよい。その後、熱収縮チューブを除去する。このような方法を用いることで、外層12の形成を容易にできる。いずれの手法でも、コイル層30と内層11との間に外層12の樹脂材料112が溶融して流れ込み、固化することで、内層11と外層12とが良好に密着し、互いの界面剥離を良好に防止することができる。
一方、ワイヤ31の内側辺33が弧状であり、後巻きワイヤが先巻きワイヤを傾斜方向の内側に押し付けて巻回されていることから、当該内側辺33の中心厚み方向の斜めの傾斜が保持される。そのため、コイル層30と内層11との間に流れ込んで固化した外層12の樹脂材料112に、コイル層30のワイヤ31が良好に嵌入して、アンカー効果を発揮することから、強い引き抜き力の作用による、コイル層30と、その内側に配置され、外層12の樹脂材料112からなる層との密着性が向上する。したがって、コイル層30と内側に配置された外層12の一部およびこれに良好に密着する内層11との界面剥離を良好に防止することができる。また、コイル層30の外表面は、滑らかな円筒状であるため、外層12との密着性は保持しつつも、当該コイル層30外表面は、軸方向への進退移動が外層12に拘束されにくくなる。そのため、コイル層30は長手方向への可動性が良好で、自在な屈曲が可能となる。なお、内層形成工程および外層形成工程は、上記方法に限定されることはなく、他のいずれの方法を用いてもよい。
また、上記外層形成工程のときに、管部材からなるサブルーメン80(第一サブルーメン80a、第二サブルーメン80b)を外層12の樹脂材料112とともにコイル層30の外周に押し出し成形して、外層12内にサブルーメン80(80a、80b)を設けてもよい。そして、サブルーメン80(80a、80b)内に操作線70(70a、70b)を挿通し、その先端71(71a、71b)をマーカー40にそれぞれ固定してもよい。または、サブルーメン80内に操作線70を挿通した状態で、外層12とともにコイル層30の外周に押し出してもよい。
最後に、マンドレルを内層11から引き抜く。この際、必要に応じ、マンドレルの両端部を互いに逆方向に牽引することによってマンドレルを細径化する。このような工程により、メインルーメン20と、内層11と、外層12と、コイル層30と、マーカー40と、コート層50と、操作線70を挿通したサブルーメン80とを備える管状本体10を得ることができる。そして、この管状本体10と操作部60とを組み立てることにより、本実施形態のカテーテル100を製造することができる。
図6に、ワイヤ31が自在に動作する概念図を示した。図6(a)は屈曲前の直線状態を示す概念図である。図6(b)はコイル層30が紙面上方に屈曲した状態、すなわち、外表面が内方向に、内側辺が外方向に屈曲した状態を示す概念図である。図6(c)はコイル層30が紙面下方に屈曲した状態、すなわち、外表面が外方向に、内側辺が内方向に屈曲した状態を示す概念である。いずれの場合でも、ワイヤ31の隣接する巻き同士の断面形状が点接触しているため、外方向でもその内方向でも関節等のように自在に屈曲させることができる。
図7(a)に、参考として、コイル層30に相当するワイヤの縦断面の顕微鏡写真(イメージ図)を掲載した。当該顕微鏡写真に示すとおり、コイル層30は、横断面形状が非円形の4条のワイヤ31が多条に密巻きされている。図7(b)は、図7(a)の拡大図である。縦断面におけるワイヤ31の外側辺32は直線状であるが、内側辺33が弧状であり、当該内側辺33の断面形状の中心厚み方向が長手方向(同図の左右方向)に対して斜めに傾斜している。また、この縦断面において、隣接するワイヤ31が互いに位置yで点接触している。この点接触の位置yは、ワイヤ31の互いの両側の円弧の最大突出部x、x'同士の間に位置している。
次に、本実施形態に係るカテーテル100の動作を、図5を用いて説明する。まず、本実施形態のカテーテル100を患者の血管等の体腔内に挿入する。本実施形態では、カテーテル100の軸心を挟んで第一サブルーメン80aと第二サブルーメン80bとが180度対向して形成されている。そして、第一サブルーメン80aには第一操作線70aが挿通され、第二サブルーメン80bには第二操作線70bが挿通され、先端を自在に屈曲させることができる。そのため、ガイドワイヤなどを必要とせず、操作線70を操作しながら、能動的にカテーテル100を患者の体内に挿入できる。
ここで、本実施形態のカテーテル100では、操作部60の第一スライダ64aを操作して第一操作線70aを近位側に牽引すると、図5(b)に示すように、カテーテル100の遠位端部15は図5の紙面上方に屈曲する。さらに、この牽引量を大きくすると、図5(c)に示すように、カテーテル100の遠位端部15は図5の紙面上方に大きな曲率で屈曲する。
また、操作部60の第二スライダ64bを操作して、第二操作線70bを近位側に牽引すると、図5(d)に示すように、カテーテル100の遠位端部15は図5の紙面下方に屈曲する。さらに、この牽引量を大きくすると、図5(e)に示すように、カテーテル100の遠位端部15は図5の紙面下方に大きな曲率で屈曲する。なお、本実施形態のカテーテル100において、図5(c)、(e)に示すように、遠位端部15の屈曲角度は90度を超えることが好ましい。これにより、血管の分岐角度がUターンするような鋭角の場合であっても、かかる分岐枝に対してカテーテル100を進入させることができる。
なお、第一操作線70aと第二操作線70bとを共に牽引する場合には、牽引量を互いに相違させてもよい。すなわち、いずれの操作線70を個別に牽引しても所望の曲率が達成されない場合には、両方の操作線70を牽引して曲率を調整してもよい。より具体的には、何れか一方の操作線70を牽引することにより遠位端部15が屈曲した状態から、何れか他方の操作線70を牽引する。この操作により、遠位端部15の屈曲量を減じる操作や、遠位端部15の姿勢を屈曲した状態から元の直線状の姿勢へ戻す操作を行うことができる。このように屈曲量を減じる操作により、屈曲量の微調整が可能である。
また、カテーテル100の遠位端部15を屈曲させた状態で、一方の手で操作部60の把持部63を把持し、他方の手でハンドル部62を、把持部63に対して軸回転させる。この操作により、カテーテル100の全体を軸部61とともに最大90度だけ回転させ、操作者はカテーテル100の遠位端部15の屈曲方向を所望の方向に変えて、遠位端DEを患部に対向させることができる。なお、本実施形態では、メインルーメン20の周囲にワイヤ31が巻回されているので、管状本体10のねじり剛性が高まる。よって、カテーテル100の回転操作時におけるトルク伝達効率が高まり、回転操作に対する遠位端部15の回転応答性が向上する。さらに、マーカー40で先端位置を明確に確認できるため、遠位端DEの現在の位置や向きを容易に確認しながら操作ができる。
また、本実施形態に係るカテーテル100においては、ワイヤ31がメインルーメン20の周囲に密巻きされて、弾性力を有するコイル層30が形成されている。そのため、操作線70に対する操作によってカテーテル100が屈曲する際に、コイル層30にはその軸方向を曲げようとする外力が加わる。しかし、コイル層30はその弾性的な反撥力によって、その外力に抗しようとする。このため、カテーテル100の急角度の折れ曲がりを抑制しつつ、大きな曲率で屈曲させることができる。よって、メインルーメン20の急角度の折れ曲がりも抑制し、良好な復元力も得られるため、耐キンク性が向上し、優れた屈曲性が得られる。これにより、メインルーメン20の内腔断面積を十分な大きさに維持できるため、メインルーメン20を介した薬剤等の供給や光学系の挿通などを好適に実施できる。
以上のように、本実施形態では、コイル層30は、縦断面におけるワイヤ31の断面形状が長手方向に対して斜めに傾斜している。そのため、ワイヤ31の内側辺33を、その内径側に位置する下地層(外層12)に対して嵌入させることができる。したがって、コイル層30のアンカー効果により、外層12とコイル層30との密着性が向上する。このため、カテーテル100の挿抜時に長手方向に強い抵抗力が作用しても、外層12とコイル層30との密着性の低下や界面剥離を良好に防止することができる。一方、コイル層30の外表面が平滑であるため、コイル層30は、外層12によって長手方向への動作が拘束されることがない。
すなわち、本実施形態によれば、ワイヤ31の外側辺32が外層12に対して微細な変位量で摺動することができるため、コイル層30が柔軟に屈曲する。よって、屈曲した体腔内に挿入されたカテーテル100の近位端CEにトルクを付与した場合に、カテーテル100の遠位端DEが良好に回転する。言い換えると、カテーテル100の湾曲時の回転抵抗が低減される。一方で、ワイヤ31の内側辺33は外層12に対して良好にアンカーしている。したがって、体腔からカテーテル100を抜去するときに、ワイヤ31が外層12に対して上記の微細な変位量を超えて相対移動することを規制する。このため、屈曲した体腔内からカテーテル100を抜去する場合でも、外層12とコイル層30とが剥離することがない。
〔第2の実施形態〕
次に、図3、図4を用いて、第2の実施形態に係るカテーテルについて説明する。図3、図4の拡大図に示すように、本実施形態のカテーテル200は、コイル層230が内層211に嵌入し、外表面が内層211の表面と略面一に滑らかに研削され、断面形状において隣接するワイヤ231が互いに点接触し、かつ、コイル層230の外表面が外層212と密着していること以外は、第1の実施形態に係るカテーテル100とほぼ同様の構成である。図3、図4に示すように、本実施形態のカテーテル200は、樹脂材料2111からなる内層211と、両端が円弧状のワイヤ231を多条に巻回してなるコイル層230と、樹脂材料2112からなる外層212と、マーカー240と、コート層250と、操作線270(第一操作線270a、第二操作線270b)が挿通されたサブルーメン280(第一サブルーメン280a、第二サブルーメン280b)と、を有する管状本体210、および、管状本体210の近位端部PEに接続され、操作線270を操作する図示しない操作部から構成されている。
また、コイル層230は、縦断面におけるワイヤ231の断面形状において、外側辺232が直線状であるため、コイル層230の外観は、外径が略同一で外表面が滑らかな円筒状である。また、ワイヤ231の当該断面形状における内側辺233は弧状であり、中心厚み方向(図4の矢印W)が長手方向に対して斜めに傾斜し、内層211に嵌入するように巻回されている。なお、製造方法についても、研削工程にて、コイル層230の外表面(ワイヤ231の外側辺232)を、内層211の外周面と略面一となり、かつ、点接触の位置yまで研削すること以外は、第一の実施形態と同様であるため、重複する説明は省略する。ワイヤ231の両側の互いの点接触の位置yは、ワイヤ231の両側の円弧の最大突出部x、x'の少なくとも一方よりも、巻き径の内側に存在する。なお、図3、図4は、断面図であるため、点接触していると表現しているが、実際には、周回方向に点接触が連続しているため、隣接するワイヤ231は、互いに線接触している。本実施形態のコイル層230でも、後巻きワイヤが先巻きワイヤを傾斜方向の内側に押し付けて巻回されていることから、コイル層230の内側辺233の傾斜が保持され、内層211へのワイヤ231の嵌入を良好に行うことができる。
以上のように、本実施形態のカテーテル200では、点接触(線接触)の位置yまで研削しているため、コイル層230をより薄肉にして柔軟性を向上させることができ、かつ、薄肉に形成される内層211にもコイル層230を嵌入させ易くなる。また、コイル層230の縦断面におけるワイヤ231の断面形状の内側辺233は、長手方向に対して斜めに傾斜して、内層211に楔状に嵌入してアンカー効果を発揮し、コイル層230の内側に配置された内層211との界面剥離を防止することができる。一方、コイル層230を内層211に嵌入させることで、ワイヤ231と内層211との間に外層212の樹脂材料2112が侵入しにくくなる。そして、コイル層230の滑らかな外表面が外層212の内側辺に嵌入することなく、内外表面が密着しているだけである。そのため、外層212に対するコイル層230の可動性がより向上し、より柔軟で可撓性に優れたコイル層230を得ることができる。ただし、図3に示すように、遠位端DEで、内層211の樹脂材料2111と外層212の樹脂材料2112とが密着しているとともに、コイル層230が内層211に嵌入して密着性が高いため、コイル層230の外層212に対する可動性が向上しても、各層(内層211、コイル層230、外層212)の界面剥離を良好に防止することができる。このように、本実施形態でも、コイル層230とその内側に配置された内層211との密着性を保持して、メインルーメン220の断面積を十分に確保しつつ、屈曲性に優れ耐久性や使用性にも優れるカテーテル200を得ることができる。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
また、上記各実施形態では、多条巻きによりコイル層を形成しているが、他の異なる変形例として、1本のワイヤを巻回(一条巻き)することで、コイル層を形成してもよい。この場合も、長手方向の断面が点接触するように巻回してもよいし、隣接するワイヤの一部同士が密着するよう巻回してもよい。このようなコイル層を有するカテーテルでも、内層とコイル層との密着性を保持して、メインルーメンの断面積を十分に確保しつつ、屈曲性に優れたものとすることができる。
また、上記各実施形態では、カテーテルが2本の操作線を有する例を説明した。しかし、それぞれ操作線が挿通された3本以上のサブルーメンを管状本体に形成してもよい。この場合、これらの操作線のうちの1本もしくは2本以上を牽引することによって、カテーテルの屈曲操作を行うことができる。なお、この場合、3本以上の操作線の牽引長さを個別に制御することにより、遠位端部を360度にわたり任意の向きに屈曲させることができる。これにより、カテーテルの全体に対して回転力を付与して遠位端部を所定方向に向ける回転操作を行うことなく、操作部による操作線の牽引操作のみによって、カテーテルの進入方向を操作することが可能となる。また、カテーテルが操作線を1本のみ有している構成とすることも可能である。この場合、操作線の牽引による遠位端部の屈曲操作とカテーテルの回転操作とを併用する。これにより、任意の屈曲量方向および任意の方向にカテーテルの遠位端部を屈曲させることが可能となる。また、サブルーメンがコイル層より内側に配置されていてもよいし、サブルーメンや操作線を設けずに、ガイドワイヤ等を用いて屈曲させるものであってもよい。また、サブルーメンを管部材で形成しているが、外層の形成時に長尺な孔を形成してサブルーメンとし、当該孔内に操作線を挿通させてもよい。また、マーカーも必要でなければ設けなくてもよい。
また、上記各実施形態では、研削前のコイル層のワイヤは、長手方向の断面形状における幅方向の両側が外方に向いた反り形状となっている。そのため、研削後は、内側辺が径方向の内方に膨出した弧状となっている。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、両側内方に向いた反り形状であって、研削後の内側辺が径方向の外方に膨出した弧状となってもよいし、反ることなく、直線的であってもよい。いずれの場合でも、内層とコイル層との優れた密着性を保持して、メインルーメンの断面積を十分に確保しつつ屈曲性にも優れたカテーテルを得ることができる。
また、上記各実施形態では、コイル層の外表面がカテーテルの長手方向に平行に研削され、外観が円筒状となっている。しかし、本発明がこれに限定されることはなく、コイル層の長手方向への自在な動作が可能であれば、長手方向に傾斜して研削され、外観がテーパー状等であってもよい。テーパー状の場合、遠位端DE側が大径で、近位端CE方向に次第に小径となるテーパーであってもよいし、遠位端DE側が小径で、近位端CE方向に次第に大径となるテーパーであってもよい。また、テーパー形状と円筒形状とを組み合わせてもよい。また、カテーテルの屈曲部位、すなわち、遠位端付近のコイル層部分を研削して外表面を滑らかとし、非屈曲部位、すなわち、近位端付近はコイル層の外表面を研削せずにワイヤの断面形状における外側辺が斜めに傾斜した状態に形成してもよい。この場合、カテーテルにおいて、遠位端は外側の層に動作が拘束されず優れた屈曲性を有し、近位端付近は外表面が外側の層に嵌入して、密着性を高めることができる。さらには、遠位端、近位端ともに剛性が優れることから、押し込み力等による不測なキンク等が防止され、患部までカテーテルを円滑に進行させることができる。
また、上記各実施形態および変形例は、カテーテルについて実施しているが、本発明はカテーテルに限定されるものではなく、内視鏡、超音波器具など、体腔内に挿入して使用する、他の長尺な医療機器にも適用することができる。
10、210 管状本体(シース)
11、211 内層
111、2111 樹脂材料(内層)
12、212 外層
112、2112 樹脂材料(外層)
15 遠位端部
16 近位端部
20、220 メインルーメン
30、230 コイル層
31、231 ワイヤ
32、232 外側辺
33、233 内側辺
40、240 マーカー
50、250 コート層
60 操作部
61 軸部
62 ハンドル部
63 把持部
64 スライダ
70、270 操作線
70a、270a 第一操作線
70b、270b 第二操作線
71 先端(遠位端)
80、280 サブルーメン
80a、280a 第一サブルーメン
80b、280b 第二サブルーメン
100、200 カテーテル
CE 近位端
DE 遠位端
PE 近位端部
x、x' 円弧の最大突出部
y (面接触または点接触の)位置

Claims (14)

  1. 長尺状の医療機器であって、
    横断面形状が非円形のワイヤを前記医療機器の長手方向にコイル状に巻回したコイル層を有し、
    前記コイル層の外表面が平坦であり、かつ、
    前記コイル層の縦断面における前記ワイヤの断面形状において、(1)前記ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合の前記内側辺が前記長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)前記ワイヤの前記内側辺が弧状である場合の前記断面形状の中心厚み方向が前記長手方向に対して斜めに傾斜していることを特徴とする医療機器。
  2. 複数本の前記ワイヤがコイル状に多条巻きされている請求項1に記載の医療機器。
  3. 隣接する前記ワイヤ同士が互いに密着して多条巻きされている請求項2に記載の医療機器。
  4. 隣接する前記ワイヤの一部同士が長手方向に互いに重なり合っている請求項3に記載の医療機器。
  5. 前記コイル層の縦断面において、隣接する前記ワイヤの前記内側辺が前記長手方向に対して同一の向きに斜めに傾斜するとともに各ワイヤの径方向の厚さが遠位側から近位側にかけて次第に大きくなっている請求項3または4に記載の医療機器。
  6. 前記ワイヤの前記横断面の幅寸法が厚さ寸法より長く、前記コイル層の縦断面における前記ワイヤの前記内側辺の傾斜角度が前記長手方向に対して45度以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の医療機器。
  7. 前記ワイヤの前記横断面の幅方向の両側が、ともに外方に突出する円弧状である請求項1から6のいずれか一項に記載の医療機器。
  8. 複数本の前記ワイヤがコイル状に多条巻きされている請求項7に記載の医療機器であって、
    隣接する前記ワイヤの円弧状の前記両側同士が互いに点接触していることを特徴とする医療機器。
  9. 隣接する前記ワイヤ同士の前記点接触の位置が、前記両側の円弧の最大突出部同士の間にある請求項8に記載の医療機器。
  10. 医療機器が、内部にメインルーメンを有する長尺の管状本体を備えるカテーテルであって、
    前記管状本体は、
    内部に前記メインルーメンを有する内層と、
    前記内層の外周表面に形成され、複数本の前記ワイヤがコイル状に多条に巻回形成されてなる前記コイル層と、
    前記コイル層を被覆する外層と、
    前記メインルーメンの外周に形成され、操作線が挿通された少なくとも一つのサブルーメンと、
    を有する請求項1から9のいずれか一項に記載の医療機器。
  11. 前記コイル層の前記ワイヤの一部が前記内層に嵌入している請求項10に記載の医療機器。
  12. 長尺状の医療機器の製造方法であって、
    横断面形状が非円形のワイヤを前記医療機器の長手方向にコイル状に巻回してコイル層を成形する工程と、
    前記コイル層の前記ワイヤの外表面を平坦に研削する工程と、を含み、
    前記コイル層の縦断面における前記ワイヤの断面形状において、(1)前記ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合の前記内側辺が前記長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)前記ワイヤの前記内側辺が弧状である場合の前記断面形状の中心厚み方向が前記長手方向に対して斜めに傾斜するように前記コイル層を成形することを特徴とする医療機器の製造方法。
  13. 複数本の前記ワイヤをコイル状に多条巻きする工程を有し、
    前記多条巻きする工程において、先に巻き始める前記ワイヤである先巻きワイヤに対して、それ以降に巻き始める前記ワイヤである後巻きワイヤの前記内側辺の一部を巻き径の内側方向に押し付けながら巻回することを特徴とする請求項12に記載の医療機器の製造方法。
  14. 長尺状の医療機器の製造方法であって、
    横断面形状が平坦な辺を含む非円形のワイヤを用意する工程と、前記平坦な辺を外側に向けて前記ワイヤを前記医療機器の長手方向にコイル状に巻回してコイル層を成形する工程を有し、
    前記コイル層の縦断面における前記ワイヤの断面形状において、(1)前記ワイヤの径方向の内側辺が直線状である場合の前記内側辺が前記長手方向に対して斜めに傾斜しているか、または、(2)前記ワイヤの前記内側辺が弧状である場合の前記断面形状の中心厚み方向が前記長手方向に対して斜めに傾斜するように前記コイル層を成形することを特徴とする医療機器の製造方法。
JP2011289682A 2011-12-28 2011-12-28 医療機器、および医療機器の製造方法 Expired - Fee Related JP5891789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011289682A JP5891789B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 医療機器、および医療機器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011289682A JP5891789B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 医療機器、および医療機器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013138704A true JP2013138704A (ja) 2013-07-18
JP5891789B2 JP5891789B2 (ja) 2016-03-23

Family

ID=49036782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011289682A Expired - Fee Related JP5891789B2 (ja) 2011-12-28 2011-12-28 医療機器、および医療機器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5891789B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5897237B1 (ja) * 2014-06-09 2016-03-30 オリンパス株式会社 内視鏡
WO2016203820A1 (ja) * 2015-06-15 2016-12-22 オリンパス株式会社 可撓管及び可撓管を用いる内視鏡

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57173065A (en) * 1981-03-06 1982-10-25 American Hospital Supply Corp Cathetel and determination of direction thereof
JP2004321838A (ja) * 1994-11-10 2004-11-18 Target Therapeutics Inc 高性能のらせん巻カテーテル
JP2007236472A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Terumo Corp カテーテル
JP2009207533A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Kaneka Corp 医療用チューブ
JP2011062354A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル
US20110245775A1 (en) * 2010-04-01 2011-10-06 Cook Incorporated Tapered sheath

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57173065A (en) * 1981-03-06 1982-10-25 American Hospital Supply Corp Cathetel and determination of direction thereof
JP2004321838A (ja) * 1994-11-10 2004-11-18 Target Therapeutics Inc 高性能のらせん巻カテーテル
JP2007236472A (ja) * 2006-03-06 2007-09-20 Terumo Corp カテーテル
JP2009207533A (ja) * 2008-02-29 2009-09-17 Kaneka Corp 医療用チューブ
JP2011062354A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Sumitomo Bakelite Co Ltd カテーテル
US20110245775A1 (en) * 2010-04-01 2011-10-06 Cook Incorporated Tapered sheath

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5897237B1 (ja) * 2014-06-09 2016-03-30 オリンパス株式会社 内視鏡
WO2016203820A1 (ja) * 2015-06-15 2016-12-22 オリンパス株式会社 可撓管及び可撓管を用いる内視鏡

Also Published As

Publication number Publication date
JP5891789B2 (ja) 2016-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014203336A1 (ja) 医療機器、および医療機器の製造方法
JP5441336B2 (ja) ガイドワイヤ
JP5604974B2 (ja) カテーテル
JP5724382B2 (ja) カテーテル
JP5636656B2 (ja) カテーテル
JP6149855B2 (ja) 医療機器
KR20230093530A (ko) 카테터 및 카테터의 제조 방법
JP5967255B2 (ja) カテーテル及びカテーテルの製造方法
JP2013198633A (ja) 医療機器および医療機器の製造方法
US20170056616A1 (en) Catheter devices and methods for making them
JP2010167101A (ja) カテーテル
JP5768358B2 (ja) カテーテルおよびカテーテルの製造方法
JP5927974B2 (ja) 医療機器
JP2013180156A (ja) 医療機器
JP2010227137A (ja) カテーテル
JP5736735B2 (ja) カテーテル
JP5891789B2 (ja) 医療機器、および医療機器の製造方法
JP5526218B2 (ja) ガイドワイヤ
JP5891770B2 (ja) 医療機器、および医療機器の製造方法
JP6241512B2 (ja) カテーテル及びカテーテルの製造方法
JP6201368B2 (ja) 医療用機器
JP6079826B2 (ja) カテーテルおよびカテーテルの製造方法
JP2013208355A (ja) 医療機器及び医療機器の製造方法
JP5994335B2 (ja) カテーテル
JP6792587B2 (ja) 医療機器および医療機器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140926

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150721

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5891789

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees