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JP2012213507A - 医療機器 - Google Patents

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JP2012213507A
JP2012213507A JP2011080573A JP2011080573A JP2012213507A JP 2012213507 A JP2012213507 A JP 2012213507A JP 2011080573 A JP2011080573 A JP 2011080573A JP 2011080573 A JP2011080573 A JP 2011080573A JP 2012213507 A JP2012213507 A JP 2012213507A
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Shinichi Ishizawa
真一 石澤
Hayao Tanaka
速雄 田中
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】剛性の異なるコイル同士の連結部分の曲げ剛性を連続的にすることが可能なカテーテル等の医療機器を提供する。
【解決手段】医療機器として、たとえば、カテーテル100を、内部にメインルーメン20を有する内層11と、内層11の外周に配置され、共に線材料31、41を巻回して形成された第一コイル30および第二コイル40とが連結部60を介して連結されたコイル層と、コイル層を含む内層11を被覆する外層12と、外層12を被覆する被覆層150を有する長尺の管状本体10とを備えて構成する。第一コイル30は、連結部60側に、第一コイル30側の管状本体10aの曲げ剛性と、これより大きい第二コイル40側の管状本体10bの曲げ剛性との中間の曲げ剛性を有する中間剛性領域61を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、医療機器および医療機器に関する。特に、体腔内に挿入するカテーテル等に適した医療機器に関する。
近年、先端部(以下「遠位端部」と呼ぶ)を屈曲させることにより体腔への進入方向が操作可能な各種医療機器が提供されている。その代表例として、たとえば、カテーテルが知られている。このカテーテルは、たとえば、遠位端部は血管等の湾曲した体腔内を進入可能なように、柔軟な屈曲性を持たせ、手元の操作部側の部位(以下「近位端部」と呼ぶ)は、耐キンク性やトルク伝達性を向上させるため、剛性を持たせるように構成されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−275200号公報
特許文献1に記載の発明では、遠位端部には患部にカテーテルを導くためのガイド部材が設けられ、このガイド部材に連続して、超音波を送受信するプローブ部が連結され、プローブ部に連続して、長尺なチューブ、次いで手元操作部が連結されている。ガイド部およびプローブ部は、コイル状部材により形成され、プローブ部の外径が、コイルの線材料の直径およびコイルの外径よりも大径に形成されている。このガイド部とこれよりも大径なプローブ部との連結性を高めるため、ガイド部材のプローブ部側のコイルに直径の大径な線材料を用いてコイルを大径に形成している。そして、この大径部分とプローブ部とを接着剤で接着している。したがって、ガイド部材には、小径部分と大径部分が存在し、段差が存在している。
一方、チューブは長尺で可撓性を有する管であり、内管の外周に、コイル状補強部材が配置されている。さらに、コイル状補強部材の近位端部の外周に、パイプ状補強部材が配置され、その近位端部に、さらにパイプ状の耐キンクプロテクタが配置されている。したがって、チューブの剛性等の機械的特性を、次第に変化させられるという利点があった。
特許文献1に記載の発明は、以上のような構成となっているため、前述したように、ガイド部材に段差が存在するとともに、チューブにもコイル状補強部材の先端部分、パイプ状補強部材の先端部分、耐キンクプロテクタの先端部分に段差が存在する。さらに、パイプを重ねて行くため、チューブの外径が近位端部側に向かって徐々に大径となっている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の発明では、以下のような問題が生じる。すなわち、部位によって剛性が異なるため、剛性が変化する段差部分での耐キンク性が不安定で、チューブの屈曲時に折れ曲がってしまうことがある、ガイド部やチューブの外周の段差が体腔内の内壁に接触する、段差部分で円滑に屈曲させることが困難である、といった問題が考えられる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、剛性の異なる部材同士の連結部分の曲げ剛性を連続的にすることが可能な医療機器を提供するものである。
本発明の医療機器は、体腔内に挿入して用いられ、可撓性を有する長尺の管状本体を有する医療機器であって、管状本体が、共に線材料を巻回して形成された第一コイルと第二コイルとが、連結部を介して連結されて形成されたコイル層と、を有し、第二コイルは、第一コイルよりも曲げ剛性が大きく、第一コイルは、連結部側に、当該第一コイルと第二コイルとの中間の曲げ剛性を有する中間剛性領域が形成されていることを特徴とする。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、管状本体は、コイル層の外周に、熱可塑性の樹脂材料からなる被覆層を、さらに有し、第一コイル側と第二コイル側とは、第一樹脂材料により被覆され、中間剛性領域は、第一樹脂材料よりも硬い第二樹脂材料により被覆されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、管状本体の被覆層は、硬さの異なる第一樹脂材料と、第二樹脂材料とが、互いに融着されて、当該被覆層が一体形成されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、中間剛性領域に形成された被覆層が、連結部を介して、第二コイル側に亘って配置されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第二コイル側に亘って配置された中間剛性領域に形成された被覆層は、第一コイル側に対する第二コイル側の長尺方向の長さの比が、1/2以下であってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第二コイルに亘って配置された中間剛性領域を被覆する被覆層は、第二コイル側が径方向に薄肉化されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、中間剛性領域が、第一コイルの連結部側の外周に、線材料を第一コイルの巻回方向とは異なる方向に巻回して形成された第三コイルを配置することにより形成されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第三コイルの外径は、第二コイルの外径と略同一であってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第一コイルは、隣接する巻き同士がスポット溶接され、第一コイルの連結部側が、その遠位端部よりスポット溶接の数密度が高く形成され、中間剛性領域は、このスポット溶接の数密度が高く形成された第一コイルの一部により形成されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第一コイルは、連結部側の巻回ピッチを、その遠位端部の巻回ピッチより大きい巻回ピッチで形成され、中間剛性領域は、この大きい巻回ピッチで巻回形成された第一コイルの一部により形成されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、連結部は、第一コイルと第二コイルとの互いの当接側の端部が、それぞれ溶融されることで端面が形成され、互いの前記端面が溶融接合されることにより形成されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、第一コイルと第二コイルとの互いの端面は、周方向にレーザ溶接、周方向抵抗溶接もしくは加熱、または、はんだ付けすることにより接合されているものであってもよい。
また本発明の医療機器においては、より具体的な実施の態様として、管状本体は、1つまたは複数のサブルーメンを、さらに有し、サブルーメンは、内部に摺動可能に操作線が挿通され、操作線の近位端部を牽引することにより、管状本体の遠位端が屈曲するものであってもよい。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
本発明によれば、剛性の異なるコイル同士の連結部分の曲げ剛性を連続的にすることが可能な医療機器を提供することができる。その結果、たとえば、血管選択性等、所望の方向への屈曲性に優れ、耐キンク性にも優れたカテーテル等の医療機器を提供することができる。
本発明の第一実施形態のカテーテルの第一コイルと第二コイルとの連結部付近の縦断面模式図であり、第一コイルの外周と第二コイルの外周に同一硬さの第一樹脂材料を配置し、第一コイルの連結部側に、第一樹脂材料よりも硬い、中間剛性領域形成用の第二樹脂材料を配置した状態を示す模式図である。 第一実施形態のカテーテルにおいて、加熱により第一樹脂材料と第二樹脂材料を一体化するとともに、中間剛性領域を形成した状態を示す縦断面模式図である。 第二実施形態のカテーテルの第一コイルと第二コイルとの連結部付近の縦断面模式図である。 第三実施形態のカテーテルの第一コイルと第二コイルとの連結部付近の縦断面模式図である。 第四実施形態のカテーテルの第一コイルと第二コイルとの連結部付近の縦断面模式図である。 第五実施形態のカテーテルの第一コイルと第二コイルとの連結部付近の縦断面模式図である。 第一実施形態に係るカテーテルの全体を示す側面図と、当該カテーテルの遠位端部の屈曲例を示す側面図であって、(a)はカテーテルを屈曲する前の全体を示す側面図であり、(b)はスライダを操作して遠位端部を上方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(c)はスライダを操作して遠位端部を(b)よりも大きな曲率で上方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(d)はスライダを操作して遠位端部を下方に屈曲させた状態を示す側面図であり、(e)はスライダを操作して遠位端部を(d)よりも大きな曲率で下方に屈曲させた状態を示す側面図である。 第一実施形態のカテーテルの使用状態を説明する模式図であり、(a)は血管内に挿通されたカテーテルの遠位端部が、血管の分岐部に到達した状態を示す模式図であり、(b)はカテーテルの遠位端部の曲率が、血管枝の分岐角度に適合していない状態でカテーテルを進入させた状態を示す模式図であり、(c)は第一操作線を牽引して血管枝の分岐角度に適合するような曲率で遠位端部を屈曲させて当該血管枝に進入させた状態を示す模式図であり、(d)は第二操作線を牽引して(c)とは異なる方向に分岐する血管枝の分岐方向に適合するような曲率で遠位端部を屈曲させて当該血管枝に進入させた状態を示す模式図である。
以下、本発明の医療機器をカテーテルに適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
<第一実施形態>
〔構成例〕
はじめに、本実施形態のカテーテルの構成の概要について説明する。図1に示すように、本実施形態のカテーテル100は、内部にメインルーメン20を有する内層11(後述の第一コイル30側は内層11a、第二コイル40側は内層11bとする)と、内層11の外周表面に配置されたコイル層としての第一コイル30および第二コイル40と、少なくとも第一コイル30、第二コイル40を含む内層11を被覆する外層12(第一コイル30側は外層12a、第二コイル40側は外層12bとする)と、被覆層150と、を有する長尺の管状本体(以下、「シース10」と呼ぶ)を備えて構成されている。なお、シース10は、第一コイル30が配置された側をシース10aとし、第二コイル40が配置された側をシース10bとする。
本実施形態のカテーテル100のコイル層である第一コイル30と第二コイル40とは、共に線材料31、41を巻回して形成され、第一コイル30と第二コイル40とが、連結部60を介して連結されて形成されている。また、第一コイル30は、図1、図2に示すように、連結部60側に、第一コイル30側のシース10aの曲げ剛性と、第一コイル30側の当該シース10aの曲げ剛性よりも、硬い曲げ剛性を有する第二コイル40側のシース10bの当該曲げ剛性との中間の曲げ剛性を有する中間剛性領域61が形成されている。
なお、本実施形態では、図示はしないが、カテーテル100の遠位端DE(DEはシース10の遠位端も兼ねる)の位置を識別するためのマーカを有し、さらに、図1のメインルーメン20よりも小径で、当該メインルーメン20の周囲に、180度の角度間隔を介して配置された一対のサブルーメン80(第一サブルーメン80a、第二サブルーメン80b)と、先端がシース10の遠位端DEに固定され、サブルーメン80(80a、80b)内にそれぞれ摺動可能に挿通された操作線70(第一操作線70a、第二操作線70b)と、を有している(図7、図8参照)。サブルーメン80はカテーテル100の長手方向(図7における左右方向)に沿って設けられ、図示はしないが、少なくともシース10の近位端PE側が開口している。サブルーメン80(80a、80b)に挿通された各操作線70(70a、70b)は、近位端部72を牽引することによりカテーテル100の遠位端部15が屈曲する(図7参照)。また、本実施形態のカテーテル100は、牽引する操作線70(70a、70b)の選択により、屈曲する遠位端部15の曲率と方向とが複数通りに変化する。
ここで、操作線70(70a、70b)を挿通するサブルーメン80(80a、80b)をメインルーメン20と離間して設けることにより、メインルーメン20を通じて薬剤等を供給したり光学系を挿通したりする際に、これらがサブルーメン80(80a、80b)に脱漏することがない。そして、本実施形態のようにサブルーメン80(80a、80b)をコイル層の第一コイル30と第二コイル40との外部に設けることにより、シース10内を摺動する操作線70(70a、70b)に対して、第一コイル30と第二コイル40との内部、すなわちメインルーメン20が保護される。このため、かりに操作線70(70a、70b)がカテーテル100の遠位端部15から外れたとしても、操作線70(70a、70b)がメインルーメン20の周壁を開裂してしまうことがない。
また、本実施形態のカテーテル100においては、連結部60は、第一コイル30と第二コイル40との互いの当接側の端部を、それぞれ溶融して端面110a、110bを形成している。そして、互いの端面32、42を溶融接合することにより、第一コイル30と第二コイル40とを連結部60を介して連結している。なお、第一コイル30と第二コイル40との互いの端面32、42は、周方向にレーザ溶接することにより連結部60を形成することで連結している。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、周方向に抵抗溶接または加熱することにより接合してもよいし、はんだ付けすることにより接合してもよい。また、端面110a、110bを形成することなく、上記手段や接着材で接着する等で第一コイル30と第二コイル40を連結してもよい。
また、本実施形態のカテーテル100のシース10は、外層12の外周に、熱可塑性の第一樹脂材料50(第一コイル30側は第一樹脂材料50a、第二コイル40側は第一樹脂材料50b)と、当該第一樹脂材料50よりも硬い第二樹脂材料51からなる被覆層150を、さらに有している。この被覆層150は、第一コイル30の遠位端DE側のシース10aと第二コイル40側のシース10bとの外周に、第一樹脂材料50を配置し、第一コイル30の連結部60に、第一樹脂材料50よりも硬い第二樹脂材料51を配置している。この第二樹脂材料51が配置された部分が中間剛性領域61となる。
そして、図2に示すように、第一コイル30および第二コイル40を被覆する第一樹脂材料50(50a、50b)と、中間剛性領域61を被覆する第二樹脂材料51とが、加熱炉内等で加熱されることにより、互いが融着されて被覆層150が一体形成される。これにより、中間剛性領域61を有するシース10が形成される。この加熱の手段は、特に限定されず、従来公知のいずれの手段を用いてもよい。なお、体腔内の体液との親水性を向上させるため、図示はしないが、被覆層150の外周に、さらにコート層を設けてもよい。また、被覆層150をコート層として併用してもよい。
このように、互いに剛性の異なる第一コイル30と第二コイル40との間に、これらの中間の剛性を有する中間剛性領域61を介在することにより、シース10全体の剛性を連続的なものとすることができる。また、端面110a、110bを融着した連結部60の耐キンク性が向上し、カテーテル100が屈曲した際に、連結部60においてカテーテル100が折れ曲がって復元しない、メインルーメン20が閉塞する、等を良好に防止することができる。その結果、遠位端部15の自在な屈曲が可能となり、血管選択性に優れたカテーテル100を得ることができる。さらに、また、剛性が連続的となることから、トルク伝達の遅れが防止され、トルク伝達性が向上し、カテーテル100の回転をも円滑に行って、所望の方向にカテーテル100を向けることができる。その結果、体腔内でのカテーテル100の円滑な進行や動作による血管選択性がより向上するとともに、体腔内壁への影響の少ない動作が可能となる。
また、図7に示すように、カテーテル100は、第一操作線70aおよび第二操作線70bを個別に牽引してカテーテル100の遠位端部15を屈曲させる操作部90が、カテーテル100の近位端部17に設けられている。また、遠位端部15と近位端部17との間を中間部16と呼ぶ。
操作部90は、カテーテル100の長手方向に延びる軸部91と、軸部91に対してカテーテル100の長手方向にそれぞれ進退するスライダ94(94a、94b)と、軸部91を軸回転するハンドル部92と、シース10が回転可能に挿通された把持部93とを備えている。また、シース10の近位端部17は、軸部91に固定されている。また、ハンドル部92と軸部91とは一体に構成されている。そして、把持部93とハンドル部92とを相対的に軸回転させることで、操作線70を含むシース10全体が軸部91とともにトルク回転する。
したがって、本実施形態の操作部90は、管状本体(シース10)の遠位端部15を回転操作する。なお、本実施形態においては、シース10をトルク回転させる回転操作部としてのハンドル部92と、シース10を屈曲させるための屈曲操作部としてのスライダ94とが一体に設けられている。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ハンドル部92とスライダ94とが別個に設けられていてもよい。
第一操作線70aの近位端72(72a)は、シース10の近位端部17から基端側に突出し、操作部90のスライダ94aに接続されている。また、第二操作線70bの近位端72(72b)も同様に、操作部90のスライダ94bに接続されている。そして、スライダ94aとスライダ94bを軸部91に対して個別に基端側にスライドさせることにより、これに接続された第一操作線70aまたは第二操作線70bが牽引され、シース10の遠位端部15に引張力が与えられる。これにより、牽引された当該操作線70の側に遠位端部15が屈曲する。
カテーテル100の遠位端部15には、図示はしないが、X線等の放射線が不透過な材料からなるリング状のマーカを設けてもよい。この場合、具体的には、マーカには白金などの金属材料を用いることができる。本実施形態のマーカは、メインルーメン20の周囲であって外層12の内部に設けられている。
操作線70(70a、70b)は、図示はしないが、先端がシース10の遠位端DEに固定されている。この操作線70(70a、70b)の先端をシース10の遠位端DEに固定する態様は特に限定されない。たとえば、操作線70(70a、70b)の先端をマーカに締結してもよく、シース10の遠位端DEに溶着してもよく、または接着剤によりマーカまたはシース10の遠位端DEに接着固定してもよい。
内層11(11a、11b)には、一例として、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料(樹脂材料111a、111b)を用いることができる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などを用いることができる。内層11にフッ素系樹脂を用いることにより、カテーテル100のシース10内のメインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。なお、内層11aと11bとは、内径が同一で、連結部60を含む全体でメインルーメン20が平滑となっている。
外層12(12a、12b)には熱可塑性ポリマー(樹脂材料112a、112b)が広く用いられる。一例として、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のほか、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)などを用いることができる。
第一コイル30を構成する線材料31、第二コイル40を構成する線材料41には、ステンレス鋼(SUS)やニッケルチタン合金などの金属細線のほか、PI、PAIまたはPETなどの高分子ファイバーの細線を用いることができる。また、各線材料31、41の断面形状は特に限定されず、丸線でも平線でもよい。
被覆層150は、本実施形態では、第一樹脂材料50(50a、50b)の樹脂材料よりも第二樹脂材料51が硬く、剛性の異なる第一コイル30側のシース10aと第二コイル40側のシース10bとの間に、双方の中間の剛性を有する中間剛性領域61が形成されるような樹脂材料を選択するのが好ましい。なお、これらの樹脂材料としては、ある程度柔軟性を持たせる必要があることから、たとえば、外層12と同様の熱可塑性ポリマーを用いることができる。具体的には、外層12と同様に、PI、PAI、PETのほか、PE、PA、ナイロンエラストマー、PU、EVA、PVCまたはPPなどを用いることができる。なお、第一樹脂材料50と第二樹脂材料51とは、同種の樹脂材料を用い、第二樹脂材料51の硬度を高くするのが好ましく、互いの融着を良好に行うことができる。たとえば、第一樹脂材料50として、低密度PEを用い、第二樹脂材料51として高密度PEを用いる、同一の樹脂材料を用いて、第二樹脂材料51にフィラーその他の添加剤等を添加して硬度を高くする、などの手段を用いてもよいし、他のいずれの公知技術を用いて硬度を変えてもよい。
コート層をさらに形成する場合、コート層の樹脂材料には、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性材料を用いることができる。また、コート層として被覆層150を併用する場合は、被覆層150の第一樹脂材料50または第二樹脂材料51に、これらの親水性材料を用いてもよい。
操作線70(70a、70b)を樹脂材料と共に押し出してサブルーメン80(80a、80b)に挿通する場合、操作線70(70a、70b)には、シース10を構成する樹脂材料の溶融温度以上の耐熱性が求められる。かかる操作線70の場合、具体的な材料としては、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PIもしくはPTFEなどの高分子ファイバー、または、SUS、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金などの金属線を用いることができる。一方、予め成形されたシース10のサブルーメン80に対して操作線70を挿通する場合など、操作線70に耐熱性が求められない場合は、上記各材料に加えて、PVDF、高密度ポリエチレン(HDPE)またはポリエステルなどを使用することもできる。
操作線70(第一操作線70aおよび第二操作線70b)をサブルーメン80(80a、80b)に挿通する方法は、種々をとることができる。予めサブルーメン80(80a、80b)が貫通して形成されたカテーテル100のシース10に対して、その一端側から操作線70を挿通してもよい。または、シース10の押出成形時に、樹脂材料と共に操作線70(70a、70b)を押し出して、サブルーメン80(80a、80b)の内部に挿通してもよい。
本実施形態のカテーテル100の代表的な寸法について説明する。メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層11(11a、11b)の厚さは10〜30μm程度、外層12(12a、12b)の厚さは、本実施形態のように、外層12と被覆層150とが別個に形成されている場合は、外層12(12a、12b)の厚さは30〜100μm程度、被覆層150の厚さは、50〜120μm程度、かつ、外層12と被覆層150とを合計した厚さが100〜150μm程度とすることができる。また、第一コイル30の厚さは20〜40μm、第二コイル40の厚さは40〜80μm、とすることができる。そして、カテーテル100の軸心からサブルーメン80の中心までの半径は300〜350μm程度、サブルーメン80の内径は40〜100μmとし、操作線70の太さを30〜60μmとすることができる。そして、カテーテル100の最外径を350〜450μm程度とすることができる。
なお、変形例として、被覆層150と外層12とを一体に形成する場合を想定する。すなわち、外層12を形成することなく、被覆層150を形成する第一樹脂材料樹脂材料50と、それより硬い第二樹脂材料51とを直接に第一コイル30と連結部60と第二コイル40の適切な位置に配置して、加熱することにより、中間剛性領域61が形成された被覆層150が形成される。この際に、溶融した第一、第二樹脂材料50、51が第二コイル30と第二コイル40の隣接する巻き間に入り込んで、外層の代わりにこれらを被覆するとともに、第一コイル30および第二コイル40と内層12との密着の安定性が向上し、内層12が第一コイル30や第二コイル40から容易に抜け出るようなことはない。この場合は、被覆層150の厚さは100〜150μm程度とすることができる。
すなわち、本実施形態のカテーテル100の外径は直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管に挿通可能である。また、本実施形態のカテーテル100に関しては、操作線70(70a、70b)の牽引により進行方向が自在に操作されるため、たとえば分岐する血管内においても所望の方向にカテーテル100を進入させることが可能である。
〔動作例〕
次に、本実施形態のカテーテル100の動作例について詳細に説明する。まず、本実施形態のカテーテル100において、操作線70(第一操作線70aまたは第二操作線70b)の近位端72(72aまたは72b)を牽引すると、カテーテル100の遠位端部15に引張力が与えられて、当該操作線70(第一操作線70aまたは第二操作線70b)が挿通されたサブルーメン80(サブルーメン80aまたはサブルーメン80b)の側に向かって遠位端部15の一部または全部が屈曲する。一方、操作線70の近位端72をカテーテル100に対して押し込んだ場合には、当該操作線70からカテーテル100の遠位端部15に対して押込力が実質的に与えられることはない。
なお、カテーテル100の遠位端部15とは、カテーテル100の遠位端DEを含む所定の長さ領域をいう。同様に、カテーテル100の近位端部17とは、カテーテル100の近位端CEを含む所定の長さ領域をいう。中間部16とは、遠位端部15と近位端部17との間の所定の長さ領域をいう。また、カテーテル100が屈曲するとは、カテーテル100の一部または全部が、湾曲または折れ曲がって曲がることをいう。また、PEは、シースの近位端(基端)をいう。
本実施形態のカテーテル100では、図7に示すように、操作線70(70a、70b)がそれぞれ挿通された一対(2本)のサブルーメン80(80a、80b)が、メインルーメン20の周方向に180度の角度間隔を介してシース10に配置されている。
なお、変形例として、操作線70(70a、70b)を挿通したサブルーメン80(80a、80b)を、180度間隔ではなく、たとえば、120度間隔などでシース10の周方向に配置形成してもよい。このようなカテーテル100では、牽引する操作線70を、第一操作線70aのみとするか、第二操作線70bのみとするか、または2本の操作線70a、70bを同時に牽引するかにより、屈曲する遠位端部15の曲率が複数通りに変化する。これにより、さまざまな角度に分岐する体腔に対してカテーテル100を自在に進入させることができる。また、操作線70を挿通したサブルーメン80を、3本以上シース10の周方向に等角度間隔、またはランダムに配置してもよい。この場合でも、いずれの操作線70を牽引するか、または、複数の操作線70を同時に牽引する、また、同時に牽引する際の牽引量を操作線70によって変える、等を行うことにより、カテーテル100の屈曲する遠位端部15の曲率や向きを複数通りに変化することができる。
本実施形態のカテーテル100は、二本の操作線70(第一操作線70aまたは第二操作線70b)の近位端部17をそれぞれ個別に牽引した場合、その牽引量によって遠位端部15の曲率(曲率半径)を変化させることができる。具体的には、図7(b)、(d)に示すように、第一または第二操作線70a、70bを少し牽引した場合、遠位端部15は小さな曲率(曲率半径は大きい)で屈曲する。これに対して、図7(c)、(e)に示すように、第一または第二操作線70a、70bをより長く牽引した場合、遠位端部15は大きな曲率(曲率半径は小さい)で屈曲する。
ここで、本実施形態のカテーテル100では、シース10の可撓性が、近位端PE側から遠位端DE側にむかって増大するよう形成するのが好ましい。すなわち、カテーテル100でいえば、長手方向に沿って遠位端部15、中間部16、および近位端部17に区画されており、近位端部17のシース10部分および中間部16は剛性が高く、遠位端部15は可撓性が高くなっている。ここで、カテーテル100の可撓性とは、径方向に単位荷重を付与した場合の曲がり易さをいう。
カテーテル100の可撓性を変化させるためには種々の方法をとることができる。たとえば、シース10の径をカテーテル100の近位端部17、中間部16、遠位端部15の順に細くしてもよい。または、第一コイル30の線材料31の巻回を広幅のピッチ巻きとし、柔軟性を高めて屈曲性に優れたものとし、第二コイル40は密巻きとし、体腔内にカテーテル100を押し込んでも潰れないような剛性を持たせて形成してもよい。また、このように剛性が異なる第一コイル30と第二コイル40とを連結しても、中間剛性領域61の存在により、剛性を連続的にすることができ、トルク伝達性に優れたカテーテル100とすることができる。
また、カテーテル100の近位端部17から中間部16の曲げ剛性を高くすることで、トルク伝達性を向上させることができる。本形態によれば、カテーテル100の近位端部17近傍における耐モーメント性を維持しつつ、中間部16を十分に屈曲変形させることができる。
そして、カテーテル100を遠位端部15において最も柔軟にすることにより、操作線70の牽引による遠位端部15の追従性が良好となり、遠位端部15を含む先端部を当該操作線70の側に容易に屈曲させることができる。一方、カテーテル100の自重に起因する曲げモーメントがもっとも負荷される近位端部17の剛性を高くすることにより、カテーテル100のコシを強くして形態安定性を保つことができる。このような場合でも、中間剛性領域61の存在により、剛性を連続的にすることができ、トルク伝達性に優れたカテーテル100とすることができる。
図8(a)〜(d)は、本実施形態のカテーテル100の使用状態を説明する模式図である。図8(a)は、血管200A内に挿通されたカテーテル100の遠位端部15が、血管200Aの分岐部201に至った状態を示している。ここで、分岐部201より血管枝203に向かって、図中の矢印の示す方向Xにカテーテル100を進行させることを試みる。そこで、図8(a)に示すように、カテーテル100における操作線70の1本(第一操作線70a)の近位端72(72a)を牽引して、遠位端部15を方向Xに屈曲させたとする。
しかし、第一操作線70aを牽引した場合、従来では、屈曲性を変化させるために曲げ剛性の異なるコイル等を連結した際に、この連結部を介してカテーテル100の曲げ剛性が急激に変化し、耐キンク性が低下して、図8(b)に示すように、血管200Aのコーナー部202で遠位端部15が二つ折りに折れ曲がってしまうことがある。かかる状態でカテーテル100を主管204に対して押し込むと、カテーテル100は主管204の延長線上にあたる方向Yに進行してしまう場合がある。ここで、血管枝203は、主管204に対して、上記曲率よりも小さな曲率で分岐しているとする。
そこで、本実施形態のカテーテル100では、中間剛性領域61を設けることで、剛性の異なる部材同士の連結部分の曲げ剛性を連続的にするよう構成している。そのため、屈曲を行っても、図8(b)のような折れ曲がりがない。そして、図8(c)に示すように、第一操作線70aの近位端72(72a)を適宜の牽引量で牽引することにより、小さな曲率にて遠位端部15を屈曲させることができる。これにより、図8(c)に示すように、遠位端部15を血管枝203に対して十分に深く挿通することにより、カテーテル100の全体をこれに追随して進入させることができる。そして、シース10の中間部16や近位端部17は、遠位端部15よりもリジッドに形成されているため、かりに中間部16や近位端部17がコーナー部202に接触したとしても、補強層としての第一コイル30と第二コイル40の存在により、カテーテル100が二つ折りに折れ曲がることはなく、耐キンク性にも優れる。
また、図8(d)に示すように、カテーテル100を、主管204から、血管枝203よりも大きな曲率で分岐する血管枝205に進入させる場合は、当該分岐方向にあわせた状態で第二操作線70bの近位端72bを牽引するとよい。これにより、カテーテル100の遠位端部15は大きな曲率で屈曲し、血管枝205に対して容易に進入させることができる。これにより、カテーテル100の全体の進行方向を、主管204の延在方向Yから、血管枝205の延在方向Zに変えることができる。そして、カテーテル100の遠位端部15を血管枝205に十分な深さで進入させることにより、中間部16よび近位端部17をこれに追随させてカテーテル100の全体を血管枝205に進入させることができる。
また、操作線70の何れか一本を牽引しても、遠位端部15を所望の曲率で屈曲させることができない場合、2本の操作線70a、70bを牽引して曲率を微調整してもよい。すなわち、図8の各図に示したように、カテーテル100を主管204から血管枝203や205に進入させる場合など、いずれの操作線70を個別に牽引しても所望の曲率が達成されない場合には、双方の操作線70a、70bを牽引して曲率を調整してもよい。
より具体的には、第一操作線70aおよび第二操作線70bがシース10の径方向に180度対向配置されている本実施形態のカテーテル100の場合、一本の操作線70のみを牽引した場合には、牽引した操作線70側にカテーテル100の遠位端部15が屈曲する。一方、二本の操作線70を共に牽引することにより、操作線70とは直交する方向に遠位端部15が屈曲する。そして、牽引量を調整することにより、遠位端部15を当該方向に所望の曲率で屈曲させることができる。なお、二本の操作線70を共に牽引した場合、操作線70とは直交する2方向(図7の紙面手前方向および奥方向)のいずれに屈曲するかが牽引状態や遠位端部15の状態によって異なる場合がある。そのため、現在の位置での操作線70a、70bのいずれをも牽引した方向とは異なる方向に屈曲する血管枝に、確実にカテーテル100を挿入させたい場合は、カテーテル100全体を周方向に回転させ、屈曲方向にいずれかの操作線70を対向させる。そして、対向させた側の操作線70を適切な牽引量で牽引することで、カテーテル100の遠位端部15を、目的の血管枝の曲率に対応するよう、屈曲させることができる。そして、カテーテル100全体を、目的の血管枝に良好に進入させることができる。
以上より、本実施形態では、さまざまな分岐角度で分岐する血管枝に対して本実施形態のカテーテル100を進入させることができる。また、さまざまな血管内でさまざまな方向にカテーテル100を回転させる場合、中間剛性領域61の存在により、シース10全体の曲げ剛性が、急激に変化することがなく、連続的な曲げ剛性とすることができる。そのため、トルク伝達性に優れ、カテーテル100のトルク制御性能が安定して、近位端部17から遠位端部15までのトルク伝達を円滑に行うことができ、所望の方向にカテーテル100の先端を向けて、所望の血管枝に進行させることができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。また、以下に、第二〜第五実施形態のカテーテル200、300、400、500について説明する。これらのカテーテル200〜400の基本構成は、中間剛性領域261、361、461の構成や形成手段が異なること以外は、第一実施形態の基本構成と同一である。したがって、同一部分の説明については省略し、第一実施形態と異なる部分について詳細に説明する。
また、第一〜第五実施形態は、カテーテル100、200、300、400、500について実施しているが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、ガイドワイヤ、内視鏡、超音波器具など、体腔内に挿入して使用する、他の長尺な医療機器にも適用することができる。
<第二実施形態>
〔構成例〕
次に、図3を用いて、第二実施形態のカテーテル200について説明する。第二実施形態のカテーテル200の基本構成は、第一実施形態のカテーテル100と、ほぼ同一の構成であり、メインルーメン220と、内部に当該メインルーメン220を有する内層211(第一コイル230側の内層211a、樹脂材料2111a、第二コイル240側の内層211b、樹脂材料2111b)と、内層211の外周表面に配置された第一コイル230および第二コイル240と、内層211を被覆する外層212(第一コイル230側の外層212a、樹脂材料2112a、第二コイル240側の外層212b、樹脂材料2112b)と、連結部260と、第一樹脂材料250(第一コイル230側の第一樹脂材料250a、第二コイル240側の第一樹脂材料250b)および、第二樹脂材料251からなる被覆層2150と、中間剛性領域261と、を有する長尺の管状本体であるシース210(第一コイル230側のシース210a、第二コイル240側のシース210b)を備えて構成されている。また、第二実施形態でも、マーカ、サブルーメン、操作線等を有していてもよい。第二実施形態のカテーテル200では、第一実施形態と同様に、第一コイル230の端面2110aと第二コイル240の端面2110bとを、レーザ等で融着することによって第一コイル230と第二コイル240とを連結部260を介して連結している。
また、中間剛性領域261を形成するための第二樹脂材料251が、第一コイル230の連結部260側だけでなく、第二コイル40に亘って配置されている。同様に、第一樹脂材料250aと第二樹脂材料251と第一樹脂材料250bとが、レーザ等で融着されて一体化し、第二樹脂材料251によって、中間剛性領域261が形成されている。
また、第二コイル240に亘って配置された第二樹脂材料251は、第一コイル230側に対する第二コイル240側と長尺方向の長さの比が、1/2以下であることが望ましい。このように第二コイル240側の第二樹脂材料251を、第一コイル230側の第二樹脂材料251の1/2以下とすることにより、中間剛性領域261を介して、第一コイル230側のシース210aの剛性と、第二コイル240側のシース210bの剛性との連続性を、良好なものとすることができる。なお、第一コイル230側に配置する第二樹脂材料251を、第二コイル240に配置する第二樹脂材料251の2倍を超えると、第一コイル230側のシース210aの剛性と、第二コイル240側のシース210bの剛性との連続性が低下することがあるため好ましくない。
また、本実施形態のように、第一コイル230よりも大径の第二コイル240に亘って第二樹脂材料251を配置することで、第二コイル240の連結部260側が厚肉となって、剛性の連続性が保持されない場合がある。このような場合、第二コイル240側の第二樹脂材料251を、径方向に薄肉化してもよい。これにより、剛性の連続性を向上できるとともに、連結部260部分の段差を少なくして、体腔内でのカテーテル200の進行を、より円滑に行うことができるとともに、内腔壁面への影響も少なくなる。なお、第二実施形態だけでなく、他の実施形態においても、剛性の不連続部分が生じる、段差が大きい、融着部分に凹凸が形成される、等の場合は当該部分を薄肉化することで、剛性の連続性や被覆層2150の外周の滑らかさを向上させることができる。
<第三実施形態>
〔構成例〕
次に、図4を用いて、第三実施形態のカテーテル300について説明する。第三実施形態のカテーテル300の基本構成は、第一実施形態のカテーテル100と、ほぼ同一の構成であり、内部にメインルーメン320を有する内層311(第一コイル330側の内層311a、樹脂材料3111a、第二コイル340側の内層311b、樹脂材料3111b)と、内層311の外周表面に配置された第一コイル330および第二コイル340と、内層311を被覆する外層312(第一コイル330側の外層312a、樹脂材料3112a、および第二コイル340側の外層312b、樹脂材料3112b)と、連結部360と、被覆層3150と、中間剛性領域361と、を有する長尺の管状本体であるシース310(第一コイル330側のシース310a、第二コイル340側のシース310b)を備えて構成されている。また、第三実施形態でも、マーカ、サブルーメン、操作線等を有していてもよい。第三実施形態のカテーテル300では、第一実施形態と同様に、第一コイル330の端面3110aと第二コイル340の端面3110bとを、レーザ等で融着することによって第一コイル330と第二コイル340とを連結部360を介して連結している。
なお、第三実施形態の被覆層3150は、1種類の樹脂材料(例えば第一樹脂材料350)から形成されている。そして、中間剛性領域361が、第一コイル330の連結部360側の外周に、線材料362を第一コイル330の巻回方向とは異なる方向に巻回して形成された、第三コイル363を配置することにより形成されている。このように、巻回方向の異なる第三コイル363を配置した部分が第一コイル330と第二コイル340との中間の剛性を有する中間剛性領域361が形成される。なお、第三コイル363の巻回方向を、第一コイル330の巻回方向と異なる方向としたことで、第一コイル330の隣接する巻き間内に、第三コイル363の巻きが入り込んで一体化するようなことがなく、中間剛性領域361の剛性が保持される。また、第三コイルの落下をも防止することができる。もし、同一方向に巻回した場合、第一コイル330の隣接する巻き間内に第三コイル363の巻きが入り込んで、中間剛性領域361の機能が損なわれる、製造時に第三コイル363が落下する場合がある、等があるため好ましくない。
なお、本実施形態のカテーテル300において、第一コイル330に積層した第三コイル363の外径が、第二コイル340の外径の直径と略同一となることが望ましい。このような構成により、シース310を被覆層3150で被覆した際に、中間剛性領域361と第二コイル340との段差が解消され、連結部360の体腔内への影響を、より少なくすることができる。また、剛性の連続性も、より向上させることができる。また、第三コイル363を形成する線材料362は、第一実施形態で上述したような第一コイル30の線材料31および第二コイル40の線材料31と、同様の材料を用いて形成することができる。
<第四実施形態>
〔構成例〕
次に、図5を用いて、第四実施形態のカテーテル400について説明する。第四実施形態のカテーテル400の基本構成は、第一実施形態のカテーテル100と、ほぼ同一の構成であり、内部にメインルーメン420を有する内層411(第一コイル430側の内層411a、樹脂材料4111a、第二コイル440側の内層411b、樹脂材料4111b)と、内層411の外周表面に配置された第一コイル430および第二コイル440と、内層411を被覆する外層412(第一コイル430側の外層412a、樹脂材料4112a、および第二コイル440側の外層412b、樹脂材料4112b)と、連結部460と、被覆層4150と、中間剛性領域461と、を有する長尺の管状本体であるシース410(第一コイル430側のシース410a、第二コイル440側のシース410b)を備えて構成されている。また、第四実施形態でも、マーカ、サブルーメン、操作線等を有していてもよい。第四実施形態のカテーテル400では、第一実施形態と同様に、第一コイル430の端面4110aと第二コイル440の端面4110bとを、レーザ等で融着することによって第一コイル430と第二コイル440とを連結部460を介して連結している。
第一コイル430は、一条巻きの密巻きであってもよいが、本実施形態では、複数本の線材料431を用いた多条巻きの密巻きコイルを第一コイル430として使用している。そして、第一コイル430の隣接する巻き同士をスポット溶接することで点状の溶接部423を形成している。このようにスポット溶接を行うことにより、第一コイル430の隣接する巻き同士が連結し、剛性が向上する。その中で、第一コイルの遠位端部15よりも連結部460側の所定領域を、溶接部423の密度が高くなるようスポット溶接している。この溶接部423の密度が高い部分を中間剛性領域461としている。また、剛性が均等となるよう、中間剛性領域461では、螺旋状に溶接部423が配置されている。このように中間剛性領域461の溶接部423を多く形成することにより、第一コイル430部分よりも剛性が高くなる。すなわち、第一コイル430と第二コイル440との中間の剛性を有することとなり、シース410aとシース410bとの剛性を連続的にすることができる。
<第五実施形態>
〔構成例〕
次に、図6を用いて、第五実施形態のカテーテル500について説明する。第五実施形態のカテーテル500の基本構成は、第一実施形態のカテーテル100と、ほぼ同一の構成であり、内部にメインルーメン520を有する内層511(第一コイル530側の内層511a、樹脂材料5111a、第二コイル540側の内層511b、樹脂材料5111b)と、内層511の外周表面に配置された第一コイル530および第二コイル540と、内層511を被覆する外層512(第一コイル530側の外層512a、樹脂材料5112a、および第二コイル540側の外層512b、樹脂材料5112b)と、連結部560と、被覆層5150と、中間剛性領域561と、を有する長尺の管状本体であるシース510(第一コイル530側のシース510a、第二コイル540側のシース510b)を備えて構成されている。また、第五実施形態でも、マーカ、サブルーメン、操作線等を有していてもよい。第五実施形態のカテーテル500では、第一実施形態と同様に、第一コイル530の端面5110aと第二コイル540の端面5110bとを、レーザ等で融着することによって第一コイル530と第二コイル540とを連結部560を介して連結している。
また、本実施形態のカテーテル500では、第一コイル530の連結部560側が、遠位端部15の巻回ピッチよりも大きい巻回ピッチで巻回形成されている。中間剛性領域561は、この大きい巻回ピッチで形成された第一コイル530の一部により形成されている。このように、大きい巻回ピッチ部分は、遠位端部15よりも曲げ剛性が硬くなるため、中間剛性領域561とするのに好適である。このように、中間剛性領域561を介在することにより、シース510aとシース510bとの剛性を連続的にすることができ、トルク伝達性を向上させることができる。
10、10a、10b、210、210a、210b、310、310a、310b、410、410a、410b、510、510a、510b 管状本体(シース)
30、230、330、430、530 第一コイル(コイル層)
31、231、331、431、531 線材料(第一コイル用)
40、240、340、440、540 第二コイル(コイル層)
41、241、341、441、541 線材料(第二コイル用)
50、50a、50b、250、250a、250b、350、450、550 第一樹脂材料
51、51a、51b、251、251a、251b、351、351a、351b、451、451a、451b、551、551a、551b 第二樹脂材料
60、260、360、460、560 連結部
61、261、361、461、561 中間剛性領域
70、70a、70b 操作線
72、72a、72b 近位端部(操作線)
80、80a、80b サブルーメン
100、200、300、400、500 カテーテル
110a、110b、2110a、2110b、3110a、3110b、4110a、4110b、5110a、5110b 端面
150、2150、3150、4150、5150 被覆層
362 線材料(第三コイル用)
363 第三コイル
DE 遠位端

Claims (13)

  1. 体腔内に挿入して用いられ、可撓性を有する長尺の管状本体を有する医療機器であって、
    前記管状本体が、
    共に線材料を巻回して形成された第一コイルと第二コイルとが、連結部を介して連結されて形成されたコイル層と、を有し、
    前記第二コイルは、前記第一コイルよりも曲げ剛性が大きく、
    前記第一コイルは、前記連結部側に、当該第一コイルと前記第二コイルとの中間の曲げ剛性を有する中間剛性領域が形成されていることを特徴とする医療機器。
  2. 前記管状本体は、前記コイル層の外周に、熱可塑性の樹脂材料からなる被覆層を、さらに有し、
    前記第一コイル側と前記第二コイル側とは、第一樹脂材料により被覆され、
    前記中間剛性領域は、前記第一樹脂材料よりも硬い第二樹脂材料により被覆されている請求項1に記載の医療機器。
  3. 前記管状本体の前記被覆層は、硬さの異なる前記第一樹脂材料と、前記第二樹脂材料とが、互いに融着されて、当該被覆層が一体形成されている請求項2に記載の医療機器。
  4. 前記中間剛性領域に形成された前記被覆層が、前記連結部を介して、前記第二コイル側に亘って配置されている請求項3に記載の医療機器。
  5. 前記第二コイル側に亘って配置された前記中間剛性領域に形成された前記被覆層は、前記第一コイル側に対する前記第二コイル側の長尺方向の長さの比が、1/2以下である請求項4に記載の医療機器。
  6. 前記第二コイルに亘って配置された前記中間剛性領域を被覆する前記被覆層は、前記第二コイル側が径方向に薄肉化されている請求項4または5に記載の医療機器。
  7. 前記中間剛性領域が、前記第一コイルの前記連結部側の外周に、
    線材料を前記第一コイルの巻回方向とは異なる方向に巻回して形成された第三コイルを配置することにより形成されている請求項1に記載の医療機器。
  8. 第三コイルの外径は、前記第二コイルの外径と略同一である請求項7に記載の医療機器。
  9. 前記第一コイルは、隣接する巻き同士がスポット溶接され、前記第一コイルの前記連結部側が、その遠位端部より前記スポット溶接の数密度が高く形成され、
    前記中間剛性領域は、このスポット溶接の数密度が高く形成された前記第一コイルの一部により形成されている請求項1に記載の医療機器。
  10. 前記第一コイルは、前記連結部側の巻回ピッチを、その遠位端部の巻回ピッチより大きい巻回ピッチで形成され、
    前記中間剛性領域は、この大きい巻回ピッチで巻回形成された前記第一コイルの一部により形成されている請求項1に記載の医療機器。
  11. 前記連結部は、前記第一コイルと前記第二コイルとの互いの当接側の端部が、それぞれ溶融されることで端面が形成され、互いの前記端面が溶融接合されることにより形成されている請求項1から10のいずれか一項に記載の医療機器。
  12. 前記第一コイルと前記第二コイルとの互いの前記端面は、周方向にレーザ溶接、周方向抵抗溶接もしくは加熱、または、はんだ付けすることにより接合されている請求項11に記載の医療機器。
  13. 前記管状本体は、
    1つまたは複数のサブルーメンを、さらに有し、
    前記サブルーメンは、内部に摺動可能に操作線が挿通され、
    前記操作線の近位端部を牽引することにより、前記管状本体の遠位端が屈曲する請求項1に記載の医療機器。
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