JP2012058506A - 光学材料と酸化スズ微粒子分散液及び酸化スズ微粒子分散塗料並びに光学材料の製造方法、高屈折率膜、帯電防止膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の光学材料は、酸化スズ微粒子を樹脂中に分散してなる光学材料であって、この酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であり、この酸化スズ微粒子の表面は、この酸化スズ微粒子の30質量%以下の表面処理材にて修飾されており、この酸化スズ微粒子の含有率は20質量%以上かつ80質量%以下である。
【選択図】なし
Description
また、これらのFPDに用いられる透明樹脂基材は、静電気が帯電し易く、したがって、この静電気のために埃が付着して表示面が汚染される等により、表示される画像が見難くなるという問題点も生じている。
そこで、FPDでは、これらの問題点を解消するために、画像表示部に反射防止効果や帯電防止効果を有する光学薄膜を設けることが行なわれている。
そこで、大型化への対応が容易、製造が容易、製造コストの低減が可能等の理由から、画像表示装置の画像表示部の表示面に帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムを貼着する技術が提案されている。
この帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムにおいては、反射防止機能を付与するために高屈折率膜と低屈折率膜とを組み合わせた積層膜を用いており、また、高屈折率膜を形成するために添加する高屈折率材料として酸化ジルコニウム(ジルコニア)や酸化チタン(チタニア)を使用している(特許文献1)。
一方、低屈折率膜の屈折率をより低下させる場合には、低屈折率材料である中空シリカ等の添加量をさらに増加させる必要があるが、中空シリカのさらなる増加は膜質の低下等を生じさせる上に、中空シリカが比較的高価であることから、やはり製造コストの上昇を避けることができない。
近年、帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムにおいては、低コスト化の要求が厳しく、十分対応しきれていない点があった。
また、酸化スズ微粒子が導電性を有していることから、帯電防止性をも付与することができる。
また、酸化スズ微粒子は、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン(チタニア)、中空シリカ等と比べて安価であるから、光学材料の製造コストを削減することができる。
したがって、この酸化スズ微粒子分散液を用いて酸化スズ微粒子分散塗料を作製すれば、酸化スズ微粒子の含有率が高く、かつ透明性が維持された酸化スズ微粒子分散塗料を容易かつ安価に得ることができる。
したがって、この酸化スズ微粒子分散塗料を用いて光学材料を作製すれば、透明性が維持されかつ高屈折率化された光学材料を容易かつ安価に得ることができる。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の光学材料は、酸化スズ微粒子を樹脂中に分散してなる光学材料であって、前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であり、前記酸化スズ微粒子の表面は、該酸化スズ微粒子の30質量%以下の表面処理材にて修飾されている。
この酸化スズの屈折率は、正方晶酸化ジルコニウム(屈折率2.15程度)や酸化チタン(屈折率2.5程度(アナターゼ)〜2.7程度(ルチル))と比べて若干低く、したがって、酸化スズを用いた光学材料の屈折率を、酸化ジルコニウムや酸化チタンを用いた光学材料の屈折率と同等の値とするためには、光学材料中の酸化スズの含有率を増加させる必要がある。
また、酸化スズ微粒子の分散粒子径を10nm以上かつ90nm以下に制御しているので、酸化スズ微粒子の含有率を80質量%まで高めても、光学材料が透明性を失うことがない。
ここで、酸化スズ微粒子の分散粒子径を90nm以下としたのは、分散粒子径を90nm以下と限定することで、レイリー散乱による透過光の損失を抑えることができるからである。
特に、分散粒子径が90nmを越えた粒子により発生するレイリー散乱は、散乱性が大きく、例えば、本実施形態の光学材料を用いて厚み数10μmの膜を形成した場合、レイリー散乱による透過光の損失が無視できなくなるので、好ましくない。
なお、後述するように、表面処理剤の使用量を減じたり、あるいは表面処理剤を使用しない場合においては、分散粒子径を10nm未満としても表面処理剤の使用量が過多となることはないが、この場合、光学材料の製造工程中に酸化スズ微粒子同士の(再)凝集が著しくなる虞があり、やはり分散粒子径を10nm未満とすることは好ましくない。
このように、酸化スズ微粒子の分散粒子径が10nm以上かつ90nm以下の範囲であれば、表面処理剤の使用量を酸化スズ微粒子に対して30質量%以下に制御することで、表面処理材の使用量を抑えつつ、樹脂に対して良好な親和性を得ることが可能となる。
この表面処理剤としては、有機ケイ素化合物であることが好ましく、この有機ケイ素化合物としては、シリコン系カップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
これらのシリコン系カップリング剤やシリコーンオイルは、1種のみを用いることもでき、2種以上を混合して用いることもできる。
ここで、表面処理剤の使用量を酸化スズ微粒子の5質量%以下とすると、樹脂との親和性は低下するものの、酸化スズ微粒子同士が表面にて直接接触する確率が高まるために、酸化スズ微粒子による導電パスが形成され易くなり、その結果、この酸化スズ微粒子を用いた光学材料が導電性を有することとなり、帯電防止性を付与することができる。
ただし、表面処理剤の使用量を減じた場合には、樹脂の成分として、酸化スズ微粒子が直接分散可能なものを選択する必要がある。その理由は、表面処理剤の使用量を減じた場合においても、光学材料中における酸化スズ微粒子の分散粒子径を10nm以上かつ90nm以下の範囲に収めなければ、レイリー散乱による透過光の損失を抑えることができず、光学材料の透明性が低下するからである。
このような硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
シリコーン樹脂は、硬化性オルガノポリシロキサン樹脂と硬化剤とからなるもので、硬化性オルガノポリシロキサン樹脂としては、例えば、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、ビニル基含有シリコーン樹脂、アミノ基含有シリコーン樹脂、メタクリル基含有シリコーン樹脂、カルボキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ基含有シリコーン樹脂、カルビノール基含有シリコーン樹脂、フェニル基含有シリコーン樹脂、オルガノハイドロジェンシリコーン樹脂、脂環式エポキシ基変性シリコーン樹脂、多環式炭化水素含有シリコーン樹脂、芳香環炭化水素含有シリコーン樹脂等、フェニルシルセスキオキサン樹脂等が挙げられる。
このような硬化性樹脂としては、硬化前の樹脂が、極性溶媒である水に溶解ないしは分散可能な樹脂を用いることが好ましい。水に可溶な樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)が代表例として挙げられるが、ビスフェノール系樹脂、アルキド樹脂、尿素/アルデヒド系樹脂等においても水溶性を有するものがあり、必要とする特性に応じて選択することが可能である。
なお、このような水に溶解ないしは分散可能な樹脂においても、熱硬化性、光(電磁波)硬化性、電子線硬化性を有することにより、硬化後の光学材料形成後は水溶性や水分散性を示さなくなることが好ましい。
一方、酸化スズ微粒子の含有率が80質量%を越えると、酸化スズ微粒子同士の隙間を充填しかつ酸化スズ微粒子同士を結合する樹脂の含有率が少なすぎてしまい、その結果、光学材料が崩れ易くなって形状保持を行うことが難しくなったり、あるいは、透明性が劣化する虞があるので、好ましくない。
このように、樹脂の種類及び酸化スズ微粒子の含有率を規定することにより、干渉むらがほとんど無く、十分な反射防止効果を有し、さらには帯電防止性も高い透明フィルムを得ることができる。
特に、本実施形態の光学材料は、導電性や帯電防止性を有することから、FPDの表示面に適用される帯電防止・反射防止膜付き透明フィルムとして、好適に使用することができる。
また、本実施形態の光学材料の形状は、バルク状、フィルム状、シート状等、用途に応じて適宜選択可能である。
本実施形態の酸化スズ微粒子分散液は、酸化スズ微粒子を分散媒中に分散してなる酸化スズ微粒子分散液であって、前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であり、前記酸化スズ微粒子の表面は、該酸化スズ微粒子の30質量%以下の表面処理材にて修飾されている。
この酸化スズの屈折率は、正方晶酸化ジルコニウム(屈折率2.15程度)や酸化チタン(屈折率2.5程度(アナターゼ)〜2.7程度(ルチル))と比べて若干低く、したがって、酸化スズを用いた光学材料の屈折率を、酸化ジルコニウムや酸化チタンを用いた光学材料の屈折率と同等の値とするためには、光学材料中の酸化スズの含有率を増加させる必要がある。
また、酸化スズ微粒子の分散粒子径を10nm以上かつ90nm以下に制御しているので、酸化スズ微粒子の含有率を80質量%まで高めても、得られた光学材料が透明性を失うことがない。
ここで、分散粒子径の範囲を10nm以上かつ90nm以下とした理由は、後述する光学材料の製造方法においては、この酸化スズ微粒子分散液と未硬化の樹脂とを混合分散して後述する本実施形態の塗料を得、さらに、この塗料から本実施形態の光学材料を得る際に、光学材料中の無機微粒子の分散粒子径を10nm以上かつ90nm以下に制御する必要があるからである。
また、分散粒子径の上限を90nmとした他の理由は、既に述べたように、本実施形態の酸化スズ微粒子分散液から得られた光学材料のレイリー散乱による透過光の損失を抑えるためである。
本実施形態の酸化スズ微粒子分散液における酸化スズ微粒子の分散粒子径を90nm以下としていることから、酸化スズ微粒子の含有率を高めても、分散液自体の透明性を維持することができる。
このように、分散粒子径が10nm以上かつ90nm以下の範囲であれば、表面処理剤の量を酸化スズ微粒子に対して30質量%以下に制御することで、表面処理材の使用量を抑えつつ、この酸化スズ微粒子分散液を用いて形成される光学材料に対して良好な特性を与えることが可能となる。
この表面処理剤としては、有機ケイ素化合物であることが好ましく、この有機ケイ素化合物としては、シリコン系カップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。なお、表面処理剤の種類は既述しているので、詳細は省略する。
導電性や帯電防止性を発現させるためには、表面処理剤の使用量を酸化スズ微粒子の1質量%以下とすることが好ましい。
未硬化の樹脂としては、樹脂の水溶液ないしは水分散液(エマルション)が挙げられる。
酸化スズ微粒子の含有率が1質量%未満では、この分散液を用いて本実施形態の光学材料を得ようとする場合をはじめとして、この分散液を使用する場合における添加量や使用量が多くなり、ハンドリング性が悪化したり、あるいは分散媒の除去に手間と時間を要する等の不具合が生じるからである。
また、含有率が80質量%を超えると、分散液の分散安定性が悪化し、酸化スズ微粒子の凝集が生じ易くなり、分散粒子径が90nmを超えてしまうという不具合が生じる虞があるので、好ましくない。
本実施形態の酸化スズ微粒子塗料は、本実施形態の酸化スズ微粒子分散液と未硬化の樹脂とを分散混合してなる酸化スズ微粒子分散塗料であって、該酸化スズ微粒子分散塗料中における前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下である。
また、酸化スズ微粒子分散液の分散媒に可溶性を有し、酸化スズ微粒子分散液と分散混合することで、溶解状態となるものであってもよい。
さらには、上述した本実施形態の酸化スズ微粒子分散液における分散媒と相溶性が高い溶媒に樹脂を分散させた、いわゆるエマルション状態のものでもよい。
なお、酸化スズ微粒子の分散粒子径を90nm以下としていることから、本実施形態の酸化スズ微粒子分散塗料においても、酸化スズ微粒子の含有率を高めても塗料自体の透明性を維持することができる。
さらに、表面処理剤の使用量を減じた場合においては、光学材料の製造工程中に酸化スズ微粒子同士の(再)凝集が著しくなる虞があるため、やはり分散粒子径を10nm未満とすることは好ましくない。
本実施形態の光学材料の製造方法は、本実施形態の酸化スズ微粒子分散塗料を硬化する方法である。
すなわち、本実施形態の酸化スズ微粒子分散液と未硬化の樹脂を分散混合して本実施形態の酸化スズ微粒子分散塗料を形成し、次いで、この塗料を硬化する方法である。
以下、この光学材料の製造方法について詳細に説明する。
ここで、混合、分散の方法は、各種ミルのほか、超音波の印加等の既存の方法を用いることができる。
ここで、分散液が未硬化の樹脂中に均一に混合されなかった場合、酸化スズ微粒子を樹脂中に均一に分散させることができないので、分散液に使用される分散媒は、未硬化の樹脂に対して相溶性が高いものを選択することが好ましい。
この酸化スズ微粒子分散液と未硬化の樹脂との混合比は、目的とする光学材料の屈折率や導電性(帯電防止性)、分散液中の酸化スズ微粒子の含有率や使用する樹脂の屈折率に因るので一概には言えないが、得られる光学材料の屈折率を1.6以上とするためには、概ね、光学材料中の酸化スズ微粒子の含有率を40重量%程度以上とすることが好ましい。
分散媒の蒸発は、この混合物を単純に静置させることで行っても良いが、無機微粒子と未硬化の樹脂とを混錬させながら行う方が、無機微粒子の凝集を防ぐことができ、分散媒の蒸発を促進させることができるので好ましい。
なお、分散媒の蒸発を急激に行うと、発生した分散媒の蒸気が樹脂中にて気泡となり、光学材料の透明性を低下させるので注意を要する。
なお、未硬化の樹脂の粘度が高い場合や酸化スズ微粒子の含有量が高い場合で、作製した塗料の粘度が高く、ハンドリングに問題が生じる場合には、分散媒を蒸発させずに残したり、あるいは新たに粘度調整用の溶媒を添加してもかまわない。
ここで、成形体に分散媒や溶媒が含まれている場合には、予め成形体を加熱する等により、含まれている分散媒や溶媒を揮発除去しておく。
硬化の方法としては、使用する樹脂に合わせて適宜選択すればよい。
例えば、熱硬化性樹脂であれば、加熱炉等を用いて、所定の温度にて所定時間、加熱すればよい。また、光(電磁波)硬化性樹脂であれば、可視光線や紫外線や赤外線等を所定の強度にて所定時間、照射すればよい。また、電子線硬化性樹脂であれば、電子線を所定の強度にて所定時間、照射すればよい。また、熱可塑性樹脂であれば、予め加熱軟化させた樹脂と上述した無機微粒子分散液を混合し、この分散液中の分散媒を除去後、冷却・硬化させればよい。
なお、いずれの場合においても、急激な硬化は透明性の低下を招くので好ましくない。
本実施形態の高屈折率膜は、本実施形態の光学材料を用いて形成されたもので、基材上に膜状に形成されたものである。
ここで、基材用の樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリシクロヘキシルメタクリレート等のポリアクリレート、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリエステル等が挙げられる。
また、その形状としては、平板、フィルム、シート等いずれであってもよく、目的に合わせて選択される。
さらに、基材の表面には、形成する高屈折率膜との密着性を改善するための表面処理を施しておいてもよい。
本実施形態の高屈折率膜は、本実施形態の光学材料を用いていることから透明性が高く、膜厚を10μm以上としても透明性が低下することがなく、良好な高屈折率膜を得ることができる。
ここで、この作製方法の概略を説明する。
まず、透明性を有する基材上に、本実施形態の酸化スズ微粒子分散塗料を塗布して、塗布膜を形成する。
塗布方法としては、特に限定されることはなく、例えば、グラビアコート法等のロールコート法、スピンコート法、デイップコート法、スプレーコート法、スライドコート法、バーコート法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ビードコーター法等の各種塗布方法が用いられる。
例えば、熱硬化性樹脂であれば、加熱炉や電気炉等を用いて、所定の温度にて所定時間、加熱すればよく、光(電磁波)硬化性樹脂であれば、可視光線や紫外線や赤外線等を所定の強度にて所定時間、照射すればよく、電子線硬化性樹脂であれば、電子線を所定の強度にて所定時間、照射すればよい。
また、熱可塑性樹脂であれば、予め加熱軟化させた樹脂と上述した無機微粒子分散液を混合し、この分散液中の分散媒を除去後、冷却・硬化させればよい。
このようにして、本実施形態の高屈折率膜を作製することができる。
本実施形態の帯電防止膜は、本実施形態の光学材料の内、表面処理剤の使用量を酸化スズ微粒子の5質量%以下とすることにより、酸化スズ微粒子の表面同士が直接接触する確率を高め、光学材料中に酸化スズ微粒子による導電パスを形成させたものを、基材上に膜状に形成したものである。
なお、本実施形態の帯電防止膜においては、酸化スズ微粒子による導電パスを形成させるために、酸化スズ微粒子の含有率を高める必要があるので、この帯電防止膜は、通常は高屈折率性も併せ持つ「高屈折率・帯電防止膜」となっている。したがって、本実施形態の帯電防止膜を低屈折率膜と組み合わせることにより、帯電防止機能と反射防止機能を併せ持つ帯電防止・反射防止膜を形成することができ、この帯電防止・反射防止膜は、FPDに好適に用いることができる。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
酸化スズ微粒子(住友大阪セメント製、1次粒子径10〜15nm)30gに、分散媒としてメチルエチルケトン67g、表面処理剤としてシランカップリング剤KBM−403(信越化学社製)3g(酸化スズ微粒子の全量に対して10質量%)を混合した後、ガラスビーズ150gを用いたビーズミルを使用し、3000rpmにて5時間、分散処理を行った。その後、ガラスビーズをフィルタ処理により分離し、酸化スズ微粒子分散液SM10を得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM10における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜120nmの範囲内であった。
得られた酸化スズ微粒子分散液SM10Rにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM10Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した。試料を光路長10mm、幅20mmのガラスセルに入れて測定した結果、ヘーズ値は6であった。
酸化スズ微粒子分散液SM10Rを20g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)21.9g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)1.5g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール56.6gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RPを得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RPにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RPを塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、実施例1の高屈折率膜SM10RFを得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
酸化スズ微粒子(住友大阪セメント製、1次粒子径10〜15nm)30gに、分散媒としてメチルエチルケトン61g、表面処理剤としてシランカップリング剤KBM−403(信越化学社製)9g(酸化スズ微粒子の全量に対して30質量%)を混合した後、ガラスビーズ150gを用いたビーズミルを使用し、3000rpmにて5時間、分散処理を行った。その後、ガラスビーズをフィルタ処理により分離し、酸化スズ微粒子分散液SM30を得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM30における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は20nm〜120nmの範囲内であった。
得られた酸化スズ微粒子分散液SM30Rにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM20Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した。試料を光路長10mm、幅20mmのガラスセルに入れて測定した結果、ヘーズ値は10であった。
酸化スズ微粒子分散液SM30Rを80g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)3.4g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)0.2g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール16.4gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM30RPを得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM20RPにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM30RPを塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、実施例2の高屈折率膜SM30RFを得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
酸化スズ微粒子(住友大阪セメント製、1次粒子径10〜15nm)30gに、分散媒としてアンモニア水(NH3:0.1mol/L)70gを混合した後、ガラスビーズ150gを用いたビーズミルを使用し、3000rpmにて5時間、分散処理を行った。その後、ガラスビーズをフィルタ処理により分離し、酸化スズ微粒子分散液SW1を得た。
この酸化スズ微粒子分散液SW1における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は20nm〜120nmの範囲内であった。なお、この酸化スズ微粒子分散液SW1においては、表面処理剤は使用していない。
得られた酸化スズ微粒子分散液SW1Rにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SW1Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した。試料を光路長10mm、幅20mmのガラスセルに入れて測定した結果、ヘーズ値は8であった。
酸化スズ微粒子分散液SW1Rを50g秤量し、これに未硬化の樹脂としてアクリルエマルジョンWE−308(大日本インキ化学(DIC)社製)30.3g、硬化剤としてポリイソシアネートDNW5000(DIC社製)1.4g(樹脂に対して10質量%)を加え、さらに水18.3gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SW1RPを得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SW1RPにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SW1RPを塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間熱処理して硬化させ、実施例3の高屈折率膜SW1RFを得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
実施例1と同様にして酸化スズ微粒子分散液SM10Rを得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM10Rの分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM10Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した結果、ヘーズ値は6であった。
この酸化スズ微粒子分散液SM10Rを10g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)25g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)1.7g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール63.3gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP2を得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP2における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP2を塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、実施例4の高屈折率膜SM10RF2を得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
実施例1と同様にして酸化スズ微粒子分散液SM10Rを得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM10Rの分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM10Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した結果、ヘーズ値は6であった。
この酸化スズ微粒子分散液SM10Rを90g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)0.009g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)0.001g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール9.99gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP3を得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP3における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM10RP3を塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、実施例5の高屈折率膜SM10RF3を得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
酸化スズ微粒子(住友大阪セメント製、1次粒子径90〜100nm)30gに、分散媒としてメチルエチルケトン64g、表面処理剤としてシランカップリング剤KBM−403(信越化学社製)6g(酸化スズ微粒子の全量に対して20質量%)を混合した後、ガラスビーズ150gを用いたビーズミルを使用し、3000rpmにて5時間、分散処理を行った。その後、ガラスビーズをフィルタ処理により分離し、酸化スズ微粒子分散液SM20Bを得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM20Bにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は20nm〜120nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM20Bのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した。試料を光路長10mm、幅20mmのガラスセルに入れて測定した結果、ヘーズ値は30であった。
この酸化スズ微粒子分散液SM20Bを20g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)21.9g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)1.5g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール56.6gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM20BPを得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM20BPにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は20nm〜120nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM20BPを塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、比較例1の高屈折率膜SM20BFを得た。
「酸化スズ分散液の調製及び評価」
酸化スズ微粒子(住友大阪セメント製、1次粒子径10〜15nm)30gに、分散媒としてメチルエチルケトン59.5g、表面処理剤としてシランカップリング剤KBM−403(信越化学社製)10.5g(酸化スズ微粒子の全量に対して35質量%)を混合した後、ガラスビーズ150gを用いたビーズミルを使用し、3000rpmにて5時間、分散処理を行った。その後、ガラスビーズをフィルタ処理により分離し、酸化スズ微粒子分散液SM35を得た。
この酸化スズ微粒子分散液SM35における酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は20nm〜120nmの範囲内であった。
得られた酸化スズ微粒子分散液SM35Rにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
また、酸化スズ微粒子分散液SM35Rのヘーズ値を、分光光度計(日本電色社製)を用いて測定した。試料を光路長10mm、幅20mmのガラスセルに入れて測定した結果、ヘーズ値は10であった。
酸化スズ微粒子分散液SM35Rを73g秤量し、これに未硬化の樹脂として6官能アクリル紫外線硬化樹脂DPHA(日本化薬社製)0.407g、光開始剤としてイルガキュア184(チバ・スペシャリティ社製)0.028g(樹脂に対して7質量%)を加え、さらにジアセトンアルコール26.565gを加えて全量を100gとし、その後分散混合し、酸化スズ微粒子分散塗料SM35RPを得た。
また、酸化スズ微粒子分散塗料SM35RPにおける酸化スズ微粒子の分散粒子径を、動的光散乱式粒子径分布測定装置(Malvern社製)を用いて測定した結果、分散粒子径は10nm〜90nmの範囲内であった。
膜形成用の基材としてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムT600E−50N(三菱ポリエステルフィルム社製)を使用し、この基材上にバーコート法を用いて、酸化スズ微粒子分散塗料SM35RPを塗工して塗布膜を形成し、塗布膜付き基材を得た。この塗布膜の厚みは、硬化後の膜厚が10μmになるように調整した。
次いで、この塗布膜付き基材を熱風乾燥炉に搬送し、100℃にて3分間乾燥した後、紫外線(積算光量700mJ/cm2)を照射して硬化させ、比較例2の高屈折率膜SM35RFを得た。
実施例1〜5及び比較例1〜2にて作製された各高屈折率膜について評価を行った。評価項目及び評価方法は、下記のとおりである。
高屈折率膜中に分散している酸化スズ微粒子の分散粒子径を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した。
高屈折率膜を基材毎100mm×100mmの大きさにカットし、分光光度計(日本電色社製)を用いて、膜の断面方向にてヘーズ値を測定した。
ここでは、測定値が高屈折率膜とPET基材との合計値となっているので、PET基材単体のヘーズ値を測定し、このPET基材単体のヘーズ値1.4と各測定値との差を、高屈折率膜のみのヘーズ値とした。
高屈折率膜を基材毎100mm×100mmの大きさにカットし、表面抵抗計ハイレスタIP(三菱化学社製)を用いて、表面抵抗の測定を行った。
ここでは、表面抵抗が1.0×1013(Ω/□)未満のものを帯電防止性能「あり」とし、表面抵抗が1.0×1013(Ω/□)以上のものを帯電防止性能「なし」とした。
日本工業規格JIS K 7142「プラスチックの屈折率測定方法」に準拠し、アッベ屈折率計により測定した。
(5)密着性
日本工業規格JIS K 5600−5−6「塗料−般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に準拠し、密着性の評価を行った。
実施例1〜5及び比較例1〜3各々の高屈折率膜の作製条件及び評価結果を表1に示す。
なお、実施例4、5は、酸化スズ微粒子の含有率が最適な範囲から外れているので、高屈折率は確保されているものの、膜質が実施例1〜3よりは劣っていた。
さらに、実施例1〜5の酸化スズ微粒子分散液及び酸化スズ微粒子分散塗料においては、酸化スズ微粒子の分散粒子経が10〜90nmの範囲内にあることから、これらを用いることにより、ヘーズ値が低く透明な膜を作製することができた。
これは、分散粒子径が20nm〜120nmであり、光散乱性が高い粒子径が90nmを越える粗大二次粒子を含んでおり、さらには二次粒子中に空隙が存在していることによる影響と考えられる。
これは、表面処理剤の量が酸化スズ微粒子に対して35質量%であることから、固形分中の酸化スズ微粒子の割合が75質量%であっても、高屈折率膜を形成するための樹脂量が不足しており、得られた膜内に空孔が形成されたためと考えられる。
さらに、高屈折率膜の基板に対する密着性も悪かったが、これは、樹脂の絶対量が不足したためと考えられる。
Claims (7)
- 酸化スズ微粒子を樹脂中に分散してなる光学材料であって、
前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であり、
前記酸化スズ微粒子の表面は、該酸化スズ微粒子の30質量%以下の表面処理材にて修飾されていることを特徴とする光学材料。 - 前記酸化スズ微粒子の含有率は、20質量%以上かつ80質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の光学材料。
- 酸化スズ微粒子を分散媒中に分散してなる酸化スズ微粒子分散液であって、
前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であり、
前記酸化スズ微粒子の表面は、該酸化スズ微粒子の30質量%以下の表面処理材にて修飾されていることを特徴とする酸化スズ微粒子分散液。 - 請求項3記載の酸化スズ微粒子分散液と未硬化の樹脂とを分散混合してなる酸化スズ微粒子分散塗料であって、
該酸化スズ微粒子分散塗料中における前記酸化スズ微粒子の分散粒子径は10nm以上かつ90nm以下であることを特徴とする酸化スズ微粒子分散塗料。 - 請求項4記載の酸化スズ微粒子分散塗料を硬化することを特徴とする光学材料の製造方法。
- 請求項1または2記載の光学材料を用いて形成されたことを特徴とする高屈折率膜。
- 請求項1または2記載の光学材料を用いて形成されたことを特徴とする帯電防止膜。
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