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JP2011213606A - ドネペジルを含有する固形製剤の製造方法 - Google Patents

ドネペジルを含有する固形製剤の製造方法 Download PDF

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JP2011213606A
JP2011213606A JP2010080787A JP2010080787A JP2011213606A JP 2011213606 A JP2011213606 A JP 2011213606A JP 2010080787 A JP2010080787 A JP 2010080787A JP 2010080787 A JP2010080787 A JP 2010080787A JP 2011213606 A JP2011213606 A JP 2011213606A
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Tomoya Nakagawa
知哉 中川
Masahiro Kitamura
雅弘 北村
Masaya Hizaki
雅也 樋崎
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Sawai Pharmaceutical Co Ltd
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Sawai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明の課題は、熱又は光の影響による変色が抑制されたドネペジルを含有する固形製剤の製造方法を提供することである。
【解決手段】本発明者らは、結晶セルロースを含まないドネペジル塩酸塩の顆粒を作成した後、結晶セルロースと他の添加剤を混合し、その混合物を打錠することによって得られた錠剤は、着色料や他の安定化剤を使用することなく、熱や光の影響による変色が抑制され、主薬の含有量も安定に維持されることを見出し、本発明を完成させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法に関する。
アルツハイマー型認知症の治療薬として知られるドネペジル塩酸塩は、日本においては、錠剤、細粒剤、口腔内崩壊錠、ゼリー剤などの多種類の経口用製剤が市販されている。しかしながら、後述する通り、ドネペジル塩酸塩を含む製剤は、光や温度などの影響を受けて変質しやすいことが知られており、製剤の流通過程や保管時に注意を要する。特に製剤が変色すると、たとえ薬効には影響を及ぼさない変化であったとしても、患者の服用意欲を削ぎ、コンプライアンスの悪化につながる恐れがある。このような問題を解決するために、様々な技術が研究されてきた。
特許文献1には、有機酸を含むドネペジル溶液が、有機酸を含まないものよりも、光に対して安定であったこと、すなわち主剤含量の低下と外観の変化が抑制されたことが開示されている。しかしながら、同文献中に挙げられた有機酸の種類の中には、光の影響によって外観に明らかな変化が生じたものも見受けられる。また、同文献では、熱安定性については言及されていなかったが、後に公開された特許文献2には、有機酸であるクエン酸を添加したドネペジルの錠剤は熱安定性においては、分解物を増加させたという記載があり、有機酸の添加という方法では光安定性は向上したとしても、熱安定性を担保することは出来ないようである。逆に、この特許文献2には、熱安定性における分解物についてしか検討しておらず、光に対する安定性や外観の変化については言及していない。
一般的に、製剤の経時的な変色を解決する方法としては、特許文献1のように安定化剤を配合する方法の他に、着色料を配合させる方法(特許文献3)や、製剤表面を被覆する方法(特許文献4)などがあるが、いずれも光に対する変色の抑制効果のみで、熱に対する変色の抑制効果には言及しておらず、ドネペジルを含有する固形製剤に応用した例も知られていない。また、このような方法を用いるには、使用する物質が主薬や他の添加剤に及ぼす影響を検討しなければないという手間があり、また製剤表面を被覆するための製造工程や装置が必要となるなどの問題がある。
以上の通り、ドネペジルを含有する固形製剤に関しては、光及び熱による変色を同時に抑制する簡便な解決方法は知られていなかった。
特開平11−106353号公報 特表2008−525313号公報 特開2008−273870号公報 特開2007−22938号公報
本発明の課題は、熱又は光の影響による変色が抑制されたドネペジルを含有する固形製剤の製造方法を提供することである。
一般に、錠剤を製造する場合、前処理として主薬に賦形剤や結合剤などの添加剤を加えて造粒し、流動性及び圧密性が良好で、適度な可塑性と粒度を持った顆粒にすることで、圧縮成形しやすくなることが知られている。また、その際汎用される賦形剤の一つとして結晶セルロースがあり、これは、圧縮成形性、崩壊性、造粒性に優れるという特徴から、錠剤及びカプセル剤の製造工程において主薬や他の添加剤とともに湿式造粒されることが多い。本発明者らは、ドネペジル塩酸塩の錠剤を製造するに当たり、あらかじめドネペジル塩酸塩と結晶セルロースを乾燥した状態で混合し、両者が接触しても特に問題がないことを確認していたにも関わらず、常法によりドネペジル塩酸塩と結晶セルロースをともに湿式造粒して得た錠剤が、熱又は光によって著しく変色することを発見した。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、結晶セルロースを含まないドネペジル塩酸塩の顆粒を作成した後、結晶セルロースと他の添加剤を混合し、その混合物を打錠することによって得られた錠剤は、着色料や他の安定化剤を使用することなく、熱や光の影響による変色が抑制され、主薬の含有量も安定に維持されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の特徴は以下のとおりである。
〔1〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
(a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
を含む製造方法。
〔2〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
(a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
(b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
を含む製造方法。
〔3〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
(a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
(b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
(c)(b)で得られた混合物を打錠する工程、
を含む製造方法。
〔4〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
(a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
(b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
(c)(b)で得られた混合物を打錠する工程、
(d)(c)で得られた錠剤をコーティングする工程、
を含む製造方法。
〔5〕〔1〕乃至〔4〕に記載の方法によって得られる固形製剤。
〔6〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤であって、
(a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒と、
(b)結晶セルロース、
との混合物を含む固形製剤。
〔7〕固形製剤が錠剤である、〔6〕に記載の固形製剤。
〔8〕固形製剤がコーティング錠である、〔6〕に記載の固形製剤。
〔9〕ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の変色を抑制する方法であって、ドネペジルと結晶セルロースをともに湿式造粒しない方法。
本発明の製造方法によって得られる固形製剤は、着色料や他の安定化剤を使用することなく、熱又は光の影響による変色が抑制され、主薬であるドネペジルの含有量も安定に維持される。また、本発明の製造方法によって得られる錠剤は、錠剤硬度と崩壊性が共に良好である。
本発明における固形製剤とは、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤などを含むが、特に望ましいのは錠剤である。錠剤の種類については、特に限定はなく、素錠、コーティング錠、口腔内崩壊錠、口腔内速溶錠、チュアブル錠などが含まれる。
本発明におけるドネペジルは、好ましくはドネペジル塩酸塩である。固形製剤中に含有されるドネペジルの含有量は、製剤重量の0.2%から30%であることが好ましい。
本発明における結晶セルロースは、その種類やグレードについて特に限定はされない。例えば、旭化成ケミカルズ(株)製のセオラス(登録商標)であれば、粉体グレードの、PH−101、PH−102、UF−702、UF−711、PH−301、PH−302、PH−F20JP、KG−802、KG−1000が挙げられる。特にPH−101が好適である。また、最終的に製造する製剤が顆粒剤や散剤である場合、結晶セルロースは、常法により造粒したものや、あるいは市販されている顆粒状のものを用いて良い。固形製剤中に含有される結晶セルロースの含有量は、製剤重量の3%から70%であることが好ましく、5%から50%であることがより好ましい。
本発明における固形製剤には、結晶セルロース以外にも、必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、香料、着色料等の添加剤を含有することができる。また、本発明における固形製剤にはコーティング錠を含むが、その場合のコーティング皮膜の構成成分は、腸溶性ポリマー、胃溶性ポリマー、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、可塑剤、界面活性剤、防湿剤、艶出し剤、滑沢剤、着色料等を必要に応じ適宜組み合わせて使用すればよい。
具体的には、
トウモロコシデンプンなどのデンプン類、乳糖、白糖、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マルチトール、クエン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、無水リン酸水素カルシウム等の賦形剤;
ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、マクロゴール、カルメロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、デキストリン、プルラン、トラガント、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン等の結合剤;
クロスポビドン、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム等の崩壊剤;
ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ショ糖脂肪酸エステル、硬化油等の滑沢剤;
グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の界面活性剤;
アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ソルビトール、白糖、ブドウ糖、マルチトール等の甘味剤;
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、DL−リンゴ酸、グリシン、DL−アラニン等の矯味剤;
ストロベリー、レモン、レモンライム、オレンジ、l−メントール、ハッカ油等の香料;
黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、酸化チタン、食用タール色素、天然色素等の着色料;
セルロースアセテートフタレート、ヒプロメロースフタレート、ヒプロメロースアセテートサクシネート、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS等の腸溶性ポリマー;
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE等の胃溶性ポリマー;
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒプロメロース等の水溶性ポリマー;
エチルセルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー等の水不溶性ポリマー;
マクロゴール、クエン酸トリエチル、セタノール等の可塑剤;
精製セラック、白色セラック等の防湿剤;
カルナウバロウ等の艶出し剤;
等が挙げられる。
(工程(a)について)
本発明では、工程(a)として、ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程を含むが、この顆粒は、次に示す手順で製造する。
まず、ドネペジルと結晶セルロース以外の必要な添加剤、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤などを、混合し、練合造粒法や撹拌造粒法により造粒を行う。この操作は、混合機、練合造粒機、撹拌造粒機などを用いて行うことができるが、特に、混合から造粒終了まで一貫して行える撹拌造粒機を用いるのが望ましい。使用する装置は、慣用されるもので良く、具体的には、ハイスピードミキサー(商品名、深江パウテック(株)製)、バーチカルグラニュレーター(商品名、(株)パウレック製)などの高速撹拌造粒装置が挙げられる。造粒に使用する造粒液は、精製水であることが望ましいが、必要に応じて、エタノールなどのアルコール類を含んでも良く、あるいは、結合剤を溶解したものを用いても良い。
造粒の終了後、造粒物を乾燥させる。この乾燥工程は、通常、20〜80℃程度の温度で行うのが、好ましい。乾燥工程で用いる機器としては、特に限定はされず、棚式乾燥機、転動流動層装置、流動層造粒乾燥機等が選択され得る。
その後必要に応じ、乾燥させた造粒物を破砕装置や整粒装置、篩などによって整粒することにより、工程(a)の顆粒を製造することが出来る。
(工程(b)について)
本発明では、工程(b)として、(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程を含む。この混合は、慣用されている方法で行えば良く、例えばV型混合機等を用いて行われる。このとき必要に応じて、結晶セルロース以外の添加剤、例えば滑沢剤、界面活性剤、甘味剤、矯味剤、香料、着色料等を添加して混合する。
(工程(c)について)
本発明では、工程(b)で得られた混合物を打錠することにより、錠剤を製造することが出来る。打錠工程で使用する装置としては、慣用されるものであれば特に制限はなく、例えばロータリー打錠機、単発打錠機などが挙げられる。
(工程(d)について)
本発明では、工程(c)で得られた錠剤にコーティングを施すことにより、コーティング錠を製造することが出来る。適当なコーティングを施すことにより、外観を良くしたり、苦味や臭いをマスキングしたりすることが可能である。また、吸湿や光を防ぐ皮膜によって、より主薬を安定化することや、適当な溶解性を持った物質でコーティングすることによって、主薬が徐々に溶出する徐放製剤とすることが可能である。
コーティング工程に用いる機器は特に限定されず、通常用いられる流動層造粒機、転動流動層造粒機、遠心転動造粒コーティング装置、複合型造粒コーティング装置等を使用すればよい。
以下、本発明を参考例、実施例、試験例により詳細に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
(参考例)
次の手順でドネペジル塩酸塩と各種添加剤との接触試験を行った。ドネペジル塩酸塩、及び各種添加剤を重量比1:1の割合で秤取し乳鉢にて混合した。ここで用いた各種添加剤は、結晶セルロース、乳糖、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロースである。これらの混合物のサンプルと、添加剤を含まないドネペジル塩酸塩原薬のみのサンプルを、25℃50%RHの環境下にて褐色ガラス瓶に入れて栓をし、60℃の環境下で保管した。その2週間後、4週間後に、各サンプルの性状を目視でイニシャルと比較したところ、いずれのサンプルも性状に変化は見られなかった。
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩5.0g、乳糖水和物86.3g、トウモロコシデンプン13.0g、ヒドロキシプロピルセルロース1.2gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後に結晶セルロース19.0g、ステアリン酸マグネシウム0.5gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約700kgで打錠し、1錠あたり125.0mgの錠剤を作成した。得られた錠剤は、硬度が3.8kg、崩壊時間が0.8分であった。なお、硬度は、シュロイニゲル硬度計(Dr.Schleuniger Pharmatron AG)を用いて測定し、崩壊時間は、試験液として精製水を用いて第十五改正日本薬局方崩壊試験法に則って測定した。以後記載する硬度、崩壊時間も同じである。
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩10.0g、乳糖水和物172.6g、トウモロコシデンプン26.0g、ヒドロキシプロピルセルロース2.4gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後に結晶セルロース38.0g、ステアリン酸マグネシウム1.0gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約700kgで打錠し、1錠あたり250.0mgの錠剤を作成した。得られた錠剤は、硬度が4.4kg、崩壊時間が1.2分であった。
(比較例1)
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩5.0g、乳糖水和物86.3g、トウモロコシデンプン13.0g、ヒドロキシプロピルセルロース1.2g、結晶セルロース19.0gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後にステアリン酸マグネシウム0.5gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約700kgで打錠し、1錠あたり125.0mgの錠剤を作成した。得られた錠剤は、硬度が3.6kg、崩壊時間が1.4分であった。
(比較例2)
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩10.0g、乳糖水和物172.6g、トウモロコシデンプン26.0g、ヒドロキシプロピルセルロース2.4g、結晶セルロース38.0gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後にステアリン酸マグネシウム1.0gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約700kgで打錠し、1錠あたり250.0mgの錠剤を作成した。得られた錠剤は、硬度が3.3kg、崩壊時間が1.1分であった。
表1に示した通り、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2は、それぞれ同じ成分からなる錠剤であるが、実施例1と実施例2は、結晶セルロースを造粒後に混合しているのに対し、比較例1と比較例2は、結晶セルロースを造粒時に混合している。
Figure 2011213606
(試験例1)
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2で作成した錠剤各10錠を、25℃50%RHの環境下にて褐色ガラス瓶(6号)に入れて栓をし、60℃の環境下で保管した。その2週間後、4週間後に、錠剤の色調を目視で観察し、さらに、イニシャルに対する色調変化を、分光式色差計(SE−2000、日本電色工業(株)製)により測定した。その結果を表2に示す。ここで括弧内の数値はイニシャルに対する色差ΔEを表す。
Figure 2011213606
以上の結果より、本発明によって製造した実施例1及び実施例2の錠剤では、比較例1及び比較例2の錠剤と比べて、高温条件下における変色が著しく抑制されていた。なお、実施例2の錠剤を、60℃の環境下で2週間保管したものについて、ドネペジル塩酸塩の含量を、HPLCにて定量したところ、イニシャルに対して99.5%以上保たれていることが確認された。
(試験例2)
実施例2、比較例2で作成した錠剤各10錠を、シャーレに設置し、25℃50%RH、常時2000luxの光が照射された環境下で保管した。その4週間後に、錠剤の色調を目視で観察し、さらに、イニシャルに対する色調変化を、分光式色差計(SE−2000、日本電色工業(株)製)により測定した。その結果を表3に示す。ここで括弧内の数値はイニシャルに対する色差ΔEを表す。
Figure 2011213606
以上の結果より、本発明によって製造した実施例2の錠剤では、比較例2の錠剤と比べて、光による変色が著しく抑制されていた。なお、実施例2の錠剤を、2000luxの光が照射された環境下で4週間保管したものについて、ドネペジル塩酸塩の含量を、HPLCにて定量したところ、イニシャルに対して99.5%以上保たれていることが確認された。
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩10.0g、乳糖水和物128.4g、トウモロコシデンプン56.0g、ヒドロキシプロピルセルロース5.6gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後に、結晶セルロース68.8g、ステアリン酸マグネシウム1.2gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約800kgで打錠し、1錠あたり270.0mgの錠剤を作成した。得られた錠剤は、硬度が10.8kg、崩壊時間が1.1分であった。
得られた錠剤10錠を、25℃50%RHの環境下にて褐色ガラス瓶(6号)に入れて栓をし、60℃の環境下で保管した。また別途、得られた錠剤10錠を、シャーレに設置し、25℃50%RH、常時2000luxの光が照射された環境下で保管した。4週間後、各錠剤の色調を目視で観察した。
その結果、60℃で保管したもの、2000luxで常時照射したもの、いずれもイニシャルの色調である白色のままであった。
(比較例3)
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩10.0g、乳糖水和物128.4g、トウモロコシデンプン56.0g、ヒドロキシプロピルセルロース5.6gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後に、崩壊剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロース22.0g、ステアリン酸マグネシウム1.2gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約400kgで打錠し、1錠あたり223.2mgの錠剤を作成した。
得られた錠剤の崩壊時間は、0.8分と良好であったが、硬度については、1.8kgと非常に脆いものだった。
(比較例4)
高速撹拌造粒機(ハイスピードミキサー、LFS−GS−2J、深江パウテック(株)製)にて、ドネペジル塩酸塩10.0g、乳糖水和物128.4g、トウモロコシデンプン56.0g、ヒドロキシプロピルセルロース5.6gを混合して精製水で練合造粒した。これを16号篩で篩過し得られた造粒物をミニジェットオーブンで乾燥させ、22号篩で整粒し、最後に、崩壊剤としてクロスポピドン10.5g、ステアリン酸マグネシウム1.2gを混合して打錠前粉末を得た。本粉末を単発打錠機にて打錠圧約400kgで打錠し、1錠あたり211.7mgの錠剤を作成した。
得られた錠剤は、崩壊時間が4分30秒と遅かった。
比較例3、比較例4は、結晶セルロースを使用しない例であるが、それぞれの崩壊剤の量や、打錠圧を調節するだけでは、硬度、崩壊時間をともに満足する錠剤を得ることが出来なかった。
ヒプロメロース29.0g、マクロゴール6000 3.0g、タルク3.0g、酸化チタン6.0gを精製水261.0gに溶解・分散させ、フィルムコーティング液を調製した。このフィルムコーティング液を、実施例1で作成した錠剤に、コーティング機(ハイコーターラボ、HC−LABO、フロイント産業(株)製)を用いてコーティングし、1錠あたり129.0mgのフィルムコート錠を得た。
得られたフィルムコート錠10錠を、25℃50%RHの環境下にて褐色ガラス瓶(6号)に入れて栓をし、60℃の環境下で保管した。また別途、得られたフィルムコート錠10錠を、シャーレに設置し、25℃50%RH、常時2000luxの光が照射された環境下で保管した。4週間後、各錠剤の色調を目視で観察した。
その結果、60℃で保管したもの、2000luxで常時照射したもの、いずれもイニシャルの色調である白色のままであった。

Claims (9)

  1. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
    (a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
    を含む製造方法。
  2. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
    (a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
    (b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
    を含む製造方法。
  3. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
    (a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
    (b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
    (c)(b)で得られた混合物を打錠する工程、
    を含む製造方法。
  4. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の製造方法であって、
    (a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒を製造する工程、
    (b)(a)で得られた顆粒に、結晶セルロースを混合する工程、
    (c)(b)で得られた混合物を打錠する工程、
    (d)(c)で得られた錠剤をコーティングする工程、
    を含む製造方法。
  5. 請求項1乃至4に記載の方法によって得られる固形製剤。
  6. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤であって、
    (a)ドネペジルを含み結晶セルロースは含まない顆粒と、
    (b)結晶セルロース、
    との混合物を含む固形製剤。
  7. 固形製剤が錠剤である、請求項6に記載の固形製剤。
  8. 固形製剤がコーティング錠である、請求項6に記載の固形製剤。
  9. ドネペジルと結晶セルロースを含有する固形製剤の変色を抑制する方法であって、ドネペジルと結晶セルロースをともに湿式造粒しない方法。
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