JP2011213015A - 印字装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御を行うことによって、高速印字を可能にした印字装置を提供すること。
【解決手段】サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子41A毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期Fの直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される次の印加周期Fが続く場合にのみ、次の印加周期内Fで印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させる。従って、一つの発熱素子41Aに対して印加されるメインパルスMPとサブパルスSPの双方が一つの印加周期内Fに一緒に存在しない。
【選択図】図12
【解決手段】サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子41A毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期Fの直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される次の印加周期Fが続く場合にのみ、次の印加周期内Fで印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させる。従って、一つの発熱素子41Aに対して印加されるメインパルスMPとサブパルスSPの双方が一つの印加周期内Fに一緒に存在しない。
【選択図】図12
Description
本発明は、サーマルヘッドを搭載した印字装置に関するものである。
サーマルヘッドを構成する各発熱素子に対する温度制御では、印字媒体に1個の印字ドットが形成される印加周期内において、発熱素子を加熱して印字を行うためにメインパルスを印加する加熱時間と、加熱された発熱素子を冷却させるための非加熱時間とが存在する。
もっとも、印字を開始するときや、印字中でも孤立した印字ドットを印字媒体に形成させるときは、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その熱の一部はその発熱素子周辺に逃げてしまうため、発熱が不足気味となる。
また、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その加熱された発熱素子に隣接する発熱素子が印字を行わないときは、その印字を行わない発熱素子に加熱された発熱素子の熱が逃げてしまうため、同様にして、発熱が不足気味となる。
また、メインパルスの印加により発熱素子が加熱されても、その発熱素子が直前の印加周期内で加熱されていないときは、その発熱素子が直前の印加周期内で加熱されたときと比較すると、メインパルスの印加が開始されるときの発熱素子の温度は低く、その発熱素子の温度上昇が遅れるため、発熱が不足気味となる。
そこで、これらのようなケースが当てはまる印加周期内では、その発熱の不足分を補うために、発熱素子を補助加熱するサブパルスを印加する。このサブパルスによる補助加熱時間が、メインパルスによる加熱時間の直後に追加される(例えば、下記特許文献1参照)。
従って、メインパルスによる加熱時間と、サブパルスによる加熱時間と、非加熱時間とが、一つの印加周期内に含まれることがある。
しかしながら、印字速度を上げようとすると、それに伴って印加周期が短くなっていくので、印加周期が短ければ短い程、その短くなった印加周期に対して、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間を適合させることが難しくなる。
通常の解決策としては、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間をその短くなった印加周期に対応させて短くすればよい。これによって、時間的な側面は解決されるが、短くした加熱時間で発熱量に不足が生じないように発熱素子を加熱するために、印加電圧を高くしたり、あるいは、サーマルヘッドの発熱素子の抵抗値を小さくしてサーマルヘッドの発熱素子に流れる電流を増やす必要がある。そのためには、サーマルヘッドの駆動回路を構成するICに対し、耐電圧性や電流容量の向上が要求される。
その他の解決策としては、サーマルヘッドの発熱素子で発生した熱を印字媒体に伝える効率を向上させることが挙げられる。そのためには、発熱素子が含まれるサーマルヘッドの薄膜部分の印字媒体に対する伝熱性能の向上が要求される。
但し、いずれの解決策においても、通常当然に行われている検討の枠を超えているので、結果として、コスト上昇を避けることができない。
従って、これらのような解決策がとれない場合にあっても、印字速度を上げようとすれば、印加周期を短くしなければならず、その短くなった印加周期内においては、印字に必要な発熱量を確保するために、メインパルスやサブパルスによる各加熱時間が占める割合を増やさなければならず、非加熱時間が占める割合はどうしても減ってしまうことになる。そのため、温度上昇させたサーマルヘッドの発熱素子を冷却させる時間が短くなることから、印字が連続すると蓄熱が起こってサーマルヘッドの発熱素子の温度上昇を抑えきれなくなり、所謂「印字ツブレ」・「印字尾引」などの印字品質面で不具合が発生するようになる。
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御を行うことによって、高速印字を可能にした印字装置を提供することを課題とする。
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)の制約、(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する印字装置であって、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)の制約に加えて以下(2)の制約、(2)現在の印加周期内でサブパルスの印加が終了する補助加熱終了時点と次の印加周期内でメインパルスの印加が開始する主加熱開始時点とを一致させること、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載する印字装置であって、前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる各印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が開始される主加熱開始時点と、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるサブパルスの印加が開始される補助加熱開始時点とを独立に制御すること、を特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)(2’)の制約、(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、(2’)印字媒体に同一の印字ドットを形成させるためのサブパルスとメインパルスとを同一の印加周期内に存在させないこと、の下で実行することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する印字装置であって、前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅に比べて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を短くすること、を特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載する印字装置であって、前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅に対して、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅が重なる時間帯を設けること、を特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する印字装置であって、前記サーマルヘッド又は当該印字装置内の温度を検出する検出装置を備え、前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記検出装置の検出温度に基づいて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を変化させること、を特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載する印字装置であって、前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子の総数に応じて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を変化させること、を特徴とする。
すなわち、請求項1に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、一つの発熱素子に対して印加されるメインパルスとサブパルスの双方が一つの印加周期内に一緒に存在することはないので、一定時間である印加周期の短縮が可能となる。さらに、一定時間である印加周期が短縮され、メインパルス又はサブパルスが印加されても、メインパルス及びサブパルスが印加されていない非加熱時間を十分に確保することができるので、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッドの改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。
また、請求項2に係る発明の印字装置では、現在の印加周期内で印加させたサブパルスに連続させてそのサブパルスに対応するメインパルスを次の印加周期内で印加させているので、一定時間である印加周期をさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。さらに、サブパルスによる補助加熱をメインパルスによる主加熱に対して効率よく補うことができる。
また、請求項3に係る発明の印字装置では、メインパルスの印加開始時点から独立させてサブパルスの印加開始時点が制御されるので、サーマルヘッドの熱履歴制御における新たな通電補正に対する制約が少なくなり、具体的に適用する際の自由度が増す。
また、請求項4に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に、印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、次の印加周期内で印加されるメインパルスを補うためのサブパルスを現在の印加周期内で印加させており、一つの発熱素子に対して印加されるメインパルスとサブパルスの双方が一つの印加周期内に一緒に存在することはないので、一定時間である印加周期の短縮が可能となる。さらに、一定時間である印加周期が短縮され、メインパルス又はサブパルスが印加されても、メインパルス及びサブパルスが印加されていない非加熱時間を十分に確保することができるので、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで、サーマルヘッドに対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッドの改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。
また、請求項5に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する複数の発熱素子において、メインパルスが印加される第1発熱素子とサブパルスが印加される第2発熱素子とが一つの印加周期内で現れるが、第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅より第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を短くすれば、一つの印加周期内でメインパルスからの印加エネルギーをより多く確保できるようになるため、印字品質に悪影響を与えることなく、一定時間である印加周期をさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
また、請求項6に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する複数の発熱素子において、メインパルスが印加される第1発熱素子とサブパルスが印加される第2発熱素子とが一つの印加周期内で現れるが、第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの一部と第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの一部を一つの印加周期内で重ねることができるので、一定時間である印加周期をさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
また、請求項7に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する複数の発熱素子において、第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を検出温度に基づいて変化させているので、サーマルヘッドの熱履歴制御における新たな通電補正に対して検出温度に基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
また、請求項8に係る発明の印字装置では、サーマルヘッドのラインヘッドを構成する複数の発熱素子の中で、メインパルスが印加される第1発熱素子の総数に応じて、第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を変化させているが、メインパルスが印加される第1発熱素子の総数は温度情報源となることから、サーマルヘッドの熱履歴制御における新たな通電補正に対して温度情報源に基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
[1.本発明の概要]
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置のサーマルヘッド41を拡大して示した図である。
図8に示すように、サーマルヘッド41は、複数(例えば、1024個や2048個)の発熱素子41Aを1列に列設させたラインヘッド41B等で構成される。発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の主走査方向D1」に垂直な方向が「サーマルヘッド41の副走査方向D2」である。尚、符号42は、サーマルヘッド41が配設されたプレートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図8は、本発明の一実施形態に係るテープ印刷装置のサーマルヘッド41を拡大して示した図である。
図8に示すように、サーマルヘッド41は、複数(例えば、1024個や2048個)の発熱素子41Aを1列に列設させたラインヘッド41B等で構成される。発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の主走査方向D1」に垂直な方向が「サーマルヘッド41の副走査方向D2」である。尚、符号42は、サーマルヘッド41が配設されたプレートである。
本実施形態では、サーマルヘッド41が駆動されて、ラインヘッド41Bによる1ライン毎の印字処理が行われる際には、ラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aは、図10に示すように、以下の(1)〜(3)のいずれかの駆動状態にされる。
(1)主加熱された第1発熱素子41C。
(2)補助加熱された第2発熱素子41D。
(3)駆動(主加熱も補助加熱も)されていない第3発熱素子41E。
(1)主加熱された第1発熱素子41C。
(2)補助加熱された第2発熱素子41D。
(3)駆動(主加熱も補助加熱も)されていない第3発熱素子41E。
主加熱とは、印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることをいう。この点、本実施形態に係るテープ印刷装置では、後述するように、インクリボンを使用するので、主加熱が行われることによって第1発熱素子41Cの駆動状態になる発熱素子41Aには、インクリボン上のインクを溶融或いは昇華させることができるエネルギーが与えられる。
補助加熱とは、単独では印字媒体を発色させられないが主加熱と相俟って印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることをいう。この点、本実施の形態に係るテープ印刷装置では、後述するように、インクリボンを使用するので、補助加熱が行われることによって第2発熱素子41Dの駆動状態になる発熱素子41Aには、インクリボン上のインクを溶融或いは昇華させることができるエネルギーまでは与えられない。
そこで、補助加熱は、図11に示すような条件を満たすものに限られる。すなわち、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱が行われるものは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、次の1ラインの印字処理Q(N+1)で主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態となるが、現在の1ラインの印字処理Q(N)では主加熱されていないものに限られる。
つまり、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aには、各1ラインの印字処理…,Q(N),Q(N+1),…において、主加熱も補助加熱の双方とも行われるものは存在しない。
このような主加熱と補助加熱による熱履歴制御(サーマルヘッド41の駆動制御)を、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aに対する印加パルス制御の観点から図12乃至図15を用いて説明する。図12乃至図15では、横軸は時間を示し、縦軸は印加パルスの電圧値又は電流値を示す。この点、左から右に向かって時間が経過し、印加パルスはロウ・アクティブで表示される。
サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、図12の上段で示すように、現在の1ラインの印字処理Q(N)でも次の1ラインの印字処理Q(N+1)でも主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態にある発熱素子41Aに対しては、現在の1ラインの印字処理Q(N)でもメインパルスMPが印加され、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でもメインパルスMPが印加される。つまり、メインパルスMPは、発熱素子41Aに対して印加されることによって主加熱を行うものであり、その発熱素子41Aに印字媒体を発色させることができるエネルギーを与えることによって、その発熱素子41Aを第1発熱素子41Cの駆動状態にさせる。
ここで、図12の上段で示すように、一つの発熱素子41Aにおいて、現在の1ラインの印字処理Q(N)でメインパルスMPの印加が開始された主加熱開始時点ms0から次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPが印加が開始された主加熱開始時点ms1までの間の時間を印加周期Fと定義する。印加周期Fは、一定時間とし、且つ、各1ラインの印字処理…,Q(N),Q(N+1),…の時間と一致し、印字中は、連続して繰り返される。
一方、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aのうち、図12の下段で示すように、現在の1ラインの印字処理Q(N)で補助加熱されて第2発熱素子41Dの駆動状態にあり、次の1ラインの印字処理Q(N+1)では主加熱されて第1発熱素子41Cの駆動状態にある発熱素子41Aに対しては、現在の1ラインの印字処理Q(N)ではサブパルスSPが印加され、次の1ラインの印字処理Q(N+1)ではメインパルスMPが印加される。サブパルスSPは、発熱素子41Aに対して印加されることによって補助加熱を行うものであり、単独では印字媒体を発色させられないが、次の1ラインの印字処理Q(N+1)(すなわち、次の印加周期F)でのメインパルスMPの印加による主加熱と相俟って印字媒体を発色させることができるエネルギーをその発熱素子41Aに与えることによって、その発熱素子41Aを第2発熱素子41Dの駆動状態にさせる。
ここで、サブパルスSPについては、その印加が終了される補助加熱終了時点が現在の印加周期Fの終了時点(すなわち、次の印加周期Fの開始時点)と一致される。図12の下段に示された例では、現在の1ラインの印字処理Q(N)でサブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点se0は、現在の1ラインの印字処理Q(N)に相当する印加周期Fの終了時点(すなわち、次の印加周期Fの開始時点)と一致する。尚、上述した印加周期Fの定義より、現在の1ラインの印字処理Q(N)でサブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点se0は、次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPの印加が開始される主加熱開始時点ms1に一致する。
つまり、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御の決まりを印加パルス制御の観点からまとめると、以下(A)〜(G)となる。
(A)印加周期Fは、具体的に言えば、一つの発熱素子41Aに対し、現在の1ラインの印字処理Q(N)でメインパルスMPの印加が開始された主加熱開始時点ms0から次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPが印加が開始された主加熱開始時点ms1までの間の一定時間である。
(B)印加周期Fは、印字中は、連続して繰り返される。
(C)メインパルスMPの印加が開始される主加熱開始時点は、常に、印加周期Fの開始時点と一致する。
(D)サブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点は、印加周期Fの終了時点と一致する。
(E)現在の印加周期Fで印加されるサブパルスSPと次の印加周期Fで印加されるメインパルスMPは連続する。
(F)一つの発熱素子41Aに着目すれば、一つの印加周期F内に、メインパルスMPとサブパルスSPが一緒に存在しない。
(G)一つの印加周期F内に着目すれば、ある発熱素子41Aに印加されるメインパルスMPと別の発熱素子41Aに印加されるサブパルスMPとが一緒に存在することはあり得る。
(A)印加周期Fは、具体的に言えば、一つの発熱素子41Aに対し、現在の1ラインの印字処理Q(N)でメインパルスMPの印加が開始された主加熱開始時点ms0から次の1ラインの印字処理Q(N+1)でメインパルスMPが印加が開始された主加熱開始時点ms1までの間の一定時間である。
(B)印加周期Fは、印字中は、連続して繰り返される。
(C)メインパルスMPの印加が開始される主加熱開始時点は、常に、印加周期Fの開始時点と一致する。
(D)サブパルスSPの印加が終了される補助加熱終了時点は、印加周期Fの終了時点と一致する。
(E)現在の印加周期Fで印加されるサブパルスSPと次の印加周期Fで印加されるメインパルスMPは連続する。
(F)一つの発熱素子41Aに着目すれば、一つの印加周期F内に、メインパルスMPとサブパルスSPが一緒に存在しない。
(G)一つの印加周期F内に着目すれば、ある発熱素子41Aに印加されるメインパルスMPと別の発熱素子41Aに印加されるサブパルスMPとが一緒に存在することはあり得る。
さらに、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させることができる。その変化処理は、その変化が行われる印加周期F内でメインパルスMPが印加される予定の発熱素子41A(すなわち、第1発熱素子41C)の総数nや、その変化が行われる印加周期F内でのサーマルヘッド41の温度・電圧等の環境データ等に基づいて行われるが、それらに基づくことなく行ってもよい。
尚、各印加周期F内において、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSが存在しない時間帯は、発熱素子41Aを冷却させるための非加熱時間Gとして使用される。
図12では、現在の1ラインの印字処理Q(N)に相当する印加周期Fにおいて、図12の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0と、図12の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0とが一致している。しかしながら、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御では、上述したように、メインパルスMPの印加パルス幅WMやサブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させることができる。すなわち、図12に示された例で言えば、図12の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0や、図12の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0を変えることができる。
よって、図13に示すように、図13の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0が、図13の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0よりも先になって、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが重なる重複時間帯MSが存在することがある。
このようにメインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが重なる重複時間帯MSが存在する場合は、サーマルヘッド41に印加パターンデータが転送される時間よりも重複時間帯MSが短いことを条件として、図13の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0を、図13の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0に一致させたり、逆に、図13の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0に、図13の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0を一致させたりする。もっとも、その条件を満たさなくても、その一致処理を行ってもよい。
逆に、図14に示すように、図14の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始された補助加熱開始時点ss0が、図14の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了された主加熱終了時点me0よりも後になって、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが離れる離間時間帯SMが存在することがある。
このようにメインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが離れる離間時間帯SMが存在する場合は、サーマルヘッド41に印加パターンデータが転送される時間よりも離間時間帯SMが短いことを条件として、図14の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0を、図14の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0に一致させたり、逆に、図14の下段に示されたサブパルスSPの印加が開始される補助加熱開始時点ss0に、図14の上段に示されたメインパルスMPの印加が終了される主加熱終了時点me0を一致させたりする。もっとも、その条件を満たさなくても、その一致処理を行ってもよい。
さらに、本実施の形態で行われるサーマルヘッド41の駆動制御では、上述したように、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、その変化が行われる印加周期F内でのサーマルヘッド41の温度・電圧等の環境データ等に基づいて、サブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させることができる。このような場合には、図15に示すようにして、印加パルス幅WSを変化させられたサブパルスSPに続いて同一の発熱素子41Aに印加される次の印加周期FのメインパルスMPを、矩形パルスRPとチョッピングパルスCPとで構成し、矩形パルスRPの印加パルス幅WRとチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCとの比を変化させることができる。その変化処理は、印加パルス幅WSを変化させられたサブパルスSPが印加された発熱素子41Aとは異なる発熱素子41Aに対して行ってもよい。
[2.本発明の外部構成]
次に、本実施形態に係るテープ印刷装置1の概略構成について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は、テープ印刷装置1の外観斜視図である。図7は、テープ印刷装置1のカセット収納部周辺を示した上面図である。
次に、本実施形態に係るテープ印刷装置1の概略構成について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は、テープ印刷装置1の外観斜視図である。図7は、テープ印刷装置1のカセット収納部周辺を示した上面図である。
図6に示すように、テープ印刷装置1は、筐体内部に内蔵されたテープカセット5(図7参照)から排出されるテープに対して印刷を行う印刷装置であり、筐体上面にキーボード3と液晶ディスプレイ4を有している。また、同じく筐体上面には平面視矩形状のテープカセット5を収納するカセット収納部8(図7参照)が収納カバー9で覆われて配設されている。また、このキーボード3の下側には、制御回路部が構成される制御基板(図示せず)が配設されている。また、カセット収納部8の左側面部には、印字されたテープが排出されるテープ排出口10が形成されている。また、テープ印刷装置1の右側面部には、接続インターフェイス(図示せず)が配設されている。この接続インターフェースは、外部機器(例えば、パーソナルコンピュータ等)と有線または無線接続をする際に用いられる。従って、テープ印刷装置1は、外部機器から送信された印字データを印刷することも可能である。
ここで、キーボード3は、文字入力キー3A、印刷キー3B、カーソルキー3C、電源キー3D、設定キー3E、リターンキー3R等の複数種類の入力キーを備えている。文字入力キー3Aは、文書データからなるテキストを作成する際の文字入力に用いられる。印刷キー3Bは、作成されたテキスト等からなる印字データの印刷実行を指令する際に用いられる。そして、カーソルキー3Cは、液晶ディスプレイ4上に表示されるカーソルを、上下左右に移動する際に用いられる。また、電源キー3Dは装置本体の電源をON又はOFFする際に用いられる。また、設定キー3Eはテープ印刷装置1の各種設定(印刷密度の設定など)を行う際に用いられる。また、リターンキー3Rは、改行指令や各種処理の実行、選択決定を指令する際に用いられる。
一方、液晶ディスプレイ4は、文字等のキャラクタを複数行に渡って表示する表示装置であり、キーボード3によって作成される印字データ等を表示しうる。
そして、図7に示すように、テープ印刷装置1は、内部のカセット収納部8に対してテープカセット5を装着可能に構成されている。更に、テープ印刷装置1の内部には、テープ駆動印刷機構16及びカッター17を含むテープ切断機構が配設されている。テープ印刷装置1は、テープ駆動印刷機構16により、テープカセット5から引き出されたテープに対して、所望の印字データに基づく印刷を施すことができる。そして、テープ印刷装置1は、テープ切断機構のカッター17により、印刷されたテープを切断することができる。切断されたテープは、テープ印刷装置1の左側側面に形成されたテープ排出口10から排出される。
そして、テープ印刷装置1の内部には、カセット収納部フレーム18が配設されている。図7に示すように、このカセット収納部フレーム18には、テープカセット5が着脱自在に装着される。
テープカセット5は、その内部に、テープスプール32、リボン供給スプール34、巻取スプール35、基材供給スプール37、接合ローラ39を備えており、夫々回転自在に軸支されている。テープスプール32には、表層テープ31(「印字媒体」に相当するもの)が巻回されている。表層テープ31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等からなる透明なテープである。そして、リボン供給スプール34には、インクリボン33が巻回されている。このインクリボン33には、インク加熱により溶融或いは昇華するインクが塗布され、インク層を形成している。巻取スプール35は、印刷に使用されたインクリボン33を巻き取る。そして、基材供給スプール37には、二重テープ36が巻回されている。この二重テープ36は、表層テープ31と同一幅で両面に接着剤層を有する両面接着テープの片面に対して、剥離テープを貼り合わせて構成されている。また、当該二重テープ36は、剥離テープが外側に位置するように、基材供給スプール37に巻回されている。そして、接合ローラ39は、二重テープ36と表層テープ31とを重ねて接合させる際に用いられる。
テープカセット5は、その内部に、テープスプール32、リボン供給スプール34、巻取スプール35、基材供給スプール37、接合ローラ39を備えており、夫々回転自在に軸支されている。テープスプール32には、表層テープ31(「印字媒体」に相当するもの)が巻回されている。表層テープ31は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等からなる透明なテープである。そして、リボン供給スプール34には、インクリボン33が巻回されている。このインクリボン33には、インク加熱により溶融或いは昇華するインクが塗布され、インク層を形成している。巻取スプール35は、印刷に使用されたインクリボン33を巻き取る。そして、基材供給スプール37には、二重テープ36が巻回されている。この二重テープ36は、表層テープ31と同一幅で両面に接着剤層を有する両面接着テープの片面に対して、剥離テープを貼り合わせて構成されている。また、当該二重テープ36は、剥離テープが外側に位置するように、基材供給スプール37に巻回されている。そして、接合ローラ39は、二重テープ36と表層テープ31とを重ねて接合させる際に用いられる。
図7に示すように、カセット収納部フレーム18には、アーム20が、軸20Aを中心として揺動可能に配設されている。アーム20の先端には、プラテンローラ21、搬送ローラ22が回動可能に軸支されている。プラテンローラ21、搬送ローラ22は、何れもゴム等の可撓性部材を表面に有している。
アーム20が最も時計回りに揺動すると、プラテンローラ21は、表層テープ31及びインクリボン33を、後述するサーマルヘッド41に対して圧接する。また、この時、搬送ローラ22は、表層テープ31及び二重テープ36を、接合ローラ39に対して圧接する。
アーム20が最も時計回りに揺動すると、プラテンローラ21は、表層テープ31及びインクリボン33を、後述するサーマルヘッド41に対して圧接する。また、この時、搬送ローラ22は、表層テープ31及び二重テープ36を、接合ローラ39に対して圧接する。
また、カセット収納部フレーム18には、プレート42が立設されている。このプレート42のプラテンローラ21側側面には、サーマルヘッド41が配設されている。サーマルヘッド41は、図8に示すように表層テープ31及び二重テープ36の幅方向と同方向に、複数(例えば、1024個や2048個)の発熱素子41Aを1列に列設させたラインヘッド41B等で構成される。
すなわち、発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の副走査方向D2」は、サーマルヘッド41上を表層テープ31及びインクリボン33が移動する方向と一致する。
図7に戻り、テープカセット5が所定位置に装着されると、プレート42は、テープカセット5の凹部43に嵌め込まれる。
すなわち、発熱素子41Aが1列に並んだ方向が「サーマルヘッド41の主走査方向D1」である。これに対して、「サーマルヘッド41の副走査方向D2」は、サーマルヘッド41上を表層テープ31及びインクリボン33が移動する方向と一致する。
図7に戻り、テープカセット5が所定位置に装着されると、プレート42は、テープカセット5の凹部43に嵌め込まれる。
また、図7に示すように、カセット収納部フレーム18には、リボン巻取ローラ46、接合駆動用ローラ47が立設されている。テープカセット5が所定位置に装着されると、リボン巻取ローラ46は、テープカセット5の巻取スプール35内に挿入される。同様に、接合駆動用ローラ47は、テープカセット5の接合ローラ39内に挿入される。
また、カセット収納部フレーム18には、テープ搬送モータ2(後述する図9参照)が配設されている。テープ搬送モータ2による駆動力は、カセット収納部フレーム18に沿って配設されたギア列を介して、プラテンローラ21、搬送ローラ22、リボン巻取ローラ46及び接合駆動用ローラ47等に夫々伝達される。
従って、テープ搬送モータ2に対する電力供給により、テープ搬送モータ2の出力軸の回転が開始されると、巻取スプール35、接合ローラ39、プラテンローラ21、搬送ローラ22も連動して回転を開始する。これにより、テープカセット5内の表層テープ31、インクリボン33、二重テープ36は、テープスプール32、リボン供給スプール34、基材供給スプール37からそれぞれ巻き解かれ、下流方向(テープ排出口10、巻取スプール35方向)へと搬送される。
従って、テープ搬送モータ2に対する電力供給により、テープ搬送モータ2の出力軸の回転が開始されると、巻取スプール35、接合ローラ39、プラテンローラ21、搬送ローラ22も連動して回転を開始する。これにより、テープカセット5内の表層テープ31、インクリボン33、二重テープ36は、テープスプール32、リボン供給スプール34、基材供給スプール37からそれぞれ巻き解かれ、下流方向(テープ排出口10、巻取スプール35方向)へと搬送される。
その後、表層テープ31及びインクリボン33は、互いに重ね合わされてからプラテンローラ21とサーマルヘッド41との間を通過する。従って、当該テープ印刷装置1において、表層テープ31、インクリボン33は、プラテンローラ21とサーマルヘッド41とによって挟まれた状態で搬送される。この時、サーマルヘッド41に配列された多数の発熱素子41Aは、制御部60(図9参照)によって、印字データ及び後述する制御プログラムに基づいて選択的かつ間欠的に通電(パルス印加)される。
ここで、各発熱素子41Aは、通電により発熱し、インクリボン33に塗布されているインクを溶融或いは昇華させるので、インクリボン33に形成されたインク層のインクは、表層テープ31にドット単位(「印字ドット」に相当するもの)で転写される。この結果、表層テープ31には、印字データに基づくユーザ所望のドット画像が鏡像で形成される。
その後、インクリボン33は、サーマルヘッド41を通過すると、リボン巻取ローラ15によって巻き取られる。一方、表層テープ31は、二重テープ36と重ねられ、搬送ローラ22と接合ローラ39との間を通過する。この時、表層テープ31と二重テープ36は、搬送ローラ22、接合ローラ39により圧接され、積層テープ38となる。ここで、当該積層テープ38は、ドット印刷済みの表層テープ31の印刷面側が二重テープ36と強固に重ね合わされる。従って、ユーザは、表層テープ31の印刷面の裏面側(即ち、積層テープ38の表面側)から印刷画像の正像を視認可能である。
その後、積層テープ38は、搬送ローラ22の更に下流に搬送され、カッター17を含むテープ切断機構に到達する。テープ切断機構は、カッター17と、切断用モータ72(図9参照)により構成されている。そして、カッター17は、固定刃17Aと、回動刃17Bを備えており、固定刃17Aに対して回動刃17Bを回動させることで切断対象物を剪断する鋏形式のカッターである。そして、回動刃17Bは、切断用モータ72によって支点を中心に往復揺動可能に配設されている。従って、切断用モータ72の駆動により、積層テープ38は、固定刃17A、回動刃17Bに剪断される。
切断された積層テープ38は、テープ排出口10を介して、テープ印刷装置1の外部へ排出される。そして、当該積層テープ38は、二重テープ36の剥離紙を剥がし、接着剤層を露出させれば、任意の場所に貼り付けることが可能な粘着ラベルとして使用可能である。尚、サーマルヘッド41による熱転写の構成の詳細については後述する。
切断された積層テープ38は、テープ排出口10を介して、テープ印刷装置1の外部へ排出される。そして、当該積層テープ38は、二重テープ36の剥離紙を剥がし、接着剤層を露出させれば、任意の場所に貼り付けることが可能な粘着ラベルとして使用可能である。尚、サーマルヘッド41による熱転写の構成の詳細については後述する。
[3.本発明の内部構成]
次に、テープ印刷装置1の制御構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、テープ印刷装置1の制御系を示すブロック図である。
テープ印刷装置1内には、制御基板(図示せず)が配設されており、この制御基板上には、制御部60、タイマ67、ヘッド駆動回路68、切断用モータ駆動回路69、搬送モータ駆動回路70が配設されている。
次に、テープ印刷装置1の制御構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図9は、テープ印刷装置1の制御系を示すブロック図である。
テープ印刷装置1内には、制御基板(図示せず)が配設されており、この制御基板上には、制御部60、タイマ67、ヘッド駆動回路68、切断用モータ駆動回路69、搬送モータ駆動回路70が配設されている。
そして、制御部60は、CPU61、CG−ROM62、EEPROM63、ROM64、RAM66により構成されている。また、当該制御部60は、タイマ67、ヘッド駆動回路68、切断用モータ駆動回路69、搬送モータ駆動回路70と接続されている。更に、制御部60は、液晶ディスプレイ4、カセットセンサ7、サーミスタ73、キーボード3、接続インターフェース71にも接続されている。
CPU61は、テープ印刷装置1における各種制御の中枢を担う中央演算処理装置である。従って、このCPU61は、キーボード3等からの入力信号及び後述する各種制御プログラム等に基づいて、液晶ディスプレイ4等の各周辺装置を制御する。
CPU61は、テープ印刷装置1における各種制御の中枢を担う中央演算処理装置である。従って、このCPU61は、キーボード3等からの入力信号及び後述する各種制御プログラム等に基づいて、液晶ディスプレイ4等の各周辺装置を制御する。
CG−ROM62は、印刷される文字や記号の画像データをコードデータと対応させてドットパターンで記憶するキャラクタージェネレータ用メモリである。また、EEPROM63は、記憶内容の書込・消去ができる不揮発性メモリであり、当該テープ印刷装置1におけるユーザ設定等を示すデータを格納している。
そして、ROM64には、テープ印刷装置1における各種制御プログラムやデータが格納されている。従って、後述する制御プログラムは、このROM64に格納されている。
そして、ROM64には、テープ印刷装置1における各種制御プログラムやデータが格納されている。従って、後述する制御プログラムは、このROM64に格納されている。
また、RAM66は、CPU61での演算結果等を一時的に格納する記憶装置である。このRAM66には、キーボード3の入力により生成された印字データや、外部機器78から接続インターフェース71を介して取り込まれた印字データも格納される。
そして、タイマ67は、テープ印刷装置1の制御を実行する際に所定期間の経過を計時する計時装置である。具体的には、タイマ67は、後述する制御プログラムにおいて、サーマルヘッド41の発熱素子41Aに対する通電(パルス印加)等の開始・終了を判断する際に参照される。また、サーミスタ73はサーマルヘッド41の温度を検出する為のセンサであり、サーマルヘッド41に取り付けられている。
そして、タイマ67は、テープ印刷装置1の制御を実行する際に所定期間の経過を計時する計時装置である。具体的には、タイマ67は、後述する制御プログラムにおいて、サーマルヘッド41の発熱素子41Aに対する通電(パルス印加)等の開始・終了を判断する際に参照される。また、サーミスタ73はサーマルヘッド41の温度を検出する為のセンサであり、サーマルヘッド41に取り付けられている。
ヘッド駆動回路68は、CPU61からの制御信号に基づいて、後述する制御プログラムに基づいて、サーマルヘッド41に駆動信号を供給し、サーマルヘッド41の駆動状態を制御する回路である。この時、ヘッド駆動回路68は、発熱素子41A毎に対応付けられたストローブ番号に関連付けられた信号(ストローブ(STB)信号)に基づいて、各発熱素子41Aの通電(パルス印加)の有無を制御することで、サーマルヘッド41全体の発熱態様を制御する。そして、切断用モータ駆動回路69は、CPU61からの制御信号に基づいて切断用モータ72に駆動信号を供給し、切断用モータ72の駆動制御を行う回路である。また、搬送モータ駆動回路70は、CPU61からの制御信号に基づいてテープ搬送モータ2に駆動信号を供給し、テープ搬送モータ2の駆動制御を行う制御回路である。これにより、「搬送装置」が構成される。
[4−1.本発明の第1動作]
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第1駆動制御について説明する。図1は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第1駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図1のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第1駆動制御について説明する。図1は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第1駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図1のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
図1に示すように、サーマルヘッド41の第1駆動制御では、先ず、S11において、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。このとき、CPU61は、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータが各印加周期F毎に整理された「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。尚、その1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に決定されている。
この点、最初の印加周期Fの1ライン分の「サーマルヘッド印字列データ」については、サーミスタ73によるサーマルヘッド41の検出温度Zに基づいて決定された「温度情報」などが、サブパルスSPの印加パルス幅WSの決定に反映される。CPU61は、その反映がなされたサブパルスデータを、ヘッド駆動回路68に対して転送する。その後は、CPU61はS12に進む。
S12では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S12:NO)、CPU61は、S12に戻ることによって、サブパルスSPの開始タイミングが到来するまで待機する。一方、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S12:YES)、CPU61はS13に進む。
S13では、CPU61は、サブパルスSPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、この時点で転送されているサブパルスデータをラッチさせ、補助加熱対象の発熱素子41AにサブパルスSPを印加させて第2発熱素子41Dの駆動状態にする。その後は、CPU61はS14に進む。
S14では、CPU61は、印加周期Fの開始時点又は終了時点であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が終了される「補助加熱終了時点se」又はメインパルスMPの印加が開始される「主加熱開始時点ms」であるか否かが判断される。ここで、印加周期Fの開始時点及び終了時点でない場合には(S14:NO)、CPU61はS15に進む。
S15では、CPU61は、この時点での転送対象であるメインパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS14に戻る。一方、そのS14において、印加周期Fの開始時点又は終了時点である場合には(S14:YES)、CPU61はS16に進む。
S16では、CPU61は、サーミスタ73でサーマルヘッド41の温度を検出し、その検出温度Zに基づいて「温度情報」を決定する。その後、CPU61はS17に進む。
S17では、CPU61は、1ライン分の発熱ドット数(すなわち、この印加周期Fでのサーマルヘッド41のラインヘッド41Bにおける主加熱対象の発熱素子41Aの総数n)をカウントし、「縦ドットランク」を決定する。その後、CPU61はS18に進む。
S18では、CPU61は、メインパルスMPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S15で転送されたメインパルスデータをラッチさせ、主加熱対象の発熱素子41AにメインパルスMPを印加させて第1発熱素子41Cの駆動状態にする。このときの駆動状態について、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S16の「温度情報」や上記S17の「縦ドットランク」から決定したメインパルスMPの印加パルス幅WMを反映させる。その後は、CPU61はS19に進む。
S19では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとが重なる否かを判断する。この判断は、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」とサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」とを比較して行われる。ここで、メインパルスMPとサブパルスSPとが重ならない場合には(S19:NO)、後述するS23に進む。一方、メインパルスMPとサブパルスSPとが重なる場合には(S19:YES)、CPU61はS20に進む。
S20では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S20:NO)、CPU61はS21に進む。
S21では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」(この時点での転送対象)をヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS20に戻る。一方、そのS20において、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S20:YES)、CPU61はS22に進む。
S22では、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」をラッチさせる。その後は、CPU61はS23に進む。
S23では、CPU61は、メインパルスMPの印加終了時間か否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」であるか否かが判断される。ここで、メインパルスMPの印加終了時間でない場合には(S23:NO)、CPU61はS24に進む。
S24では、CPU61は、この時点での転送対象であるサブパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS23に戻る。一方、そのS23において、メインパルスMPの印加終了時間である場合には(S23:YES)、CPU61はS25に進む。
S25では、CPU61は、メインパルスMPの印加を終了する。つまり、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、主加熱対象の発熱素子41Aに対するメインパルスMPの印加を終了させる。その後、CPU61はS26に進む。
S26では、CPU61は、印字が終了したか否かを判断する。ここで、印字が終了しない場合には(S26:NO)、CPU61は、S12に戻って、S12以降の処理を繰り返す。一方、印字が終了した場合には(S26:YES)、CPU61は、このプログラムを終了させる。
[4−2.本発明の第2動作]
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第2駆動制御について説明する。図2は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第2駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図2のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第2駆動制御について説明する。図2は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第2駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図2のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
図2に示すように、サーマルヘッド41の第2駆動制御では、先ず、S41において、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。このとき、CPU61は、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータが各印加周期F毎に整理された「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。尚、その1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に決定されている。
この点、最初の印加周期Fの1ライン分の「サーマルヘッド印字列データ」については、サーミスタ73によるサーマルヘッド41の検出温度Zに基づいて決定された「温度情報」などが、サブパルスSPの印加パルス幅WSの決定に反映される。CPU61は、その反映がなされたサブパルスデータを、ヘッド駆動回路68に対して転送する。その後は、CPU61はS42に進む。
S42では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S42:NO)、CPU61は、S42に戻ることによって、サブパルスSPの開始タイミングが到来するまで待機する。一方、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S42:YES)、CPU61はS43に進む。
S43では、CPU61は、サブパルスSPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、この時点で転送されているサブパルスデータをラッチさせ、補助加熱対象の発熱素子41AにサブパルスSPを印加させて第2発熱素子41Dの駆動状態にする。その後は、CPU61はS44に進む。
S44では、CPU61は、印加周期Fの開始時点又は終了時点であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が終了される「補助加熱終了時点se」又はメインパルスMPの印加が開始される「主加熱開始時点ms」であるか否かが判断される。ここで、印加周期Fの開始時点及び終了時点でない場合には(S44:NO)、CPU61はS45に進む。
S45では、CPU61は、この時点での転送対象のメインパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS44に戻る。一方、そのS44において、印加周期Fの開始時点又は終了時点である場合には(S44:YES)、CPU61はS46に進む。
S46では、CPU61は、サーミスタ73でサーマルヘッド41の温度を検出し、その検出温度Zに基づいて「温度情報」を決定する。その後、CPU61はS47に進む。
S47では、CPU61は、1ライン分の発熱ドット数(すなわち、この印加周期Fでのサーマルヘッド41のラインヘッド41Bにおける主加熱対象の発熱素子41Aの総数n)をカウントし、「縦ドットランク」を決定する。その後、CPU61はS48に進む。
S48では、CPU61は、メインパルスMPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S45で転送されたメインパルスデータをラッチさせ、主加熱対象の発熱素子41AにメインパルスMPを印加させて第1発熱素子41Cの駆動状態にする。このときの駆動状態について、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S46の「温度情報」や上記S47の「縦ドットランク」から決定したメインパルスMPの印加パルス幅WMを反映させる。その後は、CPU61はS49に進む。
S49では、CPU61は、先ず、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅SMの合計値を印字周期Fから引いて変数Txを算出する。さらに、CPU61は、変数Txの符号がマイナス(「−」)で、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きいか否かを判断する。尚、データ転送時間Lとは、上記S45や後述するS51,S54におけるデータ転送時間である。
ここで、変数Txの符号がマイナス(「−」)でない、又は、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きくない場合には(S49:NO)、CPU61は後述するS53に進む。一方、変数Txの符号がマイナス(「−」)で、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きい場合には(S49:YES)、CPU61はS50に進む。
S50では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S50:NO)、CPU61はS51に進む。
S51では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」(この時点での転送対象)をヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS50に戻る。一方、そのS50において、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S50:YES)、CPU61はS52に進む。
S52では、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」をラッチさせる。その後は、CPU61はS53に進む。
S53では、CPU61は、メインパルスMPの印加終了時間か否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」であるか否かが判断される。ここで、メインパルスMPの印加終了時間である場合には(S53:NO)、CPU61はS54に進む。
S54では、CPU61は、この時点での転送対象であるサブパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS53に戻る。一方、そのS53において、メインパルスMPの印加終了時間でない場合には(S53:YES)、CPU61はS55に進む。
S55では、CPU61は、メインパルスMPの印加を終了する。つまり、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、主加熱対象の発熱素子41Aに対するメインパルスMPの印加を終了させる。その後、CPU61はS56に進む。
S56では、CPU61は、印字が終了したか否かを判断する。ここで、印字が終了した場合には(S56:YES)、CPU61は、このプログラムを終了させる。一方、印字が終了しない場合には(S56:NO)、CPU61はS57に進む。
S57では、CPU61は、変数Txの符号が「0」より大きくて、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さいか否かを判断する。ここで、変数Txの符号が「0」より大きくなく、又は、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さくない場合には(S57:NO)、S42に戻って、S42以降の処理を繰り返す。一方、変数Txの符号が「0」より大きくて、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さい場合には(S57:YES)、CPU61はS43に戻って、S43以降の処理を繰り返す。
これにより、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」とサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」との時間差が、上記S45,S51,S54におけるデータ転送時間Lよりも小さいときは、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」にサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」を一致させることができる。
[4−3.本発明の第3動作]
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第3駆動制御について説明する。図3は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第3駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図3のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第3駆動制御について説明する。図3は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第3駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図3のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
図3に示すように、サーマルヘッド41の第3駆動制御では、先ず、S81において、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。このとき、CPU61は、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータが各印加周期F毎に整理された「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。尚、その1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に決定されている。
この点、最初の印加周期Fの1ライン分の「サーマルヘッド印字列データ」については、サーミスタ73によるサーマルヘッド41の検出温度Zに基づいて決定された「温度情報」などが、サブパルスSPの印加パルス幅WSの決定に反映される。CPU61は、その反映がなされたサブパルスデータを、ヘッド駆動回路68に対して転送する。その後は、CPU61はS82に進む。
S82では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S82:NO)、CPU61は、S82に戻ることによって、サブパルスSPの開始タイミングが到来するまで待機する。一方、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S82:YES)、CPU61はS83に進む。
S83では、CPU61は、サブパルスSPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、この時点で転送されているサブパルスデータをラッチさせ、補助加熱対象の発熱素子41AにサブパルスSPを印加させて第2発熱素子41Dの駆動状態にする。その後は、CPU61はS84に進む。
S84では、CPU61は、印加周期Fの開始時点又は終了時点であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が終了される「補助加熱終了時点se」又はメインパルスMPの印加が開始される「主加熱開始時点ms」であるか否かが判断される。ここで、印加周期Fの開始時点及び終了時点でない場合には(S84:NO)、CPU61はS85に進む。
S85では、CPU61は、この時点での転送対象であるメインパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS84に戻る。一方、そのS84において、印加周期Fの開始時点又は終了時点である場合には(S84:YES)、CPU61はS86に進む。
S86では、CPU61は、サーミスタ73でサーマルヘッド41の温度を検出し、その検出温度Zに基づいて「温度情報」を決定する。その後、CPU61はS87に進む。
S87では、CPU61は、1ライン分の発熱ドット数(すなわち、この印加周期Fでのサーマルヘッド41のラインヘッド41Bにおける主加熱対象の発熱素子41Aの総数n)をカウントし、「縦ドットランク」を決定する。その後、CPU61はS88に進む。
S88では、CPU61は、メインパルスMPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S85で転送されたメインパルスデータをラッチさせ、主加熱対象の発熱素子41AにメインパルスMPを印加させて第1発熱素子41Cの駆動状態にする。このときの駆動状態について、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S86の「温度情報」や上記S87の「縦ドットランク」から決定したメインパルスMPの印加パルス幅WMを反映させる。その後は、CPU61はS89に進む。
S89では、CPU61は、先ず、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅SMの合計値を印字周期Fから引いて変数Txを算出する。さらに、CPU61は、変数Txの符号が「0」より大きくて、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さいか否かを判断する。尚、データ転送時間Lとは、上記S85や後述するS92,S95におけるデータ転送時間である。ここで、変数Txの符号が「0」より大きくて、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さい場合には(S89:YES)、CPU61は後述するS97に進む。
一方、変数Txの符号が「0」より大きくなく、又は、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも小さくない場合には(S98:NO)、CPU61はS90に進む。
S90では、CPU61は、変数Txの符号がマイナス(「−」)で、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きいか否かを判断する。ここで、変数Txの符号がマイナス(「−」)でない、又は、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きくない場合には(S90:NO)、CPU61は後述するS94に進む。一方、変数Txの符号がマイナス(「−」)で、且つ、変数Txの絶対値がデータ転送時間Lよりも大きい場合には(S90:YES)、CPU61はS91に進む。
S91では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S91:NO)、CPU61はS92に進む。
S92では、CPU61は、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」(この時点での転送対象)をヘッド駆動回路68に対して転送する。その後は、CPU61はS91に戻る。一方、そのS91において、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S91:YES)、CPU61はS93に進む。
S93では、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、メインパルスMPとサブパルスSPとの「ORデータ」をラッチさせる。その後は、CPU61はS94に進む。
S94では、CPU61は、メインパルスMPの印加終了時間か否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」であるか否かが判断される。ここで、メインパルスMPの印加終了時間でない場合には(S94:NO)、CPU61はS95に進む。
S95では、CPU61は、この時点での転送対象であるサブパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS94に戻る。一方、そのS94において、メインパルスMPの印加終了時間である場合には(S94:YES)、CPU61はS96に進む。
S96では、CPU61は、メインパルスMPの印加を終了する。つまり、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、主加熱対象の発熱素子41Aに対するメインパルスMPの印加を終了させる。その後、CPU61はS97に進む。
S97では、CPU61は、印字が終了したか否かを判断する。ここで、印字が終了しない場合には(S97:NO)、CPU61はS82に戻って、S82以降の処理を繰り返す。一方、印字が終了した場合には(S97:YES)、CPU61は、このプログラムを終了させる。
これにより、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」とサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」との時間差が、上記S85,S92,S95におけるデータ転送時間Lよりも小さいときは、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」をサブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」に一致させることができる。
[4−4.本発明の第4動作]
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第4駆動制御について説明する。図4は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第4駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図4のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
次に、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41の第4駆動制御について説明する。図4は、テープ印刷装置1のサーマルヘッド41を第4駆動制御するための制御プログラムを示したフローチャート図である。尚、図4のフローチャートで示された制御プログラムは、ROM64等に記憶されており、CPU61により実行される。
図4に示すように、サーマルヘッド41の第4駆動制御では、先ず、S111において、CPU61は、RAM66から印字データの先読みを行い、「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。このとき、CPU61は、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータが各印加周期F毎に整理された「サーマルヘッド印字列データ」を作成する。尚、その1ライン分のサブパルスデータやメインパルスデータは、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に決定されている。
この点、最初の印加周期Fの1ライン分の「サーマルヘッド印字列データ」については、サーミスタ73によるサーマルヘッド41の検出温度Zに基づいて決定された「温度情報」などが、サブパルスSPの印加パルス幅WSの決定に反映される。CPU61は、その反映がなされたサブパルスデータを、ヘッド駆動回路68に対して転送する。その後は、CPU61はS112に進む。
S112では、CPU61は、サブパルスSPの開始タイミングであるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が開始される「補助加熱開始時点ss」であるか否かが判断される。ここで、サブパルスSPの開始タイミングでない場合には(S112:NO)、CPU61は、S112に戻ることによって、サブパルスSPの開始タイミングが到来するまで待機する。一方、サブパルスSPの開始タイミングである場合には(S112:YES)、CPU61はS113に進む。
S113では、CPU61は、サブパルスSPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、この時点で転送されているサブパルスデータをラッチさせ、補助加熱対象の発熱素子41AにサブパルスSPを印加させて第2発熱素子41Dの駆動状態にする。その後は、CPU61はS114に進む。
S114では、CPU61は、印加周期Fの開始時点又は終了時点であるか否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、サブパルスSPの印加が終了される「補助加熱終了時点se」又はメインパルスMPの印加が開始される「主加熱開始時点ms」であるか否かが判断される。ここで、印加周期Fの開始時点及び終了時点でない場合には(S114:NO)、CPU61はS115に進む。
S115では、CPU61は、この時点での転送対象であるメインパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。その後は、CPU61はS114に戻る。一方、そのS114において、印加周期Fの開始時点又は終了時点である場合には(S114:YES)、CPU61はS116に進む。
S116では、CPU61は、サーミスタ73でサーマルヘッド41の温度を検出する。また、CPU61は、1ライン分の発熱ドット数(すなわち、この印加周期Fでのサーマルヘッド41のラインヘッド41Bにおける主加熱対象の発熱素子41Aの総数n)をカウントする。さらに、CPU61は、上記のサーマルヘッド41の検出温度Zや上記の1ライン分の発熱ドット総数nに基づいて、サブパルス時間(サブパルスSPの印加パルス幅WS)や、矩形パルス時間(矩形パルスRPの印加パルス幅WR)、チョッピング時間(チョッピングパルスCPの印加パルス幅WC)、チョッピングデューティー比等を決定する。
その決定には、例えば、図5に示すようなテーブルデータ201が使用される。図5のテーブルデータ201は、印加周期Fが875μsec(印字速度が80mm/sec)のものである。図5のテーブルデータ201には、温度範囲の欄211や、発熱ドット数の欄212、サブパルスの欄213、各メインパルスの欄214,215,216,217が設けられている。
温度範囲の欄211には、サーマルヘッド41の温度の範囲が「摂氏温度(℃)」の単位で記載されている。発熱ドット数の欄212には、1ライン分の発熱ドット数の範囲が個数の単位で記載されている。サブパルスの欄213には、サブパルスSPの印加パルス幅WSが「μsec」の単位で記載されている(図15参照)。メインパルスの欄214には、メインパルスMPを構成する矩形パルスRPの印加パルス幅WRが「μsec」の単位で記載されている(図15参照)。メインパルスの欄215には、メインパルスMPを構成するチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCが「μsec」の単位で記載されている(図15参照)。メインパルスの欄216には、メインパルスMPを構成するチョッピングパルスCPの回数が記載されている。メインパルスの欄217には、メインパルスMPを構成するチョッピングパルスCPのデューティー比が記載されている。尚、図5のテーブルデータ201は、複数の印加周期F毎に作成され、ROM64に記憶されている。
このS116で決定される事項は、以下(1)〜(5)の方法により行われる。
(1)上記のサーマルヘッド41の温度や上記の1ライン分の発熱ドット数から、サブパルスSPの印加パルス幅WSを決定する。
(2)サブパルスSPの印加パルス幅WSに固定係数を乗じてメインパルスMPを構成する矩形パルスRPの印加パルス幅WRを決定する。
(3)サブパルスSPの印加パルス幅WSと矩形パルスRPの印加パルス幅WRの合計値を印加周期Fから減じた計算値をチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCに決定する。
(4)チョッピングパルスCPの印加パルス幅WCを固定チョッピング周期時間で除してチョッピングパルスCPの回数を決定する。
(5)サブパルスSPの印加パルス幅WSとチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCの合計値に対し実験値の係数を乗じることにより、チョッピングパルスCPのデューティー比を決定する。
(1)上記のサーマルヘッド41の温度や上記の1ライン分の発熱ドット数から、サブパルスSPの印加パルス幅WSを決定する。
(2)サブパルスSPの印加パルス幅WSに固定係数を乗じてメインパルスMPを構成する矩形パルスRPの印加パルス幅WRを決定する。
(3)サブパルスSPの印加パルス幅WSと矩形パルスRPの印加パルス幅WRの合計値を印加周期Fから減じた計算値をチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCに決定する。
(4)チョッピングパルスCPの印加パルス幅WCを固定チョッピング周期時間で除してチョッピングパルスCPの回数を決定する。
(5)サブパルスSPの印加パルス幅WSとチョッピングパルスCPの印加パルス幅WCの合計値に対し実験値の係数を乗じることにより、チョッピングパルスCPのデューティー比を決定する。
尚、印加周期Fが875μsecの場合には、CPU61は、以上(1)〜(5)の方法により決定された数値を、図5に示すテーブルデータ201により読み取ることができる。上述したように、ROM64には、図5に示すテーブルデータ201以外にも、印加周期毎に作成された複数のテーブルデータが記憶されている。従って、CPU61は、印加周期Fの値に応じたデータテーブルに基づいて、このS116での決定処理を行う。その後は、CPU61はS117に進む。
S117では、CPU61は、メインパルスMPの印加を開始する。すなわち、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、上記S115で転送されたメインパルスデータをラッチさせ、主加熱対象の発熱素子41AにメインパルスMPを印加させて第1発熱素子41Cの駆動状態にする。その後、CPU61は、S118に進む。
S118では、CPU61は、上記S116で決定された事項に基づいて、メインパルスMPの印加を操作する。すなわち、メインパルスMPを構成する矩形パルスRPとチョッピングパルスCPについて、上記S116で決定された事項となるように制御する。その後は、CPU61はS119に進む。
S119では、CPU61は、メインパルスMPの印加終了時間か否かを判断する。この判断は、タイマ67等を使用して行われる。すなわち、メインパルスMPの印加が終了される「主加熱終了時点me」か否かが判断される。ここで、メインパルスMPの印加終了時間でない場合には(S119:NO)、CPU61はS120に進む。
S120では、CPU61は、この時点での転送対象であるサブパルスデータをヘッド駆動回路68に対して1回に限り転送する。このとき、CPU61は、上記S116で決定された事項に基づいて、サブパルスSPの印加パルス幅WSも調整する。その後は、CPU61はS119に戻る。一方、そのS119において、メインパルスMPの印加終了時間である場合には(S119:YES)、CPU61はS121に進む。
S121では、CPU61は、メインパルスMPの印加を終了する。つまり、CPU61は、ヘッド駆動回路68に対して、主加熱対象の発熱素子41Aに対するメインパルスMPの印加を終了させる。その後、CPU61はS122に進む。
S122では、CPU61は、印字が終了したか否かを判断する。ここで、印字が終了しない場合には(S122:NO)、CPU61は、S112に戻って、S112以降の処理を繰り返す。一方、印字が終了した場合には(S122:YES)、CPU61は、このプログラムを終了させる。
[5−1.まとめ]
すなわち、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、インクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期Fの直後においてインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される次の印加周期Fが続く場合にのみ、次の印加周期F内で印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させている(図11,図12の下段参照)。従って、一つの発熱素子41Aに対して印加されるメインパルスMPとサブパルスSPの双方が一つの印加周期内Fに一緒に存在することはないので(上記(D)の決まり参照)、一定時間である印加周期Fの短縮が可能となる。
すなわち、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41A毎に、インクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させない現在の印加周期Fの直後においてインクリボン33上のインクを溶融或いは昇華させるための主加熱となるメインパルスMPが印加される次の印加周期Fが続く場合にのみ、次の印加周期F内で印加されるメインパルスMPを補うためのサブパルスSPを現在の印加周期内Fで印加させている(図11,図12の下段参照)。従って、一つの発熱素子41Aに対して印加されるメインパルスMPとサブパルスSPの双方が一つの印加周期内Fに一緒に存在することはないので(上記(D)の決まり参照)、一定時間である印加周期Fの短縮が可能となる。
さらに、一定時間である印加周期Fが短縮され、メインパルスMP又はサブパルスSPが印加されても、メインパルスMP及びサブパルスSPが印加されていない非加熱時間Gを十分に確保することができるので(図12乃至図15参照)、印字が連続しても、印字品質に悪影響を与えるような蓄熱を防止できる。このようにして、サーマルヘッド41に対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われることにより、高速印字が可能となる。さらに、各印加周期F内での各パルス印加のタイミングを変更させるだけで(図1乃至図4参照)、サーマルヘッド41に対して新たな通電補正がなされた熱履歴制御が行われ、サーマルヘッド41の改良が伴わないことから、コスト上昇を招くことはない。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、上記(A)〜(G)の決まり(補助加熱条件)に基づき、現在の印加周期F内で印加させたサブパルスSPに連続させてそのサブパルスSPに対応するメインパルスMPを次の印加周期F内で印加させているので(図12乃至図15の下段参照,図1乃至図4参照)、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。さらに、サブパルスSPによる補助加熱をメインパルスMPによる主加熱に対して効率よく補うことができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、CPU61によって「サーマルヘッド印字列データ」が作成される際に(S11,S41,S81,S111)、メインパルスMPの印加開始時点(ms)から独立させてサブパルスSPの印加開始時点(ss)を設定することができるので、サーマルヘッド41Aの熱履歴制御における新たな通電補正に対する制約が少なくなり、具体的に適用する際の自由度が増す。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。この点、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスSPの印加パルス幅WMより第2発熱素子41Eに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを短くすれば、一つの印加周期F内でメインパルスMPからの印加エネルギーをより多く確保できるようになるため(図12乃至図15参照)、印字品質に悪影響を与えることなく、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。しかしながら、図13に示すように、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの一部(図13の上段)と第2発熱素子41Eに対して印加されるサブパルスSPの一部(図13の下段)を一つの印加周期F内で重ねることができ、メインパルスMPの印加パルス幅WMとサブパルスSPの印加パルス幅WSとが重なる重複時間帯MSを存在させることができるので、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの印加パルス幅WM又は第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを、サーミスタ73によるサーマルヘッド41の検出温度Zに基づいて決定された「温度情報」に基づいて変化させているので(S16,S18,S46,S48,S86,S88,S116,S117)、サーマルヘッド41の熱履歴制御における新たな通電補正に対して検出温度に基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aの中で、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41Cの総数nに応じて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの印加パルス幅WM又は第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを変化させているが(S17,S18,S47,S48,S87,S88,S116,S117)、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41Cの総数nは温度情報源となることから、サーマルヘッド41の熱履歴制御における新たな通電補正に対して温度情報源に基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。しかしながら、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aを選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間Zと比べて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの終了時点(me)と第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)との間である時間差が短いときは、図2に示すサーマルヘッド41の第2駆動制御によって、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)に第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)を一致させることで、一つの印加周期F内における印加パターンデータ(メインパルスデータとサブパルスデータの「ORデータ」)の転送を1回分省略させることができるので、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。しかしながら、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aを選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間Zと比べて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの終了時点(me)と第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)との間である時間差が短いときは、図3に示すサーマルヘッド41の第3駆動制御によって、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)を第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)に一致させることで、一つの印加周期F内における印加パターンデータ(メインパルスデータとサブパルスデータの「ORデータ」)の転送を1回分省略させることができるので、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
[5−2.まとめ]
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、図4に示すサーマルヘッド41の第4駆動制御によって、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを、サーマルヘッド41の検出温度Zや1ライン分の発熱ドット総数nなどの環境データに基づいて変化させているので、サーマルヘッド41の熱履歴制御における新たな通電補正に対して検出環境データに基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、図4に示すサーマルヘッド41の第4駆動制御によって、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを、サーマルヘッド41の検出温度Zや1ライン分の発熱ドット総数nなどの環境データに基づいて変化させているので、サーマルヘッド41の熱履歴制御における新たな通電補正に対して検出環境データに基づいたフィードバック制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
尚、環境データは、サーマルヘッド41に対する印加電圧であってもよい。
さらに、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、図4に示すサーマルヘッド41の第4駆動制御によって、第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの印加パルス幅WSを、サーマルヘッド41の検出温度Zや1ライン分の発熱ドット総数nなどの環境データに基づいて変化させたことに応じて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPを構成する矩形パルスRPとチョッピングパルスCPの各印加パルス幅WR,WCの比を変化させるので(S116,図5,図15参照)、サーマルヘッド41の熱履歴制御における新たな通電補正に対してチョッパー駆動制御を適合させることが可能となり、印字品質の向上を図ることができる。
[6−1.その他]
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。しかしながら、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aを選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間Zと比べて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの終了時点meと第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点ssとの間である時間差が短いか否かに関係なく、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)に第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)を一致させたり、逆に、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)を第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)に一致させたりすれば、一つの印加周期F内における印加パターンデータ(メインパルスデータとサブパルスデータの「ORデータ」)の転送を1回分省略させることができるので(図2,図3参照)、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する複数の発熱素子41Aにおいて、メインパルスMPが印加される第1発熱素子41CとサブパルスSPが印加される第2発熱素子41Dとが一つの印加周期F内(図12乃至図15参照)、すなわち、図11に示す各1ラインの印字処理Q(N),Q(N+1),…で現れる。しかしながら、サーマルヘッド41のラインヘッド41Bを構成する各発熱素子41Aを選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間Zと比べて、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスMPの終了時点meと第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点ssとの間である時間差が短いか否かに関係なく、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)に第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)を一致させたり、逆に、第1発熱素子41Cに対して印加されるメインパルスの終了時点(me)を第2発熱素子41Dに対して印加されるサブパルスSPの開始時点(ss)に一致させたりすれば、一つの印加周期F内における印加パターンデータ(メインパルスデータとサブパルスデータの「ORデータ」)の転送を1回分省略させることができるので(図2,図3参照)、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することが可能となり、一層の高速印字を図ることができる。
[6−2.その他]
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、図12の下段とは異なって、現在の印加周期F内で印加させたサブパルスSPに連続させることなくそのサブパルスSPに対応するメインパルスMPを次の印加周期F内で印加させても、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することは可能であるから、一層の高速印字を図ることができる。
また、本実施形態に係るテープ印刷装置1では、図12の下段とは異なって、現在の印加周期F内で印加させたサブパルスSPに連続させることなくそのサブパルスSPに対応するメインパルスMPを次の印加周期F内で印加させても、一定時間である印加周期Fをさらに短縮することは可能であるから、一層の高速印字を図ることができる。
[6−3.その他]
また、本実施形態では、「印字装置」としてテープ印刷装置1が説明されていたが、サーマルヘッド41を搭載する種々のサーマルプリンターであっても、本発明を適用することができる。そして、例えば、印字媒体が感熱紙であるサーマルプリンターの場合には、主加熱とは、印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることであり、補助加熱とは、単独では印字媒体である感熱紙を発色させられないが主加熱と相俟って印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることである。
また、本実施形態では、「印字装置」としてテープ印刷装置1が説明されていたが、サーマルヘッド41を搭載する種々のサーマルプリンターであっても、本発明を適用することができる。そして、例えば、印字媒体が感熱紙であるサーマルプリンターの場合には、主加熱とは、印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることであり、補助加熱とは、単独では印字媒体である感熱紙を発色させられないが主加熱と相俟って印字媒体である感熱紙を発色させることができるエネルギーを与えることである。
1 テープ印刷装置
2 テープ搬送モータ
31 表層テープ
41 サーマルヘッド
41A 発熱素子
41B ラインヘッド
41C 第1発熱素子
41D 第2発熱素子
60 制御部
68 ヘッド駆動回路
70 搬送モータ駆動回路
73 サーミスタ
CP チョッピングパルス
D1 サーマルヘッドの主走査方向
D2 サーマルヘッドの副走査方向
F 印加周期
L データ転送時間
MP メインパルス
MS 重複時間帯
RP 矩形パルス
SP サブパルス
WC チョッピングパルスの印加パルス幅
WS サブパルスの印加パルス幅
WM メインパルスの印加パルス幅
WR 矩形パルスの印加パルス幅
Z サーマルヘッドの検出温度
n 第1発熱素子の総数
ms0 現在の主加熱開始時点
ms1 次の主加熱開始時点
ss0 現在の補助加熱開始時点
se0 現在の補助加熱終了時点
2 テープ搬送モータ
31 表層テープ
41 サーマルヘッド
41A 発熱素子
41B ラインヘッド
41C 第1発熱素子
41D 第2発熱素子
60 制御部
68 ヘッド駆動回路
70 搬送モータ駆動回路
73 サーミスタ
CP チョッピングパルス
D1 サーマルヘッドの主走査方向
D2 サーマルヘッドの副走査方向
F 印加周期
L データ転送時間
MP メインパルス
MS 重複時間帯
RP 矩形パルス
SP サブパルス
WC チョッピングパルスの印加パルス幅
WS サブパルスの印加パルス幅
WM メインパルスの印加パルス幅
WR 矩形パルスの印加パルス幅
Z サーマルヘッドの検出温度
n 第1発熱素子の総数
ms0 現在の主加熱開始時点
ms1 次の主加熱開始時点
ss0 現在の補助加熱開始時点
se0 現在の補助加熱終了時点
Claims (10)
- 複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、
各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、
前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)の制約、
(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、
の下で実行することを特徴とする印字装置。 - 請求項1に記載する印字装置であって、
前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)の制約に加えて以下(2)の制約、
(2)現在の印加周期内でサブパルスの印加が終了する補助加熱終了時点と次の印加周期内でメインパルスの印加が開始する主加熱開始時点とを一致させること、
の下で実行することを特徴とする印字装置。 - 請求項1又は請求項2に記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる各印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が開始される主加熱開始時点と、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるサブパルスの印加が開始される補助加熱開始時点とを独立に制御すること、を特徴とする印字装置。 - 複数の発熱素子が直線的に並んだラインヘッドを設けたサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドのラインヘッドとは直交関係にある副走査方向に印字媒体を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置と前記サーマルヘッドとを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、連続的に繰り返される印加周期毎に、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理を行うことにより、前記サーマルヘッドの副走査方向に前記搬送装置で搬送させている印字媒体に印字ドットを形成して印字を行う印字装置であって、
各印加周期は、前記サーマルヘッドの副走査方向に連続した印字ドットを印字媒体に形成させるために、印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスの印加が前記サーマルヘッドのラインヘッドで開始される主加熱開始時点から次の主加熱開始時点までの一定時間とされ、
前記制御装置は、単独印加では印字媒体を発色させられないが次の印加周期内で印加されるメインパルスによる主加熱を補うことによって印字媒体を発色させられる補助加熱となるサブパルスの印加を、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子毎に以下(1)(2’)の制約、
(1)印字媒体を発色させない現在の印加周期の直後において印字媒体を発色させるための主加熱となるメインパルスが印加される次の印加周期が続く場合にのみ、印字媒体を発色させない現在の印加周期内でサブパルスを印加すること、
(2’)印字媒体に同一の印字ドットを形成させるためのサブパルスとメインパルスとを同一の印加周期内に存在させないこと、
の下で実行することを特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅に比べて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を短くすること、を特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅に対して、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅が重なる時間帯を設けること、を特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記サーマルヘッド又は当該印字装置内の温度を検出する検出装置を備え、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記検出装置の検出温度に基づいて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を変化させること、を特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内にて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子の総数に応じて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して印加されるメインパルスの印加パルス幅又は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して印加されるサブパルスの印加パルス幅を変化させること、を特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内で、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間と比べて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が終了する主加熱終了時点と前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるメインパルスの印加が開始する補助加熱開始時点との間である時間差が短いときは、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が終了する主加熱終了時点に前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるメインパルスの印加が開始する補助加熱開始時点を一致させることを特徴とする印字装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一つに記載する印字装置であって、
前記制御装置は、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるための印加処理が行われる印加周期内で、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子を選択的に発熱させるために必要な印加パターンデータの転送時間と比べて、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が終了する主加熱終了時点と前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるメインパルスの印加が開始する補助加熱開始時点との間である時間差が短いときは、前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で主加熱が行われる第1発熱素子に対して主加熱となるメインパルスの印加が終了する主加熱終了時点を前記サーマルヘッドのラインヘッドを構成する各発熱素子の中で補助加熱が行われる第2発熱素子に対して補助加熱となるメインパルスの印加が開始する補助加熱開始時点に一致させることを特徴とする印字装置。
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