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JP2016071157A - 低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネル - Google Patents

低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネル Download PDF

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JP2016071157A
JP2016071157A JP2014200494A JP2014200494A JP2016071157A JP 2016071157 A JP2016071157 A JP 2016071157A JP 2014200494 A JP2014200494 A JP 2014200494A JP 2014200494 A JP2014200494 A JP 2014200494A JP 2016071157 A JP2016071157 A JP 2016071157A
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有紀 釘本
Arinori Kugimoto
有紀 釘本
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

【課題】裏面に特別なアンチブロッキング剤を成膜することなく、フィルムにアンチブロッキング性を付与することが可能な低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネルを提供する。【解決手段】本発明の低屈折率膜形成用組成物は、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなる。【選択図】なし

Description

本発明は、低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネルに関する。
反射防止部材、特に反射防止フィルムは、一般に、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、外光の反射によるコントラストの低下や像の写り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するように画像表示装置の最表面に配置される。
また、反射防止部材の1つであるインデックスマッチング(IM)(屈折率調整)フィルムは、静電容量式のタッチパネルを用いた携帯電話、携帯音楽端末等の各種モバイル機器に搭載されている。IMフィルムは、反射防止フィルムと同様に屈折率の異なる層を積層し、光の干渉を利用して透過率、色目を制御することで、導電性フィルムのパターン形状を見え難くして、視認性を向上させるために設けられている。
IMフィルムは、光学設計により様々の構成をなしているが、一般的に、高屈折率層と低屈折率層が積層された構成をなしている(例えば、特許文献1、2参照)。
IMフィルム用の低屈折率層は、膜厚5nm〜200nmの超薄膜が設けられることが多く、精密な成膜制御が必要となる。そのため、IMフィルム用の低屈折率層は、成膜が非常に難しい層の1つである。このような事情から、従来、低屈折率層は、コーターによるウェットコーティング法ではなく、スパッタリング等のドライ法によって設けられることが多かった。しかしながら、近年、コーティング技術の進歩により、超薄膜であっても、ウェットコーティング法で膜厚制御できるようになった。
ウェットコーティング法により、PETフィルム等の熱可塑性フィルムに、低屈折率膜等の光学調整層を形成する場合、製造工程で、ロール状に巻回ししたフィルム(ロールフィルム)を巻き出して成膜し、再び、そのフィルムを巻回して保存することがある。
光学調整層を形成したPETフィルム等の基材層上に、別の層状体を重ねた場合、層間に粘着力や化学的な力が働いて付着状態になる。そのため、各層状体を利用するときに、各層状体を剥がすための力が必要であったり、付着力が強くなって剥がすのが困難になったり、あるいは、無理やり剥がそうとすると、各層状体が破壊したりする等のブロッキングトラブルを生じることがある。また、このようなブロッキングトラブルを起こしやすい塗膜は、成膜後の巻回しの際に塗膜同士が引っ掛かり、上手く巻き取れず、ロールフィルムに局部的に応力が生じたり、フィルムがいびつに巻き取られて、フィルムに皺が発生したりする等の不具合を起こすことがある。
従来のドライ法によって形成された光学調整層は、層を構成する組成物中に有機成分を含んでおらず、無機成分のみで構成されているため、フィルムをロール状に巻回ししても、無機成分が粘弾性を有していないので、光学調整層とフィルムが付着状態になり難かった。しかし、ウェットコーティング法では、層を構成する組成物が、バインダーとして有機成分を含むことが多いため、その有機成分の粘弾性によって、光学調整層とフィルムの付着状態がより発生しやすくなる課題があった。また、ゾルゲル法によるコーティングにより、無機成分からなる低屈折率層を成膜する方法もある。この方法によれば、光学調整層とフィルムの付着状態を回避することができるものの、光学調整層は、下地の樹脂層(高屈折率層)に対する密着性が不良となる課題があった。
これまでに、光学調整層と基材を挟んで裏面にハードコート層を設け、そのハードコート層にシリコーン化合物を含有させて、フィルムの表面の滑り性を良くすることにより、アンチブロッキング性を向上する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。また、ハードコート層に、有機微粒子を混合して、ハードコート層の表面に凹凸を形成して、鏡面密着を防ぎ、アンチブロッキング性を向上する方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。さらに、ハードコート層に、無機微粒子を混合して、ハードコート層の表面に凹凸を形成して、鏡面密着を防ぎ、アンチブロッキング性を向上する方法が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2011−142089号公報 特開2011−136562号公報 特開2007−224234号公報 特開2007−238732号公報 特開2004−042653号公報
しかしながら、特許文献3の方法では、フィルムの巻き取り後に、ハードコート層の表面にシリコーン化合物が染み出してしまい、それが巻き取り裏面(光学調整層)に移ってしまい、後加工の成膜の際にハジキが発生する等の不具合が生じるという課題があった。
一方、特許文献4のように有機微粒子を用いる方法は、アンチブロッキング性に優れるものの、耐溶剤性に優れる架橋タイプの有機微粒子は製造コストが高く、高価であるという課題があった。また、特許文献5のように無機微粒子を用いる方法は、アンチブロッキング性に優れ、製造コストも抑えられるが、無機微粒子の屈折率や粒径によりヘーズが高くなってしまうという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、密着性を有し、裏面に特別なアンチブロッキング剤を成膜することなく、フィルムにアンチブロッキング性を付与することが可能な低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明は、低屈折率膜に、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物を重合させてなるガラス質の材料と、を含有させることにより、材料の粘弾性が有機材料のみで構成された場合よりも低くなるため、材料同士を接触させても、摩擦抵抗が大きくならず、密着性を有したままで低屈折率膜が設けられたフィルムのアンチブロッキング性を向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の低屈折率膜形成用組成物は、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなることを特徴とする。
本発明の低屈折率膜は、シロキサン結合を有する化合物およびアクリル樹脂を含有してなり、屈折率が1.37以上かつ1.51以下であり、膜面同士を接触させた場合の動摩擦係数と静摩擦係数が0.6以下であり、かつ表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする。
本発明の低屈折率膜付きフィルムは、基材フィルムの一主面上から順に、ハードコート膜と、低屈折率膜とが設けられてなる低屈折率膜付きフィルムであって、前記低屈折率膜が、本発明の低屈折率膜であり、前記低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする。
前記ハードコート膜と前記低屈折率膜との間に、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率膜を有することが好ましい。
本発明の低屈折率膜付きフィルムは、基材フィルムの一主面上から順に、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率ハードコート膜と、低屈折率膜とが設けられてなる低屈折率膜付きフィルムであって、前記低屈折率膜が、本発明の低屈折率膜であり、前記基材フィルムと前記高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値が0以上かつ0.48以下であり、前記低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする。
本発明のタッチパネルは、本発明の低屈折率膜および本発明の低屈折率膜付きフィルムの少なくともいずれか一方を備えてなることを特徴とする。
本発明の低屈折率膜形成用組成物によれば、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなるので、アンチブロッキング性と密着性に優れた低屈折率膜が得られる。
本発明の低屈折率膜は、シロキサン結合を有する化合物およびアクリル樹脂を含有しているので、基材フィルム上に設けた場合に、アンチブロッキング性と密着性に優れたフィルムが得られる。
本発明の低屈折率膜付きフィルムは、本発明の低屈折率膜を備えているので、アンチブロッキング性と密着性に優れている。
本発明のタッチパネルは、本発明の低屈折率膜および本発明の低屈折率膜付きフィルムの少なくともいずれか一方を備えているので、電極部分が見える現象を抑制することができる。
本発明の低屈折率膜形成用組成物、低屈折率膜および低屈折率膜付きフィルム並びにタッチパネルを実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[低屈折率膜形成用組成物]
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物は、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなる。
「シリコンアルコキシド」
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物に用いられるシリコンアルコキシドは下記式(I)で表わされる化合物またはその加水分解物の少なくとも1種である。
Si(OR2n (I)
(式中、R、Rはアルキル基であり、mは1〜4の整数、nは0〜3の整数であり、m+n=4である。)
このようなシリコンアルコキシドとしては、例えば、テトラアルコキシシラン系化合物、アルキルトリアルコキシシラン系化合物、ジアルキルジアルコキシシラン系化合物、その他の有機ケイ素化合物等が用いられ、好ましくは、これら化合物を加水分解して得られるシリカゾルが用いられる。これらは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。このようなシリコンアルコキシドを用いる理由は、シリカの屈折率nがn=1.45と低く、また、前記の化合物を加水分解して得られたシリカゾルで形成された低屈折率膜は、膜強度が強く、低屈折率膜に必要な耐久性に優れるからである。
シリコンアルコキシドの具体例としては、シリコン系カップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
シリコン系カップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシランメチルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシランカップリング剤、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシランカップリング剤、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクロキシシランカップリング剤、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシランカップリング剤、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が挙げられる。
これらの中でも、特に、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリロキシシランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリロキシシランカップリング剤およびγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランの群から選択される少なくとも1種を、シリコンアルコキシドの加水分解反応時に混合することにより、シリコンアルコキシドと、上記の架橋性化合物が硬化してなる樹脂との親和性が著しく向上し、密着性が増すので、低屈折率膜は高い膜強度を得ることができる。
「架橋性化合物」
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物に用いられる分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物としては、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有していれば特に限定されないが、反応性、透明性、耐候性、硬度等に優れた多官能アクリレートが望ましい。多官能アクリレートの具体例としては、例えば、(メタ)トリメチロールプロパントリアクリレート、(メタ)ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、(メタ)ペンタエリスリトールトリアクリレート、(メタ)ペンタエリスリトールテトラアクリレート、(メタ)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリシロキサンアクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリレートは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
シリコンアルコキシドと、架橋性化合物との配合比は、質量比で5:95〜90:10の範囲内であることが好ましい。シリコンアルコキシドの配合比が5質量%未満では、アンチブロッキング性が低下する。一方、シリコンアルコキシドの配合比が90質量%を超えると、本実施形態の低屈折率膜形成用組成物からなる低屈折率膜を基材に積層したとき、低屈折率膜と基材の密着性が保てない。
なお、本実施形態における密着性とは、JIS−K05600−5−6に基づき評価を行い、JIS評価分類結果が0〜2であることを意味する。
「無機微粒子」
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物は、上記のシリコンアルコキシドと架橋性化合物のみで構成されていてもよいが、さらに、屈折率を低下させる場合には、低屈折率の無機微粒子を添加してもよい。
無機微粒子としては、平均一次粒子径が3nm〜100nmのものが好ましい。ここで、無機微粒子の平均一次粒子径の下限値を3nmとした理由は、平均一次粒子径が3nm未満の無機微粒子は現在の技術において安定に生産することが難しく、生産した場合でも特殊用途に限られており、非常に高価であるからである。また、平均一次粒子径が3nm未満の微小粒子は、比表面積が大きくなるため、分散剤量を多く用いなければならず、十分に屈折率を下げることができなくなるからである。一方、無機微粒子の平均一次粒子径の上限値を100nmとした理由は、特に分散粒子径が100nmを超えた無機微粒子により発生するミー散乱は散乱性が大きく、ミー散乱による透過光の損失が無視できなくなるからである。無機微粒子の平均一次粒子径の上限値を100nmとすることにより、ミー散乱による透過光の損失を抑えることができる。
本実施形態において、「平均一次粒子径」とは、個々の粒子そのものの粒子径を意味する。平均一次粒子径の測定方法としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて、金属酸化物粒子それぞれの長径、例えば、100個以上の金属酸化物粒子、好ましくは500個の金属酸化物粒子それぞれの長径を測定し、その算術平均値を算出する方法が挙げられる。
また、無機微粒子の屈折率は1.17以上かつ1.40以下であることが好ましく、より好ましくは1.17以上かつ1.35以下、さらに好ましくは1.17以上かつ1.30以下である。
無機微粒子としては、上記の屈折率を満たすものであれば特に限定されないが、特に、内側に空隙を有するメソポーラスシリカ微粒子が好ましい。なお、メソポーラスシリカ微粒子における屈折率は、粒子全体としての屈折率を表し、メソポーラスシリカ微粒子を形成している外殻のシリカのみの屈折率を表すものではない。このとき、メソポーラスシリカ微粒子内の空隙の半径をa、メソポーラスシリカ微粒子の外殻の半径をbとすると、下記数式(II)で表される空隙率xは、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜60%、さらに好ましくは30〜60%である。
数式(II):x=(4πa/3)/(4πb/3)×100
中空のシリカ微粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度が低くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。メソポーラスシリカ微粒子の製造方法は、例えば、特開2001−233611号公報や特開2002−79616号公報に記載されている。
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物中における無機微粒子の含有量は、目的とする屈折率に応じて適宜調整すればよいが、0質量%以上かつ90質量%以下が好ましく、0質量%以上かつ70質量%以下がより好ましい。
「開始剤、添加剤」
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物には、光重合開始剤、官能基が1個または2個のモノマー等が適宜含有されていてもよい。
光重合開始剤の種類や量は、使用する架橋性化合物に応じて適宜選択される。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤が挙げられる。
また、本実施形態の低屈折率膜形成用組成物には、低屈折率膜形成用組成物および低屈折率膜の特性改善のために、発明の効果を阻害しない範囲内で、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、重合禁止剤等の一般的な各種添加剤が適宜含有されていてもよい。
ただし、シリコーン化合物は、塗膜表面に移行して、フィルム巻き取り後に裏面に裏移りして、後加工に悪影響を及ぼすおそれがあるので、使用しないことが望ましい。
「希釈剤」
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物は、下記の粘度を満たすために、希釈剤として有機溶媒が適宜含有されていてもよい。
有機溶媒としては、本実施形態の低屈折率膜形成用組成物の他の成分との相溶性がよいものであれば特に限定されず、例えば、アルコール系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、アミド系溶媒、セロソルブ系溶媒、エーテルエステル系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物の粘度は、0.2mPa・s以上かつ500mPa・s以下であることが好ましく、0.5mPa・s以上かつ200mPa・s以下であることがより好ましい。
低屈折率膜形成用組成物の粘度が0.2mPa・s未満では、この低屈折率膜形成用組成物を用いて塗膜を形成したとき、塗膜の膜厚が薄くなりすぎて、膜厚の制御が困難であるため好ましくない。一方、低屈折率膜形成用組成物の粘度が500mPa・sを超えると、粘度が高すぎて、塗工時における低屈折率膜形成用組成物の取扱いが難しくなるため好ましくない。
本実施形態において、低屈折率膜形成用組成物の粘度の測定方法としては、日本工業規格JIS Z8803のウベローデ法が挙げられる。
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物の製造方法としては、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物とを含む硬化性樹脂組成物に、光重合開始剤、希釈剤、および、必要に応じて添加剤等を均一に混合できる方法であれば特に限定されない。
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物の製造方法において、上記の成分を混合するために用いられる混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
本実施形態の低屈折率膜形成用組成物によれば、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなるので、低屈折率膜を形成した場合、低屈折率膜におけるにおけるガラス質の材料(アクリル樹脂)の占める割合を高くすることができるため、アンチブロッキング性と密着性に優れた低屈折率膜が得られる。
[低屈折率膜]
本実施形態の低屈折率膜は、シロキサン結合を有する化合物およびアクリル樹脂を含有してなり、屈折率が1.37以上かつ1.51以下であり、膜面同士を接触させた場合の動摩擦係数と静摩擦係数が0.6以下であり、かつ表面の算術平均粗さRaが3nm以下である。
本実施形態の低屈折率膜は、屈折率が1.37以上かつ1.51以下であり、1.40以上かつ1.50以下であることがより好ましい。
屈折率を上記の範囲内とすることにより、本実施形態の低屈折率膜は、光学調整膜としての機能を有し、画像表示装置に適用した場合、表示画面の視認性を良好なものとすることができる。低屈折率膜の屈折率が1.37未満まで屈折率を下げた場合、組成中の無機微粒子の割合が高くなり過ぎて、成膜性および膜強度に問題が生じる。一方、低屈折率膜の屈折率が1.51を超えると、低屈折率膜として機能しない。
本実施形態の低屈折率膜は、膜面同士を接触させた場合、より詳細には、膜面同士を擦り合わせた時の動摩擦係数が0.6以下であり、0.4以下であることが好ましい。
動摩擦係数が0.6を超えると、低屈折率膜が設けられたフィルムの巻き出し時や、巻き取り時に低屈折率膜同士が引っ掛かって、ロールフィルムに局部的に応力が生じたり、フィルムがいびつに巻き取られて、フィルムに皺が発生したりする等の不具合を起こすことがある。また、動摩擦係数が0.6を超えると、保管後の巻き出し時にブロッキングが発生して、フィルム同士が貼り付き、層破壊する可能性が高くなる。
また、本実施形態の低屈折率膜は、膜面同士を接触させた場合の静摩擦係数が0.6以下であり、0.5以下であることが好ましい。
静摩擦係数が0.6を超えると、フィルム同士を擦り合わせた場合にタック感を持つようになり、塗布フィルムをロールで巻き取った際にキシつきや貼りつきを生じてしまう。そのため、フィルム巻き取り時に引っ掛かりが生じて均一にフィルムが巻き取れなくなったり、フィルムの巻き出し時にフィルムが破断したりして、歩留りが低下する場合があるため好ましくない。
本実施形態の低屈折率膜は、表面の算術平均粗さRaが3nm以下であり、2nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。
低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nmを超えると、この低屈折率膜の上に電極を成膜する際、凹凸が影響して最適な膜を成膜できず、電極性能が悪化する場合があるため好ましくない。
また、本実施形態の低屈折率膜は、原子間力顕微鏡で20μm×20μmの範囲をスキャンした時のピークトゥバレー値が30nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましく、15nm以下であることがさらに好ましい。ピークトゥバレー値が小さいほど、膜面に凹凸がないため好ましい。
本実施形態の低屈折率膜は、膜厚が5nm以上かつ100nm以下であることが好ましく、10nm以上かつ150nm以下であることがより好ましい。
低屈折率膜の膜厚を上記の範囲内とすることにより、本実施形態の低屈折率膜は、可視光波長域の反射光を低減することができ、例えば、画像表示装置に適用した場合、表示画面の視認性を向上することができる。低屈折率膜の膜厚が5nm未満では、低屈折率膜を形成することが難しい。一方、低屈折率膜の膜厚が100nmを超えると、低屈折率膜の表面にギラツキを生じて好ましくない。
本実施形態の低屈折率膜は、ヘーズ値が1.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがより好ましい。
本実施形態において「ヘーズ値」とは、全光線透過光に対する拡散透過光の割合(%)のことであり、空気を基準として、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色社製)を用い、日本工業規格JIS−K−7136に基づいて測定した値を意味する。
具体的には、低屈折率膜が設けられている基材のヘーズ値をブランクとして測定し、この基材に低屈折率膜を設けた試験片のヘーズ値との差分を取ることで、低屈折率膜のみのヘーズ値を測定する。
本実施形態の低屈折率膜の製造方法は、上述の実施形態の低屈折率膜形成用組成物を基材等の被塗布物上に塗工することで塗膜を形成する工程と、この塗膜を硬化させる工程とを有する。
塗膜を形成する工程における塗工方法としては、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法等、通常のウェットコーティング法が用いられる。
塗膜を硬化させる工程における硬化方法としては、塗膜にエネルギー線を照射して光硬化させる方法が用いられる。
光硬化に用いるエネルギー線としては、塗膜が硬化すれば、特に限定されないが、例えば、紫外線、遠赤外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線が用いられる。これらのエネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手および取り扱いが容易である点から、紫外線を用いることが好ましい。
塗膜を光硬化させることにより、架橋性化合物が重合して、アクリル樹脂を生成し、アンチブロッキング性および耐擦傷性等の強度に優れた低屈折率膜を得ることができる。
紫外線照射による硬化の場合、200nm〜500nmの波長帯域の紫外線を発生する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100〜3,000mJ/cmのエネルギーにて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。
本実施形態の低屈折率膜によれば、本実施形態の低屈折率膜形成用組成物を用いて形成されているので、アクリル樹脂(ガラス質の材料)の占める割合を高くすることができるため、アクリル樹脂により、塗膜の粘弾性を下げることができ、アンチブロッキング性と密着性に優れている。
[低屈折率膜付きフィルム]
(第一実施形態)
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、基材フィルムと、その基材フィルムの一主面上から順に設けられた、ハードコート膜と、低屈折率膜と、を有し、低屈折率膜が、上述の実施形態の低屈折率膜であり、低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下である。
ここで、低屈折率膜の表面とは、低屈折率膜におけるハードコート膜と接している面とは反対側の面である。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、その低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であり、2nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。
低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nmを超えると、この低屈折率膜の表面に電極を成膜する際、低屈折率膜の表面の凹凸が影響して最適な成膜ができず、電極性能が悪化する場合があるため好ましくない。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムでは、上述の実施形態の低屈折率膜形成用組成物を、公知の塗工法を用いて基材フィルムの一主面上(基材フィルムの一主面上に形成されたハードコート膜上)に塗工することで塗膜を形成し、その塗膜を光硬化させることにより、低屈折率膜が形成される。
基材フィルムは、プラスチック製の基材であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、アクリル、アクリル−スチリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニル等から形成されたものが用いられる。
基材フィルムは、シート状であってもよく、フィルム状であってもよいが、フィルム状であることが好ましい。
ハードコート膜は、基材フィルムの傷付きを防止するために、低屈折率膜の下層、すなわち、基材フィルムの一主面(基材フィルムと低屈折率膜との間)に設けられる。
ハードコート膜は、基材フィルムの傷付き防止性能を有していれば特に限定されず、紫外線硬化型のハードコート膜形成用組成物で形成されたものであっても、熱硬化型のハードコート膜形成用組成物で形成されたものであってもよい。また、ハードコート膜は粒子を含んでいてもよい。
ハードコート膜の屈折率は、1.51以上かつ1.85以下であることが好ましく、1.51以上かつ1.70以下であることがより好ましい。
ハードコート膜の屈折率を上記の範囲内とすることにより、ハードコート膜の屈折率が、成膜する基材フィルムの屈折率に近くなり、基材フィルムとハードコート膜の間における光学干渉が抑えられ、視認性のよいハードコート膜が得られる。
ハードコート膜は、膜厚が100nm以上かつ10μm以下であることが好ましく、300nm以上かつ5μm以下であることがより好ましい。
ハードコート膜の膜厚を上記の範囲内とすることにより、ハードコート性能と生産安定性を得ることができる。ハードコート膜の膜厚が100nm未満では、ハードコート性能が不足する。一方、ハードコート膜の膜厚が10μmを超えると、硬化収縮によりフィルムがカールしてうまく巻き取れない場合がある。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムでは、ハードコート膜と低屈折率膜との間に、高屈折率膜を有することが好ましく、その高屈折率膜の屈折率は、1.51以上かつ1.85以下であり、かつ、ハードコート膜の屈折率よりも0.1以上大きいことが好ましい。
高屈折率膜の屈折率を上記の範囲内とすることにより、本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、光学特性が良好であり、表示装置の視認性を良好なものとすることができる。例えば、タッチパネルに適用した場合には、骨見え現象を抑制し、表示画面の視認性を良好なものとすることができる。
なお、高屈折率膜の屈折率は、低屈折率膜の屈折率より大きくなければならないが、光学設計に応じて適宜設定される。
高屈折率膜は、例えば、高屈折率の粒子を含有する高屈折率膜形成用組成物を基材フィルムの一主面上に塗布することにより得られる。
高屈折率の粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫、錫ドープ酸化インジウムなどの粒子が用いられる。
高屈折率膜形成用組成物の溶媒としては、特に限定されず、有機溶媒および水を単独または混合して用いることができる。
高屈折率膜形成用組成物には、必要に応じて、コロイダルシリカ、無機高分子、樹脂、レベリング剤、界面活性剤等の添加剤を加えてもよい。
高屈折率膜は、膜厚が5nm以上かつ200nm以下であることが好ましく、10nm以上かつ100nm以下であることがより好ましい。
高屈折率膜の膜厚を上記の範囲内とすることにより、光学特性が良好となり、例えば、インデックスマッチング等の効果を発現することができる。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、空気を基準として測定した場合に、ヘーズ値が2.0%以下であることが好ましく、1.1%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において「ヘーズ値」は、上述の実施形態の低屈折率膜と同様の値を意味する。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムによれば、上述の実施形態の低屈折率膜を備えているので、アンチブロッキング性と密着性に優れている。
(第二実施形態)
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、基材フィルムと、その基材フィルムの一主面上から順に設けられた、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率ハードコート膜と、低屈折率膜と、を有し、低屈折率膜が、上述の実施形態の低屈折率膜であり、基材フィルムと高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値が0以上かつ0.48以下であり、低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下である。
ここで、低屈折率膜の表面とは、低屈折率膜における高屈折率ハードコート膜と接している面とは反対側の面である。
基材フィルムとしては、上述の第一実施形態と同様のものが用いられる。
高屈折率ハードコート膜は、基材フィルムの傷付きを防止するために、低屈折率膜の下層、すなわち、基材フィルムの一主面(基材フィルムと低屈折率膜との間)に設けられる。
高屈折率ハードコート膜は、基材フィルムの傷付き防止性能を有していれば特に限定されず、紫外線硬化型の高屈折率ハードコート膜形成用組成物で形成されたものであっても、熱硬化型の高屈折率ハードコート膜形成用組成物で形成されたものであってもよい。また、高屈折率ハードコート膜は粒子を含んでいてもよい。
高屈折率ハードコート膜の屈折率は、1.51以上かつ1.85以下であることが好ましい。また、上述した基材フィルムとの屈折率差が小さいことが好ましい。
高屈折率ハードコート膜の屈折率を上記の範囲内とすることにより、基材フィルムとハードコート膜との間における光学干渉が抑制され、視認性のよい高屈折率ハードコート膜が得られる。
また、基材フィルムと高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値は0以上かつ0.48以下であり、0.1以上かつ0.3以下であることが好ましい。
基材フィルムと高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値を上記の範囲内とすることにより、所望の光学特性を得ることができ、例えば、良好なインデックスマッチング層が得られる。基材フィルムと高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値が0.48を超えると、屈折率が1.37未満の低屈折率膜を形成しなければならない。しかし、そのような低屈折率膜を形成するためには、低屈折率膜形成用組成物中のシリコンアルコキシドの割合が多くなり過ぎるため、成膜性および膜強度が劣るため好ましくない。
高屈折率ハードコート膜は、膜厚が100nm以上かつ10μm以下であることが好ましく、0.5μm以上かつ5μm以下であることがより好ましい。
高屈折率ハードコート膜の膜厚を上記の範囲内とすることにより、ハードコート性能と生産安定性を得ることができる。高屈折率ハードコート膜の膜厚が100nm未満では、ハードコート性能が不足する。一方、高屈折率ハードコート膜の膜厚が10μmを超えると、硬化収縮によりフィルムがカールしてうまく巻き取れない場合がある。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムでは、上述の実施形態の低屈折率膜形成用組成物を、公知の塗工法を用いて基材フィルムの一主面上(基材フィルムの一主面上に形成された高屈折率ハードコート膜上)に塗工することで塗膜を形成し、その塗膜を光硬化させることにより、低屈折率膜が形成される。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、その低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であり、2nm以下であることが好ましく、1nm以下であることがより好ましい。
低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nmを超えると、この低屈折率膜の表面に電極を成膜する際、低屈折率膜の表面の凹凸が影響して最適な膜が成膜できず、電極性能が悪化する場合がある。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムは、空気を基準として測定した場合に、ヘーズ値が2.0%以下であることが好ましく、1.1%以下であることがより好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。
本実施形態において「ヘーズ値」は、上述の実施形態の低屈折率膜と同様の値を意味する。
本実施形態の低屈折率膜付きフィルムによれば、上述の実施形態の低屈折率膜を備えているので、アンチブロッキング性と密着性に優れている。
[タッチパネル]
本実施形態のタッチパネルは、上述の実施形態の低屈折率膜および上述の実施形態の低屈折率膜付きフィルムの少なくともいずれか一方を備えてなる。
タッチパネルはITO電極と透明基材(ポリエチレンテレフタレート等のプラスチック基材)との屈折率差が大きい場合には、ITO電極部分が見え易くなる、いわゆる骨見え現象が起こる。
そのため、屈折率が1.37以上かつ1.51以下の本実施形態の低屈折率膜、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率膜を有する低屈折率膜付きフィルム、または、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率ハードコート膜を有する低屈折率膜付きフィルムを、透明基材とITO電極の間の層として設けることにより、透明基材とITO電極の屈折率差を緩和して、骨見え現象を抑制することができる。
上述の実施形態の低屈折率膜および上述の実施形態の低屈折率膜付きフィルムの少なくともいずれか一方をタッチパネルに設ける方法は、特に限定されず、公知の方法により実装すればよい。例えば、上述の実施形態の低屈折率膜付きフィルムの塗膜面に、ITO電極をパターニングし、配向膜、液晶層を積層した構造等が挙げられる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「シロキサン結合形成物質の作製」
テトラエトキシシラン25質量部と、硝酸1.5質量部と、水1.5質量部と、イソプロピルアルコール72質量部と、を混合し、常温にて6時間撹拌して、実施例1のシロキサン結合形成物質(シリカゾル)を得た。
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
得られたシロキサン結合形成物質10質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.05質量部と、1−ブタノール29.65質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)29.65質量部と、ブチルセロソルブ29.65質量部と、を混合し、実施例1の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製」
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30質量部と、メチルイソブチルケトン69質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン1質量部と、を混合し、ハードコート膜形成用組成物を得た。
得られたハードコート膜形成用組成物を、100μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥膜厚が1〜2μmとなるように、バーコーティング法で塗布し、80℃で加熱して乾燥した。
次いで、高圧水銀灯(120W/cm)を用い、塗膜に紫外線を300mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、塗膜を硬化させて、ハードコート膜付きプラスチック基材を得た。
「低屈折率膜の形成」
得られたハードコート膜付きプラスチック基材に、実施例1の低屈折率膜形成用組成物を、乾燥膜厚が30nmとなるように、バーコーティング法で塗布し、80℃で加熱して乾燥した。
次いで、高圧水銀灯(120W/cm)を用い、塗膜に紫外線を300mJ/cmのエネルギーとなるように露光し、塗膜を硬化させて低屈折率膜を形成し、実施例1の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例2]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例1のシロキサン結合形成物質16質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.4質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.02質量部と、1−ブタノール27.86質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル27.86質量部と、ブチルセロソルブ27.86質量部と、を混合し、実施例2の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例2の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例2の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例3]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例1のシロキサン結合形成物質4質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.6質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.08質量部と、1−ブタノール31.44質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.44質量部と、ブチルセロソルブ31.44質量部と、を混合し、実施例3の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例3の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例3の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例4]
「シロキサン結合形成物質の作製」
テトラエトキシシラン20質量部と、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン3質量部と、硝酸1.5質量部と、水1.5質量部と、イソプロピルアルコール74質量部と、を混合し、常温にて6時間撹拌して、実施例4のシロキサン結合形成物質(シリカゾル)を得た。
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例4のシロキサン結合形成物質を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、実施例4の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例4の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例4の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例5]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例4のシロキサン結合形成物質16質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.4質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.02質量部と、1−ブタノール27.86質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル27.86質量部と、ブチルセロソルブ27.86質量部と、を混合し、実施例5の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例5の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例5の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例6]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例4のシロキサン結合形成物質4質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.6質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.08質量部と、1−ブタノール31.44質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル31.44質量部と、ブチルセロソルブ31.44質量部と、を混合し、実施例6の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例6の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例6の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例7]
「シロキサン結合形成物質の作製」
テトラエトキシシラン20質量部と、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3質量部と、硝酸1.5質量部と、水1.5質量部と、イソプロピルアルコール74質量部とを混合し、常温にて6時間撹拌して、実施例7のシロキサン結合形成物質(シリカゾル)を得た。
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例7のシロキサン結合形成物質を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、実施例7の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例7の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例7の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例8]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例4のシロキサン結合形成物質20質量部と、1−ブタノール26.67質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル26.67質量部と、ブチルセロソルブ26.66質量部と、を混合し、実施例8の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例8の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例8の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[実施例9]
「シロキサン結合形成物質の作製」
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4質量部と、硝酸0.5質量部と、水0.5質量部と、イソプロピルアルコール72質量部と、を混合し、常温にて6時間撹拌して、実施例9のシロキサン結合形成物質(シリカゾル)を得た。
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
得られたシロキサン結合形成物質5質量部と、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1質量部と、メソポーラスシリカ微粒子(商品名:SI−01、1次粒子径5nm〜15nm、住友大阪セメント社製)をホモジナイザーにてイソプロピルアルコールに分散した分散液(固形分20質量%)2.5質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.05質量部と、1−ブタノール30.48質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)30.48質量部と、ブチルセロソルブ30.48質量部と、を混合し、実施例9の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
実施例9の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、実施例9の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[比較例1]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例1のシロキサン結合形成物質19.9質量部と、1−ブタノール26.7質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル26.7質量部と、ブチルセロソルブ26.7質量部と、を混合し、比較例1の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
比較例1の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、比較例1の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[比較例2]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2質量部と、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン0.1質量部と、1−ブタノール32.64質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル32.63質量部と、ブチルセロソルブ32.63質量部と、を混合し、比較例2の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
比較例2の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、比較例2の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[比較例3]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例7のシロキサン結合形成物質20質量部と、1−ブタノール26.66質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル26.67質量部と、ブチルセロソルブ26.67質量部と、を混合し、比較例3の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
比較例3の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、比較例3の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
[比較例4]
「低屈折率膜形成用組成物の作製」
実施例1で作製したシロキサン結合形成物質15質量部と、中空シリカIPA分散液(一次粒子径100nm〜120nm、固形分20質量%)2.5質量部と、1−ブタノール27.5質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテル27.5質量部と、ブチルセロソルブ27.5質量部と、を混合し、比較例4の低屈折率膜形成用組成物を得た。
「ハードコート膜付きプラスチック基材の作製、低屈折率膜の形成」
比較例4の低屈折率膜形成用組成物を用いた以外は、実施例1と全く同様にして、ハードコート膜付きプラスチック基材に低屈折率膜を形成し、比較例4の低屈折率膜およびそれを備えた低屈折率膜付きフィルムを得た。
実施例1〜9および比較例1〜4で得られた低屈折率膜付きフィルムについて、動摩擦係数、アンチブロッキング性、ヘーズ値、耐擦傷性、密着性、屈折率および算術平均粗さRaを、下記の方法により評価した。評価結果を表1および表2に示す。
(1)動摩擦係数
日本工業規格JIS−K−7125に基づいて動摩擦係数を測定した。
動摩擦係数が0.5未満の場合を「◎」、0.5以上かつ0.6未満の場合を「○」、0.6以上の場合を「×」として評価した。
(2)アンチブロッキング性
低屈折率膜付きフィルムの低屈折率膜同士を擦り合わせ、官能評価を行った。低屈折率膜付きフィルム同士を擦り合わせた際に、滑るものを「○」、滑らないものを「×」として評価した。
(3)ヘーズ値
低屈折率膜付きフィルムのヘーズ値を、空気を基準として、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色社製)を用い、日本工業規格JIS−K−7136に基づいて測定した。
ヘーズ値の測定には、作製した低屈折率膜付きフィルムから100mm×100mmの試験片を作製し、その試験片を用いた。
評価結果がAであるものが良品であり、評価結果がBからDになるに従い、透明性が悪化しているものであることを示している。
A:1.0%未満
B:1.0%以上かつ1.5%未満
C:1.5%以上かつ2.0%以下
D:2.0%より大きい
(4)耐擦傷性
低屈折率膜付きフィルムの低屈折率膜上で、#0000のスチールウールを250g/cmの加重下にて10往復摺動させた。往復後のハードコート膜の表面を目視により観察し、次の基準で耐擦傷性の評価を行った。
評価結果がAであるものが良品であり、評価結果がBからEとなるに従い、ハードコート性が低いものであることを示している。
A:傷0本
B:傷1−10本
C:傷11−20本
D:傷20−30本
E:傷31本以上
(5)密着性
日本工業規格:JIS−K−5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に基づき密着性の評価を行った。ここでは、JIS評価結果分類0であるものを「◎」、JIS評価結果分類1であるものを「○」、JIS評価結果分類2であるものを「△」、JIS評価結果分類3〜5であるものを「×」とした。
(6)屈折率
プリズムカプラ モデル2010(メリコン社製)を用い、低屈折率膜付きフィルムの低屈折率膜の屈折率を測定した。
(7)算術平均粗さRa
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)(商品名:SPA300/SPI3700、SII社製)で20μm×20μmの範囲をスキャンし、算術平均粗さRaを算出し、次の基準で表面粗さの評価を行った。
×:算術平均粗さRaが3nm以上
△:算術平均粗さRaが2nm以上3nm未満
○:算術平均粗さRaが2nm未満
Figure 2016071157
Figure 2016071157
表1および表2の結果から、実施例1〜9と、比較例1〜4とを比較すると、実施例1〜9の低屈折率膜付きフィルムは、アンチブロッキング性、透明性、耐擦傷性、低屈折率膜の密着性および算術平均粗さRaに優れていることが確認できた。
表1および表2の結果から、実施例1〜3と、比較例1とを比較すると、実施例1〜3の低屈折率膜付きフィルムは、低屈折率膜の密着性が向上していることが確認できた。
表1および表2の結果から、実施例1〜9と、比較例2とを比較すると、実施例1〜9の低屈折率膜付きフィルムは、アンチブロッキング性が向上していることが確認できた。
表1および表2の結果から、実施例4〜6と、比較例3とを比較すると、実施例4〜6の低屈折率膜付きフィルムは、アンチブロッキング性、耐擦傷性および低屈折率膜の密着性が向上していることが確認できた。
表1および表2の結果から、実施例7と、比較例4とを比較すると、実施例7の低屈折率膜付きフィルムは、アンチブロッキング性、耐擦傷性および低屈折率膜の密着性が向上していることが確認できた。
実施例1〜9で得られた低屈折率膜付きフィルムについて、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)(商品名:SPA300/SPI3700、SII社製)で20μm×20μmの範囲をスキャンし、ピークトゥバレー値(P−V値)を算出した。
AFMでスキャンした結果、実施例1〜8のメソポーラスシリカ等の粒子を含まない低屈折率膜は20μm×20μmの全面にわたって目立った凹凸は観察されず、均一な膜が得られていた。これに対して、メソポーラスシリカ粒子を含む実施例9の低屈折率膜は、膜全面にわたって凹凸が観察された。
また、実施例1〜8のP−V値は30nm以下であり、実施例9のP−V値は76.4nmであった。また、実施例8のP−V値は11.5nmであった。
この結果から、無機微粒子を混合していない本実施例の低屈折率膜は、膜表面が均一であることが確認された。
本発明の低屈折率膜形成用組成物は、シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなるので、アンチブロッキング性に優れた低屈折率膜を形成することが可能であり、その低屈折率膜をタッチパネル等に適用することができる。

Claims (6)

  1. シリコンアルコキシドと、分子中に1個以上のメタクリロイル基およびアクリロイル基の少なくとも1種を有する架橋性化合物と、を含有してなることを特徴とする低屈折率膜形成用組成物。
  2. シロキサン結合を有する化合物およびアクリル樹脂を含有してなり、屈折率が1.37以上かつ1.51以下であり、膜面同士を接触させた場合の動摩擦係数と静摩擦係数が0.6以下であり、かつ表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする低屈折率膜。
  3. 基材フィルムの一主面上から順に、ハードコート膜と、低屈折率膜とが設けられてなる低屈折率膜付きフィルムであって、
    前記低屈折率膜が、請求項2に記載の低屈折率膜であり、
    前記低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする低屈折率膜付きフィルム。
  4. 前記ハードコート膜と前記低屈折率膜との間に、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率膜を有することを特徴とする請求項3に記載の低屈折率膜付きフィルム。
  5. 基材フィルムの一主面上から順に、屈折率が1.51以上かつ1.85以下の高屈折率ハードコート膜と、低屈折率膜とが設けられてなる低屈折率膜付きフィルムであって、
    前記低屈折率膜が、請求項2に記載の低屈折率膜であり、
    前記基材フィルムと前記高屈折率ハードコート膜との屈折率差の絶対値が0以上かつ0.48以下であり、
    前記低屈折率膜の表面の算術平均粗さRaが3nm以下であることを特徴とする低屈折率膜付きフィルム。
  6. 請求項2に記載の低屈折率膜および請求項3ないし5のいずれか1項に記載の低屈折率膜付きフィルムの少なくともいずれか一方を備えてなることを特徴とするタッチパネル。
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