JP2011143795A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐摩耗性、及び耐ハイドロプレーニング性の低下を抑制しつつ、操縦安定性をさらに向上できる空気入りタイヤの提供を目的とする。
【解決手段】トレッド面視において、タイヤ赤道線を基準として左右非対称のトレッドパターンを有し、トレッド踏面において、タイヤ周方向に延在する周方向溝と、タイヤ幅方向に延在する幅方向溝と、周方向溝と幅方向溝とによって区画される陸部を有する空気入りタイヤであって、外側ショルダ陸部のタイヤ幅方向の幅は、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅の25〜40%であり、幅方向溝は、外側ショルダ陸部より内側ショルダ陸部に多く設けられており、外側ショルダ陸部と隣接する外側周方向溝の溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度がそれぞれ違う第1溝壁と、第2溝壁と、第3溝壁とによって形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】トレッド面視において、タイヤ赤道線を基準として左右非対称のトレッドパターンを有し、トレッド踏面において、タイヤ周方向に延在する周方向溝と、タイヤ幅方向に延在する幅方向溝と、周方向溝と幅方向溝とによって区画される陸部を有する空気入りタイヤであって、外側ショルダ陸部のタイヤ幅方向の幅は、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅の25〜40%であり、幅方向溝は、外側ショルダ陸部より内側ショルダ陸部に多く設けられており、外側ショルダ陸部と隣接する外側周方向溝の溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度がそれぞれ違う第1溝壁と、第2溝壁と、第3溝壁とによって形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、トレッド面視において、左右非対称のトレッドパターンを有する空気入りタイヤに関するものであり、タイヤ周方向に延在する周方向溝と、タイヤ幅方向に延在する幅方向溝とが構成されていることにより、耐摩耗性、及び耐ハイドロプレーニング性の低下を抑制しつつ、操縦安定性にも優れた空気入りタイヤに関する。
従来から、耐ハイドロプレーニング性と、操縦安定性との両立等を図ることを目的として、タイヤ装着時において、車両本体側である車両装着内側と、車両本体とは反対側である車両装着外側とに形成されている幅方向溝の配置が相互に異なっている空気入りタイヤが知られている。このような、トレッド面視において、左右非対称のトレッドパターンを有する空気入りタイヤは、特許文献1に開示されている。
この空気入りタイヤは、トレッド踏面に、タイヤ周方向に連続して延びる複数本の周方向溝と、タイヤ幅方向に延びる複数本の幅方向溝とを有しており、タイヤ赤道線より車両装着内側に形成される幅方向溝と、タイヤ赤道線より車両装着外側に形成される幅方向溝の構成が異なっている。具体的には、車両装着内側のショルダ陸部に形成されるブロック個数を50〜90個とし、車両装着外側のショルダ陸部に形成されるブロック個数を40〜70個とし、かつ、それらのブロック個数の比を1.1〜1.5の範囲としている。つまり、車両装着内側のショルダ陸部には幅方向溝を多く形成することにより排水性を高め、一方、車両装着外側のショルダ陸部には、ブロック部を多く形成し、陸部の剛性を上げることにより、タイヤと路面との摩擦力を高めている。その結果、耐ハイドロプレーニング性と、操縦安定性の両立を図っている。
本発明は、このような従来技術の改良に関するものであり、とくに、操縦安定性は、車両の安全性を高める上で重要な要素である点に鑑み、耐摩耗性、及び耐ハイドロプレーニング性の低下を抑制しつつ、操縦安定性をさらに向上できる空気入りタイヤの提供を目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。
まず、本発明の第1の特徴は、トレッド面視において、タイヤ赤道線(タイヤ赤道線CL)を基準として左右非対称のトレッドパターンを有し、トレッド踏面において、タイヤ周方向に延在する周方向溝(周方向溝10)と、タイヤ幅方向に延在する幅方向溝(幅方向溝50)と、周方向溝と幅方向溝とによって区画される陸部(陸部20)とを有する空気入りタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、陸部は、タイヤが車両に装着された姿勢において、車両本体側である車両装着内側に形成される内側ショルダ陸部(内側ショルダ陸部21)と、車両本体とは反対側である車両装着外側に形成される外側ショルダ陸部(外側ショルダ陸部22)と、内側ショルダ陸部と外側ショルダ陸部との間に設けられる中央陸部(中央陸部23)とからなり、幅方向溝は、外側ショルダ陸部より、内側ショルダ陸部に多く設けられており、外側ショルダ陸部のタイヤ幅方向の幅(外側ショルダ陸部幅WS)は、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅(接地面幅WT)の25〜40%であり、外側ショルダ陸部と隣接する外側周方向溝(外側周方向溝12)の溝壁(溝壁40)は、車両装着外側に形成される第1溝壁(第1溝壁41)と、車両装着内側に形成される第2溝壁(第2溝壁42)と、第2溝壁と隣接する中央陸部のエッジ部が面取りされることにより形成された第3溝壁(第3溝壁43)とによって形成され、第1溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第1角度θ1)が30度から45度の範囲内で形成されており、第2溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第2角度θ2)が30度以下となるように形成されており、第3溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第3角度θ3)が35度以上となるように形成されていることを要旨とする。
かかる特徴によれば、路面と接するタイヤ接地面の陸部面積は、内側ショルダ陸部より外側ショルダ陸部22において多く形成されている。
さらに、外側ショルダ陸部22より内側ショルダ陸部において、幅方向溝が多く形成されている。
従って、外側ショルダ陸部22においては、車両走行時(特にコーナーリング時)のタイヤ接地面と、路面との摩擦力があがることによって、操縦安定性が向上し、一方、内側ショルダ陸部においては、排水性が向上することによって、耐ハイドロプレーニング性の低下が抑制される。
さらに、外側周方向溝の溝壁においては、第1溝壁の第1角度θ1が30度より大きく形成されている。従って、外側ショルダ陸部22の剛性を高くすることができる。その結果、耐摩耗性の低下を抑制する。さらに、外側ショルダ陸部22におけるタイヤ接地面と路面との摩擦力が上がるため、操縦安定性が向上する。
また、第2溝壁の第2角度θ2が30度以下になるように形成されている。従って、タイヤ接地面における中央陸部23の面積が小さくなりすぎない。その結果、中央陸部23におけるタイヤ接地面と路面との摩擦力が上がり、操縦安定性が向上する。
また、第3溝壁の第3角度θ3が35度以上となるように形成されている。従って、中央陸部23の剛性を高くすることができる。その結果、耐摩耗性の低下を抑制する。さらに、中央陸部23におけるタイヤ接地面と路面との摩擦力が上がるため、操縦安定性が向上する。
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に掛かり、トレッド踏面に形成されている前記周方向溝は、3本以下であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または2の特徴に掛かり、外側ショルダ陸部、及び内側ショルダ陸部には、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝が形成されており、幅方向溝は、少なくとも一方の端部が陸部内で終端していることを要旨とする。
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至3のいずれか一つの特徴に掛かり、外側ショルダ陸部には、外側周方向溝から、車両装着外側へ向かって延在する第1幅方向溝(幅方向溝51)と、接地端(接地端TE)側から、車両装着内側へ向かって延在する第2幅方向溝(幅方向溝52)とが形成されており、第1幅方向溝が、第2幅方向溝より多く形成されていることを要旨とする。
本発明の特徴によれば、耐摩耗性、及び耐ハイドロプレーニング性の低下を抑制しつつ、操縦安定性をさらに向上できる空気入りタイヤを提供することができる。
次に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。具体的には、(1)空気入りタイヤの構成、(2)幅方向溝の構成、(3)周方向溝の構成、(4)外側周方向溝の構成、(5)作用・効果、(6)比較評価、(7)その他の実施形態、について説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(1)空気入りタイヤの構成
まず、本実施形態に係る空気入りタイヤの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤを構成するトレッドパターンを示す展開図である。
まず、本実施形態に係る空気入りタイヤの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤを構成するトレッドパターンを示す展開図である。
なお、本実施形態に係る空気入りタイヤは、ビード部やカーカス層、ベルト層(不図示)を備える一般的なラジアルタイヤである。
図1に示すように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド面視において、タイヤ赤道線CLを基準として左右非対称のトレッドパターンを有している。
空気入りタイヤ1は、トレッド踏面において、タイヤ周方向に延在する3本の周方向溝10と、タイヤ幅方向に延在する複数の幅方向溝50と、周方向溝10によって区画される4つの陸部20を有している。
本実施形態では、トレッド踏面において、車両装着内側から、内側ショルダ陸部21、内側周方向溝11、第1中央陸部23A、中央周方向溝13、第2中央陸部23B、外側周方向溝12、外側ショルダ陸部22という並びで構成されている。
また、空気入りタイヤ1は、外側ショルダ陸部22のタイヤ幅方向の幅である外側ショルダ陸部幅WSは、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅である接地面幅WTの25〜40%となるように形成されている。
(2)幅方向溝の構成
次に、本実施形態に係る幅方向溝50の構成について、図1を参照しながら説明する。
次に、本実施形態に係る幅方向溝50の構成について、図1を参照しながら説明する。
空気入りタイヤ1に設けられる幅方向溝50は、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向外側面上において、タイヤ幅方向に延在している。
幅方向溝50は、内側ショルダ陸部21に設けられている幅方向溝53と、第1中央陸部23Aに設けられている幅方向溝54と、第2中央陸部23Bに設けられている幅方向溝55と、外側ショルダ陸部22に設けられている前述した幅方向溝51,幅方向溝52とからなる。
空気入りタイヤ1においては、外側ショルダ陸部22に設けられている幅方向溝51と幅方向溝52との合計本数より、内側ショルダ陸部に設けられている幅方向溝53の本数が多くなるように形成されている。
また、幅方向溝51と、幅方向溝52とは、少なくとも一方の端部が外側ショルダ陸部22内で終端するように形成されている。
また、幅方向溝53は、少なくとも一方の端部が内側ショルダ陸部内で終端するように形成されている。
また、外側ショルダ陸部22において、幅方向溝51は、幅方向溝52より多く形成されている。
なお、幅方向溝54は、内側周方向溝11と中央周方向溝13とに亘って連通し、幅方向溝55は、中央周方向溝13と外側周方向溝12とに亘って連通している。
(3)周方向溝の構成
次に、本実施形態に係る周方向溝10の構成について説明する。
次に、本実施形態に係る周方向溝10の構成について説明する。
図1に示すように、周方向溝10は、空気入りタイヤ1のタイヤ径方向外側面上において、タイヤ周方向に一直線状に伸びるストレート溝である。
空気入りタイヤ1に設けられる周方向溝10は、トレッド踏面よりタイヤ径方向内側に位置する溝底30と、溝底30のタイヤ幅方向両側端部からタイヤ径方向外側へ向かって延在する溝壁40とによって形成されている(不図示)。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1には、車両装着内側から内側周方向溝11、中央周方向溝13、外側周方向溝12という並びで、3本の周方向溝10が設けられている。
(4)外側周方向溝の構成
次に、本実施形態に係る外側周方向溝12の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る外側周方向溝12の幅方向断面図である。
次に、本実施形態に係る外側周方向溝12の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る外側周方向溝12の幅方向断面図である。
外側周方向溝12の溝壁40は、車両装着外側に形成される第1溝壁41と、車両装着内側に形成される第2溝壁42と、第2溝壁42と隣接する第2中央陸部23Bのエッジ部が面取りされることにより形成された第3溝壁43とによって形成されている。
第1溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第1角度θ1)が30度から45度の範囲内で形成されており、第2溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第2角度θ2)が30度以下となるように形成されており、第3溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度(第3角度θ3)が35度以上となるように形成されている。
(5)作用・効果
本実施形態では、空気入りタイヤ1は、外側ショルダ陸部22のタイヤ幅方向の幅である外側ショルダ陸部幅WSは、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅である接地面幅WTの25〜40%となるように形成されている。
本実施形態では、空気入りタイヤ1は、外側ショルダ陸部22のタイヤ幅方向の幅である外側ショルダ陸部幅WSは、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅である接地面幅WTの25〜40%となるように形成されている。
外側ショルダ陸部幅WSが、接地面幅WTの25%よりも小さい場合、外側周方向溝12は、外側ショルダ陸部22における接地端TE寄りに形成されることになる。その場合、外側ショルダ陸部22の面積が少なくなり、タイヤ接地面と路面との摩擦力が弱くなる。その結果、操縦安定性を向上させることができない。
一方、外側ショルダ陸部幅WSが、接地面幅WTの40%よりも大きい場合、外側ショルダ陸部22の面積が大きくなりすぎ、外側周方向溝12は、タイヤ赤道線CL寄りに形成されることになる。その結果、車両装着外側において排水性が弱くなり、耐ハイドロプレーニング性が低下する。
本実施形態では、外側ショルダ陸部22に設けられている幅方向溝51と幅方向溝52との合計本数より、内側ショルダ陸部に設けられている幅方向溝53の本数が多くなるように形成されている。
従って、路面と接するタイヤ接地面の陸部面積は、内側ショルダ陸部21より外側ショルダ陸部22において多くなる。そのため、外側ショルダ陸部22において、車両走行時の、タイヤ接地面と路面との摩擦力を上げることができる。その結果、操縦安定性を向上させることができる。
なお、幅方向溝51と幅方向溝52との合計本数が、内側ショルダ陸部に設けられている幅方向溝53の本数と同数、または多く形成されている場合、外側ショルダ陸部22におけるタイヤ接地面と路面との陸部面積が小さくなる。その結果、タイヤ接地面と路面との摩擦力が弱くなり、操縦安定性を向上させることができない。
さらに、本実施形態では、外側周方向溝12の溝壁40は、それぞれ角度の異なる第1溝壁41と、第2溝壁42と、第3溝壁43とによって形成されている。
第1溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす第1角度θ1が30度から45度の範囲内で形成されている。
第1角度θ1が30度より小さい場合、外側ショルダ陸部22の剛性が弱くなり、耐摩耗性が低下する。さらに、剛性低下により、タイヤ接地面と路面との摩擦力を上げることができないため、操縦安定性を向上させることができない。なお、第1角度θ1が45度よりも大きい場合、タイヤ幅方向において、外側周方向溝12の溝幅(以下、溝幅WGとする)が大きくなる。そのため、路面と接するタイヤ接地面における外側ショルダ陸部22の面積が小さくなる。その結果、タイヤ接地面と路面との摩擦力を上げることができず操縦安定性が低下する。一方、タイヤ接地面における外側ショルダ陸部22の面積を大きくしようとすれば、溝幅WGを小さくする必要がある。その場合、外側周方向溝12自体の体積が減少する。その結果、排水性が悪くなり、耐ハイドロプレーニング性が低下する。
第2溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす第2角度θ2が30度以下になるように形成されている。
第2角度θ2が30度より大きい場合、溝幅WGが、タイヤ幅方向に大きくなる。その場合、路面と接するタイヤ接地面における第2中央陸部23Bの面積が小さくなる。その結果、タイヤ接地面と路面との摩擦力を上げることができず操縦安定性が低下する。一方、タイヤ接地面における第2中央陸部23Bの面積を大きくしようとすれば、溝幅WGを小さくする必要がある。その場合、外側周方向溝12自体の体積が減少する。その結果、排水性が悪くなり、耐ハイドロプレーニング性が低下する。
第3溝壁は、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす第3角度θ3が35度以上となるように形成されている。
第3角度θ3が、35度より小さい場合、第2中央陸部23Bの剛性が弱くなり、耐摩耗性が低下する。さらに、タイヤ接地面と路面との陸部面積が小さくなる。その結果、タイヤ接地面と路面との摩擦力が弱くなり、操縦安定性を向上させることができない。
本実施形態では、トレッド踏面に形成される前記周方向溝10は、3本以下となるよう構成されている。
トレッド踏面において、周方向溝10が4本以上構成されていると、路面と接するタイヤ接地面での陸部剛性が弱くなり、耐摩耗性が低下する。さらに、タイヤ接地面と路面との陸部面積が小さくなり、路面との摩擦力を上げることができないため、操縦安定性を向上させることができない。
さらに、本実施形態では、幅方向溝53は、少なくとも一方の端部が、内側ショルダ陸部21内で終端するように形成され、幅方向溝51と幅方向溝52とは、少なくとも一方の端部が、外側ショルダ陸部22内で終端するように形成されている。
従って、内側ショルダ陸部21、及び外側ショルダ陸部22がブロック形状ではなく、リブ形状となるため、内側ショルダ陸部21、及び外側ショルダ陸部22の剛性を高い状態で維持することができる。その結果、耐摩耗性の低下を抑制することができる。また、路面と接するタイヤ接地面における内側ショルダ陸部21、及び外側ショルダ陸部22の面積が大きくなり、タイヤ接地面と路面との摩擦力を上げることができる。その結果、操縦安定性を向上させることができる。
本実施形態では、外側ショルダ陸部22において、幅方向溝51は、幅方向溝52より多く形成されている。
幅方向溝52が幅方向溝51より多い場合、外側ショルダ陸部22における接地端TE近傍での外側ショルダ陸部22の面積が少なくなり、(特に、コーナーリング時)タイヤ接地面と路面との摩擦力が弱くなる。その結果、操縦安定性を向上させることができない。
(6)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った試験評価について説明する。具体的には、(6.1)評価方法、(6.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った試験評価について説明する。具体的には、(6.1)評価方法、(6.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(6.1)評価方法
19種類の空気入りタイヤを用いて、操縦安定性、耐摩耗性、耐ハイドロプレーニング性について評価を行った。
19種類の空気入りタイヤを用いて、操縦安定性、耐摩耗性、耐ハイドロプレーニング性について評価を行った。
操縦安定性の評価についてはCP測定方法を使用し、耐摩耗性の評価についてはドラム試験機を使用し、耐ハイドロプレーニング性についてはドライバーのフィーリングにて評価をした。
また、空気入りタイヤに関するデータは、以下に示す条件において測定された。
・ タイヤサイズ :285/35R20
・ リム・ホイールサイズ :10JJX20
・ 内圧 :200kpa
・ タイヤの種類 :ノーマルタイヤ(スタッドレスタイヤ以外のタイヤ)
・ 車種 :国産車セダン
・ 荷重条件(操縦安定性,耐摩耗性) :4.6kN
・ 荷重条件(耐ハイドロプレーニング性) :ドライバーの体重のみ
・ 水深 :10mm
なお、評価結果については、操縦安定性、耐摩耗性については、比較例1の空気入りタイヤを基準(基準値100)として、指数化して表示している。耐ハイドロプレーニング性については全てのタイヤを10段階にて評価した。また、本評価に使用した空気入りタイヤはすべて、外側周方向溝の幅が10mmである。
・ リム・ホイールサイズ :10JJX20
・ 内圧 :200kpa
・ タイヤの種類 :ノーマルタイヤ(スタッドレスタイヤ以外のタイヤ)
・ 車種 :国産車セダン
・ 荷重条件(操縦安定性,耐摩耗性) :4.6kN
・ 荷重条件(耐ハイドロプレーニング性) :ドライバーの体重のみ
・ 水深 :10mm
なお、評価結果については、操縦安定性、耐摩耗性については、比較例1の空気入りタイヤを基準(基準値100)として、指数化して表示している。耐ハイドロプレーニング性については全てのタイヤを10段階にて評価した。また、本評価に使用した空気入りタイヤはすべて、外側周方向溝の幅が10mmである。
この結果、実施例1〜8に係る空気入りタイヤ1は、比較例1〜11に係る空気入りタイヤと比べて、耐摩耗性、及び耐ハイドロプレーニング性の低下を抑制しつつ、優れた操縦安定性を備えることが分かる。
(7)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。
タイヤ幅方向断面図において、外側周方向溝12の、溝底30と溝壁40とは、滑らかな曲線状に繋がっていても良い。第1溝壁41と、第2溝壁42と、第3溝壁43と、外側周方向溝12におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度が規定できる構成であれば、溝底30と、溝壁40との接点における形状については適宜変更できる。
また、トレッド踏面において、中央陸部23には、幅方向溝50が形成されていなくともよい。本願発明の主旨を逸脱するものでなければ周方向溝,幅方向溝の構成(本数や形状など)については、実施形態で説明したものに限定されず、目的に応じて適宜選択できる。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…空気入りタイヤ、10…周方向溝、11…内側周方向溝、12…外側周方向溝、13…中央周方向溝、20…陸部、21…内側ショルダ陸部、22…外側ショルダ陸部、23,23A,23B…中央陸部、30…溝底、40…溝壁、41…第1溝壁、42…第2溝壁、43…第3溝壁、50…幅方向溝、51…第1幅方向溝、52…第3幅方向溝、CL…タイヤ赤道線、TE…接地端、WG…周方向溝幅、WS…外側ショルダ陸部幅、WS…トレッド接地面幅、θ1,θ2,θ3…角度
Claims (4)
- トレッド面視において、タイヤ赤道線を基準として左右非対称のトレッドパターンを有し、
トレッド踏面において、タイヤ周方向に延在する周方向溝と、タイヤ幅方向に延在する幅方向溝と、前記周方向溝と前期幅方向溝とによって区画される陸部とを有する空気入りタイヤであって、
前記陸部は、タイヤが車両に装着された姿勢において、車両本体側である車両装着内側に形成される内側ショルダ陸部と、車両本体とは反対側である車両装着外側に形成される外側ショルダ陸部と、前期内側ショルダ陸部と前期外側ショルダ陸部との間に設けられる中央陸部とからなり、
前記外側ショルダ陸部のタイヤ幅方向の幅は、タイヤ接地面のタイヤ幅方向の幅の25〜40%であり、
前期幅方向溝は、前記外側ショルダ陸部より、前記内側ショルダ陸部に多く設けられており、
前記外側ショルダ陸部と隣接する外側周方向溝における溝壁は、車両装着外側に形成される第1溝壁と、車両装着内側に形成される第2溝壁と、前記第2溝壁と隣接する中央陸部のエッジ部が面取りされることにより形成された第3溝壁とによって形成され、
前記第1溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度が30度から45度の範囲内で形成されており、
前記第2溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度が30度以下となるように形成されており、
前記第3溝壁は、外側周方向溝におけるタイヤ径方向の法線とのなす角度が35度以上となるように形成されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - トレッド踏面に形成されている前記周方向溝は、3本以下であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記外側ショルダ陸部、及び前記内側ショルダ陸部には、タイヤ幅方向に延びる複数の幅方向溝が形成されており、前記幅方向溝は、少なくとも一方の端部が陸部内で終端していることを特徴とする請求項1または2に記載されている空気入りタイヤ。
- 前記外側ショルダ陸部には、前記外側周方向溝から、車両装着外側へ向かって延在する第1幅方向溝と、接地端側から、車両装着内側へ向かって延在する第2幅方向溝とが形成されており、
前記第1幅方向溝が、前記第2幅方向溝より多く形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載されている空気入りタイヤ。
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