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JP2012036288A - シリコーンゴム系硬化性組成物および医療用チューブ - Google Patents

シリコーンゴム系硬化性組成物および医療用チューブ Download PDF

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JP2012036288A
JP2012036288A JP2010177095A JP2010177095A JP2012036288A JP 2012036288 A JP2012036288 A JP 2012036288A JP 2010177095 A JP2010177095 A JP 2010177095A JP 2010177095 A JP2010177095 A JP 2010177095A JP 2012036288 A JP2012036288 A JP 2012036288A
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Jun Okada
潤 岡田
Masanori Senoo
政宣 妹尾
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

【課題】引張り強度及び引裂き強度に優れたシリコーンゴムが得られる、シリコーンゴム系硬化性組成物を提供する。
【解決手段】
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)と直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを含むシリコーンゴム系硬化性組成物であって、 パルスNMRによるゴム分子鎖のスピン−スピン緩和時間T2の測定チャートに、第1の緩和時間T2と、前記第1の緩和時間T2より短い緩和時間である第2の緩和時間T2を有すること特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物により、耐傷付き性に優れたシリコーンゴム製医療用カテーテルを提供することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、引裂き強度に優れたシリコーンゴムが得られる、シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた医療用チューブに関する。
本発明は、シリコーンゴム系硬化性組成物、該シリコーンゴム系硬化性組成物を用いた成形体、及び該成形体で構成される医療用チューブに関するものである。
シリコーンゴムは、耐熱性、難燃性、化学的安定性、耐候性、耐放射線性、電気特性等に優れていることから、幅広い分野において様々な用途に使用されている。特に、シリコーンゴムは、生理的に不活性であると共に、生体に触れた場合の体組織に対する反応が少ないため、医療用各種カテーテル等、医療器具の材料としても利用されている。
医療用カテーテルは、胸腔や腹腔等の体腔、消化管や尿管等の管腔部、血管等に挿入し、体液の排出や、薬液、栄養剤及び造影剤等の注入点滴に用いられる管であり、生体適合性の他、耐傷付き性(耐引裂き性)、耐キンク性(引張り強度)、透明性、柔軟性(引張り伸び性)等が要求される。医療用カテーテルの具体的用途としては、例えば、術後の血液や膿等の排液除去用吸引器のドレナージチューブや、経皮的内視鏡下胃ろう造設術(PEG)等の術後の栄養摂取用チューブ等が挙げられる。また、カテーテル用の極細チューブ状のシリコーンゴムを製造するためには、シリコーンゴム材料であるシリコーンゴム組成物には押出し成形性が求められる。
医療用カテーテルの材料としては、シリコーンゴムの他、軟質ポリ塩化ビニル等も一般的に使用されている。ポリ塩化ビニル等と比較して、シリコーンゴムは、生体適合性及び柔軟性の点において優れるものの、引裂き強度や引張り強度等の強度面、特に引裂き強度の向上が求められている。引裂き強度が充分でないと、施術中の針や刃物等による傷によってカテーテルが破けたり、或いは、引張り強度が充分でないと、カテーテルが折れ曲がって降伏して閉塞(キンク)し、排出されるべき体液や注入されるべき薬液等のカテーテル内の流通が滞ってしまう。
そこで、シリコーンゴムの引裂き強度や引張り強度を高めるべく、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜7)。シリコーンゴムに高い引裂き性を付与するための具体的な方法としては、シリカ微粒子等の無機充填材の添加、架橋密度の疎密化(シリコーンゴムの系中に架橋密度が高い領域と低い領域とを分布させる)等が挙げられる。架橋密度の疎密化による引裂き性の向上は、架橋密度の高い領域が、引裂き応力に対する抗力として作用するためと考えられている。
例えば、特許文献1では、高粘度及び低ビニル基含有量のオルガノポリシロキサン(生ゴム(A))を主体とし、これに、低粘度及び高ビニル基含有量のオルガノポリシロキサン(シリコーンオイル(B))、ビニル基含有オルガノポリシロキサン共重合体(ビニル基含有シリコーンレジン(C))、オルガノ水素シロキサン(架橋剤(D))、白金又は白金化合物(硬化触媒(E))、及び微粉末シリカ(充填剤(F))を配合した硬化性シ
リコーンゴム組成物が開示されている。
特開平7−331079号公報 特開平7−228782号公報 特開平7−258551号公報 米国特許3,884,866号公報 米国特許4,539,357号公報 米国特許4,061,609号公報 米国特許3,671,480号公報
しかしながら、特許文献1のように、ビニル基含有量が高いオルガノポリシロキサンを用い、且つ、ビニル基の含有量が異なるオルガノポリシロキサンと組み合せて配合しても、架橋点の増加により引張り強度を高めることはできるが、特に引裂き強度の向上が求められている医療用カテーテルとしては、十分な引裂き強度は得られない。
本発明は、引張り強度及び引裂き強度に優れたシリコーンゴムが得られる、シリコーンゴム系硬化性組成物を提供することを目的とするものである。
このような目的は、下記(1)〜(19)に記載の本発明により達成される。
(1) ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)と直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを含むシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
パルスNMRによるゴム分子鎖のスピン−スピン緩和時間T2の測定チャートに、第1の緩和時間T2と、前記第1の緩和時間T2より短い緩和時間である第2の緩和時間T2を有すること特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物。
(2)前記第2緩和時間T2の値が1μ秒以上から100μ秒以下のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(3)前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)は、下記式(1)で示されるも
のである(1)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
Figure 2012036288
(式(1)中、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数であり、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。)
(4)前記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、下記式(2)で示されるものである(1)又は(2)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
Figure 2012036288
(式(2)中、mは0〜300の整数、nは(300−m)の整数である。R4は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。ただし、複数のR4及びR5のうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。R6は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。)
(5)前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)は、ビニル基含有量が0.05〜0.2モル%であるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含有する(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(6)前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)の重合度が、4000〜8000の範囲である、(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(7)前記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)はビニル基を有しないものである、(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(8)前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、前記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.1〜5重量部の割合で含有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(9)ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)をさらに含有する、(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(10)前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は、下記平均組成式(d)で示されるものである(9)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
平均組成式(d):(CH2=CH(R8)2SiO1/2)m(SiO4/2)n(式(d)において、R8はビニル基を有しない一価の有機基、mはCH2=CH(R8)2SiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
(11)前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)のビニル基量は、0.05〜3当量/Kgである(8)又は(10)に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(12)前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)の有機基R8がメチル基である、(8)乃至(10)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(13)前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は液状である、(1)乃至(14)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(14)前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)の重合度は、4000以下である、(1)乃至(14)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(15)前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)を5〜70重量部の割合で含有する、(1)乃至(14)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(16)触媒量の白金又は白金化合物をさらに含有する、(1)乃至(15)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(17)無機充填材をさらに含有する、(1)乃至(16)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
(18)(1)乃至(17)のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いてなる成形体。
(19)(18)に記載の成形体で構成されることを特徴とする医療用チューブ。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化して得られるシリコーンゴムは、引裂き強度に優れるものである。従って、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いてなる成形体及び該成形体で構成される医療用チューブは引裂き強度等の機械的強度が高い。すなわち、本発明によれば、耐傷付き性に優れたシリコーンゴム製医療用カテーテルを提供することが可能である。
以下、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物、該シリコーンゴム系硬化性組成物を用いた成形体、及び該成形体で構成される医療用チューブについて説明する。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、パルスNMRによるゴム分子鎖のスピン−スピン緩和時間T2の測定チャートに、第1の緩和時間T2と、前記第1の緩和時間T2より短い緩和時間である第2の緩和時間T2を有しており、これは架橋密度の不均一性が生じ、架橋密度の疎な部分と密な部分とが形成されていることを示している。そのため、引裂き応力が加わった際に、低ひずみ領域では密な部分に応力集中、優先的に破壊し、高ひずみ領域では疎な部分に応力が伝播し、これにより高弾性かつ高靭性を実現される。その結果引裂き強度の優れたシリコーンゴム組成物を得ることが出来ると推測される。
パルスの照射で励起されたスピンの横方向のベクトルの緩和を、スピン−スピン緩和時間T2といい、この緩和時間T2は分子運動と密接に関連している。そのため、架橋ゴムを含めたエラストマーの分子運動性の評価が可能であり、ゴム分子鎖の運動に対する架橋点、絡み合い点の生成・消滅による拘束状態の変化をT2値の変化として捉えることができる。緩和時間T2の測定により、架橋ゴムの架橋密度や架橋点間分子量あるいは、複数の緩和時間T2の観測により、バルク内での架橋の不均一性をも見ていくことが可能である。
以下、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を構成する各成分について詳しく説明する。本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(B)成分を必須成分とするものである。
(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)は、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物の主成分であり、直鎖構造を有する重合体である。ビニル基を含有し、該ビニル基が加硫時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、0.01〜15モル%、さらに0.05〜12モル%であることが好ましい。ここで、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。但し、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)の重合度は特に限定されないが、好ましくは3000〜10000の範囲であり、より好ましくは4000〜8000の範囲である。この重合範囲において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)の比重は、通常、0.9〜1.1の範囲である。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)としては、下記式(1)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 2012036288
式(1)中、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
また、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(1)中のR1及びR2の置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、R3の置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。尚、式(1)中、複数のR1は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。R2、及びR3についても同様である。
m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)を構成する繰り返し単位の数であり、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数であることが好ましい。mは、より好ましくは40〜700であり、nは、より好ましくは3600〜8000である。
式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)の具体的構造としては、下記式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2012036288
式(3)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、メチル基又はビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
(B)直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有し、且つ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンのビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋するものである。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は特に限定されない。シリコーンゴム系硬化性組成物において、(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、さらに好ましくは1〜3.5モルとなる量である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の分子量は特に限定されないが、重量平均分子量が20000以下であることが好ましく、特に重量平均分子量が7000以下であることが好ましい。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の重量平均分子量は、GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)により測定することができる。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、通常、ビニル基を有しないものであることが好ましい。分子内の架橋反応が進行する可能性があるからである。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)としては、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 2012036288
式(2)中、R4は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
尚、式(2)中、複数のR4は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。R5についても同様である。ただし、複数のR4及びR5のうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、R6は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のR6は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
式(1)中のR4,R5,R6の置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0〜300の整数、nは(300−m)の整数であることが好ましい。より好ましくは、mは0〜150の整数、nは(150−m)の整数である。
(B)直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は上記(A)〜(B)成分以外の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、下記(C)〜(E)が挙げられる。
(C)ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、ビニル基が加硫時の架橋点となる。
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、0.05〜3当量/Kg、特に0.15〜0.5当量/Kgであることが好ましい。
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は、液状、より具体的には油状であることが好ましく、重合度が4000以下であることが好ましい。また、ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は粘度が、4000〜70000cStの範囲であることが好ましい。
さらに、ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は比重が、0.95〜1.1の範囲であることが好ましい。
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)としては、下記平均組成式(d)で示されるものが好ましい。
平均組成式(x)
(CH2=CH(R8)2SiO1/2)m(SiO4/2)n
式(x)において、R8はビニル基を有しない一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。R8としては、特にメチル基が好ましい。
また、式(x)において、mはCH2=CH(R8)2SiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は、分岐状構造を有し、nに対するmの比m/nが2〜5の範囲である。m/nは、好ましくは3〜4の範囲である。
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)の具体例としては、下記式(4)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2012036288
式(4)中、R8は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。R8の置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
尚、式(4)中、複数のR8は互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(4)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(D)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
(D)白金又は白金化合物
(D)白金又は白金化合物は、加硫の触媒として作用する成分であり、その添加量は触媒量である。具体的な成分としては、公知のものを使用することができる。例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸又は塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。触媒成分である(E)白金又は白金化合物は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
(E)無機充填材
(E)無機充填材は、シリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張り強度の向上を目的として添加される成分であり、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、シリカ微粒子、クレイ等を挙げることができ、特にシリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子は、比表面積が50〜400m2/g、特に、100〜400m2/gであることが好ましい。シリカ微粒子としては、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が挙げられる。シリカ微粒子は、鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、ジクロルジメチルシラン等で表面処理されたものでもよい。無機充填材(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(E)成分の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される公知の成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物において、各成分の含有割合は特に限定されないが、通常、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.01〜50重量部の割合で含有することが好ましい。特に、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.5〜30重量部の割合で含有することが好ましい。
また、ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)を含有させる場合には、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)を5〜100重量部重量部、特に5〜60重量部の割合で含有することが好ましい。
白金又は白金化合物(D)の含有量は、触媒量であり、適宜設定することができるが、具体的には、(A)〜(C)及び(E)の合計量100重量部に対して0.0001〜1重量部、特に0.001〜0.5重量部の範囲が好ましい。
(E)無機充填材の含有量は、(A)〜(C)の合計量100重量部に対し、10〜100重量部、特に30〜70重量部の割合で含有することが好ましい。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記成分を、任意の混練装置により、均一に混合することによって得られる。混練装置としては、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等が挙げられる。
各成分の混合順序に特に限定はないが、均一な組成物を得るためには、通常、予め、(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンに、(E)無機充填材の少なくとも一部を分散させることが好ましい。ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)を含有させる場合には、(A)及び(C)のそれぞれに(E)無機充填材の少なくとも一部を予め分散させ、これら分散物を混合して混練した後、残りの無機充填材を添加、さらに混練することが好ましい。また、触媒である(D)白金又は白金化合物は、ハンドリング性の観点から、予め、(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンに分散させることが好ましい。
以上のようにして得られた本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、例えば、140〜180℃で5〜15分間加熱(1次硬化)した後、200℃で4時間ポストベーク(2次硬化)することによってシリコーンゴムを得ることができる。
医療用カテーテルの材料としては、シリコーンゴムの他、軟質ポリ塩化ビニル等も一般的に使用されている。ポリ塩化ビニル等と比較して、シリコーンゴムは、生体適合性及び柔軟性の点において優れるものの、引裂き強度や引張り強度等の強度面、特に引裂き強度の向上が求められている。引裂き強度が充分でないと、施術中の針や刃物等による傷によってカテーテルが破けたりする恐れがある。
これらの問題に対応するよう開発された材料の評価方法として、ノッチ傷の入った JIS K6252(2001)のクレセント形試験片を試験に用い、施術中の針や刃物等による傷に対する耐傷付き性を評価することができる。
本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによって、得られたシリコーンゴム系材料は、JIS K6252(2001)によるクレセント形試験片の引裂き強さを測定することで、引裂き強さを比較することが可能となる。
以下、本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物の一形態を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例において使用した原材料は以下の通りである。
(1) (A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン、ビニル基含有量0.13モル%:以下の合成スキームにより合成。
(2) (B)直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン:(モメンティブ)製・「TC25D」
(3) (C)ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン:(Gelest)製・「VQM−146」
(4) (D)白金:(モメンティブ)製・「TC−25A」
(7) (E)無機充填材:シリカ微粒子(日本アエロジル)製・「アエロジェルR972」
[(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンの合成]
下記式(5)に従って、第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを合成した。
具体的には、Arガス置換した、冷却管及び攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン 74.7g(252mmol)、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン 0.086g(0.25mmol)及びカリウムシリコネート 0.1gを入れ、昇温し、12
0℃で30分間攪拌した。粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン 0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを得た(Mn=277,734、Mw=573,906、IV値(dl/g)=0.89)。
Figure 2012036288
[実施例1]
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン100.0gに、(E)無機充填材50gを添加し、加圧ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練してマスターバッチを調製した。得られたマスターバッチ10.0gに(B)直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン2.65g、(D)白金を0.67g加え、加圧式ニーダーを用いて、100℃の温度1分間混練した後、速やかに取出し、熱処理したマスターバッチ13.3gを得た。
熱処理したマスターバッチ10.0gと未処理のマスターバッチ90.0gを、2本ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。
表1に各原材料の仕込量と重量比を示す。
Figure 2012036288
(シリコーンゴム系硬化性組成物の評価)
<引張り強度及び引裂き強度>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで10分間プレスし、1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化した。
続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化した。
得られたシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)のクレセント形試験片を作製し、JIS K6252(2001)のクレセント形試験片の引裂き強さを測定した。ただし、引張り強さ及び引裂き強さの測定に用いた試験片の厚みは、1mmとした。
結果を表1に示す。
<緩和時間T2測定>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物をパルスNMRによるゴム分子鎖のスピン−スピン緩和時間T2の測定を実施した。
結果を表1に示す。
<押出し成形性>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価することで、押出成形性を有していることが確認された。
<透明性>
上記同様、シリコーンゴム系硬化性組成物をチューブ状に成形し、チューブの外観を目視にて評価することで、透明性を有していることが確認された。
[実施例2]
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン100.0gに、(E)無機充填材50.0gを添加し、加圧ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練して第1のマスターバッチを調製した。一方、(C)ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン50.0gに、(E)無機充填材25gを添加し、混練して第2のマスターバッチを調製した。第1のマスターバッチ90.0gと第2のマスターバッチ10.0gを2本ロールで混練し、さらに(B)直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン2.0g、(D)白金を0.5g加えて混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。
表1に各原材料の仕込量と重量比を示す。
(シリコーンゴム系硬化性組成物の評価)
実施例1同様、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を用いて作製した試験片について、引裂き強さおよび緩和時間T2測定を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1同様、押出し成形性及び透明性についても評価した。その結果、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物は、良好な押出し成形性を有していることが確認された。さらに、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化して得られるシリコーンゴムは、透明性を有していることが確認された。
[比較例1]
(シリコーンゴム系硬化性組成物の調製)
(A)ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン100.0gに、(E)無機充填材50gを添加し、加圧ニーダーを用いて室温下で均一になるまで混練して第1のマスターバッチを調製した。
得られた第1のマスターバッチ100.0gに、(B)直鎖状のオルガノハイドロジェンポリシロキサン2.0g、(D)白金を0.5g加え、2本ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製した。
表1に各原材料の仕込量と重量比を示す。
(シリコーンゴム系硬化性組成物の評価)
実施例1同様、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を用いて作製した試験片について、引張り強さ及び引裂き強さを測定した。結果を表1に示す。
実施例1同様、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を用いて作製した試験片について、引裂き強さおよび緩和時間T2測定を測定した。結果を表1に示す。
また、実施例1同様、押出し成形性及び透明性についても評価した。その結果、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物は、良好な押出し成形性を有していることが確認された。さらに、実施例2のシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化して得られるシリコーンゴムは、透明性を有していることが確認された。
[結果]
表1に示すように、比較例1のシリコーンゴム系硬化性組成物より得られたシリコーンゴムは、パルスNMRによるスピン−スピン緩和時間T2が2.29m秒の1つしか表れず、引裂き強さの測定値は8N/mmであった。
これに対して、実施例1〜2のシリコーンゴム系硬化性組成物より得られたシリコーンゴムは、いずれも、スピン−スピン緩和時間T2が2つ表れ、第2の緩和時間T2が、79.8μ秒と59.9μ秒であり、引裂き強さが50N/mm以上の引裂き強さの優れたシリコーンゴム系硬化性組成物を得ることが出来た。
これは、実施例1〜2のシリコーンゴム系硬化性組成物より得られたシリコーンゴムが、第1の緩和時間T2と、前記第1の緩和時間T2より短い緩和時間である第2の緩和時間T2を有しており、架橋密度の不均一性が生じ、架橋密度の疎な部分と密な部分とが形成されているため、引裂き強度の優れたシリコーンゴム組成物を得ることが出来た。
本発明によって、引裂き強度の優れたシリコーンゴム組成物を得ることが出来、それによって、耐傷付き性に優れたシリコーンゴム製医療用カテーテルを提供することが可能である。

Claims (19)

  1. ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)と直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを含むシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    パルスNMRによるゴム分子鎖のスピン−スピン緩和時間T2の測定チャートに、第1の緩和時間T2と、前記第1の緩和時間T2より短い緩和時間である第2の緩和時間T2を有すること特徴とするシリコーンゴム系硬化性組成物。
  2. 前記第2緩和時間T2の値が1μ秒以上から100μ秒以下のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  3. 前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)は、下記式(1)で示されるものである請求項1に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
    Figure 2012036288
    (式(1)中、mは1〜1000の整数、nは3000〜10000の整数であり、R1は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基、R3は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。)
  4. 前記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、下記式(2)で示されるものである請求項1又は2に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
    Figure 2012036288
    (式(2)中、mは0〜300の整数、nは(300−m)の整数である。R4は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。R5は炭素数1〜10の置換又は非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合せた炭化水素基、又はヒドリド基である。ただし、複数のR4及びR5のうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。R6は炭素数1〜8の置換又は非置換のアルキル基、アリール基、又はこれらを組み合せた炭化水素基である。)
  5. 前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)は、ビニル基含有量が0.05〜0.2モル%であるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサンを含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  6. 前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)の重合度が、4000〜8000の範囲である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  7. 前記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)はビニル基を有しないものである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  8. 前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、前記直状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を0.1〜5重量部の割合で含有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  9. ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)をさらに含有する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  10. 前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は、下記平均組成式(d)で示されるものである請求項9に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
    平均組成式(d):(CH2=CH(R8)2SiO1/2)m(SiO4/2)n
    (式(d)において、R8はビニル基を有しない一価の有機基、mはCH2=CH(R8)2SiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
  11. 前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)のビニル基量は、0.05〜3当量/Kgである請求項8又は請求項10に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  12. 前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)の有機基R8がメチル基である、請求項8乃至10のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  13. 前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)は液状である、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  14. 前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)の重合度は、4000以下である、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  15. 前記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、前記ビニル基含有分岐状オルガノポリシロキサン(C)を5〜70重量部の割合で含有する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  16. 触媒量の白金又は白金化合物をさらに含有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  17. 無機充填材をさらに含有する、請求項1乃至16のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物。
  18. 請求項1乃至17のいずれか1項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物を用いてなる成形体。
  19. 請求項18に記載の成形体で構成されることを特徴とする医療用チューブ。
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