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JP2013054166A - ズームレンズおよび光学機器 - Google Patents

ズームレンズおよび光学機器 Download PDF

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JP2013054166A JP2011191504A JP2011191504A JP2013054166A JP 2013054166 A JP2013054166 A JP 2013054166A JP 2011191504 A JP2011191504 A JP 2011191504A JP 2011191504 A JP2011191504 A JP 2011191504A JP 2013054166 A JP2013054166 A JP 2013054166A
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Abstract

【課題】小型化と色収差を達成することが可能なズームレンズとそれを有する光学機器を提供すること
【解決手段】ズームレンズは、開口絞りAPの光入射側に配置された負のレンズ群G1を有し、負のレンズ群は、入射面が凹面で屈折率分布を有する屈折率分布レンズGR1を含み、屈折率分布レンズGR1は、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸上において負であって、微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ズームレンズおよび光学機器に関する。
光学機器に適用されるズームレンズには、小型化とレンズ群における色収差を補正することが要求されている。例えば、沈胴型のレンズ鏡筒ではズームレンズを小型化することによって沈胴時のスペースを小さくすることができ、カメラの小型化を図ることができる。一方、従来、色収差をキャンセルするように屈折率分布を形成可能なラジアル型の屈折率分布型レンズが提案されており、このレンズを適用することによってレンズ枚数の削減が期待されている。
特許文献1には、レンズ枚数が2枚程度で画角80°以上の広角で諸収差が良好に補正された対物レンズが開示されおり、少なくとも1枚はラジアル型の屈折率分布レンズである。特許文献2には、負の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群よりなり、第2レンズ群が正のパワーを持つラジアル型の屈折率分布レンズ1枚にて構成されたレンズ系が開示されている。
特開平09−080304号公報 特開平11−006960号公報
しかしながら、ズームレンズでは各レンズ群を移動させるため、光線の入射状況が変化し、単にラジアル型の屈折率分布型レンズをズームレンズに適用するだけでは色収差の補正を十分に達成することができなかった。まず、特許文献1の光学系は焦点距離が固定の対物レンズに適用されるものであり、ズームレンズに適したものではない。特許文献2におけるズームレンズでは、第2レンズ群に用いたラジアル型屈折率分布レンズの厚みが大きく、ズームレンズの沈胴時における光学系全長を短縮するものではない。
そこで、本発明は、小型化と色収差を達成することが可能なズームレンズとそれを有する光学機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明のズームレンズは、開口絞りと、当該開口絞りの光入射側に配置された負のレンズ群を含む複数のレンズ群と、を備え、前記複数のレンズ群の間隔を変化させることによって焦点距離を可変にするズームレンズであって、前記負のレンズ群は、光入射側の面が凹面でラジアル型の屈折率分布を有する負レンズを有し、前記負レンズは、次式で表される微分値が前記ズームレンズの光軸上で負であって、かつ前記微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布を有する。
ここで、値Δ∂φN,FC/ΔλFCは前記微分値、λはF線の波長、λはC線の波長、rは前記負レンズの半径方向における前記光軸からの距離、N10,F、N20,F、N30,F、N40,Fは次式で与えられるF線に対する前記ラジアル型の屈折率分布の冪級数係数であり、N10,C、N20,C、N30,C、N40,Cは次式で与えられるC線に対する前記ラジアル型の屈折率分布の冪級数係数である。
ここで、N00,FはF線に対する前記負レンズの光軸上の屈折率、N00,CはC線に対する前記負レンズの光軸上の屈折率、N(r)はF線に対する前記ラジアル型の屈折率分布、N(r)はC線に対する前記ラジアル型の屈折率分布である。
本発明によれば、小型化と色収差を達成することが可能なズームレンズとそれを有する光学機器を提供することができる。
本発明のズームレンズの光学配置図である。(実施例1) 図1に示す屈折率分布レンズの屈折率分布形状を示すグラフである。(実施例1) 図1に示す屈折率分布レンズの屈折率の波長分散分布形状を示すグラフである。(実施例1) 図1に示す屈折率分布レンズの単位当たりの屈折率分布パワー差を示すグラフである。(実施例1) 図1に示すズームレンズの縦収差図を示す図である。(実施例1) 図1に示すズームレンズの横収差図を示す図である。(実施例1) 本発明のズームレンズの光学配置図である。(実施例2) 図7に示す屈折率分布レンズの屈折率分布形状を示すグラフである。(実施例2) 図7に示す屈折率分布レンズの屈折率波長分散分布形状を示すグラフである。(実施例2) 図7に示す屈折率分布レンズの単位当たりの屈折率分布パワー差を示すグラフである。(実施例2) 図7に示すズームレンズの縦収差図を示す図である。(実施例2) 図7に示すズームレンズの横収差図を示す図である。(実施例2) 本発明のズームレンズの光学配置図である。(実施例3) 図13に示す分散布型レンズの屈折率分布形状を示すグラフである。(実施例3) 図13に示す屈折率分布レンズの屈折率の波長分散分布形状を示すグラフである。(実施例3) 図13に示す屈折率分布レンズの単位当たりの屈折率分布パワー差を示すグラフである。(実施例3) 図13に示すズームレンズの縦収差図を示す図である。(実施例3) 図13に示すズームレンズの横収差図を示す図である。(実施例3)
本実施形態は、分散(媒質の屈折率が波長によって異なる性質またはその度合い)の分布を有するラジアル型の屈折率分布(Gradient−index)レンズを、ズームレンズの開口絞りの光入射側に隣接して配置された負レンズ群に適用している。
なお、屈折率分布レンズとしては、屈折率が分布を有するタイプと分散が分布を有するタイプがあり、いずれも屈折率が変化するが、本実施形態では分散が分布を有するレンズが使用されれば足りる。
ズームレンズは、複数のレンズ群と開口絞りとを備え、複数のレンズ群の間隔を変化させることによって焦点距離を可変にするように構成されている。ズームレンズは、カメラなどの撮像装置やプロジェクタ等の投射装置などの光学機器に適用可能である。
屈折率分布レンズは、ラジアル型の屈折率分布を有する負のレンズである。色収差を相殺する屈折率分布を形成することによって従来の負のレンズ群が一般に凹レンズと凸レンズの組み合わせであったものが1枚のレンズで構成することができるので、ズームレンズの小型化に資する。また、屈折率分布レンズが負レンズであるのは負のレンズ群に適用されているからである。
また、屈折率分布レンズは、光入射側の面(入射面)が凹面である。光束は屈折率分布型レンズへズームレンズの光軸に対して斜めに入射するが、入射面が凹面であると屈折率分布レンズを通過する際に、斜入射光束を光軸に平行に近づけてラジアル型の分散分布(屈折率分布)を通過させることができる。本実施形態の屈折率分布レンズは、光軸に平行に入射した光線に対して最も良い性能を発揮するので、凹面である入射面によって斜入射の影響を軽減している。
次に、屈折率分布レンズは、(後述する数式16に示すように)屈折率分布による単位厚み当たりのパワー(屈折率)の波長による微分値が光軸上において負である波長分散分布を有している。これにより、光軸上で屈折率分布による単位厚み当たりのパワーのF線パワーのC線パワーに対する差を正として負レンズによって発生した色収差を補正することができる。光軸上で屈折率分布による単位厚み当たりのパワーのF線パワーのC線パワーに対する差を正とすることは上述した微分値を負にすることである。
次に、屈折率分布レンズにおいては、前記微分値が光軸から離れるに従って増加する(ゼロに近付く)波長分散分布を有している。屈折率分布レンズは光軸から周辺に行くになるにつれて薄肉から肉厚になるため、この条件によって肉厚差の影響を軽減している。
以下、添付図面を参照して各実施例を詳細に説明する。
図1(A)〜(C)は、実施例1のズームレンズの広角端、中間域、望遠端の配置をそれぞれ示している。また、表1に実施例1のズームレンズ構成を示し、面番号1,2,5,11は非球面であり、次式で表現される。
但し、Rは曲率半径、Kはコーニック定数、Aは4次の係数、Bは6次の係数、Cは8次の係数、Dは10次の係数である。
ズームレンズは、各画角から入射した光束を、負のパワーを有する第1レンズ群G1を介して開口絞りAPに入射させて光束幅を制限し、正のパワーを有する第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を介してCCDなどの撮像素子面IMG上に結像させている。
第1レンズ群G1、開口絞りAP、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3の各間隔を可変として焦点距離を4.7mm〜17.0mmへと変動させ、3.6倍のズームレンズを構成している。
ズームレンズでは、焦点距離を変化させる際に各レンズ群の間隔を変化させるので、各レンズ群内で色収差が補正されていることが好ましい。そのため、通常のズームレンズは各レンズ群(特に第1レンズ群や第2レンズ群)には正レンズと負レンズとの組合せで構成されることが多い。
第1レンズ群G1は、入射面が凹面、射出面が入射面よりも曲率が大きい(きつい)凹面の両凹レンズ1枚のみで構成している。
両凹レンズGR1には、光軸から離れるに従って屈折率が小さくなり、かつ光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなるラジアル型の屈折率分布を形成し、両凹レンズGR1の入射面と射出面で発生した負の方向の色収差を補正している。
第2レンズ群G2は、第2レンズL2と第3レンズL3とを貼り合せた貼り合せレンズL23と第4レンズL4と第5レンズL5を貼り合せたL45とで構成している。第3レンズ群G3は物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ1枚で構成している。この正メニスカスレンズGR2には、光軸から離れるに従って屈折率が大きくなり、かつ光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が大きくなるラジアル型の屈折率分布を形成しており、正の方向に発生した色収差を補正している。
図2(A)は屈折率分布レンズGR1の屈折率分布形状を、図2(B)は屈折率分布レンズGR2の屈折率分布形状を示すグラフである。図2(A)と図2(B)において、横軸は光軸からの距離で、縦軸は屈折率分布である。図2(A)に示すように、屈折率分布レンズGR1は光軸から離れるに従って各波長(C線、d線、F線)の屈折率が減少する屈折率分布を有する。このような屈折率分布形状を有する屈折率分布レンズGR1は製造が容易になるという特徴を有する。
このとき、長波長側のC線よりも短波長側のF線の方が屈折率の変化量が大きくなるように構成しており、屈折率分布レンズGR1の光軸上よりも周辺部で屈折率波長分散が小さくなるように構成している。
ラジアル型の屈折率分布ならびに屈折率波長分散分布は、屈折率ならびに屈折率波長分散が異なる少なくとも2種類の材料を混ぜ合わせ、レンズの半径方向に組成比を変化させて形成する。この際、低分散材料と高分散材料との組合せを用いると屈折率波長分散の変化量を大きく取ることができる。
本実施例でも屈折率分布レンズGR1を低分散材料と高分散材料を組み合わせ、光軸上から周辺部に掛けて低分散材料の組成比が高く、高分散材料の組成比が低くなるように構成している。
これにより、屈折率分布レンズGR1の光軸上よりも周辺部で屈折率波長分散が小さくなる波長分散分布を形成しており、屈折率分布レンズGR1の入射面ならびに射出面で発生する色収差を補正できる波長分散分布としている。一般的に低分散材料は低屈折率のものが多く、高分散材料は高屈折率のものが多い。
光軸から離れるに従って屈折率が小さくなるように屈折率分布を形成すると、レンズの光軸上よりも周辺部で屈折率波長分散が小さくなる波長分散分布を形成でき、光軸上から周辺部へかけての屈折率波長分散の変化量を大きく取れるようになる。このとき、少なくともd線の屈折率が光軸から離れるに従って小さくなるように屈折率分布を形成するとよい。
図3は、屈折率分布レンズGR1の屈折率の波長分散分布形状を示すグラフである。図3に示すように、屈折率分布レンズGR1は光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなるように屈折率の波長分散分布を構成している。
ラジアル型の屈折率分布は、次式に示す様な冪級数展開式で表現される。本実施例では、冪級数展開式の次数は特に限定されず、ここでは便宜上8次までをいかに記す。
ここで、N00,λは、波長λにおける光軸上の(波長λの光に対する、レンズGR1の光軸上の硝材の)屈折率、N10,λ20,λ30,λ40,λは波長λにおける冪級数係数、rは半径方向における光軸からの距離である。光軸上の屈折率N00,λや冪級数係数N10,λ20,λ30,λ40,λは波長毎に異なる値とすることが可能であり、C線、d線、F線、に夫々の屈折率分布N(r)、N(r)、N(r)を与えている。
ここで、屈折率分布型光学素子による色消し条件は、以下の条件式を満足する必要がある。
ここで、φは光学素子の表面形状による屈折パワー、νは光軸上のアッベ数、φは屈折率分布によるパワーであり、ν10は屈折率分布のアッベ数である。
屈折率分布によるパワーφは次式で表現される。
ここで、dは光学素子の厚みである。
一方、屈折率分布のアッベ数ν10は次式で表現される。
数式7、8より、数式2の色消し条件の屈折率分布の項φ/ν10は次式で表現できる。これは屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差である。
屈折率分布のパワーには光学素子の厚みdが大きく関わっているが、入射面や射出面に曲率を持たせたレンズに屈折率分布を形成させた場合、光軸からの距離によって光学素子の厚みが変化してしまい、これに伴って屈折率分布のパワーが変化してしまう。光軸からの距離rに対する波長毎の屈折率分布のパワーφN,λ(r)は数式10で表現できる。
ここで、dは光軸からの距離rにおける光学素子の光軸方向の厚み、N10,λ20,λ30,λ40,λは波長λにおける冪級数係数である。
本実施例の場合、屈折率分布レンズGR1の入射面ならびに射出面は共に凹面であり、屈折率分布レンズGR1は光軸から離れるに従って光軸方向の厚みdが大きくなる。
屈折率分布に2次項だけを用いると光軸方向の厚みdに比例して屈折率分布のパワーが変化して所望の色収差補正ができなくなるため、高次項である数式2の4次以降の項を用いて、光軸方向の厚みの変化による屈折率分布のパワー変化を補正している。このように、本実施例は、屈折率分布形状の基本的構成である2次項に加えて高次項である4次項を用いている。
屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN10,FCを数式11に示し、屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN20,FCを数式12に示す。
屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN10,FCは光軸からの距離rに拠らず一定だが、屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN20,FCは光軸からの距離rに応じて変化させることができる。
本実施例では、屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN10,FCを正とし、屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN20,FCを負としている。
ここで、パワーが「正」とは収束させるパワーを持つことであり、パワーが「負」とは発散させるパワーを持つことである。F線のパワーのC線のパワーに対する差が「正」とは、F線の収束パワーがC線の収束パワーよりも強いこと、もしくはF線の発散パワーがC線の発散パワーよりも弱いことを示している。
これは、光軸から離れるに従ってレンズの厚みが増加することにより屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差が増加するのを屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差でキャンセルするためである。
即ち、屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN20,FCを、屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN10,FCと逆符号にするのが良い。
このようにして、光軸上よりも周辺部の屈折率波長分散が小さく、光軸から離れるに従って屈折率波長分散が小さくなる度合いが弱まる波長分散分布を屈折率分布レンズGR1に形成している。少なくともF線とC線における屈折率波長分散で上記が成立していることが望ましく、可視全域で成立していると更に望ましい。
ここで、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーを∂φN,λを数式13。
すなわち、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーΔφN,λを示す数式13は、屈折率分布を示す数式2を、光軸からの距離rで1階微分してから更に光軸からの距離rで割ったものに、「−1」を掛けたものである。
数式10から屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN,FC(r)を数式14に示す。
また、屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差をΔ∂φN,FCとして数式15に示す。
図4は、屈折率分布レンズGR1の屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を示すグラフである。光軸上では屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差は正であり、光軸から離れるに従って徐々に減少させている。
前述したように、2次項における屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差は一定であり、その値を正とすることで、正の方向に色収差を発生させている。
4次項を付加することによって、屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を光軸からの距離に応じて変化させることができ、レンズの光軸方向の厚みの変化に対応することができる。
本実施例においては、4次項を2次項とは逆向きの符号にすることによって、光軸から離れると屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差が小さくなるように構成している。
光軸から離れるに従って凹レンズ形状のレンズの厚みが増加することで発生する屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差が増加する。これを、単位厚み当たりの屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差が小さくなる波長分散分布でキャンセルさせることで色収差を良好に補正している。
特に、主光線とマージナル光線で同等の屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差を与えれば、色の球面収差を発生させることなく、軸上色収差を補正することができる。
また、画角を有した光束に対しては、色の像面湾曲を発生させることなく、倍率色収差を補正することができる。ここで、屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値に置き換えることができる。
数式15より、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値Δ∂φN,FC/ΔλFCを数式16に示す。
ここで、λはF線の波長であり、λ=486.13nm、λはC線の波長でありλ=656.27nmである。上述したように、N10,F、N20,F、N30,F、N40,Fは次式で与えられるF線に対するラジアル型の屈折率分布の冪級数係数である。N10,C、N20,C、N30,C、N40,Cは次式で与えられるC線に対するラジアル型の屈折率分布の冪級数係数である。N00,FはF線に対する光軸上の屈折率、N00,CはC線に対する光軸上の屈折率、N(r)はF線に対するラジアル型の屈折率分布、N(r)はC線に対するラジアル型の屈折率分布である。
光軸上ではr=0であり、分母は−で、分子は+であるから微分値は負(マイナス)である。光軸上で屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を正とすることは、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値を負にすることであり、負の方向に発生した色収差を補正することができる。
屈折率分布レンズGR1は、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布を有する。数式16では、分子は光軸から離れて周辺に近づくにつれて小さくなるから微分値はゼロに近づく。これにより、単位厚み当たりの負の方向に発生した色収差の補正効果を弱め、凹レンズ形状のレンズの厚みの増加と相殺させて、所望の色収差補正を実現している。
このように、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸上において負であって、且つ微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布とすることにより、凹レンズ形状を有するレンズであっても高精度な色収差補正が可能となる。当然のことながら、上記のように微分値が増加する波長分散分布を持つのは、該当する光学素子(レンズ、ガラス板)のうち光が通過する領域(有効領域、光透過領域)だけであっても構わない。つまり、光が通過する領域の外側、例えば光学素子が保持枠等に接着されている、或いは矜持されている部分等は、微分値が増加していなくても構わない。
図5は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端における縦収差図を示している。図5に示すように、色の球面収差を抑えつつ、軸上色収差を良好に補正している。
図6は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端における横収差図を示している。各像高において、色の像面湾曲を抑えつつ、倍率色収差を良好に補正している。これにより、厚みが部分的に変化する屈折率分布レンズであっても、所望の屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差が得られ、良好に色収差補正ができる。
また、入射面を凹面とし、射出面が入射面よりも曲率が大きい(きつい)凹面としている。開口絞りの直前に配置した負レンズ群では、射出面に負レンズ群のメインパワーを持たせる為に大きい曲率を付けている。射出面を凹面形状とするとコンセントリックとなり、光束に対してコマ収差などが発生し難い構成にすることができる。
一方、入射面を凹面とすることで、広い画角から屈折率分布レンズに入射する光束の角度を緩やかに変換し、レンズ内部に形成したラジアル型の屈折率分布への入射角を緩めることができる。
ラジアル型の屈折率分布には入射角依存性があるが、入射面を凹面とすることでその影響を緩和することができ、広画角に対して良好な光学性能を確保することが出来る。
このように、2次項の屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差に対して高次項の屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差を逆符号とすることで、肉厚変化の大きな凹レンズであっても高精度な色収差補正が可能となる。
屈折率分布レンズはレンズの入射面や射出面で発生する色収差を波長分散分布によって補正することができるので、レンズ1枚でも色収差を良好に補正できる。開口絞りの直前にある負レンズ群には、通常2〜3枚のレンズが必要になるが、屈折率分布レンズを用いれば、負レンズ群を1枚のみで構成することが可能となる。
そして、レンズ枚数削減や、凹レンズと凸レンズの間に生じる空気レンズのスペース削減により、沈胴時における光学系の全長を短縮することができる。このように、負群を1枚の屈折率分布型レンズで構成すれば、色収差が良好に補正され、かつ沈胴時にコンパクトなズームレンズを実現することができる。
(表1)
光学構成
構成 面番号 面形状 曲率半径 面間隔 屈折率 Nd アッベ数 Vd
第1レンズ群 1 非球面 -13.7839 0.500 GR1
2 非球面 10.4226 可変 d2 Air
開口絞り 3 球面 平面 可変 d3 Air
第2レンズ群 4 球面 14.2872 1.231 1.86379 41.8
5 非球面 -11.1533 0.300 1.73579 27.5
6 球面 28.0973 5.894 Air
7 球面 19.1007 0.300 1.81851 30.5
8 球面 8.2028 2.121 1.68379 43.4
9 球面 -24.2632 可変 d9 Air
第3レンズ群 10 球面 7.0794 1.900 GR2
11 非球面 16.2715 可変 d11 Air
フィルター 12 球面 平面 1.300 1.51633 64.14
13 球面 平面 0.500 Air
像面 14 球面 平面

可変面間隔
面間隔番号 広角端 中間域 望遠端
d2 17.098 6.937 2.704
d3 4.120 0.100 0.270
d9 5.781 13.633 22.560
d11 3.262 2.979 1.970

材料
材料名称 屈折率分布係数 波長
C線:656.27nm d線:587.56nm F線:486.13nm
GR1 N00 1.51431 1.51680 1.52238
N10 -0.2312E-02 -0.2360E-02 -0.2481E-02
N20 0.2665E-04 0.2724E-04 0.2872E-04
GR2 N00 1.62355 1.62797 1.63903
N10 0.9221E-02 0.9528E-02 0.1021E-01
N20 0.2428E-03 0.2552E-03 0.2801E-03

非球面形状
面番号 K A B C D
1 -12.1375 5.9634E-04 -1.2747E-05 1.5578E-07 -8.2055E-10
2 1.3938 1.0130E-03 -6.6604E-06 1.8373E-07 -9.7667E-09
5 0.4312 -1.5644E-04 3.5133E-06 -2.2164E-07 4.6332E-09
11 -0.9844 9.1802E-04 1.9279E-05 7.4818E-07 0.0000E+00

焦点距離
焦点距離 広角端 中間域 望遠端
f 4.7mm 10.7mm 17.0mm
図7(A)〜(C)は、実施例1のズームレンズの広角端、中間域、望遠端の配置をそれぞれ示している。また、表2に実施例2のズームレンズの構成を示し、面番号1,2,5,11は数式1で表現される非球面である。
ズームレンズは、各画角から入射した光束を、負のパワーを有する第1レンズ群G1を介して開口絞りAPに入射させて光束幅を制限し、正のパワーを有する第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を介して撮像素子面IMG上に結像させている。
第1レンズ群G1、開口絞りAP、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3の各間隔を可変として焦点距離を5.2mm〜14.6mmへと変動させ、2.8倍のズームレンズを構成している。
第1レンズ群G1は、入射面が凹面、射出面が入射面よりも曲率が大きい(きつい)凹面の両凹レンズ1枚のみで構成している。実施例1と同様に、両凹レンズGR1には、光軸から離れるに従って屈折率が小さくなり、かつ光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなるラジアル型の屈折率分布を形成している。
図8(A)に屈折率分布レンズGR1の屈折率分布形状を、図8(B)に屈折率分布レンズGR2の屈折率分布形状を示すグラフである。図9(A)は屈折率分布レンズGR1の屈折率の波長分散分布形状を、図9(B)は屈折率分布レンズGR2の屈折率波長分散分布形状を示すグラフである。図8(A)、(B)は実施例1の図2(A)、(B)と類似しており、図9(A)において長波長側のC線よりも短波長側のF線の方が屈折率の変化量が大きくなるように構成している点も実施例1と同様である。
第2レンズ群G2は、第2レンズL2と第3レンズL3とを貼り合せた貼り合せレンズL23と第4レンズL4と第5レンズL5を貼り合せたL45とで構成している。
第3レンズ群G3は物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズ1枚で構成している。
図8(B)に示すように、この正メニスカスレンズGR2には、光軸から離れるに従って各波長(C線、d線、F線)の屈折率が大きくなる屈折率分布としている。また、図9(B)に示したように、光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が大きくなるラジアル型の屈折率分布を形成しており、正の方向に発生した色収差を補正している。
本実施例では、数式2の6次項までを用いて屈折率分布レンズGR1の屈折率分布形状を表現している。屈折率分布の2次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN10,FCは数式11に示した通りであり、屈折率分布の4次項によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφN20,FCは数式12に示した通りである。6次項における屈折率分布のF線とC線のパワー差ΔφN30,FCを数式17に示す。
屈折率分布レンズGR1の肉厚変化によって生じる2次項における屈折率分布のF線とC線のパワー差ΔφN10,FCを、屈折率分布の高次項(4次項、6次項)によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφNH,FCで補正している。
本実施例の屈折率分布の高次項(4次項、6次項)によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφNH,FCを数式18に示す。
屈折率分布レンズGR1は光軸から離れるに従って肉厚が大きくなるので、数式17に示す屈折率分布の高次項(4次項、6次項)によるF線のパワーのC線のパワーに対する差ΔφNH,FCが、光軸から離れるに従って減少する。これにより、肉厚変化の影響を補正している。
図10は、屈折率分布レンズGR1の単位厚み当たりの屈折率分布によるF線のパワーのC線のパワーに対する差を示すグラフである。光軸上では屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を正としており、正の方向の色収差を発生させて、第1レンズ群G1で発生する負の方向の色収差を補正している。
光軸から離れるに従って、屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を徐々に小さくし、屈折率分布レンズGR1の凹レンズ形状による肉厚変化の影響を補正している。
このように、光軸上の屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を正とし、光軸から離れるに従って屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を小さくしている。これにより、凹レンズにおける肉厚変化に影響されることなく高精度に色収差を補正している。
光軸上で屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差は正とすることは、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値を負にすることであり、負の方向に発生した色収差を補正することができる。
屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布とすることで、単位厚み当たりの負の方向に発生した色収差の補正効果を弱め、凹レンズ形状のレンズの厚みの増加と相殺させている。この結果、所望の色収差補正を実現することができる。
図11は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端における縦収差図を示している。同図に示すように、どのズーム位置においても、色の球面収差を抑えつつ、軸上色収差を良好に補正していることが分かる。
図12は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端における横収差図を示している。同図に示すように、各像高において、色の像面湾曲を抑えつつ、倍率色収差を良好に補正していることがわかる。
このように、本実施例によれば、ズームレンズの開口絞りの光入射側に隣接した負のレンズ群に含まれる負レンズにおいて、負レンズ1枚であっても軸上色収差や倍率色収差、色の球面収差や色の像面湾曲を良好に補正することができる。
これにより、通常のズームレンズでは開口絞りの光入射側に隣接した負のレンズ群に複数枚のレンズが必要なところ、負レンズ1枚のみで構成することが可能となり、沈胴時の厚みを大幅に薄型化できる。更に、撮像装置の本体の厚みを大幅に薄型化できる。
(表2)
光学構成
構成 面番号 面形状 曲率半径 面間隔 屈折率 Nd アッベ数 Vd
第1レンズ群 1 非球面 -12.0788 1.022 GR1
2 非球面 11.7841 可変 d2 Air
開口絞り 3 球面 平面 3.007 Air
第2レンズ群 4 球面 14.5179 0.947 1.86373 41.8
5 非球面 -12.7303 0.300 1.73587 27.7
6 球面 34.5275 5.194 Air
7 球面 29.1739 0.968 1.81860 31.5
8 球面 8.4800 2.615 1.68378 50.7
9 球面 -20.0807 可変 d9 Air
第3レンズ群 10 球面 6.4862 1.583 GR2
11 非球面 9.9484 可変 d11 Air
フィルター 12 球面 平面 1.300 1.51633 64.14
13 球面 平面 0.500 Air
像面 14 球面 平面

可変面間隔
面間隔番号 広角端 中間域 望遠端
d2 18.529 5.470 2.468
d9 6.505 14.296 20.218
d11 3.612 3.120 2.100

材料
材料名称 屈折率分布係数 波長
C線:656.27nm d線:587.56nm F線:486.13nm
GR1 N00 1.514322 1.516800 1.522376
N10 -0.2223E-02 -0.2317E-02 -0.2606E-02
N20 0.2223E-04 0.2524E-04 0.3526E-04
N30 0.7475E-07 0.3529E-07 -0.1002E-06
GR2 N00 1.692224 1.698947 1.715424
N10 0.9160E-02 0.9448E-02 0.1001E-01
N20 0.2347E-03 0.2432E-03 0.2577E-03

非球面形状
面番号 K A B C D
1 -8.8117 5.3270E-04 -1.2880E-05 1.6251E-07 -8.2014E-10
2 2.7266 9.8728E-04 -9.0245E-06 -1.1532E-07 -6.7435E-09
5 0.6530 -1.4085E-04 1.1227E-06 -9.9168E-08 3.4715E-09
11 -2.0695 8.9339E-04 2.1734E-05 5.0173E-07 0.0000E+00

焦点距離
焦点距離 広角端 中間域 望遠端
f 5.2mm 10.8mm 14.6mm
図13(A)〜(C)は実施例3の広角端、中間域、望遠端の配置をそれぞれ示している。また、また、表3に実施例3のズームレンズの構成を示し、面番号6,7,15,20は数式1で表現される非球面である。実施例3のズームレンズは正負正正正の5群ズームレンズである。
各画角から入射した光束を、正のパワーを有する第1レンズ群G1、負のパワーを有する第2レンズ群G2を介して開口絞りAPに入射させて光束幅を制限する。そして、正のパワーを有する第3レンズ群G3、第4レンズ群G4、第5レンズ群G5を介して撮像素子面上に結像させている。また、第1レンズ群〜第5レンズ群の各間隔を可変として焦点距離を4.8mm〜44.7mmへと変動させ、9.3倍のズームレンズを構成している。
本実施例のように、ズーム比が5倍を超えるような高倍率のズームレンズにおいては、第2レンズ群G2のような開口絞りの前に置かれた負レンズ群がバリエーターとしての役割を担っている。この際、負のパワーを大きくすることで、焦点距離の可変範囲を広げ、ズーム比を高倍率にすることに寄与している。
しかしながら、負パワーを大きくすると、色収差が大きく発生してしまい、特に、広角端における倍率色収差と望遠端における軸上色収差を両立させることが困難となる。そこで、本実施例では、バリエーターを担う第2レンズ群に屈折率分布レンズGR1を配置し、光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなる屈折率分布形状とすることで、第2レンズ群で発生した負の方向の色収差を良好に補正している。
レンズ群で発生した色収差をそのレンズ群内で補正すれば倍率色収差と軸上色収差を同時に補正することが容易となる。また、実施例1、2と同様に、屈折率分布レンズGR1は入射面と射出面が凹面の両凹レンズであり、入射面が射出面よりもきつい曲面としている。
図14は、屈折率分布レンズGR1の屈折率分布形状を示すグラフである。図14に示すように、屈折率分布レンズGR1は光軸から離れるに従って各波長(C線、d線、F線)の屈折率が高くなる屈折率分布としている。このとき、光軸近傍では、短波長側のF線よりも長波長側のC線の方が屈折率の変化量が大きくなるように構成しており、光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなるように構成している。
図15は、屈折率分布レンズGR1の屈折率の波長分散分布形状を示すグラフである。屈折率分布レンズGR1の光軸近傍では光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなり、途中に変曲点を持って、変曲点より周辺側は光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が大きくなるように構成している。
即ち、光軸を含む第1の領域においては光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなり、第1の領域よりも光軸から離れた第2領域においては光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が大きくなる波長分散分布としている。
これにより、光軸からの距離に応じてレンズの厚みが大きく変化するレンズに波長分散分布を形成しても、過補正を防止して色収差を良好に補正することができる。特に、光軸上のレンズ厚に対して周辺部のレンズ厚の比が2倍よりも大きい場合に有効である。
図16は、屈折率分布レンズGR1の屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を示すグラフである。光軸上では屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を正としており、正の方向の色収差を発生させて第2レンズ群G2で発生する負の方向の色収差を補正している。
光軸から離れるに従って、屈折率分布による単位厚み当たりのF線のパワーのC線のパワーに対する差を徐々に小さくしており、屈折率分布レンズGR1の凹レンズ形状による肉厚変化の影響を補正して高精度に色収差を補正している。
言い換えると、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸上において負であって、且つ前記微分値が光軸から離れるに従って増加し、光軸上から周辺部の間で正に変わる波長分散分布である。
本実施例においても、屈折率分布レンズGR1は、屈折率分布による単位厚み当たりのパワーの波長による微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布を有する。
本実施例のように、複数のレンズから成るレンズ群に屈折率分布型レンズを配置した場合は、他のレンズとの間で色収差の補正量を調整することにより、変曲点を持つ波長分散分布形状とすることができ、波長分散分布の変化量を小さく抑えることができる。
これにより、光軸からの距離に応じてレンズの厚みが大きく変化するレンズに波長分散分布を形成しても、色収差を良好に補正することができる。
図17は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端の縦収差図を示している。同図に示すように、どのズーム位置においても、色の球面収差を抑えつつ、軸上色収差を良好に補正していることが分かる。
図18は、本実施例のズームレンズにおける広角端、中間域、望遠端の横収差図を示している。同図に示すように、各像高において、色の像面湾曲を抑えつつ、倍率色収差を良好に補正している。これによって、第2レンズ群G2で発生する負の方向の色収差を良好に補正することができる。
広角端では、倍率色収差と色の像面湾曲を両立させることができ、望遠端では軸上色収差と色の球面収差を両立させることができる。このような高精度な色収差補正が可能となる。また、実施例1、2と同様に屈折率分布レンズGR1の入射面を凹面としている。
(表3)
光学構成
構成 面番号 面形状 曲率半径 面間隔 屈折率 Nd アッベ数 Vd
第1レンズ群 1 球面 27.3030 0.800 1.84666 23.7
2 球面 19.8485 4.180 1.49700 81.5
3 球面 -158.5394 0.150 Air
4 球面 25.4611 2.300 1.72916 54.6
5 球面 55.1451 可変 d5 Air
第2レンズ群 6 非球面 78.3435 1.000 1.80610 40.9
7 非球面 5.7066 3.368 Air
8 球面 -7.2135 0.600 GR1
9 球面 19.2767 0.200 Air
10 球面 14.6744 1.430 1.75520 27.5
11 球面 -15.5007 可変 d11 Air
開口絞り 12 球面 平面 0.300 Air
第3レンズ群 13 球面 5.0395 1.889 1.48749 70.2
14 球面 -117.7095 1.375 Air
15 非球面 9.0035 1.535 1.80610 40.9
16 球面 -71.7095 0.600 1.84666 23.7
17 球面 5.9521 可変 d17 Air
第4レンズ群 18 球面 8.3588 1.400 1.48749 70.2
19 球面 10.8594 可変 d19 Air
第5レンズ群 20 非球面 5.1976 1.124 1.51760 63.5
21 球面 8.2241 可変 d21 Air
フィルター 22 球面 平面 0.780 1.51680 64.1
23 球面 平面 0.100 Air
像面 24 球面 平面

可変面間隔
面間隔番号 広角端 中間域 望遠端
d5 0.100 9.495 15.304
d11 15.692 5.955 0.100
d17 0.167 0.208 13.417
d19 6.571 7.975 4.087
d21 1.340 3.714 3.962

材料
材料名称 屈折率分布係数 波長
C線:656.27nm d線:587.56nm F線:486.13nm
GR1 N00 1.69297 1.69680 1.70552
N10 0.8854E-03 0.8354E-03 0.7228E-03
N20 0.5161E-04 0.5539E-04 0.6554E-04

非球面形状
面番号 K A B C D
6 0.0000 -1.2721E-04 1.3401E-05 -2.5030E-07 1.7497E-09
7 0.0000 -3.4484E-04 4.4490E-06 8.0874E-07 1.1279E-09
15 0.0000 -1.1883E-03 -3.1269E-05 -4.8227E-06 3.5968E-08
20 0.0000 -2.0069E-04 -2.7381E-05 1.6494E-06 -5.5142E-08
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明のズームレンズは、カメラなどの撮像装置やプロジェクタ等の投射装置などの光学機器に適用可能である。
G1、G2、G3、G4、G5…レンズ群、GR1、GR2…屈折率分布レンズ、AP…開口絞り

Claims (4)

  1. 開口絞りと、当該開口絞りの光入射側に配置された負のレンズ群を含む複数のレンズ群と、を備え、前記複数のレンズ群の間隔を変化させることによって焦点距離を可変にするズームレンズであって、
    前記負のレンズ群は、光入射側の面が凹面でラジアル型の屈折率分布を有する負レンズを有し、
    前記負レンズは、次式で表される微分値が前記ズームレンズの光軸上で負であって、かつ前記微分値が光軸から離れるに従って増加する波長分散分布を有することを特徴とするズームレンズ。

    ここで、値Δ∂φN,FC/ΔλFCは前記微分値、λはF線の波長、λはC線の波長、rは前記負レンズの半径方向における前記光軸からの距離、N10,F、N20,F、N30,F、N40,Fは次式で与えられるF線に対する前記ラジアル型の屈折率分布の冪級数係数であり、N10,C、N20,C、N30,C、N40,Cは次式で与えられるC線に対する前記ラジアル型の屈折率分布の冪級数係数である。

    ここで、N00,FはF線に対する前記負レンズの光軸上の屈折率、N00,CはC線に対する前記負レンズの光軸上の屈折率、N(r)はF線に対する前記ラジアル型の屈折率分布、N(r)はC線に対する前記ラジアル型の屈折率分布である。
  2. 前記負レンズは、光軸から離れるに従って屈折率が減少する屈折率分布形状を有することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  3. 前記波長分散分布は、前記負レンズの光軸を含む第1の領域においては前記光軸から離れるに従って屈折率の波長分散が小さくなり、前記第1の領域よりも前記光軸から離れた第2領域においては前記光軸から離れるに従って前記屈折率の波長分散が大きくなることを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のズームレンズを有することを特徴とする光学機器。
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